JP3766017B2 - 粉末含有エマルション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料等として有用な粉末含有エマルション及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、油相及びW/O型エマルション相が水相に分散され、かつ前記いずれかの相に疎水性粉末が分散された、化粧料等として有用な粉末含有エマルション及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、化粧料においては、皮膚に対してバリア効果及び水分保持効果を付与する目的で乳化化粧料は非常に有効であり、汎用されてきている。また、色調補正効果が目的である粉末を配合したメークアップ化粧料においても、塗布時の良好な使用感や保護効果を付与する目的で、より保湿効果の高い化粧料が求められてきており、その中でも乳化化粧料は非常に有効であり、O/W型及びW/O型の乳化系メークアップ化粧料が有る。
【0003】
しかしながら、O/W型メークアップ化粧料においては塗布後のべたつきや耐水性のない化粧膜となったり、また、W/O型メークアップ化粧料においては塗布時のべたつき、油っぽさ、延展性の重さ等の欠点を有する。
【0004】
一方、W/O/W型乳化化粧料は、特殊な乳化形態を有することから製造方法や配合成分に関して高度な技術を要するが、化粧料用として広く研究されている。
【0005】
このため、前記O/W型、W/O型エマルションの欠点をW/O/W型エマルションやO/W/O型エマルションで解消しようとしているが、安定性が悪い等のため解決できていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、使用性と経時安定性に優れ、なお且つ、独特の使用感をもつ、特にメークアップ化粧料として有用な粉末含有エマルション及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、O/W及びW/O/W型エマルションに疎水性粉末を配合し、さらに特定化合物を配合することにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、油相及びW/O型エマルション相が、それぞれ独立して、前記W/O型エマルションの内水相に対して外側に位置する外水相(本発明においては単に外水相ともいう。)に分散され、かつ前記いずれかの相に疎水性粉末が分散された、前記外水相を連続相とする粉末含有エマルションであって、該粉末含有エマルションに水溶性ポリマー及びサポニンが含有されてなる、前記粉末含有エマルションである。
【0009】
また、本発明は、W/O型エマルションと水溶性ポリマー含有水溶液とを混合してW/O/W型エマルションを、一方、水溶性ポリマー含有水溶液、サポニン及び油性成分を混合してO/W型エマルションを、前記エマルションのいずれかの相に疎水性粉末を配合して調製し、次いで、前記W/O/W型エマルションと前記O/W型エマルションとを混合することを特徴とする、油相及びW/O型エマルション相が、それぞれ独立して、外水相に分散され、前記油相のうち少なくとも一つの相に疎水性粉末が分散された、前記外水相を連続相とする粉末含有エマルションの製造方法である。
【0010】
前記疎水性粉末は、前記O/W型エマルションの油相に配合することが好ましい。
【0011】
本発明の粉末含有エマルション及びその製造方法において、疎水性粉末として疎水化処理無水ケイ酸を含むことが好ましい。
【0012】
また、本発明の粉末含有エマルションは化粧料であることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0014】
本発明は、油相及びW/O型エマルション相が、それぞれ独立して、外水相に分散され、かつ前記いずれかの相に疎水性粉末が分散された、前記外水相を連続相とする粉末含有エマルションであって、該粉末含有エマルションに水溶性ポリマー及びサポニンが含有されてなる、前記粉末含有エマルションである。
【0015】
本発明に用いられる水溶性ポリマーとしては、水に溶解若しくは膨潤(以下、総称して溶解という。)するポリマーであれば特に限定されない。水溶性ポリマーの例を挙げれば、例えばカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水化変性ポリアクリル酸ナトリウム、疎水化変性ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸系誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、疎水化変性ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系誘導体、キサンタンガム、トラガントガム、クインスシード、カルボキシメチルデンプン、ペクチン、カゼイン及びコラーゲン等である。これらの中で、特にポリアクリル酸系誘導体及び/又はセルロース系誘導体が安定性を良好に保持するという点において好ましい。なお、ポリアクリル酸系誘導体及び/又はセルロース系誘導体の配合は水溶性ポリマー中全量でも構わない。水溶性ポリマー全量中50〜100質量%配合されることが好ましい。水溶性ポリマーは、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
【0016】
