JP3776119B2 - 昇降装置 - Google Patents

Description

発明の背景
１．発明の分野
本発明は、第一部材を第二部材に対して、持ち上げるための装置に関し、特に、ローラ装置を昇降させるための装置に関する。
２．従来例の説明
種々の設備と一緒に用いられ、当該設備を地面に接地して転動させるローラ装置は、公知である。このような装置には、単数若しくは複数のローラ又はキャスターが装備され、複数の場合は、一本の取付バーに沿って装備され、ローラ又はキャスターが、接地位置と非接地位置間を昇降できるようになっている。ローラは、支持されている装置がその脚部を床に付けて転動できない上昇位置と、脚部が床から持ち上げられてローラが設備を支持する下降位置との間を移動する。
従来のローラ装置であると、作業者は、屈んでステージの下へ手を伸ばし、地面に近いハンドルを押したり引き寄せたりすることによって、ローラを作動させたり昇降させなければならなかった。操作を容易にするための試みとして、オペレータがそれ程屈まなくても良いように、ハンドルを幾らか上方に延ばしたものも提案されているが、依然として、ステージ等の下で、その支持構造に届かすことや、ハンドルを手で操作することが要求されて、ローラ装置の強度を大きくすることが必要であった。このような欠点は、作業者に負担を与えることとなり、不都合や困難性が生じていた。
従来のローラ装置の一例が、グッドに付与された米国特許第２，９９３，７４０号に示されている。ポータブルなスタンドにキャスターを設け、ハンドル（３４）でキャスターを作動できる構成となっている。しかし、このハンドルは手動式であるため、作業者が屈んでリンクを操作しなければならなかった。その上、リンクが中間で枢着されているので、キャスターの直線運動ではなく、脚部を中心とした回転運動をすることとなる。シンプキンズに付与された米国特許第２，８４３，３９２号には、後退可能なキャスターが示されている。ペダル（２４）を押し下げて、スタンドを持ち上げるが、シンプキンズの文献では、バネアクションを伴う複雑なリンクが必要となる。そのキャスターは、単数の作動バーに沿って設けられておらず、運動制限手段や第二操作足ペダルを設けていない。
以上のことから、操作する上で、屈まなくても良いローラ装置であれば、その実用性が増大することが判る。又、そのような機構が、手ではなく、足で操作できれば、操作がより簡単になることも判る。本発明は、このような上昇可能なローラ組立体と関連する上記問題点やその他の問題点に注目するものである。
発明の要点
本発明は、ステージのような移動性の設備と共に使用され、上昇位置と下降位置との間を移動できるローラを有するローラ組立体のリフト機構に関する。このリフト機構は、ローラ組立体を上下に移動させて、設備の支持脚を地面から上昇させることができ、ステージを転動させることができる。
ローラ組立体は、移動性の設備のフレーム部材に枢着されている。ローラ組立体とフレームは、フレームをローラ組立体の周りに回動させる複数のリンクによって連結されている。足で操作されるペダルによって、リンクを上下に回動させて、対応するフレームを昇降させるので、機械的見地から見て、便利である。フレームを上下に回動させるには、第一ペダルを用い、フレームの移動を制限するストッパー部材を係脱させるには、第二ペダルを用いる。ストッパーは、選択的に係合可能で、係合すると、ステージが地面から持ち上がり、係合を解除すると、ステージが下降する。本発明の好適実施例においては、両ペダルは、床の近くに置かれ、一本の足で同時に操作することができる。
本発明を特徴づける新規な上記及びその他の利点や特徴は、本願の一部を構成する添付の特許請求の範囲の中で特に指摘しているが、本発明の利点及びその用途から得られる目的をより理解するために、本願の一部を構成する図面及び本発明の好適実施例を説明する詳細な説明に注目することにする。
【図面の簡単な説明】
図面において、対応する部材には、同一の文字と符号を用いる。
図１は、本発明の原理によるローラ組立体とリフト機構とを有する移動式の折畳みステージの斜視図である。
図２は、図１のステージのリフト機構の参考例を示す側面図であって、ステージが上昇位置にあることを示す。
