JPH10339182A - 内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置およびその制御方法 - Google Patents
内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置およびその制御方法Info
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Abstract
態様で車両および補機2の駆動を可能とし、運転性や走
行性能を犠牲にせずに内燃機関1の総合的な燃料消費を
改善する。 【解決手段】 車両を駆動するための内燃機関3にCV
T変速機5が接続され、終減速装置6を介して駆動輪7
を駆動する。変速機5はロックアップクラッチ4を備え
る。変速機5の中間軸5eに、駆動輪7の駆動ならびに
該駆動輪7によるエネルギー回生が可能な第1電動機1
0が接続される。内燃機関1によって駆動される補機2
とクランクシャフトとの間に、クラッチ装置9が介装さ
れ、補機2を駆動できるように、第2電動機8が設けら
れる。燃料供給停止を伴う車両減速時には、クラッチ装
置9を介して第2電動機8が内燃機関1のモータリング
を行い、車両停止に至るまで、機関の停止を防止する。
Description
機とを用いた複合型の車両駆動装置、特に、基本的には
車両の走行を内燃機関によって行い、電動機の補助的な
作動によりアクセルペダルが踏まれていない時、例えば
減速中あるいは車両停止中の燃料供給停止を可能とする
ことによって燃料消費の低減を図った複合型車両駆動装
置ならびにその制御方法に関する。
される一般的な車両の駆動系の基本的構成を示したもの
であり、内燃機関51のクランクシャフトが主伝動装置
例えばトルクコンバータ53を介して変速機55のメイ
ンドライブシャフトに接続されているとともに、この変
速機55から終減速装置56を介して駆動輪57へ動力
伝達がなされている。そして、内燃機関51は、種々の
補機52、例えば内燃機関51自体に必要なウォータポ
ンプ等や車両側との関係で必要となる空調装置用コンプ
レッサやパワーステアリング用ポンプ等の補機52を、
ベルト伝動機構等を介して駆動している。また、一般
に、トルクコンバータ53と並列にロックアップクラッ
チ54が設けられている。
動変速機(いわゆるCVT)を用いた場合の動力伝達経
路のスケルトン図である。
車両駆動装置においては、車両停止時に内燃機関51に
よって補機52が駆動されており、変速機55が走行レ
ンジ(いわゆるDレンジ等)にあれば、内燃機関51に
よってクリープ力が発生している。また、減速時におい
ても、当然のことながら内燃機関51は補機52を駆動
している。
減するために、車両の減速時に内燃機関51への燃料供
給を停止する、いわゆるフューエルカットが知られてい
る。この燃料供給停止は、車速がある程度高い領域での
減速に対して実行され、また機関回転数が急激に低下し
ないように、一般に、ロックアップクラッチ54が締結
されたロックアップ状態に制御される。この場合、エン
ジンブレーキがかかり、平坦路であれば徐々に車速が下
がってくる。この車速の低下に伴って所定の特性に従い
変速機55の変速が行われるが、変速比には上限がある
ので、車速がある程度下がってくると、内燃機関51の
回転数(回転速度)が必然的に低下し、ロックアップし
たままでは、車速の低下と共にアイドル回転数以下とな
ってエンジンストールに至ってしまう。そこで、この時
点で、ロックアップを解除して、トルクコンバータ53
を介した動力伝達とするのであるが、このロックアップ
クラッチ54の解放に伴って駆動輪57側から内燃機関
51へ作用していた駆動力が急激に低下するため、内燃
機関51の回転数は、自らのフリクションにより急激に
低下しようとする。そのため、一般には、この時点で燃
料噴射を再開して、エンジンストールを防止することに
なる。
る技術としては、上記のような減速時のみならず、信号
待ち等の車両の停止中に、内燃機関51を停止させ、そ
の後、アクセルペダルが踏み込まれた時点で、内燃機関
51を再度始動して車両の発進を行うようにしたいわゆ
るアイドルストップの手法も知られている。
に電動機を有する構成としては、特開平8−79915
号公報や特開平8−266012号公報に見られるよう
なハイブリッド型の自動車が知られている。このハイブ
リッド型自動車は、内燃機関によって発電機を駆動し、
その発電出力でもって走行用モータを駆動するシリーズ
ハイブリッド型のものと、内燃機関の出力と走行用モー
タの出力とを合わせて車両を駆動するようにしたパラレ
ルハイブリッド型のものとに大別されるが、いずれの形
式のものでも、基本的には走行用モータ単独でもって走
行が可能なように構成される電気自動車の変形であり、
電気自動車の欠点である走行距離(充電量)や登坂路で
の出力不足、といった点を、内燃機関の搭載によって補
おうとしているものである。
機関51でもって走行する車両駆動装置においては、燃
料消費を減らすため、減速時や車両停止中に内燃機関5
1への燃料供給を停止することが試みられているのであ
るが、このような燃料供給停止には、いくつかの課題が
伴う。
停止すると、前述したように、減速の途中で機関回転数
が過度に低下し、内燃機関51が停止してしまう、とい
う問題がある。つまり、燃料噴射を再開しても内燃機関
51の自立運転を回復できない状態になってしまう。こ
のように実質的に内燃機関51が停止した状態となる
と、減速の途中でアクセルペダルが踏まれて再加速する
場合には、内燃機関51を再始動してから加速を始める
ため、一般の自動車に比較して始動に要する時間がかか
りトルク立ち上がりが遅くなる。そのため、運転しにく
くなり、場合によっては加速遅れが生じる虞れがある。
それ故、実際には、上述したように、自立運転を回復し
得る機関回転数でもって燃料供給を再開しなければなら
ないことになる。従って、減速時に、十分に長い期間つ
まり車両停止に至るまで燃料供給停止を継続することは
できず、この減速中の燃料供給停止による燃費低減効果
が小さくなってしまう。特に、ロックアップクラッチ5
4を解放すると、直ちに内燃機関51が停止に至るの
で、減速時に早期にロックアップクラッチ54を解放す
ることができず、エンジンブレーキが過度に作用して運
転性が悪化したりする問題を回避できない。また、減速
中に内燃機関51が停止してしまうと、空調用コンプレ
ッサ、パワーステアリング用オイルポンプ、ウォータポ
ンプ等の補機52の機能が同時に失われ、好ましくな
い。
止中に燃料供給を停止すると、内燃機関51が停止し、
上述した補機52の機能が失われると共に、特に、車両
のクリープ力の発生が無くなり、坂道発進時や車庫入れ
等の際に運転しにくいものとなる。
関51を停止しておくと、発進時のトルク立ち上がりが
遅れるという問題がある。つまりアクセルペダルが踏ま
れてから内燃機関51を再始動するため、素早い発進が
できない。
1によって車両の駆動を行うものに関する課題である
が、上述した従来のハイブリッド型自動車の構成におい
ても、このような課題は到底解決することができない。
することによって、内燃機関の総合的な燃料消費率を改
善することができる内燃機関と電動機の複合型車両駆動
装置を提供することを目的とする。
両駆動装置は、車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転
を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、
上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上
