JP3463706B2 - 像保持体からの像形成物質除去装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去装置

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JP3463706B2
JP3463706B2 JP28442494A JP28442494A JP3463706B2 JP 3463706 B2 JP3463706 B2 JP 3463706B2 JP 28442494 A JP28442494 A JP 28442494A JP 28442494 A JP28442494 A JP 28442494A JP 3463706 B2 JP3463706 B2 JP 3463706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって像形
成物質を安定に付着させた像保持体から、該像形成物質
を取り除く像保持体からの像形成物質除去装置に係り、
詳しくは、表面に像形成物質が付着した少なくとも表面
部が吸液性を有する像保持体に、該表面と像形成物質と
の付着を不安定にする不安定化液を付与し、かつ所定の
剥離体を用いて像保持体から像形成物質を除去する方法
及びその装置における、像保持体の吸液による波打ち変
形の防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、記録済み像保持体としての用紙か
らトナーなどの像形成物質を除去する例えば像形成物質
除去方法及びその装置としては種々のものが知られてい
る。例えば溶剤を使用するものとして、特開平1−10
1576号公報には、トナーが付着された用紙をトナー
樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加し、
溶剤に溶解したトナーを紙面より遊離させる像形成物質
除去方法が開示されている。また、特開平4−3003
95号公報には、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧あ
るいは塗布等による方法で付着させてトナーを溶解し、
溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械
剥離あるいは静電気吸着等による方法で除去する像形成
物質除去方法が開示されている。
【0003】一方、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平2−55195号公報には、支持体上に離型剤
を塗布した印刷体に電子写真方式あるいは熱転写方式で
載せた熱溶融性インキあるいはトナーを、該印刷体にイ
ンキ剥離部材を重ね加熱ローラと圧力ローラの間を通
し、冷えてからインキ剥離部材を剥がすことにより、該
インキ剥離部材の方に付着させて除去する像形成物質除
去方法が開示されている。また特開平4−64472号
公報には、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエ
ンドレスシートと、これを支えて回転させる熱ローラ及
び冷却ローラと、表面に離型処理をした紙(イレーザブ
ルペーパ)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂に押し
つける押圧ローラと、これらを連動して動かせる駆動部
からなるイレーザが開示されている。また特開平4−8
2983号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に
紙を通過させる2本の並行に設けられたローラと、該2
本のローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、該
圧接箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具
と、前記ローラに付着した像形成物質を前記ローラから
除去する剥離装置とを備えた像形成物質除去装置が開示
されている。
【0004】ところで、上記溶剤を使用しない方法や装
置は、表面に紙繊維が露出している通常の紙に画像を記
録した記録済み像保持体から像形成物質を除去するのに
使用すると、例えば電子写真方式の定着工程で熱溶融性
樹脂を主成分とする像形成物質を像保持体に融着させる
などして、像形成物質が像保持体表面の繊維に強固に固
着されているので、像形成物質除去の際に像形成物質と
共に表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷してしまう。
特に像形成物質の除去性を高めるために、上記インキ剥
離部材、エンドレスシートあるいはローラさせた上に熱
や圧力を加える場合、種々の条件によっては、逆に像形
成物質と像保持体との間の定着性を高めてしまって除去
を困難にすることもあった。
【0005】そこで、先に本出願人は、記録済み像保持
体に、不安定化剤としての水、界面活性剤を含む水溶
液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水
溶性ポリマーとを含む水溶液よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させるととも
に、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加
熱接着もしくは加圧接着して像保持体から剥離する像形
成物質除去方法を提案した(例えば、特願平4−255
916号参照)。これによれば、像保持体の紙質を比較
的損傷することなく、像形成物質のみを除去することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特願平
4−255916号で提案した像保持体からの像形成物
質の除去方法においては、像形成物質が除去された像保
