JP3924349B2 - 画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材 - Google Patents

画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材に関し、詳細には、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により形成された疎水性画像を、被記録材に伸び、シワ等を発生させることなく、被記録材から効率的に剥離除去し、また、有色の極性制御材の溶出により被記録材に残存する染着残画像濃度を低減させる画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA(Office Automation )化により、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録されるようになり、オフィスでは、この情報の記録されたプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生するが、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状である。
【0003】
これらの情報の記録された用紙は、廃棄処理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】
従来、この問題を解消して、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用する処置を施していた。
【0005】
この古紙を再生する処理では、大規模な古紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかった。
【0006】
そこで、近時、少なくとも一部がセルロース繊維を主成分とする紙質層で構成され、かつ、該紙質層に熱可塑性インキ(トナー)よりなる疎水性画像の形成されている被記録材に、水、あるいは、界面活性剤及びまたは水溶性ポリマーの水溶液などの画像除去促進液を含浸させ、疎水性画像を画像剥離部材に転写させることにより、紙質層から疎水性画像を除去する被記録材の再生方法が提案されている(特開平7−13383号公報参照)。
【0007】
また、従来、上記不具合を解消する方法として、高濃度の界面活性剤を含む水溶液からなる画像除去促進液を用い、画像が形成されている被記録材に付与する画像除去促進液の量を減らして、再生された被記録材に伸び、シワ、波打ちあるいはカール等を生じさせることなく、被記録材から画像形成物質を剥離除去する方法が提案されている(特開平7−281566号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−13383号公報記載の被記録材の再生方法にあっては、被記録材を傷めることなく、疎水性画像を除去することができるが、画像除去促進液を多く使用するため、再生された被記録材に伸び、シワ、波打ちあるいはカール等が発生するという問題があった。
【0009】
また、特開平7−281566号公報記載の被記録材の再生方法にあっては、高濃度の界面活性剤を含んだ水溶液からなる画像除去促進液を使用していたため、一部のコピーにおいては、有色の極性制御材を含む疎水性画像があり、この疎水性画像から有色材が溶出して、有色材が疎水性画像が除去されて再生された被記録材に染着残画像として残る。この染着残画像は、GRETAG製濃度計で測定して、光学濃度(OD)が、0.2〜0.15程度もある。したがって、この高濃度の界面活性剤を含んだ水溶液からなる画像除去促進液を使用して、有色の極性制御材を含む疎水性画像の形成された被記録材を再生し、再生した被記録材を利用して画像を再複写すると、複写画像の読み取りを阻害し、被記録材の再生精度が悪化するという問題があった。
【0010】
そこで、請求項1記載の発明は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去するに際して、被記録材と剥離部材を接触させる前に被記録材に付与する画像除去促進液として、有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を使用することにより、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させる画像除去促進液を提供することを目的としている。
【0012】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用することにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる画像除去促進液を提供することを目的としている。
【0013】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる画像除去促進液を提供することを目的としている。
【0014】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にすることにより、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる画像除去促進液を提供することを目的としている。
【0015】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に34添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる画像除去促進液を提供することを目的としている。
【0016】
請求項記載の発明は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与した後、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去することにより、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0018】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用することにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0019】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0020】
請求項記載の発明は、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にすることにより、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0021】
請求項10記載の発明は、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0022】
請求項11記載の発明は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与し、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去することにより、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0024】
請求項12記載の発明は、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用することにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0025】
請求項13記載の発明は、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0026】
請求項14記載の発明は、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にすることにより、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0027】
請求項15記載の発明は、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にすることにより、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去するとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像除去促進液は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去するに際して、前記被記録材と前記剥離部材を接触させる前に、被記録材に付与される画像除去促進液であって、前記画像除去促進液は、所定の水溶液または無水の有機溶液に有機酸を含有していることにより、上記目的を達成している。
【0032】
ここで、画像除去促進液の有機酸は、安全性及び防炎性等を確保するために、飛散や蒸発の少ない高沸点の化合物が好ましい。
【0033】
このような有機酸としては、グリコール酸、2−ヒドロキシ−2メチルプロピオン酸、α−ヒドロキシ吉草酸乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシエナント酸、α−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシカプリル酸、α−ヒドロキシグルタル酸、1−2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、カルホル酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、β,β−ジメチルアクリル酸、α,β−cis−ジメチルアクリル酸、α,β−trans−ジメチルアクリル酸、ギ酸ナトリウム塩、グリオキシル酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシ−iso−吉草酸、モノメチルシュウ酸、スルホ酢酸2水和物、2−ブチン酸、ピバル酸、メトキシ酢酸、アセト酢酸、クロトン酸等のモノカルボン酸及びその塩、ブチルマロン酸、2,2−ジメチルコハク酸、α−エチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、エチルマロン酸(115℃、160分)、エチルコハク酸(98℃)、グルタル酸、3−ヒドロキシグルタル酸、クエン酸1水和物、α−メチルアジピン酸、β−メチルアジピン酸、α−メチルグルタル酸、β−メチルグルタル酸、n−プロピルマロン酸、iso−プロピルマロン酸、n−プロピルコハク酸、メチルコハク酸、糖酸(サッカリック酸)、メトキシコハク酸、1−リンゴ酸、α−ケトグルタル酸、シトラコン酸、メソキサル酸、等のジカルボン酸またはトリカルボン酸等を挙げることができる。
【0034】
また、水溶液または無水の有機溶液を形成させる有機物として好ましいものの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、iso−ブチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール(シス)、シクロペンタン−1,2−ジオール(トランス)、シクロヘキサン−1,2−ジオール(シス)、シクロヘキサン−1,2−ジオール(トランス)、シクロヘキサン−1,4−ジオール(シス)、シクロヘキサン−1,4−ジオール(トランス)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
【0035】
被記録材は、少なくとも疎水性画像の形成面が画像除去促進液により膨潤する層からなっていることが好ましく、このような被記録材としては、少なくとも疎水性画像形成面がセルロース繊維を主成分とする紙質層からなる被記録材を挙げることができる。
