JP3612939B2 - 内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関と電動機とを用いた複合型の車両駆動装置、特に、基本的には車両の走行を内燃機関によって行い、電動機の補助的な作動によりアクセルペダルが踏まれていない時、例えば減速中あるいは車両停止中の燃料供給停止を可能とすることによって燃料消費の低減を図った複合型車両駆動装置ならびにその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、内燃機関51のみによって駆動される一般的な車両の駆動系の基本的構成を示したものであり、内燃機関51のクランクシャフトが主伝動装置例えばトルクコンバータ53を介して変速機55のメインドライブシャフトに接続されているとともに、この変速機55から終減速装置56を介して駆動輪57へ動力伝達がなされている。そして、内燃機関51は、種々の補機52、例えば内燃機関51自体に必要なウォータポンプ等や車両側との関係で必要となる空調装置用コンプレッサやパワーステアリング用ポンプ等の補機52を、ベルト伝動機構等を介して駆動している。また、一般に、トルクコンバータ53と並列にロックアップクラッチ54が設けられている。
【0003】
図2は、変速機55としてベルト式無段自動変速機(いわゆるCVT)を用いた場合の動力伝達経路のスケルトン図である。
【0004】
このような内燃機関51を用いた一般的な車両駆動装置においては、車両停止時に内燃機関51によって補機52が駆動されており、変速機55が走行レンジ(いわゆるDレンジ等)にあれば、内燃機関51によってクリープ力が発生している。また、減速時においても、当然のことながら内燃機関51は補機52を駆動している。
【0005】
ところで、内燃機関51の燃料消費率を低減するために、車両の減速時に内燃機関51への燃料供給を停止する、いわゆるフューエルカットが知られている。この燃料供給停止は、車速がある程度高い領域での減速に対して実行され、また機関回転数が急激に低下しないように、一般に、ロックアップクラッチ54が締結されたロックアップ状態に制御される。この場合、エンジンブレーキがかかり、平坦路であれば徐々に車速が下がってくる。この車速の低下に伴って所定の特性に従い変速機55の変速が行われるが、変速比には上限があるので、車速がある程度下がってくると、内燃機関51の回転数(回転速度)が必然的に低下し、ロックアップしたままでは、車速の低下と共にアイドル回転数以下となってエンジンストールに至ってしまう。そこで、この時点で、ロックアップを解除して、トルクコンバータ53を介した動力伝達とするのであるが、このロックアップクラッチ54の解放に伴って駆動輪57側から内燃機関51へ作用していた駆動力が急激に低下するため、内燃機関51の回転数は、自らのフリクションにより急激に低下しようとする。そのため、一般には、この時点で燃料噴射を再開して、エンジンストールを防止することになる。
【0006】
また、内燃機関51の燃料消費率を低減する技術としては、上記のような減速時のみならず、信号待ち等の車両の停止中に、内燃機関51を停止させ、その後、アクセルペダルが踏み込まれた時点で、内燃機関51を再度始動して車両の発進を行うようにしたいわゆるアイドルストップの手法も知られている。
【0007】
一方、車両の駆動源として内燃機関のほかに電動機を有する構成としては、特開平8−79915号公報や特開平8−266012号公報に見られるようなハイブリッド型の自動車が知られている。このハイブリッド型自動車は、内燃機関によって発電機を駆動し、その発電出力でもって走行用モータを駆動するシリーズハイブリッド型のものと、内燃機関の出力と走行用モータの出力とを合わせて車両を駆動するようにしたパラレルハイブリッド型のものとに大別されるが、いずれの形式のものでも、基本的には走行用モータ単独でもって走行が可能なように構成される電気自動車の変形であり、電気自動車の欠点である走行距離(充電量)や登坂路での出力不足、といった点を、内燃機関の搭載によって補おうとしているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、内燃機関51でもって走行する車両駆動装置においては、燃料消費を減らすため、減速時や車両停止中に内燃機関51への燃料供給を停止することが試みられているのであるが、このような燃料供給停止には、いくつかの課題が伴う。
【0009】
第1の課題としては、減速時に燃料供給を停止すると、前述したように、減速の途中で機関回転数が過度に低下し、内燃機関51が停止してしまう、という問題がある。つまり、燃料噴射を再開しても内燃機関51の自立運転を回復できない状態になってしまう。このように実質的に内燃機関51が停止した状態となると、減速の途中でアクセルペダルが踏まれて再加速する場合には、内燃機関51を再始動してから加速を始めるため、一般の自動車に比較して始動に要する時間がかかりトルク立ち上がりが遅くなる。そのため、運転しにくくなり、場合によっては加速遅れが生じる虞れがある。それ故、実際には、上述したように、自立運転を回復し得る機関回転数でもって燃料供給を再開しなければならないことになる。従って、減速時に、十分に長い期間つまり車両停止に至るまで燃料供給停止を継続することはできず、この減速中の燃料供給停止による燃費低減効果が小さくなってしまう。特に、ロックアップクラッチ54を解放すると、直ちに内燃機関51が停止に至るので、減速時に早期にロックアップクラッチ54を解放することができず、エンジンブレーキが過度に作用して運転性が悪化したりする問題を回避できない。また、減速中に内燃機関51が停止してしまうと、空調用コンプレッサ、パワーステアリング用オイルポンプ、ウォータポンプ等の補機52の機能が同時に失われ、好ましくない。
【0010】
第2の課題としては、信号待ち等の車両停止中に燃料供給を停止すると、内燃機関51が停止し、上述した補機52の機能が失われると共に、特に、車両のクリープ力の発生が無くなり、坂道発進時や車庫入れ等の際に運転しにくいものとなる。
【0011】
第3の課題としては、車両停止中に内燃機関51を停止しておくと、発進時のトルク立ち上がりが遅れるという問題がある。つまりアクセルペダルが踏まれてから内燃機関51を再始動するため、素早い発進ができない。
【0012】
以上の3つの課題は、基本的に内燃機関51によって車両の駆動を行うものに関する課題であるが、上述した従来のハイブリッド型自動車の構成においても、このような課題は到底解決することができない。
【0013】
本発明は、補助的に作動する電動機を付加することによって、内燃機関の総合的な燃料消費率を改善することができる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る複合型車両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴う車両減速時に、上記クラッチ装置を介して内燃機関のモータリングを行う第2電動機と、を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に係る複合型車両駆動装置は、請求項1の構成において、さらに、燃料供給停止を伴う車両停止時に、上記第2電動機が、上記クラッチ装置を遮断した状態で上記補機の駆動を行うことを特徴としている。