持体に波打ち状の変形が生じたり、しわが発生したりす
る不具合が生じるのを確認した。その原因について鋭意
研究を行ったところ、この波打ち状の変形やしわは、所
定の液を吸液した像保持体が波打ち状の変形を起すこと
に起因していることが判明した。例えば図6(a)の例
において、像保持体としての転写紙10は、上下方向の
紙移動を規制する規制ローラ34と、液容器32内の界
面活性剤の水溶液中に部分的に没して回転する塗布ロー
ラ33との間を通過するときに、該塗布ローラ33によ
って液が供給されている。この供給された液を吸液した
紙部分(図中符号Aで示す部分)には、波打ち状の変形
が生じている。このような吸液による波打ち状の変形が
最終的に残ってしまったり、該変形を生じた状態で、像
保持体搬送用の搬送ローラ対などを通過するときに、該
変形がしわになったりすることがわかった。なお、同図
中符号Bで示す矢印は、転写紙紙10の抄紙方向を示す
ものである。
【0007】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、表面に像形成物質が
付着した少なくとも表面部が吸液性を有する像保持体
に、該表面と像形成物質との付着を不安定にする不安定
化液を付与し、かつ所定の剥離部材を用いて像保持体か
ら像形成物質を除去することにより、良好に像形成物質
を像保持体から除去し得るとともに、像形成物質除去後
の像保持体に波打ち状の変形やしわの発生を軽減でき
る、像保持体からの像形成物質除去装置を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像保持体からの像形成物質除去
装置において、表面に像形成物質が付着した少なくとも
表面部が吸液性を有する像保持体に、該表面と像形成物
質との付着を不安定にする不安定化液を、複数回に分け
て所定量付与する不安定化液付与手段と、該表面上の像
形成物質に、像形成物質に対して該表面よりも大きい付
着力を有する剥離体を接触させた後に、該表面と該剥離
体とを離間させる像形成物質剥離手段とを有することを
特徴とするものである。ここで、使用する不安定化液と
しては、像形成物質の溶解による像保持体の汚れなどが
発生しないように、像形成物質が溶解しないものを用い
ることが望ましい。例えば、一般の電子写真用トナーは
疎水性であるので、該トナーを除去するには、不安定化
液としては水、界面活性剤の水溶液、界面活性剤及び水
溶性ポリマーを含む水溶液などを用いることがて望まし
い。請求項2の発明は、請求項1の像保持体からの像形
成物質除去装置において、上記不安定化液付与手段を、
表面に上記不安定化液からなる液膜を形成して像保持体
に付与する塗布ローラと、像保持体を挟んで該塗布ロー
ラと対向し該保持体の厚み方向の動きを規制する規制ロ
ーラとを、複数組設けて構成したことを特徴とするもの
である。請求項3の発明は、請求項1の像保持体からの
像形成物質除去装置において、上記不安定化液付与手段
を、上記不安定化液をミスト化して像保持体に付与する
超音波振動体を用いて構成したことを特徴とするもので
ある。請求項4の発明は、請求項3の像保持体からの像
形成物質除去装置において、上記超音波振動体によるミ
ストが発生している箇所に対して像保持体を相対的に移
動させる像保持体移動手段と、像保持体の該箇所への接
近時に上記超音波振動体の振動を開始させる超音波振動
制御手段とを設けたことを特徴とするものである。請求
項5の発明は、請求項1の像保持体からの像形成物質除
去装置において、上記不安定化液付与手段を、像保持体
の表裏両面側から、不安定化液を付与する ように構成し
たことを特徴とするものである。請求項6の発明は、請
求項1の像保持体からの像形成物質除去装置において、
上記不安定化液付与手段による1回の不安定化液付与量
を、上記像保持体に波打ち状の変形が生じない程度の量
としたことを特徴とするものである。請求項7の発明
は、請求項1の像保持体からの像形成物質除去装置にお
いて、上記不安定化液として少なくとも界面活性剤を含
む水溶液を用い、上記不安定化液付与手段によって付与
される不安定化液の界面活性剤濃度を各不安定化液付与
時で異ならせたことを特徴とするものである。請求項8
の発明は、請求項2の像保持体からの像形成物質除去装
置において、上記塗布ローラと上記規制ローラとを、所
定の間隔を置いて対向するように配設し、かつ両ローラ
の表面を、上記不安定化液に対して親和性を有する材料
で構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】本発明においては、表面に像形成物質が付着し
た少なくとも表面部が吸液性を有する像保持体に、不安
定化液を付与して該表面と像形成物質との付着を不安定
にし、かつ、該表面上の像形成物質に所定の剥離体を接
触させて該像形成物質を該剥離体表面に付着さた後
に、像形成物質を該剥離体に付着させたまま該剥離体と
像保持体表面とを離間させて、該表面から像形成物質を
剥離して除去する。
【0019】ここで、この不安定化液の付与により少な
くとも表面部が吸液性を有する像保持体には波打ち状の
変形が生じる。そして、本発明者の研究によれば、図6
(b)に示すように、転写紙10の抄紙方向Bと同一の
方向をX方向として、これに対してそれぞれ直角の方向
をY方向、Z方向(厚み方向)とすると、紙の吸液によ
る伸びは、X方向で1.5%、Y方向で3%、Z方向で
50%程度である。この吸液による伸びが生じる際に、
図7に示すような吸液により伸びようとする部分10b
と、吸液していない部分(以下、未吸液部という)10
cとが同一の転写紙内に存在すると、両部分の境界部1
0dに波打ち状の変形が生じることが判った。これは、
吸液により伸びようとする部分10bの伸びを、未吸液
部10cが妨げることにより生じているものと考えられ
る。また、紙の吸液による伸びは吸液量にほぼ比例し、
