JPH1036721A - 画像除去促進液および被記録材の再生方法 - Google Patents

画像除去促進液および被記録材の再生方法

Info

Publication number
JPH1036721A
JPH1036721A JP21312896A JP21312896A JPH1036721A JP H1036721 A JPH1036721 A JP H1036721A JP 21312896 A JP21312896 A JP 21312896A JP 21312896 A JP21312896 A JP 21312896A JP H1036721 A JPH1036721 A JP H1036721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
recording material
accelerating liquid
hydrophobic
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21312896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Tanigawa
清 谷川
Tadashi Saito
忠司 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP21312896A priority Critical patent/JPH1036721A/ja
Publication of JPH1036721A publication Critical patent/JPH1036721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質に
より形成された疎水性画像を有する被記録材から疎水性
画像を十分に剥離除去することができ、再生された被記
録材に伸び、シワ、波打ち或いはカール等を発生させる
ことのない画像除去促進液、及びそれを用いる被記録材
の再生方法を提供する。 【解決手段】 非水溶媒に界面活性剤を溶解せしめてな
る非水溶液からなる画像除去促進液。熱可撓性あるいは
熱軟化性の画像形成物質により形成された疎水性画像を
有する被記録材にこの画像除去促進液を付与し、疎水性
画像と剥離部材とを加熱・加圧下で接触させ、疎水性画
像を剥離部材に転写させることにより被記録材から剥離
除去して被記録材を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可撓性あるいは
熱軟化性の画像形成物質により形成された疎水性画像を
有する被記録材から疎水性画像を剥離除去して被記録材
を再生する方法に用いる画像除去促進液、およびその画
像除去促進液を用いる被記録材の再生方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、プリンター用紙や
複写用紙が大量に使用されるようになり、紙を大量に生
産するために森林の伐採によって地球規模での環境の悪
化が問題になってきている。また、オフィスからは大量
の廃棄用紙が生じるようになり、その多くが無駄に捨て
られていた。この問題を解消し紙のリサイクルを図るた
めに、例えば特開平7−13383号公報には、少なく
とも一部がセルロース繊維を主成分とした紙質層で構成
され、かつ該紙質層に熱可撓性インキ(トナー)よりな
る疎水性画像が形成されている被記録材に水、あるいは
界面活性剤及び/または水溶性ポリマーの水溶液などの
画像除去促進液を含浸させ、疎水性画像を画像剥離部材
に転写させることにより、紙質層から疎水性画像を除去
する被記録材の再生方法が開示されている。この再生方
法は被記録材を傷めることなく疎水性画像を除去するこ
とができるため、きわめて有効な被記録材の再生方法で
あるが、画像除去促進液を多く使用するため、再生され
た被記録材に伸び、シワ、波打ち或いはカール等が発生
することがあった。
【0003】このような不具合を解消する方法として、
特開平7−281566号公報には、高濃度の界面活性
剤を含む水溶液からなる画像除去促進液を用い、画像が
形成されている被記録材に付与する画像除去促進液の量
を減らすことにより、再生された被記録材に伸び、シ
ワ、波打ち或いはカール等を発生させることなく被記録
材から画像形成物質を剥離除去することが開示されてい
る。しかしながら、この高濃度の界面活性剤を含む水溶
液からなる画像除去促進液には水分が含有されているた
め、再生された被記録材に伸び、シワ、波打ち或いはカ
ール等が発生することを十分に防止することができず、
再生された被記録材を複写や記録などの画像形成に再利
用した場合、複写装置や記録装置においてジャムなどの
発生することがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、熱可撓性あるいは熱軟化性
の画像形成物質により形成された疎水性画像を有する被
記録材から疎水性画像を十分に剥離除去することがで
き、再生された被記録材に伸び、シワ、波打ち或いはカ
ール等を発生させることのない画像除去促進液を提供す
ることにある。また、本発明の課題は、その画像除去促
進液を用いて、複写や記録などの画像形成に再利用する
のに適した被記録材を再生する被記録材の再生方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、非
水溶媒に界面活性剤を溶解せしめてなる非水溶液からな
ることを特徴とする画像除去促進液、あるい非水溶媒お
よび非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物質に界面
活性剤を溶解せしめてなる非水溶液からなることを特徴
とする画像除去促進液によって達成される。
【0006】また、本発明の上記課題は、熱可撓性ある
いは熱軟化性の画像形成物質により形成された疎水性画
像を有する被記録材に画像除去促進液を付与し、疎水性
画像と剥離部材とを加熱・加圧下で接触させ、疎水性画
像を剥離部材に転写させることにより被記録材から剥離
除去する被記録材の再生方法において、画像除去促進液
が非水溶媒に界面活性剤を溶解せしめてなる非水溶液、
あるいは画像除去促進液が非水溶媒および非水溶媒に可
溶で且つ常温で固体の有機物質に界面活性剤を溶解せし
めてなる非水溶液であることを特徴とする被記録材の再
生方法によって達成される。
【0007】本発明において、非水溶媒とは水以外の溶
媒であり、取扱いの容易性、安全性の観点から有機溶媒
の単一または混合溶媒が好ましく、界面活性剤を溶解せ
しめることができれば、常温で液体であっても固体であ
ってもよく、非水溶媒が常温で固体である場合には、加
熱溶融された非水溶媒と界面活性剤とで均一液相が形成
されるものであればよい。
【0008】非水溶媒としては、界面活性剤を高濃度で
溶解させるために、界面活性剤に対して所謂溶媒和が形
成されるものが好ましく、特に常温で固体である非水溶
媒の場合には、被記録材の再生方法における加熱下で液
体となり界面活性剤を溶解させるものが好ましい。ま
