JPH08328436A - 像保持体からの像形成物質除去装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去装置

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JPH08328436A
JPH08328436A JP15855795A JP15855795A JPH08328436A JP H08328436 A JPH08328436 A JP H08328436A JP 15855795 A JP15855795 A JP 15855795A JP 15855795 A JP15855795 A JP 15855795A JP H08328436 A JPH08328436 A JP H08328436A
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JP
Japan
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liquid
image
holding member
peeling
image forming
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Withdrawn
Application number
JP15855795A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Akiko Konishi
昭子 小西
Kakuji Murakami
格二 村上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写用紙への均一な液付与ができるととも
に、必要以上の液付与を行うことのない複写用紙からの
トナー除去装置を提供する。 【構成】 複写用紙1に液2を付与する液付与手段を、
液2を表面に保持し得る支持ベルト204と、該ベルト
204に液2を供給する液供給ユニット300とにより
構成し、複写用紙1の画像形成面とは反対の面に、支持
ベルト204の液保持面を接触させる。ここで、支持ベ
ルト204の接触開始位置と剥離ローラ202の圧接開
始位置との間で複写用紙1を挟持しながら搬送し得るよ
うに、支持ベルト204及び剥離ローラ202を互いに
対向させて配置するとともに、支持ベルト204及び剥
離ローラ202を駆動する駆動手段を設け、支持ベルト
204の接触開始位置の複写用紙搬送方向上流側におけ
る該接触開始位置に近接する位置で、支持ベルト204
に液2を供給するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置で画像を形成
した像保持体から該画像を構成する像形成物質を除去す
る像保持体からの像形成物質除去装置に係り、詳しくは
厚み方向に液浸透性を有する像保持体の画像形成面と該
画像形成面に付着している像形成物質との間の付着状態
を不安定状態にする不安定化液を、該像保持体に対して
均一に付与する液付与技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、プリンター用紙や
複写用紙等の像保持体が大量に使用されるようになって
きた。それにともなってオフィスからは大量の廃棄用紙
が生ずるようになり、この多くが無駄に捨てられている
のが現状である。この処分に多大の費用がかかると同時
に、これら廃棄処理による地域環境の悪化、ひいては用
紙を生産するための森林伐採による地球規模での環境悪
化まで、最近ではとりざたされるようになってきた。
【0003】従来、この問題を解消し用紙のリサイクル
を図るためには、一度使用した用紙上のインキを取り除
き、再びすいて再生古紙として利用する処置を施してい
た。この処置には大規模な古紙再生施設が必要となる
上、使用済みの古紙に対して分別、回収、輸送など再生
紙を得るまでにいくつもの工程を踏まざるをえなかっ
た。
【0004】最近になって、1度使用した用紙上の文字
画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリ
ンティングに再利用することができる用紙が開発されて
いる。例えば、特開平4−67043号公報には、シー
ト状支持体(像保持体)の表面、特に片面のみに離型処
理してなり、且つ該離型処理した支持体に印を付け、普
通紙と区別したものが開示されている。しかしながら、
この支持体は特殊紙であるため定着性に難があり、一般
の複写用紙として使用するには問題がある。また、特開
平1−101576号公報及び特開平1−101577
号公報には、画像形成支持体(像保持体)上の像形成物
質を溶解する有機溶剤中で該画像形成支持体を超音波処
理することにより該像形成物質からなる画像を除去する
方法が開示されている。しかしながら、この方法の場
合、有機溶剤による公害や印加及び毒性に問題があり、
一般のオフィスや家庭で使用するにはやはり問題があ
る。更に、特開平1−297294号公報には、画像形
成支持体としてプラスチック、金属、液浸透性の悪い用
紙あるいはセラミックなどで形成されたものを使用し、
該支持体上に形成された画像を熱溶融性の剥離体を介在
させて加熱し、画像を該支持体から剥離するクリーニン
グ方法が開示されている。しかしながら、この方法の場
合、表面に離型処理を施した特別な用紙を用いなければ
ならない。
【0005】一方、本出願人は、像保持体の表面に付着
している像形成物質と該表面との間の付着状態を不安定
状態にする不安定化液、例えば像保持体に安定して付着
している像形成物質よりも該像保持体を大きく膨潤させ
る液を、該像保持体に付与した後、該像保持体を剥離部
材に圧接もしくは加熱圧接して、像形成物質を像保持体
から該剥離部材に転写剥離する方法及びその装置を提案
している(例えば、特願平5−202557号、特願平
5−239075号参照)。この方法及びその装置によ
って、像保持体に対してその紙質を比較的損傷すること
なく像形成物質のみを除去し、像保持体を再び使用可能
な状態に再生することが確認されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平5−202
557号等で提案したような方法及びその装置において
は、像保持体に対する液付与を均一に行うことが難し
く、例えば像保持体の先端に比較して後端では付与量が
少なくなったり、付与されない部分が島状にあらわれた
りする等の現象が発生し、その部分で良好な像形成物質
除去が損なわれるおそれがあった。上記良好な像形成物
質除去を行うべく液付与を多めに行うことが考えられる
が、この場合には、必要以上の液付与のため、波打ち、
皺などが発生して更なる搬送性の低下を招くおそれがあ
る。また、多量の液付与を行った場合には、電力消費の
増大、再生処理後の用紙(像保持体)の伸びという不具
合も生じるおそれがある。ここで、上記良好な像形成物
質除去とは、像保持体からの像形成物質の取り残し(残
像)がなく、像保持体の表面が荒れていないことをい
う。また、上記波打ちとは、液付与を受けた像保持体が
波状に凹凸を持つ形状に変化する現象をいう。
【0007】本発明は以上の背景の下でなされたもので
あり、その目的は、像保持体への均一な液付与ができる
とともに、必要以上の液付与を行うことのない像保持体
からの像形成物質除去装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、厚み方向に液浸透性を有する像
保持体の画像形成面と該画像形成面に付着している像形
成物質との間の付着状態を不安定状態にする不安定化液
を、該像保持体に付与する液付与手段と、該不安定化液
が付与された像保持体の画像形成面に、該像保持体に付
着している像形成物質に対して該像形成物質と該像保持
体との間の付着力よりも大きな付着力を発揮し得る剥離
部材を圧接させ、その後離間させることにより、該像保
持体から該像形成物質を剥離して除去する剥離手段と、
該剥離部材に像形成物質が接触している像保持体を、少
なくとも画像形成面とは反対の面から加熱する加熱手段
とを備えた像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、該液付与手段を、該不安定化液を表面に保持し得る