吸液量が少なければ吸液による伸び量も少なく未吸液部
10cとの伸びの差が小さくて上記波打ち状の変形も抑
えられることが判った。
【0020】そこで、本発明においては、像形成物質の
良好な除去のために必要な像保持体の吸液量を応じた量
(少なくともこの吸液量以上の量)の不安定化液を、複
数回に分けて像保持体に付与し、これにより、一度に必
要量の不安定化液を付与した際の波打ち状の変形に比し
て小さい波打ち状の変形に抑える。
【0021】
【実施例】以下、本発明を転写型の電子写真複写機によ
って画像が形成された像保持体としての転写紙から、像
形成物質としての疎水性でかつ熱可撓性の電子写真用ト
ナー(以下、トナーという)を取り除く像保持体からの
像形成物質除去装置(以下、トナー除去装置という)に
適用した実施例について説明する。
【0022】まず、本発明を適用できるトナー除去装置
の一例の概略について説明する。図1において、このト
ナー除去装置は、積載状態で収容しているトナー像が形
成された転写紙10を一枚づつ分離給送する給紙ユニッ
ト20と、給紙ユニット20から送られてきた転写紙1
0に液を供給する液供給ユニット30と、液が供給され
た転写紙10からトナーを剥離する剥離手段としてのト
ナー剥離ユニット40と、トナーが除去された転写紙1
0を乾燥させる乾燥ユニット60と、乾燥ユニット60
から排出される転写紙10を受ける紙受けユニット70
とを備えている。
【0023】上記給紙ユニット20は、トナー像が形成
された面(以下、トナー像面という)を下に向けて給紙
台21上に積載された転写紙10を最下部のものから給
紙ローラ22で給紙し、分離ローラ対23で重送紙を分
離して一枚の転写紙10のみを給紙搬送ローラ対24で
送り出すものである。その具体的な構成及び動作は電子
写真複写機における給紙機構と同様であるので、詳細な
説明は省略する。
【0024】上記液供給ユニット30は、水又は転写紙
10への浸透性を向上させるために界面活性剤を含んだ
水溶液などの液31を転写紙10に供給するものであ
る。図示の例では、液を収容する液容器32と、この液
容器32中の液中に部分的に没するように設けられ回転
によって液を汲み上げて転写紙10のトナー像面に供給
する塗布ローラ33と、紙搬送経路を挟んでこの塗布ロ
ーラ33に対向するように設けられた紙規制部材として
の規制ローラ34とを備えている。この塗布ローラ33
としては、保液性を有する材質、例えば、親水性多孔質
材質、スポンジなどからなるローラや、ゴムなどの弾性
体又は金属などの剛体からなるローラなどを用いること
ができる。
【0025】また、この液供給ユニット30には、給紙
ユニット20から送られてくる転写紙10を塗布ローラ
33と規制ローラ34との対向部(以下、液供給部とい
う)に案内する第1紙ガイド機構35と、液供給部を通
過した転写紙10をトナー剥離ユニット40側に案内す
る第2紙ガイド機構36とを備えている。
【0026】なお、図示の例のように塗布ローラ33を
1本のみ用いた液付与では、一度に必要量の液を転写紙
10に付与する必要が有るので、前述のような波打ち状
の変形が生じてしまう恐れがある。このような波打ち状
の変形を軽減するために、本発明の実施例においては、
必要量の液を複数回に分けて転写紙10に付与するよう
にする。このための液供給ユニット30の具体例につい
ては後に詳述する。
【0027】上記トナー剥離ユニット40は、複数のベ
ルト支持ローラ(以下、支持ローラという)41,4
2,43に掛け回された剥離ベルトとしてのトナーオフ
セット用ベルト(以下、オフセットベルトという)44
と、オフセットベルト44を挟んで互いに圧接し合うよ
うに設けられた加熱ランプ45a,46a内蔵の上下加
熱ローラ45,46と、オフセットベルト44表面から
トナーを除去するベルトクリーニング装置47とを備え
ている。このオフセットベルト44の少なくとも表面
は、軟化したトナーに対して、転写紙10の表面と該ト
ナーとの付着力より大きい付着力を有する材料で形成さ
れている。例えばベルト自体がアルミ系、銅系、ニッケ
ル系など金属材料、又は酸化チタンを分散させたポリエ
チレンテレフタレート(PET)などの高分子系材料で
形成されている。
【0028】このオフセットベルト44を支持する支持
ローラのうち、上下加熱ローラ45,46の加圧部を通
過した後のベルト部分が巻き付く支持ローラ(以下、分
離ローラという)43の回りで、ベルトの移動方向を急
激に変化させて、オフセットベルト44からの転写紙1
0の曲率分離を行わせるになっている。またこのベルト
の移動方向の変化を大きくするため、この分離ローラ4
3とベルトクリーニングユニットに対向する支持ローラ
41との間のベルト部分を内側に押し込む案内ローラ4
8が設けられている。またこの支持ローラ42とベルト
クリーニングユニット対向の支持ローラ41との間のベ
ルト部分を内側に押し込むテンションローラ49も設け
られている。
【0029】また、上記上下加熱ローラ45,46は、
転写紙10のトナー像面をオフセットベルト44に密着
させるとともに転写紙10に固着しているトナーを加熱
して軟化させるものである。
【0030】また、上記ベルトクリーニング装置47
は、オフセットベルト44周面に断続的な引っ掻き力を
及ぼして付着トナーを除去する回転ブラシローラ50
と、この回転ブラシローラ50よりもベルト移動方向下
流側で、ベルト周面に接触し摩擦力によるスクラブで付
着トナーを除去するパッド51とを備え、これらにより
ベルト周面から除去されたトナーをユニットケーシング
52内に収容するようになっている。
【0031】また、このトナー剥離ユニット40には、
液供給ユニット30側から送られてくる転写紙10を、
加圧部に進入させるための挾持搬送手段としての中継搬
送ローラ対53が設けられている。また、加圧部を通過
し、かつ分離ローラ部でオフセットベルト44から曲率
分離された転写紙10を乾燥ユニット60側に案内する