【0016】
また請求項3に係る複合型車両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、この燃料供給停止中に、上記内燃機関の回転数が過度に低下しないように、上記クラッチ装置を接続した状態で上記第2電動機によって内燃機関のモータリングを行う第2電動機制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0017】
そして請求項4の発明では、特に、車両減速時に上記駆動輪によって駆動される上記第1電動機によりエネルギー回生を行う回生手段を有し、かつ、この回生手段は、上記のモータリング中も回生を継続することを特徴としている。
【0018】
本発明の車両は、基本的には、内燃機関によって駆動される。つまり、通常の走行中は、内燃機関が変速機を介して駆動輪を駆動し、かつ同時に補機を駆動する。
【0019】
これに対し、車両の減速時、特に燃料供給停止を伴う減速時には、第2電動機によって内燃機関がモータリングされ、内燃機関の回転数の過度の低下ひいては内燃機関の停止が回避される。なお、このとき、上記主伝動装置は、入力側(内燃機関側)と出力側(駆動輪側)との間で相対回転が許容され、車速が大きく低下(例えば0)した状態でも、内燃機関の回転数はモータリングにより適宜に維持される。また、車両減速時には、第1電動機が駆動輪によって逆に駆動され、減速エネルギーの回生が行われる。この第1電動機は、例えば、車両の発進時の補助、あるいは、車両停止中のクリープ力の付与等にも用いることができる。上記の回生は、請求項4のように、第2電動機によるモータリング中も継続することが可能である。
【0020】
また内燃機関のクランクシャフトと補機との間には、クラッチ装置が介在しているので、必要に応じて補機をクランクシャフトから分離し、第2電動機によって補機側のみを駆動することが可能である。
【0021】
上記主伝動装置としては、例えば請求項11のようにトルクコンバータを用いることができる。このトルクコンバータにおいては、作動条件により入力側と出力側とが相対回転する。
【0022】
また上記主伝動装置として、請求項12のように、トルクコンバータと、該トルクコンバータの入力側および出力側を直結するロックアップクラッチと、を併用してもよい。この場合、ロックアップクラッチを締結した状態では、入力側と出力側との相対回転はなく、ロックアップクラッチを解放した状態では、その相対回転が許容される。
【0023】
また上記変速機としては、無段もしくは有段の自動変速機あるいは手段変速機を用いることができるが、燃費ならびに変速ショック等の上からは、請求項13のように、ベルト式無段変速機を用いることが望ましい。
【0024】
次に請求項5に係る複合型車両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行う主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続された第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、車両の停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、この車両停止中に、上記クラッチ装置を遮断状態とするクラッチ制御手段と、同じく車両停止中に、上記補機を駆動するように上記第2電動機を制御する第2電動機制御手段と、同じく車両停止中に、車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1電動機制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0025】
この構成においても、車両の通常の走行中は、基本的に内燃機関によって車両および補機が駆動される。
【0026】
これに対し、車両の停止中には、内燃機関への燃料供給が停止され、これに伴って内燃機関が停止状態となる。この状態のときには、補機は、第2電動機によって駆動される。この補機と内燃機関との間のクラッチ装置は、遮断状態となっているので、第2電動機による内燃機関の無駄な回転は生じない。そして、この内燃機関の停止中に、第1電動機が適宜なトルクで駆動され、車両にクリープ力が付与される。
【0027】
また請求項6に係る複合型車両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時ならびに車両停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、燃料供給停止された減速中に、上記クラッチ装置を接続状態に、かつ車両停止後に、遮断状態に、それぞれ制御するクラッチ制御手段と、減速中に上記内燃機関の回転数が過度に低下しないようにモータリングを行うべく上記第2電動機を駆動するとともに、車両停止後は補機の駆動のために上記第2電動機を駆動する第2電動機制御手段と、車両停止後に、車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1電動機制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0028】
すなわち、この請求項6の発明は、車両の減速時および停止中の双方で燃料供給の停止を行うようにしたものであって、通常の走行中は、やはり内燃機関によって車両および補機が駆動される。
【0029】
そして、減速時に、機関回転数があるレベルまで低下すると、クラッチ装置を介して第2電動機によって内燃機関がモータリングされ、内燃機関の回転数の過度の低下ひいては内燃機関の停止が回避される。なお、このとき、上記主伝動装置は、入力側(内燃機関側)と出力側(駆動輪側)との間で相対回転が許容され、車速が大きく低下(例えば0)した状態でも、内燃機関の回転数はモータリングにより適宜に維持される。
【0030】
この減速の後、車両が停止すると、クラッチ装置が遮断され、これによって内燃機関のモータリングが終了する。従って、内燃機関の回転数は低下し、停止に至る。機関停止中は、第2電動機によって補機が駆動され続ける。この補機と内燃機関との間のクラッチ装置は、遮断状態となっているので、第2電動機による内燃機関の無駄な回転は生じない。そして、この内燃機関の停止中に、第1電動機が適宜なトルクで駆動され、車両にクリープ力が付与される。
【0031】
請求項6の発明をさらに具体化した請求項7の発明においては、上記クラッチ制御手段は、車両減速状態から車両停止への移行時に、クラッチ伝達トルクを連続的もしくはステップ的に徐々に低下させるように上記クラッチ装置を制御するものであり、かつ、上記第1電動機制御手段は、このクラッチ装置を介して上記第2電動機から内燃機関に加えられるトルクを考慮して所定のクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御するものとなっている。
