JP5146158B2 - 画像除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置で画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去する装置、および該画像除去装置を用いた被記録材の繰り返し使用方法、該画像除去装置および画像形成装置がセットになった画像形成・除去システムに関する。
特に、熱可塑性を有する画像形成物質粉体で画像が形成された被記録材から、画像形成物質を剥離部材に転写して被記録材から除去する装置に関し、当該技術分野において、画像形成物質を転写するための剥離部材から画像形成物質の除去を長期にわたって安定に行うための手段に関する。
近年、電子写真方式やインクジェット方式、熱転写記録方式のプリンタや、印刷機が普及し、情報の伝達、保存のための媒体として紙が大量に使用されている。
紙は木材より得られるバージンパルプを主な原料とするが、パルプから紙を製造する工程のうち、抄紙工程などでは紙を乾燥するのに多くのエネルギーを消費する。このエネルギー源には、その何割かを木材から繊維成分を取り出したときに発生する植物性の廃液である黒液を用いることが進んでいるが、多くの化石燃料が用いられているのが現状である。また、化石燃料からエネルギーを取り出すときには、地球温暖化の要因とされる炭酸ガスを多く発生させている。
したがって、森林保全および化石資源の枯渇、地球温暖化への対策のため、紙の消費量を抑制することが望まれている。
このため、以前から不要になった紙を回収して、古紙パルプとして再利用することが進められており、また近年では、森林認証材や植林の拡大、未利用材(廃材など)の積極的な活用が推進されている。
しかしながら、古紙パルプを利用するには、情報が印字された紙を回収する必要があり、機密情報や個人情報が漏洩しないように管理するために、多くのコストがかかるなどの問題も抱えている。
これら課題を解決するための方法として、一度使用した被記録体上の画像を除去して、再び被記録体として再使用する被記録材や、画像除去方法が提案されている。さらにこれに使用するのに、被記録体には画像形成物質に対して、定着性を低下する組成物が塗布されているリユーザブル被記録材が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。
特許文献1によれば、表面に離型処理をしたイレーザブルペーパ(被記録材)上に形成されたトナー画像を、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスシート(剥離部材)を加熱して、熱溶融性樹脂を軟化させて押し付けた後に、冷却して凝集力が高まったところで剥がして、画像除去する装置が開示されている。
ところで、特許文献1では、イレーザブルペーパの弾性クリーニングシートから自然に剥がれる例が記載されているが、イレーザブルペーパ(被記録材)と、剥離部材の熱溶融性樹脂との接着力が高い場合には、分離できないおそれがあり、その対処法は特に記述されていない。被記録材の離型処理は画像形成物質を除去しやすくするためであるが、剥離部材との分離性を高めるものとしても作用する。しかしながら、被記録材上の画像が必要以下に定着性を低下させるわけにはいけない。定着性を高めると、接着力も高くなる。
そこで、被記録材だけでなく剥離部材の方にも、離型剤を含有させておいたり、両者の間に付与したりすることにより、分離性を高める方法が提案されている(例えば、特許文献2 参照。)。
特許文献2によれば、画像記録体上の画像形成材料に接触することによって画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離部材において、画像剥離部材の表面層を構成する材料が画像記録材料に対する親和性および離型性を有する画像剥離部材が提案されている。剥離するときに必要な剥離性能(画像除去性能)と、移行した画像形成材料を剥離ローラから除去する(クリーニングする)ときに必要な剥離性能とを発揮することができるというもので、長期にわたって良好な画像剥離性能を維持し、汎用の画像記録体に適用可能とするとしている。また、画像剥離部材の表面に離型材料を付与する手段や、剥離前の画像記録体の表面に離型材料を付与する手段を備える画像剥離装置も提案されており、画像剥離部材の表面層を構成する材料の、親和性材料と離型性材料の混合の割合を適宜変化させることができ、表面層における離型性材料の含有量の範囲として、5%未満であると、親和性材料の働きが強く、画像記録体が画像剥離部材に巻き付くようになり、80%を越えると逆に離型性が強くなるため、画像記録体から画像形成材料を除去できなくなることが、開示されている。接着性材料、離型性材料の具体例も挙げられている。
上記のように、画像形成材料に対して接着性を有することで転写剥離する剥離部材に、離型性材料を含有または付着させておくことは、剥離部材のクリーニング性を高めとともに、接着後の被記録材との再分離性を高めるのに非常に効果的な手法といえる。
他方で、画像形成装置で被記録材に付着したシリコーンオイル等の離型剤が多すぎる場合に、剥離性が損なわれることを回避する方法が開示されている。これは、画像除去装置の除去性能を確実に確保するには効果的な方法と言える(例えば、特許文献3 参照。)。
特許文献3によれば、特にOHPフィルムにおいて有効な手段として、離型剤の転移量が多い記録媒体であっても、記録媒体上から画像形成材料を完全に、かつ連続的に除去することができる画像形成材料除去装置として、画像形成材料を記録媒体から接着除去する前に離型剤を除去するシリコーンゴムロールなどの離型剤除去手段を備えた装置が提案されている。
ここで、転写剥離が行われる際の離型剤の移動に着目すると、離型剤は被記録体との接触面に作用するため、剥離部材と被記録体が直接接触する箇所では、離型剤は少なからず被記録体の方へ付着する。逆に画像形成材料等に含有した状態の離型剤は、剥離部材の方に移動することになる。
よって、(a)繰り返し転写剥離を行ったときに表面層の離型剤の含有量は安定しておらず、様々な条件によって変化するため、剥離部材の離型剤量をコントロールできないと画像除去特性や被記録材との分離性が劣化するという問題が起こってしまう。分離性が劣化したままになると、被記録材と剥離部材が分離できないようなマシントラブルを起こすおそれがある。
特に画像形成材料と同一の熱可塑性樹脂と離型剤を使った剥離部材によって転写剥離が行われる状況下では、クリーニングによっても完全には元の状態にならないので、顕著になる。
さらに、(b)画像除去装置から排紙された被記録材に付着した離型剤が多くなりすぎると、リユース時に画像形成装置の方に悪影響を及ぼすおそれがある。
例えば、離型剤が過剰に付着した被記録体は定着性が損なわれた状態になり、画像定着時にホットオフセット等の画像形成不良を起こしやすくなる。あるいは給紙コロのような搬送手段に離型剤が蓄積すると、滑りやすくなり搬送特性を劣化させるという問題を起こすおそれがある。
すなわち、長期にわたって剥離部材からの被記録材の分離特性を良好に保ち、かつ画像除去特性を良好に保つには、繰り返し転写剥離を行ったときに剥離部材の離型剤量を適正範囲に維持できることが重要であり、さらに、画像除去プロセスが画像形成装置に悪影響を与えないようにすることも考慮しなくてはいけない。
上記(a)、(b)の問題に対し、特許文献2によれば、離型剤が少なくなりすぎた場合には、離型材料を付与する手段で、補給することも可能である。また特許文献3によれば、剥離部材へのシリコーンオイルの過剰な蓄積に対しては防止できる。しかしながら、剥離部材の離型剤が不足したり、過剰になったりしたときに、単に供給手段や除去手段が備わっているだけでは、十分でない場合や、必要以上に供給や除去を行ってしまう場合があるために、結局、画像除去特性や被記録材の分離性を損ねるおそれがある。以上の文献にはこの点を十分に解決できる方法が明示されていない。