ための上下ガイド部材54も設けられている。
【0032】上記乾燥ユニット60は、例えば転写紙1
0の液保持量が紙重量の10%以下になるように転写紙
10を乾燥させるものであり、加熱ランプ61a内蔵の
例えばアルミからなる加熱ドラム61と、複数の支持ロ
ーラ62に掛け渡され、該加熱ドラム61の周面に一定
角度巻きついた状態で無端移動する紙押圧用ベルト63
とから構成されている。図示の例では一つの支持ローラ
62がテンションローラを兼ねている。上記紙押圧用ベ
ルト63の材質としては、耐熱性や通気性を備えた材
質、例えばキャンバス地、木綿地、テトロン地などの布
を用いることができる。
【0033】また、この乾燥ユニット60には、加熱ド
ラムと紙押圧用ベルトとの挾持領域を抜け出した転写紙
10をガイドする上下ガイド部材64と、これによりガ
イドされてきた転写紙10を紙受けユニット70の紙受
け面上に排紙するための排紙ローラ対65が設けられて
いる。
【0034】以上の構成において、給紙ユニット20か
ら送られた転写紙10は、液供給ユニット30でそのト
ナー像面に液が均一に供給され、トナー剥離ユニット4
0に送られる。このトナー剥離ユニット40で、転写紙
10に固着しているトナーが加熱ローラ45,46から
の加熱で軟化し、オフセットベルト44表面に付着す
る。そして分離ローラ43の回りで転写紙10とオフセ
ットベルト44から分離する際に、オフセットベルト4
4表面に付着したトナーが転写紙10から剥離し、これ
により、転写紙10からトナーが除去される。トナーが
除去された転写紙10は乾燥ユニット61で乾燥され、
紙受けユニット70に排出される。
【0035】以上の構成によれば、トナーが付着した転
写紙10に液を供給して転写紙10のトナーとの界面部
に液を浸透させた状態でトナーを剥離させるので、紙繊
維を傷めることなく、トナーを除去できる。
【0036】次に、図2(a)乃至(c)を用いて、転
写紙10への波打ち状の変形を軽減できる本発明の実施
例に係る液供給ユニットの構成例について説明する。図
2(a)において、この液供給ユニット30は、塗布ロ
ーラ33、規制ローラ34及び液収容の液容器32から
なる塗布装置を、転写紙搬送路上に並べて例えば3つ設
けて構成されている。この3つの塗布装置を通過したと
きの転写紙10が必要な量の液を吸液された状態になっ
ていれば良いので、各塗布装置における転写紙10への
液塗布量を、例えば図1の供給ユニット30の塗布ロー
ラ33の液塗布量よりも少なくできる。具体的には、例
えば図3に示すように、塗布ローラ33の単位時間あた
りの回転数と、これにより塗布されて転写紙10に吸液
される現像液量との間には、ほぼ比例した関係があるの
で、本例における各塗布装置の塗布ローラ33の同回転
数を、図1の供給ユニット30の塗布ローラ33よりも
小さくする。なお、図の例ではトナー剥離ユニット4
を、上記オフセットベルト44と同様の表面特性を有す
る剥離ローラ56を用いて構成している。
【0037】図2(b)において、この液供給ユニット
30は、例えば3組の搬送ローラ対37,37,37
と、隣合う搬送ローラ対間の転写紙搬送路部分の上下に
設けられた紙ガイド板38と、この上下紙ガイド板38
のうち例えば下紙ガイド板38に形成された孔を介して
上下ガイド板38及び2組の搬送ローラ対37,37に
よってほぼ気密に囲まれた空間内に連通する2つの液収
容部38aと、該液収容部38a内に収容されている液
をミスト化するミスト発生器としての超音波振動体39
とから構成されている。この例では超音波振動体39の
振動設定によって、所望量のミストを発生させることが
できる。そして、上記下ガイド板38に形成された孔を
介して搬送中の転写紙10に所望のミスト化された液を
付与することができる。図示の例では2段階に分けて所
望量の液を付与する。
【0038】図2(c)は上記図2(b)のミスト化し
た液付与の変形例である。この例では上下ガイド板3
8,38の両方に液及び超音波振動体39を収容した液
収容部38a,38bに連通する孔を形成し、搬送中の
転写紙10の上下両面側からミスト化した液を付与す
る。この例によれば、転写紙10の両面側から液を付与
するので、一方側からのみ液を付与する場合に比して、
転写紙10表裏での伸びの差によるカールを軽減でき
る。 (以下、余白)
【0039】なお、図2(b)や図2(c)の例のよう
にミスト発生器を用いた場合、ミスト発生器を常時駆動
状態にしておくと、無駄な液の消費につながるので、真
にミスト発生が必要な時期のみミスト発生器を駆動する
ことが望ましい。このためには、例えば、ミスト発生器
の駆動開始は、図2(c)に示すようにミスト発生領域
よりも転写紙搬送方向の上流側に設けた紙センサ10a
で転写紙10の先端を検知してから行い、また、該駆動
の停止は、同図中に示すようにミスト発生領域よりも転
写紙反双方向の下流側に設けられた紙センサ10bで紙
後端の通過を検知した時点で行うようにする。これとは
異なり、ミスト発生器の駆動開始については図1の給紙
ユニット20による給紙開始から、転写紙先端が上記紙
センサ10a相当の位置に達するまでの所要時間を予め
記憶しておき、タイマーを用いて給紙からの時間経過を
計って該所要時間経過時点に駆動を開始するようにして
も良い。同様にミスト発生器の駆動停止についても同様
のタイマーを用いても良い。但しこの場合には、公知の
サイズ検知方法により転写紙10のサイズを検知し、そ
の情報を併用する。なお以上のようなミスト発生器の駆
動開始・停止制御を、図2(a)の塗布ローラ32の回
転開始・停止制御に適用しても良い。
【0040】また、図4に示すように、塗布ローラ3
3、規制ローラ34及び液容器32からなる塗布装置が
n個あるような構成の場合、例えば転写紙10の先端部
が各塗布装置の塗布ローラ33と規制ローラ34との対
向部に到達した時点で該各塗布装置の塗布ローラ33を
