JP3945378B2 - 動力出力装置およびこれを備える自動車 - Google Patents

動力出力装置およびこれを備える自動車 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力出力装置およびこれを備える自動車に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置およびこれを備える自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動力出力装置としては、発電機によって反力を得ることによりプラネタリギヤを介して駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、減速ギヤを介して駆動軸に接続された電動機とを備えるものが提案されている(例えば、特開2001−1773号公報など)。この装置では、減速ギヤを用いて電動機を駆動軸に接続することにより、高回転低トルク型の電動機を用いて装置全体の効率を向上させようとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−1773号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした動力出力装置では、電動機を十分に活用できない場合が生じる。電動機は減速ギヤを介して駆動軸に接続されているから、使用回転数が高い。このため、駆動軸を高回転数で長時間運転しようとすると、電動機は高回転数で運転されることになるため、その温度が上昇し、電動機が破損したり、電動機から所望の出力を得ることができなくなってしまう。
【0005】
ところで、電動機やこの電動機を含む駆動系における温度上昇は、その回転数に比例して大きくなる鉄損に起因するものと、電動機から出力されるトルクに比例して大きくなる電動機の銅損に起因するものとが考えられる。したがって、電動機やこれを含む駆動系の温度上昇を抑制するには、こうした温度上昇の要因を考慮する必要もある。
【0006】
本発明の動力出力装置は、電動機の温度上昇による破損を防止することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置は、電動機の温度が高いときでも電動機から所望の出力を得ることを目的の一つとする。さらに、本発明の動力出力装置は、電動機やこれを含む駆動系の温度上昇を抑制することを目的の一つとする。あるいは、本発明の動力出力装置は、装置全体の効率を向上させることを目的の一つとする。本発明の自動車は、こうした本発明の動力出力装置を備えることにより、走行特性の向上やエネルギ効率の向上をはかることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の動力出力装置およびこれを備える自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、
回転軸に動力を出力可能な電動機と、
切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
前記駆動軸の運転状態に基づいて前記動力伝達手段による伝達可能状態を制御する状態制御手段と、
前記駆動軸への要求動力と前記伝達可能状態とに基づいて前記動力源と前記電動機とを運転制御する運転制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0009】
この本発明の第1の動力出力装置では、電動機から動力が出力される回転軸の動力を動力源から動力が出力される駆動軸に伝達する切り替え可能な複数の伝達可能状態を駆動軸の運転状態に基づいて制御し、駆動軸への要求動力と伝達可能状態とに基づいて動力源と電動機とを運転制御する。したがって、駆動軸の運転状態に基づいて電動機が効率のよい運転状態となるよう伝達可能状態を制御することができるから、装置全体の効率を向上させることができる。
【0010】
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段を備え、前記動力伝達手段は前記複数の伝達可能状態の一つとして前記回転軸の動力が前記駆動軸に伝達されない非伝達状態を有し、前記状態制御手段は、前記電動機温度検出手段により検出された電動機の温度が所定温度以上のときには前記非伝達状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の温度上昇による破損を防止することができる。この態様の本発明の第1の動力出力装置において、前記状態制御手段は、前記電動機の温度が所定温度以上であっても前記駆動軸への要求動力が所定動力以上のときには、前記複数の伝達可能状態のうち前記電動機の回転数が小さくなる伝達可能状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の温度が高いときでも要求動力を駆動軸に出力することができると共に電動機の更なる温度上昇を抑制することができる。
【0011】
また、本発明の第1の動力出力装置において、前記動力伝達手段は、前記複数の伝達可能状態として、所定の減速比で前記回転軸と前記駆動軸とを接続する減速伝達可能状態と前記回転軸と前記駆動軸とが一体として回転する直結伝達可能状態とを有する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の第1の動力出力装置において、前記動力伝達手段は、遊星歯車機構を備えるものとすることもできる。
【0012】
本発明の第2の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、
回転軸に動力を出力可能な電動機と、
切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
前記電動機を含む電動機駆動系の温度を検出する温度検出手段と、
該検出された温度に基づく伝達可能状態となるよう動力伝達手段を制御すると共に前記駆動軸へ要求される動力が出力されるよう前記動力源と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0013】
この本発明の第2の動力出力装置では、切り替え可能な複数の伝達可能状態のうち電動機駆動系の温度に基づく伝達可能状態で回転軸の動力が駆動軸に伝達されるよう動力伝達手段を制御すると共に駆動軸へ要求される動力が出力されるよう駆動軸に動力を出力可能な動力源と動力伝達手段を介して駆動軸に動力を出力可能な電動機とを制御する。したがって、電動機駆動系の温度に基づいてより適正な伝達可能状態とすることができる。
【0014】
