JPH10333510A - 印字材料の除去装置 - Google Patents

印字材料の除去装置

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Publication number
JPH10333510A
JPH10333510A JP14531497A JP14531497A JPH10333510A JP H10333510 A JPH10333510 A JP H10333510A JP 14531497 A JP14531497 A JP 14531497A JP 14531497 A JP14531497 A JP 14531497A JP H10333510 A JPH10333510 A JP H10333510A
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JP
Japan
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peeling
recording material
release
belt
roller
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Pending
Application number
JP14531497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuko Taniguchi
和子 谷口
Naoki Yoshie
直樹 吉江
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離部材と被記録材の分離性が良いうえ、コ
ンパクトな印字材料の除去装置を提供する。 【解決手段】 剥離部材を被記録材8の搬送方向に配置
された少なくとも第1と第2の2つの剥離ベルト2a,
2bで構成し、これらの剥離ベルト2a,2bの周囲に
少なくとも1つの離型部24を設ける。第1の剥離ベル
ト2aの離型部24間の距離と第2の剥離ベルト2bの
離型部24間の距離とを異ならせる。被記録材8の先端
部に第1の剥離ベルト2aの離型部24が重なるよう
に、第1の剥離ベルト2aを被記録材8に圧接し、第1
の剥離ベルト2aから分離爪3aによって分離される被
記録材8の先端部に第2の剥離ベルト2bの離型部24
が重なるように、第2の剥離ベルト2bを被記録材8に
圧接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式で記録
された印字材料を被記録材から除去する印字材料の除去
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペーパリサイクルの観点より、電
子写真方式によって記録された記録媒体上の印字材料を
除去する装置が提案されている。このような印字材料除
去装置には、有機溶剤により印字材料を溶解又は膨潤さ
せてブラシや超音波等により除去するもの、熱転写によ
り熱可塑性の印字材料を除去するものがある。前者の装
置は、有機溶剤を使用するため、安全性(消防法上、人
体への影響等)や取扱性(臭気、液体の漏れ等)に問題
が生じる可能性が高く、特にオフィス内で使用するには
好ましくない。
【0003】後者の装置として、例えば、特開平1−2
97294号公報や、特開平4−64472号公報、特
開平4−94958号公報、特開平4−116000号
公報では、熱溶解性剥離部材を被記録材に接触させて加
熱し、冷やしてから剥離部材を分離することにより被記
録体上の印字材料を除去する装置が開示されている。こ
れらの装置では、剥離部材と被記録材を分離するときに
大きな力を必要とし、実際には剥離部材に分離ブレード
を相当強く押し当てる必要がある。このため、長期的に
剥離部材に分離ブレードを押し当てることになり、剥離
部材の表層が剥がれる虞れがあるという問題があった。
【0004】そこで、剥離部材からの被記録材の分離を
スムーズに行なうために、特開平8−190315号公
報では、剥離部材の一部に非吸着手段を設け、該非吸着
手段と被記録材の先縁部とを位置合わせして被記録材の
後部を脱墨した後、剥離部材の回転方向を逆転し、非吸
着手段と被記録材の後縁部とを位置合わせして被記録材
の前部を脱墨するトナー除去装置が開示されている。し
かしながら、この装置では、剥離部材の周囲長を被記録
材よりも長くする必要があり、コンパクト性に欠ける。
また、剥離部材を逆転させるので前述のような剥離部材
の加熱と冷却を行なう方式には採用できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題点に鑑みてなされたもので、剥離部材と被記録材の分
離性が良いうえ、コンパクトな印字材料の除去装置を提
供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、電子写真方式で記録された印字材料を有
する被記録材に剥離部材を圧接して、被記録材上の印字
材料を剥離部材に接着させ、被記録材を剥離部材から分
離することにより印字材料を被記録材から剥離する印字
材料の除去装置において、前記剥離部材を前記被記録材
の搬送方向に配置された少なくとも第1と第2の2つの
剥離部材で構成し、これらの剥離部材に少なくとも1つ
の離型部を設け、第1の剥離部材の離型部間の距離と第
2の剥離部材の離型部間の距離とを異ならせ、前記被記
録材の先端部に第1の剥離部材の離型部が重なるよう
に、第1の剥離部材を被記録材に圧接し、第1の剥離部
材から分離される被記録材の先端部に第2の剥離部材の
離型部が重なるように、第2の剥離部材を被記録材に圧
接する構成としたことを特徴とするものである。ここ
