JP3753831B2 - 被記録材の再生方法及び被記録材再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法及び被記録材再生装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は熱可塑性又は熱溶融性を備える画像形成物質から成る皮膜状の画像を有する被記録材の再生方法及び被記録材再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフィスの自動化が進むに連れ、プリンタ用紙及び複写用紙が大量に使用されるようになってきた。それに伴いオフィスから大量の使用済みプリンタ用紙及び複写用紙等の廃棄用紙が発生し、この多くが無駄に捨てられていた。これらの廃棄用紙の処分には多大の費用がかかると共に、これらの廃棄用紙の廃棄先の地域環境の悪化を招いている。また、プリンタ用紙及び複写用紙等の紙を生産するための森林伐採による地球規模の環境悪化の問題もある。
【0003】
これに対して、用紙を再利用して上記問題を解決する方法が考えられた。用紙を再利用する方法としては、例えばプリンタ用紙及び複写用紙等の一度使用した紙からインキ等を取り除き、再びすいて再生古紙として使用する方法がある。
【0004】
また、一度使用した用紙上の文字及び画像をクリーニングにより取り去り、複写処理等に再利用して上記問題を解決を図るものとして、例えば特開平4-67043号公報に掲載されたイレーサブルペーパ、特開平1-101576号公報に掲載された複写用紙の再生方法及びその装置、特開平1-101577号公報に掲載されたコピー済みフィルムの再生方法及び特開平1-297294号公報に掲載されたクリーニング方法とクリーニング装置並びに表示方法と表示装置並びに印刷方法と印刷装置がある。
【0005】
特開平4-67043号公報に掲載されたイレーサブルペーパでは、シート状支持体表面に離型処理を行ない消去可能にしている。また、特開平1-101576号公報に掲載された複写用紙の再生方法及びその装置では、熱転写方式によりトナーが付着した用紙をトナー樹脂の可溶性溶剤中に浸漬し、トナーを用紙から遊離している。また、特開平1-101577号公報に掲載されたコピー済みフィルムの再生方法では、熱転写方式によりトナーを付着したOHP用フィルムを有機溶剤からなるトナー樹脂の可溶性溶剤中に一定時間浸漬し、フィルム面を払拭して溶剤を含んで膨潤したトナー粒子をフィルム面から強制的に遊離している。また、特開平1-297294号公報に掲載されたクリーニング方法とクリーニング装置では液浸透性の悪いPETフィルム等の画像支持体上に形成した画像に熱溶融性の剥離体を重ね、加熱して剥離体を溶融した後に冷し、剥離体を支持体から剥がすことにより、画像を支持体から剥がしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一度使用した紙からインキを取り除き再生する方法では、大規模な古紙再生施設が必要となるうえ、使用済みの古紙を分別、回収及び輸送等する必要があり、手間がかかった。
【0007】
また、特開平4-67043号公報に掲載されたイレーサブルペーパは、特殊紙であり、定着性が普通紙に比べて良くない。また、特開平1-101576号公報に掲載された複写用紙の再生方法及びその装置及び特開平1-101577号公報に掲載されたコピー済みフィルムの再生方法は、有機溶剤を用いるので、公害が発生しやすいと共に引火しやすく、またその毒性に問題がある。また、特開平1-297294号公報に掲載されたクリーニング方法とクリーニング装置は、熱溶融性の剥離体とインキを固めた状態でインキを支持体から剥がすので、次にクリーニング処理をするためにインキを剥離体から落す処理が複雑であった。
【0008】
この発明はかかる短所を解消するためになされたものであり、普通紙等の被記録材に対するクリーニングを確実かつ簡単に行なうことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る被記録材の再生方法は、被記録材の画像を有する面に画像形成物質との付着力が被記録材より高い剥離部材を密着し、被記録材のもう一方の面に剥離部材と対になったシール部材を密着して剥離部材とシール部材とで被記録材を挟持して被記録材を搬送し、剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧及び加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着した後、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間を剥離部材とシール部材で挟持した被記録材を摺動させて、被記録材と画像形成物質の間にずれを発生させて、剥離部材に画像形成物質を転写し、被記録材から皮膜状の画像を形成する熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質を除去する。
【0010】
また、被記録材の再生方法は、画像形成物質との付着力が被記録材より高い一対の剥離部材で被記録材を挟持して搬送し、剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着した後、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間を各剥離部材で挟持した被記録材を摺させて、被記録材の両面の画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に転写し、被記録材の両面から皮膜状の画像を形成する熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質を除去する。
【0011】
さらに、搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下の箇所で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動して、摺動箇所の数を制限することにより被記録材の搬送に伴う抵抗を少なくして剥離部材等を安定して搬送するようにした。
