JP3758422B2 - 車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行中において車両が停止し、所定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、燃料の節約、排気エミッションの低減、あるいは騒音の低減等を図るように構成した車両が提案され、すでに実用化されている(例えば特開平8−14076号公報、特開平9−222035号公報)。
【0003】
具体的には、車速零、アクセルオフ、ブレーキペダルオン、などといった所定の停止条件を満足したことが検出されたときにエンジンを自動停止するようにしている。
【0004】
エンジンを再始動させる条件が成立したとき、例えば、ドライバがアクセルペダルを踏む(アクセルオン)などの走行の意思を示した場合には、直ちにエンジンを再始動させるようにしている。又、バッテリの充電量が不足したときなどではドライバが走行の意思を表していない場合でもエンジンを再始動させるようにしている。これは、バッテリ上がりを防止し、エンジン再始動が不可能な事態となるのを避けるためである。
【0005】
ところで自動変速機搭載車においては、シフトポジションが「D(ドライブ)」ポジションのような前進走行ポジションに設定されていると、車速が実質的に零の場合であっても、自動変速機の歯車変速装置はニュートラルの状態にはならず、第1速段に設定されるようになっている。従って、内燃機関の出力はトルクコンバータ、歯車変速装置の前進クラッチを経て常に出力軸に伝達されるため、いわゆるクリープが生じる。このクリープはドライバがアクセルをオンにしなくても極低速走行を可能とするものであり、車両を走行させる上でドライバにとって有効に作用する場合が多い。
【0006】
ところが、エンジンが自動停止していると、このクリープによる駆動力が発生しない。
【0007】
従って、車両が斜面上に停止していたような場合には、後退してしまう恐れがある。そこで、このようなことに鑑み、エンジン停止時に車輪をロックすることによって、車両が動かないように制動力を保持する制御(いわゆるヒルホールド制御)を行うものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンが自動停止された際に、このようなヒルホールド制御を一律に実行するようにすると、路面状況によっては運転者にかえって不便を感じさせたり、違和感を与えたりしてしまう恐れがある。
【0009】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであって、路面状況の如何に拘わらず車両の後退を確実に防止すると共に、運転者に違和感を与えることがなく、且つ、必要時には円滑な発進を支障なく実現することのできる、車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段を備え、前記エンジンが自動停止された状態から再始動される際の前記車両の制動制御の実行態様を、前記路面勾配が平坦路または上り坂の場合と、下り坂の場合とで変更することにより上記課題を解決したものである。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、路面状況、具体的には路面勾配に応じてエンジンが自動停止された状態から再始動される際における車両の制動制御(ヒルホールド制御)の実行態様が変更される。そのため、車両の停止、発進に際して、車両に現に作用している重力のかかり方や、予測される運転者の運転操作を考慮して非常にきめ細かにヒルホールド制御を実行することができる。
【0012】
ここで、「エンジンが自動停止された状態から再始動される際の車両の制動制御」には、「エンジンが自動停止された状態における車両の制動制御」と「エンジンが再始動された直後(所定の条件が成立するまで)の車両の制動制御」との双方の概念を含み、このうち少なくとも一方の制御態様が「路面勾配に応じて」何らかの点で変更、或いは場合分けされていれば、本発明の範疇に含まれる。
【0013】
例えば、上り坂に対して下り坂の停止時の制動力を低減する(又は零にする)ようにすれば、上り坂での後退防止を確実に実現しながら、同時に下り坂でのブレーキペダル弛緩による微進を実現することができるようになる。これは、「自動停止された状態における車両の制動制御」での場合分けである。また、下り坂と上り坂とでは再始動時における車両の前進力(あるいは後退力)の発生の仕方が異なるため、例えば下り坂のみ再始動直後においても制動力の保持を継続するような制御を実行することもできる。これは、「再始動直後の車両の制動制御」での場合分けである。もちろん、これらの制御を併用することもできる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段と、アクセルのオン、オフを検出する手段と、を備え、前記路面勾配の判断により、車両が平坦路又は上り坂のいずれかにあると判断された場合に、エンジンが自動停止されている間前記車両の制動制御を実行し、且つ、アクセルのオン・オフに応じて再始動時の前記車両の制動制御の解除の開始時間を変更することにより、上記課題を解決したものである。