で、前記剥離部材から被記録材を分離する手段として、
分離爪によって分離する方式、被記録材の先端がその腰
の強さによって離型部から離れるのをガイド部材で掬い
上げて分離する方式(曲率分離方式)、被記録材を真空
で吸引する方式等を採用することができる。
【0007】前記剥離部材としては、被記録材上の印字
材料と接着性の高い材料とすることが好ましい。一般
に、材料相互間の接着性はそれらの固有のSP値(溶解
度パラメータ)と相関があり、SP値の接近している材
料同士は接着性が高い。印字材料であるトナーの主成分
であるアクリル樹脂やポリエステル樹脂はSP値が9〜
11であるから、本発明に使用する剥離部材としてはS
P値が8以上12以下の樹脂材料とするのが好ましい。
また、剥離部材は、耐熱性のある材料が要求される。表
層はトナーと同成分であるアクリル(メタクリル)重合
体やアクリル(メタクリル)−スチレン共重合体やポリ
エステル重合体を主成分としたものでもよいし、Al,
Ni等といった金属類、またはプラスチックフィルム等
が好ましい。さらに、剥離部材は、単一層構成でもよい
が、基層、中間層、表層といったように複数の層で構成
されてもよい。基層、中間層も当然耐熱性のある材料が
要求される。
【0008】また、前記剥離部材は、加熱した状態で被
記録材に圧接するのが好ましく、このため剥離部材とし
ては、軟化点が被記録材上の印字材料が軟化する温度以
上、被記録材の耐熱性から決定される温度以下の材料で
あって、具体的には、好ましくは80℃以上200℃以
下の樹脂材料である。
【0009】前記構成からなる印字材料の除去装置で
は、被記録部材の先端部が第1剥離部材の離型部に重な
り、さらに第2剥離部材の離型部に重なるので、被記録
部材はこれらの剥離部材からスムーズに分離させること
ができる。また、第1剥離部材の離型部間の距離と第2
剥離部材の離型部間の距離とを異ならせたので、第1剥
離部材の離型部が被記録材の先端部以外の部分と接触す
ることによって被記録材に非剥離部が残ったとしても、
その非剥離部は第2剥離部材によって除去される。さら
に、剥離部材を第1と第2の少なくとも2つ以上の剥離
部材で構成することにより、剥離部材の周囲長を被記録
材の長さ以上にする必要がなくなり、結果として装置が
コンパクトになる。
【0010】前記離型部は、剥離部材を除去することに
よって形成するか、あるいは剥離部材の表面に離型剤を
塗布することによって形成することが好ましい。離型剤
としては、被記録剤との離型性の高い材料、例えばシリ
コン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、フッ素系
の高分子を使用することができる。
【0011】本発明の印字材料の除去装置には、さら
に、前記被記録材の長さを検出する長さ検出手段を設
け、該長さ検出手段によって検出された被記録材の長さ
が前記第1の剥離部材の離型部間の距離よりも短いとき
には、第2の剥離部材を通過させない搬送路切替手段を
設けることが好ましい。このようにすると、被記録材が
短いときには第2剥離部材を通す必要がなくなり、処理
時間が短縮され、電力の消費が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0013】図1は本発明の印字材料除去装置の第1の
実施の形態を示す。この装置は、搬送ベルト1と、第1
剥離ベルト2aと、第1分離爪3aと、第2剥離ベルト
2bと、第2分離爪3bとからなっている。
【0014】搬送ベルト1は、3角形に配置された駆動
ローラ4と2つの従動ローラ5,6に掛け渡され、駆動
ローラ4が矢印a方向に回転することによって矢印b方
向に移動可能になっている。この搬送ベルト1は、印字
材料7によって画像が形成された被記録材8を矢印b方
向に水平に搬送可能になっている。駆動ローラ4の上方
には、搬送ベルト1上を搬送される被記録材8に圧接し
て該被記録材8上の印字材料7を加熱する加熱ローラ9
が配置されている。なお、この加熱ローラ9に代えて、
被記録材8上の印字材料7を非接触で加熱する遠赤外ヒ
ータ等を設けてもよい。前記加熱ローラ9による加熱温
度は、80℃以上200℃以下に設定されている。
【0015】前記駆動ローラ4と加熱ローラ9の対向部
よりも搬送方向の上流側には、供給される被記録材8の
先端を検出する先端検出センサ10が配置されている。
このセンサ10としては各種のものが使用できる。
【0016】駆動ローラ4と従動ローラ5の間、従動ロ
ーラ5と従動ローラ6の間には、それぞれ第1、第2圧
接ローラ11a、11bが配設されている。これらの第
1、第2圧接ローラ11a、11bは、図示しないソレ
ノイド等の駆動手段によって搬送ベルト1の面に対して
直角方向に往復移動可能で、図2(A)に示すように搬
送ベルト1を剥離ベルト2a,2bから退避させる退避
位置と、図2(B)に示すように搬送ベルト1を剥離ベ
ルト2a,2bに圧接させる圧接位置とに位置するよう
になっている。
【0017】第1剥離ベルト2aは、3角形に配置され
た駆動ローラ12a、従動ローラ13a及び加熱ローラ
14aに掛け渡され、駆動ローラ12aが矢印c方向に
回転することによって矢印d方向に移動可能になってい
る。この第1剥離ベルト2aは、加熱ローラ14aが前
記搬送ベルト1の第1圧接ローラ11aに対向する(以
下、この部分を第1圧接部という。)とともに、該加熱
ローラ14aと駆動ローラ12aの間のベルト部の一部
が前記搬送ベルト1に対向するように配置されている。
第1剥離ベルト2aと搬送ベルト1の間隔dは、図2
(A)に示すように第1圧接ローラ11aが退避位置に
あるときに被記録材8の厚み分程度(約0.1〜0.2
mm)になるように設定されている。前記加熱ローラ1