【0036】
具体的には、セルロース繊維を主成分とする一般の複写用紙や記録用紙等の市販の紙、プラスチックフィルムの少なくとも疎水性画像形成面にセルロース繊維を主成分とする紙質層を積層したもの等を挙げることができる。
【0037】
さらに、疎水性画像としては、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法等のように熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質(静電潜像現像用乾式トナーや湿式トナー、熱溶融性インクシート、ホットメルトインク等)を用いて形成される疎水性画像が挙げられる。
【0038】
疎水性画像を形成する画像形成物質は、従来公知のように、主として樹脂成分、着色剤、極性制御材等から構成されているものである。
【0039】
樹脂成分は、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、スチレン−ブチルアクリル系共重合体樹脂、スチレン−メタクリル系共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは、これらの樹脂の2種類以上の混合体からなっており、これらの樹脂は、ガラス転移点が、55℃〜70℃、軟化点が、80℃〜140℃で、一般に水に不溶性の疎水性を示すものである。
【0040】
画像形成物質に含まれる着色剤としては、各種顔料や染料が使用され、例えば、黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト等が使用される。また、黄色着色剤としては、カドミウムイエロー、黄鉛、亜鉛黄、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、バンザーイエローG、バンザーイエロー10G、キノリンイエローレーキ、黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、ナフトールイエローS、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が使用され、赤色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ビラゾロンレッド、ウォッチングレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、バルカンファストオレンジGG、パーマネントレッドF4RH、パーマネントカーミンFB等が使用される。さらに、黄色着色剤としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー等が使用される。
【0041】
また、画像形成物質に含まれる極性制御材としては、正荷電性制御材及び負荷電性制御材がある。正荷電性制御材としては、ニグロシンベースEX、第4級アンモニウム塩、ポリアミン化合物、イミダゾール化合物が使用され、負荷電性制御材としては、クロム錯塩型アゾ染料、銅フタロシアニン系染料、クロム錯塩、亜鉛錯塩、アルミニウム錯塩、カリックスアレン化合物等が使用される。そして、上記クロム錯塩型アド染料が、画像除去促進液によって溶出しやすく、染着残画像として被記録材に残る。
【0042】
このような画像形成物質により形成された疎水性画像を被記録材から剥離除去する際に、画像除去促進液を少量付与することにより、被記録材から疎水性画像を充分に剥離除去することができ、かつ、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等が発生することを防止しつつ、染着残濃度を非常に小さくすることができる。また、再生された被記録材を用いて再び複写や記録等により画像を形成した場合には、画像の定着性が良好で、新しい未使用の被記録材を用いた場合と同様な品質の画像を得ることができる。
【0043】
すなわち、このような疎水性画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与すると、画像除去促進液に含有されている電離定数1×10-5以上の有機酸の作用により、例えば、セルロース繊維を主成分とした紙質層である被記録材と疎水性画像を形成する画像形成物質との界面に画像除去促進液が速やかに、かつ、十分に浸透する。したがって、画像除去促進液の付与量が少なくても、被記録材のセルロース繊維が画像除去促進液により速やかに膨潤して、変形し、セルロース繊維と疎水性画像との接触部位や接触面積が減少して、疎水性画像と被記録材との接着力が低下する。その結果、疎水性画像を形成する画像形成物質は、被記録材から剥離除去されやすい状態となり、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、染着残画像濃度を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質を充分に剥離除去することができる。
【0044】
画像除去促進液の被記録材への付与量としては、0.05〜0.6g/A4(A4サイズ用紙に含まれている液の重量)が好ましく、特に、0.1〜0.5g/A4が好ましい。
【0045】
すなわち、画像除去促進液の付与量が、0.05g/A4よりも少ない場合には、疎水性画像の剥離除去が不十分となり、また、0.6g/A4を超えるようになると、画像除去促進液の成分が被記録材の表面近傍に蓄積残留する量が多くなると同時に、水含有量も多くなり、再生された被記録材を複写や記録による画像形成に再利用した場合、被記録材に伸び、シワ、波打ちあるいはカール等を発生させ、また、定着性に悪影響を及ぼすようになるからである。
【0046】
上記画像除去促進液を被記録材に付与するには、例えば、被記録材の疎水性画像形成面に画像除去促進液を噴霧または塗布し、あるいは、画像除去促進液中に疎水性画像を有する被記録材を浸漬する等の方法により行うことができる。
【0047】
画像除去促進液として常温で固体である非水溶媒を用いて、画像除去促進液が常温で固体となる場合には、画像除去促進液を加熱して液体とした状態で被記録材に付与する。
【0048】
また、画像除去促進液を複数回にわたって付与する方法によると、画像除去促進液の付与量をより少なくしても、被記録材から疎水性画像を充分に剥離除去することができ、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、被記録材の再生を行うことができる。
【0049】
さらに、画像除去促進液を複数回にわたって被記録材に付与すると、被記録材の疎水性画像形成面に画像除去促進液を均一に付与することができ、画像形成物質の被記録材からの剥離除去をより効率的に行うことができる。
【0050】
上記剥離部材は、疎水性画像を形成する画像形成物質とある程度以上の接着性や耐熱性を有することが好ましく、剥離部材の材料としては、例えば、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロロオプレンゴム、シリコ−ンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物等のエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等のフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレン等のビニル系重合体、ポレブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリイミド、6、6−ナイロン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アルミニウム等の金属とその酸化物及びセラミックス材料等を用いることができる。
【0051】
上述の剥離部材の材料は、単独でも使用が可能であるが、耐久性及び剥離特性等を向上させるために、積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加えて複合して用いることもできる。
【0052】
最適な剥離部材の材料は、剥離しようとする画像形成物質の種類、画像形成物質除去プロセス条件等により選定されるべきであるが、剥離部材を繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。
【0053】
画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離部材の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル、アルマイトを挙げることができる。
【0054】
また、剥離部材は、所定の移動領域を移動するため、シート状に形成されていることが望ましい。
【0055】
なお、被記録材の表面近傍に蓄積残留する画像除去促進液の成分により、再生された被記録材が導電性を帯びて電子写真法によって被記録材に静電潜像を形成することが困難な場合や再生された被記録材に画像を形成した際に画像の定着性に悪影響を及ぼす場合などは、疎水性画像の剥離除去された被記録材の後処理として、被記録材を水または水溶液等の後処理液で後処理することにより、蓄積残留した画像除去促進液の成分を除去することが好ましい。
【0056】
このような後処理液としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類等を20重量%以下含有する水溶液を用いることができる。
【0057】
また、後処理液としては、水あるいは上記水溶液に、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸、プロピオン酸、それらの塩類及びジフェニル、オルト−フェニルフェノール、チアベンダゾール類、イマザリル等の防腐剤を添加してもよい。
【0058】
後処理液の付与量としては、水分量が、0.05〜0.2g/A4となる量が好ましく、特に、水分量が、0.08〜0.1g/A4となる量が好ましい。後処理液の付与量が上記範囲であれば、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、蓄積残留した画像除去促進液の成分を除去することができる。
【0059】
上記後処理は、例えば、水または水溶液等の後処理液を含浸させたスポンジ、布、フェルト等を被記録材の画像除去促進液成分の残留している面に接触させて回転、移動させて、後処理液を被記録材に付与し、残留成分を溶解させると同時に残留成分を除去することにより行う。
【0060】
また、後処理は、ゴム、金属、プラスチック等の塗布ローラを用いて、後処理液を被記録材に付与し、残留成分を溶解させて除去するようにしてもよい。
【0061】
さらに、後処理は、画像形成物質の剥離除去された被記録材を加熱することにより、被記録材表面の画像除去促進液の残留成分を溶融させ、画像除去促進液の残留成分を被記録材の内部に浸透させることにより、被記録材表面から画像除去促進液の残留成分を除去してもよい。
【0062】
上記構成によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去するに際して、被記録材と剥離部材を接触させる前に被記録材に付与する画像除去促進液として、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を使用しているので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0063】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記画像除去促進液は、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有していてもよい。
【0064】