本発明の水溶性ポリマーは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えばポリアクリル酸系誘導体として、カーボポール980、カーボポール981、カーボポールUltrez、カーボポールETD(以上、BFGood Rich社製)、ハイビスワコー103、ハイビスワコー104、ハイビスワコー105(以上、和光純薬工業株式会社製)、ルブラジェル(UnitedGuardian社製)、ヒスパゲル(Hispano Quimica社製)、アロンビス(日本純薬株式会社製)等が挙げられる。また、セルロース系誘導体としては、例えば、ダイセル SE−600、ダイセル SE−900、アーネストガム FDM(以上、ダイセル化学工業株式会社製)、NatrosolHydroxyethylcellulose、Aqualon Cellulose Gum(以上、Aqualon社製)、HPC−M、HPC−H(以上、日本曹達株式会社製)等が挙げられる。
【0017】
水溶性ポリマーの配合は、本発明に係る粉末含有エマルションの経時安定性を良好にし、また優れた使用性を発揮するのに寄与している。水溶性ポリマーは、前記粉末含有エマルションの水相に含有されるが、少なくとも前記外水相に溶解されて含有されることが好ましく、それによって前記効果を充分に発揮する。
【0018】
水溶性ポリマーの含有量は、粉末含有エマルション全量中0.01〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5質量%である。前記水溶性ポリマーの含有量が前記範囲内であると、良好な経時安定性と使用性に優れた前記エマルションが得られる。
【0019】
本発明に用いられるサポニンは、トリテルペン又はステロイドの配糖体である。前記ステロイドの配糖体としては、モノデスモシド、ビスデスモシド、動物性サポニンを含む。さらに、モノデスモシドとしては、中性配糖体、エステルサポニン、ウロン酸による酸性配糖体、アグリコンによる酸性配糖体、アグリコン及びウロン酸による酸性配糖体、アチルグリコーゼを含み、ビスデスモシドとしては、中性配糖体、酸性配糖体を含む。前記サポニンとして、具体的には、例えば、グリチルリチン酸及びその塩、β−グリチルレチン酸、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸2ナトリウム、ナデシコや延命皮等のサポニン含有量の高い生薬、キラヤサポニン等を挙げることができる。前記グリチルリチン酸塩としては、グリチルリチン酸モノナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸モノカリウム、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。本発明においては、前記サポニンの中で、特にグリチルリチン酸及びその塩が、機能を効果的に発揮することができる点において好適である。サポニンは、1種または2種以上が任意に選択されて配合することができる。
【0020】
サポニンの配合は、特に本発明に係る粉末含有エマルションの経時安定性を良好にするのに寄与している。サポニンは少なくとも水相と油相の界面に、特に前記外水相と前記油相との界面、及び前記外水相と前記W/O型エマルションの外油相との界面に含有され、前記効果を発揮するものと思われる。
【0021】
サポニンの含有量は粉末含有エマルション全量中0.001〜1.0質量%であることが好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。前記サポニンの含有量が前記範囲内であると、前記粉末含有エマルションの経時安定性が特に良好となる。
【0022】
本発明において含有される疎水性粉末としては、水とのなじみが悪い粉末であれば特に限定されないが、例えば、一般的に化粧料に用いられる親油性粉末、親水性粉末を疎水化処理した疎水化処理粉末等が挙げられる。親油性粉末としては、例えば、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、スチレン・アクリル酸共重合体粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、シリコーン粉末、ポリスチレン粉末、フッ素樹脂粉末、カーボンブラック、有機色素粉末及びそのレーキ等が挙げられる。
【0023】
また、疎水化処理粉末としては、タルク、マイカ、合成マイカ、セリサイト、カオリン、無水ケイ酸、含水ケイ酸、雲母チタン、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、硫酸バリウム、黒酸化鉄、黄酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、水溶性染料等の親水性粉末をメチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、植物性油脂、金属石鹸、アルキルリン酸エーテル、アミノ酸、フッ素化合物類、スクワラン、パラフィン、ポリエチレン等の炭化水素類の疎水化処理剤を用いて処理されたものが挙げられる。疎水性粉末は、1種または2種以上が任意に選択されて配合することができる。
【0024】
本発明においては、疎水性粉末として疎水化処理無水ケイ酸を含むことが好ましい。疎水化処理無水ケイ酸の配合により、安定な粉末含有エマルションが得られる。疎水化処理無水ケイ酸の配合量は、疎水性粉末中全量でも構わず、疎水性粉末全量中0.1〜100質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜50質量%である。
【0025】
疎水性粉末の配合は、特に本発明に係る粉末含有エマルションの優れた使用性を発揮するのに寄与している。疎水性粉末は、前記油相、すなわち外水相に分散された油相及び/又はW/O型エマルションの外油相に分散されることが安定性の面から好ましいが、水相に分散されても構わない。
