JPH07267433A - 像保持体からの像形成物質除去装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去装置

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JPH07267433A
JPH07267433A JP6281424A JP28142494A JPH07267433A JP H07267433 A JPH07267433 A JP H07267433A JP 6281424 A JP6281424 A JP 6281424A JP 28142494 A JP28142494 A JP 28142494A JP H07267433 A JPH07267433 A JP H07267433A
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Masatoshi Saito
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一雄 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー像が形成された転写紙に少なくとも液
体を付与してトナーを除去するトナー除去装置におい
て、液付与による紙の波打ち状の変形を矯正したり、浸
漬タイプの液供給で該変形が生じにくようにして紙のし
わ発生を軽減する。 【構成】 トナーが付着している転写紙10の下面に界
面活性材の水溶液を供給する液供給ユニット20と、転
写紙10の下面に付着しているトナーを軟化させて接着
させる下側ローラ51及び加圧用の上側ローラ52から
なるトナー剥離ユニット50との間に、搬送ユニット3
0を設ける。該ユニット30は液浸透で波打ち変形を生
じている転写紙を挾持することなく下側からのみ支持し
て搬送するベルト33を用いて構成する。そして、ベル
ト上で波打ちを矯正する移動ブラシ40を配置する。浸
漬タイプの液供給では、上記変形が生じにくように液供
給路の長さを適当に定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって像形
成物質を安定に付着させた像保持体から像形成物質を取
り除く像保持体からの像形成物質除去装置に係り、詳し
くは、紙などの吸液による伸びを生じる材質からなる像
保持体からトナーなどの像形成物質を除去するにあた
り、像保持体の吸液による波打ち変形から像保持体のし
わが発生するのを防止できる像保持体からの像形成物質
除去装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、記録済み像保持体としての用像保
持体からトナーなどの像形成物質を除去する像形成物質
除去方法及びその装置としては種々のものが知られてい
る。例えば溶剤を使用するものとして、特開平1−10
1576号公報には、トナーが付着した像保持体をトナ
ー樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加
し、溶剤に溶解したトナーを像保持体面より遊離させる
像形成物質除去方法が開示されている。また、特開平4
−300395号公報には、廃像保持体の印字部分に溶
剤を浸漬、噴霧あるいは塗布等による方法で付着させて
トナーを溶解し、溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、
吸着剤接触、機械剥離あるいは静電気吸着等による方法
で除去する像形成物質除去方法が開示されている。
【0004】一方、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平2−55195号公報には、支持体上に離型剤
を塗布した印刷体に電子写真方式あるいは熱転写方式で
載せた熱溶融性インキあるいはトナーを、該印刷体にイ
ンキ剥離部材を重ね加熱ローラと圧力ローラの間を通
し、冷えてからインキ剥離部材を剥がすことにより、該
インキ剥離部材の方に付着させて除去する像形成物質除
去方法が開示されている。また特開平4−64472号
公報には、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエ
ンドレスシートと、これを支えて回転させる熱ローラ及
び冷却ローラと、表面に離型処理をした像保持体(イレ
ーザブルペーパ)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂
に押しつける押圧ローラと、これらを連動して動かせる
駆動部からなるイレーザが開示されている。また特開平
4−82983号公報には、互いに圧接して回転し圧接
箇所に像保持体を通過させる2本の並行に設けられたロ
ーラと、該2本のローラの少なくとも一方を加熱するヒ
ーターと、該圧接箇所を通過した像保持体を前記ローラ
から分離する掻取具と、前記ローラに付着した像形成物
質を前記ローラから除去する剥離装置とを備えた像形成
物質除去装置が開示されている。
【0005】ところで、上記溶剤を使用しない方法や装
置は、表面に像保持体繊維が露出している通常の像保持
体に画像を記録した記録済み像保持体から像形成物質を
除去するのに使用すると、例えば電子写真方式の定着工
程で熱溶融性樹脂を主成分とする像形成物質を像保持体
に融着させるなどして、像形成物質が像保持体表面の繊
維に強固に固着されているので、像形成物質除去の際に
像形成物質と共に表面の像保持体繊維を剥ぎ取って像保
持体質を損傷してしまう。特に像形成物質の除去性を高
めるために、上記インキ剥離部材、エンドレスシートあ
るいはローラさせた上に熱や圧力を加える場合、種々の
条件によっては、逆に像形成物質と像保持体との間の定
着性を高めてしまって除去を困難にすることもあった。
【0006】そこで、先に本出願人は、記録済み像保持
体に、不安定化剤としての水、界面活性剤を含む水溶
液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水
溶性ポリマーとを含む水溶液よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させるととも
に、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加
