JP3566545B2 - 被記録材の再生方法および再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法および再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録材を再生する被記録材の再生方法および再生装置に関し、詳しくは、被記録材の再生に使用した剥離部材を清浄な状態で再使用することを可能とする方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA化により、プリンタ用紙や複写用紙が大量に使用されるようになった。それにともなって、オフィスからは大量の廃棄用紙が生じるようになり、この多くが無駄に捨てられているのが現状である。しかし、この処分には多大の費用がかかると同時に、この廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化までも、最近ではとりざたされるようになってきた。
【0003】
従来、この問題を解消し紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、再びすいて再生古紙として利用する処置が施されてきた。しかしながら、この処置には大規模な古紙再生施設が必要となるうえ、使用済みの古紙に対して分別・回収・輸送など、再生紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるを得なかった。最近になって、一度使用した用紙上の文字画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用することができる紙が開発されている。
【0004】
例えば、特開平4−67043号公報には、シート状支持体の表面、特に片面のみに離型処理してなり、かつ、該離型処理した支持体に印を付け、普通紙と区別したものが開示されている。しかしながら、これは特殊紙であるため定着性に難があり、一般の複写用紙として使用するには問題がある。
【0005】
また、特開平1−101576号公報、特開平1−101577号公報には、画像形成支持体上の画像形成物質(トナー)を、これを溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより画像を除去する方法が開示されているが、有機溶剤による公害や引火および毒性に問題があり、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問題がある。
【0006】
さらに、特開平1−297294号公報には、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離体を介在させて加熱し、画像を支持体から剥離するクリーニング方法が開示されている。しかし、この方法の場合、表面に離型処理を施した特別な紙を用いなければならない。
【0007】
一方、本出願人は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に液体で膨潤すう層を設けた被記録材を用い、該画像を形成する皮膜状の画像形成物質よりも該被記録材の膨潤層を大きく膨潤せしめる、水を含有した液体(画像除去促進液)を被記録材に付与する液付与手段と、液付与後に、該被記録材を剥離部材に圧接または加熱圧接させて、該画像形成物質を被記録材から剥離部材に転写剥離する剥離手段とを有する、画像形成物質除去方法および再生方法に関する被記録材の再生装置を提案している(例えば特開平7−13383号公報、特開平8−211793号公報)。
【0008】
さらに本願出願人は、この方法における画像形成物質の剥離時の水分蒸発を防ぐために、一対のベルトを複数の加熱部材により蛇行形状に張架して複数の加熱吸着部を連続配置した構成の被記録材の再生装置を提案している(特開平8−44260号公報、特開平8−211794号公報)。
【0009】
この方法によって、被記録材に対してその紙質を比較的損傷することなく、画像形成物質のみを除去し、被記録材を再び使用可能な状態に再生できることが確認されている。ただし、この方法でいう「皮膜状」とは、必ずしも画像全体が一つの膜を形成していることを指しているのではなく、単に画像形成物質が被記録材の内部に深く浸透していないことや、染料を含有する水性インクで印字した場合のように画像形成物質が殆ど分子レベルで被記録材に吸着されている状態ではないことを意味している。
【0010】
また上記従来技術および、以下に詳説する本発明で指す被記録材は、プリンタ用紙、複写用紙等、セルロース繊維を主成分とした紙質層で構成されたものに限られるわけではなく、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に水を含む液体で膨潤する層を有するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の被記録材の再生方法および再生装置においては、画像形成物質が転写された剥離部材はクリーニング部材によるクリーニングで再生され、再び被記録材の再生に使用される。上記剥離部材としては通常、循環走行するプラスチック製もしくはゴム製の無端状ベルトあるいは、表面をプラスチック、合成ゴムもしくは金属材料で形成した回転ローラまたは回転ドラムが使用される。また、これらの剥離部材の画像形成物質除去機能(剥離部材への画像形成物質接着性)を高めるために、その表面を粗面化することもある。また、上記クリーニング部材としては、例えばスパイラルローラ(あるいは板状のクリーニングブレード)が使用され、クリーニング工程では剥離部材上の画像形成物質がスパイラルローラにより掻き落とされて回収される。主にスパイラルローラが使用されるのは、画像形成物質の掻取り機能が高いうえに、剥離部材表面の損傷を最小限に抑えることができるからである。
【0012】
