JP2009271153A - 画像除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成物質を除去する被記録材の耳折れに起因して、画像除去手段において紙詰まりが発生することを防止することができる画像除去装置を提供する。
【解決手段】画像除去装置100は、画像除去部200の搬送方向上流側に被記録材Pの耳折れの有無を検知する耳折れ検知センサ218を有し、耳折れが有ることが検知された被記録材Pに対しては、画像除去部200による画像除去処理を行わないように、被記録材Pが画像除去部200を通らずに装置外に向かう第二搬送経路βに搬送するように分岐爪607の姿勢を制御する制御部201を有する。
【選択図】図11

Description

本発明は、画像形成物質によって表面に画像が形成されたシート状の被記録材から画像形成物質を除去する画像除去装置に関するものである。
従来、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成装置によって表面に画像が形成された記録紙などのシート状の被記録材の表面から、画像を形成する画像形成物質を除去する画像除去装置が特許文献1などに提案されている。
画像が形成された被記録材は、書類等として取り扱われた後に不要となると使用済みの被記録材として廃棄処分されることが一般的である。このように、使用済みの被記録材を廃棄処分することは、被記録材の材料となる資源の浪費に繋がる。このような使用済みの被記録材から画像除去装置によって表面上の画像形成物質を除去することにより、被記録材を画像形成装置などで再利用することが可能になり、被記録材の材料となる資源の消費量の抑制を図ることができる。
特開平7−36330号公報
しかしながら、画像除去装置を用いて被記録材上の画像形成物質を除去する前の被記録材としては、被記録材の角が折れる、いわゆる、耳折れが発生した状態となっている場合がある。また、ユーザーが画像除去しようとする被記録材はユーザーが作成した書類等として取り扱われた後に不要となったものであるため、被記録材に耳折れが発生している可能性が高い。そして、被記録材に耳折れが発生したままの状態であると、搬送不良以外の不具合も生じる可能性が高まる。
特許文献1に記載の画像除去装置は、表面移動しながら被記録材の画像が形成された画像面と表面が接触して、画像面から画像形成物質を転写させて被記録材から画像形成物質を剥離させる剥離部材と、熱源を備え、剥離部材に加圧接触する加圧ローラとを画像除去手段としての画像除去部に備えたものである。この画像除去部では、加圧ローラと剥離部材とが加圧接触するニップ部を被記録材が通過するときに、加圧ローラが備える熱源によって加熱された画像形成物質が軟化する。被記録材が加圧ローラと剥離部材との接触部で加圧されることで、被記録材上の画像形成物質が剥離部材の表面に転写される。このとき、被記録材は剥離部材の表面に接着した状態となり、剥離部材の表面移動にしたがって搬送方向下流側に移動する。この搬送方向下流側には被記録材を剥離部材から分離させる分離部材が配置されており、分離部材が被記録材の先端部に接触し、被記録材を剥離部材から離れる方向に案内することにより、被記録材が剥離部材から剥離し、排出手段によって排出される。
このような画像除去装置において、耳折れが発生した被記録材がセットされ、画像除去部に搬送された場合も耳折れのない被記録材と同様に、被記録材は剥離部材と接触し、加圧ローラによって加圧されることによって、剥離部材と接着した状態となる。このとき、分離部材が接触する被記録材の部分に耳折れが生じていると、被記録材が分離部材に接触すべきタイミングで接触せず、適切な分離が行われないことがある。分離部材によって適切な分離が行われないと、剥離部材に接着したまま搬送されて紙詰まりとなったり、搬送と分離のタイミングがずれることで分離部材の近傍で紙詰まりとなったり、画像除去部での紙詰まりとなることがある。そして、画像除去部で紙詰まりが発生すると、被記録材の破損、剥離部材や分離部材などの画像除去部を構成するの部材の破損の原因となる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、画像形成物質を除去する被記録材の耳折れに起因して、画像除去手段において紙詰まりが発生することを防止することができる画像除去装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像形成物質からなる画像が表面に形成されたシート状の被記録材から画像形成物質を除去する画像除去手段と、被記録材を搬送し、該画像除去手段に供給する被記録材供給搬送手段と、該画像除去手段を通過した被記録材を搬送し、装置外に排出する被記録材排出搬送手段とを有し、上記画像除去手段が、表面が被記録材の画像が形成された面と接触した状態で被記録材の搬送方向に沿って表面移動し、被記録材の表面から画像形成物質を転写させて画像形成物質を被記録材上から剥離させる剥離部材と、該剥離部材が被記録材と接触する位置で該剥離部材に被記録材を重ね合わせて加圧する加圧部材と、上記剥離部材に重ね合わされた被記録材を該剥離部材から分離する分離手段とを備える画像除去装置において、上記画像除去手段に対して被記録材の搬送方向上流側に被記録材の耳折れの有無を検知する耳折れ検知手段を有し、上記耳折れ検知手段によって耳折れが有ることが検知された被記録材に対しては、上記画像除去手段による画像除去を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像除去装置において、上記耳折れ検知手段に対して被記録材の搬送方向下流側、且つ、上記画像除去手段に対して被記録材の搬送方向上流側の位置に、上記耳折れ検知手段によって検知される位置を通過後の被記録材の搬送経路を、被記録材が上記画像除去手段に向かう第一搬送経路と、被記録材が上記画像除去手段を通らずに装置外に向かう第二搬送経路との何れかに切り替えることができる搬送経路切り替え手段を備え、上記制御手段は、上記耳折れ検知手段によって耳折れがあることが検知された被記録材を上記第二搬送経路に搬送するように上記搬送経路切り替え手段を制御することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像除去装置において、上記制御手段は、上記耳折れ検知手段によって耳折れがあることが検知された被記録材が上記画像除去手段を通過するタイミングでは、上記剥離部材に被記録材を重ね合わせる加圧を解除するように上記加圧部材を制御することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像除去装置において、上記分離手段は、上記剥離部材の表面における被記録材の搬送方向に対して略並列に配置され、搬送する被記録材の幅方向の一部のみに当接する複数の分離部材からなるものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像除去装置において、被記録材の幅方向の両端部近傍に、上記剥離部材との間に接着力を生じさせない非接着領域が形成されるように上記剥離部材を設け、上記分離部材が被記録材の上記非接着領域に当接するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の画像除去装置において、被記録材が上記分離部材と当接する位置に対して被記録材の搬送方向下流側の位置に配置され、被記録材の幅方向について上記分離部材が当接した領域以外の一部と当接する分離補助部材を備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像除去装置において、被記録材上の画像を形成する画像形成物質は熱可塑性画像形成物質であり、上記画像除去手段は、被記録材上の画像形成物質が塑性を示す温度まで加熱する加熱手段を備え、該加熱手段によって加熱された画像形成物質を被記録材上から上記剥離部材に転写することによって被記録材上の画像形成物質を除去することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像除去装置において、上記剥離部材は、上記加熱手段が画像形成物質を加熱する温度において軟化する熱可塑性物層を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像除去装置において、上記被記録材供給搬送手段は、画像形成物質によって画像が形成されたシート状の被記録材をセットする給紙容器と、該給紙容器にセットされた被記録材を上記画像除去手段に向けて一枚毎に繰出した搬送する繰出し搬送部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像除去装置において、被記録材から上記剥離部材の表面上に転写された画像形成物質を該剥離部材の表面上から除去する剥離部材クリーング部材を備えることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像除去装置において、上記剥離部材はローラ形状であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像除去装置において、上記耳折れ検知手段は、検知領域における被記録材の有無を検知する複数の検知部材を備え、被記録材の搬送方向に対して直交する方向である被記録材の幅方向について、被記録材の幅方向の中央部が通過する位置を検知領域とする中央検知部材と、被記録材の幅方向の端部が通過する位置を検知領域とする端部検知部材との検知結果を比較し、中央検知部材では被記録材が有ることを検知したタイミングで端部検知部材が被記録材はないと検知したときに被記録材に耳折れが有ることを検知することを特徴とするものである。
上記請求項1乃至12の画像除去装置においては、耳折れ検知手段によって耳折れが有ることが検知された被記録材に対しては、画像除去手段による画像除去を行わないように制御するため、剥離部材に被記録材を重ね合わせることがなく、耳折れが生じた被記録材が剥離部材に接着した状態とならない。
上記請求項1乃至12の発明によれば、耳折れが生じた被記録材が剥離部材に接着した状態とならないため、耳折れに起因する分離不良が生じることがなく、画像除去手段において紙詰まりが発生することを防止できるという優れた効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用可能な画像除去装置100の概略構成図である。
なお,図中に示した例は本発明を適用した画像除去装置の一実施例であって、画像除去手段、被記録材供給搬送手段、被記録材排出搬送手段、耳折れ検知手段の各々の構成についても一例を示したものであり、本発明を適用可能な画像除去装置はこの図に示した構成に限るものではない。
画像除去装置100は、画像を除去しようとしている被記録材Pを収納する給紙容器である給紙トレイ202と、被記録材Pから画像形成物質を除去する画像除去手段である画像除去部200とを有する。また、給紙トレイ202から画像除去部200に被記録材Pを搬送する被記録材供給搬送手段として、少なくとも、画像除去部200へ向けて被記録材Pを一枚毎に送り出す給紙コロ203、被記録材Pを画像除去部200に案内するために供給搬送ガイド204、及び、被記録材Pを画像除去部200に向けて搬送する供給搬送ローラ対205を備える。
画像除去部200は、内部に加熱源としてハロゲンランプ206を備え、ステンレス、アルミニウム、鉄などの芯金からなる加熱ローラ207と、被記録材P上の画像を転写するための剥離部材209とを有する。剥離部材209はローラ形状であり、熱可塑性物層208を備える。また、画像除去部200は、搬送された被記録材Pを剥離部材209と加熱ローラ207との間で加熱状態で加圧するために、加熱ローラ207を剥離部材209に対して加圧する加圧手段としての不図示の加圧機構を備える。また、剥離部材209または加熱ローラ207の少なくとも一方を回転駆動させる不図示の駆動源を備える。さらに、画像除去部200は、剥離部材209から被記録材Pを分離するための分離部材210、被記録材Pから転写された画像形成物質を剥離部材209から除去するためのクリーニングブレード211、及び、剥離部材209から除去されたトナーTを収納する排トナー容器213を備える。
また、画像除去装置100は、画像除去部200を通過した被記録材Pを装置害に排出する被記録材排出手段として、被記録材Pを装置外に向けて案内するための排出搬送ガイド216と、被記録材Pを装置外に向けて搬送する排出搬送ローラ対217aと、排紙ローラ対217bとを備える。さらに、画像除去装置100は、画像除去部200を通過し、被記録材排出手段によって装置外に排出された被記録材Pを収納するための排紙容器としての排紙トレイ215を備える。
また、画像除去装置100は、給紙コロ203によって搬送された被記録材Pの、少なくとも先端(被記録材Pの搬送方向下流側端部)に耳折れが生じているか否かを検知するための耳折れ検知手段としての耳折れ検知センサ218を有する。さらに、画像除去装置100は、耳折れ検知センサ218によって「耳折れ無し」と検知された被記録材Pについては、画像除去部200での画像除去処理を行い、「耳折れ有り」と検知された被記録材Pについては、画像除去部200での画像除去処理を行うことなく装置外に排出するように各部材を制御する制御部201を備えている。
図2は、図1で示した画像除去装置100での画像除去動作を説明する模式図である。