特許2584112号公報 特開平11−73070号公報 特開2001−75444号公報
本発明の目的は、前述の従来技術の問題点を解消することである。
剥離部材の離型剤量を適正範囲にコントロールすることで、被記録材上に形成された画像形成物質を剥離部材に熱転写して除去する際に、剥離部材と被記録材との分離特性を良好な状態に維持するとともに、画像除去特性も良好な状態に維持することである。
さらに他の目的としては、画像除去プロセスが画像形成を阻害するような悪影響を与えず、リユース時に良好な画像定着特性を得ることである。
さらに他の目的としては、上記目的を達成するのに、小型、低コストな構成で実現する方法を提供することである。
請求項1に記載の発明では、被記録材上の画像形成物質より形成された画像を除去するために、画像除去工程として該画像形成物質を転写剥離する剥離部材を有する画像除去装置であって、前記剥離部材のうち少なくとも前記被記録材と接触する部分が、前記画像形成物質と接着性を示す物質から構成されるとともに、前記被記録材と離型性を示す離型剤が含有されており、前記剥離部材表面の離型剤量を適正範囲に保つため、前記剥離部材に離型剤を補給する離型剤供給手段、または剥離部材表面の離型剤を除去する離型剤除去手段のうち、少なくとも一方を有するとともに、前記離型剤供給手段、あるいは離型剤除去手段の動作状態を切替える手段と、切替えのタイミングを発生させる手段と、前記剥離部材表面の離型剤量を検知する離型剤量検知手段と、前記離型剤量が前記適正範囲よりも少なくなることを検知したときに供給動作を起動するタイミングを発生させる手段、および、離型剤が前記適正範囲よりも多くなることを検知したときに除去動作を起動するタイミングを発生させる手段、の少なくとも一方を有し、前記離型剤量検知手段は、前記被記録材と前記剥離部材との分離開始位置以降の接着力の大きさを検知する接着力検知手段であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1記載の画像除去装置において、請求項1記載の画像除去装置において、前記接着力検知手段は、前記被記録材が前記剥離部材から分離するときに接着力によって作用する前記被記録材の変形量を検知する手段であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1記載の画像除去装置において、前記被記録材と前記剥離部材を機械的作用で分離する分離機構を有し、前記接着力検知手段は、分離時に、分離機構を構成する部材が前記被記録材から受ける力で変形する量を検知する手段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1記載の画像除去装置において、前記画像除去装置は、剥離する毎に予め設定された離型剤の予測変化量を累計していく手段を有し、累計した離型剤量が適正範囲よりも少なくなると判定したときに供給動作を起動するタイミングを発生させる手段、および、離型剤が適正範囲よりも多くなると判定したときに除去動作を起動するタイミングを発生させる手段、の少なくとも一方を有していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記剥離部材を加熱する加熱手段を有し、前記剥離部材のうち少なくとも前記画像形成物質と接着性を示す物質が、前記被記録材から除去する熱可塑性の画像形成物質と同一の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性物質層からなるとともに、前記被記録材と離型性を示す離型剤が、前記画像形成物質に含有されている離型剤と同一の材質で構成されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記適正範囲は、離型剤の含有率が熱可塑性組成物全体の5〜10重量%であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記被記録材に対する画像除去工程から該被記録材を排紙するまでの間に、前記被記録材に付着している離型剤を除去する第2の離型剤除去手段を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記剥離部材はローラ形状であることを特徴とする。
本発明によれば、任意のタイミングで必要量の離型剤が供給、あるいは除去できるようになるので、剥離部材に含有されている離型剤の量を過剰に供給、あるいは除去することなく、精度よく適正範囲に維持することができるようになる。
これにより、(a)離型剤の働きである被記録材と剥離部材の分離特性を長期にわたって良好に保つとともに、離型剤が多すぎる要因で起こりうる不具合、(b)画像除去特性の性能低下や、(c)リユース時の画像形成プロセスへの悪影響(定着オフセットなど)を防止することができる。
図1は本発明の画像除去装置の基本構成を示す図である。
同図において符号1は剥離部材、2は給紙手段、3は加圧手段、4は分離手段、5は排紙手段、6はクリーニング手段、7は回収手段、8は離型剤供給手段、9は離型剤除去手段、100は画像除去装置、Pは被記録材、P0は再生された被記録材、S1は離型剤量検知センサ、S2は識別情報読取センサ、Tは画像形成物質をそれぞれ示す。
画像除去装置100は、加圧によって塑性変形が可能であり、かつ画像形成物質Tと接着力を有する剥離部材1を有し、画像が形成され使用済みとなった専用紙である被記録材Pをストックし、給紙工程において一枚ずつ供給する給紙手段2と、画像除去工程において被記録材Pと剥離部材1とを重ねて加圧する加圧手段3、加圧後に剥離部材1と被記録材Pを再び分離する分離手段4と、排紙工程において分離した被記録材Pを装置外に排出する排紙手段5で構成されている。同図では説明の便宜のため、剥離部材1をローラ形状で示してあるが、従来技術で公知のベルト形状にすることは全く問題ない。
さらに、繰り返し画像除去により、クリーニング工程において剥離部材1に蓄積される画像形成物質Tをクリーニングするクリーニング手段6と、画像形成物質回収工程において剥離した画像形成物質を回収する回収手段7を備えている。これらは画像除去のベース部分であり、従来から提案されているものと同等の構成でよい。
図2は剥離部材の作用を説明するための部分拡大概略図である。
同図において符号1aは熱可塑性物質層、1bは中間接着層、1cは弾性体層、1dは芯金、3aは非粘着層、3bは中空基材、Hはヒータをそれぞれ示す。
剥離部材1の最表面層1aが離型剤を含有する熱可塑性組成物であり、また加圧手段3および剥離部材1はローラ形状の場合を例にとって画像除去工程について説明する。
剥離ローラ1の最表面に形成された熱可塑性物質層1a、および被記録材P上の画像形成物質Tは、加圧ローラ3との間に形成されたニップ内で、加圧ローラ3に内蔵された加熱手段Hにより加熱され、軟化し、塑性となることで、お互いに接着力を持つ状態になる。被記録材Pと重ねられて加圧されると、塑性変形するので、被記録材Pの凹凸面に対して密着する。被記録材Pはニップ通過後にしばらく剥離ローラ1と接触したまま移動し、分離位置で分離する。剥離部材1上の熱可塑性組成物1aや画像形成物質Tが、冷却されて流動性が小さくなり、凝集力が高くなっている状態で分離が行われることで、被記録材Pの画像形成物質Tは、残留せずに剥離部材1の方に移動する。このとき、剥離部材1に含有あるいは付着している離型剤が被記録材Pと熱可塑性物質層1aの間に染み出して分離を促進するように作用する。
図1に示すように、本発明の画像除去装置では、さらに剥離部材1に対して離型剤を付与する離型剤供給手段8、剥離部材1から離型剤を取り除く離型剤除去手段9の少なくとも何れか一方を有している。なお、同図では、離型剤供給手段8は加圧部材3に供給して、間接的に剥離部材1に供給する手順を取っている。