液保持部材と、該液保持部材に該不安定化液を供給する
液供給手段とにより構成し、該像保持体の画像形成面と
は反対の面に、該液保持部材の液保持面を接触させるこ
とを特徴とするものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記液保持部材の接
触開始位置と上記剥離部材の圧接開始位置との間で上記
像保持体を挟持しながら搬送し得るように、該液保持部
材及び該剥離部材を互いに対向させて配置するととも
に、該液保持部材及び該剥離部材を駆動する駆動手段を
設け、該液保持部材の接触開始位置の像保持体搬送方向
上流側における該接触開始位置に近接する位置で、該液
保持部材に上記不安定化液を供給することを特徴とする
ものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記液保持部材の接
触開始位置と上記剥離部材の圧接開始位置との間で上記
像保持体を挟持しながら搬送し得るように、該液保持部
材及び該剥離部材を互いに対向させて配置するととも
に、該液保持部材及び該剥離部材を駆動する駆動手段を
設け、該液保持部材の接触開始位置と該剥離部材の圧接
開始位置との間で、該液保持部材に上記不安定化液を供
給することを特徴とするものである。
【0011】請求項4の発明は、上記像保持体に浸透し
た上記不安定化液の上記液保持体を介した蒸発を抑える
蒸発抑止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】請求項5の発明は、上記液保持部材として
ベルト状のものを用いた請求項1の像保持体からの像形
成物質除去装置において、該液保持部材の像保持体と接
触する面とは反対の面に、上記不安定化液の透過を阻止
する液透過阻止層を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項6の発明は、上記液保持部材として
ローラ状のものを用いた請求項1又は2の像保持体から
の像形成物質除去装置において、上記加熱手段として、
該液保持部材に熱源を内蔵したことを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項7の発明は、請求項1の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記液保持部材の表
面の上記像形成物質に対する接着力が、上記剥離部材の
表面の該像形成物質に対する接着力よりも小さいことを
特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1乃至7の像形成物質除去装置において
は、液供給手段で供給された不安定化液を保持した液保
持部材の表面に、像保持体の画像形成面とは反対の面が
接触することにより、像保持体上の画像の有無に関係な
く、液保持部材から付与された不安定化液が該反対の面
から像保持体中に浸透し、像保持体と像形成物質との界
面に到達し、像保持体と像形成物質との間の付着状態を
不安定状態にする。ここで、上記液保持部材は、その表
面にだけ不安定化液を保持するものであってもいいし、
その内部に不安定化液を一旦保持し、内部の不安定化液
を表面に滲出させて保持するものであってもよい。
【0016】特に、請求項2の像形成物質除去装置にお
いては、互いに対向するように配置された液保持部材及
び剥離部材を駆動手段で駆動し、液保持部材の接触開始
位置と剥離部材の圧接開始位置との間で、像保持体を挟
持しながら搬送する。そして、この液保持部材の接触開
始位置の像保持体搬送方向上流側における該接触開始位
置に近接する位置で、液供給手段により液保持部材に不
安定化液を供給することにより、不安定化液が供給され
た液保持部材の表面に、像保持体の画像形成面とは反対
の面が接触した後、像保持体が挟持され、この挟持状態
が維持された状態で像保持体の画像形成面が剥離部材に
圧接するように、像保持体が搬送される。
【0017】また特に、請求項3の像形成物質除去装置
においては、互いに対向するように配置された液保持部
材及び剥離部材を駆動手段で駆動し、液保持部材の接触
開始位置と剥離部材の圧接開始位置との間で、像保持体
を挟持しながら搬送する。そして、液保持部材の接触開
始位置と剥離部材の圧接開始位置との間で、液保持部材
に不安定化液を供給することにより、上記挟持状態が維
持されている状態で、不安定化液が供給された液保持部
材の表面に、像保持体の画像形成面とは反対の面が接触
するとともに、像保持体の画像形成面が剥離部材に圧接
するように、像保持体が搬送される。
【0018】また特に、請求項4の像形成物質除去装置
においては、加熱手段により剥離部材に像形成物質が接
触している像保持体が、少なくとも画像形成面とは反対
の面から加熱されることにより、上記液付与手段の液保
持部材で付与され像保持体に浸透した不安定化液が加熱
され、液保持部材を介して蒸発しようとする。この不安
定化液の蒸発を、蒸発抑止手段により抑える。
【0019】また特に、請求項5の像形成物質除去装置
においては、ベルト状の液保持部材の像保持体と接触す
る面とは反対の面に形成した液透過阻止層により、液保
持部材を介した不安定化液の蒸発を抑える。
【0020】また特に、請求項6の像形成物質除去装置
においては、液供給手段で供給された不安定化液を保持
したローラ状の液保持部材により、像保持体の画像形成
面とは反対の面に不安定化液が付与されるとともに、該
液保持部材に内蔵した熱源により、液保持部材及び剥離
部材に像保持体が挟持されている間、像保持体の画像形
成面とは反対の面から、像保持体が一様に加熱される。
【0021】また特に、請求項7の像形成物質除去装置
においては、液保持部材の表面の像形成物質に対する接
着力が、剥離部材の表面の該像形成物質に対する接着力
よりも小さく、液保持部材及び剥離部材に像保持体を挟
持していない状態、すなわち液保持部材及び剥離部材が
接触している状態で、剥離部材上の像形成物質が液保持
部材に転移しない。
【0022】
【実施例】以下、本発明を転写型の電子写真複写機によ
って画像が形成された像保持体としての複写用紙から、
皮膜状に付着している像形成物質としての熱可塑性又は
熱溶融性トナー(以下、トナーという)を除去するトナ
ー除去装置に適用した実施例について説明する。ここ
で、上記皮膜状とは、必ずしも画像全体が1つの膜を形
成している状態を意味しているものではなく、単に像形
成物質が像保持体の内部に深く浸透していない状態であ
って、染料を含有する水性インクで印字した場合のよう
に像形成物質がほとんど分子レベルで像保持体に吸着さ
れている状態ではないことを意味している。
【0023】〔実施例1〕図1は、本発明の実施例に係
るトナー除去装置の概略構成図である。まず、全体の概
略を説明すると、このトナー除去装置は、積載状態で収
容しているトナー像が形成された複写用紙1を一枚づつ
分離給送する給紙ユニット100と、給紙ユニット10
0から送られてきた複写用紙1に液保持部材で不安定化
液(以下、液という)を付与する液付与手段及び液が供
給された複写用紙1からトナーを剥離して除去する剥離
手段からなる液付与兼トナー剥離ユニット200と、該
液保持部材に液2を供給する液供給手段としての液供給
ユニット300と、トナーが除去された複写用紙1を乾
燥させる乾燥ユニット400と、乾燥ユニットから排出
される複写用紙1を受ける紙受けユニット500とを備
えている。
【0024】上記給紙ユニット100は、画像形成面を
上に向けて給紙トレイ101上に積載された複写用紙1
を最上部のものから給紙ローラ102で給紙し、図示し
ない分離機構で重送紙を分離して一枚の複写用紙1のみ
を、タイミング調整及びスキュー補正のためのレジスト
ローラ対103で送り出すものである。その具体的な構
成及び動作は電子写真複写機における給紙機構と同様で
あるので、詳細な説明は省略する。
【0025】上記液付与兼トナー剥離ユニットは、複写
用紙1上のトナーを加熱して軟化する加熱手段としての
ヒータ201を内蔵した剥離部材としての剥離ローラ2
02、剥離ローラ202の外周面に適当な角度(本実施
例のトナー除去装置の場合は約180°)だけ巻き付く
ように支持ローラ203a,b,c,dに掛け回された