開始させ、各塗布装置では転写紙10に波打ち状の変形
が生じない程度の一定量の液を転写紙10に塗布するよ
うにし、全ての塗布装置を通過した転写紙10に所定量
の液を含有させるようにしても良い。
【0041】ところで、本発明者らの実験によれば、一
度に転写紙10に塗布する液量と転写紙10の波打ちの
高さとには、図5に示すように一度に転写紙10に付与
する液量が多いほど転写紙10の波打ちの高さは大きく
なるという関係があることが判明した。なお、この実験
においては、転写紙10としてA4判転写紙を用いた。
また、転写紙10の波打ちは5ヶあった。
【0042】そこで、上記図2あるいは図4のように複
数の塗布装置を設け、転写紙10からのトナー除去プロ
セス上必要な量の液を、複数回に分けて転写紙10に付
与し、一度に転写紙10に付与する液量を抑えることに
よって、一度に付与する場合に比して、転写紙10の波
打ち状の変形やしわを軽減することが可能となる。
【0043】しかしながら、本発明者らの実験によれ
ば、上記液として少なくとも界面活性剤を含む水溶液を
用いた場合には、界面活性剤濃度が高い水溶液ほど界面
活性剤の作用により転写紙10に吸収されやすいため、
単に一度に転写紙10に付与する液量を減らしただけで
は転写紙10の波打ちを有効に抑えられない場合がある
ことが判明した。すなわち、最初の塗布装置で界面活性
剤濃度が高い水溶液を転写紙10に塗布すると、液は短
時間で転写紙10に吸収され、この転写紙の液を吸収し
た部分は急激に伸びようとするため、未吸液部との境界
部に波打ち状の変形が生じてしまうことが判明した。
【0044】したがって、上記液として少なくとも界面
活性剤を含む水溶液を用いた場合の上記境界部の波打ち
状の変形を抑えるためには、一度に塗布する液量を抑え
るとともに、液が転写紙10に吸収されるスピードを遅
くして、この転写紙の液を吸収した部分の急激な伸びを
抑える必要がある。
【0045】そこで、本実施例において上記液として少
なくとも界面活性剤を含む水溶液を用いた場合には、上
記図2あるいは図4のように複数回に分けて液を塗布す
るとともに、一番最初には界面活性剤濃度の比較的低い
液を塗布し、徐々に界面活性剤濃度の高い液を塗布する
ようにする。こうすることによって、転写紙10には一
番最初に界面活性剤濃度の低い液が塗布されるため、液
は転写紙10に短時間で吸収されることがなく、この転
写紙の液を吸収した部分の急激な伸びを防止でき、未吸
液部との境界部に波打ち状の変形が生じてしまうことを
防止できる。
【0046】ここで、本発明者らの実験によれば、所定
量の液を吸収して伸びきってしまった転写紙10は、そ
の後どのような界面活性剤濃度の液が塗布されようと
も、あるいはどのような量の液が塗布されようとも、そ
れ以上は伸びず、波打ち状の変形を生じさせることもほ
とんどないということが見出された。
【0047】そこで、本実施例においては、未だ伸びき
っていない転写紙10に液を塗布する際には徐々に界面
活性剤濃度の高い液を塗布するようにし、伸びきってし
まった後の転写紙10に液を塗布する際には所定の界面
活性剤濃度の液を塗布するようにしてもよい。なお、上
記のような液塗布方法を採用した場合であって、転写紙
10の液吸収時間を考慮しなくても良い場合には、伸び
きってしまった後の転写紙10に対して必ずしも高界面
活性剤濃度の液を塗布する必要はなく、低界面活性剤濃
度の液を塗布するようにしてもよい。また、伸びきって
しまった後の転写紙10に対しては一度に比較的多量の
液を塗布するようにしてもよい。
【0048】なお、本発明者らによる実験において、ト
ナー除去プロセス上必要な液量が例えば4gのA4判転
写紙10に、界面活性剤濃度が1wt%の水溶液を一度
に4g付与したところ、トナー除去処理終了後の転写紙
10にはしわが生じていた。そこで、上記界面活性剤濃
度が高いことによる転写紙10の急激な伸びを防止する
ために界面活性剤濃度を0.2wt%とし、また、一度
に付与される液量が多いことによる転写紙10の波打ち
状の変形を防止し、かつトナー除去プロセス上必要な液
量を満たすために、4gの液を二回に分けて塗布(すな
わち2gの液塗布を2回行う)したところ、トナー除去
処理終了後の転写紙10にしわが生じるのを防止でき
た。
【0049】以上の各構成例によれば、転写紙10から
のトナー除去プロセス上必要な量の液を、複数回に分け
て転写紙10に付与するので、1度に付与する場合に比
して、転写紙10の波打ち状の変形やしわを軽減でき
る。
【0050】なお、上記実施例は、本発明を通常の転写
紙10から像形成物質であるトナーを除去するトナー除
去装置に適用したものであるが、本発明はこれに限られ
ず、例えばプラスチック層等のベースシートの表面層が
紙等の吸液性及び弾性を有する材料層である積層物等か
らなる像保持体からの像形成物質の除去装置にも適用で
きる。
【0051】次に、図1のトナー除去装置の液供給ユニ
ットとして、図2(a)に示すような塗布ローラ33と
規制ローラ34とからなるローラ対を2段に設けた液供
給ユニットを採用した実施例について説明する。図8は
液容器32中にそれぞれ部分的に没するように設けられ
た2本の塗布ローラ33と各塗布ローラ33,33の頂
部にそれぞれ対抗するようにように設けられた規制ロー
ラ34とからなる2段塗布の塗布装置を用い、各塗布ロ
ーラ33,33による塗布量を変化させながら、繊維方
向に搬送して液を液塗布した場合の転写紙10の波打ち
状の変形の程度(波打ち度)を調べた結果を示すもので
ある。具体的には、1段目の塗布ローラで約1g(A4
サイズ当たりの給液量。以下同様)の液を供給した(点
A)後に、2段目の塗布ローラで約3.5gの液を供給
し(点B)、合計の給液量を約4.5gにした場合と、
1段目の塗布ローラで約3.5gの液を供給した(点
C)後に、2段目の塗布ローラで約1.0gの液を供給
し(点D)、合計の給液量を約4.5gにした場合とを