【0032】
すなわち、車両減速状態から車両停止への移行時に、第2電動機が回転し続けていても、クラッチ制御手段がクラッチ伝達トルクを徐々に低下させることにより、内燃機関の回転数は徐々に低下し、滑らかに停止に至る。また、第2電動機から内燃機関へ伝達されたトルクは、さらに車両の駆動力として駆動輪側へ伝達されることになるが、この第2電動機によるトルクを考慮して、所定のクリープ力が発生するように第1電動機が制御される。つまり、第2電動機によるトルクが徐々に低下するのに対し、第1電動機によるトルクが徐々に増加するものとなり、段差感を伴うことなく両者の和として適宜なクリープ力が付与される。
【0033】
請求項8に係る複合型車両駆動装置は、上述のように車両停止中に内燃機関を停止するものにおいて、さらに発進時の再始動を考慮したものである。すなわち、この請求項8の発明においては、上記第2電動機制御手段は、さらに、車両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、内燃機関のクランキングを行うために上記第2電動機を駆動するものであり、上記クラッチ制御手段は、同じく所定の発進指令信号により上記クラッチ装置を接続状態に切り換えるものとなっている。
【0034】
この請求項8の発明では、アクセルペダルの踏込等の発進指令信号があると、クラッチ装置が接続状態となり、かつ第2電動機が駆動されて、これにより、内燃機関がクランキングされる。このクランキングによって、内燃機関は再始動する。なお、この段階で、主伝動装置が動力伝達可能な状態であれば、第2電動機の発生トルクの一部は、車両の発進に必要なトルクの一部としても利用されることになる。
【0035】
さらに、請求項9に係る複合型車両駆動装置は、発進時を考慮したものであり、請求項5〜8の装置において、上記第1電動機制御手段は、さらに、車両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、車両の発進を補助するに必要なトルクを出力するように上記第1電動機を制御するものとなっている。
【0036】
従って、内燃機関側から入力されるトルクに加えて第1電動機の発生トルクが駆動輪に与えられ、車両は速やかに発進する。
【0037】
ここで、特に請求項10の発明においては、車両の通常走行中は、内燃機関のみの駆動力によって車両および補機が駆動されるようになっている。つまり、発進後、第1電動機および第2電動機による車両や補機の駆動が停止される。
【0038】
さらに請求項14に係る複合型車両駆動装置は、上記変速機が自動変速機からなり、かつ内燃機関の停止中に上記自動変速機に必要な油圧を供給するための電動オイルポンプをさらに備えていることを特徴としている。
【0039】
自動変速機においては、一般に内部のクラッチやブレーキ等の締結要素が、油圧で作動するようになっており、車両停止時に内燃機関が停止すると、その動作が不可能となる。請求項14の構成では、これを補うために電動オイルポンプが機関停止中のみ、あるいは常時駆動され、自動変速機の必要な箇所に油圧を供給する。従って、内燃機関の停止によってクラッチが非締結となることを防止し、発進時にクラッチ締結遅れによる駆動力伝達遅れを防止するとともに、クラッチの締結によるショックを防止できる。
【0040】
請求項15は、複合型車両駆動装置の制御方法に関するものであって、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続される第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、を備えた内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
通常の走行中は、両電動機を駆動せずに内燃機関の駆動力のみで車両の駆動および補機の駆動を行い、
車両の所定の減速時には、上記第1電動機によってエネルギー回生を行うとともに、内燃機関への燃料供給を停止し、
この車両減速中に機関回転数が過度に低下しないように上記クラッチ装置ならびに上記第2電動機によって内燃機関のモータリングを行い、
減速後、車両が停止した後は、上記クラッチ装置を遮断状態にするとともに、上記第2電動機によって上記補機を駆動し、かつ車両に所定のクリープ力を付与するように上記第1電動機を駆動し、
車両停止中に、発進指令信号を受けた場合には、上記クラッチ装置を接続状態に切り換えて上記第2電動機により内燃機関のクランキングを行い、かつ上記第1電動機の駆動により車両の発進を補助する
ことを特徴としている。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置によれば、車両を基本的に駆動する内燃機関に、補機側および駆動輪側にそれぞれ別個に配置される第1,第2電動機を付加するとともに、クランクシャフトと補機間にクラッチ装置を付加した非常に簡素な構成により、車両の種々の運転状況に対し適切な態様で車両および補機を駆動することが可能となり、運転性や走行性能を犠牲にせずに燃料消費率の大幅な向上を実現できる。
【0042】
特に、請求項1〜請求項4の発明によれば、内燃機関の停止を回避するようにモータリングを行うことで、減速時の燃料供給停止を十分に長い期間、例えば車両停止に至るまで継続することが可能となり、それだけ燃料消費を抑制できるとともに、機関停止を考慮せずに適宜なタイミングで例えばロックアップクラッチを解放することが可能となる。また、減速時に機関が停止しないことから、車両停止直前であっても、アクセルペダルを踏み込めば直ちに加速でき、応答遅れを生じることがない。また、その減速中に第1電動機による減速エネルギーの回生が可能であり、特に、内燃機関のモータリングと回生とを両立させることができる。
【0043】
また請求項5〜請求項7の発明によれば、車両停止中に燃料供給を停止することで燃料消費の一層の抑制が図れるとともに、この燃料供給停止に伴う機関の停止に対し、補機の駆動とクリープ力の付与とを同時に実現できる。特に、クラッチ装置を介してそれぞれの側に、補機駆動用の第2電動機とクリープ力発生用の第1電動機が配置されるので、内燃機関の無駄な回転を伴うことがない。
【0044】
また請求項7の発明によれば、車両減速状態から車両停止への移行時に、モータリングトルクと第1電動機によるクリープ用の発生トルクとを滑らかに連続させることができ、トルクの段差感の発生を回避できる。
【0045】
さらに請求項8の発明によれば、第2電動機を機関の再始動にも利用できることになり、内燃機関側のスタータモータが実質的に不要となる。
【0046】
さらに請求項9の発明によれば、機関の停止状態から速やかに発進することが可能となる。特に、請求項8のように第2電動機でもって始動時のクランキングを行う場合でも、これとは別の第1電動機によって発進補助用のトルクが与えられるので、クランキング中に発進を開始することが可能となる。