記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生
が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動され
る補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機
との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラ
ッチ装置と、上記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴
う車両減速時に、上記クラッチ装置を介して内燃機関の
モータリングを行う第2電動機と、を備えていることを
特徴としている。
両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有段の変
速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記変速機
との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行うととも
に、入力側と出力側との間の相対回転を伴って動力伝達
する作動状態が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の
出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動な
らびに該駆動輪によるエネルギー回生が可能な第1電動
機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上記内
燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設さ
れ、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、上
記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴う車両停止時
に、上記クラッチ装置を遮断した状態で当該補機の駆動
を行う第2電動機と、を備えていることを特徴としてい
る。
は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有
段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記
変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行う
とともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回
転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆
動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1
電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上
記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設
され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、
上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時に
内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止手段と、こ
の燃料供給停止中に、上記内燃機関の回転数が過度に低
下しないように、上記クラッチ装置を接続した状態で上
記第2電動機によって内燃機関のモータリングを行う第
2電動機制御手段と、を備えていることを特徴としてい
る。
速時に上記駆動輪によって駆動される上記第1電動機に
よりエネルギー回生を行う回生手段を有し、かつ、この
回生手段は、上記のモータリング中も回生を継続するこ
とを特徴としている。
よって駆動される。つまり、通常の走行中は、内燃機関
が変速機を介して駆動輪を駆動し、かつ同時に補機を駆
動する。
停止を伴う減速時には、第2電動機によって内燃機関が
モータリングされ、内燃機関の回転数の過度の低下ひい
ては内燃機関の停止が回避される。なお、このとき、上
記主伝動装置は、入力側(内燃機関側)と出力側(駆動
輪側)との間で相対回転が許容され、車速が大きく低下
(例えば0)した状態でも、内燃機関の回転数はモータ
リングにより適宜に維持される。また、車両減速時に
は、第1電動機が駆動輪によって逆に駆動され、減速エ
ネルギーの回生が行われる。この第1電動機は、例え
ば、車両の発進時の補助、あるいは、車両停止中のクリ
ープ力の付与等にも用いることができる。上記の回生
は、請求項4のように、第2電動機によるモータリング
中も継続することが可能である。
の間には、クラッチ装置が介在しているので、必要に応
じて補機をクランクシャフトから分離し、第2電動機に
よって補機側のみを駆動することが可能である。
1のようにトルクコンバータを用いることができる。こ
のトルクコンバータにおいては、作動条件により入力側
と出力側とが相対回転する。
ように、トルクコンバータと、該トルクコンバータの入
力側および出力側を直結するロックアップクラッチと、
を併用してもよい。この場合、ロックアップクラッチを
締結した状態では、入力側と出力側との相対回転はな
く、ロックアップクラッチを解放した状態では、その相
対回転が許容される。
段の自動変速機あるいは手段変速機を用いることができ
るが、燃費ならびに変速ショック等の上からは、請求項
13のように、ベルト式無段変速機を用いることが望ま
しい。
は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有
段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記
変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行う
主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間
に接続された第1電動機と、上記内燃機関によって駆動
される補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記
補機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行う
クラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、車
両の停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停
止手段と、この車両停止中に、上記クラッチ装置を遮断
状態とするクラッチ制御手段と、同じく車両停止中に、
上記補機を駆動するように上記第2電動機を制御する第
2電動機制御手段と、同じく車両停止中に、車両にクリ
ープ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1
電動機制御手段と、を備えていることを特徴としてい
る。
は、基本的に内燃機関によって車両および補機が駆動さ
れる。
への燃料供給が停止され、これに伴って内燃機関が停止
状態となる。この状態のときには、補機は、第2電動機
によって駆動される。この補機と内燃機関との間のクラ
ッチ装置は、遮断状態となっているので、第2電動機に
よる内燃機関の無駄な回転は生じない。そして、この内