【0026】
疎水性粉末の含有量は、粉末含有エマルション全量中0.1〜40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1〜20質量%である。前記疎水性粉末の含有量が前記範囲内であると、経時安定性、使用性が良好な粉末含有エマルションが得られる。
【0027】
本発明に係る粉末含有エマルションは、非常に安定である。前記粉末含有エマルションにおける外水相、油相(外水相に分散された油相及びW/O型エマルションの外油相を含む。)及び内水相の含有量としては、前記外水相が30〜97質量%、前記油相が2〜40質量%、前記内水相が1〜30質量%であることが好ましい。これらの成分が前記範囲内にあると、前記粉末含有エマルションの安定性が特に良好である。
【0028】
また、本発明においては、外水相に分散される油相及びW/O型エマルション相の粒子径は以下の範囲にあることが好ましい。すなわち、前記油相の平均粒子径は0.1〜20μmが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10μmである。また、前記W/O型エマルション相の平均粒子径は0.1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。なお、前記W/O型エマルション相の水相の平均粒子径は0.01〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。前記粒子径範囲にすると粉末含有エマルションの安定性が特に良好となり、また使用性も優れるものとなる。
【0029】
本発明において、外水相に分散される油相及びW/O型エマルション相の油相には、油性成分が配合される。油性成分としては、例えば油分が挙げられる。油分としては、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる油分が用いられ、1種または2種以上が任意に選択されて配合することができる。油分の例としては、例えば、オリーブ油、ヒマシ油等の植物油、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラワックス、木ロウ等のワックス類、鉱油、微結晶ワックスペトラタム、イソデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、デカン、ヘキサデカン、ドデカン、オクタデカン、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス等の炭化水素、セタノール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル等のエステル油、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤、シリコーン油等を挙げることができる。
【0030】
本発明においては、これら油分の中でシリコーン油が特に好適である。前記油分にシリコーン油を使用すると、延展性に優れさっぱりとした使用感を有する粉末含有エマルションを得ることができる。
【0031】
前記シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ポリフェニルトリメチルシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、三次元架橋されたジメチルポリシロキサン、ポリフェニルポリシロキサン等を挙げることができる。
【0032】
本発明において、外水相及び外水相に分散されるW/O型エマルション相の水相には、前記水溶性ポリマー及び水の他に水性成分が配合される。水性成分としては、例えば保湿剤が挙げられる。保湿剤としては、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる保湿剤が用いられ、1種または2種以上が任意に選択されて配合することができる。保湿剤の例としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、各種糖類等の多価アルコールおよびムコ多糖類、dl−ピロリドンカルボン酸塩類、コラーゲンを挙げることができる。
【0033】
本発明の粉末含有エマルションには、前記成分の他に、さらに通常化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる他の成分が、油性成分また水性成分として、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。これらの成分としては、例えば、界面活性剤、増粘剤、皮膜剤、非水溶性高分子、高分子エマルション、親水性粉末、染料、低級アルコール、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、消炎剤、美白剤、皮膚賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤等の薬剤、植物抽出物、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤、収斂剤、柔軟剤、清涼剤、香料、色素等が挙げられる。
【0034】
前記成分のうち、例えば、界面活性剤としては、通常の化粧品等で使用されている界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体的な例としては、例えば、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、アシルメチルタウリン等のアニオン界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等の両性界面活性剤;
