JP3584680B2 - 内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関と電動機とを用いた複合型の車両駆動装置、特に、基本的には車両の走行を内燃機関によって行い、電動機の補助的な作動により、例えば機関停止中のクリープ力の付与や発進時の補助を行うようにした複合型車両駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関と電動機とを組み合わせた複合型車両駆動装置の一例としては、例えば、特開平8−266012号公報に示されているように、内燃機関でもって車両の走行を行うとともに、この内燃機関の出力と並列に電動機を設け、発進時等に電動機の動力を付加できるようにしたハイブリッドシステムが知られている。
【0003】
図1は、この従来のハイブリッド型車両駆動装置の構成を示したものであり、内燃機関51の後段にクラッチ装置52を介してベルト式無段変速機53が接続されており、この変速機53から終減速装置54を介して駆動輪55へ動力伝達がなされている。そして、無段変速機53の出力軸つまりセカンダリプーリの回転軸に、電動機56の回転軸が直結されている。この電動機56は、発進時等、内燃機関の出力が不十分なときに動力を付加するために駆動されるとともに、車両減速時には、駆動輪55側から逆に駆動されることによりエネルギー回生を行うことができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、変速機53の出力側に電動機56を直接に接続し、駆動輪55と電動機56とが常時一体に連動するようにした構成では、例えば車両の発進時に必要な大きな駆動力を得るためには、当然のことながら、大きなトルクを有する電動機56と、大電流を流せる強電回路と、同じく大電流に対応したバッテリー(電源)が必要となる。その結果、車両に搭載する装置全体が非常に大型化し、かつ重く高価なものとなってしまう。従って、車両の有効空間の確保や、燃費、動力性能の上で、実用車両に適用することは著しく困難である。
【0005】
特に、信号待ち等の車両の停止中に燃料供給を停止し、その後、アクセルペダルが踏み込まれた時点で、内燃機関51を再度始動するとともに、電動機56の駆動力により車両の発進を開始するようにしたいわゆるアイドルストップの技術を適用しようとすると、発進直後の僅かな期間は、電動機56の駆動力のみで車両を動かさなければならないので、電動機56の大小が発進性能を大きく左右することになる。
【0006】
一方、小型の電動機と減速歯車機構とを組み合わせて用いることにより、駆動力を大きく確保しつつ装置全体の小型化を図ることも考えられるが、このような場合には、車両が高速走行したときに、電動機が過度に高速回転となり、許容回転数を越えてしまう恐れがある。また、仮に、クラッチ機構を介装し、高速時に電動機を切り離すようにすると、電動機を保護できる反面、減速時のエネルギー回生をある程度車速が低下した段階でしか開始できないことになり、エネルギー効率の点で好ましくない。
【0007】
本発明は、比較的小型の電動機でもって発進時等に大きな駆動力を発揮できるとともに、高速域では、電動機の過回転を防止できる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る複合型車両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記変速機の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な電動機と、を備えてなる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、上記電動機と上記駆動輪側との間に、例えば2速の電動機用変速装置が介装されている。
【0009】
この構成では、車両の走行は、基本的には、内燃機関によって行われる。そして、発進時等には、上記電動機が駆動され、内燃機関の発生動力に加えて、車両を駆動する。また、車両の減速時には、上記電動機が逆に被動状態となり、減速エネルギーが回生される。ここで、上記構成では、電動機が電動機用変速装置を介して接続されているので、発進時等のように電動機から駆動力を付与する場合には、減速比の大きな低速段にすることで、大きな駆動力が発揮される。一方、車両の高速域、特に、エネルギー回生を行う減速時等には、減速比の小さな高速段にすることで、電動機の過回転を回避できる。すなわち、図2は、内燃機関に接続される変速機として無段変速機を用いた場合の車両の最大駆動力と、電動機によって発進時に付加すべき駆動力の領域および回生を行うべき領域と、の一例を示しているが、図示するように、発進時に必要なトルクは大きく、かつ車速は低車速のみに限定されているが、回生については、より高速側の領域まで含む必要があり、かつトルクは小さい。従って、電動機用変速装置により減速比を切り換えることによって、両者の要求を両立させることができる。
【0010】
請求項5の一つの態様では、上記電動機用変速装置は、歯車組と、いずれか一方を選択的に締結することにより低速段と高速段とを実現する2つの制御可能な締結要素と、から構成され、少なくとも車両前進時の高速域では高速段に、低速域では低速段に、それぞれ制御される。
【0011】
つまり、クラッチもしくはブレーキ等からなる2つの締結要素の一方を締結状態に、他方を非締結状態にすることにより、低速段および高速段へ切り換えられる。そして、車両前進時の高速域では高速段となって電動機の過回転が防止され、また低速域では低速段に制御されて、駆動力が確保される。なお、車両後進時には、一般に高速走行することは稀であるので、特に積極的な制御は不要である。
【0012】
さらに、上記低速段から高速段への変速時に、両締結要素を非締結状態にするとともに、上記変速装置の駆動輪側の出力軸の回転数と同期するように上記電動機の回転数を制御する変速制御手段を備えている。
【0013】
これによって、締結要素は、同期回転している状態で締結され、変速時のショック発生が回避される。
【0015】
請求項1の発明では、上記変速装置は、歯車組と、1つのワンウェイクラッチと、1つの制御可能なクラッチと、から構成され、車両前進時に、高速域では、上記クラッチを締結状態とすることにより高速段に、低速域では、上記クラッチを非締結状態とすることにより低速段に、それぞれ制御されるとともに、車両後進時には、上記クラッチが非締結状態に制御されることを特徴としている。
【0016】
このようにワンウェイクラッチを用いた構成においては、ワンウェイクラッチが、例えば電動機の駆動方向のトルクによる相対回転によって締結され、所定の変速段が実現される。
【0017】
上記の請求項1の発明をさらに限定した請求項2の発明では、車両前進時における上記クラッチの非締結状態から締結状態への移行時に、該クラッチの前後の回転数が互いに同期するように上記電動機の回転数を制御する変速制御手段を備えている。これによって、上記クラッチは、同期回転している状態で締結され、変速時のショック発生が回避される。
【0018】
さらに、請求項4の発明では、上記変速装置は、歯車組と、2つのワンウェイクラッチと、1つの制御可能なクラッチと、から構成されており、車両前進時に、上記クラッチが締結状態に、後進時に非締結状態に、それぞれ制御されるとともに、車両前進時に、電動機の駆動もしくは被動による相対回転方向によっていずれかのワンウェイクラッチが締結し、駆動時には低速段に、被動時には高速段に切り換わるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
従って、この構成では、車速に応じた外部からの積極的な制御は不要であり、発進等の駆動時には自然に低速段となり、また減速時のように被動のときには高速段となって過回転が回避される。
【0020】
また請求項3および請求項5の発明では、電動機用変速装置が低速段に制御される第1の車速以下の低速時には、電動機を駆動し、高速段に制御される第2の車速以上の高速時の減速中には、電動機の回生制御を行い、第1の車速と第2の車速の間では、上記変速装置の回転数同期のために上記電動機の回転数制御を行うように構成されている。すなわち、車速が低い状態では、必要に応じて電動機による動力の付加を行い、車速が高い状態では、減速中に、電動機によって回生を行う。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置によれば、駆動輪と電動機との間に電動機用変速装置を介装したので、比較的小型の電動機でもって発進時等に十分に大きな駆動力を発揮できるとともに、高速走行時における電動機の過回転を防止でき、高速域から減速時のエネルギー回生を行うことができる。従って、強電回路やバッテリー等をも含めて装置全体の小型軽量化を図ることができる。
【0022】
特に、請求項2、請求項3あるいは請求項5の発明によれば、変速の際に電動機の回転数を同期させることにより、変速ショックの発生を防止できる。
【0023】