しかし、上記クリーニング工程では、クリーニング部材と剥離部材との摩擦によって剥離部材、画像形成物質のうち少なくとも画像形成物質が帯電してしまうため、画像形成物質が静電力で剥離部材に付着残留しやすくなるのでクリーニングによる画像形成物質の除去が不充分になり、剥離部材に残った(摩擦帯電した)画像形成物質の一部が、被記録材からの画像形成物質の転写除去工程で被記録材に付着するため、結果として被記録材の再生品質が悪化するという問題があった。このような問題は、上記のように剥離部材表面を粗面化した場合には顕著のものがあった。
【0013】
これを更に具体的説明すると、例えば剥離部材としてプラスチック製の無端状ベルトを用い、クリーニング部材として画像形成物質掻取り部がプラスチックからなるスパイラルローラを使用した場合には画像形成物質、剥離部材の双方が摩擦帯電するため、被記録材の再生品質悪化が目立つようになる。また、剥離部材として表面を金属材料で形成したローラを、上記と同じく画像形成物質掻取り部がプラスチックからなるスパイラルローラを使用した場合には、画像形成物質が摩擦帯電するため、やはり被記録材の再生品質が悪化する。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、被記録材の再生に使用される剥離部材および画像形成物質が該再生工程で帯電するのを防止し、もって剥離部材を清浄な状態で再使用することができるようにすることにある。すなわち本発明の目的は、被記録材の再生方法および装置において、剥離部材を清浄な状態にクリーニングすることにより、再生品質の良い被記録材を安定して得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した剥離部材の汚れを防止するためには、画像形成物質の帯電を防ぐことが必要であり、具体的には、剥離部材に転写された画像形成物質に帯電防止剤を付与することが有効であることを確認し、本発明に到達した。
【0016】
請求項1に記載の発明は、熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有する被記録材の前記画像形成物質に剥離部材を接触させて加熱加圧することにより、画像形成物質を剥離部材に転写させて除去した後、該剥離部材上の画像形成物質を適宜の掻取り部材により除去回収し、この画像形成物質が除去された後の剥離部材を前記画像形成物質の転写除去に再使用するようにした被記録材の再生方法において、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に帯電防止剤を付与した後、前記掻取り部材による画像形成物質の除去回収を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の被記録材の再生方法は、請求項1において、前記帯電防止剤付与工程では、帯電防止剤を溶解または分散した液を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に噴霧することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の被記録材の再生方法は、請求項1において、前記帯電防止剤付与工程では、固体の帯電防止剤を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に接触させることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有する被記録材の前記画像形成物質に剥離部材を接触させて加熱加圧することにより、画像形成物質を剥離部材に転写させて除去した後、該剥離部材上の画像形成物質を適宜の掻取り部材により除去回収し、この画像形成物質が除去された後の剥離部材を前記画像形成物質の転写除去に再使用するようにした被記録材の再生装置において、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に帯電防止剤を付与する帯電防止処理装置を配備し、該帯電防止剤付与後の剥離部材について前記掻取り部材による画像形成物質の除去回収を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の被記録材の再生装置は、請求項4において上記帯電防止処理装置が、帯電防止剤を溶解または分散した液を、上記剥離部材の画像形成物質が転写した面に噴霧するユニットであることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の被記録材の再生装置は、請求項4において上記帯電防止処理装置が、固体状の帯電防止剤を、上記剥離部材の画像形成物質が転写した面に接触させるユニットであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る被記録材の再生方法および再生装置の実施の形態を、必要により図面を参照しながら説明する。
被記録材の再生工程、すなわち被記録材上の画像形成物質を剥離部材に転写させることにより除去する工程においては、画像形成物質は剥離部材との加熱加圧により剥離部材に転写される。転写された画像形成物質は剥離部材のクリーイング部で掻き取られるが通常、その際の摩擦で画像形成物質および剥離部材が帯電する。
【0023】
帯電した画像形成物質は静電力で剥離部材に付着しやすくなるし、剥離部材が帯電するとその分、これに画像形成物質が付着しやすくなる。剥離部材は再び画像形成物質の除去に使用されるので、剥離部材に画像形成物質が付着していると、被記録材再生時にこの画像形成物質が被記録材に付着してしまい、被記録材が汚染され再生品質が悪化する。これが従来技術の問題点である。
【0024】
この問題点を解決するために、本発明の再生方法・装置では、剥離部材および剥離部材上の画像形成物質の摩擦帯電を防止するための工程・装置を設ける。こうすることにより、剥離部材に転写された画像形成物質は確実にクリーニング部で除去される。帯電防止剤の付与方法としては、帯電防止剤を溶解または分散した液を剥離部材上の画像形成物質および剥離部材に噴霧もしくは塗布する方法、または固体状の帯電防止剤を剥離部材上の画像形成物質および剥離部材に接触させる方法が挙げられる。
