JP3749598B2 - 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関し、詳細には、被記録材から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録材を再生する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA(Office Automation )化により、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録されるようになり、オフィスでは、この情報の記録されたプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生するが、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状である。
【0003】
これらの情報の記録された用紙は、廃棄処理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】
従来、この問題を解消して、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用する処置を施していた。
【0005】
この古紙を再生する処理では、大規模な古紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかった。
【0006】
そこで、近時、1度使用した用紙上の文字画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用することができる紙が開発されている。例えば、特開平4−67043号公報には、シート状支持体の表面、特に、片面のみに離型処理してなり、かつ、該離型処理した支持体に印をつけ、普通紙と区別したものが開示されている。
【0007】
ところが、特開平4−67043号公報記載の紙は、特殊紙であり、再使用に際して、プリンターや複写機で再使用した際に、画像形成物質(例えば、トナー等)の定着性が悪く、一般の複写用紙等として使用するには、問題があった。
【0008】
また、特開平1−101576号公報及び特開平1−101577号公報には、画像形成物質(トナー)で画像の形成された画像形成支持体を、画像形成物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより、画像を除去する方法が開示されている。
【0009】
ところが、特開平1−101576号公報及び特開平1−101577号公報記載の画像を除去する方法にあっては、有機溶剤を使用するため、有機溶剤による公害が発生するという新たな問題があるとともに、有機溶剤の引火や毒性により、その取り扱いに注意を必要とし、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問題があった。
【0010】
さらに、特開平1−297294号公報には、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離体を介在させて加熱して、画像を支持体から剥離するクリーニング方法が開示されている。
【0011】
ところが、特開平1−297294号公報記載のクリーニング方法にあっては、表面に剥離処理を施した特別な用紙を用いなければならず、利用上の便宜性が悪いという問題があった。
【0012】
そこで、本出願人は、先に、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に液体で膨潤する層を設けた被記録材を用い、該画像を形成する皮膜状の画像形成物質よりも該被記録材の膨潤層を大きく膨潤せしめる水を含有した液体(画像除去促進液)を被記録材に付与する液付与手段と、液付与後に、該被記録材を剥離部材に圧接もしくは加熱圧接して、該画像形成物質を被記録材から剥離部材に転写剥離する剥離手段を有する画像形成物質除去方法及び再生方法に関する被記録材の再生装置を提案している(例えば、特開平7−13383号、特開平8−211793号公報参照)。
【0013】
また、本出願には、さらに、画像形成物質の剥離時の水分蒸発を防ぐために、一対のベルトを複数の加熱部材により蛇行形状に張架して複数の加熱吸着部を連続配置した構成の被記録材の再生装置を提案している(特開平8−44260号、特開平8−211794号公報参照)。
【0014】
この被記録材の再生装置により、被記録材に対して、紙質を比較的損傷することなく画像形成物質のみを除去し、被記録材を再び使用可能な状態に再生できることが確認されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記本出願人が先に提案した被記録材の再生方法や被記録材の再生装置においては、被記録材から剥離部材に画像形成物質を剥離・転写して被記録材を再生しているため、剥離部材を連続使用した場合にも、その剥離性能を維持するためには、被記録材から剥離部材に転写された画像形成物質を剥離部材から除去してクリーニングする必要がある。
【0016】
この剥離部材のクリーニング方法としては、金属製のブラシローラを剥離部材に接触させて高速回転させ、剥離部材に付着した画像形成物質を掻き落とす方法や移動する剥離部材の表面にブレードを当接させて、ブレードにより剥離部材に付着した画像形成物質を掻き落とす方法方法が考えられるが、これらの方法では、剥離部材を損傷したり、画像形成物質の除去性能が不十分である。すなわち、ブラシローラを用いる方法では、画像形成物質を充分に除去するためには、金属製の硬いブラシローラを剥離部材に圧接させて高速回転させる必要があり、剥離部材の表面をも削り取ることとなり、剥離部材を損傷して、剥離部材の寿命が著しく短くなるおそれがある。また、固定式のブレードを用いる方法では、剥離部材の損傷を抑制することができるが、ブレードを剥離部材表面に当接させるだけでは、剥離部材から画像形成物質を充分に除去することができず、被記録材の再生性能が低下するおそれがある。
【0017】
そこで、請求項1記載の発明は、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去することにより、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして、除去し、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0018】
請求項記載の発明は、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去することにより、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして、剥離部材から画像形成物質を除去し、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0019】
さらに請求項1及び請求項4記載の発明は、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減剤を用いることにより、画像形成物質と剥離部材との接着力をより一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することをそれぞれ目的としている。
【0021】
請求項2及び請求項4記載の発明は、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、非イオン性界面活性剤を含有するものを用いることにより、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することをそれぞれ目的としている。
【0022】
請求項3及び請求項6記載の発明は、接着力低減剤の付与された剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱することにより、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供することをそれぞれ目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の被記録材の再生方法は、少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生方法において、前記画像形成物質により前記固着画像の形成された前記被記録材に、少なくとも水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与して、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める液付与工程と、前記液付与工程で前記画像除去促進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離工程と、前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着力低減剤を付与する接着力低減工程と、前記接着力低減工程で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行い、かつ、前記接着力低減剤が前記画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有することにより、上記目的を達成している。
【0024】