た、再生された被記録材に非水溶媒が残存した場合に、
その非水溶媒の除去を容易に行うためには、非水溶媒は
水と相溶性のあることが好ましい。さらに、非水溶媒と
しては、安全性、防災性などから飛散や蒸発の少ない高
沸点の化合物が好ましく、沸点が100℃以上の化合物
が好ましい。非水溶媒は、単独または数種類を混合して
使用することができる。
【0009】このような非水溶媒として特に好ましいも
のとしては、ヒドロキシアルキルカルボン酸、アルキル
ジオールなどを挙げることができる。ヒドロキシアルキ
ルカルボン酸としては下記一般式(1)で表されるヒド
ロキシアルキルカルボン酸が好ましく、またアルキルジ
オールとしては下記一般式(2)、(3)または(4)
で表されるアルキルジオールが好ましい。
【化1】 R1−CH(OH)−COOH (1) (式中、R1は水素原子または炭素数1〜16の炭化水
素基を表す。)
【化2】 R2−CH(OH)−(CH2)n−CH(OH)−R3 (2) (式中、R2、R3は水素原子または炭素数1〜3の炭化
水素基を表し、nは0〜10の整数を表す。)
【化3】 OH−(Cyc)−OH (3) (式中、Cycはシクロヘキサンまたはシクロペンタン
残基を表す。)
【化4】 OH−R−(Cyc)−R−OH (4) (式中、Cycはシクロヘキサンまたはシクロペンタン
残基を表し、Rはアルキレン基を表す。)
【0010】ヒドロキシアルキルカルボン酸およびアル
キルジオールの代表例を下記表1および表2に示すが、
これらに限定されるものではない。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】また、本発明において用いる界面活性剤と
しては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性型
の界面活性剤のいずれでもよく、その具体的な例として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン
アルキルソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステル類、デカグ
リセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル類、ポルエチレングリコール脂肪
酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー類、パーフルオロアルキル
燐酸エステル類、ポリオキシエチレン変性ポリジメチル
シロキサン類等のノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸
塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、モノあるいはジアルキルス
ルホ琥珀酸塩、
【0014】α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル
スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、モノア
ルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、トリアルキル燐酸
塩、モノポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、
ビスポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、トリ
スポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル燐酸塩、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルケニルアリールスルホン
酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン
酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグ
リシン塩、3−(ω−フルオロアルカノイル−N−エチ
ルアミノ)−1−プロパンスルホン酸塩、パーフルオロ
アルキルエチル燐酸エステル塩、カルボン酸変性ポリジ
メチルシロヘキサン、スルホン酸変性ポリジメチルシロ
キサン等のアニオン型界面活性剤、高級アルキルアミン
塩、高級アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルベン
ゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4級アンモニウム
塩、アルキル複素環第4級アンモニウム塩等のカチオン
型界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸等の両性界
面活性剤などを挙げることができる。
【0015】これらのうち、スルホコハク酸アルキルエ
ステル構造を有する化合物は被記録材から疎水性画像を
剥離除去するのに特に優れており、好ましいものであ
る。このような化合物としては、例えばモノまたはジア
ルキルスルホコハク酸アルキルエステル塩構造を有する
界面活性剤、あるいはこれら界面活性剤のカウンターイ
オンの交換により酸として単離したスルホコハク酸アル
キルエステル構造を有する化合物などを挙げることがで
きる。その具体例としては、例えばスルホコハク酸ジト
リデシルエステルナトリウム塩および酸、スルホコハク
酸ジオクチルエステルナトリウム塩および酸、スルホコ
ハク酸ジヘキシルエステルナトリウム塩および酸、スル
ホコハク酸ジシクロヘキシルエステルナトリウム塩およ
び酸、スルホコハク酸ジアミルエステルナトリウム塩お
よび酸、スルホコハク酸ジブチルエステルナトリウム塩
および酸、スルホコハク酸イソデカノールエステルナト
リウム塩および酸、スルホコハク酸エトキシアルキルエ
ステルナトリウム塩および酸などが挙げられ、特にスル
ホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩および酸、
スルホコハク酸ジヘキシルエステルナトリウム塩および
酸またはスルホコハク酸ジアミルエステルナトリウム塩
および酸が好ましい。
【0016】更に、本発明の画像除去促進液には、界面
活性剤をより高濃度で溶解させるために、非水溶媒に可
溶で且つ常温で固体の有機物質を含有させることができ
る。この有機物質は常温で非水溶媒に10重量%以上溶
解することが好ましい。非水溶媒に可溶で且つ常温で固
体の有機物質としては、融点が30℃乃至160℃の化
合物が好ましく、また再生された被記録材に有機物質が
残存した場合に、その有機物質を水や水溶液で溶解して
除去するために、有機物質は水溶性であることが好まし
い。
【0017】非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物
質の代表例としては以下に示すものが挙げられる。な
お、括弧内は融点を示す。すなわち、カンホル酸(10