【0015】
この請求項3に記載の発明は、主に「平坦路及び上り坂」のときに発生しやすい不具合に着目したものである。なお、請求項3に記載の発明においては「下り坂」での制動制御は特に限定されないが、もし「下り坂」での制動制御がこの請求項3の「平坦路または上り坂」での制動制御と異なっていれば、その構成は路面勾配に応じて制動制御の実行態様が異なることになるため、請求項1に記載の発明の範疇にも属することになる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、平坦路あるいは上り坂であると判断された場合には、エンジンが自動停止されている関車両は制動状態下に置かれる。そのため、車両の後退を確実に防止できる。その上で、この請求項3に記載の発明では、再始動直後の制動の解除の開始時間をアクセルのオンオフに応じて変えるようにしている。この結果アクセルが踏み込まれていた場合には制動の解除を速くして発進応答性を向上させ、一方、アクセルが踏み込まれていなかった場合には、ゆっくり制動を解除するようにして解除ショックを低減すると共にクリープを徐々に発生させるというような制御を実現することができるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段と、アクセルのオン、オフを検出する手段と、を備え、前記路面勾配の判断により、車両が下り坂にあると判断された場合に、エンジン自動停止中の前記車両の制動制御の実行を中止し、且つ、アクセルオン以外の理由によってエンジンが再始動される際は、予め設定されたタイマがタイマアップするまで、エンジン始動に伴って発生する車両駆動力の増大を抑えるように、前記車両の制動制御を実行することにより、上記課題を解決したものである。
【0018】
この請求項4に記載の発明は、主に「下り坂」のときに発生しやすい不具合に着目したものである。なお、請求項4に記載の発明においては「平坦路及び上り坂」での制動制御は特に限定されないが、もし「平坦路及ぴ上り坂」での制動制御がこの請求項4の「下り坂」での制動制御と異なっていれば、その構成は路面勾配に応じて制動制御の実行態様が異なることになるため、請求項1に記載の発明の範疇にも属することになる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、下り坂であると判断された場合には、エンジンの自動停止中の制動制御が中止される。この結果ブレーキペダルを意図的に弛緩して車両を微進させ、先行車の進行にゆっくりと追従したり、先行車との車間距離を調整したりすることが非常に容易になる。
【0020】
一方、下り坂の場合に、上記効果を得るためにただ単に制動制御を中止するようにすると、この状態でエンジンが再始動された際に、下り坂による前進力とエンジンが始動されたことによる駆動力の増強とが相乗されて強めの前進感が発生する恐れがある。そのため、請求項4に記載の発明では、エンジンが自動停止中の車両の制動制御は中止するものの、エンジンが再始動された直後は、(所定の条件が成立するまで)エンジン始動に伴って発生する車両駆動力の増大を抑えるように車両の制動制御を実施する。この結果、平坦路と同様の違和感のない再始動が実現できる。
【0021】
なお、この駆動力の増大を抑制する制動制御は、所定の条件が成立するまで実行される。具体的な条件としては、例えば「予め設定されたタイマがタイマアップするまで」、あるいは「運転者によって何らかの操作が行われるまで」等が考えられる。後者の例としては、例えば「運転者によってブレーキペダルが踏み込まれるまで(ブレーキオフによって再始動した場合)」、或いは、「アクセルペダルが踏み込まれるまで」などがある。
【0022】
車両駆動力の発生を具体的にどのようにして抑制するかについては、特に限定されない。例えば、後述の実施形態のように下り坂の勾配に応じてホイールシリンダ圧の減圧特性を決定してもよく、又、フィードバック制御により目標特性となるように、あるいは車速の上昇速度が所定値以下となるようにホイールシリンダ圧を決定してもよい。
【0023】
なお、請求項4に記載の発明では、後述するようにアクセルのオン、オフに応じて更に制御を切り換えるようにしてもよい。これによりアクセルオフでの再始動時にクリープの発生を抑制して運転者にとって違和感なくエンジンを再始動させることができ、且つ運転者が真に発進を欲しているときには速やかな発進を行うことができる。
【0024】
なお、請求項3及び4の発明は、組み合わせて実施することが可能であり、それぞれの相応の効果を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図3は本実施形態が適用される駆動システムの全体図、図4は車両の制動系統の要部油圧回路図である。図3に示した構成から順に説明する。