熱接着もしくは加圧接着して像保持体から剥離する像形
成物質除去方法を提案した(例えば、特願平4−255
916号参照)。これによれば、像保持体の像保持体質
を比較的損傷することなく、像形成物質のみを除去する
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特願平
4−255916号で提案した像保持体からの像形成物
質の除去方法を実施するための装置構成よっては、像形
成物質が除去された像保持体に搬送方向に伸びるしわが
生じることがあるという不具合を確認した。その原因に
ついて鋭意研究を行ったところ、このしわは、所定の液
を吸液した像保持体が波打ち状の変形を起すことに起因
していることが判明した。例えば図6(a)の例におい
て、像保持体としての転写紙10は、上下方向の像保持
体移動を規制する規制ローラ3と、液容器1内の界面活
性剤の水溶液中に部分的に没して回転する塗布ローラ2
との間を通過するときに、該塗布ローラ2によって液が
供給されている。この供給された液を吸液した像保持体
部分(図中符号Aで示す部分)には、波打ち状の変形が
生じている。このような吸液による波打ち状の変形が生
じた状態で、像保持体搬送用の挾持搬送装置としての搬
送ローラ対などを通過するときに、該変形がしわになる
ことがわかった。なお、同図中符号Bで示す矢印は、転
写像保持体10の抄紙方向を示すものである。この図6
(b)に示すように抄紙方向(紙の繊維方向)に転写紙
10を搬送するときに上記しわが発生する確率が高い。
このような波打ち状の変形が生じる原因は、吸液により
伸びようとする部分と未だ給液されていない部分との境
界C1に生じるストレスであると考えられる。
【0008】また、上記液塗布ローラ2及び規制ローラ
3に代え、転写紙10を、液容器内の液中を通過させる
ように搬送して液を供給する浸漬タイプの液供給ユニッ
トを用いた場合、その具体的構成より、液付与ユニット
を脱した転写紙の波打ち状の変形を軽減できることもわ
かった。
【0009】このような転写紙10のしわは、上記特願
平4−255916号で提案した像保持体からの像形成
物質の除去方法を実施するための装置に限らず、同様に
液体を転写紙10に付与することになる上記溶剤を使用
した像形成物質除去装置におても発生する恐れがある。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、紙などの吸液による
伸びを生じる材質からなる像保持体からトナーなどの像
形成物質を除去するにあたり、像保持体のしわの発生を
軽減できる、像保持体からの像形成物質除去装置を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像形成物質が安定に付着した吸
液により伸びが生じる材質からなる像保持体に、液体を
付与する液付与手段と、該液付与手段によって液体が付
与された像保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有す
る像保持体からの像形成物質除去装置において、該液付
与手段によって液体が付与された像保持体を該挾持搬送
手段に向けて搬送する搬送手段を、液体の浸透による少
なくとも搬送方向に直交する方向の像保持体の伸びが、
挾持搬送に比して自由になるように構成したことを特徴
とするものである。
【0012】また、請求項2の発明は、像形成物質が安
定に付着した吸液により伸びが生じる材質からなる像保
持体に、像形成物質と像保持体との付着を不安定にする
不安定化液を付与する不安定化液付与手段と、像形成物
質に対して像保持体より大きな付着力を発揮する剥離部
材に像保持体上の像形成物質を接着させた後に該剥離部
材と像保持体とを離間させる像形成物質剥離手段と、該
不安定化液付与手段によって不安定化液が付与された像
保持体を該像形成物質剥離手段に向けて搬送する搬送手
段とを設け、該搬送手段を、不安定化液の浸透による少
なくとも搬送方向に直交する方向の像保持体の伸びが、
挾持搬送に比して自由になるように構成したことを特徴
とするものである。
【0013】ここで、使用する不安定化液としては、像
形成物質の溶解による像保持体の汚れなどが発生しない
ように、像形成物質が溶解しないものを用いることが望
ましい。例えば、一般の電子写真用トナーは疎水性であ
るので、該トナーを除去するには、不安定化液としては
水、界面活性剤の水溶液、界面活性剤及び水溶性ポリマ
ーを含む水溶液などを用いることがて望ましい。
【0014】更に請求項3の発明は、請求項2の像保持
体からの像形成物質除去装置において、上記搬送手段
を、像保持体を下方のみから支えながら搬送する搬送装
置で構成したことを特徴とするものである。
【0015】また請求項4の発明は、請求項3の像保持
体からの像形成物質除去装置において、上記搬送装置で
搬送されている像保持体に、搬送方向と直交する方向の
力を加えて搬送方向に直交する方向における波打ち状の
変形を矯正する波打ち矯正手段を設けたことを特徴とす
るものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項4の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記波打ち矯正手段
を、像保持体に上記搬送方向と直交する方向の摺擦力を
与える摺擦装置で構成したことを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項6の発明は、請求項4の像保持体か
らの像形成物質除去装置において、上記搬送装置及び上
記波打ち矯正手段を、少なくも一対の隣合うベルト同士
の間隔が搬送方向下流側ほど拡がるように複数のベルト
を無端移動させて像保持体を搬送するベルト搬送装置で
構成したことを特徴とするものである。
【0018】請求項7の発明は、像形成物質が安定に付
着した吸液により伸びが生じる材質からなる像保持体
に、液体を付与する液付与手段と、該液付与手段によっ
て液体が付与された像保持体を挾持搬送する挾持搬送手
段とを有する像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿
って通過するように構成し、かつ、該経路の長さが、液
