JP3620765B2 - 被記録材の再生方法および被記録材 - Google Patents
被記録材の再生方法および被記録材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3620765B2 JP3620765B2 JP11196097A JP11196097A JP3620765B2 JP 3620765 B2 JP3620765 B2 JP 3620765B2 JP 11196097 A JP11196097 A JP 11196097A JP 11196097 A JP11196097 A JP 11196097A JP 3620765 B2 JP3620765 B2 JP 3620765B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording material
- liquid
- post
- image
- surfactant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録材を再生する被記録材の再生方法および、この方法により再生された被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA化により、プリンタ用紙や複写用紙が大量に使用されるようになった。それにともなって、オフィスからは大量の廃棄用紙が生じるようになり、この多くが無駄に捨てられているのが現状である。
しかし、この処分には多大の費用がかかると同時に、この廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化までも、最近ではとりざたされるようになってきた。
【0003】
従来この問題を解消し、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、再びすいて再生古紙として利用する処置が施されてきた。
しかしながら、この処置には大規模な古紙再生施設が必要となるうえ、使用済みの古紙に対して分別・回収・輸送など、再生紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるを得なかった。最近になって、一度使用した用紙上の文字画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用することができる紙が開発されている。
【0004】
例えば、特開平4−67043号公報には、シート状支持体の表面、特に片面のみに離型処理してなり、かつ、該離型処理した支持体に印を付け、普通紙と区別したものが開示されている。
しかしながら、これは特殊紙であるため定着性に難があり、一般の複写用紙として使用するには問題がある。
【0005】
また、特開平1−101576号公報、特開平1−101577号公報には、画像形成支持体上の画像形成物質(トナー)を、これを溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより画像を除去する方法が開示されているが、有機溶剤による公害や引火および毒性に問題があり、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問題がある。
【0006】
さらに、特開平1−297294号公報には、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離体を介在させて加熱し、画像を支持体から剥離するクリーニング方法が開示されている。
しかし、この方法の場合、表面に離型処理を施した特別な紙を用いなければならない。
【0007】
一方、本出願人は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に液体で膨潤すう層を設けた被記録材を用い、該画像を形成する皮膜状の画像形成物質よりも該被記録材の膨潤層を大きく膨潤せしめる、水を含有した液体(画像除去促進液)を被記録材に付与する液付与手段と、液付与後に、該被記録材を剥離部材に圧接または加熱圧接させて、該画像形成物質を被記録材から剥離部材に転写剥離する剥離手段とを有する、画像形成物質除去方法および再生方法に関する被記録材の再生装置を提案している(例えば特開平7−13383号公報)。
【0008】
さらに本願出願人は、この方法における画像形成物質の剥離時の水分蒸発を防ぐために、一対のベルトを複数の加熱部材により蛇行形状に張架して複数の加熱吸着部を連続配置した構成の被記録材の再生装置を提案している(特開平8−44260号公報、特開平8−211794号公報)。
【0009】
この方法によって、被記録材に対してその紙質を比較的損傷することなく、画像形成物質のみを除去し、被記録材を再び使用可能な状態に再生できることが確認されている。ただし、この方法でいう「皮膜状」とは、必ずしも画像全体が一つの膜を形成していることを指しているのではなく、単に画像形成物質が被記録材の内部に深く浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印字した場合のように画像形成物質が殆ど分子レベルで被記録材に吸着されている状態ではないことを意味している。
【0010】
また上記従来技術および、以下に詳説する本発明で指す被記録材は、プリンタ用紙、複写用紙等、セルロース繊維を主成分とした紙質層で構成されたものに限られるわけではなく、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む液体で膨潤する層を有するものであり、これらの被記録材は本発明の対象となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法を利用して被記録材を再生した場合、再生処理後の被記録材表面には界面活性剤など、画像除去促進液中に可溶化されていた成分が残存するため、特に「画像形成および、その後の被記録材の再生」を繰り返すうちに、再び画像形成する際に被記録材に対する画像形成物質の定着性が、再生前の被記録材に比べて低下するという問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、再生処理後の被記録材に対する画像形成物質の定着性を損なわない、被記録材の再生方法および、この方法により再生された被記録材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の被記録材の再生方法は、
(1)少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材であって、前記膨潤層上に熱可撓性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有するものに、少なくとも水と界面活性剤とを含む画像除去促進液を付与して前記画像形成物質と被記録材との接着力を弱める画像除去促進液付与工程と、
(2)画像形成物質に対して所定の接着力を有し、画像除去促進液付与工程により画像除去促進液の付与された被記録材の画像形成物質に接触して該画像形成物質を転写剥離させる一対の剥離部材により被記録材を挟持するか、または、前記転写剥離機能を有し前記被記録材の画像形成物質側に位置する剥離部材と、所定のシール部材とにより被記録材を挟持して、それぞれ被記録材の加熱加圧を行い、被記録材上の画像形成物質を前記剥離部材に転写剥離させる剥離工程と、