【0027】
図3において、符号1は前述した車両に搭載されるエンジン、2は自動変速機である。このエンジン1には該エンジン1を再始動させるためのモータ及び発電機として機能するモータジェネレータ(MG)3が、該エンジン1のクランク軸1aにクラッチ26、チェーン27、クラッチ28及び減速機構Rを介して連結されている。
【0028】
減速機構Rは、遊星歯車式で、サンギア33、キャリア34、リングギア35を含み、ブレーキ31、ワンウェイクラッチ32を介してモータジェネレータ3及びクラッチ28の間に組込まれている。
【0029】
自動変速機2用のオイルポンプ19は、エンジン1のクランク軸1aにクラッチ26、28を介して直結されている。自動変速機2内には、前進走行時に係合される公知の前進クラッチC1や、後進時に係合される後進クラッチC2(図示せず)等が設けられている。
【0030】
エンジン1が自動停止しているときは、自動変速機用のオイルポンプ19も停止しているため、前進クラッチC1もその係合が解かれた状態となっている。そのため、シフトポジションが駆動ポジションの状態でエンジンを再始動したときには、同時に(急速に)前進クラッチC1を係合させる構成とされている。
【0031】
なお、このようにエンジンが再始動してから前進クラッチC1を係合させるのではなく、エンジンを自動停止させている間でも、モータジェネレータ3等による動力発生源により図示せぬ電動のオイルポンプを回したり、大型のアキュムレータを備えたりして前進クラッチC1を係合したままの状態に維持しておく技術も提案されており、本発明はいずれにも適用可能である。
【0032】
符号4はモータジェネレータ3に電気的に接続されるインバータである。このインバータ4は、スイッチングにより電力源であるバッテリ5からモータジェネレータ3への電気エネルギの供給を可変にしてモータジェネレータ3の回転速度を可変にする。又、モータジェネレータ3からバッテリ5への電気エネルギの充電を行うように切り換える。
【0033】
符号7はクラッチ26、28の断続の制御、及びインバータ4のスイッチング制御を行うためのコントローラである。
【0034】
該コントローラ7は、車両の制動系統をコントロールするブレーキECU(電子制御装置)80とリンクしている。このコントローラ7、ブレーキECU80には、図中の矢印線に示すように各種センサ群90の信号が入出力されている。例えば、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ91、車速Veを検出する車速センサ92、図示せぬアクセルペダルの踏み込み状態に対応するスロットル開度を検出する(アイドル接点端子付きの)スロットル開度センサ93、シフトレバーのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ94、ブレーキペダル200(図3参照)のブレーキオン信号を検出するブレーキ信号センサ95、各車輪速を検出する車輪速センサ96、エコランモードを検出するエコランスイッチセンサ97、ホイールシリンダ圧を検出する液圧センサ98、路面勾配を検出するGセンサ99等からの信号などである。各センサ自体の構造は、従来公知のものと同様である。
【0035】
このシステムの作用は以下の通りである。
【0036】
図2において、エンジン始動時には電磁クラッチ26が接続状態とされ、モータジェネレータ3を駆動してエンジンを運転する。このときブレーキ31をオンにし、クラッチ32をオフにすることでモータジェネレータ3の回転は減速機構Rのサンギア33側からキャリア34側に減速して伝達される。これにより、モータジェネレータ3とインバータ4の容量を小さくしてもエンジン1をクランキングするのに必要な駆動力を確保できる。エンジン1の始動後は、モータジェネレータ3は発電機として機能し、例えば車両の減速時においてバッテリ5に電気エネルギを蓄える。
【0037】
エコランモード信号がオンとなった状態で所定のエンジン停止条件が成立すると、コントローラ7はエンジン1に燃料の供給をカットする信号を出力し、エンジンを停止させる。エコランモード信号は、通常オンになっており車室内に設けられたエコランスイッチ97を運転者が押すことによってオフ信号がコントローラ7に入力される。
【0038】
エコランモードでのエンジンの停止条件は、「シフトポジションがP、N、またはDのいずれか」、「車速が零」、「アクセルオフ」、「ブレーキオン」である。但しこの条件に限定されない。
【0039】
なお、エンジンの再始動条件は、「上記停止条件のうちのいずれかが未成立」であり、これ以外にエンジンが再始動される場合として、「バッテリの充電量が不足してきたとき」がある。
【0040】