前述したように、剥離部材1に、離型剤を供給する場合でも除去する場合でも、必要以上に行うことは、かえって画像除去特性や被記録材Pの分離性を損ねることに繋がる。これを回避するには、常に供給し続けたり、除去し続けたりするのではなく、必要なタイミングで必要な量(時間)だけ、供給、あるいは除去するような構成が備わっている必要がある。
このため本発明の第1の発明では、離型剤供給手段8、あるいは離型剤除去手段9の動作状態を切替える手段と、切替えのタイミングを発生させる手段とを有している。
図3は画像除去装置の作用を制御する流れ図である。
必要なタイミングを判断するのには、制御構成として離型剤量コントロール部が設けられており、ここでは離型剤量検知センサS1や識別情報読取センサS2の入力情報などを利用して、適正範囲の基準値を超えると判断したときにだけ、離型剤供給手段8、あるいは離型剤除去手段9の動作状態を切替えるように管理される。
上記、離型剤供給手段8、離型剤除去手段9、動作を切替えるタイミング発生手段、さらに離型剤量検知手段S1の具体的方法については、後述する。
画像形成物質には、トナーのベースレジンや離型剤の種類にもよるが、重量パーセントで1〜30%の離型剤が含有される。繰り返し使用による熱可塑性組成物層成分の変化を防止するために、離型剤も画像形成物質と同じ材料を画像形成物質と同比率、すなわち、熱可塑性組成物全体の1〜30重量%程度の範囲で添加することが好ましい。
前述したように、剥離部材1は被記録材Pおよびその上に形成された画像形成物質Tとの接着性と離型性を適切に保つようにすることが必要となる。つまり剥離部材1の持つ接着力に対して、離型性を高めるための離型剤量が許容される範囲が存在する。
範囲の下限を決める要素として、
(a−1)分離時に、被記録材が、変形、破損が起きないこと。
(a−2)クリーニング性が確保されること。
があり、一方上限を決める要素としては、
(b−1)画像に対して接着力が十分であり、画像除去が損なわれない。
(b−2)過剰に付着して、リユース時に定着オフセットを起こさない。
が存在する。
さらに、剥離部材側に弾性体層が形成され、ローラ形状を採用する場合には、
(b−3)熱可塑性塑性物の凝集力が高まるまで、自然分離しない程度に被記録材との接着状態を維持する。
という要素も必要になる。これは、剥離部材1と被記録材Pとの接着力がある程度確保されないと、ニップ通過直後に自然に分離してしまうために、まだ画像形成物質、熱可塑性組成物が高温で凝集力が弱いときに分離するために画像残りが起きてしまうからである。
後述する本発明の実施例の条件では、離型剤量の範囲は、(a−1)分離のしやすさが離型剤量の下限を決め、(b−3)接着状態の維持が上限を決める結果となった。それらを考慮すると、離型剤の含有率は熱可塑性組成物全体の5〜10重量%程度に維持するのが最も好ましい。しかしながら、被記録材や種々条件が異なる場合にはこれに限るものではなく、適宜、上限と下限は選定すべきである。
以下に、本発明に好適な各構成について説明する。
本発明が適用できる剥離部材は画像形成物質に対して接着力を有するとともに、加圧により塑性変形することで、被記録材の画像が形成された面と、密着性がよく接触することが必要であり、さらに、分離時に被記録材に対して適度な離型性を示すことが必要になる。
剥離部材の最表面層に加熱により軟化し、塑性となる熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物が好適である。この場合、熱可塑性組成物は画像形成物質とSP値が近いものを選んだ方が接着力は強くなる。
また、剥離部材の最表面層に、予め適度な量の離型剤を含有させておくか、塗布することにより適度な離型性を示す。具体的な材質例を以下に示す。
剥離部材の表面層に用いることのできる熱可塑性樹脂の例としては、カルボン酸として、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ピロメリット酸、シトラコン酸、グルタコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリト酸、メロファン酸、トリメシン酸、プレーニト酸、トリメリット酸などの1種または2種以上を用い、多価アルコールとしては、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルジオール、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ペンタグリセロール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、ピナコール、グリセリン、エーテル化ジフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ベンゼントリオール、フロログルシノール、ベンゼンテトラオールなどの1種または2種以上を用いて縮重合したポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノプロピルアクリレート共重合体、スチレン−エチレングリコールメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を挙げることができる。
熱可塑性組成物層に添加する離型剤の具体例としては、フッ素系、シリコン系の高分子化合物、長鎖アルキル基を側鎖に有する有機高分子化合物、カルナバワックス、モンタンワックス、密ロウ、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス、高級アルキルアルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸のエステル類、高級アルキルアミド類、などの60〜110℃に融点を持つ、ワックス類を挙げることができる。
特に、被記録材上の画像形成物質が熱可塑性を示し、離型剤が含有もしくは付着している場合には、剥離部材に用いる熱可塑性樹脂と離型剤が同一の材質で構成されることが好ましい。これは、熱可塑性組成物層に、被記録材から転写した画像形成物質を少なくとも一時的に表面に付着させるが、後工程で画像形成物質のみを完全除去することが不可能な場合には、転写を繰り返すうちに、元々存在した熱可塑性樹脂と画像形成物質とが混在した状態になり、剥離部材表面の物性に大きく影響する。そこで上記のように同一とすることで、剥離部材表面の物性変化を最小とすることができ、長期間、画像除去特性が安定する。
図2には剥離部材1と加圧部材3がローラ形状の例を示している。両者は被記録材を保持して搬送する機能を有している方がよいので、隙間なく対向して配置される回転部材が好ましい。
剥離部材1は表層から、熱可塑性組成物層1a、中間接着層1b、弾性体層1c、基材(SUSやアルミなどからなる芯金)1dで構成される。
熱可塑性組成物層1aは2〜120μmとすることが好ましく、特に、10〜50μmに維持されることが好ましい。
弾性体層1cは加圧したときに変形してニップを形成しやすいので、加熱と加圧するのに十分な時間が確保される。また弾性体層1cには断熱効果が期待される。ゴム硬度10〜50°でシリコンゴム、フッ素ゴム、それらの発泡体など耐熱性の高い材質で厚さ1〜10mm程度のようなものが好ましい。
図2では剥離部材1側に弾性体層1cを設けているが、ニップを形成するのであれば加圧ローラ3側に設けてもよい。中間接着層1bは熱可塑性組成物層1aが冷却しても剥離しにくいように保持する作用があるとともに、熱可塑性組成物1aと弾性体層1cの成分がお互いに悪影響を与えないように分離する作用と、弾性体の変形によって、その表面が伸び縮みを起こそうとする動きを抑制したり、被記録材Pに伝えない効果が期待される。中間接着層1bの厚みは2〜120μmが好ましく、特に10〜90μmとすることが好ましい。
