JP3771624B2 - 座席シ−トの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として車両に使用される座席シ−トの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に用いられる座席シ−トは、通常は軟質或いは半硬質ウレタンフォ−ムにて製造され、着座時の快適性を向上させるために着座部や背もたれ部において着座者がシ−トパッドから受ける圧力を和らげたり、車両からの振動入力を低減させること等が要求され、このためシ−トパッドの硬さや振動吸収性を最適化する必要があった。一方、シ−トパッド全体としては着座者の支持、衝撃の吸収等も重要である。
【0003】
このような要求を解決するものとして、着座部や背もたれ部におけるパッド表層部を柔らかくし、その下側の部分を比較的剛性の高い素材で構成した層状異硬度パッドが提案されている。
具体的方法の一つとしては、表層部として好適な高度を有するウレタンフォ−ムブロックより所定の大きさに切り出されたパッド表層部を予めシ−トパッドモ−ルド面にセットし、次いでシ−トパッド基部となるウレタンフォ−ムの原液を充填して一体発泡する方法がある。しかるに、この方法では注入されたウレタンフォ−ムの原液がパッド表層部の側面部や表面側に廻り込んでしまい、両者の境界部にウレタンフォ−ム原液の含浸層が形成され異物感のあるものとなるという不具合が生じていた。
尚、この他の方法としては、シ−トパッドモ−ルド内に硬さの異なる性状を有する2種類以上のウレタンフォ−ムの原液を同時に或いは時間差をおいて注入してシ−トパッドを得る方法がある。
【0004】
異硬度パッドを得る他の方法として、座席シ−トの着座部、腿下部、サイド土手部、背もたれ部等に相当する部分の一部又は全部のパッド表層部と、その下側部のシ−トパッド基部とを夫々別々に形成し、これを後加工によって一体として座席シ−トを完成させる方法も採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
後者の場合、各パッド部が夫々予定する機能を発揮すれば座席シ−トとして最適化が図られることとなるが、実際の成形法からみると尚解決しなくてはならない点もある。即ち、各パッドの一体化に当たって通常は糊等を用いた接着法によっているため、糊等の接着剤を必要とする他に、後貼工程による工数の増加等によってコストの上昇等は避けられない。又、糊等の接着によるため本来予定していたパッドの機能は減殺されることともなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した後加工による座席シ−トにおける欠点を解決しようとするものであり、その要旨は、ウレタンフォームシードパッドにおける異材料が必要な個所のパッド表層部と、このパッド表層部に該当する部位に凹部を形成したシートパッド基部を夫々別々に形成し、前記シートパッド基部の凹部と前記パッド表層部との対向部位に夫々スリットを形成し、前記スリットに断面H型を有する合成樹脂製長尺体で構成された係止部材を、折り曲げにより断面を一直線状として前記シートパッド基部及び前記パッド表層部の双方を貫通するように挿入し、挿入後に元のH型に復元させて前記シートパッド基部と前記パッド表層部とを係止させたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明にあって、座席シ−トの基体を構成するシ−トパッド基部及びパッド表層部を構成する材料はウレタンフォ−ムや不織布等が用いられるが、中でもウレタンフォ−ムが最適であり、シ−トパッド基部はパッド表層部を除いてモ−ルド成形によって得られるものである。又、パッド表層部もウレタンフォ−ム材料であるのが最も好ましく、これもモ−ルド成形によって得られるが、場合によってはウレタンフォ−ムブロック体より切り出されるものであってもよい。
【0008】
そしてシ−トパッド基部に形成された凹部とパッド表層部とはこれが嵌め込まれた際に両者の嵌合面が嵌め込まれた状態を維持するように係止されるものであって、座席シ−トとして使用中にこれらの係止が解かれることはない。
【0009】
そしてシ−トパッド基部に形成された凹部とパッド表層部との係止部の形態としては、凹部が表面側が狭い開口部となっており、パッド部材はこの凹部と略同一の形状を有するものであり、具体的には、凹部の表面側の開口部に向けて逆テ−パ−面を形成したものである。更に凹部の側面部に突起又は溝を形成し、パッド部材の側面部には前記突起又は溝に嵌め合わされる溝又は突起を形成する例もある。
【0010】
そしてシ−トパッド基部に形成された凹部とパッド表層部にあって、係止部の形態としてはシ−トパッド基部とパッド表層部の発泡成形の際、その嵌合面に夫々が拘束しあう係止部材を接着させることも好ましく、例えば、係止部材が圧着ファスナ−が考えられる。ウレタンフォ−ムの発泡成型の際、極めて接着力が大きくなるものであり、これを利用して係止部材を一体化させるものである。
【0011】
更に係止部の具体例としては、シ−トパッド基部の凹部とパッド表層部との対向部位に夫々スリットを形成し、ここに係止部材を挿入して両者を嵌合一体化するものがあり、かかるスリット部に断面H型を有する合成樹脂製長尺体を押し込んでなるものである。
【0012】
上記したように本発明はいわゆる後工程よるシ−トの完成であるが、糊等の接着剤は特には必要とせず、そのコストアップはそれ程大きくはなく、逆に完成度の高い座席シ−トが確実に得られることになる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の座席シ−トのシ−トパッドについて図面をもって更に詳細に説明する。