(3)画像形成物質が剥離された被記録材に後処理液を付与することにより、被記録材に残存する前記界面活性剤を化学変化させる後処理工程、
とを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の被記録材の再生方法は、請求項1において後処理工程における化学変化が、界面活性剤の加水分解反応であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の被記録材の再生方法は、請求項2において、画像除去促進液の界面活性剤としてエステル構造を持つもの用い、後処理工程では後処理液として強酸性水溶液を使用することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の被記録材の再生方法は、請求項3において、強酸性水溶液としてpHが4以下のものを用いることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の被記録材の再生方法は、請求項2において、画像除去促進液の界面活性剤としてエステル構造を持つもの用い、後処理工程では後処理液としてアルカリ性水溶液を使用することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の被記録材の再生方法は、請求項5において、アルカリ性水溶液としてpHが9以上のものを用いることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の被記録材の再生方法は、請求項3〜7のいずれか一つの項において、後処理工程後の被記録材に所定pHの第2後処理液を付与することにより、被記録材表面のpHを中性にすることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の被記録材の再生方法は、請求項1〜8のいずれか一つの項において、画像除去促進液の界面活性剤が、カルボン酸エステル構造を持つものであることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の被記録材の再生方法は、請求項9において、画像除去促進液の界面活性剤が、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つものであることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の被記録材の再生方法は、請求項1において、画像除去促進液が少なくとも、水と界面活性剤と水溶性ポリマーとを含有し、前記界面活性剤には少なくとも、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤が含まれることを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の被記録材の再生方法は、請求項3〜8のいずれか一つの項において、酸性の後処理液として塩酸・硫酸・硝酸・リン酸などの無機酸もしくは、カルボン酸などの有機酸の水溶液を用いるか、またはアルカリ性の後処理液として水酸化リチウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、もしくは炭酸リチウム・炭酸ナトリウム・炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の水溶液を用いることを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の被記録材の再生方法は、請求項8において、酸性の第2後処理液として塩酸・硫酸・硝酸・リン酸などの無機酸もしくは、カルボン酸などの有機酸の水溶液を用いるか、またはアルカリ性の第2後処理液として水酸化リチウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、もしくは炭酸リチウム・炭酸ナトリウム・炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の水溶液を用いることを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の被記録材は、少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材であって、前記膨潤層上に熱可撓性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有するものを、請求項1〜13のいずれか一つの項に記載の再生方法で再生したことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る被記録材再生方法の実施の形態を、必要により図面を参照しながら説明する。
まず、この再生方法の原理について説明する。本発明に用いられる被記録材は、画像の形成されている側の表面に、水を含む液体が付与されると膨潤するものであるが、被記録材の表面近傍に形成された熱可塑性または熱溶融性を有する画像形成物質と被記録材との界面付近に水が浸透すると、両者間の接着力は非常に弱いものとなる。このとき速やかに水を被記録材内部まで浸透させるために画像除去促進液として、水に界面活性剤を添加した液、あるいは該液にさらに水溶性ポリマー等を加えた液であるを使用するのが好ましい。
【0027】
画像除去促進液が付与された被記録材から、その表面の画像形成物質を除去(剥離)するために、この被記録材と画像形成物質との付着力より大きい付着力を画像形成物質との間に有する剥離部材を、被記録材に加熱圧接させる。この加熱は画像形成物質を軟化させ、これにより画像形成物質を被記録材の繊維等から剥がれやすくするために行われる。したがって、加熱による昇温の温度は、画像形成物質の軟化点以上の温度で、かつ画像形成物質が溶融しない程度に設定するのが好ましい。
【0028】
画像形成物質が溶融すると、被記録材上の画像形成物質を被記録材側と剥離部材側とに分断することなく剥離部材側に転写させるのが困難になるためである。この剥離処理後、被記録材を剥離部材から分離すると、画像形成物質は被記録材から剥離部材に転写され、被記録材は画像形成前の状態に再生される。
【0029】
従来の被記録材再生方法では、再生処理後の被記録材を繰り返し使用していくに従い、被記録材に対する画像形成物質の定着性が低下していくという問題があった。これは、画像除去促進液の付与後、加熱加圧により画像形成物質を除去した被記録材から画像除去促進液の溶媒が蒸発した後でも、画像除去促進液中の溶解成分が残存し、したがって、「画像形成と、その後の被記録材の再生」を繰り返すに従い、残存量も増加するために、被記録材の表面電気抵抗や表面エネルギーが変化し、定着に不具合を生じるためと考えられる。
【0030】
このような問題を解決する手段を検討した結果、本発明者らは、上記被記録材の再生方法において、画像除去促進液の成分としてエステル構造を持つ界面活性剤を使用し、加熱加圧手段での画像形成物質除去の後工程として、液付与手段による液付与を行う工程を設け、再生処理後の被記録材表面に残存する画像除去促進液成分を加水分解することで、再生後の被記録材に対する画像形成物質の定着性の低下を防ぐことができることを確認した。
【0031】
