JP3501608B2 - 被記録材の再生装置及び被記録材の再生方法 - Google Patents

被記録材の再生装置及び被記録材の再生方法

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JP3501608B2
JP3501608B2 JP01445797A JP1445797A JP3501608B2 JP 3501608 B2 JP3501608 B2 JP 3501608B2 JP 01445797 A JP01445797 A JP 01445797A JP 1445797 A JP1445797 A JP 1445797A JP 3501608 B2 JP3501608 B2 JP 3501608B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録材の再生装
置及び被記録材の再生方法に関し、詳細には、被記録材
から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録
材を再生する被記録材の再生装置及び被記録材の再生方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のOA(Office Automation )化に
より、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録
されるようになり、オフィスでは、この情報の記録され
たプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生する
が、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状で
ある。
【0003】これらの情報の記録された用紙は、廃棄処
理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理に
よる地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森
林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】従来、この問題を解消して、紙のリサイク
ルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除
き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用す
る処置を施していた。
【0005】この古紙を再生する処理では、大規模な古
紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、
分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの
工程を踏まざるをえなかった。
【0006】そこで、近時、1度使用した用紙上の文字
画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリ
ンティングに再利用することができる紙が開発されてい
る。例えば、特開平4−67043号公報には、シート
状支持体の表面、特に、片面のみに離型処理してなり、
かつ、該離型処理した支持体に印をつけ、普通紙と区別
したものが開示されている。
【0007】また、特開平1−101576号公報及び
特開平1−101577号公報には、画像形成物質(ト
ナー)で画像の形成された画像形成支持体を、画像形成
物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することによ
り、画像を除去する方法が開示されている。
【0008】さらに、特開平1−297294号公報に
は、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透
性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使
用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離
体を介在させて加熱して、画像を支持体から剥離するク
リーニング方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報記載のものにあっては、適切な解決とはなっていな
かった。
【0010】すなわち、特開平4−67043号公報記
載の紙は、特殊紙であり、再使用に際して、プリンター
や複写機で再使用した際に、画像形成物質(例えば、ト
ナー等)の定着性が悪く、一般の複写用紙等として使用
するには、問題があった。
【0011】また、特開平1−101576号公報及び
特開平1−101577号公報記載の画像を除去する方
法にあっては、有機溶剤を使用するため、有機溶剤によ
る公害が発生するという新たな問題があるとともに、有
機溶剤の引火や毒性により、その取り扱いに注意を必要
とし、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問
題があった。
【0012】さらに、特開平1−297294号公報記
載のクリーニング方法にあっては、表面に剥離処理を施
した特別な用紙を用いなければならず、利用上の便宜性
が悪いという問題があった。
【0013】そこで、請求項1記載の発明は、皮膜状の
画像形成物質により固着画像の形成された複写用紙やプ
リンティング用紙等の被記録材に、水を含む画像除去促
進液を付与した後、被記録材を、一対の剥離部材あるい
は剥離部材とシール部材とで挟持して加熱加圧して、画
像形成物質を剥離部材に転写・剥離し、画像形成物質の
剥離された被記録材に所定の後処理用液体を付与するこ
とにより、被記録材に残留する画像形成物質を減少さ
せ、被記録材を繰り返し再生する場合にも、被記録材に
対する画像形成物質の定着性を向上させて、被記録材の
再生効率の良好な被記録材の再生装置を提供することを
目的としている。
【0014】請求項2記載の発明は、画像形成物質を剥
離した後の被記録材に付与する後処理用液体として水を
主成分とする後処理用液体を使用することにより、被記
録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物を後処理
用液体に溶解させ、被記録材内部に浸透させること等に
より、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成
物の量をより一層低減させて、被記録材の再生効率のよ
り一層良好な被記録材の再生装置を提供することを目的
としている。
【0015】請求項3記載の発明は、画像形成物質を剥
離した後の被記録材に付与する後処理用液体として画像
除去促進液よりも低濃度の後処理用液体を使用すること
により、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組
成物を画像除去促進液よりも低濃度の後処理用液体に溶
解させ、被記録材内部に浸透させること等により、被記
録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物の量をよ
り一層低減させて、被記録材の再生効率のより一層良好
な被記録材の再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0016】請求項4記載の発明は、皮膜状の画像形成
物質により固着画像の形成された複写用紙やプリンティ
ング用紙等の被記録材に、水を含む画像除去促進液を付
与した後、被記録材を、一対の剥離部材あるいは剥離部
材とシール部材とで挟持して加熱加圧して、画像形成物
質を剥離部材に転写・剥離し、画像形成物質の剥離され
た被記録材に所定の後処理用液体を付与することによ
り、被記録材に残留する画像形成物質を減少させ、被記
録材を繰り返し再生する場合にも、被記録材に対する画
像形成物質の定着性を向上させて、被記録材の再生効率
の良好な被記録材の再生方法を提供することを目的とし
ている。
【0017】請求項5記載の発明は、画像形成物質を剥
離した後の被記録材に付与する後処理用液体として水を
主成分とする後処理用液体を使用することにより、被記
録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物を後処理
用液体に溶解させ、被記録材内部に浸透させること等に
より、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成
物の量をより一層低減させて、被記録材の再生効率のよ
り一層良好な被記録材の再生方法を提供することを目的
としている。
【0018】請求項6記載の発明は、画像形成物質を剥
離した後の被記録材に付与する後処理用液体として画像
除去促進液よりも低濃度の後処理用液体を使用すること
により、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組
成物を画像除去促進液よりも低濃度の後処理用液体に溶
解させ、被記録材内部に浸透させること等により、被記
録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物の量をよ
り一層低減させて、被記録材の再生効率のより一層良好
な被記録材の再生方法を提供することを目的としてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の被
記録材の再生装置は、少なくとも表面に水で膨潤する膨
潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるい
は熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形
成された前記被記録材に水を含む画像除去促進液を付与
して前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱め
る画像除去促進液付与手段と、所定の接着力を有し、前
記画像除去促進液付与手段により前記画像除去促進液の
付与された前記被記録材の前記画像形成物質に接触して
前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材に
より、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥
離部材と所定のシール部材により、挟持して加熱加圧を
行い、前記被記録材の前記画像形成物質を前記剥離部材
に転写させる剥離手段と、前記剥離手段により前記画像
形成物質の剥離された前記被記録材に所定の後処理用液
体を付与する後処理手段と、を備えることにより、上記
目的を達成している。
【0020】ここで、被記録材は、少なくとも画像が形
成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により
膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然
高分子を主成分とする紙層を有しており、主に、通常の
複写用紙あるいはプリンティング用紙が利用可能であ
る。なお、被記録材としては、上記のものに限るもので
はなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の
紙層を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全て
が紙層でなくてもよい。すなわち、被記録材としては、
表面に特別な加工の施されていない一般的に使用されて
いる複写用紙やプリンティング用紙を利用することがで
きる。
【0021】また、本再生装置で除去可能な画像の形成
方法としては、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写
真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホッ
トメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセ
ット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法が挙げられ、
被記録材上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質か
らなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であれば、形
成された皮膜状画像を除去することができる。なお、皮
膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成してい
る必要はなく、単に画像形成物質が被記録材内部に浸透
していないことや、染料を含有する水性インクで印刷し
た場合のように、画像形成物質がほとんど分子レベルで
被記録材に吸着されている状態でないことを意味し、熱
可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質で形成されてい
るものをいう。
【0022】熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質と
しては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリル酸ア
ルキル、ポリメタクリル酸アルキル、スチレン−アクリ
ルニトリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)、不飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、シリコー
ン樹脂等の少なくとも1種を含有するものを用いること
ができる。
【0023】また、画像形成物質に含まれる色材として
は、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラック、キ
ナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジン
イエロー等及び油溶性染料を用いることができる。
【0024】さらに、画像形成方法よっては、各種添加
剤が含有されており、例えば、電子写真方式において
は、荷電制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒク
ルとして各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエ
チン酸)誘導体が加えられているが、これらが含有され
ていてもよい。
【0025】画像除去促進液は、被記録材への画像形成
物質の接着力を低下させるためのものであり、水分を含
有している。画像除去促進液は、画像が形成されている
側の被記録材に付与され、被記録材は、画像除去促進液
が付与されると、膨潤する。すなわち、画像除去促進液
は、被記録材表面近傍を膨潤させて、画像形成物質と被
記録材との膨潤量の差により両者の間にせん断力を発生
させ、画像形成物質は被記録材との接着力が低下する。
【0026】画像除去促進液としては、水、界面活性剤
を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活
性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等から構成される。
また、画像除去促進液には、pH調整剤、重金属イオン
を封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆
剤、漂白剤等の添加剤を使用することができる。
【0027】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性
界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活
性剤等を用いることができる。これら各界面活性剤は、
単独で使用してもよいし、種類以上を混合して使用して
もよい。
【0028】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ス
ルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシ
ルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル
硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸
塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエ
ーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸
エステル塩を用いることができる。
【0029】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級ア
ンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いる
ことができる。
【0030】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0031】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の
酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル
系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族ア
ルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオ
キサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0032】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロ
ロアルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアル
キル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレン
オキサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロ
アルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系等を用い
ることができる。
【0033】シリコーン系界面活性剤としては、ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン等を用いることができ
る。
【0034】また、画像除去促進液には、画像形成物質
を可塑化する化合物(以下、可塑剤という。)を添加す
ることができ、この可塑剤を添加すると、当該可塑剤が
画像形成物質に作用して、被記録材の表面の傷みを低減
することができるとともに、画像形成物質を加熱加圧及
び加熱接触を利用して被記録材から剥離する場合には、
剥離時の設定温度を下げることができ、必要電力消費量
を低減させることができる。
【0035】画像除去促進液に添加する可塑剤として
は、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキ
シ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−
プトキシエタノール等のセロソルブ類及びフルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のカルビトール類、また、それらの誘導
体類として、2−メトキシエチルアセテート、2−エト
キシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等がある。さらに、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及び
ポリオキシエチレン−オキシプロピレン誘導体類、2−
ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、1、3−ジメチルイミダゾリジノン、モルホ
リン、γ−バレロラクトンを用いることができる。
【0036】また、既存の界面活性剤中にも可塑剤とし
て作用することができるものが存在する。具体的には、
脂肪族アルコールのエチレンオキサイド添加物、ポリオ
キシエチレンアルキル−エーテル系やポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、アルキル
アミンオキサイド類等がある。
【0037】画像除去促進液には、界面活性剤ととも
に、水溶性高分子(水溶性ポリマー)を添加することが
でき、この水溶性高分子は、除去特性及び再生状態を向
上させる。すなわち、被記録材剤に、水及び水と界面活
性剤を含む状態で、水溶性ポリマーを保持させると、画
像除去促進液の剥離体を形成することができる。すなわ
ち、水溶性ポリマーは、剥離部材が圧接することのでき
ない被記録材のセルロース繊維内部の皮膜状画像に対し
て、セルロース繊維→皮膜状画像→水溶性ポリマー→剥
離部材のように間接的に接触することができ、その接着
力によって皮膜状画像を被記録材の紙質を痛めることな
く、剥離することができる。
【0038】画像除去促進液中に添加できる水溶性ポリ
マーとしては、天然系では、アラビアガム、トラガンガ
ム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、
アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプ
ン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒
天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガ
ム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デン
プン、カルボキシメチルデンフン(CMS)、ジアルデ
ヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デン
プンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチ
ルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性
スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチ
レンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルアフタレンアクリル
樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級
アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側
鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合
物等がある。
【0039】これらの水溶性高分子の添加量は、画像除
去促進液を付与する方法や付与する画像除去促進液量に
より異なるが、0.1〜20重量%、好ましくは、0.
1〜10重量%の範囲で添加される。
【0040】また、画像除去促進液は、湿潤剤を含有さ
せることも可能である。湿潤剤としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテ
ル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボ
ン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
等の含窒素複素環類がある。また、上記の多価アルコー
ル類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多
価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有
するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用でき
る。
【0041】その他の画像除去促進液に添加されるもの
としては、pH調整剤がある。pH調整剤は、画像除去
促進液のpHを5〜8に調整することにより、画像除去
促進液の保存安定性を向上させる目的で添加される。す
なわち、pH5以下では、接液性が悪く錆が発生し易
く、pH8以上では、エステルが加水分解し、物性が変
化する。pH調整剤としては、画像除去促進液に悪影響
を及ぼさずに、pHを5〜8に調整できるものであれ
ば、任意のpH調整物質を使用することができる。具体
的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アン
モニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホ
ニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を用いることがで
きる。
【0042】さらに、画像除去促進液には、防腐防黴剤
を添加することができ、防腐防黴剤としては、デヒドロ
酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジン
チオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用する
ことができる。
【0043】また、画像除去促進液には、重金属イオン
の封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加され、キ
レート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレント
リアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム
等がある。
【0044】さらに、画像除去促進液には、防錆剤を添
加することができ、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫
酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモ
ン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペ
ンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニ
トライト等がある。
【0045】また、画像除去促進液には、再生後の被記
録材の白色度を向上させる目的で、漂白剤を添加するこ
とができる。酸化漂白剤としては、過酸化水素、過酸化
ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム
等がある。
【0046】さらに、画像除去促進液には、蛍光染料、
青み付け染料及び酵素等を添加することもできる。
【0047】画像形成物質は、一対の剥離部材あるいは
剥離部材とシール部材とに狭持されて加熱加圧されるこ
とにより、適切に画像形成物質を被記録材から剥離させ
て、剥離部材に転写・除去することができる。
【0048】この剥離部材は、被記録材上の画像形成物
質と接着して被記録材から画像形成物質を剥離・転写す
るための部材であり、剥離部材を構成する材料として
は、画像形成物質とある程度以上の接着性及び耐熱性を
有することが必要である。また、剥離部材は、画像除去
促進液が付与された被記録材を剥離手段により加圧加熱
されるため、熱及び圧力等に対する耐久性及び画像除去
促進液に対する安定性に優れ、表面変質が少なく、か
つ、良好な剥離を行うことの材料により形成されている
ことが好ましい。
【0049】剥離部材としては、例えば、Ni銅、ステ
ンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、
インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物及
び各種ポリマー等を用いることができる。ポリマーとし
ては、具体的には、合成または天然のゴム、ジアリレー
ト樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレ
タン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイ
ト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある
合成樹脂が上げられる。また、これらのポリマーは、単
独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、耐久性の
向上及び剥離特性の向上のために、酸化チタン粒子、シ
リカ粒子及びカーボン粒子等を含有させることもでき、
例えば、セラミックス材料等がある。
【0050】シール部材は、被記録材に画像が片面のみ
に形成されている場合や画像が両面に形成されている場
合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に、
用いられ、シール部材は、剥離部材と密着一体化して、
被記録材を挟持するためのものであり、画像形成物質を
転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以
外は、剥離部材と同様の特性を有していることが望まし
い。
【0051】後処理液は、少なくとも水よりなればよ
く、単に水だけであってもよい。また後処理液は、上記
画像除去促進液と同様の成分の水溶液であってもよく、
この場合、画像除去促進液に比較して低濃度、例えば、
5wt%以下の水溶液であることが必要である。したが
って、後処理液は、水のみ、あるいは、水を主成分とす
る水溶液、特に、画像除去促進液と同様に、界面活性剤
を含む水溶液を使用することができ、その他に、pH調
整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐
剤、防かび剤、防錆剤、漂白剤等の添加剤を使用するこ
とができる。
【0052】上記構成によれば、皮膜状の画像形成物質
により固着画像の形成された複写用紙やプリンティング
用紙等の被記録材に、水を含む画像除去促進液を付与し
た後、被記録材を、一対の剥離部材あるいは剥離部材と
シール部材とで挟持して加熱加圧して、画像形成物質を
剥離部材に転写・剥離し、画像形成物質の剥離された被
記録材に所定の後処理用液体を付与しているので、被記
録材に残留する画像形成物質を減少させることができ、
被記録材を繰り返し再生する場合にも、被記録材に対す
る画像形成物質の定着性を向上させて、被記録材の再生
効率を向上させることができる。
【0053】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記後処理用液体は、水を主成分とするものであ
ってもよい。
【0054】上記構成によれば、画像形成物質を剥離し
た後の被記録材に付与する後処理用液体として水を主成
分とする後処理用液体を使用しているので、被記録材の
表層に残存する画像除去促進液の組成物を後処理用液体
に溶解させることができ、被記録材内部に浸透させるこ
と等により、被記録材の表層に残存する画像除去促進液
の組成物の量をより一層低減させることができる。した
がって、被記録材の再生効率をより一層向上させること
ができる。
【0055】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記後処理用液体は、前記画像除去促進液よりも低
濃度の液体であってもよい。
【0056】上記構成によれば、画像形成物質を剥離し
た後の被記録材に付与する後処理用液体として画像除去
促進液よりも低濃度の後処理用液体を使用しているの
で、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物
を画像除去促進液よりも低濃度の後処理用液体に溶解さ
せることができ、被記録材内部に浸透させること等によ
り、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物
の量をより一層低減させることができる。したがって、
被記録材の再生効率をより一層向上させることができ
る。
【0057】請求項4記載の発明の被記録材の再生方法
は、少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記
録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像
形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記
録材に水を含む画像除去促進液を付与して前記画像形成
物質と前記被記録材との接着力を弱める画像除去促進液
付与工程と、所定の接着力を有し、前記画像除去促進液
付与工程により前記画像除去促進液の付与された前記被
記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質
を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、
前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシ
ール部材により、挟持して加熱加圧を行い、前記被記録
材の前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させる剥離
工程と、前記剥離手段により前記画像形成物質の剥離さ
れた前記被記録材に所定の液体を付与する後処理工程
と、を順次行うことにより、上記目的を達成している。
【0058】上記構成によれば、皮膜状の画像形成物質
により固着画像の形成された複写用紙やプリンティング
用紙等の被記録材に、水を含む画像除去促進液を付与し
た後、被記録材を、一対の剥離部材あるいは剥離部材と
シール部材とで挟持して加熱加圧して、画像形成物質を
剥離部材に転写・剥離し、画像形成物質の剥離された被
記録材に所定の後処理用液体を付与するので、被記録材
に残留する画像形成物質を減少させ、被記録材を繰り返
し再生する場合にも、被記録材に対する画像形成物質の
定着性を向上させることができ、被記録材の再生効率を
向上させることができる。
【0059】この場合、例えば、請求項5に記載するよ
うに、前記後処理用液体は、水を主成分とするものであ
ってもよい。
【0060】上記構成によれば、画像形成物質を剥離し
た後の被記録材に付与する後処理用液体として水を主成
分とする後処理用液体を使用しているので、被記録材の
表層に残存する画像除去促進液の組成物を後処理用液体
に溶解させることができ、被記録材内部に浸透させるこ
と等により、被記録材の表層に残存する画像除去促進液
の組成物の量をより一層低減させることができる。した
がって、被記録材の再生効率のより一層向上させること
ができる。
【0061】また、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記後処理用液体は、前記画像除去促進液よりも低
濃度の液体であってもよい。
【0062】上記構成によれば、画像形成物質を剥離し
た後の被記録材に付与する後処理用液体として画像除去
促進液よりも低濃度の後処理用液体を使用しているの
で、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物
を画像除去促進液よりも低濃度の後処理用液体に溶解さ
せることができ、被記録材内部に浸透させること等によ
り、被記録材の表層に残存する画像除去促進液の組成物
の量をより一層低減させることができる。したがって、
被記録材の再生効率のより一層向上させることができ
る。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0064】尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の
好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の
限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明に
おいて特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これ
らの態様に限られるものではない。
【0065】図1〜図3は、本発明の被記録材の再生装
置及び被記録材の再生方法の一実施の形態を適用した再
生装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真複写
機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等か
ら画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に
適用したものである。
【0066】図1は、再生装置1の全体構成図であり、
再生装置1は、給紙ユニットU1、液付与ユニットU
2、剥離・移動ユニットU3、後処理ユニットU4、乾
燥ユニットU5及び紙受けユニットU6等を備えてい
る。
【0067】再生装置1は、給紙ユニットU1から再生
対象である転写紙105を1枚ずつ液付与ユニットU2
に給紙して、液付与ユニットU2で転写紙105に画像
除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU3で、