エンジンが運転されている際に、モータジェネレータ3を発電機として使用する場合には、ブレーキ31をオフにすると共に、電磁クラッチ26をオン状態としておく。これにより、エンジンからの駆動力の作用によりワンウェイクラッチ32が自動的に係合し、モータジェネレータ3がエンジンにより回転させられるようになり発電を行う。
【0041】
図3に本実施形態で採用されている車両の制動系統の要部を示す。ブレーキペダル200はブースタ206を介してマスタシリンダ208と連結されている。マスタシリンダ208はブレーキペダル200の踏み込み量に応じたブレーキ油圧を発生する。このマスタシリンダ208は更に(前輪または後輪の)ホイールシリンダ210と液通路212を介して連結されている。
【0042】
液通路212には本発明にかかる(運転者の意思に因らない)車両の制動制御(ヒルホールド制御)を実行するためのノーマルオープンのリニア弁214が介在されている。リニア弁214にはマスタシリンダ208からホイールシリンダ210側への液流のみを許容する逆止弁216が並列に付設されている。
【0043】
液通路212のリニア弁214の下流側にはABS(アンチスキッドブレーキングシステム)制御を実行する際にマスタシリンダ208とホイールシリンダ210とを遮断するためのノーマルオープンの2位置弁218が介在されている。この2位置弁218にはリザーバ230及びポンプ232を備えた加圧系統が併設され、ポンプ232を駆動することによりエンジン停止中を含む任意の時期にホイールシリンダ210の加圧が可能な構成とされている。
【0044】
なお、図の符号234、236は加圧系統の逆流を防止するための逆止弁、238はホイールシリンダ210の減圧方向(マスタシリンダ208への方向)の液流を(加圧系統の状態の如何に関わらず)確保するための逆止弁、240はABS制御時にホイールシリンダ210の減圧を可能にするためのノーマルクローズの2位置弁である。また符号250はホイールシリンダ圧をリアルタイムで検出するためのホイールシリンダ圧センサである。
【0045】
これらの各構成要素はブレーキECU80によってその作動が制御される。
【0046】
この制動系統の作用は以下の通りである。
【0047】
エンジン1が作動中にブレーキペダル200を踏み込むと、ブースタ206での倍力作用を経てマスタシリンダ208にブレーキペダル200の踏み込み量に応じたブレーキ油圧が発生し、液通路212側に出力される。液通路212上のリニア弁214及び2位置弁218は共にノーマルオープンであるため、このブレーキ油圧はそのままホイールシリンダ210に印加される。
【0048】
ABS制御を実行するときは、マスタシリンダ208側からの(ブレーキペダル200の踏み込みに応じた)加圧を遮断するべく2位置弁218が遮断状態とされ、2位置弁240のオン、オフ(あるいはデューティ)制御によりホイールシリンダの減圧状態が制御される。なお、加圧は2位置弁218を連通状態に切り換えることによって行うが、このときに、ポンプ232を駆動しておくことにより、マスタシリンダ208での液圧消費を抑えることができる。
【0049】
本発明にかかる車両の制動制御(ヒルホールド制御)は、リニア弁214の機能によって実行される。即ち、エンジン停止時、あるいは再始動直後において車両を制動する際には、ポンプ232を作動させると共にこのリニア弁214を調圧側(図の右側)に切り換え、該リニア弁214を通過する液量を調整する。この結果、加圧制御を含めてホイールシリンダ圧を完全保持状態から完全解放状態までの任意の状態に制御することができる。又、ブレーキペダル200を弛緩させることによりホイールシリンダ圧を減圧することも可能となる。
【0050】
なお、エンジン停止中等においてリニア弁214を完全保持状態に維持したとしても、保持時間が長くなると油路中の各所からの漏れによりホイールシリンダ圧は時間の経過とともに低下する。この場合、もしブレーキペダル200が踏み込まれていれば、2位置弁218を連通側に切り換えるだけでも加圧が可能となるが、ポンプ232の作動を併用すると、マスタシリンダ208での液圧消費を低減することができる。
【0051】
次に、ブレーキECU80において実行される制動制御の内容を図1及び図2を用いて説明する。
【0052】
図1は車両が平坦路あるいは上り坂にあると判定されたときに実行されるヒルホールド制御(車両の制動制御)における各パラメータの特性を示したタイムチャートである。
【0053】
今、車両走行中においてブレーキペダル200が踏み込まれ、時刻t1において車両が停止し、時刻t2においてエンジンの停止条件が成立したとする。この場合、エンジン1は回転を停止し、同時に車両の制動力を保持するべくリニア弁214がオン状態(全閉状態)とされる。この結果、時刻t3からブレーキ油圧(ホイールシリンダ圧)が保持され、ヒルホールド制御が開始されるため、車両の後退が防止される。
【0054】
一方、時刻t4においてエンジンの再始動条件が成立すると、モータジェネ