また請求項4の発明によれば、電動機の駆動もしくは被動の状態に応じて変速段が自動的に切り換わるので、外部からの積極的な変速制御が不要となり、その制御が簡単なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図3は、本発明に係る車両駆動装置の一実施例を示すスケルトン図である。この図3に示すように、内燃機関1のクランクシャフトが主伝動装置としてのトルクコンバータ3を介して変速機5のメインドライブシャフトに接続されているとともに、この変速機5から終減速装置6を介して駆動輪7へ動力伝達がなされている。上記トルクコンバータ3と並列にロックアップクラッチ4が設けられており、このロックアップクラッチ4を締結することにより、内燃機関1と変速機5のメインドライブシャフトとを実質的に直結状態とすることができるようになっている。そして、上記トルクコンバータ3の出力側と駆動輪7との間の適宜な位置に、第1電動機10が並列に接続されており、内燃機関1の動力と第1電動機10の動力が接合点で合流して駆動輪7に伝達されるように構成されている。この第1電動機10は、電力の供給により電動機として動作するほか、逆に駆動輪7側から駆動されることにより減速エネルギーの回生が可能となっている。上記第1電動機10と上記接合点との間には、後に詳細に説明する2速の電動機用変速装置17が介装されている。
【0026】
また内燃機関1の動力の一部は、ベルト伝動機構等を介して取り出され、種々の補機2、例えば内燃機関1自体に必要なウォータポンプ等や車両側との関係で必要となる空調装置用コンプレッサやパワーステアリング用ポンプ等の補機2を駆動するように構成されている。ここで、上記内燃機関1と補機2との間には、両者間の接続,遮断を行う適宜な形式のクラッチ装置9が介装されている。そして、このクラッチ装置9よりも補機2側に、補機2を駆動するための第2電動機8が接続されている。なお、上記の補機2としては、必ずしも車両の全ての補機を包含する必要はなく、その一部であってもよい。
【0027】
この図3の実施例は、変速機5としてベルト式無段自動変速機いわゆるCVTを用いたものであり、このCVT変速機5と、トルクコンバータ3と、ロックアップクラッチ4と、終減速装置6とが、トランスアクスル11として一体化されている。内燃機関1は、車両にいわゆる横置状態に搭載されているものであって、そのシリンダブロックの一端部が、トランスアクスル11のケースと結合されている。第1電動機10、第2電動機8および補機2は、内燃機関1のシリンダブロックに支持されている。
【0028】
上記CVT変速機5は、スチールベルト5aが巻き掛けられたプライマリプーリ5bおよびセカンダリプーリ5cと、プライマリプーリ5bの回転方向を切り換える前後進切換機構5dと、から大略構成されており、セカンダリプーリ5cの回転が中間軸(第3軸)5eを介して終減速装置6のファイナルギア6aに伝達され、デフ部6bを介して、トランスアクスル11から左右に延びるドライブシャフト7aが駆動されるように構成されている。また、第1電動機10の回転軸、詳しくは電動機用変速装置17の出力軸17aは、上記トランスアクスル11の中間軸(第3軸)5eに接続されており、内燃機関1の動力と第1電動機10の動力が、この中間軸5eで合流して駆動輪7を駆動することになる。
【0029】
また、内燃機関1のクランクシャフトの回転は、ベルト伝動機構16を介して補機2にも伝達される。詳しくは、ベルト16aを介して中間軸16bに回転が伝達され、この中間軸16bと第2電動機8の回転軸8aとの間に、例えば電磁クラッチからなるクラッチ装置9が介在している。そして、上記の第2電動機8の回転軸8aが、ベルト16c,16dを介して各補機2に連動している。つまり、この実施例では、クラッチ装置9の状態に拘わらず、第2電動機8の回転が常に補機2に伝達されており、またクラッチ装置9が接続状態にある場合に限って、内燃機関1のクランクシャフトと第2電動機8と補機2とが、それぞれ所定の速度比で同時に回転することになる。
【0030】
また、内燃機関1の停止中に、自動変速機5の前後進切換機構5d等に必要な油圧を供給するために、電動式油圧供給装置12が設けられている。図4は、この油圧供給装置12の詳細を示すものであって、内燃機関1により駆動される自動変速機用オイルポンプ20のほかに、モーター25で駆動されるオイルポンプ21を備えており、それぞれの吐出側が、それぞれ逆止弁22a,22bを介して自動変速機5の前後進切換機構5dのクラッチ部23に接続されている。なお、24はオイルパンである。従って、2つのオイルポンプ20,21の中で、いずれか油圧の高い方が逆止弁22a,22bにより選択されて、クラッチ部23への圧油の供給がなされる。なお、上記オイルポンプ21用のモーター25は、常時駆動するようにしてもよく、あるいは後述する機関停止中のみ駆動するようにしてもよい。
【0031】
次に、図5は、上記のように構成された複合型車両駆動装置の制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置は、内燃機関1の燃料や噴射時期等の種々の制御を行うエンジンコントロールユニット13と、トランスアクスル11(変速機5)の変速比やロックアップ状態等を制御する自動変速機コントロールユニット14と、ハイブリッドシステムコントロールユニット15と、から大略構成されている。上記ハイブリッドシステムコントロールユニット15は、所定のプログラムに従って処理を行うものであって、第1電動機10に接続された第1インバータ駆動回路26と、第2電動機8に接続された第2インバータ駆動回路27と、クラッチ装置9と、電動式油圧供給装置12と、電動機用変速装置17と、を制御しており、これによって、後述するような種々の動作を実現している。また詳細な図示は省略するが、車両および内燃機関1の運転条件を検出するために、種々のセンサ類が設けられている。例えば、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ、ブレーキ操作を検出するブレーキセンサ、車速を検出する車速センサ、内燃機関1の回転数を検出するクランク角センサ、内燃機関1の吸入空気量センサ、スロットル弁が全閉であることを検出するアイドルスイッチ、冷却水温センサ、油温センサ、自動変速機5のセレクトレバーによるレンジ位置を検出するレンジ位置検出スイッチ、等が設けられている。これらの各センサの検出信号は、各コントロールユニット13,14,15に適宜に入力されている。さらに、各コントロールユニット13,14,15の間は、通信線を介して相互に接続されており、いわゆる協調制御を行うために必要な情報を共有すべく、相互にデータをやりとりしている。なお、29は、内燃機関1の運転や車両の一般的な電装品等のために用いられる低電圧バッテリ、28は、第1,第2電動機10,8に対し用いられる高電圧バッテリである。
【0032】
次に上記のように構成された車両駆動装置全体の基本的な作用を、図11〜図13のタイミングチャートおよび図14〜図19のフローチャートに基づいて詳細に説明する。特に、理解を容易にするために、車両の通常走行から減速したときの制御、減速から車両の停止に至るときの制御、車両停止状態から発進するときの制御、の3つの状況に大別して説明する。
【0033】
まず最初に、車両の通常走行時の制御およびこの通常走行から減速したときの制御について説明する。図11は、この状況での各部の動作を示している。この図11において、T1のタイミングにおいては、車両は通常走行状態にある。
【0034】
図14は、上記のハイブリッドシステムコントロールユニット15において実行される制御の流れを示すメインフローチャートであって、制御を開始した時点で最初にステップ1において、移行終了フラグおよび発進モードフラグを0とする。そして、ステップ2において、燃料噴射モードに入る。この燃料噴射モードは、通常の燃料噴射および点火を行うモードである。ステップ3では、アイドルスイッチの状態を判定し、ステップ4では、発進モードフラグの状態を判定しているが、通常の走行時には、アイドルスイッチがOFF、発進モードフラグが0のままであるから、ステップ4からステップ1へ戻り、燃料噴射モードを継続することになる。この燃料噴射モード中は、クラッチ装置9は接続状態に保持されており、第1電動機10および第2電動機8の制御は停止されている。これにより、内燃機関1によって車両および補機2の双方が駆動される。換言すれば、この状態では、通常の内燃機関1のみを具備した車両と何ら変わるところはない。また、この燃料噴射モードでは、低車速時等を除き、通常、ロックアップクラッチ4が締結されている。
【0035】
図11のT2は、アクセルペダルを解放して減速が開始したタイミングであり、T3は、さらにブレーキを踏み込んだタイミングに相当する。これにより、図14のステップ3からステップ5へ進み、燃料噴射が停止する。ステップ6では、車速が0であるか、ステップ7では、ロックアップクラッチ4が締結側に制御されているか、をそれぞれ判定しているが、この段階では、車速は0ではなく、ロックアップクラッチ4は締結状態にあるので、ステップ7からステップ8へ進み、ロックアップ減速モードに入る。図11では、T3〜T4の期間がロックアップ減速モードに相当する。このロックアップ減速モードは、主に第1電動機10によって減速エネルギーの回生を行うモードである。
【0036】
