JP2863473B2 - 自動車座席用クッション体およびその製造方法 - Google Patents

自動車座席用クッション体およびその製造方法

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JP2863473B2
JP2863473B2 JP7291842A JP29184295A JP2863473B2 JP 2863473 B2 JP2863473 B2 JP 2863473B2 JP 7291842 A JP7291842 A JP 7291842A JP 29184295 A JP29184295 A JP 29184295A JP 2863473 B2 JP2863473 B2 JP 2863473B2
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  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車座席用ク
ッション体およびその製造方法に関するもので、特に
は、表面にソフト部を有し、座部あるいは背もたれに適
用される自動車座席用クッション体およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車座席の座部あるいは背もたれとし
て、発泡体からなるクッション体を表皮で覆ったものが
用いられている。前記自動車座席用クッション体(座部
用と背もたれ用の両方を含む)には、乗り心地の向上を
図るため、表面の所定部をソフトにしたものがある。そ
のクッション体の一例を図9およびその10−10断面
図である図10、さらには11−11断面図である図1
1に示す。このクッション体90は背もたれ用のもの
で、略背もたれ形状をした本体部91と、その本体部9
1表面の乗員と接する部分に設けられたソフト部92と
よりなる。前記ソフト部92は本体部91を構成する発
泡体よりも柔らかい発泡体よりなり、乗員がもたれた際
の感触向上を図っている。またそのソフト部92両側の
クッション体両側部93,93は、ソフト部92より硬
い本体部91によってクッション体表面まで構成されて
いるため、乗員の姿勢保持性を高める働きをする。
【0003】従来、前記表面にソフト部を有する自動車
座席用クッション体として、次に示すものがある。第一
のものとして、あらかじめ別個に成形した本体部とソフ
ト部を接着剤を用いて一体としたものがある。第二のも
のとして、裁断等により所定形状にしたスラブポリウレ
タン発泡体からなるソフト部を発泡成形型内の発泡成形
空間に配置し、本体部用の発泡原料を前記発泡成形空間
に注入して発泡成形することにより、前記ソフト部と一
体となった本体部を成形したものがある。第三のものと
して、発泡成形型内の発泡成形空間にソフト部用の発泡
原料を注入し、次いで本体部用の発泡原料を前記ソフト
部用発泡原料の上に注入して、ソフト部と本体部を一体
に発泡成形したものがある。
【0004】しかし、前記した従来の自動車座席用クッ
ション体にあっては次の問題がある。第一のものは、ソ
フト部を本体部表面に接着する際にソフト部の位置ずれ
を生じ易く、クッション体の品質が一定しずらい問題が
ある。さらに、そのクッション体の製造に際しては、ソ
フト部の接着時にソフト部の位置決めに注意を払わねば
ならない問題がある。
【0005】第二のものは、発泡成形型内のソフト部上
に注入した本体部用の発泡原料がソフト部に含浸して硬
化し、その含浸硬化層が本体部とソフト部の境界部に形
成されるため、ソフト部本来のソフト感が損なわれ、所
期の乗り心地向上が得られない問題がある。さらに、発
泡成形型内の発泡成形空間にソフト部を配置する際、あ
るいは配置後にソフト部の位置がずれることがあり、ク
ッション体の品質が不良になったり一定しない問題があ
る。
【0006】また、第三のものは、ソフト部用の発泡原
料に続いて本体部用の発泡原料を発泡成形型内に注入す
るため、両発泡原料が発泡成形型内で混ざり易く、クッ
ション体の品質が一定しない問題がる。なお、前記発泡
成形型内でソフト部を発泡成形した後、本体部用発泡原
料をソフト部上に注入してソフト部と一体となった本体
部を発泡成形することも考えられるが、その場合には、
ソフト部用発泡原料の注入後にソフト部用の蓋型により
発泡成形型を一旦閉じ、ソフト部の発泡成形終了後にソ
フト部用の蓋型を開けて本体部用発泡原料を注入し、そ
の後本体部用の蓋型により発泡成形型を閉じなければな
らない。そのため、クッション体の製造作業が面倒にな
るのみならず発泡成形型の構造が複雑になるので、クッ
ション体の価格が高くなる問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、表面所定部が良好なソフト感を有