調べた結果を示している。そして、比較のため、1段目
の塗布ローラのみで約4.5gの液を供給した(点E)
場合を調べた結果も示している。
【0052】この図8からも、前述のように、同じ約
4.5gの液が転写紙に給液された状態にするのに、一
度の液塗布で約4.5gの液を給液する場合(点E)よ
りも複数回(この例では2回)に分けて給液した場合
(点Bあるいは点D)の方が、転写紙の波打ち状の変形
を抑え得ることが判る。また、複数回、例えば2回に分
けて塗布する場合にも、最終給液量を、1段目ローラ対
での塗布量と、2段目ローラ対での塗布量とに振り分け
る具体的な振り分け方によって2段目ローラ対での塗布
後の転写紙の波打ち状の変形量が異なることが判る。
【0053】そして、本発明者らの研究によれば、前述
のように塗布ローラを用いて2回に分けて所定量の液を
給液する場合、1回目の塗布量の設定が少なすぎると、
転写紙を、その繊維方向に直交する向きに搬送した(以
下、Y目搬送という)場合に、該転写紙にカールが生
じ、このカールが生じた状態では2段目のローラ対間へ
の進入不良などで転写紙の良好な搬送が困難になること
が判明した。従って、転写紙搬送性の観点からY目搬送
の場合のカール防止のためには、1回目の塗布量をでき
るだけ少なくすることが望ましい。しかしながこの要請
は、前述のように転写紙をその繊維方向に搬送した(以
下、T目搬送という)場合に給液で生じる転写紙の波打
ち状の変形を抑えるために1回目の塗布量をできるだけ
少なく設定したいという要請と背反するものである。例
えば図−4は、1段目ローラ対における塗布ローラの回
転速度を変化させることにより1段目ローラ対での給液
量を変化させながら、1段目ローラ対通過直後の、給液
量、カールの有無、及び、波打ち状の変形量(波打ち
度)の関係を調べた結果を示すもである。
【0054】ここで、本発明者の研究によれば、1段目
のローラ対による給液で生じた転写紙の波打ち状の変形
は、1段目のローラ通過後や2段目のローラ対による給
液後、時間経過とともに多少緩和されることも判明し
た。よって、1段目のローラ対においては、転写紙の波
打ち状の変形を防止するよりも、搬送不良の原因になる
上記カール防止を優先して、給液量を設定することが望
ましい。例えば、図9の例では、転写紙のカールをほと
んど防止し、波打ち状の変形もできるだけ小さくするた
め、1段目のローラ対での給液量は、約2.0gに設定
することが望ましい。一般的には、例えばA4サイズ当
り1.9〜2.2g程度の液を供給であるようにするこ
とが望ましい。
【0055】また、本発明者の研究によれば、上記塗布
ローラと上記規制ローラとの間隔(以下、ローラギャッ
プという)は、搬送手段により搬送される転写紙に対し
て拘束力を及ぼさない程度の間隔に設定することが望ま
しいことも判明した。このようなローラギャップの設定
によれば、転写紙をその繊維方向に搬送した場合(以
下、T目搬送という)、1段目のローラ対による給液で
生じる該転写紙の波打ち状の変形を抑えることができ
る。これは、紙繊維に直行する方向での吸液による伸び
を妨げにくいためと考えられる。また、2段目のローラ
対でのしわも抑えることができる。これは、2段目のロ
ーラ対が転写紙を厚み方向に挾持する場合と異なり、1
段目のローラ対による給液で生じた波打ち状の変形を、
2段目のローラ対で固定することがないためと考えられ
る。なお、このような転写紙の波打ち状の変形軽減や、
該変形の固定化によるしわ軽減のためには、上記ローラ
ギャップが大きいほど望ましいことになるが、該ローラ
ギャップdが過大になると、例えば図10(a)に示す
ように良好な液塗布が可能なローラギャップdの場合と
異なり、例えば図10(b)に示すように塗布ローラ上
での液膜切れが部分適に発生して液塗布が不均一になる
ので、この観点からローラギャップdの上限が存在す
る。
【0056】そして、2段目のローラ対については、ロ
ーラギャップが紙厚の1.5倍〜3.0倍の範囲内にな
るよう設定することが望ましい。該ギャップが紙厚の
1.5倍よりも小さいと、1段目のローラ対による給液
で生じた波打ち状の変形を、2段目のローラ対で固定す
る傾向が強くなり、また該ギャップが紙厚の3.0倍よ
りも大きいと、必要な給液量が得にくためである。
【0057】そして、1段目のローラ対と2段目のロー
ラ対との間隔は、例えば、図11に示すように、1段目
のローラ対による給液で生じた波打ち状の変形の高さh
が、2段目のローラ対に置けるローラギャップd以下に
なってから、2段目のローラ対に進入するように設定す
ることが望ましい。ここで、転写紙各部の波打ち状の変
形高さは時間経過に伴って小さくなるので、上記間隔は
搬送速度との関係で定める。これによれば、1段目のロ
ーラ対による給液で生じた波打ち状の変形高さが2段目
ローラ対のローラギャップよりも大きい状態で該2段目
ローラ対間に進入する場合に比して、該波打ち状の変形
が2段目のローラ対で固定されにくい。よって、その分
転写紙のしわが生じにくい。
【0058】なお、1段目のローラ対と2段目のローラ
対との間隔を、例えば上述のように設定する結果、該間
隔が転写紙の搬送方向の長さとの関係で長くなりすぎる
と、1段目ローラ対による給液で転写紙のカールが生じ
やすいY目搬送の場合のみならず、T目搬送の場合に
も、転写紙の搬送が不安定になる。この場合には、両ロ
ーラ対間に、中継用の搬送補助部材を設ける。そして、
このような中継用の搬送補助部材としては、2段目ロー
ラ対と同様に、ここを通過する転写紙の波打ち状変形高
さ以上のローラギャップを備えたローラ対などを用いる
ことが望ましい。これによれば、搬送の安定化を図れる
とともに、2段目ローラ対と同様に、1段目のローラ対
による給液で生じた波打ち状の変形をそのまま固定させ
る危険性を少なくできる。
【0059】そして、1段目ローラ対や2段目ローラ対
のローラは、その表面が転写紙に供給する液に対する親