【0035】
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)ソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・ポリオキシプロピレン(以下POPともいう。)アルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1種または2種以上が任意に選択されて配合することができる。
【0036】
これらの界面活性剤のうち、前記外水相に分散されるW/O型エマルションを製造するための界面活性剤として、下記一般式(1)または一般式(2)で示されたシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましい。
【0037】
【化1】
Figure 0003766017
【0038】
[式中、aは1〜100の整数、bは0〜100の整数を表す。Rは水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアセチル基を表す。A、Bは、それぞれ独立に、前記Rまたは−CO(CO)(CO)b−Rを表す。ここで、a、b、Rは前記と同様である。mは1以上の整数、nは0または1以上の整数を表す。但し、n=0のときA、Bの少なくとも一方は、−CO(CO)(CO)b−Rである。]
【0039】
【化2】
Figure 0003766017
【0040】
[式中、aは1〜100の整数、bは0〜100の整数を表す。Rは水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアセチル基を表す。A、Bは、それぞれ独立に、前記Rまたは−CO(CO)(CO)b−Rを表す。ここで、a、b、Rは前記と同様である。mは1以上の整数、kおよびnは0または1以上の整数を表す。但し、n=0のとき(kは0でない)A、Bの少なくとも一方は、−CO(CO)(CO)b−Rであり、k=0のとき(nは0でない)A,Bの少なくとも一方はQである。Qは、炭素数2〜20のアルキル基を表す。]
【0041】
本発明においては、特にHLBが8以下である化1または化2のシリコーン系界面活性剤が好適である。化1または化2の界面活性剤を用いて乳化することにより安定な本発明の粉末含有エマルションが得られる。
【0042】
本発明に係る化1、化2のシリコーン系界面活性剤は、市販品を用いることもできる。市販品の例としては、SH3772M、SH3775M、BY22−008M、DC5200(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KF6004、KF6008、KF6012、KF6015、KF6016、KF6017、X−22−4991、X−22−4810、KF6026(以上、信越化学工業株式会社製)、TSF4445、TSF4446(以上、GE東芝シリコーン株式会社製)、ABIL EM−90(以上、Goldschmidt社製)等が挙げられる。
【0043】
化1または化2のシリコーン系界面活性剤の配合量としては、前記W/O型エマルションに対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
【0044】
また、紫外線吸収剤の具体的な例としては、例えばパラアミノ安息香酸系エステル、サリチル酸系エステル、パラメトキシケイ皮酸系エステル、ベンゾフェノン系エステル及びその塩(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸等)等を挙げることができる。
【0045】
また、ビタミン類の具体的な例としては、例えばビタミンAおよびその誘導体、ビタミンDおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体等を挙げることができる。
【0046】
また、殺菌剤の具体的な例としては、例えば塩酸クロルヘキシジンおよびトリクロロカルバニリド等を挙げることができる。
【0047】
また、防腐剤の具体的な例としては、例えばフェノール、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、パラベンを含むフェノール類、安息香酸およびサリチル酸を含む酸類、例えばヘキサクロロフェンおよびビチオノールを含むハロゲン化ビスフェノール類、ならびに、例えば3,4,4’−トリクロロカルバニリドおよび3,4,5−トリブロモサリチルアニリドを含むアミド類等を挙げることができる。
【0048】
また、柔軟剤の具体的な例としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび炭酸カリウムを含むアルカリ性物質等を挙げることができる。
【0049】
また、色素の具体的な例としては、例えば、紫色401号、赤色504号および橙色205号を含むタール系色素、シコン、アズレンおよびクロロフィルを含む天然系色素等を挙げることができる。
【0050】
また、水溶性塩類の具体的な例としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、カルシウムアセチルサリチレート、クエン酸ナトリウム、およびパラフェノールスルホン酸亜鉛等を挙げることができる。
【0051】
本発明の粉末含有エマルションは前記成分を配合して以下の方法で製造することが好ましい。
【0052】