図2(a)は、画像形成が成された後の被記録材P上に、熱可塑性のトナーTが定着している状態を模式的に示した図である。図2(a)には、被記録材Pを模式的に平面として表しているが、微視的に観察すると、表面には最大10〜20[μm]の凹部がランダムに存在する。
また、本実施形態に用いられる被記録材Pとしては、被記録材P表面近傍に撥トナー剤を付与して、被記録材PとトナーTとの接着力を低下した被記録材Pを用いることが好ましい。一方、図2(a)には、熱可塑性のトナーTを模式的に高さが一定のような図を示しているが、実際に画像の部分を微視的に観察すると,最大20〜30[μm]の高さとなって形成されていることが観察できる。
図2(b)〜(d)は、図2(a)に示した被記録材Pが、画像除去部200に搬送されたときから,画像除去処理を施された後、被記録材排出搬送手段によって機外に排出されるときまでを模式的に示した図である。
図2(b)は、画像形成後の被記録材Pが、供給搬送ローラ対205により搬送され、画像除去部200に挿入される前の図を示す模式図である。本実施形態の画像除去装置100では、画像除去部200に設けられた剥離部材209が供給搬送ガイド204から見て下方に配置されている。このため、画像除去部200において、被記録材PのトナーTが定着している側の画像面と、剥離部材209の表面とが接するように、図2(b)に示すように、画像面を下面にして搬送する。もしくは、図2では示されていない給紙トレイ202に画像除去しようとする被記録材Pをセットする際に、画像面を下面にしてセットすればよい。
図2(c)は、被記録材Pが画像除去部200に挿入され、被記録材Pの一部が剥離部材209に接着している状態の模式図である。
図2(c)に示すように、被記録材P上に定着されたトナーTは、不図示の加圧機構によって加熱ローラ207と剥離部材209との間に付与される圧力によって加圧される。加圧機構としては、バネによる圧力、水圧、及び、空気圧などを用いた機構を用いることができる。また、加熱ローラ207と接する被記録材Pの画像面の裏面から伝導する熱によって被記録材P上のトナーTは加熱される。これにより、被記録材Pと剥離部材209とが密着した状態で、トナーTが加熱・加圧される。被記録材Pの画像面では、加熱されることによってトナーTが溶融状態となり、剥離部材209に接着される。
画像除去部200では、加熱ローラ207から伝達する熱により、トナーTが溶融状態となるために十分な熱を画像形成物質に加えるよう、加圧機構による加熱ローラ207と剥離部材209との間に付与する圧力を調節する。このとき、加熱ローラ207と剥離部材209とが接触する部分にはニップ部Nが形成されることが好ましい。ニップ部Nとしては、1[mm]〜10[mm]のニップ幅、好ましくは、3〜6[mm]のニップ幅となるようなニップ部Nが形成されるように、加圧機構によって圧力を付与することが好ましい。
図2(d)は、分離部材210によって、被記録材Pの一部が剥離部材209から分離され、トナーTが剥離部材209の表面に熱転写された状態の模式図である。
剥離部材209に接着されている被記録材Pの先端に分離部材210の先端部分が当接して剥離部材209から被記録材Pの一部が分離される。ここで、剥離部材209を回転させ被記録材Pを搬送する搬送力が加わることによって、被記録材Pの剛性により、被記録材Pの全面が剥離部材209から分離され、被記録材P上に定着していたトナーTは、剥離部材209に転写される。このとき、分離部材210を設置する位置としては、被記録材Pがニップ部Nを出た直後(図2(d)中の右側)よりも被記録材Pの搬送方向下流側に分離点が生じるように設けることが好ましい。図2に示す画像除去部200では、剥離部材209の中心の真上を基準点(0[°])としたときに約90[°]回転した位置に分離点が生じるように分離部材210を設けた例である。
被記録材Pと剥離部材209とが密着している部分において、被記録材Pと剥離部材209とに挟まれているトナーTが溶融状態のままの状態で被記録材Pが剥離部材209から分離されると、トナーTの持つ凝集力が弱いために、トナーTの一部が被記録材Pに残留したり、トナーTが糸引き状態となったまま分離されたりすることがある。分離部材210を設ける位置を、図のようにニップ部Nを出てから少なくとも45[°]以上回転した位置とすることにより、加熱ローラ207から加えられた熱によって溶融状態となったトナーTが、剥離部材209に接着した状態で回転する間に外気により冷却され、トナーTの凝集力が大きくなる。このような位置に分離部材210を設けることによって、トナーTの凝集力が、被記録材P表面とトナーTとの接着力よりも大きくなる状態で分離することができる。これにより、トナーTの一部が被記録材Pに残留したり、糸引き状態となったまま分離したりすることなく、トナーTを被記録材Pに良好に転写することができる。
図2(e)は、被記録材Pが剥離部材209から完全に分離されたときの模式図である。
図2(d)の状態から連続的に剥離部材209から加わる搬送力によって、分離部材210を介して剥離部材209から被記録材Pが分離される。完全に分離された被記録材Pは、画像除去部200に対して被記録材Pの搬送方向下流側の排紙手段である排出搬送ローラ対217a及び排紙ローラ対217bによって、搬送力を付与されることにより排出搬送ガイド216に沿って搬送され、図2には不図示の排紙トレイ215に排出される。
一方、被記録材Pから転写された剥離部材209上のトナーTは、クリーニングブレード211により掻き落とされて、トナーTを収納する排トナー容器213に貯められる。剥離部材209からトナーTを除去するクリーニング部材として、図2では板状のクリーニングブレード211を示した、クリーニング部材としてはこれに限るものではない。クリーニング部材の他の例としては、棒状の回転体上に、スパイラル状に設けられたスパイラルクリーニングブレードなども用いることができる。
次に、本発明の画像除去装置100に適用可能な分離部材について説明する。
図3は、画像除去部200の説明図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は斜視図、図3(c)は図3(b)中の矢印A方向から見た正面図である。なお、図3(c)は、被記録材Pが搬送されることによって、画像除去部200の狭持部であるニップ部Nから先端部が出てきた状態を示す説明図である。
図3に示すように、画像除去部200は、剥離部材209の幅方向両側に分離部材210を設置する。この場合、剥離部材209として、幅方向の長さが搬送される被記録材Pの規定された長さよりも短いもの、例えば、被記録材Pの幅方向両端から5〜25[mm]ずつ短い剥離部材209を使用する。そして、被記録材Pにおける剥離部材209が当接しない部分の被記録材Pの先端部が当接する位置に分離部材210を設置する。この場合、分離部材210の構成としては、少なくとも、被記録材Pの幅方向両端から5〜25[mm]幅の画像面側に当接する面を有する部材であればよい。このとき、画像除去が良好となる分離点において、被記録材Pを曲げて分離するように、分離部材210の形状及び配置を設定する。
また、画像除去部200は、図3(b)及び図3(c)に示すように、被記録材Pの幅方向について、分離部材210が当接した領域以外の部分に当接する分離補助部材としての分離爪310を備えている。分離部材210は、被記録材Pの幅方向両端部分の近傍を剥離部材209から分離するための部材である。分離爪310は、分離部材210によって分離された面に当接するように配置された板状の部材であり、分離された面と剥離部材209の表面との距離が離れるように被記録材Pを案内することで更なる分離を促すものである。本実施形態では、幅方向両端部に配置された2つの分離部材210の間の中央部に複数個の分離爪310を配置した構成である。
なお、中央部に複数個の分離爪310を設ける構成であっても、分離爪310を備えない構成であっても、剥離部材209の幅方向の長さは、搬送される被記録材Pの規定された長さよりも短いものであることが好ましい。
本実施形態の画像除去部200では、剥離部材209は被記録材Pよりも幅方向の長さが短いため、被記録材Pの幅方向両端部近傍で剥離部材209と接触しない部分は画像の除去を行うことができない。そして、画像形成装置の設定によっては、両端部分の領域にも画像形成される場合があるので、画像除去可能な被記録材Pに画像形成する際には、画像形成装置において、被記録材Pの両端部分の領域には画像形成を行わない画像形成モードが使用されていることが好ましい。
次に、分離部材210によって、被記録材P(の両端部分近傍)が剥離部材209から分離される原理について説明する。図4は、被記録材Pの先端部が分離部材210による分離点を通過した直後の説明図である。なお、図4では、図3(b)及び図3(c)を用いて説明した分離爪310の図示は省略している。
図4中の被記録材Pの領域Xは、剥離部材209に接着している部分であり、被記録材Pの領域Yは、分離部材210に当接している部分であり、被記録材Pの領域Zは、剥離部材209に接着していたが分離部材210の作用によって剥離部材209から分離された部分である。また、図4中の矢印xは、領域Xの部分が搬送される方向、矢印yは領域Yの部分が搬送される方向、そして、矢印zは、剥離部材209に接着した被記録材Pの先端部分が引っ張られる方向を示している。
図4に示すように、搬送される被記録材Pの規定された幅方向の長さよりも短い剥離部材209を用いることにより、被記録材Pの両端部分には剥離部材209との間に接着力が生じない。また、剥離部材209の両側に分離部材210を設置することにより、被記録材Pの両端部分の剥離部材209との間に接着力が生じない部分と分離部材210とが接触する。
このような構成により、被記録材Pの幅方向両端部以外の領域X(被記録材Pの中央部)は剥離部材209に接触するため、領域Xの画像面上の画像形成物質を転写して除去することができる。さらに、被記録材Pの幅方向両端部分(好ましくは10〜25[mm]幅)の画像面側に当接する面を有する分離部材210を備えている。このため、被記録材Pの幅方向両端部分(領域Y)は、剥離部材209が表面移動することによって搬送される矢印x方向とは異なる図中の矢印y方向に移動される。これによって、被記録材Pの両端部分近傍に分離された領域Zを確実に形成することができる。さらに、剥離部材209の搬送力と被記録材Pの剛性によって、被記録材Pの両端部分から被記録材Pの中央部分を引っ張る方向zに力が加わるので、被記録材Pが搬送されるに従い、分離された部分(領域Z)が広げられるので、被記録材Pの全面が分離されることとなる。
次に、剥離部材209について説明する。
剥離部材209は、少なくとも、最表層には剥離部材209と被記録材Pとを重ね合わせて加圧するときの温度において軟化する熱可塑性物層を有し、且つ、ローラ形状である。その形状としては、外径が10〜90[mm]程度の大きさが、画像除去装置100を比較的に小型に形成できて好ましい。そして、少なくとも厚みが0.5[mm]以上のゴム弾性層を有し、更に、ゴム弾性体層より表面側に有機高分子層を有するものも用いることができる。ゴム弾性体としては、耐熱性の良いものが好ましく、シリコンゴム、フッ素ゴムが好適である。ゴム弾性体の厚みは、0.5[mm]以上であることが好ましく、特に、1〜8[mm]の厚みであることが好ましい。
図5は、画像除去部200が備えるローラ型の剥離部材209の断面を示した概略説明図である。剥離部材209は基体220の回りに、ゴム弾性体からなる弾性層219を備え、弾性層の外側には表面層として熱可塑性物層208が形成されている。基体220としては、アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属、ガラス、セラミックス、フェノール樹脂などの耐熱性高分子化合物等の材料からなるパイプ状部材を用いることができる。
図1を用いて説明したように、画像除去部200では、剥離部材209は加熱ローラ207と対向し、両者間に圧力が印加されて、ニップ部Nが形成されるように用いられる。
剥離部材209には被記録材Pから画像形成物が転写されるが、一般の電子写真画像形成装置には、画像形成物中に熱可塑性樹脂、顔料などの色材を含有する粉体が用いられる。これらの材料に加えて、染料、界面活性剤、電荷制御剤、ワックスなどの単分子化合物が加えられことがある。 熱可塑生物層として好ましい材料として、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファィド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げることができる。
熱可塑性物層208の厚みは、5〜150[μm]、特に、20〜80[μm]が最適である。厚みがこの範囲よりも薄いと、被記録材Pの表面の凹凸に倣うように変形する程度の厚さが得られず、低濃度階調画像や地肌かぶりを形成する画像形成物質を完全に除去することができない。また、厚すぎると、画像除去特性が低下したり、画像除去処理速度を速くできなくなってしまう。
基体220と熱可塑性物層208との間、または、ゴム弾性層219を設ける場合には、有機高分子化合物層基体とゴム弾性層との間やゴム弾性層219と有機高分子化合物層との間などに、適宜、それらの接着性を向上するために接着剤層や表面改質層等を設けることができる。ただし、それらの層は、前記のゴム弾性体層や有機高分子化合物層の機能を阻害しない範囲で、素材を選択したり、厚みを薄くしたりする必要がある。