燃機関の停止中に、第1電動機が適宜なトルクで駆動さ
れ、車両にクリープ力が付与される。
は、車両を駆動するための内燃機関と、無段もしくは有
段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記
変速機との間に配設され、かつ両者間の動力伝達を行う
とともに、車両減速時に入力側と出力側との間で相対回
転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆
動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が可能な第1
電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機と、上
記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間に配設
され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装置と、
上記補機に連動した第2電動機と、所定の車両減速時な
らびに車両停止中に内燃機関の燃料供給を停止する燃料
供給停止手段と、燃料供給停止された減速中に、上記ク
ラッチ装置を接続状態に、かつ車両停止後に、遮断状態
に、それぞれ制御するクラッチ制御手段と、減速中に上
記内燃機関の回転数が過度に低下しないようにモータリ
ングを行うべく上記第2電動機を駆動するとともに、車
両停止後は補機の駆動のために上記第2電動機を駆動す
る第2電動機制御手段と、車両停止後に、車両にクリー
プ力が発生するように上記第1電動機を制御する第1電
動機制御手段と、を備えていることを特徴としている。
減速時および停止中の双方で燃料供給の停止を行うよう
にしたものであって、通常の走行中は、やはり内燃機関
によって車両および補機が駆動される。
ルまで低下すると、クラッチ装置を介して第2電動機に
よって内燃機関がモータリングされ、内燃機関の回転数
の過度の低下ひいては内燃機関の停止が回避される。な
お、このとき、上記主伝動装置は、入力側(内燃機関
側)と出力側(駆動輪側)との間で相対回転が許容さ
れ、車速が大きく低下(例えば0)した状態でも、内燃
機関の回転数はモータリングにより適宜に維持される。
チ装置が遮断され、これによって内燃機関のモータリン
グが終了する。従って、内燃機関の回転数は低下し、停
止に至る。機関停止中は、第2電動機によって補機が駆
動され続ける。この補機と内燃機関との間のクラッチ装
置は、遮断状態となっているので、第2電動機による内
燃機関の無駄な回転は生じない。そして、この内燃機関
の停止中に、第1電動機が適宜なトルクで駆動され、車
両にクリープ力が付与される。
7の発明においては、上記クラッチ制御手段は、車両減
速状態から車両停止への移行時に、クラッチ伝達トルク
を連続的もしくはステップ的に徐々に低下させるように
上記クラッチ装置を制御するものであり、かつ、上記第
1電動機制御手段は、このクラッチ装置を介して上記第
2電動機から内燃機関に加えられるトルクを考慮して所
定のクリープ力が発生するように上記第1電動機を制御
するものとなっている。
移行時に、第2電動機が回転し続けていても、クラッチ
制御手段がクラッチ伝達トルクを徐々に低下させること
により、内燃機関の回転数は徐々に低下し、滑らかに停
止に至る。また、第2電動機から内燃機関へ伝達された
トルクは、さらに車両の駆動力として駆動輪側へ伝達さ
れることになるが、この第2電動機によるトルクを考慮
して、所定のクリープ力が発生するように第1電動機が
制御される。つまり、第2電動機によるトルクが徐々に
低下するのに対し、第1電動機によるトルクが徐々に増
加するものとなり、段差感を伴うことなく両者の和とし
て適宜なクリープ力が付与される。
述のように車両停止中に内燃機関を停止するものにおい
て、さらに発進時の再始動を考慮したものである。すな
わち、この請求項8の発明においては、上記第2電動機
制御手段は、さらに、車両の停止中に所定の発進指令信
号があったときに、内燃機関のクランキングを行うため
に上記第2電動機を駆動するものであり、上記クラッチ
制御手段は、同じく所定の発進指令信号により上記クラ
ッチ装置を接続状態に切り換えるものとなっている。
の踏込等の発進指令信号があると、クラッチ装置が接続
状態となり、かつ第2電動機が駆動されて、これによ
り、内燃機関がクランキングされる。このクランキング
によって、内燃機関は再始動する。なお、この段階で、
主伝動装置が動力伝達可能な状態であれば、第2電動機
の発生トルクの一部は、車両の発進に必要なトルクの一
部としても利用されることになる。
置は、発進時を考慮したものであり、請求項5〜8の装
置において、上記第1電動機制御手段は、さらに、車両
の停止中に所定の発進指令信号があったときに、車両の
発進を補助するに必要なトルクを出力するように上記第
1電動機を制御するものとなっている。
に加えて第1電動機の発生トルクが駆動輪に与えられ、
車両は速やかに発進する。
は、車両の通常走行中は、内燃機関のみの駆動力によっ
て車両および補機が駆動されるようになっている。つま
り、発進後、第1電動機および第2電動機による車両や
補機の駆動が停止される。
置は、上記変速機が自動変速機からなり、かつ内燃機関
の停止中に上記自動変速機に必要な油圧を供給するため
の電動オイルポンプをさらに備えていることを特徴とし
ている。
ッチやブレーキ等の締結要素が、油圧で作動するように
なっており、車両停止時に内燃機関が停止すると、その
動作が不可能となる。請求項14の構成では、これを補
うために電動オイルポンプが機関停止中のみ、あるいは
常時駆動され、自動変速機の必要な箇所に油圧を供給す
る。従って、内燃機関の停止によってクラッチが非締結
となることを防止し、発進時にクラッチ締結遅れによる
駆動力伝達遅れを防止するとともに、クラッチの締結に
よるショックを防止できる。
方法に関するものであって、車両を駆動するための内燃
機関と、無段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関の
クランクシャフトと上記変速機との間に配設され、かつ
両者間の動力伝達を行うとともに、入力側と出力側との
間の相対回転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主
伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に
接続される第1電動機と、上記内燃機関によって駆動さ
れる補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補
機との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うク
ラッチ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、を備
えた内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置において、
通常の走行中は、両電動機を駆動せずに内燃機関の駆動
力のみで車両の駆動および補機の駆動を行い、車両の所
定の減速時には、上記第1電動機によってエネルギー回
生を行うとともに、内燃機関への燃料供給を停止し、こ
の車両減速中に機関回転数が過度に低下しないように上
記クラッチ装置ならびに上記第2電動機によって内燃機
関のモータリングを行い、減速後、車両が停止した後
は、上記クラッチ装置を遮断状態にするとともに、上記
第2電動機によって上記補機を駆動し、かつ車両に所定
のクリープ力を付与するように上記第1電動機を駆動