本発明において、画像除去促進液は好ましくは、エステル構造を持つ界面活性剤を含有するものである。エステルは強酸性水溶液(pH値が大きい水溶液)、あるいはアルカリ性水溶液により加水分解されるので、再生処理後(画像形成物質除去後)の被記録材に、後処理液として強酸水溶液あるいはアルカリ水溶液を付与することで、上記被記録材表面に残存する界面活性剤が加水分解される。なお、上記アルカリ水溶液としては、強アルカリの水溶液、弱アルカリの水溶液のいずれも採用できる。
【0032】
後処理液として強酸水溶液を使用する場合、そのpHを4以下とすることで、加水分解が特に効率良く行われる。また本発明では、後処理液として強酸水溶液を使用する場合、後処理工程後の被記録材にさらにアルカリ水溶液(アルカリの水溶液)を付与する工程を設けることもできる。この工程において、後処理工程後の被記録材にさらに第2後処理液としてアルカリ水溶液を付与することで、被記録材の表面pHを中性にすることができ、これにより被記録材の劣化を防ぐことが可能となる。
【0033】
一方、後処理液としてアルカリ水溶液を使用する場合、そのpHは9以上とすることで上記加水分解が特に効率良く行われる。後処理液としてアルカリ水溶液を使用する場合、後処理工程後の被記録材にさらに酸性水溶液を付与する工程を設けることもできる。この工程において、後処理工程後の被記録材にさらに第2後処理液として酸性水溶液を付与することで、被記録材の表面pHを中性にすることができ、被記録材の劣化を防ぐことが可能となる。
【0034】
以下、本発明に係る画像除去促進液と、これに添加される各種添加剤に関し説明する。
画像除去促進液は少なくとも、水、エステル構造を持つ界面活性剤から構成される。また後述するように、水溶性ポリマー、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、漂白剤等の添加剤を使用することも可能である。
【0035】
エステル構造を持つ界面活性剤としては、硫酸化油、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩、などが挙げられる。
【0036】
中でも特に、分子内にカルボン酸エステル構造を持つ界面活性剤は、カルボン酸エステルがアルカリで容易に加水分解されるため、分解の効果が顕著である。カルボン酸エステル構造を持つ界面活性剤は、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0037】
また、分子内にカルボン酸エステル構造を持つ界面活性剤の中でも特に、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤は浸透性に優れ、被記録材からの画像形成物質除去工程において、被記録材と画像形成物質との界面に容易に浸透し、被記録材と画像形成物質との接着力を弱める効果が大きい。アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤は、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、などが挙げられる。
前記各界面活性剤は、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。画像除去促進液に含まれる界面活性剤の含有量は4〜70重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜60重量%である。
【0038】
画像除去促進液には界面活性剤とともに、画像形成物質除去能力を向上させる、あるいは再生状態を改良する等の目的で、水溶性ポリマーを添加してもよい。この水溶液ポリマーの添加量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲がよい。
【0039】
画像除去促進液中に添加される水溶性ポリマーとしては、天然系ではアラビアゴム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デンプンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物、などが挙げられる。
【0040】
本発明においては、被記録材に水と界面活性剤を含む状態で、水溶性ポリマーを保持させることにより、画像形成物質の剥離体を形成することができる。すなわち水溶性ポリマーは、前記剥離部材が圧接することができないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/剥離部材の如く間接的に接触することができ、その粘着力によって皮膜状画像を、紙質を傷めることなく剥離することができる。
【0041】
また、画像除去促進液には界面活性剤を水に可溶化させる助剤、あるいは湿潤剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素環類を含有させることも可能である。また、上記多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0042】
以下、本発明に係る後処理液と、これに添加される各種添加剤に関し説明する。
後処理液は、画像形成物質除去後の被記録材表面に残存する、エステル構造を持つ界面活性剤を加水分解するために付与するものであり、強酸性あるいはアルカリ性(強弱を問わない)の水溶液が挙げられる。
弱酸性水溶液では上記加水分解機能は殆ど得られないが、強酸性と弱酸性との中間の酸性水溶液によっても、分解速度は強酸性水溶液に比べて遅いものの上記加水分解を行うことができる。
【0043】
酸性の後処理液としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの有機酸の水溶液が挙げられる。アルカリ性の後処理液としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等の水溶液が挙げられる。
【0044】
また、第2後処理液としては、上記酸性後処理液・アルカリ性後処理液と同様の水溶液が挙げられる。さらに、画像除去促進液、後処理液には重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、漂白剤等の添加剤を使用することも可能である。
【0045】
重金属イオンの封止剤で剥離助剤として添加されるキレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
さらに防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用可能である。
【0046】
剥離部材は、剥離手段通過時に受ける熱、圧力等に対する耐久性、画像除去促進液に対する安定性に優れ、表面変質が少なく、なおかつ良好な剥離が行える材料により構成するのが好ましく、Ni鋼、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物、あるいは各種ポリマー等が挙げられる。
【0047】
上記ポリマーとしては、具体的には合成または天然のゴム、ジアリレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある合成樹脂が挙げられる。また、これらのポリマーは単独で用いても、混合して用いても良く、耐久性向上および剥離特性向上のために酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン粒子などを含有していてもよい。