また、本実施形態の画像除去部200のように、剥離部材209の最表層に熱可塑性物層208を有し、かつ、ローラ形状の剥離部材209を使用する際には、被記録材Pと剥離部材209との間には、被記録材P上に画像が形成されていなかった部分においても接着力が生じている。すなわち、図4を用いて説明した被記録材Pと剥離部材209とが重ね合わされている部分(領域X)全面に接着力が生じている。このため、確実に被記録材Pを分離するために、図3を用いて説明した構成の分離部材210および分離爪310を備えた構成とすることが好ましい。このような分離部材を設けることにより、剥離部材209と分離部材210とが強い接着力を維持したまま搬送されたとしても、確実に被記録材Pの全面を剥離部材209から分離することが可能となる。
次に、本実施形態の画像除去装置100を用いて画像の除去が成される被記録材Pについて説明する。
本発明を適用する画像除去装置としては、普通紙から画像の除去ができるように工夫された特殊な界面活性剤を含む液体組成物を被記録材上の画像に付与することなく画像を除去するものが好ましい。また、表面近傍に画像形成物質に対する接着力を低下する組成物が付与されたリユーザブル被記録材に形成した画像を前記の液体組成物を付与することなく除去する方法で使用することが好ましい。
ただし、普通紙との接着性を低下させた特殊な画像形成物使用しても、普通紙として一般的に用いられている上質紙などの表面平滑性の比較的低い被記録材に画像を形成した場合、紙の凹部に付着している画像形成物を完全に除去することは困難である。
それ故、本発明を適用する画像除去装置は、前記のリユーザブル被記録材上に形成された画像を除去する方法に用いられるものであることが最も好ましい。
画像を除去するために液体組成物などの画像除去促進組成物を付与することなく、画像が除去できるリユーザブル被記録材については既に多くの提案がなされている。
画像形成物質に対する接着力を低下するための組成物の例の一つとしては界面活性剤が挙られる。
例えば、特開平10−74025号公報には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、分子中に炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤を付与した紙を好ましく用いることができることが開示されている。
より具体的には、フッ素系界面活性剤として、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系界面活性剤、シリコン系界面活性剤として、エポキシ変性、アルキル変性、アラルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、ポリエーテル変性のシリコンオイル等、炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤として、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルアミン誘導体、4級アンモニウム塩、イミダゾリン、イミダゾリウム塩、等のカチオン系等が開示されている。
シリコン化合物を表面に付与した被記録材の例は、特開平9−204060号公報、特開平9−204061号公報などに開示されている。
シリコン系化合物の具体例としては、シリコン樹脂、シランカップリング剤が挙げられている。
さらに、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、ワックスなどを被記録材に付与しても画像形成物質の接着力を低下する効果を有する。
また、オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分として、特に、α位に二重結合を有し、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体を用いて重合させた高分子化合物を用いることもできる。
リユーザブル被記録材は、上記で例示した画像形成物質に対する定着性を低下せしめることのできる化合物を基体となる紙やフィルムに付与したものである。
紙などの凹凸の比較的大きな素材を基体として使用する場合は、単に画像形成物質に対する定着性を低下せしめる化合物のみを付与するだけではなく、リユーザブル被記録材の凹凸を小さくするために、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料やラテックス、スチレン―ブタジエン重合体エマルジョン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、でんぷん、酢酸ビニル重合体エマルジョン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アラビアゴム等の高分子化合物を、前記の画像形成物質に対する定着性を低下するための組成物と混合して付与するか、前記の画像形成物質に対する定着性を低下するための組成物を基体に付与する前に付与することができる。
本発明を適用した画像除去装置で画像を除去する被記録材としては、画像形成物質との定着性を低下せしめる化合物としてオレフィン−無水マレイン酸重合体を用いたリユーザブル被記録材が特に好ましい。
オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分として、特に、α位に二重結合を有し、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体を用いて重合させた高分子化合物を用いることにより、一般の電子写真装置で画像を形成した場合に、良好な定着性と画像除去特性が得られる。
また、画像の除去と再画像形成のサイクルを繰り返して使用しても、安定した画像の定着性と画像の除去特性が得られる。
本発明の画像除去装置を用いると、リユーザブル被記録材に形成された画像は、画像除去促進液を付与することなく、熱転写により被記録材から除去することができる。
それ故、本発明を適用した画像除去装置では、被記録材上の画像形成物の被記録材への接着力を低下せしめる組成物を付与する手段を設けないことが好ましい。
本発明を適用した画像除去装置をリユーザブル被記録材上に形成された画像を除去するために用いることにより、カラー画像の除去が可能となるばかりではなく、液体の浸透や乾燥に時間を要することもないので、高速の画像除去処理が可能となり、且つ、消費電力も小さくできる。
また、本発明を適用した画像除去装置は、画像除去能力や被記録材と剥離部材との分離能力が高いために、比較的画像形成物質との接着性が高い、すなわち画像形成物質の定着性が高いリユーザブル被記録材を用いても、被記録材を剥離部材から分離し、画像を完全に除去することが可能となる。
また、一般の剥離部材が混入することを防ぐための、識別マークが付与されたリユーザブルメディア、かつ、搬送された被記録材がリユーザブルメディアであるか否かの識別手段を備えた画像除去装置とすることが好ましい。
次に、本実施形態の画像除去装置100を用いて画像の除去が成される被記録材P上の画像を形成する画像形成物質について説明する。
画像除去装置100において被記録材Pから除去できる画像形成物質の特性としては熱可塑性があること、剥離部材209に対する接着性を有することが必要条件である。画像形成物質の熱可塑性としては、被記録材Pと剥離部材209とを重ね合わせて加圧する際の温度で、画像形成物は軟化して塑性を示す必要がある。
画像除去装置100で被記録材Pから除去できる画像形成物の具体例は、一般的な電子写真方式の画像形成装置除去で用いられている粉体トナーである。
熱転写プロセスなどの電子写真の他のプロセスで形成された画像であっても、画像形成物の物性や被記録材Pへの付着量が、一般的な電子写真方式の画像形成装置除去で用いられている粉体トナーと同様なものであれば、同様に被記録材より除去が可能なことは明らかである。
画像除去装置100において被記録材Pから除去できる画像形成物に用いられる材料の具体的を以下に挙げる。
主成分を熱可塑性樹脂とし、熱可塑性樹脂として、カルボン酸として、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ピロメリット酸、シトラコン酸、グルタコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリト酸、メロファン酸、トリメシン酸、プレーニト酸、トリメリット酸などの1種または2種以上を用い、多価アルコールとしては、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ペンタグリセロール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、ピナコール、グリセリン、エーテル化ジフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ベンゼントリオール、フロログルシノール、ベンゼンテトラオールなどの1種または2種以上を用いて縮重合したポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノプロピルアクリレー共重合体ト、スチレン−エチレングリコールメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を用いることが出来る。
これらの熱可塑性樹脂は、画像形成物の組成中50〜98[重量%]の範囲で用いることが好ましい。
色材としては、一般の画像形成物質に用いられている下記の色材を例示することができる。
すなわち、カーボンブラック、酸化鉄などの黒顔料、C.I.ビグメント・イエロー12、C.I.ビグメント・イエロー13、C.I.ビグメント・イエロー14、C.I.ビグメント・イエロー15、C.I.ビグメント・イエロー17、C.I.ビグメント・イエロー93、C.I.ビグメント・イエロー94、C.I.ビグメント・イエロー138、C.I.ビグメント・イエロー155、C.I.ビグメント・イエロー156、C.I.ビグメント・イエロー180、C.I.ビグメント・イエロー185、等のイエロー顔料、C.I.ビグメント・レッド2、C.I.ビグメント・レッド3、C.I.ビグメント・レッド5、C.I.ビグメント・レッド16、C.I.ビグメント・レッド48:1、C.I.ビグメント・レッド53:1、C.I.ビグメント・レッド57:1、C.I.ビグメント・レッド122、C.I.ビグメント・レッド123、C.I.ビグメント・レッド139、C.I.ビグメント・レッド144、C.I.ビグメント・レッド166、C.I.ビグメント・レッド177、C.I.ビグメント・レッド178、C.I.ビグメント・レッド222、等のマゼンタ色材、 C.I.ビグメント・ブルー15、C.I.ビグメント・ブルー15:2、C.I.ビグメント・ブルー15:3、C.I.ビグメント・ブルー16、C.I.ビグメント・ブルー60、等のシアン色材等、電子写真用トナーの色材として公知の色材を挙げることが出来る。これらの色材は、画像形成物の組成中1〜15[重量%]の範囲で用いることが好ましい。
画像除去装置100によって画像が除去される被記録材P上の画像を形成する画像形成物質には、離型剤、特にワックス含むことが好ましい。
離型剤、ワックス成分も、熱可塑性樹脂や色材と同様に、電子写真装置などに用いる画像形成物質に添加する離型剤、ワックスをそのまま用いることができる。離型剤、ワックスを含有することにより、剥離部材と被記録材Pとの分離が容易になる。さらに、特に、表面に螺旋状の凹凸を有するクリーニング部材を用いると剥離部材209の表面に離型剤やワックスが浮き出でも、良好に剥離部材209から画像形成物質を除去することができる。離型剤、ワックスは、画像形成物質全体の1〜10[重量%]程度の範囲で添加することが好ましい。画像形成物質に含有せしめることのできる離型剤、ワックスの具体例としては、フッ素系、シリコン系の高分子化合物、長鎖アルキル基を側鎖に有する有機高分子化合物、カルナバワックス、モンタンワックス、密ロウ、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス、高級アルキルアルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸のエステル類、高級アルキルアミド類、等の60〜110[℃]に融点を持つ、高分子化合物、ワックス類を挙げることができる。
なお、本発明に係る画像除去装置および画像形成・除去システムは、感光体上に静電潜像を形成した後、乾式トナーを用いて現像し、トナー像を被記録材に転写する通常の電子写真法により画像を形成する技術分野に適用される他に、静電記録法、トナージェット記録法、イオンフロー記録法などの感光体を使用しない電子写真法や電子写真装置で画像を形成する技術分野にも適用できる。また、本発明は、必ずしも電子写真法により画像を形成する場合に限らず、熱可塑性の画像形成物質を用いて画像を形成する磁気記録プロセス、熱転写方式、熱溶融性のソリッドインクを用いるインクジエット法で画像を形成する技術分野にも適用できる。
ここで、画像除去装置によって被記録材上の画像の除去を行う背景について説明する。