図1はシ−トパッドの第1例を示す主要部の断面図であり、図2はその部分斜視図である。図中、符号1はシ−トパッド基部であり、この例ではその着座部に凹部2を形成したものである。そして凹部2の側面の表層側にその開口部をせばめるように突条部3を形成したものである。
一方、パッド表層部11の周囲にもこの突条部3に対向して切欠条部12を形成したものであり、この状態で両者を嵌合することによってパッド表層部11とシ−トパッド基部1とが一体となりシ−トパッドが完成する。
【0014】
図3はシ−トパッドの第2例であり、シ−トパッド基部1の凹部2の側面に突起部4を形成したものであり、一方、パッド表層部11の側面にはこの突起部4に対向して溝部13が形成されて、係合の際には突起部4と溝部13とが係合して係止機能をもたらすものである。
【0015】
図4はシ−トパッドの第3例であり、シ−トパッド基部1の凹部2の側面に窪部5が形成され、一方、パッド表層部11の側面にはこの窪部5に対向して突起部14が形成され、これらが同様に係止して係止機能をもたらすものである。
【0016】
図5はシ−トパッドの第4例であり、シ−トパッド基部1の凹部2の側面が逆テ−パ−6をなしており、一方、パッド表層材11の側面はこの逆テ−パ−6に対向して順テ−パ−15面としたものであり、この両者のテ−パ−面6、15が係止して嵌合が完成する。
【0017】
以上の各例にあっては、シ−トパッド基部1とパッド表層部11に直接形成された係止部材で係止されて嵌合が完成する例であるが、場合によってはスポット的に接着剤を使用してもよいことは勿論である。
【0018】
図6はシ−トパッドの第5例を示すものであり、圧着テ−プを係止部材として用いた例である。即ち、圧着テ−プの一方21を凹部2の表面に、そして圧着テ−プの他方22をパッド表層部11の面に備えたものである。これらは夫々の部位に接着されることによって固定されるが、好ましくは、シ−トパッド基部1及びパッド表層部11がモ−ルド内にて原液より発泡成形されると同時に一体に接着されるのがよく、このため、モ−ルド内の所定の位置にこれらの圧着テ−プ21、22を予めセットしておき、ここにウレタンフォ−ムの原液を充填することによって一体化されるのがよい。
【0019】
図7はシ−トパッドの第6例を示すものであり、シ−トパッド基部1の凹部2及びパッド表層部11の凹部2に対応する部位にスリット7、16を夫々形成するものである。そして、このスリット7、16を合致させた後に柔軟性のある合成樹脂製クリップ31をここに押し込むものである。このクリップ31は図8に示すように断面がH型の長尺体であり、フランジ部32、32の一方を折り曲げて一直線状となし、この状態にてスリット7、16内に押し込み、フランジ部32、32を元の形状(H型)に復元することによってシ−トパッド基部1とパッド表層部11が係止されることになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によって座席シ−トの表層異硬度化が自由に採用できることとなったものであり、従来の後加工の際の接着剤等が不要のため、加工費用及び作業工数が大幅に削減されることとなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシ−トパッドの第1例を示す主要部の断面図である。
【図2】図2は図1のシ−トパッドの部分斜視図である。
【図3】図3はシ−トパッドの第2例を示す断面斜視図である。
【図4】図4はシ−トパッドの第3例を示す断面斜視図である。
【図5】図5はシ−トパッドの第4例を示す断面斜視図である。
【図6】図6はシ−トパッドの第5例を示す断面斜視図である。
【図7】図7はシ−トパッドの第6例を示す断面斜視図である。
【図8】図8は図7のシ−トパッドに適用するクリップの斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥シ−トパッド基部、
2‥‥シ−トパッド基部に形成した凹部、
3‥‥凹部に形成した突条部、
4‥‥凹部に形成した突起部、
5‥‥凹部に形成した窪部、
6‥‥凹部の側面の逆テ−パ−、
7‥‥凹部に形成したスリット、
11‥‥パッド表層部、
12‥‥パッド表層部に形成した切欠条部、
13‥‥パッド表層部に形成した溝部、
14‥‥パッド表層部に形成した突起部、
15‥‥パッド表層部のテ−パ−、
16‥‥パッド表層部のスリット、
21、22‥‥圧着テ−プ、
31‥‥合成樹脂製クリップ、
32‥‥合成樹脂製クリップのフランジ部。
Claims (2)
- ウレタンフォームシードパッドにおける異材料が必要な個所のパッド表層部と、このパッド表層部に該当する部位に凹部を形成したシートパッド基部を夫々別々に形成し、
前記シートパッド基部の凹部と前記パッド表層部との対向部位に夫々スリットを形成し、
前記スリットに断面H型を有する合成樹脂製長尺体で構成された係止部材を、折り曲げにより断面を一直線状として前記シートパッド基部及び前記パッド表層部の双方を貫通するように挿入し、挿入後に元のH型に復元させて前記シートパッド基部と前記パッド表層部とを係止させたこと、を特徴とする座席シ−トの構造。 - 前記係止部材のフランジ部は、前記挿入される側の一方が挿入方向前側に折り曲げられ、他方が挿入方向後ろ側に折り曲げられること、を特徴とする請求項1に記載の座席シートの構造。
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