【0047】
また請求項14のように自動変速機用の電動オイルポンプを付加すれば、例えば機関停止状態からの発進時に機関の始動つまり回転数上昇を待たずに自動変速機の動力伝達が可能となり、発進の遅れを防止できる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0049】
図3は、本発明の一実施例の基本的な構成を、その動力伝達経路の形で図示したものである。この図3に示すように、内燃機関1のクランクシャフトが主伝動装置としてのトルクコンバータ3を介して変速機5のメインドライブシャフトに接続されているとともに、この変速機5から終減速装置6を介して駆動輪7へ動力伝達がなされている。上記トルクコンバータ3と並列にロックアップクラッチ4が設けられており、このロックアップクラッチ4を締結することにより、内燃機関1と変速機5のメインドライブシャフトとを実質的に直結状態とすることができるようになっている。そして、上記トルクコンバータ3の出力側と駆動輪7との間の適宜な位置に、第1電動機10が並列に接続されており、内燃機関1の動力と第1電動機10の動力が接合点で合流して駆動輪7に伝達されるように構成されている。この第1電動機10は、電力の供給により電動機として動作するほか、逆に駆動輪7側から駆動されることにより減速エネルギーの回生が可能となっている。
【0050】
また内燃機関1の動力の一部は、ベルト伝動機構等を介して取り出され、種々の補機2、例えば内燃機関1自体に必要なウォータポンプ等や車両側との関係で必要となる空調装置用コンプレッサやパワーステアリング用ポンプ等の補機2を駆動するように構成されている。ここで、上記内燃機関1と補機2との間には、両者間の接続,遮断を行う適宜な形式のクラッチ装置9が介装されている。そして、このクラッチ装置9よりも補機2側に、補機2を駆動するための第2電動機8が接続されている。なお、上記の補機2としては、必ずしも車両の全ての補機を包含する必要はなく、その一部であってもよい。
【0051】
図4は、この実施例の一層具体的な構成を示すスケルトン図である。
【0052】
この図4の実施例は、変速機5としてベルト式無段自動変速機いわゆるCVTを用いたものであり、このCVT変速機5と、トルクコンバータ3と、ロックアップクラッチ4と、終減速装置6とが、トランスアクスル11として一体化されている。内燃機関1は、車両にいわゆる横置状態に搭載されているものであって、そのシリンダブロックの一端部が、トランスアクスル11のケースと結合されている。第1電動機10、第2電動機8および補機2は、内燃機関1のシリンダブロックに支持されている。
【0053】
上記CVT変速機5は、スチールベルト5aが巻き掛けられたプライマリプーリ5bおよびセカンダリプーリ5cと、プライマリプーリ5bの回転方向を切り換える前後進切換機構5dと、から大略構成されており、セカンダリプーリ5cの回転が中間軸(第3軸)5eを介して終減速装置6のファイナルギア6aに伝達され、デフ部6bを介して、トランスアクスル11から左右に延びるドライブシャフト7aが駆動されるように構成されている。また、第1電動機10の回転軸は、上記トランスアクスル11の中間軸(第3軸)5eに接続されており、内燃機関1の動力と第1電動機10の動力が、この中間軸5eで合流して駆動輪7を駆動することになる。なお、第1電動機10の許容最大回転数等の関係で必要な場合には、上記中間軸5eと第1電動機10との間に、さらに変速機構やクラッチ機構を設けてもよい。
【0054】
一方、内燃機関1のクランクシャフトの回転は、ベルト伝動機構16を介して補機2に伝達される。詳しくは、ベルト16aを介して中間軸16bに回転が伝達され、この中間軸16bと第2電動機8の回転軸8aとの間に、例えば電磁クラッチからなるクラッチ装置9が介在している。そして、上記の第2電動機8の回転軸8aが、ベルト16c,16dを介して各補機2に連動している。つまり、この実施例では、クラッチ装置9の状態に拘わらず、第2電動機8の回転が常に補機2に伝達されており、またクラッチ装置9が接続状態にある場合に限って、内燃機関1のクランクシャフトと第2電動機8と補機2とが、それぞれ所定の速度比で同時に回転することになる。
【0055】
図7は、ベルト連動機構16の変形例を示したものであって、この例では、ベルト16aを介してクランクシャフトに連動する中間軸16bと補機2との間に、クラッチ装置9が介在しており、補機2の回転軸2aと第2電動機8の回転軸8aとがベルト16cを介して連動している。この構成においても、その基本的な動作は上記と変わりがない。
【0056】
また、内燃機関1の停止中に、自動変速機5の前後進切換機構5d等に必要な油圧を供給するために、電動式油圧供給装置12が設けられている。図5は、この油圧供給装置12の詳細を示すものであって、内燃機関1により駆動される自動変速機用オイルポンプ20のほかに、モーター25で駆動されるオイルポンプ21を備えており、それぞれの吐出側が、それぞれ逆止弁22a,22bを介して自動変速機5の前後進切換機構5dのクラッチ部23に接続されている。なお、24はオイルパンである。従って、2つのオイルポンプ20,21の中で、いずれか油圧の高い方が逆止弁22a,22bにより選択されて、クラッチ部23への圧油の供給がなされる。なお、上記オイルポンプ21用のモーター25は、常時駆動するようにしてもよく、あるいは後述する機関停止中のみ駆動するようにしてもよい。
【0057】
次に、図6は、上記のように構成された複合型車両駆動装置の制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置は、内燃機関1の燃料や噴射時期等の種々の制御を行うエンジンコントロールユニット13と、トランスアクスル11(変速機5)の変速比やロックアップ状態等を制御する自動変速機コントロールユニット14と、ハイブリッドシステムコントロールユニット15と、から大略構成されている。上記ハイブリッドシステムコントロールユニット15は、所定のプログラムに従って処理を行うものであって、第1電動機10に接続された第1インバータ駆動回路26と、第2電動機8に接続された第2インバータ駆動回路27と、クラッチ装置9と、電動式油圧供給装置12と、を制御しており、これによって、後述するような種々の動作を実現している。また詳細な図示は省略するが、車両および内燃機関1の運転条件を検出するために、種々のセンサ類が設けられている。例えば、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ、ブレーキ操作を検出するブレーキセンサ、車速を検出する車速センサ、内燃機関1の回転数を検出するクランク角センサ、内燃機関1の吸入空気量センサ、スロットル弁が全閉であることを検出するアイドルスイッチ、冷却水温センサ、油温センサ、自動変速機5のセレクトレバーによるレンジ位置を検出するレンジ位置検出スイッチ、等が設けられている。これらの各センサの検出信号は、各コントロールユニット13,14,15に適宜に入力されている。さらに、各コントロールユニット13,14,15の間は、通信線を介して相互に接続されており、いわゆる協調制御を行うために必要な情報を共有すべく、相互にデータをやりとりしている。なお、29は、内燃機関1の運転や車両の一般的な電装品等のために用いられる低電圧バッテリ、28は、第1,第2電動機10,8に対し用いられる高電圧バッテリである。