ここで、被記録材は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、主に、通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙が利用可能である。なお、被記録材としては、上記のものに限るものではなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙層でなくてもよい。すなわち、被記録材としては、表面に特別な加工の施されていない一般的に使用されている複写用紙やプリンティング用紙を利用することができる。
【0025】
また、本再生方法で除去可能な画像の形成方法としては、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法が挙げられ、被記録材上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であれば、形成された皮膜状画像を除去することができる。なお、皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質が被記録材内部に浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印刷した場合のように、画像形成物質がほとんど分子レベルで被記録材に吸着されている状態でないことを意味し、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質で形成されているものをいう。
【0026】
画像除去促進液は、被記録材への画像形成物質の接着力を低下させるためのものであり、水分を含有している。画像除去促進液は、画像の形成されている側の被記録材に付与され、被記録材は、画像除去促進液が付与されると、膨潤する。すなわち、画像除去促進液は、被記録材表面近傍を膨潤させて、画像形成物質と被記録材との膨潤量の差により、両者の間にせん断力を発生させて、画像形成物質と被記録材との接着力を低下させる。
【0027】
画像除去促進液としては、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等を用いることができ、また、後述するように、pH調整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤及び漂白剤等の添加剤を添加することができる。
【0028】
上記界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等を用いることができ、これら各界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0029】
具体的には、陰イオン界面活性剤としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることができる。
【0030】
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0031】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0032】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0033】
フッ素系界面活性剤としては、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系及びカチオン系等を用いることができる。
【0034】
また、画像除去促進液には、界面活性剤とともに、画像形成物質の除去能力の向上あるいは再生状態を改良する目的で、水溶性ポリマーを添加してもよい。水溶性ポリマーは、0.1重量%〜20重量%の範囲、好ましくは、0.1重量%〜10重量%の範囲の量で添加する。
【0035】
画像除去促進液中に添加できる水溶性ポリマーとしては、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デンプンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルアフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等がある。
【0036】
これらの水溶性ポリマーを、水と界面活性剤を含む状態で被記録材に保持させると、画像形成物質の剥離体を形成することができる。すなわち、水溶性ポリマーは、被記録材が圧接することのできないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/剥離部材のように間接的に接触することができ、その粘着力によって、皮膜状画像を、紙質を傷めることなく、被記録材から剥離することができる。
【0037】
さらに、画像除去促進液には、界面活性剤を水に可溶化させる助剤あるいは湿潤剤を含有させることも可能である。
【0038】
湿潤剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素環類がある。また、上記の多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0039】
その他の画像除去促進液には、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤及びpH調整剤を添加することができる。
【0040】
これらの添加剤のうち、重金属イオンの封止剤で、剥離助剤として添加されるキレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0041】
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0042】
さらに、防かび剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用することができる。
【0043】
上記画像除去促進液の付与により、被記録材と画像形成物質との接着力の弱められた被記録材は、一対の剥離部材、あるいは、剥離部材とシール部材により一体密着した状態で挟持され、この状態で、加熱あるいは/及び加圧されることにより、画像形成物質が剥離部材に転写・除去される。
【0044】
この剥離部材は、上述のように、被記録材上の画像形成物質と接着して被記録材から画像形成物質を剥離・転写するための部材であり、剥離部材を構成する材料としては、画像形成物質とある程度以上の接着性、加熱や加圧等に対する耐久性及び画像除去促進液に対する安定性に優れ、表面変質が少ないことが必要である。
【0045】
剥離部材としては、例えば、Ni銅、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物及び各種ポリマー等を用いることができる。ポリマーとしては、具体的には、合成または天然のゴム、ジアリレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある合成樹脂が上げられる。また、これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、耐久性の向上及び剥離特性の向上のために、酸化チタン粒子、シリカ粒子及びカーボン粒子等を含有させることもでき、例えば、セラミックス材料等がある。
【0046】
シール部材は、被記録材に画像が片面のみに形成されている場合や画像が両面に形成されている場合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に、用いられ、シール部材は、剥離部材と密着一体化して、被記録材を挟持するためのものであり、画像形成物質を転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以外は、剥離部材と同様の特性を有していることが望ましい。
【0047】
接着力低減剤としては、種々の有機溶剤を挙げることができるが、有機溶剤には、加熱すると蒸発するものが多く、画像形成物質を軟化する効率や人体等への影響を考慮すると、有機溶剤としては、10℃から画像形成物質の軟化点の温度範囲で、液体の状態を保つグリセリン、あるいは、エチレングリコールやプロピレングリコール等のグリコール類等が好ましい。
【0048】
上記構成によれば、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして除去することができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができる。その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0049】
請求項記載の発明の被記録材の再生装置は、少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生装置において、前記画像形成物質により前記固着が像の形成された前記被記録材に、少なくとも水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与して、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める液付与手段と、前記液付与手段により前記画像除去促進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離手段と、前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着力低減剤を付与する接着力低減手段と、前記接着力低減手段で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備え、かつ、前記接着力低減剤は、前記画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有することにより、上記目的を達成している。