6〜107℃)、9,10−ジヒドロキシステアリン酸
(99〜100℃)β,β−ジメチルアクリル酸(69
〜70℃)、α,β−cis−ジメチルアクリル酸(4
5℃)、α,β−trans−ジメチルアクリル酸(6
4〜65℃)、ギ酸ナトリウム塩(124℃)、グリコ
ール酸(78〜81℃)、グリオキシル酸(98℃)、
2−ヒドロキシ酪酸(41℃)、3−ヒドロキシ酪酸
(49℃)、α−ヒドロキシ−iso−吉草酸(86
℃)、モノメチルシュウ酸(37℃)、スルホ酢酸2水
和物(84〜86℃)、2−ブチン酸(78℃)、ピバ
ル酸(41℃)、メトキシ酢酸(77℃)、アセト酢酸
(37℃)、クロトン酸(71.5〜71.7℃)など
のモノカルボン酸およびその塩、ブチルマロン酸(10
1.5℃)、2,2−ジメチルコハク酸(144℃)、
α−エチルグルタル酸(60.5℃)、β−エチルグル
タル酸(73℃)、エチルマロン酸(115℃)、エチ
ルコハク酸(98℃)、グルタル酸(98〜99℃)、
3−ヒドロキシグルタル酸(95℃)、マロン酸(13
5℃)、クエン酸1水和物(100〜132℃)、α−
メチルアジピン酸(64℃)、β−メチルアジピン酸
(93〜94.5℃)、α−メチルグルタル酸(78〜
80℃)、
【0018】β−メチルグルタル酸(86〜87℃)、
n−プロピルマロン酸(96℃)、iso−プロピルマ
ロン酸(87℃)、n−プロピルコハク酸(92〜93
℃)、メチルコハク酸(111〜112℃)、糖酸(サ
ッカリック酸)(125〜126℃)、メトキシコハク
酸(88〜90℃)、l−リンゴ酸(100℃)、α−
ケトグルタル酸(115.5℃)、シトラコン酸(9
2.8〜93.8℃)、メソキサル酸(119〜120
℃)などのジカルボン酸またはトリカルボン酸、トロピ
ン(63℃)、1,10−デカンジオール(72〜73
℃)、2,3−ヘキサンジオール(60℃)、ピナコー
ル(41〜43)、2,3−ブタンジオール(34.4
℃)、2−ブチン−1,4−ジオール(58℃)、1,
6−ヘキサンジオール(42.8℃)、1,8−オクタ
ンジオール(59〜61℃)、α−ソルビトール(11
0〜112℃)などのアルコール、グリセロールジアセ
テート(40℃)、グリコリド(86〜87℃)などの
エステル、ジアセチルアセトン(49℃)、ジヒドロキ
シアセトン(83℃)、N,N′−ジメチルチオ尿素
(56〜58℃)、N,N′−ジメチル尿素(108
℃)、N−エチルチオ尿素(114℃)、N−エチル尿
素(92℃)、ヒドロキシイミノアセトン(69℃)、
N−メチルチオ尿素(120.5〜121℃)、N−メ
チル尿素(101〜102℃)、N−n−プロピル尿素
(107℃)、N,N,N′−トリメチル尿素(75.
5℃)、trans−チオアセトアルデヒド三量体(8
1℃)、cis−チオアセトアルデヒド三量体(126
℃)、ラクトアルデヒド三量体(105℃)などのケト
ン、チオケトンまたはアルデヒド、ホルミルヒドラジン
(54℃)、グリセロールジアミン(42℃)、グリシ
ンアミド(65〜67℃)、グリコールアミド(120
℃)、ヘプタノイックアミド(95〜96℃)、1,6
−ヘキサンジアミン(45〜46℃)、イミノ−ジアセ
ト−ジニトリル(78℃)、
【0019】ラクトアミド(79℃)、メチル−iso
−プロピルケトンセミカルバゾン(110〜114
℃)、オキサミン酸エチル(114〜115℃)、プロ
ピオニックアルデヒドセミカルバゾン(88〜89
℃)、プロピオンアミド(79〜80℃)、n−プロピ
ルカルバメート(60〜61℃)、ピルボアミド(12
4〜125℃)、セミカルバジド(96℃)、チオアセ
トアミド(115〜116℃)、ウレタン(49〜50
℃)、アセトアミド(82℃)、3−アミノピリジン
(65℃)、2−アミノピリジン(58℃)、ジアセト
アミド(78〜79℃)、グアニジン(50℃)、カプ
ロンアミド(101.5℃)、カルバミン酸メチル(5
8〜56℃)、カプロラクタン(69.2℃)、エチル
アミン塩酸塩(107〜108℃)、ホルムアミドオキ
シム(114℃)などのアミンまたはアミド、或いはグ
リコール酸無水物(128〜130℃)、メチルエチル
スルホン(36℃)、ピラジン(57℃)、ピラゾール
(70℃)、ピリジン塩酸塩(82℃)またはイミダゾ
ール(90℃)などが挙げられる。これらは、単独また
は数種類を混合して使用することができる。
【0020】本発明の画像除去促進液は、次のようにし
て容易に得ることができる。すなわち、非水溶媒が常温
で液体である場合には、これに界面活性剤を添加し溶解
させることにより、或いは常温で液体の非水溶媒に非水
溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物質を溶解させ、こ
れに界面活性剤を添加し溶解させることにより画像除去
促進液を得ることができる。また、非水溶媒を2種以上
用い、その内の少なくとも1種が常温で液体である場合
には、常温で液体である非水溶媒に常温で固体の非水溶
媒を溶解させた後、これに界面活性剤や非水溶媒に可溶
で且つ常温で固体の有機物質を添加し溶解させればよ
い。
【0021】非水溶媒が常温で固体である場合には、非
水溶媒を加熱溶融させ、これに界面活性剤をを添加し溶
解させることにより、或いは非水溶媒と非水溶媒に可溶
で且つ常温で固体の有機物質とを加熱溶融させ、これに
界面活性剤をを添加し溶解させることにより画像除去促
進液を得ることができる。これにより、界面活性剤を高
濃度に溶解含有する画像除去促進液を得ることができ
る。
【0022】非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物
質を用いた場合、これに界面活性剤を混合して加熱する
と、非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物質が融解
し界面活性剤を極めて高濃度に溶解させることができ
る。そして、このような画像除去促進液は非水溶媒およ
び非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物質中に界面
活性剤が高濃度に溶解含有されているため、非常に安定
な過冷却状態となり、常温に冷却しても安定な非水溶液
状態が保たれることが多い。また、非水溶媒、非水溶媒
に可溶で且つ常温で固体の有機物質、界面活性剤などが
固形物として析出する場合には、常温で液体である非水
溶媒を添加することにより常温で安定な非水溶液からな
る画像除去促進液を得ることができる。
【0023】本発明の画像除去促進液における非水溶媒
の含有量、あるいは非水溶媒と非水溶媒に可溶で且つ常
温で固体の有機物質の含有量としては、1〜99重量%
が好ましい。1重量%より少ないと界面活性剤に対して
溶媒としての作用がほとんどなく、99重量%を越える
量では界面活性剤の含有量が少なすぎ、界面活性剤の作
用がほとんど発揮されなくなる。
【0024】また、界面活性剤の含有量としては、1〜
70重量%が好ましく、特に5〜60重量%が好まし
い。界面活性剤の含有量が少ない場合には疎水性画像の