【0058】
次に上記のように構成された車両駆動装置の作用を、図13〜図15のタイミングチャートおよび図16〜図21のフローチャートに基づいて詳細に説明する。特に、理解を容易にするために、車両の通常走行から減速したときの制御、減速から車両の停止に至るときの制御、車両停止状態から発進するときの制御、の3つの状況に大別して説明する。
【0059】
まず最初に、車両の通常走行時の制御およびこの通常走行から減速したときの制御について説明する。図13は、この状況での各部の動作を示している。この図13において、T1のタイミングにおいては、車両は通常走行状態にある。
【0060】
図16は、上記のハイブリッドシステムコントロールユニット15において実行される制御の流れを示すメインフローチャートであって、制御を開始した時点で最初にステップ1において、移行終了フラグおよび発進モードフラグを0とする。そして、ステップ2において、燃料噴射モードに入る。この燃料噴射モードは、通常の燃料噴射および点火を行うモードである。ステップ3では、アイドルスイッチの状態を判定し、ステップ4では、発進モードフラグの状態を判定しているが、通常の走行時には、アイドルスイッチがOFF、発進モードフラグが0のままであるから、ステップ4からステップ1へ戻り、燃料噴射モードを継続することになる。この燃料噴射モード中は、クラッチ装置9は接続状態に保持されており、第1電動機10および第2電動機8の制御は停止されている。これにより、内燃機関1によって車両および補機2の双方が駆動される。換言すれば、この状態では、通常の内燃機関1のみを具備した車両と何ら変わるところはない。また、この燃料噴射モードでは、低車速時等を除き、通常、ロックアップクラッチ4が締結されている。
【0061】
図13のT2は、アクセルペダルを解放して減速が開始したタイミングであり、T3は、さらにブレーキを踏み込んだタイミングに相当する。これにより、図16のステップ3からステップ5へ進み、燃料噴射が停止する。ステップ6では、車速が0であるか、ステップ7では、ロックアップクラッチ4が締結側に制御されているか、をそれぞれ判定しているが、この段階では、車速は0ではなく、ロックアップクラッチ4は締結状態にあるので、ステップ7からステップ8へ進み、ロックアップ減速モードに入る。図13では、T3〜T4の期間がロックアップ減速モードに相当する。このロックアップ減速モードは、主に第1電動機10によって減速エネルギーの回生を行うモードである。
【0062】
図17は、このロックアップ減速モードの処理の流れを示しており、まず、予め設定された図8に示すような特性の目標車軸トルクマップに基づき、そのときの車速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ステップ21)。次に、予め設定された図9に示すような特性の内燃機関フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数Neに対応する内燃機関フリクショントルクを求める(ステップ22)。なお、このフリクショントルクは、実際には、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。さらに、予め設定された図10に示すような特性の変速機フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数に対応する変速機フリクショントルクを求める(ステップ23)。このフリクショントルクは、同様に、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。そして、ステップ24において、回生車軸トルクを算出し、かつこれを第1電動機10の電流に換算する。つまり、上記の目標車軸トルクを、内燃機関フリクション車軸トルクと変速機フリクション車軸トルクと回生車軸トルクとの合計で与えるものと考えることにより、目標車軸トルクを得るのに必要な回生車軸トルクが求められる。ステップ25では、この回生車軸トルクを実現するように第1電動機10を制御する。なお、この回生車軸トルクは、当然のことながら負の値として与えられるものであり、図13等では、これを「被動」トルクとして示してある。
【0063】
ステップ25からはステップ3へ戻り、アイドルスイッチがONである限り、上記のモードが継続する。これにより、図13に示すように、車速が徐々に低下し、ロックアップ状態であることから、これと同様に機関回転数も低下する。なお、この段階では、補機2は内燃機関1によって駆動されている。
【0064】
やがて、機関回転数があるレベル(所定値1)にまで低下した時点(図13のT4のタイミング)で車両のサージング等を防止するためにロックアップ状態が解除される。ロックアップの解除により、内燃機関1の回転数は、自らのフリクションにより急速に低下しようとする。また、ロックアップ信号に基づき、図16のステップ7の判定がNOとなり、ステップ7からステップ9へ進み、非ロックアップ減速モードとなる。次のステップ10では、内燃機関1の回転数が「所定値2」に低下するまで待機する。これは、ロックアップクラッチ4が実際に完全に切断されるまでの遅れを考慮したものであり、「所定値2」としては、例えばロックアップ解除指令が出力された時点の回転数(所定値1)から一定量を差し引いた値として与えればよい。そして、回転数が「所定値2」を下回った段階でステップ11へ進み、モータリング減速モードへ入る。なお、図13では、ロックアップ減速モードの後、直ちにモータリング減速モードに移行しているが、実際には、極短時間、非ロックアップ減速モードが存在する。
【0065】
モータリング減速モードにおいては、燃料供給停止に伴う内燃機関1の停止、詳しくは回転数の過度の低下を防止するように、内燃機関1のモータリングを実行する。図18は、このモータリング減速モードの詳細を示している。
【0066】
このモータリング減速モードでは、まず、ステップ31において、モータリングにより維持しようとする目標機関回転数(所定値3)を車速に基づいて所定のマップから決定し、ステップ32で、この目標機関回転数と実回転数との差分を求める。次に、この差分に所定のゲインを乗じて、第2電動機8の発生トルクに対する必要なフィードバック操作量を求める。そして、このトルク操作量に基づき、第2電動機8を制御する(ステップ34)。つまり、機関回転数を目標機関回転数に収束させるように、第2電動機8の発生トルクがフィードバック制御される。なお、上記目標機関回転数としては、例えば700rpm前後である。
【0067】
