JP3544562B2 - 被記録材の再生方法および該再生方法に使用する画像除去促進液組成物 - Google Patents
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【技術分野】
本発明は、画像形成される表面が紙質層である被記録材に、電子写真方式の複写機、プリンター、熱転写プリンター、またはホットメルトインクジェットにより熱可撓性または熱溶融性画像を形成した被記録材を再利用が可能な状態にする再生方法および該再生方法に用いる画像除去促進液に関する。
【0002】
【従来技術】
最近のOA化により、プリンター用紙や複写用紙が大量に使用されるようになってきた。そのために、森林の伐採による地球環境の悪化の問題まで引き起こすようになってしまった。従来、この問題に対しては、一度使用した用紙のインク等を取り除き、漬して再びすいて、再生古紙として利用するしか方法がなかった。しかし最近、一度使用した紙の上の文字画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用することができる紙が開発されている。例えば特開平4−67043号公報にシート状支持体の表面、特に片面のみに離型処理してなり、かつ、該離型処理した被記録材に印を付け、普通紙と区別したものが開示されている。しかしながら、これは特殊紙で定着性に難がある等の問題があり一般の複写用紙として使用するには問題がある。また、特開平1−101576号公報、特開平1−101577号公報には画像形成支持体上のトナーをこれを溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより画像を除去することが開示されているが、有機溶剤による公害や引火および毒性に問題があり、一般のオフィスや家庭で使用するには問題がある。
特開平1−297294号公報には画像形成支持体として、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミックス等で形成されたものを使用し、該支持体上に形成された画像を熱溶融性の剥離体を介在させて加熱し、画像を支持体から剥離するクリーニング方法が開示されているが、表面に離型処理を施した特別な用紙を用いなければならない。
そこで本出願人は先に特殊な用紙をもちいることなく通常の複写機およびその他のプリンティング手段で得られるトナー画像を、水を含有する画像除去液(画像除去促進液)に浸漬し、画像を剥離する剥離部材(転写体)により消去することで再利用可能な複写及びプリンティング用紙の再生方法を提案した。この再生方法では被記録材に画像除去促進液を短時間で浸透させるために、画像除去促進液として界面活性剤を配合させたものを採用しているが、この界面活性剤の添加によって被記録材に画像除去促進液の塗りむらが生じるという問題があった。
【0003】
【目的】
本発明の目的は、特殊な用紙をもちいることなく通常の複写機およびその他のプリンティング手段で得られるトナー画像を、水を含有する画像除去促進液に浸漬し、画像を剥離部材により除去することで再利用可能な被記録材を再生する方法において使用される、塗りむらを防止し、安定した画像の除去のできる画像除去促進液の提供および該画像除去促進液を使用した被記録材の再生方法の提供にある。
【0004】
【構成】
本発明は、電子写真方式の複写機のトナー、熱転写方式のインク、ホットメルトインクジェットのインク等の熱可撓性または熱溶融性を示す画像形成物質で被記録材上に皮膜状に形成された画像を消去し、再利用可能とする被記録材の再生方法および該再生方法に用いる画像除去促進液に関する。
すなわち、本発明者らは特殊な用紙をもちいることなく通常の電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式等のプリンティング手段で得られるトナー画像に、水を含有する画像除去促進液を付与し、該画像を剥離部材により除去することで再利用可能な被記録材を再生する方法において、前記画像除去促進液として消泡剤(抑泡剤)を含有するものを使用することにより、画像除去促進液の塗りむらを防止し、安定した画像の除去のできることを見い出し本発明に到達した。被記録材上にハードコピーとして画像を形成する方法としては、従来より多くの方法が提案されている。例えば乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インクを用いた熱転写法、熱拡散性染料を用いた熱拡散転写法、インクジェット法、熱により発色する材料を用いた感熱記録法、銀塩写真法、オフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法等が挙げられる。これらのなかで、電子写真法、熱転写法、ホットメルトインクを用いるインクジェット法または印刷法などの方法では、熱可撓性または熱溶融性を示す画像形成物質で、画像が被記録材の表面近傍に皮膜状に形成される。なお、ここでいう皮膜状とは、画像形成物質が被記録材の表面近傍に形成され、被記録材の内部にまで深く浸透しておらず、また染料を含有するインクで印字した場合のように画像形成物質が分子レベルで被記録材に吸着されていない状態のものを意味し、さらに画像全体が一つの膜を形成している必要はなく1文字、1文字のなかで画像が途切れているような場合あるいは1つのトナー粒子が独立して存在するような場合であっても、本発明の画像除去原理からみて本発明の皮膜状の画像とみなされる。
