JPH10105028A - 水分調整装置及び該装置を用いた像形成物質除去装置 - Google Patents

水分調整装置及び該装置を用いた像形成物質除去装置

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JPH10105028A
JPH10105028A JP8275613A JP27561396A JPH10105028A JP H10105028 A JPH10105028 A JP H10105028A JP 8275613 A JP8275613 A JP 8275613A JP 27561396 A JP27561396 A JP 27561396A JP H10105028 A JPH10105028 A JP H10105028A
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JP
Japan
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sheet material
reversing
reversing mechanism
heating
roller
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Application number
JP8275613A
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English (en)
Inventor
Eriko Chiba
恵里子 千葉
Hidenori Tomono
英紀 友野
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好に水分調整でき、シート材にカールが発
生することなく平坦に仕上げることができるとともに、
小型な水分調整装置及び該装置を用いた像形成物質除去
装置を提供する。 【解決手段】 乾燥ユニット60に、加熱手段を有し、
紙押圧用ベルト63の支持ローラの1本を兼用した反転
ローラ62と、該ローラ62による転写紙10の搬送を
ガイドする反転ガイド部材68とにより構成される反転
機構部を設ける。この反転機構部を、乾燥・仕上げ装置
とは転写紙10に曲率を持たせる方向が互いに異なるよ
うに配設し、乾燥・仕上げ装置でカールした転写紙10
に逆向きのカールづけをする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体が付与された
シート材を厚み方向に挟持しながら加熱して乾燥する水
分調整装置及び該装置を用いた像形成物質除去装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、記録済み像保持体としての用紙か
らトナーなどの像形成物質を除去して像保持体を再生す
る方法及びその装置としては種々のものが知られてい
る。例えば溶剤を使用するものとして特開平1−101
576号公報には、トナーが付着された用紙をトナー樹
脂の可溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加し、溶
剤に溶解したトナーを紙面より遊離させる像形成物質除
去方法が開示されている。また、特開平4−30039
5号公報には、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧ある
いは塗布等による方法で付着させてトナーを溶解し、溶
解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械剥
離あるいは静電気吸着等による方法で除去する像形成物
質除去方法が開示されている。
【0003】また、先に本出願人は、記録済み像保持体
に、不安定化液としての水、界面活性剤を含む水溶液、
水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水溶性
ポリマーとを含む水溶液よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の水あるいは水溶液を保持させるとともに、剥
離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加熱接着
もしくは加圧接着して像保持体から剥離する像形成物質
除去方法を提案した(例えば、特願平4−255916
号、特願平5−239075号)。これによれば、像保
持体の紙質を比較的損傷することなく、像形成物質のみ
を除去することができる。
【0004】また、不安定化液としての水あるいは水溶