一方、この非ロックアップ状態でのモータリング中も、第1電動機10を用いた回生が行われる。その手順としては、まず予め設定された図8に示すような特性の目標車軸トルクマップに基づき、そのときの車速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ステップ35)。次に、内燃機関1からトルクコンバータ3を通して車軸に伝達されるトルコン伝達車軸トルクを求める(ステップ36)。具体的には、トルクコンバータ3の速度比を、内燃機関1の回転数Neとタービン回転数(これは車速とギア比から求まる)とによって算出し、図11に示す所定の入力容量係数マップからトルクコンバータ3の入力トルク容量係数τを求める。そして、次式から、トルコン伝達トルクTを算出する。
【0068】
【数1】
T=τ*Ne*Ne*t …(1)
ここで、tはトルクコンバータ3のトルク比であるが、このような減速中には、その値は1である。このようにして求めたトルコン伝達トルクを、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算することにより、上述したトルコン伝達車軸トルクが求められる。さらに、予め設定された図10に示すような特性の変速機フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数に対応する変速機フリクショントルクを求める(ステップ37)。なお、このフリクショントルクは、同様に、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。そして、ステップ38において、回生車軸トルクを算出し、かつこれを第1電動機10の電流に換算する。つまり、上記の目標車軸トルクを、トルコン伝達車軸トルクと変速機フリクション車軸トルクと回生車軸トルクとの合計で与えるものと考えることにより、目標車軸トルクを得るのに必要な回生車軸トルクが求められる。ステップ39では、この回生車軸トルクを実現するように第1電動機10を制御する。
【0069】
上記のように第2電動機8によって内燃機関1のモータリングを行うことにより、内燃機関1の過度の回転数低下、つまり実質的な停止を回避できる。従って、この減速中に、アクセルペダルが踏み込まれれば、燃料噴射の再開(図16のステップ3からステップ4へ進む)によって直ちに自立運転が開始し、加速に移行できる。なお、このモータリング減速モードの間は、補機2は、内燃機関1によって、実質的には電動機8によって駆動され続ける。
【0070】
次に、車両の減速から車両の停止に至るまでの制御について説明する。図14は、この状況での各部の動作を示している。
【0071】
上述したようなモータリング減速モードによって車速が徐々に低下していくと、やがて、完全に停止することになる。図14のT5が、この車両停止のタイミングに相当する。車両が停止し、つまり車速が0となると、図16のステップ6の判定はYESとなるので、ステップ6からステップ12へ進む。このステップ12では、移行終了フラグの判定を行うが、当初はフラグが0であるので、ステップ13へ進み、移行モードの制御へ移る。
【0072】
この移行モードは、第2電動機8によるモータリングを終了するとともに、第1電動機10によるクリープ力発生を開始するモードであり、特に両者の移行の際の段差感の発生を防止しようとするモードである。図19は、この移行モードの処理の流れを示している。
【0073】
このモードでは、まず、車両停止中に付与すべき目標クリープトルクを、例えばマップ等に基づいて設定する(ステップ41)。そして、クラッチ装置9のクラッチ容量を中間レベルまで低下させる。なお、この容量の低下は多段階に分けて連続的に低下させるようにしてもよいが、この実施例では、図14にクラッチ伝達トルクとして示されているように、一定の中間値に維持している。このように第2電動機8と内燃機関1との間のクラッチ装置9のクラッチ容量を低下させることにより、内燃機関1の回転数は、フリクションにより徐々に低下していく。これに対し、第2電動機8の回転数は、内燃機関1の回転数とは無関係に所定値に維持する(ステップ43)。補機2は、第2電動機8と一体に回転するので、クラッチ装置9の容量低下に拘わらず、所定の回転数でもって駆動され続けることになる。
【0074】
ステップ44では、前述した(1)式に基づいて同様の手法によりトルコン伝達トルクを求め、ステップ45で、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算し、トルコン伝達トルクによる車両クリープトルク(トルコン車軸トルク)とする。これは、第2電動機8により発生するクリープトルクであり、図14に示すように、内燃機関1の回転数の低下に伴って徐々に低下していく。
【0075】
そして、ステップ46で、目標クリープトルクと上記のトルコン伝達トルクによるクリープトルクとの差として、第1電動機10により付加すべきクリープトルクを算出する。つまり、これにより、第1電動機10に必要な駆動トルクが求められる。ステップ47では、このトルクの値から第1電動機10の操作電流量を算出し、ステップ48において第1電動機10を制御する。
【0076】
ステップ49では、アイドルスイッチの状態を、ステップ50では車速が0であるか否かを、ステップ51では機関が完全に停止したか否かを、それぞれ判定している。上述したように、クラッチ装置9のクラッチ容量の低下により機関回転数は徐々に低下していくが、機関回転数が0に達するまでは、ステップ51からステップ3へ戻り、上述した制御が継続される。これにより、図14に示すように、徐々に低下する第2電動機8によるクリープトルクを補うように、第1電動機10によるクリープトルクが徐々に増加し、車両全体としては、車両停止時点(T5)から一定のクリープ力が発生する。
【0077】
その後、機関回転数が0となると、ステップ51からステップ52へ進み、クラッチ装置9を完全に遮断する。続いて、ステップ53で移行終了フラグを1とする。この時点が、図16のT6のタイミングに相当する。
【0078】
ステップ53からはステップ3へ戻るが、ステップ12へ進んだ段階では、該ステップ12の判定がNOとなるので、ステップ12からステップ14へ進み、アイドルストップモードとなる。
【0079】
アイドルストップモードは、図20に示すように、まず、ステップ61において、第2電動機8を目標回転数(補機2の駆動に必要な回転数、例えば700rpm前後である)になるように制御するとともに、ステップ62において、前述した目標クリープトルク(車軸トルク)となるように第1電動機10を制御する。また、ステップ63では、アイドルスイッチの状態を、ステップ64では、車速が0であるか否かを判定し、これらの判定がYESである間は、アイドルストップモードを継続する。
【0080】
従って、このモードに入った状態では、内燃機関1は実質的に停止しており、燃料消費が抑制されるとともに、その回転によるフリクション発生が回避される。そして、補機2は第2電動機8によって駆動され続けるが、第2電動機8は内燃機関1を回転させずに補機2のみを駆動するので、その電力消費も少ないものとなる。また、上述のように車両にクリープ力が付与されることから、車庫入れ等の際の操作性が向上する。なお、この機関停止中は、前述したように、電動式油圧供給装置12によって自動変速機5に必要な油圧が確保される。