し、しかも安価で製造も容易な自動車座席用クッション
体とその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、発泡体か
らなる本体部の表面所定部に、該本体部よりも柔らかい
発泡体からなるソフト部を有する自動車座席用クッショ
ン体において、前記本体部の端に前記ソフト部が可撓性
部材で連結され、該可撓性部材が折り曲げられて前記本
体部表面にソフト部が重ねられていることを特徴とす
る。
【0009】第二の発明は、発泡成形型内の発泡成形空
間に発泡原料を注入して発泡させることにより、発泡体
からなる本体部の表面所定部に該本体部よりも柔らかい
発泡体からなるソフト部を有する自動車座席用クッショ
ン体を製造する方法において、前記発泡成形空間は、型
面に立設した隔壁により仕切られた本体部発泡成形空間
とソフト部発泡成形空間とを有し、前記隔壁に、前記本
体部発泡成形空間とソフト部発泡成形空間とに両端が張
り出すように可撓性部材を配置した後、前記本体部発泡
成形空間に所定硬さの発泡体となる本体部用発泡原料を
注入するとともに、前記ソフト部発泡成形空間には前記
本体部用発泡原料よりも柔らかい発泡体となるソフト部
用発泡原料を注入し、前記各発泡原料を発泡させて本体
部とソフト部が可撓性部材で連結された成形品を形成
し、その後前記成形品を脱型し、前記可撓性部材を折り
曲げてソフト部を本体部表面に重ねることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明の自動車座席用クッ
ション体の一例について展開状態を示す斜視図、図2は
同実施例においてソフト部を重ねた状態の自動車座席用
クッション体について図1の2−2と同一位置で切断し
た断面図、図3はこの発明の自動車座席用クッション体
の製造方法の一例について発泡原料注入時を示す発泡成
形型の断面図、図4は同実施例において発泡時を示す発
泡成形型の断面図、図5は図4の5−5断面図である。
また、図6はこの発明の製造方法の他の例を示す発泡成
形型の部分断面図、図7はそれにより得られたクッショ
ン体の展開状態を示す部分断面図、図8はソフト部重ね
合わせ後のクッション体の部分断面図である。
【0011】図1および図2に示す自動車座席用クッシ
ョン体10は、背もたれ用のもので、ファブリック等の
表皮(図示せず)で表面が覆われて自動車に取り付けら
れるものである。このクッション体10は、ポリウレタ
ン発泡体のような弾性のある発泡体からなる本体部11
の表面所定部にソフト部21が重ねられたものである。
【0012】本体部11は、このクッション体10の本
体をなすもので、略背もたれ形状からなり、乗員の背中
と接する中央部表面にクッション体10使用時における
上端から下端まで凹部12が形成されている。前記凹部
12はソフト部21が配置される部分で、そのソフト部
12の厚みと略等しい深さで形成されている。この実施
例の凹部12は中央部の突条13によって上側凹部12
aと下側凹部12bとに仕切られている。このように凹
部12を仕切ることにより、この凹部12に配置される
ソフト部21を上側ソフト部21aと下側ソフト部21
bとに分けることができるので、各ソフト部21a、2
1bの硬さを互いに異ならせて乗り心地をより向上させ
ることができるようになる。
【0013】ソフト部21は、このクッション体10の
表面所定部をソフトにするためのもので、前記本体部1
1を構成する発泡体よりも柔らかい発泡体で構成され、
前記本体部11の凹部12に嵌まる大きさからなる。こ
のソフト部21を本体部11よりも柔らかくする程度
は、本体部11の硬さや、自動車に求められ座席のクッ
ション性等により適宜決定される。
【0014】また、この実施例のソフト部21は、前記
のように本体部11の上側凹部12aに配置される上側
ソフト部21aと、前記下側凹部12bに配置される下
側ソフト部21bとよりなる。前記上側ソフト部21a
は、その端部で上側凹部12aの上端と可撓性部材31
で連結されていて、その可撓性部材31の折り曲げによ
り上側凹部12a表面に重ねられる。一方、前記下側ソ
フト部21bは、その端部で下側凹部12bの下端と可
撓性部材31で連結されていて、その可撓性部材31の
折り曲げにより下側凹部12b表面に重ねられる。その
際、上側ソフト部21aおよび下側ソフト部21bは、
前記可撓性部材31で本体部11の端と連結されている
ため、動きが制限され、本体部11の表面に対する位置
決めが容易となる。さらに、前記上側ソフト部21aと
下側ソフト部21bが本体部11の表面に形成された上
側凹部12aと下側凹部12bに嵌まるため、ソフト部