液が付与された状態で像形成物質が取り除かれた後の像
保持体から、該水あるいは水溶液の少なくとも一部を効
率よく除去して像保持体を乾燥させることができる像形
成物質除去装置を提案した(例えば、特願平5−269
873号)。上記特願平5−269873号には、像保
持体としてのシート材を乾燥させる乾燥ユニットの一例
として、シート材がほぼS字状に表裏いずれの側にも屈
曲しながら通過するように加熱ローラ対を配設した乾燥
装置が記載されている。これにより、乾燥後のシート材
を平坦に仕上げることができる。しかし、上記乾燥装置
においては、シート材の搬送の際に該シート材が加熱ロ
ーラと密着しないため、良好な水分調整が行われないお
それがあった。
【0005】そこで、本出願人は、加熱・仕上げの際に
加熱ドラムと通気性の良好な無端ベルトとによりシート
材を挟持搬送することにより、良好な水分調整を行うこ
とができる乾燥装置(以下、ドラムベルト型という)を
備えた像形成物質除去装置を提案した(例えば、特願平
6−55044号)。なお、この装置は、乾燥されたシ
ート材を排紙装置に搬送するための機構により、通気性
の無端ベルトとの接触領域において、乾燥・仕上げ後の
加熱ドラム側にカールしたシート材がデカールされる。
よって、ある程度はシート材を平坦に仕上げることがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特願平
6−55044号においては、乾燥されたシート材が通
気性の無端ベルトと接触した領域においてデカールされ
るため、無端ベルトから水分が戻り、画像形成装置に通
紙した際にしわの原因となる波打ちが発生するおそれが
あった。
【0007】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その第1の目的とするところは、良好に水分調
整できるとともに、シート材に波打ちが発生することな
く平坦に仕上げることができる水分調整装置及び該装置
を用いた像形成物質除去装置を提供することである。
【0008】一方、シート材のカールを防止する像形成
物質除去装置として、本出願人は、上記ドラムベルト型
の乾燥装置を2段備えた水分調整装置を提案した(例え
ば、特願平8−103385号)。図9にこの水分調整
装置の一例の概略構成図を示す。この水分調整装置にお
いては、シート材10を加熱する際に該シート材10に
曲率を持たせる方向が上記2段の乾燥装置で互いに異な
る。よって、1段目の乾燥装置でカールされたシート材
10が2段目の乾燥装置でデカールされ、シート材10
をカールなく平坦に仕上げることができる。
【0009】ところが、上記ドラムベルト型の乾燥装置
を2段備えた水分調整装置は、2段の乾燥装置ともにシ
ート材10を加熱ドラム61に押圧させるためにそれぞ
れ紙押圧用ベルト63を備えているため、装置が大型化
するという問題点があった。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その第2の目的とするところは、良好に水分調
整でき、シート材にカールが発生することなく平坦に仕
上げることができるとともに、小型な水分調整装置及び
該装置を用いた像形成物質除去装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、液体が付与されたシート
材を搬送方向に一定の長さに渡って厚み方向に挟持しな
がら搬送する搬送手段と、該搬送手段に挟持されている
シート材に曲率を持たせて該シート材の凹面側から加熱
する加熱手段とを有し、該搬送手段の一方が通気性の無
端ベルトで構成される乾燥装置を備えた水分調整装置に
おいて、上記シート材が上記通気性の無端ベルトから離
れている領域で、該シート材を上記曲率とは逆向きの曲
率を持たせて反転させる反転機構部を設けたことを特徴
とするものである。
【0012】この水分調整装置においては、液体が付与
されたシート材は、上記乾燥装置で挟持搬送されながら
乾燥された後に、上記反転機構部で、該乾燥装置で生じ
たカールと逆向きにカールづけがなされる。これによ
り、乾燥装置でシート材に生じたカールがデカールされ
る。また、シート材を通気性の無端ベルトから離れてい
る領域でデカールするため、乾燥装置で乾燥されたシー
ト材への波打ちの発生原因となる水分戻りが低減され
る。
【0013】また、請求項2の発明は、液体が付与され
たシート材を搬送方向に一定の長さに渡って厚み方向に
挟持しながら搬送する搬送手段と、該搬送手段に挟持さ
れているシート材に曲率を持たせて該シート材の凹面側