剥離が不十分となり、また多い場合には画像除去促進液
の粘度が高くなり疎水性画像を形成している被記録材へ
の付与が困難になり、また、疎水性画像を剥離除去して
再生された被記録材上に残存する界面活性剤の量が多く
なり、その結果、再生された被記録材を複写や記録など
の画像形成に再利用した場合、形成された画像の定着性
に悪影響を与えるようになる。
【0025】次に、上記本発明の画像除去促進液を用い
る被記録材の再生方法について説明する。本発明の被記
録材の再生方法は、熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形
成物質により形成された疎水性画像を有する被記録材に
画像除去促進液を付与し、疎水性画像と剥離部材とを加
熱・加圧下で接触させ、疎水性画像を剥離部材に転写さ
せることにより被記録材から剥離除去する被記録材の再
生方法において、画像除去促進液が非水溶媒に界面活性
剤を溶解せしめてなる非水溶液、あるいは画像除去促進
液が非水溶媒および非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の
有機物質に界面活性剤を溶解せしめてなる非水溶液であ
ることを特徴とする被記録材の再生方法である。
【0026】この被記録材の再生方法によって、被記録
材から疎水性画像を十分に剥離除去することができ、ま
た画像除去促進液は水を含んでいないため、再生された
被記録材に、伸び、シワ、波打ち、あるいはカール等を
発生させることなく被記録材の再生を行うことができ
る。
【0027】本発明の被記録材の再生方法における被記
録材としては、少なくとも疎水性画像形成面が画像除去
促進液により膨潤する層からなっている被記録材が好ま
しく、このような被記録材としては、少なくとも疎水性
画像形成面がセルロース繊維を主成分とする紙質層から
なる被記録材が挙げられる。さらに具体的には、セルロ
ース繊維を主成分とする一般の複写用紙や記録用紙など
の市販の紙、プラスチックフィルムの少なくとも疎水性
画像形成面にセルロース繊維を主成分とする紙質層を積
層したものなどを挙げることができる。
【0028】また、本発明の被記録材の再生方法により
剥離除去するのに適した疎水性画像としては、通常の電
子写真法、熱転写方法、ホットメルトインクを用いるイ
ンクジェット法または印刷法などのように熱可撓性ある
いは熱軟化性の画像形成物(静電潜像現像用乾式トナー
や湿式トナー、熱溶融性インクシート、ホットメルトイ
ンクなど)を用いて形成される疎水性画像が挙げられ
る。
【0029】上記ような疎水性画像を有する被記録材に
前記画像除去促進液を付与すると、非水溶媒や非水溶媒
に可溶で且つ常温で固体の有機物質中に界面活性剤が高
濃度に溶解含有されているために、その高濃度の界面活
性剤の作用により、例えば、セルロース繊維を主成分と
した紙質層である被記録材と疎水性画像との界面に画像
除去促進液が速やかに且つ十分に浸透する。その結果、
画像除去促進液の付与量が少なくても、セルロース繊維
が画像除去促進液により速やかに膨潤して変形し、セル
ロース繊維と疎水性画像との接触部位や接触面積が減少
して疎水性画像と被記録材との接着力が低下するため、
疎水性画像は被記録材から剥離除去されやすい状態とな
り、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生さ
せることなく、被記録材から疎水性画像を十分に剥離除
去することができる。
【0030】本発明における画像除去促進液の被記録材
への付与量としては、0.05〜0.6g/A4(A4
版用紙に含まれている液の重量)が好ましく、特に0.
1〜0.5g/A4が好ましい。画像除去促進液の付与
量が0.05g/A4よりも少ない場合には、疎水性画
像の剥離除去が不十分となり、また0.6g/A4を越
えるようになると画像除去促進液の成分が被記録材の表
面近傍に多量に蓄積残留するようになり、再生された被
記録材を複写や記録による画像形成に再利用した場合、
疎水性画像の定着性に悪影響を及ぼすようになる。
【0031】画像除去促進液を被記録材に付与するに
は、例えば被記録材の疎水性画像形成面に画像除去促進
液を噴霧または塗布し、あるいは画像除去促進液中に疎
水性画像を有する被記録材を浸漬する、などの方法によ
り行えばよい。常温で固体である非水溶媒を用いること
により画像除去促進液が常温で固体となる場合には、画
像除去促進液を加熱し液体とした状態で被記録材に付与
すればよい。
【0032】また、界面活性剤を高濃度に含有する画像
除去促進液を1回だけ付与してもよく、あるいは界面活
性剤が低濃度の画像除去促進液を被記録材に付与した
後、引き続いて界面活性剤が高濃度の画像除去促進液を
付与し、或いは高濃度の画像除去促進液を被記録材に付
与した後、引き続いて低濃度の画像除去促進液を付与す
る等、画像除去促進液を複数回にわたって付与してもよ
い。
【0033】画像除去促進液を複数回にわたって付与す
る方法によると、画像除去促進液の付与量をより少なく
しても、被記録材から疎水性画像を十分に剥離除去する
ことができ、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等
を発生させることなく、被記録材の再生を行なうことが
できる。さらに、画像除去促進液を複数回にわたって付
与することにより、被記録材の疎水性画像形成面に画像
除去促進液を均一に付与することができ、疎水性画像の
被記録材からの剥離除去がより容易になる利点がある。
【0034】なお、画像除去促進液の付与によって被記
録材の表面近傍に蓄積残留する画像除去促進液の成分に
より、再生された被記録材が導電性を帯び電子写真法に
よって被記録材に静電潜像を形成することが困難な場
合、再生された被記録材に画像を形成した際に画像の定
着性に悪影響を及ぼす場合などには、疎水性画像の剥離
除去された被記録材の後処理として、被記録材を水また
は水溶液などで処理することにより蓄積残留した画像除
去促進液の成分を除去することが望ましい。
【0035】水溶液としては、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のグリコール類などを20重量%以下含有する水溶
液を用いることができる。また、水または水溶液などに
は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びその塩、パラ
オキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸、プロピオン
酸、それらの塩類およびジフェニル、オルト−フェニル
フェノール、チアベンダゾール類、イマザリル等の防腐
剤を添加してもよい。この後処理における水または水溶
液などの付与量としては、水分量が0.05〜0.2g
/A4となる量が好ましく、特に水分量が0.08〜
0.1g/A4となる量が好ましい。この範囲であれ
ば、被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等を発生さ