し、車両停止中に、発進指令信号を受けた場合には、上
記クラッチ装置を接続状態に切り換えて上記第2電動機
により内燃機関のクランキングを行い、かつ上記第1電
動機の駆動により車両の発進を補助することを特徴とし
ている。
車両駆動装置によれば、車両を基本的に駆動する内燃機
関に、補機側および駆動輪側にそれぞれ別個に配置され
る第1,第2電動機を付加するとともに、クランクシャ
フトと補機間にクラッチ装置を付加した非常に簡素な構
成により、車両の種々の運転状況に対し適切な態様で車
両および補機を駆動することが可能となり、運転性や走
行性能を犠牲にせずに燃料消費率の大幅な向上を実現で
きる。
ば、内燃機関の停止を回避するようにモータリングを行
うことで、減速時の燃料供給停止を十分に長い期間、例
えば車両停止に至るまで継続することが可能となり、そ
れだけ燃料消費を抑制できるとともに、機関停止を考慮
せずに適宜なタイミングで例えばロックアップクラッチ
を解放することが可能となる。また、減速時に機関が停
止しないことから、車両停止直前であっても、アクセル
ペダルを踏み込めば直ちに加速でき、応答遅れを生じる
ことがない。また、その減速中に第1電動機による減速
エネルギーの回生が可能であり、特に、内燃機関のモー
タリングと回生とを両立させることができる。
車両停止中に燃料供給を停止することで燃料消費の一層
の抑制が図れるとともに、この燃料供給停止に伴う機関
の停止に対し、補機の駆動とクリープ力の付与とを同時
に実現できる。特に、クラッチ装置を介してそれぞれの
側に、補機駆動用の第2電動機とクリープ力発生用の第
1電動機が配置されるので、内燃機関の無駄な回転を伴
うことがない。
態から車両停止への移行時に、モータリングトルクと第
1電動機によるクリープ用の発生トルクとを滑らかに連
続させることができ、トルクの段差感の発生を回避でき
る。
機を機関の再始動にも利用できることになり、内燃機関
側のスタータモータが実質的に不要となる。
止状態から速やかに発進することが可能となる。特に、
請求項8のように第2電動機でもって始動時のクランキ
ングを行う場合でも、これとは別の第1電動機によって
発進補助用のトルクが与えられるので、クランキング中
に発進を開始することが可能となる。
動オイルポンプを付加すれば、例えば機関停止状態から
の発進時に機関の始動つまり回転数上昇を待たずに自動
変速機の動力伝達が可能となり、発進の遅れを防止でき
る。
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
を、その動力伝達経路の形で図示したものである。この
図3に示すように、内燃機関1のクランクシャフトが主
伝動装置としてのトルクコンバータ3を介して変速機5
のメインドライブシャフトに接続されているとともに、
この変速機5から終減速装置6を介して駆動輪7へ動力
伝達がなされている。上記トルクコンバータ3と並列に
ロックアップクラッチ4が設けられており、このロック
アップクラッチ4を締結することにより、内燃機関1と
変速機5のメインドライブシャフトとを実質的に直結状
態とすることができるようになっている。そして、上記
トルクコンバータ3の出力側と駆動輪7との間の適宜な
位置に、第1電動機10が並列に接続されており、内燃
機関1の動力と第1電動機10の動力が接合点で合流し
て駆動輪7に伝達されるように構成されている。この第
1電動機10は、電力の供給により電動機として動作す
るほか、逆に駆動輪7側から駆動されることにより減速
エネルギーの回生が可能となっている。
動機構等を介して取り出され、種々の補機2、例えば内
燃機関1自体に必要なウォータポンプ等や車両側との関
係で必要となる空調装置用コンプレッサやパワーステア
リング用ポンプ等の補機2を駆動するように構成されて
いる。ここで、上記内燃機関1と補機2との間には、両
者間の接続,遮断を行う適宜な形式のクラッチ装置9が
介装されている。そして、このクラッチ装置9よりも補
機2側に、補機2を駆動するための第2電動機8が接続
されている。なお、上記の補機2としては、必ずしも車
両の全ての補機を包含する必要はなく、その一部であっ
てもよい。
示すスケルトン図である。
ト式無段自動変速機いわゆるCVTを用いたものであ
り、このCVT変速機5と、トルクコンバータ3と、ロ
ックアップクラッチ4と、終減速装置6とが、トランス
アクスル11として一体化されている。内燃機関1は、
車両にいわゆる横置状態に搭載されているものであっ
て、そのシリンダブロックの一端部が、トランスアクス
ル11のケースと結合されている。第1電動機10、第
2電動機8および補機2は、内燃機関1のシリンダブロ
ックに支持されている。
aが巻き掛けられたプライマリプーリ5bおよびセカン
ダリプーリ5cと、プライマリプーリ5bの回転方向を
切り換える前後進切換機構5dと、から大略構成されて
おり、セカンダリプーリ5cの回転が中間軸(第3軸)
5eを介して終減速装置6のファイナルギア6aに伝達
され、デフ部6bを介して、トランスアクスル11から
左右に延びるドライブシャフト7aが駆動されるように
構成されている。また、第1電動機10の回転軸は、上
記トランスアクスル11の中間軸(第3軸)5eに接続
されており、内燃機関1の動力と第1電動機10の動力
が、この中間軸5eで合流して駆動輪7を駆動すること
になる。なお、第1電動機10の許容最大回転数等の関
係で必要な場合には、上記中間軸5eと第1電動機10
との間に、さらに変速機構やクラッチ機構を設けてもよ
い。
転は、ベルト伝動機構16を介して補機2に伝達され
る。詳しくは、ベルト16aを介して中間軸16bに回
転が伝達され、この中間軸16bと第2電動機8の回転
軸8aとの間に、例えば電磁クラッチからなるクラッチ
装置9が介在している。そして、上記の第2電動機8の
回転軸8aが、ベルト16c,16dを介して各補機2
に連動している。つまり、この実施例では、クラッチ装
置9の状態に拘わらず、第2電動機8の回転が常に補機
2に伝達されており、またクラッチ装置9が接続状態に
ある場合に限って、内燃機関1のクランクシャフトと第
2電動機8と補機2とが、それぞれ所定の速度比で同時
に回転することになる。
したものであって、この例では、ベルト16aを介して
クランクシャフトに連動する中間軸16bと補機2との
間に、クラッチ装置9が介在しており、補機2の回転軸
2aと第2電動機8の回転軸8aとがベルト16cを介
して連動している。この構成においても、その基本的な
動作は上記と変わりがない。
5の前後進切換機構5d等に必要な油圧を供給するため
に、電動式油圧供給装置12が設けられている。図5
は、この油圧供給装置12の詳細を示すものであって、
内燃機関1により駆動される自動変速機用オイルポンプ
20のほかに、モーター25で駆動されるオイルポンプ
21を備えており、それぞれの吐出側が、それぞれ逆止
弁22a,22bを介して自動変速機5の前後進切換機
構5dのクラッチ部23に接続されている。なお、24
はオイルパンである。従って、2つのオイルポンプ2
0,21の中で、いずれか油圧の高い方が逆止弁22
a,22bにより選択されて、クラッチ部23への圧油
の供給がなされる。なお、上記オイルポンプ21用のモ
ーター25は、常時駆動するようにしてもよく、あるい
は後述する機関停止中のみ駆動するようにしてもよい。
合型車両駆動装置の制御装置の構成を示すブロック図で
ある。この制御装置は、内燃機関1の燃料や噴射時期等
の種々の制御を行うエンジンコントロールユニット13
と、トランスアクスル11(変速機5)の変速比やロッ
クアップ状態等を制御する自動変速機コントロールユニ
ット14と、ハイブリッドシステムコントロールユニッ