なお、近年、電子写真法やインクジェット記録方法、熱転写記録方法を用いたプリンタやアナログ複写機、デジタル複写機、印刷機が普及し、紙が大量に使用されている。 被記録材として一般に用いられる紙は再生可能な資源である木材より得られるパルプを原料としている。しかしながら、紙を製造するための木材からセルロース繊維を抽出するパルプ化の工程、抄紙した紙を乾燥する工程で多くのエネルギーを消費する。 これらの紙を製造する工程の一部では、紙製造のためのエネルギー源として、木材からバルプを抽出した残渣である黒液などのバイオマス由来の燃料を使用し、化石燃料を使用することにより発生する二酸化炭素量を削減する努力がなされている。しかしながら、すべての紙の製造工程でバイオマス起源の燃料が用いられている訳ではなく、多量の化石燃料が用いられているのが現状である。化石燃料を使用することにより発生する二酸化炭素は地球の温暖化を生じる原因物質とされており、また、化石燃料資源の枯渇を防ぐことからも、紙の使用量を低減することが環境保全の観点から望まれている。また、化石燃料の消費量を少なくすることばかりでなく、バイオマス由来の燃料の使用量を削減できれば、紙の製造工程以外の用途に使用することも可能となる。
近年は、紙を製造するために木材を乱伐することは減ってきているものの、すべての紙が管理された森林から採られ木材より製造される訳ではなく、紙の消費量を抑制することにより森林を保護して、生態系を維持し、地球環境の悪化を防止することも重要な社会的な課題である。また、紙には、添加物として燃焼、腐敗しない無機成分を含ませることが一般的であるが、紙が廃棄され、清掃工場などで焼却しても、一定の割合で、埋め立てが必要な廃棄物が発生する。 廃棄物の埋め立て地を見つけることは、近年、困難となってきており、この観点からも紙の消費量を抑制することが課題となっている。
これらの、問題に対処するため、不要になった情報記録用紙を回収し、回収された紙を製紙工場で、一旦、パルプの状態まで離解し、再利用する方法が、従来から行なわれている。しかしながら、この方法では、新たな木材資源は必要としないが、回収のための紙の運送や再パルプ化、再抄紙のために、フレッシュパルプから紙を製造する場合とほぼ同等のエネルギーを使用する。更に、再生パルプを使用した紙では剛度や白色度が低下する、印字した時に、にじみが生じるなど、品質上の問題がある。一般に情報記録用紙として使用される上質紙では、再生パルプの混入率を30[%]程度に留める必要がある。再生パルプの比率を高めようとすると、白色度が高い上質の情報記録紙を製造するためには、古紙から抽出するパルプの比率を低くとどめたり、未使用古紙からバルプを製造すること等が必要となり、新しい木材から紙を製造するよりも割高になったり、環境負荷が大きくなる。更に、情報が記録された被記録材を回収、再生使用することは、情報が記録された被記録材が社外や家庭外に流通することとなり、機密やプライバシーの保守という観点からも、問題がある。
このため、一旦使用された紙を回収し、再生紙としてリサイクルする場合の問題を解決するための方法として、一度使用した被記録材上の画像を除去して被記録材を再生し、再使用できる被記録材、被記録材から画像を除去する方法、装置は、既に数多く、提案されている。
再生紙としてリサイクルする場合の問題を解決するための方法として、一度使用した被記録材上の画像を除去して被記録材を再生し、再使用する方法が提案されている。例えば、特開平1−297294号公報には、被記録材としてプラスチック、金属、液浸透性のない紙、セラミックスなどを用い、これらの被記録材上に形成された熱溶融性の画像に熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画像を剥離除去する方法が開示されている。
また、特開平4−64472号公報には、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスベルトを用い、離型剤で処理された被記録材上の電子写真法で形成された画像を転写剥離して除去する装置が開示されている。
また、特開平4−82983号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に紙を通過させる2本の並行に設けられたローラと、この2本のローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、前記圧接箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具と、前記ローラに付着した像形成物質を前記ローラから除去する剥離装置とを備えた像形成物質除去装置が開示されている。
また、特開平7−36330号公報や特開平7−56471号公報に開示されるものがある。この装置は、表面に熱溶融性樹脂からなる画像剥離層を設けた画像剥離ローラと、この画像剥離ローラの内部に上記画像剥離層を加熱する熱源とを設け、画像剥離ローラに対向して設けられた押圧ロールとの間に形成されるニップ部に使用済みの記録媒体を通過させる。そして、記録媒体上の画像形成材料を加熱により溶融し、該画像形成材料を画像剥離層に付着させて除去するものである。
このような装置によって記録媒体から画像形成材料を除去するには、記録媒体上の画像形成材料を加熱して軟化状態にするとともに、同じく軟化した画像剥離層と圧接して両者を密着させることが必要となる。普通紙のように表面に繊維の凹凸を持った記録媒体の場合、画像形成材料であるトナー粒子がこれらの凹部の内部に埋まりこんでいるため、画像剥離層の厚さを記録媒体の表面の凹凸に倣うように変形する程度の厚さとし、画像形成材料の剥離性能を上げている。
なお、エンドレスベルト型剥離部材を用いた画像除去装置においては、連続使用すると、剥離部材の寄りが発生し、寄りを防止するための機構が複雑になり、装置のコストが高くなったり、寄りを修正する際に、剥離部材の幅方向に不均一なテンションが印加されるために、ベルトの周長が不均一になり、剥離部材に皺が生じて、画像を完全に除去することが困難になってしまうという課題がある。その点、剥離部材をローラ形状とした場合においては,スキュー発生の問題が無い,金属などの剛体を剥離部材または剥離部材の基体とする構成とすることができるので,剥離部材の変形・破損の課題を回避することができる。
しかしながら、ローラ方式の画像剥離装置においては、記録媒体と画像剥離層との間に接着力が発生するため、記録媒体の圧接を行った後、記録媒体を画像剥離層から分離するのが難しいという問題がある。さらに、ローラ方式の画像剥離装置では、画像剥離層が熱溶融性樹脂で形成されているため、剥離部材に当接するように設けられた接触式の分離爪等を使用することができない。
このため、例えば特開平4−82983号公報に記載されるように、剥離部材表面に円周に沿った溝と、この溝に嵌入して前記表面からコピーシートを分離するための部材を設けるなど、分離を促進するための施策が採られている。しかしこの方法では、前記回転する部材には円周に沿った溝が設けられているので、被記録材の記録面のうち、剥離部材表面に当接しない部分があるため、1回の画像除去処理では記録面全面の画像除去が行われないという問題がある。
この問題を解決するため、例えば特開平7−36330号公報に記載の装置では、画像剥離ローラの側縁部に表面移動方向と異なる剥離方向に記録媒体を導く分離板を設け、被記録材の側縁部を分離板により確実に分離し、両側縁部以外の画像剥離ローラに当接する部分は、被記録材の剛性により、被記録材全面を分離する方法が採られている。
また、特開2002−72792号公報に記載の装置では、表面層に熱溶融性樹脂を含む画像剥離層を有し、画像剥離層の両縁部に非剥離領域を設けた剥離部材を備える画像除去手段に、前記被記録材の両側縁部の非画像形成領域に対応する前記剥離部材の非剥離領域に接触配置し、剥離部材と相対移動することで、被記録材の両端部を分離させる第1分離部材と、該剥離部材の剥離領域に対向して、且つ熱溶融性樹脂と非接触で配置され、前記第1分離部材によって前記画像剥離層から部分的に分離された画像保持体をさらに画像剥離層から分離させる第2分離部材により、被記録材全面を分離する方法が採られている。
以上に示した例のような画像除去装置の構成、特に、熱転写方式の画像除去手段を備えた画像除去装置とすることで,比較的簡素な構成で、被記録材に損傷を与えることなく、被記録材上に形成された画像を良好に除去することが可能となる。また,経済的に安価であり,環境的配慮がなされ,機密性にも優れた画像除去装置とすることができる。
しかしながら、優れた画像除去装置であるにも関わらず、ユーザーが被記録材を書類等として扱う際に生じやすい被記録材の耳折れによる影響を受けやすく、画像の残留、被記録材の破損・シワ発生、画像除去装置の停止、といった問題があったために、被記録材の消費量を減らすという効果が得られず、また、信頼性が得られていない。それにも関わらず、これまで耳折れが発生した被記録材が画像除去手段に混入することを防止する対策が行われていなかった。
よって、本発明を適用した画像除去装置100には、前述の従来技術の欠点を解消することが求められる。
すなわち、画像除去装置100が解決すべき課題の一つは、ユーザーが被記録材Pに耳折れが発生していることに気付かないまま、画像除去装置100の給紙部である給紙トレイ202にセットしたとしても、ユーザーを煩わせることなく、搬送不良、画像の残留、被記録材Pの破損等のトラブル発生を防止できる、信頼性の高い画像除去装置とすることである。
また、画像除去装置100が解決すべき他の課題は、長期間使用したり、連続使用したりする場合においても、再現性良く被記録材Pからの画像の除去が可能な画像除去装置とすることである。すなわち、長期間使用したり、連続使用したりしても、被記録材Pと剥離部材209との分離を確実に行うことができ、かつ、被記録材P及び剥離部材209の破損を防ぎ、剥離部材209の寿命を長く保つことである。
また、画像除去装置100が解決すべき他の課題は、画像除去装置100の構成を簡素にしたり、小型化することである。構成を簡素にすることにより、重量を減じ、コストを安く、環境負荷を低減することができる。なお、従来多く用いられてきた、エンドレスベルト型剥離部材を用いると小型化や構成の簡素化が困難であった。
また、画像除去装置100が解決すべき他の課題は、被記録材P上に形成された画像形成物質の除去性に優れ、低濃度階調画像や地肌かぶりを形成する画像形成物質であるトナーTをも除去することが可能な画像除去装置とすることである。特に、電子写真方式の画像形成装置で形成されたカラー画像のように、画像の高さに大きな差がある場合や、被記録材PとしてトナーTとの接着力が比較的大きく、実用に足る画像形成物質の定着性を有する被記録材Pを用いた場合、紙を基体とする被記録材Pのように比較的表面平滑度の低い被記録材Pに画像が形成される場合においても、被記録材P上の画像形成物質を完全に除去することができる画像除去装置とすることである。熱可塑性組成物層を持たない剥離部材では、画像を完全に除去することが困難であった。一方、熱可塑性組成物層を有する剥離部材を用いると、特に剥離部材をローラ形状としたとき、被記録材と剥離部材とを分離することが困難である。被記録材と剥離部材とが分離ができることが、画像除去装置としての必須条件であり、画像除去特性以前の課題であった。
図1を用いて説明した本実施形態の画像除去装置100は、被記録材P上の画像を転写するための剥離部材209の一例として、少なくとも最表層には剥離部材209と被記録材Pとを重ね合わせて加圧するときの温度において軟化する熱可塑性物層208を有し、且つ、ローラ形状である剥離部材209を備えた画像除去装置である。
この他、適用可能な剥離部材209としては、少なくとも最表面が、加熱されて塑性を示す状態となった熱可塑性画像形成物質に対して接着力を発現するものであればよく、例えば特開平4−64472号公報に開示されたエンドレスベルト型の剥離部材も使用可能である。ただし先に述べたように、エンドレスベルト型剥離部材を用いた画像除去装置においては、装置のコストが高くなる,剥離部材の変形・破損など課題があるので、剥離部材をローラ形状とすることが好ましい。
また、図1には、被記録材Pと剥離部材209とを分離する分離部材210の一例として、図3に示すように、剥離部材209の両端外側に配置した両端分離部材に該当するものを用いている。この場合、剥離部材209としては、前記被記録材または前記剥離部材において、被記録材Pの幅方向の両端部分近傍と剥離部材との間に接着力を生じさせない領域をあらかじめ設けたものを用いる。
この他、特開平7−36330号公報、特開2002−72792号公報に開示された分離方法も適用可能である。このような分離手段をとすることにより、被記録材と剥離部材とを確実に分離することができ、また、画像除去性も向上する。特に、本実施形態のように、剥離部材209として最表面に熱可塑性物層を有するローラ形状の剥離部材を使用する際には、図3に示すように剥離部材209の両端外側に配置した分離部材210とすることが好ましい。
また、紙のように表面平滑度の低い被記録材に画像が形成される場合、画像形成物質が、被記録材表面の凹部に画像形成物質が潜り込む。特に、低濃度階調画像や一次色の画像のように、少ない量の画像形成物質で構成されている画像の部分で、画像形成物質の潜り込みが見られることがわかっている。このような画像形成物質が除去できなかった場合、薄く画像が残ってしまい、場合によっては文字や画像が読み取られてしまうおそれがある。
本実施形態の剥離部材209は熱可塑性物層208を設け、被記録材Pと重ね合わせて加熱・加圧することにより、熱可塑性物層208が軟化状態となり、被記録材P表面の凹凸に倣うように変形するので、表面平滑度の低い被記録材の凹部に潜り込んだ画像形成物質も除去することができ、画像を完全に除去することができる。
本実施形態の画像除去装置100によって画像の除去が成される前の被記録材Pは、ユーザーが作成した書類等として取り扱われた後に不要となったものである。このため、被記録材Pの端部に、ユーザーが被記録材Pを書類等として扱う際に、耳折れが発生している可能性が高い。