せることなく、蓄積残留した画像除去促進液の成分を除
去することができる。
【0036】被記録材を水または水溶液などで処理する
には、例えば、水または水溶液などを含浸させたスポン
ジ、布、フェルトなどを被記録材における像除去促進液
成分の残留している面に接触させて回転、移動させ、水
または水溶液などを被記録材に付与して残留成分を溶解
させると同時に残留成分を除去するようにすればよい。
また、ゴム、金属、プラスチックなどの塗布ローラを
用いて水または水溶液などを被記録材に付与し、残留成
分を溶解させて除去するようにしてもよい。さらに、疎
水性画像の剥離除去された被記録材を加熱することによ
り被記録材表面の残留成分を溶融させ、残留成分を被記
録材の内部に浸透させることによって被記録材表面から
除去することができる。このようにすることにより、再
生された被記録材を複写や記録による画像形成に再利用
した場合に定着性の良好な疎水性画像を形成することが
できる。
【0037】次ぎに、本発明の被記録材の再生方法に用
いられる剥離部材としては、疎水性画像とある程度以上
の接着性や耐熱性を示すものが好ましく、その材料とし
ては、例えばイソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロロ
プレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、フッ素
ゴムなどの合成ゴム、天然のゴム、ビスフェノール・エ
ピクロルヒドリン縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムア
ルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹
脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂などのアミ
ノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル
樹脂、フェノール樹脂などのフェノール系熱硬化樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデ
ン等のビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
ビニル系重合体、ポレブチルアクリレート、ポリメタク
リル酸、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹
脂、ポリイミド、6,6−ナイロン、6−ナイロンなど
のポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエス
テルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミ
ドなどの熱可塑性或いは熱硬化性の合成樹脂、ニッケ
ル、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属およ
びその酸化物、セラミックス材料などが挙げられる。
【0038】これらの材料は単独でも用いられるが、積
層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウイス
カー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を
加えるなどにより複合して用いることもできる。剥離部
材は繰り返し使用することが再生コストを下げるなど種
々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐熱性
や表面の安定性が要求される。画像の除去特性及び耐久
性から特に好ましい剥離部材の例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、
ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレススチー
ル、ニッケル、アルマイト等が挙げられる。
【0039】上記のような本発明の被記録材の再生方法
により再生するのに特に適した疎水性画像を有する被記
録材は、電子写真法によりトナーを用いて形成された疎
水性画像を有する被記録材である。トナーは従来公知の
ように主として樹脂成分、着色剤、極性制御剤などから
構成されているものである。
【0040】樹脂成分は、例えば、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル
系共重合体樹脂、スチレン−ブチルアクリル系共重合体
樹脂、スチレン−メタクリル系共重合体樹脂、スチレン
−ブタジエン系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは
これらの樹脂の2種類以上の混合体から成っている。こ
れらの樹脂はガラス転移点が55〜70℃、軟化点が8
0〜140℃であり、一般に水に不溶性の疎水性を示す
ものである。
【0041】着色剤としては各種顔料や染料が使用さ
れ、例えば、黒色着色剤としてはカーボンブラック、酸
化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、フ
ェライト、マグネタイト等が、黄色着色剤としてはカド
ミウムイエロー、黄鉛、亜鉛黄、ミネラルファストイエ
ロー、ネーブルイエロー、バンザーイエローG、バンザ
ーイエロー10G、キノリンイエローレーキ、黄色酸化
鉄、ニッケルチタンイエロー、ナフトールイエローS、
ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、パー
マネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が、赤
色着色剤としては赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パー
マネントオレンジGTR、ピラゾロオレンジ、バルカン
オレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、
ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオ
レンジGK、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、パー
マネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウォッチングレッド、レーキレッドC、レーキレッ
ドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロ
ーダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカ
ーミン3B、バルカンファストオレンジGG、パーマネ
ントレッドF4RH、パーマネントカーミンFB等が、
また青色着色剤としては紺青、コバルトブルー、アルカ
リブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシア
ニンブルー等が用いられる。
【0042】極性制御材としては正荷電性制御剤および
負荷電性制御剤があり、正荷電性制御剤としてはニグロ
シンベースEX、第4級アンモニウム塩、ポリアミン化
合物、イミダゾール化合物が、また負荷電性制御剤とし
てはクロム錯塩型アゾ染料、銅フタロシアニン系染料、
クロム錯塩、亜鉛錯塩、アルミニウム錯塩、カリックス
アレン化合物等が知られている。
【0043】トナーにより形成された疎水性画像を本発
明における画像除去促進液を用いて被記録材から剥離除
去した場合、画像除去促進液を少量付与することによ
り、被記録材から疎水性画像を十分に剥離除去すること
ができ、且つ被記録材に伸び、シワ、波打ち、カール等
を発生させることがない。また再生された被記録材を用
いて再び複写や記録などによりトナー画像を形成した場
合には、トナー画像の定着性が良く、新しい未使用の被
記録材を用いた場合と同様な品質のトナー画像を得るこ
とができる。
【0044】次に、本発明の被記録材の再生方法に用い
る装置の一例について、図面により説明する。図1は被
記録材の再生装置の一例を示す概略断面図である。図1
において、熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質に
より形成された疎水性画像を有する被記録材は、給紙ト
レー1から給紙ローラ2でガイド板3、塗布ローラ7及
び搬送ローラ8に送られる。液容器4内にある画像除去
促進液5は汲み上げローラ6により汲み上げられ、塗布
ローラ7によって被記録材の疎水性画像形成面に付与さ
れる。画像除去促進液が付与された被記録材は、密着化
ローラ9、連続接触させジグザグ状に配設した複数個の
加熱ローラ13〜17と回転体18〜21、および分離
ローラ25に接して回動するベルト状部材11と、密着
化ローラ10、上記加熱ローラと回転体、および分離ロ
ーラ24に接して回動するベルト状剥離部材12との間
に挟持されて搬送される。
【0045】疎水性画像を有する被記録材は、ベルト状
剥離部材12とベルト状部材11との間に密着挟持され
て複数個の加熱ローラ13〜17および回転体18〜2
1に巻き付けられながら搬送されるため、ベルト状剥離
部材の張力によって自然に加圧され、また複数個の加熱
ローラにより加熱され、それにより疎水性画像が剥離部
材に転写される。なお、加熱はヒータ22、23によっ
て雰囲気加熱で行うこともできる。疎水性画像が剥離部
材に転写されている被記録材とベルト状剥離部材12と
は分離ローラ24、25で分離されると共に分離爪2
6、27で完全に分離される。疎水性画像が転写により
付着しているベルト状剥離部材12はクリーニングブレ
ード37でクリーニングされ、再び疎水性画像の剥離に
利用される。
【0046】クリーニングにより剥離部材から剥離され
た疎水性画像形成物質は容器38に蓄積される。一方、
分離ローラ24、25および分離爪26、27で分離さ
れた被記録材の表面にはもはや疎水性画像はない状態と
なっている。このようにして再生された被記録材は搬送
ローラ28で後処理ユニットに搬送され、後処理液容器
29内の後処理液30が、汲み上げローラ31、塗布ロ
ーラ32によって、再生された被記録材に付与される。
これにより再生された被記録材表面に付着・残存してい
る画像除去促進液成分が被記録材表面から除去される。
次いで被記録材は搬送ローラ33によって、必要ならば
乾燥ベルト34で乾燥させ(通常は乾燥させる必要は無
い)、排紙ローラ35で排紙トレー36に排紙される。
このようにして、疎水性画像が十分に剥離除去され、且
つ伸び、シワ、波打ち、カール等がなく、再び複写や記
録などに用いた場合に定着性の良い画像を形成すること
のできる被記録材が再生される。
【0047】
【作用】本発明によれば、界面活性剤を高濃度に溶解含
有する水を含まない画像除去促進液を得ることができ、
この画像除去促進液を、熱可撓性あるいは熱軟化性の画
像形成物質により形成された疎水性画像を有する被記録
材に付与し、疎水性画像と剥離部材とを加熱・加圧下で
接触させ、疎水性画像を剥離部材に転写させることによ
り被記録材から剥離除去することによって、疎水性画像
が十分に剥離除去され、且つ伸び、シワ、波打ち、カー
ル等がない被記録材を再生することができる。そして、
この再生された被記録材を複写や記録などの画像形成に
再利用した場合には、複写装置や記録装置においてジャ
ムなどを発生させることなく、定着性の良好な疎水性画
像を形成することができる。
【0048】本発明によって、疎水性画像を十分に剥離
除去することができ、且つ伸び、シワ、波打ち、カール
等がない被記録材を再生することができるのは、次のよ
うな理由によるものと考えられる。すなわち、この界面
活性剤を高濃度に溶解含有する非水溶液である画像除去
促進液を疎水性画像を有する被記録材に付与した場合、
界面活性剤の濃度が高いために、画像除去促進液は被記
録材の内部にはあまり浸透せず、疎水性画像の画像面積
の小さな所謂細字画像は勿論のこと、画像面積の大きな
所謂ベタ画像の表面にも画像除去促進液が付着する。
【0049】このような状態の被記録材の疎水性画像面
に剥離部材を密着させて加熱・加圧すると、非水溶液に
高濃度に溶解含有されている界面活性剤の作用により画
像除去促進液が疎水性画像の表面から浸透し、あるいは
非水溶媒や非水溶媒に可溶で且つ常温で固体の有機物質
が融解して液体状になり、それが界面活性剤を溶解し、
その界面活性剤の作用により画像除去促進液が疎水性画
像の表面から浸透して、疎水性画像と被記録材との界面
に到達するようになる。その結果、疎水性画像と被記録
材との接着力は弱められて、疎水性画像は容易に剥離部
材に転写され、被記録材から十分に剥離される。また、
疎水性画像が剥離除去されて再生された被記録材が常温
に冷却された場合、画像除去促進液が水を含んでいない
ため、再生された被記録材に伸び、シワ、波打ち、カー
ル等を発生させることがない。
【0050】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。
【0051】実施例1 乳酸にジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤
(商品名エアロゾルOT−100、三井サイテック社
製)を溶解させ、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩
界面活性剤(商品名エアロゾルOT−100、三井サイ
テック社製)20重量%を含有する非水溶媒溶液からな
る画像除去促進液を調製した。ついで、電子写真複写機
(RICOPY FT−6500、リコー社製)により
形成されたトナー画像を有するPPC複写用紙のトナー
画像形成面に上記画像除去促進液を、図1に示す再生装
置を用いて0.5g(A4面当り)付与した。図1に示
した再生装置において、ベルト状剥離部材12にポリエ
ーテルエーテルケトンからなるベルトを用い、加熱ロー
ラ13の温度を123℃、加熱ローラ14〜17の温度