レータ3(或いはスタータ)によってエンジン1が回転させられる。ここからはアクセルペダルのオンオフにより車両の制動制御の実行態様が変更される。
【0055】
アクセルペダルがオフの場合は、実線で示されるようにヒルホールド制御はここで中止されることなく、そのまま維持され、エンジン回転速度が所定値NeSETに達し(時刻t5)、更にエンジン1が自身で回転するようになってアイドル回転速度直前の最大回転速度NeMAXに到達するまで(時刻t7)制動状態が保持される。
【0056】
そして時刻t7から徐々にリニア弁214が開側に移行され、これに伴ってホイールシリンダ圧も徐々に低減される。この結果、車両駆動力(クリープ力)を抑制しながらゆっくりと増大させることができる。
【0057】
この場合、リニア弁214の開閉特性は検出された路面勾配に依存して決定される。なお、より精密に制御する場合には、車輪の駆動力センサ(図示略)を用意して車輪の駆動力をリアルタイムで検出し、これが意図した特性で上昇するようにフィードバック制御するようにしてもよい。
【0058】
これに対し、アクセルペダルがオン状態とされていた場合(破線)には、図中破線で示すように、アクセルオフ時より速やかな特性でホイールシリンダ圧が低減される。場合によっては、図の1点鎖線で示されるように、ヒルホールド制御の解除を開始自体を早め、例えばエンジンの再始動指令と同時に解除を開始するようにしてもよい。この結果、ヒルホールド制御に起因したもたつきを生じることなく、速やかに発進することができる。
【0059】
なお、エンジンが再始動した後にアクセルがオンとされた場合は、同様の趣旨によりその時点で急速減圧を行うようにしてもよく、又駆動力が現に発生すると考えられる時点迄待って減圧するようにしても良い。
【0060】
図2は車両が下り坂にあると判定されたときに実行されるヒルホールド制御における各パラメータの特性を示したタイムチャートである。
【0061】
下り坂においては、時刻t11において車両が停止し、時刻t12においてエンジンの停止条件が成立しても、車両の制動制御の実行は中止され、リニア弁214はオフ状態がそのまま維持される。この結果、ブレーキペダル200をわずかに弛緩させることにより下り坂での重力を利用した微進が実行できるようになる(時刻t13、t14)。なお、ブレーキペダル200をわずかに弛緩させただけでは、ブレーキペダルオフ状態と判定されないため、エンジンは再始動されない。ここから先はやはりアクセルのオン、オフにより制御の実行態様が異なる。
【0062】
時刻t15においてアクセルペダルのオン以外の理由によってエンジンが再始動されると、実線で示されるように、この時点からポンプ232が作動されると共にリニア弁214の開度(閉度)が調整され、エンジン始動に伴って発生する車両駆動力(クリープ力)の発生を抑えるようにホイールシリンダ圧が制御される。この結果、下り坂に起因して発生した前進力に、エンジン始動に起因したクリープ力がプラスされて車両に大きな前進力が発生するのが防止される。
【0063】
これに対し、エンジンの再始動にあたってアクセルペダルがオン状態とされていた場合には、この制御は実行されない(破線参照)。それは、アクセルペダルがオン状態であるということは、運転者が積極的な発進を欲していると推測できるため、下り坂での重力による前進力の増強はむしろ好ましい方向に作用すると思われるためである。
【0064】
最後に、上記「路面勾配を考慮した車両の制動制御」を実現するためにブレーキECUにおいて実行される制御フローについて図5〜図10を用いて説明する。この制御フローによって実現しようとする具体的な制御内容については、すでに図1、図2を用いて詳細に説明してあるため、ここでは図示のフローチャートでの手順を簡単に説明するに止める。
【0065】
図5を参照して、ステップ302では各種センサの故障判定が行われる。何らかのセンサに異常があると判定されたときにはステップ306、308に進み、自動停止制御(エコラン制御)が中止されるとともに相応の警告がなされる。
【0066】
ステップ302において各種センサが正常に機能していると判断されたときにはステップ310に進んでエコラン制御が許可され、ステップ312でエンジンの自動停止条件が成立するか否か判断される。自動停止条件が成立しないときは以上の制御が繰り返され、成立した段階でステップ314に進み、Gセンサ99の出力に基づいて路面勾配が判定されるとともに、その結果が下り坂であるか否かが判断される(ステップ316)。ここで、下り坂であると判断されたときにはステップ318に進んで下り坂用のヒルホールド制御が実行され、下り坂でないと判断されたときにはステップ320に進んで平坦路、上り坂用のヒルホールド制御が実行される。
【0067】