ここで、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性型の界面活性剤のいずれでもよく、その具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポルエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、パーフルオロアルキル燐酸エステル類、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン類等のノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、モノあるいはジアルキルスルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、モノアルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、トリアルキル燐酸塩、モノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ビスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、トリスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル燐酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルアリールスルホン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、3−(ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチル燐酸エステル塩、カルボン酸変性ポリジメチルシロヘキサン、スルホン酸変性ポリジメチルシロキサン等のアニオン型界面活性剤、高級アルキルアミン塩、高級アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルベンゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4級アンモニウム塩、アルキル複素環第4級アンモニウム塩等のカチオン型界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0065】
このように界面活性剤とシュウ酸を含有する画像除去促進液は、次のようにして得ることができる。すなわち、画像除去促進液が水溶液の場合には、水及び水を含む有機溶液に、シュウ酸、電離定数1×10-5以上の有機酸、界面活性剤を添加して、溶解させることにより画像除去促進液を得ることができ、また、画像除去促進液が無水の有機溶液の場合には、最低限混合状態では液体状になる有機材料にシュウ酸、電離定数1×10-5以上の有機酸、界面活性剤を添加して、溶解させて液体状にさせることにより、画像除去促進液を得ることができる。
【0066】
そして、画像除去促進液の含有する有機酸は、上述のように水溶液または無水の有機溶液状であって、シュウ酸及び界面活性剤を良好に溶解するものが好ましい。
【0067】
このような界面活性剤を高濃度に含有する画像除去促進液は、被記録材に1回だけ付与してもよく、あるいは、低濃度の界面活性剤を含有する画像除去促進液を被記録材に付与した後、引き続いて高濃度の界面活性剤を含有する画像除去促進液を付与し、あるいは、高濃度の界面活性剤を含有する画像除去促進液を被記録材に付与した後、引き続いて低濃度の界面活性剤を含有する画像除去促進液を付与する等により、画像除去促進液を複数回にわたって付与してもよい。
【0068】
このような疎水性画像の形成された被記録材に、シュウ酸及び界面活性剤の溶解した画像除去促進液を付与すると、界面活性剤が有機酸、例えば、シュウ酸を含む電離定数1×10-5以上の有機酸に高濃度溶解含有されているため、その高濃度の界面活性剤の作用により、例えば、セルロース繊維を主成分とした紙質層である被記録材と疎水性画像を形成する画像形成物質との界面に画像除去促進液が速やかに、かつ、十分に浸透する。したがって、画像除去促進液の付与量が少なくても、被記録材のセルロース繊維が画像除去促進液により速やかに膨潤して、変形し、セルロース繊維と疎水性画像との接触部位や接触面積が減少して、疎水性画像と被記録材との接着力が低下する。その結果、疎水性画像を形成する画像形成物質は、被記録材から剥離除去されやすい状態となり、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を充分に剥離除去することができる。
【0069】
このシュウ酸を含有する画像除去促進液は、シュウ酸と有機酸の作用により、有色の極性制御材の溶出を、より一層少なく抑制し、染着残画像濃度のより一層小さい被記録材を再生することができる。
【0070】
上記構成によれば、画像除去促進液が、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有しているので、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0071】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していてもよい。
【0072】
ここで、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有する化合物は、被記録材から疎水性画像を形成する画像形成物質を剥離除去するのに特に優れており、画像除去促進液として好ましいものである。
【0073】
このようなスルホコハク酸アルキルエステル構造を有する化合物としては、例えば、モノあるいはジアルキルスルホコハク酸アルキルエステル塩構造を有する界面活性剤、あるいは、これら界面活性剤のカウンターイオンの交換により酸として単離したスルホコハク酸アルキルエステル構造を有する化合物等を挙げることができ、その具体例としては、例えば、スルホコハク酸ジトリデシルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジヘキシルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジシクロヘキシルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジアミルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジブチルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸イソデカノールエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸エトキシアルキルエステルナトリウム塩及び酸等が挙げられ、特に、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩及び酸、スルホコハク酸ジヘキシルエステルナトリウム塩及び酸またはスルホコハク酸ジアミルエステルナトリウム塩及び酸を挙げることができる。
【0074】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0075】
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であってもよい。
【0076】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0077】
すなわち、シュウ酸が1重量%より少ないと、有色の極性制御材の溶出を防止する能力がほとんどなく、50重量%を超える量では、界面活性剤の浸透能力を著しく阻害して画像剥離の品質が著しく劣化するからである。
【0078】
また、例えば、請求項5に記載するように、前記有機酸は、その含有量が10重量%から80重量%の間であってもよい。
【0079】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0080】
すなわち、電離定数1×10-5以上の有機酸の含有量が、10重量%より少ないと、有色の極性制御材の溶出を防止する能力がほとんどなく、80重量%を超える量では、界面活性剤の浸透能力を著しく阻害して、画像剥離の品質が著しく劣化するからである。
【0081】
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であってもよい。
【0082】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0083】
ここで、界面活性剤の含有量としては、上述のように、10〜70重量%が好ましく、特に、10〜60重量%が好ましい。すなわち、界面活性剤の含有量が、10重量%以下の場合には、疎水性画像の剥離が不十分となり、界面活性剤の含有量が、70重量%以上の場合には、画像除去促進液の粘度が高くなり、疎水性画像を形成している被記録材への付与が困難になるとともに、疎水性画像を剥離除去して再生された被記録材上に残存する界面活性剤の量が多くなって、再生された被記録材を複写や記録等の画像形成に再利用した場合、形成された画像の定着性に悪影響を与えるようになるからである。
【0084】
請求項7記載の発明の被記録材の再生方法は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に所定の画像除去促進液を付与し後、前記被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去する被記録材の再生方法であって、前記画像除去促進液は、所定の水溶液または無水の有機溶液に有機酸を含有していることにより、上記目的を達成している。
【0085】
上記構成によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与した後、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去しているので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0086】
この場合、例えば、請求項8に記載するように、前記画像除去促進液は、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有していてもよい。
【0087】
上記構成によれば、画像除去促進液として、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有するものを使用しているので、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0088】
また、例えば、請求項9に記載するように、前記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していてもよい。
【0089】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0090】
さらに、例えば、請求項10に記載するように、前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であってもよい。
【0091】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0092】
また、例えば、請求項11に記載するように、前記有機酸は、その含有が10重量%から80重量%の間であってもよい。
【0093】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0094】
さらに、例えば、請求項12に記載するように、前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であってもよい。