【0012】
さらに、被記録材を挟持した一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材のテンションが等しくなるようにして被記録材を搬送して、剥離部材等にしわ等がよることを防止する。
【0013】
さらに、被記録材が1度以上90度以下の角度で曲がるように摺動して、被記録材を押し曲げる角度を制限することにより、搬送抵抗を少なくすると共に、押し曲げる角度を一定以上にして転写不良が発生することを防止する。
【0014】
さらに、画像形成処理前の被記録材に画像の除去を促進する画像除去促進液を塗布し、画像除去促進液を塗布した被記録材を乾燥して、被記録材と画像形成物質との付着力を事前に弱める。
【0015】
また、被記録材再生装置は、剥離部材とシール部材と搬送部と加圧部と転写部を有し、剥離部材はシート状の被記録材に皮膜状の画像を形成した熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質との付着力が被記録材より高い部材であり、シール部材は剥離部材と対になった部材であり、搬送部は被記録材の画像を有する面に剥離部材を密着し、被記録材のもう一方の面にシール部材を密着して剥離部材とシール部材とで被記録材を挟持して剥離部材を搬送し、加圧部は被記録材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着し、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を備える剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材を有し、摺動部材の凸部の間を剥離部材とシール部材で挟持した被記録材を摺動させて、画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、画像形成物質を剥離部材に転写して、被記録材から画像形成物質を除去する。
【0016】
また、被記録材再生装置は、一対の剥離部材と搬送部と加圧部と転写部を有し、剥離部材はシート状の被記録材に皮膜状の画像を形成した熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質との付着力が被記録材より高い部材であり、搬送部は一対の剥離部材で被記録材を挟持して被記録材を搬送し、加圧部は剥離部材と被記録材に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着し、転写部は搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を備える剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材を有し、摺動部材の凸部の間を各剥離部材で挟持した被記録材を摺動させて、画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に転写して、被記録材の両面から画像形成物質を除去する。
【0017】
さらに、画像除去促進液付与部は剥離部材を密着する前の被記録材に画像除去促進液を塗布する。
【0018】
さらに、上記転写部は搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下の箇所で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動する。
【0019】
さらに、上記搬送部は被記録材を挟持した一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材のテンションが等しくなるように被記録材を搬送する。
【0020】
さらに、上記転写部は被記録材が1度以上90度以下の角度で曲がるように摺動する。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明の被記録材の再生方法及び被記録材再生装置は、普通紙等の被記録材から熱可塑性又は熱溶融性を有する画像形成物質から成る画像を除去し、普通紙等の被記録材を再生するものである。ここで、上記熱可塑性又は熱溶融性を有する画像形成物質から成る画像の形成方法としては、乾式トナー及び湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク又はシートを用いた熱転写法、ホットメルトインクを用いるインクジェット法、オフセット版、凸版等を用いる印刷法等がある。上記いずれの方法においても被記録材表面に熱可塑性又は熱溶融性を有する画像形成物質からなる皮膜状の画像を形成する。ここで、皮膜状の画像とは、必ずしも被記録材の表面全体を覆っている画像である必要はなく、単に画像形成物質が被記録材内部に浸透していないこと及び染料を含有する水性インクで印刷した場合のように画像形成物質が被記録材に吸着されていない状態である画像を示す。
【0022】
被記録材再生装置は、例えば一対のベルト状の剥離部材と搬送部と加圧部と転写部を有する。剥離部材は画像形成物質との付着力が被記録材より高い部材である。搬送部は、例えば搬送ローラを備え、被記録材を剥離部材で挟持し、被記録材を剥離部材で挟持した状態で搬送する。ここで、搬送部は一対のベルト状の剥離部材で被記録材を挟持する代わりに、ベルト状の剥離部材とベルト状のシール部材とで被記録材を挟持するようにしても良い。シール部材は、剥離部材とで被記録材を挟持するためのものであるので、画像形成物質との付着力が高いものでなくとも良い。
【0023】
加圧部は剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして、画像形成物質を剥離部材に接着する。
【0024】