21の位置決めをより正確に行なうことができる。な
お、前記凹部12とソフト部21の重ね合わせ面には接
着剤を塗布して、前記ソフト部21と本体部11とを接
着してもよい。
【0015】可撓性部材31は、ヒンジの作用をするも
ので、不織布、織布、プラスチックシート、フィルム等
のようなシート状またフィルム状のものが用いられる。
この可撓性部材31は、後記するように本体部11およ
びソフト部21の発泡成形時に本体部11およびソフト
部21と一体にされる。なお、この実施例のように、前
記可撓性部材31は、前記ソフト部21および本体部1
1の端部付近にのみ設けて、ソフト部21と本体部11
の重ね合わせ面全体に設けないようにするのが、ソフト
部21のソフト感を損なわないため好ましい。
【0016】このようにしてソフト部21が本体部11
に重ねられたクッション体10は、乗員の背中と接触す
る表面中央部が表面の側部14,14より柔らかいソフ
ト部21で構成されるため、乗員にはソフトな感触を与
え、しかもソフト部21よりも硬い本体部11の側部1
4,14によって乗員の姿勢が保持されるため、乗り心
地が良好となる。なお、このクッション体10の表面
は、ファブリック等からなる表皮で覆われる。
【0017】次に、前記クッション体の製造方法の例に
ついて説明する。まず、用いる発泡成形型について説明
する。図3ないし図5に示す発泡成形型40は、下型5
1と上型61とよりなって、下型51の型面52と上型
61の型面62とで構成される発泡成形空間41を有す
る。
【0018】前記発泡成形空間41は、下型51の型面
52に所定間隔で立設された隔壁53,54によって中
央の本体部発泡成形空間42とその両端外側のソフト部
発泡成形空間43a,43bとに仕切られている。前記
本体部発泡成形空間42は前記クッション体10の本体
部11を発泡成形する部分であり、前記本体部11と等
しい形状からなる。それに対して前記ソフト部発泡成形
空間43a,43bは、一方の43aが前記クッション
体10の上側ソフト部21aを発泡成形するための上側
ソフト部発泡成形空間、他方の43bが前記下側ソフト
部21bを発泡成形するたの下側ソフト部発泡成形空間
であり、それぞれ前記上側ソフト部21aと下側ソフト
部21bと等しい形状からなる。なお、上型61の型面
62には、図4に示すように、本体部成形空間42を構
成する部分に前記クッション体本体部11の突条13形
成のための凹溝63が形成されている。また、図5に示
すように、上型61の中央部は、両側部の型面64,6
4が上方へ膨らんだ形状とされるとともに、その両側部
間の型面65が下型51に向けて凸形状とされ、それに
より前記クッション体本体部11の両側部14,14お
よび凹部12を形成するようになっている。
【0019】前記隔壁53,54の上端には可撓性部材
を係止するためのピン55が立設されている。なお、こ
のピン55と対向する上型61の型面62にはピン55
を挿入するための孔(図示せず)が形成されている。
【0020】そして、図3に示すように、前記発泡成形
型40を開けた状態で隔壁53,54のピン55に、前
記可撓性部材31を突き刺して保持する。その際、前記
可撓性部材31はその両端が隔壁53,54の両側、す
なわち、前記本体部発泡成形空間42と上側ソフト部発
泡成形空間43a、あるいは前記本体部発泡成形空間4
2と下側ソフト部発泡成形空間43bに張り出すように
される。
【0021】次いで、前記本体部発泡成形空間42には
本体部用発泡原料P1 、前記上側ソフト部発泡成形空間
43aには上側ソフト部用発泡原料P2 、前記下側ソフ
ト部発泡成形空間43bには下側ソフト部用発泡原料P
3 を注入する。各発泡原料は、ポリウレタン発泡原料の
ような公知の発泡原料からなる。また、前記上側ソフト
部用発泡原料P2 および下側ソフト部用発泡原料P
3 は、前記本体部用発泡原料P1 が形成する発泡体より
も柔らかい発泡体を形成するものとされる。なお、形成
される発泡体の硬さは、前記発泡原料の配合を変えるこ
とによりあるいは注入量を減らすこと等により容易に行
なうことができる。さらに、上側ソフト部用発泡原料P
2 と下側ソフト部用発泡原料P3 についても、形成され
る発泡体の硬さが互いに異なるようにしてもよい。
【0022】その後、図4に示すように、前記発泡成形
型40を閉じ、前記発泡原料P1 ,P2 ,P3 を発泡さ
せる。それによって、前記本体部発泡成形空間42では
本体部11、上側ソフト部発泡成形空間43aでは上側
ソフト部21a、そして、下側ソフト部発泡成形空間4
3bでは下側ソフト部21bが各々形成され、またそれ
らが前記可撓性部材31で連結された成形品となる。