こうした本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記検出された温度が第1の所定温度未満のときには前記電動機駆動系の温度上昇の促進を優先する温度上昇促進制御を実行し、前記検出された温度が前記第1の所定温度以上のときにはエネルギ効率を優先する効率優先制御を実行する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機駆動系の暖機を迅速に完了することができると共にエネルギ効率の向上を図ることができる。この態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記温度上昇促進制御は、前記電動機の高負荷な駆動を優先する制御であるものとすることもできる。こうすれば、電動機を高負荷で駆動することによる熱によって電動機駆動系の温度を上昇させることができる。また、これらの態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記温度上昇促進制御は、前記電動機駆動系の温度上昇を促進可能に前記要求動力を前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機と駆動する制御であるものとすることもできる。こうすれば、電動機駆動系の温度上昇を促進可能に要求動力を駆動軸に出力するための関係を実験などにより求めて予め設定したものを用いることができるから、制御を簡易なものとすることができる。
【0015】
また、本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記検出された温度が第2の所定温度未満のときにはエネルギ効率を優先する効率優先制御を実行し、前記検出された温度が前記第2の所定温度以上のときには前記電動機駆動系の温度上昇の抑制を優先する温度上昇抑制制御を実行する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機駆動系が高温となることによる不都合、例えば電動機の故障や短命化などを抑制することができると共にエネルギ効率の向上を図ることができる。この態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記温度上昇抑制制御は、前記電動機の低損失な駆動を優先する制御であるものとすることもできる。こうすれば、電動機を低損失で駆動することによる発熱の抑制によって電動機駆動系の温度上昇を抑制することができる。また、これらの態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記温度上昇抑制制御は、前記電動機駆動系の温度上昇を抑制可能に前記要求動力を前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機と駆動する制御であるものとすることもできる。こうすれば、電動機駆動系の温度上昇を抑制可能に要求動力を駆動軸に出力するための関係を実験などにより求めて予め設定したものを用いることができるから、制御を簡易なものとすることができる。
【0016】
温度上昇促進制御や温度上昇抑制制御を行なう態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記効率優先制御は、前記要求動力をエネルギ効率よく前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機とを駆動する制御であるものとすることもできる。こうすれば、要求動力をエネルギ効率よく駆動軸に出力するための関係を実験などにより求めて予め設定したものを用いることができるから、制御を簡易なものとすることができる。
【0017】
本発明の第2の動力出力装置において、前記制御手段は、前記検出された温度が所定の温度範囲内のときには所定の伝達可能状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機駆動系の温度が所定の温度範囲内のときには電動機からの動力を所定の伝達可能状態で伝達することができる。この態様の本発明の第2の動力出力装置において、前記所定の温度範囲は所定温度以上の範囲であり、前記所定の伝達可能状態は前記電動機の回転数が小さくなる伝達可能状態であるものとすることもできる。これは電動機の銅損を考慮することに基づく。即ち、電動機駆動系の温度が所定温度以上のときには電動機の回転数が小さくなる伝達可能状態として電動機から出力されるトルクを小さくし、電動機の銅損を小さくすることにより電動機駆動系の温度上昇を抑制するのである。
【0018】
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記動力伝達手段は、遊星歯車機構を有する有段変速機であるものとすることもできる。
【0019】
本発明の第1または第2の動力出力装置において、前記動力源は、発電機による反力を用いて遊星歯車機構を介して駆動軸に動力を出力可能な内燃機関であるものとすることもできる。
【0020】
本発明の自動車は、車軸が前記駆動軸に機械的に接続されてなる上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、回転軸に動力を出力可能な電動機と、切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、前記駆動軸の運転状態に基づいて前記動力伝達手段による伝達可能状態を制御する状態制御手段と、前記駆動軸への要求動力と前記伝達可能状態とに基づいて前記動力源と前記電動機とを運転制御する運転制御手段と、を備える本発明の第1の動力出力装置を備え、前記駆動軸が車軸に機械的に接続されてなることや、駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、回転軸に動力を出力可能な電動機と、切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、前記電動機を含む電動機駆動系の温度を検出する温度検出手段と、該検出された温度に基づく伝達可能状態となるよう動力伝達手段を制御すると共に前記駆動軸へ要求される動力が出力されるよう前記動力源と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える本発明の第2の動力出力装置を備え、前記駆動軸が車軸に機械的に接続されてなることを要旨とする。
【0021】
この本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の動力出力装置を備えるから、本発明の第1または第2の動力出力装置が奏する効果、例えば、駆動軸の運転状態に基づいて電動機を効率のよい運転状態となるよう伝達可能状態を制御することに基づく装置全体の効率を向上させることができる効果や電動機の温度上昇による破損を防止することができる効果、電動機の温度が高いときでも要求動力を駆動軸に出力することができると共に電動機の更なる温度上昇を抑制することができる効果、電動機駆動系の温度に基づいてより適正な伝達可能状態とすることができる効果、電動機駆動系の暖機を迅速に完了することができると共にエネルギ効率の向上を図ることができる効果、電動機駆動系が高温となることによる不都合を抑制することができると共にエネルギ効率の向上を図ることができる効果などの種々の効果を奏することができる。この結果、車両の走行特性の向上を図ることができると共に車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。なお、本発明の自動車では、第1または第2の動力出力装置における動力伝達手段は、電動機の回転軸の動力を動力源からの動力が出力される駆動軸とは異なる駆動軸に出力するものとしてもよい。例えば、動力源からの動力を出力される駆動軸を前輪(または後輪)の車軸に接続すると共に動力伝達手段により動力が出力される駆動軸を後輪(または前輪)の車軸に接続するものとしてもよいのである。即ち、車軸を複数備える自動車にあっては、グリップ走行しているときには、路面により複数の車軸は接続されている状態と考えることができるから、いずれの車軸に接続された駆動軸に動力を出力する場合でも走行に必要な動力であることは変わりがないからである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられたリダクションギヤ35と、このリダクションギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