加熱条件については、一般的な電子写真画像形成装置の画像形成物質に対しては、被記録材上の画像形成物質が65〜130℃に加熱されるように設定されることが好ましく、加熱・加圧ローラ表面の温度としては80〜180℃、特に90〜150℃に保つことが好ましい。
中間接着層の材料としては、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファィド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の素材を用いることができる。
本発明が適用できる加圧手段は、剥離部材か加圧部材の何れかを一方に押し付けるようなバネ等による付勢手段でよい。加圧力は均一になるようにローラの両端部に加えるとよい。加圧力は、軟化し、塑性変形する熱可塑性組成物を被記録材の凹凸面に定着している画像形成物質に、密着させるのに必要な押し付け力に設定する。剥離ローラの幅(軸方向の長さ)を約300mmとする場合、ローラの端部の片側に20〜200N程度の力を加えるのが好ましい。
画像除去をしていないとき、すなわち被記録材が剥離部材との間にないときは、加圧部材3が剥離部材の熱可塑性組成物層1aと直接接触している状態となる。熱可塑性組成物層1aには離型剤を含有または表面に塗布させることにより、ある程度は接着力を低下させ、熱可塑性組成物1aの転移が防止されるように働いているものの、図2に示すように加圧手段の最表面には例えば、金属ローラにPTFEやPFAなどのフッ素系樹脂やシリコン樹脂等の画像形成物に対して離型性を示す耐熱性の材料を非粘着層として形成するのがよい。
図4は分離手段を説明するための図である。同図(a)は、同図(b)は、同図(c)は斜視図である。
同図において符号11はガイド板、12は分離爪、13は分離板、Spは分離開始位置をそれぞれ示す。
図5は被記録材を説明するための図である。
同図において符号M1は第1の識別マーク、M2は第2の識別マークをそれぞれ示す。
本発明に適用可能な分離手段は、被記録材Pと熱可塑性組成物層1aとを確実に分離するための機械的な作用を及ぼす機構であればよい。
例として、同図(a)に示すように、熱可塑性物質層1aの幅を被記録材Pの幅よりも狭くし、剥離部材1の所定の分離開始位置Spから、被記録材Pの両サイドの角度を変えて、強制的に分離するようなガイド板11を設ける方法や、同図(b)に示すように、剥離部材の表面にバネなどの付勢手段により当接させた分離爪12によって、被記録材の先頭部を剥離部材から分離する方法などがある。
同図(a)では、図5のように被記録材の両端に画像のない余白領域がある場合が好適である。
同図(b)では、熱可塑性組成物層が爪によって削られないように、十分冷却して固まった地点で接触するように配置するか、同図(a)と同様に余白位置に配置することが望ましい。また、接着力が大きいものを確実に分離するには、両サイドのガイド板だけではなく、同図(c)の斜視図に示すように全面に分離板があった方がよい。分離板と剥離ローラとの間には0.2〜2mm程度の隙間があった方がよい。ガイド板11や分離爪12で先端部の分離が行われ、被記録材Pが搬送手段により送られると分離板13との相乗効果で全面が確実に分離される。同図(c)に被記録材と剥離部材が分離する位置Spを破線で示した。
図6はクリーニング手段を説明するための図である。
同図において符号14は除去ブレード、15は廃画像形成物質容器をそれぞれ示す。
クリーニング手段6は、剥離部材の熱可塑性組成物層1a表面に画像が蓄積されて、熱可塑性組成物層1aが覆われてしまうことや、不純物が付着したりすることによる画像除去特性の劣化を防ぐために設けられるものである。
本発明に適用可能なクリーニング手段6は、方式は限定されるものではないが、熱可塑性組成物層1aの組成は画像形成物質Tと同一材料の場合で、剥離部材1がローラやベルトなどの回転体の場合には、同図(a)〜(c)に示すような周速度差を利用して、粘性物質を高速側の転移クリーニング部材に移動させる“転移クリーニング方式”が、良好な結果を得ている。転移クリーニングローラ表面を剥離ローラ表面に接触させたときに転移が起きるので、タイミングを制御することにより、熱可塑性組成物層1aはその厚さが基準値を超えないようになり、表面の平滑性も維持されるようになる。転移クリーニング部材6の方も、ローラやベルトなどの回転体で構成される必要がある。
(a)は、熱可塑性組成物層1aの組成は画像形成物質T(剥離されたあとの画像形成物質を廃棄トナーと呼ぶ)が付着していき、徐々に熱可塑性組成物層の厚さが厚くなった状態である。
(b)は、熱可塑性組成物1aは適度な粘性(流動性)を持った状態に加熱しておき、クリーニング手段6の周速度を剥離部材1の周速度よりも1.5〜10倍程度にすることにより、クリーニングローラ側に、熱可塑性組成物層表面から余分な熱可塑性組成物(多く廃棄トナーが含まれる)を除去した後の状態である。
このとき、転移クリーニングローラは剥離ローラ1の軸が平行になるように、精度よく位置決めする方がよい。また、転移クリーニングローラの表面温度は、加圧ローラ3の表面設定温度よりも、10〜40℃程度高くなるように設定することが好ましい。
(c)は、転移クリーニングローラに膜状に付着した画像形成物質を、圧接されている画像形成物質除去ブレード14によって掻き落とし、廃画像形成物質容器15に回収する段階である。冷却して剥離するように掻き落としても良いし、画像形成物質の流動性が高い状態になるまで加熱して、ブレードで滞留させたものを自重で容器15の中に落下させるようにしても良い。
図7は加圧ローラへの離型材供給手段を説明するための図である。同図(a)は滴下方式の図、同図(b)は塗布方式の図である。いずれも、加圧部材に離型剤を供給し、間接的に剥離部材に供給する構成を示している。
同図において符号16はオイル補給タンク、17は開閉バルブ、18は滴下ノズル、19は展延ブレード、20は付勢手段、21はスポンジローラをそれぞれ示す。
本発明に適用可能な供給手段は、離型剤の種類に合わせて最適な手段を選択すればよいが、離型剤量コントロール部で、離型剤が少ないと判断したときにのみ供給するので、供給動作状態を切替える手段を備えている。
同図(a)において、離型剤がシリコーンオイルのように常温に近い状態でも流動性の高いものでは、滴下するという方法が可能である。オイル補給タンク16に収容された離型剤は必要に応じて電気信号で開閉できるような開閉バルブ17を開き、配管等を介して滴下ノズル19から離型剤が滴下される。滴下位置は、剥離部材1に直接滴下することも可能であるし、加圧部材3に間接的に滴下する方法でも良い。滴下しただけでは均一な塗布状態は得られにくいので、滴下したものを平滑に引き伸ばす展延手段19を設けた方が良い。
同図(b)に別の例を示す。剥離部材表面や加圧部材表面に離型剤を染み込ませた塗布部材を直接押し付けるという接触式の方法も可能である。塗布部材としては、表面にフェルトを貼り付けたベルトやスポンジローラなど、ある程度の量を予め保持でき、ムラなく塗布できるように密着でき、塗布部材の幅も塗布対象の幅にあわせたものがよい。融点が高いワックスなどでは、ワックスバーのような固形化させたものを塗布部材そのものとして使用することも可能である。
加熱しないと塗布できないような離型剤を用いるときには、専用の加熱手段を設けてもよいが、接触時に、加熱されている加圧部材や剥離部材の熱を利用する方が構成はシンプルですむ。
供給動作状態の切替えは、塗布部材の接触を、押し付け状態と解除された状態とに切り替える可動機構でよい。
また、塗布部材中の離型剤は消耗するため、交換が必要になるので、着脱可能にしておくとよい。
本発明に適用可能な離型剤除去手段は、離型剤の種類に合わせて最適な手段を選択すればよいが、離型剤量コントロール部で、離型剤が多いと判断したときにのみ除去するので、除去動作状態を切替える手段を備えている。