図6〜9は車両が平坦路、あるいは上り坂にあると判断されたときの制御フローを示している。このうち図6の制御フローは制動制御を実際に開始してよい状況であるか否かを判断しているもので、ステップ352〜364においてリニア弁214の異常を、ステップ366〜372においてポンプ232を含む加圧系統の異常をそれぞれ判断している。
【0068】
ただ、この図6の制御フローは本発明にかかる制御に直接関係するものではないため、ここでは図6においてその処理内容を直接的に示すに止める。この図6の制御フローはこれを省略することもできる。
【0069】
診断の結果異常がないと判断された場合にはステップ374で「一時保持の制動制御の成立」を判断し、図7の制動保持制御に係る制御フローに進む。
【0070】
図7の制御フローは、(平坦路、上り坂での)制動保持の開始から制動終了(時刻t2〜t7)に至るまでの制御手順を示している。
【0071】
ステップ400ではシフトレバーの位置がニュートラル、またはパーキングのいずれかであるかが判断される。ニュートラルかパーキングのいずれかであったときは制動保持制御実行しないためそのままステップ418に進むが、ニュートラルでもパーキングでもないと判断された場合にはステップ402に進んでエンジンの再始動条件が成立するか否かが判断される。再始動条件が成立するまではステップ400の判断が繰り返されるため、結果としてその間「制動保持」が維持されることになる。
【0072】
やがて、ステップ402でエンジンの再始動条件が成立したと判断されると、ステップ404に進んでエンジン1の始動が開始される(時刻t4)。
【0073】
ステップ406ではエンジン回転速度NEが「この値にまで上昇すれば必ず再始動始動に成功する」と解される回転速度NeSETに至ったか否かが判断される。また、ステップ408ではエンジン回転速度NEが最大回転速度NeMAXに至ったか否かが判断される。
【0074】
ステップ406、408のいずれかで、NOの判断がなされ、且つステップ410でエンジン始動からt秒以上経過していると判断された場合は、エンジンが再始動に失敗したと考えられるため、ステップ412でそれを確認し、再始動していなければステップ416で警告を発生する。一方、ステップ412でエンジンが再始動していることが確認されれば、ステップ414に進んで制動を保持制御を継続しステップ406に戻る。
【0075】
やがてステップ408でエンジン回転速度NEが最大回転速度NeSETに至ったと判断されると(時刻t7)、制動保持制御の終了条件が成立したとしてステップ418に進み、以降減圧制御が開始される。
【0076】
図8の制御フローは、アクセルオン(アイドル接点オフ)時の減圧制御の制御手順を示している。
【0077】
まずステップ450においてアイドル接点がオフであるか否か、即ちアクセルペダルが踏み込まれているか否かが判断される。アイドル接点がオン(アクセルオフ)であると判断されたときは後述する図9の制御フローに進む。
【0078】
一方、アイドル接点がオフ(アクセルオン)であると判断されたときにはステップ452に進んでアイドル接点がオフ用のリニア弁214の駆動電流特性が選択される。
この特性は、図1における時刻t7以降の破線の特性を得るためのものである。
【0079】
なお、ここで(ステップ454〜462において)もう一度リニア弁214がフェイルしていないことが確認される。また、ステップ464では、もう一度アイドル接点がオフであるか否かが判断され、もしアイドル接点がオンであったときにはこの時点でアイドル接点オン用の制御フロー(図9)に進む。
【0080】
ステップ464でアイドル接点がオフであることが確認されると、ステップ466に進んでホイールシリンダ圧がゼロであるか否かが判断される。ここで未だ残圧があると判断するときにはステップ468に進んで、電流通電からt秒以上経過したかどうかが判断され、経過していなければステップ454に戻るが、経過していた場合には異常時処理(ステップ470〜474)が実行される。
【0081】
一方、ステップ466でホイールシリンダ圧が零であると確認できたときは、ステップ476に進んでリニア弁214のが駆動電流値が零であることが確認され、確認後ステップ478で減圧制御が終了される。
【0082】
なお、ステップ476でリニア弁214の電流値が零でないと判断されたときには、もう一度ステップ468に戻ってフェイルの確認がなされるようになっている。
【0083】
ステップ478で減圧制御の終了が確認されたときは、再び図5のフローチャートに戻る。
【0084】
図8のステップ450、あるいは464においてアイドル接点がオンであると判断されると、図9の制御フローが実行される。
【0085】
図9の制御フローは、(平坦路または上り坂での)アイドル接点オン(アクセルオフ)時の制動制御の手順を示している。
【0086】
ステップ552では、アイドルオン(アクセルオフ)時のリニア弁214の駆動電流特性が選択される。この特性は、図1におけるt7以降の実線の特性を得るためのものである。図9のその後のステップは図8とほぼ同様であるため、同一内容のステップに図中で下2桁が同一のステップ番号を振るにとどめ、重複説明を省略する。