4aは、剥離ベルト2aの後述する剥離部材表層23を
加熱するとともに、搬送ベルト1上を搬送される被記録
材8の印字材料7をも加熱するようになっている。この
加熱ローラ14aによる加熱温度は、80℃以上200
℃以下に設定されている。
【0018】前記第1剥離ベルト2aの従動ローラ13
aの上方には、該従動ローラ13aに対向して第1剥離
ベルト2aに圧接するように加熱ローラ15aが配置さ
れている。この加熱ローラ15aは、被記録材8から剥
離された第1剥離ベルト2a上の印字材料7を加熱して
溶融させるようになっている。なお、この加熱ローラ1
5aに代えて、第1剥離ベルト2a上の印字材料7を非
接触で加熱する遠赤外ヒータ等を設けてもよい。前記加
熱ローラ15aによる加熱温度は、80℃以上200℃
以下に設定されている。
【0019】前記第1剥離ベルト2aに対向する適宜位
置には、該第1剥離ベルト2aの後述する離型部24の
通過を検出する離型部検出センサ16aが配置されてい
る。この離型部検出センサ16aは、第1剥離ベルト2
aの移動に伴って離型部24の先端又は後端を検出する
ものである。この離型部検出センサ16aとしては各種
のものが使用できる。離型部検出センサ16aの検出信
号は、被記録材8を搬送ベルト1に供給するタイミング
をとるのに使用される。このために、センサ16aの位
置は、該センサ16aで検出された離型部24が第1圧
接部に到達するまでの時間と、被記録材8の先端がセン
サ10で検出されてから第1圧接部に到達するまでの時
間とが一致するように、設定されている。
【0020】第1分離爪3aは、第1剥離ベルト2aの
加熱ローラ14aと前記搬送ベルト1の第1圧接ローラ
11aとが対向する第1圧接部から所定距離離れた位置
であって、前記搬送ベルト1の従動ローラ5と前記第1
剥離ベルト2aとの対向部(以下、第1分離部とい
う。)の下流側に設けられている。この第1分離爪3a
は、第1剥離ベルト2aに付着した被記録材8を第1剥
離ベルト2aから分離するためのものである。
【0021】第2剥離ベルト2bは、前記第1剥離ベル
ト2aと同様に、3角形に配置された駆動ローラ12
b、従動ローラ13b及び加熱ローラ14bに掛け渡さ
れ、駆動ローラ12bが矢印e方向に回転することによ
って矢印f方向に移動可能であるが、前記第1剥離ベル
ト2aよりは周囲長さが短くなっている。この第2剥離
ベルト2bは、加熱ローラ14bが前記搬送ベルト1の
第2圧接ローラ11bに対向する(以下、この部分を第
2圧接部という。)とともに、該加熱ローラ14bと駆
動ローラ12aの間のベルト部の一部が前記搬送ベルト
1に対向するように配置されている。第2剥離ベルト2
bと搬送ベルト1との間隔dは、前述した第1剥離ベル
ト2aと同様、図2(A)に示すように第2圧接ローラ
11bが退避位置にあるときに被記録材8の厚み分程度
(約0.1〜0.2mm)になるように設定されてい
る。前記加熱ローラ14bは、剥離ベルト2bの後述す
る剥離部材表層23を加熱するとともに、搬送ベルト1
上を搬送される被記録材8の印字材料7をも加熱するよ
うになっている。この加熱ローラ12bによる加熱温度
は、80℃以上200℃以下に設定されている。
【0022】前記第2剥離ベルト2bの従動ローラ13
bの斜め下方には、該従動ローラ13bに対向して第2
剥離ベルト2bに圧接するように加熱ローラ15bが配
置されている。この加熱ローラ15bは、被記録材8か
ら剥離された剥離ベルト2b上の印字材料7を加熱して
溶融させるようになっている。なお、この加熱ローラ1
5bに代えて、第2剥離ベルト2b上の印字材料7を非
接触で加熱する遠赤外ヒータ等を設けてもよい。前記加
熱ローラ15bによる加熱温度は、80℃以上200℃
以下に設定されている。
【0023】前記第2剥離ベルト2bに対向する適宜位
置には、前記第1剥離ベルト2aと同様に、該第2剥離
ベルト2bの後述する離型部24の通過を検出する離型
部検出センサ16bが配置されている。この離型部検出
センサ16bは、第2剥離ベルト2bの移動に伴って離
型部24の先端又は後端を検出するものである。この離
型部検出センサ16bとしては各種のものが使用でき
る。離型部検出センサ16bの検出信号は、被記録材8
を搬送ベルト1に供給するタイミングをとるのに使用さ
れる。このために、離型部検出センサ16bの位置は、
該離型部検出センサ16bで検出された離型部24が第
2圧接部に到達するまでの時間と、被記録材8の先端が
先端検出センサ10で検出されてから第2圧接部に到達
するまでの時間とが一致するように、設定されている。
【0024】第2分離爪3bは、第2剥離ベルト2bの
加熱ローラ14bと前記搬送ベルト1の第2圧接ローラ
11bが対向する第2圧接部から所定距離離れた位置で
あって、前記搬送ベルト1の従動ローラ6と前記第2剥
離ベルト2bとの対向部(以下、第2分離部という。)
の下流側に設けられている。この第2分離爪3bは、第
2剥離ベルト2bに付着した被記録材8を第2剥離ベル
ト2bから分離するためのものである。
【0025】前記構成からなる印字材料除去装置に使用
される被記録材8は、透明なプラスチックフィルム(O
HPシート等)又は無機微粒子が添加されて不透明化し
たフィルム(合成紙)からなり、その上に図3(B)に
示すように適宜の画像形成装置によって印字材料7の画
像が形成されたものである。プラスチックフィルムは、
熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、耐熱性を考
慮すると、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリメチルメタクリレート等があげられる。このう