【0025】
帯電防止剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン界面活性剤、脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類などの陽イオン界面活性剤、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0026】
本発明においては、画像形成物質を剥離部材に転写する工程に先立ち、画像形成物質と被記録材との接触力を弱めるために、少なくとも水と界面活性剤を含む液体(以下、画像除去促進液という)を被記録材に付与しても良い。画像除去促進液の付与により、被記録材からの画像形成物質の剥離が促進される。
【0027】
また本発明では、被記録材表面の画像形成物質を除去(剥離)するために、この被記録材と画像形成物質との付着力より大きい付着力を画像形成物質との間に有する剥離部材を、被記録材に加熱圧接させる。この加熱は画像形成物質を軟化させ、これにより画像形成物質を被記録材の繊維等から剥がれやすくするために行われる。したがって、加熱による昇温の温度は、画像形成物質の軟化点以上の温度で、かつ画像形成物質が溶融しない程度に設定するのが好ましい。
【0028】
画像形成物質が溶融すると、被記録材上の画像形成物質を被記録材側と剥離部材側とに分断することなく剥離部材側に転写させるのが困難になる。上記剥離処理後、被記録材を剥離部材から分離すると、画像形成物質は被記録材から剥離部材に転写され、被記録材は画像形成前の状態に再生される。
【0029】
以下、本発明に係る画像除去促進液と、これに添加される各種添加剤に関し説明する。
画像除去促進液は水、界面活性剤を含む水、水溶性ポリマーを含む水溶液、および界面活性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等から構成される。またpH調整剤、重金属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、漂白剤等の添加剤を使用することも可能である。
【0030】
つぎに界面活性剤について説明すると、陰イオン界面活性剤としては石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸エステル塩が挙げられる。
【0031】
陽イオン界面活性剤としては脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0032】
非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルおよびアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系が挙げられる。
【0033】
フッ素系界面活性剤としてはフロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノニオン系、カチオン系等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の使用も可能である。上記各界面活性剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0034】
画像除去促進液には界面活性剤とともに、画像形成物質除去能力を向上させる、あるいは再生状態を改良する等の目的で水溶性ポリマーを添加してもよい。この水溶液ポリマーの添加量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲が良い。
【0035】
画像除去促進液中に添加される水溶性ポリマーとしては、天然系ではアラビアゴム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デンプンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物、などが挙げられる。
【0036】
本発明においては、被記録材に水と界面活性剤を含む状態で、水溶性ポリマーを保持させることにより、画像形成物質の剥離体を形成することができる。すなわち水溶性ポリマーは、上記剥離部材が圧接することができないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/剥離部材の如く間接的に接触することができ、その粘着力によって皮膜状画像を、紙質を傷めることなく剥離することができる。
【0037】
また、画像除去促進液には界面活性剤を水に可溶化させる助剤、あるいは湿潤剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素環類を含有させることも可能である。また、上記多価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0038】
重金属イオンの封止剤で剥離助剤として添加されるキレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
さらに防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用可能である。
【0039】
剥離部材は、剥離手段通過時に受ける熱、圧力等に対する耐久性、画像除去促進液に対する安定性に優れ、表面変質が少なく、なおかつ良好な剥離が行える材料により構成するのが好ましく、Ni鋼、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物、あるいは各種ポリマー等が挙げられる。
【0040】
上記ポリマーとしては、具体的には合成または天然のゴム、ジアリレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある合成樹脂が挙げられる。また、これらのポリマーは単独で用いても、混合して用いても良く、耐久性向上および剥離特性向上のために酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン粒子などを含有していてもよい。