ト15と、から大略構成されている。上記ハイブリッド
システムコントロールユニット15は、所定のプログラ
ムに従って処理を行うものであって、第1電動機10に
接続された第1インバータ駆動回路26と、第2電動機
8に接続された第2インバータ駆動回路27と、クラッ
チ装置9と、電動式油圧供給装置12と、を制御してお
り、これによって、後述するような種々の動作を実現し
ている。また詳細な図示は省略するが、車両および内燃
機関1の運転条件を検出するために、種々のセンサ類が
設けられている。例えば、アクセルペダルの踏込量を検
出するアクセル開度センサ、ブレーキ操作を検出するブ
レーキセンサ、車速を検出する車速センサ、内燃機関1
の回転数を検出するクランク角センサ、内燃機関1の吸
入空気量センサ、スロットル弁が全閉であることを検出
するアイドルスイッチ、冷却水温センサ、油温センサ、
自動変速機5のセレクトレバーによるレンジ位置を検出
するレンジ位置検出スイッチ、等が設けられている。こ
れらの各センサの検出信号は、各コントロールユニット
13,14,15に適宜に入力されている。さらに、各
コントロールユニット13,14,15の間は、通信線
を介して相互に接続されており、いわゆる協調制御を行
うために必要な情報を共有すべく、相互にデータをやり
とりしている。なお、29は、内燃機関1の運転や車両
の一般的な電装品等のために用いられる低電圧バッテ
リ、28は、第1,第2電動機10,8に対し用いられ
る高電圧バッテリである。
の作用を、図13〜図15のタイミングチャートおよび
図16〜図21のフローチャートに基づいて詳細に説明
する。特に、理解を容易にするために、車両の通常走行
から減速したときの制御、減速から車両の停止に至ると
きの制御、車両停止状態から発進するときの制御、の3
つの状況に大別して説明する。
びこの通常走行から減速したときの制御について説明す
る。図13は、この状況での各部の動作を示している。
この図13において、T1のタイミングにおいては、車
両は通常走行状態にある。
ントロールユニット15において実行される制御の流れ
を示すメインフローチャートであって、制御を開始した
時点で最初にステップ1において、移行終了フラグおよ
び発進モードフラグを0とする。そして、ステップ2に
おいて、燃料噴射モードに入る。この燃料噴射モード
は、通常の燃料噴射および点火を行うモードである。ス
テップ3では、アイドルスイッチの状態を判定し、ステ
ップ4では、発進モードフラグの状態を判定している
が、通常の走行時には、アイドルスイッチがOFF、発
進モードフラグが0のままであるから、ステップ4から
ステップ1へ戻り、燃料噴射モードを継続することにな
る。この燃料噴射モード中は、クラッチ装置9は接続状
態に保持されており、第1電動機10および第2電動機
8の制御は停止されている。これにより、内燃機関1に
よって車両および補機2の双方が駆動される。換言すれ
ば、この状態では、通常の内燃機関1のみを具備した車
両と何ら変わるところはない。また、この燃料噴射モー
ドでは、低車速時等を除き、通常、ロックアップクラッ
チ4が締結されている。
て減速が開始したタイミングであり、T3は、さらにブ
レーキを踏み込んだタイミングに相当する。これによ
り、図16のステップ3からステップ5へ進み、燃料噴
射が停止する。ステップ6では、車速が0であるか、ス
テップ7では、ロックアップクラッチ4が締結側に制御
されているか、をそれぞれ判定しているが、この段階で
は、車速は0ではなく、ロックアップクラッチ4は締結
状態にあるので、ステップ7からステップ8へ進み、ロ
ックアップ減速モードに入る。図13では、T3〜T4
の期間がロックアップ減速モードに相当する。このロッ
クアップ減速モードは、主に第1電動機10によって減
速エネルギーの回生を行うモードである。
処理の流れを示しており、まず、予め設定された図8に
示すような特性の目標車軸トルクマップに基づき、その
ときの車速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ス
テップ21)。次に、予め設定された図9に示すような
特性の内燃機関フリクションマップに基づき、そのとき
の機関回転数Neに対応する内燃機関フリクショントル
クを求める(ステップ22)。なお、このフリクション
トルクは、実際には、そのときのCVT変速機5のギア
比を考慮して車軸トルクに換算される。さらに、予め設
定された図10に示すような特性の変速機フリクション
マップに基づき、そのときの機関回転数に対応する変速
機フリクショントルクを求める(ステップ23)。この
フリクショントルクは、同様に、そのときのCVT変速
機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算される。そし
て、ステップ24において、回生車軸トルクを算出し、
かつこれを第1電動機10の電流に換算する。つまり、
上記の目標車軸トルクを、内燃機関フリクション車軸ト
ルクと変速機フリクション車軸トルクと回生車軸トルク
との合計で与えるものと考えることにより、目標車軸ト
ルクを得るのに必要な回生車軸トルクが求められる。ス
テップ25では、この回生車軸トルクを実現するように
第1電動機10を制御する。なお、この回生車軸トルク
は、当然のことながら負の値として与えられるものであ
り、図13等では、これを「被動」トルクとして示して
ある。
イドルスイッチがONである限り、上記のモードが継続
する。これにより、図13に示すように、車速が徐々に
低下し、ロックアップ状態であることから、これと同様
に機関回転数も低下する。なお、この段階では、補機2
は内燃機関1によって駆動されている。
1)にまで低下した時点(図13のT4のタイミング)
で車両のサージング等を防止するためにロックアップ状
態が解除される。ロックアップの解除により、内燃機関
1の回転数は、自らのフリクションにより急速に低下し
ようとする。また、ロックアップ信号に基づき、図16
のステップ7の判定がNOとなり、ステップ7からステ
ップ9へ進み、非ロックアップ減速モードとなる。次の
ステップ10では、内燃機関1の回転数が「所定値2」
に低下するまで待機する。これは、ロックアップクラッ
チ4が実際に完全に切断されるまでの遅れを考慮したも
のであり、「所定値2」としては、例えばロックアップ
解除指令が出力された時点の回転数(所定値1)から一
定量を差し引いた値として与えればよい。そして、回転
数が「所定値2」を下回った段階でステップ11へ進
み、モータリング減速モードへ入る。なお、図13で
は、ロックアップ減速モードの後、直ちにモータリング
減速モードに移行しているが、実際には、極短時間、非
ロックアップ減速モードが存在する。
供給停止に伴う内燃機関1の停止、詳しくは回転数の過
度の低下を防止するように、内燃機関1のモータリング
を実行する。図18は、このモータリング減速モードの
詳細を示している。
ステップ31において、モータリングにより維持しよう
とする目標機関回転数(所定値3)を車速に基づいて所
定のマップから決定し、ステップ32で、この目標機関
回転数と実回転数との差分を求める。次に、この差分に
所定のゲインを乗じて、第2電動機8の発生トルクに対
する必要なフィードバック操作量を求める。そして、こ
のトルク操作量に基づき、第2電動機8を制御する(ス
テップ34)。つまり、機関回転数を目標機関回転数に
収束させるように、第2電動機8の発生トルクがフィー
ドバック制御される。なお、上記目標機関回転数として
は、例えば700rpm前後である。
リング中も、第1電動機10を用いた回生が行われる。
その手順としては、まず予め設定された図8に示すよう
な特性の目標車軸トルクマップに基づき、そのときの車