【0023】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0024】
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介してリダクションギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
【0025】
リダクションギヤ35は、外歯歯車のサンギヤ36と、このサンギヤ36と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ37と、サンギヤ36に噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のピニオンギヤ38と、複数のピニオンギヤ38を自転かつ公転自在に保持するキャリア39とを備え、サンギヤ36とリングギヤ37とキャリア39とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。リダクションギヤ35は、キャリア39には駆動軸としてのリングギヤ軸32aが、サンギヤ36にはモータMG2がそれぞれ連結されている。リダクションギヤ35のリングギヤ37は、その回転を停止して固定するブレーキBRが取り付けられていると共にキャリア39に接続して差動作用を停止するクラッチCLが取り付けられている。したがって、リダクションギヤ35は、クラッチCLが解除状態でブレーキBRがオン状態のときにはモータMG2の回転軸36aをリングギヤ軸32aに所定の変速比(実施例では2:1)で接続し、クラッチCLが接続状態でブレーキBRがオフ状態のときにはモータMG2の回転軸36aをリングギヤ軸32aと一体となって回転するよう接続し、クラッチCLが解除状態でブレーキBRがオフ状態のときにはモータMG2がリングギヤ軸32aに対して独立に回転できるようにする。即ち、リダクションギヤ35は、2段階の変速比の切替と、モータMG2の切り離しを行なうことができるのである。
【0026】
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0027】
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
【0028】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、モータMG2に取り付けられた温度センサ46からのモータMG2のモータ温度Tmやイグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度AP,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、クラッチCLの図示しないアクチュエータへの駆動信号やブレーキBRの図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0029】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にトルク制御の際の動作について説明する。実施例のハイブリッド自動車20の可能な走行パターンとしては、エンジン22の運転を停止してバッテリ50からの電力によりモータMG2を電動機として駆動してリダクションギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力して走行する走行パターン1や、モータMG2を駆動せずにモータMG1を発電機として駆動してバッテリ50の充電を伴いながらエンジン22からの動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行する走行パターン2、モータMG1を発電機として駆動すると共にモータMG2を電動機として駆動してバッテリ50の充放電を伴いながらエンジン22からの動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行する走行パターン3、モータMG1を発電機として駆動すると共にモータMG2を電動機として駆動してバッテリ50の充放電なしにエンジン22からの動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行する走行パターン4がある。これらの走行パターンのうち走行パターン4は、バッテリ50を充放電する電力に相当する動力分だけ走行パターン3におけるエンジン22からの動力を増減すればよいから、即ちバッテリ50の充放電電力を値0とすればよいから、走行パターン3の一部として見ることができる。また、走行パターン1と走行パターン3については、リダクションギヤ35による2段階の変速比のうちのいずれの変速比を用いるかにより各々2種の走行パターン、即ちクラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオンとするリダクション走行パターンとクラッチCLを接続状態とすると共にブレーキBRをオフとする直結走行パターンとを有することになる。走行パターン2では、モータMG2を駆動しないから、モータMG2を切り離すようリダクションギヤ35のクラッチCLとブレーキBRとを設定すればよい。各走行パターンにおけるエンジン22やモータMG1,モータMG2の制御は、アクセルペダルポジションセンサ84により検出されるアクセル開度APと車速センサ88により検出される車速Vとに基づいて運転者が要求している駆動力が駆動軸としてのリングギヤ軸32a、最終的には駆動輪63a,63bに出力されるようバッテリ50の残容量(SOC)を考慮しながら行なわれるが、本発明ではこうした制御は発明の中核をなさないから、その詳細な説明は省略する。
【0030】
次に、実施例のハイブリッド自動車20における動作のうち走行パターン3で走行しているときの動作について説明する。図2は、走行時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。走行時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速センサ88により検出される車速Vとアクセルペダルポジションセンサ84により検出されるアクセル開度APと温度センサ46により検出されるモータ温度Tmとを読み込む処理を実行する(ステップS100)。そして、読み込んだアクセル開度APと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求駆動力としての要求トルクT*と要求動力P*とを計算する(ステップS102)。要求トルクT*の計算は、実施例では、アクセル開度APと車速Vと要求トルクT*との関係を実験などにより設定して予めマップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度APと車速Vとが与えられると、記憶したマップから対応する要求トルクT*が導出されるものとした。アクセル開度APと車速Vと要求トルクT*との関係の一例を示すマップを図3に示す。また、要求動力P*の計算は、次式(1)により求めるものとした。式(1)中、Gvは車速Vを駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数に変換する変換係数である。