から加熱する加熱手段とを有し、該搬送手段の一方が通
気性の無端ベルトで構成される乾燥装置を備えた水分調
整装置において、上記シート材が上記通気性の無端ベル
トから離れている領域で、該シート材を上記曲率とは逆
向きの曲率を持たせて反転させる反転機構部を設け、該
反転機構部と上記無端ベルトとの間に、該無端ベルトか
らシート材への蒸気を遮蔽する蒸気遮蔽部材を配設した
ことを特徴とするものである。
【0014】この水分調整装置においては、液体が付与
されたシート材は、上記乾燥装置で挟持搬送されながら
乾燥された後に、上記反転機構部で、該乾燥装置で生じ
たカールと逆向きにカールづけがなされる。これによ
り、乾燥装置でシート材に生じたカールがデカールされ
る。また、シート材を通気性の無端ベルトから離れてい
る領域でデカールし、さらに、反転機構部と該無端ベル
トとの間に配設された蒸気遮蔽部材により通気性の無端
ベルトを通過してきた蒸気を遮蔽するため、乾燥装置で
乾燥されたシート材への波打ちの発生原因となる水分戻
りが低減される。
【0015】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
の水分調整装置において、上記反転機構部で、シート材
から発生する蒸気が通過可能であることを特徴とするも
のである。
【0016】この水分調整装置においては、上記シート
材から発生した蒸気が上記反転機構部を通過するため、
該反転機構部で蒸気が滞り結露することがない。よっ
て、上記乾燥装置で乾燥されたシート材へのしわの発生
原因となる水分戻りが防止される。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項4の発明は、液体が付与されたシート材を搬送方
向に一定の長さに渡って厚み方向に挟持しながら搬送す
る搬送手段と、該搬送手段に挟持されているシート材に
曲率を持たせて該シート材の凹面側から加熱する加熱手
段とを有する乾燥装置を備えた水分調整装置において、
上記シート材を上記曲率とは逆向きの曲率を持たせて反
転させる反転機構部を設け、該反転機構部が加熱手段を
有することを特徴とするものである。
【0018】この水分調整装置においては、液体が付与
されたシート材は、上記乾燥装置で挟持搬送されながら
乾燥された後に、上記反転機構部で、加熱手段により加
熱されながら該乾燥装置で生じたカールと逆向きにカー
ルづけがなされる。これにより、乾燥装置でシート材に
生じたカールが強力にデカールされる。この反転機構部
では、シート材を加熱してデカール能力を向上させるた
め、装置の大型化の原因となる挟持部材を設けてシート
材を挟持搬送する必要がなく、反転機構部の曲率に沿っ
てシート材を搬送することにより該シート材をデカール
できる。また、反転機構部の加熱手段により、シート材
に付与された液体の量の差やシート材の種類の違いに依
らずカール量が小さくなるように反転機構部の温度を制
御する。
【0019】また、請求項5の発明は、請求項4の水分
調整装置において、上記反転機構部よりも上記シート材
の搬送方向下流側に、該シート材への引っ張り力を作用
させる機構を設けたことを特徴とするものである。
【0020】この水分調整装置においては、上記反転機
構部でシート材は搬送方向下流側へ引っ張られるため、
シート材は反転機構部の曲率に沿ってより強く癖付けさ
れるとともに、加熱手段による熱がシート材に伝達され
やすくなる。
【0021】また、請求項6の発明は、請求項1、2、
3、4又は5の水分調整装置において、上記反転機構部
を、上記シート材の反転経路の少なくとも一部に、該シ
ート材の厚みより広い間隔を持って対向配置された対向
部材により構成したことを特徴とするものである。
【0022】この水分調整装置においては、上記乾燥装
置で挟持搬送されながら乾燥されたシート材は、上記反
転機構部で、反転経路の少なくとも一部に該シート材の
厚みより広い間隔を持って対向配置された対向部材間を
搬送されることにより、該乾燥装置で生じたカールと逆
向きにカールづけがなされる。これにより、乾燥装置で
シート材に生じたカールがデカールされる。
【0023】また、請求項7の発明は、請求項1、2、
3、4又は5の水分調整装置において、上記反転機構部
を、反転ローラと該反転ローラによるシート材の搬送を
ガイドするガイド部材とにより構成したことを特徴とす
るものである。
【0024】この水分調整装置においては、上記シート
材は、上記ガイド部材にガイドされながら上記反転ロー
ラの曲率に沿って搬送される。このシート材の搬送は、
上記反転ローラの回転により促進される。
【0025】また、請求項8の発明は、請求項4又は5