【0048】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下に述べるのは、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は被記録材再生装置の全体構成を示す概略図であり、この再生装置は、電子写真複写機等で画像を形成された被記録材である紙(転写紙)等から画像形成物質を剥離・除去して被記録材を再生するものである。図2は図1の装置における剥離・移動ユニットの構成を示す詳細説明図、図3は図1の装置における後処理ユニットの構成を示す詳細説明図である。
【0049】
再生装置1は 給紙ユニットU1、液付与ユニットU2、剥離・移動ユニットU3、後処理ユニットU4、乾燥ユニットU5および紙受けユニットU6等を備えている。この再生装置1では、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105を1枚ずつ液付与ユニットU2に給紙して、液付与ユニットU2で転写紙105に画像除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU3で転写紙105上の画像形成物質を剥離・除去し、後処理ユニットU4で画像形成物質の剥離・除去された転写紙105に後処理液を付与した後、乾燥ユニットU5で転写紙105を乾燥させて、紙受けユニットU6で回収する。
【0050】
以下、各ユニットU1〜U6について順次説明する。給紙ユニットU1は給紙ケース101、給紙ローラ102、一対のレジストローラ103およびガイド板104等を備えており、給紙ケース101内には、再生対象である被記録材としての転写紙105が複数枚収納される。
給紙ケース101内には、図示しないが転写紙105を載置するための底板があり、 該底板は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102側の端部を上方に持ち上げる。給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース101内の転写紙105を最上段の転写紙から順次送り出す。
【0051】
給紙ローラ102により送り出された転写紙105は、図示しない分離機構で重送紙が分離され、一枚の転写紙105のみが、タイミング調整およびスキュー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板104を介して液付与ユニットU2に給紙される。
【0052】
液付与ユニット(画像除去促進液付与手段)U2は補給液容器201、液自動補給機202、液容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ローラ205、押さえーラ206、搬送ベルト207、駆動ローラ208およびガイド板209等を備えており、補給液容器201と液自動補給機202および、この液自動補給機202と液容器203は、それぞれパイプ210,211により接続されている。補給液容器201および液容器203内には、画像除去促進液212が収納されており、液容器203には、図示しないが液量センサーが設けられている。
【0053】
液自動補給機202は、液量センサーの検出結果に基づいて動作し、補給液容器201内の画像除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除去促進液212を補給する。液汲み上げローラ204と液塗布ローラ205は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ204は、回転駆動されることにより液容器203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接する液塗布ローラ205で搾られることにより、所定量の画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させる。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ローラ208により駆動される搬送ベルト207により剥離・移動ユニットU3に送り出される。
【0054】
なお、図1では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205により画像除去促進液212が塗布されるようになっているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。
また、液塗布ローラ205を転写紙105に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で画像除去促進液212を付与したり、あるいは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0055】
画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、画像除去促進液212により画像形成物質の接着力が低下し、画像除去促進液212は水分を含有している。すなわち、画像除去促進液212は、画像が形成されている側の転写紙105に付与され、転写紙105は、画像除去促進液212が付与されると、表面近傍が膨潤して画像形成物質と転写紙105との膨潤量の差により、両者間に剪断力が発生して画像形成物質と転写紙105との接着力が低下する。
上記画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、上述のように転写紙105の膨潤により転写紙105と画像形成物質との接着力が弱められる。
【0056】
剥離・移動ユニット(剥離手段)U3は、図2に示すように、搬送ローラ301,302,303,304と搬送ローラ305,306,307,308,309、搬送ローラ301,302と搬送ローラ305,306の間にジグザグ状態に配設された複数の加圧ローラ310〜319、加圧ローラ320〜328、シート状の剥離ベルト329、シート状のシールベルト330、スパイラルローラ331および画像形成物質受け容器332等を備えており、加圧ローラ310〜319および加圧ローラ320〜328は、図示しないが加熱ヒータを内蔵している。
【0057】
剥離ベルト(剥離部材)329は所定の幅、例えば各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙105上の画像形成物質を剥離・転写させるに十分な幅を有した無端状に形成され、搬送ローラ305〜309に張り渡されているとともに、ジグザグ状に配設された各加圧ローラ310〜328をジグザグ状に縫うように配設されている。
また、シールベルト330は、転写紙105を剥離ベルト329との間に挟持して、転写紙105上の画像形成物質を剥離ベルト329に剥離・転写させるのに十分な幅を有した無端状に形成され、搬送ローラ301〜304に張り渡されているとともに、各加圧ローラ310〜328をジグザグに縫うように配設されている。
【0058】