【0095】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0096】
請求項13記載の発明の被記録材の再生装置は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に所定の画像除去促進液を付与し、前記被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去する被記録材の再生装置であって、前記画像除去促進液は、水溶液または無水の有機溶液に有機酸を含有していることにより、上記目的を達成している。
【0097】
上記構成によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与し、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去するので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0098】
この場合、例えば、請求項14に記載するように、前記画像除去促進液は、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有していてもよい。
【0099】
上記構成によれば、画像除去促進液として、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有するものを使用しているので、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0100】
また、例えば、請求項15に記載するように、前記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していてもよい。
【0101】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0102】
さらに、例えば、請求項16に記載するように、前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であってもよい。
【0103】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0104】
また、例えば、請求項17に記載するように、前記有機酸は、その含有が10重量%から80重量%の間であってもよい。
【0105】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0106】
さらに、例えば、請求項18に記載するように、前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であってもよい。
【0107】
上記構成によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0114】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0115】
図1は、本発明の画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材の一実施の形態を適用した再生装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真複写機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等から画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に適用したものである。
【0116】
図1は、再生装置1の全体構成図であり、再生装置1は、給紙ユニットU1、液付与ユニットU2、剥離・移動ユニットU3、後処理ユニットU4、乾燥ユニットU5及び紙受けユニットU6等を備えている。
【0117】
再生装置1は、給紙ユニットU1から再生対象である被記録材を1枚ずつ液付与ユニットU2に給紙して、液付与ユニットU2で被記録材に画像除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU3で、被記録材上の画像形成物質を剥離・除去し、後処理ユニットU4で画像形成物質の剥離・除去された被記録材に後処理液を付与した後、乾燥ユニットU5で被記録材を乾燥させて、紙受けユニットU6に載置させる。
【0118】
以下、各ユニットU1〜U6について順次説明する。給紙ユニットU1は、給紙トレー101、給紙ローラ102及びガイド板103等を備えており、給紙トレー101上には、再生対象である被記録材が複数枚載置される。
【0119】
給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙トレー101上の被記録材を、最上段の被記録材から順次送り出す。
【0120】
給紙ローラ102により送り出された被記録材は、図示しない分離機構で重送紙が分離され、一枚の被記録材のみが、ガイド板103を介して液付与ユニットU2に給紙される。
【0121】
被記録材は、少なくとも疎水性画像の形成面が画像除去促進液により膨潤する層からなっている被記録材が好ましく、このような被記録材としては、少なくとも疎水性画像形成面がセルロース繊維を主成分とする紙質層からなる被記録材が挙げられる。具体的には、セルロース繊維を主成分とする一般の複写用紙や記録用紙等の市販の紙、プラスチックフィルムの少なくとも疎水性画像形成面にセルロース繊維を主成分とする紙質層を積層したもの等を挙げることができる。また、被記録材の再生方法により剥離除去するのに適した疎水性画像は、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法等のように熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質(静電潜像現像用乾式トナーや湿式トナー、熱溶融性インクシート、ホットメルトインク等)を用いて形成される疎水性画像である。
【0122】
液付与ユニットU2は、液容器201、液汲み上げローラ202、塗布ローラ203及び搬送ローラ204等を備えており、液容器201内には、画像除去促進液205が収納されている。
【0123】
液汲み上げローラ202と塗布ローラ203は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、また、塗布ローラ203と搬送ローラ204は、所定圧力で当接しつつ回転駆動される。液汲み上げローラ202は、回転駆動されることにより、液容器201内の画像除去促進液205を汲み上げて、当接する塗布ローラ203に絞られて、所定量の画像除去促進液205を塗布ローラ203に付着させる。塗布ローラ203は、付着した所定量の画像除去促進液205を、搬送ローラ204との間に給紙ユニットU1から給紙されてきた被記録材の画像形成面に、少量塗布し、画像除去促進液205の塗布された被記録材は、ガイド板103に案内されつつ、塗布ローラ203と搬送ローラ204により剥離・移動ユニットU3に送り出される。
【0124】
なお、図1では、被記録材の下側が画像形成面であり、この画像形成面に塗布ローラ203により画像除去促進液205が塗布されるように示されているが、被記録材に画像除去促進液205を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、塗布ローラ203を2個設けて、被記録材の両面に画像除去促進液205を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された被記録材の両面の画像を一度に除去することができる。また、塗布ローラ203を被記録材に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で画像除去促進液205を付与したり、あるいは、塗布ローラ203と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0125】
画像除去促進液205の付与された被記録材は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、画像除去促進液205により、画像形成物質の接着力が低下する。すなわち、画像除去促進液205は、画像が形成されている側の被記録材に付与され、被記録材は、画像除去促進液205が付与されると、表面近傍が膨潤して、画像形成物質と被記録材との膨潤量の差により、両者の間にせん断力が発生して画像形成物質と被記録材との接着力が低下する。
【0126】
画像除去促進液205としては、シュウ酸、界面活性剤及び有機酸を含む水溶液、あるいは、シュウ酸、界面活性剤及び有機酸を含む無水の有機溶液が使用される。なお、画像除去促進液205は、有機酸のみを含んだ水溶液または無水の有機溶液であってもよい。
【0127】
画像除去促進液205の含有する有機酸は、安全性及び防炎性等を確保するために、飛散や蒸発の少ない高沸点の化合物が好ましい。
【0128】
このような有機酸としては、グリコール酸、2−ヒドロキシ−2メチルプロピオン酸、α−ヒドロキシ吉草酸乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシエナント酸、α−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシカプリル酸、α−ヒドロキシグルタル酸、1−2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、カルホル酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、β,β−ジメチルアクリル酸、α,β−cis−ジメチルアクリル酸、α,β−trans−ジメチルアクリル酸、ギ酸ナトリウム塩、グリオキシル酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシ−iso−吉草酸、モノメチルシュウ酸、スルホ酢酸2水和物、2−ブチン酸、ピバル酸、メトキシ酢酸、アセト酢酸、クロトン酸等のモノカルボン酸及びその塩、ブチルマロン酸、2,2−ジメチルコハク酸、α−エチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、エチルマロン酸(115℃、160分)、エチルコハク酸(98℃)、グルタル酸、3−ヒドロキシグルタル酸、クエン酸1水和物、α−メチルアジピン酸、β−メチルアジピン酸、α−メチルグルタル酸、β−メチルグルタル酸、n−プロピルマロン酸、iso−プロピルマロン酸、n−プロピルコハク酸、メチルコハク酸、糖酸(サッカリック酸)、メトキシコハク酸、1−リンゴ酸、α−ケトグルタル酸、シトラコン酸、メソキサル酸、等のジカルボン酸またはトリカルボン酸等を挙げることができる。
【0129】
また、水溶液または無水の有機溶液を形成させる有機物として、好ましいものの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、iso−ブチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール(シス)、シクロペンタン−1,2−ジオール(トランス)、シクロヘキサン−1,2−ジオール(シス)、シクロヘキサン−1,2−ジオール(トランス)、シクロヘキサン−1,4−ジオール(シス)、シクロヘキサン−1,4−ジオール(トランス)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
【0130】