【0050】
上記構成によれば、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして、剥離部材から画像形成物質を除去することができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができる。その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0051】
上記各場合において前記接着力低減剤は、前記画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有してい
【0052】
上記構成によれば、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減剤を用いているので、画像形成物質と剥離部材との接着力をより一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができ、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率をさらに向上させることができる。
【0053】
また、例えば前記接着力低減剤は、10℃から前記画像形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である材料あるいは当該材料を含有する水溶液であってもよい。
【0054】
上記構成によれば、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、10℃から画像形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である材料あるいは当該材料を含有する水溶液を用いているので、被記録材から画像形成物質を除去する過程で剥離部材から有害な蒸気が発生するのを防止することができ、安全に被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0055】
さらに、例えば、請求項2及び請求項5に記載するように、前記接着力低減剤は、非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。
【0056】
ここで、接着力低減剤としては、分子内にポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤が特に好ましい。すなわち、これらの化合物は、画像形成物質を軟化させる効率が高く、加熱による蒸気の発生も少ないだけでなく、化合物の種類が多く、画像形成物質のバインダー樹脂に応じて、適宜化合物を選択することができるからである。
【0057】
分子内にポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等がある。
【0058】
上記構成によれば、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、非イオン性界面活性剤を含有するものを用いているので、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができ、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0059】
また、例えば、請求項3及び請求項6に記載するように、前記接着力低減工程あるいは前記接着力低減手段は、前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材上の前記画像形成物質を所定温度に加熱する加熱工程あるいは加熱手段を備えていてもよい。
【0060】
上記構成によれば、接着力低減剤の付与された剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱しているので、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させることができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0062】
図1は、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の一実施の形態を適用した再生装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真方式の複写機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等から画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に適用したものである。
【0063】
図1は、再生装置1の全体構成図であり、再生装置1は、給紙ユニットU1、画像除去促進液付与ユニットU2、剥離・移動ユニットU3、クリーニング液付与ユニットU4、クリーニングユニットU5、乾燥ユニットU6及び紙受けユニットU7等を備えている。
【0064】
再生装置1は、給紙ユニットU1から再生対象である被記録材としての転写紙を1枚ずつ画像除去促進液付与ユニットU2に給紙して、画像除去促進液付与ユニットU2で転写紙に画像除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU3で、転写紙上の画像形成物質を剥離ベルトに転写して剥離・除去し、乾燥ユニットU6で画像形成物質の剥離・除去された転写紙を乾燥させて、紙受けユニットU7に載置させるとともに、クリーニング液付与ユニットU4でクリーニング液を剥離ベルトに付与し、加熱した後、クリーニングユニットU5で、剥離ベルトに転写された画像形成物質を除去して、剥離ベルトをクリーニングする。以下、各ユニットU1〜U7について順次説明する。
【0065】
給紙ユニットU1は、給紙ケース101、給紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガイド板104等を備えており、給紙ケース101内には、再生対象である被記録材としての転写紙105が複数枚収納される。
【0066】
給紙ケース101内には、図示しないが、転写紙105の載置される底板が設けられており、該底板は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102側の端部を上方に持ち上げる。
【0067】
給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から順次送り出す。
【0068】
給紙ローラ102により送り出された転写紙105は、図示しない剥離機構で重送紙が分離され、一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板104を介して画像除去促進液付与ユニットU2に給紙される。
【0069】
被記録材である転写紙105は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。なお、被記録材としては、上記のものに限るものではなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙層でなくてもよい。
【0070】
また、転写紙105には、本実施の形態では、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式により画像が形成されているが、画像形成方法としては、これに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、被記録材(転写紙105)上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質106からなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であればよい。
【0071】
皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質106が被記録材(転写紙105)内部に浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印刷した場合のように、画像形成物質106がほとんど分子レベルで転写紙105に吸着されている状態でないことを意味し、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質106で形成されているものをいう。
【0072】
画像除去促進液付与ユニット(液付与手段)2は、補給液容器201、液自動補給機202、液容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ローラ205、押さえローラ206、搬送ベルト207、駆動ローラ208及びガイド板209等を備えており、補給液容器201と液自動補給機202及び液自動補給機202と液容器203は、それぞれパイプ210、211により接続されている。
【0073】