【0031】
【数1】
P*=T*×V・Gv (1)
【0032】
こうして要求トルクT*と要求動力P*とを求めると、モータ温度Tmが所定温度Tref未満であるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、所定温度Trefは、モータMG2の許容限界温度より低い温度のうちモータMG2の冷却を要する温度として設定されるものである。モータ温度Tmが所定温度Tref未満のときには、モータMG2の冷却は不要と判断し、クラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオンとしてモータMG2の回転軸36aを2:1の減速比でリングギヤ軸32aに接続し(ステップS106)、走行パターン3におけるリダクション走行パターンの制御を行なって(ステップS108)、本ルーチンを終了する。
【0033】
一方、モータ温度Tmが所定温度Tref以上のときには、要求動力P*が所定動力Pref未満か否かを判定する(ステップS110)。ここで、所定動力Prefは、モータMG2による駆動力が必ず要求される動力として設定されるものである。要求動力P*が所定動力Pref未満のときには、モータMG2の冷却が必要であると共にモータMG2からの駆動力は必ずしも要求されない状態にあると判断し、クラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2を切り離し(ステップS112)、走行パターン2の制御を行なって(ステップS114)、本ルーチンを終了する。こうした制御により、高温化したモータMG2を冷却することができる。
【0034】
ステップS110で要求動力P*が所定動力Pref以上のときには、モータMG2の冷却は必要だがモータMG2からの駆動力が要求されていると判断し、クラッチCLを接続状態とすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2の回転軸36aとリングギヤ軸32aとを直結状態に接続し(ステップS116)、走行パターン3における直結走行パターンの制御を行なって(ステップS118)、本ルーチンを終了する。こうした制御はモータMG2の回転数を小さく抑えるから、モータMG2の発熱を抑えた状態でモータMG2から駆動力を得ることができるようになる。
【0035】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2の温度が高温のときには、モータMG2の回転を停止して冷却することができる。しかも、モータMG2の温度が高くてもモータMG2からの駆動力が必要なときには、リダクションギヤ35を直結状態としてモータMG2の回転数を小さく抑えるから、モータMG2の発熱を抑えながらモータMG2から駆動力を得ることができる。もとより、モータMG2の温度が適温のときには、リダクションギヤ35によりモータMG2の回転軸36aを2:1の減速比をもってリングギヤ軸32aに接続するから、モータMG2をリングギヤ軸32aに比して高回転で低トルクの効率の高い運転領域で運転することができる。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、リダクション走行パターンでは、クラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオンとしてモータMG2の回転軸36aを2:1の減速比をもってリングギヤ軸32aに接続するものとしたが、減速比2:1に限定されるものではなく、如何なる減速比を用いても構わない。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータ温度Tmが所定温度Tref以上のときには、要求動力P*が所定動力Pref未満のときにはクラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2を切り離してモータMG2を冷却し、要求動力P*が所定動力Pref以上のときにはクラッチCLを接続状態にすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2の回転軸36aとリングギヤ軸32aとを直結状態としてモータMG2から駆動力を得るものとしたが、モータ温度Tmが所定温度Tref以上のときには、要求動力P*に拘わらず、クラッチCLを解除状態とすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2を切り離してモータMG2を冷却するものとしたり、要求動力P*に拘わらず、クラッチCLを接続状態にすると共にブレーキBRをオフとしてモータMG2の回転軸36aとリングギヤ軸32aとを直結状態としてモータMG2から駆動力を得るものとしても構わない。
【0038】
次に、本発明の第2の実施例としてのハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、前述した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成にモータMG2を駆動するインバータ42の温度を検出する図示しない温度センサを加えたハード構成をしている。このため、第2実施例のハイブリッド自動車20Bの構成の図示とその詳細な説明は、重複を避けるため省略する。なお、第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、リダクションギヤ35の状態として、クラッチCLが解除状態でブレーキBRがオン状態のときを「Loギヤの状態」といい、クラッチCLが接続状態でブレーキBRがオフ状態のときを「Hiギヤの状態」という。また、第2実施例のハイブリッド自動車20Bでも第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に同様の走行パターンにより走行する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bも、第1実施例と同様にモータMG2の温度とリダクションギヤ35の状態との関係についての動作であるから、走行パターンのうちエンジン22やモータMG1,モータMG2によって駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求動力P*が出力されるパターン(走行パターン3,4)について説明する。
【0039】