速Vに対応する目標車軸トルクを決定する(ステップ3
5)。次に、内燃機関1からトルクコンバータ3を通し
て車軸に伝達されるトルコン伝達車軸トルクを求める
(ステップ36)。具体的には、トルクコンバータ3の
速度比を、内燃機関1の回転数Neとタービン回転数
(これは車速とギア比から求まる)とによって算出し、
図11に示す所定の入力容量係数マップからトルクコン
バータ3の入力トルク容量係数τを求める。そして、次
式から、トルコン伝達トルクTを算出する。
このような減速中には、その値は1である。このように
して求めたトルコン伝達トルクを、そのときのCVT変
速機5のギア比を考慮して車軸トルクに換算することに
より、上述したトルコン伝達車軸トルクが求められる。
さらに、予め設定された図10に示すような特性の変速
機フリクションマップに基づき、そのときの機関回転数
に対応する変速機フリクショントルクを求める(ステッ
プ37)。なお、このフリクショントルクは、同様に、
そのときのCVT変速機5のギア比を考慮して車軸トル
クに換算される。そして、ステップ38において、回生
車軸トルクを算出し、かつこれを第1電動機10の電流
に換算する。つまり、上記の目標車軸トルクを、トルコ
ン伝達車軸トルクと変速機フリクション車軸トルクと回
生車軸トルクとの合計で与えるものと考えることによ
り、目標車軸トルクを得るのに必要な回生車軸トルクが
求められる。ステップ39では、この回生車軸トルクを
実現するように第1電動機10を制御する。
関1のモータリングを行うことにより、内燃機関1の過
度の回転数低下、つまり実質的な停止を回避できる。従
って、この減速中に、アクセルペダルが踏み込まれれ
ば、燃料噴射の再開(図16のステップ3からステップ
4へ進む)によって直ちに自立運転が開始し、加速に移
行できる。なお、このモータリング減速モードの間は、
補機2は、内燃機関1によって、実質的には電動機8に
よって駆動され続ける。
での制御について説明する。図14は、この状況での各
部の動作を示している。
よって車速が徐々に低下していくと、やがて、完全に停
止することになる。図14のT5が、この車両停止のタ
イミングに相当する。車両が停止し、つまり車速が0と
なると、図16のステップ6の判定はYESとなるの
で、ステップ6からステップ12へ進む。このステップ
12では、移行終了フラグの判定を行うが、当初はフラ
グが0であるので、ステップ13へ進み、移行モードの
制御へ移る。
ータリングを終了するとともに、第1電動機10による
クリープ力発生を開始するモードであり、特に両者の移
行の際の段差感の発生を防止しようとするモードであ
る。図19は、この移行モードの処理の流れを示してい
る。
すべき目標クリープトルクを、例えばマップ等に基づい
て設定する(ステップ41)。そして、クラッチ装置9
のクラッチ容量を中間レベルまで低下させる。なお、こ
の容量の低下は多段階に分けて連続的に低下させるよう
にしてもよいが、この実施例では、図14にクラッチ伝
達トルクとして示されているように、一定の中間値に維
持している。このように第2電動機8と内燃機関1との
間のクラッチ装置9のクラッチ容量を低下させることに
より、内燃機関1の回転数は、フリクションにより徐々
に低下していく。これに対し、第2電動機8の回転数
は、内燃機関1の回転数とは無関係に所定値に維持する
(ステップ43)。補機2は、第2電動機8と一体に回
転するので、クラッチ装置9の容量低下に拘わらず、所
定の回転数でもって駆動され続けることになる。
づいて同様の手法によりトルコン伝達トルクを求め、ス
テップ45で、そのときのCVT変速機5のギア比を考
慮して車軸トルクに換算し、トルコン伝達トルクによる
車両クリープトルク(トルコン車軸トルク)とする。こ
れは、第2電動機8により発生するクリープトルクであ
り、図14に示すように、内燃機関1の回転数の低下に
伴って徐々に低下していく。
ルクと上記のトルコン伝達トルクによるクリープトルク
との差として、第1電動機10により付加すべきクリー
プトルクを算出する。つまり、これにより、第1電動機
10に必要な駆動トルクが求められる。ステップ47で
は、このトルクの値から第1電動機10の操作電流量を
算出し、ステップ48において第1電動機10を制御す
る。
態を、ステップ50では車速が0であるか否かを、ステ
ップ51では機関が完全に停止したか否かを、それぞれ
判定している。上述したように、クラッチ装置9のクラ
ッチ容量の低下により機関回転数は徐々に低下していく
が、機関回転数が0に達するまでは、ステップ51から
ステップ3へ戻り、上述した制御が継続される。これに
より、図14に示すように、徐々に低下する第2電動機
8によるクリープトルクを補うように、第1電動機10
によるクリープトルクが徐々に増加し、車両全体として
は、車両停止時点(T5)から一定のクリープ力が発生
する。
プ51からステップ52へ進み、クラッチ装置9を完全
に遮断する。続いて、ステップ53で移行終了フラグを
1とする。この時点が、図16のT6のタイミングに相
当する。
ステップ12へ進んだ段階では、該ステップ12の判定
がNOとなるので、ステップ12からステップ14へ進
み、アイドルストップモードとなる。
ように、まず、ステップ61において、第2電動機8を
目標回転数(補機2の駆動に必要な回転数、例えば70
0rpm前後である)になるように制御するとともに、
ステップ62において、前述した目標クリープトルク
(車軸トルク)となるように第1電動機10を制御す
る。また、ステップ63では、アイドルスイッチの状態
を、ステップ64では、車速が0であるか否かを判定
し、これらの判定がYESである間は、アイドルストッ
プモードを継続する。
燃機関1は実質的に停止しており、燃料消費が抑制され
るとともに、その回転によるフリクション発生が回避さ
れる。そして、補機2は第2電動機8によって駆動され
続けるが、第2電動機8は内燃機関1を回転させずに補
機2のみを駆動するので、その電力消費も少ないものと
なる。また、上述のように車両にクリープ力が付与され
ることから、車庫入れ等の際の操作性が向上する。な
お、この機関停止中は、前述したように、電動式油圧供
給装置12によって自動変速機5に必要な油圧が確保さ
れる。
きの制御について説明する。図15は、この状況での各
部の動作を示しており、T7のタイミングでアクセルペ
ダルが踏み込まれている。このようにアクセルペダルが
踏み込まれると、図20のステップ63の判定がNOと
なり、図21に示す発進モードの制御に移行する。この
発進モードとなると、まずステップ71で、発進モード
フラグを1とし、かつ前述したアイドルストップモード
フラグを0にリセットする。そして、ステップ72へ進
んで、クラッチ装置9を接続状態に切り換える。続い
て、ステップ73で、第2電動機8の目標回転数をマッ
プ等から読み取り、かつステップ74で、この目標回転
数を維持するように第2電動機8を制御する。なお、上
記目標回転数としては、これ以前の補機2駆動中の回転
数をそのまま維持するようにしてもよい。クラッチ装置
9を締結することにより、第2電動機8の回転数は低下
しようとするが、この回転数を一定に維持するように制
御することで、結果的に最大トルクが出力されることに
なる。なお、この第2電動機8の最大トルクは、クラッ
チ装置9の最大伝達容量よりも大きく設定されている。
従って、クラッチ装置9の滑りを伴いつつ内燃機関1の
回転数は徐々に上昇することになる。つまり、内燃機関
1の始動のためのクランキングが、この第2電動機8に
よって行われる。
な所定の特性のマップに基づき、そのときのアクセル開
度に対応して目標車軸トルクを決定する。そして、ステ
ップ76で、第1電動機10に必要な目標トルクを演算