図15は、このロックアップ減速モードの処理の流れを示しており、まず、予め設定された図6に示すような特性の目標車軸トルクマップに基づき、そのときの車速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ステップ21)。次に、予め設定された図7に示すような特性の内燃機関フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数Neに対応する内燃機関フリクショントルクを求める(ステップ22)。なお、このフリクショントルクは、実際には、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。さらに、予め設定された図8に示すような特性の変速機フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数に対応する変速機フリクショントルクを求める(ステップ23)。このフリクショントルクは、同様に、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。そして、ステップ24において、回生車軸トルクを算出し、かつこれを第1電動機10の電流に換算する。つまり、上記の目標車軸トルクを、内燃機関フリクション車軸トルクと変速機フリクション車軸トルクと回生車軸トルクとの合計で与えるものと考えることにより、目標車軸トルクを得るのに必要な回生車軸トルクが求められる。ステップ25では、この回生車軸トルクを実現するように第1電動機10を制御する。なお、この回生車軸トルクは、当然のことながら負の値として与えられるものであり、図11等では、これを「被動」トルクとして示してある。
【0037】
なお、上記実施例では、スロットル弁の全閉によって第1電動機10による回生を開始するようにしているが、過度のエンジンブレーキ作用の発生を防止するために、ブレーキペダルが踏み込まれた場合(ブレーキスイッチのON)にのみ回生を行うようにしてもよい。また、スロットル弁全閉時とブレーキ踏込時とで、マップを切り換えることにより、回生車軸トルクを異なる大きさに与えるようにすることもできる。
【0038】
ステップ25からはステップ3へ戻り、アイドルスイッチがONである限り、上記のモードが継続する。これにより、図11に示すように、車速が徐々に低下し、ロックアップ状態であることから、これと同様に機関回転数も低下する。なお、この段階では、補機2は内燃機関1によって駆動されている。
【0039】
やがて、機関回転数があるレベル(所定値1)にまで低下した時点(図11のT4のタイミング)で車両のサージング等を防止するためにロックアップ状態が解除される。ロックアップの解除により、内燃機関1の回転数は、自らのフリクションにより急速に低下しようとする。また、ロックアップ信号に基づき、図14のステップ7の判定がNOとなり、ステップ7からステップ9へ進み、非ロックアップ減速モードとなる。次のステップ10では、内燃機関1の回転数が「所定値2」に低下するまで待機する。これは、ロックアップクラッチ4が実際に完全に切断されるまでの遅れを考慮したものであり、「所定値2」としては、例えばロックアップ解除指令が出力された時点の回転数(所定値1)から一定量を差し引いた値として与えればよい。そして、回転数が「所定値2」を下回った段階でステップ11へ進み、モータリング減速モードへ入る。なお、図11では、ロックアップ減速モードの後、直ちにモータリング減速モードに移行しているが、実際には、極短時間、非ロックアップ減速モードが存在する。
【0040】
モータリング減速モードにおいては、燃料供給停止に伴う内燃機関1の停止、詳しくは回転数の過度の低下を防止するように、内燃機関1のモータリングを実行する。図16は、このモータリング減速モードの詳細を示している。
【0041】
このモータリング減速モードでは、まず、ステップ31において、モータリングにより維持しようとする目標機関回転数(所定値3)を車速に基づいて所定のマップから決定し、ステップ32で、この目標機関回転数と実回転数との差分を求める。次に、この差分に所定のゲインを乗じて、第2電動機8の発生トルクに対する必要なフィードバック操作量を求める。そして、このトルク操作量に基づき、第2電動機8を制御する(ステップ34)。つまり、機関回転数を目標機関回転数に収束させるように、第2電動機8の発生トルクがフィードバック制御される。なお、上記目標機関回転数としては、例えば700rpm前後である。
【0042】
一方、この非ロックアップ状態でのモータリング中も、第1電動機10を用いた回生が行われる。その手順としては、まず予め設定された図6に示すような特性の目標車軸トルクマップに基づき、そのときの車速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ステップ35)。次に、内燃機関1からトルクコンバータ3を通して車軸に伝達されるトルコン伝達車軸トルクを求める(ステップ36)。具体的には、トルクコンバータ3の速度比を、内燃機関1の回転数Neとタービン回転数(これは車速とギア比から求まる)とによって算出し、図9に示す所定の入力容量係数マップからトルクコンバータ3の入力トルク容量係数τを求める。そして、次式から、トルコン伝達トルクTを算出する。
【0043】
【数1】
T=τ*Ne*Ne*t …(1)
ここで、tはトルクコンバータ3のトルク比であるが、このような減速中には、その値は1である。このようにして求めたトルコン伝達トルクを、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算することにより、上述したトルコン伝達車軸トルクが求められる。さらに、予め設定された図8に示すような特性の変速機フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数に対応する変速機フリクショントルクを求める(ステップ37)。なお、このフリクショントルクは、同様に、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。そして、ステップ38において、回生車軸トルクを算出し、かつこれを第1電動機10の電流に換算する。つまり、上記の目標車軸トルクを、トルコン伝達車軸トルクと変速機フリクション車軸トルクと回生車軸トルクとの合計で与えるものと考えることにより、目標車軸トルクを得るのに必要な回生車軸トルクが求められる。ステップ39では、この回生車軸トルクを実現するように第1電動機10を制御する。
【0044】
上記のように第2電動機8によって内燃機関1のモータリングを行うことにより、内燃機関1の過度の回転数低下、つまり実質的な停止を回避できる。従って、この減速中に、アクセルペダルが踏み込まれれば、燃料噴射の再開(図14のステップ3からステップ5へ進む)によって直ちに自立運転が開始し、加速に移行できる。なお、このモータリング減速モードの間は、補機2は、内燃機関1によって、実質的には電動機8によって駆動され続ける。
【0045】
次に、車両の減速から車両の停止に至るまでの制御について説明する。図12は、この状況での各部の動作を示している。
【0046】
上述したようなモータリング減速モードによって車速が徐々に低下していくと、やがて、完全に停止することになる。図12のT5が、この車両停止のタイミングに相当する。車両が停止し、つまり車速が0となると、図14のステップ6の判定はYESとなるので、ステップ6からステップ12へ進む。このステップ12では、移行終了フラグの判定を行うが、当初はフラグが0であるので、ステップ13へ進み、移行モードの制御へ移る。
【0047】
この移行モードは、第2電動機8によるモータリングを終了するとともに、第1電動機10によるクリープ力発生を開始するモードであり、特に両者の移行の際の段差感の発生を防止しようとするモードである。図17は、この移行モードの処理の流れを示している。
【0048】
このモードでは、まず、車両停止中に付与すべき目標クリープトルクを、例えばマップ等に基づいて設定する(ステップ41)。そして、クラッチ装置9のクラッチ容量を中間レベルまで低下させる。なお、この容量の低下は多段階に分けて連続的に低下させるようにしてもよいが、この実施例では、図12にクラッチ伝達トルクとして示されているように、一定の中間値に維持している。このように第2電動機8と内燃機関1との間のクラッチ装置9のクラッチ容量を低下させることにより、内燃機関1の回転数は、フリクションにより徐々に低下していく。これに対し、第2電動機8の回転数は、内燃機関1の回転数とは無関係に所定値に維持する(ステップ43)。補機2は、第2電動機8と一体に回転するので、クラッチ装置9の容量低下に拘わらず、所定の回転数でもって駆動され続けることになる。
【0049】
ステップ44では、前述した(1)式に基づいて同様の手法によりトルコン伝達トルクを求め、ステップ45で、そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算し、トルコン伝達トルクによる車両クリープトルク(トルコン車軸トルク)とする。これは、第2電動機8により発生するクリープトルクであり、図12に示すように、内燃機関1の回転数の低下に伴って徐々に低下していく。
【0050】
そして、ステップ46で、目標クリープトルクと上記のトルコン伝達トルクによるクリープトルクとの差として、第1電動機10により付加すべきクリープトルクを算出する。つまり、これにより、第1電動機10に必要な駆動トルクが求められる。ステップ47では、このトルクの値から第1電動機10の操作電流量を算出し、ステップ48において第1電動機10を制御する。
【0051】
ステップ49では、アイドルスイッチの状態を、ステップ50では車速が0であるか否かを、ステップ51では機関が完全に停止したか否かを、それぞれ判定している。上述したように、クラッチ装置9のクラッチ容量の低下により機関回転数は徐々に低下していくが、機関回転数が0に達するまでは、ステップ51からステップ3へ戻り、上述した制御が継続される。これにより、図12に示すように、徐々に低下する第2電動機8によるクリープトルクを補うように、第1電動機10によるクリープトルクが徐々に増加し、車両全体としては、車両停止時点(T5)から一定のクリープ力が発生する。
【0052】