中に進入し吸液により伸びようとする像保持体の部分
と、進入直前の像保持体の部分との境界でのストレスに
より発生する波打ち状の変形が及ぶ像保持体の全てが液
中に漬かる程度に長くなるように構成したことを特徴と
するものである。
【0019】請求項8の発明は、像形成物質が安定に付
着した吸液により伸びが生じる材質からなる像保持体
に、液体を付与する液付与手段と、該液付与手段によっ
て液体が付与された像保持体を挾持搬送する挾持搬送手
段とを有する像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿
って通過するように構成し、かつ、像保持体各部の液中
通過時間が、その搬送方向に直交する方向での吸液によ
る像保持体の伸びがほぼ終了する程度に長くなるように
構成したことを特徴とするものである。
【0020】請求項9の発明は、像形成物質が安定に付
着した吸液により伸びが生じる材質からなる像保持体
に、液体を付与する液付与手段と、該液付与手段によっ
て液体が付与された像保持体を挾持搬送する挾持搬送手
段とを有する像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿
って通過するように構成し、かつ、液中での像保持体の
搬送手段を、上記伸びが、挾持搬送に比して自由になる
ように構成したことを特徴とするものである。
【0021】請求項10の発明は、形成物質が安定に付
着した吸液により伸びが生じる材質からなる像保持体
に、液体を付与する液付与手段と、該液付与手段によっ
て液体が付与された像保持体を挾持搬送する挾持搬送手
段とを有する像保持体からの像形成物質除去装置におい
て、該液付与手段を、像保持体が液容器内の液中を所定
の経路に沿って通過するように構成し、かつ、該液容器
内で像保持体搬送方向に液流を起こすように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0022】
【作用】本発明者らの研究によれば、液付与手段による
液体付与で像保持体に生じた波打ち状の変形は、変形が
生じた後に像保持体を、伸びが自由な状態にしておけ
ば、時間経過とともに軽減されていくことが判った。そ
こで、本発明の像保持体からの像形成物質除去装置にお
いては、液付与手段によって液体が付与された像保持体
を、液体の浸透による少なくとも搬送方向に直交する方
向の像保持体の伸びが、挾持搬送に比して自由な搬送手
段で搬送する。この搬送により、該搬送手段よりも搬送
方向下流側の挾持搬送手段や、加圧力などを用いて像保
持体上の像形成物質を剥離部材に接着させる像形成物質
剥離手段などに到達する前に、液付与手段による液体付
与で像保持体に生じた波打ち状の変形が軽減されるよう
にする。更に、上記伸びが比較的自由な搬送手段に加え
て波打ち矯正手段を設け、該波打ち矯正手段よって搬送
方向と直交する方向の力を加えて積極的に波打ち状の変
形を解消しても良い。
【0023】また、本発明者の研究によれば、液付与手
段による液体付与で吸液による伸びようとする部分と未
だ給液されていない部分との境界に生じるストレスは、
給液された像保持体の一定の範囲Lsにまで及び、この
波打ち変形部分Lsの全てが液中に浸漬すれば、液から
脱出する該像保持体の部分は上記ストレスによる波打ち
変形が残ったまま液中から脱することはないことが判っ
た。例えば、図6(c)において、像保持体としての転
写紙10が液中を浸漬長Lを保ちながら進行する経路で
搬送されている時、転写紙10の液進入点C2で生じた
ストレスの及ぶ範囲Lsが、Ls>Lである時、転写紙
10の液脱出点Dにおいて波打ち変形が残っているが、
Ls<Lである時には、該変形が解消された状態で液面
から脱出してくる。そこで、本発明の像保持体からの像
形成物除去装置においては、液付与手段において、像保
持体の浸漬長Lを、上記波打ち変形の及ぶ範囲Ls以上
になるような搬送手段で搬送する。この搬送により、像
保持体の、吸液による伸びようとする部分と未だ給液さ
れていない部分との境界に生じるストレスの及ぶ部分が
液から脱することによって生じる波打ち状の変形を抑え
る。
【0024】また、本発明者の研究によれば、液付与手
段による液体付与で像保持体の吸液による搬送方向に直
交する伸びが十分に進行し、終了するまで、液への浸漬
を持続させると波打ち状の変形が解消することが判っ
た。そこで、本発明の像保持体からの像形成物除去装置
においては、液付与手段において、像保持体の吸液によ
る伸びが十分に進行し、終了するように搬送する。この
搬送により、像保持体に液付与手段よりも搬送方向下流
側で、該吸液による伸びが進行することによって発生す
る波打ち状の変形が生じることを回避する。
【0025】また、本発明者の研究によれば、液付与手
段による液体付与で、像保持体の吸液による搬送方向に
直交する伸びが進行している最中に不均一な外力を働か
せないように搬送すると、波打ち状の変形が解消するこ
とが判った。そこで、本発明の像保持体からの像形成物
除去装置においては、液付与手段内の像保持体の搬送
を、該像保持体の吸液による伸びが挾持搬送に比して自
由になるように構成する。この搬送により、像保持体の
吸液による伸びの進行中に、該像保持体に不均一な外力
が働くことによって生じる波打ち状の変形の発生を回避
する。
【0026】また、本発明者の研究によれば、液付与手
段による液体付与で像保持体の吸液によって生じた波打
ち状の変形は、該液内で像保持体の搬送方向に液流を起
こすことによって軽減されることが判った。そこで、本
発明の像保持体からの像形成物除去装置においては、液
付与手段内での液に、像保持体の搬送方向へ向かう液流
を起こす。この液流により、液付与手段内で、像保持体
の波打ち状の変形を積極的に解消すると共に、像保持体
の補助的な駆動力にもする。
【0027】
【実施例】以下、本発明を転写型の電子写真複写機によ
って画像が形成された像保持体としての転写像保持体か
ら、像形成物質としての疎水性でかつ熱可撓性の電子写
真用トナー(以下、トナーという)を取り除く像保持体
からの像形成物質除去装置(以下、トナー除去装置とい
う)に適用した実施例について説明する。
【0028】まず、本発明を適用できるトナー除去装置
の一例の概略について説明する。図1において、このト