ち、汎用性、価格、耐熱性、耐久性等の点で、ポリエス
テル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0026】前記被記録材8に画像として記録される印
字材料7は、いわゆるトナーであり(以下、印字材料を
トナーという。)、通常はアクリル(メタクリル)重合
体や、アクリル(メタクリル)−スチレン共重合体、ポ
リエステル重合体を主成分とし、これに色材、離型剤、
帯電制御剤を添加したものが一般的である。
【0027】前記第1、第2剥離ベルト2a,2bは、
図3(A)に示すように、基層21の上に接着層22を
介して剥離部材表層23を設けたものである。
【0028】剥離部材表層23は、被記録材8上のトナ
ー7を剥離するために設けられる。すなわち、被記録材
8上のトナー7に熱を加えてトナー7を軟化させるとと
もに、剥離部材表層23にも熱を加えて軟化させてお
き、剥離部材表層23に被記録材8上のトナー7を接着
させる。トナー7に加える温度の下限は、トナー7が軟
化する温度で決定され、上限は被記録材8の耐熱性から
決定される。具体的には、トナー7に加える温度は、8
0℃以上、200℃以下である。このようにトナー7を
軟化させるとともに、剥離部材表層23も軟化状態にす
ることにより、トナー7を剥離部材表層23に接着しや
すくなる。このため、剥離部材表層23は、熱可塑性樹
脂で、軟化点が80〜200℃であることが好ましい。
特に、剥離部材表層23の軟化点はトナーの軟化点の±
20℃の範囲にあることが好ましい。なお、ここでの軟
化点はフローテスターでの流出開始温度のことである。
【0029】剥離部材表層23は、トナー7との接着性
がよいことが必須条件となる。すなわち、剥離部材表層
23を構成する材料は、トナー7と相溶性が高いことが
望まれる。一般に、異なった材料間の相溶性は表面エネ
ルギーの差やSP値(溶解度パラメータ)が目安とな
り、特にSP値が接近している材料は相溶性がよい。ト
ナー7のSP値はその主成分である樹脂の種類によって
異なるが、9〜11程度である。本発明者らはこのSP
値に着目し、鋭意研究を行なった結果、剥離部材表層2
3の樹脂のSP値が8以上、12以下であると、被記録
材8上のトナー7が剥離部材表層23にうまく転写する
ことが分かった。
【0030】このような軟化点80〜180℃、SP値
8〜12の樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−ア
クリル(メタクリル)共重合体、ポリビニルアルコール
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリエ
ステル等があげられる。これらのうち、トナーとの接着
性等から、スチレン−アクリル(メタクリル)共重合
体、ポリビニルアセタール、ポリエステル樹脂等が好ま
しい。
【0031】一方、接着層22は、剥離部材表層23を
基層21に接着させるとともに、剥離部材表層23の被
記録剤8への転写を防ぐために設けられる。接着層22
を構成する材料としては、一般に市販されている接着剤
があげられる。接着剤の種類は、特に限定されないが、
少なくともある程度の耐熱性を有するものが必要であ
る。例えば、ビニル・メチルエーテル、無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルアルコール・酢酸ビニル共重合
体、ビニルアセタール、アクリル酸エチル、ポリアミド
樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹
脂、塩化ゴム、ブタジエン、アクリロニトリルゴム、ブ
チルゴム、ネオプレンゴム、チオコール等があげられる
が、これらに限定されるものではない。
【0032】前記接着剤を基層21に塗布する方法とし
ては、化学反応法、熱溶融法、溶剤揮発法等があげられ
るが、接着剤の種類により適当な方法をとるのが好まし
い。
【0033】前記剥離ベルト2の剥離部材表層23の1
個所又は2個所以上には、剥離ベルト2a,2bの搬送
方向d,fに直角な方向に帯状に延びる離型部24が設
けられている。この離型部24は、図3に示すように、
剥離ベルト2の基層21の一部をマスクして剥離部材表
層23を形成しないことにより形成されている。なお、
図1,3及び後述する図4では、便宜上、離型部24は
隣接する部分との間に大きな段差を有するように表わさ
れているが、実際には殆ど段差のない、基層21の露出
した面である。
【0034】前記離型部24の幅は、例えば、3〜20
mmが好ましい。離型部24の数は、処理する被記録材
8の大きさや、第1、第2剥離ベルト2a,2bの全
長、搬送速度によって決定すればよい。ただし、第1剥
離ベルト2aの離型部24間の距離は、第2剥離ベルト
2bの離型部24間の距離と異ならせる必要がある。こ
の場合、離型部24が1つのときは、離型部24間の距
離は剥離ベルトの周囲長さに相当するので、第1剥離ベ
ルト2aの周囲長を第2剥離ベルト2bの周囲長と異な
らせる必要がある。
【0035】次に、前記構成からなる印字材料除去装置
の動作について説明する。
【0036】まず、第1圧接ローラ11aと第2圧接ロ
ーラ11bを退避位置に移動させ、搬送ベルト1を停止
させた状態で、第1剥離ベルト2aと第2剥離ベルト2
bを駆動する。離型部検出センサ16aが第1剥離ベル
ト2aの離型部24を検出すると、第1剥離ベルト2a
を一旦停止し、続いて離型部検出センサ16bが第2剥
離ベルト2bの離型部24を検出すると、第2剥離ベル
ト2bを停止し、被記録材8が供給されるまで待機す
る。トナー7によって画像が形成された被記録材8がそ