すなわち、W/O型エマルションと水溶性ポリマー含有水溶液とを混合してW/O/W型エマルションを、一方、水溶性ポリマー含有水溶液、サポニン及び油性成分を混合してO/W型エマルションを、前記エマルションのいずれかの相に疎水性粉末を配合して調製する。次いで、前記W/O/W型エマルションと前記O/W型エマルションとを混合して調製する。
【0053】
W/O型エマルションの調製について
【0054】
本発明においては、まず、水相と油相を混合して、前記外水相に分散されるW/O型エマルションを調製する。W/O型エマルションを得る方法としては特に限定されず、一般に化粧料等に用いられているW/O型エマルションを調製する公知の方法が用いられる。内相の水相には、水の他、水溶性成分が任意に配合される。また、外相の油相には、油分の他、必要な任意の油溶性成分が配合される。また、乳化剤としては、界面活性剤が用いられるが、界面活性剤として、前記化1または化2のシリコーン系界面活性剤を用いて乳化することが好ましい。
【0055】
具体的な製造法としては、例えば水相成分及び油相成分を所定の温度に加温し、前記油相成分を撹拌しながら徐々に前記水相成分を加えて撹拌する方法が好適である。このときの温度としては、それぞれの相の成分が均一になり得る温度であれば、特に制限はないが、15〜80℃であることが好適である。また、撹拌する方法としては、乳化され得る方法であれば、特に制限はないが、ディスパー等の通常の乳化機器を使用して調製する方法が好ましい。
【0056】
前記W/O型エマルションの調製に使用する水相成分及び油相成分の量としては、前記油相成分に対し前記水相成分は、1/10〜4/5(質量比)であることが、前記W/O型エマルションの製造面から、および本発明粉末含有エマルションとしての効用面から好適である。
【0057】
また、W/O型エマルションにおける水相の平均粒子径が0.01〜50μm、特に0.1〜10μmである液滴となって油相に分散されているのが好ましい。この粒子径は、顕微鏡観察することにより測定することができる。
【0058】
W/O/W型エマルションの調製について
【0059】
次いで、本発明においては、前記W/O型エマルションと水溶性ポリマー含有水溶液とを混合してW/O/W型エマルションを調製する。このW/O/W型エマルションは、本発明に係る方法によって製造される粉末含有エマルション中に存在するW/O/W型エマルションを調製する前に予備的に調製されるW/O/W型エマルションであり、以下予備分散W/O/W型エマルションという。
【0060】
前記水溶性ポリマー含有水溶液中における水溶性ポリマーの配合量は0.01〜5質量%が好ましい。水溶性ポリマー含有水溶液の調製は、特に制限はなく、例えば、水と水溶性ポリマーとをディスパー等で撹拌することによって調製することができる。また、水溶性ポリマー含有水溶液にはこの発明の目的を達成することができる範囲内で、前記他の水溶性成分を配合することができる。
【0061】
前記W/O型エマルションと前記水溶性ポリマー含有水溶液を混合する方法としては、W/O/W型エマルション状態を得ることができれば特に制限はなく、例えば、ディスパー等を使用するといった方法等を挙げることができる。
【0062】
前記予備分散W/O/W型エマルションの調製に使用する前記水溶性ポリマー含有水溶液及び前記W/O型エマルションの混合割合としては、前記水溶性ポリマー含有水溶液に対し前記W/O型エマルションが質量比で1/20〜3/5であることが、前記予備分散W/O/W型エマルションの製造面から、及び本発明粉末含有エマルションとしての効用面から好適である。
【0063】
予備分散W/O/W型エマルションにおける外水相中に分散されるW/O型エマルションの平均粒子径は0.1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。また、内水相の平均粒子径は0.01〜50μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。これらの平均粒子径もまた、前記W/O型エマルションにおける水相の平均粒子径を測定した方法と同様の方法により確認される。
【0064】
O/W型エマルションの調製について
【0065】
本発明においては、水溶性ポリマー含有水溶液、サポニン及び油性成分を混合してO/W型エマルションを調製する。O/W型エマルションを調製する方法としては、前記W/O型エマルションと同様、一般に化粧料等に用いられているO/W型エマルションを調製する公知の方法が用いられるが、例えば、特にサポニン、水溶性ポリマーを含む水相中に油相を添加し、ディスパー等で機械的に撹拌を行うという方法等が好適である。
【0066】
水溶性ポリマー含有水溶液は前記と同様にして調製することができる。また、水相には必要であれば他の水溶性成分が混合される。また、油相は油性成分からなるが、油分が配合されるのが一般的である。また、界面活性剤を含有させることが可能である。
【0067】
前記O/W型エマルションの調製に使用する水相成分、油相成分及びサポニンの量としては、前記水相成分に対して、前記油相成分が質量比で1/200〜1/3であり、前記サポニンが質量比で1/500〜1/10であることが、前記O/W型エマルション及び本発明の粉末含有エマルションの乳化安定性等の面から好適である。
【0068】
また、O/W型エマルションの内、好適なO/W型エマルションにおいては、平均粒子径が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmである液滴状の油相が、水相中に乳化分散しているものである。
【0069】
疎水性粉末の配合について
【0070】