図4は、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるリダクションギヤ35の変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。この変速制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速センサ88からの車速Vや温度センサ46からのモータ温度Tm,図示しないインバータ42に取り付けられた温度センサからのインバータ温度Tinvを読み込み(ステップS200)、読み込んだモータ温度Tmを閾値T1と比較すると共にインバータ温度Tinvを閾値T2と比較する処理を実行する(ステップS202)。ここで、閾値T1は、モータMG2の温度上昇を抑制するためにその駆動力を制限する必要がある下限またはその近傍の温度として設定されるものであり、モータMG2の特性により定められる。また、閾値T2は、インバータ42の温度上昇を抑制するためにその通電電流を制限する必要がある下限またはその近傍の温度として設定されるものであり、インバータ42の特性により定められる。
【0040】
モータ温度Tmが閾値T1以下でインバータ温度Tinvが閾値T2以下のときには、モータMG2の温度上昇やインバータ42の温度上昇に対する処理は必要ないと判断し、ギヤ固定フラグFgに値0を設定して(ステップS204)、本ルーチンを終了する。ここで、ギヤ固定フラグFgは、リダクションギヤ35の状態を固定するか否か、即ち変速許可するか否かを値として持つフラグであり、実施例では、変速を許可するときに値0を設定し、ギヤを固定するときに値1を設定するものとした。
【0041】
一方、モータ温度Tmが閾値T1より大きいかインバータ温度Tinvが閾値T2より大きいときには、リダクションギヤ35の状態を固定するためにギヤ固定フラグFgに値1を設定すると共に(ステップS206)、車速Vが閾値Vref未満か否かを判定し(ステップS208)、車速Vが閾値Vref未満のときには、モータMG2の温度上昇やインバータ42の温度上昇を抑制すると共に運転者の駆動力を確保するために、クラッチCLを解除すると共にブレーキBRをオンとしてリダクションギヤ35をLoギヤの状態にし(ステップS210,S212)、本ルーチンを終了する。こうした処理、即ち、モータ温度Tmが閾値T1より大きい状態が継続している最中やインバータ温度Tinvが閾値T2より大きい状態が継続している最中にはリダクションギヤ35をLoギヤの状態で固定する処理により、モータMG2からのトルクをHiギヤの状態に比して小さくしてモータMG2の銅損を小さくし、これによりモータMG2の温度上昇やインバータ42の温度上昇を抑制することができる。しかも、リダクションギヤ35をLoギヤの状態に固定することにより、運転者の要求する動力に基づいてモータMG2から出力すべき動力をモータMG2から迅速に出力することもできる。なお、リダクションギヤ35がHiギヤの状態のときに、モータ温度Tmが閾値T1より大きくなったりインバータ温度Tinvが閾値T2より大きくなってもステップS208で車速Vが閾値Vref以上と判定されたときには、車速Vが閾値Vref未満になるまではリダクションギヤ35の状態をLoギヤの状態には変更しない。これは、車速Vが閾値Vref以上のときにリダクションギヤ35をLoギヤの状態とすることによってモータMG2を高速回転させるのを回避するためである。したがって、閾値Vrefは、モータMG2が高速回転しない範囲の車速の上限として設定され、モータMG2の性能やギヤ機構60などにより定められる。
【0042】
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、モータ温度Tmが閾値T1より大きいかインバータ温度Tinvが閾値T2より大きいときにはリダクションギヤ35をLoギヤの状態に固定することにより、モータMG2の温度上昇やインバータ42の温度上昇を抑制すると共に運転者が要求する動力に基づいた動力をモータMG2から出力することができる。
【0043】
ここで、こうした第2実施例における変速制御、即ちモータ温度Tmが高温となるときにはリダクションギヤ35をLoギヤの状態とする制御は、モータ温度Tmが高温となるとリダクションギヤ35をHiギヤの状態とする第1実施例における制御と相反する制御となっている。これは、第2実施例では、回転数に比例する鉄損よりモータトルクに比例するモータMG2の銅損の影響の方が大きいモータMG2の駆動系(モータMG2やリダクションギヤ35などを含む駆動系)を想定しており、第1実施例では、逆にモータMG2の銅損より鉄損の影響の方が大きいモータMG2の駆動系を想定しているからである。したがって、第1実施例のような制御を選択するか、第2実施例のような制御を選択するかは、モータMG2の駆動系の特性によって定めればよい。
【0044】
なお、第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の温度やインバータ42の温度に基づいてリダクションギヤ35のギヤの状態を制御するものとしたが、モータMG2の冷却オイルや潤滑オイルの温度など、モータMG2の温度を推定可能なものやインバータ42の温度を推定可能なものの温度に基づいてリダクションギヤ35のギヤ比の状態を制御するものとしてもよい。
【0045】
また、第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の温度とインバータ42の温度とに基づいてリダクションギヤ35のギヤの状態を制御するものとしたが、モータMG2の温度だけに基づいてリダクションギヤ35のギヤの状態を制御するものとしたり、インバータ42の温度だけに基づいてリダクションギヤ35のギヤの状態を制御するものとしてもよい。
【0046】
次に、本発明の第3の実施例であるハイブリッド自動車20Cについて説明する。第3実施例のハイブリッド自動車20Cも、前述した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。したがって、重複した説明を避けるため、第3実施例のハイブリッド自動車20Cの構成の図示とその詳細な説明については省略する。なお、第3実施例のハイブリッド自動車20Cでも第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に同様の走行パターンにより走行する。
第3実施例のハイブリッド自動車20Cも、第1実施例と同様にモータMG2の温度とリダクションギヤ35の状態との関係についての動作であるから、走行パターンのうちエンジン22やモータMG1,モータMG2によって駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求動力P*が出力されるパターン(走行パターン3,4)について説明する。
【0047】
図5は、第3実施例のハイブリッド自動車20Cが走行パターン3や走行パターン4により走行しているときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるトルク変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0048】