【0081】
次に、上記の車両停止状態から発進するときの制御について説明する。図15は、この状況での各部の動作を示しており、T7のタイミングでアクセルペダルが踏み込まれている。このようにアクセルペダルが踏み込まれると、図20のステップ63の判定がNOとなり、図21に示す発進モードの制御に移行する。この発進モードとなると、まずステップ71で、発進モードフラグを1とし、かつ前述したアイドルストップモードフラグを0にリセットする。そして、ステップ72へ進んで、クラッチ装置9を接続状態に切り換える。続いて、ステップ73で、第2電動機8の目標回転数をマップ等から読み取り、かつステップ74で、この目標回転数を維持するように第2電動機8を制御する。なお、上記目標回転数としては、これ以前の補機2駆動中の回転数をそのまま維持するようにしてもよい。クラッチ装置9を締結することにより、第2電動機8の回転数は低下しようとするが、この回転数を一定に維持するように制御することで、結果的に最大トルクが出力されることになる。なお、この第2電動機8の最大トルクは、クラッチ装置9の最大伝達容量よりも大きく設定されている。従って、クラッチ装置9の滑りを伴いつつ内燃機関1の回転数は徐々に上昇することになる。つまり、内燃機関1の始動のためのクランキングが、この第2電動機8によって行われる。
【0082】
次にステップ75では、図12に示すような所定の特性のマップに基づき、そのときのアクセル開度に対応して目標車軸トルクを決定する。そして、ステップ76で、第1電動機10に必要な目標トルクを演算する。これは、詳細には示していないが、前述したクリープトルク演算時のステップ44〜ステップ46と同様に、第2電動機8の駆動により生じるトルコン車軸トルクを求めた上で、上記目標車軸トルクとこのトルコン車軸トルクとの差として、第1電動機10が負担すべきトルクを決定するのである。次にステップ77で、この算出したトルクを発生するように、第1電動機10を制御し、ステップ78で、内燃機関1の始動に必要な燃料噴射量の補正や点火時期の補正等の始動制御を開始する。
【0083】
ステップ79では、内燃機関1が完爆したか否かを判定しており、完爆するまで、上記の制御を繰り返す。従って、図15に示すように、内燃機関1は、その回転数が徐々に上昇し、やがて始動して、自立運転に移行することになる。また、第1電動機10のトルクによって、アクセルペダルの踏込量に対応した目標車軸トルクが直ちに得られることになり、車両は非常に応答性よく発進できる。そして、この第1電動機10による発進補助用のトルクは、第2電動機8によるトルクを考慮したものとして与えられるので、全体として過不足なく所望のトルクを確保することができる。
【0084】
また、この発進の際に、自動変速機5には、電動式油圧供給装置12によって必要な油圧が供給されており、内燃機関1の回転数の立ち上がりを待たずに各部の切換や変速が可能であるので、発進時の応答遅れの要因とはならない。従って、第1電動機10により与える発進補助用のトルクは比較的小さなもので足り、第1電動機10等の電気的駆動システム全体はそれだけ小型となる。
【0085】
次に、図15のT8のタイミングで内燃機関1が完爆に至ると、ステップ79の判定がYESとなり、ステップ80へ進む。なお、内燃機関1の完爆は、機関回転数の急激な変化あるいは第2電動機8の駆動トルクの変化等によって検出される。ステップ80では、第2電動機8の電流が力行側であるか否かを判定している。つまり、第2電動機8は、上述した回転数制御が継続されているため、その電流に基づき、内燃機関1の回転数がこの第2電動機8の目標回転数に対応する機関回転数に達したか否かが判定されることになる。機関回転数の方が相対的に高くなり、電流が力行側から被動側に変化したら、ステップ81へ進み、発進モードフラグを0として、通常走行に相当する燃料噴射モード(ステップ2)に移行する。これが、図15のT9のタイミングに相当する。この時点では、補機2は、内燃機関1によって駆動されることになる。燃料噴射モードにおいては、前述したように、第1,第2電動機10,8は、その制御が停止される。
【0086】
以上の発進モードの説明では、アクセルペダルが踏み込まれたものとして説明したが、アイドルストップモード中のステップ64において、車速が0以外であると判定した場合にも、同様に発進モードに移行する。例えば、坂道等でブレーキを解放した結果車速が上昇した場合等がこれに該当する。勿論、この車速の判定には、適宜な不感帯が与えられるので、クリープ力によりごくわずか動いた程度では、アイドルストップモードが継続される。また、移行モード中にアクセルペダルが踏み込まれた場合(ステップ49)あるいは車両が走行開始した場合(ステップ50)においても、同様に発進モードに移行する。
【0087】
なお、上記の実施例においては、車両の停止中つまり移行モードおよびアイドルストップモードの間に、クラッチ装置9を遮断状態として内燃機関1を完全に停止するようにしたが、この間、クラッチ装置9を接続状態とし、内燃機関1のモータリングを継続するように制御してもよい。この場合、内燃機関1を回転させることによるフリクションが加わるので、第2電動機8の電力消費の点では不利となるが、発進時には、内燃機関1が回転しているので、燃料噴射を再開すれば、直ちに燃焼が開始し、トルクの立ち上がりの点では有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の自動車の動力伝達経路を表した説明図。
【図2】従来の駆動装置のスケルトン図。
【図3】本発明の一実施例の動力伝達経路を表した説明図。
【図4】本発明の一実施例の構成を示すスケルトン図。
【図5】電動式油圧供給装置の構成を示す油圧回路図。
【図6】この実施例の制御装置のシステム構成を示すブロック図。
【図7】ベルト伝動機構の異なる実施例を示す説明図。
【図8】目標車軸トルクマップの特性を示す特性図。
【図9】内燃機関フリクション推定マップの特性を示す特性図。
【図10】変速機フリクション推定マップの特性を示す特性図。
【図11】トルクコンバータの性能マップを示す特性図。
【図12】発進時の目標車軸トルクのマップの特性を示す特性図。
【図13】車両減速時のタイムチャート。
【図14】減速から停車へ移行するときのタイムチャート。
【図15】発進時のタイムチャート。
【図16】この実施例の制御の全体的な流れを示すメインフローチャート。
【図17】ロックアップ減速モードの流れを示すフローチャート。
【図18】モータリング減速モードの流れを示すフローチャート。
【図19】移行モードの流れを示すフローチャート。
【図20】アイドルストップモードの流れを示すフローチャート。
【図21】発進モードの流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…補機