を93℃に設定し、画像除去促進液が付与された上記P
PC複写用紙をベルト状部材11とベルト状剥離部材1
2との間に挟持させて32mm/secの速度で搬送さ
せ、分離ローラ24、25及び分離爪26、27により
PPC複写用紙をベルト状剥離部材12から分離し、塗
布ローラ32によって、水を用いた後処理液を0.1g
(A4面当り)付与して後処理を行なったところ、トナ
ー画像が剥離部材に転写されてPPC複写用紙から剥離
除去され、紙伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がな
い無地のPPC複写用紙が得られた。再生されたPPC
複写用紙を用いて電子写真複写機(RICOPY FT
−6500、リコー社製)により再びトナー画像を形成
したところ、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場
合と同様に定着性の良好なトナー画像が得られた。ま
た、再生されたPPC複写用紙を用いて、上記電子写真
複写機でトナー画像を形成した後、上記画像除去促進液
を付与し、再びトナー画像の剥離除去を行なう操作を5
回繰り返し行なったところ、常にトナー画像が十分に除
去され、紙伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がない
無地のPPC複写用紙が再生され、また新しい未使用の
複写用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像が得ら
れた。
【0052】実施例2 1,2−プロピレングリコールにジアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩界面活性剤(商品名エアロゾルOT−1
00、三井サイテック社製)を溶解させ、ジアルキルス
ルホコハク酸エステル塩界面活性剤(商品名エアロゾル
OT−100、三井サイテック社製)35重量%を含有
する非水溶媒溶液からなる画像除去促進液を調製した。
この画像除去促進液を0.3g(A4面当り)付与した
以外は実施例1と同様にしてトナー画像の剥離除去およ
び後処理を行なったところ、PPC複写用紙のトナー画
像が剥離部材に転写されてPPC複写用紙から剥離除去
され、紙伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がない無
地のPPC複写用紙が得られた。再生されたPPC複写
用紙を用いて電子写真複写機(RICOPY FT−6
500、リコー社製)により再びトナー画像を形成した
ところ、新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と
同様に定着性の良好なトナー画像が得られた。また、再
生されたPPC複写用紙を用いて、上記電子写真複写機
でトナー画像を形成した後、上記と同様に画像除去促進
液を付与し、再びトナー画像の剥離除去を行なう操作を
5回繰り返し行なったところ、常にトナー画像が十分に
除去され、紙伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がな
い無地のPPC複写用紙が再生され、また新しい未使用
の複写用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像が得
られた。
【0053】実施例3 エチレングリコールにジアルキルスルホコハク酸エステ
ル塩界面活性剤(商品名エアロゾルOT−100、三井
サイテック社製)を溶解させ、ジアルキルスルホコハク
酸エステル塩界面活性剤(商品名エアロゾルOT−10
0、三井サイテック社製)50重量%を含有する非水溶
媒溶液からなる画像除去促進液を調製した。この画像除
去促進液を0.25g(A4面当り)付与した以外は実
施例1と同様にしてトナー画像の剥離除去および後処理
を行なったところ、PPC複写用紙のトナー画像が剥離
部材に転写されてPPC複写用紙から剥離除去され、紙
伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がない無地のPP
C複写用紙が得られた。再生されたPPC複写用紙を用
いて電子写真複写機(RICOPY FT−6500、
リコー社製)により再びトナー画像を形成したところ、
新しい未使用のPPC複写用紙を用いた場合と同様に定
着性の良好なトナー画像が得られた。また、再生された
PPC複写用紙を用いて、上記電子写真複写機でトナー
画像を形成した後、上記と同様に画像除去促進液を付与
し、再びトナー画像の剥離除去を行なう操作を5回繰り
返し行なったところ、常にトナー画像が十分に除去さ
れ、紙伸び、シワ、波打ち、カール等の発生がない無地
のPPC複写用紙が再生され、また新しい未使用の複写
用紙を用いた場合と同様な品質のトナー画像が得られ
た。
【0054】実施例4 1,2−プロピレングリコールにグリコール酸を溶解
し、これにジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活
性剤(商品名エアロゾルOT−100、三井サイテック
社製)を加えて溶解させ、ジアルキルスルホコハク酸エ
ステル塩界面活性剤(商品名エアロゾルOT−100、
三井サイテック社製)35重量%およびグリコール酸2
1.6重量%を含有する非水溶媒溶液からなる画像除去
促進液を調製した。この画像除去促進液を0.34g
(A4面当り)付与した以外は実施例1と同様にしてト
ナー画像の剥離除去および後処理を行なったところ、P
PC複写用紙のトナー画像が剥離部材に転写されてPP
C複写用紙から剥離除去され、紙伸び、シワ、波打ち、
カール等の発生がない無地のPPC複写用紙が得られ
た。再生されたPPC複写用紙を用いて電子写真複写機
(RICOPY FT−6500、リコー社製)により
再びトナー画像を形成したところ、新しい未使用のPP
C複写用紙を用いた場合と同様に定着性の良好なトナー
画像が得られた。また、再生されたPPC複写用紙を用
いて、上記電子写真複写機でトナー画像を形成した後、
上記と同様に画像除去促進液を付与し、再びトナー画像
の剥離除去を行なう操作を5回繰り返し行なったとこ
ろ、常にトナー画像が十分に除去され、紙伸び、シワ、
波打ち、カール等の発生がない無地のPPC複写用紙が
再生され、また新しい未使用の複写用紙を用いた場合と
同様な品質のトナー画像が得られた。
【0055】実施例5 乳酸にパーフルオロオクタノイック酸を溶解し、これに
ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界面活性剤(商品
名エアロゾルOT−100、三井サイテック社製)を加
えて溶解させ、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩界
面活性剤(商品名エアロゾルOT−100、三井サイテ
ック社製)34.1重量%およびパーフルオロオクタノ
イック酸2.5重量%を含有する非水溶媒溶液からなる
画像除去促進液を調製した。この画像除去促進液を0.