本発明の被記録材としては、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により膨潤する層、たとえばセルロース繊維等を主成分とする紙質層で構成されたものが挙げられ、主に複写あるいはプリンティング用紙があるが、これらのものに限定されるものではなく、例えば紙質層とプラスチック層の積層物のようなものであってもよい。
【0005】
本発明で使用する消泡剤としては、アミルアルコール、ジイソブチルカルビノールなどのアルコール系消泡剤、オレイン酸、リノレイン酸などの脂肪酸、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステルおよびソルビタンオレイン酸トリエステルから選ばれた脂肪酸エステル、トリブチルフォスフェートなどのリン酸エステル、Ba、Cd、Zn、Ca、Pbのステアレート及びラウレートなどの金属石けん、ノニルフェノールエチレンオキサイド低モル付加体、プルロニック型エチレンオキサイド低モル付加体、ポリプロピレングリコール及びその誘導体などのアルキレンオキサイド付加系消泡剤、各種シリコン系消泡剤及びアミノ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、アルキレンオキサイド変性などの変性シリコン系消泡剤等が挙げられる。中でも好ましくは、エチレンオキサイド変性、プルロニック型エチレンオキサイド変性、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドブロック共重合変性などのアルキレンオキサイド変性シリコン系消泡剤及びHLB値が1.5〜3の範囲にあるものが挙げられる。
これら消泡剤の添加量は、0.001〜3重量%、好ましくは0.003〜1重量%の範囲で添加される。消泡剤の添加量が、0.001重量%よりも少ないと抑泡効果が見られず、3重量%よりも多いと水中に粒状に偏析するため、逆に画像の除去特性を低下させることになる。
【0006】
本発明の消泡剤を含有する画像除去促進液は水および界面活性剤を含有するものであり、必要に応じて水溶性高分子を含有することができる。これにより被記録材への画像除去促進液の浸透速度を高めるために界面活性剤を添加しても、そのために液が泡立って被記録材上に液の塗りむらが生じるという問題がない。
本発明で使用する界面活性剤としては、水に対する分散または溶解安定性の高いものを添加することが好ましい。具体的には陰イオン界面活性剤としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系、カチオン系等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としてはポリオキシアルキル変性シロキサンあるいはカルボキシル化ポリオキシアルキル変性シロキサンが挙げられる。
これら界面活性剤の添加量は0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で添加される。
【0007】
画像除去促進液組成物には界面活性剤とともに除去特性及び再生状態を改良する目的で水溶性高分子の添加が行なわれる。画像除去促進液組成物中に添加できる水溶性高分子としては天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これら水溶性高分子の添加量は、画像除去促進液組成物を付与する方法により異なるが、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で添加される。
その他の画像除去促進液に添加されるものとしては、pH調製剤として、調合される画像除去促進液に悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
【0008】
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
重金属イオンの封止剤で漂白助剤であるキレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
また、再生後の被記録材の白色度を向上する目的で漂白剤を添加することができる。具体的には酸化漂白剤として過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。蛍光染料、青み付け染料、酵素等を添加することもできる。
【0009】
前記画像除去促進液の画像形成材料(トナー)に対する接触角は、好ましくは90度以下、さらに好ましくは50度以下である。また、その表面張力は70mN/m(dyne/cm)以下、さらに好ましくは50mN/m以下である。
前記画像除去促進液の被記録材に対する浸透速度は、t(水を含む液体と被記録材との接触時間)=0.4秒において10ml/m2以上、好ましくは12ml/m2以上である。
【0010】
なお、図2の16に示すように、実質的に紙繊維質壁に浸透しない皮膜状画像を形成する画像形成物質として好ましい熱可塑性または熱溶融性物質は、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、不飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂を少なくとも1種含有することが好ましい。また色材としては無機及び有機顔料、例えばカーボンブラック、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジンイエロー等が挙げられるが、油溶性染料も用いられる。さらに、画像形成方法により各種添加剤が含有される電子写真方式では荷電制御剤、熱転写インクではビヒクルとして各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)誘導体が加えられる。