ナー除去装置は、トナー像が形成された転写紙10を一
枚づつ分離給送する図示を省略した給紙ユニットと、こ
の給紙ユニットから送られてきた転写紙10に液を供給
する液供給ユニット20と、液が供給された転写紙10
からトナーを剥離する像形成物質剥離手段としてのトナ
ー剥離ユニット50と、トナーが除去された転写紙10
を乾燥させる図示を省略した乾燥ユニットと、この乾燥
ユニットから排出される転写紙10を受ける像保持体受
けユニットなどを備えている。
【0029】上記液供給ユニット20は、水又は転写紙
10への浸透性を向上させるために界面活性剤を含んだ
水溶液などの液を転写紙10に供給するものである。図
示の例では、液容器内の液中に部分的に没するように設
けられ回転によって液を汲み上げる汲み上げローラ21
と、この汲み上げローラ21からの液を担持して転写紙
10のトナー像面である下面側に塗布する塗布ローラ2
2と、塗布ローラ22から転写紙10を分離して案内す
るガイド板23とを有している。この塗布ローラ22の
周面部には環状の凹部22aが形成され、この凹部22
aに先端部が入り込むように上記ガイド板23が配置さ
れている。この汲み上げローラ21や塗布ローラ22と
しては、保液性を有する材質、例えば、親水性多孔質材
質、スポンジなどからなるローラや、ゴムなどの弾性体
又は金属などの剛体からなるローラなどを用いることが
できる。
【0030】上記トナー剥離ユニット50は、ランプ5
1a,52a内蔵のローラ対51,52から構成され、
転写紙10のトナー像面をオフセットベルト44に密着
させるとともに転写紙10に固着しているトナーを加熱
して軟化させるものである。両ローラ51,52は圧接
配置され、このうち転写紙10のトナー像面が対向する
側のローラ51の少なくとも表面は、軟化したトナーに
対して、転写紙10の表面と該トナーとの付着力より大
きい付着力を有する材料で形成されている。例えばロー
ラ自体がアルミ系、銅系、ニッケル系など金属材料で形
成されたり、酸化チタンを分散させたポリエチレンテレ
フタレート(PET)などの高分子系材料からなる表面
層が形成されたりしている。
【0031】そして、本実施例のトナー除去装置には、
上記液供給ユニット20によって液が供給され転写紙1
0を、これに生じた図6(b)に示すような波打ち状の
変形を軽減しながら上記トナー剥離ユニット50に搬送
するための搬送ユニット30が設けられている。この搬
送ユニット30は一対の支持ローラ31,32と、両支
持ローラ31,32間に掛け渡されたベルト33とを有
するベルト搬送装置で構成されている。このベルト33
の周面部には一周するように環状の凹部33aが形成さ
れ、搬送方向上流側の支持ローラ31回りで該環状の凹
部33a内に上記ガイド板23の後端部が入り込んでい
る。また、搬送方向下流側の支持ローラ32回りで上記
環状の凹部33aに先端部が入り込むように、上記剥離
ユニット50へ転写紙10を案内するガイド板34が配
置されている。図示のような一枚の平ベルト33に代
え、上記各ガイド23,34に対向する部分で分割され
た複数のベルトを支持ローラ31,32に掛け渡して転
写紙10を搬送するようにしても良い。
【0032】更に、搬送ベルト装置30のベルト33上
に載って搬送されている転写紙10をベルト搬送方向と
直交する方向40aに摺擦する波打ち矯正手段としての
ブラシ部材40が設けられている。このブラシ部材40
の上記40a方向での往復動は図示を省略した移動装置
によってなされる。このブラシ部材40の毛足は毛筆程
度の柔らかさを有することが望ましい。
【0033】以上の構成において、給紙ユニットから送
られた転写紙10は、液供給ユニット20でそのトナー
像面に液が均一に供給される。このとき転写紙10の抄
紙方向が搬送方向と一致していると、図6(b)に示す
ような波打ち状の変形が生じる。この波打ち状の変形が
生じた転写紙10は、ガイド板33に下面を支持されな
がら案内され搬送ユニット30のベルト33上に送られ
る。このガイド板33で案内されている期間及びベルト
33上で搬送される間に、転写紙10内の各部に液が浸
透しつづけ上記変形が軽減されていく。更に、ベルト3
3上の転写紙10は上記ブラシ部材40で搬送方向と直
交する方向に摺擦され、これにより積極的に波打ち状の
変形が矯正される。これらにより波打ち状の変形が殆ど
なくなった状態でガイド板34でベルト33から分離さ
れ、トナー剥離ユニット50に送られる。このトナー剥
離ユニット50では、転写紙10に固着しているトナー
が加熱ローラ51,52内のランプ51a,52aから
の加熱で軟化し、加圧力の下で下側ローラ51の表面に
接着される。そして図示を省略した分離爪などにより下
側ローラ51から転写紙10が分離される際に、下側ロ
ーラ51表面に付着したトナーが転写紙10から剥離さ
れ、転写紙10からトナーが除去される。トナーが除去
された転写紙10は乾燥ユニットで乾燥され、像保持体
受けユニットに排出される。
【0034】なお、図1の実施例装置におけるブラシ部
材40としては図2に示すように転写紙10の搬送方向
に直交する方向(40aの矢印方向)における中央部の
毛足が最も長く両端部に寄るほど毛足が短くなるように
ブラシを形成したものを用いても良い。更に同図2中に
矢印40bで示すようにブラシ部材40を上下動させる
機構を設けて、転写紙10が対向しているときのみ摺擦
位置に降ろして矢印40aに示すように摺擦動作を行わ
せるようにしても良い。
【0035】また図1の実施例装置におけるようにブラ
シ部材40を転写紙摺擦のために移動させるのではな
く、ブラシ部材40自体は静止させておいて、ベルト3
3による転写紙10の移動によって、ブラシ部材40に
摺擦されるようにしても良い。この場合には、転写紙1
0の波打ち状の変形を解消できるよう例えば図3(a)
〜(c)に示すように搬送方向に直交する方向の両外側
に拡げるように転写紙10を摺擦できるようブラシ40
cを形成することが望ましい。ここで図3(a)はブラ
シ部材40の平面図、図3(b)は同部材40の背面
図、図3(c)は同部材40の正面図である。
【0036】また図4に示すようにベルト33上の転写
紙10の波打ち状の変形を積極的に解消するブラシ部材
として図4に示すような回転ブラシローラ41を用いて