補給液容器201及び液容器203内には、画像除去促進液212が収納されており、液容器203には、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0074】
液自動補給機202は、液量センサーの検出結果に基づいて動作して、補給液容器201内の画像除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除去促進液212を補給する。
【0075】
液汲み上げローラ204と液塗布ローラ205は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ204は、回転駆動されることにより、液容器203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接する液塗布ローラ205に絞られることにより、所定量の画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させる。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ローラ208により駆動される搬送ベルト207により剥離・移動ユニットU3に送り出される。
【0076】
なお、図1では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205により画像除去促進液212が塗布されるように示されているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ205を転写紙105に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で画像除去促進液212を付与したり、あるいは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0077】
画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、画像除去促進液212により、画像形成物質106の接着力を低下させるためのものであり、水分を含有している。画像除去促進液212は、画像が形成されている側の転写紙105に付与され、転写紙105は、画像除去促進液212が付与されると、表面近傍が膨潤して、画像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生して画像形成物質106と転写紙105との接着力が低下する。
【0078】
画像除去促進液212としては、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等を用いることができ、また、後述するように、pH調整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤及び漂白剤等の添加剤を添加することができる。
【0079】
上記界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等を用いることができ、これら各界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0080】
具体的には、陰イオン界面活性剤としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることができる。
【0081】
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0082】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0083】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0084】
フッ素系界面活性剤としては、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系及びカチオン系等を用いることができる。
【0085】
また、画像除去促進液212には、界面活性剤とともに、画像形成物質106の除去能力の向上あるいは再生状態を改良する目的で、水溶性ポリマーを添加してもよい。水溶性ポリマーは、0.1重量%〜20重量%の範囲、好ましくは、0.1重量%〜10重量%の範囲の量で添加する。
【0086】
画像除去促進液212中に添加できる水溶性ポリマーとしては、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デンプンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデンフン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルアフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等がある。
【0087】
これらの水溶性ポリマーを、水と界面活性剤を含む状態で転写紙105に保持させると、画像形成物質106の剥離体を形成することができる。すなわち、水溶性ポリマーは、転写紙106が圧接することのできないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/転写紙105のように間接的に接触することができ、その粘着力によって、皮膜状画像を、紙質を傷めることなく、転写紙105から剥離することができる。
【0088】
さらに、画像除去促進液212には、界面活性剤を水に可溶化させる助剤あるいは湿潤剤を含有させることも可能である。
【0089】
湿潤剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素環類がある。また、上記の多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0090】
その他の画像除去促進液212には、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤及びpH調整剤を添加することができる。
【0091】
これらの添加剤のうち、重金属イオンの封止剤で、剥離助剤として添加されるキレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0092】
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0093】
さらに、防かび剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用することができる。
【0094】
上記画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、上述のように、転写紙105の膨潤により転写紙105と画像形成物質106との接着力が弱められる。
【0095】
剥離・移動ユニット(剥離手段)U3は、複数の搬送ローラ301a〜301d、複数の搬送ローラ302a〜302d、複数の加圧ローラ303a〜303e、複数の加圧ローラ304a〜304d、シート状の剥離ベルト305、シート状のシールベルト306及び一対の送り出しローラ307等を備えている。
【0096】
複数の搬送ローラ301a〜301dには、剥離ベルト305が張り渡されており、複数の搬送ローラ302a〜302dには、シールベルト306が張り渡されている。
【0097】
搬送ローラ301aと搬送ローラ302a及び搬送ローラ301bと搬送ローラ302bは、相互に当接する状態で配設されており、搬送ローラ301aと搬送ローラ302a及び搬送ローラ301bと搬送ローラ302bの間に、加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dが、相互に当接する状態でジグザグ状に並んで配設されて、ジグザグ搬送路を形成している。剥離ベルト305とシールベルト306は、搬送ローラ301aと搬送ローラ302a部分で密接され、ジグザグ状に配設された加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dの間を密接された状態でジグザグ状に縫うようにはい回されて、搬送ローラ301bと搬送ローラ302bで分離される。
【0098】
上記搬送ローラ301a〜301d及び搬送ローラ302a〜302dは、図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト305とシールベルト306を、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dの間をジグザグ状に縫うように、図1中矢印で示すように、左から右方向に搬送・移動させる。
【0099】
加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dは、図示しない加熱ヒーターを内蔵しており、加熱ヒーターは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dを所定の温度に加熱する。
【0100】
この加熱ヒーターによる加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dの加熱温度は、画像形成物質106の物性によるが、例えば、モノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好ましくは、80℃〜120℃である。