液保持部材としての支持ベルト204、同じく加熱手段
としてのヒータ205a,b,c,dをそれぞれ内蔵し
複写用紙1を支持ベルト204とともに剥離ローラ20
2表面に加熱圧接させるための加圧ローラ206a,
b,c,d、剥離ローラ202及び支持ベルト204か
ら複写用紙1を分離するための分離爪207、剥離ロー
ラ202表面に付着したトナー等を除去するクリーニン
グ装置208、上記給紙ユニット100から複写用紙1
をガイドするガイド板209、剥離ローラ202及び支
持ベルト204を効率よく周回させるために支持ローラ
203の少なくとも一つを駆動する駆動手段としての駆
動部(不図示)等を備えている。
【0026】上記剥離ローラ202において、そのロー
ラ全体を構成する材料によってはその材料をそのまま剥
離材料(剥離体)として用いることもできるし、剥離ロ
ーラ202の表面を剥離処理に適した状態に改質して用
いることもできる。また、コーティングなどにより、他
の材料を剥離材料(剥離体)としてローラ表面に形成し
て用いてもよい。
【0027】また、トナーの剥離ローラ202表面への
転写剥離を行う上で複写用紙1に対して圧接あるいは加
熱圧接する必要があるが、加熱を行う場合には複写用紙
1の画像形成面とは反対の面をより高温にするのが、良
好な剥離を行う上で好ましいので、図2の拡大断面図に
示すようにヒータを内蔵した加圧ローラ206と複写用
紙1との間に支持ベルト204が存在するように構成し
ている。この構成により、加圧ローラ206によって複
写用紙1が加熱される際に支持ベルト204も加熱さ
れ、支持ベルト204の表面又は内部の液2の運動エネ
ルギーが増加し、液2が複写用紙1内に浸透しやすくな
る。更に、支持ベルト204は、図2に示すように複写
用紙1側の保水性材料からなる層204aとその反対側
の液透過阻止層204bとを積層した構造にした。この
液透過阻止層204bにより、複写用紙1に一旦浸透し
た液2が加熱ローラ206の加熱で逆に支持ベルト20
4を通って蒸発することを未然に防止することができ
る。更に、この積層タイプの支持ベルト204の場合に
は、保水性材料からなるベルトと液透過阻止材料からな
るベルトとを個別に設け両ベルトを重ねて使用するもの
に比較して、駆動系、寄り止め機構を簡素化できる。
【0028】また、上記複写用紙1の加熱は、複写用紙
1に付着しているトナーを軟化させ、液2が付与された
複写用紙1の繊維などからトナーを剥離して除去するた
めに行っている。従って、加熱による昇温は、トナーの
軟化点以上の温度で、且つトナーが溶融しない程度に設
定するのが好ましい。トナーが溶融すると、複写用紙1
上のトナーを複写用紙1側と剥離ローラ202側に分断
することなく剥離ローラ202側に剥離転写させること
が困難になるためである。
【0029】また、上記複数の支持ローラのうち、支持
ローラ203cは支持ベルト204に所定のテンション
を加えるためのものであり、支持ローラ203dは複写
用紙1が剥離ローラ202表面から離間する位置で支持
ベルト204を支持している。また、上記支持ベルト2
04が円滑に移動できるように、上記加圧ローラ206
a,b,c,dとしては回転自在に構成されている。
【0030】上記クリーニング装置208は、剥離ロー
ラ202の表面上に付着したトナーT、紙粉などの異物
を除去するクリーニング部材としてのスクレーパブレー
ド208a、スクレーパブレード208aで掻き落とし
た異物を収容する回収箱208b等を備えている。ま
た、異物が除去された剥離ローラ202表面からスクレ
ーパブレード208aで除去しきれない液2の成分など
を拭き取る拭き取りローラ210が、該ブレード208
aの剥離ローラ表面移動方向下流側に設置されている。
【0031】なお、このクリーニング装置208による
剥離ローラ202表面のクリーニングは剥離処理ごとに
行っても良く、適度な使用回数、使用時間ごとに行って
も良い。また、上記クリーニング部材としては、剥離ロ
ーラ202表面上に付着している異物に対してせん断力
を及ぼすことが可能で、異物を掻き落とすことが可能な
部材が好ましく、上記スクレーパブレード208aのほ
か、複写用紙1の幅よりも長い棒状基体とその周囲にブ
ラシ材が植え付けられた構成のロール状ブラシ部材等を
使用することも可能である。こららのクリーニング部材
は単独で使用しても、いくつかを組み合わせて使用して
も良い。また、上記せん断力によるクリーニング方式の
他に、トナーTとの接着力がトナーTと剥離ローラ20
2表面との接着力よりも大きいクリーニングローラを剥
離ローラ202表面に圧接し、複写用紙1から剥離ロー
ラ202表面に転写されたトナーを更にクリーニングロ
ーラ上に写し取るクリーニング方式を採用することも可
能である。このクリーニングローラを用いたクリーニン
グ方式によれば、せん断力によるクリーニング方式に比
較して、クリーニングによる剥離ローラ202表面の損
傷を飛躍的に減少させることができる。 (以下、余白)
【0032】上記液供給ユニット300は、上記支持ベ
ルト204に複写用紙1が接する直前に支持ベルト20
4に液2を供給するように配設されている。そして、こ
の液供給ユニット300は、液2の入った液容器301
の内部に、表面がクロロプレインゴムなどの濡れ性の高
い弾性材料からなる汲み上げローラ302を、その一部
が液2中に浸るように設置し、この汲み上げローラ30
2を回転させることにより、汲み上げローラ302と接
するか若しくはわずかのギャップを持った状態で設置さ
れ且つ表面がクロロプレインゴムなどの濡れ性の高い弾
性材料からなる塗布ローラ303にまで液2を汲み上
げ、両ローラ302,303のニップ幅又はギャップ長
に応じた量の液2を塗布ローラ303から支持ベルト2
04に塗布して供給するように構成されている。また、
液容器301の液面を検知する液面センサ(不図示)の
検知結果に基づいて、液ストック用のタンク304から
液容器301への液供給量を変えるようにポンプ305
を制御し、液容器301内の液面が常にほぼ一定の位置
にくるようにしている。また、支持ベルト204を塗布
ローラ303に対して一定荷重で上面から押える押えロ
ーラ306が設けられている。図1において、液供給ユ
ニット300の各ローラは矢印方向に回転し、支持ベル
ト204は塗布ローラ303と押えローラ306との間
を矢印方向に移動する。なお、支持ベルト204への液
2の供給量を調整するために、いずれかのローラに金属
などの硬質材料を用い、そのローラ表面に溝等の凹凸を
形成してもよい。
【0033】上記液供給ユニット300による支持ベル
ト204への液2の供給は常時行ってもよいが、この液
供給は支持ベルト204が複写用紙1を支持する際に支
持ベルト204から複写用紙1に液2を付与するために
行われるものであるため、支持ベルト204への液供給
を複写用紙1が搬送されてくるタイミングに合わせて行
い、複写用紙1が搬送されてこないときには支持ベルト
204に対する液供給を行わないようにすることが、液
2の利用効率向上のため、あるいは剥離ローラ202表
面の耐久性向上のために好ましい。このための方法とし
ては、押えローラ306を上下方向に微動させる上下動
機構を設け、複写用紙1の搬送にタイミングを合わせ
て、図3(b)に示すように必要なときのみ押えローラ
306を下降させて支持ベルト204に液2を供給し、
それ以外は図3(a)に示すように押えローラ306を
上昇させておき支持ベルト204を塗布ローラ303に
接触させずに液供給を行わないように上記上下動機構を
制御する等の方向が挙げられる。
【0034】また、上記液供給ユニット300として
は、図4(a)に示すように支持ベルト204を液容器
201内の液2中に浸漬させるようにガイドローラ30
7a,bでガイドし、浸漬後に絞りローラ対308によ
って適切な量の液2が含浸されるように構成したものを
使用することもできる。この構成の場合には、塗布ロー
ラ303表面の濡れ性の変化等に左右されずにより安定
した液供給を行うことができる。また、上記液供給ユニ
ット300としては、図4(b)に示すようにタンク3
04からポンプ305で汲み上げた液2をアキュミュレ
ータ309及びバルブ310を介して液噴射ユニット3
