JP3615363B2 - 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関し、詳細には、被記録材から画像形成物質を除去する前に、被記録材と画像形成物質との接着力を低減させて、適切に画像形成物質を被記録材から除去して、被記録材を適切に再生する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のOA(Office Automation )化により、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録されるようになり、オフィスでは、この情報の記録されたプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生するが、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状である。
【0003】
これらの情報の記録された用紙は、廃棄処理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】
従来、この問題を解消して、紙のリサイクルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用する処置を施していた。
【0005】
この古紙を再生する処理では、大規模な古紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかった。
【0006】
そこで、近時、画像形成支持体(被記録材)としてプラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離体を介在させて加熱して、画像を支持体から剥離するクリーニング方法が開示されている(特開平1−297294号公報参照)。また、特開平1−101576号公報及び特開平1−101577号公報には、画像形成物質(トナー)で画像の形成された画像形成支持体を、画像形成物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することにより、画像を除去する方法が開示されている。
【0007】
ところが、これらの技術では、予め離型処理により被記録材と画像形成物質との接着力を著しく低減させる必要があり、複写用紙として使用するには、適切ではなかった。
【0008】
そこで、本出願人は、少なくとも画像が形成される側の表面近傍に液体で膨潤する層を設けた被記録材を用い、該画像を形成する皮膜状の画像形成物質よりも該被記録材の膨潤層を大きく膨潤せしめる水を含有した液体(画像除去促進液)を被記録材に付与する液付与手段と、液付与後に、該被記録材を剥離用の部材(以下、剥離部材)に圧接もしくは加熱圧接して、該画像形成物質を被記録材から該剥離部材に転写剥離する剥離手段を有する画像形成物質除去方法及び被記録材再生方法に関する被記録材の再生装置を提案している(特開平7−013383号公報参照)。
【0009】
この従来の被記録材の再生装置1は、図9に示すように、皮膜状の画像形成物質により画像の形成された被記録材(転写紙等)2に、液付与部3で、画像除去促進液4を付与して、被記録材2を膨潤させて、画像形成物質と被記録材2との接着強度を低下させ、加熱ヒーター5により加熱される剥離ローラ6で画像形成物質を加熱することにより、画像形成物質を軟化させる。なお、加熱ヒーター5による剥離ローラ6の加熱は、省略することもできる。その後、剥離ローラ6により被記録材2を加圧して被記録材2上の画像形成物質を剥離ローラ6に転写させて除去し、被記録材2を再生する。
【0010】
そして、本出願人は、被記録材の再生品質向上及び再生処理の小電力化のために、画像除去促進液の必要量低減を図り、画像除去促進液の塑性改良や装置改良を種々行ってきた。
【0011】
最近、画像除去促進液による被記録材の膨潤層の膨潤は、必ずしも必要ではなく、むしろ被記録材あるいは画像形成物質の表面に画像除去促進剤の成分が付着していれば、画像除去促進性能が発揮されることが分かった。
【0012】
そこで、本出願人は、より簡素な装置構成で、良質の再生被記録材を得ることのできる再生方法や再生装置を提案している。この被記録材の再生方法及び再生装置は、予め被記録材に画像除去促進液を付与して被記録材に改質処理を施した上で、当該改質処理した被記録材に画像を形成し、再生工程では、画像除去促進液を付与せずに加熱加圧あるいは加圧処理により再生を行う。さらに、再利用可能なように設計された被記録材を用いることで、上記被記録材の改質処理を除いた、より一層簡便な再生方法も提案した。
【0013】
これらの方法は、いずれも、画像形成物質と被記録材との接着力をいかに減少させうるかに重点をおいた技術であり、この技術については、本出願人は、さらに詳細な検討を行って、例えば、特開平8−137349号公報記載のような被記録材の再生装置の提案を行っている。この被記録材の再生装置は、画像除去促進液を被記録材に付与する液付与手段と、被記録材と剥離部材とを加熱あるいは/及び加圧して被記録材から画像形成物質を剥離・除去する剥離手段と、の間に、画像形成物質及び被記録材に対して機械的に応力を加えて、画像形成物質と被記録材との接着力を低減させる接着力低減手段を設けたものである。すなわち、画像形成物質の付着された被記録材を加熱あるいは及び加圧する前に、画像形成物質及び被記録材に機械的応力を加えて、画像形成物質と被記録材の接着力を低減させている。
【0014】
また、トナー像を除去・剥離する剥離手段の前処理手段として、トナー像と被記録材との間の結合力を、溶融と急冷により、あるいは、電場や磁場を印加することにより、低下させる手段を備えた被記録材の再生装置を提案している(特開平7−20754号公報参照)。
【0015】
さらに、図9の被記録材の再生処理においては、できるだけ少ない画像除去促進液をいかに画像によらず均等に付与するかが重要であり、本出願人は、これらに関する提案も行っている。
【0016】
例えば、特開平8−328436号公報に記載されているように、複写用紙への均一な画像除去促進液の付与とともに、必要以上の画像除去促進液を付与することのない被記録材の再生装置や特開平7−175255号公報に記載されているように、画像除去促進液を供給するまでの転写紙のトナー像面に前処理ユニットで、トナーを一部除去する等して、トナー像を破損あるいは破壊し、転写紙に供給される画像除去促進液がトナーと転写紙との界面部に効率的に侵入するようにした被記録材の再生装置を提案している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被記録材から適切に画像形成物質を除去するうえで、なお、改良の余地があった。
【0018】
すなわち、被記録材に付与する画像除去促進液を低減した場合、必ずしも良好な結果が得られているわけではなく、特に、除去すべき画像により画像除去特性が異なることが判明した。すなわち、細線や階調部では、良好な除去特性が得られても、高い画像濃度で、比較的広い面積を有するベタ画像などでは、著しい除去不良を生じたり、画像パターンに沿った形で被記録材自体が変形もしくは損傷するおそれがあった。
【0019】
この現象は、次のような原因によると考えられる。すなわち、ベタ画像は、他の画像と比較して、被記録材との接触(接着)面積が大きく、もともとの接着力が強いためであること、さらに、画像形成物質と被記録材との接着力を低下させるため、画像除去促進液を付与する場合は、画像形成物質が被覆状態にあるため、接着界面に到達しにくいためである。
【0020】
そこで、請求項1記載の発明は、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去することにより、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0021】
請求項2記載の発明は、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去することにより、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生方法を提供することを目的としている。
【0022】
請求項3記載の発明は、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去することにより、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0023】
請求項4記載の発明は、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去することにより、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0024】
請求項5記載の発明は、画像除去促進剤付与手段で、画像除去促進剤を狭持部材表面に付与することにより、画像除去促進剤が被記録材に過度に浸透して、被記録材の品質が低下するのを防止するとともに、画像除去促進剤を画像形成物質または被記録材、あるいは、画像形成物質と被記録材との界面に一様に付与して、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0025】
請求項6記載の発明は、除去手段で、画像形成物質に対して所定の高い接着性を有する所定の剥離部材を被記録材の画像形成物質側の面に接触させた状態で加圧あるいは/及び加熱し、その後、剥離部材と被記録材を分離して、画像形成物質を剥離部材に付着させて被記録材から画像形成物質を除去することにより、接着面積が減少あるいは接着力が低下した画像形成物質を剥離部材に接着させて被記録材から除去し、簡単な方法で、取り残しなく画像形成物質を被記録材から除去して、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0026】
請求項7記載の発明は、画像形成物質を硬化手段で硬化させた後、除去部材を画像形成物質に接触させて、所定の力を画像形成物質に加えて被記録材から画像形成物質を除去することにより、簡単な方法で、被記録材上の画像形成物質を除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる安価な被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0027】
請求項8記載の発明は、硬化手段として、画像形成物質に空気を吹き付けて冷却させて画像形成物質を硬化させる空冷手段を用いることにより、簡単な方法で、画像形成物質を硬化させ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる安価な被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0028】
請求項9記載の発明は、除去部材として、樹脂製繊維束により形成されたブラシ状部材を使用することにより、簡単な方法で画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる安価な被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0029】
請求項10記載の発明は、少なくとも除去部材が接触して、画像形成物質に所定の力が加わるときに被記録材を保持することにより、除去部材による被記録材上の画像形成物質の除去を、より一層適切に行えるようにし、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる安価な被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0030】
請求項11記載の発明は、狭持部材の表面をクリーニングすることにより、狭持部材で被記録材を狭持し、相対変位させて画像形成物質を捩る処理や画像除去促進剤をまぶす処理を効果的に行い、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0031】
請求項12記載の発明は、狭持部材の表面をクリーニングするクリーニング手段を、フェルトで形成することにより、安価に、かつ、より効果的に、狭持部材から画像形成物質を除去して、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去し、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することのできる被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の被記録材の再生方法は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生方法において、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程を行った後、あるいは、前記軟化工程を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減工程と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行うことにより、上記目的を達成している。
【0033】
上記構成によれば、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することができる。
【0034】
すなわち、本出願人が先に提案してきた被記録材の再生方法は、画像形成物質と画像形成物質に対して接着性の良い剥離部材とを接触させて、加熱または加熱・加圧することにより、画像形成物質を剥離部材に接着させ、画像形成物質を被記録材から剥離させている。ところが、画像形成物質と被記録材との接着面積が大きく、画像形成物質が被記録材に強く接着しているベタ画像などでは、前述したように、著しい除去不良や被記録材の変形、損傷などが生じるおそれがある。
【0035】
ところが、予め画像形成物質と接着しにくい狭持部材を画像の形成された被記録材と重ね合わせて、被記録材の面に略平行な方向に相対位置変位させると、画像形成物質に、いわゆる「捩れ」が生じて紡錘状などになり、画像形成物質の被記録材への接着面積が減少する。
【0036】
すなわち、被記録材の面に平行な方向に画像形成物質に力を加えると、画像形成物質の厚みや被記録材との接着力自体が不均一であること、画像形成物質内部あるいは画像形成物質と被記録材との間に大小さまざまなボイド(空隙)が存在すること等により、画像形成物質に応力集中が起こって、画像形成物質がいくつかに分断されて、画像形成物質の被記録材への接着面積が減少する。
【0037】
このようにして画像形成物質と被記録材との接着面積が減少し、接着力がその分低下した後に、画像形成物質を除去すると、被記録材に負担をかけることなく、良好に画像形成物質を被記録材から除去することができる。
【0038】