さらに、画像除去促進液205に含有される界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性型の界面活性剤のいずれでもよく、その具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポルエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、パーフルオロアルキル燐酸エステル類、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン類等のノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、モノあるいはジアルキルスルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、モノアルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、トリアルキル燐酸塩、モノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ビスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、トリスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル燐酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルアリールスルホン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、3−(ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチル燐酸エステル塩、カルボン酸変性ポリジメチルシロヘキサン、スルホン酸変性ポリジメチルシロキサン等のアニオン型界面活性剤、高級アルキルアミン塩、高級アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルベンゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4級アンモニウム塩、アルキル複素環第4級アンモニウム塩等のカチオン型界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0131】
このように界面活性剤とシュウ酸を含有する画像除去促進液205は、次のようにして得ることができる。すなわち、画像除去促進液205が水溶液の場合には、水及び水を含む有機溶液に、シュウ酸、電離定数1×10-5以上の有機酸、界面活性剤を添加して、溶解させることにより画像除去促進液205を得ることができ、また、画像除去促進液205が無水の有機溶液の場合には、最低限混合状態では液体状になる有機材料にシュウ酸、電離定数1×10-5以上の有機酸、界面活性剤を添加して、溶解させて液体状にさせることにより、画像除去促進液205を得ることができる。
【0132】
そして、この場合、画像除去促進液205の含有する有機酸は、上述のように水溶液または無水の有機溶液状であって、シュウ酸及び界面活性剤を良好に溶解するものが好ましい。
【0133】
上記画像除去促進液205の付与された被記録材は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、上述のように、被記録材の膨潤により被記録材と画像形成物質との接着力が弱められる。
【0134】
剥離・移動ユニットU3は、一対の密着化ローラ301、302、加熱ローラ303a〜303e、加圧ローラ304a〜304d、ヒータープレート305、306、一対の分離ローラ307、308、分離爪309、310、一対の搬送ローラ311、312、ガイドローラ313a〜313l、クリーニングブレード314、画像形成物質受け容器315、剥離ベルト316及びシールベルト317等を備えている。加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dは、交互にジグザグ状に配設されており、加熱ローラ303a〜303eは、図示しないが加熱ヒーターが内蔵されている。
【0135】
剥離ベルト(剥離部材)316は、所定の幅、例えば、各種サイズの被記録材を挟持して、被記録材上の画像形成物質を剥離・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成され、ガイドローラ313a〜313g及び密着化ローラ301と分離ローラ307に張り渡されているとともに、ジグザグ状に配設された各加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dをジグザグ状に縫うように、配設されている。また、シールベルト317は、被記録材を剥離ベルト316との間に挟持して、被記録材上の画像形成物質を剥離ベルト316に剥離・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成され、ガイドローラ313a、313b、313h〜313l及び密着化ローラ302と分離ローラ308に張り渡されているとともに、ジグザグ状に配設された各加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dをジグザグ状に縫うように、配設されている。したがって、剥離ベルト316とシールベルト317とは、密着化ローラ301と密着化ローラ302の当接位置で、密着一体化され、この密着一体化された状態で、ジグザグ状に配設された加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dの間をジグザグに移動して、分離ローラ307と分離ローラ308の当接位置で分離した後、それぞれガイドローラ313c〜313g及びガイドローラ313h〜313lを介して密着化ローラ301及び密着化ローラ302へ回転移動する。
【0136】
剥離ベルト316は、疎水性画像とある程度以上の接着性や耐熱性を有することが好ましく、剥離ベルト316の材料としては、例えば、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロロオブレンゴム、シリコ−ンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物等のエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等のフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレン等のビニル系重合体、ポレブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリイミド、6、6−ナイロン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アルミニウム等の金属及びその酸化物及びセラミックス材料等を用いることができる。
【0137】
上述の剥離部材の材料は、単独でも使用が可能であるが、耐久性及び剥離特性等を向上させるために、積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加て複合して用いることもできる。
【0138】
最適な剥離ベルト316の材料は、剥離しようとする画像形成物質の種類、画像形成物質除去プロセス条件等により選定されるべきであるが、剥離ベルト316を繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。
【0139】
画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離ベルト316の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル、アルマイトを挙げることができる。
【0140】
シールベルト317は、被記録材に画像が片面のみに形成されている場合や画像が両面に形成されている場合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に、用いられ、シールベルト317は、剥離ベルト316と密着一体化して、被記録材を挟持するためのものであり、画像形成物質を転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以外は、剥離ベルト316と同様の特性を有していることが望ましい。
【0141】
上記密着化ローラ301、302、加熱ローラ303a〜303e、加圧ローラ304a〜304d、分離ローラ307、308及びガイドローラ313a〜313lは、図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト316とシールベルト317を、ジグザグ状に配設された加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dの間を、図1中右から左方向に搬送・移動する。
【0142】
上記加熱ローラ303a〜303eは、加熱ヒーターを内蔵し、加熱ヒーターにより所定温度に加熱されて、剥離ベルト316とシールベルト317との間に挟持されて搬送される被記録材を加熱する。また、ヒータープレート305、306は、加熱ヒーターを内蔵し、所定温度に加熱されて、剥離ベルト316とシールベルト317との間に挟持されて搬送される被記録材を加熱する。この場合の加熱温度としては、画像形成物質を溶融させない程度の温度である。すなわち、画像形成物質は、熱可塑性あるいは熱溶融性を有しているが、画像形成物質が溶融してしまうと、被記録材上の画像形成物質を、被記録材側と剥離ベルト316側とに分断することなく、剥離ベルト316側へ転写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎると、ジグザグ搬送路を通過中に被記録材が乾燥しすぎて、被記録材が画像形成物質を介して剥離ベルト316に貼り付いてしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
【0143】
剥離ベルト316とシールベルト317により左端の分離ローラ307と分離ローラ308に搬送されてきた被記録材は、分離爪309、310により剥離ベルト316及びシールベルト317からから分離されて、後処理ユニットU4に送り出される。
【0144】
クリーニングブレード314は、剥離ベルト316に当接して、剥離ベルト316に転写された画像形成物質を掻き落して、剥離ベルト316をクリーニングする。
【0145】
このクリーニングブレード314の下方に、画像形成物質受け容器315が配設されており、クリーニングブレード314により掻き落とされた画像形成物質が画像形成物質受け容器315内に収納される。
【0146】
剥離・移動ユニットU3においては、上記液付与ユニットU2で画像除去促進液205が付与され、画像形成物質と被記録材との接着力の弱められた被記録材は、密着化ローラ301と密着化ローラ302の間から剥離ベルト316とシールベルト317の間に挿入され、剥離ベルト316とシールベルト317の間に挟持される。画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材は、剥離ベルト316とシールベルト317との間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト316の接着力により剥離ベルト316に所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ状に配設された加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dの間をジグザグ状に搬送され、ジグザグ状に搬送される間に、加熱ローラ303a〜303eに内蔵された加熱ヒーター及ヒータープレート305、306により加熱されつつ、被記録材と剥離ベルト316とが相対変位する。被記録材の画像形成物質は、加熱されることにより軟化し、この状態で剥離ベルト316とシールベルト317に加圧されつつ、ジグザグ状に搬送される間に、被記録材と剥離ベルト316との間にせん断力が発生して、このせん断力により被記録材から画像形成物質が剥離し、剥離ベルト316に剥離・転写されて、画像形成物質の除去された被記録材が分離ローラ307と分離ローラ308の間で分離爪309、310により剥離ベルト316及びシールベルト317から分離されて、搬送ローラ311及び搬送ローラ312により後処理ユニットU4に送り出される。