【0023】前記発泡終了後発泡成形型40を開けて成
形品を脱型すれば、図1に示したようなソフト部21を
重ね合わせる前のクッション体10が得られる。その
後、前記可撓性部材31を折り曲げて、前記上側ソフト
部21aと下側ソフト部21bを本体部11の凹部12
の表面に重ねれば、所望の自動車座席用クッション体と
なる。その際、前記上側ソフト部21aと下側ソフト部
21bおよび本体部11の重ね合わせ面には接着剤を塗
布してもよい。
【0024】前記実施例においては、前記隔壁53,5
4が各々下型51の型面52からのみ立設された例を示
したが、前記隔壁53,54を各々上下に分割して下型
51の型面52と上型61の型面62の両方に設けて、
その上下の隔壁間で前記可撓性部材31を保持してもよ
い。
【0025】図6は前記隔壁を上型と下型に分割して設
ける例の発泡成形型の部分断面図、図7はその発泡成形
型を用いて製造されたクッション体の展開状態を示す部
分断面図、図8はソフト部を重ね合わせた後のクッショ
ン体の部分断面図である。
【0026】この実施例の製造方法において、発泡成形
型71は下型72の型面73と上型74の型面75の互
いに対向する位置に隔壁76,77を有し、その隔壁7
6,77間に前記可撓性部材31を保持する。符号78
は本体部発泡成形空間、79はソフト部発泡成形空間で
あり、またaは本体部発泡成形空間78における上型型
面75からの隔壁77の高さ、bはソフト部発泡成形空
間76における上型型面75からの隔壁77の高さであ
る。そして、前記と同様に発泡原料P1 ,P2 を発泡成
形型71内の本体部発泡成形空間78と、ソフト部発泡
成形空間79に注入してクッション体を発泡成形する。
【0027】図7に示すように、得られたクッション体
80は、本体部81とソフト部82を連結する前記可撓
性部材31が、前記本体部81とソフト部82の重ね合
わせ面81a,82aからa,bの位置で前記本体部8
1とソフト部82の端面に埋設されている。したがっ
て、前記可撓性部材31を折り曲げてソフト部82を本
体部81に重ねる際に、前記隔壁76,77によって挟
まれていた部分、すなわち本体部81とソフト部82間
で露出する可撓性部材31cが、図8に示すように本体
部81とソフト部82の端面と重なり、弛みが少なくな
る。そのため、前記ソフト部82を本体部81に重ねる
際にソフト部82の位置決めがより正確になるのみなら
ず、その後クッション体80に表皮を被せた際に前記可
撓性部材31の折り曲げ部における弛み部分による膨ら
みを生じず、外観が良好となる。
【0028】特に前記隔壁76,77の厚みc、すなわ
ち前記本体部81とソフト部82間で露出する可撓性部
材31cの長さを、前記aとbの和と等しくなるように
すれば、前記ソフト部82を本体部81に重ねた際に本
体部81とソフト部82間の可撓性部材31cに弛みを
無くせるため、ソフト部82の位置決めがさらに正確と
なるとともに、前記クッション体80に表皮を被せた際
の外観がより良好となる。
【0029】なお、前記実施例においては、本体部の表
面の一部にソフト部を設ける例を示したが、乗員と接触
する側の本体部表面全体に設けてもよい。さらに、前記
実施例では背もたれ用のクッション体について説明した
が、この発明は座部用のクッション体についても同様に
適用される。
【0030】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
自動車座席用クッション体によれば、可撓性部材によっ
て本体部に連結されたソフト部を本体部の表面に重ねた
ものであるため、ソフト部の位置決めが容易、かつ正確
であり、一定品質となり易い。また、ソフト部と本体部
の重ね部には、従来ソフト部の発泡成形時に生じていた
発泡原料の含浸硬化部がないため、ソフト部本来のソフ
ト感が損なわれず、良好な乗り心地が得られる。さら
に、前記ソフト部および本体部は、発泡成形型内に各々
の発泡原料を順に注入して一体に発泡成形されたもので
ないため、ソフト部と本体部の発泡原料が混ざりあって
発泡成形されることもなく、ソフト部が所期のソフト感
を発揮する。
【0031】一方、この発明の自動車座席用のクッショ
ン体の製造方法によれば、隔壁によって発泡成形空間を
本体部発泡成形空間とソフト部発泡成形空間に仕切った
発泡成形型を用い、前記本体部発泡成形空間には本体部
用発泡原料を注入し、ソフト部発泡成形空間にはソフト
部用発泡原料を注入してクッション体を成形するため、
本体部とソフト部が互いの発泡原料の混ざりなく発泡成
形されるので、所期のソフト感を発揮するクッション体
を一定品質で得ることができる。
【0032】また、この発明の自動車座席用のクッショ