和性を有するように形成することが望ましい。例えば、
水あるいは水溶液を処理液として用いる本実施例では、
上記ローラの少なくとも表面を親水性材料で形成する。
好都合な親水性を有する材料としては、多くの無機化合
物、例えば、TiO2、ZnO、SiO2、Al23など
の各種酸化物、CuCO3、BaSO4、などの塩類な
ど、好都合に使用することができる。また、これらの無
機化合物の表面を親水化処理を行うことにより好都合な
材料を得ることができる。また、親水性を有する有機化
合物、特に、親水性を付与された高分子は、特に好都合
な材料である。高分子が親水性を有するためには、分子
鎖に沿って親水性2極性基をもたなければならない。し
かしながら、あまりに該親水性基の極性が多くなると、
水に溶解してしまい多数回使用に耐えられなくなる。従
って、高分子を親水性化する場合、水に溶解しない程度
に、親水性の極性基を付与しなければならない。前記の
如く形成した親水性のポリマ−に対して、架橋剤として
エポキシ基、イソシアネ−ト基などの環能基を一分子中
に2以上有する有機化合物を含有せしめることは、親水
性ポリマ−の接着性、機械的性質、耐久性を向上する上
で望ましい。
【0060】このように液に対して親和性のある表面を
有するローラを用いれば、塗布ローラ33表面が親水性
であることからその表面に均一な液膜を形成できて、転
写紙への給液の均一化、特に、液不塗布部の発生の防止
が図れる。そして、塗布ローラ33ばかりでなく、規制
ローラ34の表面も親水性であることから、上記給液の
均一化や液不塗布部の発生防止を一層有効なものにでき
る。従って、給液の不均一や液不塗布部の発生により生
じる波打ち状の変形、さらには、これがそのまま固定さ
れることによるしわを防止できる。
【0061】そして、液供給ユニットにより転写紙に給
液すべき液量には、前述のトナー剥離ユニット40によ
り転写紙の繊維を傷めることなく良好にトナーを剥離除
去するために必要な最低限の量があるが、本発明者らの
研究によれば、上記液量が過多であると、図1のトナー
剥離ユニット40のように上記加熱ローラ45,46な
どによる加圧部を通過させるもので液だれを生じて次の
ような不具合が発生させることが判った。すなわち、上
記加熱ローラ45,46の温度調整を不安定にしたり、
周辺を汚染したり、オフセットベルト44の温度を部分
的に低下させて部分的なトナー除去不良を起こしたりす
る。これらの不具合は、上下加熱ローラ45,46を高
めに調整することによりある程度解消できるが、これで
は消費電力の増加になってしまうばかりでなく、オフセ
ットベルト44からの転写紙の分離不良を発生させた
り、トナーを良好に除去できる転写紙(原稿)の制約が
多くなったりする。
【0062】そこで、液供給ユニットによる給液量の合
計量は、トナー剥離ユニット40における上記圧接部で
液だれが生じない量に設定することが望ましい。具体的
には、上記圧接部での圧接力の大きさなどにもよるが、
図12は、図1のトナー除去装置において、転写紙間隔
20mmで10枚連続してトナー除去処理を行った場合
の、給液量(A4サイズ当りの給液量)と液だれ開始枚
数との関係を調べた結果を示すものである。この図12
の例では、A4サイズ当りの給液量を約3.5gより少
なくすれば、10枚の連続処理では上記圧接部にまった
く液だれが生じなかった。このことから、A4サイズ当
りの給液量を約3.5gより少なくすれば、10枚以上
の連続処理でも液だれが生じないものと考えられる。従
って、この例では、A4サイズ当りの給液量を約3.5
gより少なく設定すれば、上記不具合の発生を防止でき
る。
【0063】なお、1段目、2段目それぞれのローラ対
ごとに互いに独立にローラギャップを調整できるように
構成することが望ましい。これによれば、紙種、紙厚、
液濃度(界面活性剤の濃度)、搬送速度などに応じて、
工場における組付け時などにローラギャップを微調整す
ることができ、トナー除去装置の汎用性を高めることが
できる。
【0064】
【発明の効果】請求項1乃至の発明によれば、像形成
物質の良好な除去のために必要な像保持体の吸液量を応
じた量の不安定化液を、複数回に分けて像保持体に付与
して、一度に必要量の不安定化液を付与した際の波打ち
状の変形に比して小さい波打ち状の変形に抑えるので、
トナー除去後の像保持体の波打ち状の変形やしわを、一
度に必要量の不安定化液を付与する場合に比して軽減で
きるという効果がある。特に、請求項2の発明によれ
ば、請求項1の像保持体からの像形成物質除去装置にお
いて、上記不安定化液付与手段を、表面に上記不安定化
液からなる液膜を形成して像保持体に付与する塗布ロー
ラと、像保持体を挟んで該塗布ローラと対向し該保持体
の厚み方向の動きを規制する規制ローラとを、複数組設
けて構成したので、該塗布ローラの回数の設定によっ
て、所望の液付与量に設定することができるという効果
がある。また、請求項3の発明によれば、請求項1の像
保持体からの像形成物質除去装置において、上記不安定
化液付与手段を、上記不安定化液をミスト化して像保持
体に付与する超音波振動体を用いて構成したので、微量
の液付与も可能であり、かつ比較的均一な液付与も可能
であるという効果がある。また、請求項4の発明によれ
ば、請求項3の像保持体からの像形成物質除去装置にお
いて、上記超音波振動体によるミストが発生している箇
所への像保持体の接近時に上記超音波振動体の振動を開
始させるので、常時超音波振動体を駆動させておく場合
に比して不安定化液の無駄な消費を軽減できるという効
果がある。また、請求項5の発明によれば、像保持体の
表裏両面側から、不安定化液を付与するので、片面側か
ら付与する場合に比して、像保持体表裏での伸びの差に
よるカールを軽減できるという効果がある。また、請求
項6の発明によれば、上記不安定化液付与手段による1
回の不安定化液付与量を、上記像保持体に波打ち状の変