ここで、「耳折れ」とは、長方形のシート状の被記録材Pの四隅近傍に発生する被記録材Pの折れ癖や曲がり癖のことを指し、通常平面状となる被記録材P表面に対して耳折れによって起き上がっている三角形状の部位を耳折れ部位と呼ぶ。
図6は、被記録材Pの耳折れの説明図である。図6(a)は、耳折れの無い正常な被記録材Pの説明図であり、図6(b)は、耳折れが生じた被記録材Pの説明図である。また、図6中の(a−1)及び(b−1)はそれぞれ被記録材Pの斜視図であり、(a−2)及び(b−2)はそれぞれ被記録材Pの側面図である。
図6(b)に示すように、耳折れによって、通常平面となる被記録材Pの表面から起き上がっている三角形状の部位を耳折れ部位(図中のE)と呼ぶ。耳折れ部位Eとその他正常な部分との境には、折り目が発生する。
耳折れが発生した被記録材Pは、正常な平面の被記録材Pと比較して、(1)折り目を境に不連続な面となる、(2)折り目に沿った向きには剛性が高くなる(曲がり難くなる)、(3)耳折れ部位が正常な記録面に重なる場合には厚みが増す、(4)耳折れのある部分の一辺の長さが短くなる(図6(b−1)に示す長さLだけ短くなる)、という変化が生じる。
また、耳折れの発生した被記録材Pは、被記録材Pの耳折れ部位Eと、その他正常な部分との境で被記録材Pの剛性が変化するため、図6(b)に示すような、耳折れ部位Eが生じたままの状態を維持しようとする。
被記録材Pの耳折れは、画像形成した被記録材Pを、ユーザーが作成した書類等として扱う間に発生することが多く、その大きさ・形状は様々なので、耳折れが発生したままの被記録材Pが混入する頻度、それぞれの耳折れ部位Eの大きさ・形状を予測することは困難であると言ってよい。また、ユーザーが被記録材Pに耳折れが発生していることに気付かないまま、画像除去装置の給紙部にセットされることがある。
次に、耳折れが発生した被記録材P(以下、耳折れ被記録材P´と表現する場合がある。)に対して、本実施形態の画像除去装置100と同様の画像除去部200で画像除去を行った場合の不具合について説明する。
図7は、耳折れ被記録材P´の先端部が分離部材210による分離点を通過した直後の説明図であり、図7(a)の方が図7(b)よりも僅かに早いタイミングにおける説明図である。
図7では、耳折れ被記録材P´の耳折れ部位Eに当たる部分は点線で示している。この場合、耳折れ被記録材P´の先端部分よりも搬送方向の上流側で、耳折れ被記録材P´が分離部材210に当接するので、領域X、領域Y、領域Zは図7(a)に示すようになる。すなわち、領域Yの搬送方向下流側端部よりも、領域Xの搬送方向下流側端部の方が搬送方向の下流側の位置にあることになる。
このとき、剥離部材209の搬送力と耳折れ被記録材P´の剛性によって、耳折れ被記録材P´の両端部分から耳折れ被記録材P´の中央部分を引っ張る方向Zに力が加わるが、分離された部分(領域Z)が耳折れ被記録材P´の中央部分に向かって広がり始めるタイミングが、図4を用いて説明した耳折れのない正常な被記録材Pに比較して遅れることになる。
このため、図7(b)に示すように、分離された部分(領域Z)が広がる前に、耳折れ被記録材P´の先端部分が剥離部材209に接着したまま、分離部材210の先端部近傍に到達してしまう。そして、分離爪310に引っかからずに剥離部材209と分離爪310との間に耳折れ被記録材P´が入り込んでしまうため、分離不良による紙詰まりというトラブルが発生することがあった。また、耳折れ被記録材P´が分離爪310を巻き込んでしまうことにより、剥離部材209の破損、分離爪310の破損という致命的なトラブルが発生することがあった。
なお、図7に示す例では分離補助部材として分離爪310を備えた構成であるが、二つの分離部材210の間に板状の分離板を備えた構成であっても分離爪310と同様の問題が生じ得る。
また、図7を用いて説明したようなトラブルが発生しなくても、耳折れ部位Eが画像面と重なった状態のまま画像除去がなされた場合、耳折れ部位Eによって隠された部分の画像が剥離部材209と接触しないため、画像が残留するという不具合が発生していた。
また、耳折れ部位Eが画像と重なっていない状態の場合においても、剥離部材209と耳折れ被記録材P´を重ね合わせて加圧する際に、耳折れ被記録材P´の折り目に沿った向きの剛性が高くなっている。このために耳折れ被記録材P´が剥離部材209に均一に加圧されず、折り目近傍の画像の残留、シワの発生といった不具合が発生していた。
また、本実施形態の画像除去部200のように、被記録材Pを剥離部材209に重ね合わせて加熱・加圧することによって熱転写する方式の剥離部材209を使用した画像除去手段においては、被記録材Pと剥離部材209とを重ね合わせる手段(本実施形態のニップ部N)に被記録材Pが適切に搬送・挿入されず、その後の加圧する手段、加熱する手段(加熱ローラ207)において均一に加圧・加熱されないことや、折り目発生による被記録材Pの剛性の変化等が生じる。これにより、被記録材Pの熱膨張・収縮が不均一となるために、被記録材Pにシワが発生しやすく、また、画像の残留が起こるという不具合が発生していた。
また、耳折れ被記録材P´が分離部材210に当接する際に、正常な被記録材Pに比べて折り目に沿った方向の剛性が高くなっているため、良好に画像除去がなされるように耳折れ被記録材P´を曲げることができなくなり、画像の残留が発生していた。
また、耳折れが発生したままの耳折れ被記録材P´が混入した場合、正常な画像面と耳折れ部位とが折り目を境に不連続な面となっている。このため、本実施形態の画像除去部200のように、剥離部材209表面から被記録材Pを確実に分離させる分離部材210として、被記録材Pの画像面の少なくとも両端部に当接させて両端部近傍を分離する方式において、剥離部材209の移動によって分離部材210に当接する耳折れ被記録材P´両端部に加わる分離力が耳折れ被記録材P´全面に伝達せず、耳折れ被記録材P´が剥離部材209から確実に分離できなくなる。これが原因となり、被記録材Pの破損、画像除去装置100が停止するというトラブルが発生していた。
また、本実施形態の画像除去部200のように、少なくとも最表層には剥離部材209と被記録材Pとを重ね合わせて加圧するときの温度において軟化する熱可塑性物層208を有するローラ型の形状である剥離部材209を備えた画像除去手段においては、被記録材Pの剥離部材209と対向する領域全面に剥離部材209との接着力が生じた状態となっている。このため、剥離部材209表面から被記録材Pを確実に分離させる分離部材210として、被記録材Pの記録面の少なくとも両端部に当接させて両端部近傍を分離する方式により、被記録材Pの少なくとも端部に確実に分離部材210を当接させて被記録材Pの一部を分離した状態とし、分離部材210に当接する部分の周囲にも分離力を伝達させることで、被記録材Pの全面を剥離部材209から完全にかつ確実に被記録材Pを分離させることが最も効果的である。
しかしながら、このような構成の剥離部材209、分離部材210が使用されている画像除去装置100に、耳折れが発生した耳折れ被記録材P´が混入した場合、耳折れにより発生する折り目を境に不連続な面となるために、耳折れ被記録材P´端部に加わる分離力が耳折れ被記録材P´全面に伝達しない。しかも、耳折れ被記録材P´と剥離部材209との接着力が強力であるために、被記録材Pの破損、画像除去装置100が停止するというトラブルが発生していた。
また、画像除去装置100のような構成とした場合、被記録材Pとして一般に使用されている紙を用いた場合、画像除去部200において、加熱・加圧して紙と剥離部材209とを密着させると、紙と剥離部材209との接着力が強くなりすぎる。これにより、分離部材210を用いたとしても分離できなくなってしまうので、被記録材Pとして、リユース可能であること等を識別するマークが端部に付与されたリユーザブルメディアを使用することが好ましい。しかしながら、耳折れが発生したリユーザブルメディアが混入していた場合においては、識別マーク近傍の耳折れ部位Eによって識別マークが隠されることにより、識別マークを読み取ることができなくなる。
そして、耳折れが発生していた普通紙が混入していた場合においては、リユーザブルメディアであるか否かを検知できず、画像除去手段によって画像除去処理が行われてしまい、被記録材に張り付いてしまうことによって剥離部材の交換が必要となる、という致命的なトラブルが発生していた。
次に、本発明の耳折れ検知手段として適用可能な耳折れ検知センサ218の一例について説明する。
図8は、本実施形態の画像除去装置100の耳折れ検知センサ218周辺の拡大説明図であり、図8(a)は側面図、図8(b)は上面図である。
被記録材Pに耳折れがあるか否かを検知するための耳折れ検知手段である耳折れ検知センサ218は、給紙トレイ202内の被記録材Pが給紙コロ203によって搬送された直後の搬送経路中に設けられている。本実施形態の耳折れ検知センサ218は、被記録材Pの幅方向(搬送方向に対して同面内直交方向)における中央と両端が通過する箇所に並列されて設けられ、搬送される被記録材Pの光反射特性を検知することによって耳折れを検知する光学センサ(401、402、403)である。本実施形態では、耳折れ検知センサ218として光反射特性を検知する光学センサを用いる構成について説明するが、光透過特性を検知する光学センサを用いる構成であっても良い。
図4に示すように、画像除去部200に被記録材Pを供給する被記録材供給搬送手段のうち、耳折れ検知センサ218に対して搬送方向上流側は、画像除去しようとしている被記録材Pを収納する給紙トレイ202、被記録材Pを画像除去装置100内へと送り出す給紙コロ203より構成される。また、耳折れ検知センサ218に対して搬送方向上流側の被記録材供給搬送手段は、画像除去部200へと被記録材Pを搬送するための供給搬送ローラ対205と、被記録材Pを確実に画像除去部200に案内するための供給搬送ガイド204より構成される。そして、被記録材Pに耳折れがあるか否かを検知する耳折れ検知センサ218は、被記録材Pが給紙コロ203より送られた直後の搬送路に設けられている。耳折れ検知センサ218は、被記録材Pの少なくとも先端に耳折れがあるか否かを検知するためのものであり、図1に示す制御部201は、耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいて、被記録材Pに「耳折れなし」と判断された場合にのみ画像除去処理を施すように、被記録材供給搬送手段、被記録材排出搬送手段、及び、画像除去手段を構成する各部材の駆動等を制御する。なお、耳折れ検知手段は画像除去手段よりも極力上流に設けられていることが好ましく、図8の耳折れ検知センサ218のように、画像除去しようとしている被記録材Pが,給紙トレイ202から搬送された直後の搬送経路に設けられていることが好ましい。
図8(b)に示すように、耳折れ検知センサ218が備える光学センサ(401、402、403)は、少なくとも被記録材Pの先端部および後端部における幅方向についての中央部および両端部が通る位置に配置されている。制御部201は、被記録材Pの中央部が通過する位置に設置された光学センサで検知される光量と、被記録材Pの両端部が通過する位置に設置された光学センサで検知される光量とを比較する。そして、被記録材の中央部と端部とで等しい光量値が得られた場合には「耳折れなし」、異なる光量値が得られた場合には「耳折れ有り」と検知する。
図9は、耳折れ検知センサ218によって耳折れの有無の検知する説明図である。
図9(a)及び図9(b)は耳折れが発生していない被記録材Pの先端部が耳折れ検知センサ218上を通過するときの説明図であり、図9(c)及び図9(d)は耳折れが発生している被記録材Pの先端部が耳折れ検知センサ218上を通過するときの説明図である。
図9に示すように、耳折れ検知センサ218は給紙トレイ202から給紙コロ203によって、被記録材Pが搬送される直後の被記録媒材搬送経路中に設けられている。耳折れ検知センサ218は、搬送される被記録材Pの光反射特性を検出する光学センサを被記録材Pの幅方向(搬送面内で搬送方向に直交する方向)における中央と両端が通過する箇所に備える。この光学センサは、少なくとも被記録材Pの先端部および後端部における中央および両端が通る箇所に配置されている。図9の耳折れ検知センサ218では、中央の光学センサを第一センサ401、搬送方向左側(図中上側)の光学センサを第二センサ402、そして、搬送方向右側(図中下側)の光学センサを第三センサ403とする。
耳折れ検知センサ218は、被記録材Pの中央が通過する位置に設置された第一センサ401で検知される光量と、被記録材Pの両端が通過する位置に配置された第二センサ402及び第三センサ403でそれぞれ検知された光量とを比較する。そして、第一センサ401で得られた光量値と等しい光量値が第二センサ402及び第三センサ403で得られた場合は「耳折れなし」、第一センサ401で得られた光量値と異なる光量値が第二センサ402と第三センサ403との少なくとも一方で得られた場合には「耳折れあり」と判定する。このような、耳折れの有無を判定する耳折れ判定手段としての機能は図1で示す制御部201が備える。制御部201は耳折れ判定手段としての判定結果に基づいて、被記録材Pに「耳折れなし」と判断された場合にのみ画像除去処理を施すように、被記録材供給搬送手段、被記録材排出搬送手段、及び、画像除去手段を構成する各部材の駆動等を制御する。