図３は、図２のリフト機構の側面図であって、操作ペダルを押し下げて、端部の枢軸リンクをストッパー部材から持ち上げた状態を示す。
図４は、図２のリフト機構の側面図であって、操作ペダルを押し下げ、ストッパー解除ペダルを押し下げ、且つ、ストッパーを後退させた状態を示す。
図５は、図２のリフト機構の側面図であって、ステージを最上昇位置と最下降位置との間の中間位置にある状態を示す。
図６は、図２のリフト機構の側面図であって、ステージの最下降位置状態を示す。
図７は、図２のリフト機構の平面図である。
図８は、リフト機構の実施例を示す側面図であって、ステージの最上昇位置状態を示す。
図９は、図８のリフト機構の側面図であって、操作ペダルを押し下げ、保持フックの係合を解除した状態を示す。
図１０は、図８のリフト機構の側面図であって、操作ペダルを押し下げ、解除ペダルを押し下げた状態を示す。
図１１は、図８のリフト機構の側面図であって、ステージの最下降位置状態を示す。
好適実施例の詳細な説明
図面において、対応する構造物には、同一の符号を付してある。図１において、移動式のステージを符号２０で示す。この図ではステージを示したが、各種テーブルや野外スタンドのような、他の大きな移動式構造物にも本発明が適用できることは言うまでもない。ステージ２０は、フレーム２２に取り付けられるステージパネル２４を有する。フレーム２２は、各コーナーに支持脚２６を有する。２対の支持脚２６の夫々の間には、フレーム桟部材２８が延在している。移動できるように、ステージ２０には一対のローラ組立体４０が設けられている。ローラ組立体４０は、ローラ若しくはキャスター４２を取り付けた取付バー４４を有する。取付バー４４は、フレーム桟部材２８に対面して、後述する枢軸リンク５２に枢着されている。
ローラ組立体４０は、上昇位置と下降位置間を調整可能であり、上昇位置にある時は、支持脚２６が床に接地してステージ２０を支持し、ステージ２０がしっかりとセットされて移動できない状態になっている。ローラ組立体４０が下降位置にある時は、支持脚２６は床から持ち上がり、ステージ２０はローラ４２に支持されて、自由に移動できることとなる。
ローラ組立体４０の昇降を容易にするため、図２に示す如きリフト機構５０を利用する。このリフト機構５０は、参考例として示されたもので、ローラ組立体取付バー４４をフレーム桟部材２８に連結する枢軸リンク５２を有する。枢軸リンク５２の夫々は、図７にも示される如く、ローラ取付バー４４とフレーム桟部材２８のいずれかの側面に延在する外部側面部材６６を有する。該側面部材６６は、上部連結部材６８と下部連結部材７０によって連結されている。上部連結部材６８は、フレーム桟部材２８に溶接等で接続され、下部連結部材７０は、ローラ取付バー４４に接続されている。中央部材７２は、ローラ取付バー４４とフレーム桟部材２８の途中で、上下の連結部材６８・７０間に延在する。操作ペダル８０は、支持脚２６を越えて外側に延在し、下部連結部材７０に連結されている。更に、リフト機構５０は、バネハウジング５６の内部にバネ５４を有する。バネ５４は、ストッパー６４から解除ペダル６０へ延びるロッド５８と連結している。解除ペダル６０は、枢軸点６２でロッド５８に枢着されている。解除ペダル６０は、ローラ取付バー４４から延びる横断部材７６を押圧してロッド５８を前後に移動させる。ロッド５８の端部には、リフト機構５０の枢軸リンク５２の昇降を許容乃至阻止するための摺動ストッパー６４が設けられている。ハウジング５６の頂部には、移動範囲の終端で、枢軸リンク５２の連結部材６８と係合するストッパー７４が設けられている。