したがって、剥離ベルト329とシールベルト330とは、搬送ローラ301と搬送ローラ305の当接位置で密着一体化され、この密着一体化された状態でジグザグ状に配設された加圧ローラ310〜328の間をジグザグに移動して、搬送ローラ302と搬送ローラ306の当接位置で分離した後、それぞれ搬送ローラ307,308,309および搬送ローラ303,304を介して搬送ローラ305および搬送ローラ301へ循環走行する。
【0059】
シールベルト(シール部材)330は、被記録材である転写紙105に画像が片面のみに形成されている場合や、画像が両面に形成されている場合においても、片面ずつ画像形成物質を除去するのに用いられる。シールベルト330は、剥離ベルト329と密着一体化して転写紙105を挟持するためのものであり、該ベルトには画像形成物質を転写させる必要がないため、画像形成物質との接着性を必要としない点以外は、剥離ベルト329と同様の特性を有していることが望ましい。
【0060】
搬送ローラ301〜304および搬送ローラ305〜309は、図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト329とシールベルト330を、加圧ローラ310〜319および加圧ローラ320〜328の間をジグザグ状に縫うように、かつ、図2に矢印で示すように、図2中左から右方向に走行させる。
【0061】
加圧ローラ310〜319および加圧ローラ320〜328は、上述のように加熱ヒータを内蔵しており、加熱ヒータにより所定温度に加熱されて、剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟持して搬送する転写紙105を加熱する。この場合の加熱温度は、画像形成物質の物性によるが、例えばモノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好ましくは80℃〜120℃である。
【0062】
すなわち、画像形成物質は熱可塑性あるいは熱溶融性であるが、画像形成物質が溶融してしまうと、転写紙105上の画像形成物質を転写紙105側と剥離ベルト329側とに分断することなく剥離ベルト329側へ転写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎるとジグザグ搬送路を通過中に転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画像形成物質を介して剥離ベルト329に貼り付いてしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
したがって、加熱部通過後の転写紙105に多少の湿り気が残っていて、画像形成物質の再付着を防止できる程度に加熱することが望ましく、具体的には上記例の温度が好適である。
【0063】
剥離ベルト329とシールベルト330により右端の搬送ローラ302と搬送ローラ306に搬送されてきた転写紙105は、図示しない分離爪により剥離ベルト329およびシールベルト330から分離されて、図1に示す後処理ユニットU4に送り出される。
【0064】
スパイラルローラ331は、剥離ベルト329に当接して剥離ベルト329に転写された画像形成物質を掻き落として剥離ベルト329をクリーニングする。このスパイラルローラ331の下方に、画像形成物質受け容器332が配設されており、スパイラルローラ331により掻き落とされた画像形成物質が画像形成物質受け容器332内に収納される。
【0065】
上記液付与ユニットU2で画像除去促進液212が付与され、画像形成物質と転写紙105との接着力が弱められた転写紙105は、搬送ローラ301と搬送ローラ305の間から剥離ベルト329とシールベルト330の間に挿入され、剥離ベルト329とシールベルト330の間に挟持される。画像形成物質の形成された転写紙105は、剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト329の接着力により剥離ベルト329に所定の接着力で接着された状態でジグザグ状に搬送され、ジグザグ状に搬送される間に加圧ローラ310〜328に内蔵された加熱ランプにより加熱されつつ、転写紙105と剥離ベルトとが相対変位する。
【0066】
転写紙105の画像形成物質は、加熱されることにより軟化し、この状態で剥離ベルト329とシールベルト330に加圧されつつ、ジグザグ状に搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト329との間に剪断力が発生して、この剪断力により転写紙105から画像形成物質が剥離し、剥離ベルト329に剥離・転写されて、画像形成物質の除去された転写紙105が搬送ローラ302と搬送ローラ306の間から、図2に矢印で示すように、後処理ユニットU4に送り出される。
【0067】
後処理ユニットU4は、図3に詳細に示すように、一対のレジストローラ401、ガイド板402、補給液容器403、液自動補給機404、液容器405、液汲み上げローラ406、液塗布ローラ407、押さえローラ408、搬送ベルト409、駆動ローラ410およびガイド板411等を備えており、補給液容器403と液自動補給機404、および液自動補給機404と液容器405は、それぞれパイプ412,413により接続されている。
【0068】
補給液容器403および液容器405内には、後処理液414が収納されており、液容器405には、図示しないが液量センサーが設けられている。液自動補給機404は、液量センサーの検出結果に基づいて動作し、補給液容器403内の後処理液414を汲み上げて、液容器405に後処理液414を補給する。
【0069】
液汲み上げローラ406と液塗布ローラ407は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ406は、回転駆動されることにより、液容器405内の後処理液414を汲み上げて、当接する液塗布ローラ407で搾られることにより、所定量の後処理液414を液塗布ローラ407に付着させる。液塗布ローラ407は、付着した所定量の後処理液414を、押さえローラ408との間に剥離・移動ユニットU3から送られてきた転写紙105の画像形成面であった側の面に少量塗布し、後処理液414の塗布された転写紙105は、ガイド板411に案内されつつ、駆動ローラ410により駆動される搬送ベルト409により乾燥ユニットU5に送り出される。
【0070】
なお、図1および図3では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ407により後処理液414が塗布されるように示されているが、転写紙105に後処理液414を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば液塗布ローラ407を2個設けて、転写紙105の両面に後処理液414を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ407を転写紙105に必ずしも接触させて塗布する必要なく、非接触で後処理液414を付与してもよいし、液塗布ローラ407と非接触の塗布手段とを組み合わせて2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0071】
また、後処理工程後の転写紙105に紙表面を中性にする目的でさらに液を付与するときには、図示しないが後処理ユニットU4と同一構造のユニットを後処理ユニットU4と乾燥ユニットU5との間に配置し、液付与を行うようにすればよい。