ここで、軟化工程における加熱は、画像形成物質を捩れる程度に軟化させるためであり、加熱温度は、画像形成物質により異なる。例えば、通常のモノクロ電子写真装置により形成される画像に対しては、加熱温度は、70℃〜140℃の範囲が好ましい。すなわち、70℃以下では、捩れる程度に、画像形成物質が軟化せず、140℃以上では、画像形成物質が溶融して、被記録材への接着性が向上してしまうからである。
【0039】
この軟化工程における画像形成物質を加熱する方法としては、加熱ランプ等の熱源を内蔵する加熱ローラ、あるいは、フラッシュランプやジュール熱を利用した抵抗発熱器、あるいは、マイクロ発振器による加熱等を用いることができるが、これらに限るものではない。
【0040】
狭持部材は、加熱状態に耐えうること、画像形成物質との接着性がよくないことが要求され、例えば、モノクロ電子写真装置により形成される画像に対しては、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂やシリコン系樹脂等が適しているが、狭持部材としては、これらに限定されるものではない。
【0041】
接着力低減工程における被記録材と狭持部材との相対位置変位は、被記録材あるいは狭持部材の一方を固定し、もう一方を面方向に移動させることにより行うことができ、例えば、フィルム状の狭持部材で被記録材を狭持させた状態で、曲げを付与するようにすると、被記録材と狭持部材との間に面方向に相対位置変位を生じさせることができ、相対位置変位を生じさせる方法としては、これに限るものではない。
【0042】
なお、接着力低減工程において被記録材と狭持部材との相対位置変位を生じさせる際、被記録材に対して狭持部材が適度な圧力で押圧されていることが望ましく、この圧力条件は、画像形成物質の種類や軟化工程での加熱温度等により適宜設定する。
【0043】
請求項2記載の発明の被記録材の再生方法は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生方法において、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与する画像除去促進剤付与工程と、前記画像除去促進剤付与工程を行った後、あるいは、前記画像除去促進剤付与工程を行いつつ、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程を行った後、あるいは、前記軟化工程を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減工程と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行うことにより、上記目的を達成している。
【0044】
上記構成によれば、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0045】
すなわち、画像除去促進剤が付与された後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、狭持部材で被記録材を狭持して相対位置変位させると、画像除去促進剤を画像形成物質の表面や被記録材にまんべんなく付着させて、被記録材と画像形成物質との界面に、直接、画像除去促進剤を付与することができ、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にすることができる。
【0046】
ここで、画像除去促進剤としては、水を主成分とし、界面活性剤が添加されたものを用いることができ、界面活性剤の他にも、湿潤剤、可塑剤、pH調整剤、防腐剤及び防錆剤等を添加することができる。また、画像除去促進剤としては、液体状のものに限るものではなく、固体状のものであってもよい。
【0047】
画像除去促進剤を付与する方法としては、画像除去促進剤が液体状であれば、塗布ローラ等のように画像除去促進剤を含ませた部材を被記録材あるいは狭持部材に接触させて画像除去促進剤を付与する接触式付与方法、噴霧器等のように非接触で画像除去促進剤を付与する非接触付与方法等を用いることができ、画像除去促進剤が固体状であれば、被記録材あるいは狭持部材を固体状の画像除去促進剤に摺接させて、画像除去促進剤を擦り付けて付与する方法、あるいは、画像除去促進剤を粉末状にして散布して付与する方法等を用いることができる。なお、画像除去促進剤の付与方法としては、上記方法に限られるものでないことは、いうまでもない。
【0048】
また、画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材と狭持部材を相対位置変位させるので、この相対位置変位により画像除去促進剤が均一化される。したがって、画像除去促進剤の付与においては、画像除去促進剤が均一に付与することを、あまり重要視する必要がなく、簡易な方法で画像除去促進剤を付与することができる。
【0049】
請求項3記載の発明の被記録材の再生装置は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生装置において、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化手段と、前記軟化手段による軟化処理を行った後、あるいは、前記軟化手段による軟化処理を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減手段と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0050】
上記構成によれば、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することができる。
【0051】
請求項4記載の発明の被記録材の再生装置は、熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生装置において、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与する画像除去促進剤付与手段と、前記画像除去促進剤付与手段による前記画像除去促進剤の付与処理を行った後、あるいは、前記画像除去促進剤付与手段による前記画像除去促進剤の付与処理を行いつつ、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化手段と、前記軟化手段による軟化処理を行った後、あるいは、前記軟化手段による軟化処理を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減手段と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0052】
上記構成によれば、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0053】
上記各場合において、例えば、請求項5に記載するように、前記画像除去促進剤付与手段は、前記画像除去促進剤を前記狭持部材表面に付与するものであってもよい。
【0054】
上記構成によれば、画像除去促進剤付与手段で、画像除去促進剤を狭持部材表面に付与するので、画像除去促進剤が被記録材に過度に浸透して、被記録材の品質が低下するのを防止することができるとともに、画像除去促進剤を画像形成物質または被記録材、あるいは、画像形成物質と被記録材との界面に一様に付与して、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0055】
また、例えば、請求項6に記載するように、前記除去手段は、前記画像形成物質に対して所定の高い接着性を有する所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質側の面に接触させた状態で加圧あるいは/及び加熱し、その後、前記剥離部材と前記被記録材を分離して、前記画像形成物質を前記剥離部材に付着させて前記被記録材から前記画像形成物質を除去するものであってもよい。
【0056】
上記構成によれば、除去手段で、画像形成物質に対して所定の高い接着性を有する所定の剥離部材を被記録材の画像形成物質側の面に接触させた状態で加圧あるいは/及び加熱し、その後、剥離部材と被記録材を分離して、画像形成物質を剥離部材に付着させて被記録材から画像形成物質を除去するので、接着面積が減少あるいは接着力が低下した画像形成物質を剥離部材に接着させて被記録材から除去することができ、簡単な方法で、取り残しなく画像形成物質を被記録材から除去して、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0057】
ここで、剥離部材は、加熱・加圧に耐えうる材料で、画像形成物質との接着性の高い部材で形成されている。剥離部材としては、例えば、モノクロ電子写真装置で形成されたトナー画像の場合、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリカーボネート(PC)等が好ましいが、これらに限らず、その他種々の樹脂、金属等を用いることができる。また、剥離部材は、フィルム状、ローラ状、あるいは、ドラム状等種々の形状のものを用いることができる。
【0058】
さらに、例えば、請求項7に記載するように、前記除去手段は、前記画像形成物質を硬化させる硬化手段と、前記硬化手段により硬化された前記画像形成物質に接触して、所定の力を前記画像形成物質に加えて前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去部材と、を備えたものであってもよい。
【0059】
上記構成によれば、画像形成物質を硬化手段で硬化させた後、除去部材を画像形成物質に接触させて、所定の力を画像形成物質に加えて被記録材から画像形成物質を除去するので、簡単な方法で、被記録材上の画像形成物質を除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0060】
すなわち、画像形成物質は、接着力低減手段で捩られることにより、厚みが増大しており、機械的な掻き取りにより、効果的に被記録材から除去される。さらに、画像形成物質表面に、画像除去促進剤が付与されていると、効果は、さらに大きい。
【0061】
また、例えば、請求項8に記載するように、前記硬化手段は、前記画像形成物質に空気を吹き付けて冷却することにより前記画像形成物質を硬化させる空冷手段であってもよい。
【0062】
上記構成によれば、硬化手段として、画像形成物質に空気を吹き付けて冷却させて画像形成物質を硬化させる空冷手段を用いているので、簡単な方法で、画像形成物質を硬化させることができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0063】
さらに、例えば、請求項9に記載するように、前記除去部材は、樹脂製繊維束により形成されたブラシ状部材であってもよい。
【0064】
上記構成によれば、除去部材として、樹脂製繊維束により形成されたブラシ状部材を使用しているので、簡単な方法で画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0065】
また、例えば、請求項10に記載するように、前記除去手段は、少なくとも前記除去部材が接触して、前記画像形成物質に所定の力が加わるときに前記被記録材を保持する保持手段と、前記保持手段の動作を制御する保持制御手段と、を備えたものであってもよい。
【0066】
上記構成によれば、少なくとも除去部材が接触して、画像形成物質に所定の力が加わるときに被記録材を保持するので、除去部材による被記録材上の画像形成物質の除去を、より一層適切に行うことができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0067】
ここで、被記録材を保持する手段は、例えば、静電気を利用したもの、減圧による吸引効果を利用したもの、あるいは、機械的に保持するものなどを用いることができ、画像形成物質除去処理の障害にならないように、被記録材の周辺を保持する機構が望ましい。
【0068】
さらに、例えば、請求項11に記載するように、前記接着力低減手段は、前記狭持部材の表面をクリーニングするクリーニング手段を、さらに備えていてもよい。
【0069】
上記構成によれば、狭持部材の表面をクリーニングするので、狭持部材で被記録材を狭持し、相対変位させて画像形成物質を捩る処理や画像除去促進剤をまぶす処理を効果的に行って、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0070】
すなわち、画像形成物質は画像パターンにより、除去しやすさが異なる。例えば、ベタ画像部分は、非常に除去しにくく、細線や薄い階調の画像部分は、除去しやすいが、逆に、接着性の低い狭持部材にも画像形成物質が付着してくることがある。狭持部材に画像形成物質が付着(接着)すると、多量の被記録材を再生処理する場合、狭持部材による画像形成物質の捩り効果や画像除去促進剤のまぶし効果を低減させる。すなわち、狭持部材に付着する画像形成物質が増加すると、狭持部材に残存する画像形成物質が次に処理する被記録材との接着剤として作用し、画像形成物質を「捩る」あるいは「画像除去促進剤をまぶす」という接着力低減効果が薄れてしまう。
【0071】
そこで、この狭持部材の表面をクリーニングすることにより、捩り効果や画像除去促進剤のまぶし効果を向上させることにより、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材からより一層除去しやすくすることができる。
【0072】
また、例えば、請求項12に記載するように、前記クリーニング手段は、フェルトにより形成されていてもよい。
【0073】
上記構成によれば、狭持部材の表面をクリーニングするクリーニング手段を、フェルトで形成しているので、安価に、かつ、より効果的に、狭持部材から画像形成物質を除去して、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0074】
ここで、フェルトのクリーニング手段により狭持部材の表面をクリーニングするには、例えば、フェルト素材を狭持部材に押し当てて、相対移動させることにより、狭持部材を簡単に、かつ、効果的にクリーニングすることができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0076】
図1〜図4は、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第1の実施の形態を適用した再生装置を示す図であり、本実施の形態は、電子写真複写機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等の表面の画像形成物質の接着力を低減させた後、画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に適用したものである。
【0077】
図1は、再生装置10の全体構成図であり、再生装置10は、給紙ユニットU1、接着力低減ユニットU2、除去ユニットU3及び紙受けユニットU4等を備えている。
【0078】