【0147】
なお、剥離・移動ユニットU3は、加熱ローラ303a〜303eとヒータープレート305、306により被記録材、ひいては、画像形成物質を加熱しているが、加熱方法は、これに限るものではなく、例えば、加熱ローラ303a〜303eとヒータープレート305、306のいずれか一方で加熱してもよい。
【0148】
後処理ユニットU4は、液容器401、液汲み上げローラ402、塗布ローラ403及び搬送ローラ404等を備えており、液容器401内には、後処理液405が収納されている。
【0149】
液汲み上げローラ402と塗布ローラ403は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ402は、回転駆動されることにより、液容器401内の後処理液405を汲み上げて、当接する塗布ローラ403に絞られて、所定量の後処理液405を塗布ローラ403に付着させる。塗布ローラ403は、ゴム、金属、プラスチック等、あるいは、これらの表面にスポンジ、布、フェルトが取り付けられたものが使用され、液汲み上げローラ402により付着された所定量の後処理液405を、搬送ローラ404との間に剥離・移動ユニットU3から送られてきた被記録材の画像形成面に、少量塗布する。後処理液405の塗布された被記録材は、塗布ローラ403と搬送ローラ404により乾燥ユニットU5に送り出される。
【0150】
上記後処理液405は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類等を20重量%以下含有する水溶液を用いることができる。
【0151】
また、後処理液405としては、水あるいは上記水溶液に、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸、プロピオン酸、それらの塩類及びジフェニル、オルト−フェニルフェノール、チアベンダゾール類、イマザリル等の防腐剤を添加してもよい。
【0152】
後処理液405の付与量としては、水分量が、0.05〜0.2g/A4となる量が好ましく、特に、水分量が、0.08〜0.1g/A4となる量が好ましい。後処理液405の付与量が上記範囲であれば、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、蓄積残留した画像除去促進液205の成分を除去することができる。
【0153】
なお、図1では、被記録材の下側が画像形成面であり、この画像形成面に塗布ローラ403により後処理液405が塗布されるように示されているが、被記録材に後処理液405を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、塗布ローラ403を2個設けて、被記録材の両面に後処理液405を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された被記録材の両面の画像を一度に除去することができる。また、塗布ローラ403を被記録材に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で後処理液405を付与したり、あるいは塗布ローラ403と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0154】
また、被記録材の後処理は、上記のように、後処理液を被記録材に付与するものに限るものではなく、例えば、疎水性画像の剥離除去された被記録材を加熱することにより、被記録材表面の残留成分を溶融させ、画像除去促進液の残留成分を被記録材の内部に浸透させて、被記録材表面から画像除去促進液の残留成分を除去してもよい。
【0155】
このようにすると、再生された被記録材を複写や記録による画像形成に再利用した場合に、定着性の良好な疎水性画像を形成することができる。
【0156】
上記乾燥ユニットU5は、被記録材を乾燥させるものであり、加熱ローラ501、502及び乾燥ベルト503等を備えている。
【0157】
加熱ローラ501、502は、図示しない加熱ヒーターを内蔵しており、加熱ヒーターにより加熱される。加熱ローラ501及び加熱ローラ502の少なくとも一方は、図示しないモータにより回転駆動され、乾燥ベルト503は、加熱ヒーター501と加熱ヒーター502との張り渡されて、加熱ヒーター501と加熱ヒーター502により反時計方向に回転される。乾燥ベルト503は、通気性が良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成されており、加熱ヒーター501、502により加熱されて、後処理ユニットU4から送り出されてきた被記録材を、紙受けユニットU6に搬送しつつ、被記録材の余分な水分を乾燥させる。
【0158】
このとき、乾燥ベルト503が通気性が良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成されているため、被記録材が適切に乾燥されるとともに、被記録材が乾燥ベルト503に付着したり、傷ついたりすることなく、適切に被記録材を乾燥することができる。
【0159】
なお、乾燥ユニットU5は、上記構成のものに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプ等を用いたりしてもよい。また、乾燥ユニットU5は、必ずしも必要なものではなく、通常は、必要ない。
【0160】
紙受けユニットU6は、排紙ローラ601及び排紙トレー602等を備えており、排紙ローラ601は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0161】
紙受けユニットU6は、乾燥ユニットU5から搬送されてきた被記録材を、排紙ローラ601により排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0162】
なお、再生装置1は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙トレー101に被記録材があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による被記録材の重送検出手段、被記録材の再生装置1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、剥離・移動ユニットU3の各加熱ローラ303a〜303e、ヒータープレート305、306の加熱温度制御手段、画像形成物質受け容器315内の画像形成物質が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段及び乾燥ユニットU6の加熱ローラ501、502の加熱温度制御手段等が設けられている。
【0163】
次に、再生装置1の動作について、以下、説明する。再生装置1は、被記録材に画像除去促進液205を付与して、被記録材上の画像形成物質と被記録材との接着力を弱めた状態で、一体密着化された剥離ベルト316とシールベルト317に被記録材を挟持させて、ジグザグ搬送して、被記録材上の画像形成物質を剥離ベルト316に剥離・除去して、画像形成物質の剥離された被記録材に、伸び、シワ、波打ち、カール等がなく、染着残濃度の非常に小さい被記録材を再生するところにその特徴がある。
【0164】
すなわち、再生装置1は、電源が投入され、給紙トレー101に画像形成物質により画像の形成された被記録材が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ローラ102により給紙トレー101上の被記録材を、最上段の被記録材から、順次液付与ユニットU2に送り出す。
【0165】
液付与ユニットU2は、液容器201内の画像除去促進液205を、液汲み上げローラ202により塗布ローラ203に付着して、塗布ローラ203により、搬送ローラ204との間に給紙されてきた被記録材の画像形成面に、少量塗布する。
【0166】
そして、この画像除去促進液205は、シュウ酸、界面活性剤及び有機酸を含む水溶液、あるいは、シュウ酸、界面活性剤及び有機酸を含む無水の有機溶液が使用されており、界面活性剤を高濃度に溶解含有している。したがって、画像除去促進液205の付与された被記録材は、界面活性剤の濃度が高いため、被記録材の内部にはあまり浸透せず、疎水性画像の画像面積の小さないわゆる細字画像だけでなく、画像面積の大きないわゆるベタ画像の表面にも、画像除去促進液205が適切に付着する。
【0167】
液付与ユニットU2は、画像除去促進液205を塗布した被記録材を、塗布ローラ203と搬送ローラ204により剥離・移動ユニットU3に送り出す。
【0168】
剥離・移動ユニットU3は、複数の搬送ローラ301〜304と搬送ローラ305〜309により、密着一体化した剥離ベルト316とシールベルト317を加熱ローラ303a〜303eと加圧ローラ304a〜304dによりジグザグ状に形成されたジグザグ搬送路をジグザグ状に搬送・移動させるとともに、加熱ローラ303a〜303eに内蔵された加熱ランプ及びヒータープレート305、306に内蔵された加熱ヒーターにより加熱される。
【0169】
被記録材は、剥離ベルト316とシールベルト317に密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、被記録材と剥離ベルト316とが相対変位し、被記録材と剥離ベルト316との間にせん断力が発生する。このせん断力により被記録材から画像形成物質が剥離して、剥離ベルト316に剥離・転写される。
【0170】
また、剥離ベルト316とシールベルト317に挟持された被記録材は、上述のように、画像除去促進液205が付与されると、画像除去促進液205が界面活性剤を高濃度に溶解含有しているため、画像除去促進液205が被記録材の内部にあまり浸透せず、疎水画像を形成する画像形成物質に付着する。この状態で、画像除去促進液205の付与された被記録材は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、加熱ローラ303a〜303eとヒータープレート305、306により加熱されると、画像除去促進液205が、水含有量が少なくとも、加熱されることにより液体状を保ち、疎水性画像を形成する画像形成物質の表面から浸透して、画像形成物質と被記録材との界面に到達する。したがって、加熱・加圧されると、画像形成物質と被記録材との境界に到達した画像除去促進液205により、画像形成物質と被記録材との接着力が弱められ、画像形成物質が被記録材に再接着することを抑制しつつ、被記録材上に疎水性画像を形成している画像形成物質が軟化して、剥離し易い状態となり、画像形成物質が効率的に剥離ベルト316に転写・除去される。
【0171】
また、画像除去促進液205に含有されているシュウ酸と有機酸の作用により、疎水性画像を形成している画像形成物質に含まれている有色の極性制御材の溶出が高度に抑制され、有色の極性制御材が溶出することにより被記録材に生じる染着残濃度が極端に小さく抑制される。
【0172】
上述のようにして、画像形成物質の転写・除去された被記録材は、分離爪309、310により剥離ベルト316及びシールベルト317から分離されて、搬送ローラ311及び搬送ローラ312により後処理ユニットU4に送り出されるとともに、剥離ベルト316に転写された画像形成物質は、クリーニングブレード314により掻き落とされ、画像形成物質受け容器315内に収納される。
【0173】