【0087】
以上が図5のステップ316において車両が平坦路または上り坂にある判断されたときの制御手順に相当する。これに対し、車両が下り坂にあると判断されたときには、図5のステップ318から図10の制御フローに入ってくる。
【0088】
この図10の制御フローは、図2を用いて説明した下り坂用のヒルホールド制御を実行するためのもので、先ず、ステップ600において車両の制動制御が中止される。即ち、特にヒルホールド制御は実行されない。従って、車両は運転者が現に踏み込んでいるブレーキペダル200の踏み込み量に対応した制動力のみによって制動が維持されることになり、ブレーキペダル200を弛緩させることにより下り坂に沿って車両を微進させることが可能となる。このヒルホールド制御の中止はステップ602において所定のエンジン再始動条件が成立したと判断されるまで実行される。成立するまではこの判断が繰り返されるため結果としてヒルホールド制御が実行されない(中止された)状態が継続されることになる。
【0089】
なお、エンジンが停止している間はブレーキブースタによる倍力作用を得ることができないため、蓄積された負圧が消費されてくると再加圧(再制動)が行いにくくなるという不具合が発生する恐れがある。これを嫌う場合には、エンジンの再始動条件の1つとして、例えば、「エンジンが自動停止されてからの経過時間が所定値以上」、あるいは「ブレーキペダル200の踏み戻し、踏み増しの往復回数が所定値以上」というような条件をプラスしておけばよい。
【0090】
ステップ602においてエンジンの再始動条件が成立したと判断されるとステップ604に進み、エンジンが再始動される。ステップ605ではアイドル接点がオンかが判断される。もしアイドル接点がオフ(アクセルオン)であった場合には、運転者に発進の意図があると推察できるため、再始動後のヒルホールド制御の実行を中止するべく、直接ステップ628へと進んで下り坂でのヒルホールド制御を終了する。一方、アイドル接点がオン(アクセルオフ)であると判断された場合にはステップ606に進んで必要なホイールシリンダ圧が算出される。
【0091】
この算出は図2の時刻t4〜t20の間の特性を得るためのものである。この求め方についてはすでに説明した通りである。
【0092】
ステップ608からはリニア弁214及びポンプ232がフェイルしていないことを確認するためのステップである。フェイルしていないことが確認された場合にはステップ624に進んできてエンジンの始動開始からtb秒以上経過したか否かが判断される。このステップは、このヒルホールド制御の終了条件を確認するステップに相当すると同時に、当該制動制御が何らかの理由により終了できなくなることを防止するためのガードステップにも相当している。
【0093】
エンジンが始動されてからこの時間tbが経過するまでは、ステップ606以降の手順が繰り返され、経過した時点でステップ626に進んでリニア弁214及びポンプ232の作動終了指令が出され、ステップ628で下り坂でのヒルホールド制御が完全に終了される。その後は、図5の制御フローに戻る。
【0094】
この実施形態によれば、車両が平坦路、あるいは上り坂にあるときには、エンジン停止中にヒルホールド制御を実行するようにしたため、当該車両の後退を確実に防止できる。又、再始動時にはこのヒルホールド制御の解除特性をアクセルのオン、オフに応じて変更するようにしたため、運転者が発進を欲していないときには該解除を徐々に行うことによってゆっくりとクリープ力を発生させ、一方、運転者が発進を欲しているときには該解除を速やかに行うことによって円滑な発進を実行することができるようになる。
【0095】
また、車両が下り坂にあるときには、エンジン停止中のヒルホールド制御を中止するようにしているため、運転者がブレーキペダルを若干弛緩させることにより下り坂を利用した微進(極低速走行)を容易に実行することができる。又、この状態からアクセルオン以外の理由により再始動される際には、クリープ力の発生を抑えるようにヒルホールド制御を(再始動後に)実行するようにしているため、下り坂での前進力とクリープ力発生による前進力とが相乗されて強い前進力が発生するのを抑制することができる。又アクセルがオンであった場合には、この再始動後のヒルホールド制御も中止されるので円滑な発進ができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンが自動停止された状態から再始動される際における車両の制動制御(ヒルホールド制御)の実行態様が、路面勾配に応じて変更されるため、車両の停止、発進に際して、車両に現に作用している重力のかかり方や、予測される運転者の運転操作を考慮して非常にきめ細かにヒルホールド制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態において車両が平坦路または上り坂にあるときに実行される制動制御(ヒルホールド制御)の実行態様を示したタイムチャート