転写部は、例えば被記録材の搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を備える剛性体から成る摺動部材を被記録材の表裏両面に有する。転写部は、被記録材の表裏両面の摺動部材の凸部に対して一対の剥離部材で挟持した被記録材の表裏両面を交互に摺動する。一対の剥離部材で挟持した被記録材を摺動部材の凸部に対して摺動すると、剥離部材で挟持した被記録材に曲がりが生じる。曲がりが生じると、剥離部材で挟持した被記録材の中心より凸部側では圧縮応力が生じ、その反対側では引張応力が生じて、画像形成物質と被記録材との間にずれを発生し、被記録材の両面の画像形成物質が剥離部材に転写する。これにより、被記録材から画像形成物質を除去することができる。ここで、剥離部材で挟持した被記録材を摺動部材に摺動する代わりに複数のローラを用いて被記録材を複数箇所で湾曲させる方法もあるが、その方法では曲げ応力が小さく、ローラの数が少ないと転写が十分に行なわれない場合がある。転写を十分に行なうためにはローラの数を多くする必要があり、ローラの数が多くなると装置規模が大きくなる。これに対して、上記のような摺動部材を備えることにより、装置規模を小さくできる。
【0025】
なお、転写部の摺動部材は被記録材の搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下の箇所で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動するようにしても良い。ここで、2箇所以上10箇所以下の箇所で被記録材を摺動するようにしたのは、被記録材を摺動する回数が多いほど被記録材から画像形成物質を確実に分離することができるが、被記録材を安定して搬送するため及び被記録材の破損を防止するためには被記録材を摺動する回数をあまり多くできないからである。
【0026】
また、搬送部は被記録材の両面の剥離部材又は剥離部材とシール部材とのテンションが等しくなるようにして被記録材を搬送すると好ましい。これは、一方の剥離部材又はシール部材のテンションが他方に比べて高いと、テンションが低い剥離部材又はシール部材にしわができたりすることがあるからである。
【0027】
また、転写部は被記録材が1度以上90度以下の角度で曲がるように摺動すると望ましい。被記録材を1度未満の角度で曲げたのでは画像形成物質と被記録材との分離が十分に行なわれない場合があり、被記録材を90度を超える角度で曲げたのでは被記録材が破損する可能性があるからである。
【0028】
また、画像形成前又は画像形成後の被記録材に対して、例えば界面活性剤等を含む水溶液から成る画像除去促進液を塗布して、画像形成物質と被記録材とを分離しやすくしても良い。
【0029】
【実施例】
図1はこの発明の被記録材再生装置の構成図である。図に示すように、被記録材再生装置は、給紙部1、画像除去促進液付与部2、画像形成物質剥離部3、乾燥部4及び紙受部5を有する。給紙部1は給紙カセット11、給紙ローラ12及びレジストローラ対13を備える。給紙カセット11は、例えば図2に示すように熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質101から成る皮膜状の画像を有する普通紙等の被記録材10を保持する。ここで、熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質101としては、例えばポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、スチレン−アクニトリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、不飽和ポリエステル、ポリ塩酸ビニル又はシリコーン樹脂などの少なくとも一種類を含有するものがある。また、画像形成物質101が含む色材としては、無機及び有機顔料、例えばカーボンブラック、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンジンイエロー、油溶性染料等が上げられる。さらに、画像形成処理により画像形成物質には各種添加剤が含有される。また、電子写真方式の複写処理では荷電性制御材が、熱転写インクではビヒクルとして各種ワックス、及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)誘導体が加えられる。
【0030】
上記熱可塑性又は熱溶融性を有する画像形成物質による画像の形成方法としては、乾式トナー及び湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性インク又はシートを用いた熱転写法、ホットメルトインクを用いるインクジェット法、オフセット版、凸版等を用いる印刷法等がある。これらの形成方法はいずれも被記録材10上に皮膜状の画像を形成するものである。
【0031】
給紙ローラ12は給紙カセット11上に滞積した被記録材10を最上部のものから順にピックアップする。レジストローラ対13は給紙ローラ12がピックアップした被記録材10を、搬送タイミングの調整及び斜行補正をしながら、画像除去促進液付与部2に送る。
【0032】
画像除去促進液付与部2は、溶液器21、液自動補給部22、溶液受皿23、液取出ローラ24、液塗布ローラ25、押えローラ26及び搬送ベルト27を備える。溶液器21は界面活性剤等を含む水溶液から成る画像除去促進液100を蓄える。液自動補給部22は溶液受皿23内の画像除去促進液100が減ると、溶液器21に蓄えた画像除去促進液100を溶液受皿23に補給する。液取出ローラ24は下部を溶液受皿23に浸し、溶液受皿23内の画像除去促進液100を適量取り出し、当接した液塗布ローラ25に塗布する。液塗布ローラ25は押えローラ26とで被記録材10を挟み、液取出ローラ24が塗布した画像除去促進液100を被記録材10に塗布する。押えローラ26は被記録材10を液塗布ローラ25に押えつける。搬送ベルト27は、画像除去促進液100を塗布した被記録材10を画像形成物質剥離部3に向けて搬送する。
【0033】