また除去部材としては、剥離部材から離型剤のみを除去したいので、熱可塑性樹脂を剥ぎ取ってしまわない程度の離型処理を施した素材で、かつ離型剤を付着、または吸収しやすい構造からなる部材がよく、これを直接剥離部材に接触させる方法などでよい。具体的には接触部分には表面にフッ素樹脂やシリコン樹脂などがコーティングされている合成繊維、天然繊維、スポンジなどを直接剥離部材に接触させるとよい。熱可塑性組成物は、温度が下がるとともにその接着性は低下するので、冷却した箇所で除去すれば離型処理を施す必要はない。
図8は離型剤除去手段を説明するための図である。同図(a)は剥離部材に対する除去手段を示す図、同図(b)は画像形成物質除去後の被記録部材P0に対する除去手段を示す図である。
同図において符号22は巻き取り式ウェブ、23はウェブ送り手段、24は押圧ローラ、25は付勢手段、26は排紙コロ兼用の加熱ヒータをそれぞれ示す。
同図(a)において、除去手段は、巻き取り式ウェブ20、ウェブ送り手段21、押圧ローラ22、押圧ローラを付勢する付勢手段23で構成される。除去動作状態を切替える手段としては、除去部材の接触を、押圧状態と解除された状態とに切り替える可動機構を備えている。
同図(b)に示す、本発明の別の装置例では画像形成プロセスへの悪影響の問題を確実に防ぐために、被記録材P0の画像除去工程から排紙までの間に被記録材表面に付着した余分な離型剤のみを吸い取る第2の除去手段を設けている。
図9は剥離回数と接着力の変化の典型例を示す図である。
同図において縦軸は被記録材と剥離部材の接着力、横軸は剥離回数を示している。
上下の破線は離型剤量の適正範囲の上限と下限を示している。
前述したように剥離部材の離型剤量の変化によって、接着力は変化するが、離型剤の種類や被記録材の離型処理の方法、剥離回数(リユース回数)などの様々な条件や組合せによって、いくつかの場合に分類できる
同図(a)は剥離枚数が増えると比例して、離型剤量が単純に同じ割合で増加または減少することにより、接着力が変化する場合を示す。
同図(b)は被記録材の条件によって離型剤量は変化するが、規則性があり、接着力の変化パターンが複数ある場合(例えばリユースしていない紙と、リユースしたことのある紙で違いがある場合)を示す。
同図(c)は不規則に増減が起きる場合を示す。
同図(d)は単純に同じ条件による繰り返しを続けている場合を示す。
離型剤の供給手段、あるいは除去手段の動作状態を、必要なときに切替えるタイミング発生手段として、本発明では2種類の方法を示す。
1)剥離回数等を管理して切替えのタイミングを発生させる方法。
同図(a)の場合のように、熱可塑性組成物層の離型剤の量が、常に同じような速度で増加、または減少するように管理しやすい条件のとき、また同図(b)の場合のように、被記録材の条件によって離型剤量は変化するが、規則性があり、変化量が複数あるが、被記録材の条件が識別できれば管理できるときに好適な方法である。
図3の流れ図で示すように、離型剤の供給手段や除去手段の動作切替えは離型剤コントロール部で制御される。
離型剤コントロール部では、剥離する毎に離型剤の予測変化量を累計していき、累計した離型剤量が所定の適正範囲よりも少なくなることを判定したときに供給動作を起動するタイミングを発生させ、離型剤が適正範囲よりも多くなることを判定したときに除去動作を起動するタイミングを発生させる。
以下にいくつかの具体的方法を説明する。
図10は離型剤供給手段の処理フローを示す図である。
図11は離型剤除去手段の処理フローを示す図である。
<方法1>
図10において、離型剤の供給手段の動作状態を切替えるタイミング発生手段として、離型剤コントロール部に画像除去回数をカウントする剥離回数カウンタを有する。起動のタイミングとして、1回あたりの予測変化量から設定された画像除去回数に到達したら、供給動作切替え手段に起動命令を出力する。停止のタイミングは、離型剤供給手段を予め設定された処理時間だけ動作し、停止するようににすればよい。終了後はカウンタをリセットする。
図11において、除去手段を有している場合は、方法1と同様に、離型剤の除去手段の動作状態を切替えるタイミング発生手段として、離型剤コントロール部に画像除去回数をカウントする剥離回数カウンタを有する。起動のタイミングとして、1回あたりの予測変化量から設定された画像除去回数に到達したら、除去動作切替え手段に起動命令を出す。停止のタイミングは離型剤除去手段は予め設定された処理時間だけ動作し、停止するようにすればよい。終了後は枚数カウンタをリセットする。
<方法2>
図12は離型剤の供給・除去動作の起動タイミングを決定する処理フローを示す図である。
図2に示すように、給紙から画像除去するまでの搬送経路に、識別情報読取センサが設けられている。識別情報としては、リユース回数、画像形成モード(条件データ)などで、図4に符号M1、M2で示すように被記録材に印字されるようなものを対象とする。
方法1と違う点は識別情報に基づき識別した対象毎に予め離型剤量の予測変化量を設定しておき、剥離する毎に離型剤の予測変化量を累計していくようになる。累計した予測変化量が上限か下限のどちらかの設定値を超えたときに、離型剤供給動作切替え手段あるいは除去動作切替え手段に起動命令を出す。停止のタイミングは離型剤供給あるいは除去手段を予め設定された処理時間だけ動作し、停止するようにすればよい。終了後は枚数カウンタをリセットする。図12に処理フロー図を示す。
これらにより、簡単な構成で離型剤量が適正範囲から外れないようにコントロールすることが可能である。
2)離型剤量を検知して切替えのタイミングを発生させる方法
剥離部材の状態、すなわち離型剤量が適正範囲から、少な過ぎる状態になりそうなのか、多すぎる状態になりそうなのかを、剥離部材の離型剤量を検知する検知手段を有し、さらにいずれかの状態が検知されたとき、離型剤供給手段と除去手段の動作を切替えるタイミングを発生させる方法である。
図9(c)の場合のように、熱可塑性組成物層の離型剤の量が、画像形成条件や被記録材の条件などにより、不規則に増加、または減少するような場合にも、正確にかつ確実に対処するのに好適な方法である。
図3の流れ図に制御系構成の主要部を示す。離型剤量のコントロール部には、離型剤量検知センサの信号が入力され、その信号の値が予め設定された限界値を超えたときに、タイミング発生手段から離型剤供給または除去動作の切替え手段に指令を出力するようにする。
ここで、剥離部材の離型剤の含有量や付着量を直接的に、リアルタイムで、かつ低コストで検知することは非常に困難であり、現実的ではない。そこで、剥離部材の離型剤の量が適正範囲に対して少ないこと、あるいは適正範囲に対して多いことを間接的に判断する手段として、剥離部材から被記録材を分離したときの接着力検知手段を有し、接着力の大きさが適切かどうかから判断する方法が有効である。接着力検知手段について以下にいくつかの具体的方法を説明する。
<方法1>
図13は接着力の違いによる被記録材の変形を説明するための図である。同図(a)は接着力が小さい場合、同図(b)は接着力が大きい場合をそれぞれ示す図である。
図14は光電式検知手段を被記録材通過領域に設けた図である。
同図において符号27は光電式センサを示す。
被記録材と剥離部材との接着力が変化すると、それに伴って図13に示すように、接着力が大きいと紙の分離位置の曲率が小さく、小さいと逆になるという現象がみられる。この現象を接着力の大小の代用特性としてとらえることができる。この曲率の違いは、図14に示すように例えば分離板上のガイド板に近い位置に横方向から複数の透過型光電センサなどを並べておき、そのON/OFF状態を検出することで、どの程度の曲率で分離したかを検知することが可能となる。その結果を利用して接着力の大小を推定し、ひいては離型剤の過多・過少を推定することができる。
この方法によれば、簡単な構成で場所をあまり取らずに、離型剤量を検出できる。
<方法2>
図15は機械式検知手段をガイド板の記録材通過領域上下端に設けた図である。
同図において符号11’は上下ガイド板、28は感知レバー式検知手段をそれぞれ示す。