【図2】同実施形態において車両が下り坂にあるときに実行される制動制御の実行態様を示したタイムチャート
【図3】上記実施形態が適用される駆動システムの全体図
【図4】同制動系統の要部油圧回路図
【図5】図1、図2に示した制動制御を実行するための制御手順(の一部)を示した流れ図
【図6】図5の流れ図の続きであって、平坦路及び上り坂に係る制御手順を示した流れ図
【図7】図6の流れ図の更に続きを示した流れ図
【図8】図7の流れ図の更に続きを示した流れ図
【図9】図8の流れ図の更に続きを示した流れ図
【図10】図5の流れ図の続きであって、下り坂に係る制御手順を示した流れ図
【符号の説明】
1…エンジン
2…自動変速機
3…モータジェネレータ
4…インバータ
5…バッテリ
7…コントローラ
19…オイルポンプ
94…シフトポジションセンサ
99…Gセンサ
Claims (6)
- 所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、
前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段を備え、
前記エンジンが自動停止された状態から再始動される際の前記車両の制動制御の実行態様を、前記路面勾配が平坦路または上り坂の場合と、下り坂の場合とで変更する
ことを特徴とする車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。 - 前記車両の置かれている路面勾配が平坦路または上り坂と判断された場合には前記車両の制動制御を実行し、
前記車両の置かれている路面勾配が下り坂と判断された場合には前記車両の制動制御を中止することを特徴とする請求項1に記載の車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。 - 所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、
前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段と、
アクセルのオン、オフを検出する手段と、を備え、
前記路面勾配の判断により、車両が平坦路又は上り坂のいずれかにあると判断された場合に、エンジンが自動停止されている間前記車両の制動制御を実行し、且つ、アクセルのオン・オフに応じて再始動時の前記車両の制動制御の解除の開始時間を変更することを特徴とする車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。 - 所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、
前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段と、アクセルのオン、オフを検出する手段と、を備え、
前記路面勾配の判断により、車両が下り坂にあると判断された場合に、エンジン自動停止中の前記車両の制動制御の実行を中止し、且つ、アクセルオン以外の理由によってエンジンが再始動される際は、予め設定されたタイマがタイマアップするまで、エンジン始動に伴って発生する車両駆動力の増大を抑えるように、前記車両の制動制御を実行することを特徴とする車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。 - 所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止するとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、且つ、運転者の操作に因らない車両の制動制御を実行可能に構成した車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置において、
前記車両の置かれている路面勾配を判断する手段と、アクセルのオン、オフを検出する手段と、を備え、
前記路面勾配の判断により、車両が下り坂にあると判断された場合に、エンジン自動停止中の前記車両の制動制御の実行を中止し、且つ、アクセルオン以外の理由によってエンジンが再始動される際は、運転者により何らかの操作がおこなわれるまで、エンジン始動に伴って発生する車両駆動力の増大を抑えるように、前記車両の制動制御を実行すること を特徴とする車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。 - 前記運転者による何らかの操作が、アクセルペダルの踏み込みであることを特徴とする請求項5に記載の車両のエンジンの自動停止・再始動制御装置。
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