【0101】
すなわち、画像形成物質106が溶融してしまうと、転写紙105上の画像形成物質106を、転写紙105側と剥離ベルト305側とに分断することなく、剥離ベルト305側へ転写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎると、ジグザグ搬送路を通過中に転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画像形成物質106を介して剥離ベルト305に貼り付いてしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
【0102】
したがって、加熱部である加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dのジグザグ搬送路通過後の転写紙105に多少の湿り気が残っていて、画像形成物質106の再付着を防止できる程度に加熱することが望ましく、具体的には、上記例の温度が好適である。
【0103】
剥離ベル(剥離部材)ト305は、所定の幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙105上の画像形成物質106を剥離・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成されており、上述のように、搬送ローラ301a〜301dに案内されて、加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dからなるジグザグ搬送路を図1中左から右に搬送される。
【0104】
剥離ベルト305としては、例えば、Ni銅、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物及び各種ポリマー等を用いることができる。ポリマーとしては、具体的には、合成または天然のゴム、ジアリレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある合成樹脂が上げられる。また、これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、耐久性の向上及び剥離特性の向上のために、酸化チタン粒子、シリカ粒子及びカーボン粒子等を含有させることもでき、例えば、セラミックス材料等がある。
【0105】
シールベルト(シール部材)306は、被記録材である転写紙105に画像が片面のみに形成されている場合や画像が両面に形成されている場合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に用いられ、シールベルト306は、剥離ベルト305と密着一体化して、転写紙105を挟持するためのものであり、画像形成物質106を転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以外は、剥離ベルト305と同様の特性を有していることが望ましい。
【0106】
上記画像除去促進液付与ユニットU2で画像除去促進液212が付与され、画像形成物質106と転写紙105との接着力の弱められた転写紙105は、搬送ローラ301aと搬送ローラ302bの間から剥離ベルト305とシールベルト306の間に挿入され、剥離ベルト305とシールベルト306の間に挟持される。
【0107】
画像形成物質106の形成された転写紙105は、剥離ベルト305とシールベルト306との間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト305の接着力により剥離ベルト305に所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を移動領域として、図1中左から右方向に搬送される。
【0108】
このジグザグ搬送路が加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dによりジグザグ状に形成されているため、転写紙105は、剥離ベルト305とシールベルト306に密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト305及びシールベルト306とが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト305との間にせん断力が発生する。このせん断力により転写紙105から画像形成物質106が剥離して、剥離ベルト305に剥離・転写される。
【0109】
また、剥離ベルト305とシールベルト306に挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dに内蔵された加熱ヒーターにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している画像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト305に転写・除去される。
【0110】
画像形成物質106の除去された転写紙105は、図示しない分離爪により剥離ベルト305及びシールベルト306から分離され、搬送ローラ301bと搬送ローラ302bの間から送り出しローラ307に搬出される。
【0111】
送り出しローラ307は、搬送ローラ301bと搬送ローラ302bの間から送り出された転写紙105を乾燥ユニットU6に搬送する。
【0112】
上記剥離・移動ユニットU3の下方には、クリーニング液付与ユニットU4とクリーニングユニットU5が配設されており、クリーニングユニットU4は、クリーニング液付与部410と加熱ヒーター420等を備えている。
【0113】
クリーニング液付与部410は、補給液容器411、液自動補給機412、液容器413、液汲み上げローラ414、液塗布ローラ415及び押さえローラ416等を備えており、補給液容器411と液自動補給機412及び液自動補給機412と液容器413は、それぞれパイプ417、418により接続されている。
【0114】
補給液容器411及び液容器413内には、クリーニング液419が収納されており、液容器413には、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0115】
液自動補給機412は、液量センサーの検出結果に基づいて動作して、補給液容器411内のクリーニング液419を汲み上げて、液容器413にクリーニング液419を補給する。
【0116】
液汲み上げローラ414と液塗布ローラ415は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ414は、回転駆動されることにより、液容器413内のクリーニング液419を汲み上げて、当接する液塗布ローラ415に絞られることにより、所定量のクリーニング液419を液塗布ローラ415に付着させる。液塗布ローラ415は、付着した所定量のクリーニング液419を、押さえローラ416との間を搬送される剥離ベルト305の転写紙105を狭持する側の面に塗布し、クリーニング液419の塗布された剥離ベルト305は、加熱ヒーター420へと移動する。
【0117】
クリーニング液419としては、種々の有機溶剤を挙げることができるが、加熱すると蒸発するものが多く、画像形成物質106を軟化する効率や人体等への影響を考慮すると、有機溶剤としては、10℃から画像形成物質106の軟化点の温度範囲で、液体の状態を保つグリセリン、あるいは、エチレングリコールやプロピレングリコール等のグリコール類等が好ましい。
【0118】
また、クリーニング液419としては、分子内にポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤が好ましい。すなわち、これらの化合物は、画像形成物質106を軟化させる効率が高く、加熱による蒸気の発生も少ないだけでなく、化合物の種類が多く、画像形成物質106のバインダー樹脂に応じて、適宜化合物を選択することができるからである。
【0119】
分子内にポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等がある。
【0120】
剥離ベルト305は、クリーニング液419が付与されることにより、転写紙105から剥離されて剥離ベルト305に付着している画像形成物質106が、剥離ベルト305から剥がれやすい状態となって、加熱ヒーター420に移動する。
【0121】
加熱ヒーター420は、クリーニング液付与部410でクリーニング液419の付与された剥離ベルト305を所定温度に加熱することにより、剥離ベルト305に付着している画像形成物質106を所定温度に加熱して、軟化させる。この加熱温度は、画像形成物質106の物性によるが、例えば、画像形成物質106がモノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好ましくは、80℃〜120℃である。
【0122】
クリーニング液付与ユニットU4は、画像形成物質106の付着した剥離ベルト305に、そのクリーニング液付与部410でクリーニング液419を付与して、画像形成物質106を剥離ベルト305から剥がれやすくした後、加熱ヒーター420で加熱して軟化させて、クリーニングユニットU5に剥離ベルト305を移動する。
【0123】