の水分調整装置において、上記反転機構部を、反転ロー
ラと該反転ローラによるシート材の搬送をガイドするガ
イド部材とにより構成し、該反転ローラが挟持部材を支
持する支持ローラの少なくとも1つを兼ねることを特徴
とするものである。
【0026】この水分調整装置においては、上記シート
材は、上記ガイド部材にガイドされながら上記反転ロー
ラの曲率に沿って搬送される。このシート材の搬送は、
上記反転ローラの回転により促進される。また、挟持部
材を支持する支持ローラの少なくとも1つが反転ローラ
として機能する。
【0027】また、請求項9の発明は、請求項4又は5
の水分調整装置において、上記反転機構部の加熱手段
を、上記乾燥装置の加熱手段による上記シート材の加熱
方向と逆方向から該シート材を加熱するように構成し、
該反転機構部の加熱手段によるシート材の加熱温度を、
該乾燥装置の加熱手段による上記シート材の加熱温度よ
りも高温に設定したことを特徴とするものである。
【0028】この水分調整装置においては、上記反転機
構部の加熱手段によるシート材の加熱温度が、上記乾燥
装置の加熱手段によるシート材の加熱温度よりも高温で
あるので、シート材をカールさせる能力がより大きくな
る。よって、反転機構部では、乾燥装置でシート材に生
じたカールよりも強力に逆向きにカールづけがなされ
る。これにより、強力にデカールされる。
【0029】請求項10の発明は、請求項9の水分調整
装置において、上記反転機構部と上記乾燥手段とを非接
触に配設したことを特徴とするものである。
【0030】この水分調整装置においては、上記反転機
構部と上記乾燥装置とが非接触であるため、接点からの
熱伝導、すなわち、高温側に低温側が追従することがな
い。よって、反転機構部と乾燥装置とを独立に温度制御
できる。
【0031】請求項11の発明は、像形成物質が付着し
ている像保持体に少なくとも液体を付与して像保持体か
ら像形成物質を除去する像形成物質除去手段と、該像形
成物質除去手段で像形成物質を除去した像保持体の水分
調整を行う水分調整手段とを備えた像形成物質除去装置
において、上記水分調整手段として、請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9又は10の水分調整装置を
用いたことを特徴とするものである。
【0032】この像形成物質除去装置においては、請求
項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の水分
調整装置を用いて像保持体の乾燥を行うので、上記乾燥
装置で液体が付与されたシート材は挟持搬送されながら
乾燥される。また、上記反転機構部では、乾燥されたシ
ート材にしわの発生原因となる水分戻りがない。また、
上記反転機構部では、上記乾燥装置でシート材に生じた
カールがデカールされる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を転写型の電子写真
複写機によって画像が形成された像保持体としての転写
紙から画像形成物質としての電子写真用トナー(以下、
トナーという)を取り除くトナー除去装置に適用した実
施形態について説明する。
【0034】図1は、トナー除去装置におけるトナー除
去処理の工程の概略を示す説明図である。トナー像が形
成された転写紙が給紙されると、給液部において液が付
与され、剥離部でトナーを除去する。転写紙からトナー
を除去する方法は、剥離部材にトナーを転写する方法で
も、ブラシなどで掻き落とす方法でも、トナーを溶かし
て除去する方法でもよい。剥離部材にトナーを転写する
ことで除去する場合には、剥離部材上に転写されたトナ
ーをクリーニング部で剥離部材上から除去後、剥離部材
は繰り返し使用される。剥離部でトナーを除去された転
写紙は、乾燥部において乾燥され、排紙される。 (以下、余白)
【0035】図2は、本発明が適用可能なトナー除去装
置の一構成例を示す概略構成図である。このトナー除去
装置において、トナー除去処理は、積載状態で収容して
いるトナー像が形成された転写紙10を一枚づつ分離給
送する給紙ユニット20と、給紙ユニット20から送ら
れてきた転写紙10に液を供給する給液部としての液付
与ユニット30と、液が供給された転写紙10からトナ
ーを剥離する剥離部としてのトナー剥離ユニット40
と、トナーが除去された転写紙10を乾燥させる乾燥部
としての乾燥ユニット60と、乾燥ユニット60から排
出される転写紙10を受ける紙受けユニット70とを備
えている。
【0036】上記給紙ユニット20は、トナー像面を下
に向けて給紙台21上に積載された転写紙10を最下部