も良い。ここで、図4の装置においては、ベルト33を
挾んで回転ブラシローラ41に対向する位置にバックア
ップ部材としての平板42が設けられている。このよう
なバックアップ部材は回転ブラシローラ41を用いる場
合に限らず、図1、図2、図3に示すようなブラシ部材
40を用いる場合にも有効である。なお図4の装置で
は、トナー剥離ユニット50を、複数のベルト支持ロー
ラ(以下、支持ローラという)53,54,55,56
に掛け回された少なくとも表面が図1の装置における下
側ローラ51と同様の材質からなる剥離ベルト57と、
該ベルト57を挟んで互いに圧接し合うように設けられ
た加熱ランプ52a,53a内蔵の上下加熱ローラ5
2,53とで構成されている。また搬送ユニットのベル
ト支持用の下流側の支持ローラ32は、ベルト33から
の転写紙10の曲率分離が可能な程度、例えば10mm程
度の直径に設定されている。これによれば、図1の装置
のようにガイド板34を用いてベルト33から転写紙1
0を分離・案内するものとは異なり、ベルト33から曲
率分離された転写紙10を直接トナー剥離ユニット50
の剥離部に進入させることができるので、ベルト33上
で波打ち状の変形が解消された転写紙10がガイド板3
4による部分的な下側からの支持によって再び変形して
しまうのを防止できる。
【0037】以上のようにベルト33上の転写紙10の
波打ち状の変形を矯正するのにブラシ部材40,41を
用いるのに換え、例えば弾性体であるゴムなどからなる
スクレーパを用いても良い。この場合にはスクレーパを
例えばベルト33表面に垂直な姿勢で対向させ、かつ下
端部の形状を転写紙搬送方向に直交する方向で両外側に
転写紙10を拡げ得るような形状にしておく。例えば、
平板状のスクレーパの場合には下端部を長手方向中央部
が最も突出したV字形状にしておく。また平板状のスク
レーパに換え断面V字状に折り曲げた形状のスクレーパ
を図3のブラシ部材40におけるブラシ部40cと同様
に折り曲げ頂点部が転写紙搬送方向上流側に位置するよ
うに配置しても良い。
【0038】また、上記ブラシ部材40,41やスクレ
ーパなどの別部材を用いてベルト33上の転写紙10の
波打ち状の変形を矯正するのに代え、図5(a)に示す
ようにベルト搬送装置自体に変形矯正機能を持たせても
良い。同図5(a)のベルト搬送装置は、例えば搬送方
向上流側のベルト支持ローラ31について図5(b)に
示すように、ローラの周面部にベルトの軸線方向の位置
決めを行うためにベルトが入り込む環状の凹部31aが
ゴムなどの弾性体からなる複数のベルト35に対応して
形成されている。そして、搬送方向下流側の支持ローラ
32では、少なくも一対の隣合うベルト同士の間隔が搬
送方向下流側ほど拡がるように複数のベルト位置決めよ
うの凹部が形成されている。この一対の隣合うベルト同
士の間では搬送方向下流側にいくほど両者の間隔が拡が
るので、これらに支持されて搬送力を受けている転写紙
10部分間は搬送方向に直交する方向に拡げる力を受け
る。この結果、該転写紙部分間に生じていた波打ち状の
変形が矯正される。
【0039】なお、同図5(a)の例では、7本のベル
ト35の内の搬送方向に走行方向が一致する中央のベル
トとの両隣それぞのベルトが中央のベルトに対して搬送
方向下流側にいくほど中央ベルトとの間隔が拡がるよう
に掛けわたされ、更にこの両隣のベルトよりも外側の左
右2本つづのベルトも、該両隣のベルトに対して搬送方
向下流側にいくほど間隔が拡がるように掛けわたされて
いる。このため、図中に矢印で示すように、搬送方向に
直交する方向外側の搬送力成分が転写紙10の幅方向の
各所で外側ほど大きくなり、転写紙10の幅方向の全体
にわたって該幅方向に拡げる力を転写紙10に与えるこ
とができるようになっている。このようにように複数の
ベルト35の走行方向の設定によって転写紙10を幅方
向外側に拡げるのに代え、複数のベルト35の支持ロー
ラ軸線方向外側のものほど走行速度を大きくすることに
よって、転写紙10を幅方向外側に拡げるようにしても
良い。このためには、例えば支持ローラ31,32とし
て幅方向中央部ほど小径の鼓状のものを使用する。
【0040】ここで、図5(a)のベルト装置の構造
は、その波打ち矯正機能にのみ着目して、波打ち矯正手
段としてのみ使用することもできる。すなわち、図1の
装置におけるブラシ部材40に代え、図5(a)のベル
ト装置を、転写紙10の上面側に接するように配置して
も良い。
【0041】また、図1や図4の装置においては、液供
給ユニット20における吸液部から、該吸液部よりも転
写紙搬送方向下流側に位置する最初の挾持搬送手段であ
るトナー剥離ユニット50の圧接部(図1の両ローラ5
1,51のニップ、図4の両ローラ52,53のニッ
プ)までの間の距離がトナー除去対象である転写紙10
の搬送方向の長さよりも大きく設定されている。特に図
1の装置では搬送ユニットのベルト33掛け渡し長さ自
体が転写紙10の搬送方向の長さよりも大きく設定され
ている。しかも、液供給ユニット20とトナー剥離ユニ
ット50との間は転写紙10を下方のみから支持しなが
ら搬送する搬送ユニット30のみで転写紙10に搬送力
を与えている。このため液供給ユニット20で液が供給
された転写紙10が搬送方向で転写紙の長さよりも小さ
な間隔をおいて一対の挾持搬送手段を配置する場合と異
なり、このような挾持搬送手段間の必然的に生じる線速
差(線速設定と実際の線速との間には必ず誤差が生じる
ので、例えば両挾持搬送手段間で設定線速を同一にした
場合にも、この線速差は生じる)や挾持力の転写紙幅方
向でのバラツキによって、転写紙に例えば斜め方向の波
打ち変形が生じて、この変形が下流側の挾持搬送手段の
挾持部通過時にしわになってしまうのを防止できる。
【0042】次に、図7を用いて、本発明の他の実施例
について説明する。図7において、このトナ−除去装置
は、上記図1と同様に、トナ−像が形成された転写紙1
0を、一枚ずつ分離供給する図示を省略した給紙ユニッ
トと、この給紙ユニットから送られてきた転写紙10
に、液を供給する液供給ユニット20と、液が供給され
た転写紙10をトナ−を剥離するユニットへ搬送する搬
送ユニット30と、トナ−を剥離する像形性物質剥離手
段としてのトナ−剥離ユニット50と、トナ−が除去さ