図9(b)のように、耳折れが発生していない被記録材Pが耳折れ検知センサ218上を通過すると、第一センサ401から得られる光量値と第二センサ402及び第三センサ403の光量値とが等しくなる。詳しくは、第一センサ401と第二センサ402の光量値が等しいため被記録材Pの搬送方向左側は「耳折れなし」との判定がなされ、第一センサ401と第三センサ403との光量値も等しいため被記録材Pの搬送方向右側も「耳折れなし」との判定がなされる。そして、「耳折れなし」と判定がなされた被記録材Pは、画像除去部200に搬送されて画像除去部200を通過するときに、画像の除去が成され、画像除去装置100の装置外に排出される。
一方、図9(d)のように、耳折れが発生している耳折れ被記録材P´が耳折れ検知センサ218上を通過すると、第一センサ401から得られる光量値に対して、第二センサ402または第三センサ403のうちの耳折れが発生している側のセンサの光量値が異なる。詳しくは、耳折れが発生している耳折れ被記録材P´の搬送方向左側が通る箇所に配置された第二センサ402と第一センサ401との光量値が異なるため耳折れ被記録材P´の搬送方向左側は「耳折れあり」との判定がなされる。また、耳折れが発生していない耳折れ被記録材P´の搬送方向右側が通る箇所に配置された第三センサ403と第一センサ401との光量値が等しいため耳折れ被記録材P´の搬送方向右側は「耳折れなし」との判定がなされる。そして、制御部201は、「耳折れあり」との判定がなされた耳折れ被記録材P´が画像除去部200での画像除去処理が施されることなく画像除去装置100の装置外に排出されるように、被記録材供給搬送手段、被記録材排出搬送手段、及び、画像除去手段を構成する各部材の駆動等を制御する。
〔実施例1〕
次に、被記録材Pに「耳折れなし」との判定がなされた場合のみに画像除去部200で画像の除去を行うように制御する画像除去装置100の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
実施例1の画像除去装置100は、耳折れ検知センサ218に対して被記録材Pの搬送方向下流側、且つ、画像除去部200に対して被記録材Pの搬送方向上流側の位置に、耳折れ検知センサ218によって検知される位置を通過後の被記録材Pの搬送経路を、被記録材Pが画像除去部200に向かう第一搬送経路と、被記録材Pが画像除去部200を通らずに装置外に向かう第二搬送経路との何れかに切り替えることができる、搬送経路切り替え手段を備えるものである。
図10は実施例1の画像除去装置100における耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいた制御のフローチャートである。
画像除去装置100の外部からの信号により、給紙トレイ202から被記録材Pを1枚搬送する(S1)。次に、耳折れ検知センサ218において、被記録材Pに耳折れが生じているか否かを検知する(S2)。このとき、「耳折れなし」と検知されたとき(S2で「OK」)には、詳細は後述する搬送経路切り替え手段を制御して、被記録材Pを画像除去部200へと搬送し(S3)、画像除去処理を行う(S4)。そして、画像除去が成された画像除去済みの排紙容器である排紙トレイ215へ搬送される(S5)。一方、耳折れ検知センサ218で「耳折れ有り」と検知されたとき(S2で「NG」)は、制御部201が搬送経路切り替え手段を制御して、被記録材Pを、画像除去部200を経ない経路へ搬送する(S7)。そして、画像除去部200を経ない経路を通過した被記録材Pは、詳細は後述する所定の排紙容器に排出される。
図11は、実施例1の画像除去装置100の概略説明図である。
図11に示す実施例1の画像除去装置100は、図1を用いて説明した本実施形態の画像除去装置100と同様に、被記録材Pが画像除去部200を経て排紙トレイ215に排出される第一搬送経路αを備える。さらに、実施例1の画像除去装置100は、第一搬送経路αとは別に、被記録材Pが画像除去部200を経ずに画像除去装置100の装置外に排出される第二搬送経路βを備える。第一搬送経路αには、供給搬送ガイド204供給搬送ローラ対205、画像除去部200、排出搬送ガイド216、排出搬送ローラ対217a、及び、排紙ローラ対217bが配置されている。第二搬送経路βには、第二排出搬送ローラ対605、第二排出搬送ガイド606、及び、第二排紙ローラ対608が配置され、第二搬送経路βを通過した被記録材Pが排出される所定の排紙容器としての第二排紙トレイ604を備える。また、耳折れ検知センサ218と画像除去部200との間の被記録材Pの搬送経路であり、第一搬送経路αと第二搬送経路βとが分岐する位置には、搬送経路切り替え手段としての分岐爪607が配置されている。分岐爪607は不図示の駆動源を備え、制御部201が分岐爪607の駆動源を制御することによって、被記録材Pを第一搬送経路αまたは第二搬送経路βに案内するように分岐爪607が揺動軸607aを中心に揺動する。
なお、実施例1の画像除去装置100は図1〜4を用いて説明した本発明が適用可能な画像除去装置100の構成に対して、第二搬送経路βを備えた構成であり、他の構成は共通するため、共通する構成については説明を省略する。
第一搬送経路αは、耳折れ検知センサ218における検知によって「耳折れなし」と判断された被記録材Pを画像除去部200へと搬送し、画像除去部200で画像の除去が成された被記録材Pを排紙トレイ215に排出するものである。一方、第二搬送経路βは、耳折れ検知センサ218における検知によって「耳折れ有り」と判断された被記録材Pを画像除去部200を経ることなく、第二排紙トレイ604に排出するものである。
実施例1の画像除去装置100では、耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいて、制御部201が被記録材Pに「耳折れなし」と判断した場合は、制御部201は分岐爪607がその被記録材Pを第一搬送経路αに案内する姿勢となるように分岐爪607の駆動源を制御する。このとき、第一搬送経路αを構成する、供給搬送ローラ対205、排出搬送ローラ対217a、及び、排紙ローラ対217bが駆動し、さらに、画像除去部200の加熱ローラ207及び剥離部材209が駆動するように制御部201が各部材の駆動を制御する。
一方、耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいて、制御部201が被記録材Pに「耳折れ有り」と判断した場合は、制御部201は分岐爪607がその被記録材Pを第二搬送経路βに案内する姿勢となるように分岐爪607の駆動源を制御する。このとき、第二搬送経路βを構成する、第二排出搬送ローラ対605、及び、第二排紙ローラ対608が駆動するように制御部201が各部材の駆動を制御する。
このように、実施例1の画像除去装置100は、「耳折れ有り」と判断した被記録材Pを画像除去部200に搬送しないため、耳折れが生じた被記録材Pが画像除去部200に挿入されることによる不具合の発生を防止することができる。
さらに、実施例1の画像除去装置100では、第1の排紙容器である排紙トレイ215とは別に設けられた第二排紙トレイ604に、「耳折れ有り」と判断された被記録材Pを排出するための、第二排出搬送ガイド606、第二排出搬送ローラ対605、及び、第二排紙ローラ対608からなる第二の被記録材排出搬送手段を備えている。これにより、「耳折れなし」と検知された被記録材Pは、画像除去部200で画像除去処理を施された後、排紙トレイ215へ排出され、一方、「耳折れ有り」と検知された被記録材Pは画像除去処理を施すことなく、第二排紙トレイ604へと排出される。このため、排紙トレイ215に収容された被記録材Pの中に、再度「耳折れ有り」の被記録材Pが混入することがない。
〔実施例2〕
次に、被記録材Pに「耳折れなし」との判定がなされた場合のみに画像除去部200で、画像の除去を行うように制御する画像除去装置100の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図12は、実施例2の画像除去装置100の概略説明図である。
図12に示す実施例2の画像除去装置100は、分岐爪607の位置で第一搬送経路αと分岐する第二搬送経路βが、第一搬送経路αにおける画像除去部200よりも被記録材の搬送方向下流側で第一搬送経路αと合流する構成となっている。実施例1と同様に、第一搬送経路αは、耳折れ検知センサ218における検知によって「耳折れなし」と判断された被記録材Pを画像除去部200へと搬送し、画像除去部200で画像の除去が成された被記録材Pを排紙トレイ215に排出するものである。また、第二搬送経路βも、実施例1と同様に、耳折れ検知センサ218における検知によって「耳折れ有り」と判断された被記録材Pを画像除去部200を経ることなく、画像除去装置100の装置外に排出するものであるが、排出する先が、第一搬送経路αを通過した被記録材Pと同じ排紙トレイ215である点で実施例1の画像除去装置100と異なる。
すなわち、第二搬送経路βは、画像除去部200の上流側で分岐して、画像除去部200を経ることなく、画像除去部200の下流側の被記録材排出搬送手段に合流する搬送経路である。
以上のような構成とすることにより、給紙トレイ202に、耳折れが生じたままの被記録材Pが混入していたとしても、耳折れ検知センサ218において、各被記録材P毎に耳折れの有無を確実に検知することができる。そして、「耳折れ有り」と検知された被記録材Pが画像除去部200に搬送されることなく、搬送路βを通じて画像除去装置100の装置外へと排出することが可能となる。これにより、耳折れが生じた被記録材Pが画像除去部200に挿入されることによる不具合の発生を防止することができる。また、実施例2の画像除去装置100であれば、被記録材排出搬送手段および排出容器を複数設ける必要がないため、画像除去装置100を簡素にすることが可能となる。
なお、実施例1及び実施例2の何れの実施例においても、「耳折れ有り」と検知された被記録材Pを搬送するための第二搬送経路βにおいて、被記録材Pが搬送される過程で耳折れ部位Eが原因となって引き起こされるジャム発生、レジスト不良、スキュー発生などの搬送不良を生じるおそれがある。このため、第二搬送経路βは、極力短く設計し、かつ、搬送ローラの数が少ない搬送経路とすることが好ましい。
〔実施例3〕
次に、被記録材Pに「耳折れなし」との判定がなされた場合のみに画像除去部200で画像の除去を行うように制御する画像除去装置100の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について説明する。
実施例3の画像除去装置100は、耳折れ検知センサ218によって耳折れがあることが検知された被記録材Pが画像除去部200を通過するタイミングでは、剥離部材209に被記録材Pを重ね合わせる加圧を解除するように、加熱ローラ207を剥離部材209に対して加圧する不図示の加圧機構を制御部201が制御するものである。
図13は、実施例3の画像除去装置100における耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいた制御のフローチャートである。
画像除去装置100の外部からの信号により、給紙トレイ202から被記録材Pを1枚搬送する(S1)。次に、耳折れ検知センサ218において、被記録材Pに耳折れが生じているか否かを検知する(S2)。このとき、「耳折れなし」と検知されたとき(S2で「OK」)には、そのまま被記録材Pを画像除去部200に搬送し(S3)、画像除去処理を行う(S4)。一方、耳折れ検知センサ218で「耳折れ有り」と検知されたとき(S2で「NG」)は、制御部201が不図示の加圧機構を制御して、その被記録材Pが画像除去部200を通過する間は、被記録材Pを剥離部材209に重ね合わせるようにする加圧を解除する(S7)。そして、被記録材Pが剥離部材209に加圧されない状態で、より好ましくは、被記録材Pが剥離部材209に接触しない状態となるように、加熱ローラ207と剥離部材209とを離間させ、その離間させた空間に被記録材Pを通過するように搬送し(S8)、所定の排紙容器に排出する(S8)。
図14は、実施例3の画像除去装置100の概略説明図である。
図14に示す実施例3の画像除去装置100は、画像除去部200の加熱ローラ207と剥離部材209との間に、圧力の印加、または、圧力の解除を超音波送受信回路説するための不図示の加圧機構を備えている。加圧機構としては、バネや水圧、空気圧などによって加圧する手段を用いることができる。そして、耳折れ検知センサ218の検知結果に基づいて制御部201が加圧機構の動作を制御する。
次に図15及び図16を用いて実施例3の画像除去装置100の動作を説明する。
図15は、耳折れ検知センサ218の検知結果によって給紙トレイ202から供給された被記録材Pが「耳折れなし」と判断された場合の動作を示す説明図である。図15(a)は、被記録材Pが画像除去部200に進入する直前の状態、図15(b)は、被記録材Pが画像除去部200を通過中の状態、図15(c)は、被記録材Pが画像除去部200を通過した後の状態の説明図である。
被記録材Pが「耳折れなし」と判断された場合、被記録材Pが加熱ローラ207と剥離部材209により、加熱・加圧されるように制御部201が不図示の加圧機構を制御して、圧力を印加する。この動作によって、図15(a)に示すように、加熱ローラ207と剥離部材209とが接する部分にニップ部Nが形成され、被記録材Pがニップ部Nを通過する間に、被記録材Pは加熱ローラ207と剥離部材209とより加熱・加圧される。このとき、被記録材P上の画像形成物質であるトナーTは溶融状態となる。そして、図15(b)に示すように、分離部材210によって剥離部材209から被記録材Pが分離され、被記録材P上のトナーTが剥離部材209に転写されることによって、図15(c)に示すように、画像形成された被記録材Pの画像除去が可能となる。