その後、機関回転数が0となると、ステップ51からステップ52へ進み、クラッチ装置9を完全に遮断する。続いて、ステップ53で移行終了フラグを1とする。この時点が、図14のT6のタイミングに相当する。
【0053】
ステップ53からはステップ3へ戻るが、ステップ12へ進んだ段階では、該ステップ12の判定がNOとなるので、ステップ12からステップ14へ進み、アイドルストップモードとなる。
【0054】
アイドルストップモードは、図18に示すように、まず、ステップ61において、第2電動機8を目標回転数(補機2の駆動に必要な回転数、例えば700rpm前後である)になるように制御するとともに、ステップ62において、前述した目標クリープトルク(車軸トルク)となるように第1電動機10を制御する。また、ステップ63では、アイドルスイッチの状態を、ステップ64では、車速が0であるか否かを判定し、これらの判定がYESである間は、アイドルストップモードを継続する。
【0055】
従って、このモードに入った状態では、内燃機関1は実質的に停止しており、燃料消費が抑制されるとともに、その回転によるフリクション発生が回避される。そして、補機2は第2電動機8によって駆動され続けるが、第2電動機8は内燃機関1を回転させずに補機2のみを駆動するので、その電力消費も少ないものとなる。また、上述のように車両にクリープ力が付与されることから、車庫入れ等の際の操作性が向上する。なお、この機関停止中は、前述したように、電動式油圧供給装置12によって自動変速機5に必要な油圧が確保される。
【0056】
次に、上記の車両停止状態から発進するときの制御について説明する。図13は、この状況での各部の動作を示しており、T7のタイミングでアクセルペダルが踏み込まれている。このようにアクセルペダルが踏み込まれると、図18のステップ63の判定がNOとなり、図19に示す発進モードの制御に移行する。この発進モードとなると、まずステップ71で、発進モードフラグを1とし、かつ前述したアイドルストップモードフラグを0にリセットする。そして、ステップ72へ進んで、クラッチ装置9を接続状態に切り換える。続いて、ステップ73で、第2電動機8の目標回転数をマップ等から読み取り、かつステップ74で、この目標回転数を維持するように第2電動機8を制御する。なお、上記目標回転数としては、これ以前の補機2駆動中の回転数をそのまま維持するようにしてもよい。クラッチ装置9を締結することにより、第2電動機8の回転数は低下しようとするが、この回転数を一定に維持するように制御することで、結果的に最大トルクが出力されることになる。なお、この第2電動機8の最大トルクは、クラッチ装置9の最大伝達容量よりも大きく設定されている。従って、クラッチ装置9の滑りを伴いつつ内燃機関1の回転数は徐々に上昇することになる。つまり、内燃機関1の始動のためのクランキングが、この第2電動機8によって行われる。
【0057】
次にステップ75では、図10に示すような所定の特性のマップに基づき、そのときのアクセル開度に対応して目標車軸トルクを決定する。そして、ステップ76で、第1電動機10に必要な目標トルクを演算する。これは、詳細には示していないが、前述したクリープトルク演算時のステップ44〜ステップ46と同様に、第2電動機8の駆動により生じるトルコン車軸トルクを求めた上で、上記目標車軸トルクとこのトルコン車軸トルクとの差として、第1電動機10が負担すべきトルクを決定するのである。次にステップ77で、この算出したトルクを発生するように、第1電動機10を制御し、ステップ78で、内燃機関1の始動に必要な燃料噴射量の補正や点火時期の補正等の始動制御を開始する。
【0058】
ステップ79では、内燃機関1が完爆したか否かを判定しており、完爆するまで、上記の制御を繰り返す。従って、図13に示すように、内燃機関1は、その回転数が徐々に上昇し、やがて始動して、自立運転に移行することになる。また、第1電動機10のトルクによって、アクセルペダルの踏込量に対応した目標車軸トルクが直ちに得られることになり、車両は非常に応答性よく発進できる。そして、この第1電動機10による発進補助用のトルクは、第2電動機8によるトルクを考慮したものとして与えられるので、全体として過不足なく所望のトルクを確保することができる。
【0059】
また、この発進の際に、自動変速機5には、電動式油圧供給装置12によって必要な油圧が供給されており、内燃機関1の回転数の立ち上がりを待たずに各部の切換や変速が可能であるので、発進時の応答遅れの要因とはならない。従って、第1電動機10により与える発進補助用のトルクは比較的小さなもので足り、第1電動機10等の電気的駆動システム全体はそれだけ小型となる。
【0060】
次に、図13のT8のタイミングで内燃機関1が完爆に至ると、ステップ79の判定がYESとなり、ステップ80へ進む。なお、内燃機関1の完爆は、機関回転数の急激な変化あるいは第2電動機8の駆動トルクの変化等によって検出される。ステップ80では、第2電動機8の電流が力行側であるか否かを判定している。つまり、第2電動機8は、上述した回転数制御が継続されているため、その電流に基づき、内燃機関1の回転数がこの第2電動機8の目標回転数に対応する機関回転数に達したか否かが判定されることになる。機関回転数の方が相対的に高くなり、電流が力行側から被動側に変化したら、ステップ81へ進み、発進モードフラグを0として、通常走行に相当する燃料噴射モード(ステップ2)に移行する。これが、図13のT9のタイミングに相当する。この時点では、補機2は、内燃機関1によって駆動されることになる。燃料噴射モードにおいては、前述したように、第1,第2電動機10,8は、その制御が停止される。
【0061】
以上の発進モードの説明では、アクセルペダルが踏み込まれたものとして説明したが、アイドルストップモード中のステップ64において、車速が0以外であると判定した場合にも、同様に発進モードに移行する。例えば、坂道等でブレーキを解放した結果車速が上昇した場合等がこれに該当する。勿論、この車速の判定には、適宜な不感帯が与えられるので、クリープ力によりごくわずか動いた程度では、アイドルストップモードが継続される。また、移行モード中にアクセルペダルが踏み込まれた場合(ステップ49)あるいは車両が走行開始した場合(ステップ50)においても、同様に発進モードに移行する。
【0062】
なお、上記の実施例においては、車両の停止中つまり移行モードおよびアイドルストップモードの間に、クラッチ装置9を遮断状態として内燃機関1を完全に停止するようにしたが、この間、クラッチ装置9を接続状態とし、内燃機関1のモータリングを継続するように制御してもよい。この場合、内燃機関1を回転させることによるフリクションが加わるので、第2電動機8の電力消費の点では不利となるが、発進時には、内燃機関1が回転しているので、燃料噴射を再開すれば、直ちに燃焼が開始し、トルクの立ち上がりの点では有利となる。
【0063】
次に、上記の第1電動機10とトランスアクスル11との間に介装されている電動機用変速装置17の具体的な構成および作用について説明する。
【0064】
図20は、電動機用変速装置17の第1実施例を示すスケルトン図である。この実施例は、第1電動機10の回転軸10aと電動機用変速装置17の出力軸17aとが同軸状に配置された遊星歯車型のものであって、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された第1回転メンバー37と、上記出力軸17aに接続された第2回転メンバー38と、第3回転メンバー39と、から大略構成されている。上記第1回転メンバー37は、ピニオン33を支持するキャリアとして構成され、上記ピニオン33は、第1ピニオン部33aと第2ピニオン部33bとを有している。上記第2回転メンバー38は、上記第2ピニオン部33bに噛み合う第2サンギアとして構成されている。上記第3回転メンバー39は、反力要素として上記第1ピニオン部33aに噛み合う第1サンギアからなり、固定要素に、締結要素としての減速ブレーキ42を介して接続されている。また第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、締結要素としての直結クラッチ43を介して相互に接続されている。なお、上記の締結要素は、油圧式あるいは電磁式のものを用いることができ、油圧式の場合には、内燃機関1の停止中は、上述した電動式油圧供給装置12によって油圧供給を行えばよい。
【0065】
図21は、上記変速装置17の作用を示すいわゆる共線図である。この共線図は、横軸に遊星歯車の歯数比に応じた間隔をとって各回転メンバー37〜39を示し、縦軸に第1電動機10の回転数に対する各回転メンバー37〜39の回転数の比を示している。つまり、この共線図から減速比を求めることができる。なお、符号42および43は、上述した減速ブレーキおよび直結クラッチであって、丸印は、これらの締結要素が締結状態にあることを示している。また、この共線図(後述する図23、図25等の他の共線図も同様である)において、左上の(A)は、前進時でかつ電動機10の駆動時(原則として低車速時である)、左下の(B)は、前進時でかつ電動機10の被動時(原則として高車速時である)の状態を示す。同様に、右上の(C)は、後進時でかつ電動機10の駆動時(原則として低車速時である)、右下の(D)は、後進時でかつ電動機10の被動時(原則として高車速時である)の状態を示しているが、後進時には、一般に、有益な回生を行うほど車速が高くならず、かつ第1電動機10の過回転も生じる恐れがないので、後進時に変速段を制御する重要度は低い。
【0066】