【0011】
本発明においては、被記録材に画像除去促進液が付与され膨潤層が膨潤すると、被記録材と画像形成物質との接着性は、両者の膨潤性の差のために弱まる。この状態で適当な画像除去手段を採用することにより画像形成物質を被記録材より除去することができる。該画像除去手段としては種々の方法があり、たとえば金属、合成あるいは天然高分子化合物で作製された毛を有するブラシ、ゴム、プラスチック、金属製のブレ−ドで被記録材の表面を摩擦する方法、被記録材の表面に液体あるいは気体を吹き付ける方法、砂、クレー、エメリー粉、酸化チタンなどを含む液体や気体を吹き付ける方法、被記録材を折り曲げたり、被記録材に振動を与えて画像形成物質を脱落させる方法等があるが、画像除去促進液による膨潤性の差のために低下した皮膜状画像と被記録材の間の接着力よりも大きな接着力を被記録材との間に形成することのできる画像剥離部材と接触、特に加熱および/または加圧接触させることにより画像を除去させる方法が好ましい。
本発明において画像を被記録材から画像形成物質を転写する画像剥離部材の形状としては、ベルト状、ロール状のものいずれでもよく、その材質として種々のポリマーあるいはアルミ、ニッケル、ステンレススチール等の金属および該金属の酸化物が挙げられる。また金属とポリマーの積層した構造のものも使用できる。
前記ポリマーは、画像形成物質に対し接着性を有するものであればよく、具体的には合成または天然ゴム、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアリレート、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル等の耐熱性のある合成樹脂が挙げられる。
また、これらのポリマーは単独若しくは混合されていてもよくこれらには耐久性を向上させる目的でカーボン、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機充填材を含有させることができる。
他のシート状支持体上に画像除去層を設けた剥離部材の例としては、セロハンテープ、クラフト紙テープ、ポリ塩化ビニールテープ、アセテートテープ、フィラメントテープ等のテープ状支持体上に接着剤層、例えばゴム系、アクリル系等の感圧接着剤層を設けた接着テープが挙げられる。前記画像除去層が形成される支持体は、その表面がポーラスな、あるいは凹凸を有する材料で形成されるか、あるいは該支持体表面を凹凸加工、マット加工したものが好ましい。また、シート、ベルト、テープ等の剥離部材をロール状に巻き、ロール状物より巻出して使用することもできる。
【0012】
本発明に用いられる装置の例を図1に示す。熱可塑性または熱溶融性画像形成物質により形成された画像を有する被記録材を供給する給紙トレイ1から給紙ローラ2よりガイド板3を通して搬送ローラ4で剥離ローラ5に導く。該剥離ローラ5の表面に給液ローラ6により画像除去促進液7が塗布され、前記搬送ローラ4から搬送されてきた被記録材に画像除去促進液7が塗布含浸される。画像除去促進液組成物7が塗布含浸され、剥離部材と接触している被記録材を加熱ローラ8で加熱圧接したのち、分離爪9で剥離部材と被記録材とが分離される。前記加熱圧接は、圧接部において被記録体上の画像形成物質が溶融しない程度に行うことが望ましい。分離された剥離部材はトナークリーニング部10で剥離ローラ5の表面からクリーニングされて、再び剥離ローラ5の表面からクリーニングされて、再び剥離ローラ5の表面に画像除去促進液が塗布される。
また前記装置において、剥離ローラ5に隣接して、剥離ローラ5の画像形成物質を再転写可能な少なくとも1個のヒートローラを設け、該ヒートローラの少なくとも1個に、該ローラ上に再転写された画像形成物質を掻き取ることができるブレードを設け、該ブレードにより画像形成物質を掻き取ることにより、剥離ローラ5をクリーニングすることができる。
一方、分離爪9で分離された画像保持支持体の画像は消去され、搬送ローラ11によって、乾燥ベルト12上に導かれ、乾燥される。乾燥された無画像の画像支持体は搬送ローラ11によって、排紙トレイ13に排出されて、再複写・再印字可能な被記録材が得られる。
【0013】
【実施例】
次に本発明の実施例を具体的に示す(以下%は全て重量%を示す)。
《トナーの処方》下記処方にて、トナーAを作製した。
ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43%
スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43%
含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3%
カルナウバワックス (離型剤) 4%
カーボンブラック (着色剤) 7%
以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜140℃に熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体積平均粒径10μmのトナーを得た。
《トナーの処方》下記処方にて、トナーBを作製した。
ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 70%
スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 16%
サリチル酸誘導体亜鉛塩 (荷電制御剤) 3%
カルナウバワックス (離型剤) 4%
カーボンブラック (着色剤) 7%