11内のノズルから噴射し、液2を非接触で支持ベルト
204に供給するように構成したものを使用することも
できる。この構成の場合には、剥離ローラ202周辺か
らの液供給を容易に行うことができる。また、本構成の
場合にも支持ベルト204に対する液供給を複写用紙1
の搬送のタイミングに合わせて行うことが上記同様の理
由により効果的であるが、その制御性は上記塗布ローラ
303を用いた場合よりも優れている。
【0035】上記乾燥ユニット400は、通気性を持っ
た1対の上下乾燥ベルト401,402を互いに対向す
るようにそれぞれ支持ローラ403,404に掛け回し
ており、互いに接している部分の上下乾燥ベルト40
1,402は2対の加熱ローラ405によって加熱圧接
されるように挟持されている。上下乾燥ベルト401,
402で複写用紙1を挟持した状態で搬送しながら、加
熱ローラ405で複写用紙1を加熱し、複写用紙1の内
部の液を蒸発させ乾燥させる。そして、複写用紙1内部
の余分な液が蒸発するとともに、上下両側からの加熱圧
接により、複写用紙1の表面が平滑な状態になる。
【0036】上記紙受けユニット500は、乾燥ユニッ
ト400から排出された複写用紙1を受けるための排紙
トレイ501と、排紙トレイ501まで複写用紙1を導
く排紙搬送ガイド板502とを備えている。
【0037】また、本実施例のトナー除去装置は、図示
を省略したが、給紙トレイ101上に複写用紙1がある
か否かを検出する検出手段、給紙ユニット100による
複写用紙1の重送を検出する重送検出手段、液容器30
1内の液量を検出する液量検出手段、複写用紙1の装置
内でのジャムを検出するジャム検出手段、各ヒータの点
灯を制御する点灯制御手段、回収箱208b内の満杯を
検出する満杯検出手段、支持ベルト204の寄りの検出
手段及び補正手段等が設けられている。
【0038】上記構成のトナー除去装置で用いる液2、
支持ベルト204の材料、剥離ローラ202の表面部の
材料(剥離体)としては、次のようなものを用いること
ができる。
【0039】上記液2としては、水、水溶性ポリマーを
含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及び水溶性ポリ
マーと界面活性剤とを含む水溶液よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の水あるいは水溶液を用いることがで
きる。また、液2には、後述するようにpH調整剤、重
金属イオンを封止するためのするためのキレート剤、防
腐剤、防かび剤、防錆剤、漂白剤、蛍光染料、青み付け
染料、酵素等を添加剤として使用することも可能であ
る。
【0040】上記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面
活性剤等が挙げられる。上記陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフ
ィンスルホン酸塩、N−アルシルスルホン酸塩等のスル
ホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルアミド
硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキ
ルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリ
ン酸エステル塩等が挙げられる。また、上記陽イオン界
面活性剤としては、脂肪酸アミン塩、アルキル第4級ア
ンモニウム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第
4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、上記両性界
面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイ
ン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン
誘導体等が挙げられる。また、上記非イオン性界面活性
剤としては、ポリオキシエチレンアルキル及びアリール
エーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポ
リオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホル
ムアルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
等のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等
のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエ
ステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系が挙げられ
る。また、上記フッ素系界面活性剤としては、フロロア
ルキルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等の
アニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、
ノニオン系、カチオン系等が挙げられる。なお、上記各
界面活性剤は、単独で使用しても、2種類以上を混合し
て用いても良い。
【0041】上記水溶性ポリマーは、界面活性剤ととも
にトナー除去能力を向上させる、あるいは複写用紙の再
生状態を改良する等の目的で液2に添加するものであ
る。例えば、複写用紙に水、又は水及び界面活性剤を含
ませた状態で水溶性ポリマーを保持させることにより、
トナー画像剥離用の剥離体を形成することができる。す
なわち、剥離部材が圧接できない複写用紙のセルロース
繊維内部のトナーに対して、セルロース繊維/トナー/
水溶性ポリマー/剥離部材のように水溶性ポリマーを介
して剥離部材が間接的に接触することができ、その水溶
性ポリマーの粘着力によって紙質を痛めることなくトナ
ーを剥離することができる。
【0042】上記水溶性ポリマーとしては、天然系、半
合成系、可溶性デンプン、純合成系等が挙げられる。上
記天然系の水溶性ポリマーとしては、アラビアガム、ト
ンガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビー
ンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシー
ドデンプン等の植物性高分子、アルギン酸カラギーナ
ン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチンカゼイ
ン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサン
テンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げら
れる。また、上記半合成系の水溶性ポリマーとしては、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子等が挙げられ
る。また、上記可溶性デンプンとしては、メチルデンプ
ン、カルボキシメチルデンプン(CMS)、ジアルデヒ
ドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプ
ンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、ア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール
エステル等の海藻系高分子等が挙げられる。また、上記
純合成系の水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ
ル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸及びアルカリ金属塩、水溶性スチレンアク
リル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン
酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性
ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウム
やアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高
分子化合物、セラミック等の天然高分子化合物等が挙げ
られる。なお、水溶性ポリマーの添加量は、0.1〜2
0重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲がよ
い。
【0043】上記湿潤剤としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体
類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒
素複素環類等が挙げられる。また、上記多価アルコール
類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多価
アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有す
るカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用でき
る。
【0044】上記pH調整剤としては、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモ
ニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金
属の炭酸塩等が挙げられる。
【0045】上記重金属イオンの封止剤で剥離助剤とし
て添加されるキレート試薬としては、エチレンジアミン
四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチ
レントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナト
リウム等が挙げられる。
【0046】上記防錆剤としては、酸性亜流酸塩、チオ
硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソ
プロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリス
リトール、ジシクヘキシルアンモニウムニトライト等が
挙げられる。また、防腐防かび剤としては、デヒドロ酢
酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチ
オール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
【0047】上記漂白剤は再生後の複写用紙の漂白度を
向上させる目的で添加するものであり、その具体例とし
ては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化漂白剤が挙げられ
る。
【0048】また、上記支持ベルト204の材料として
は、コットン、ウール等の天然繊維よりなるクロス、レ
イヨン、ポリエステル、ジアリレート樹脂、キシレン樹
脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹
脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリ
アリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある合成樹脂
よりなるフィルムあるいはクロス等が挙げられ、これら
をシート状、ベルト状等に加工したものを上記支持ベル
ト204として使用することができる。また、上記支持
ベルト204は、親水性を増すためにコロナ放電などに
よる表面処理を行ったり、耐熱性、耐候性、耐薬品性な
どの耐久性向上のための添加剤の付与を行ったりするこ
とも可能である。
【0049】また、上記剥離ローラ202の表面部の材
料(剥離体)としては、熱、圧力等に対する耐久性、液
2に対する安定性に優れ、表面変質が少なく、なおかつ
良好な剥離が行える材料を用いるのが好ましく、Ni
鋼、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、
モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属
酸化物、あるいは各種ポリマーなどが挙げられる。この
ポリマーとしては、合成又は天然のゴム、ジアリレート
樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタ
ン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカ
ーボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱
性のある合成樹脂等が挙げられる。また、これらのポリ
マーは単独で用いても混合して用いても良く、耐久性向
上及び剥離特性向上のために酸化チタン粒子、シリカ粒
子、カーボン粒子等を含有しても良い。
【0050】上記構成のトナー除去装置において、複写
用紙1は、給紙ユニット100からガイド板209を介
して画像形成面が剥離ローラ202側になるように、剥
離ローラ202と支持ベルト204の間に搬送される。
支持ベルト204が剥離ローラ202に巻き付いている
部分で、複写用紙1は、支持ベルト204により画像形
成面とは反対の面である背面から支持されながら、同時
に支持ベルト204内に含まれていた液2が背面から付
与される。そして、複写用紙1は、支持ベルト204及
び剥離ローラ202によって挟持されている間、4つの
加圧ローラ206a,b,c,dによって支持ベルト2
04側から剥離ローラ202表面に加熱圧接される。そ
して、支持ローラ(分離ローラ)203dで支持されて
いる支持ベルト204表面及び剥離ローラ202表面に
当接している分離爪207により、複写用紙1が剥離ロ
ーラ202表面から分離する際に、剥離ローラ202表
面に付着していたトナーが複写用紙1から剥離され、こ
れにより、紙繊維を傷めることなく、複写用紙1からト
ナーが除去される。トナーが除去された複写用紙1は乾
燥ユニット400で乾燥され、紙受けユニット500の
搬送排紙ガイド502でガイドされ、排紙トレイ501
上に排出される。
【0051】以上、本実施例によれば、液2を保持した
支持ベルト204の表面に、複写用紙1の画像形成面と
は反対の面が接触することにより、複写用紙1上の画像
の有無に関係なく、支持ベルト204から付与された液
2が該反対の面から複写用紙1中に浸透し、複写用紙1
とトナーとの界面に到達するので、複写用紙1に対して
液2を均一に付与することができる。従って、液付与量
のムラに伴う画像の取り残しを解消することができると
ともに、必要以上の液付与を行う必要がないため良好な
像保持体の再生が可能となる。また、複写用紙1の画像
形成面からの液付与あるいは浸漬による液付与と異な
り、複写用紙1上のトナーの表面に液2が付着しないた
め、剥離ローラ202とトナーとの間の付着力を液2が
低下させる不具合も生じにくく、剥離ローラ202表面
に従来ほど大きな付着力が必要とならない。従って、採
用可能な剥離ローラ202表面部の剥離材料(剥離体)
の種類も広範囲となる。
【0052】また、本実施例によれば、支持ベルト20
4の接触開始位置の複写用紙搬送方向上流側で、液供給
ユニット300により支持ベルト204に液2を供給す
ることにより、液2が供給された支持ベルト204の表
面に、複写用紙1の画像形成面とは反対の面が接触した
後、複写用紙1が挟持され、この挟持状態が維持された
状態で複写用紙1の画像形成面が剥離ローラ202に圧
接するように、複写用紙1が搬送されるので、支持ベル
ト204の接触開始位置と剥離ローラ202の圧接開始
位置との間で複写用紙1がフリーになることなくなり、
紙力低下、伸び、カールなどに伴う複写用紙1の皺の発
生や、紙詰まり等の複写用紙1の搬送不良の発生を防止
できる。特に、複写用紙1などのように抄紙方向が特定
の方向にそろっている場合、縦目、横目に全く依存せ
ず、複写用紙1の搬送を円滑に行うことができる。ま