3…トルクコンバータ
4…ロックアップクラッチ
5…変速機
6…終減速装置
7…駆動輪
8…第2電動機
9…クラッチ装置
10…第1電動機
11…トランスアクスル
12…電動式油圧供給装置
13…エンジンコントロールユニット
14…自動変速機コントロールユニット
15…ハイブリッドシステムコントロールユニット
Claims (15)
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴う車両減速時に、上記クラッチ装置を介して内燃機関のモータリングを行う第2電動機と、を備えていることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 燃料供給停止を伴う車両停止時に、上記第2電動機が、上記クラッチ装置を遮断した状態で上記補機の駆動を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、この燃料供給停止中に、上記内燃機関の回転数が過度に低下しないように、上記クラッチ装置を接続した状態で上記第2電動機によって内燃機関のモータリングを行う第2電動機制御手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両減速時に上記駆動輪によって駆動される上記第1電動機によりエネルギー回生を行う回生手段を有し、かつ、この回生手段は、上記のモータリング中も回生を継続することを特徴とする請求項3記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行う主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続された第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、車両の停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、この車両停止中に、上記クラッチ装置を遮断状態とするクラッチ制御手段と、同じく車両停止中に、上記補機を駆動するように上記第2電動機を制御する第2電動機制御手段と、同じく車両停止中に、車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1電動機制御手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時ならびに車両停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、燃料供給停止された減速中に、上記クラッチ装置を接続状態に、かつ車両停止後に、遮断状態に、それぞれ制御するクラッチ制御手段と、減速中に上記内燃機関の回転数が過度に低下しないようにモータリングを行うべく上記第2電動機を駆動するとともに、車両停止後は補機の駆動のために上記第2電動機を駆動する第2電動機制御手段と、車両停止後に、車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1電動機制御手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記クラッチ制御手段は、車両減速状態から車両停止への移行時に、クラッチ伝達トルクを連続的もしくはステップ的に徐々に低下させるように上記クラッチ装置を制御するものであり、かつ、上記第1電動機制御手段は、このクラッチ装置を介して上記第2電動機から内燃機関に加えられるトルクを考慮して所定のクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御するものであることを特徴とする請求項6記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記第2電動機制御手段は、さらに、車両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、内燃機関のクランキングを行うために上記第2電動機を駆動するものであり、上記クラッチ制御手段は、同じく所定の発進指令信号により上記クラッチ装置を接続状態に切り換えるものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記第1電動機制御手段は、さらに、車両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、車両の発進を補助するに必要なトルクを出力するように上記第1電動機を制御するものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両の通常走行中は、内燃機関のみの駆動力によって車両および補機が駆動されることを特徴とする請求項9記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記主伝動装置は、トルクコンバータからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記主伝動装置は、トルクコンバータと、該トルクコンバータの入力側および出力側を直結するロックアップクラッチと、からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記変速機は、ベルト式無段変速機からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記変速機が自動変速機からなり、かつ内燃機関の停止中に上記自動変速機に必要な油圧を供給するための電動オイルポンプをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続される第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、を備えた内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
通常の走行中は、両電動機を駆動せずに内燃機関の駆動力のみで車両の駆動および補機の駆動を行い、
車両の所定の減速時には、上記第1電動機によってエネルギー回生を行うとともに、内燃機関への燃料供給を停止し、
この車両減速中に機関回転数が過度に低下しないように上記クラッチ装置ならびに上記第2電動機によって内燃機関のモータリングを行い、
減速後、車両が停止した後は、上記クラッチ装置を遮断状態にするとともに、上記第2電動機によって上記補機を駆動し、かつ車両に所定のクリープ力を付与するように上記第1電動機を駆動し、
車両停止中に、発進指令信号を受けた場合には、上記クラッチ装置を接続状態に切り換えて上記第2電動機により内燃機関のクランキングを行い、かつ上記第1電動機の駆動により車両の発進を補助する
ことを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置の制御方法。
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