転写紙105上の画像形成物質を剥離・除去し、後処理
ユニットU4で画像形成物質の剥離・除去された転写紙
105に後処理液を付与した後、乾燥ユニットU5で転
写紙105を乾燥させて、紙受けユニットU6に載置さ
せる。
【0068】以下、各ユニットU1〜U6について順次
説明する。給紙ユニットU1は、給紙ケース101、給
紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガイ
ド板104等を備えており、給紙ケース101内には、
再生対象である被記録材としての転写紙105が複数枚
収納される。
【0069】給紙ケース101内には、図示しないが、
転写紙105の載置される底板を備えており、該底板
は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、
給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102
側の端部を上方に持ち上げる。
【0070】給紙ローラ102は、図示しない駆動モー
タ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース
101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から
順次送り出す。
【0071】給紙ローラ102により送り出された転写
紙105は、図示しない分離機構で重送紙が分離され、
一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュ
ー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板1
04を介して液付与ユニットU2に給紙される。
【0072】被記録材である転写紙105は、少なくと
も画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促
進液により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等
の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、通
常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。な
お、被記録材としては、上記のものに限るものではな
く、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層
を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙
層でなくてもよい。
【0073】また、転写紙105には、本実施の形態で
は、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式によ
り画像が形成されているが、画像形成方法としては、こ
れに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シー
トを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるイ
ンクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を
用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、転写紙1
05上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からな
る皮膜状画像を形成する画像形成方法であればよい。
【0074】皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの
膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質が被記
録材内部に浸透していないことや、染料を含有する水性
インクで印刷した場合のように、画像形成物質がほとん
ど分子レベルで被記録材に吸着されている状態でないこ
とを意味し、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質
で形成されているものをいう。
【0075】熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質と
しては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリル酸ア
ルキル等上記列挙したものの少なくとも1種を含有する
ものを用いることができる。
【0076】また、画像形成物質に含まれる色材として
は、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラック、キ
ナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジン
イエロー等及び油溶性染料を用いることができる。
【0077】さらに、画像形成方法よっては、各種添加
剤が含有され、例えば、電子写真方式においては、荷電
制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒクルとして
各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)
誘導体が加えられる。
【0078】液付与ユニット(画像除去促進液付与手
段)2は、補給液容器201、液自動補給機202、液
容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ローラ2
05、押さえローラ206、搬送ベルト207、駆動ロ
ーラ208及びガイド板209等を備えており、補給液
容器201と液自動補給機202及び液自動補給機20
2と液容器203は、それぞれパイプ210、211に
より接続されている。
【0079】補給液容器201及び液容器203内に
は、画像除去促進液212が収納されており、液容器2
03には、図示しないが、液量センサーが設けられてい
る。
【0080】液自動補給機202は、液量センサーの検
出結果に基づいて動作して、補給液容器201内の画像
除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除
去促進液212を補給する。
【0081】液汲み上げローラ204と液塗布ローラ2
05は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上
げローラ204は、回転駆動されることにより、液容器
203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接す
る液塗布ローラ205に絞られることにより、所定量の
画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させ
る。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去
促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニ
ットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面
に、少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転
写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ロ
ーラ208により駆動される搬送ベルト207により剥
離・移動ユニットU3に送り出される。
【0082】なお、図1では、転写紙105の下側が画
像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205
により画像除去促進液212が塗布されるように示され
ているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布
する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布
ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像
除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場
合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像
を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ2
05を転写紙105に接触させて塗布する方法ではな
く、非接触で画像除去促進液212を付与したり、ある
いは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わ
せて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0083】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、
画像除去促進液212により、画像形成物質の接着力が
低下し、画像除去促進液212は、水分を含有してい
る。すなわち、画像除去促進液212は、画像が形成さ
れている側の転写紙105に付与され、転写紙105
は、画像除去促進液212が付与されると、表面近傍が
膨潤して、画像形成物質と転写紙105との膨潤量の差
により、両者の間にせん断力が発生して画像形成物質と
転写紙105との接着力が低下する。
【0084】画像除去促進液212としては、水に対す
る分散または溶解安定性の高い界面活性剤を添加するこ
とができ、水に添加される界面活性剤としては、陰イオ
ン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、
非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ
素系界面活性剤等を用いることができる。
【0085】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ス
ルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシ
ルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル
硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸
塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエ
ーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸
エステル塩を用いることができる。
【0086】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級ア
ンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いる
ことができる。
【0087】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0088】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の
酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル
系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族ア
ルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオ
キサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0089】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロ
ロアルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアル
キル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレン
オキサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロ
アルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系等を用い