ン体の製造方法によれば、前記本体部発泡成形空間とソ
フト部発泡成形空間とに両端が張り出すようにして隔壁
に配置した可撓性部材により、前記本体部とソフト部を
連結して形成し、そのクッション体を本体部に重ね合わ
せるため、ソフト部と本体部の重ね合わせ部には発泡原
料の含浸硬化部がなく、ソフト部のソフト感が損なわれ
ることがない。しかも、前記重ね合わせに際しては、可
撓性部材によってソフト部が本体部に連結されているた
め、ソフト部の動きが制限され、本体部表面の正しい位
置にソフト部を重ね易くなり、これによっても一定品質
のクッション体が得られる。さらに、発泡成形型の構造
も簡単で、製造作業も容易なため、安価なクッション体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車座席用クッション体の一例に
ついて展開状態を示す斜視図である。
【図2】同実施例において、ソフト部の重ね合わせ後の
自動車座席用クッション体について図1の2−2と同一
位置で切断した断面図である。
【図3】この発明の自動車座席用クッション体の製造方
法の一例について発泡原料注入時を示す発泡成形型の断
面図である。
【図4】同実施例について発泡時を示す発泡成形型の断
面図である。
【図5】図4の5−5断面図である。
【図6】この発明の製造方法の他の例を示す発泡成形型
の部分断面図である。
【図7】同実施例の製造方法により得られたクッション
体の展開状態を示す部分断面図である。
【図8】ソフト部重ね合わせ後のクッション体の部分断
面図である。
【図9】従来の背もたれ用クッション体の斜視図であ
る。
【図10】図9の10−10断面図である。
【図11】図9の11−11断面図である。
【符号の説明】
10 自動車座席用クッション体 11 本体部 21 ソフト部 31 可撓性部材 40 発泡成形型 41 発泡成形空間 42 本体部発泡成形空間 43 ソフト部発泡成形空間 51 下型 52 下型の型面 53 隔壁 54 隔壁 61 上型 62 上型の型面 P1 本体部用発泡原料 P2 上側ソフト部用発泡原料 P3 下側ソフト部用発泡原料
フロントページの続き (72)発明者 今井 景太 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会 社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (56)参考文献 特開 昭57−125026(JP,A) 実開 平1−89111(JP,U) 特表 昭61−500008(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60N 2/00 - 2/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体からなる本体部の表面所定部に、
    該本体部よりも柔らかい発泡体からなるソフト部を有す
    る自動車座席用クッション体において、 前記本体部の端に前記ソフト部が可撓性部材で連結さ
    れ、該可撓性部材が折り曲げられて前記本体部表面にソ
    フト部が重ねられていることを特徴とする自動車座席用
    クッション体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、本体部にはソフト部
    が重ねられる表面に凹部が形成されていることを特徴と
    する自動車座席用クッション体。
  3. 【請求項3】 発泡成形型内の発泡成形空間に発泡原料
    を注入して発泡させることにより、発泡体からなる本体
    部の表面所定部に該本体部よりも柔らかい発泡体からな
    るソフト部を有する自動車座席用クッション体を製造す
    る方法において、 前記発泡成形空間は、型面に立設した隔壁により仕切ら
    れた本体部発泡成形空間とソフト部発泡成形空間とを有
    し、 前記隔壁に、前記本体部発泡成形空間とソフト部発泡成
    形空間とに両端が張り出すように可撓性部材を配置した
    後、 前記本体部発泡成形空間に所定硬さの発泡体となる本体
    部用発泡原料を注入するとともに、前記ソフト部発泡成
    形空間には前記本体部用発泡原料よりも柔らかい発泡体
    となるソフト部用発泡原料を注入し、前記各発泡原料を
    発泡させて本体部とソフト部が可撓性部材で連結された
    成形品を形成し、 前記成形品を脱型し、前記可撓性部材を折り曲げてソフ
    ト部を本体部表面に重ねることを特徴とする自動車座席
    用クッション体の製造方法。
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