後処理ユニットU4は、剥離・移動ユニットU3から送り出された被記録材を、搬送ローラ404により塗布ローラ403に押し付けつつ、塗布ローラ403により被記録材に後処理液405を塗布する。すなわち、後処理ユニットU4は、液容器401内の後処理液405を、液汲み上げローラ402により塗布ローラ403に付着して、塗布ローラ403により、搬送ローラ404との間に給紙されてきた被記録材の画像形成面に、少量塗布する。
【0174】
後処理ユニットU4は、後処理液405の塗布した被記録材を、乾燥ユニットU503に送り出す。
【0175】
被記録材は、後処理液405が付与されると、被記録材の表面に残存する液付与ユニットU2により付与された画像除去促進液205の組成物を、後処理液405に溶解させ、被記録材内に浸透させることと等により、被記録材の表面から画像除去促進液205の組成物を減少させることができる。特に、後処理液405を、水分量が、0.05〜0.2g/A4となる量だけ、特に、水分量が、0.08〜0.1g/A4となる量だけ被記録材に塗布すると、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生させることなく、被記録材に蓄積残留した画像除去促進液205の成分を除去することができる。
【0176】
このようにして、後処理液405の付与された被記録材は、乾燥ユニットU5に搬送される。
【0177】
乾燥ユニットU5は、後処理ユニットU4から搬送されてきた被記録材を、加熱ローラ501及び加熱ローラ502により加熱されるとともに回転駆動される乾燥ベルト503で、被記録材の余分な水分を乾燥させつつ、被記録材を紙受けユニットU6に排出する。
【0178】
紙受けユニットU6は、乾燥ユニットU5から排出された被記録材を、排紙ローラ601により、排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0179】
このように、再生装置1は、画像形成物質により画像の形成された被記録材を、液付与ユニットU2で、水溶液または無水の有機溶液に有機酸を含有した画像除去促進液205を付与して、画像形成物質に含有されている有色の極性制御材の溶融を大幅に抑制しつつ、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めて、剥離・移動ユニットU3の密着一体化した剥離ベルト316とシールベルト317で被記録材を挟持して、ジグザグ搬送路を搬送し、被記録材に染着濃度が残留することを大幅に抑制しつつ、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離して、剥離ベルト316に転写することができ、被記録材の再生品質を向上させることができるとともに、被記録材の再生効率を向上させることができる。
【0180】
また、画像除去促進液205として、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液を使用しているので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0181】
また、画像除去促進液205として、界面活性剤とシュウ酸をさらに含有するものを使用しているので、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0182】
さらに、画像除去促進液205に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用すると、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0183】
また、画像除去促進液205に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にすると、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。すなわち、シュウ酸が1重量%より少ないと、有色の極性制御材の溶出を防止する能力がほとんどなく、50重量%を超える量では、界面活性剤の浸透能力を著しく阻害して画像剥離の品質が著しく劣化するからである。
【0184】
さらに、画像除去促進液205に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にすると、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。すなわち、電離定数1×10-5以上の有機酸の含有量が、10重量%より少ないと、有色の極性制御材の溶出を防止する能力がほとんどなく、80重量%を超える量では、界面活性剤の浸透能力を著しく阻害して、画像剥離の品質が著しく劣化するからである。
【0185】
また、画像除去促進液205に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にすると、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。すなわち、界面活性剤の含有量が、10重量%以下の場合には、疎水性画像の剥離が不十分となり、界面活性剤の含有量が、70重量%以上の場合には、画像除去促進液205の粘度が高くなり、疎水性画像を形成している被記録材への付与が困難になるとともに、疎水性画像を剥離除去して再生された被記録材上に残存する界面活性剤の量が多くなって、再生された被記録材を複写や記録等の画像形成に再利用した場合、形成された画像の定着性に悪影響を与えるようになるからである。
【0186】
〈実験例1〉
電子写真複写装置によりトナー画像をPPC複写用紙に形成し、当該トナー画像の形成されたPPC複写用紙を上記実施の形態の再生装置1を使用して、再生処理した。
【0187】
この再生装置1においては、画像除去促進液205として、グリコール酸に、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤35重量%を加熱して溶解させた後、シュウ酸5重量%を溶解させたものを使用し、剥離ベルト316、317として、ポリエーテルエーテルケトンからなるベルトを使用し、加熱ローラ303aの温度を123℃に、加熱ローラ303b〜303eの温度を93℃に設定した。上記条件の再生装置1を使用して、液付与ユニットU2で、画像除去促進液205をPPC複写用紙に0.3g/A4塗布し、剥離・移動ユニットU3で、上記画像除去促進液205を0.3g/A4付与したPPC複写用紙を、剥離ベルト316と剥離ベルト317との間に狭持させて、32mm/secの速度で搬送させ、分離ローラ307と分離ローラ308及び分離爪309と分離爪310によりPPC複写用紙を剥離ベルト316と剥離ベルト317から分離した後、後処理ユニットU4で、塗布ローラ403により水を用いた後処理液405を、0.1g/A4付与して、後処理を行った。
【0188】
上記条件で上記トナー画像の形成されたPPC複写用紙を再生処理したところ、PPC複写用紙は、トナー画像が適切に剥離除去され、紙の伸び、シワ、波打ち、カール等がなく、また、染着残濃度は、OD:0.02であった。
【0189】
上記再生されたPPC複写用紙を用いて電子写真複写機により、再度、トナー画像を形成したところ、新しい未使用のPPC複写用紙を用いてトナー画像を形成した場合と同様の定着性の良好なトナー画像を得ることができた。
【0190】
また、上記再生されたPPC複写用紙を用いて、電子写真複写機によりトナー画像を形成した後、上記再生条件で再生処理する画像形成と再生処理を5回繰り返し行ったところ、再生処理では、トナー画像の剥離除去が常に適切に行われ、紙の伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がなく、また、染着残濃度も、OD:0.02〜0.03であり、さらに、形成されたトナー画像も、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像であった。
【0191】
〈比較例〉
画像除去促進液205として、グリコール酸に、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤35重量%を加熱して溶解させたものを使用し、その他の条件は、上記実験例1と同様の条件で、上記実験例1と同様の電子写真複写機によりトナー画像を形成したPPC複写用紙を再生処理した。
【0192】
上記比較実験の条件で再生処理したPPC複写用紙は、トナー画像が剥離除去され、紙の伸び、シワ、波打ち、カール等の発生はなかったが、染着残濃度は、OD:0.1と大きかった。
【0193】
上記実験例1と比較例から、画像除去促進液205にシュウ酸5重量%を溶解させることが、染着残濃度を低下させる上で、効果があることが判明した。
【0194】
〈実験例2〉
画像除去促進液205として、水に、マロン酸20重量%、シュウ酸5重量%、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤35重量%を溶解させたものを使用し、液付与ユニットU2で、上記画像除去促進液205を0.25g/A4付与した以外の条件は、上記実験例1と同様の条件で、上記実験例1と同様の電子写真複写機によりトナー画像を形成したPPC複写用紙を再生処理した。
【0195】
上記再生処理で再生されたPPC複写用紙は、トナー画像が適切に剥離除去され、紙の伸び、シワ波打ち、カール等の発生がなく、染着濃度が、OD:0.019であった。
【0196】
この再生されたPPC複写用紙を用いて電子写真複写機により再度トナー画像を形成したところ、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様の定着性の良好なトナー画像が得られた。
【0197】
また、上記再生されたPPC複写用紙を用いて、電子写真複写機によりトナー画像を形成した後、上記再生条件で再生処理する画像形成と再生処理を5回繰り返し行ったところ、再生処理では、トナー画像の剥離除去が常に適切に行われ、紙の伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がなく、また、染着残濃度も、OD:0.02〜0.03であり、さらに、形成されたトナー画像も、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像であった。
【0198】
〈実験例3〉
画像除去促進液205として、エチレングリコールに、ジアルキルコハク酸エステル塩界面活性剤40重量%、シュウ酸20重量%、グリコール酸10重量%を加熱して溶解させたものを使用し、液付与ユニットU2で、上記画像除去促進液205を0.20g/A4付与した以外の条件は、上記実験例1と同様の条件で、上記実験例1と同様の電子写真複写機によりトナー画像を形成したPPC複写用紙を再生処理した。
【0199】
上記再生処理で再生されたPPC複写用紙は、トナー画像が適切に剥離除去され、紙の伸び、シワ波打ち、カール等の発生がなく、染着濃度が、OD:0.025であった。
【0200】
〈実験例4〉
画像除去促進液205として、水に、2−メチル−2,4−ペンタジオール10重量%、グリコール酸20重量%、シュウ酸5重量%、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤20重量%を溶解させたものを使用し、液付与ユニットU2で、上記画像除去促進液205を0.34g/A4付与した以外の条件は、上記実験例1と同様の条件で、上記実験例1と同様の電子写真複写機によりトナー画像を形成したPPC複写用紙を再生処理した。
【0201】
上記再生処理で再生されたPPC複写用紙は、トナー画像が適切に剥離除去され、紙の伸び、シワ波打ち、カール等の発生がなく、染着濃度が、OD:0.025であった。
【0202】
〈実験例5〉