画像形成物質剥離部3は、剥離ベルト30a,30b、搬送部31、加圧部32、転写部33、スパイラルローラ34a,34b及び画像形成物質容器35a,35bを有する。剥離ベルト30a,30bは、例えばエンドレスな剥離部材から成る。ここで、剥離ベルト31a,31bに用いる剥離部材の材料としてはイソプレンゴム、ネオプレンゴム、クロオプレンゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム及びフッ素ゴム等の合成ゴム、天然ゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物等のエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等のフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリエチレン等のビニル系共重合体、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリイミド、6−ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド等の熱可塑性又は熱硬化性の合成樹脂、ニッケル、鉄、アルミニューム等の金属及びその酸化物、Ni鋼、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の合金等がある。これらの有機高分子化合物は単独で用いても良く、酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン粒子等の添料を含有させても良い。セラミックス材料等がその例として挙げられる。これらの材料は単独でも使用が可能であるが、耐久性向上及び剥離特性を向上するために積層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加えるなどにより複合して用いいても良い。
【0034】
剥離ベルト31a,31bに用いる剥離部材の材料は剥離する画像形成物質の種類及び画像形成物質除去プロセス条件等に応じて選定することが望ましい。また、剥離ベルト31a,31bを繰り返し使用することにより再生コストを下げるために、比較的高い耐熱性及び表面の安定性が必要である。これらの画像形成物質除去特性及び耐久性を満足する剥離部材としては、例えばポリエチレンテレフラレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル及びアルマイトがある。
【0035】
搬送部31は、図3に示すように画像形成物質101から成る画像を備える画像除去促進液塗布後の被記録材10を剥離ベルト30a,30bで挟持し、搬送する。ここで、搬送部31は、例えばテンションローラ31a,31b及びテンション調整バネ31c,31dを備え、テンション調整バネ31c,31dの張力により剥離ベルト30a,30bのテンションを等しくしている。
【0036】
加圧部32は、例えば加熱ランプを内蔵する加圧ローラ32a,32b,32c,32dを備える。加圧ローラ32a,32b,32c,32dは剥離ベルト31a,31bが挟持した被記録材10を表裏交互に加圧又は加圧加熱する。ここで、加圧ローラ32a,32b,32c,32dは金属ローラでも良いし、ゴム等の弾性体で覆われたローラでも良い。
【0037】
転写部33は、例えば図4に示すように被記録材10を摺動する摺動部材33a,33bを備える。摺動部材33a,33bはSUS等の金属等の剛性体から成る。摺動部材33a,33bは先端部に、例えば図5に示すように丸みを帯びていた凸部331を備え、この凸部331に対して被記録材10を摺動する。摺動部材33a,33bの先端部の凸331部が丸みを帯びているのは、摺動部材33a,33bの先端部の各凸部331が鋭角をなす場合、その部分で剥離ベルト30a,30bが摩耗し、剥離ベルト30a,30bが破断しやすくなるからである。また、摺動部材33a,33bの先端部の凸部331は剥離ベルト30a,30bが挟持した被記録材10を、図に示すように所定の角度(摺動角)θだけ押し曲げる。剥離ベルト30a,30bが挟持した被記録材10に曲がりが生じると、剥離ベルト30a,30bで挟持した被記録材10の中心より凸部331側では圧縮応力が生じ、その反対側では引っ張り応力が生じて、画像形成物質101と被記録材10との間にずれを発生し、被記録材10から画像形成物質101が剥離ベルト30a,30bに転写する。ここで、θは実験により1度以上90度以下が好ましい。被記録材10を1度未満の角度で曲げたのでは画像形成物質101と被記録材10との分離が良く行なわれず、被記録材10を90度を超える角度で押し曲げたのでは被記録材10が破損する可能性があるからである。また、画像形成物質101を被記録材10から剥離するためには、被記録材10を多数回摺動することが好ましいが、被記録材10の搬送抵抗を一定以内に押えて、被記録材10を安定して搬送するためには、摺動部材33a,33bの凸部331の数は2以上10以下であることが好ましい。特に、摺動部材33a,33bの凸部の数が2以上6以下であると好ましい。また、同様な理由により、摺動部材33a,33bの各凸部331の表面の摩擦係数は0.4以下であると良い。
【0038】
また、摺動部材33a,33bの凸部331に対して、図6に示すように剥離ベルト30a,30bがそれぞれ1回ずつ摺動した際の摺動部分の長さの合計L1+L2は30mm以内であると望ましい。これ以上の長さであると、摩擦力が多き過ぎて、装置の駆動の安定性を欠く場合があるからである。
【0039】
スパイラルローラ34a,34bは、剥離ベルト33a,33bに転写した画像形成物質101を掻き落して画像形成物質容器35a,35bに入れる。
【0040】
乾燥部4は加熱ランプ41内臓の、例えばアルミニュームから成る乾燥ドラム42と通気性が良く、かつ、表面平滑性の高いベルト43を備え、画像形成物質剥離部3を経由した被記録材10を乾燥し、乾燥した被記録材10を紙受部5に排出する。また、乾燥部4は、アルミニュームから成る乾燥ドラム42と通気性が良く、かつ、表面平滑性の高いベルト43を備える代わりに、加熱ランプ41内臓のローラ対を用いたり、加熱ランプ41の代わりに熱風ファン又は赤外線ランプなどを用いても良い。
【0041】
上記構成の被記録材再生装置の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0042】