前述したように、第1電動機10が駆動されるのは、車両の停止時(クリープ力の付与)あるいは発進時であり、いずれも、車速の低い領域に限定される。このように車速の低い領域では、後述するように、減速ブレーキ42側が締結される。そのため、(A)に示すように、大きな減速比が得られる。これに対し、前述したロックアップ減速モードのように第1電動機10が被動状態となる高速域では、後述するように、直結クラッチ43側が締結される。そのため、(B)に示すように、減速比が1つまり直結段となる。
【0067】
従って、次の表1に示す論理表のように変速段が得られる。
【0068】
【表1】
【0069】
図27は、上記電動機用変速装置17に対する制御の内容を示すフローチャートである。この図27に示すように、制御が開始した直後の初期状態では、直結クラッチ43がOFF、減速ブレーキ42がONとなっている(ステップ101)。次に、ステップ102で、第1電動機10の回転数Nmおよびトランスアクスル11中間軸5eの回転数Naを読み込む。なお、中間軸5eの回転数Naは、車速に対応するものであり、例えば車速から求めることができる。そして、ステップ103で、中間軸5eの回転数Naが正であるか否か、つまり車両が前進しているか否かを判定する。ここで、後進であると判定した場合には、ステップ106へ進み、初期状態のまま直結クラッチ43をOFF、減速ブレーキ42をONとする。これにより、大きな減速比となる。また、前進であった場合、次のステップ104で、回転数Naが第1所定値以下であるか判定する。第1所定値以下の場合は、同様に、ステップ106へ進み、減速段とする。そして次のステップ107で、第1電動機10の駆動側の制御を行う。つまり、前述したように、必要な車軸トルクを発揮するように、第1電動機10から駆動力を発生させる。
【0070】
このようにクリープ力の付与時および発進時に、電動機用変速装置17が減速段となることにより、第1電動機10に必要なトルクは小さくなり、該電動機10を小型化できるとともに、第1電動機10の電流を少なくでき、動力損失を少なくできるばかりでなく、発熱も抑制でき、第1電動機10の耐久性の上で有利となる。また、比較的小型の第1電動機10でもって十分に応答性の高い発進性能を確保することができる。
【0071】
またステップ105では、中間軸5eの回転数Naが第2所定値以上であるか否かを判定しており、これ以上の高速域であれば、ステップ110へ進んで、直結クラッチ43をON、減速ブレーキ42をOFFとする。そして、ステップ111で、第1電動機10を用いた回生側の制御を行う。つまり、この状態では、変速装置17が直結段となっており、車両が高速走行しても、第1電動機10が過回転となることはない。なお、前述したようにスロットル全閉を条件として回生を開始してもよく、あるいはブレーキペダルの踏込を条件として回生を行うようにしてもよい。上記の第2所定値としては、かならずしも固定値ではなく、例えば、回生量が0となる車速つまり車速低下時に目標車軸トルクが被動側から駆動側へ変わるときの車速に対応して設定するとよい。
【0072】
また、回転数Naが第1所定値と第2所定値の間にある場合は、ステップ108へ進み、直結クラッチ43および減速ブレーキ42の双方を一時的にOFFにするとともに、ステップ109で、Nm=Naとなるように、第1電動機10の回転数制御を行う。つまり、変速の際に、直結クラッチ43の前後の回転が同期した状態となり、その締結の際あるいは離脱の際に、変速ショックを発生することがない。しかも、速やかな締結が可能となり、変速の応答遅れがない。
【0073】
なお、上記の第1所定値および第2所定値として、その変速の方向に応じて適宜なヒステリシスを与えるようにしてもよい。
【0074】
次に、図22は、電動機用変速装置17の第2実施例を示している。この実施例は、単純遊星歯車を1つ使った構成であって、第1回転メンバー37がサンギアとして構成され、かつ第2回転メンバー38がピニオン33を支持するキャリアとして構成されているとともに、第3回転メンバー39がリングギアとして構成されている。また第1実施例と同じく、上記第3回転メンバー39は、固定要素に、減速ブレーキ42を介して接続されており、第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、直結クラッチ43を介して相互に接続されている。
【0075】
図23は、上記第2実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第1実施例と全く同一である。従って、論理表も表1の通りである。また、その制御としても、第1実施例と変わるところはない。
【0076】
この第2実施例においては、上記第1実施例に比べて、減速段における減速比が小さくなるという特徴がある。
【0077】
次に、図24は、電動機用変速装置17の第3実施例を示している。この実施例は、第1ピニオン33と第2ピニオン34とを有するものであって、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された第1回転メンバー37と、変速装置17の出力軸17aに接続された第3回転メンバー39と、第2回転メンバー38と、第4回転メンバー40とから大略構成されている。上記第1回転メンバー37は、第2ピニオン34と噛み合うサンギアとして構成され、第2回転メンバー38は、第1ピニオン33と噛み合うリングギアを備えるとともに、第2ピニオン34を支持するキャリアとなっている。第3回転メンバー39は、第2ピニオン34と噛み合うリングギアを有し、かつ第1ピニオン33を支持している。第4回転メンバー40は、第1ピニオン33と噛み合うリングギアを有し、かつ減速ブレーキ42を介して固定要素に接続されている。また第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、直結クラッチ43を介して相互に接続されている。
【0078】
図25は、上記第3実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第1,第2実施例と基本的に同一である。論理表も表1の通りである。また、その制御としても、第1実施例と変わるところはない。
【0079】
この第3実施例においては、上記第1実施例に比べて、減速段における減速比を大きく確保できるという特徴がある。
【0080】
次に、図26は、平行2軸型の構成とした電動機用変速装置17の第4実施例を示している。
【0081】
この実施例は、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された歯車44aと、変速装置17の出力軸17aに接続された歯車45aと、これらに平行に配置された歯車44bおよび歯車45bと、から大略構成されており、歯車44aと歯車45aとの間に直結クラッチ43が、歯車44bと歯車45bとの間に減速クラッチ42が、それぞれ配置されている。
【0082】
この実施例においても、上記直結クラッチ43および減速クラッチ42は、第1実施例と同様に、図27のフローチャートに沿って制御される。また、その変速の論理表も、第1実施例等と同様に前述した表1となる。但し、この第4実施例では、前述した第1〜第3実施例の減速ブレーキ42に代えて、減速クラッチ42が用いられる形となる。
【0083】
この実施例においては、平行歯車型とすることにより、かき上げ潤滑が容易となり、かつ歯車工作が容易である。
【0084】
以上説明した第1〜第4実施例は、上述したように、表1に示す同一の締結論理を有するものであるが、これらに共通なことは、後進時にも、第1電動機10にて車両を駆動できることである。また、ワンウエイクラッチを用いていないため、前進高速段のみならず、前進低速段でも必要に応じてエンジンブレーキ制御や回生制御を行うことが可能である。
【0085】
次に、図28は、ワンウェイクラッチを用いた電動機用変速装置17の第5実施例を示す。この実施例は、第1〜第3実施例と同様に、第1電動機10の回転軸10aと電動機用変速装置17の出力軸17aとが同軸状に配置された遊星歯車型のものであって、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された第1回転メンバー37と、上記出力軸17aに接続された第2回転メンバー38と、第3回転メンバー39と、から大略構成されている。上記第1回転メンバー37は、ピニオン33を支持するキャリアとして構成され、上記ピニオン33は、第1ピニオン部33aと第2ピニオン部33bとを有している。上記第2回転メンバー38は、上記第2ピニオン部33bに噛み合う第2サンギアとして構成されている。上記第3回転メンバー39は、反力要素として上記第1ピニオン部33aに噛み合う第1サンギアからなり、固定要素に、締結要素としての減速ブレーキ42を介して接続されている。また第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、ワンウェイクラッチ36を介して相互に接続されている。換言すれば、第1実施例における直結クラッチ43に代えて、直結用のワンウェイクラッチ36を配置した構成となっている。
【0086】
図29は、上記第5実施例の変速装置17の作用を示す共線図である。この共線図においては、上記のワンウェイクラッチ36による要素の締結を三角印でもって示している。
【0087】