のトナー7を上にした状態で供給され、該被記録材8の
先端を先端検出センサ10が検出すると、第1圧接ロー
ラ11aと第2圧接ローラ11bを圧接位置に移動さ
せ、搬送ベルト1、第1剥離ベルト2a、第2剥離ベル
ト2bをそれぞれ駆動する。
【0037】供給された被記録材8は搬送ベルト1によ
り矢印b方向に搬送され、加熱ローラ9によってトナー
7が加熱され溶融される。これにより、被記録材8上の
トナー7同士の凝集力が増加する。このようにトナー7
が加熱された被記録材8は、さらに搬送ベルト1上を矢
印b方向に搬送され、第1圧接ローラ11aと加熱ロー
ラ14aの間の第1圧接部に挿入される。
【0038】このとき、離型部検出センサ16aで検出
された離型部24が第1圧接部に到達するまでの時間
と、被記録材8の先端が先端検出センサ10で検出され
てから第1圧接部に到達するまでの時間とが一致するよ
うに、離型部検出センサ16aの位置が設定されている
ので、被記録材8の先端が第1圧接部に到達するのと同
じタイミングで、離型部24が第1圧接部に到達する。
したがって、図4(A)に示すように、被記録材8の先
端部が第1剥離ベルト2aの離型部24と重なって第1
圧接部に挿入される。被記録材8の先端部と離型部24
の重なる長さLは、短すぎると分離効果が薄れ、長すぎ
るとその部分ではトナーが除去できないため、3mm以
上20mm以下が好ましい。20mmとしたのは、一般
に、先端の20mm程度の部分に印字されている原稿は
少ないからである。
【0039】被記録材8が第1圧接部を通過すると、加
熱ローラ14aによって溶融した剥離部材表層23が被
記録材8に圧接し、被記録材8上のトナー7を溶融させ
る。この結果、被記録材8上のトナー7は剥離部材表層
23と融着する。このようにトナー7が剥離部材表層2
3と融着した状態で被記録材8が矢印b方向にさらに搬
送され、第1圧接部から遠ざかるにつれて、融着したト
ナー7と剥離部材表層23は冷却され、固化する。
【0040】被記録材8の先端が分離爪3aに到達する
と、図4(B)に示すように、剥離ベルト2aの離型部
24と被記録材8の間に分離爪3aの先端が侵入する。
このとき、離型部24と被記録材8は離型性が良いの
で、被記録材8は容易に剥離ベルト2aから分離され
る。剥離ベルト2aから分離される被記録材8は、分離
爪3aによって剥離部材表層23に対して円弧状に屈曲
される。この結果、被記録材8に曲げ応力が作用し、被
記録材8の表面とトナー7との間でせん断力が発生し、
トナー7が確実に剥離する。
【0041】被記録材8上のトナー7は、剥離部材表層
23と融着固化したまま剥離部材表層23に残り、被記
録材8から剥離されて剥離部材表層23に転写される。
ここで、トナー7は、前述したように予め加熱ローラ9
によって加熱されて凝集力が増加させられているので、
被記録材8から剥離部材表層23に剥離される際に、途
切れることがなく、確実に剥離される。このように剥離
部材表層23に転写されたトナー7は剥離ベルト2aと
ともに矢印d方向に移動する。この剥離部材表層23上
のトナー7が加熱ローラ15aとの対向部に到達する
と、当該トナー7は加熱ローラ15aによって加熱され
る。この結果、トナー7同士の凝集力が強くなるととも
に、トナー7と剥離部材表層23の接着力が増加するの
で、次に搬送ベルト1上に供給される被記録材8への再
転写が防止される。
【0042】以上説明したように、第1剥離ベルト2a
に設けた離型部24に被記録材8の先端が重なるように
被記録材8が搬送されるので、被記録材8を剥離部材2
4から容易に分離することができる。このため、分離爪
3aを強く圧接させる必要がないので、剥離部材表層2
3に対する負荷が小さく、表層23の樹脂の剥離が防止
され、長期間のトナー除去作用を発揮できる。
【0043】次に、被記録材8の搬送方向の長さが第1
剥離ベルト2aより長い場合を考えると、第1剥離ベル
ト2aの離型部24は被記録部材8の先端から分離した
後、1回りしてから再び同一の被記録材8に接触する。
この結果、被記録材8には非剥離部が生じるが、この非
剥離部のトナーは、以下に説明するように、第2剥離ベ
ルト2bによって除去される。すなわち、第1分離爪3
aによって分離された被記録材8の先端は、搬送ベルト
1の第2圧接ローラ11bと第2剥離ベルト2bの加熱
ローラ14bの間の第2圧接部に挿入される。
【0044】このとき、離型部検出センサ16bで検出
された離型部24が第2圧接部に到達するまでの時間
と、被記録材8の先端が先端検出センサ10で検出され
てから第2圧接部に到達するまでの時間とが一致するよ
うに離型部検出センサ16bの位置が設定されているの
で、被記録材8の先端が第2圧接部に到達するのと同じ
タイミングで、離型部24が第2圧接部に到達する。し
たがって、被記録材8の先端は第2剥離ベルト2bの離
型部24と重なって搬送される。ここで、第2剥離ベル
ト2bの周囲長は第1剥離ベルト2aの周囲長と異なっ
ているので、被記録材8に残った非剥離部は第2剥離ベ
ルト2bの離型部24と再び重なることはなく、第2剥
離ベルト2bの剥離部材表層23によってトナー7が完
全に除去され、矢印X方向に排出される。
【0045】なお、前記第1の実施形態において、被記
録材8の長さが第1剥離ベルト2aより短い場合は、第
2剥離ベルト2bを通過させる必要がないので、第1分
離爪3aと第2圧接部の間に、図1中2点鎖線で示すよ
うに、搬送路切替爪18を設けて、被記録材8をY方向
に排出するようにしてもよい。
【0046】また、搬送ベルト1は独立した駆動装置を
持たない構成としてもよい。この場合、搬送ベルト1
は、第1圧接ローラ11aと第2圧接ローラ11bが退
避位置にあるときには停止し、圧接位置に移動すると第