のものから給紙ローラ22で給紙し、分離ローラ対23
で重送紙を分離して一枚の転写紙10のみを給紙搬送ロ
ーラ対24で送り出すものである。その具体的な構成及
び動作は電子写真複写機における給紙機構と同様である
ので、詳細な説明は省略する。
【0037】上記液付与ユニット30は、水又は転写紙
10への浸透性を向上させるために界面活性剤を含んだ
水溶液などの液31を転写紙10に供給するものであ
る。図示の例では、液を収容する液容器32と、この液
容器32中の液中に部分的に没するように設けられ回転
によって液を汲み上げて転写紙10のトナー像面に供給
する塗布ローラ33と、紙搬送経路を挟んでこの塗布ロ
ーラ33に対向するように設けられた紙規制部材として
の規制ローラ34とを備えている。この塗布ローラ33
としては、保液性を有する材質、例えば、親水性多孔質
材質、スポンジなどからなるローラや、ゴムなどの弾性
体又は金属などの剛体からなるローラなどを用いること
ができる。
【0038】また、この液付与ユニット30には、給紙
ユニット20から送られてくる転写紙10を塗布ローラ
33と規制ローラ34との対向部(以下、液供給部とい
う)に案内する第1紙ガイド機構35と、液供給部を通
過した転写紙10をトナー剥離ユニット40側に案内す
る第2紙ガイド機構36とを備えている。
【0039】上記トナー剥離ユニット40は、複数のベ
ルト支持ローラ41,42,43に掛け回された剥離材
としての転写ベルト44と、転写ベルト44を挟んで互
いに圧接し合うように設けられた加熱ランプ45a内蔵
の加熱ローラ45,加熱ランプ46a内蔵のバックアッ
プ部材46と、転写ベルト44表面からトナーを除去す
るベルトクリーニング装置47とを備えている。この転
写ベルト44の少なくとも表面は、軟化したトナーに対
して、転写紙10の表面と該トナーとの付着力より大き
い付着力を有する材料で形成されている。例えば、イソ
プレンゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリ
コンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴ
ム、天然のゴム、ビスフェノール・エヒクロルヒドリン
縮合物などのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルム
アルデヒド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブ
チル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミ
ンホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹
脂などのフェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ピニル、ポ
リ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンなどのビニル系重合体、ポリブ
チルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタ
クリレートなどのアクリル樹脂、ポリイミド、6,6−
ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、
ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリ
エーテルニトリル、アラミドなどの熱可塑性あるいは熱
硬化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、ア
ルミニウムなどの金属及びその酸化物、セラミックス材
料などがその例として挙げられる。これらの材料は単独
でも用いられるが、積層したり、アロイ化したり、グラ
スファイバー、ウィスカー、カーボン、シリカ、酸化チ
タンなどの他の添加剤を加えるなどにより複合して用い
ることもできる。この中で最適な材料は、剥離しようと
する画像形成物質の種類、画像形成物質除去プロセスに
より選定されるべきであるが、剥離部材を繰り返し使用
することが再生コストを下げるなど種々の点で有利であ
り、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が
要求される。画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥
離部材の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、
ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ステンレススチール、ニッケル、アルマ
イトが挙げられる。
【0040】この転写ベルト44を支持する支持ローラ
のうち、加熱ローラ45とバックアップ部材46とによ
り転写紙10を加圧する加圧部(以下、ニップ領域とい
う)を通過した後の転写ベルト部分が巻き付く支持ロー
ラ(以下、分離ローラという)43は、その回りで転写
ベルト44の移動方向を急激に変化させることにより、
転写ベルト44からの転写紙10の曲率分離を行わせる
ようになっている。またこの転写ベルト44の移動方向
の変化を大きくするため、この分離ローラ43とベルト
クリーニングユニットに対向する支持ローラ41との間
のベルト部分を内側に押し込む案内ローラ48が設けら
れている。また、転写ベルト44は、その表面が無端移
動するように、支持ローラ(以下、ベルト駆動ローラと
いう)42により駆動されている。
【0041】また、上記加熱ローラ45及びバックアッ
プ部材46は、転写紙10のトナー像面を転写ベルト4
4に密着させるとともに転写紙10に固着しているトナ
ーを加熱して軟化させるものである。
【0042】また、上記ベルトクリーニング装置47
は、転写ベルト44周面に断続的な引っ掻き力を及ぼし
て付着トナーを除去する回転ブラシローラ50と、この
回転ブラシローラ50よりもベルト移動方向下流側で、
ベルト周面に接触し摩擦力によるスクラブで付着トナー
を除去するパッド51とを備え、これらによりベルト周
面から除去されたトナーをユニットケーシング52内に
収容するようになっている。この時の転写ベルト44の
表面温度はトナーの凝固点以下であることが望ましい。
表面温度がこの範囲を超えると、熱可塑性であるトナー
の粘着性が増加し、効果的なトナーの除去が行われがた
い。
【0043】また、このトナー剥離ユニット40には、
液付与ユニット30側から送られてくる転写紙10を、
ニップ領域に進入させるための挾持搬送手段としての中
継搬送ローラ対53が設けられている。また、ニップ領
域を通過して分離ローラ43で転写ベルト44から曲率
分離された転写紙10を乾燥ユニット60側に案内する
ための上下ガイド部材54も設けられている。
【0044】上記乾燥ユニット60のは、例えば転写紙
10の液保持量が紙重量の10%以下になるように転写
紙10を乾燥させるものであり、加熱ランプ61a内蔵
の例えばアルミからなる加熱ドラム61と、複数の支持
ローラ62に掛け渡され、該加熱ドラム61の周面に一
定角度巻きついた状態で無端移動する紙押圧用ベルト6
3とから構成されたドラムベルト型の乾燥・仕上げ装置
を採用している。上記紙押圧用ベルト63の材質として
は、耐熱性や通気性を備えた材質、例えばキャンバス
地、木綿地、テトロン地、アラミド繊維を用いた織り布
などの布を用いることができる。
【0045】また、上記乾燥ユニット60は、上記乾燥
・仕上げ装置を通過した、すなわち、紙押圧用の通気性
ベルト63と加熱ドラム61とに挟持加熱乾燥された転
写紙10を、加熱しながら加熱ドラム61の曲率と逆向
きに反転させる反転機構部を備えている。なお、この反
転機構部については後に詳述する。
【0046】以上の構成において、給紙ユニット20か
ら送られた転写紙10は、液付与ユニット30でそのト
ナー像面に液が均一に供給され、トナー剥離ユニット4
0に送られる。このトナー剥離ユニット40で、転写紙
10に固着しているトナーが加熱ローラ45,バックア
ップ部材46からの加熱で軟化し、転写ベルト44表面
に付着する。そして分離ローラ43の回りで転写紙10
と転写ベルト44から分離する際に、転写ベルト44表
面に付着したトナーが転写紙10から剥離し、これによ
り、転写紙10からトナーが除去される。トナーが除去
された転写紙10は乾燥ユニット60で乾燥されて紙受
けユニット70に排出される。
【0047】以上の構成によれば、トナーが付着した転
写紙10に液を供給して転写紙10のトナーとの界面部
に液を浸透させた状態でトナーを剥離させるので、紙繊
維を傷めることなく、トナーを除去できる。
【0048】次に、本実施形態に係る乾燥ユニット60
の反転機構部について説明する。上記乾燥・仕上げ装置
において、紙押圧用の通気性ベルト63と加熱ドラム6
1とに挟持加熱乾燥され、挟持領域の出口で分離爪66
により該ドラム61から分離した転写紙10は、加熱ド
ラム61との接触面がより強く乾燥されたり、該ドラム
61の曲率に沿って押圧されたりすることにより、加熱
ドラム61側にカールする。そこで、本実施形態は、反