給紙部1が画像形成物質101から成る皮膜状の画像を備える被記録材10を取り出しと、画像除去促進液付与部2は、被記録材10の画像を備える面、又は、被記録材10の両面に画像除去促進液100を塗布する(ステップS1)。これにより、被記録材10の表面近傍で画像形成物質101により形成された画像と被記録材10との界面付近に水が浸透し、被記録材10と画像形成物質101との膨潤量の差から両者間の付着力が非常に弱くなり、被記録材10と画像形成物質101とが離れやすくなる。ここで、液取出ローラ24は下部を溶液受皿23に浸し、溶液受皿23内の画像除去促進液100を適量取り出し、当接した液塗布ローラ25に塗布するので、液取出ローラ24と液塗布ローラ25とで余分な画像除去促進液100は絞り取られ、適量の画像除去促進液100を被記録材10に塗布することができ、被記録材10が必要以上に濡れたりすることを防止できる。
【0043】
画像除去促進液100を塗布した被記録材10が画像形成物質剥離部3まで進むと、画像形成物質剥離部3の搬送部31は剥離ベルト30a,30bで被記録材10を挟み、被記録材10を搬送する(ステップS2)。被記録材10を剥離ベルト30a,30bで挟持するので、後の摺動の際に被記録材10が摩擦などにより、損傷することを防止できる。ここで、剥離ベルト30a,30bはテンション調整バネ31c,31dで引っ張られたローラ31a,31b等によりテンションが等しくなっているので、しわがよったりすることを防止できる。
【0044】
剥離ベルト30a,30bが挟んだ被記録材10が加圧ローラ32a,32b,32c,32dまで進むと、加圧ローラ32a,32b,32c,32dは剥離ベルト30a,30bと被記録材10とを加圧及び加熱する(ステップS3)。加熱することにより、画像形成物質101は軟化し、被記録材10から剥がれやすくなる。ここで、加圧ローラ32a,32b,32c,32dの加熱による画像形成物質101の温度は画像形成物質101の軟化点以上であり、かつ、画像形成物質101が融解しない程度が好ましい。これは、画像形成物質101が融解すると、被記録材10上の画像形成物質101を被記録材10と剥離ベルト30a,30bに分断することなく剥離ベルト30a,30b側に転写させるのが困難になるためである。例えば画像形成物質101としてモノクロトナーを用いた場合、60度Cから140度Cの範囲、特に80度Cから120度Cの範囲内まで昇温するのが好ましい。また、剥離ベルト30a,30bと被記録材10とを加圧することにより、画像形成物質101を剥離ベルト30a,30bに接着することができる。例えば画像形成物質101としてモノクロトナーを用いた場合、被記録材10に対する圧力は1Kgf/cm2以上20Kgf/cm2の範囲であることが好ましい。ここで、加圧ローラ32a,32b,32c,32dは加熱を伴わずに加圧処理だけを行なうようにしても良い。
【0045】
加圧処理又は加圧加熱処理を行なった被記録材10は摺動部材33a,33bの位置まで進むと、摺動部材33a,33bの先端部に位置する複数の凸部331に応じてその進路を所定の角度に曲げる。これにより、剥離ベルト30a,30bが挟持した被記録材10は摺動部材33a,33bに対して摺動しながら、ジグザグに進む。ここで、剥離ベルト30a,30bに挟まれた被記録材10と摺動部材33a,33bとの圧力は、例えば0.1Kgf/cm2以上5Kgf/cm2以下の範囲内であることが好ましい。被記録材10と摺動部材33a,33bとの圧力が、例えば0.1Kgf/cm2未満の場合はほとんど摩擦力が発生せず、十分な画像除去が行なわれないからである。また、被記録材10と摺動部材33a,33bとの圧力が、例えば5Kgf/cm2を超える場合は、搬送抵抗が大きくなることから被記録材10の搬送の安定性を確保できないからである。このように、被記録材10が摺動部材33a,33bに対して摺動しながらジグザグに進むことにより、画像形成物質101と被記録材10との間にずれが生じ、画像形成物質101を被記録材10から引き離すことにより、画像形成物質101を剥離ベルト30a,30bに転写することができる(ステップS4)。また、このように被記録材10が摺動部材33a,33bに対して摺動しながらジグザグに進むことにより、被記録材10の両面の画像形成物質101を同時に剥離ベルト30a,30bに転写することができる。ここで、画像形成物質101の温度が下がると、アンカー効果により、被記録材10から画像形成物質101の除去が困難になり、除去不良を起こす場合もあるので、摺動部材33a,33bがヒータを内蔵するようにして画像形成物質101の温度降下を防止するようにしても良い。
【0046】
乾燥部4は画像形成物質除去後の被記録材10を乾燥して、紙受部5に排出する(ステップS5)。このようにして画像形成物質101を被記録材10から除去するので、被記録材10を再利用することができる。
【0047】
(具体例)次に、上記のような被記録材再生装置を用いて被記録材から画像形成物質を取り除くいくつかの具体例を示す。
【0048】
具体例には以下のようにして精製したトナーA,トナーB及び画像除去促進液を用いた。
【0049】
トナーAは、最初にポリエステル樹脂(結着樹脂)、スチレンアクリル樹脂(結着樹脂)、含Crモノアゾ染料(荷電制御剤)、カルナウバワックス(離型剤)及びカーボンブラック(着色剤)をそれぞれ43重量%、43重量%、3重量%、4重量%及び7重量%の割合で混ぜたものをブレンダで10分間混合した後、120度Cから140度Cに熱した2本のロールによって、溶融混練する。溶融混練したものを自然放冷した後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた装置で微粉砕し、風力分級を用いて体積平均粒径10μmのトナーを得る。
【0050】
トナーBは、最初にポリエステル樹脂(結着樹脂)、スチレンアクリル樹脂(結着樹脂)、サリチル酸誘導体亜鉛塩(荷電制御剤)、カルナウバワックス(離型剤)及びカーボンブラック(着色剤)をそれぞれ70重量%、16重量%、3重量%、4重量%及び7重量%の割合で混ぜたものをブレンダで10分間混合した後、120度Cから140度Cに熱した2本のロールによって、溶融混練する。溶融混練したものを自然放冷した後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた装置で微粉砕し、風力分級を用いて体積平均粒径8μmのトナーを得る。
【0051】