本発明の製造法においては、前記予備分散W/O/W型エマルション及びO/W型エマルションのいずれかの相に疎水性粉末が配合される。疎水性粉末の配合は、安定に配合できる点から、前記O/W型エマルションの油相に配合することが好ましい。油相への疎水性粉末の配合に当たっては、化粧品分野において通常用いられている方法で混合・分散することができ、例えばディスパー等で機械的に撹拌する方法が好適である。また、水相に混合・分散する場合には、例えば多価アルコールと共に配合し、水相に分散させる方法がとられる。しかしながら、特にこれらの方法に限定されるものではない。
【0071】
本発明においては、疎水性粉末として疎水化処理無水ケイ酸を含むことが好ましい。疎水化処理無水ケイ酸の配合により、安定な粉末含有エマルションが得られる。
【0072】
粉末含有エマルションの調製(予備分散W/O/W型エマルションとO/W型エマルションの混合)について
【0073】
本発明の粉末含有エマルションは、いずれかの相に粉末が分散された、前記予備分散W/O/W型エマルションと前記O/W型エマルションとを混合することによって調製することができる。混合する方法は特に限定されず、両エマルションが崩壊せず均一に混ざる方法であればどのような方法でも構わない。一般的には、撹拌装置のついた乳化釜で混合される。
【0074】
また、両者を均一に混合する程度としては、前記外水相に分散する前記油相及びW/O型エマルションが形成する小球の直径が0.1〜100μm、より好ましくは、1〜50μmになる程度が望ましい。前記小球が、前記範囲内にあると、本発明粉末含有エマルション塗布時の水相のみずみずしい使用感や油相に起因した延展性の良さ等を実感できるという利点がある。
【0075】
本発明の粉末含有エマルションの調製に使用する予備分散W/O/W型エマルション及びO/W型エマルションの量としては、予備分散W/O/W型エマルションに対して、O/W型エマルションが1/10〜4/5(質量比)であることが、本発明粉末含有エマルションの製造面から、及び効用面から好適である。
【0076】
なお、本発明に係る粉末含有エマルションの製造方法としては、前記方法に限定されず、前記のエマルションの構造を形成することができれば特に制限はない。
【0077】
以上、詳述したように、本発明に係る粉末含有エマルションにおいては、O/W型エマルションが大きな役割を果たしており、特にO/W型エマルション製造時のサポニンの存在が重要である。サポニンの存在により、本発明に係る粉末含有エマルションの安定性を向上させ、W/O/W型エマルションの優れた機能と相俟って、使用性の優れた粉末含有エマルションを調製することができる。
【0078】
その理由は、サポニンが粉末含有エマルション中のO/W型エマルション及びW/O/W型エマルションの界面に存在し、このために前記油相及びW/O型エマルションが形成する小球が比較的大きい状態であっても、前記W/O/W型エマルションを安定に保持させることができるものと考えられる。
【0079】
本発明の粉末含有エマルションは、医薬品、医薬部外品(軟膏剤等)及び化粧料への応用が可能であり、特に化粧料であることが好ましい。化粧料の形態としては、例えば、洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック、マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅、アイシャドウ等のメーキャップ化粧品;芳香化粧品;ボディ化粧品等が挙げられる。なお、これらの形態に、本発明粉末含有エマルションの採り得る形態が限定されるものではない。
【0080】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は質量%である。実施例の説明に先立ち、本発明で用いた効果試験方法について説明する。
【0081】
(1)粉末含有エマルションの生成性
得られた粉末含有エマルションのW/O/W型乳化粒子等の状態を顕微鏡で観察し、下記の評価基準によって評価した。
(評価基準)
◎:非常に良好(乳化粒子が均一であり全く異常が認められない。)
○:良好(乳化粒子にばらつきが認められるが、W/O/W型乳化粒子としては全く異常が認められない。)
△:やや不良(乳化粒子に異常が認められる。)
×:不良(相分離、あるいはエマルションを生成しない。)
【0082】
(2)粉末含有エマルションの経時安定性
粉末含有エマルションを50℃の恒温槽に1ヶ月保存した後、エマルションの状態を顕微鏡観察並びに外観観察し、下記の評価基準によって評価した。
(評価基準)
○:良好(顕微鏡観察並びに肉眼観察において異常が認められない。)
△:やや不良(状態変化又は相分離が僅かにみられる。)
×:不良(状態変化又は相分離が明確にみられる。)
【0083】
(3)使用テスト
使用感1(独特の使用感)
20名の女性専門パネルによる使用テストを行い、塗布時の独特の使用感について評価した。
(評価基準)
○:塗布時段階的に使用感が変わり、独特の使用感触をもっている。
×:使用感は普通である。
【0084】
使用感2(塗布時ののび、べたつき、油っぽさ、塗布後の耐水性、肌の保湿感)
塗布時ののび、べたつき、油っぽさ、塗布後の耐水性、肌の保湿感の評価項目それぞれについて、20名の女性専門パネルによる使用テストを行い、下記の評価点基準に基づいて評価した。次いで、各人がつけた評価点の平均点から、下記評価基準に基づいて評価した。
【0085】
(評価点基準)
5点:非常に優れている。
4点:優れている。
3点:普通。
2点:劣る。
1点:非常に劣る。
(評価基準)
◎:平均点が4点以上である。
○:平均点が3点以上4点未満である。
△:平均点が2点以上3点未満である。
×:平均点が2点未満である。
【0086】
(実施例1〜4)