れた転写紙10を乾燥させる図示を省略した乾燥ユニッ
トと、この乾燥ユニットから排出される転写紙10を受
ける図示を省略した、像保持体受けユニットなどを備え
ている。図示を省略した給紙ユニット、乾燥ユニット及
び像保持体受けユニットは前述の図1の例と同じである
ので、以下トナ−剥離ユニット50、搬送ユニット30
及び液供給ユニット20について説明する。
【0043】上記トナ−剥離ユニット50は、図示を省
略した2つのロ−ラ及び転写紙搬送経路に対向したヒ−
タ内蔵の加熱用ブロック76に掛け回されたベルト状剥
離部材としてのトナ−オフセットベルト77と、オフセ
ットベルト77を挾んで該加熱用ブロックに圧接するよ
うに設けられた加熱ランプ内蔵の加熱ロ−ラ75を備え
ている。また、該トナ−剥離ユニット50の転写紙搬送
方向上流に互いに圧接する絞り上ロ−ラ73と絞り下ロ
−ラ74とを設けている。この絞りロ−ラ対73、74
によって転写紙10を挾持搬送させながら余剰な液を絞
り取った後、トナ−剥離ユニット50へ搬送することに
より、転写紙がトナ−剥離ユニット50を十分濡れた状
態で通過する場合に比して、加熱効率を上げるようにし
ている。
【0044】上記搬送ユニット30は、図1における搬
送ユニット30と同じく、2つの支持ロ−ラ31、3
2、搬送ベルト33及びガイド板23、34を備え、不
安定化液を吸液した転写紙10を、下支えしながら搬送
するためのものである。但し、図7における搬送ユニッ
ト30では、前述の転写紙10の波打ち状の変形を矯正
する為の構造は備えていない。ここで、該搬送ユニット
から上記絞りロ−ラ対までの装置の下にトレイ78を設
けた。これは、液供給ユニットで吸液した転写紙10か
らたれ落ちる液を受け、排出するためである。
【0045】上記液供給ユニット20は不安定化液69
を転写紙10に供給するものである。該液供給ユニット
20は、転写紙10を搬送するための液内搬送ユニット
60と該不安定化液69を備蓄するための図示を省略し
た液供給装置とを備えている。
【0046】上記液内搬送ユニット60は、吸液による
転写紙の伸びを妨げるような外力を極力避けるため、液
への進入からこれからの脱出まで転写紙を下支えしなが
ら搬送するように構成している。このため、液に進入さ
せるように搬送するための1段目搬送ベルト65と液か
ら脱出させるように搬送するための2段目搬送ベルト6
6とを有している。ここで、該搬送ベルト65、66
は、液が自由に透過落下できる材質とする。1段目搬送
ベルト65(図8の例では3本のベルトからなる)は、
液容器70内における紙搬送方向上流側端部に、頂部が
液面上に露出するように設けた入り口ロ−ラ(1段目下
ローラ)64と、液中に頂部が没するように設けられた
比較的小径の中間ローラ67とに掛け回されている。2
段目搬送ベルト66(図8の例では2本のベルトからな
る)は、この中間ローラ67と液容器内における紙搬送
方向下流側端部に、頂部が液面とほぼ一致するように設
けられた出口ローラ(2段目ロ−ラ)68とに掛け回さ
れている。なお、図8の例では、入口ローラ64の頂
部、出口ローラ68の頂部、中間ローラ67の頂部の順
で高くなるように設定している。これは液中への紙の進
入をスムーズにするためにある程度の紙進入角度(液面
に対する傾斜角度)を確保し、液中での紙進行方向の変
化をできるだけ抑え、しかも、液容器内に所望の長さの
液中搬送経路を確保するためである。また、上記中間ロ
ーラ67を1段目搬送ベルト65と2段目搬送ベルト6
6とで兼用しているのは、液中搬送ベルト系に不連続部
を設けないようにして、液中の搬送中に像保持体が紙詰
まりを起こすことを防止するすためである。
【0047】ここで、上記液内搬送ユニット60への挿
入は、1対のロ−ラの挾持搬送によって行われる。1段
目下ロ−ラ64は1段目搬送ベルト65を介して1段目
上ロ−ラ63と圧接しており、給紙ガイド板61から送
られてきた転写紙10をこの2つのロ−ラ64、63の
間を、ベルトに載せて液供給ユニット20へ挾持搬送す
る。また、1段目搬送ベルト65が、液面より上昇して
次の転写紙10を乗せるまでの間に、ゴムなどの弾性的
な板材からできているベルト表面拭きとり部材62を1
段目上ロ−ラ63に接するように設ける。これによっ
て、1段目上ロ−ラ63の表面の液膜を拭き取り、液膜
がカ−ルの原因となることを防いでいる。
【0048】そして、本実施例の上記液内搬送ユニット
60の以上の構成においては、図7の浸漬長Lの設定に
よっては、転写紙10の、上記作用で述べた、吸液によ
り伸びようとする部分と未だ給液されていない部分との
境界に生じるストレスが及び、発生する波打ち変形部分
Lsが液面から露出し、この露出した段階において転写
紙10に波打ちが残る恐れがある。そこで、本実施例
は、上記ストレスが及び発生する波打ち変形部分が液面
から露出しないように、図7の浸漬長Lを該変形部分L
sよりも長くとるよう、3つのロ−ラ64、67、68
の間隔などにより設定している。さらに、同一の転写紙
内で液面進入点と液脱出点が同時に存在しないようにす
れば、上記ストレスが及び発生する波打ち変形部分が液
面から露出することはないので、浸漬長Lを転写紙10
の搬送方向の長さ以上になるように設定しても良い。
【0049】また、例えば、転写紙を途中で一時停止さ
せることなく一定の搬送速度で液中での搬送経路を通過
させる場合に、搬送速度の設定によっては、転写紙の吸
液による伸びが十分に進行しないまま液面から脱し、搬
送方向下流で、更に伸びによる波打ち変形が生じる恐れ
がある。そこで、転写紙の各部分が液中を通過している
時間(以下、液中時間)が、転写紙の液中での上記伸び
が終了するのに要する時間(以下、伸び飽和時間)以上
になるように、液中での搬送を設定する。具体的には、
上記液中時間としての、浸漬長Lを該搬送速度Vで割っ
た時間L/Vが、伸び飽和時間以上になるように、浸漬
長L及び搬送速度Vを設定している。
【0050】また、液中での搬送手段として、吸液によ
る転写紙の伸びが挾持搬送に比して自由になるように搬
送ベルトで下支えしながら搬送するように構成している
が、他の搬送方法として、転写紙先端部における例えば
両側部を一対のクランパーでクランプして搬送するよう
にしても良い。この場合も、転写紙の例えば搬送方向に
直交する方向における伸びが可能であり、クランパーで