【0072】
乾燥ユニットU5は、転写紙105を乾燥させるためのものであり、加熱ランプ501を内蔵した、アルミニウム等で形成された乾燥ドラム502、通気性が良く表面平滑性の高い仕上げベルト503および回転ローラ504a〜504d等を備えている。
【0073】
仕上げベルト503は、乾燥ドラム502および回転ローラ504a〜504dの外周部に沿って図1中時計方向に回転し、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dとは、いずれかが図外の駆動モータ等により回転されて、他方が仕上げベルト503により連れ回りする。なお、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dの双方を駆動モータ等により回転させるようにしてもよい。
【0074】
後処理ユニットU4から搬送されてきた転写紙105は、乾燥ドラム502と回転ローラ504aとの間から乾燥ドラム502と仕上げベルト503との間に導入され、加熱ランプ501により加熱された乾燥ドラム502により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム502と回転ローラ504dの間から紙受けユニットU6に排出される。
【0075】
このとき、仕上げベルト503は通気性が良好、かつ、表面の平滑性が高い部材で形成されているため、転写紙105が適切に乾燥されるとともに、転写紙105が仕上げベルト503に付着したり、傷ついたりすることがなく、適切に転写紙105を乾燥することができる。
なお、乾燥ユニットU5は、上記構成に限るものではなく、例えば、上記構成のものに代えて、あるいは上記構成に加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0076】
紙受けユニットU6は、ガイド部材601、排出トレー602および排出ローラ603等を備えている。乾燥ユニットU5から排出された転写紙105は、ガイド部材601により排出ローラ603に案内され、排出ローラ603は、転写紙105を排出トレー602上に排出・載置させる。
【0077】
なお、再生装置1は、図示しないが給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、再生装置1内での転写紙105のジャムの発生を検出するジャム検出手段、剥離ユニットU3の各加熱ランプおよび乾燥ユニットU5の加熱ランプ501の点灯制御手段および、画像形成物質受け容器332内が画像形成物質で満杯になったかどうかを検出する満杯検出手段等が設けられている。
【0078】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例の構成要素を組み合わせて装置化しても良い。
<トナーの処方>
下記処方にて、トナーを作製した。
ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量%
カルナウバワックス (離型剤) 4重量%
カーボンブラック (着色剤) 7重量%
【0079】
以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜140℃に熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然冷却後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体積平均粒径10μmのトナーを得た。
【0080】
<画像除去促進液の処方>
下記処方にて攪拌溶解し、画像除去促進液を調製した。ただし、本発明はこれに限るものではない。
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 10重量%
プロピレングリコール (可溶化剤) 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量%
安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 (着色剤) 残量
【0081】
実施例1
上記処方にて作製したトナーを用い、電子写真方式のPPC複写機にて市販のA4版上質紙上に画像を形成した後、図1に示す被記録材再生装置に上記画像除去促進液および下記処方の後処理液をセットし、処理速度25mm/secにて再生処理を行った。
<後処理液の処方>
塩酸 1重量%
安息香酸ナトリウム(防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 残量
【0082】
このとき、画像除去ユニットとして図2の装置においてローラ(直径:上側25mm、下側45mm)を13本に減らしたものを用いた。また、加熱温度は110℃とした。剥離部材としては、ポリエチレンテレフタレートのベルトを用いた。再生された紙には、実使用上問題になるような量のトナーは残っていなかった。このような画像形成と再生処理を10回繰り返したが、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0083】
実施例2
実施例1において、被記録材再生装置として図1の被記録材再生装置のU4とU5の間にU4と同一構成の後処理ユニットを設け、同ユニットに下記処方の後処理液をセットした以外は実施例1と同様に再生処理を行った。
<第2後処理液の処方>
炭酸ナトリウム 1重量%
安息香酸ナトリウム(防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 残量
【0084】
再生された紙には、実使用上問題となる量のトナーは残っていなかった。このような画像形成と再生処理を10回繰り返したが、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0085】
実施例3
実施例1において下記処方の後処理液をセットした以外は実施例1と同様の再生処理を行った。
<後処理液の処方>
炭酸ナトリウム 1重量%
安息香酸ナトリウム(防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 残量
【0086】
再生された紙には、実使用上問題となる量のトナーは残っていなかった。このような画像形成と再生処理を10回繰り返したが、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0087】
比較例1
実施例1において被記録材再生装置として、図1において後処理ユニットU4を除いた装置を用いた以外は、実施例1と同様の手順で画像形成と再生処理を繰り返したところ、トナーの除去は良好であったが、7回目よりトナーの紙への定着が不完全となり、10回目では画像部のトナーを指で擦ると、一部分が剥がれ落ちた。
【0088】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば下記の顕著な作用効果が得られる。
(1)請求項1の再生方法
画像除去促進液を付与して画像形成物質を除去した後の被記録材に、後処理工程において後処理液を付与し、被記録材に残存する、画像除去促進液の構成成分である界面活性剤を前記後処理液により化学変化させることで、再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性の低下を防止することができる。