図16は、耳折れ検知センサ218の検知結果によって給紙トレイ202から供給された被記録材Pが「耳折れ有り」と判断された場合の動作を示す説明図である。図16(a)は、被記録材Pが画像除去部200に進入する直前の状態、図16(b)は、被記録材Pが画像除去部200を通過中の状態、図16(c)は、被記録材Pが画像除去部200を通過した後の状態の説明図である。
被記録材Pが「耳折れなし」と判断された場合には、加熱ローラ207と剥離部材209によって、「耳折れ有り」と検知された被記録材Pが加熱・加圧されないように、制御部201は加圧機構による加圧を解除する。そして、好ましくは、図16(a)に示すように、加熱ローラ207と剥離部材209との間に一定の間隔を空けるように、不図示の加圧機構を制御する。
図16(b)に示すように、被記録材Pは、加熱ローラ207と剥離部材209との間の空間を通過するので、被記録材P上に形成された画像形成物質としてのトナーTは剥離部材209に密着しない。これにより、被記録材Pは、図16(c)に示すように、画像除去部200によって画像除去処理されることなく、被記録材排出搬送手段へと搬送される。
このように、実施例3の画像除去装置100は、「耳折れ有り」と判断した被記録材Pは、画像除去部200で画像除去処理が成されないため、耳折れが生じた被記録材Pが画像除去部200で画像除去処理を成されることよる不具合の発生を防止することができる。
上述した実施形態の画像除去装置100では、加熱することにより、被記録材P上のトナーTを溶融し、剥離部材209に転写する構成について説明した。被記録材上の画像形成物質を溶融する構成としては、加熱するものに限らず、溶融液を塗布することによって被記録材上の画像形成物質を溶融し、剥離部材に転写する構成であっても良い。
また、被記録材Pとしては、リユーザブルメディアを用いる実施形態について説明したが、画像除去装置100で画像の除去を行う被記録材Pとしてはリユーザブルメディアに限るものではなく、通常の紙の画像を除去するものであっても良い。
また、画像形成物質がトナーTである実施形態について説明したが、本発明を適用する画像除去装置が除去する画像形成物質としてはトナーに限るものではない。被記録材上に定着された後、加熱や溶融液の塗布等によって溶融させることができ、剥離部材に転写可能な画像形成物質であれば良く、このような画像形成物質を被記録材上から除去する画像除去装置に対して本発明は適用可能である。
以上、本実施形態の画像除去装置100においては、画像形成物質であるトナーTからなる画像が表面に形成されたシート状の被記録材PからトナーTを除去する画像除去手段としての画像除去部200を備える。また、被記録材Pを搬送し、画像除去部200に供給する被記録材供給搬送手段として、給紙トレイ202、給紙コロ203、供給搬送ガイド204、及び、供給搬送ローラ対205等を備える。また、画像除去部200を通過した被記録材Pを搬送し、画像除去装置100外に排出する被記録材排出搬送手段として、排出搬送ガイド216、排出搬送ローラ対217a、排紙ローラ対217b及び、排紙トレイ215等を備える。また、画像除去部200は、表面が被記録材Pの画像が形成された面と接触した状態で被記録材Pの搬送方向に沿って表面移動し、被記録材Pの表面からトナーTを転写させてトナーTを被記録材P上から剥離させる剥離部材209を備える。また、画像除去部200は、剥離部材209が被記録材Pと接触する位置で剥離部材209に被記録材Pを重ね合わせて加圧する加圧部材である加熱ローラ207と、剥離部材209に重ね合わされた被記録材Pを該剥離部材から分離する分離手段である分離部材210とを備える。そして、画像除去装置100は、画像除去部200に対して被記録材Pの搬送方向上流側に被記録材Pの耳折れの有無を検知する耳折れ検知手段である耳折れ検知センサ218を有し、耳折れ検知センサ218によって耳折れが有ることが検知された被記録材Pに対しては、画像除去部200による画像除去処理を行わないように制御する制御手段である制御部201を有する。このため、剥離部材209に被記録材Pを重ね合わせることがなく、耳折れが生じた被記録材Pが剥離部材209に接着した状態とならない。よって、耳折れに起因する剥離部材209と分離不良が生じることがなく、画像除去手段において紙詰まりが発生することを防止することができる。
また、従来の画像除去装置では、耳折れが生じた被記録材に画像除去処理を行うことで、耳折れによって隠された部分、もしくは、剥離部材に当接しなかった耳折れ部位近傍に形成された画像の残留といった画像除去不良や、被記録材のシワ発生といった問題が発生していた。これらの問題が発生した場合、被記録材は再利用ができず、不要な画像除去処理を行ったことになる。一方、本実施形態の画像除去装置100であれば、画像除去不良やシワ発生の問題が起こる可能性が高い耳折れが生じた被記録材に対しては画像除去処理を施さないため、不要な画像除去処理を行うことを防止することができる。このため、画像処理に要するエネルギーの削減、及び、画像除去部200の各部材の使用による劣化の抑制を図ることができる。
なお、耳折れに起因する画像除去不良や、被記録材のシワ発生といった問題は、被記録材の搬送方向についての後端側に耳折れが発生している状態でも起こり得る問題である。このため、耳折れ検知センサ218で被記録材Pの搬送方向後端側のみに耳折れが生じている場合であっても、画像除去部200による画像除去処理を行わないように制御してもよい。
特に、実施例1または実施例2の画像除去装置100は、耳折れ検知センサ218に対して被記録材Pの搬送方向下流側、且つ、画像除去部200に対して被記録材Pの搬送方向上流側の位置に、被記録材Pの搬送経路を切り替える分岐爪607を備える。分岐爪607は、耳折れ検知センサ218によって検知される位置を通過後の被記録材Pの搬送経路を、被記録材Pが画像除去部200に向かう第一搬送経路αと、被記録材Pが画像除去部200を通らずに装置外に向かう第二搬送経路βとの何れかに切り替えることができる搬送経路切り替え手段である。そして、制御部201は、耳折れ検知センサ218によって耳折れがあることが検知された被記録材Pを分岐爪607が第二搬送経路βに搬送する姿勢となるように分岐爪607の駆動源を制御し、分岐爪607の姿勢を制御する。このため、実施例1または実施例2の画像除去装置100では、給紙トレイ202から搬送される被記録材Pに対して、耳折れが発生しているか否かを画像除去部200に到達する前に検知することができる。そして、「耳折れ有り」と判断した場合には、その被記録材Pが画像除去部200を経ることなく、所定の排紙容器(第二排紙トレイ604または排紙トレイ215)へと搬送されるよう、駆動/制御がなされる。すなわち、ユーザーが、耳折れの発生した被記録材Pが給紙トレイ202に混入していることに気付かないまま、画像除去装置100を稼動させた場合であっても、正常な被記録材Pのみに対して画像除去処理を施すことができる。したがって、耳折れの発生した被記録材Pが剥離部材209に接着することによって発生する分離不良・被記録材の破損といったトラブルも回避することができる。
特に、実施例3の画像除去装置100では、制御部201は、耳折れ検知センサ218によって耳折れがあることが検知された被記録材Pが画像除去部200を通過するタイミングでは、剥離部材209に被記録材Pを重ね合わせる加圧を解除するように加圧部材である加熱ローラ207を剥離部材209に対して加圧する不図示の加圧機構を制御する。このため、実施例3の画像除去装置100では、給紙トレイ202から搬送される被記録材Pに耳折れが発生しているか否かを、被記録材Pが剥離部材209に加熱圧接される前に検知することができる。そして、「耳折れ有り」と判断した場合には、画像除去部200での被記録材Pと剥離部材209とを加圧する手段である加圧機構による加圧を解除し、被記録材Pを剥離部材209に加圧しない状態で画像除去部200を通過させ、排紙トレイ215に搬送するよう駆動/制御することができる。すなわち、ユーザーが、耳折れの発生した被記録材Pが給紙トレイ202に混入していることに気付かないまま、画像除去装置100を稼動させた場合であっても、正常な被記録材Pのみに対して画像除去処理を施すことができる。したがって、耳折れの発生した被記録材Pが剥離部材209に接着することによって発生する分離不良・被記録材の破損といったトラブルも回避することができる。
また、本実施形態の画像除去装置100は、分離部材210は、剥離部材209の表面における被記録材Pの搬送方向に対して略並列に配置され、搬送する被記録材Pの先端部の幅方向の一部である幅方向両端部のみに当接する2つの分離部材からなる。このように、被記録材Pの先端部の一部のみに分離部材が当接する構成の場合、図4を用いて説明したように、分離部材210が当接する被記録材Pの一部を剥離部材209から離れる方向に案内することによって、被記録材Pの剛性によって分離部材210が当接しない被記録材Pの他の部分も剥離部材209から分離することができる。しかし、被記録材Pの分離部材210が当接すべき部分に耳折れが生じていると、図7を用いて説明したように、被記録材Pを剥離部材209から分離することができず、分離不良による紙詰まりが生じることがある。これに対して、本実施形態の画像除去装置100であれば、耳折れの発生したが被記録材Pには画像除去処理を行わないため、分離部材210が被記録材Pの幅方向の一部のみに当接する部材であっても、耳折れの発生した被記録材Pが剥離部材209に接着することによって発生する分離不良・被記録材の破損といったトラブルも回避することができる。
画像除去装置100では、分離爪310は、幅方向両端に配置された分離部材210が被記録材Pに当接する位置よりも被記録材搬送方向の下流側において、剥離部材209の表面に接触させず、分離部材210によって分離された被記録材Pの先端部に当接する位置に設けることが好ましい。すなわち、被記録材Pの両端側から中央に向かうにしたがって、分離爪310と被記録材Pとが当接する位置が、剥離部材209の搬送方向の下流側に設けられることが好ましい。また、分離爪310を用いる場合には、分離爪310を設けるときの個数、幅方向の間隔、剥離部材209表面との離間幅、角度、位置は、剥離部材209から分離される被記録材Pの剛性を考慮し、確実に分離を可能とし、かつ、画像除去性が良好となる分離角度となるよう設計する。また、分離爪310の代わりに分離板を用いる場合にも同様に、分離板の形状、剥離部材209表面との離間幅、角度、位置は、剥離部材209から分離される被記録材Pの剛性を考慮し、確実に分離を可能とし、かつ、画像除去性が良好となる分離角度となるよう設計する。
また、画像除去装置100は、被記録材Pの幅方向の両端部近傍に、剥離部材209との間に接着力を生じさせない非接着領域(図4中の領域Y)が形成されるように剥離部材209として、幅方向の長さが搬送される被記録材Pの規定された長さよりも短いものを用いる。そして、分離部材210を被記録材Pの非接着領域に当接するように配置する。これにより、被記録材Pの分離部材210に当接した部分以外は被記録材Pの剛性で剥離部材209から分離させる。これにより、被記録材Pの全面を剥離部材209から分離させることが可能となる。また、本実施形態の画像除去装置100では、被記録材Pの幅方向の両端部分近傍と剥離部材209との間に接着力を生じさせない領域は、被記録材Pの幅方向両端から5〜25[mm]にあたる被記録材Pに設ける。そして、分離部材210は少なくとも、被記録材Pの幅方向両端から5〜25[mm]幅の画像面側に当接するよう設けられていることが好ましい。画像除去装置100では、先端部に耳折れが発生した被記録材Pを画像除去処理することなく排出するので、熱転写方式の剥離部材209を備え、かつ、被記録材Pの両端部分に確実に当接させる分離部材210を設けた画像除去部200に発生しやすかった、図7を用いて説明した分離不良による被記録材Pの破損、画像除去装置100の停止というトラブルを未然に防ぐことができる。さらには、剥離部材209と被記録材Pとの間に接着力が生じていても、被記録材Pの両端部分には接着力が発生していないので、分離部材210に当接した被記録材Pの両端部分は確実に分離される。また、画像除去処理が行われる被記録材Pに耳折れが無いので、被記録材Pの剛性によって、被記録材Pの全面を剥離部材209から確実に分離することができ、更には、被記録材P上の画像形成物質を良好に除去することが可能となる。
また、画像除去装置100は、被記録材Pが分離部材210と当接する位置に対して被記録材Pの搬送方向下流側の位置に配置され、被記録材Pの幅方向について分離部材210が当接した領域(図4中領域Y)以外の一部と当接する分離補助部材である分離爪310を備える。分離爪310は、分離部材210によって分離された面に当接するように配置された板状の部材であり、分離された面と剥離部材209の表面との距離がさらに離れるように被記録材Pを案内することで更なる分離を促すものである。このため、分離爪310を備えることにより、画像形成物質との接着力が大きい剥離部材209であっても被記録材Pの全面を確実に分離することができるので、画像形成物質に対して定着性の良い被記録材Pを用いた場合でも、良好に除去することが可能となる。しかし、熱転写方式の剥離部材209を備え、かつ、被記録材Pの両端部分に確実に当接させる分離部材210、及び、両端部分以外を分離するための分離爪310を設けた画像除去部200では、被記録材Pの先端に耳折れが生じていると、分離不良、被記録材の破損、または、画像除去装置の停止というトラブルが発生しやすかった。さらには、分離部材210に適切に当接しなかった被記録材Pが分離爪310を巻き込んでしまうことによって発生していた剥離部材209や分離爪310の破損という致命的なトラブルが発生しやすかった。一方、画像除去装置100では、先端部に耳折れが発生した被記録材Pを画像除去処理することなく装置外に排出するので、これらのトラブルを未然に防ぐことができる。