前述したように、第1電動機10が駆動されるのは、車両の停止時(クリープ力の付与)あるいは発進時であり、いずれも、車速の低い領域に限定される。このように車速の低い領域では、後述するように、減速ブレーキ42が締結される。そのため、図29の(A)に示すように、大きな減速比が得られる。なお、このとき、ワンウェイクラッチ36は空転する。これに対し、前述したロックアップ減速モードのように第1電動機10が被動状態となる高速域では、後述するように、減速ブレーキ42がOFFとなり、かつ相対回転によりワンウェイクラッチ36が噛合状態となるので、(B)に示すように、減速比が1つまり直結段となる。また、後進時には、減速ブレーキ42を非締結とすることにより、共線図は、(C)および(D)に示すようになる。
【0088】
従って、次の表2に示す論理表のような締結論理となる。なお、ワンウェイクラッチ36の締結,非締結は自然に決まるので、括弧を付して示している。
【0089】
【表2】
【0090】
図35は、上記第5実施例の電動機用変速装置17に対する制御の内容を示すフローチャートである。この図35に示すように、制御が開始した直後の初期状態では、減速ブレーキ42がONつまり締結状態となっている(ステップ121)。次に、ステップ122で、第1電動機10の回転数Nmおよびトランスアクスル11中間軸5eの回転数Naを読み込む。そして、ステップ123で、車両のCVT変速機5のレンジ位置が、Dレンジ(走行レンジ)等の前進レンジであるか否かを判定する。ここで、後進レンジであると判定した場合には、ステップ124へ進み、ロックを防止すべく減速ブレーキ42をOFFとし、かつステップ125で、第1電動機10の制御を停止する。
【0091】
また、前進レンジであった場合、次のステップ126で、回転数Naが第1所定値以下であるか判定する。第1所定値以下の場合は、ステップ127へ進み、減速ブレーキ42をONとして、該変速装置17を減速段とする。そして次のステップ128で、前述した実施例と同様に、第1電動機10の駆動側の制御を行う。
【0092】
またステップ126で、第1所定値より高い高速域であれば、ステップ129へ進んで、減速ブレーキ42をOFFとする。そして、ステップ130で、第1電動機10を用いた回生側の制御を行う。つまり、この状態では、変速装置17が直結段となっており、車両が高速走行しても、第1電動機10が過回転となることはない。なお、前述したようにスロットル全閉を条件として回生を開始してもよく、あるいはブレーキペダルの踏込を条件として回生を行うようにしてもよい。
【0093】
ここで、車速が上昇して変速が行われる状況を考えると、上記第1所定値を越えた時点で減速ブレーキ42がOFFとなり、これに伴って、フリクションにより第1電動機10の回転数は低下してくる。そのため、ワンウェイクラッチ36の前後回転数が自然に0となり、その段階で該ワンウェイクラッチ36が噛み合う。従って、前述した各実施例のように第1電動機10の回転数を積極的に同期制御しなくとも、変速ショックが生じることはない。
【0094】
なお、上記の第1所定値として、その変速の方向に応じて適宜なヒステリシスを与えるようにしてもよい。
【0095】
次に、図30は、電動機用変速装置17の第6実施例を示している。この第6実施例は、前述した図22の第2実施例における直結クラッチ43に代えて、ワンウェイクラッチ36を第1回転メンバー37と第3回転メンバー39との間に配置した構成となっている。
【0096】
図31は、上記第6実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第5実施例と全く同一である。従って、締結論理も表2の論理表の通りである。また、その制御としても、第5実施例と特に変わるところはない。
【0097】
この第6実施例においては、上記第5実施例に比べて、減速段における減速比が小さくなるという特徴がある。
【0098】
次に、図32は、電動機用変速装置17の第7実施例を示している。この第7実施例は、前述した図24の第3実施例における直結クラッチ43に代えて、ワンウェイクラッチ36を第1回転メンバー37と第3回転メンバー39との間に配置した構成となっている。
【0099】
図33は、上記第7実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第5,第6実施例と基本的に同一である。締結論理も表2の論理表の通りである。また、その制御としても、第5実施例と特に変わるところはない。
【0100】
この第7実施例においては、上記第5実施例に比べて、減速段における減速比を大きく確保できるという特徴がある。
【0101】
次に、図34は、電動機用変速装置17の第8実施例を示している。この第8実施例は、前述した図26の第4実施例と同様に平行2軸型の構成としたものであって、第4実施例における直結クラッチ43に代えて、ワンウェイクラッチ36を歯車44aと歯車45aとの間に配置した構成となっている。
【0102】
この実施例においても、減速クラッチ42は、第5実施例と同様に、図35のフローチャートに沿って制御される。また、その変速の論理表も、第5実施例等と同様に前述した表2となる。但し、この第8実施例では、前述した第5〜第7実施例の減速ブレーキ42に代えて、減速クラッチ42が用いられる形となる。
【0103】
この実施例においては、第4実施例と同様に、平行歯車型とすることにより、かき上げ潤滑が容易となり、かつ歯車工作が容易である。
【0104】
以上説明した第5〜第8実施例は、上述したように、表2に示す同一の締結論理を有するものであるが、これらに共通なことは、前進レンジ(例えばDレンジ)が選択されている状態では、減速ブレーキ(もしくは減速クラッチ)42とワンウエイクラッチ36の作用により、車両の後進が阻止される、ということである。つまり、車両が後方へ動こうとすると駆動輪7がロックするため、いわゆるヒルホールド作用が得られ、急な上り坂においても後方に下がることはない。
【0105】
次に、図36は、やはりワンウェイクラッチを用いた電動機用変速装置17の第9実施例を示す。この第9実施例は、第1実施例や第5実施例等と同様に、第1電動機10の回転軸10aと電動機用変速装置17の出力軸17aとが同軸状に配置された遊星歯車型のものであって、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された第1回転メンバー37と、上記出力軸17aに接続された第2回転メンバー38と、第3回転メンバー39と、から大略構成されている。上記第1回転メンバー37は、ピニオン33を支持するキャリアとして構成され、上記ピニオン33は、第1ピニオン部33aと第2ピニオン部33bとを有している。上記第2回転メンバー38は、上記第2ピニオン部33bに噛み合う第2サンギアとして構成されている。上記第3回転メンバー39は、反力要素として上記第1ピニオン部33aに噛み合う第1サンギアからなり、固定要素に、ワンウェイクラッチ35を介して接続されている。また第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、第1実施例と同様に、直結クラッチ43を介して相互に接続されている。換言すれば、第1実施例における減速ブレーキ42に代えて、減速用のワンウェイクラッチ35を配置した構成となっている。
【0106】
図37は、上記第9実施例の変速装置17の作用を示す共線図である。この共線図においては、上記の減速用ワンウェイクラッチ35による要素の締結を三角印でもって示している。
【0107】
前述したように、第1電動機10が駆動されるのは、車両の停止時(クリープ力の付与)あるいは発進時であり、いずれも、車速の低い領域に限定される。このように車速の低い領域では、後述するように、直結クラッチ43がOFFつまり非締結となる。そして第1電動機10の駆動時には、ワンウェイクラッチ35が相対回転によって噛合状態となる。そのため、図37の(A)に示すように、大きな減速比が得られる。これに対し、前述したロックアップ減速モードのように第1電動機10が被動状態となる高速域では、後述するように、直結クラッチ43がONとなり、かつ相対回転によりワンウェイクラッチ35が空転状態となるので、(B)に示すように、減速比が1つまり直結段となる。また、後進時には、直結クラッチ43を非締結とすることにより、共線図は、(C)および(D)に示すようになる。
【0108】
従って、次の表3に示す論理表のような締結論理となる。なお、減速用ワンウェイクラッチ35の締結,非締結は自然に決まるので、括弧を付して示している。また、この表3に示すように、後進でかつ駆動側である場合には、変速装置17は、フリーの状態となる。
【0109】
【表3】
【0110】
図43は、上記第9実施例の電動機用変速装置17に対する制御の内容を示すフローチャートである。この図43に示すように、制御が開始した直後の初期状態では、直結クラッチ43がOFFとなっている(ステップ141)。次に、ステップ142で、第1電動機10の回転数Nmおよびトランスアクスル11中間軸5eの回転数Naを読み込む。そして、ステップ143で、中間軸5eの回転数Naが正であるか否か、つまり車両が前進しているか否かを判定する。ここで、後進であると判定した場合には、ステップ144へ進み、初期状態のまま直結クラッチ43をOFFとする。これにより、被動側では大きな減速比となり、かつ駆動側では、フリーの状態となる。また、前進であった場合、次のステップ145で、回転数Naが第1所定値以下であるか判定する。第1所定値以下の場合は、ステップ146へ進み、直結クラッチ43をOFFとして減速段とする。そして次のステップ147で、前述した各実施例と同様に、第1電動機10の駆動側の制御を行う。つまり、必要な車軸トルクを発揮するように、第1電動機10から駆動力を発生させる。