転機構部を設け、乾燥・仕上げ装置でカールした転写紙
10をデカールして平坦に仕上げる。
【0049】図3は、図2のトナー除去装置における乾
燥ユニット60の一例を構成説明図である。上記反転機
構部は、ある曲率を持ったガイド板64と、該ガイド板
64の曲率に沿って転写紙10が搬送されるように該ガ
イド板64に対向して設けられた複数の反転ガイドコロ
66とにより構成されている。また、この反転機構部
は、上記乾燥・仕上げ装置とは転写紙10に曲率を持た
せる方向が互いに異なるように配設されている。よっ
て、乾燥・仕上げ装置でカールした転写紙10は、反転
機構部を通過する際に、逆向きにカールづけされる。こ
の結果、乾燥・仕上げ装置でカールした転写紙10がデ
カールされ、平坦になって排紙される。
【0050】なお、本発明人が検討したところ、上記反
転機構部では、必ずしも転写紙10がガイド板64に押
圧される必要はなく、該ガイド板64に沿うように搬送
されるだけでよいことが確認された。
【0051】また、上記反転機構部を、上記ガイド板6
4と、該ガイド板64の曲率に沿って転写紙10が搬送
されるように該ガイド板に対向して設けられた少なくと
も1個の紙搬送用コロとにより構成してもよい。また、
反転ローラと反転ガイド部材によるものでもよい。さら
に、反転ローラ及び曲率を持ったガイド板に、温度制御
できるように内蔵ヒータや表面発熱体を備えてもよい。
また、反転ガイド部材は、転写紙10から発生する蒸気
を通過させるためのスリットや穴を設けたり、転写紙1
0が張り付かないように該転写紙10との接触面の一部
に凸部を設けた反転ローラに沿った曲率のあるガイド板
でもよい。また、反転ローラは、加熱ドラム61と接し
ない位置、或いは、該ドラム61と接しているが紙押圧
用ベルト63と接しない位置に設けてもよいし、該ベル
ト63を支持する支持ローラ62の少なくとも1本を兼
用してもよい。さらに、反転ローラとして紙押圧用ベル
ト63の支持ローラ62を兼用しない場合、通気性のベ
ルト外周と反転ローラとの間、及び、反転ローラにより
反転された転写紙10の搬送路中に該ベルト63からの
蒸気が入り込まないように蒸気遮蔽部材を設けてもよ
い。また、反転機構部に転写紙10が密着するように、
転写紙10に搬送方向下流側への引っ張り力を作用させ
てもよい。これは、図3において、排紙ローラ65の線
速を反転ガイドコロ66の線速より大きくすることで実
現可能である。
【0052】以上のように、本実施形態は、乾燥ユニッ
ト60に反転機構部を設け、乾燥・仕上げ装置でカール
した転写紙10に逆向きにカールづけすることにより、
転写紙10をカールなく平坦に仕上げることができる。
【0053】また、デカールの際に転写紙10を加熱し
てデカール能力を向上させることにより、反転機構部で
装置の大型化の原因となる挟持部材を設けてシート材を
挟持搬送する必要がなく、反転機構部の曲率に沿ってシ
ート材を搬送することにより該シート材をデカールでき
る。よって、図9に示す装置に比して大幅な小型簡素化
をはかることができる。
【0054】また、図4に示すように、反転機構部での
転写紙10から発生する蒸気の通路を確保するために、
ガイド板64や反転ガイド部材にスリット64aを設け
た場合、反転機構部で蒸気が滞り結露することがないた
め、乾燥・仕上げ装置で乾燥された転写紙10が再吸湿
して、複写機に通紙した場合にしわの原因となる波打ち
が発生することがない。
【0055】また、図3において、反転機構部に転写紙
10が密着するように、転写紙10に搬送方向下流側へ
の引っ張り力を作用させた場合、反転機構部において、
転写紙10はガイド板64の曲率に沿ってより強く癖付
けされるとともに、転写紙10には該ガイド板64から
の熱が効率よく伝達されるため、強力にデカールされ
る。
【0056】また、図5に示すように、反転機構部を、
反転ローラ67と該反転ローラ67による転写紙10の
搬送をガイドする反転ガイド部材68とにより構成した
場合、反転ローラ67の回転によって転写紙10の搬送
が促進され、搬送性が良好となる。
【0057】また、図5に示すように、該ベルト63外
周と反転ローラ67との間、及び、該ローラ67により
反転された転写紙10の搬送過程において、通気性の該
ベルト63からの蒸気が反転機構部に入り込まないよう
に蒸気遮蔽部材69を設けた場合、乾燥された転写紙1
0へ通気性の無端ベルト63から水分が戻り、複写機に
通紙した場合にしわの原因となる波打ちが発生すること
がない。
【0058】また、図6に示すように、反転ローラとし
て紙押圧用ベルト63の支持ローラ62の少なくとも1