た、剥離ローラ202の複写用紙1への接触の前後で、
支持ベルト204から複写用紙1へ液2が絶えず供給さ
れるので、少量の液量でも良好な剥離を行うことができ
る。
【0053】また、本実施例によれば、剥離ローラ20
2及び加圧ローラ206の熱が、液容器301内の液2
に直接伝わらないように構成されているので、液容器3
01から液2の蒸気が発生しにくくなり、その蒸気によ
る周辺の構成部品への悪影響を抑制することができる。
また、剥離ローラ202及び加圧ローラ206の熱がそ
のローラに対向させて配置された塗布ローラ等を介して
液容器301内の液2に伝わるものに比較して、液容器
301内の液2の濃度が変化しにくく、複写用紙1とト
ナーとの付着状態を不安定にするという液2の効果及び
剥離特性を経時的に安定したものとすることができる。
【0054】また、本実施例によれば、一部分が液容器
301内の液2に浸るように配置された汲み上げローラ
302及び該ローラ302から液2が供給される塗布ロ
ーラ303の内部にヒータを設けていないので、一部分
が液容器301内の液2に浸るように且つ該剥離ローラ
202に対向するように配置された塗布ローラを用いた
場合のように液2がヒータに付着するという危険性がな
くなり、安全な液付与手段を構成することができる。
【0055】また、本実施例のトナー除去装置を用いて
複写用紙1に対するトナーの剥離試験を実施したとこ
ろ、次のような結果が得られた。液2としては、MA−
80(商品名、三井サイアナミド製)の1.0重量%の
水溶液を用い、剥離ローラ202の材料としてはステン
レスを用い、支持ベルト204としては、コットンを主
成分とした保水材料からなるシートと液透過阻止材とし
ての高分子シートとを張り合わせたものを用いた。複写
用紙1上の画像は、PPC複写機(リコー製、商品名:
IMAGIO320FP1)で普通紙上にコピーして形
成した。この普通紙は縦目が通紙方向と平行になるよう
に給紙ユニット100にセットした。そして、上記液2
の支持ベルト204に対する供給を、普通紙A4判1枚
あたり1.5g相当となるように行って剥離を行ったと
ころ、トナーが普通紙から全て剥離され、紙剥がれも見
られず、また皺が発生することなく画像を形成する前の
普通紙とほぼ同様の状態の再生紙を得ることができた。
【0056】また、普通紙は横目が通紙方向と平行にな
るように給紙ユニット100にセットして同様な処理を
施したところ、やはりトナーが普通紙から全て剥離さ
れ、紙剥がれも見られず、また皺が発生することなく画
像を形成する前の普通紙とほぼ同様の状態の再生紙を得
ることができた。 (以下、余白)
【0057】図5は、本実施例に対する比較例としての
トナー剥離試験に用いたトナー除去装置の概略構成を示
している。このトナー除去装置は、複写用紙1を剥離ロ
ーラ202に接触させる前に、液2を複写用紙1に付与
しており、この液付与装置としては、本実施例の液供給
ユニット300を転用した。給紙ユニット100には複
写用紙1が画像形成面を上向きにしてセットされ、ガイ
ド板11を介して液付与ユニット300に導かれ、ここ
で液2が付与された後、支持ベルト204と剥離ローラ
202表面との間に案内される。支持ベルト204には
液2を供給していない。この比較例の構成において、普
通紙A4判1枚あたり1.5gの液2を付与して剥離を
行ったところ、処理後の普通紙からは完全にトナーが除
去されずに一部が残ってしまった。また、紙剥がれも生
じており、再生紙として使用することはできなかった。
【0058】また、図5のトナー除去装置において液付
与量をA4判1枚あたり3.5gに増やして同様な剥離
試験を実施したところ、横目が通紙方向と平行になるよ
うに普通紙をセットした場合には押えローラ306に普
通紙が絡まり、一方縦目が通紙方向と平行になるように
普通紙をセットした場合には普通紙に皺が入るなどの不
具合が頻発した。普通紙が皺なく支持ベルト204と剥
離ローラ202表面との間に案内された場合には、トナ
ーは全て除去され画像形成前とほぼ同様の表面状態とな
ったが、乾燥ユニット400で完全に普通紙を乾燥させ
るために必要な設定温度は、上記実施例の場合と比較し
て高い値としなければならず、電力消費量が増加した。
【0059】また、本実施例に対する比較例として、図
1に示すトナー除去装置で支持ベルト204を液浸透性
を有する保水性材料のみで構成し、上記実施例と同様に
普通紙A4判あたり1.5gの液2を付与して剥離を行
ったところ、普通紙が剥離ローラ202表面に巻き付い
ている間に乾燥してしまい、剥離ローラ202から分離
することができなかった。
【0060】また、上記実施例のトナー除去装置(図
1)において、クリーニング装置208を取り外し、支
持ベルト204の保水性材料としてポリカーボネイト
(PC)を使用して剥離処理を行ってみた。まず最初
に、一枚の普通紙を剥離処理したところでは上記実施例
と同様に良好な剥離を行うことができた。ところが、ク
リーニング装置208がないため、剥離ローラ202上
にはトナーが残った状態で、次の複写用紙1又は支持ベ
ルト204が接する。ここで、この支持ベルト204の
ポリカーボネイト(PC)のトナーに対する接着力が剥
離ローラ202のトナーに対する接着力よりも大きいた
め、支持ベルト204と剥離ローラ202が接する場合
にはトナーが支持ベルト204に一部が転写された。こ
の状態で支持ベルト204に液2の供給が行われた場
合、ポリカーボネイト(PC)とトナーとの液2に対す
る濡れ性が異なるため、更にその後の支持ベルト204
から複写用紙1への液2の付与が一様でなくなり、もと
もと支持ベルト204でトナーが付着していた部分から
液付与を受けた複写用紙1上の部分は、剥離処理後のト
ナーが残っていた。
【0061】そこで、上記ポリカーボネイト(PC)に
代えて、トナーに対する接着力が剥離ローラ202のト
ナーに対する接着力よりも小さな保水性材料(例えば、
親水性処理を施したポリプロピレン)を支持ローラ20
4に用いて同様な剥離試験を行ったところ、支持ベルト
204にトナーが付着することなく良好な剥離が連続し
て行えた。この結果により、支持ベルト204の保水性
材料としてトナーに対する接着力が剥離ローラ202の
トナーに対する接着力よりも小さなものを用いた場合に
は、トナーによる複写用紙1への汚染が抑止され、再生
紙の仕上がり品質を良好な状態に保つことが可能となる
ことがわかった。
【0062】〔実施例2〕図6は、本発明の他の実施例
に係るトナー除去装置の概略構成図であり、図1と同様
な部分には同一の符号を付して示してあり、それらの機
能も同様であるので、それらについての説明は省略す
る。本実施例のトナー除去装置は、図7に示すように支
持ベルト204を保水性材料のみで構成し、この支持ベ
ルト204への液2の供給を、加圧ローラ206a,b
及び分離ローラ203dの手前に配設されている図4
(b)を用いて説明した液噴射ユニットで支持ベルト2
04の裏面から行っている。液2はタンク304からポ
ンプ305によって汲み上げられ、アキュミュレータ3
09a,b,c及びバルブ310a,b,cを介して噴
射ユニット311a,b,c内のノズルから支持ベルト
204へ噴射される。
【0063】この図6に示すトナー除去装置を用いて、
液2を3つの液噴射ユニット311a,b,cからそれ
ぞれA4判当たり0.4gずつ総和として1.2g供給
して剥離を行ったところ、トナーが普通紙から全て剥離
され、紙剥がれも見られず、また皺が発生することなく
画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の状態の再生紙を
得ることができた。また、普通紙を横目が通紙方向と平
行になるように給紙ユニット100にセットして同様な
処理を施したところ、やはりトナーが普通紙から全て剥
離され、紙剥がれも見られず、また皺が発生することな
く画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の状態の再生紙
を得ることができた。
【0064】このように本実施例によれば、支持ベルト
204の接触開始位置と剥離ローラ202への圧接開始
位置との間で、支持ベルト204に液2を供給すること
により、上記挟持状態が維持されている状態で、液2が