1剥離ベルト2aと第2剥離ベルト2bの駆動に対して
それぞれ従動する。
【0047】これと逆に、搬送ベルト1は駆動装置を有
するが、第1剥離ベルト2aと第2剥離ベルト2aは独
立した駆動装置を持たない構成としてもよい。この場
合、まず第1圧接ローラ11aを圧接位置に移動して搬
送ベルト1を駆動し、第1剥離ベルト2aを従動させ
て、第1剥離ベルト2aの離型部24をセンサ16aが
検出した時点で第1圧接ローラ11aを退避位置に移動
して待機する。次に、第2圧接ローラ11bを圧接位置
に移動して搬送ベルト1を駆動し、第2剥離ベルト2b
を従動させて、第2剥離ベルト2bの離型部24をセン
サ16bが検出した時点で第2圧接ローラ11bを退避
位置に移動して待機する。そして、被記録材8が供給さ
れ、該被記録材8の先端を先端検出センサ10が検出す
ると第1、第2圧接ローラ11a,11bを圧接位置に
移動して、印字材料の除去を開始する。
【0048】図5は、本発明の印字材料除去装置の第2
の実施の形態を示す。
【0049】この実施形態では、それぞれ矢印g,h方
向に図示しない駆動装置によって回転する円筒形の第1
剥離ドラム102aと第2剥離ドラム102bが使用さ
れている。各剥離ドラム102a,102bは所定間隔
離れて互いに平行に配置されている。これらの剥離ドラ
ム102a,102bは、前記第1実施形態と同様に、
好ましくは金属製の基層21の外表面に接着層22を介
して剥離部材表層23を形成したものである。
【0050】第1剥離ドラム102aの右方には、給紙
ローラ101が配置されている。この給紙ローラ101
は、矢印i方向に回転駆動する駆動ローラ104と、該
駆動ローラ104に圧接対向する加熱ローラ109とか
らなり、これらの間に印字材料7によって画像が形成さ
れた被記録材8が印字材料7を下側に向けて矢印j方向
に挿入され、左方の第1剥離ドラム102aに向かって
供給されるようになっている。加熱ローラ109は、前
記図1に示す実施形態の加熱ローラ9に相当し、被記録
材8のトナー7を予め加熱しておくものである。供給ロ
ーラ101よりも搬送方向の上流側には先端検出センサ
110が配置され、該先端検出センサ110は前記図1
に示す実施形態の先端検出センサ10に相当し、供給さ
れる被記録材8の先端を検出するものである。この先端
検出センサ110よりさらに上流側には被記録材8の長
さを検出する長さ検出センサLSが配置されている。
【0051】第1剥離ドラム102aの外面には、該剥
離ドラム102a上を搬送される被記録材8を加熱する
加熱ローラ114aが圧接配置されている(以下、この
部分を第1圧接部という。)。この加熱ローラ114a
は、前記図1に示す実施形態の加熱ローラ14aに相当
し、剥離ドラム102aの剥離部材表層23と被記録材
8のトナー7を圧接し加熱するものである。
【0052】前記第1圧接部から被記録材8の搬送方向
下流側に所定距離離れた位置に、第1分離ローラ119
aと第1分離爪103aが配置されている(以下、この
部分を第1分離部という。)。分離爪103aは、前記
図1の実施形態の分離爪3aに相当し、剥離部材表層2
3と被記録材8を分離するためのものである。前記分離
部からさらに被記録材8の搬送方向下流側には、加熱ロ
ーラ115aが第1分離ベルト102aの外面に圧接し
て配置されている。この加熱ローラ115aは、前記図
1の実施形態の加熱ローラ15aに相当し、剥離部材表
層23に転写されたトナー7を加熱するものである。
【0053】前記第1剥離ドラム102aに対向する適
宜位置には、離型部検出センサ116aが配置されてい
る。この離型部検出センサ116aは、前記図1の実施
形態の離型部検出センサ16aと同様、第1剥離ドラム
102aの移動に伴って離型部24の先端又は後端を検
出するものであり、該離型部検出センサ116aで検出
された離型部24が第1圧接部に到達するまでの時間
と、被記録材8の先端が先端検出センサ110で検出さ
れてから第1圧接部に到達するまでの時間とが一致する
ように、その位置が設定されている。
【0054】第2剥離ドラム102bは、前記第1剥離
ドラム102aよりも周囲長さが小さく形成されてい
る。この第2剥離ドラム102bの外面には、第1剥離
ドラム102aと同様に、第2圧接部を構成する加熱ロ
ーラ114b、第2分離部を構成する第2分離ローラ1
19bと第2分離爪103b、加熱ローラ115b、及
び離型部検出センサ116bが配置されている。なお、
離型部検出センサ116bは、該離型部検出センサ11
6bで検出された離型部24が第2圧接部に到達するま
での時間に所定の遅延時間を加えた時間と、被記録材8
の先端が先端検出センサ110で検出されてから第2圧
接部に到達するまでの時間とが一致するように、その位
置が設定されている。すなわち、先端検出センサ110
が被記録材8の先端を検出すると、まず第1剥離部材1
02aを駆動し、それから所定の遅延時間の経過後に第
2剥離部材102bを駆動することにより、被記録材8
の先端が第1,第2剥離部材102a,102bの各離
型部24と一致するように構成されている。
【0055】この第2剥離ドラム102bと前記第1剥
離ドラム102aの間には、第1分離ローラ119aと
第1分離爪103aによって第1剥離ドラム102aか
ら分離された被記録材8を第2剥離ドラム102bの第
2圧接部に導く再供給路120aと、排出方向に導く排
出路120bと、前記再供給路120aと排出路120
bを切り替える搬送路切替爪118とが設けられてい
る。搬送路切替爪118は、前記長さ検出センサLSに
より検出される被記録材8の搬送方向の長さに応じて、
図示しないアクチュエータを介して実線で示す再供給位
置と、2点鎖線で示す排出位置とに移動可能になってい