再生装置10は、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105を1枚ずつ接着力低減ユニットU2に給紙して、接着力低減ユニットU2で転写紙105上の画像形成物質の転写紙105への接着力を低減させて、除去ユニットU3で、転写紙105上の画像形成物質を剥離・除去し、紙受けユニットU4に排出する。以下、各ユニットU1〜U4について順次説明する。
【0079】
給紙ユニットU1は、給紙ケース101、給紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガイド板104等を備えており、給紙ケース101内には、再生対象である被記録材としての転写紙105が複数枚収納される。
【0080】
給紙ケース101は、図示しないが、その内部に、転写紙105の載置される底板を備えており、該底板は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102側の端部を上方に持ち上げる。給紙ローラ102は、図示しない駆動モータ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から順次送り出す。
【0081】
給紙ローラ102により送り出された転写紙105は、図示しない剥離機構で重送紙が分離され、一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板104を介して接着力低減ユニットU2に給紙される。
【0082】
上記被記録材である転写紙105は、再利用可能に設計された再利用専用紙であるが、通常の普通紙にも適用でき、普通紙を用いる場合は、当該普通紙である転写紙105上の画像形成物質20と転写紙105との接着力を弱める画像除去促進液液を付与して、再利用可能な紙に改質した後、転写紙105として用いる。
【0083】
また、転写紙105には、乾式トナーや湿式トナーを画像形成物質として用いた電子写真方式により画像が形成されているが、画像形成方法としては、これに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、図2に示すように、被記録材(転写紙105)上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質20からなる固着画像を形成する画像形成方法であればよい。
【0084】
熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質20としては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、スチレンーアクリルニトリル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、不飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂等の少なくとも1種を含有するものを用いることができる。
【0085】
また、画像形成物質20に含まれる色材としては、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラック、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジンイエロー等及び油溶性染料を用いることができる。
【0086】
さらに、画像形成方法よっては、各種添加剤が含有され、例えば、電子写真方式においては、荷電制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒクルとして各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)誘導体が加えられる。
【0087】
上記接着力低減ユニット(接着力低減手段)U2は、複数の搬送ローラ201a〜201eと搬送ローラ202a〜202d、複数の加熱ローラ203a〜203e、2個の狭持ベルト204a、204b、2個のクリーニングブレード(クリーニング手段)205a、205b等を備えている。
【0088】
複数の加熱ローラ203a〜203eは、それぞれ相互に当接するとともに、ジクザグ状に配設され、ジグザグ状に配設された加熱ローラ203a〜203eの間をジグザグに縫うように、密着された2個の狭持ベルト204a、204bがはい回されている。加熱ローラ203a〜203eが図外の駆動機構により回転駆動されることにより、密着した加熱ベルト204a、204bをジグザグに、図1中左から右方向に搬送・移動させる。
【0089】
上記各加熱ローラ203a〜203eには、加熱ランプ206a〜206eが内蔵されており、加熱ランプ(軟化手段)206a〜206eは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、加熱ローラ203a〜203eを所定温度に加熱する。
【0090】
この加熱ランプ206a〜206eによる加熱ローラ203a〜203eの加熱温度は、画像形成物質20の物性によるが、転写紙105上の画像形成物質20が溶融しない程度に行うのが望ましい。すなわち、加熱ランプ206a〜206eにより加熱ローラ203a〜203eを加熱するのは、転写紙105に固着している画像形成物質20を加熱により軟化させて、転写紙105を狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで狭持してジグザグ状に配設された加熱ローラ203a〜203eの間を搬送する際に、画像形成物質20が捩れる程度に軟化させるためであり、例えば、通常のモノクロ電子写真方式で画像が形成されているときには、70℃〜140℃の範囲が好ましい。70℃以下では、画像形成物質20が軟化せず、捩れないが、140℃以上では、画像形成物質20が溶融してしまい、転写紙105への接触性が向上してしまうからである。
【0091】
狭持ベルト204a、204bは、所定の幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して搬送するのに十分な幅を有したリング状に形成されており、それぞれ搬送ローラ201a〜201eと搬送ローラ202a〜202dに案内されて、加熱ローラ203a〜203eからなるジグザグ搬送路を搬送される。
【0092】
狭持ベルト204a、204bは、加熱ローラ203a〜203eによる加熱状態に耐えうることと、画像形成物質20との接着性がよくないことが要求される。狭持ベルト204a、204bは、例えば、通常のモノクロ電子写真方式で画像が形成されているときには、ポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)やエチレンーテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂やシリコン系樹脂が適するが、これらに限定されない。
【0093】
クリーニングブレード205a、205bは、例えば、フェルトにより形成されており、狭持ベルト204a、204bに付着した画像形成物質20を除去して、クリーニングする。
【0094】
接着力低減ユニットU2は、給紙ユニットU1から送られてきた転写紙105を搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持されて、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bに狭持された状態で加熱ローラ203a〜203eで形成されるジグザグ搬送路を搬送されるとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱され、軟化した状態でジグザグ搬送路を搬送されることにより、図2に示すように、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になって、転写紙105との接着面積が減少する。すなわち、転写紙105に固着している画像形成物質20は、所定面積に広がったベタ画像であっても、その画像形成物質20内部や画像形成物質20と転写紙105との間には、図3に示すように、ボイド(空隙)が存在しており、転写紙105と転写紙105を狭持する狭持ベルト204a、204bとの間に、図3に矢印で示すように、相対変位が発生すると、応力集中が起こって、図4に示すように、画像形成物質20が複数に分断され、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積が減少する。
【0095】
接着力低減ユニットU2は、このようにして画像形成物質20と転写紙105との接着力を低減させて、図1に示す除去ユニットU3に送り出す。
【0096】
除去ユニット(除去手段)U3は、一対の剥離ローラ(剥離部材)301a、301b、一対のクリーニングローラ302a、302b、搬送ローラ303a〜303f及び画像形成物質受け器304等を備えている。
【0097】
剥離ローラ301a、301bは、加熱ランプ305a、305bを内蔵しており、加熱ランプ305a、305bは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、剥離ローラ301a、301bを所定温度に加熱する。この加熱ランプ305a、305bによる剥離ローラ301a、301bの加熱温度は、転写紙105上の画像形成物質20を軟化するが、溶融しない程度の温度である。すなわち、加熱ランプ305a、305bにより、剥離ローラ301a、301bを加熱するのは、転写紙105上の画像形成物質20を軟化させて、転写紙105から剥がれやすくするためであり、画像形成物質20が溶融してしまうと、転写紙105上の画像形成物質が転写紙105側と剥離ローラ301a、301b側とに分断されたり、画像形成物質20と剥離ローラ301a、301bとの接着力が転写紙105の剛度よりも強固になりすぎて、剥離ローラ301a、301bから転写紙105が分離しなくなるおそれがあるからである。なお、上記接着力低減ユニットU2の加熱ローラ203a〜203eでの加熱が充分であれば、除去ユニットU3の剥離ローラ301a、301bの加熱ランプ305a、305bを設ける必要はない。
【0098】
剥離ローラ301a、301bは、その外周面に画像形成物質20と接着性の良好な剥離部材で被覆されており、所定の押圧力で圧接されつつ、図外の駆動機構により回転駆動される。この剥離部材は、加熱・加圧に耐えうる素材であって、画像形成物質20との接着性の高い部材が適しており、例えば、モノクロ電子写真方式で形成されたトナー画像の場合、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリカーボネート(PC)等が好ましい。剥離部材としては、これらに限るものではなく、その他種々の樹脂や金属等を用いることができる。
【0099】
クリーニングローラ302a、302bは、剥離ローラ301a、301bに当接して回転することにより、剥離ローラ301a、301bに転写された画像形成物質20を剥離ローラ301a、301bから掻き取って、剥離ローラ301a、301bをクリーニングする。クリーニングローラ302a、302bの下方には、画像形成物質受け器304が配設されており、クリーニングローラ302a、302bにより掻き落とされた画像形成物質20は、画像形成物質受け器304内に収納される。
【0100】
除去ユニットU3は、接着力低減ユニットU2で画像形成物質20と転写紙105との接着力が低減されて除去ユニットU3に搬送されてきた転写紙105を剥離ローラ301a、301bで加熱して画像形成物質20を軟化させつつ、転写紙105から剥離・除去して、搬送ローラ303c〜303fにより、転写紙105を紙受けユニットU4に搬送する。
【0101】
紙受けユニットU4は、排出ローラ401a、401b及び排紙トレー402等を備えている。
【0102】
除去ユニットU3から排出された転写紙105は、排出ローラ401a、401bにより排紙トレー402内に排出・載置させる。
【0103】
なお、再生装置10は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置10内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加熱ランプ206a〜206e、加熱ランプ305a、305bの点灯制御手段及び画像形成物質受け容器304内の画像形成物質20が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段等が設けられている。
【0104】
次に、本実施の形態の作用を説明する。再生装置10は、接着力低減ユニットU2で転写紙105と画像形成物質20との接着力を低減させた後、除去ユニットU3で転写紙105上の画像形成物質20を剥離・除去することにより、小型で、効率的に、かつ、確実に転写紙105上の画像形成物質20を剥離・除去するところにその特徴がある。
【0105】
すなわち、再生装置10は、電源が投入され、給紙ケース101に画像形成物質20により固着画像の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ユニットU1の給紙ローラ102により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から、順次接着力低減ユニットU2に送り出す。このとき、レジストローラ対103によりタイミング調整を行う。
【0106】
この転写紙105は、再利用専用紙であり、普通紙を用いる場合には、当該普通紙に予め画像除去促進液を付与したものを用いる。この転写紙105には、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質20により皮膜状の画像が形成されている。
【0107】
接着力低減ユニットU2は、給紙ユニットU1から送り出されてきた転写紙105を搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持し、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱される。したがって、転写紙105は、加熱ローラ203a〜203eにより加熱されて軟化した状態でジグザグ搬送路を搬送されることにより、図2に示したように、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になって、転写紙105との接着面積が減少する。すなわち、転写紙105に固着している画像形成物質20は、所定面積に広がったベタ画像であっても、その画像形成物質20内部や画像形成物質20と転写紙105との間には、図3に示したように、ボイド(空隙)が存在しており、転写紙105と転写紙105を狭持する狭持ベルト204a、204bとの間に、図3に矢印で示すように、相対変位が発生すると、応力集中が起こって、図4に示すように、画像形成物質20が複数に分断され、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積が減少して、その分、画像形成物質20と転写紙105との接着力が低減する。
【0108】
上記処理で、狭持ベルト204a、204bに付着した画像形成物質20は、クリーニングブレード205a、205bにより取り除かれ、狭持ベルト204a、204bの捩り効果を回復することができる。
【0109】
接着力低減ユニットU2で画像形成物質20と転写紙105との接着力の低減された転写紙105は、接着力低減ユニットU2から除去ユニットU3に送り出される。
【0110】
除去ユニットU3は、接着力低減ユニットU2から送り出されてきた転写紙105を搬送ローラ303a、303bにより、画像形成物質20と接着性の良好な剥離ローラ301a、301bに搬送し、加熱ランプ305a、305bを内蔵する剥離ローラ301a、301bにより加熱されて軟化した状態の画像形成物質20を転写紙105から剥離して、剥離ローラ301a、301bに転写することにより、除去する。このとき、転写紙105上の画像形成物質20は、接着力低減ユニットU3により、紡錘状等になって転写紙105との接着面積が減少して、接着力が低減されており、剥離ローラ301a、301bにより効率的に剥離されて、剥離ローラ301a、301bに転写され、転写紙105から適切に除去される。
【0111】
剥離ローラ301a、301bに転写・除去された画像形成物質20は、クリーニングローラ302a、302bにより掻き落とされ、剥離ローラ301a、301bの画像形成物質20を除去する除去性能が回復する。
【0112】
上述のようにして、画像形成物質20の転写・除去された転写紙105は、搬送ローラ303c〜303fにより、紙受けユニットU4に搬送され、紙受けユニットU4で排紙トレー402内に排出・載置させる。
【0113】
このように、本実施の形態の再生装置10によれば、転写紙105を加熱して画像形成物質20を軟化させつつ、画像形成物質20と接着しにくい一対の狭持ベルト204a、204bで転写紙105を狭持した状態で、狭持ベルト204a、204bと転写紙105との間で少なくとも転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質20と転写紙105との接着面積を減少させた後、転写紙105から画像形成物質20を除去することができ、転写紙105から画像形成物質20をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質20と転写紙105との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質20を転写紙105から除去することができる。その結果、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質20を確実に除去することができる。
【0114】
また、除去ユニットU3で、画像形成物質20に対して高い接着性を有する剥離ローラ301a、301bを転写紙105の画像形成物質20側の面に接触させた状態で加圧及び加熱し、その後、剥離ローラ301a、301bと転写紙105を分離して、画像形成物質20を剥離ローラ301a、301bに付着させて転写紙105から画像形成物質20を除去しているので、接着面積が減少あるいは接着力が低下した画像形成物質20を剥離ローラ301a、301bに接着させて転写紙105から除去することができ、簡単な方法で、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して取り残しなく画像形成物質20を除去することができる。
【0115】
さらに、狭持ベルト204a、204bの表面をクリーニングブレード205a、205bによりクリーニングして、狭持ベルト204a、204bに付着した画像形成物質20を除去しているので、狭持ベルト204a、204bで転写紙105を狭持し、相対変位させて画像形成物質20を捩る処理を効果的に行うことがき、転写紙105から画像形成物質20をより一層除去しやすい状態にすることができるとともに、画像形成物質20と転写紙105との接着面積をより一層減少させることができる。したがって、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質20を除去することができる。
【0116】
さらに、クリーニングブレード205a、205bとして、フェルトを使用しているので、安価に、かつ、より効果的に、狭持ベルト204a、204bから画像形成物質20を除去することができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質20を除去することができる。
【0117】
図5及び図6は、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第2の実施の形態を適用した再生装置を示す図である。
【0118】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の接着力低減ユニットの手前に画像除去促進液を付与する画像除去促進液付与ユニットを設け、除去ユニットと紙受けユニットの間に乾燥ユニットを設け、除去ユニットをベルト式のものに変更したものである。そこで、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0119】
図5において、再生装置30は、給紙ユニットU1、画像除去促進液付与ユニットU5、接着力低減ユニットU2、除去ユニットU3−2、乾燥ユニットU6及び紙受けユニットU4−2等を備えている。
【0120】
再生装置30は、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105を1枚ずつ画像除去促進液付与ユニットU5に給紙して、画像除去促進液付与ユニットU5で転写紙105に画像除去促進液509を付与した後、接着力低減ユニットU2に給紙して、接着力低減ユニットU2で転写紙105上の画像形成物質20の転写紙105への接着力を低減させ、除去ユニットU3−2で、転写紙105上の画像形成物質20を剥離・除去し、乾燥ユニット6で転写紙105を乾燥させた後、紙受けユニットU4−2に排出する。以下、各ユニットU1、U5、U2、U3−2、U6、U4−2について順次説明する。
【0121】
給紙ユニットU1は、上記第1の実施の形態の給紙ユニットU1と同様であり、給紙ローラ102により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から、順次レジストローラ対103によりタイミング調整を行いつつ、画像除去促進液付与ユニットU5に給紙する。
【0122】
転写紙105は、後述する画像除去促進液付与ユニットU5により画像除去促進液509が付与されるので、上記第1の実施の形態の転写紙105のように再利用専用紙である必要はなく、通常の複写あるいはプリンティング用紙を用いることができ、他にも、OHP用フィルムなど樹脂フィルムなども用いることができる。
【0123】
画像除去促進液付与ユニットU5は、補給液容器501、液自動補給機502、液容器503、液汲み上げローラ504、液塗布ローラ505及び押さえローラ506等を備えており、補給液容器501と液自動補給機502及び液自動補給機502と液容器503は、それぞれパイプ507、508により接続されている。
【0124】
補給液容器501及び液容器503内には、画像除去促進液509が収納されており、液容器503には、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0125】
液自動補給機502は、液量センサーの検出結果に基づいて動作して、補給液容器501内の画像除去促進液509を汲み上げて、液容器503に画像除去促進液509を補給する。
【0126】
液汲み上げローラ504と液塗布ローラ505は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上げローラ504は、回転駆動されることにより、液容器503内の画像除去促進液509を汲み上げて、当接する液塗布ローラ505に絞られることにより、所定量の画像除去促進液509を液塗布ローラ505に付着させる。
【0127】
液塗布ローラ505は、付着した所定量の画像除去促進液509を、押さえローラ506との間に給紙ユニットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布し、画像除去促進液509の塗布された転写紙105は、接着力低減ユニットU3に送り出される。
【0128】
なお、図5では、転写紙105の下側が画像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ505により画像除去促進液509が塗布されるように示されているが、転写紙105に画像除去促進液509を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ505を2個設けて、転写紙105の両面に画像除去促進液509を塗布するようにしてもよく、この場合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ505を転写紙105に接触させて塗布する方法ではなく、液滴を噴霧する等の非接触で画像除去促進液509を付与したり、あるいは液塗布ローラ505と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。この場合、画像除去促進液509の噴霧量を制御することにより、転写紙105への画像除去促進液509の付与量を制御することができる。
【0129】
また、画像除去促進液付与ユニットU5による画像除去促進液509の付与は、画像除去促進液509の転写紙105への塗布均一性は、必ずしも重要ではない。すなわち、転写紙105は、画像除去促進液付与ユニットU5で画像除去促進液509が付与された後、接着力低減ユニットU2で、転写紙105と狭持ベルト204a、204bとの位置変位により、画像形成物質20に対する画像除去促進液509の均一化が行われるからである。
【0130】
画像除去促進液509の付与された転写紙105は、接着力低減ユニットU2及び除去ユニットU3−2に搬送される間に、画像除去促進液509により、画像形成物質20の接着力を低下させるためのものであり、多くの場合、水分を含有している。
【0131】
画像除去促進液509は、上述のように、画像形成物質20により画像の形成された転写紙105に付与されることにより、転写紙105と画像形成物質20との接着力を低下させる機能、すなわち、画像除去促進性能を有するものであり、適用される転写紙105や画像形成物質20等により各種成分のものが使用されるが、所定成分の液体である。
【0132】
画像除去促進液509としては、水に対する分散または溶解安定性の高い界面活性剤を水に添加したものを用いることができ、界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
【0133】
具体的には、陰イオン界面活性剤としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩等を用いることができる。
【0134】
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0135】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0136】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル等を用いることができる。
【0137】
シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオキシアルキレン変性シロキサン等を用いることができる。
【0138】
フッ素系界面活性剤としては、フロロアルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロロアルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレンオキサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロアルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系等を用いることができる。
【0139】
また、画像除去促進液509には、画像形成物質20を可塑化する化合物(以下、可塑剤という。)を添加することができ、この可塑剤を添加すると、当該可塑剤が画像形成物質20に作用して、転写紙105の表面の傷みを低減することができるとともに、画像形成物質20を加熱加圧及び加熱接触を利用して転写紙105から剥離する場合には、剥離時の設定温度を下げることができ、必要電力消費量を低減させることができる。
【0140】
画像除去促進液509に添加する可塑剤としては、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−プトキシエタノール等のセロソルブ類及びフルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等がある。
【0141】
また、既存の界面活性剤中にも可塑剤として作用することができるものが存在する。
【0142】
具体的には、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド添加物、ポリオキシエチレンアルキル−エーテル系やポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、アルキルアミンオキサイド類等がある。
【0143】
画像除去促進液509には、界面活性剤とともに、水溶性高分子を添加することができ、この水溶性高分子は、除去特性及び再生状態を向上させる。
【0144】
画像除去促進液509中に添加できる水溶性高分子としては、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム等がある。
【0145】
また、画像除去促進液509は、湿潤剤を含有させることも可能である。湿潤剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等がある。
【0146】
その他の画像除去促進液509に添加されるものとしては、pH調整剤がある。pH調整剤は、画像除去促進液509のpHを5〜8に調整することにより、画像除去促進液509の保存安定性を向上させる目的で添加される。すなわち、pH5以下では、接液性が悪く錆が発生し易く、pH8以上では、エステルが加水分解し、物性が変化する。
【0147】
pH調整剤としては、画像除去促進液509に悪影響を及ぼさずに、pHを5〜8に調整できるものであれば、任意のpH調整物質を使用することができる。
【0148】
具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物等を用いることができる。
【0149】
さらに、画像除去促進液509には、防腐防黴剤を添加することができ、防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用することができる。
【0150】
また、画像除去促進液509には、重金属イオンの封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加され、キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0151】
さらに、画像除去促進液509には、防錆剤を添加することができ、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0152】
また、画像除去促進液509には、再生後の転写紙105の白色度を向上させる目的で、漂白剤を添加することができる。酸化漂白剤としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等がある。
【0153】
さらに、画像除去促進液509には、蛍光染料、青み付け染料及び酵素等を添加することもできる。
【0154】
画像除去促進液付与ユニットU5は、給紙ユニットU1から画像形成物質20により画像の形成された転写紙105が、液塗布ローラ505と押さえローラ506との間に搬送されてくると、液自動補給機502により補給液容器501から汲み上げられた液容器503内の画像除去促進液509を、液汲み上げローラ504により液塗布ローラ505に付着して、液塗布ローラ505により、押さえローラ506との間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布する。転写紙105は、画像除去促進液509が付与されると、画像形成物質20と転写紙105との接着力が低下する。
【0155】
画像除去促進液付与ユニットU5は、画像除去促進液509を塗布した転写紙105を、接着力低減ユニットU2に送り出す。
【0156】
接着力低減ユニットU2は、上記第1の実施の形態と同様であり、画像除去促進液付与ユニットU5から送り出されてきた画像除去促進液509の付与された転写紙105を搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持し、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱する。したがって、転写紙105は、加熱ローラ203a〜203eにより加熱されて軟化した状態でジグザグ搬送路を搬送されることにより、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になって、転写紙105との接着面積が減少する。
【0157】
このとき、転写紙105には、既に、画像除去促進液付与ユニットU5により画像除去促進液509が付与されているため、転写紙105が狭持ベルト204a、204bに狭持されて相対変位すると、図6に示すように、画像形成物質20が画像除去促進液509の中でこねられる状態となり、画像形成物質20の外周面及び転写紙105の表面に画像除去促進液509が付着する。その結果、画像形成物質20と転写紙105との接着力がより一層低減する。
【0158】
接着力低減ユニットU2は、画像形成物質20と転写紙105との接着力を低減させた転写紙105を、除去ユニットU3−2に送り出す。
【0159】
除去ユニットU3−2は、複数の搬送ローラ310a〜310e、311a〜311d、複数の加熱ローラ312a〜312e、2個の剥離ベルト313a、313b、2個のスパイラルローラ314a、314b及び画像形成物質受け器315等を備えている。
【0160】
複数の加熱ローラ312a〜312eは、加熱ランプ316a〜316eを内蔵しており、加熱ランプ316a〜316eは、図示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制御されて、加熱ローラ312a〜312eを所定温度に加熱する。
【0161】
この加熱ランプ316a〜316eによる加熱ローラ312a〜312eの加熱温度は、画像形成物質20の物性によるが、転写紙105上の画像形成物質20が溶融しない程度に行う。
【0162】
すなわち、画像形成物質20が溶融してしまうと、転写紙105上の画像形成物質20を、転写紙105側と剥離ベルト313a、313b側とに分断することなく、剥離ベルト313a、313b側へ転写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎると、ジグザグ搬送路を通過中に転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画像形成物質20を介して剥離ベルト313a、313bに貼り付いてしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
【0163】
加熱ローラ312a〜312eは、それぞれ相互に当接するとともに、ジクザグ状に配設され、このジグザグ状に配設された加熱ローラ312a〜312eの間をジグザグに縫うように、密着された2個の剥離ベルト313a、313bがはい回されている。
【0164】
複数の搬送ローラ310a〜310eには、剥離ベルト313aが張り渡されており、搬送ローラ311a〜311dには、剥離ベルト313bが張り渡されている。これら剥離ベルト313aと剥離ベルト313bは、搬送ローラ310aと搬送ローラ311aの当接部で密接され、上述のように、ジグザグ状に配設された加熱ローラ312a〜312eをジグザグ状に縫うようにはい回されて、搬送ローラ310bと搬送ローラ311bの当接部で分離されて、それぞれ搬送ローラ310a〜310e及び搬送ローラ311a〜311dにより搬送される。
【0165】
剥離ベルト313a、313bは、所定の幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙105上の画像形成物質20を剥離・転写させるのに十分な幅を有したリング状に形成されており、加熱・加圧に耐えうる素材であって、画像形成物質20との接着性の高い部材で形成されている。剥離ベルト313a、313bは、例えば、モノクロ電子写真方式で形成されたトナー画像の場合、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリカーボネート(PC)等が好ましい。剥離ベルト313a、313bとしては、これらに限るものではなく、その他種々の樹脂や金属等を用いることができる。
【0166】
スパイラルローラ314a、314bは、各剥離ベルト313a、313bに当接して、回転することにより、剥離ベルト313a、313bに転写された画像形成物質20を掻き落して、剥離ベルト313a、313bをクリーニングする。
【0167】
スパイラルローラ314a、314bの下方には、画像形成物質受け器315が配設されており、スパイラルローラ314a、314bにより掻き落とされた画像形成物質20が画像形成物質受け器315内に収納される。
【0168】
上記画像除去促進液付与ユニットU5で画像除去促進液509が付与され、画像形成物質20と転写紙105との接着力の弱められた転写紙105は、接着力低減ユニットU2で転写紙105と画像形成物質20との接着力が弱められるとともに、画像形成物質20が紡錘状等に分断された後、除去ユニットU3−2の剥離ベルト313aと剥離ベルト313bの間に挿入され、剥離ベルト313aと剥離ベルト313bの間に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト313a、313bの接着力により剥離ベルト313a、313bに所定の接着力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を搬送される。
【0169】
このジグザグ搬送路が加熱ローラ312a〜312eによりジグザグ状に形成されているため、転写紙105が、剥離ベルト313a、313bに密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト313a、313bとが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト313a、313bとの間にせん断力が発生する。このせん断力により転写紙105から画像形成物質20が剥離して、剥離ベルト313a、313bに剥離・転写され、画像形成物質20の除去された転写紙105が搬送ローラ310bと搬送ローラ311bの間から乾燥ユニットU6に送り出される。
【0170】
また、剥離ベルト313a、313bに挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、加熱ローラ312a〜312eに内蔵された加熱ランプ316a〜316eにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している画像形成物質20が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト313a、313bに転写・除去される。
【0171】
さらに、転写紙105は、画像除去促進液付与ユニットU5で、画像除去促進液509が付与されて画像形成物質20が剥がれやすくなった状態で、接着力低減ユニットU2で、画像形成物質20が複数に分断されて、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積が減少している。したがって、除去ユニットU3−2で、画像形成物質20と接着性の高い剥離ベルト313a、313bに密着一体的に狭持されてジグザグ搬送路を搬送されることにより、より一層効果的に転写紙105から画像形成物質20が剥離・除去される。
【0172】
乾燥ユニットU6は、転写紙105を乾燥させるものであり、加熱ランプ601を内蔵したアルミ等で形成された乾燥ドラム602、通気性がよく表面平滑性の高い仕上げベルト603及び回転ローラ604a〜604d等を備えている。
【0173】
仕上げベルト603は、乾燥ドラム602及び回転ローラ604a〜604dの外周部に沿って図5中時計方向に回転し、乾燥ドラム602と回転ローラ604a〜604dとは、いずれかが図外の駆動モータ等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト603により吊れ回りする。なお、乾燥ドラム602と回転ローラ604a〜604dの双方を駆動モータ等により回転駆動するようにしてもよい。
【0174】
除去ユニットU3−2から搬送されてきた転写紙105は、乾燥ドラム602と回転ローラ604aとの間から乾燥ドラム602と仕上げベルト603との間に導入され、加熱ランプ601により加熱された乾燥ドラム602により余分な水分が乾燥されて、乾燥ドラム401と回転ローラ604dの間から紙受けユニットU4−2に排出される。
【0175】
このとき、仕上げベルト603が通気性が良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成されているため、転写紙105が適切に乾燥されるとともに、転写紙105が仕上げベルト603に付着したり、傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥することができる。
【0176】
なお、乾燥ユニットU6は、上記構成のものに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0177】
紙受けユニットU4−2は、ガイド部材410、排紙トレー411及び排出ローラ412等を備えている。
【0178】
乾燥ユニットU6から排出された転写紙105は、ガイド部材410により排出ローラ412に案内され、排出ローラ412は、転写紙105を排紙トレー411上に排出・載置させる。
【0179】
なお、再生装置1は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置30内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、接着力低減ユニットU2の各加熱ローラ203a〜203e及び除去ユニットU3−2の各加熱ローラ312a〜312eの加熱温度制御手段、画像形成物質受け容器315内の画像形成物質20が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段及び乾燥ユニットU6の乾燥ドラム602の内蔵する加熱ランプ601の加熱温度制御手段等が設けられている。
【0180】
次に、本実施の形態の作用を説明する。再生装置30は、画像除去促進液付与ユニットU5で画像形成物質20により画像の形成された転写紙105に画像除去促進液509を付与し、接着力低減ユニットU2で転写紙105と画像形成物質20との接着力を低減させた後、除去ユニットU3−2で転写紙105上の画像形成物質20を剥離・除去することにより、より一層効率的に、かつ、確実に転写紙105上の画像形成物質20を剥離・除去するところにその特徴がある。
【0181】
すなわち、再生装置30は、電源が投入され、給紙ケース101に画像形成物質20により固着画像の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ユニットU1の給紙ローラ102により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から、画像除去促進液付与ユニットU5に送り出す。
【0182】
この転写紙105は、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質20により固着画像が形成されている。
【0183】
画像除去促進液付与ユニットU5は、液容器503内の画像除去促進液509を、液汲み上げローラ504により液塗布ローラ505に付着して、液塗布ローラ505により、搬送ローラ506との間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に塗布する。
【0184】
画像除去促進液付与ユニットU5は、画像除去促進液509を塗布した転写紙105を、接着力低減ユニットU2に送り出す。
【0185】
接着力低減ユニットU2は、画像除去促進液509が付与されて画像形成物質20との接着力の弱められた状態の転写紙105を、搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持し、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱する。したがって、転写紙105は、加熱ローラ203a〜203eにより加熱されて軟化した状態でジグザグ搬送路を搬送されることにより、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になって、転写紙105との接着面積が減少する。すなわち、転写紙105には、既に、画像除去促進液付与ユニットU5により画像除去促進液509が付与されているため、転写紙105が狭持ベルト204a、204bに狭持されて相対変位すると、図6に示したように、画像形成物質20が画像除去促進液509の中でこねられる状態となり、画像形成物質20の外周面及び転写紙105の表面に画像除去促進液509が付着する。その結果、画像形成物質20と転写紙105との接着力がより一層低減する。
【0186】
そして、上記処理で、狭持ベルト204a、204bに付着した画像形成物質20は、クリーニングブレード205a、205bにより取り除かれ、狭持ベルト204a、204bの捩り効果を回復することができる。
【0187】
接着力低減ユニットU2で画像形成物質20と転写紙105との接着力の低減された転写紙105は、接着力低減ユニットU2から除去ユニットU3−2に送り出される。
【0188】
除去ユニットU3−2は、接着力低減ユニットU2から送り出されてきた転写紙105を、剥離ベルト313a、313bに密着一体的に挟持した状態でジグザグ搬送路を搬送し、転写紙105と剥離ベルト313a、313bとを相対変位させて、転写紙105と剥離ベルト313a、313bとの間にせん断力を発生させる。このせん断力により転写紙105から画像形成物質20が剥離して、剥離ベルト313a、313bに剥離・転写され、画像形成物質20の除去された転写紙105が搬送ローラ310bと搬送ローラ311bの間から乾燥ユニットU6に送り出される。
【0189】
また、剥離ベルト313a、313bに挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されている間に、加熱ローラ312a〜312eに内蔵された加熱ランプ316a〜316eにより加熱され、転写紙105上に画像を形成している画像形成物質20が軟化して、剥離し易い状態となり、効率的に剥離ベルト313a、313bに転写・除去される。
【0190】
さらに、転写紙105は、画像除去促進液付与ユニットU5で、画像除去促進液509が付与されて画像形成物質20が剥がれやすくなった状態で、接着力低減ユニットU2で、画像形成物質20が複数に分断されて、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積がより一層減少している。したがって、除去ユニットU3−2で、画像形成物質20と接着性の高い剥離ベルト3135a、313bに密着一体的に狭持されてジグザグ搬送路を搬送されることにより、より一層効果的に転写紙105から画像形成物質20が剥離・除去される。
【0191】
剥離ベルト313a、313bに転写・除去された画像形成物質20は、スパイラルローラ314a、314bにより掻き落とされ、剥離ベルト313a、313bの画像形成物質20を除去する除去性能が回復する。
【0192】
上述のようにして、画像形成物質20の転写・除去された転写紙105は、搬送ローラ310bと搬送ローラ311bの間から、乾燥ユニットU6に送り出される。
【0193】
乾燥ユニットU6は、除去ユニットU3−2から搬送されてきた転写紙105を、乾燥ドラム602と仕上げベルト603との間を搬送して、加熱ランプ601により加熱された乾燥ドラム602により余分な水分を乾燥し、乾燥ドラム401と回転ローラ604dの間から紙受けユニットU4−2に排出する。
【0194】
乾燥ユニットU6から排出された転写紙105は、ガイド部材410により排出ローラ412に案内され、排出ローラ412は、転写紙105を排紙トレー411上に排出・載置させる。
【0195】
このように、本実施の形態の再生装置30によれば、画像形成物質20と転写紙105との接着力を弱めさせる画像除去促進液509を付与し、転写紙105を加熱して画像形成物質20を軟化させつつ、画像形成物質20と接着しにくい一対の狭持ベルト204a、204bで転写紙105を狭持した状態で、狭持ベルト204a、204bと転写紙105との間で少なくとも転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質20と転写紙105との接着面積を減少させた後、転写紙105から画像形成物質205を除去することができる。その結果、転写紙105から画像形成物質20をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質20と転写紙105との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質20を転写紙105から除去することができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質20をより一層確実に除去することができる。
【0196】
図7及び図8は、本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第3の実施の形態を適用した再生装置を示す図である。
【0197】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の接着力低減ユニットに画像除去促進液を付与する画像除去促進液付与ユニットを設け、除去ユニットをブラシ式のものに変更したものである。そこで、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0198】
図7において、再生装置40は、給紙ユニットU1、接着力低減ユニットU2、画像除去促進液付与ユニットU5−2、除去ユニットU3−3及び紙受けユニットU4等を備えている。
【0199】
再生装置40は、給紙ユニットU1から再生対象である転写紙105を1枚ずつ接着力低減ユニットU2に給紙して、画像除去促進液付与ユニットU5で接着力低減ユニットU2の狭持ベルト204aに画像除去促進液509を付与しつつ、接着力低減ユニットU2で転写紙105上の画像形成物質20の転写紙105への接着力を低減させ、除去ユニットU3−3で、画像形成物質20を硬化させた後、転写紙105上の画像形成物質20を除去し、紙受けユニットU4に排出する。以下、各ユニットU1、U2、U5−2、U3−3、U4について順次説明する。
【0200】
給紙ユニットU1は、上記第1の実施の形態の給紙ユニットU1と同様であり、給紙ローラ102により給紙ケース101内の枚葉状の転写紙105を、最上段の転写紙105から、順次レジストローラ対103によりタイミング調整を行いつつ、画像除去促進液付与ユニットU5に給紙する。
【0201】
転写紙105は、後述する画像除去促進液付与ユニットU5−2により画像除去促進液509が接着力低減ユニットU2の狭持ベルト204aに付与されるので、上記第1の実施の形態の転写紙105のように再利用専用紙である必要はなく、通常の複写あるいはプリンティング用紙を用いることができ、他にも、OHP用フィルムなど樹脂フィルムなども適用することができる。
【0202】
接着力低減ユニットU2は、上記第1の実施の形態と同様であり、給紙ユニットU1から送り出されてきた画像形成物質20により画像の形成された転写紙105を搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持し、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱する。
【0203】
したがって、転写紙105は、加熱ローラ203a〜203eにより加熱されて軟化した状態でジグザグ搬送路を搬送されることにより、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になって、転写紙105との接着面積が減少する。
【0204】
この狭持ベルト204aに画像除去促進液付与ユニットU5−2により画像除去促進液509が付与される。
【0205】
画像除去促進液付与ユニットU5−2は、補給液容器501、液自動補給機502、液容器503及び液塗布ローラ505等を備えており、補給液容器501と液自動補給機502及び液自動補給機502と液容器503は、それぞれパイプ507、508により接続されている。
【0206】
補給液容器501及び液容器503内には、画像除去促進液509が収納されており、液容器503には、図示しないが、液量センサーが設けられている。
【0207】
液自動補給機502は、液量センサーの検出結果に基づいて動作して、補給液容器501内の画像除去促進液509を汲み上げて、液容器503に画像除去促進液509を補給する。
【0208】
液塗布ローラ505は、回転駆動されることにより、液容器503内の画像除去促進液509を汲み上げて、所定量の画像除去促進液509を狭持ベルト204aに塗布する。
【0209】
なお、図7では、狭持ベルト204aにのみ液塗布ローラ505により画像除去促進液509が塗布されるように示されているが、狭持ベルト204aに画像除去促進液509を塗布する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布ローラ505を2個設けて、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの双方に画像除去促進液509を塗布するようにしてもよい。また、液塗布ローラ505を狭持ベルト204a、204bに接触させて塗布する方法ではなく、液滴を噴霧する等の非接触で画像除去促進液509を付与したり、あるいは液塗布ローラ505と非接触の塗布手段を組み合わせて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0210】
画像除去促進液付与ユニットU5は、液塗布ローラ505が、常時、狭持ベルト204aに当接して、液自動補給機502により補給液容器501から汲み上げられた液容器503内の画像除去促進液509を、液塗布ローラ505により、狭持ベルト204aに塗布する。
【0211】
この画像除去促進液509の塗布された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に給紙ユニットU1から転写紙105が搬送され、接着力低減ユニットU2は、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱する。
【0212】
したがって、転写紙105に固着している画像形成物質20は、図8の左側の接着力低減処理前の図に示すように、所定面積に広がったベタ画像であっても、その画像形成物質20内部や画像形成物質20と転写紙105との間には、図3に示したように、ボイド(空隙)が存在しており、画像除去促進液付与ユニットU5−2で画像除去促進液509の付与された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に転写紙105を狭持して、図8左側の接着力低減処理前の図に矢印で示すように、相対変位が発生すると、応力集中が起こって、図8右側の接着力低減処理後の図に示すように、画像形成物質20が複数に分断され、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積が減少する。
【0213】
接着力低減ユニットU2は、画像形成物質20と転写紙105との接着力を低減させた転写紙105を、除去ユニットU3−3に送り出す。
【0214】
除去ユニットU3−3は、転写紙センサ320、冷却ファン321、複数の搬送ローラ322a〜322f、一対のブラシ323a、323b及び画像形成物質受け器324等を備えている。
【0215】
転写紙センサ320は、例えば、反射式のフォトセンサ等が利用され、接着力低減ユニットU2から搬送されてきた転写紙105を検出する。
【0216】
冷却ファン(硬化手段、冷却手段)321は、接着力低減ユニットU2から除去ユニットU3−3に搬送される転写紙105に冷却空気を送風して、転写紙105上の画像形成物質20を硬化させる。
【0217】
搬送ローラ322b及び搬送ローラ322dは、所定の保持機構(保持手段)325a、325bにより搬送ローラ322a及び搬送ローラ322cに押圧可能となっており、保持機構325a、325bが作動しないときには、搬送ローラ322a〜322dが転写紙105をブラシ323a、323bの位置に搬送し、保持機構325a、325bが作動すると、搬送ローラ322b及び搬送ローラ322dが保持機構325a、325bにより搬送ローラ322a及び搬送ローラ322cに押圧されて、転写紙105を保持・固定する。
【0218】
ブラシ(除去部材)323a、323bは、転写紙105の両面に当接して、駆動されることにより、転写紙105上の画像形成物質20を掻き落とす。
【0219】
このブラシ323a、323bの下方に画像形成物質受け器324が配設されており、ブラシ323a、323bにより掻き落とされた画像形成物質20が画像形成物質受け器324内に収納される。
【0220】
ブラシ323a、323bによる転写紙105上の画像形成物質20の掻き取りが完了すると、保持機構325a、325bによる転写紙105の保持・固定が解除され、転写紙105は、搬送ローラ322e、322fにより、紙受けユニット4に搬送される。
【0221】
紙受けユニットU4は、排出ローラ401a、401b及び排紙トレー402等を備えている。
【0222】
除去ユニットU3から排出された転写紙105は、排出ローラ401a、401bにより排紙トレー402内に排出・載置させる。
【0223】
なお、再生装置40は、図示しないが、給紙ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105があるか否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置40内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加熱ランプ206a〜206eの点灯制御手段及び画像形成物質受け容器324内の画像形成物質20が満杯になったかどうかを検出する満杯検知手段等が設けられている。
【0224】
次に、本実施の形態の作用を説明する。再生装置40は、接着力低減ユニットU2の画像除去促進液付与ユニットU5−2で、画像除去促進液509を狭持ベルト204aに付与しながら、当該画像除去促進液509の付与された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持しながらジグザグ搬送路を搬送して、転写紙105と画像形成物質20との接着力をより一層効果的に低減させた後、除去ユニットU3−3で転写紙105上の画像形成物質20を乾燥させて、掻き取り・除去することにより、より一層効率的に、かつ、確実に転写紙105上の画像形成物質20を除去するところにその特徴がある。
【0225】
すなわち、再生装置40は、電源が投入され、給紙ケース101に画像形成物質20により固着画像の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミングアップが完了すると、給紙ユニットU1の給紙ローラ102により給紙ケース101内の枚葉状の転写紙105を、最上段の転写紙105から、接着力低減ユニットU2に送り出す。
【0226】
接着力低減ユニットU2は、画像形成物質20により画像の形成された転写紙105を、搬送ローラ201aと搬送ローラ202aの間から狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に狭持し、狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで転写紙105を狭持した状態で、加熱ローラ203a〜203eにより形成されるジグザグ搬送路を搬送するとともに、加熱ローラ203a〜203eに内蔵されている加熱ランプ206a〜206eにより加熱される。
【0227】
そして、この狭持ベルト204aには、画像除去促進液付与ユニットU5−2により画像除去促進液509が付与される。すなわち、画像除去促進液付与ユニットU5−2は、液容器503内の画像除去促進液509を液塗布ローラ505により汲み上げつつ、狭持ベルト204aの転写紙105の狭持面に画像除去促進液509を塗布する。
【0228】
したがって、転写紙105は、加熱ローラ203a〜203eにより加熱されて軟化した状態でジグザグ搬送路を、画像除去促進液509の付与された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bに狭持された状態で搬送されることにより、転写紙105と転写紙105を両側から狭持する狭持ベルト204a、204bとが転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位し、画像形成物質20に「捩れ」が発生して、紡錘状等になるとともに、画像形成物質20が画像除去促進液509の中でこねられる状態となり、画像形成物質20の外周面及び転写紙105の表面に画像除去促進液509が付着し、画像形成物質20と転写紙105との接着力がより一層低減する。すなわち、転写紙105に固着している画像形成物質20は、図8の左側の接着力低減処理前の図に示すように、所定面積に広がったベタ画像であっても、その画像形成物質20内部や画像形成物質20と転写紙105との間には、図3に示したように、ボイド(空隙)が存在しており、画像除去促進液付与ユニットU5−2で画像除去促進液509の付与された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bの間に転写紙105を狭持して、図8左側の接着力低減処理前の図に矢印で示すように、相対変位が発生すると、応力集中が起こって、図8右側の接着力低減処理後の図に示すように、画像形成物質20が複数に分断され、紡錘状等になって、画像形成物質20と転写紙105との接着面積が減少する。
【0229】
接着力低減ユニットU2で画像形成物質20と転写紙105との接着力の低減された転写紙105は、接着力低減ユニットU2から除去ユニットU3−3に送り出される。
【0230】
除去ユニットU3−3は、接着力低減ユニットU2から送り出されてきた転写紙105に冷却ファン321から冷却空気を送風して、転写紙105の画像形成物質20を硬化させつつ、搬送ローラ322a〜322dにより転写紙105をブラシ323a、323b部分に搬送し、転写紙センサ320の検出結果により、転写紙105がブラシ323a、323b部分に搬送されると、保持機構325a、325bを作動させて、転写紙105を保持・固定する。この転写紙家105を保持・固定した状態で、ブラシ325a、325bを駆動させて、ブラシ325a、325bにより転写紙105上の転写紙105と接着力の弱められ、かつ、硬化された画像形成物質20を掻き落とす。
【0231】
すなわち、転写紙105上の画像形成物質20は、上述のように、画像除去促進液付与ユニットU5−2で画像除去促進液509の付与された狭持ベルト204aと狭持ベルト204bで狭持されて、画像形成物質20が複数に分断されて、転写紙105との接着面積が減少した状態で、冷却ファン321で冷却されて硬化されているので、ブラシ325a、325bで掻き取り動作されることにより、適切、かつ、効果的に掻き落とされる。
【0232】
上述のようにして、画像形成物質20の除去された転写紙105は、搬送ローラ303a〜搬送ローラ303fにより、紙受けユニット4に送り出され、除去ユニットU3から送り出された転写紙105は、排出ローラ401a、401bにより排紙トレー402内に排出・載置させる。
【0233】
このように、本実施の形態の再生装置40によれば、画像形成物質20と転写紙105との接着力を弱めさせる画像除去促進液509を付与しつつ、かつ、転写紙105を加熱して画像形成物質20を軟化させつつ、画像形成物質20と接着しにくい一対の狭持ベルト204a、204bで転写紙105を狭持した状態で、狭持ベルト204a、204bと転写紙105との間で少なくとも転写紙105の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質20と転写紙105との接着面積を減少させた後、転写紙105から画像形成物質205を除去することができる。その結果、転写紙105から画像形成物質20をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質20と転写紙105との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質20を転写紙105から除去することができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質20をより一層確実に除去することができる。
【0234】
また、画像除去促進液509を狭持ベルト204a、204bに付与しているので、画像除去促進液509が転写紙105に過度に浸透して、転写紙105の品質が低下するのを防止することができるとともに、画像除去促進液509を画像形成物質20または転写紙105、あるいは、画像形成物質20と転写紙105との界面に一様に付与して、画像形成物質20を転写紙105から除去することができる。したがって、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質20をより一層確実に除去することができる。
【0235】
さらに、画像形成物質20を硬化させた後、ブラシ323a、323bを画像形成物質20に接触させて、転写紙105から画像形成物質20を除去しているので、簡単な方法で、転写紙105上の画像形成物質20を除去することができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質20をより一層確実に除去することができる。
【0236】
また、冷却ファン321から画像形成物質20に冷却空気を送風して画像形成物質20を硬化させているので、簡単な方法で、画像形成物質20を硬化させることができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質20をより一層確実に除去することができる。
【0237】
さらに、樹脂製繊維束により形成されたブラシ323a、323bを使用して画像形成物質20を転写紙105から除去しているので、簡単な方法で画像形成物質20を転写紙105から除去することができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質20を除去することができる。
【0238】
また、少なくともブラシ323a、323bが転写紙105接触して、画像形成物質20を除去する際に、保持機構325a、325bにより転写紙105を保持するので、ブラシ323a、323bによる転写紙105上の画像形成物質20の除去を、より一層適切に行うことができ、転写紙105に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質20を除去することができる。
【0239】
〈実験例1〉
通常の複写機によりトナー画像を、通常の上質紙に形成し、当該トナー画像の形成された上質紙を上記第2の実施の形態の再生装置30を使用して、再生処理した。
【0240】
この再生装置30においては、除去ユニットU3−2の加熱ローラ312a〜312eを100℃に設定し、狭持ベルト204a、204bをエチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)で形成し、剥離ベルト313a、313bをポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成した。また、画像除去促進液付与ユニットU5で、アニオン系界面活性剤(26重量%)、2−メチル−2、4−ペンタンジオール(6重量%)及び水(残量)からなる画像除去促進液509を1.3mg/平方cm(A4判の上質紙に対して0.8g)付与する。
【0241】
上記条件の再生装置30を使用して上記トナー画像の形成された上質紙を再生処理したところ、画像形成物質を良好に剥離・除去することができ、良好な再生紙を得ることができた。
【0242】
〈比較例1〉
上記実験例1と同様の再生装置30において、接着力低減ユニットU2を取り除き、その他の条件を上記実験例1と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0243】
その結果、上質紙に形成された画像のうち、ベタ画像部分で、剥離ベルト313a、313bと画像形成物質20であるトナーが強固に接着してしまい、分離不良から上質紙のジャムが発生した。
【0244】
〈比較例2〉
上記実験例1と同様の再生装置30において、除去ユニットU3−2を取り除き、その他の条件を上記実験例1と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0245】
その結果、上質紙に形成された画像は、もともとの画像をとどめてはいないものの、ほとんどが上質紙上に残存したままであり、再生されなかった。
【0246】
〈実施例2〉
通常の上質紙に、予め所定の画像除去促進液付与装置により、アニオン系界面活性剤(26重量%)、2−メチル−2、4−ペンタンジオール(6重量%)及び水(残量)からなる画像除去促進液を1.0mg/平方cm(A4判の上質紙に対して0.6g)付与した後、この上質紙に、通常の複写機によりトナー画像を形成し、当該トナー画像の形成された上質紙を上記第1の実施の形態の再生装置10を使用して、再生処理した。
【0247】
この再生装置10においては、除去ユニットU3の剥離ローラ301a、301bを100℃に設定し、狭持ベルト204a、204bをエチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)で形成し、剥離ローラ301a、301bの表面の剥離部材をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成した。
【0248】
上記条件の再生装置10を使用して上記トナー画像の形成された上質紙を再生処理したところ、画像形成物質を良好に剥離・除去することができ、良好な再生紙を得ることができた。
【0249】
〈比較例3〉
上記実験例2と同様の再生装置10において、接着力低減ユニットU2を取り除き、その他の条件を上記実験例2と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0250】
その結果、上質紙のジャムは、発生しなかったものの、上質紙に形成された画像のうち、ベタ画像部分で、ベタ画像に沿って、上質紙にシワが発生した。
【0251】
〈実施例3〉
通常の複写機によりトナー画像を、通常の上質紙に形成し、当該トナー画像の形成された上質紙を上記第3の実施の形態の再生装置40に、除去ユニットU3−2として、上記第1の実施の形態の除去ユニットU3を使用して、再生処理した。
【0252】
この再生装置40においては、第1の実施の形態の除去ユニットU3部分の剥離ローラ301a、301bを100℃に設定し、接着力低減ユニットU2の狭持ベルト204a、204bを酸化チタン粉末を分散させたポリエチレンテレフタレート(PET)で形成し、剥離ローラ301a、301bの表面の剥離部材をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成した。また、画像除去促進液付与ユニットU5−2で、アニオン系界面活性剤(26重量%)、2−メチル−2、4−ペンタンジオール(6重量%)及び水(残量)からなる画像除去促進液509を剥離ベルト204aに付与する。
【0253】
上記条件の再生装置40を使用して上記トナー画像の形成された上質紙を再生処理したところ、画像形成物質を良好に除去することができ、良好な再生紙を得ることができた。
【0254】
〈比較例4〉
上記実験例3と同様の再生装置40において、接着力低減ユニットU2の狭持ベルト204a、204bをポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成し、その他の条件を上記実験例3と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0255】
その結果、1枚目の上質紙は、画像形成物質を良好に除去することができ、良好な再生紙を得ることができたが、1枚目の上質紙の再生処理時に、狭持ベルト204a、204bに接着し、2枚目の再生処理で、上質紙が狭持ベルト204a、204bに張り付いてしまい、上質紙のジャムが発生した。
【0256】
〈実施例4〉
通常の上質紙に、予め所定の画像除去促進液付与装置等により、アニオン系界面活性剤(26重量%)、2−メチル−2、4−ペンタンジオール(6重量%)及び水(残量)からなる画像除去促進液を上質紙に付与して、再利用専用紙とし、この再利用専用紙に、通常の複写機によりトナー画像を形成し、当該トナー画像の形成された上質紙を上記第1の実施の形態の再生装置10の除去ユニットU3として、上記第3の実施の形態の再生装置40の除去ユニットU3−3を使用して、再生処理した。
【0257】
この再生装置10においては、接着力低減ユニットU2のエチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)で形成した。
【0258】
上記トナー画像の形成された再利用専用紙を上記条件の再生装置10を使用して再生処理したところ、画像形成物質を良好に除去することができ、良好な再生紙を得ることができた。
【0259】
〈比較例5〉
上記実験例4と同様の再生装置10に使用した第3の実施の形態の除去ユニットU3−3の空冷ファン321を取り除き、その他の条件を上記実験例4と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0260】
その結果、再生処理された再利用専用紙は、画像形成物質をほとんど除去することができたが、わずかに画像形成物質の残像が残った。
【0261】
〈比較例6〉
上記実験例4と同様の再生装置10に適用した第3の実施の形態の除去ユニットU3−3のブラシ323a、323bを、金属製ブレードに変更し、その他の条件を上記実験例4と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0262】