画像除去促進液は、ジオクチルスホ琥珀酸塩(界面活性剤)、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(界面活性剤)、N−メチル−2−ピロリドン(湿潤剤)、安息香酸ナトリウム(防腐防黴剤)及び純水をそれぞれ1重量%、1重量%、0.2重量%、0.1重量%及び97.7%を撹拌溶解して得た。
【0052】
(具体例1)被記録材として市販のA4版上質紙を用い、上記トナーAを用いた電子写真方式のPPC複写機で、市販のA4版上質紙の片面に画像を形成した後、図8で示す片面だけを摺動する摺動部材33a及び4本の加圧ローラ32a,32b,32c,32dを備える構成の被記録材再生装置に、上記のようにして得た画像除去促進液をセットし、処理速度25mm/sec、加熱温度110度C、摺動部材33aの凸部により紙が受ける平均面圧2Kgf/cm2で再生処理を行なった。また、剥離ベルト30a,30bとしてはポリエーテルエーテルケトンをベルト幅340mmのベルト状にして、ベルトテンション3Kgfに設定した。このような条件で再生した紙には使用上問題となるような量のトナーは残らず、再び同じ複写機で再利用したところ、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0053】
(具体例2)市販A4版上質紙に予め上記のようにして精製した画像除去促進液を塗布し、乾燥した後、上記のようにして精製したトナーBを用いた電子写真方式のPPC複写機で、市販のA4版上質紙の片面に画像を形成した。第一の実施例と同様の条件で再生処理を行なったところ、再生した紙には使用上問題となるような量のトナーは残っておらず、再び同じ複写機で再利用したところ、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0054】
(具体例3)上記トナーAを用いた電子写真方式のPPC複写機で、専用の被記録材の片面に画像を形成した後、第一の実施例と同じ条件で再生処理を行なったところ、再生した紙には使用上問題となるような量のトナーは残っておらず、再び同じ複写機で再利用したところ、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0055】
(具体例4)上記トナーAを用いた電子写真方式のPPC複写機で市販のA4版上質紙の両面に画像を形成した後、図4に示す形状の摺動部材33a,33bにテフロンコーティグして摩擦抵抗値を低くしたもの(搬送方向の凸部の数は合計6個)を、図1で示す被記録材再生装置にセットし、処理速度20mm/sec、加熱温度110度C、摺動部材33a,33bの凸部331により紙が受ける平均面圧1.5Kgf/cm2で再生処理を行なった。また、剥離ベルト30a,30bとしてはポリエーテルエーテルケトンをベルト幅340mmのベルト状にしたものを用いて、ベルトテンション3Kgfに設定した。このような条件で再生した紙には使用上問題となるような量のトナーは残っておらず、再び同じ複写機で再利用したところ、未使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0056】
このように、この発明の被記録材再生装置を用いた場合は再生後の被記録材には使用上問題となるような量のトナーは残らず、良好な状態に再生することができた。
【0057】
(比較例)これに対して、被記録材再生装置の構成の一部を変更した結果を以下に示す。
【0058】
(比較例1)具体例1の被記録材再生装置から摺動部材33aを取り除き、それ以外は全て具体例1と同じ条件でA4版上質紙に対する再生処理を行なった。再生処理後のA4版上質紙には細かなトナー画像の残像が残っていた。この紙を使用上問題なく再生するためには加圧部32のローラ32a,32b,32c,32dの数を6本増やして10本にしなければなかった。
【0059】
(比較例2)具体例1の被記録材再生装置から摺動部材33aを取り除き、その代わりに凸部が一箇所にしかない摺動部材を用いて、それ以外は全て具体例1と同じ条件でA4版上質紙に対する再生処理を行なった。再生処理後のA4版上質紙にはわずかだがトナー画像の残像が残っていた。この紙を使用上問題なく再生するためには加圧部32のローラ32a,32b,32c,32dの数を6本増やして10本にしなければなかった。
【0060】
(比較例3)画像除去促進液100を付与しない以外は具体例1と同じ条件で比較実験を行なった。装置通過後、紙は剥離部材30aに接着したままになり、しわ及び破れ等が発生した。
【0061】
(比較例4)画像除去促進液100を付与しない以外は具体例2と同じ条件で比較実験を行なった。再生装置通過後、紙は剥離部材30aに接着したままになり、しわ及び破れ等が発生した。
【0062】
(比較例5)具体例4の被記録材再生装置から摺動部材33bを取り除き、それ以外は全て具体例4と同じ条件でA4版上質紙に対する再生処理を行なった。再生処理後の紙の片面は具体例4と同様の結果を得ることができたが、もう一方の面は剥離部材30a,30bに接着したままになり、しわ及び破れ等が発生した。
【0063】
(比較例6)具体例4の被記録材再生装置から摺動部材33a,33bを取り除き、そのかわりに搬送方向に凸部が20個ある摺動部材を設け、それ以外は全て具体例4と同じ条件でA4版上質紙に対する再生処理を行なった。この場合、摺動部材による抵抗が大きく、剥離ベルトを搬送できなかった。そこで、駆動用モータのトルクを上げて実施したところ、駆動開始直後にベルトが破断した。
【0064】
(比較例7)具体例4の被記録材再生装置において、上側剥離部材32bのベルトテンションを3Kgf、下側剥離部材32aのベルトテンションを5Kgfとした以外は具体例4と同じ条件で比較実験を行なった。この場合、駆動時にベルト32bにしわが発生しているのが観察された。ベルト32aのしわの部分には紙が接触できないため、しわの模様でトナーが残り、再生品質が劣化した。
【0065】
(比較例8)具体例4の被記録材再生装置において、上下の摺動部材の噛み合わせをさらに深くし、摺動角θを120度とした以外は全て具体例4と同じ条件でA4版上質紙に対する再生処理を行なった。この場合、摺動部材による摩擦抵抗が大きく、ベルトを搬送できなかった。そこで、駆動用モータのトルクを上げて実施したところ、駆動開始直後にベルトが破断した。