クランプされている間の転写紙部分のたれ下がりなどに
つながるだけで波打ちは生じない。また、上記の、浸漬
長L及び搬送速度Vも、転写紙の波打ちを防止するよう
にクランパ−の作動経路によって設定できる。
【0051】次に、液供給装置は、交換自在の図示を省
略した補充液ボトルと、補充液ボトルから不安定化液が
補給される図示を省略したタンクと、タンクに内蔵され
た図示を省略した給液ポンプと、給液ポンプから不安定
化液を液容器70に送るための図示を省略した給液パイ
プと、液容器70から不安定化液をタンクへ排出するた
めの図示を省略した排液パイプ等から構成されている。
【0052】そして、本実施例の液供給装置では、液容
器70の形状を転写紙搬送方向下流端部を低くすること
により、該容器内の不安定化液が転写紙搬送方向下流で
オ−バ−フロ−し、トレイ78に溜った液と一緒に液排
出部72から排液パイプへと流れるよう構成している。
このことにより、該容器内に搬送方向へ向かう液流が生
じ、転写紙の液中の折れや腰くだけを防止すると共に、
転写紙の補助的な駆動力にもなる。
【0053】
【発明の効果】請求項1乃至6の発明によれば、液付与
手段によって液体が付与された像保持体を、所定の搬送
手段を用いて搬送し、該搬送手段よりも搬送方向下流側
の挾持搬送手段や、加圧力などを用いて像保持体上の像
形成物質を剥離部材に接着させる像形成物質剥離手段な
どに到達する前に、液体付与で像保持体に生じた波打ち
状の変形を軽減させるので、液付与手段によって液体が
付与された像保持体を、挾持搬送手段を用いて搬送する
場合に比して、像保持体のしわ発生を軽減できるという
効果がある。
【0054】特に、請求項2の発明によれば、不安定化
液付与手段で像形成物質が付着している像保持体に像形
成物質と像保持体との付着を不安定にする不安定化液を
付与した後に、所定の像形成物質剥離手段で像保持体か
ら像形成物質を除去するので、像保持体の表面組織、例
えば繊維を傷めることなく像形成物質を除去できる。
【0055】更に、請求項3の発明によれば、上記搬送
手段を、像保持体を下方のみから支えながら搬送する搬
送装置で構成したので、簡易な構成で液体の浸透による
少なくとも搬送方向に直交する方向の像保持体の伸び
を、挾持搬送に比して自由にすることができる。
【0056】また、請求項4乃至6の発明によれば、上
記伸びが比較的自由な搬送手段に加えて波打ち矯正手段
を設け、該波打ち矯正手段よって搬送方向と直交する方
向の力を加えて積極的に波打ち状の変形を解消するの
で、該搬送手段による搬送中に自然に波打ちが軽減され
るのを待つ場合に比して、短時間に波打ち状の変形を解
消する事ができる。よって像形成物質除去装置の処理速
度を比較的向上させたり、小型化したりできる。
【0057】特に、請求項5の発明によれば、像保持体
に上記搬送方向と直交する方向の摺擦力を与える摺擦装
置という簡易な構成で上記波打ちを矯正できる。
【0058】また、請求項の6発明によれば、少なくも
一対の隣合うベルト同士の間隔が搬送方向下流側ほど拡
がるように複数のベルトを無端移動させて像保持体を搬
送し、この搬送中に像保持体を搬送方向と直交する方向
の外側に拡げる力を加えるので、液体の浸透による少な
くとも搬送方向に直交する方向の像保持体の伸びが、挾
持搬送に比して自由にな搬送とともに、上記波打ち矯正
を行うことができる。よって、波打ち矯正手段を構成す
る装置を搬送装置と別に設ける必要がなく、その分装置
の小型化が計れる。
【0059】請求項7の発明によれば、液付与手段にお
いて、像保持体の吸液によって伸びようとする部分と未
だ給液されていない部分との境界に生じるストレスによ
り発生する波打ち状の変形が及ぶ全ての部分が液中に浸
漬しているので、像保持体の該液付与手段を脱する部分
に上記境界でのストレスを原因とする波打ち状の変形が
及ぶことを防止できる。よって液付与手段に対して搬送
方向下流で、上記ストレスの及ぶ部分に生じる波打ち状
の変形がそのまま固定されることによるしわ発生を軽減
できるという効果がある。
【0060】請求項8の発明によれば、液付与手段にお
いて像保持体の吸液による搬送方向と直交する伸びが十
分に進行し、終了するまで液に浸漬するので、搬送方向
下流の搬送において、像保持体の該伸びによる波打ち状
の変形が発生することを回避できる。よって液付与手段
に対して搬送方向下流で、像保持体の吸液による搬送方
向と直交する方向への伸びが持続し波打ち状の変形とな
ることによって生じるしわ発生を軽減できるという効果
がある。
【0061】請求項9の発明によれば、液付与手段の搬
送を像保持体を下支えしながら搬送する搬送装置で構成
したので、像保持体の伸びが挾持搬送に比して自由にな
り、像保持体に液付与手段内で波打ち状の変形が発生す
るのを軽減できるという効果がある。
【0062】請求項10の発明によれば、液付与手段の
液容器内に像保持体の搬送方向に向けて液流をおこすの
で、像保持体の、スム−スな搬送に役立ち、液中の折れ
や腰くだけを防止し、補助的な搬送力を与えることがで
きると共に、積極的に像保持体の波打ち状の変形を解消
できるという効果がある。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図2】同トナー除去装置のブラシ部材の変形例の説明
図。
【図3】(a)〜(c)は同ブラシ部材の他の変形例の
説明図。
【図4】同ブラシ部材の更に他の変形例の説明図。
【図5】同トナー除去装置の搬送ユニット30の変形例
の説明図。
【図6】(a)、(b)及び(c)は本発明の解決すべ
き課題の説明図。
【図7】(a)は、実施例に係るトナー除去装置の平面
図。(b)は、同トナ−除去装置の概略構成図。
【符号の説明】
10 転写紙 20 液供給ユニット 30 搬送ユニット 31 支持ローラ 32 支持ローラ 33 ベルト 40 ブラシ部材 50 トナー剥離ユニット 60 液内搬送ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 徹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像形成物質が安定に付着した吸液により伸
    びが生じる材質からなる像保持体に、液体を付与する液