以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜140℃に熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体積平均粒径8μmのトナーを得た。
【0014】
実施例1
下記処方にて画像除去促進液組成物(イ)を作製した。
ソルビタンオレイン酸トリエステル 0.01%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤 1%
安息香酸Na 0.1%
純水 残量
上記処方にて作製したトナーAを用い、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上に画像を形成したものについて、上記画像除去促進液組成物を給液し、剥離部材としてPETを使用した図1に示す装置を用い、画像を消去したところ、トナーの残像は認められなかった。また同様の条件で上記画像200枚を連続再生させたが、トナー画像の除去状態は良好であった。
【0015】
実施例2
下記処方にて画像除去促進液組成物(ロ)を作製した。
ジメチルシリコーンオイルKF96(信越化学製、商品名) 0.005%
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム系界面活性剤 2%
デヒドロ酢酸カリウム 0.3%
純水 残量
上記処方にて作製したトナーBを用い、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上に画像を形成したものについて、上記画像除去促進液組成物を給液し、剥離部材としてPETを使用した図1に示す装置を用い、画像を消去したところ、トナーの残像は認められなかった。また同様の条件で上記画像300枚を連続再生させたが、トナー画像の除去状態は良好であった。
【0016】
実施例3
下記処方にて画像除去促進液組成物(ハ)を作製した。
トリブチルフォスフェート 1.5%
フロロアルキルスルホン酸ナトリウム系界面活性剤 1%
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.5%
アルギン酸ナトリウム 0.5%
安息香酸Na 0.1%
純水 残量
電子写真方式のPPC複写機(リコー製PPC複写機IMAGIO 320 FP1)にて、リコータイプ6200紙上に画像を形成したものについて、実施例1と同様にして上記画像除去促進液組成物(ハ)を用い、画像消去を行ったところ、トナー残像は見られず、連続250枚再生後もトナー画像の除去状態は良好であった。
【0017】
実施例4
下記処方にて画像除去促進液組成物(ニ)を作製した。
ポリプロピレングリコール 0.03%
ポリオキシエチレンアリールエーテル系界面活性剤 2%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1%
純水 残量
実施例3同様にして上記画像除去促進液組成物(ニ)を用い、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上の画像消去を行ったところ、トナー残像は見られず、連続200枚再生後もトナー画像の除去状態は良好であった。
【0018】
実施例5
《ホットメルトインクC処方》
ローダミンBレーキ顔料 3%
C.I.ソルベントレッド49 0.5%
蜜ろう 48%
パラフィンワックス 10%
ステアリン酸アミド 36.3%
酢酸ビニル−エチレン共重合体(分子量約3000) 1.8%
2−t−ブチル−4−メトキシフェノール 0.38%
3−t−ブチル−4−メトキシフェノール 0.02%
上記処方の混合物を130℃に加熱しながらボールミルで分散、撹拌溶解し、熱時遠心分離を行い、粗大粒子を除去してホットメルトインク組成物Cを得た。
また下記処方にて画像除去促進液組成物(ホ)を作製した。
ジイソブチルカルビノール 2%
アセチレン系界面活性剤 1%
過炭酸ナトリウム 0.1%
安息香酸Na 0.1%
純水 残量
公知の圧電素子を用いたオンディマンド型のホットメルトインクジェットプリンターを用い、ヘッドが120℃になるように加熱して上記のインクCをヘッドに充填し、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上へ印字を行ったものについて、実施例1同様にして上記画像除去促進液組成物(ホ)を用いて画像消去を行ったところ、トナー残像は見られなかった。また同様の条件で上記印字画像100枚を連続再生したところ、画像の除去状態も良好であった。
【0019】
実施例6
《ホットメルトインクD処方》
フタロシアニン顔料 2.5%
C.I.ソルベントブルー73 0.5%
オリエントオイルブルー#603(オリエント社) 0.5%
カンデリラワックス 55%
カルナウバワックス 8%
ヘキサデカンジオール 30.9%
α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(分子量約15000) 2.3%
2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール 0.5%
上記処方の混合物を130℃に加熱しながら、ボールミルで分散、撹拌溶解し、熱時遠心分離を行い、粗大粒子を除去してホットメルトインク組成物Dを得た。
また下記処方にて画像除去促進液組成物(ヘ)を作製した。
シリコーンオイルKS506(信越化学製、商品名) 0.02%
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム系界面活性剤 1%
ポリビニルアルコール 0.5%
安息香酸Na 0.1%