【0089】
(2)請求項2の再生方法
画像除去促進液の構成成分である界面活性剤が、後処理工程において加水分解されるので、再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性低下を的確に防止することができる。
【0090】
(3)請求項3,4の再生方法
エステル構造を有する界面活性剤が、後処理液としての強酸性水溶液により加水分解されるので、再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性低下を的確に防止することができる。
【0091】
(4)請求項5,6の再生方法
エステル構造を有する界面活性剤が、後処理液としてのアルカリ性水溶液により加水分解されるので、再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性低下を的確に防止することができる。
【0092】
(5)請求項7の再生方法
第2後処理液により被記録材表面のpHを中性にするので、再生処理後の被記録材の劣化を防止することができる。
【0093】
(6)請求項8の再生方法
カルボン酸エステル構造を持つ界面活性剤は、カルボン酸エステルがアルカリで容易に加水分解されるため、再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性低下防止処理を、より効率良く行うことができる。
【0094】
(7)請求項9の再生方法
アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤は浸透性に優れ、被記録材からの画像形成物質除去工程において、被記録材と画像形成物質との界面に容易に浸透し、被記録材と画像形成物質との接着力を弱める作用が大きいので、請求項8の再生方法による効果に加えて、画像形成物質の剥離をより容易に行うことができる効果がある。
【0095】
(8)請求項10の再生方法
画像除去促進液に少なくとも、水と界面活性剤と水溶性ポリマーとが含まれ、前記界面活性剤には少なくとも、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤が含まれているので、請求項9による効果に加えて、前記水溶性ポリマーによって画像形成物質除去能力が向上し、または被記録材の再生状態が改良される効果がある。
すなわち水溶性ポリマーは、剥離部材が圧接することができないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/剥離部材の如く間接的に接触することができ、その粘着力によって皮膜状画像を、紙質を傷めることなく剥離することができる。
【0096】
(9)請求項11,12の再生方法
請求項11に記載の後処理液を用いることにより、被記録材に残存する界面活性剤の加水分解処理を的確に行うことができる。また、請求項12に記載の第2後処理液を使用することで、請求項7に記載の中和処理を能率良く行うことができる。
【0097】
(10)請求項13の被記録材(再生被記録材)
再利用時の被記録材に対する画像形成物質の定着性が良好であるため、未使用の被記録材と同等に優れた定着性を有する複写画像や印刷画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材再生装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の装置における剥離・移動ユニットの構成を示す詳細説明図である。
【図3】図1の装置における後処理ユニットの構成を示す詳細説明図である。
【符号の説明】
1 再生装置
U1 給紙ユニット
U2 液付与ユニット
U3 剥離・移動ユニット
U4 後処理ユニット
U5 乾燥ユニット
U6 紙受けユニット
101 給紙ケース
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 ガイド板
105 転写紙
201 補給液容器
202 液自動補給機
203 液容器
204 液汲み上げローラ
205 液塗布ローラ
206 押さえローラ
207 搬送ベルト
208 駆動ローラ
209 ガイド板
210,211 パイプ
212 画像除去促進液
301〜309 搬送ローラ
310〜328 加圧ローラ
329 剥離ベルト
330 シールベルト
331 スパイラルローラ
332 画像形成物質受け容器
401 レジストローラ
402 ガイド板
403 補給液容器
404 液自動補給機
405 液容器
406 液汲み上げローラ
407 液塗布ローラ
408 押さえローラ
409 搬送ベルト
410 駆動ローラ
411 ガイド板
412,413 パイプ
414 後処理液
501 加熱ランプ
502 乾燥ドラム
503 仕上げベルト
504a〜504d 回転ローラ
601 ガイド部材
602 排紙トレー
603 排出ローラ
Claims (13)
- 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材であって、前記膨潤層上に熱可撓性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有するものに、少なくとも水と界面活性剤とを含む画像除去促進液を付与して前記画像形成物質と被記録材との接着力を弱める画像除去促進液付与工程と、画像形成物質に対して所定の接着力を有し、前記画像除去促進液付与工程により画像除去促進液の付与された被記録材の画像形成物質に接触して該画像形成物質を転写剥離させる一対の剥離部材により被記録材を挟持するか、または、前記転写剥離機能を有し前記被記録材の画像形成物質側に位置する剥離部材と、所定のシール部材とにより被記録材を挟持して、それぞれ被記録材の加熱加圧を行い、被記録材上の画像形成物質を前記剥離部材に転写剥離させる剥離工程と、画像形成物質が剥離された被記録材に後処理液を付与することにより、被記録材に残存する前記界面活性剤を化学変化させる後処理工程とを含むことを特徴とする被記録材の再生方法。
- 後処理工程における化学変化は、前記界面活性剤の加水分解反応であることを特徴とする請求項1に記載の被記録材の再生方法。
- 画像除去促進液の界面活性剤としてエステル構造を持つもの用い、後処理工程では後処理液として強酸性水溶液を使用することを特徴とする請求項2に記載の被記録材の再生方法。
- 強酸性水溶液としてpHが4以下のものを用いることを特徴とする請求項3に記載の被記録材の再生方法。
- 画像除去促進液の界面活性剤としてエステル構造を持つもの用い、後処理工程では後処理液としてアルカリ性水溶液を使用することを特徴とする請求項2に記載の被記録材の再生方法。
- アルカリ性水溶液としてpHが9以上のものを用いることを特徴とする請求項5に記載の被記録材の再生方法。
- 後処理工程後の被記録材に所定pHの第2後処理液を付与することにより、被記録材表面のpHを中性にすることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つの項に記載の被記録材の再生方法。
- 画像除去促進液の界面活性剤が、カルボン酸エステル構造を持つものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つの項に記載の被記録材の再生方法。