    付与手段と、該液付与手段によって液体が付与された像
    保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有する像保持体
    からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段によって液体が付与された像保持体を該挾
    持搬送手段に向けて搬送する搬送手段を、液体の浸透に
    よる少なくとも搬送方向に直交する方向の像保持体の伸
    びが、挾持搬送に比して自由になるように構成したこと
    を特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  2. 【請求項2】像形成物質が安定に付着した吸液により伸
    びが生じる材質からなる像保持体に、像形成物質と像保
    持体との付着を不安定にする不安定化液を付与する不安
    定化液付与手段と、像形成物質に対して像保持体より大
    きな付着力を発揮する剥離部材に像保持体上の像形成物
    質を接着させた後に該剥離部材と像保持体とを離間させ
    る像形成物質剥離手段と、該不安定化液付与手段によっ
    て不安定化液が付与された像保持体を該像形成物質剥離
    手段に向けて搬送する搬送手段とを設け、 該搬送手段を、不安定化液の浸透による少なくとも搬送
    方向に直交する方向の像保持体の伸びが、挾持搬送に比
    して自由になるように構成したことを特徴とする像保持
    体からの像形成物質除去装置。
  3. 【請求項3】上記搬送手段を、像保持体を下方のみから
    支えながら搬送する搬送装置で構成したことを特徴とす
    る請求項2の像保持体からの像形成物質除去装置。
  4. 【請求項4】上記搬送装置で搬送されている像保持体
    に、搬送方向と直交する方向の力を加えて搬送方向に直
    交する方向における波打ち状の変形を矯正する波打ち矯
    正手段を設けたことを特徴とする請求項3の像保持体か
    らの像形成物質除去装置。
  5. 【請求項5】上記波打ち矯正手段を、像保持体に上記搬
    送方向と直交する方向の摺擦力を与える摺擦装置で構成
    したことを特徴とする請求項4の像保持体からの像形成
    物質除去装置。
  6. 【請求項6】上記搬送装置及び上記波打ち矯正手段を、
    少なくも一対の隣合うベルト同士の間隔が搬送方向下流
    側ほど拡がるように複数のベルトを無端移動させて像保
    持体を搬送するベルト搬送装置で構成したことを特徴と
    する請求項4の像保持体からの像形成物質除去装置。 【0001】
  7. 【請求項7】像形成物質が安定に付着した吸液により伸
    びが生じる材質からなる像保持体に、液体を付与する液
    付与手段と、該液付与手段によって液体が付与された像
    保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有する像保持体
    からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿って
    通過するように構成し、かつ、該経路の長さが、液中に
    進入し吸液により伸びようとする像保持体の部分と、進
    入直前の像保持体の部分との境界でのストレスにより発
    生する波打ち状の変形が及ぶ像保持体の全てが液中に漬
    かる程度に長くなるように構成したことを特徴とする像
    保持体からの像形成物質除去装置。
  8. 【請求項8】像形成物質が安定に付着した吸液により伸
    びが生じる材質からなる像保持体に、液体を付与する液
    付与手段と、該液付与手段によって液体が付与された像
    保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有する像保持体
    からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿って
    通過するように構成し、かつ、像保持体各部の液中通過
    時間が、その搬送方向に直交する方向での吸液による像
    保持体の伸びがほぼ終了する程度に長くなるように構成
    したことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装
    置。
  9. 【請求項9】像形成物質が安定に付着した吸液により伸
    びが生じる材質からなる像保持体に、液体を付与する液
    付与手段と、該液付与手段によって液体が付与された像
    保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有する像保持体
    からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段を、像保持体が液中を所定の経路に沿って
    通過するように構成し、かつ、液中での像保持体の搬送
    手段を、上記伸びが、挾持搬送に比して自由になるよう
    に構成したことを特徴とする像保持体からの像形成物質
    除去装置。
  10. 【請求項10】像形成物質が安定に付着した吸液により
    伸びが生じる材質からなる像保持体に、液体を付与する
    液付与手段と、該液付与手段によって液体が付与された
    像保持体を挾持搬送する挾持搬送手段とを有する像保持
    体からの像形成物質除去装置において、 該液付与手段を、像保持体が液容器内の液中を所定の経
    路に沿って通過するように構成し、かつ、該液容器内で
    像保持体搬送方向に液流を起こすように構成したことを
    特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
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JP2011002573A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Ricoh Co Ltd 画像除去装置及び画像形成除去システム
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