【0041】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下に述べるのは、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は被記録材再生装置の全体構成を示す概略図であり、この再生装置は、電子写真複写機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等から画像形成物質を剥離・除去して被記録材を再生するものである。
【0042】
再生装置1は 給紙ユニットU1、液付与ユニット(画像除去促進液付与ユニット)U2、剥離・移動ユニットU3、帯電防止剤付与ユニットU4、乾燥ユニットU5および紙受けユニットU6等を備えている。この再生装置1では、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105を1枚ずつ液付与ユニットU2に給紙して、液付与ユニットU2で転写紙105に画像除去促進液を付与し、剥離・移動ユニットU3で転写紙105上の画像形成物質を剥離・除去した後、乾燥ユニットU5で転写紙105を乾燥させて、紙受けユニットU6で回収する。
【0043】
以下、各ユニットU1〜U6について順次説明する。給紙ユニットU1は給紙ケース101、給紙ローラ102、一対のレジストローラ103およびガイド板104等を備えており、給紙ケース101内には、再生対象である被記録材としての転写紙105が複数枚収納される。
給紙ケース101内には、図示しないが転写紙105を載置するための底板があり、 該底板は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102側の端部を上方に持ち上げる。給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース101内の転写紙105を最上段の転写紙から順次送り出す。
【0044】
給紙ローラ102により送り出された転写紙105は、図示しない分離機構で重送紙が分離され、一枚の転写紙105のみが、タイミング調整およびスキュー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板104を介して液付与ユニットU2に給紙される。
【0045】
液付与ユニット(画像除去促進液付与ユニット)U2は補給液容器201、液自動補給機202、液容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ローラ205、押さえローラ206、搬送ベルト207、駆動ローラ208およびガイド板209等を備えており、補給液容器201と液自動補給機202および、この液自動補給機202と液容器203は、それぞれパイプ210,211により接続されている。補給液容器201および液容器203内には、画像除去促進液212が収納されており、液容器203には、図示しないが液量センサーが設けられている。
【0046】
液自動補給機202は、液量センサーの検出結果に基づいて動作し、補給液容器201内の画像除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除去促進液212を補給する。液汲み上げローラ204と液塗布ローラ205は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ204は、回転駆動されることにより液容器203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接する液塗布ローラ205で搾られることにより、所定量の画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させる。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ローラ208により駆動される搬送ベルト207により剥離・移動ユニットU3に送り出される。
【0047】
なお、図1では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205により画像除去促進液212が塗布されるようになっているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。
また、液塗布ローラ205を転写紙105に接触させて塗布する方法ではなく、非接触で画像除去促進液212を付与したり、あるいは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0048】
画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、画像除去促進液212により画像形成物質の接着力が低下し、画像除去促進液212は水分を含有している。すなわち、画像除去促進液212は、画像が形成されている側の転写紙105に付与され、転写紙105は、画像除去促進液212が付与されると、表面近傍が膨潤して画像形成物質と転写紙105との膨潤量の差により、両者間に剪断力が発生して画像形成物質と転写紙105との接着力が低下する。
上記画像除去促進液212の付与された転写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、上述のように転写紙105の膨潤により転写紙105と画像形成物質との接着力が弱められる。
【0049】
剥離・移動ユニット(剥離手段)U3は、搬送ローラ301,302,303,304と搬送ローラ305,306,307,308、搬送ローラ301,302と搬送ローラ305,306の間にジグザグ状態に配設された複数の加圧ローラ309〜313、加圧ローラ314〜317、シート状の剥離ベルト329、シート状のシールベルト330、スパイラルローラ331および画像形成物質受け容器332等を備えており、加圧ローラ309〜313および加圧ローラ314〜317は、図示しないが加熱ヒータを内蔵している。