トルク変速制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速センサ88により検出される車速Vとアクセルペダルポジションセンサ84により検出されるアクセル開度APと温度センサ46により検出されるモータ温度Tmとを読み込み(ステップS300)、読み込んだアクセル開度APと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求駆動力としての要求トルクT*と要求動力P*とを計算する(ステップS302)。要求トルクT*の計算や要求動力P*の計算は、第1実施例で説明した。
【0049】
こうして要求トルクT*と要求動力P*とを求めると、要求動力P*にバッテリ50を充放電するために必要な充放電用動力Pb*を加えてエンジン22から出力すべきエンジン要求動力Pe*を計算し(ステップS304)、計算したエンジン要求動力Pe*を最も効率よく出力できるエンジン22の運転ポイントである回転数とトルクとをエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*として設定する(ステップS306)。そして、設定した目標回転数Ne*でエンジン22が運転されるよう動力分配統合機構30のギヤ比ρと車速Vとを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に(ステップS308)、設定された目標トルクTe*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと車速Vとを用いてモータMG2から出力すべきモータ目標動力Pm*を設定する(ステップS310)。ここで、モータMG1の目標回転数Nm1*は、車速Vに変換係数Gvを乗じて得られる回転数で回転しているリングギヤ32に対してキャリア34をエンジン22の目標回転数Ne*で回転させるために必要なサンギヤ31の回転数として求めることができる。また、モータMG2から出力すべきモータ目標動力Pm*は、サンギヤ31が目標回転数Nm1*で回転し、リングギヤ32が車速Vに変換係数Gvを乗じた回転数で回転し、キャリア34が目標回転数Ne*で回転しているときにキャリア34に目標トルクTe*を作用させたときに目標トルクTe*の作用に伴ってリングギヤ32に出力されるトルクと要求トルクT*との偏差として計算されるトルクにリングギヤ32の回転数(V・Gv)を乗じたものとして求めることができる。
【0050】
こうして、モータMG2のモータ目標動力Pm*を設定すると、ステップS300で読み込んだモータ温度Tmが閾値T3と閾値T4とにより設定された温度範囲内にあるか否かを判定する(ステップS312)。ここで、閾値T3は、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機が必要と判定するための温度として設定されており、閾値T4は、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の温度上昇の抑制が必要と判定するための温度として設定されており、潤滑油の特性やモータMG2の特性によって定めることができる。
【0051】
モータ温度Tmが閾値T3と閾値T4とにより設定される温度範囲内のときには、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機や温度上昇の抑制は不要の状態と判断し、モータ目標動力Pm*が効率よくモータMG2から出力されるようリダクションギヤ35の状態を設定し(ステップS314)、モータ温度Tmが閾値T3未満のときには、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機が必要と判断してモータ目標動力Pm*を出力するのにモータMG2が高負荷で運転されるようリダクションギヤ35の状態を設定し(ステップS316)、モータ温度Tmが閾値T4より大きいときには、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の温度上昇の抑制が必要と判断してモータ目標動力Pm*を出力するのにモータMG2が低損失で運転されるようリダクションギヤ35の状態を設定する(ステップS318)。リダクションギヤ35の状態の設定は、実施例では、具体的には、リダクションギヤ35をHiギヤの状態としたときとLoギヤの状態としたときのモータMG2のトルクと回転数と損失との関係を予め求めてギヤ状態選択用マップとしてROM74に記憶しておき、Hiギヤの状態およびLoギヤの状態としたときにモータMG2からモータ目標動力Pm*を出力する際の損失を導出し、効率や発熱量の観点からいずれの損失が有利であるかによってギヤの状態を選択することにより行なう。即ち、モータ温度Tmが閾値T3と閾値T4とにより設定される温度範囲内のときには、効率を優先するためにモータMG2の損失が小さい方のギヤの状態が選択されて設定され、モータ温度Tmが閾値T3未満のときには、発熱量を大きくするためにモータMG2の損失が大きい方のギヤの状態が選択されて設定され、モータ温度Tmが閾値T4より大きいときには、発熱量を小さくするためにモータMG2の損失が小さい方のギヤの状態が選択されて設定されるのである。図6にギヤ状態選択用マップの一例を示す。例えば、いま、モータ目標動力Pm*が200×103でリングギヤ軸32aの回転数が2000のときを考える。リダクションギヤ35がHiギヤの状態のときには、ギヤ比が1:1であるから回転軸36aは2000で回転し、モータMG2から出力すべきトルクは100となるから、図6の例のギヤ状態選択用マップによるモータMG2の損失は1.70となる。一方、リダクションギヤ35がLoギヤの状態のときには、ギヤ比が2:1となるから回転軸36aは4000で回転し、モータMG2から出力すべきトルクは50となるから、ギヤ状態選択用マップによるモータMG2の損失は0.96となる。したがって、効率優先や温度上昇抑制の場合には低損失のLoギヤの状態が選択され、暖機促進の場合には高損失のHiギヤの状態が選択される。なお、こうしてリダクションギヤ35の状態が設定されると、設定された状態となるようクラッチCLとブレーキBRが駆動制御される。
【0052】
こうしてリダクションギヤ35の状態が設定されると、設定されたリダクションギヤ35の状態におけるギヤ比Gn(Hiギヤの状態のときには値1でLoギヤの状態のときには値2)と車速Vと換算係数Gvとの積でモータ目標動力Pm*を割ってモータMG2のトルク指令Tm2*を計算して設定し(ステップS320)、設定したエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1の目標回転数Nm1*,モータMG2のトルク指令Tm2*などの設定値をエンジンECU24やモータECU40に出力して(ステップS322)、本ルーチンを終了する。なお、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転されるようエンジン22を制御し、モータMG1の目標回転数Nm1*とモータMG2のトルク指令Tm2*とを受信したモータECU40は、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようモータMG1を駆動制御すると共にモータMG2からトルク指令Tm2*のトルクが出力されるようモータMG2を駆動制御する。
【0053】