図２に示される位置で、支持脚２６が地面から持ち上がるように、ステージ２０が上昇する。この位置で、ステージ２０はローラ４２に支持され、容易に移動可能となる。同位置で、ブロック６４が、端部にある枢軸リンク５２の上部連結部材６８を支持する。これにより、フレーム桟部材２８は下降できず、支持脚２６を床から持ち上げた状態に維持する。ステージ２０を下降させるには、操作ペダル８０を少し押し下げれば良い。この作動により、端部のリンク５２を上方へ回動させ、上部連結部材６８をストッパー６４から浮かせて、バネハウジング５６の頂部にある上部ストッパー７４に係合させる。比較的短い枢軸リンク５２を持ち上げることは、機械的に非常に有利であることから、操作ペダル８０を押し下げるのに殆ど努力を要しないことが判る。ステージ２０を下降させた地点で、解除足ペダル６０が押し下げられ、ストッパー６４を上部連結部材６８の移動軌跡から外れるように摺動させる。ステージ２０の重量によって、フレーム桟部材２８が下方に追いやられ、上部連結部材６８は、ストッパー６４の頂部から離れて下方向へ移動する。上部連結部材６８が一旦ストッパー６４をクリアーすると、解除足ペダル６０を解除でき、図５に示される如く、バネ５４により付勢されてストッパー６４は摺動して元位置に復帰する。支持脚２６が、図６に示される如く地面と接地するまで、ステージ２０の重量が働いて、フレームを下方向に追いやる。
ステージ２０が移動できるように、支持脚２６を地面から離して持ち上げるためには、図４に示される如く、操作ペダル８０を図６の上昇位置から押し下げ位置へ押し下げる必要がある。更に、図４にも示す如く、ストッパー６４が後退するように、解除ペダル６０を押し下げる必要がある。これにより、上部連結部材６８は、ストッパー６４の頂部をクリアーすることができる。上部連結部材６８がストッパー６４の頂部の上方向に位置する図４に示される移動地点で、解除ペダル６０を解除することができる。バネ５４は、図３に示される如く、ストッパー６４を上部連結部材６８の移動軌跡に付勢する。この地点で、操作ペダル８０を解除でき、ステージ２０の重量によって、枢軸リンク６４を下方に追いやり支持脚２６を上昇させて、上部連結部材６８をストッパー６４の頂部に留まるようにする。
図７に最も明らかに示されている如く、解除ペダル６０と操作ペダル８０とは、同じ足で押し下げることができるほど非常に近接しているので、昇降動作を片足で行なうことができる。
図８乃至図１１には、符号１００で示されるリフト機構の実施例が示されている。このリフト機構１００は、フレーム桟部材２８をローラ取付バー４４に連結する枢軸リンク１０２を有する。各枢軸リンク１０２は、フレーム桟部材２８に接続される上部連結部材１１６と、ローラ取付バー４４に接続される下部連結部材１１８とを有する。中央リンク１２０は、上下連結部材１１６・１１８を接続し、ローラ取付バー４４とフレーム桟部材２８の中間に延びている。止めピン１２２が中央部材１２０に設けられ、操作ペダル１２４は枢軸リンク１０２に連結して、枢軸リンク１０２を前後に回動させて、ステージ２０を昇降させる。
更に、リフト機構１００は、リンク１０６によって枢軸リンク１０２に連結される解除足ペダル１０４を有する。このリンク１０６は、連結部材１１２に枢着される端部フック部材１０８を有する。上記連結部材１１２は、枢軸リンク１０２の上部連結部材１１６の周りを回動する。フック部材１０８は、ローラ取付バー４４の端部と係合し、丸まった端部１２６の周囲で止められる。
図８において、リフト機構１００は、ステージ２０が床から持ち上げられるように、係合した状態を示している。この位置で、リンク１０６のフック部材１０８は、ローラ取付バー４４の丸まった端部１２６と係合し、その結果、ステージ２０又は機構１００の枢軸リンク１０２を中心とする下方向の移動が阻止される。
支持脚２６が地面に接地するようにステージ２０を下降させるためには、図９に示す如く、操作ペダル１２４を若干押し下げる必要がある。この押し下げにより、枢軸リンク１０２は上方向に回動する。この動きにより、リンク１０６も移動して、フック部材１０８は端部１２６から離れる方向へ押される。この地点で、解除ペダル１０４を押し下げると、フック部材１０８は持ち上げられて、図１０に示される如く、丸い端部１２６を越えることになる。ステージ２０の重量は、当然、枢軸リンク１０２を押し下げ、フック部材１０８を丸い端部１２６へ引き寄せるように作用する。この地点で、操作ペダル１２４を徐々に持ち上げることによって、ステージ２０が下降することが判る。それと同時に、フック部材１０８が丸い端部１２６の上方になっているように、解除ペダル１０４を押し下げる必要がある。フック部材１０８が一旦ローラ取付バー４４の頂部に押圧されて、端部１２６を過ぎてしまうと、解除ペダル１０４を解除しても良く、ステージ２０の移動を操作ペダル１２４で制御することができる。ステージ２０の重量により、枢軸リンク１０２は押し下げられ、操作ペダル１２４を図１１に示す位置に押し上げる。図１０に示す如く、操作ペダルの下方向の移動は、フレーム桟部材２８に係合しているピン１２２により制限されて、操作ペダル１２４が床方向に移動することができなくなる。