なお、図1では、剥離・移動ユニットU3が剥離ベルト305とシールベルト306を備えたもので、この剥離ベルト305にクリーニング液付与ユニットU4によりクリーニング液419を付与して加熱しているが、剥離ベルト305にクリーニング液419を塗布する構成及び加熱する構成は、これに限るものではなく、例えば、剥離・移動ユニットU3が2本の剥離ベルトを備えているときには、クリーニング液付与ユニットU4をもう一つ設けて、剥離ベルト305ともう一方の剥離ベルトにクリーニング液419を付与し、また、加熱するようにしてもよい。また、液塗布ローラ415を剥離ベルト305に接触させて塗布する方法ではなく、非接触でクリーニング液419を付与したり、あるいは液塗布ローラ415と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0124】
クリーニングユニットU5は、クリーニングブレード501及び画像形成物質受け容器502等を備えており、クリーニング液419の付与された剥離ベルト305から画像形成物質109を除去して、剥離ベルト305をクリーニングする。
【0125】
クリーニングブレード501は、搬送ローラ301d部分で剥離ベルト305の画像形成物質106の付着した面に当接しており、剥離ベルト305の表面に付着した画像形成物質106を掻き落として、剥離ベルト305をクリーニングする。このクリーニングブレード501の下方に画像形成物質受け容器502が配設されており、剥離ベルト305から掻き落とされた画像形成物質106は、画像形成物質受け容器502内に収納される。
【0126】
クリーニングブレード501は、剥離ベルト305との当接位置で、当該剥離ベルト305表面の接線に対する剥離ベルト305の当接角度θが、0度〜60度の範囲、望ましくは、0度〜30度程度の範囲内の角度になるように取り付けられている。ここで、当接角度θとは、クリーニングブレード501の剥離ベルト305側の表面の当該剥離ベルト305への当接位置でのクリーニングブレード501の接線と剥離ベルト305の接線とのなす角度をいう。
【0127】
クリーニングブレード501の材料としては、剥離ベルト305との密着度合いを良好なものとするために、ステンレス鋼、リン青銅等の厚さ0.05mm〜0.5mm程度の弾性薄板等の弾性材料が好適である。
【0128】
画像形成物質106の付着した剥離ベルト305は、クリーニング液付与ユニットU4でクリーニング液419が付与されて、画像形成物質106が剥がれやすくなり、加熱ヒーター420により加熱されて画像形成物質106が軟化した状態で、クリーニングブレード501に移動し、クリーニングブレード501により掻き落とされる。
【0129】
したがって、剥離ベルト305に与える損傷を抑制しつつ、剥離ベルト305から画像形成物質106を効率的に、かつ、適切に掻き取ることができ、剥離ベルト305の転写紙105からの画像形成物質106の剥離性能を適切に回復させることができる。
【0130】
なお、クリーニングユニットU5では、クリーニングブレード501を使用して剥離ベルト305から画像形成物質106を除去しているが、クリーニングブレード501に限るものではなく、適切に画像形成物質106を剥離ベルト305から除去できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、スパイラルローラ等を用いてもよい。このスパイラルローラを用いた場合、スパイラルローラを剥離ベルト305に強く押圧する必要がなく、剥離ベルト305に与える損傷を抑制することができる。
【0131】
乾燥ユニットU6は、転写紙105を乾燥させるものであり、加熱ランプ601を内蔵したアルミ等で形成された乾燥ドラム602、通気性がよく表面平滑性の高い仕上げベルト603及び回転ローラ604a〜604d等を備えている。
【0132】
仕上げベルト603は、乾燥ドラム602及び回転ローラ604a〜604dの外周部に沿って図1中時計方向に回転し、乾燥ドラム602と回転ローラ604a〜604dとは、いずれかが図外の駆動モータ等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト603により吊れ回りする。なお、乾燥ドラム602と回転ローラ604a〜604dの双方を駆動モータ等により回転駆動するようにしてもよい。
【0133】
剥離・移動ユニットU3から搬送されてきた転写紙105は、乾燥ドラム602と回転ローラ604aと間から乾燥ドラム602と仕上げベルト603との間に導入され、加熱ランプ601により加熱された乾燥ドラム602により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム401と回転ローラ604dの間から紙受けユニットU7に排出される。
【0134】
このとき、仕上げベルト603が通気性が良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成されているため、転写紙105が適切に乾燥されるとともに、転写紙105が仕上げベルト603に付着したり、傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥することができる。
【0135】
なお、乾燥ユニットU6は、上記構成のものに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0136】
紙受けユニットU7は、ガイド部材701、排紙トレー702及び排出ローラ703等を備えている。
【0137】
乾燥ユニットU6から排出された転写紙105は、ガイド部材701により排出ローラ703に案内され、排出ローラ703は、転写紙105を排紙トレー702上に排出・載置させる。
【0138】
なお、再生装置1は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dの内蔵の加熱ヒーターの温度制御手段、加熱ヒーター420の温度制御手段及び画像形成物質受け容器502内の画像形成物質106が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段等が設けられている。
【0139】
次に、本実施の形態の作用を説明する。再生装置1は、転写紙105に画像除去促進液212を付与して、転写紙105上の画像形成物質106と転写紙105との接着力を弱めた状態で、一体密着化された剥離ベルト305とシールベルト306に転写紙105を挟持させて、ジグザグ搬送路を所定量ジグザグ搬送して転写紙105上の画像形成物質105を剥離ベルト305に転写・除去するとともに、剥離ベルト305にクリーニング液419を付与して加熱した後、剥離ベルト305から剥離ベルト305に転写した画像形成物質106を除去して、剥離ベルト305の剥離性能を向上させることにより、効果的に転写紙105上の画像形成物質106を剥離・除去するところにその特徴がある。
【0140】
すなわち、再生装置1は、電源が投入され、給紙ケース101に画像形成物質106により画像の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ローラ102により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から、順次画像除去促進液付与ユニットU2に送り出す。このとき、レジストローラ対103によりタイミング調整を行う。
【0141】
この転写紙105は、通常の通常の複写用紙あるいはプリンティング用紙であり、転写紙105には、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質106により皮膜状の固着画像が形成されている。
【0142】
画像除去促進液付与ユニットU2は、液自動補給機202により補給液容器201から汲み上げられた液容器203内の画像除去促進液212を、液汲み上げローラ204により液塗布ローラ205に付着して、液塗布ローラ205により、押さえローラ206との間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布する。
【0143】
画像除去促進液付与ユニットU2は、画像除去促進液212の塗布した転写紙105を、搬送ベルト207により剥離・移動ユニットU3に送り出す。
【0144】
転写紙105は、画像除去促進液212が付与されると、転写紙105の表面近傍が膨潤して、画像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生し、画像形成物質106と転写紙105との接着力が低下する。
【0145】
画像除去促進液212の付与された転写紙105は、上記膨潤作用により、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、画像形成物質106と転写紙105との接着力が低下した状態で、剥離・移動ユニットU3に搬送される。
【0146】
剥離・移動ユニットU3は、複数の搬送ローラ301a〜301dと搬送ローラ302a〜302dにより支持されつつ、密着一体化した剥離ベルト305とシールベルト306を、加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dによりジグザグ状に形成されたジグザグ搬送路を搬送・移動させ、このジグザグ搬送路を形成する加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dを、内蔵する加熱ヒーターにより所定温度に加熱して、剥離ベルト305とシールベルト306に挟持されてジグザグ搬送路を搬送される転写紙105を加熱する。