以上説明した第3実施例のハイブリッド自動車20Cによれば、モータMG2の温度Tmが閾値T3未満のときには、モータMG2が高負荷で運転されるようリダクションギヤ35の状態が設定されるから、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機を迅速に行なうことができる。また、モータMG2の温度Tmが閾値T4より高いときには、モータMG2が低損失で運転されるようリダクションギヤ35の状態が設定されるから、リダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の温度上昇を抑制することができる。しかも、モータMG2の温度Tmが閾値T3と閾値T4とによって設定された温度範囲内のときにはモータMG2が効率よく運転されるようリダクションギヤ35の状態が設定されるから、モータMG2のエネルギ効率、ひいては車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0054】
なお、第3実施例のハイブリッド自動車20Cでは、要求動力P*と充放電電力Pb*との和としてエンジン要求動力Pe*を設定すると共にこのエンジン要求動力Pe*を効率よく出力できる運転ポイントとしてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとし、更に、こうした設定値に基づいて設定されたモータ目標動力Pm*とモータ温度Tmとに基づいてリダクションギヤ35の状態を設定するものとしたが、エンジン要求動力Pe*の設定や目標回転数Ne*や目標トルクTe*の設定の際にモータ温度Tmを考慮することによりモータ温度Tm*が反映されたモータ目標動力Pm*を設定するものとし、このモータ目標動力Pm*とモータ温度Tmとに基づいてリダクションギヤ35の状態を設定するものとしてもよい。即ち、モータ温度Tmが閾値T3未満のリダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機が必要なときには、モータ目標動力Pm*が大きくなるようエンジン要求動力Pe*や目標回転数Ne*,目標トルクTe*を設定し、逆に、モータ温度Tmが閾値T4より高いリダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の温度上昇の抑制が必要なときには、モータ目標動力Pm*が大きくなるようエンジン要求動力Pe*や目標回転数Ne*,目標トルクTe*を設定するのである。こうすれば、更に暖機や温度上昇の抑制を効果的に行なうことができる。
【0055】
また、第3実施例のハイブリッド自動車20Cでは、モータMG2をリングギヤ軸32aに接続する変速機として2段変速のリダクションギヤ35を用いたが、3段以上の有段変速機や無段変速機を用いるものとしてもよい。この場合、モータ温度Tmが閾値T3未満のリダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の暖機が必要なときには最も発熱量が大きくなる変速段を選択し、逆に、モータ温度Tmが閾値T4より高いリダクションギヤ35の潤滑油やモータMG2の温度上昇の抑制が必要なときには最も低損失となる変速段を選択するものとすればよい。なお、2段変速のリダクションギヤ35に代えて3段以上の有段変速機や無段変速機を用いる態様は、第3実施例のハイブリッド自動車20Cに限られず、第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bに適用するものとしてもよい。
【0056】
各実施例のハイブリッド自動車20,20B,20Cでは、モータMG2の動力をリダクションギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリダクションギヤ35を介してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪193a,193bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0057】
各実施例のハイブリッド自動車20,20B,20Cでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。また、図9の変形例にハイブリッド自動車320に例示するように、エンジン22からの動力を変速して駆動輪63a,63bの車軸に接続された駆動軸に出力する変速機330を備えるものとしてもよい。この場合、変速機330は有段変速機であっても無段変速機であってもよい。このようにエンジン22からの動力を変速して駆動輪63a,63bの車軸に接続された駆動軸に出力する変速機330を備える場合、図10の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、モータMG2からリダクションギヤ35を介して出力される動力を更に変速機330で変速して駆動輪63a,63bに伝達するものとしてもよい。
【0058】
各実施例のハイブリッド自動車20,20B,20Cでは、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1とからなる動力源に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aにリダクションギヤ35を介してモータMG2を接続するものとしたが、リングギヤ軸32aに接続される動力源は如何なる構成であってもよい。
【0059】
実施例では、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1とからなる動力源に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aにリダクションギヤ35を介してモータMG2を接続する動力出力装置を車両に搭載したハイブリッド自動車20の形態として説明したが、車両以外の移動体、例えば、船舶や航空機,建設機械などに搭載するものとしても差し支えない。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される走行時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】 アクセル開度APと車速Vと要求トルクT*との関係の一例を示す説明図である。
【図4】 第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるリダクションギヤ35の変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】 第3実施例のハイブリッド自動車20Cのハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるトルク変速制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 ギヤ状態設定用マップの一例を示す説明図である。