【0050】
剥離ベルト(剥離部材)329は所定の幅、例えば各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙105上の画像形成物質を剥離・転写させるに十分な幅を有するもので無端状に形成されている。この剥離ベルト329は、搬送ローラ305〜308に張り渡されているとともに、ジグザグ状に配設された各加圧ローラ309〜317をジグザグ状に縫うように配設されている。
また、シールベルト330は、転写紙105を剥離ベルト329との間に挟持して、転写紙105上の画像形成物質を剥離ベルト329に剥離・転写させるのに十分な幅を有した無端状に形成され、搬送ローラ301〜304に張り渡されているとともに、各加圧ローラ309〜317をジグザグに縫うように配設されている。
【0051】
したがって、剥離ベルト329とシールベルト330とは、搬送ローラ301と搬送ローラ305の当接位置で密着一体化され、この密着一体化された状態でジグザグ状に配設された加圧ローラ309〜317の間をジグザグに移動して、搬送ローラ302と搬送ローラ306の当接位置で分離した後、それぞれ搬送ローラ307,308および搬送ローラ303,304を介して搬送ローラ305および搬送ローラ301へ循環走行する。
【0052】
シールベルト(シール部材)330は、被記録材である転写紙105に画像が片面のみに形成されている場合や、画像が両面に形成されている場合においても、片面ずつ画像形成物質を除去するのに用いられる。シールベルト330は、剥離ベルト329と密着一体化して転写紙105を挟持するためのものであり、該ベルトには画像形成物質を転写させる必要がないため、画像形成物質との接着性を必要としない点以外は、剥離ベルト329と同様の特性を有していることが望ましい。
【0053】
搬送ローラ301〜304および搬送ローラ305〜308は、図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト329とシールベルト330を、加圧ローラ309〜313および加圧ローラ314〜317の間をジグザグ状に縫うように、かつ図1中左から右方向に走行させる。
【0054】
加圧ローラ309〜313および加圧ローラ314〜317は、上述のように加熱ヒータを内蔵しており、加熱ヒータにより所定温度に加熱されて、剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟持して搬送する転写紙105を加熱する。この場合の加熱温度は、画像形成物質の物性によるが、例えばモノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好ましくは80℃〜120℃である。
【0055】
すなわち、画像形成物質は熱可塑性あるいは熱溶融性であるが、画像形成物質が溶融してしまうと、転写紙105上の画像形成物質を転写紙105側と剥離ベルト329側とに分断することなく剥離ベルト329側へ転写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎるとジグザグ搬送路を通過中に転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画像形成物質を介して剥離ベルト329に貼り付いてしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
したがって、加熱部通過後の転写紙105に多少の湿り気が残っていて、画像形成物質の再付着を防止できる程度に加熱することが望ましく、具体的には上記例の温度が好適である。
【0056】
剥離ベルト329とシールベルト330により右端の搬送ローラ302,306に搬送されてきた転写紙105は、図示しない分離爪により剥離ベルト329およびシールベルト330から分離されて、図1に示す乾燥ユニットU5に送り出される。
【0057】
上記スパイラルローラ331は、剥離ベルト329に転写された画像形成物質を掻き落として剥離ベルト329をクリーニングするものである。このスパイラルローラ331の下方には画像形成物質受け容器332が配設されており、スパイラルローラ331により掻き落とされた画像形成物質は、画像形成物質受け容器332内に収納される。
【0058】
上記液付与ユニットU2で画像除去促進液212が付与され、画像形成物質と転写紙105との接着力が弱められた転写紙105は、搬送ローラ301と搬送ローラ305の間から剥離ベルト329とシールベルト330の間に挿入され、剥離ベルト329とシールベルト330の間に挟持される。画像形成物質が固着した転写紙105は、剥離ベルト329とシールベルト330との間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト329の接着力により剥離ベルト329に所定の接着力で接着された状態でジグザグ状に搬送され、ジグザグ状に搬送される間に加圧ローラ309〜317に内蔵された加熱ランプにより加熱されつつ、転写紙105と剥離ベルトとが相対変位する。
【0059】
転写紙105の画像形成物質は、加熱されることにより軟化し、この状態で剥離ベルト329とシールベルト330に加圧されつつジグザグ状に搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト329との間に剪断力が発生して、この剪断力により転写紙105から画像形成物質が剥離し、剥離ベルト329に剥離・転写されて、画像形成物質の除去された転写紙105が搬送ローラ302と搬送ローラ306の間から図1に矢印で示すように、乾燥ユニットU5に送り出される。
【0060】