また、被記録材P上の画像を形成する画像形成物質は熱可塑性画像形成物質であり、画像除去部200は、被記録材P上の画像形成物質が塑性を示す温度まで加熱する加熱手段としてのハロゲンランプ206を加熱ローラ207内に備える。そして、ハロゲンランプ206からの熱によって加熱された画像形成物質を被記録材P上から剥離部材209に転写することによって被記録材P上の画像形成物質を除去する。加熱によって画像形成物質を溶融させるため、溶融液を塗布して画像形成物質を溶融させる構成のように、液体の浸透や乾燥に時間を要することがないので高速の画像除去処理が可能となる。さらに、乾燥の工程を要しないため、消費電力を抑制することができる。
また、画像除去部200の剥離部材209は、加熱ローラ207が画像形成物質を加熱する温度において軟化する熱可塑性物層208を有する。これにより、剥離部材209と被記録材Pとの密着性が高まり、被記録材Pから剥離部材209への画像形成物質の転写性が高まり、被記録材P状の画像形成物質をより確実に除去することができる。また、剥離部材209と被記録材Pとの密着性が高まることにより、剥離部材209と被記録材Pとの間の接着力が強くなり、耳折れに起因する剥離部材209と分離不良が生じ易くなる。しかし、画像除去装置100では、先端部に耳折れが発生した被記録材Pを画像除去処理することなく装置外に排出するので、このような分離不良を未然に防ぐことができる。
また、画像除去装置100の被記録材供給搬送手段は、画像形成物質によって画像が形成されたシート状の被記録材Pをセットする給紙トレイ202と、給紙トレイ202にセットされた被記録材Pを上記画像除去部200に向けて一枚毎に繰出した搬送する繰出し搬送部材である給紙コロ203とを備える。画像除去部200に被記録材Pが一枚毎に搬送されるため、画像除去部200に搬送される被記録材Pの画像面を確実に剥離部材209に当接させることができるので、良好な画像除去を行うことができる。
また、画像除去装置100は、被記録材Pから剥離部材209の表面上に転写されたトナーTを剥離部材209の表面上から除去する剥離部材クリーング部材としてのクリーニングブレード211を備える。クリーニングブレード211によって剥離部材209の表面を清掃することにより、被記録材Pから剥離部材209へのトナーTの転写性を維持することができ、画像除去部200での画像除去性能を維持することができる。
また、剥離部材209としてローラ型剥離部材を用いているため、装置を小型化することが可能であり、且つ、エンドレスベルト型剥離部材を用いる場合に大きな問題となる寄りを回避でき、剥離部材209を長期間連続使用することが可能になる。また、ローラ型剥離部材の表面に熱可塑性組成物層を有することにより、中間調画像、画像周辺に飛び散った画像形成物質などを含めて、被記録材上の画像形成物質を完全に除去することができる。
また、耳折れ検知センサ218が、検知領域に於ける被記録材Pの有無を検知する検知部材として、被記録材Pの幅方向の中央部が通過する位置を検知領域とする中央検知部材としての第一センサ401と、被記録材Pの幅方向端部が通過する位置を検知領域とする端部検知部材としての第二センサ402及び第三センサ403とを備える。そして、第一センサ401の検知結果と第二センサ402または第三センサ403の検知結果とを比較し、第一センサ401では被記録材Pがあることを検知したタイミングで第二センサ402または第三センサ403の検知結果が被記録材Pはないと検知したときに被記録材Pに耳折れが発生していることを検知する。このように、耳折れ検知センサ218は簡素な構成で耳折れを検知することができるので、耳折れ検知センサ218を備えた画像除去装置100を、小型、安価な構成で提供することができる。
本実施形態の画像除去装置の概略構成図。 画像除去装置の画像除去動作を説明する模式図、(a)は、画像形成が成された後の被記録材の模式図、(b)は、被記録材が画像除去部に挿入される前の図を示す模式図、(c)は、被記録材が画像除去部に挿入され、その一部が剥離部材に接着している状態の模式図、(d)は、分離部材によって、被記録材の一部が剥離部材から分離され、トナーが剥離部材の表面に熱転写された状態の模式図、(e)は、被記録材が剥離部材から完全に分離されたときの模式図。 画像除去部の説明図、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は(b)中の矢印A方向から見た正面図。 被記録材の先端部が分離部材による分離点を通過した直後の説明図。 画像除去部が備えるローラ型の剥離部材の断面を示した概略説明図。 被記録材の耳折れの説明図、(a)は、耳折れの無い正常な被記録材の説明図、(b)は、耳折れが生じた被記録材の説明図。 耳折れ被記録材の先端部が分離部材による分離点を通過した直後の説明図、(a)の方が(b)よりも僅かに早いタイミングにおける説明図。 耳折れ検知センサ周辺の拡大説明図であり、(a)は側面図、(b)は上面図。 耳折れ検知センサの説明図、(a)は耳折れが発生していない用紙の先端が耳折れ検知センサの上を通過する直前の説明図、(b)は耳折れが発生していない用紙の先端が耳折れ検知センサの上を通過している状態の説明図、(c)は耳折れが発生している用紙の先端が耳折れ検知センサの上を通過する直前の説明図、(d)は耳折れが発生している用紙の先端が耳折れ検知センサの上を通過している状態の説明図。 実施例1の画像除去装置の制御のフローチャート。 実施例1の画像除去装置の概略説明図。 実施例2の画像除去装置の概略説明図。 実施例3の画像除去装置の制御のフローチャート。 実施例3の画像除去装置の概略説明図。 実施例3の画像除去装置の「耳折れなし」と判断された場合の動作を示す説明図、(a)は、被記録材が画像除去部に進入する直前の状態、(b)は、被記録材が画像除去部を通過中の状態、(c)は、被記録材が画像除去部を通過した後の状態。 実施例3の画像除去装置の「耳折れ有り」と判断された場合の動作を示す説明図、(a)は、被記録材が画像除去部に進入する直前の状態、(b)は、被記録材が画像除去部を通過中の状態、(c)は、被記録材が画像除去部を通過した後の状態。
符号の説明
100 画像除去装置
200 画像除去部
201 制御部
202 給紙トレイ
203 給紙コロ
204 供給搬送ガイド
205 供給搬送ローラ対
206 ハロゲンランプ
207 加熱ローラ
208 熱可塑性物層
209 剥離部材
210 分離部材
211 クリーニングブレード
213 排トナー容器
215 排紙トレイ
216 排出搬送ガイド
217a 排出搬送ローラ対
217b 排紙ローラ対
218 耳折れ検知センサ
219 弾性層
220 基体
310 分離爪
401 第一センサ
402 第二センサ
403 第三センサ
604 第二排紙トレイ
605 第二排出搬送ローラ対
606 第二排出搬送ガイド
607 分岐爪
608 第二排紙ローラ対
E 耳折れ部位
P 被記録材
P´ 耳折れ被記録材
T トナー
α 第一搬送経路
β 第二搬送経路

Claims (12)

  1. 画像形成物質からなる画像が表面に形成されたシート状の被記録材から画像形成物質を除去する画像除去手段と、
    被記録材を搬送し、該画像除去手段に供給する被記録材供給搬送手段と、
    該画像除去手段を通過した被記録材を搬送し、装置外に排出する被記録材排出搬送手段とを有し、
    上記画像除去手段が、表面が被記録材の画像が形成された面と接触した状態で被記録材の搬送方向に沿って表面移動し、被記録材の表面から画像形成物質を転写させて画像形成物質を被記録材上から剥離させる剥離部材と、該剥離部材が被記録材と接触する位置で該剥離部材に被記録材を重ね合わせて加圧する加圧部材と、上記剥離部材に重ね合わされた被記録材を該剥離部材から分離する分離手段とを備える画像除去装置において、
    上記画像除去手段に対して被記録材の搬送方向上流側に被記録材の耳折れの有無を検知する耳折れ検知手段を有し、
    上記耳折れ検知手段によって耳折れが有ることが検知された被記録材に対しては、上記画像除去手段による画像除去を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする画像除去装置。
  2. 請求項1の画像除去装置において、
    上記耳折れ検知手段に対して被記録材の搬送方向下流側、且つ、上記画像除去手段に対して被記録材の搬送方向上流側の位置に、上記耳折れ検知手段によって検知される位置を通過後の被記録材の搬送経路を、被記録材が上記画像除去手段に向かう第一搬送経路と、被記録材が上記画像除去手段を通らずに装置外に向かう第二搬送経路との何れかに切り替えることができる搬送経路切り替え手段を備え、
    上記制御手段は、上記耳折れ検知手段によって耳折れがあることが検知された被記録材を上記第二搬送経路に搬送するように上記搬送経路切り替え手段を制御することを特徴とする画像除去装置。
  3. 請求項1の画像除去装置において、
    上記制御手段は、上記耳折れ検知手段によって耳折れがあることが検知された被記録材が上記画像除去手段を通過するタイミングでは、上記剥離部材に被記録材を重ね合わせる加圧を解除するように上記加圧部材を制御することを特徴とする画像除去装置。
  4. 請求項1、2または3の画像除去装置において、
    上記分離手段は、上記剥離部材の表面における被記録材の搬送方向に対して略並列に配置され、搬送する被記録材の幅方向の一部のみに当接する複数の分離部材からなるものであることを特徴とする画像除去装置。
  5. 請求項4の画像除去装置において、
    被記録材の幅方向の両端部近傍に、上記剥離部材との間に接着力を生じさせない非接着領域が形成されるように上記剥離部材を設け、
    上記分離部材が被記録材の上記非接着領域に当接するように配置されていることを特徴とする画像除去装置。
  6. 請求項4または5の画像除去装置において、
    被記録材が上記分離部材と当接する位置に対して被記録材の搬送方向下流側の位置に配置され、被記録材の幅方向について上記分離部材が当接した領域以外の一部と当接する分離補助部材を備えることを特徴とする画像除去装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の画像除去装置において、
    被記録材上の画像を形成する画像形成物質は熱可塑性画像形成物質であり、
    上記画像除去手段は、被記録材上の画像形成物質が塑性を示す温度まで加熱する加熱手段を備え、該加熱手段によって加熱された画像形成物質を被記録材上から上記剥離部材に転写することによって被記録材上の画像形成物質を除去することを特徴とする画像除去装置。
  8. 請求項7の画像除去装置において、
    上記剥離部材は、上記加熱手段が画像形成物質を加熱する温度において軟化する熱可塑性物層を有することを特徴とする画像除去装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像除去装置において、
    上記被記録材供給搬送手段は、画像形成物質によって画像が形成されたシート状の被記録材をセットする給紙容器と、該給紙容器にセットされた被記録材を上記画像除去手段に向けて一枚毎に繰出した搬送する繰出し搬送部材とを備えることを特徴とする画像除去装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像除去装置において、
    被記録材から上記剥離部材の表面上に転写された画像形成物質を該剥離部材の表面上から除去する剥離部材クリーング部材を備えることを特徴とする画像除去装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像除去装置において、
    上記剥離部材はローラ形状であることを特徴とする画像除去装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の画像除去装置において、
    上記耳折れ検知手段は、検知領域における被記録材の有無を検知する複数の検知部材を備え、
    被記録材の搬送方向に対して直交する方向である被記録材の幅方向について、被記録材の幅方向の中央部が通過する位置を検知領域とする中央検知部材と、被記録材の幅方向の端部が通過する位置を検知領域とする端部検知部材との検知結果を比較し、中央検知部材では被記録材が有ることを検知したタイミングで端部検知部材が被記録材はないと検知したときに被記録材に耳折れが有ることを検知することを特徴とする画像除去装置。
JP2008119379A 2008-04-30 2008-04-30 画像除去装置 Withdrawn JP2009271153A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110954538A (zh) * 2018-09-25 2020-04-03 柯尼卡美能达株式会社 图像检查系统、图像检查方法、以及储存有图像检查程序的计算机能够读取的记录介质

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