表1に示す配合のW/O型エマルションを以下の方法で調製した。均一分散した(1)〜(3)の油相に、充分混合した(4)〜(9)の水相を添加し、ディスパーを用いて乳化しW/O型エマルションを調製した。
【0087】
【表1】
Figure 0003766017
【0088】
(注1)a=25、b=25、m=400、n=4、A=CH、B=CH、R=Hである化1のシリコーン系界面活性剤
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
【0089】
次いで、前記W/O型エマルションを用いて、表2に示す配合の予備分散W/O/W型エマルションを調製した。さらに、同じ表2に示す処方のO/W型エマルションを調製した。次いで、前記予備分散W/O/W型エマルションと前記O/W型エマルションとを乳化釜で撹拌混合し、油相及びW/O型エマルションが外水相に分散された粉末含有エマルションを得た。なお、前記予備分散W/O/W型エマルションは、ディスパーにて混合した(11)〜(16)の外水相に、W/O型エマルション(10)を加え、ディスパーにて乳化し、調製した。また、前記O/W型エマルションは、(17)〜(25)の水相成分を混合、加熱溶解し、そこに均一にした(26)〜(33)の油相を添加し、ディスパーを用いて乳化し、調製した。
【0090】
【表2】
Figure 0003766017
【0091】
(注1)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
【0092】
上記実施例1〜4の評価結果を表3に示す。
【0093】
【表3】
Figure 0003766017
【0094】
表3から分かるように、本発明に係る実施例1〜4の粉末含有エマルションは、いずれも優れた効果が得られた。
【0095】
(比較例1〜3)
表4に示す配合の粉末含有エマルションを実施例1〜4の方法に準じて調製した。なお、用いたW/O型エマルションは実施例1〜4と同じものである。
【0096】
【表4】
Figure 0003766017
【0097】
(注1)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
【0098】
上記比較例1〜3の評価結果を表5に示す。
【0099】
【表5】
Figure 0003766017
【0100】
表5から明らかなように、水溶性ポリマーを配合しない比較例1、サポニンを配合しない比較例2、3は、いずれも本発明の効果を発揮し得ないことが分かる。
【0101】
(実施例5〜10)
表6に示した配合の粉末含有エマルションを以下の方法で調製した。均一分散された(1)〜(8)の油相成分と、充分混合した(9)〜(13)の内水相成分を混合し、ディスパーを用いてW/O型エマルションを調製した。さらに、それを均一分散した(14)〜(18)の外水相成分に加え、ディスパーにて乳化し、予備分散W/O/W型エマルションを調製した。一方、(19)〜(26)の水相成分を混合、加熱溶解し、そこに(27)〜(43)の油相成分を混合し、ディスパーを用いて乳化し、O/W型エマルションを調製した。次いで、このO/W型エマルションと前記調製した予備分散W/O/W型エマルションを乳化釜で撹拌混合し、油相及びW/O型エマルションが外水相に分散された粉末含有エマルションを調製した。
【0102】
【表6】
Figure 0003766017
【0103】
表6中、
(注1)KF−6017(信越化学工業株式会社製)
(注2)SH3775C(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)
(注3)ABIL EM−90(Goldschmidt社製)
(注4)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注5)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
(注6)KSG−18(架橋型メチルフェニルポリシロキサン/メチルフェニルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
【0104】
上記実施例5〜10の評価結果を表7に示す。
【0105】
【表7】
Figure 0003766017
【0106】
表7から分かるように、本発明に係る実施例5〜10の粉末含有エマルションは、いずれも優れた効果が得られた。
【0107】
以下、さらに本発明粉末含有エマルションの実施例を示す。また、上記の効果試験をこれらにおいて行ったところ、いずれも優れた結果が得られた。
【0108】
Figure 0003766017
【0109】
Figure 0003766017
【0110】
Figure 0003766017
【0111】
Figure 0003766017
【0112】
Figure 0003766017
【0113】
(注1)実施例1の化1であるシリコーン系界面活性剤
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注3)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
【0114】
(製造法)
均一分散された(1)〜(4)の油相成分と、充分混合した(5)〜(9)の内水相成分を混合し、ディスパーを用いてW/O型エマルションを調製した。さらに、それを均一分散した(10)〜(14)の外水相成分に加え、ディスパーにて乳化し、予備分散W/O/W型エマルションを調製した。一方、(15)〜(25)の水相成分を混合、加熱溶解し、そこに均一にした(26)〜(36)の油相成分を混合し、ディスパーを用いて乳化し、O/W型エマルションを調製した。次いで、このO/W型エマルションと前記調製した予備分散W/O/W型エマルションを乳化釜で撹拌混合し、油相及びW/O型エマルションが外水相に分散された粉末含有エマルション(ファンデーション)を調製した。