【0147】
画像除去促進液212が付与されて画像形成物質106との接着力の弱められた状態の転写紙105は、搬送ローラ305とシールベルト306との間に挟持され、かつ、剥離ベルト305の接着力により剥離ベルト305に所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を図1中左から右方向に搬送される。
【0148】
転写紙105は、剥離ベルト305とシールベルト306に密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト305とが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト305との間にせん断力が発生する。このせん断力により転写紙105から画像形成物質106が剥離して、剥離ベルト305に剥離・転写される。
【0149】
また、剥離ベルト305とシールベルト306に挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dに内蔵された加熱ヒーターにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している画像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト305に転写・除去される。
【0150】
上述のようにして、画像形成物質106が剥離ベルト305に転写・除去された転写紙105は、送り出しローラ307により、乾燥ユニットU6に送り出される。
【0151】
そして、転写紙105から画像形成物質106を剥離・除去した剥離ベルト305は、クリーニング液付与ユニットU4に搬送され、クリーニング液付与ユニットU4は、液塗布ローラ415と押さえローラ416により剥離ベルト305を挟んで、液汲み上げローラ414が汲み上げた液容器413内のクリーニング液419を液塗布ローラ415により剥離ベルト305の転写紙105を狭持する面に塗布する。
【0152】
クリーニング液419が塗布されて、画像形成物質106が剥がれやすくなった剥離ベルト305は、加熱ヒーター420に移動して、加熱ヒーター420により剥離ベルト305上の画像形成物質106が所定温度に加熱されて、軟化する。この画像形成物質106の軟化した剥離ベルト305は、さらに、クリーニングユニットU5のクリーニングブレード501に移動し、クリーニングブレード501により画像形成物質106が掻き落とされる。掻き落とされた画像形成物質106は、クリーニングブレード501の下方に配設された画像形成物質受け容器502内に収納される。
【0153】
このようにして、再生装置1は、クリーニング液付与ユニットU4のクリーニング液付与部410で剥離ベルト305にクリーニング液419を付与して画像形成物質106を剥がれやすくし、さらに加熱ヒーター420により画像形成物質106を加熱して軟化させた後、クリーニングユニットU5のクリーニングブレード501で画像形成物質106を掻き落としているため、剥離ベルト305に与える損傷を抑制しつつ、効果的に、かつ、確実に画像形成物質106を剥離ベルト305から除去することができ、この画像形成物質106を除去した剥離ベルト305により、転写紙105から画像形成物質106を適切に剥離・除去することができる。したがって、剥離・移動ユニットU3の剥離ベルト305の画像形成物質106の剥離性能を向上させることができ、再生装置1の転写紙105の再生能力を向上させることができる。
【0154】
上記剥離・除去ユニットU3で、画像形成物質105の除去された転写紙105は、送り出しローラ307により、乾燥ユニットU6に送り出され、乾燥ユニットU6は、剥離・移動ユニットU3から搬送されてきた転写紙105を、加熱ランプ601により加熱された乾燥ドラム602と仕上げベルト603との間に挟んで搬送する間に、転写紙105の余分な水分を乾燥させて、紙受けユニットU7に排出する。
【0155】
紙受けユニットU7は、乾燥ユニットU6から排出された転写紙105を、排出ローラ703により、排紙トレー702上に排出・載置させる。
【0156】
このように、再生装置1は、画像形成物質106により画像の形成された転写紙105を、画像除去促進液付与ユニットU2で、画像除去促進液212を付与して、転写紙105と画像形成物質106との接着力を弱めた状態で、剥離・移動ユニットU3の密着一体化した剥離ベルト305とシールベルト306で挟持して、ジグザグ搬送路を加熱しつつ搬送して、剥離ベルト305と転写紙105との相対変位を生じさせることができ、転写紙105から画像形成物質106を効率的に剥離して、剥離ベルト305に転写することができる。
【0157】
そして、転写紙105から画像形成物質106を剥離して、画像形成物質106の転写された剥離ベルト305に、クリーニング液付与ユニットU4でクリーニング液419を付与して剥離ベルト305から画像形成物質106が剥がれやすい状態にして、加熱ヒーター420により、クリーニング液付与ユニットU4でクリーニング液419が付与されて剥がれやすくなった状態の剥離ベルト305の画像形成物質106を加熱して軟化した後、クリーニングユニットU5のクリーニングブレード501で掻き落として、剥離ベルト305をクリーニングする。したがって、剥離ベルト305に与える損傷を抑制しつつ、効果的に、かつ、確実に画像形成物質106を剥離ベルト305から除去することができ、剥離・移動ユニットU3での剥離ベルト305による画像形成物質106の剥離性能を向上させることができる。その結果、再生装置1の転写紙105の再生能力を向上させることができる。
【0158】
【実施例】
上記実施の形態の再生装置1を基本として、実験を行った。
【0159】
以下、実験結果を実施例として、説明する。
【0160】
なお、以下の実験において使用した画像形成物質106としては、以下の処方で作製したトナーを用いた。
【0161】
〈トナーの処方〉
ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量%
カルナウバワックス (離型剤) 4重量%
カーボンブラック (着色剤) 7重量%
以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜140℃に熱した2本ロールによって、溶融混練し、混練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕して、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体積平均粒径10μmのトナーを作製した。
【0162】
また、画像除去促進液212は、以下の処方により調整した。
【0163】
〈画像除去促進液の処方〉
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 10重量%
プロピレングリコール (可溶化剤) 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量%
安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 残量
以上の物質を、撹拌・溶解して、画像除去促進液212を調整した。
【0164】
さらに、クリーニング液419は、以下の処方により調整した。
【0165】
〈クリーニング液の処方〉
ポリオキシエチレン(7)2級アルキルエーテル 50重量%
純水 残量
〈実施例1〉
転写紙105として、市販のA4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーを用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成した。
【0166】
再生装置は、図1の再生装置1において、剥離・移動ユニットU3の加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dを総計13本にし、下側の加圧ローラ303a〜303eを45mm、上側の加圧ローラ304a〜304dを25mmのものを使用し、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dの加熱ヒーターによる加熱温度を110℃にした。また、と剥離ベルト305として、ポリエチレンテレフタレートのベルトを用いた。
【0167】
再生装置1に上記処方の画像除去促進液212を画像除去促進液付与ユニットU2にセットし、上記処方のクリーニング液419をクリーニング液付与ユニットU4にセットして、処理速度25mm/secで再生処理を行った。
【0168】
実験の結果、再生された用紙には、実使用上問題となるような量のトナーは残っておらず、前記PPC複写機にて、再利用したところ、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0169】
また、剥離ベルト305をクリーニングユニットU5で、良好に画像形成物質106を除去することができた。
【0170】
〈比較例〉
比較実験するために、上記実施例の再生装置1のクリーニング液付与ユニットU4を取り除いた状態で、上記電子写真方式のPPC複写機にて、画像の形成された上質紙を上記同様の再生処理したところ、剥離ベルト305のクリーニングが不十分であり、連続再生処理を行うことができなかった。
【0171】
したがって、クリーニング液付与ユニットU4が剥離ベルト305から画像形成物質106を除去する上で、効果的に作用することが実証された。