【0066】
なお、上記実施例では、転写部33の摺動部材33a,33bは被記録材10の搬送方向に直行する方向に長い凸部331を被記録材10の裏表に交互に当たるように備え、被記録材10の両面の剥離ベルト30a,30bを交互に摺動部材33a,33bに対して摺動して画像形成物質101を剥離ベルト31a,31bに転写するようにしたが、被記録材10の片面だけから画像形成物質を除去するようにしても良い。
【0067】
さらに、被記録材10の片面だけから画像形成物質を除去する場合においては、1対に剥離ベルト30a,30bを用いる代わりに剥離ベルト30aとシール部材(不図示)を用いるようにしても良い。ここで、シール部材は剥離ベルト30aとで被記録材10を挟持するためのものであるので、画像形成物質101との付着力が高いものでなくとも良い。
【0068】
また、転写部33の摺動部材33a,33bは、図9に示すように交互に円形の凸部を備えるようにして、被記録材10の搬送方向に直行する方向の凸部の断面形状を曲線状にしても良い。摺動部材33a,33bの凸部331の被記録材10の搬送方向に直行する方向の形状が直線的形状である場合、被記録材10の搬送方向に直行する方向全体に同等圧力がかかることになり、その部分の圧力が他の部分に比べて高くなるためにしわなどが発生しやすい。これに対して、被記録材10の搬送方向に直行する方向の凸部331の断面形状を曲線状にすることにより、摩擦力を減少し、摺動に対する負荷を減少できる。さらに、被記録材10に対する負荷が減少するので、被記録材10の損傷を防止できる。
【0069】
また、画像除去促進液付与部2は画像形成処理前の被記録材10に画像除去促進液100を塗布するようにしても良い。画像形成処理前の被記録材10に画像除去促進液100を塗布することにより、被記録材10とその後に被記録材10上に付着した画像形成物質101との付着力を弱くすることができる。
【0070】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質から成る皮膜状の画像を有する被記録材の面に画像形成物質との付着力が被記録材より高い剥離部材を密着し、剥離部材と画像形成物質に対して加圧又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着し、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間を剥離部材とシール部材で挟持した被記録材を摺動させて、剥離部材に画像形成物質を転写し、被記録材から画像形成物質を除去するので、用紙の消費量等を低減できる。また、画像形成物質の除去効率及び安全性を向上するとともに装置を小型化することができる。
【0071】
また、熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質から成る皮膜状の画像を有する被記録材を画像形成物質との付着力が被記録材より高い剥離部材で挟持し、剥離部材と画像形成物質に対して加圧又は加圧加熱処理をして被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に接着し、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間を各剥離部材で挟持した被記録材を摺させて、被記録材の両面の画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させ、被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に転写して、被記録材から画像形成物質を除去するので、両面印刷の被記録材の再生を容易に行なうことができる。
【0072】
さらに、搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下の箇所で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動して、搬送抵抗が一定値以下になるようにするので、被記録材などの搬送速度が安定し、画像形成物質の除去むら等の発生を防止できる。
【0073】
さらに、被記録材を挟持した一対の剥離部材又は剥離部材とシート部材とのテンションを等しくして、剥離部材等にしわ等がよることを防止するので、さらに確実に画像形成物質の除去むら等の発生を防止できる。
【0074】
さらに、被記録材の摺動角を1度以上90度以下にして、被記録材等をさらに安定して搬送するようにしたので、さらに確実に画像形成物質の除去むら等の発生を防止できる。
【0075】
さらに、画像形成処理前の被記録材に画像の除去を促進する画像除去促進液を塗布し、剥離部材に画像形成物質を転写した後に画像除去促進液を塗布した被記録材を乾燥するので、被記録材と画像形成物質との付着力を事前に弱めることができる。
【0076】
さらに、剥離部材を密着する前の被記録材に画像除去促進液を塗布して、被記録材と画像形成物質との付着力を弱めるので、画像形成物質の除去効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被記録材再生装置の構成図である。
【図2】画像形成物質による画像を備える被記録材の側面図である。
【図3】被記録材を挟持した剥離ベルトの側面図である。
【図4】摺動部材の先端部の拡大図である。
【図5】摺動角を示す摺動部材の先端の凸部の先端部の拡大図である。
【図6】摺動部分の長さを示す摺動部材の先端の凸部の拡大図である。
【図7】画像形成物質の除去動作を示すフローチャートである。
【図8】片側に摺動部材を備える装置の構成図である。
【図9】他の摺動部材の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 給紙部
10 被記録材
101 画像形成物質
2 画像除去促進液付与部
3 画像形成物質剥離部
30a 剥離ベルト
30b 剥離ベルト
31 搬送部
31a テンションローラ
31b テンションローラ
31c テンション調整バネ
31d テンション調整バネ
32 加圧部
33 転写部