【0111】
このようにクリープ力の付与時および発進時に、電動機用変速装置17が減速段となることにより、第1電動機10に必要なトルクは小さくなり、該電動機10を小型化できるとともに、第1電動機10の電流を少なくでき、動力損失を少なくできるばかりでなく、発熱も抑制でき、第1電動機10の耐久性の上で有利となる。また、比較的小型の第1電動機10でもって十分に応答性の高い発進性能を確保することができる。
【0112】
またステップ148では、中間軸5eの回転数Naが第2所定値以上であるか否かを判定しており、これ以上の高速域であれば、ステップ151へ進んで、直結クラッチ43をONとする。そして、ステップ152で、第1電動機10を用いた回生側の制御を行う。つまり、この状態では、変速装置17が直結段となっており、車両が高速走行しても、第1電動機10が過回転となることはない。なお、前述したようにスロットル全閉を条件として回生を開始してもよく、あるいはブレーキペダルの踏込を条件として回生を行うようにしてもよい。上記の第2所定値としては、第1実施例と同様に、例えば、回生量が0となる車速つまり車速低下時に目標車軸トルクが被動側から駆動側へ変わるときの車速に対応して設定するとよい。
【0113】
また、回転数Naが第1所定値と第2所定値の間にある場合は、ステップ149へ進み、直結クラッチ43をOFFにするとともに、ステップ150で、Nm=Naとなるように、第1電動機10の回転数制御を行う。つまり、変速の際に、直結クラッチ43の前後の回転が同期した状態となり、その締結の際あるいは離脱の際に、変速ショックを発生することがない。しかも、速やかな締結が可能となり、変速の応答遅れがない。
【0114】
なお、上記の第1所定値および第2所定値として、その変速の方向に応じて適宜なヒステリシスを与えるようにしてもよい。
【0115】
上記の第9実施例の変速装置17においては、ワンウェイクラッチ35が伝達トルクの大部分を負担し、直結クラッチ43の負荷は小さい。よく知られているように、外部から制御可能なクラッチやブレーキに比べて、ワンウェイクラッチは大容量のものを小型に構成し得るので、この第9実施例によれば、変速装置17を非常に小型にできる利点がある。
【0116】
次に、図38は、電動機用変速装置17の第10実施例を示している。この第10実施例は、前述した図22の第2実施例における減速ブレーキ42に代えて、減速用ワンウェイクラッチ35を固定要素と第3回転メンバー39との間に配置した構成となっている。
【0117】
図39は、上記第10実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第9実施例と全く同一である。従って、締結論理も表3の論理表の通りである。また、その制御としても、図43のフローチャートに従って行われ、第9実施例と特に変わるところはない。
【0118】
この第10実施例においては、上記第9実施例に比べて、減速段における減速比が小さくなるという特徴がある。
【0119】
次に、図40は、電動機用変速装置17の第11実施例を示している。この第11実施例は、前述した図24の第3実施例における減速ブレーキ42に代えて、減速用ワンウェイクラッチ35を固定要素と第3回転メンバー39との間に配置した構成となっている。
【0120】
図41は、上記第11実施例の作用を示す共線図であって、その作用は、上述した第9,第10実施例と基本的に同一である。締結論理も表3の論理表の通りである。また、その制御としても、第9実施例と特に変わるところはない。
【0121】
この第11実施例においては、上記第9実施例に比べて、減速段における減速比を大きく確保できるという特徴がある。
【0122】
次に、図42は、電動機用変速装置17の第12実施例を示している。この第12実施例は、前述した図26の第4実施例と同様に平行2軸型の構成としたものであって、第4実施例における減速クラッチ42に代えて、減速用ワンウェイクラッチ35を歯車44bと歯車45bとの間に配置した構成となっている。
【0123】
この実施例においても、直結クラッチ43は、第9実施例と同様に、図43のフローチャートに沿って制御される。また、その変速の論理表も、第9実施例等と同様に前述した表3となる。
【0124】
この実施例においては、第4実施例と同様に、平行歯車型とすることにより、かき上げ潤滑が容易となり、かつ歯車工作が容易である。
【0125】
以上説明した第9〜第12実施例は、上述したように、表3に示す同一の締結論理を有するものであるが、これらに共通なことは、急な上り坂等において、前進レンジ(例えばDレンジ)が選択されている状態で車両が後進しようとしても、直結クラッチ43がOFFとなっていることから、駆動輪7のロックが生じない、ということである。従って、いわゆるヒルホールド効果が得られない反面、駆動輪7のロックによる不快な振動を防止できる。
【0126】
次に、図44は、ワンウェイクラッチを2つ用いた電動機用変速装置17の第13実施例を示す。この第13実施例は、第1実施例や第5実施例等と同様に、第1電動機10の回転軸10aと電動機用変速装置17の出力軸17aとが同軸状に配置された遊星歯車型のものであって、上記第1電動機10の回転軸10aに接続された第1回転メンバー37と、上記出力軸17aに接続された第2回転メンバー38と、第3回転メンバー39と、から大略構成されている。上記第1回転メンバー37は、ピニオン33を支持するキャリアとして構成され、上記ピニオン33は、第1ピニオン部33aと第2ピニオン部33bとを有している。上記第2回転メンバー38は、上記第2ピニオン部33bに噛み合う第2サンギアとして構成されている。上記第3回転メンバー39は、反力要素として上記第1ピニオン部33aに噛み合う第1サンギアからなり、固定要素に、減速用ワンウェイクラッチ35を介して接続されている。また第1回転メンバー37と第3回転メンバー39とは、直結クラッチ43ならびに直結用ワンウェイクラッチ36を介して相互に接続されている。換言すれば、第1実施例における減速ブレーキ42に代えて、減速用のワンウェイクラッチ35を配置するとともに、直結クラッチ43と直列に直結用ワンウェイクラッチ36を介装した構成となっている。
【0127】
図45は、上記第13実施例の変速装置17の作用を示す共線図である。この共線図においては、上記の減速用ワンウェイクラッチ35および直結用ワンウェイクラッチ36による要素の締結を三角印でもって示している。
【0128】
この実施例では、後述するように、前進時には直結クラッチ43が常にONとなる。そして第1電動機10の駆動時には、減速用ワンウェイクラッチ35が相対回転によって噛合状態となり、直結用ワンウェイクラッチ36は空転する。そのため、図45の(A)に示すように、大きな減速比が得られる。これに対し、前述したロックアップ減速モードのように第1電動機10が被動状態となる高速域では、直結用ワンウェイクラッチ36が噛合状態となり、減速用ワンウェイクラッチ35が空転することから、(B)に示すように、減速比が1つまり直結段となる。また、後進時には、直結クラッチ43を非締結とすることにより、共線図は、(C)および(D)に示すようになる。
【0129】
従って、次の表4に示す論理表のような締結論理となる。なお、ワンウェイクラッチ35,36の締結,非締結は自然に決まるので、括弧を付して示している。また、この表4に示すように、後進でかつ駆動側である場合には、変速装置17は、フリーの状態となる。
【0130】
【表4】
【0131】
図46は、上記第13実施例の電動機用変速装置17に対する制御の内容を示すフローチャートである。この図46に示すように、制御が開始した直後の初期状態では、直結クラッチ43はONとなっている(ステップ161)。次に、ステップ162で、第1電動機10の回転数Nmおよびトランスアクスル11中間軸5eの回転数Naを読み込む。そして、ステップ163で、車両のCVT変速機5のレンジ位置が、Dレンジ(走行レンジ)等の前進レンジであるか否かを判定する。ここで、後進レンジであると判定した場合には、ステップ164へ進み、ロックを防止すべく直結クラッチ43をOFFとする。これにより被動側では大きな減速比となり、かつ駆動側では、フリーの状態となる。
【0132】
また、前進レンジであった場合には、ステップ165へ進み、回転数Naが第1所定値以下であるか判定する。第1所定値以下の場合は、ステップ166へ進み、直結クラッチ43をONとする。そして次のステップ167で、前述した各実施例と同様に、第1電動機10の駆動側の制御を行う。つまり、必要な車軸トルクを発揮するように、第1電動機10から駆動力を発生させる。第1電動機10が駆動することにより、変速装置17は自動的に減速段となる。
【0133】
またステップ168では、中間軸5eの回転数Naが第2所定値以上であるか否かを判定しており、これ以上の高速域であれば、ステップ170へ進んで、直結クラッチ43をONに保つ。そして、ステップ171で、前述した各実施例と同様に、第1電動機10を用いた回生側の制御を行う。このように第1電動機10が被動となる状態では、変速装置17が自動的に直結段となる。そのため、車両が高速走行しても、第1電動機10が過回転となることはない。なお、前述したようにスロットル全閉を条件として回生を開始してもよく、あるいはブレーキペダルの踏込を条件として回生を行うようにしてもよい。上記の第2所定値としては、第1実施例と同様に、例えば、回生量が0となる車速つまり車速低下時に目標車軸トルクが被動側から駆動側へ変わるときの車速に対応して設定するとよい。