【図7】 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図8】 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図9】 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【図10】 変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
20,20B,20C,120,220,320,420 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 リダクションギヤ、36 サンギヤ、36a 回転軸、37 リングギヤ、38 ピニオンギヤ、39 キャリア、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、46 温度センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、193a,193b 駆動輪、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、330 変速機、MG1,MG2 モータ、CL クラッチ、BR ブレーキ。

Claims (16)

  1. 駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、
    回転軸に動力を出力可能な電動機と、
    切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
    前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段と、
    前記駆動軸の運転状態と前記電動機温度検出手段により検出された電動機の温度とに基づいて前記動力伝達手段による伝達可能状態を制御する状態制御手段と、
    前記駆動軸への要求動力と前記伝達可能状態とに基づいて前記動力源と前記電動機とを運転制御する運転制御手段と、
    を備え
    前記動力伝達手段は、前記複数の伝達可能状態の一つとして前記回転軸の動力が前記駆動軸に伝達されない非伝達状態を有し、
    前記状態制御手段は、前記電動機温度検出手段により検出された電動機の温度が所定温度以上のときには、前記非伝達状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段である
    動力出力装置。
  2. 前記状態制御手段は、前記電動機の温度が所定温度以上であっても前記駆動軸への要求動力が所定動力以上のときには、前記複数の伝達可能状態のうち前記電動機の回転数が小さくなる伝達可能状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記動力伝達手段は、前記複数の伝達可能状態として、所定の減速比で前記回転軸と前記駆動軸とを接続する減速伝達可能状態と前記回転軸と前記駆動軸とが一体として回転する直結伝達可能状態とを有する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記動力伝達手段は、遊星歯車機構を備える請求項記載の動力出力装置。
  5. 駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、
    回転軸に動力を出力可能な電動機と、
    切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
    前記電動機を含む電動機駆動系の温度を検出する温度検出手段と、
    該検出された温度に基づく伝達可能状態となるよう動力伝達手段を制御すると共に前記駆動軸へ要求される動力が出力されるよう前記動力源と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記検出された温度が第1の所定温度未満のときには前記電動機駆動系の温度上昇の促進を優先する温度上昇促進制御を実行し、前記検出された温度が前記第1の所定温度以上のときにはエネルギ効率を優先する効率優先制御を実行する手段である
    動力出力装置。
  6. 前記温度上昇促進制御は、前記電動機の高負荷な駆動を優先する制御である請求項記載の動力出力装置。
  7. 前記温度上昇促進制御は、前記電動機駆動系の温度上昇を促進可能に前記要求動力を前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機とを駆動する制御である請求項5または 記載の動力出力装置。
  8. 前記制御手段は、前記検出された温度が第2の所定温度未満のときにはエネルギ効率を優先する効率優先制御を実行し、前記検出された温度が前記第2の所定温度以上のときには前記電動機駆動系の温度上昇の抑制を優先する温度上昇抑制制御を実行する手段である請求項5ないし7いずれか記載の動力出力装置。
  9. 前記温度上昇抑制制御は、前記電動機の低損失な駆動を優先する制御である請求項記載の動力出力装置。
  10. 前記温度上昇抑制制御は、前記電動機駆動系の温度上昇を抑制可能に前記要求動力を前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機とを駆動する制御である請求項8または9記載の動力出力装置。
  11. 前記効率優先制御は、前記要求動力をエネルギ効率よく前記駆動軸に出力するために予め設定された関係を用いて前記動力伝達手段による伝達可能状態と前記動力源の運転状態と前記電動機の駆動状態とを設定すると共に該設定した状態となるよう該動力伝達手段と該動力源と該電動機とを駆動する制御である請求項5ないし10いずれか記載の動力出力装置。
  12. 駆動軸に動力を出力可能な動力源を備える動力出力装置であって、
    回転軸に動力を出力可能な電動機と、
    切り替え可能な複数の伝達可能状態をもって前記回転軸の動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
    前記電動機を含む電動機駆動系の温度を検出する温度検出手段と、
    該検出された温度に基づく伝達可能状態となるよう動力伝達手段を制御すると共に前記駆動軸へ要求される動力が出力されるよう前記動力源と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記検出された温度が所定の温度範囲内のときには所定の伝達可能状態となるよう前記動力伝達手段を制御する手段であり、
    前記所定の温度範囲は、所定温度以上の範囲であり、
    前記所定の伝達可能状態は、前記電動機の回転数が小さくなる伝達可能状態である
    動力出力装置。
  13. 前記電動機駆動系の温度は、前記電動機,前記電動機を駆動するための駆動回路,前記動力伝達手段のいずれかの温度である請求項5ないし12いずれか記載の動力出力装置。
  14. 前記動力伝達手段は、遊星歯車機構を有する有段変速機である請求項1ないし13いずれか記載の動力出力装置。
  15. 前記動力源は、発電機による反力を用いて遊星歯車機構を介して駆動軸に動力を出力可能な内燃機関である請求項1ないし14いずれか記載の動力出力装置。
  16. 車軸が前記駆動軸に機械的に接続されてなる請求項1ないし15いずれか記載の動力出力装置を備える自動車。
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