供給された支持ベルト204の表面に、複写用紙1の画
像形成面とは反対の面が接触するとともに、複写用紙1
の画像形成面が剥離ローラ202に接触するように複写
用紙1が搬送されるので、液2の利用効率を高めること
ができ、少量の液量で良好な剥離を行うことができる。
また、剥離ローラ202及び支持ベルト204による挟
持開始時には、両者の表面がほぼ乾燥した状態にあるた
め、この挟持開始時における皺発生の確率を更に低下さ
せることができる。
【0065】また、上記図6のトナー除去装置による具
体的な剥離試験で用いた普通紙に代え、市販の複写用再
生紙を複写用紙1として用いて上記同様な剥離試験を行
ったところ、トナーが普通紙から全て剥離され、紙剥が
れも見られず、また皺が発生することなく画像を形成す
る前の普通紙とほぼ同様の状態の再生紙を得ることがで
きた。また、普通紙を横目が通紙方向と平行になるよう
に給紙ユニット100にセットして同様な処理を施した
ところ、やはりトナーが普通紙から全て剥離され、紙剥
がれも見られず、また皺が発生することなく画像を形成
する前の普通紙とほぼ同様の状態の再生紙を得ることが
できた。一方、この市販の複写用再生紙を用いて上記実
施例1の図1のトナー除去装置で同様の剥離処理を行っ
たところ、この再生紙は分離部において剥離ローラ20
2から分離せずに紙詰まりを生じた。この結果から、図
6に示すトナー除去装置のように複写用紙1を剥離ロー
ラ202から分離する直前に、液2を複写用紙1に付与
するように支持ベルト204に液2を供給することで、
紙剥がれを抑止し、良好に複写用紙1を分離させること
ができるようになることがわかった。
【0066】〔実施例3〕図8は、本発明の更に他の実
施例に係るトナー除去装置の概略構成図であり、図1と
同様な部分には同一の符号を付して示してあり、それら
の機能も同様であるので、それらについての説明は省略
する。本実施例のトナー除去装置は、図7に示すように
支持ベルト204を保水性材料のみで構成し、この支持
ベルト204に一部重なるように液透過阻止材からなる
補助ベルト213が加圧ローラ206a,b,c,d及
び分離ローラ203dに掛け回されている。そして、支
持ベルト204と補助ベルト213が重なる手前に配設
されている図4(b)を用いて説明した液噴射ユニット
311により、支持ベルト204の裏面から液2の供給
を行っている。
【0067】この図8に示すトナー除去装置を用いて、
液2を液噴射ユニット311からそれぞれA4判当たり
1.2g供給して剥離を行ったところ、トナーが普通紙
から全て剥離され、紙剥がれも見られず、また皺が発生
することなく画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の状
態の再生紙を得ることができた。また、普通紙を横目が
通紙方向と平行になるように給紙ユニット100にセッ
トして同様な処理を施したところ、やはりトナーが普通
紙から全て剥離され、紙剥がれも見られず、また皺が発
生することなく画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の
状態の再生紙を得ることができた。
【0068】このように本実施例によれば、支持ベルト
204の接触開始位置と剥離ローラ202の圧接開始位
置との間で、支持ベルト204に液2を供給することに
より、上記挟持状態が維持されている状態で、液2が供
給された支持ベルト204の表面に、複写用紙1の画像
形成面とは反対の面が接触するとともに、複写用紙1の
画像形成面が剥離ローラ202に接触するように複写用
紙1が搬送されるので、液2の利用効率を高めることが
でき、少量の液量で良好な剥離を行うことができる。ま
た、剥離ローラ202及び支持ベルト204による挟持
開始時には、両者の表面がほぼ乾燥した状態にあるた
め、この挟持開始時における皺発生の確率を更に低下さ
せることができる。
【0069】なお、上記図8のトナー除去装置におい
て、補助ベルト213をはずし、上記実施例3と同様に
A4判当たり1.2g相当の液2を供給して剥離を行っ
たところ、普通紙は剥離ローラ202に巻き付いている
間に乾燥してしまい、剥離ローラ202から分離するこ
とができなかった。
【0070】〔実施例4〕図9は、本発明の更に他の実
施例に係るトナー除去装置の概略構成図であり、図1と
同様な部分には同一の符号を付して示してあり、それら
の機能も同様であるので、それらについての説明は省略
する。本実施例のトナー除去装置は、図1の剥離ローラ
202の位置に表面が保水性材料(発砲ウレタン)から
なり且つヒータ214を内蔵した液保持部材としてのコ
ーティングローラ215を配設し、また図1の支持ベル
ト204の位置に剥離部材としての剥離ベルト216を
配設している。そして、複写用紙1に接する直前にコー
ティングローラ215に対して液2を供給するように、
図4(b)を用いて説明した液噴射ユニット311を配
設している。給紙ユニット100には画像形成面を下向
きにして複写用紙1をセットする。また、加圧ローラ2
06a,b,c,dにはヒータを内蔵していないが、実
動時には、コーティングローラ215からの熱伝導で若
干昇温している。もちろん、必要に応じて図1などに示
したようにヒータを内蔵してもよい。また、剥離ベルト
216の表面のクリーニング手段としては、上記図1で
説明したものと同様のクリーニング装置208及び拭き
取りローラ209を用いている。
【0071】この図9に示すトナー除去装置を用いて、
液2を液噴射ユニット311からそれぞれA4判当たり
1.2g供給して剥離を行ったところ、トナーが普通紙
から全て剥離され、紙剥がれも見られず、また皺が発生
することなく画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の状
態の再生紙を得ることができた。また、普通紙を横目が
通紙方向と平行になるように給紙ユニット100にセッ
トして同様な処理を施したところ、やはりトナーが普通
紙から全て剥離され、紙剥がれも見られず、また皺が発
生することなく画像を形成する前の普通紙とほぼ同様の
状態の再生紙を得ることができた。また、この図9に示
すトナー除去装置で使用した電力は、図1のトナー除去
装置で使用した電力よりも少なく、熱効率に優れること
がわかった。
【0072】なお、上記各実施例に係るトナー除去装置
は、プリンター用紙や複写用紙等のようにセルロース繊
維を主成分とした紙質で構成されたものに限られるわけ
ではなく、少なくとも画像が形成される側に、後述する
不安定化液でトナーとの付着状態が不安定状態になる部
分、例えば該不安定化液で液体で膨潤してトナーとの付
着力が低下する部分を有する像保持体に対して適用でき
るものである。
【0073】
【発明の効果】請求項1乃至7の発明によれば、液供給
手段で供給された不安定化液を保持した液保持部材の表
面に、像保持体の画像形成面とは反対の面が接触するこ
とにより、像保持体上の画像の有無に関係なく、液保持
部材から付与された不安定化液が該反対の面から像保持
体中に浸透し、像保持体と像形成物質との界面に到達す
るので、像保持体に対して不安定化液を均一に付与する
ことができる。従って、液付与量のムラに伴う画像の取
り残しを解消することができるとともに、必要以上の液
付与を行う必要がないため良好な像保持体の再生が可能
となるという効果がある。また、像保持体の画像形成面
からの液付与あるいは浸漬による液付与と異なり、像保
持体上の像形成物質の表面に不安定化液が付着しないた
め、剥離部材と像形成物質との間の付着力を不安定化液
が低下させる不具合も生じにくく、剥離部材に従来ほど
大きな付着力が必要とならない。従って、採用可能な剥
離部材の種類も広範囲となるという効果がある。
【0074】特に、請求項2の発明によれば、液保持部
材の接触開始位置の像保持体搬送方向上流側における該
接触開始位置に近接する位置で、液供給手段により液保
持部材に不安定化液を供給することにより、不安定化液
が供給された液保持部材の表面に、像保持体の画像形成
面とは反対の面が接触した後、像保持体が挟持され、こ
の挟持状態が維持された状態で像保持体の画像形成面が
剥離部材に圧接するように、像保持体が搬送されるの