帯電防止剤付与ユニットU4は、画像形成物質が転写された剥離ベルト329に帯電防止剤を付与するためのものであり、補給液容器401、液自動補給機402、スプレーノズル403等を備えている。補給液容器401と液自動補給機402および、液自動補給機402とスプレーノズル403は、それぞれパイプ410,411により接続されている。補給液容器401内には帯電防止剤液412が収納されている。
【0061】
また、図示しない別の実施の形態である、固体状の帯電防止剤を剥離ベルト329の画像形成物質固着面に接触させる場合には、長さが剥離ベルト329の幅以上である、棒状に成形した帯電防止剤を剥離ベルト329の進行方向に直交して接触させる構成となる。
【0062】
画像形成物質が転写された剥離ベルト329には、スプレーノズル403から帯電防止剤液412が噴霧され、これが上記画像形成物質および剥離ベルト329に付与される。帯電防止剤が付与された画像形成物質および剥離ベルト329は帯電しにくくなるので、この画像形成物質がスパイラルローラ331によって掻き落とされる際に、静電力で剥離ベルト329に付着することがなく、画像形成物質受け容器332内に収納される。
【0063】
乾燥ユニットU5は、転写紙105を乾燥させるためのものであり、加熱ランプ501を内蔵した、アルミニウム等で形成された乾燥ドラム502、通気性が良く表面平滑性の高い仕上げベルト503および回転ローラ504a〜504d等を備えている。
【0064】
仕上げベルト503は、乾燥ドラム502および回転ローラ504a〜504dの外周部に沿って図1中時計方向に回転し、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dとは、いずれかが図外の駆動モータ等により回転されて、他方が仕上げベルト503により連れ回りする。なお、乾燥ドラム502と回転ローラ504a〜504dの双方を駆動モータ等により回転させてもよい。
【0065】
剥離・移動ユニットU3から搬送されてきた転写紙105は、乾燥ドラム502と回転ローラ504aとの間から乾燥ドラム502と仕上げベルト503との間に導入され、加熱ランプ501により加熱された乾燥ドラム502により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム502と回転ローラ504dの間から紙受けユニットU6に排出される。
【0066】
このとき、仕上げベルト503は通気性が良好、かつ、表面の平滑性が高い部材で形成されているため、転写紙105が適切に乾燥されるとともに、転写紙105が仕上げベルト503に付着したり、傷ついたりすることがなく、適切に転写紙105を乾燥することができる。
なお、乾燥ユニットU5は、上記構成に限るものではなく、例えば、上記構成のものに代えて、あるいは上記構成に加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0067】
紙受けユニットU6は、ガイド部材601、排紙トレー602および排出ローラ603等を備えている。乾燥ユニットU5から排出された転写紙105は、ガイド部材601により排出ローラ603に案内され、排出ローラ603は、転写紙105を排紙トレー602上に排出・載置させる。
【0068】
なお、再生装置1には、図示しないが給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、再生装置1内での転写紙105のジャムの発生を検出するジャム検出手段、剥離・移動ユニットU3の各加熱ランプおよび乾燥ユニットU5の加熱ランプ501の点灯制御手段ならびに、画像形成物質受け容器332内が画像形成物質で満杯になったかどうかを検出する満杯検出手段等が設けられている。
【0069】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<トナーの処方>
下記処方にて、トナーを作製した。
ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量%
含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量%
カルナウバワックス (離型剤) 4重量%
カーボンブラック (着色剤) 7重量%
【0070】
以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜140℃に熱した2本ロールによって溶融混練した。混練物を自然冷却後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体積平均粒径10μmのトナーを得た。
【0071】
<画像除去促進液の処方>
下記処方にて攪拌溶解し、画像除去促進液を調製した。
ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 10重量%
プロピレングリコール (可溶化剤) 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量%
安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量%
純水 (着色剤) 残量
【0072】
<帯電防止剤液の処方>
下記処方にて攪拌溶解し、帯電防止剤液を調製した。
サンスタット(三洋化成製:非イオン性界面活性剤) 0.1重量%
純水 残量
【0073】
実施例1
上記処方にて作製したトナーを用い、電子写真方式のPPC複写機にて市販のA4版上質紙上に画像を形成した後、図1に示す被記録材再生装置に上記画像除去促進液および帯電防止剤液をセットし、処理速度25mm/secにて再生処理を行った。このとき、画像除去ユニットのローラの加熱温度は110℃とした。剥離部材としては、ポリエチレンテレフタレートのベルトを用いた。画像除去促進液の付与量は0.8g/A4になるように設定した。
再生された紙には、実使用上問題になるような量のトナーは残っていなかった。また紙繊維は剥げたりすることがなく、再使用可能なものであった。一方、剥離ベルトのクリーニングの際生じたトナー粉末がベルトに付着することはなく、剥離ベルトが汚染されることもなかった。