【0172】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0173】
例えば、上記実施の形態においては、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dに加熱ヒーターを内蔵して、剥離ベルト305に付着している画像形成物質106を加熱して、画像形成物質106を軟化させているが、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dは、加熱ヒーターを内蔵したものに限るものではなく、適切な加圧を加えることのみであってもよく、また、加圧を加えずに、加熱だけ行うようにしてもよい。
【0174】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして除去することができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができる。その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0175】
請求項記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像形成物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして、剥離部材から画像形成物質を除去することができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができる。その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0176】
さらに請求項1及び請求項4記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、上記構成において、さらに画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減剤を用いているので、画像形成物質と剥離部材との接着力をより一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができ、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率をさらに向上させることができる。
【0177】
また、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置において、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、10℃から画像形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である材料あるいは当該材料を含有する水溶液を用いれば、被記録材から画像形成物質を除去する過程で剥離部材から有害な蒸気が発生するのを防止することができ、安全に被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0178】
請求項2及び請求項5記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、画像形成物質の転写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、非イオン性界面活性剤を含有するものを用いているので、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去することができ、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0179】
請求項3及び請求項6記載の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置によれば、接着力低減剤の付与された剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱しているので、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させることができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の一実施の形態を適用した再生装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 再生装置
U1 給紙ユニット
U2 画像除去促進液付与ユニット
U3 剥離・移動ユニット
U4 クリーニング液付与ユニット
U5 クリーニングユニット
U6 乾燥ユニット
U7 紙受けユニット
101 給紙ケース
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 ガイド板
105 転写紙
106 画像形成物質
201 補給液容器
202 液自動補給機
203 液容器
204 液汲み上げローラ
205 液塗布ローラ
206 押さえローラ
207 搬送ベルト
208 駆動ローラ
209 ガイド板
210、211 パイプ
212 画像除去促進液
301a〜301d 搬送ローラ
302a〜302d 搬送ローラ
303a〜303e、304a〜304d 加圧ローラ
305 剥離ベルト
306 シールベルト
307 送り出しローラ
410 クリーニング液付与部
411 補給液容器
412 液自動補給機
413 液容器
414 液汲み上げローラ
415 液塗布ローラ
416 押さえローラ
417、418 パイプ
419 クリーニング液
420 加熱ヒーター
501 クリーニングブレード
502 画像形成物質受け容器
601 加熱ランプ
602 乾燥ドラム
603 仕上げベルト
604a〜604d 回転ローラ
701 ガイド部材
702 排紙トレー
703 排出ローラ

Claims (6)

  1. 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生方法において、前記画像形成物質により前記固着画像の形成された前記被記録材に、少なくとも水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与して、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める液付与工程と、前記液付与工程で前記画像除去促進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離工程と、前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着力低減剤を付与する接着力低減工程と、前記接着力低減工程で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行い、かつ、前記接着力低減剤が前記画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有することを特徴とする被記録材の再生方法。
  2. 前記接着力低減剤は、非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の被記録材材の再生方法。
  3. 前記接着力低減工程は、前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材上の前記画像形成物質を所定温度に加熱する加熱工程を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被記録材の再生方法。
  4. 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材の再生装置において、前記画像形成物質により前記固着像の形成された前記被記録材に、少なくとも水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与して、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める液付与手段と、前記液付与手段により前記画像除去促進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離手段と、前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着力低減剤を付与する接着力低減手段と、前記接着力低減手段で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備え、かつ、前記接着力低減剤は、前記画像形成物質の粘弾性を低下させる材料を含有することを特徴とする被記録材の再生装置。
  5. 前記接着力低減剤は、非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項4記載の再生装置。
  6. 前記前記接着力低減手段は、前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材上の前記画像形成物質を所定温度に加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の被記録材の再生装置。
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