【0134】
また、回転数Naが第1所定値と第2所定値の間にある場合は、ステップ169へ進み、直結クラッチ43をONに保つ。ここで、車速が上昇して変速が行われる状況を考えると、上記第1所定値を越えた時点で第1電動機10により与えられていた駆動力が0となるので、これに伴って、フリクションにより第1電動機10の回転数は低下してくる。そのため、ワンウェイクラッチ36の前後回転数が自然に0となり、その段階で該ワンウェイクラッチ36が噛み合う。従って、第1電動機10の回転数を積極的に同期制御しなくとも、変速ショックが生じることはない。
【0135】
このように、この第13実施例では、前進レンジにおいて、2つのワンウエイクラッチ35,36によって、自動的に変速比が切り換わる。つまり、駆動時には減速用ワンウエイクラッチ35により減速段が自動的に選択され、被動時には直結用ワンウエイクラッチ36により直結段が自動的に選択されので、制御を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の車両駆動装置の構成を示すスケルトン図。
【図2】車両の駆動力と電動機による駆動領域および回生領域との関係を示す特性図。
【図3】本発明の一実施例を示すスケルトン図。
【図4】電動式油圧供給装置の構成を示す油圧回路図。
【図5】この実施例の制御装置のシステム構成を示すブロック図。
【図6】目標車軸トルクマップの特性を示す特性図。
【図7】内燃機関フリクション推定マップの特性を示す特性図。
【図8】変速機フリクション推定マップの特性を示す特性図。
【図9】トルクコンバータの性能マップを示す特性図。
【図10】発進時の目標車軸トルクのマップの特性を示す特性図。
【図11】車両減速時のタイムチャート。
【図12】減速から停車へ移行するときのタイムチャート。
【図13】発進時のタイムチャート。
【図14】この実施例の制御の全体的な流れを示すメインフローチャート。
【図15】ロックアップ減速モードの流れを示すフローチャート。
【図16】モータリング減速モードの流れを示すフローチャート。
【図17】移行モードの流れを示すフローチャート。
【図18】アイドルストップモードの流れを示すフローチャート。
【図19】発進モードの流れを示すフローチャート。
【図20】電動機用変速装置の第1実施例を示すスケルトン図。
【図21】この第1実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図22】電動機用変速装置の第2実施例を示すスケルトン図。
【図23】この第2実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図24】電動機用変速装置の第3実施例を示すスケルトン図。
【図25】この第3実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図26】電動機用変速装置の第4実施例を示すスケルトン図。
【図27】上記第1実施例の変速装置の制御の流れを示すフローチャート。
【図28】電動機用変速装置の第5実施例を示すスケルトン図。
【図29】この第5実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図30】電動機用変速装置の第6実施例を示すスケルトン図。
【図31】この第6実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図32】電動機用変速装置の第7実施例を示すスケルトン図。
【図33】この第7実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図34】電動機用変速装置の第8実施例を示すスケルトン図。
【図35】上記第5実施例の変速装置の制御の流れを示すフローチャート。
【図36】電動機用変速装置の第9実施例を示すスケルトン図。
【図37】この第9実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図38】電動機用変速装置の第10実施例を示すスケルトン図。
【図39】この第10実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図40】電動機用変速装置の第11実施例を示すスケルトン図。
【図41】この第11実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図42】電動機用変速装置の第12実施例を示すスケルトン図。
【図43】上記第9実施例の変速装置の制御の流れを示すフローチャート。
【図44】電動機用変速装置の第13実施例を示すスケルトン図。
【図45】この第13実施例の変速装置の作用を示す共線図。
【図46】上記第13実施例の変速装置の制御の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…補機
3…トルクコンバータ
4…ロックアップクラッチ
5…変速機
6…終減速装置
7…駆動輪
8…第2電動機
9…クラッチ装置
10…第1電動機
11…トランスアクスル
12…電動式油圧供給装置
13…エンジンコントロールユニット
14…自動変速機コントロールユニット
15…ハイブリッドシステムコントロールユニット
17…電動機用変速装置
Claims (5)
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記変速機の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な電動機と、上記電動機と上記駆動輪側との間に介装された電動機用変速装置と、を備えてなる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
上記変速装置は、歯車組と、1つのワンウェイクラッチと、1つの制御可能なクラッチと、から構成され、車両前進時に、高速域では、上記クラッチを締結状態とすることにより高速段に、低速域では、上記クラッチを非締結状態とすることにより低速段に、それぞれ制御されるとともに、車両後進時には、上記クラッチが非締結状態に制御されることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 車両前進時における上記クラッチの非締結状態から締結状態への移行時に、該クラッチの前後の回転数が互いに同期するように上記電動機の回転数を制御する変速制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 上記電動機用変速装置が低速段に制御される第1の車速以下の低速時には、電動機を駆動し、高速段に制御される第2の車速以上の高速時の減速中には、電動機の回生制御を行い、第1の車速と第2の車速の間では、上記変速装置の回転数同期のために上記電動機の回転数制御を行うことを特徴とする請求項2記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
- 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記変速機の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な電動機と、上記電動機と上記駆動輪側との間に介装された電動機用変速装置と、を備えてなる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
上記変速装置は、歯車組と、2つのワンウェイクラッチと、1つの制御可能なクラッチと、から構成されており、車両前進時に、上記クラッチが締結状態に、後進時に非締結状態に、それぞれ制御されるとともに、車両前進時に、電動機の駆動もしくは被動による相対回転方向によっていずれかのワンウェイクラッチが締結し、駆動時には低速段に、被動時には高速段に切り換わるように構成されていることを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記変速機の出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な電動機と、上記電動機と上記駆動輪側との間に介装された電動機用変速装置と、を備えてなる内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
上記電動機用変速装置は、歯車組と、いずれか一方を選択的に締結することにより低速段と高速段とを実現する2つの制御可能な締結要素と、から構成され、少なくとも車両前進時の高速域では高速段に、低速域では低速段に、それぞれ制御されるとともに、
上記低速段から高速段への変速時に、両締結要素を非締結状態にするとともに、上記変速装置の駆動輪側の出力軸の回転数と同期するように上記電動機の回転数を制御する変速制御手段を備えており、
上記電動機用変速装置が低速段に制御される第1の車速以下の低速時には、電動機を駆動し、高速段に制御される第2の車速以上の高速時の減速中には、電動機の回生制御を行い、第1の車速と第2の車速の間では、上記変速装置の回転数同期のために上記電動機の回転数制御を行うことを特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。
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1997
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