【0074】
比較例1
実施例1において被記録材再生装置として、図1において帯電防止剤付与ユニットU4を除いた装置を用いた以外は、実施例1と同様の手順で再生処理を行ったところ、初期の画像形成物質除去(トナー除去)結果は良好であったが、やがて剥離ベルトのクリーニングによって生じたトナー粉末が剥離ベルトに付着し、再生処理を100枚ほど処理する頃には紙が上記トナー粉末で汚れ始めた。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば下記の顕著な作用効果が得られる。
(1)請求項1の再生方法、請求項4の再生装置掻取り部材による画像形成物質が除去された後の剥離部材を、被記録材上の画像形成物質の転写除去に再使用するようにした被記録材の再生方法において、剥離部材の画像形成物質が転写した面に帯電防止剤を付与した後、上記掻取り部材によって剥離部材上の画像形成物質の除去回収を行うように構成したため、該除去回収時の摩擦に起因する剥離部材、画像形成物質の帯電が防止される。その結果、上記除去回収を効率良く行うことができるとともに、一旦除去された画像形成物質が剥離部材に再付着することもなくなるため、剥離部材を清浄な状態にクリーニングすることができるので、汚れのない、再生品質の良い再生被記録材を得ることができる。
(2)請求項2の再生方法、請求項5の再生装置帯電防止剤溶解液または帯電防止剤分散液を、剥離部材の画像形成物質が転写した面に噴霧するように構成したので、剥離部材および画像形成物質に対する帯電防止剤の付与を簡便・確実に行うことができる。
(3)請求項3の再生方法、請求項6の再生装置固体状の帯電防止剤を、剥離部材の画像形成物質が転写した面に接触させるように構成したので、剥離部材および画像形成物質に対する帯電防止剤の付与を簡便・確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材再生装置の全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 再生装置
U1 給紙ユニット
U2 画像除去促進液付与ユニット(液付与ユニット)
U3 剥離・移動ユニット
U4 帯電防止剤付与ユニット
U5 乾燥ユニット
U6 紙受けユニット
101 給紙ケース
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 ガイド板
105 転写紙
201 補給液容器
202 液自動補給機
203 液容器
204 液汲み上げローラ
205 液塗布ローラ
206 押さえローラ
207 搬送ベルト
208 駆動ローラ
209 ガイド板
210,211 パイプ
212 画像除去促進液
301〜308 搬送ローラ
309〜317 加圧ローラ
329 剥離ベルト
330 シールベルト
331 スパイラルローラ
332 画像形成物質受け容器
401 補給液容器
402 液自動補給機
403 スプレーノズル
410,411 パイプ
412 帯電防止剤液
501 加熱ランプ
502 乾燥ドラム
503 仕上げベルト
504a〜504d 回転ローラ
601 ガイド部材
602 排紙トレー
603 排出ローラ

Claims (6)

  1. 熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有する被記録材の前記画像形成物質に剥離部材を接触させて加熱加圧することにより、画像形成物質を剥離部材に転写させて除去した後、該剥離部材上の画像形成物質を適宜の掻取り部材により除去回収し、この画像形成物質が除去された後の剥離部材を前記画像形成物質の転写除去に再使用するようにした被記録材の再生方法において、
    前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に帯電防止剤を付与した後、前記掻取り部材による画像形成物質の除去回収を行うことを特徴とする被記録材の再生方法。
  2. 前記帯電防止剤付与工程では、帯電防止剤を溶解または分散した液を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に噴霧することを特徴とする請求項1に記載の被記録材の再生方法。
  3. 前記帯電防止剤付与工程では、固体の帯電防止剤を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に接触させることを特徴とする請求項1に記載の被記録材の再生方法。
  4. 熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質からなる固着画像を有する被記録材の前記画像形成物質に剥離部材を接触させて加熱加圧することにより、画像形成物質を剥離部材に転写させて除去した後、該剥離部材上の画像形成物質を適宜の掻取り部材により除去回収し、この画像形成物質が除去された後の剥離部材を前記画像形成物質の転写除去に再使用するようにした被記録材の再生装置において、
    前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に帯電防止剤を付与する帯電防止処理装置を配備し、該帯電防止剤付与後の剥離部材について前記掻取り部材による画像形成物質の除去回収を行うことを特徴とする被記録材の再生装置。
  5. 前記帯電防止処理装置が、帯電防止剤を溶解または分散した液を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に噴霧するユニットであることを特徴とする請求項4に記載の被記録材の再生装置。
  6. 前記帯電防止処理装置が、固体状の帯電防止剤を、前記剥離部材の画像形成物質が転写した面に接触させるユニットであることを特徴とする請求項4に記載の被記録材の再生装置。
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