図16は歪みゲージ式検知手段をガイド板の記録材通過部位に設けた図である。
同図において符号29は歪みゲージを示す。
被記録材と剥離部材を機械的作用で分離する場合には、被記録材と剥離部材との接着力が変化すると、それに伴って、分離時に、分離機構を構成する部材が被記録材から受ける力が大きく異なる。被記録材の接着力の大きさは0.5〜10gf/mm程度であるので、これを検知する。
より具体的には、図15に示すように被記録材の分離位置付近に、被記録材を挟むような構造で上下ガイド板11’を配置し、各ガイド板に1〜3gf/mm程度でも反応する感知レバー26を設けている。上の感知レバー26が反応したときは、接着力が弱まっていると判定でき、下の検知レバー26が反応するときは、接着力が強くなりすぎていると判定する。図12に処理フロー図を示す。この構成によれば、離型剤の量の変化が、前記と同様接着力の変化となって現れ、それがさらに、被記録材の通り道の上下の違いとなって現れることを利用している。
なお、図16には、接着力検知手段として歪ゲージ27を利用した例を示している。上下ガイド板11’の分離位置近傍を上下とも撓みやすく構成しておくと良い。撓みが発生すると歪みゲージに出力が現れるので、その出力値を検知する。被記録材が剥離部材から分離し始め、終了するまでの検知信号のピーク値で、判定する。こちらは、接着力の適正範囲が比較的高い場合に、接着力の上限値を検出するのに好適な方法である。
さらに上記、方法1、2ともに、識別情報読取センサS2と併用し、識別対象毎に予め接着力の上限下限値を判断するようにしておくことも可能である。
本発明では、従来から提案されているような、画像形成物質(トナーなど)Tに対して、定着性を低下する組成物が表面近傍に付与されているリユーザブル被記録材を用いることが好ましい。
ここで用いられるリユーザブル被記録材は、図5に示すように枚葉のシート状のものを対象としている。
被記録材には、画像除去装置では消去されない第1の識別マークM1と、画像形成/除去装置で書き換え可能な第2の識別マークM2を設けることにより、使用者や画像形成装置、画像除去装置が一般紙と容易に識別できるようにすることや、画像形成モードやリユース回数などの情報を記録することが可能となる。識別マークの例として、被記録材の一部に切り欠きや穴を設けたり、バーコード情報、文字情報、絵情報などを印刷したり、染料や顔料で被記録材全体を着色したり、ICチップを埋め込むなどが挙げられる。
また、画像除去性を向上させるために、セルロース繊維を主体とする紙を基材とする場合には、その表面近傍に片面付着量1.5g/m以上の画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物を含む組成物を付着させ、ベック平滑度計による平滑度が90秒以上とした被記録材を使用することができる。
定着性を低下せしめる化合物の例として、シリコン樹脂、シランカップリング剤、フッ素樹脂、オレフィン樹脂、界面活性剤、サイズ剤、ワックスなどが挙げられる。紙に界面活性剤を付与したリユーザブル被記録材の例は、例えば、特開平10−74025号公報に開示されており、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、分子中に炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤を付与した紙を用いることが好ましい。画像形成物質との定着性を低下させるために被記録材に含ませることのできるフッ素系界面活性剤の具体例は、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系、カチオン系等である。
シリコン系界面活性剤の具体例は、例えば、エポキシ変性、アルキル変性、アラルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、ポリエーテル変性、等のシリコンオイルである。分子中に炭素数の総数が8個以上の直鎖あるいは分岐しているアルキル基を含有する界面活性剤の例は、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルアミン誘導体、4級アンモニウム塩、イミダゾリン、イミダゾリウム塩等のカチオン系、ベタイン等の両性系等である。
シリコン化合物を表面に付与した被記録材の例は、特開平9−204060号公報、特開平9−204061号公報などに開示されている。本発明において、特に好ましく用いられる被記録材は、画像形成物質との定着性を低下せしめる化合物として、オレフィン−無水マレイン酸重合体を用いた被記録材である。オレフィン−無水マレイン酸重合体のオレフィン成分として、特に、α位に二重結合を有し、炭素数10〜炭素数20のオレフィン単量体を用いて重合させた高分子化合物を用いることにより、被記録材の繰り返し使用による画像形成物質との定着性を低下せしめる化合物の剥離部材や被記録材内部等へ移行を防止し、繰り返し使用回数を多くすることができる。また、被記録材の基材の凹凸を小さくするような目止めをする化合物としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料やラテックス、スチレン−ブタジエン重合体エマルジョン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、でんぷん、酢酸ビニル重合体エマルジョン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アラビアゴム等の高分子化合物が挙げられ、これらの高分子化合物と顔料とを混合して、紙の上に目止め層を設けることもできる。上記高分子化合物に加えて、上記画像形成物質の定着性を低下せしめる化合物や顔料を混合して紙に塗布することもできる。
以下、具体的な実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例で挙げられた条件に限定されるものではない。
●実施例で使用した被記録材(共通部分)
実施例1〜3(共通)のリユーザブル被記録材は、下記のような処方により画像形成物質Tとの定着性を低下させている。
オレフィン−無水マレイン酸重合体ケン化物25重量%水溶液 1重量部、
ポリビニルアルコール10重量%水溶液 10重量部
を混合し、塗布液を調合した。この塗布液を片面の乾燥塗布量が2.3g/mとなるように、市販の普通紙(リコー コピー用紙 Type6200)の両面にワイヤバーを用いて塗布し、120℃、5分間の乾燥を行い、スーパーキャレンダで平滑化処理を行い、リユーザブル被記録材を得た。
このリユーザブル被記録材を使用し、前記のimagio Neo C285を用いて、階調画像、2次色および単色のべた画像、文字画像を有するフルカラーパターンを印字したところ印字画像は鮮明なものであった。
●実施例で使用した画像形成装置(共通部分)
画像形成装置で画像が形成されたのち使用済みとなった被記録材Pは、給紙カセットにストックされる。
図1では、記録面が全て下方になるように重ねて置かれ、画像除去動作がスタートすると、被記録材Pは、給紙コロによって1枚ずつ分離され、搬送経路を通り、転写剥離部に送られる。
転写剥離部は、図2に示すように加圧ローラ3と剥離ローラ1の2つのローラが対向して、その間を被記録材Pが通るように配置されている。剥離ローラ1は、中心からアルミニウム、またはステンレスなどからなる芯金部1d、ゴム硬度40〜50°でシリコンゴム、シリコンスポンジゴムなどからなる厚さ5mm程度の耐熱弾性体層1c、中間接着層1bとして、厚さ50ミクロン程度のチューブ状のポリイミドまたはPEEKなどのフィルムが弾性体層1cに固定され、最表面層には、厚さ30〜80ミクロン程度の熱可塑性組成物層1aが形成されている。熱可塑性樹脂は、画像形成物質Tのバインダーと同じ樹脂のポリエステルなどを採用し、また離型剤も画像形成物質Tの離型剤と同じものとし、パラフィンワックスやカルナバワックスなどのワックスとする。ワックスは重量パーセントで5〜10%程度に予め熱可塑性樹脂中に分散させておき、熱可塑性組成物層の形成時には含有した状態にしておく。