で、液保持部材の接触開始位置と剥離部材の圧接開始位
置の間で不安定化液が付与された像保持体がフリーの状
態で搬送されることがなく、紙力低下、伸び、カールな
どに伴う像保持体の皺の発生や、紙詰まり等の像保持体
の搬送不良の発生を防止できるという効果がある。特
に、複写用紙などのように抄紙方向が特定の方向にそろ
っている像保持体の場合、縦目、横目に全く依存せず、
像保持体の搬送を円滑に行うことができるという効果が
ある。また、剥離部材の像保持体への圧接の前後で、液
保持部材から像保持体へ不安定化液が絶えず供給される
ので、少量の液量でも良好な剥離を行うことができると
いう効果がある。
【0075】また特に、請求項3の発明によれば、液保
持部材の接触開始位置と剥離部材の圧接開始位置との間
で、液保持部材に不安定化液を供給することにより、上
記挟持状態が維持されている状態で、不安定化液が供給
された液保持部材の表面に、像保持体の画像形成面とは
反対の面が接触するとともに、像保持体の画像形成面が
剥離部材に接触するように像保持体が搬送されるので、
不安定化液の利用効率を高めることができ、少量の液量
で良好な剥離を行うことができるという効果がある。ま
た、剥離部材及び液保持部材による挟持開始時には、両
部材の表面がほぼ乾燥した状態にあるため、この挟持開
始時における皺発生の確率を更に低下させることができ
るという効果がある。
【0076】また特に、請求項4の発明によれば、上記
液付与手段の液保持部材で付与され、像保持体に浸透し
た不安定化液が、加熱手段の加熱で液保持部材を介して
蒸発しようとするのを、蒸発抑止手段で抑えることがで
きるので、液蒸発時に像保持体の紙剥がれ、及び像保持
体の分離不良を防止できるという効果がある。
【0077】また特に、請求項5の発明によれば、ベル
ト状の液保持部材の像保持体と接触する面とは反対の面
に形成した液透過阻止層により、液保持部材を介した不
安定化液の蒸発を抑えることができるので、液蒸発時に
像保持体の紙剥がれ、及び像保持体の分離不良を防止で
きるという効果がある。更に、液保持部材とは別体の液
透過阻止部材を液保持部材に重ねて用いる場合に比し
て、液透過阻止部材の位置合わせ機構を設ける必要がな
く、駆動系、寄り止め機構を簡素化できるという効果が
ある。
【0078】また特に、請求項6の発明によれば、ロー
ラ状の液保持部材に内蔵した熱源により、液保持部材及
び剥離部材に像保持体が挟持されている間、像保持体の
画像形成面とは反対の面から、像保持体が一様に加熱さ
れるので、熱効率を向上させることができる。更に、上
記ローラ状の液保持部材に対向する剥離部材としてベル
ト状のものを使用することができるため、剥離部材の交
換などのメンテナンスが比較的容易に行うことができる
という効果がある。
【0079】また特に、請求項7の発明によれば、液保
持部材の表面の像形成物質に対する接着力が、剥離部材
の表面の該像形成物質に対する接着力よりも小さく、液
保持部材及び剥離部材に像保持体を挟持していない状
態、すなわち液保持部材及び剥離部材が接触している状
態で、剥離部材上の像形成物質が液保持部材に転移しな
いので、液保持部材の液保持性が一定状態に維持される
とともに、液保持部材から像保持体への像形成物質の再
付着を防止でき、像形成物資除去処理後の像保持体の仕
上がり品質を良好な状態に保つことができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図2】同トナー除去装置の支持ベルト及び剥離ローラ
による挟持部の拡大断面図。
【図3】(a)及び(b)は同トナー除去装置における
押えローラの上下動の説明図。
【図4】(a)及び(b)は変形例に係る液供給ユニッ
トの概略構成図。
【図5】他の実施例に係るトナー除去装置の概略構成
図。
【図6】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【図7】同トナー除去装置の支持ベルト及び剥離ローラ
による挟持部の拡大断面図。
【図8】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【図9】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【符号の説明】
1 複写用紙 2 液 200 液付与兼トナー剥離ユニット 202 剥離ローラ 204 支持ベルト 206 加圧ローラ 300 液供給ユニット T トナー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚み方向に液浸透性を有する像保持体の画
    像形成面と該画像形成面に付着している像形成物質との
    間の付着状態を不安定状態にする不安定化液を、該像保
    持体に付与する液付与手段と、該不安定化液が付与され
    た像保持体の画像形成面に、該像保持体に付着している
    像形成物質に対して該像形成物質と該像保持体との間の
    付着力よりも大きな付着力を発揮し得る剥離部材を圧接
    させ、その後離間させることにより、該像保持体から該
    像形成物質を剥離して除去する剥離手段と、該剥離部材
    に像形成物質が接触している像保持体を、少なくとも画
    像形成面とは反対の面から加熱する加熱手段とを備えた
    像保持体からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段を、該不安定化液を表面に保持し得る液保
    持部材と、該液保持部材に該不安定化液を供給する液供
    給手段とにより構成し、 該像保持体の画像形成面とは反対の面に、該液保持部材
    の液保持面を接触させることを特徴とする像保持体から
    の像形成物質除去装置。
  2. 【請求項2】上記液保持部材の接触開始位置と上記剥離
    部材の圧接開始位置との間で上記像保持体を挟持しなが
    ら搬送し得るように、該液保持部材及び該剥離部材を互
    いに対向させて配置するとともに、該液保持部材及び該
    剥離部材を駆動する駆動手段を設け、 該液保持部材の接触開始位置の像保持体搬送方向上流側
    における該接触開始位置に近接する位置で、該液保持部
    材に上記不安定化液を供給することを特徴とする請求項
    1の像保持体からの像形成物質除去装置。
  3. 【請求項3】上記液保持部材の接触開始位置と上記剥離
    部材の圧接開始位置との間で上記像保持体を挟持しなが
    ら搬送し得るように、該液保持部材及び該剥離部材を互
    いに対向させて配置するとともに、該液保持部材及び該
    剥離部材を駆動する駆動手段を設け、 該液保持部材の接触開始位置と該剥離部材の圧接開始位
    置との間で、該液保持部材に上記不安定化液を供給する
    ことを特徴とする請求項1の像保持体からの像形成物質
    除去装置。
  4. 【請求項4】上記像保持体に浸透した上記不安定化液の
    上記液保持体を介した蒸発を抑える蒸発抑止手段を設け
    たことを特徴とする請求項1の像保持体からの像形成物
    質除去装置。
  5. 【請求項5】上記液保持部材としてベルト状のものを用
    いた請求項1の像保持体からの像形成物質除去装置にお
    いて、 該液保持部材の像保持体と接触する面とは反対の面に、
    上記不安定化液の透過を阻止する液透過阻止層を形成し
    たことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装
    置。
  6. 【請求項6】上記液保持部材としてローラ状のものを用
    いた請求項1の像保持体からの像形成物質除去装置にお
    いて、 上記加熱手段として、該液保持部材に熱源を内蔵したこ
    とを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  7. 【請求項7】上記液保持部材の表面の上記像形成物質に
    対する接着力が、上記剥離部材の表面の該像形成物質に
    対する接着力よりも小さいことを特徴とする請求項1の
    像保持体からの像形成物質除去装置。
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