ることができる。
【0090】シリコーン系界面活性剤としては、ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン等を用いることができ
る。
【0091】また、画像除去促進液212には、画像形
成物質を可塑化する化合物(以下、可塑剤という。)を
添加することができ、この可塑剤を添加すると、当該可
塑剤が画像形成物質に作用して、被記録材の表面の傷み
を低減することができるとともに、画像形成物質を加熱
加圧及び加熱接触を利用して被記録材(転写紙105)
から剥離する場合には、剥離時の設定温度を下げること
ができ、必要電力消費量を低減させることができる。
【0092】画像除去促進液212に添加する可塑剤と
しては、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキ
シ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−
プトキシエタノール等のセロソルブ類及びフルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のカルビトール類、また、それらの誘導
体類として、2−メトキシエチルアセテート、2−エト
キシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等がある。さらに、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及び
ポリオキシエチレン−オキシプロピレン誘導体類、2−
ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、1、3−ジメチルイミダゾリジノン、モルホ
リン、γ−バレロラクトンを用いることができる。
【0093】また、既存の界面活性剤中にも可塑剤とし
て作用することができるものが存在する。具体的には、
脂肪族アルコールのエチレンオキサイド添加物、ポリオ
キシエチレンアルキル−エーテル系やポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、アルキル
アミンオキサイド類等がある。
【0094】画像除去促進液212には、界面活性剤と
ともに、水溶性高分子(水溶性ポリマー)を添加するこ
とができ、この水溶性高分子は、除去特性及び再生状態
を向上させる。すなわち、被記録材剤である転写紙10
5に、水及び水と界面活性剤を含む状態で、水溶性ポリ
マーを保持させると、画像除去促進液212の剥離体を
形成することができる。すなわち、水溶性ポリマーは、
転写紙105が圧接することのできない転写紙105の
セルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース
繊維→皮膜状画像→水溶性ポリマー→転写紙105のよ
うに間接的に接触することができ、その接着力によって
皮膜状画像を転写紙105の紙質を痛めることなく、剥
離することができる。
【0095】画像除去促進液212中に添加できる水溶
性ポリマーとしては、天然系では、アラビアガム、トラ
ガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーン
ガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシード
デンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナ
ン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイ
ン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサン
テンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系
では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶
性デンプン、カルボキシメチルデンフン(CMS)、ジ
アルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系
高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレン
グリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属
塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、
水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルアフタレ
ンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹
脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β
−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金
属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能
基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然
高分子化合物等がある。
【0096】これらの水溶性高分子の添加量は、画像除
去促進液212を付与する方法や付与する画像除去促進
液量により異なるが、0.1〜20重量%、好ましく
は、0.1〜10重量%の範囲で添加される。
【0097】また、画像除去促進液212は、湿潤剤を
含有させることも可能である。湿潤剤としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテ
ル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボ
ン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
等の含窒素複素環類がある。また、上記の多価アルコー
ル類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多
価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有
するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用でき
る。
【0098】その他の画像除去促進液212に添加され
るものとしては、pH調整剤がある。pH調整剤は、画
像除去促進液212のpHを5〜8に調整することによ
り、画像除去促進液212の保存安定性を向上させる目
的で添加される。すなわち、pH5以下では、接液性が
悪く錆が発生し易く、pH8以上では、エステルが加水
分解し、物性が変化する。pH調整剤としては、画像除
去促進液212に悪影響を及ぼさずに、pHを5〜8に
調整できるものであれば、任意のpH調整物質を使用す
ることができる。具体的には、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の
水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水
酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸
塩等を用いることができる。
【0099】さらに、画像除去促進液212には、防腐
防黴剤を添加することができ、防腐防黴剤としては、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸
ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使
用することができる。
【0100】また、画像除去促進液212には、重金属
イオンの封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加さ
れ、キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン
四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチ
レントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナト
リウム等がある。
【0101】さらに、画像除去促進液212には、防錆
剤を添加することができ、防錆剤としては、例えば、酸
性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸
アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四
硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニ
ウムニトライト等がある。
【0102】また、画像除去促進液212には、再生後
の被記録材である転写紙105の白色度を向上させる目
的で、漂白剤を添加することができる。酸化漂白剤とし
ては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸ナトリウム等がある。
【0103】さらに、画像除去促進液212には、蛍光
染料、青み付け染料及び酵素等を添加することもでき
る。
【0104】上記画像除去促進液212の付与された転
写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間
に、上述のように、転写紙105の膨潤により転写紙1
05と画像形成物質との接着力の弱められる。
【0105】剥離・移動ユニット(剥離手段)U3は、
図2に示すように、搬送ローラ301、302、30
3、304及び搬送ローラ305、306、307、3
08、309、搬送ローラ301、302と搬送ローラ
305、306の間にジグザグ状態に配設された複数の
加圧ローラ310〜319、加圧ローラ320〜32
8、シート状の剥離ベルト329、シート状のシールベ
ルト330、スパイラルローラ331及び画像形成物質
受け容器332等を備えており、加圧ローラ310〜3
19及び加圧ローラ320〜328は、図示しないが加
熱ヒーターを内蔵している。
【0106】剥離ベルト(剥離部材)329は、所定の
幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転
写紙105上の画像形成物質を剥離・転写させるのに十
分な幅を有したリング状に形成され、搬送ローラ301
〜304に張り渡されるとともに、ジグザグ状に配設さ
れた各加圧ローラ310〜328をジグザグ状に縫うよ
うに、配設されている。また、シールベルト330は、
転写紙105を剥離ベルト329との間に挟持して、転
写紙105上の画像形成物質を剥離ベルト329に剥離
・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成さ
れ、搬送ローラ305〜309に張り渡されるととも
に、各加圧ローラ310〜328をジグザグ状に縫うよ
うに、配設されている。したがって、剥離ベルト329
とシールベルト330とは、搬送ローラ301と搬送ロ
ーラ305の当接位置で、密着一体化され、この密着一
体化された状態で、ジグザグ状に配設された加圧ローラ
310〜328の間をジグザグに移動して、搬送ローラ
302と搬送ローラ306の当接位置で分離した後、そ
れぞれ搬送ローラ303、304及び搬送ローラ30
7、308、309を介して搬送ローラ301及び搬送
ローラ305へ回転移動する。
【0107】この剥離ベルト329は、被記録材である
転写紙105上の画像形成物質と接着して転写紙105
から画像形成物質を剥離・転写するための部材であり、
剥離ベルト329を構成する材料としては、画像形成物
質とある程度以上の接着性及び加熱する場合には耐熱性
を有することが必要である。
【0108】剥離ベルト329としては、例えば、イソ
プレンゴム、ネオプレンゴム、クロオプレンゴム、シリ
コンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、
天然のゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合
物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアル
デヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル
化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホ
ルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テンペンフェノー
ル樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等の
フェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−テトラフロロエチレン共重
合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのビニル系共重合体、ポリブチル
アクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリ
レート等のアクリル樹脂、ポリイミド、6、6−ナイロ
ン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエラレンナフタ
レート、芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテ
ルニトリル、アラミド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の
合成樹脂、ニッケル、鉄、アルミニウム等の金属及びそ
の酸化物、Ni銅、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、C
o−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の
金属合金等を用いることができる。
【0109】上述の有機高分子化合物は、単独で用いて
もよく、また、酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン
粒子などの添料を含有させることもでき、例えば、セラ
ミックス材料等がある。
【0110】上記各材料は、単独でも使用が可能である
が、耐久性及び剥離特性等を向上させるために、積層し
たり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカ
ー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加
えるなどにより複合して用いることもできる。
【0111】最適な剥離ベルト329の材料は、剥離し
ようとする画像形成物質の種類、画像形成物質の除去プ
ロセス条件等により選定されるべきであるが、剥離ベル
ト329を繰り返し使用することが再生コストを下げる
など種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い
耐熱性や表面の安定性が要求される。
【0112】画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥
離ベルト329の例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラ
ン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、
ポリエーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル、ア
ルマイトを挙げることができる。
【0113】シールベルト(シール部材)330は、被
記録材である転写紙105に画像が片面のみに形成され
ている場合や画像が両面に形成されている場合において
も片面ずつ画像形成物質を除去する場合に用いられ、シ
ールベルト330は、剥離ベルト329と密着一体化し
て、転写紙105を挟持するためのものであり、画像形
成物質を転写させる必要がないため、接着性を必要とし
ない点以外は、剥離ベルト329と同様の特性を有して
いることが望ましい。
【0114】上記搬送ローラ301〜304及び搬送ロ
ーラ305〜309は、図外の駆動機構により回転駆動
されることにより、密着一体化した剥離ベルト329と
シールベルト330を、加圧ローラ310〜319及び
加圧ローラ320〜328の間をジグザグ状に縫うよう
に、図2に矢印で示すように、図2中左から右方向に搬
送・移動させる。
【0115】上記加圧ローラ310〜319及び加圧ロ
ーラ320〜328は、上述のように、加熱ヒーターを
内蔵しており、加熱ヒーターにより所定温度に加熱され
て、剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟
持して搬送する転写紙105を加熱する。この場合の加
熱温度としては、画像形成物質の物性によるが、例え
ば、モノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、
好ましくは、80℃〜120℃である。
【0116】すなわち、画像形成物質は、熱可塑性ある
いは熱溶融性を有しているが、画像形成物質が溶融して
しまうと、転写紙105上の画像形成物質を、転写紙1
05側と剥離ベルト329側とに分断することなく、剥
離ベルト329側へ転写させるのが困難になるためであ
る。また、加熱しすぎると、ジグザグ搬送路を通過中に
転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画像形成
物質を介して剥離ベルト329に貼り付いてしまい、剥
離できなくなるおそれがあるからである。
【0117】したがって、加熱部通過後の転写紙105
に多少の湿り気が残っていて、画像形成物質の再付着を
防止できる程度に加熱することが望ましく、具体的に
は、上記例の温度が好適である。
【0118】剥離ベルト329とシールベルト330に
より右端の搬送ローラ302と搬送ローラ306に搬送
されてきた転写紙105は、図示しない分離爪により剥
離ベルト329及びシールベルト330からから分離さ
れて、図1に示す後処理ユニットU4に送り出される。
【0119】スパイラルローラ331は、剥離ベルト3
29に当接して、剥離ベルト329に転写された画像形
成物質を掻き落して、剥離ベルト329をクリーニング
する。
【0120】このスパイラルローラ331の下方に、画
像形成物質受け容器332が配設されており、スパイラ
ルローラ331により掻き落とされた画像形成物質が画
像形成物質受け容器332内に収納される。
【0121】上記液付与ユニットU2で画像除去促進液
212が付与され、画像形成物質と転写紙105との接
着力の弱められた転写紙105は、搬送ローラ301と
搬送ローラ305の間から剥離ベルト329とシールベ
ルト330の間に挿入され、剥離ベルト329とシール
ベルト330の間に挟持される。画像形成物質の形成さ
れた転写紙105は、剥離ベルト329とシールベルト
330との間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト3
29の接着力により剥離ベルト329に所定の接着力で
接着された状態で、ジグザグ状に搬送され、ジグザグ状
に搬送される間に、加圧ローラ310〜328に内蔵さ
れた加熱ランプにより加熱されつつ、転写紙105と剥
離ベルト329とが相対変位する。転写紙105の画像
形成物質は、加熱されることにより軟化し、この状態で
剥離ベルト329とシールベルト330に加圧されつ
つ、ジグザグ状に搬送される間に、転写紙105と剥離
ベルト329との間にせん断力が発生して、このせん断
力により転写紙105から画像形成物質が剥離し、剥離
ベルト329に剥離・転写されて、画像形成物質の除去
された転写紙105が搬送ローラ302と搬送ローラ3
06の間から、図2に矢印で示すように、後処理ユニッ
トU4に送り出される。
【0122】後処理ユニットU4は、図3に詳細に示す
ように、一対のレジストローラ401、ガイド板40
2、補給液容器403、液自動補給機404、液容器4
05、液汲み上げローラ406、液塗布ローラ407、
押さえローラ408、搬送ベルト409、駆動ローラ4
10及びガイド板411等を備えており、補給液容器4
03と液自動補給機404及び液自動補給機404と液
容器405は、それぞれパイプ412、413により接
続されている。
【0123】補給液容器403及び液容器405内に
は、後処理液414が収納されており、液容器405に
は、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0124】液自動補給機404は、液量センサーの検
出結果に基づいて動作して、補給液容器403内の後処
理液414を汲み上げて、液容器405に後処理液41
4を補給する。
【0125】液汲み上げローラ406と液塗布ローラ4
07は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上
げローラ406は、回転駆動されることにより、液容器
405内の後処理液414を汲み上げて、当接する液塗
布ローラ407に絞られることにより、所定量の後処理
液414を液塗布ローラ407に付着させる。液塗布ロ
ーラ407は、付着した所定量の後処理液414を、押
さえローラ408との間に剥離・移動ユニットU3から
送られてきた転写紙105の画像形成面であった側の面
に、少量塗布し、後処理液414の塗布された転写紙1
05は、ガイド板411に案内されつつ、駆動ローラ4
10により駆動される搬送ベルト409により乾燥ユニ
ットU5に送り出される。
【0126】なお、図1及び図3では、転写紙105の
下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ロー
ラ407により後処理液414が塗布されるように示さ
れているが、転写紙105に後処理液414を塗布する
構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ロー
ラ407を2個設けて、転写紙105の両面に後処理液
414を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に
画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除
去することができる。また、液塗布ローラ407を転写
紙105に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で
後処理液414を付与したり、あるいは液塗布ローラ4
07と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布
を行うようにしてもよい。
【0127】上記後処理液(後処理用液体)414は、
少なくとも水よりなればよく、単に水だけであってもよ
い。また後処理液414は、上記液付与ユニットU2で
転写紙105に付与される画像除去促進液212と同様
の成分の水溶液であってもよく、この場合、画像除去促
進液212に比較して低濃度、例えば、5wt%以下の
水溶液であることが必要である。したがって、後処理液
414は、水のみ、あるいは、水を主成分とする水溶
液、特に、画像除去促進液212と同様に、界面活性剤
を含む水溶液を使用することができ、その他に、pH調
整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐
剤、防かび剤、防錆剤、漂白剤等の添加剤を使用するこ
とができる。
【0128】再び、図1において、乾燥ユニットU5
は、転写紙105を乾燥させるものであり、加熱ランプ
501を内臓したアルミ等で形成された乾燥ドラム50
2、通気性がよく表面平滑性の高い仕上げベルト503
及び回転ローラ504a〜504d等を備えている。
【0129】仕上げベルト503は、乾燥ドラム502
及び回転ローラ504a〜504dの外周部に沿って図
1中時計方向に回転し、乾燥ドラム502と回転ローラ
504a〜504dとは、いずれかが図外の駆動モータ
等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト503に
より吊れ回りする。なお、乾燥ドラム502と回転ロー
ラ504a〜504dの双方を駆動モータ等により回転
駆動するようにしてもよい。
【0130】後処理ユニットU4から搬送されてきた転
写紙105は、乾燥ドラム502と回転ローラ404a
と間から乾燥ドラム502と仕上げベルト503との間
に導入され、加熱ランプ501により加熱された乾燥ド
ラム502により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム
502と回転ローラ504dの間から紙受けユニットU
6に排出される。
【0131】このとき、仕上げベルト503が通気性が
良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成され
ているため、転写紙105が適切に乾燥されるととも
に、転写紙105が仕上げベルト503に付着したり、
傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥す
ることができる。
【0132】なお、乾燥ユニットU5は、上記構成のも
のに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代
わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対
の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外
線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0133】紙受けユニットU6は、ガイド部材60
1、排紙トレー602及び排出ローラ603等を備えて
いる。
【0134】乾燥ユニットU5から排出された転写紙1
05は、ガイド部材601により排出ローラ603に案
内され、排出ローラ603は、転写紙105を排紙トレ
ー602上に排出・載置させる。
【0135】なお、再生装置1は、図示しないが、給紙
ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105がある
か否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による
転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置
1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、剥離
ユニットU3の各加熱ランプ及び乾燥ユニットU5の加
熱ランプ501の点灯制御手段及び画像形成物質受け容
器332内の画像形成物質が満杯になったかどうかを検
出する満杯検知手段等が設けられている。
【0136】次に、再生装置1の動作について、以下、
説明する。再生装置1は、転写紙105に画像除去促進
液212を付与して、転写紙105上の画像形成物質と
転写紙105との接着力を弱めた状態で、一体密着化さ
れた剥離ベルト329とシールベルト330に転写紙1
05を挟持させて、ジグザグ搬送して、小型で、かつ、
効率的に転写紙105上の画像形成物質を剥離ベルト3
29に剥離・除去するとともに、画像形成物質の剥離さ
れた転写紙105に後処理液414を塗布して、画像形
成物質の剥離された転写紙105の品質を向上させると
ころにその特徴がある。
【0137】すなわち、再生装置1は、電源が投入さ
れ、給紙ケース101に画像形成物質により画像の形成
された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォ
ーミングアップが完了すると、給紙ローラ102により
給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙
105から、順次液付与ユニットU2に送り出す。この
とき、レジストローラ対103によりタイミング調整を
行う。
【0138】この転写紙105は、通常の通常の複写用
紙あるいはプリンティング用紙であり、転写紙105に
は、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方
式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質に
より皮膜状の画像が形成されている。
【0139】液付与ユニットU2は、液自動補給機20
2により補給液容器201から汲み上げられた液容器2
03内の画像除去促進液212を、液汲み上げローラ2
04により液塗布ローラ205に付着して、液塗布ロー
ラ205により、押さえローラ206との間に給紙され
てきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布する。
【0140】液付与ユニットU2は、画像除去促進液2
12の塗布した転写紙105を、搬送ベルト207によ
り剥離・移動ユニットU3に送り出す。
【0141】転写紙105は、画像除去促進液212が
付与されると、転写紙105の表面近傍が膨潤して、画
像形成物質と転写紙105との膨潤量の差により、両者
の間にせん断力が発生し、画像形成物質と転写紙105
との接着力が低下する。また、画像形成物質と転写紙1
05とのせん断力は、転写紙105の画像形成物質と接
する界面に極力近い部分にまで画像除去促進液212が
浸透することにより、特に大きくなると考えられ、画像
除去促進液212が転写紙105と画像形成物質とが接
触する界面にまで浸透することにより、より一層良好な
画像形成物質の除去特性が得られる。さらに、転写紙1
05と画像形成物質とが接触する界面にまで画像除去促
進液212が浸透することは、単に膨潤量の差によるせ
ん断力を生じさせるだけでなく、画像除去促進液212
の成分、特に、水や界面活性剤が、画像形成物質と転写
紙105との間に介在することにより、画像形成物質と
転写紙105との間に働いていた接着力を弱める作用を
もすると考えられる。
【0142】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、上記膨潤作用により、画像形成物質と転写紙
105との接着力が剥離・移動ユニットU3に搬送され
る間に低下した状態で、剥離・移動ユニットU3に搬送
される。
【0143】剥離・移動ユニットU3は、複数の搬送ロ
ーラ301〜304と搬送ローラ305〜309によ
り、密着一体化した剥離ベルト329とシールベルト3
30を加圧ローラ310〜319及び加圧ローラ320
〜328によりジグザグ状に形成されたジグザグ搬送路
を搬送・移動させるとともに、加圧ローラ310〜31
9及び加圧ローラ320〜328に内蔵された加熱ラン
プにより加熱される。
【0144】画像除去促進液212が付与されて画像形
成物質との接着力の弱められた状態の転写紙105は、
剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟持さ
れ、かつ、剥離ベルト329の接着力により剥離ベルト
329に所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬
送路を搬送される。
【0145】転写紙105は、剥離ベルト329とシー
ルベルト330に密着一体的に挟持された状態でジグザ
グ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト
329とが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト32
9との間にせん断力が発生する。このせん断力により転
写紙105から画像形成物質が剥離して、剥離ベルト3
29に剥離・転写される。
【0146】また、剥離ベルト329とシールベルト3
30に挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路
を搬送されている間に、加圧ローラ310〜328に内
蔵された加熱ランプにより加熱され、転写紙105上に
画像を形成している画像形成物質が軟化して、剥離し易
い状態となり、効率的に剥離ベルト329に転写・除去
される。
【0147】上述のようにして、画像形成物質の転写・
除去された転写紙105は、後処理ユニットU4に送り
出されるとともに、剥離ベルト329に転写された画像
形成物質は、スパイラルローラ331により掻き落とさ
れ、画像形成物質受け容器332内に収納される。
【0148】後処理ユニットU4は、剥離・移動ユニッ
トU3から送り出された転写紙105をレジストローラ
対401及びガイド板402を介して液塗布ローラ40
7と押さえローラ408の間に搬送し、押さえローラ4
08により液塗布ローラ407に転写紙105を押し付
けつつ、液塗布ローラ407により転写紙105に後処
理液414を塗布する。すなわち、後処理ユニットU4
は、液自動補給機404により補給液容器403から汲
み上げられた液容器405内の後処理液414を、液汲
み上げローラ406により液塗布ローラ407に付着し
て、液塗布ローラ407により、押さえローラ408と
の間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少
量塗布する。
【0149】後処理ユニットU4は、後処理液414の
塗布した転写紙105を、搬送ベルト409により乾燥
ユニットU503に送り出す。
【0150】転写紙105は、後処理液414が付与さ
れると、後処理液414として、水単独、水を主成分と
した水溶液であって画像除去促進液212よりも濃度の
低い水溶液、あるいは、画像除去促進液212と同様の
成分の液体であって画像除去促進液212よりも低濃度
の液体が使用されているため、転写紙105の表面に残
存する液付与ユニットU2により付与された画像除去促
進液212の組成物を、後処理液414に溶解させ、転
写紙105内に浸透させることと等により、転写紙10
5の表面から画像除去促進液212の組成物を減少させ
ることができる。
【0151】このようにして、後処理液414の付与さ
れた転写紙105は、搬送ベルト409により乾燥ユニ
ットU5に搬送される。
【0152】乾燥ユニットU5は、後処理ユニットU4
から搬送されてきた転写紙105を、加熱ランプ501
により加熱された乾燥ドラム502と仕上げベルト50
3との間に挟んで搬送する間に、転写紙105の余分な
水分を乾燥させて、紙受けユニットU6に排出する。
【0153】紙受けユニットU6は、乾燥ユニットU5
から排出された転写紙105を、排出ローラ603によ
り、排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0154】このように、再生装置1は、画像形成物質
により画像の形成された転写紙105を、液付与ユニッ
トU2で、画像除去促進液212を付与して、転写紙1
05と画像形成物質との接着力を弱めた状態で、剥離・
移動ユニットU3の密着一体化した剥離ベルト329と
シールベルト330で挟持して、ジグザグ搬送路を搬送
して、転写紙105から画像形成物質を効率的に剥離し
て、剥離ベルト329に転写することができ、画像形成
物質の剥離・除去性能の良好な再生装置1を小型で、か
つ、消費電力の小さいものとすることができる。
【0155】また、画像形成物質の剥離された転写紙1
05に、後処理ユニットU4で水あるいは画像除去促進
液212よりも低濃度の水溶液である後処理液414を
付与するので、転写紙105の表面に残存する画像除去
促進液212を転写紙105の内部に浸透させる等によ
り転写紙105の表面に残存する画像除去促進液212
を低減させることができる。したがって、再生装置1に
より転写紙10を繰り返し再生した場合にも、転写紙1
0の表面に残存する画像除去促進液212が増加して、
転写紙105の表面電気抵抗や表面エネルギーが変化し
て、画像形成持の画像形成物質の転写紙105への定着
性が低下する等の不具合を解消することができ、再生装
置1による転写紙105の再生性能を向上させることが
できる。
【0156】
【実施例】上記実施の形態の再生装置1を基本として、
後処理ユニットU4を設けて後処理液414を付与する
場合と、後処理ユニットU4により後処理液414を付
与しない場合の比較実験を行った。
【0157】以下、実験結果を実施例として、説明す
る。
【0158】なお、以下の実験において使用した画像形
成物質としては、以下の処方で作製したトナーを用い
た。
【0159】〈トナーの処方〉 ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量% スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量% 含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量% カルナウバワックス (離型剤) 4重量% カーボンブラック (着色剤) 7重量% 以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜
140℃に熱した2本ロールによって、溶融混練し、混
練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕して、ジェッ