- 画像除去促進液の界面活性剤が、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つものであることを特徴とする請求項8に記載の被記録材の再生方法。
- 画像除去促進液は少なくとも、水と界面活性剤と水溶性ポリマーとを含有し、前記界面活性剤には少なくとも、アルキルスルホコハク酸エステル構造を持つ界面活性剤が含まれることを特徴とする請求項1に記載の被記録材の再生方法。
- 酸性の後処理液として塩酸・硫酸・硝酸・リン酸などの無機酸もしくは、カルボン酸などの有機酸の水溶液を用いるか、またはアルカリ性の後処理液として水酸化リチウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、もしくは炭酸リチウム・炭酸ナトリウム・炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の水溶液を用いることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つの項に記載の被記録材の再生方法。
- 酸性の第2後処理液として塩酸・硫酸・硝酸・リン酸などの無機酸もしくは、カルボン酸などの有機酸の水溶液を用いるか、またはアルカリ性の第2後処理液として水酸化リチウム・水酸化ナトリウム・水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、もしくは炭酸リチウム・炭酸ナトリウム・炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩の水溶液を用いることを特徴とする請求項7に記載の被記録材の再生方法。
- 少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記録材であって、前記膨潤層上に熱可撓性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有するものを、請求項1〜12のいずれか一つの項に記載の再生方法で再生したことを特徴とする被記録材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196097A JP3620765B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 被記録材の再生方法および被記録材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196097A JP3620765B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 被記録材の再生方法および被記録材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10288929A JPH10288929A (ja) | 1998-10-27 |
JP3620765B2 true JP3620765B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=14574470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11196097A Expired - Fee Related JP3620765B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 被記録材の再生方法および被記録材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3620765B2 (ja) |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP11196097A patent/JP3620765B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10288929A (ja) | 1998-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH01101576A (ja) | 複写用紙の再生方法とその装置 | |
JPH0836334A (ja) | 画像除去促進液および該画像除去促進液を用いた被記録材の再生方法 | |
JP3313886B2 (ja) | 被記録材の再生方法、再生装置および該再生方法に適した被記録材 | |
JP3620765B2 (ja) | 被記録材の再生方法および被記録材 | |
JP3585371B2 (ja) | 被記録材の再生装置 | |
JP3749598B2 (ja) | 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 | |
JP3566545B2 (ja) | 被記録材の再生方法および再生装置 | |
JPH11174919A (ja) | 被記録材の再生方法及びその方法に用いる画像除去促進液 | |
JP3501608B2 (ja) | 被記録材の再生装置及び被記録材の再生方法 | |
JP3615363B2 (ja) | 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 | |
JPH117148A (ja) | 被記録材の再生方法および該再生方法で再生された被記録材 | |
JP3613533B2 (ja) | 被記録材の再生方法に使用する画像除去促進液 | |
JP3308439B2 (ja) | 像保持体からの像形成物質除去装置 | |
JP3585716B2 (ja) | 被記録材の再生装置 | |
JP3506351B2 (ja) | 像保持体の繰り返し使用方法 | |
JPH09138520A (ja) | 画像除去促進液および該画像除去促進液を用いた被記録材の再生方法 | |
JP3753831B2 (ja) | 被記録材の再生方法及び被記録材再生装置 | |
JPH1069190A (ja) | 被記録材の再生方法、および該再生方法で用いる画像除去促進液 | |
JP3819990B2 (ja) | 像形成物質除去装置 | |
JPH09166946A (ja) | 像保持体からの像形成物質除去装置 | |
JPH10278487A (ja) | 画像除去促進液付与装置 | |
JP3466427B2 (ja) | 画像除去促進液および該画像除去促進液を用いる被記録材の再生方法 | |
JP3924349B2 (ja) | 画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材 | |
JPH09230762A (ja) | 画像除去促進液付与方法と付与装置及び被記録材の再生装置 | |
JPH1191980A (ja) | シート状ベルト搬送装置及び被記録材の再生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071126 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121126 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |