JPH09166946A - 像保持体からの像形成物質除去装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去装置

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JPH09166946A
JPH09166946A JP34831195A JP34831195A JPH09166946A JP H09166946 A JPH09166946 A JP H09166946A JP 34831195 A JP34831195 A JP 34831195A JP 34831195 A JP34831195 A JP 34831195A JP H09166946 A JPH09166946 A JP H09166946A
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JP
Japan
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image
peeling
forming substance
image carrier
toner
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP34831195A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Masahiro Yanagisawa
匡浩 柳澤
Masatoshi Saito
正敏 斉藤
Toru Maruyama
徹 丸山
Kakuji Murakami
格二 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーを転写紙1から剥離するために必要な
処理を転写紙1上のトナーに対して多数回行うトナー除
去装置において、各回での処理条件の適正化を図り、良
好な剥離特性を得ることができる転写紙及びトナーの種
類の範囲等を広げることである。 【解決手段】 転写紙1に付着しているトナーを剥離す
るために必要な処理を転写紙1上のトナーに対して複数
回行う剥離ユニット300を設け、該複数回の処理のう
ち少なくとも1回の処理条件が他の回の処理条件と異な
るように、該複数回の処理における処理条件を設定す
る。例えば、該剥離ユニット300を、一方のベルト部
材が剥離部材である一対のベルト部材301を、転写紙
1を挟持して蛇行形状に搬送するように複数のローラ3
02で張架したもので構成し、該複数のローラ302の
うち少なくとも一つのローラ径、表面硬度又は該ローラ
に対するベルト部材301の巻き付き角度を他のローラ
と異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置で画像を形
成した像保持体から該画像を構成する像形成物質を除去
する像保持体からの像形成物質除去装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、プリンター用紙や
複写用紙等の像保持体が大量に使用されるようになって
きた。それにともなってオフィスからは大量の廃棄用紙
が生ずるようになり、この多くが無駄に捨てられている
のが現状である。この処分に多大の費用がかかると同時
に、これら廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては用
紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪
化まで、最近ではとりざたされるようになってきた。
【0003】従来、この問題を解消し用紙のリサイクル
を図るためには、一度使用した用紙上のインキを取り除
き、再びすいて再生古紙として利用する処置を施してい
た。この処置には大規模な古紙再生施設が必要となる
上、使用済みの古紙に対して分別、回収、輸送など再生
紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかっ
た。
【0004】最近になって、1度使用した用紙上の文字
画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリ
ンティングに再利用することができる用紙が開発されて
いる。例えば、特開平4−67043号公報には、シー
ト状支持体(像保持体)の表面、特に片面のみに離型処
理してなり、且つ該離型処理した支持体に印を付け、普
通紙と区別したものが開示されている。しかしながら、
この支持体は特殊紙であるため定着性に難があり、一般
の複写用紙として使用するのには適さない。また、特開
平1−101576号公報及び特開平1−101577
号公報には、画像形成支持体(像保持体)上の像形成物
質を溶解する有機溶剤中で該画像形成支持体を超音波処
理することにより該像形成物質からなる画像を除去する
方法が開示されている。しかしながら、この方法の場
合、有機溶剤を使用しているため、一般のオフィスや家
庭で使用するのにはやはり適さない。更に、特開平1−
297294号公報には、画像形成支持体としてプラス
チック、金属、液浸透性の悪い用紙あるいはセラミック
などで形成されたものを使用し、該支持体上に形成され
た画像を熱溶融性の剥離体を介在させて加熱し、画像を
該支持体から剥離するクリーニング方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法の場合、表面に離型処理を
施した特別な用紙を用いなければならない。
【0005】一方、本出願人は、像保持体の表面に付着
している像形成物質と該表面との間の付着状態を不安定
状態にする不安定化液、例えば像保持体に安定して付着
している像形成物質よりも該像保持体を大きく膨潤させ
る液を、該像保持体に付与した後、該像保持体を剥離部
材に圧接もしくは加熱圧接して、像形成物質を像保持体
から該剥離部材に転写剥離する方法及びその装置を提案
している(例えば、特願平5−202557号、特願平
5−239075号参照)。
【0006】また、本出願人は、特願平5−20255
7号及び特願平5−239075号で提案した方法及び
装置の改良として、上記不安定化液の必要量を低減さ
せ、再生エネルギーの低減、処理速度の高速化、像保持
体搬送の信頼性の向上、像保持体のサイズ変化の低減、
装置の小型化、大量の不安定化液が蒸発するために発生
する装置内外のトラブルの回避、像形成物質の転写剥離
の際に像保持体の一部が像形成物質とともに剥離してし
まうことによる像保持体の表面の荒れの防止等を目的と
するものを提案している(例えば、特願平7−3752
2号、特願平5−22215号参照)。
【0007】例えば上記特願平7−37522号の方法
においては、水を含有する不安定化液が含浸された像保
持体の画像形成面に剥離部材を密着させるとともに水分
を透過しないシール部材により像保持体と剥離部材とを
密封又は密着挟持させ、像保持体からの水分蒸発が実質
的に生じない状態にしている。そして、この像保持体か
らの水分蒸発が実質的に生じない状態で、少なくとも像
保持体及び像形成物質を加熱して像形成物質を可塑化あ
るいは軟化させ、像保持体と剥離部材とを複数回圧接さ
せることにより、あるいは、上記像保持体からの水分蒸
発が実質的に生じない状態で、複数回像保持体と剥離部
材との間にズレが生じさせることにより、可塑化あるい
は軟化した像形成物質を像保持体から剥離部材へと転写
させ、前記目的を達成できることが明示されている。
【0008】また、特願平7−17625号の装置にお
いては、上記方法を具現化した装置として、一対のエン
ドレスベルトを複数のローラで支持し張架することで蛇
行形状に搬送することを特徴とする装置が提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特願平
7−37522号では複数回にわたり加熱、加圧、ズレ
応力付与等の処理を行うことを明示しているが、像形成
物質を像保持体から剥離するために必要な処理を像保持
体上の像形成物質に対して多数回行う方法を具現化する
上で、各回に設定すべき処理条件を最適なものにするこ
とについての提案はない。
【0010】また、上記像形成物質除去方法及びその装
置において処理対象となる像保持体及び像形成物質の種
類は様々なものがあり、また像保持体に対する像形成物
質の付着状態は、画像パターン(黒ベタ画像、細線画
像、ドット画像等)、像形成物質の材料物性、画像形成
時の定着プロセス等の違いによって異なったものになる
場合がある。このように像保持体や像形成物質の種類、
画像パターンの種類、像形成物質の像保持体に対する付
着状態等が異なったりすると、像形成物質を像保持体か
ら良好に剥離するための処理条件も異なってくる場合が
ある。
【0011】本発明は以上の背景のもとでなされたもの
であり、その目的は、像形成物質を像保持体から剥離す
るために必要な処理を像保持体上の像形成物質に対して
多数回行う像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、各回での処理条件の適正化を図り、良好な剥離特性
を得ることができる像保持体及び像形成物質の種類の範
囲等を広げることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像保持体に付着している像形成
物質を剥離するために必要な処理を該像保持体上の像形
成物質に対して複数回行う剥離手段を設け、該複数回の
処理のうち少なくとも1回の処理条件が他の回の処理条
件と異なるように、該複数回の処理における処理条件を
設定したことを特徴とするものである。
【0013】ここで、上記像形成物質を剥離するために
必要な処理とは、本出願人が特願平7−37522号で
示しているように、像形成物質を像保持体から除去する
際に像保持体及び像形成物質に対して行う物理的あるい
は化学的な処理のことである。物理的な処理としては加
熱、圧接、ズレ応力付与等が挙げられ、化学的な処理と
しては上記不安定化液による像形成物質の可塑化等が挙
げられる。また、上記処理の組み合わせとしては、例え
ば一定の加熱を与えた状態で加圧を像保持体に多数回付
与したり、加熱及び圧接を像保持体に多数回付与した
り、加圧及びズレ応力を交互に付与したりすることが挙
げられる。
【0014】また、上記剥離手段は、一つの剥離処理部
で複数回行うように構成しても良いし、像保持体を複数
の剥離処理部で処理するように構成しても良い。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記複数回の処理に
おける処理条件を、各回の処理ごとに剥離作用が順次強
まるように設定したことを特徴とするものである。
【0016】ここで、上記剥離作用が強まる処理条件と
は、その処理により像保持体表面に対する像形成物質の
付着力が弱まる処理条件、あるいは像形成物質を像保持
体表面から離脱させる力を強める処理条件のことをい
う。この二つの処理条件において、上記像形成物質を離
脱させる力が極端に強まり、上記像形成物質の付着力が
変化しないように条件設定した場合、往々にして像保持
体に損傷が加わりやすい。例えば像保持体が紙である場
合は紙繊維が剥がれてしまう現象(以下、この現象を
「紙剥がれ」という。)が生じやすい。従って、上記剥
離作用が強まるように処理条件を設定する場合、むやみ
に剥離作用を強くするのではなく、上記紙剥がれを生じ
させない範囲内で設定するのが望ましい。
【0017】また、上記像保持体上の像形成物質に対し
て加熱する場合、この加熱は、例えば像保持体上の像形
成物質を軟化させ、これにより像形成物質を像保持体の
繊維などから剥がしやすくするために行われる。従っ
て、この加熱による像形成物質の昇温は、像形成物質の
軟化点以上の温度で、且つ像形成物質が溶融しない程度
の温度に設定するのが好ましい。像形成物質が溶融する
と、像保持体上の像形成物質を、剥離処理時に該像形成
物質に接触させる剥離部材側と該像保持体側とに分断さ
せることなく、該剥離部材側に転写させるのが困難とな
るからである。また、上記加熱処理において剥離作用が
強めるためには、加熱温度を高めればよいが、このと
き、上記像形成物質の軟化点以上の温度で、且つ像形成
物質が溶融しない程度の温度範囲内で、加熱温度を高め
ることが好ましい。また、上記剥離処理が加圧あるいは
ズレ応力の付与の場合、その加圧あるいはズレ応力の大
きさを大きくすることが、上記剥離作用を大きくすると
いうことである。
【0018】請求項3の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記剥離手段を、上
記各回の処理において像保持体上の像形成物質を加熱す
るように構成し、上記異ならせる処理条件が該加熱の条
件であることを特徴とするものである。
【0019】ここで、上記像保持体上の像形成物質に対
する加熱は、高温の剛体を直接あるいは間接的に接触さ
せて行うのが、安全性、信頼性、コストの点で好まし
く、この場合は、上記剛体の温度が所望の温度になるよ
うにランプヒータなどで加熱すすることが望ましい。そ
して、上記剛体の温度をサーミスタ、熱電対等の温度セ
ンサで検知し、その検知温度と設定温度との差に基づい
てヒータ電源にフィードバックをかけるように制御すれ
ことが望ましい。
【0020】請求項4の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記剥離手段を、上
記各回の処理において剥離部材と像保持体上の像形成物
質とを加圧するように構成し、上記異ならせる処理条件
が該加圧の条件であることを特徴とするものである。
【0021】ここで、上記剥離部材とは、上記像保持体
の画像形成面に付着している像形成物質に対して該像形
成物質と該像保持体との間の付着力よりも大きな付着力
を発揮し得るものをいう。また、上記加圧は、例えば像
保持体及び剥離部材をローラなどの剛体で挟み、その剛
体間をバネなどの付勢手段で付勢することにより行うこ
とができる。このような構成で加圧する場合、上記加圧
の大きさの設定は、上記付勢手段の付勢力を剛体の荷重
に応じて変更することができる。例えば上記付勢手段と
してバネを用いる場合、バネ定数の異なるバネを荷重に
応じて使い分けることで、上記加圧の大きさの設定を行
うことができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記剥離手段を、上
記各回の処理において剥離部材と像保持体との間にズレ
応力を付与するように構成し、上記異ならせる処理条件
が該ズレ応力の付与条件であることを特徴とするもので
ある。
【0023】請求項6の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記剥離手段が、少
なくとも一方のベルト部材が剥離部材である一対のベル
ト部材を、上記像保持体を挟持して蛇行形状に搬送する
ように複数のローラで張架したものであり、該複数のロ
ーラのうち少なくとも一つのローラの直径、表面硬度、
又は該ローラに対する該ベルト部材の巻き付き角度が、
他のローラと異なることを特徴とするものである。ここ
で、上記ローラとしては加熱及び/又は加圧ローラを用
いることができる。
【0024】請求項1乃至6の像形成物質除去装置にお
いては、剥離手段により、像保持体に付着している像形
成物質を剥離するために必要な処理を該像保持体上の像
形成物質に対して複数回行う。ここで、複数回の処理の
うち少なくとも1回の処理条件が他の回の処理条件と異
なることにより、常に同じ処理条件で上記処理を複数回
行う場合に比して、処理対象の像保持体上の像形成物質
に最適な処理条件で処理して該像形成物質を剥離できる
確率が大きくなる。また、上記異ならせる処理条件を付
着力の強い像形成物質を剥離できるように設定した場合
は、常に同じ処理条件で上記処理を複数回行う場合のよ
うにすべての回における処理条件を上記付着力の強い像
形成物質を剥離できるように設定したり、処理の回数を
多めに設定したりする必要がなくなる。
【0025】特に、請求項2の像形成物質除去装置にお
いては、像保持体上の像形成物質のうち付着力の弱い部
分から徐々に剥離され、最終的に剥離作用の強い処理で
すべての像形成物質が剥離される。
【0026】また特に、請求項3の像形成物質除去装置
においては、上記各回の処理において像保持体上の像形
成物質が加熱される。ここで、複数回の処理のうち少な
くとも1回の処理における加熱温度や加熱時間等の加熱
条件が他の回の加熱条件と異なることにより、常に同じ
加熱条件で上記処理を複数回行う場合に比して、処理対
象の像保持体上の像形成物質の熱特性に最適な加熱条件
で処理して該像形成物質を剥離できる確率が大きくな
る。
【0027】また特に、請求項4の像形成物質除去装置
においては、上記各回の処理において剥離部材と像保持
体上の像形成物質とが加圧される。ここで、複数回の処
理のうち少なくとも1回の処理における加圧の大きさや
加圧時間等の加圧条件が他の回の加圧条件と異なること
により、常に同じ加圧条件で上記処理を複数回行う場合
に比して、処理対象の像保持体上の画像パターンや像保
持体と像形成物質との付着状態に最適な加圧条件で処理
して該像形成物質を剥離できる確率が大きくなる。
【0028】また特に、請求項5の像形成物質除去装置
においては、上記各回の処理において剥離部材と像保持
体との間にズレ応力が付与される。ここで、複数回の処
理のうち少なくとも1回の処理におけるズレ応力の大き
さや付与時間等のズレ応力の付与条件が他の回の付与条
件と異なることにより、常にズレ応力の付与条件で上記
処理を複数回行う場合に比して、処理対象の像保持体上
の画像パターンや像保持体と像形成物質との付着状態に
最適なズレ応力の付与条件で処理して該像形成物質を剥
離できる確率が大きくなる。
【0029】また特に、請求項6の像形成物質除去装置
においては、少なくとも一方のベルト部材が剥離部材で
ある一対のベルト部材を、像保持体を挟持して蛇行形状
に搬送するように複数のローラで張架することにより、
複数の剥離処理部が形成され、剥離部材と像保持体との
間にズレ応力を複数回付与することができる。
【0030】ここで、上記複数のローラの少なくとも一
つのローラの直径を他のローラと異ならせる場合、直径
の小さなローラに対向している部分における剥離部材と
像保持体との間の相対的な位置ズレの発生に要する時間
が、他のローラに対向している部分に比して短くなり、
上記ズレ応力が瞬時に発生して剥離作用が強まる。ま
た、上記少なくとも一つのローラの表面硬度を他のロー
ラと異ならせる場合、表面硬度の大きなローラに対向し
ている部分における像保持体上の像形成物質に対する剥
離部材の圧接力が、他のローラに対向している部分に比
して強くなり、又は圧接時間が他のローラに対向してい
る部分に比して長くなり、剥離作用が強まる。また、上
記少なくとも一つのローラに対する上記ベルト部材の巻
き付き角度を他のローラに対する巻き付け角度と異なら
せる場合、該巻き付け角度が大きいローラに対向してい
る部分における上記剥離部材と像保持体との間のズレ応
力の大きさが、他のローラに対向している部分に比して
強くなり、又は該ズレ応力の発生時間が他のローラに対
向している部分に比して長くなり、剥離作用が強まる。
【0031】このように少なくとも一つの回の処理にお
けるズレ応力の付与条件が他の回の剥離作用の強さと異
なるように設定した複数回の処理が、像形成物質が付着
している像保持体に対して行なわれることにより、常に
ズレ応力の付与条件で上記処理を複数回行う場合に比し
て、処理対象の像保持体上の画像パターンや像保持体と
像形成物質との付着状態に最適なズレ応力の付与条件で
処理して該像形成物質を剥離できる確率が大きくなる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を転写型の電子写真
複写機によって画像が形成された像保持体としての転写
紙から、皮膜状に付着している像形成物質としての熱可
塑性又は熱溶融性トナー(以下、トナーという)を除去
するトナー除去装置に適用した一実施形態について説明
する。なお、本トナー除去装置の処理対象となる像保持
体は、上記転写紙(複写用紙)やプリンター用紙等のセ
ルロース繊維を主成分とした紙質層で構成されたものに
限られるわけはなく、少なくとも画像が形成される側の
表面近傍に水を含む液体で膨潤する層を有するものであ
ればよい。また、上記皮膜状とは、必ずしも画像全体が
1つの膜を形成している状態を意味しているものではな
く、単に像形成物質が像保持体の内部に深く浸透してい
ない状態であって、染料を含有する水性インクで印字し
た場合のように像形成物質がほとんど分子レベルで像保
持体に吸着されている状態ではないことを意味してい
る。
【0033】図1は、本実施形態に係るトナー除去装置
の概略構成図である。まず、全体の概略を説明すると、
このトナー除去装置は、積載状態で収容しているトナー
像が形成された転写紙1を一枚づつ分離給送する給紙ユ
ニット100と、給紙ユニット100から送られてきた
転写紙1に液保持部材で不安定化液(以下、「液」とい
う)を付与する液付与手段としての液付与ユニット20
0と、液が供給された転写紙1からトナーを剥離して除
去する剥離手段としての剥離ユニット300と、トナー
が除去された転写紙1を乾燥させる乾燥ユニット400
と、乾燥ユニットから排出される転写紙1を受ける紙受
けユニット500とを備えている。
【0034】上記給紙ユニット100は、画像形成面を
上に向けて給紙トレイ101上に積載された転写紙1を
最上部のものから給紙ローラ102で給紙し、図示しな
い分離機構で重送紙を分離して一枚の転写紙1のみを、
タイミング調整及びスキュー補正のためのレジストロー
ラ対103で送り出すものである。その具体的な構成及
び動作は電子写真複写機における給紙機構と同様である
ので、詳細な説明は省略する。
【0035】上記液付与ユニット200は、液容器20
1、液容器201中の液残量を検出する検出手段(不図
示)、液容器201への自動液補給手段としてのポンプ
202、液汲み上げローラ203、液塗布ローラ20
4、押さえローラ205、液ストック用タンク206な
どを備えている。上記液汲み上げローラ203はクロロ
プレンゴム等の塗れ性の高い弾性材料で構成され、一部
が液容器201内の液2中に浸るように設置されてい
る。また、上記液塗布ローラ204はクロロプレンゴム
等の塗れ性の高い弾性材料で構成され、上記液汲み上げ
ローラ203に対して接するように若しくはわずかのギ
ャップを持つように設置されている。図1において、各
ローラは矢印で示す方向に回転し、転写紙1は、液とフ
ローら204と転写紙を一定加重で上面から押さえる押
さえローラ205との間を矢印方向に搬送される。そし
て、上記液汲み上げローラ203の回転により、液容器
201内の液2を液塗布ローラ204との対向部まで汲
み上げ、両ローラのニップ幅あるいはギャップ幅に応じ
た量の液2を液塗布ローラ204から転写紙1に塗布す
る。また、液容器201には、ポンプ202でタンク2
06内の液2が補給される。なお、上記液2の汲み上げ
量を調整するためにいずれかのローラに金属ローラ等の
硬質材料を用いて、そのローラ表面に溝などの凹凸を形
成してもよい。また、液残量検出手段で液容器201内
の液量を検出して、液容器201の液面が常にほぼ一定
位置にくるように上記ポンプ202を制御するのが望ま
しい。
【0036】上記剥離ユニット300は、少なくとも一
方のベルト部材が転写紙1上のトナーTと接触する一対
のエンドレスのベルト部材(以下「エンドレスベルト」
という)301a,301bが設けられ、この一対のエ
ンドレスベルト301a,bを、トナーTの加熱手段
(軟化手段)としての加熱ランプ等のヒータを内蔵した
複数の加圧加熱ローラ302a〜302iで蛇行形状に
張架し、複数の剥離処理部を形成するように構成してい
る。この一対のエンドレスベルト301a,bのうち転
写紙1の画像形成面に接触する下側のエンドレスベルト
301b(以下、必要に応じて「剥離ベルト」という)
は後述する剥離部材で構成されている。 (以下、余白)
【0037】また、剥離ユニット300は、転写紙排出
口付近でエンドレスベルト301a,bに近接するよう
に配設され転写紙1をエンドレスベルト301a,bか
ら分離させるための1対の分離爪304a,bと、エン
ドレスベルト301a,bにテンションを加えるための
テンションローラ305a,bと、転写紙導入部でエン
ドレスベルト301a,bを支持するローラ306a,
bと、転写紙1がエンドレスベルト301a,bから分
離する部分でエンドレスベルト301を支持する分離ロ
ーラ307a,bと、エンドレスベルト(剥離ベルト)
301bをクリーニングするクリーニング装置とを備え
ている。その他剥離ベルト301a,bを効率よく周回
させるための各種ベルト支持ローラ、駆動部等も備えて
いる。
【0038】上記エンドレスベルト301a,bが蛇行
形状に張架される加圧加熱ローラ302a〜302iは
ヒータを内蔵しており、エンドレスベルト301a,b
を介して転写紙1に固着しているトナーを加熱してい
る。この加熱によりトナーを軟化させ、トナーを転写紙
1の繊維から剥がしやすくしている。このトナーの加熱
は、転写紙1上のトナーが溶融しない程度に行うことが
望ましい。トナーが溶融してしまうと転写紙1上のトナ
ーを転写紙1側と剥離ベルト301b側とに分断するこ
となく、剥離ベルト301b側へ転写させるのが困難と
なるためである。また、トナーを加熱しすぎると、剥離
ユニット300を転写紙1が通過している間に転写紙1
が乾燥しすぎて、転写紙1がトナーを介して剥離ベルト
301bに貼り付いてしまい、分離できなくなるおそれ
がある。従って、剥離処理部を通過した後の転写紙1に
多少の湿気が残っていてトナーの再付着を防止できる程
度に加熱することが望ましい。
【0039】また、上記クリーニング装置は、剥離ベル
ト301bの表面に付着したトナーT等の異物を除去す
るクリーニング部材としてのスクレーパブレード308
a、該ブレード308aで掻き落とした異物を収容する
異物回収箱308b等を備えている。また、異物が除去
された剥離ベルト301bの表面から、上記スクレーパ
ブレード308aでは除去しきれない液2の成分などを
拭き取るための拭き取りローラ309が設置されてい
る。
【0040】上記クリーニング装置による剥離ベルト表
面のクリーニングは、剥離処理のたびに行うのでもよ
く、また剥離ベルト301bの適度な使用回数、使用時
間ごとに行うのでも良い。また、上記クリーニング部材
としては、剥離ベルト301b上の異物に対してせん断
力を及ぼすことが可能で、異物を掻き落とすことが可能
なものが好ましい。具体的には、転写紙1の幅よりも長
い棒状其体と、その周辺に毛が植え付けられた構成のロ
ール状ブラシ部材、あるいはブレード状部材等が挙げら
れる。これらのクリーニング部材は単独で使用しても、
いくつかを組み合わせて使用しても良い。また、上記せ
ん断力によるクリーニングのほかに、トナーTとの接着
力がトナーTと剥離部材との間の接着力よりも大きいク
リーニング用のローラ(クリーニングローラ)と剥離部
材とを圧接し、剥離部材上に転写紙1から転写されたト
ナーをさらにクリーニングローラ上に写し取るクリーニ
ング方式もある。この方式によれば、せん断力によるク
リーニングに比較して、クリーニングによる剥離部材表
面の損傷を飛躍的に減少させることができる。
【0041】ここで、本実施形態のように、電子写真式
の画像形成装置に用いるトナーの場合、その画像形成装
置の使用目的により各装置に適合した物理特性を有する
トナーが使用されるのが一般的である。これらトナーは
像保持体に対する定着プロセスが異なることもあって、
像保持体との付着力が大幅に異なる。また、トナー除去
に適した加熱条件も異なる。
【0042】そこで、本実施形態に係るトナー除去装置
の剥離ユニット300では、転写紙1上の各種のトナー
に対して良好な剥離を行うことができるように、上記エ
ンドレスベルト301a,bを加圧加熱ローラ302a
〜302iで蛇行形状に張架することによって形成され
る複数の剥離処理部のうち少なくとも一つの剥離処理部
における処理条件が、他の剥離処理部の処理条件と異な
るように構成している。具体的は、少なくとも一つの剥
離処理部における加熱温度が、他の剥離処理部における
加熱温度と異なるように上記加圧加熱ローラ302a〜
302iに内蔵したヒータの温度を設定している。でき
るだけ多く種類のトナーに対して良好な剥離特性を実現
するためには、唯1種の加熱温度に設定するのではな
く、いくつかの異なる加熱温度を設定するのが好まし
い。
【0043】上記構成の剥離ユニット300において、
転写紙1は、上記液付与ユニット200で液2が付与さ
れた後、ガイド板207及び搬送ベルト208を介して
エンドレスベルト301a,b間に搬送される。そし
て、1対のエンドレスベルト301a,bが密着してい
る部分において、転写紙1は、エンドレスベルト301
a,bで挟持されて蛇行形状に搬送されながら、加圧加
熱ローラ302により加熱され、エンドレスベルト30
1a,bが圧接される。このとき、剥離ベルト301b
と転写紙1との間にズレ応力(せん断力)が生じる。こ
のズレ応力(せん断力)により、転写紙1の表面を損傷
させずにトナーを除去することができる。なお、上記ズ
レ応力の効果については、本出願人が特願平7−375
22号において詳述している。
【0044】なお、上記構成の剥離ユニット300に代
えて、本出願人が特願平7−37522号や特願平7−
17625号で提案しているユニット構成を用いても良
く、かかるユニット構成に本発明を適用することは容易
である。
【0045】上記乾燥ユニット400は、図1に示すよ
うに加熱ランプ401内蔵の例えばアルミからなる乾燥
ドラム402と、通気性が良く表面平滑性の高い仕上げ
ベルト403とにより構成されている。仕上げベルト4
03は、乾燥ドラム402に部分的に圧接するように支
持ローラ404a〜404dに掛け渡されている。上記
剥離ユニット300から排出された転写紙1は、乾燥ド
ラム402と仕上げベルト403との間に挟持された状
態で搬送され、転写紙内部の水分を蒸発させて乾燥され
る。これにより、転写紙1内部の余分な水分が蒸発する
とともに、両面からの加熱圧接により転写紙表面が平滑
な状態になる。なお、この種の乾燥ユニットに代えて又
は加えて、加熱ローラ対を用いたり、熱風ファンや赤外
線ランプを用いたりしてもよい。
【0046】上記紙受けユニット500は、乾燥ユニッ
ト400から搬送されてきた転写紙1を受けるための排
紙トレイ501、転写紙1を排紙トレイ501に排出す
る排紙ローラ対502、転写紙1を排紙トレイ501に
ガイドする排紙搬送ガイド板(不図示)等で構成されて
いる。
【0047】また、図示を省略したが、本実施形態のト
ナー除去装置では、給紙トレイ101上に転写紙1があ
るか否かを検出する検出手段、給紙ユニット100によ
る転写紙1の重送を検出する重送検出手段、液容器20
1内の液量を検出する液量検出手段、転写紙1の装置内
でのジャムを検出するジャム検出手段、各ヒータの点灯
を制御する点灯制御手段、トナー回収容器308内の満
杯を検出する満杯検出手段等が設けられている。
【0048】上記構成のトナー除去装置で用いる液2、
剥離ベルト303bの剥離部材の材料としては、次のよ
うなものを用いることができる。
【0049】上記液2としては、水、水溶性ポリマーを
含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及び水溶性ポリ
マーと界面活性剤とを含む水溶液よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の水あるいは水溶液を用いることがで
きる。また、液2には、後述するようにpH調整剤、重
金属イオンを封止するためのするためのキレート剤、防
腐剤、防かび剤、防錆剤、漂白剤、蛍光染料、青み付け
染料、酵素等を添加剤として使用することも可能であ
る。
【0050】上記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面
活性剤等が挙げられる。上記陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフ
ィンスルホン酸塩、N−アルシルスルホン酸塩等のスル
ホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルアミド
硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキ
ルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリ
ン酸エステル塩等が挙げられる。また、上記陽イオン界
面活性剤としては、脂肪酸アミン塩、アルキル第4級ア
ンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第
4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、上記両性界
面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイ
ン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン
誘導体等が挙げられる。また、上記非イオン性界面活性
剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリール
エーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポ
リオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホル
ムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等
のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエ
ステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系が挙げられ
る。また、上記フッ素系界面活性剤としては、フロロア
ルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等の
アニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、
ノニオン系、カチオン系等が挙げられる。なお、上記各
界面活性剤は、単独で使用しても、2種類以上を混合し
て用いても良い。
【0051】上記水溶性ポリマーは、界面活性剤ととも
にトナー除去能力を向上させる、あるいは転写紙の再生
状態を改良する等の目的で液2に添加するものである。
例えば、転写紙に水、又は水及び界面活性剤を含ませた
状態で水溶性ポリマーを保持させることにより、トナー
画像剥離用の剥離体を形成することができる。すなわ
ち、剥離部材が圧接できない転写紙のセルロース繊維内
部のトナーに対して、セルロース繊維/トナー/水溶性
ポリマー/剥離部材のように水溶性ポリマーを介して剥
離部材が間接的に接触することができ、その水溶性ポリ
マーの粘着力によって紙質を痛めることなくトナーを剥
離することができる。
【0052】上記水溶性ポリマーとしては、天然系、半
合成系、可溶性デンプン、純合成系等が挙げられる。上
記天然系の水溶性ポリマーとしては、アラビアガム、ト
ンガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビー
ンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシー
ドデンプン等の植物性高分子、アルギン酸カラギーナ
ン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチンカゼイ
ン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサン
テンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げら
れる。また、上記半合成系の水溶性ポリマーとしては、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子等が挙げられ
る。また、上記可溶性デンプンとしては、メチルデンプ
ン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒ
ドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプ
ンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、ア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール
エステル等の海藻系高分子等が挙げられる。また、上記
純合成系の水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ
ル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸及びアルカリ金属塩、水溶性スチレンアク
リル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン
酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性
ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウム
やアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高
分子化合物、セラミック等の天然高分子化合物等が挙げ
られる。なお、水溶性ポリマーの添加量は、0.1〜2
0重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲がよ
い。
【0053】上記湿潤剤としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体
類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒
素複素環類等が挙げられる。また、上記多価アルコール
類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価
アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有す
るカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用でき
る。
【0054】上記pH調整剤としては、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモ
ニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金
属の炭酸塩等が挙げられる。
【0055】上記重金属イオンの封止剤で剥離助剤とし
て添加されるキレート試薬としては、エチレンジアミン
四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチ
レントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナト
リウム等が挙げられる。
【0056】上記防錆剤としては、酸性亜流酸塩、チオ
硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソ
プロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリス
リトール、ジシクヘキシルアンモニウムニトライト等が
挙げられる。また、防腐防かび剤としては、デヒドロ酢
酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチ
オール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
【0057】上記漂白剤は再生後の転写紙の漂白度を向
上させる目的で添加するものであり、その具体例として
は、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化漂白剤が挙げられ
る。
【0058】また、上記剥離ベルト303bの剥離部材
の材料としては、熱、圧力等に対する耐久性、液2に対
する安定性に優れ、表面変質が少なく、なおかつ良好な
剥離が行える材料を用いるのが好ましく、Ni鋼、ステ
ンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、
インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物、
あるいは各種ポリマーなどが挙げられる。このポリマー
としては、合成又は天然のゴム、ジアリレート樹脂、キ
シレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、
フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネイ
ト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある
合成樹脂等が挙げられる。また、これらのポリマーは単
独で用いても混合して用いても良く、耐久性向上及び剥
離特性向上のために酸化チタン粒子、シリカ粒子、カー
ボン粒子等を含有しても良い。
【0059】以上、上記実施形態に係るトナー除去装置
によれば、剥離ユニット300の複数の加圧加熱ローラ
302a〜302iでエンドレスベルト301a,bを
蛇行形状に張架することにより複数の剥離処理部を形成
しており、この複数の剥離処理部で転写紙1を剥離処理
することにより、1回だけ剥離処理を行う場合に比し
て、転写紙1への負担を低減して良好な剥離を行うこと
ができる。
【0060】また、上記実施形態に係るトナー除去装置
によれば、上記複数の剥離処理部のうち少なくとも一つ
の剥離処理部における加熱温度が他の剥離処理部におけ
る加熱温度と異なるように上記加圧加熱ローラ302a
〜302iに内蔵したヒータの温度を設定している。こ
のように温度設定した複数の剥離処理部で転写紙1を剥
離処理することにより、1回だけ剥離処理を行う場合や
同等の加熱温度に設定された剥離処理部を複数設けた場
合に比して、転写紙1上のトナーの熱特性に最適な加熱
条件でトナーを加熱できる確率が大きくなるので、良好
な剥離特性が得られるトナーの種類の範囲が広くなる。
例えば、ガラス転移点温度などの熱特性が異なる各種の
トナーに対して剥離処理を行う場合でも、良好な剥離を
行うことができるようになる。
【0061】また、同等の加熱温度に設定された剥離処
理部を複数設けた場合に比して、必要な剥離特性を得る
ための剥離処理部の個数を少なくすることができる。す
なわち、上記加圧加熱ローラ302の個数を減らすこと
ができる。このように加圧加熱ローラ302の個数を減
らすことできるので、装置構成が簡単になり製造コスト
が下がる、駆動部数が減少し信頼性が高まる、消費電力
を減らして電力コストを抑えることができるなどの利点
がある。
【0062】なお、上記実施形態では、剥離ユニット3
00の複数の剥離処理部における加熱温度が異なるよう
に構成しているが、加熱時間が異なるように構成しても
良い。
【0063】また、上記実施形態において、各剥離処理
部における加熱温度は順次高くなるように設定するのが
好ましい。この場合には、転写紙1上のトナーのうち付
着力の弱いものから徐々に剥離し、最終的にすべてのト
ナーを剥離することができるので、最初から加熱温度を
高く設定した剥離処理部で処理する場合に比して転写紙
1の損傷の発生を低減することができ、またトナーの剥
離残しの発生を低減することができる。特に、黒ベタ画
像等のように紙剥がれしやすい画像パターンに対して有
効である。
【0064】また、上記複数の剥離処理部における圧接
力や圧接時間等が異なるように構成しても良い。この場
合には、黒ベタ画像のトナーの除去、あるいは転写紙の
表層内部に潜り込んでいる粒上のトナーの除去に有効で
ある。表層内部に潜り込んでいる粒状のトナーを除去す
るためには、剥離部材と粒状のトナーとが接触する機会
をつくる必要があるが、複数の剥離処理部の少なくとも
一つの剥離処理部の圧接力を高める等圧接力を、他の剥
離処理部と異ならせることにより、剥離部材と上記粒状
のトナーとが接触する確率が増し、上記粒状のトナーも
効率的に除去することが可能となる。なお、このように
圧接力を異ならせる場合にも、圧接力が順次大きくなる
ように複数の剥離処理部を構成するのが好ましい。
【0065】上記圧接力の強さ及び圧接時間を異ならせ
る構成例としては、上記複数の加圧加熱ローラ302の
うち少なくとも一つのローラの表面硬度を大きくした
り、小さくしたりする構成を挙げることができる。この
表面硬度を大きくすると、上記圧接力を強くし、圧接時
間を長くすることができる。
【0066】また、上記複数の剥離処理部で転写紙に付
与するズレ応力の大きさ、方向、付与する時間等が異な
るように構成してもよい。ほぼ等しい大きさのズレ応力
を単純に複数回付与するように複数の剥離処理部を構成
した場合には、画像パターンの種類やトナーの種類によ
っては、その弾性変形の範囲内で変形するだけで転写紙
とトナーとの間の界面で剥離現象が発生しない場合があ
る。また、極度に大きなズレ応力をいきなり付与した場
合には転写紙自体に損傷を与える危険性がある。従っ
て、転写紙に付与するズレ応力は、初期段階でゆっくり
付与し、徐々に大きくするように、上記複数の剥離処理
部を構成するのが好ましい。
【0067】上記実施形態の剥離ユニット300におい
てズレ応力の加わり方を異ならせるためには、例えば上
記複数の加圧加熱ローラ302の少なくとも一つのロー
ラの直径を他のローラの直径を異ならせる構成を採用す
ることができる。ここで、図2(a),(b)を用いて
加圧加熱ローラ302とズレ応力の加わり方との関係を
説明する。図2(a)において加圧加熱ローラ302は
すべて同じ直径である。上記エンドレスベルト301
a,bが蛇行形状に搬送されるとき、両エンドレスベル
ト301a,bには、図中A部でΔrθの相対的位置ズ
レが発生する。ここで、Δrは両エンドレスベルトの厚
みをt1,t2、転写紙1の厚みをtとしたときにΔr
=(t1+t2)/2+tであり、θは巻き付き角であ
る。また、エンドレスベルト302及び転写紙1には伸
縮がないものとする。すべての加圧加熱ローラ302の
直径が等しい場合には図中B部でもA部と同様なΔrθ
の相対的位置ズレが発生する。ところが、図2(b)に
示すようにB部の蛇行形状を決める加圧加熱ローラ30
2hの直径を小さくすると、巻き付け角がθからθ’に
大きくなるため、相対的位置ズレもΔrθ’と大きくな
る。このように加圧加熱ローラ302の直径を変える
と、両エンドレスベルト301a,bの相対的位置ズレ
が変化し、転写紙1に付与されるズレ応力の加わり方も
変化する。
【0068】また、図2(b)に示すように加圧加熱ロ
ーラ302の一つの直径を小さくした場合は、図中のA
部とB部とで上記相対的位置ズレに要する時間が異なっ
てくる。B部では、A部に比して、上記相対的位置ズレ
に要する時間が短く、瞬時に位置ズレが生じるようにな
る。転写紙1の画像形成面が直径の小さな加圧加熱ロー
ラ302hに面するように転写紙1を搬送することで、
粒状のトナーの取り残しが減少する。このように小径及
び大径の加圧加熱ローラの直径で構成した場合は、小径
の加圧加熱ローラのみで構成した場合よりも転写紙への
損傷が少なく、また大径の加圧加熱ローラのみで構成し
た場合よりもトナーの剥離除去を良好に行うことができ
る。
【0069】また、加圧加熱ローラの直径を変える代わ
りに、図3に示すように加圧加熱ローラ302の配置間
隔を変えて、上記ズレ応力の加わり方を異ならせても良
い。図3のように加圧加熱ローラ302の配置間隔をL
1<L2<L3に設定すると、両エンドレスベルト30
1a,bの巻き付き角が変わって相対的位置ズレが異な
ってくる。
【0070】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例について
説明する。 〔実施例1〕上記図1のトナー除去装置を用いて、電子
写真方式のPPC複写機で画像を形成した転写紙に対す
る剥離試験を以下の要領で実施した。上記液2として
は、MA−80(三井サイアナミド製、商品名)の1.
0重量%水溶液を用い、上記剥離ベルト301bとして
は、酸化チタンを分散させたPETフィルムをエンドレ
ス状につなぎ合わせたものを用いた。トナー画像は、2
台の電子写真方式のPPC複写機(リコー製、IMAG
IO320FP1,FT2200:商品名)で普通紙
(転写紙1)上に形成した。この普通紙は、縦目が通紙
方向と平行になるように上記給紙ユニット100にセッ
トし、液2の付与を普通紙A4版あたり1.5g相当に
なるように調整した。そして、上記剥離ユニット300
における加熱条件として、加圧加熱ローラ302の表面
温度を表1に示すように設定して剥離試験を実施した。
【0071】表1からわかるように、すべて等しい加熱
条件に設定した構成(1−A,1−B)よりも、加圧加
熱ローラ302の加熱条件を異ならせた構成(1−C,
1−D)が、紙剥がれが少なく、良好なトナー剥離特性
が得られた。特に1−Cの構成の場合、トナーは普通紙
からすべて剥離され、紙剥がれも見られず、また皺も発
生することもなく、画像形成する前の普通紙とほぼ同等
の状態の再生紙を得ることができた。また、1−Eの構
成の結果は、加圧加熱ローラ302の本数を低減させて
も良好に画像除去を行うことができたことを示してい
る。これと同程度の画像除去を1−Aの構成における加
圧加熱ローラ302の加熱条件で行うためには、19本
のローラ本数が必要であった。 (以下、余白)
【表1】
【0072】〔実施例2〕上記図1に示すトナー除去を
用いて、加圧加熱ローラ302による圧接条件を表2に
示すように設定して剥離試験を実施した。トナー画像形
成はPPC複写機(リコー製、FT2200:商品名)
にて行い、加圧加熱ローラ302の表面温度を上記表1
の1−Dと同じように設定した。それ以外の条件はすべ
て実施例1と同一に設定した。
【0073】表2からわかるように、すべて等しい圧接
条件に設定した構成(2−A,2−B,2−C)より
も、加圧加熱ローラ302による圧接条件を異ならせた
構成(2−D,2−E)が、紙剥がれが少なく、良好な
トナー剥離特性が得られた。2−Bの構成においては、
細線の画像は良好に除去できているものの、ベタ画像で
はわずかに粒状の画像残りが生じており、これを完全に
除去するためには、15本の加圧加熱ローラ302が必
要であった。特に2−Dの構成の場合、トナーは普通紙
からすべて剥離され、紙剥がれも見られず、また皺も発
生することもなく、画像形成する前の普通紙とほぼ同等
の状態の再生紙を得ることができた。 (以下、余白)
【表2】
【0074】〔実施例3〕上記図1に示すトナー除去を
用いて、複数の加圧加熱ローラ302の直径を表3に示
すように設定して剥離試験を実施した。加圧加熱ローラ
302のローラ径以外の条件はすべて実施例1と同一に
設定した。
【0075】表3からわかるように、すべて等しいロー
ラ径に設定した構成(3−A)でも良好に剥離はなされ
ているものの、ローラ径を変えた構成(3−B,3−
C,3−D)の構成のほうがより一層良好な剥離特性が
得られた。3−B、3−C及び3−Dの構成の場合、ト
ナーは普通紙からすべて剥離され、紙剥がれも見られ
ず、また皺も発生することもなく、画像形成する前の普
通紙とほぼ同等の状態の再生紙を得ることができた。特
に3−Cの構成においては、普通紙の画像形成面をロー
ラ径の小さな加圧加熱ローラに面するように搬送するこ
とで、粒状のトナーの取り残しが大幅に減少した。この
構成の場合、小径の加圧加熱ローラのみで構成した場合
よりも普通紙への損傷が少なく、また大径の加圧加熱ロ
ーラのみで構成した場合よりもトナー除去を良好に行う
ことができた。
【表3】
【0076】〔実施例4〕上記図1に示すトナー除去を
用いて、複数の加圧加熱ローラ302の配置間隔(ピッ
チ)L1,L2,L3を図3に示すように設定して剥離
試験を実施した。図3に示すように加圧加熱ローラ30
2の配置間隔(ピッチ)L1,L2,L3をL1<L2
<L3を満足するように設定すると、エンドレスベルト
301a,bの巻き付き角が互いに異なるように構成す
ることができる。加圧加熱ローラ302をすべて等しい
ピッチ(L1)で配置した構成の場合でも良好な剥離は
なされているものの、ピッチが異なるように構成した場
合は加圧加熱ローラの本数を減らしても、すべて等しい
ピッチで配置した構成の場合と同程度に画像剥離がなさ
れており、ピッチを変化させた構成の場合のほうがより
一層良好な剥離特性が得られていることが判明した。ピ
ッチを変化させた構成の場合、トナーは普通紙からすべ
て剥離され、紙剥がれも見られず、また皺も発生するこ
ともなく、画像形成する前の普通紙とほぼ同等の状態の
再生紙を得ることができた。
【0077】〔実施例5〕上記図1に示すトナー除去を
用いて、複数の加圧加熱ローラ302の表面材質及び硬
度を表4に示すように設定して剥離試験を実施した。表
4からわかるように、すべて等しい表面硬度の加圧加熱
ローラ302を使用した場合に比べ、表面硬度を異なら
せた構成の場合のほうがより一層良好な剥離特性が得ら
れた。
【表4】
【0078】
【発明の効果】請求項1乃至6の発明によれば、複数回
の処理のうち少なくとも1回の処理条件が他の回の処理
条件と異なることにより、常に同じ処理条件で上記処理
を複数回行う場合に比して、処理対象の像保持体上の像
形成物質に最適な処理条件で処理して該像形成物質を剥
離できる確率が大きくなるので、良好な剥離処理を行う
ことができる像保持体及び像形成物質の種類の範囲、画
像パターンの種類の範囲ならびに像形成物質の付着状態
の範囲が、常に同じ処理条件で上記処理を複数回行う場
合よりも広くなるという効果がある。
【0079】また、上記異ならせる処理条件を付着力の
強い像形成物質を剥離できるように設定した場合は、常
に同じ条件で上記処理を複数回行う場合のようにすべて
の回における処理条件を上記付着力の強い像形成物質を
剥離できるように設定したり、処理の回数を多めに設定
したりする必要がなくなるという効果がある。
【0080】特に、請求項2の発明によれば、像保持体
上の像形成物質のうち付着力の弱い部分から徐々に剥離
されるので、最初から剥離作用の強い剥離処理部で処理
する場合に比して像保持体の損傷の発生を低減すること
ができるという効果がある。また、最終的に剥離作用の
強い処理ですべての像形成物質が剥離されるので、像形
成物質の剥離残しの発生を低減することができるという
効果がある。
【0081】また特に、請求項3の発明によれば、複数
回の処理のうち少なくとも1回の処理における加熱温度
や加熱時間等の加熱条件が他の回の加熱条件と異なるこ
とにより、常に同じ加熱条件で上記処理を複数回行う場
合に比して、処理対象の像保持体上の像形成物質の熱特
性に最適な加熱条件で処理して該像形成物質を剥離でき
る確率が大きくなるので、剥離することができる像形成
物質の熱特性の範囲が、常に同じ加熱条件で上記処理を
複数回行う場合よりも広くなるという効果がある。
【0082】また、上記異ならせる加熱条件を強い加熱
が必要な像形成物質を剥離できるように設定した場合、
常に同じ加熱条件で上記処理を複数回行う場合のように
すべての回における加熱条件を上記強い加熱が必要な像
形成物質を剥離できるように設定したり、加熱処理の回
数を多めに設定したりする必要がなくなるという効果が
ある。
【0083】また特に、請求項4の発明によれば、複数
回の処理のうち少なくとも1回の処理における加圧の大
きさや加圧時間等の加圧条件が他の回の加圧条件と異な
ることにより、常に同じ加圧条件で上記処理を複数回行
う場合に比して、処理対象の像保持体上の画像パターン
や像保持体と像形成物質との付着状態に最適な加圧条件
で処理して該像形成物質を剥離できる確率が大きくなる
ので、剥離することができる像形成物質と像保持体との
間の付着状態の範囲や画像パターンの範囲が、常に同じ
加圧条件で上記処理を複数回行う場合よりも広くなると
いう効果がある。
【0084】また、上記異ならせる加圧条件を強い加圧
が必要な像形成物質を剥離できるように設定しておけ
ば、常に同じ加圧条件で上記処理を複数回行う場合のよ
うにすべての回における加圧条件を上記強い加圧が必要
な像形成物質を剥離できるように設定したり、加圧処理
の回数を多めに設定したりする必要がなくなるという効
果がある。
【0085】また特に、請求項5の発明によれば、複数
回の処理のうち少なくとも1回の処理におけるズレ応力
の大きさや付与時間等のズレ応力の付与条件が他の回の
付与条件と異なることにより、常にズレ応力の付与条件
で上記処理を複数回行う場合に比して、処理対象の像保
持体上の画像パターンや像保持体と像形成物質との付着
状態に最適なズレ応力の付与条件で処理して該像形成物
質を剥離できる確率が大きくなるので、剥離することが
できる像形成物質と像保持体との間の付着状態の範囲や
画像パターンの範囲が、常に同じズレ応力の付与条件で
上記処理を複数回行う場合よりも広くなるという効果が
ある。
【0086】また、上記異ならせるズレ応力の付与条件
を強いズレ応力が必要な像形成物質を剥離できるように
設定しておけば、常に同じズレ応力の付与条件で上記処
理を複数回行う場合のようにすべての回における付与条
件を上記強いズレ応力が必要な像形成物質を剥離できる
ように設定したり、ズレ応力の付与処理の回数を多めに
設定したりする必要がなくなるという効果がある。
【0087】また特に、請求項6の発明によれば、少な
くとも一方のベルト部材が剥離部材である一対のベルト
部材を、像保持体を挟持して蛇行形状に搬送するように
複数のローラで張架して、剥離部材と像保持体との間に
ズレ応力を複数回付与する構成において、ベルト部材を
蛇行形状に張架した複数のローラうち少なくとも一つの
ローラの直径、表面硬度、又は該ローラに対する該ベル
ト部材の巻き付き角度を、他のローラと異ならせている
ので、少なくとも一つの回のおけるズレ応力の付与条件
が他の回の付与条件と異なる。従って、常にズレ応力の
付与条件で上記処理を複数回行う場合に比して、処理対
象の像保持体上の画像パターンや像保持体と像形成物質
との付着状態に最適なズレ応力の付与条件で処理して該
像形成物質を剥離できる確率が大きくなり、剥離するこ
とができる像形成物質と像保持体との間の付着状態の範
囲や画像パターンの範囲が、常に同じズレ応力の付与条
件で上記処理を複数回行う場合よりも広くなるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るトナー除去装置の概略
構成図。
【図2】(a)は同トナー除去装置の剥離ユニットの概
略構成図。(b)は他の実施形態に係る剥離ユニットの
概略構成図。
【図3】更に他の実施形態に係る剥離ユニットの概略構
成図。
【符号の説明】
1 転写紙 100 給紙ユニット 200 液付与ユニット 300 剥離ユニット 301 エンドレスベルト 302 加圧加熱ローラ 400 乾燥ユニット 500 排紙ユニット T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 正敏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 丸山 徹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村上 格二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像保持体に付着している像形成物質を剥離
    するために必要な処理を該像保持体上の像形成物質に対
    して複数回行う剥離手段を設け、 該複数回の処理における処理条件のうち少なくとも1回
    の処理条件が他の回の処理条件と異なるように、該複数
    回の処理における処理条件を設定したことを特徴とする
    像保持体からの像形成物質除去装置。
  2. 【請求項2】請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    装置において、 上記複数回の処理における処理条件を、各回の処理ごと
    に剥離作用が順次強まるように設定したことを特徴とす
    る像保持体からの像形成物質除去装置。
  3. 【請求項3】請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    装置において、 上記剥離手段を、上記各回の処理において像保持体上の
    像形成物質を加熱するように構成し、 上記異ならせる処理条件が該加熱の条件であることを特
    徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  4. 【請求項4】請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    装置において、 上記剥離手段を、上記各回の処理において剥離部材と像
    保持体上の像形成物質とを加圧するように構成し、 上記異ならせる処理条件が該加圧の条件であることを特
    徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  5. 【請求項5】請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    装置において、 上記剥離手段を、上記各回の処理において剥離部材と像
    保持体との間にズレ応力を付与するように構成し、 上記異ならせる処理条件が該ズレ応力の付与条件である
    ことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  6. 【請求項6】請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    装置において、 上記剥離手段が、少なくとも一方のベルト部材が剥離部
    材である一対のベルト部材を、上記像保持体を挟持して
    蛇行形状に搬送するように複数のローラで張架したもの
    であり、 該複数のローラのうち少なくとも一つのローラの直径、
    表面硬度、又は該ローラに対する該ベルト部材の巻き付
    き角度が、他のローラと異なることを特徴とする像保持
    体からの像形成物質除去装置。
JP34831195A 1995-12-18 1995-12-18 像保持体からの像形成物質除去装置 Withdrawn JPH09166946A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115230244A (zh) * 2022-05-11 2022-10-25 株洲时代华先材料科技有限公司 一种辊筒式热压装置及其热压工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115230244A (zh) * 2022-05-11 2022-10-25 株洲时代华先材料科技有限公司 一种辊筒式热压装置及其热压工艺
CN115230244B (zh) * 2022-05-11 2023-10-13 株洲时代华先材料科技有限公司 一种辊筒式热压装置及其热压工艺

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