形が生じない程度の量としたので、液を含んでいない像
保持体に液を付与した場合でも波打ち状の変形の発生を
抑えることができる。また、請求項7の発明によれば、
上記不安定化液として少なくとも界面活性剤 を含む水溶
液を用い、上記不安定化液付与手段によって付与される
不安定化液の界面活性剤濃度を各不安定化液付与時で異
ならせたので、例えば、徐々に界面活性剤濃度の高い液
を像保持体に付与するようにすれば、最初に界面活性剤
濃度が高い液を付与した場合、液が短時間で像保持体に
吸収され、液を吸収した像保持体部分が急激に伸びるこ
とによって生じる未吸液部との境界部の波打ち状の変形
を抑えることができる。また、請求項8の発明によれ
ば、上記塗布ローラと上記規制ローラとを、所定の間隔
を置いて対向するように配設しているので、両ローラが
圧接乃至接触している場合に比して自由に、転写紙が給
液により伸びることが可能になる。従って、両ローラ間
における給液による伸びが阻害されて転写紙に生じる波
打ち状の変形を軽減することができる。また、両ローラ
の表面を、上記不安定化液に対して親和性を有する材料
で構成しているので、該不安定化液の液膜を塗布ローラ
上に良好に形成することができ、部分的な液膜切れによ
る液塗布の不均一の発生を軽減できる。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用できるトナー除去装置の概略構成
図。
【図2】(a)乃至(c)はそれぞれ実施例に係るトナ
ー除去装置の要部の説明図。
【図3】液塗布ローラの回転数と転写紙の液含浸量との
関係を示すグラフ。
【図4】各塗布装置の液塗布タイミングについての説明
図。
【図5】一度に塗布する液量と転写紙の波打ちの高さと
の関係を示すグラフ。
【図6】(a)及び(b)は本発明の解決すべき課題の
説明図。
【図7】転写紙の吸液により伸びようとする部分と未吸
液部との境界部の波打ち状の変形の説明図。
【図8】2段給液における給液量と波打ち状の変形の大
きさとの関係を示すグラフ。
【図9】2段給液における1段目の給液量と、カールの
有無や波打ち状の変形の大きさとの関係を示すグラフ。
【図10】(a)及び(b)はローラギャップと塗布ロ
ーラ状の液膜切れとの関係を説明するための説明図。
【図11】ローラギャップと波打ち状の変形高さとの関
係の説明図。
【図12】給液量と、トナー剥離ユニットにおける液だ
れとの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10 転写紙 30 液供給ユニット 32 液容器 33 塗布ローラ 34 規制ローラ 37 搬送ローラ対 38 紙ガイド板 38a 液収容部 38b 液収容部 39 超音波振動体 40 トナー剥離ユニット 43 分離ローラ 44 オフセットベルト 45 上加熱ローラ 46 下加熱ローラ 56 剥離ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 G03G 21/00 560 - 578 G03G 21/10 - 21/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に像形成物質が付着した少なくとも表
    面部が吸液性を有する像保持体に、該表面と像形成物質
    との付着を不安定にする不安定化液を、複数回に分けて
    所定量付与する不安定化液付与手段と、 該表面上の像形成物質に、像形成物質に対して該表面よ
    りも大きい付着力を有する剥離体を接触させた後に、該
    表面と該剥離体とを離間させる像形成物質剥離手段とを
    有することを特徴とする像保持体からの像形成物質除去
    装置。
  2. 【請求項2】上記不安定化液付与手段を、表面に上記不
    安定化液からなる液膜を形成して像保持体に付与する塗
    布ローラと、像保持体を挟んで該塗布ローラと対向し該
    保持体の厚み方向の動きを規制する規制ローラとを、複
    数組設けて構成したことを特徴とする請求項1の像保持
    体からの像形成物質除去装置。
  3. 【請求項3】上記不安定化液付与手段を、上記不安定化
    液をミスト化して像保持体に付与する超音波振動体を用
    いて構成したことを特徴とする請求項1の像保持体から
    の像形成物質除去装置。
  4. 【請求項4】上記超音波振動体によるミストが発生して
    いる箇所に対して像保持体を相対的に移動させる像保持
    体移動手段と、像保持体の該箇所への接近時に上記超音
    波振動体の振動を開始させる超音波振動制御手段とを設
    けたことを特徴とする請求項3の像保持体からの像形成
    物質除去装置。
  5. 【請求項5】上記不安定化液付与手段を、像保持体の表
    裏両面側から、不安定化液を付与するように構成したこ
    とを特徴とする請求項1の像保持体からの像形成物質除
    去装置。
  6. 【請求項6】上記不安定化液付与手段による1回の不安
    定化液付与量を、上記像保持体に波打ち状の変形が生じ
    ない程度の量としたことを特徴とする請求項1の像保持
    体からの像形成物質除去装置。
  7. 【請求項7】上記不安定化液として少なくとも界面活性
    剤を含む水溶液を用い、上記不安定化液付与手段によっ
    て付与される不安定化液の界面活性剤濃度を各不安定化
    液付与時で異ならせたことを特徴とする請求項1の像保
    持体からの像形成物質除去装置。
  8. 【請求項8】上記塗布ローラと上記規制ローラとを、所
    定の間隔を置いて対向するように配設し、かつ両ローラ
    の表面を、上記不安定化液に対して親和性を有する材料
    で構成したことを特徴とする請求項2の像保持体からの
    像形成物質除去装置。
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