35g(A4面当り)付与した以外は実施例1と同様に
してトナー画像の剥離除去および後処理を行なったとこ
ろ、PPC複写用紙のトナー画像が剥離部材に転写され
てPPC複写用紙から剥離除去され、紙伸び、シワ、波
打ち、カール等の発生がない無地のPPC複写用紙が得
られた。再生されたPPC複写用紙を用いて電子写真複
写機(RICOPY FT−6500、リコー社製)に
より再びトナー画像を形成したところ、新しい未使用の
PPC複写用紙を用いた場合と同様に定着性の良好なト
ナー画像が得られた。また、再生されたPPC複写用紙
を用いて、上記電子写真複写機でトナー画像を形成した
後、上記と同様に画像除去促進液を付与し、再びトナー
画像の剥離除去を行なう操作を5回繰り返し行なったと
ころ、常にトナー画像が十分に除去され、紙伸び、シ
ワ、波打ち、カール等の発生がない無地のPPC複写用
紙が再生され、また新しい未使用の複写用紙を用いた場
合と同様な品質のトナー画像が得られた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、界面活性剤を高濃度に
溶解含有する水を含まない画像除去促進液を得ることが
でき、この画像除去促進液を、熱可撓性あるいは熱軟化
性の画像形成物質により形成された疎水性画像を有する
被記録材に付与し、疎水性画像と剥離部材とを加熱・加
圧下で接触させ、疎水性画像を剥離部材に転写させるこ
とにより被記録材から剥離除去することによって、疎水
性画像が十分に剥離除去され、且つ伸び、シワ、波打
ち、カール等がない被記録材を再生することができる。
そして、この再生された被記録材を複写や記録などの画
像形成に再利用した場合には、複写装置や記録装置にお
いてジャムなどを発生させることなく、定着性の良好な
疎水性画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生方法に用いる再生装置
の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
5 画像除去促進液 6 汲み上げローラ 7 塗布ローラ 9 密着化ローラ 10 密着化ローラ 11 ベルト状部材 12 ベルト状剥離部材 13 加熱ローラ 18 回転体 24 分離ローラ 26 分離爪 30 後処理液 31 汲み上げローラ 32 塗布ローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶媒に界面活性剤を溶解せしめてな
    る非水溶液からなることを特徴とする画像除去促進液。
  2. 【請求項2】 非水溶媒がヒドロキシアルキルカルボン
    酸およびアルキルジオールから選ばれた少なくとも1種
    からなることを特徴とする請求項1記載の画像除去促進
    液。
  3. 【請求項3】 非水溶液が非水溶媒に可溶で且つ常温で
    固体の有機物質を含有することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の画像除去促進液。
  4. 【請求項4】 界面活性剤がスルホコハク酸アルキルエ
    ステル構造を有する化合物であることを特徴とすること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の画像除去促進
    液。
  5. 【請求項5】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物
    質により形成された疎水性画像を有する被記録材に画像
    除去促進液を付与し、疎水性画像と剥離部材とを加熱・
    加圧下で接触させ、疎水性画像を剥離部材に転写させる
    ことにより被記録材から剥離除去する被記録材の再生方
    法において、画像除去促進液が非水溶媒に界面活性剤を
    溶解せしめてなる非水溶液であることを特徴とする被記
    録材の再生方法。
  6. 【請求項6】 非水溶媒がヒドロキシアルキルカルボン
    酸およびアルキルジオールから選ばれた少なくとも1種
    からなることを特徴とする請求項5記載の被記録材の再
    生方法。
  7. 【請求項7】 非水溶液が非水溶媒に可溶で且つ常温で
    固体の有機物質を含有することを特徴とする請求項5ま
    たは7記載の被記録材の再生方法。
  8. 【請求項8】 界面活性剤がスルホコハク酸アルキルエ
    ステル構造を有する化合物であることを特徴とする請求
    項5、6または7記載の被記録材の再生方法。
JP21312896A 1996-07-24 1996-07-24 画像除去促進液および被記録材の再生方法 Pending JPH1036721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21312896A JPH1036721A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 画像除去促進液および被記録材の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21312896A JPH1036721A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 画像除去促進液および被記録材の再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1036721A true JPH1036721A (ja) 1998-02-10

Family

ID=16634049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21312896A Pending JPH1036721A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 画像除去促進液および被記録材の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1036721A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3454956B2 (ja) 画像保持支持体の再生方法およびその再生装置
US5689754A (en) Regenerating apparatus for recording medium
JP2004109751A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2764067B2 (ja) 像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置
JP4902249B2 (ja) 画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去するための装置
JPH1036721A (ja) 画像除去促進液および被記録材の再生方法
JP2014133956A (ja) 画像形成システム及び画像形成方法
JP3466427B2 (ja) 画像除去促進液および該画像除去促進液を用いる被記録材の再生方法
JP3501438B2 (ja) 画像除去促進液および該画像除去促進液を用いる被記録材の再生方法
JP3892506B2 (ja) 画像除去方法、被記録材の再生方法および再生装置
JPH113009A (ja) 画像除去促進液、および該画像除去促進液を用いる被記録材の再生方法と再生装置
JPH1039702A (ja) 画像除去促進液、及びそれを用いる被記録材の再生方法
JP3753831B2 (ja) 被記録材の再生方法及び被記録材再生装置
JP3924349B2 (ja) 画像除去促進液、被記録材の再生方法、被記録材の再生装置及び被記録材
JP3463725B2 (ja) 像保持体の繰り返し使用方法、および該方法に用いる像保持体の再生装置
JP3141648B2 (ja) 記録媒体の再生装置
JPH0995632A (ja) 被記録材の再生方法並びに画像除去促進液及びその製造方法
JP3566545B2 (ja) 被記録材の再生方法および再生装置
JPH0990829A (ja) 被記録材の再生方法並びに画像除去促進液及びその製造方法
JPH1173071A (ja) 被記録材の再生装置及び方法
JP3668606B2 (ja) 像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置
JPH07121068A (ja) 記録媒体の再生装置
JP4745886B2 (ja) 画像形成装置
JPH10319799A (ja) 液付与装置および、像保持体の再生装置
JP2008070713A (ja) 画像除去装置及び画像形成装置