画像除去促進液205として、乳酸に、クエン酸10重量%、シュウ酸5重量%、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤40重量%を溶解させたものを使用し、液付与ユニットU2で、上記画像除去促進液205を0.20g/A4付与した以外の条件は、上記実験例1と同様の条件で、上記実験例1と同様の電子写真複写機によりトナー画像を形成したPPC複写用紙を再生処理した。
【0203】
上記再生処理で再生されたPPC複写用紙は、トナー画像が適切に剥離除去され、紙の伸び、シワ波打ち、カール等の発生がなく、染着濃度が、OD:0.02であった。
【0204】
この再生されたPPC複写用紙を用いて電子写真複写機により再度トナー画像を形成したところ、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様の定着性の良好なトナー画像が得られた。
【0205】
また、上記再生されたPPC複写用紙を用いて、電子写真複写機によりトナー画像を形成した後、上記再生条件で再生処理する画像形成と再生処理を5回繰り返し行ったところ、再生処理では、トナー画像の剥離除去が常に適切に行われ、紙の伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がなく、また、染着残濃度も、OD:0.02〜0.03であり、さらに、形成されたトナー画像も、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像であった。
【0206】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0207】
なお、上記実施の形態においては、剥離・移動ユニットU3の後に、後処理ユニットU4を配設しているが、後処理ユニットU4は、必ずしも必要ではなく、剥離・移動ユニットU3で剥離除去した被記録材を直接乾燥ユニットU5に送り出してもよい。
【0208】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像除去促進液によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去するに際して、被記録材と剥離部材を接触させる前に被記録材に付与する画像除去促進液として、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を使用しているので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0210】
請求項記載の発明の画像除去促進液によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0211】
請求項記載の発明の画像除去促進液によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0212】
請求項記載の発明の画像除去促進液によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0213】
請求項記載の発明の画像除去促進液によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0214】
請求項記載の発明の被記録材の再生方法によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与した後、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去しているので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0216】
請求項記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0217】
請求項記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0218】
請求項記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0219】
請求項10記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0220】
請求項11記載の発明の被記録材の再生装置によれば、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に、有機酸を含有する所定の水溶液または無水の有機溶液からなる画像除去促進液を付与し、被記録材と剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、画像形成物質を剥離部材に転写させて、被記録材から画像形成物質を剥離除去するので、再生後の被記録材に伸び、シワ、波打ち及びカール等を発生させることなく、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材を含む画像形成物質により形成された疎水性画像の剥離除去において生ずる染着残画像濃度を減少させることができる。
【0222】
請求項12記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤として、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有しているものを使用しているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0223】
請求項13記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像除去促進液に添加するシュウ酸の含有量を1重量%から50重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0224】
請求項14記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像除去促進液に添加する有機酸の含有量を10重量%から80重量%の間にしているので、被記録材に与える損傷を抑制しつつ、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【0225】
請求項15記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像除去促進液に添加する界面活性剤の含有量を10重量%から70重量%の間にしているので、被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離除去することができるとともに、有色の極性制御材による染着残画像濃度をより一層減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材の一実施の形態を適用した再生装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 再生装置
U1 給紙ユニット
U2 液付与ユニット
U3 剥離・移動ユニット
U4 後処理ユニット
U5 乾燥ユニット
U6 紙受けユニット
101 給紙トレー
102 給紙ローラ
103 ガイド板
201 液容器
202 液汲み上げローラ
203 塗布ローラ
204 搬送ローラ
205 画像除去促進液
301、302 密着化ローラ
303a〜303e 加熱ローラ
304a〜304d 加圧ローラ
305、306 ヒータープレート
307、308 分離ローラ
309、310 分離爪
311、312 搬送ローラ
313a〜313l ガイドローラ
314 クリーニングブレード
315 画像形成物質受け容器
316 剥離ベルト
317 シールベルト
401 液容器
402 液汲み上げローラ
403 塗布ローラ
404 搬送ローラ
501、502 加熱ローラ
503 乾燥ベルト
601 排紙ローラ
602 排紙トレー

Claims (15)

  1. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去するに際して、前記被記録材と前記剥離部材を接触させる前に、被記録材に付与される画像除去促進液であって、
    前記画像除去促進液は、所定の水溶液または無水の有機溶液に有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有していることを特徴とする画像除去促進液
  2. 記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していることを特徴とする請求項記載の画像除去促進液。
  3. 前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であることを特徴とする請求項または請求項記載の画像除去促進液。
  4. 前記有機酸は、その含有量が10重量%から80重量%の間であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の画像除去促進液。
  5. 前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の画像除去促進液。
  6. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に所定の画像除去促進液を付与し後、前記被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去する被記録材の再生方法であって、
    前記画像除去促進液は、所定の水溶液または無水の有機溶液に有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有していることを特徴とする被記録材の再生方法
  7. 記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していることを特徴とする請求項記載の被記録材の再生方法。
  8. 前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であることを特徴とする請求項または請求項記載の被記録材の再生方法。
  9. 前記有機酸は、その含有が10重量%から80重量%の間であることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の被記録材の再生方法。
  10. 前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の被記録材の再生方法。
  11. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により疎水性画像の形成された被記録材に所定の画像除去促進液を付与し、前記被記録材と所定の剥離部材を加熱・加圧下で接触させ、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記被記録材から前記画像形成物質を剥離除去する被記録材の再生装置であって、
    前記画像除去促進液は、水溶液または無水の有機溶液に有機酸と界面活性剤とシュウ酸を含有していることを特徴とする被記録材の再生装置
  12. 記界面活性剤は、スルホコハク酸アルキルエステル構造を有していることを特徴とする請求項11記載の被記録材の再生装置。
  13. 前記シュウ酸は、その含有量が1重量%から50重量%の間であることを特徴とする請求項11または請求項12記載の被記録材の再生装置。
  14. 前記有機酸は、その含有が10重量%から80重量%の間であることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  15. 前記界面活性剤は、その含有量が10重量%から70重量%の間であることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の被記録材の再生装置
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