する。これは、詳細には示していないが、前述したクリ
ープトルク演算時のステップ44〜ステップ46と同様
に、第2電動機8の駆動により生じるトルコン車軸トル
クを求めた上で、上記目標車軸トルクとこのトルコン車
軸トルクとの差として、第1電動機10が負担すべきト
ルクを決定するのである。次にステップ77で、この算
出したトルクを発生するように、第1電動機10を制御
し、ステップ78で、内燃機関1の始動に必要な燃料噴
射量の補正や点火時期の補正等の始動制御を開始する。
か否かを判定しており、完爆するまで、上記の制御を繰
り返す。従って、図15に示すように、内燃機関1は、
その回転数が徐々に上昇し、やがて始動して、自立運転
に移行することになる。また、第1電動機10のトルク
によって、アクセルペダルの踏込量に対応した目標車軸
トルクが直ちに得られることになり、車両は非常に応答
性よく発進できる。そして、この第1電動機10による
発進補助用のトルクは、第2電動機8によるトルクを考
慮したものとして与えられるので、全体として過不足な
く所望のトルクを確保することができる。
は、電動式油圧供給装置12によって必要な油圧が供給
されており、内燃機関1の回転数の立ち上がりを待たず
に各部の切換や変速が可能であるので、発進時の応答遅
れの要因とはならない。従って、第1電動機10により
与える発進補助用のトルクは比較的小さなもので足り、
第1電動機10等の電気的駆動システム全体はそれだけ
小型となる。
関1が完爆に至ると、ステップ79の判定がYESとな
り、ステップ80へ進む。なお、内燃機関1の完爆は、
機関回転数の急激な変化あるいは第2電動機8の駆動ト
ルクの変化等によって検出される。ステップ80では、
第2電動機8の電流が力行側であるか否かを判定してい
る。つまり、第2電動機8は、上述した回転数制御が継
続されているため、その電流に基づき、内燃機関1の回
転数がこの第2電動機8の目標回転数に対応する機関回
転数に達したか否かが判定されることになる。機関回転
数の方が相対的に高くなり、電流が力行側から被動側に
変化したら、ステップ81へ進み、発進モードフラグを
0として、通常走行に相当する燃料噴射モード(ステッ
プ2)に移行する。これが、図15のT9のタイミング
に相当する。この時点では、補機2は、内燃機関1によ
って駆動されることになる。燃料噴射モードにおいて
は、前述したように、第1,第2電動機10,8は、そ
の制御が停止される。
ダルが踏み込まれたものとして説明したが、アイドルス
トップモード中のステップ64において、車速が0以外
であると判定した場合にも、同様に発進モードに移行す
る。例えば、坂道等でブレーキを解放した結果車速が上
昇した場合等がこれに該当する。勿論、この車速の判定
には、適宜な不感帯が与えられるので、クリープ力によ
りごくわずか動いた程度では、アイドルストップモード
が継続される。また、移行モード中にアクセルペダルが
踏み込まれた場合(ステップ49)あるいは車両が走行
開始した場合(ステップ50)においても、同様に発進
モードに移行する。
止中つまり移行モードおよびアイドルストップモードの
間に、クラッチ装置9を遮断状態として内燃機関1を完
全に停止するようにしたが、この間、クラッチ装置9を
接続状態とし、内燃機関1のモータリングを継続するよ
うに制御してもよい。この場合、内燃機関1を回転させ
ることによるフリクションが加わるので、第2電動機8
の電力消費の点では不利となるが、発進時には、内燃機
関1が回転しているので、燃料噴射を再開すれば、直ち
に燃焼が開始し、トルクの立ち上がりの点では有利とな
る。
図。
ロック図。
特性図。
特性図。
図。
す特性図。
ト。
ンフローチャート。
チャート。
チャート。
チャート。
Claims (15)
- 【請求項1】 車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転
を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、
上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上
記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生
が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動され
る補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機
との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラ
ッチ装置と、上記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴
う車両減速時に、上記クラッチ装置を介して内燃機関の
モータリングを行う第2電動機と、を備えていることを
特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項2】 車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回転
を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置と、
上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され、上
記駆動輪の駆動ならびに該駆動輪によるエネルギー回生
が可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動され
る補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機
との間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラ
ッチ装置と、上記補機に連動し、かつ燃料供給停止を伴
う車両停止時に、上記クラッチ装置を遮断した状態で当
該補機の駆動を行う第2電動機と、を備えていることを
特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項3】 車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との
間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の
出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が
可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される
補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機と
の間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッ
チ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車
両減速時に内燃機関の燃料供給を停止する燃料供給停止
手段と、この燃料供給停止中に、上記内燃機関の回転数
が過度に低下しないように、上記クラッチ装置を接続し
た状態で上記第2電動機によって内燃機関のモータリン
グを行う第2電動機制御手段と、を備えていることを特
徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項4】 車両減速時に上記駆動輪によって駆動さ
れる上記第1電動機によりエネルギー回生を行う回生手
段を有し、かつ、この回生手段は、上記のモータリング
中も回生を継続することを特徴とする請求項3記載の内
燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項5】 車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行う主伝動装置と、上記主伝動装置の出力側と駆
動輪との間に接続された第1電動機と、上記内燃機関に
よって駆動される補機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記補機との間に配設され、かつ両者間の接続,
遮断を行うクラッチ装置と、上記補機に連動した第2電
動機と、車両の停止中に内燃機関の燃料供給を停止する
燃料供給停止手段と、この車両停止中に、上記クラッチ
装置を遮断状態とするクラッチ制御手段と、同じく車両
停止中に、上記補機を駆動するように上記第2電動機を
制御する第2電動機制御手段と、同じく車両停止中に、
車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機を制
御する第1電動機制御手段と、を備えていることを特徴
とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項6】 車両を駆動するための内燃機関と、無段
もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシャ
フトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動力
伝達を行うとともに、車両減速時に入力側と出力側との
間で相対回転が可能な主伝動装置と、上記主伝動装置の
出力側と駆動輪との間に接続され、上記駆動輪の駆動が
可能な第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される
補機と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機と
の間に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッ
チ装置と、上記補機に連動した第2電動機と、所定の車
両減速時ならびに車両停止中に内燃機関の燃料供給を停
止する燃料供給停止手段と、燃料供給停止された減速中
に、上記クラッチ装置を接続状態に、かつ車両停止後
に、遮断状態に、それぞれ制御するクラッチ制御手段
と、減速中に上記内燃機関の回転数が過度に低下しない
ようにモータリングを行うべく上記第2電動機を駆動す
るとともに、車両停止後は補機の駆動のために上記第2
電動機を駆動する第2電動機制御手段と、車両停止後
に、車両にクリープ力が発生するように上記第1電動機
を制御する第1電動機制御手段と、を備えていることを
特徴とする内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項7】 上記クラッチ制御手段は、車両減速状態
から車両停止への移行時に、クラッチ伝達トルクを連続
的もしくはステップ的に徐々に低下させるように上記ク
ラッチ装置を制御するものであり、かつ、上記第1電動
機制御手段は、このクラッチ装置を介して上記第2電動
機から内燃機関に加えられるトルクを考慮して所定のク
リープ力が発生するように上記第1電動機を制御するも
のであることを特徴とする請求項6記載の内燃機関と電
動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項8】 上記第2電動機制御手段は、さらに、車
両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、内燃
機関のクランキングを行うために上記第2電動機を駆動
するものであり、上記クラッチ制御手段は、同じく所定
の発進指令信号により上記クラッチ装置を接続状態に切
り換えるものであることを特徴とする請求項5〜7のい
ずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装
置。 - 【請求項9】 上記第1電動機制御手段は、さらに、車
両の停止中に所定の発進指令信号があったときに、車両
の発進を補助するに必要なトルクを出力するように上記
第1電動機を制御するものであることを特徴とする請求
項5〜8のいずれかに記載の内燃機関と電動機の複合型
車両駆動装置。 - 【請求項10】 車両の通常走行中は、内燃機関のみの
駆動力によって車両および補機が駆動されることを特徴
とする請求項9記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆
動装置。 - 【請求項11】 上記主伝動装置は、トルクコンバータ
からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
記載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項12】 上記主伝動装置は、トルクコンバータ
と、該トルクコンバータの入力側および出力側を直結す
るロックアップクラッチと、からなることを特徴とする
請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関と電動機の
複合型車両駆動装置。 - 【請求項13】 上記変速機は、ベルト式無段変速機か
らなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記
載の内燃機関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項14】 上記変速機が自動変速機からなり、か
つ内燃機関の停止中に上記自動変速機に必要な油圧を供
給するための電動オイルポンプをさらに備えていること
を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の内燃機
関と電動機の複合型車両駆動装置。 - 【請求項15】 車両を駆動するための内燃機関と、無
段もしくは有段の変速機と、上記内燃機関のクランクシ
ャフトと上記変速機との間に配設され、かつ両者間の動
力伝達を行うとともに、入力側と出力側との間の相対回
転を伴って動力伝達する作動状態が可能な主伝動装置
と、上記主伝動装置の出力側と駆動輪との間に接続され
る第1電動機と、上記内燃機関によって駆動される補機
と、上記内燃機関のクランクシャフトと上記補機との間
に配設され、かつ両者間の接続,遮断を行うクラッチ装
置と、上記補機に連動した第2電動機と、を備えた内燃
機関と電動機の複合型車両駆動装置において、 通常の走行中は、両電動機を駆動せずに内燃機関の駆動
力のみで車両の駆動および補機の駆動を行い、 車両の所定の減速時には、上記第1電動機によってエネ
ルギー回生を行うとともに、内燃機関への燃料供給を停
止し、 この車両減速中に機関回転数が過度に低下しないように
上記クラッチ装置ならびに上記第2電動機によって内燃
機関のモータリングを行い、 減速後、車両が停止した後は、上記クラッチ装置を遮断
状態にするとともに、上記第2電動機によって上記補機
を駆動し、かつ車両に所定のクリープ力を付与するよう
に上記第1電動機を駆動し、 車両停止中に、発進指令信号を受けた場合には、上記ク
ラッチ装置を接続状態に切り換えて上記第2電動機によ
り内燃機関のクランキングを行い、かつ上記第1電動機
の駆動により車両の発進を補助することを特徴とする内
燃機関と電動機の複合型車両駆動装置の制御方法。
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