加圧ローラ3の両端部に設けられたバネ部材(片側で30〜50N程度)により剥離ローラ1へ押圧され、被記録材Pの送り方向に幅3〜6mm程度のニップが形成される。
剥離ローラ1側を駆動するように図示しない駆動手段が設けられている。剥離ローラ1が回転すると、加圧ローラ3は、両者の摩擦力によりほぼ等速で連れ回りする。被記録材Pも両者の摩擦により、駆動力が伝わり搬送される。
また加圧ローラ3は空洞になっており、剥離ローラ1の表層を加熱するためのハロゲンヒータHが内蔵されている。加圧ローラ3表面に接触または非接触の温度センサ(不図示)が設置され、温度コントロール部によりニップ内の加圧ローラ3の表面温度で、100〜120℃程度に維持される。
剥離ローラ1と被記録材Pを分離するための分離手段は、被記録材Pのほとんど印字に使われない両サイドの各10mm程度の余白を利用した機械的な強制分離機構からなる。被記録材Pの両サイドは、剥離部材1と接触せずにガイド板11上を滑り、ニップ通過後の30〜60°の位置で剥離ローラ1の円弧から離れるようにガイドされる。被記録材Pが回転とともに送り出されると、このガイド板11により形成された、被記録材Pの分離は両端をキッカケとし中央へと拡がる。分離された先端部は、分離角度が90°〜120°程度に屈曲するように配置した分離板11の上面をスライドし、被記録材Pの後端部まで確実に分離される。
分離された被記録材P0は、画像が消去され、排紙トレイ10にストックされる。
剥離ローラ1には加圧ローラ3とは別に転移クリーニングローラ6が、接触して配置されている。転移クリーニングローラ6は、アルミニウムからなる表面が平坦な円筒状の金属ローラである。ハロゲンヒータHが内蔵され、クリーニング動作時には剥離ローラ1の表面温度よりも高い設定温度の140℃前後に加熱される。クリーニングローラ6は、周速度に対して3倍程度の高速で回転するように、駆動手段に連結されている。剥離ローラ1とクリーニングローラ6の回転方向は、接触位置では逆方向に向かうように、横から見ると同方向に回転する。
転移クリーニングローラ6には、アルミやSUSなどの金属製、またはセラミック製の画像形成物質除去ブレード14が当接されている。ブレードがクリーニングローラ表面を傷つけないように、ブレード当接部の表面にはポリイミドフィルムを被覆したものを用いた。この除去ブレード14により、クリーニングローラ上に蓄積される熱可塑性組成物を
加熱して軟化した状態で掻き落とし、廃画像形成物質容器15に回収する。
Figure 0005146158
以下に3つの実施例と3つの比較例を示す。それぞれの条件は表1に示す。
被記録材、および画像剥離装置は前述のものを使用した。
また、剥離部材の離型剤として、画像形成物質に予め含まれるワックスと同じものを採用した。
離型剤の供給手段は、ワックスを予め染み込ませたスポンジローラを、所定時間加圧ローラに圧接し、加熱されている加圧ローラにより流動化したワックスが薄く加圧ローラに付着し、それが間接的に剥離ローラに供給される方法を採用した。所定時間だけ圧接するのに、圧接状態と解除状態を切り替える機構を設け、制御手段の指令により、切り替え可能とした。
この例では、リユースしたことのない新しい紙と1回でもリユースした紙を区別して、枚数をカウントする。画像形成装置には、リユースしたことを示す識別マークが、剥離領域外に印字される。識別マークは黒のベタ画像で形成し、画像除去装置において簡単な反射型光センサで検出可能なものとした。
画像除去装置では、新しい紙が10枚通過したタイミングで、離型剤供給手段のバルブを所定時間だけ開状態にするようにした。
被記録材、および画像剥離装置は実施例1同様に前述のものを使用した。また剥離部材の離型剤として、画像形成物質に予め含まれるワックスと同じものを採用した。離型剤の供給手段に加え、除去手段も設置している。
被記録材には、リユースの有無を識別するマークが印字され、画像除去装置には識別マークの読取センサが設けられている。
離型剤の供給手段は、ワックスを予め染み込ませたスポンジローラを、所定時間加圧ローラに圧接し、加熱されている加圧ローラにより、流動化したワックスが薄く加圧ローラに付着し、それが間接的に剥離ローラに供給される方法を採用した。
離型剤の除去手段は、図8(a)に示したように、巻き取り式ウェブ、ウェブ送り手段、押圧ローラで構成される。
何れの手段も所定時間だけ圧接するのに、圧接状態と解除状態を切替える機構を設け、制御手段の指令により、切替え可能とした。
実施例1では、枚数カウントして供給タイミングを発生させていたが、本実施例は、剥離部材の接着力を検知して、検知結果から供給すべきタイミングかどうかを判断する方法とした。
検知手段として、図15(a)のような紙分離機構の感知レバー方式を採用した。
接着力が高まり、主にリユースしていない紙が適正範囲の上限に近づいたことを判別すると、分離板に対する押し付け力により、下の感知レバーが作動し、逆に接着力が弱まり、主にリユースしたことのある紙により、適正範囲の下限に近づいたことを判別すると、上の感知レバーが作動するように調整されている。
実施例2の構成に、さらに第2の離型剤の除去手段を設けている。設置箇所は、分離から排紙までの間とした。ワックスが除去しやすいように加熱するようにしている。
<比較例1>
被記録材、および画像剥離装置は実施例1と同様に前述のものを使用した。また剥離部材の離型剤として、画像形成物質に予め含まれるワックスと同じものを採用した。
離型剤の供給手段は、実施例1と同様にワックスを予め染み込ませた
スポンジローラを所定時間加圧ローラに圧接し、加熱されている加圧ローラにより、流動化したワックスが薄く加圧ローラに付着し、それが間接的に剥離ローラに供給される方法を採用するが、切替え手段はもたず、剥離動作毎に、一定量のワックスを塗布するように構成されている。
<比較例2>
被記録材、および画像剥離装置は実施例2同様に前述のものを使用した。また剥離部材の離型剤として、画像形成物質に予め含まれるワックスと同じものを採用した。
離型剤の供給手段は切替え手段をもたずに、常時塗布ローラが加圧手段に圧接されている。除去手段は切替え手段をもたずに、常時画像除去前の被記録材と接触するように配置されている。
また接着力の検知手段ももたない。
<比較例3>
被記録材、および画像剥離装置は実施例2同様に前述のものを使用した。離型剤の供給手段、および除去手段は採用してない。
(比較テスト1)
実施例1と比較例1、3を下記の条件で比較した。
・テスト条件
リユースしたことのない新しい紙を用いて、画像剥離を繰り返していくと、剥離部材の離型剤が徐々に消耗していき、約20枚目には分離不能な状態まで接着力が増大し、一方で、1回以上リユースした紙では、ほぼ接着力が変化しないような条件下で実施した。リユースした紙は剥離部材と接触したときに離型剤が移行し付着したままとなるために、剥離部材から離型剤がほとんど移行しない状態に切り替わってしまうからである。
この例で使用した画像形成装置は、ワックスを含有したトナーを用いた定着(オイルレス定着)のタイプとした。
・結果
リユースした紙が約50%含まれる状態で実施したときに、比較例3のように供給手段がない場合は約40枚前後で分離不良が起きるが、比較例1では、分離不良が起きないものの、剥離部材の離型剤量の過多が原因で20〜30枚を超えるあたりから画像残りが生じ、画像除去性能が低下する現象がみられた。これに対し、実施例1では、200枚以上経過しても、安定した分離状態と画像除去性能を維持していた。
実施例1が、リユースした紙の混入率を変化させた場合にも、対応できることが示された。
本実施例では、同時に画像除去された紙を10回程度に繰り返し画像形成しても、ほとんど定着オフセットは生じることはなかった。
(比較テスト2)