【0115】
Figure 0003766017
【0116】
Figure 0003766017
【0117】
Figure 0003766017
【0118】
Figure 0003766017
【0119】
Figure 0003766017
【0120】
(注1)ABIL EM−90(Goldschmidt社製)
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注3)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
【0121】
(製造法)
均一分散された(1)〜(11)の油相成分と、混合した(12)〜(16)の内水相成分を添加し、ディスパーを用いてW/O型エマルションを調製した。さらに、それを均一分散した(17)〜(21)の外水相成分に加え、ディスパーにて乳化し、予備分散W/O/W型エマルションを調製した。一方、(22)〜(32)の水相成分を混合、加熱溶解し、そこに(33)の油相成分を混合し、ディスパーを用いて乳化し、O/W型エマルションを調製した。次いで、このO/W型エマルションと前記調製した予備分散W/O/W型エマルションとを乳化釜で撹拌混合し、油相及びW/O型エマルションが外水相に分散された粉末含有エマルション(ファンデーション)を調製した。
【0122】
Figure 0003766017
【0123】
Figure 0003766017
【0124】
Figure 0003766017
【0125】
Figure 0003766017
【0126】
Figure 0003766017
【0127】
(注1)実施例1の化1であるシリコーン系界面活性剤
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注3)延命皮抽出末(丸善製薬株式会社製)
【0128】
(製造法)
実施例11の方法に準じて調製した。
【0129】
Figure 0003766017
【0130】
Figure 0003766017
【0131】
Figure 0003766017
【0132】
Figure 0003766017
【0133】
Figure 0003766017
【0134】
(注1)実施例1の化1であるシリコーン系界面活性剤
(注2)KSG−16(架橋型メチルポリシロキサン/低粘度メチルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注3)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
【0135】
(製造法)
実施例11の方法に準じて調製した。
【0136】
Figure 0003766017
【0137】
Figure 0003766017
【0138】
Figure 0003766017
【0139】
Figure 0003766017
【0140】
Figure 0003766017
【0141】
(注1)KF−6017(信越化学工業株式会社製)
(注2)KSG−18(架橋型メチルフェニルポリシロキサン/メチルフェニルポリシロキサン溶液;信越化学工業株式会社製)
(注3)グリチルリチンK2(丸善製薬株式会社製)
【0142】
(製造法)
実施例11の方法に準じて調製した。
【0143】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、使用性と経時安定性に優れ、なお且つ、独特の使用感をもつ、特にメークアップ化粧料として有用な粉末含有エマルションが得られる。

Claims (7)

  1. 油相及びW/O型エマルション相が、それぞれ独立して、前記W/O型エマルションの内水相に対して外側に位置する外水相に分散され、かつ前記いずれかの相に疎水性粉末が分散された、前記外水相を連続相とする粉末含有エマルションであって、該粉末含有エマルションに水溶性ポリマー及びサポニンが含有されてなる、前記粉末含有エマルション。
  2. 疎水性粉末として疎水化処理無水ケイ酸を含むことを特徴とする請求項1記載の粉末含有エマルション。
  3. 化粧料である請求項1又は2記載の粉末含有エマルション。
  4. W/O型エマルションと水溶性ポリマー含有水溶液とを混合してW/O/W型エマルションを、一方、水溶性ポリマー含有水溶液、サポニン及び油性成分を混合してO/W型エマルションを、前記エマルションのいずれかの相に疎水性粉末を配合して調製し、次いで、前記W/O/W型エマルションと前記O/W型エマルションとを混合することを特徴とする、油相及びW/O型エマルション相が、それぞれ独立して、前記W/O型エマルションの内水相に対して外側に位置する外水相に分散され、前記油相のうち少なくとも一つの相に疎水性粉末が分散された、前記外水相を連続相とする粉末含有エマルションの製造方法。
  5. 疎水性粉末を前記O/W型エマルションの油相に配合することを特徴とする請求項4記載の粉末含有エマルションの製造方法。
  6. 疎水性粉末として疎水化処理無水ケイ酸を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の粉末含有エマルションの製造方法。
  7. 化粧料である請求項4乃至6のいずれか一項に記載の粉末含有エマルションの製造方法。
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