その結果、再生処理された再利用専用紙は、画像形成物質をほとんど除去することができたが、一部分の画像部分でわずかに画像形成物質の残像が残った。また、一部の再利用専用紙に対して、ブラシ323a、323bを金属製ブレードに変更した部分で、紙のジャムが発生した。
【0263】
〈比較例7〉
上記実験例4と同様の再生装置10に適用した第3の実施の形態の除去ユニットU3−3の保持機構325a、325bを取り除き、その他の条件を上記実験例4と同じにして、同様の再生処理を行って、比較実験を行った。
【0264】
その結果、再利用専用紙は、除去ユニットU3−3で除去処理中に動いてしまい、搬送路から外れて、適切に再生処理を行うことができなかった。
【0265】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0266】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の被記録材の再生方法によれば、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することができる。
【0267】
請求項2記載の発明の被記録材の再生方法によれば、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0268】
請求項3記載の発明の被記録材の再生装置によれば、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、安定して画像形成物質を除去することができる。
【0269】
請求項4記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像形成物質と被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与した後、あるいは、画像除去促進剤を付与しつつ、被記録材を加熱して画像形成物質を軟化させた後、あるいは、軟化させつつ、画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で被記録材を狭持した状態で、狭持部材と被記録材との間で少なくとも被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、画像形成物質と被記録材との接着面積を減少させた後、被記録材から画像形成物質を除去するので、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0270】
請求項5記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像除去促進剤付与手段で、画像除去促進剤を狭持部材表面に付与するので、画像除去促進剤が被記録材に過度に浸透して、被記録材の品質が低下するのを防止することができるとともに、画像除去促進剤を画像形成物質または被記録材、あるいは、画像形成物質と被記録材との界面に一様に付与して、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0271】
請求項6記載の発明の被記録材の再生装置によれば、除去手段で、画像形成物質に対して所定の高い接着性を有する所定の剥離部材を被記録材の画像形成物質側の面に接触させた状態で加圧あるいは/及び加熱し、その後、剥離部材と被記録材を分離して、画像形成物質を剥離部材に付着させて被記録材から画像形成物質を除去するので、接着面積が減少あるいは接着力が低下した画像形成物質を剥離部材に接着させて被記録材から除去することができ、簡単な方法で、取り残しなく画像形成物質を被記録材から除去して、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0272】
請求項7記載の発明の被記録材の再生装置によれば、画像形成物質を硬化手段で硬化させた後、除去部材を画像形成物質に接触させて、所定の力を画像形成物質に加えて被記録材から画像形成物質を除去するので、簡単な方法で、被記録材上の画像形成物質を除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0273】
請求項8記載の発明の被記録材の再生装置によれば、硬化手段として、画像形成物質に空気を吹き付けて冷却させて画像形成物質を硬化させる空冷手段を用いているので、簡単な方法で、画像形成物質を硬化させることができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0274】
請求項9記載の発明の被記録材の再生装置によれば、除去部材として、樹脂製繊維束により形成されたブラシ状部材を使用しているので、簡単な方法で画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0275】
請求項10記載の発明の被記録材の再生装置によれば、少なくとも除去部材が接触して、画像形成物質に所定の力が加わるときに被記録材を保持するので、除去部材による被記録材上の画像形成物質の除去を、より一層適切に行うことができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して、かつ、安価に画像形成物質を除去することができる。
【0276】
請求項11記載の発明の被記録材の再生装置によれば、狭持部材の表面をクリーニングするので、狭持部材で被記録材を狭持し、相対変位させて画像形成物質を捩る処理や画像除去促進剤をまぶす処理を効果的に行って、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【0277】
請求項12記載の発明の被記録材の再生装置によれば、狭持部材の表面をクリーニングするクリーニング手段を、フェルトで形成しているので、安価に、かつ、より効果的に、狭持部材から画像形成物質を除去して、被記録材から画像形成物質をより一層除去しやすい状態にするとともに、画像形成物質と被記録材との接着面積をより一層減少させて、画像形成物質を被記録材から除去することができ、被記録材に損傷やシワ等を発生させることなく、画像パターンに関わらず、より一層安定して画像形成物質を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第1の実施の形態を適用した再生装置の概略構成図。
【図2】図1の接着力低減ユニットでジグザグ搬送される際に狭持ベルトと画像形成物質により画像の形成された転写紙とが面方向に相対変位する様子を説明する説明図。
【図3】図1の接着力低減ユニットで狭持ベルトにより画像形成物質で画像の形成された転写紙が狭持されている状態の部分拡大断面図。
【図4】図3の画像形成物質により画像の形成された転写紙と狭持ベルトが面方向に相対変位されて、画像形成物質が紡錘状に分断された状態を示す狭持ベルトと転写紙の部分拡大断面図。
【図5】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第2の実施の形態を適用した再生装置の概略構成図。
【図6】図5の接着力低減ユニットで狭持ベルトにより画像形成物質で画像が形成され画像除去促進液の付与された転写紙が狭持されて、面方向に相対変位されている状態の部分拡大断面図。
【図7】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置の第3の実施の形態を適用した再生装置の概略構成図。
【図8】図7の接着力低減ユニットで画像形成物質によりベタ画像の形成された転写紙が接着力低減処理される前と接着力低減処理された後の状態を示す図。
【図9】従来の再生装置の概念図。
【符号の説明】
10 再生装置
20 画像形成物質
U1 給紙ユニット
U2 接着力低減ユニット
U3、U3−2、U3−3 除去ユニット
U4、U4−2 紙受けユニット
U5、U5−2 画像除去促進液付与ユニット
U6 乾燥ユニット
101 給紙ケース
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 ガイド板
105 転写紙
201a〜201e 搬送ローラ
202a〜202d 搬送ローラ
203a〜203e 加熱ローラ
204a、204b 狭持ベルト
205a、205b クリーニングブレード
206a〜206e 加熱ランプ
301a、301b 剥離ローラ
302a、302b クリーニングローラ
303a〜303f 搬送ローラ
304 画像形成物質受け器
305a、305b 加熱ランプ
310a〜310e、311a〜311d 搬送ローラ
312a〜312e 加熱ローラ
313a、313b 剥離ベルト
314a、314b スパイラルローラ
315 画像形成物質受け器
320 転写紙センサ
321 冷却ファン
322a〜322f 搬送ローラ
323a、323b ブラシ
324 画像形成物質受け器
325a、325b 保持機構
401a、401b 排出ローラ
402 排紙トレー
410 ガイド部材
411 排紙トレー
412 排出ローラ
501 補給液容器
502 液自動補給機
503 液容器
504 液汲み上げローラ
505 液塗布ローラ
506 押さえローラ
507、508 パイプ
509 画像除去促進液
601 加熱ランプ
602 乾燥ドラム
603 仕上げベルト
604a〜604d 回転ローラ

Claims (12)

  1. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生方法において、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程を行った後、あるいは、前記軟化工程を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減工程と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行うことを特徴とする被記録材の再生方法。
  2. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生方法において、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与する画像除去促進剤付与工程と、前記画像除去促進剤付与工程を行った後、あるいは、前記画像除去促進剤付与工程を行いつつ、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化工程と、前記軟化工程を行った後、あるいは、前記軟化工程を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減工程と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行うことを特徴とする被記録材の再生方法。
  3. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生装置において、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化手段と、前記軟化手段による軟化処理を行った後、あるいは、前記軟化手段による軟化処理を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減手段と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備えたことを特徴とする被記録材の再生装置。
  4. 熱可塑性あるいは熱軟化性の画像形成物質により固着画像の形成された被記録材から前記画像形成物質を除去する被記録材の再生装置において、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱めさせる所定の画像除去促進剤を付与する画像除去促進剤付与手段と、前記画像除去促進剤付与手段による前記画像除去促進剤の付与処理を行った後、あるいは、前記画像除去促進剤付与手段による前記画像除去促進剤の付与処理を行いつつ、前記被記録材を加熱して前記画像形成物質を軟化させる軟化手段と、前記軟化手段による軟化処理を行った後、あるいは、前記軟化手段による軟化処理を行いつつ、前記画像形成物質と接着しにくい一対の狭持部材で前記被記録材を狭持した状態で、前記狭持部材と前記被記録材との間で少なくとも前記被記録材の面に略平行な方向に相対的に位置変位を生じさせて、前記画像形成物質と前記被記録材との接着面積を減少させる接着力低減手段と、前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備えたことを特徴とする被記録材の再生装置。
  5. 前記画像除去促進剤付与手段は、前記画像除去促進剤を前記狭持部材表面に付与することを特徴とする請求項4記載の被記録材の再生装置。
  6. 前記除去手段は、前記画像形成物質に対して所定の高い接着性を有する所定の剥離部材を前記被記録材の前記画像形成物質側の面に接触させた状態で加圧あるいは/及び加熱し、その後、前記剥離部材と前記被記録材を分離して、前記画像形成物質を前記剥離部材に付着させて前記被記録材から前記画像形成物質を除去することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  7. 前記除去手段は、前記画像形成物質を硬化させる硬化手段と、前記硬化手段により硬化された前記画像形成物質に接触して、所定の力を前記画像形成物質に加えて前記被記録材から前記画像形成物質を除去する除去部材と、を備えたことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  8. 前記硬化手段は、前記画像形成物質に空気を吹き付けて冷却することにより前記画像形成物質を硬化させる空冷手段であることを特徴とする請求項7記載の被記録材の再生装置。
  9. 前記除去部材は、樹脂製繊維束により形成されたブラシ状部材であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の被記録材の再生装置。
  10. 前記除去手段は、少なくとも前記除去部材が接触して、前記画像形成物質に所定の力が加わるときに前記被記録材を保持する保持手段と、前記保持手段の動作を制御する保持制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  11. 前記接着力低減手段は、前記狭持部材の表面をクリーニングするクリーニング手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3から請求項10のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  12. 前記クリーニング手段は、フェルトにより形成されていることを特徴とする請求項11記載の被記録材の再生装置。
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