る。
【0056】以上の構成からなる印字材料除去装置は、
第1、第2剥離ドラム102a,102bと各加熱ロー
ラ109,114a,114b,115a,115bの
動作、分離ローラ119a,119bと分離爪103
a,103bの動作は、前記第1の実施形態と実質的に
同一であるので説明を省略し、以下、搬送路の切替のみ
について説明する。
【0057】供給ローラ101に供給される被記録材8
は長さ検出センサLSによってその長さが検出される。
被記録材8の長さが第1剥離ドラム102aの周囲長よ
りも長いときには、第1剥離ドラム102aの離型部2
4と重なることによって被記録材8に非剥離部が生じる
ため、搬送路切替爪118を実線で示す再供給位置に移
動させる。これにより、第1剥離ドラム102aで印字
材料が除去された被記録材8は、第1分離ローラ119
aと第1分離爪103aによって第1剥離ドラム102
aから分離された後、再供給路120aを通って第2剥
離ドラム102bに供給され、非剥離部のトナーが第2
剥離ドラム102bによって除去される。そして、この
非記録材8は第2分離ローラ119bと第2分離爪10
3bによって第2剥離ドラム102bから分離された
後、X方向に排出される。
【0058】これに対し、被記録材8の長さが第1剥離
ドラム102aの長さよりも短いときには、第1剥離ド
ラム102aの離型部24は先端部以外で被記録材8と
重なることがなく、非剥離部が形成されないので、搬送
路切替爪118を2点鎖線で示す排出位置に移動させ
る。これにより、第1剥離ドラム102aで印字材料7
が除去された被記録材8は、第2分離ローラ117aと
第2分離爪103aによって第1剥離ドラム102から
分離された後、そのまま排出路120bを通ってY方向
に排出されるので、脱墨処理時間が短縮され、消費電力
の無題を防止できる。
【0059】なお、前記2つの実施の形態では、剥離ベ
ルトの基層21の一部をマスクして剥離部材表層23を
形成しないことにより形成したが、剥離ベルトの全周に
剥離部材表層23を形成した後、その一部を除去して基
層21を露出させることによって形成することもでき
る。また、離型部24は、図6に示すように、剥離部材
表層23をその表面から所定の深さだけ除去して、その
表面に離型性の高い材料、例えばシリコン系、ポリプロ
プレン系、ポリエチレン系、フッ素系の高分子を塗布す
ることによって形成してもよい。あるいは、図7に示す
ように、剥離部材表層23の表面に前記離型剤を塗布す
ることによって形成してもよい。
【0060】また、前記実施形態において、剥離ベルト
2に、剥離部材表層23に融着したトナー7をクリーニ
ングする手段を設けてもよい。クリーニング手段として
は、トナー7をブレードで物理的に掻き取るものや、他
の部材に熱転写するものが使用できる。このようなクリ
ーニング手段を設けることにより、剥離部材表層23に
よるトナーの除去能力を長期間維持することができる。
【0061】
【実施例】
(実施例1)剥離部材として、平均分子量200000
のスチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(SP値
9.3、軟化点110℃)100グラムをTHF1リッ
トルに溶解し、樹脂溶液を調整した。次に、この樹脂溶
液をバーコータでOHPフィルムに塗布し、乾燥させ
た。OHPフィルムとしては、メタクリル−ポリ酢酸ビ
ニル共重合樹脂で表面コートされたもの(ミノルタ純正
OHPフィルム)を用いた。乾燥後の樹脂の厚みを測定
したところ5μmであった。このフィルムを端部を反応
型アクリル系接着剤で接着し、周囲長30cmのシーム
レスの第1剥離ベルト2aと周囲長20cmの第2剥離
ベルト2bを作成した。そして、これらの剥離ベルト2
a,2bの1個所に、幅1.5cmにわたって樹脂を溶
解除去することによって離型部24を形成した。
【0062】被記録材8として、A3サイズで厚さ10
0μmの酸化チタンを分散させた白色化したポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの表面にカチオン系界面活性
材で静電防止加工を施したものを用いた。この被記録材
8の上にミノルタ製EP−4050でトナー7の画像を
形成した。トナー7は軟化点113℃、SP値9.3の
ものを用いた。
【0063】前記剥離ベルト2a,2bを図1の装置に
装着し、15mm/秒の速度で移動させる一方、前記被
記録材8を搬送ベルト1により15mm/秒の速度で搬
送した。剥離ベルト2a,2bの加熱ローラ14a,1
4bは150℃の温度に保持した。圧接部(加熱ローラ
14a,14b)と分離部(分離爪3a,3b)とは約
10cmの距離を設けた。また、剥離ベルト2a,2b
の加熱ローラ14a,14bの温度は150℃とした。
被記録材8の先端部5mmが剥離ベルト2a,2bの離
型部24に重なるように搬送タイミングをとった。
【0064】この実験例では、被記録材8はA3サイズ
であるので、計算上、被記録材8の先端部より29.0
cm〜30.5cmの部分は、第1剥離ベルト2aの離
型部24と接触するため、脱墨されずに非剥離部となっ
て残る。この非剥離部のトナーを脱墨するために、第2
剥離ベルト2bで被記録材8の脱墨処理を再度行なっ
た。
【0065】この結果、第2剥離ベルト2bの分離爪3
bを通過した被記録材8は、トナー7がきれいに除去さ
れ、再使用可能なものになっていた。また、この被記録
材8からのトナーの除去を100枚連続して行なった
が、剥離ベルト2a,2bの表層23の剥がれ等がな
く、また非剥離部もなく、良好なトナー除去が行なえ
た。
【0066】(実施例2)剥離部材として、厚さ150