ステージ２０が固定位置にあるときは、リフト機構は、図１１に示される位置にある。支持脚２６を上昇させるために、操作ペダル１２４を押し下げる。この動作により、リンク１０２は上方向に回動し、フレーム桟部材２８が上昇し、図９に示される如く、ステージ２０全体を上昇させる。このペダルは、フック部材１０８が下方に延びて端部１２６の周囲に届くように、十分に深く押し下げなければならない。フック部材１０８が一旦端部１２６の下方向の地点まで下降したら、操作ペダル１２４を開放しても良い。そうすると、ステージの重量によって、リンク１０２が下方向に回動して、リンク１０６が支持脚２６から離れる方向へ引っ張られる。この引っ張りによって、フック部材１０８は端部１２６の周囲に引っ張られる。フック部材１０８は、フレーム桟部材２８がそれ以上下方向に移動することを阻止し、支持脚２６を床から持ち上げた状態に維持する。この地点で、ステージはローラ４２に支持されて、方向の如何を問わず自由に移動することができる。
本発明の特徴や利点を、発明の構造や機能の詳細と共に、種々これまでに述べてきたが、これらは、単なる説明であって、詳細においては、特に、部品の形状・大きさ及び配置に関しては、以後の特許請求の範囲で表現されているように、広く一般的な意味によって示される十分な範囲まで、本発明の原則の範囲内で変更が可能であることを付記する。

Claims (2)

1. ローラ（４２）が取り付けられた第二部材（４４）に対して、支持脚（２６）の間に延在して昇降調整可能な第一部材（２８）を有する昇降装置（１００）であって、
   第一・第二部材を連結する複数の枢軸リンク（１０２）を備え、各枢軸リンクは、第二部材（４４）を枢軸リンク（１０２）へ枢着させる下部連結部材（１１８）と、第一部材（２８）を枢軸リンク（１０２）へ枢着させる上部連結部材（１１６）とを有して、該各枢軸リンク（１０２）は、第一位置と第二位置間を回動することにより、第一部材（２８）を上昇位置と下降位置間を移動させる構造となっており、
   端部にある枢軸リンク（１０２）に取り付けられて上記下部連結部材（１１８）を中心として作動する操作ペダル（１２４）を備え、
   押し下げ位置と押し上げ位置間を移動可能で、フック部材（１０８）を持ち上げる解除ペダル（１０４）を備え、
   上記フック部材（１０８）は、第一部材（２８）の上昇位置で、第二部材（４４）の一端に係合し、且つ、端部にある枢軸リンク（１０２）の上部連結部材（１１６）に連結部材（１１２）を介して連結するリンク（１０６）を備え、上記連結部材（１１２）は、枢軸リンク（１０２）の上部連結部材（１１６）の周りを回動し、
   上記操作ペダル（１２４）を押し下げると、フック部材（１０８）は、第二部材（４４）の一端から滑って係合を解除し、この位置で、解除ペダル（１０４）を押し下げると、フック部材を第二部材（４４）の上方へ持ち上げ、且つ、操作ペダル（１２４）が開放されて、第一部材（２８）が下降することを特徴とする昇降装置。
2. 枢軸リンク（１０２）がその第一位置にある時は、フック部材（１０８）が第二部材（４４）の一端に係合して、第一部材（２８）を上昇位置に保持し、枢軸リンク（１０２）がその第二位置にある時は、フック部材（１０８）が第二部材（４４）の一端から滑って係合を解除し、第一部材（２８）を下降位置に移動させる構造となっており、
   解除ペダル（１０４）を押し下げると、フック部材（１０８）が上方へ持ち上げられて、操作ペダル（１２４）が開放されることにより、枢軸リンク（１０２）がその第二位置方向に回動して、第一部材（２８）を下降させることを特徴とする請求項１記載の昇降装置。

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