ト気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体
積平均粒径10μmのトナーを作製した。
【0160】また、画像除去促進液212は、以下の処
方により調整した。
【0161】 〈画像除去促進液の処方〉 ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 10重量% プロピレングリコール (可溶化剤) 10重量% N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量% 安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量% 純水 残量 以上の物質を、撹拌・溶解して、画像除去促進液212
を調整した。
【0162】さらに、後処理液414は、以下の処理に
より調整した。
【0163】 〈後処理液の処方〉 安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量% 純水 残量 以上の物質を、撹拌・溶解して、後処理液414を調整
した。
【0164】〈実施例〉転写紙105として、市販のA
4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーを用
い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成し
た。
【0165】再生装置は、図1の再生装置1の剥離・移
動ユニットU3として、図2の剥離・移動ユニットU3
を、後処理ユニットU4として、図3の後処理ユニット
U4を使用したが、剥離・移動ユニットU3としては、
図2の剥離・移動ユニットU3の加圧ローラ310〜3
28を13本に減らしたものを用いている。この剥離・
移動ユニットU3の剥離ベルト329としては、ポリエ
チレンテレフタレートのベルトを用いた。なお、加圧ロ
ーラは、その直径が、図2で上側の加圧ローラが25m
m、下側の加圧ローラが45mmのものを使用した。
【0166】そして、上記再生装置1の液付与ユニット
U2及び後処理ユニットU4に、上記処方により作成し
た画像除去促進液212及び後処理液414をセット
し、処理速度25mm/sec、加熱温度110℃にて
再生処理を行った。このPPC複写機による画像形成処
理と再生装置1による再生処理を10回繰り返し行っ
た。
【0167】実験の結果、再生された用紙には、実使用
上問題となるような量のトナーは残っていなかっただけ
でなく、上記画像形成と再生処理を10回繰り返した転
写紙105は、未使用の転写紙105と同等の複写画像
を得ることができた。
【0168】〈比較例〉なお、この場合、比較実験する
ために、後処理ユニットU4を取り除いた状態で上記同
様の再生処理と画像形成処理を行った。
【0169】上記画像形成と再生処理を繰り返し行った
ところ、最初のうちは、トナー除去は、良好であった
が、7回目からトナーの転写紙105への定着が不完全
となり、10回目では、画像部のトナーが指で擦ると、
一部分が剥がれ落ちた。
【0170】すなわち、後処理ユニットU4により後処
理液414を転写紙105に付与することにより、転写
紙105に画像形成と再生処理を繰り返し行った場合に
も、適切な再生処理と画像形成を行えることが実証され
た。
【0171】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0172】
【発明の効果】請求項1記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、皮膜状の画像形成物質により固着画像の形
成された複写用紙やプリンティング用紙等の被記録材
に、水を含む画像除去促進液を付与した後、被記録材
を、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで
挟持して加熱加圧して、画像形成物質を剥離部材に転写
・剥離し、画像形成物質の剥離された被記録材に所定の
後処理用液体を付与しているので、被記録材に残留する
画像形成物質を減少させることができ、被記録材を繰り
返し再生する場合にも、被記録材に対する画像形成物質
の定着性を向上させて、被記録材の再生効率を向上させ
ることができる。
【0173】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、画像形成物質を剥離した後の被記録材に付与
する後処理用液体として水を主成分とする後処理用液体
を使用しているので、被記録材の表層に残存する画像除
去促進液の組成物を後処理用液体に溶解させることがで
き、被記録材内部に浸透させること等により、被記録材
の表層に残存する画像除去促進液の組成物の量をより一
層低減させることができる。したがって、被記録材の再
生効率をより一層向上させることができる。
【0174】請求項3記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、画像形成物質を剥離した後の被記録材に付与
する後処理用液体として画像除去促進液よりも低濃度の
後処理用液体を使用しているので、被記録材の表層に残
存する画像除去促進液の組成物を画像除去促進液よりも
低濃度の後処理用液体に溶解させることができ、被記録
材内部に浸透させること等により、被記録材の表層に残
存する画像除去促進液の組成物の量をより一層低減させ
ることができる。したがって、被記録材の再生効率をよ
り一層向上させることができる。
【0175】請求項4記載の発明の被記録材の再生方法
によれば、皮膜状の画像形成物質により固着画像の形成
された複写用紙やプリンティング用紙等の被記録材に、
水を含む画像除去促進液を付与した後、被記録材を、一
対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持し
て加熱加圧して、画像形成物質を剥離部材に転写・剥離
し、画像形成物質の剥離された被記録材に所定の後処理
用液体を付与するので、被記録材に残留する画像形成物
質を減少させ、被記録材を繰り返し再生する場合にも、
被記録材に対する画像形成物質の定着性を向上させるこ
とができ、被記録材の再生効率を向上させることができ
る。
【0176】請求項5記載の発明の被記録材の再生方法
によれば、画像形成物質を剥離した後の被記録材に付与
する後処理用液体として水を主成分とする後処理用液体
を使用しているので、被記録材の表層に残存する画像除
去促進液の組成物を後処理用液体に溶解させることがで
き、被記録材内部に浸透させること等により、被記録材
の表層に残存する画像除去促進液の組成物の量をより一
層低減させることができる。したがって、被記録材の再
生効率のより一層向上させることができる。
【0177】請求項6記載の発明の被記録材の再生方法
によれば、画像形成物質を剥離した後の被記録材に付与
する後処理用液体として画像除去促進液よりも低濃度の
後処理用液体を使用しているので、被記録材の表層に残
存する画像除去促進液の組成物を画像除去促進液よりも
低濃度の後処理用液体に溶解させることができ、被記録
材内部に浸透させること等により、被記録材の表層に残
存する画像除去促進液の組成物の量をより一層低減させ
ることができる。したがって、被記録材の再生効率のよ
り一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生装置及び被記録材の再
生方法の一実施の形態を適用した再生装置の概略構成
図。
【図2】図1の剥離・移動ユニットの詳細な構成図。
【図3】図1の後処理ユニットの詳細な構成図。
【符号の説明】
1 再生装置 U1 給紙ユニット U2 液付与ユニット U3 剥離・移動ユニット U4 後処理ユニット U5 乾燥ユニット U6 紙受けユニット 101 給紙ケース 102 給紙ローラ 103 レジストローラ 104 ガイド板 105 転写紙 201 補給液容器 202 液自動補給機 203 液容器 204 液汲み上げローラ 205 液塗布ローラ 206 押さえローラ 207 搬送ベルト 208 駆動ローラ 209 ガイド板 210、211 パイプ 212 画像除去促進液 301〜309 搬送ローラ 310〜328 加圧ローラ 329 剥離ベルト 330 シートベルト 331 スパイラルローラ 332 画像形成物質受け容器 401 レジストローラ 402 ガイド板 403 補給液容器 404 液自動補給器 405 液容器 406 液汲み上げローラ 407 液塗布ローラ 408 押さえローラ 409 搬送ベルト 410 駆動ローラ 411 ガイド板 412、413 パイプ 414 後処理液 501 加熱ランプ 502 乾燥ドラム 503 仕上げベルト 504a〜504d 回転ローラ 601 ガイド部材 602 排紙トレー 603 排出ローラ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を
    有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶
    融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成され
    た前記被記録材に水を含む画像除去促進液を付与して前
    記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める画像
    除去促進液付与手段と、所定の接着力を有し、前記画像
    除去促進液付与手段により前記画像除去促進液の付与さ
    れた前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画
    像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、
    あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材
    と所定のシール部材により、挟持して加熱加圧を行い、
    前記被記録材の前記画像形成物質を前記剥離部材に転写
    させる剥離手段と、前記剥離手段により前記画像形成物
    質の剥離された前記被記録材に所定の後処理用液体を付
    与する後処理手段と、を備えたことを特徴とする被記録
    材の再生装置。
  2. 【請求項2】 前記後処理用液体は、水を主成分とする
    ことを特徴とする請求項1記載の被記録材の再生装置。
  3. 【請求項3】 前記後処理用液体は、前記画像除去促進
    液よりも低濃度の液体であることを特徴とする請求項1
    記載の被記録材の再生装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を
    有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶
    融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成され
    た前記被記録材に水を含む画像除去促進液を付与して前
    記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める画像
    除去促進液付与工程と、所定の接着力を有し、前記画像
    除去促進液付与工程により前記画像除去促進液の付与さ
    れた前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画
    像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、
    あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材
    と所定のシール部材により、挟持して加熱加圧を行い、
    前記被記録材の前記画像形成物質を前記剥離部材に転写
    させる剥離工程と、前記剥離手段により前記画像形成物
    質の剥離された前記被記録材に所定の液体を付与する後
    処理工程と、を順次行うことを特徴とする被記録材の再
    生方法。
  5. 【請求項5】 前記後処理用液体は、水を主成分とする
    ことを特徴とする請求項記載の被記録材の再生方法。
  6. 【請求項6】 前記後処理用液体は、前記画像除去促進
    液よりも低濃度の液体であることを特徴とする請求項
    記載の被記録材の再生方法。
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