33a 摺動部材
33b 摺動部材
331 凸部
34 スパイラルローラ
4 乾燥部

Claims (12)

  1. シート状の被記録材から皮膜状の画像を形成する熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質を除去し、被記録材を再生する被記録材の再生方法において、
    被記録材の画像を有する面に画像形成物質との付着力が被記録材より高い剥離部材を密着し、被記録材のもう一方の面に剥離部材と対になったシール部材を密着して剥離部材とシール部材とで被記録材を挟持して被記録材を搬送し、
    剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着した後、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いの凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間を剥離部材とシール部材で挟持した被記録材を摺動させて、被記録材と画像形成物質の間にずれを発生させて、剥離部材に画像形成物質を転写することを特徴とする被記録材の再生方法。
  2. シート状の被記録材から皮膜状の画像を形成する熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質を除去し、被記録材を再生する被記録材の再生方法において、
    被記録材を画像形成物質との付着力が被記録材より高い一対の剥離部材で挟持して被記録材を搬送し、
    剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理して剥離部材に画像形成物質を接着した後、搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を有する剛性体から成り、かつ互いに凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材の凸部の間剥離部材で挟持した被記録材を摺動させて、被記録材の両面の画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に転写することを特徴とする被記録材の再生方法。
  3. 搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下の箇所で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動する請求項1又は2記載の被記録材の再生方法。
  4. 被記録材を挟持した一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材のテンションが等しくなるようにして被記録材を搬送する請求項1又は2記載の被記録材の再生方法。
  5. 被記録材が1度以上90度以下の角度で曲がるように摺動する請求項1又は2記載の被記録材の再生方法。
  6. 画像形成処理前の被記録材に画像の除去を促進する画像除去促進液を塗布し、画像除去促進液を塗布した被記録材を乾燥する請求項1又は2記載の被記録材の再生方法。
  7. 剥離部材とシール部材と搬送部と加圧部と転写部を有し、
    剥離部材はシート状の被記録材に皮膜状の画像を形成した熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質との付着力が被記録材より高い部材であり、
    シール部材は剥離部材と対になった部材であり、
    搬送部は被記録材の画像を有する面に剥離部材を密着し、被記録材のもう一方の面にシール部材を密着して剥離部材とシール部材とで被記録材を挟持して剥離部材を搬送し、
    加圧部は被記録材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着し、
    転写部は搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を備える剛性体から成り、かつ互いに凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材を有し、摺動部材の凸部の間を剥離部材とシール部材で挟持した被記録材を摺動させて、画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、画像形成物質を剥離部材に転写することを特徴とする被記録材再生装置。
  8. 一対の剥離部材と搬送部と加圧部と転写部を有し、
    剥離部材はシート状の被記録材に皮膜状の画像を形成した熱可塑性又は熱溶融性の画像形成物質との付着力が被記録材より高い部材であり、
    搬送部は一対の剥離部材で被記録材を挟持して被記録材を搬送し、
    加圧部は剥離部材と画像形成物質に対して加圧処理又は加圧加熱処理をして剥離部材に画像形成物質を接着し、
    転写部は搬送方向に対して複数箇所に間隔を置いて設けた凸部を備える剛性体から成り、かつ互いに凸部が対向し噛み合うように固定された一対の摺動部材を有し、摺動部材の凸部の間を各剥離部材で挟持した被記録材を摺動させて、画像形成物質と被記録材との間にずれを発生させて、被記録材の両面の画像形成物質を剥離部材に転写することを特徴とする被記録材再生装置。
  9. 上記剥離部材を密着する前の被記録材に画像除去促進液を塗布する画像除去促進液付与部を有する請求項7又は8記載の被記録材再生装置。
  10. 上記転写部は搬送方向に離れた2箇所以上10箇所以下で一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材とで挟持した被記録材を摺動する請求項7又は8記載の被記録材再生装置。
  11. 上記搬送部は被記録材を挟持した一対の剥離部材又は剥離部材とシール部材のテンションを等しくして被記録材を搬送する請求項7又は8記載の被記録材再生装置。
  12. 上記転写部は被記録材が1度以上90度以下の角度で曲がるように摺動する請求項7又は8記載の被記録材再生装置。
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