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にミノル
タ製ファインライター401で黒ベタ画像を形成し、こ
れを5回繰り返して厚い黒ベタ画像の表層を形成した
後、この表層を平滑化するために150℃の高温槽に保
管したものを用いた。そして、このフィルムの端部同士
を接着剤で5枚つなげて、シームレスの剥離ベルト2a
を形成した。この剥離ベルト2aの周囲長は30cmで
あった。次に、この剥離ベルト2aの表層をTHFで溶
解除去し、この部分にシリコンレジン(東芝シリコーン
(株)製TPR1711)を塗布して離型部24を形成
した。同様の工程で周囲長が20cmの剥離ベルト2b
を作製した。被記録材8としては、実施例1のものと同
じものを使用した。
【0067】前記実施例1と同一の装置を用い、同一の
条件で作動させ、トナー除去性能を調べたところ、被記
録材8は剥離部材表層23からきれいに分離され、再使
用可能なものになっていた。また、この被記録材8から
のトナーの除去を100枚連続して行なったが、剥離部
材表層23の剥がれ等がなく、また非剥離部もなく、良
好な印字材料の除去が行なえた。
【0068】(比較例)剥離部材表層23と被記録材8
として実施例1と同じものを用いた。但し、剥離ベルト
は、周囲長さが30cmのものを1個のみ用いた。実施
例1と同様に操作したが、被記録材の先端部より29.
0〜30.5cmの部分のみが非剥離部として残った。
【0069】以上の実施例と比較例により、本発明の印
字材料除去装置によると、周囲長の異なる2つの剥離ベ
ルトを通過させることにより、第1の剥離ベルトで生じ
た非剥離部が第2の剥離ベルトで除去されることが確認
された。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、被記録部材の先端部が第1剥離部材の離型部
に重なり、さらに第2剥離部材の離型部に重なるので、
被記録部材はこれらの剥離部材からスムーズに分離させ
ることができる。また、第1剥離部材の離型部間の距離
と第2剥離部材の離型部間の距離とを異ならせたので、
第1剥離部材で生じた非剥離部を第2剥離部材によって
完全に除去することができる。さらに、剥離部材を第1
と第2の少なくとも2つ以上の剥離部材で構成すること
により、剥離部材の周囲長を被記録材の長さ以上にする
必要がなくなり、結果として装置がコンパクトになる等
の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印字材料除去装置の第1の実施形態
を示す図。
【図2】 図1の装置の圧接ローラの動作を示す拡大
図。
【図3】 図1の装置の被記録材と剥離部材の構成を示
す概略断面図。
【図4】 図1の装置の剥離ベルトの離型部と被記録紙
の先端部の重なりを示す拡大図。
【図5】 本発明の印字材料除去装置の第2の実施形態
を示す図。
【図6】 剥離部材の他の構成を示す概略断面図。
【図7】 剥離部材のさらに他の構成を示す概略断面
図。
【符号の説明】
1…搬送ベルト、2a,2b…剥離ベルト、3a,3b
…分離爪、7…印字材料、8…被記録材、18…搬送路
切替爪、23…剥離部材表層、24…離型部、102
a,102b…剥離ドラム、103a,103b…分離
爪、118…搬送路切替爪。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真方式で記録された印字材料を有
    する被記録材に剥離部材を圧接して、被記録材上の印字
    材料を剥離部材に接着させ、被記録材を剥離部材から分
    離することにより印字材料を被記録材から剥離する印字
    材料の除去装置において、 前記剥離部材を前記被記録材の搬送方向に配置された少
    なくとも第1と第2の2つの剥離部材で構成し、これら
    の剥離部材に少なくとも1つの離型部を設け、第1の剥
    離部材の離型部間の距離と第2の剥離部材の離型部間の
    距離とを異ならせ、前記被記録材の先端部に第1の剥離
    部材の離型部が重なるように第1の剥離部材を被記録材
    に圧接し、第1の剥離部材から分離される被記録材の先
    端部に第2の剥離部材の離型部が重なるように第2の剥
    離部材を被記録材に圧接するようにしたことを特徴とす
    る印字材料の除去装置。
  2. 【請求項2】 前記離型部は、剥離部材を除去すること
    によって形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の印字材料の除去装置。
  3. 【請求項3】 前記離型部は、剥離部材の表面に離型剤
    を塗布することによって形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の印字材料の除去装置。
  4. 【請求項4】 前記被記録材の長さを検出する長さ検出
    手段を設け、該長さ検出手段によって検出された被記録
    材の長さが前記第1の剥離部材の離型部間の距離よりも
    短いときには、第2の剥離部材を通過させない搬送路切
    替手段を設けたことを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の印字材料の除去装置。
  5. 【請求項5】 前記剥離部材からの被記録材の分離は、
    分離爪によって剥離部材から被記録材を分離することで
    行なうものであることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載の印字材料の除去装置。
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