実施例2と実施例3と比較例2、3を下記の条件で比較した。
・テスト条件
リユースしたことのない新しい紙を用いて、画像剥離を繰り返していくと、剥離部材の離型剤が徐々に消耗していき、約20枚目には分離不能な状態まで接着力が増大し、一方で、1回以上リユースした紙では、ほぼ接着力が変化しないような条件下で、さらに、カラー写真画像などで画像面積が高い場合(付着しているトナー量が多い場合)には、離型剤が増加してしまうような条件下で実施した。ランダムに混在させたときに、接着力は不規則に変化する。
また、この例で使用した画像形成装置は、ワックスを含有したトナーを用いた定着(オイルレス定着)のタイプとした。
・結果
上記3タイプの紙をランダムに混在させて実施したときに、比較例3では、条件によっては、たちまち分離不能な状態になってしまったり、時々画像不良が見られるという現象が起こった。
比較例2では、離型剤の供給離型剤が消耗していき、接着力が高まることによる分離不良は発生しなかったが、50枚を超えるあたりから徐々に画像残りが見られるようになった。
これに対し、実施例2では、500枚以上経過しても、安定した分離状態と画像除去性能を維持していた。
さらに、実施例3は実施例2と比較して、画像除去された紙に繰り返し画像形成しても、全く定着オフセットは生じることはなかった。
本発明により、任意のタイミングで必要量の離型剤が供給、あるいは除去できるようになるので、剥離部材に含有されている離型剤の量を過剰に供給、あるいは除去することなく、精度よく適正範囲に維持することができるようになる。
離型剤量を検知する検知手段を設けることによって、精度よく剥離部材の状態を把握できるので、より確実に上記の効果が得られる。また、累積誤差がないので、長期にわたって、上記の効果を得ることができる。
離型剤量検知手段として、被記録体と剥離部材との接着力の大きさを検知する接着力検知手段を設けることで、間接的に離型剤の量を検知するので、上記の効果を得るのに、検知手段としてリアルタイム性、コスト面など実用上有利な手法となる。
実施例2で示したように、画像除去装置は、被記録材と剥離部材を機械的作用で分離する分離機構を有し、前記接着力検知手段として、分離時に、分離機構を構成する部材が被記録材から受ける力で変形する量を検知する手段を設けることによって、上記と同様に非常に簡単な構成で接着力検知を実現できるので、非常に安価に上記と同様の効果を得ることができる。
一方、実施例1で示したように、熱可塑性組成物層の離型剤の量の予測変化量を累計する手段を設けることにより、離型剤の適正量からはずれたと判定したとき、必要な供給動作もしくは除去動作を起動させるので、特別な検知センサが不要でソフト的に対応できるので、非常に簡単な構成で、目的の効果が得られる。
実施例3に示したように、画像除去工程から排紙までの間に、被記録材に付着している離型材を除去する第2の離型剤除去手段を設けることによって、より確実にリユース時の画像形成プロセスへの悪影響(定着オフセットなど)を防止することができる。
本発明の画像除去装置の基本構成を示す図である。 剥離部材の作用を説明するための部分拡大概略図である。 画像除去装置の作用を制御する流れ図である。 分離手段を説明するための図である。 被記録材を説明するための図である。 クリーニング手段を説明するための図である。 加圧ローラへの離型材供給手段を説明するための図である。 離型剤除去手段を説明するための図である。 剥離回数と接着力の変化の典型例を示す図である。 離型剤供給手段の処理フローを示す図である。 離型剤除去手段の処理フローを示す図である。 離型剤の供給・除去動作の起動タイミングを決定する処理フローを示す図である。 接着力の違いによる被記録材の変形を説明するための図である。 光電式検知手段を被記録材通過領域に設けた図である。 機械式検知手段をガイド板の記録材通過領域上下端に設けた図である。 歪みゲージ式検知手段をガイド板の記録材通過部位に設けた図である。
符号の説明
1 剥離部材
3 加圧手段
4 分離手段
6 クリーニング手段
8 離型剤供給手段
9 離型剤除去手段
11 ガイド板
18 滴下ノズル
21 スポンジローラ
22 巻き取り式ウェブ
27、28、29 検知手段

Claims (8)

  1. 被記録材上の画像形成物質より形成された画像を除去するために、画像除去工程として該画像形成物質を転写剥離する剥離部材を有する画像除去装置であって、
    前記剥離部材のうち少なくとも前記被記録材と接触する部分が、前記画像形成物質と接着性を示す物質から構成されるとともに、前記被記録材と離型性を示す離型剤が含有されており、前記剥離部材表面の離型剤量を適正範囲に保つため、前記剥離部材に離型剤を補給する離型剤供給手段、または剥離部材表面の離型剤を除去する離型剤除去手段のうち、少なくとも一方を有するとともに、前記離型剤供給手段、あるいは離型剤除去手段の動作状態を切替える手段と、切替えのタイミングを発生させる手段と、前記剥離部材表面の離型剤量を検知する離型剤量検知手段と、前記離型剤量が前記適正範囲よりも少なくなることを検知したときに供給動作を起動するタイミングを発生させる手段、および、離型剤が前記適正範囲よりも多くなることを検知したときに除去動作を起動するタイミングを発生させる手段、の少なくとも一方を有し、前記離型剤量検知手段は、前記被記録材と前記剥離部材との分離開始位置以降の接着力の大きさを検知する接着力検知手段であることを特徴とする画像除去装置。
  2. 請求項1記載の画像除去装置において、前記接着力検知手段は、前記被記録材が前記剥離部材から分離するときに接着力によって作用する前記被記録材の変形量を検知する手段であることを特徴とする画像除去装置。
  3. 請求項1記載の画像除去装置において、前記被記録材と前記剥離部材を機械的作用で分離する分離機構を有し、前記接着力検知手段は、分離時に、分離機構を構成する部材が前記被記録材から受ける力で変形する量を検知する手段であることを特徴とする画像除去装置。
  4. 請求項1記載の画像除去装置において、前記画像除去装置は、剥離する毎に予め設定された離型剤の予測変化量を累計していく手段を有し、累計した離型剤量が適正範囲よりも少なくなると判定したときに供給動作を起動するタイミングを発生させる手段、および、離型剤が適正範囲よりも多くなると判定したときに除去動作を起動するタイミングを発生させる手段、の少なくとも一方を有していることを特徴とする画像除去装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記剥離部材を加熱する加熱手段を有し、前記剥離部材のうち少なくとも前記画像形成物質と接着性を示す物質が、前記被記録材から除去する熱可塑性の画像形成物質と同一の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性物質層からなるとともに、前記被記録材と離型性を示す離型剤が、前記画像形成物質に含有されている離型剤と同一の材質で構成されることを特徴とする画像除去装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記適正範囲は、離型剤の含有率が熱可塑性組成物全体の5〜10重量%であることを特徴とする画像除去装置。
  7. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記被記録材に対する画像除去工程から該被記録材を排紙するまでの間に、前記被記録材に付着している離型剤を除去する第2の離型剤除去手段を有することを特徴とする画像除去装置。
  8. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の画像除去装置において、前記剥離部材はローラ形状であることを特徴とする画像除去装置。
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