純水 残量
公知の圧電素子を用いたオンディマンド型のホットメルトインクジェットプリンターを用い、ヘッドが120℃になるように加熱して上記のインクDをヘッドに充填し、リコータイプ6200紙上へ印字を行ったものについて、実施例1同様にして上記画像除去促進液組成物(ヘ)を用いて画像消去を行ったところ、トナー残像は見られなかった。また同様の条件で上記印字画像150枚を連続再生したところ、画像の除去状態も良好であった。
【0020】
実施例7
下記処方にて画像除去促進液組成物(ト)を作製した。
シリコーンオイルKM72F(信越化学製、商品名) 0.01%
アルキルエーテル硫酸カリウム系界面活性剤 1%
安息香酸Na 0.1%
CMC 0.2%
純水 残量
実施例3同様にして上記画像除去促進液組成物(ト)を用い、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上の画像消去を行ったところ、トナー残像は見られず、連続200枚再生後もトナー画像の除去状態は良好であった。
【0021】
比較例1
実施例1の画像除去促進液組成物(イ)からソルビタンオレイン酸トリエステルを除いた以外は実施例1同様にして、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上の画像消去を行ったところ僅かにトナー画像の残像が認められた。また画像除去促進液組成物塗布直後の紙表面を観察すると画像除去促進液組成物の塗りむらが観察された。
【0022】
比較例2
実施例2の画像除去促進液組成物(ハ)のトリブチルフォスフェートの量を0.0005%に変えた以外は同様にして、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上の画像消去を行ったところ僅かにトナー画像の残像が認められた。また画像除去促進液組成物塗布直後の紙表面を観察すると画像除去促進液組成物の塗りむらが観察された。
【0023】
比較例3
実施例6の画像除去促進液組成物のシリコーンオイルKS506の量を8%に変えた以外は同様にして、市販の上質紙(リコータイプ6200紙)上の画像消去を行ったところ僅かにトナー画像の残像が認められた。また画像除去促進液組成物塗布直後の紙表面を観察すると画像除去促進液組成物の塗りむらが観察された。
【0024】
【効果】
本発明により、複写機およびプリンターにより形成された画像を被記録材表面を損傷することなく安定に消去する再生方法および該再生方法に使用する消泡剤を含有する画像除去促進液組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生装置の概略図。
【図2】被記録材の断面を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 給紙トレイ
2 給紙ローラ
3 ガイド板
4 搬送ローラ
5 剥離ローラ
6 給液ローラ
7 画像除去促進液
8 加熱ローラ
9 分離爪
10 トナークリーニング部
11 搬送ローラ
12 乾燥ベルト
13 排紙トレイ
14 搬送リブ
15 回収トナーの回収容器
16 皮膜状画像形成物
17 被記録材
Claims (6)
- 少なくとも画像が形成される側の表面近傍が水を含有する液体(画像除去促進液)によって膨潤する層で構成され、かつ該層に熱可撓性または熱溶融性を示す皮膜状の画像形成物質が固着している被記録材に、画像除去促進液を付与せしめ、該被記録材の皮膜状画像と該被記録材の接着力を弱め、接着力が低下した後に、前記疎水性画像を紙質層から画像剥離手段により剥離することを特徴とする被記録材の再生方法において、前記画像除去促進液として界面活性剤および消泡剤(抑泡剤)を含有するものであり、かつ、消泡剤(抑泡剤)の濃度が0.001〜3重量%であるものを使用することを特徴とする被記録材の再生方法。
- 請求項1記載の被記録材の再生方法において、消泡剤(抑泡剤)がアルコール系消泡剤、脂肪酸、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステルおよびソルビタンオレイン酸トリエステルから選ばれた脂肪酸エステル、リン酸エステル、金属石鹸、アルキレンオキサイド付加系消泡剤、及びシリコン系消泡剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものである被記録材の再生方法。
- 請求項1または2記載の被記録材の再生方法において、画像除去促進液が水溶性高分子を含有するものである被記録材の再生方法。
- 請求項1、2または3記載の被記録材の再生方法において、画像除去促進液の被記録材に対する浸透速度は、t(画像除去促進液と被記録材との接触時間)=0.4秒において10ml/m2以上であり、かつ皮膜状画像の被記録材からの除去を画像形成物質の軟化温度以上で、溶融温度以下の加熱温度で行う被記録材の再生方法。
- ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステルおよびソルビタンオレイン酸トリエステルから選ばれた脂肪酸エステル、リン酸エステル、金属石鹸、アルキレンオキサイド付加系消泡剤およびシリコン系消泡剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の消泡剤(抑泡剤)を含有する請求項1、2、3または4記載の被記録材の再生方法に使用する画像除去促進液。
- 界面活性剤および/または水溶性高分子化合物を添加したものである請求項5記載の画像除去促進液。
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