本を兼用した場合、該支持ローラ62’が反転ローラと
して機能するため、反転機構部を構成する部品点数が減
少し、装置をより小型簡略化できる。
【0059】また、反転機構部に加熱手段を設ける場
合、反転機構部の温度を制御することができる。図7
は、一例として、反転ローラ67温度と転写紙10のカ
ール量との関係を示すグラフである。ここで、乾燥・仕
上げ装置の加熱ドラム61の温度は120°C一定とし
た。また、カール量は、乾燥・仕上げした転写紙10を
10枚積み重ねて水平な板の上に静置させ、板の表面か
ら転写紙10の4角の高さを測定し、その最大値とし
た。なお、縦軸に示すカール量のプラスは加熱ドラム6
1側のカールを、マイナスは該カールと逆向きのカール
を意味する。このグラフから、反転ローラ67の温度が
高くなるほどカール量が減少することがわかる。よっ
て、乾燥・仕上げ装置におけるカール量が多いほど、反
転機構部での加熱温度を高くして転写紙10をカールさ
せる能力を大きくすることにより、強力にデカールする
ことができる。
【0060】なお、本実施形態では、反転ローラ温度が
加熱ドラム温度よりも高温に設定している。また、温度
制御を行う場合、図6又は8に示すように、反転機構部
が加熱ドラム61と接していると、両者の接点からの熱
伝導により低温に制御している方が高温に制御している
方に追従してしまうため、独立に温度制御を行うことが
困難である。これに対して、図3又は5に示すように、
反転機構部が加熱ドラム61と接していない場合、両者
で独立に温度制御できる。
【0061】
【実施例】
[実施例1]市販の上質紙であるリコー製、Type6
200(商品名)にローラ塗布方式にて界面活性剤水溶
液を付与し、図3に示す水分調整装置を用いて乾燥再生
を行った。ここで、紙押圧ベルト63はバンドー化学社
製、コーネックス(商品名)を、加熱ドラム61のドラ
ム径は70mmのものを用い、ベルト線速及び排紙ローラ
線速は30mm/sec、加熱ドラム温度は130°Cに設定
した。また、カール量は、乾燥・仕上げ後の紙を10枚
積み重ねて水平な板の上に静置させ、板の表面から紙の
4角の高さを測定し、その最大値とした。この時のカー
ル量は20mmであり、比較のために反転機構部を設けず
に同様の測定を行った場合、カール量は35mmであっ
た。これにより、反転機構部を設けることにより、カー
ル量が減少することが確認された。なお、以下に述べる
他の実施例2〜10においても、特に記述がない限り、
紙押圧ベルト63はバンドー化学社製、コーネックス
(商品名)を、加熱ドラム61のドラム径は70mmのも
のを用い、ベルト線速及び排紙ローラ線速は30mm/se
c、加熱ドラム温度は130°Cに設定した。
【0062】[実施例2]図8に示す水分調整装置を用
いて、実施例1と同様の転写紙の乾燥再生により、反転
ガイド部材68に図4に示す蒸気通過性のスリットを設
けた場合と、スリットを設けない場合とを比較した。ス
リットを設けない場合は、50枚の連続通紙において反
転ガイド部材68に結露が生じ、転写紙に水滴が吸収さ
れ、乾燥・仕上げ後に転写紙に凹凸が生じる場合があっ
た。これに対し、スリットを設けた場合は、100枚の
連続通紙においても反転ガイド部材68が結露して、転
写紙に水分が吸収されることがなく、乾燥・仕上げ後の
転写紙は平坦であった。
【0063】[実施例3]排紙ローラ線速を32mm/sec
として、実施例1と同様の評価を行った。このように、
排紙ローラ線速をベルト線速及び反転ガイドコロ線速よ
り高速にすることで、転写紙は搬送方向下流側へ引っ張
られ、ガイド板64に密着する。この時のカール量は1
4mmであり、転写紙をガイド板64に密着させること
で、カール量が減少することが確認された。
【0064】[実施例4]市販の上質紙であるリコー
製、Type6200(商品名)にローラ塗布方式にて
界面活性剤水溶液を付与し、図5に示す水分調整装置を
用いて乾燥再生を行った。なお、この時、反転ローラ6
7の温度は制御しなかった。乾燥・仕上げを行った転写
紙を用いて、リコー社製FT6500(商品名)により
複写を行ったところ、100枚すべてしわなく複写する
ことができた。これに対し、蒸気遮蔽部材69を取り外
して乾燥・仕上げを行った転写紙を用いて、同様の複写
を行った場合は、100枚中2枚にしわが発生した。
【0065】[実施例5]市販の上質紙であるリコー
製、Type6200(商品名)にローラ塗布方式にて
界面活性剤水溶液を付与し、図8に示す水分調整装置を
用いた場合と、図3に示す水分調整装置を用いた場合と
において、転写紙の乾燥再生の際の装置内での紙ジャム
の発生を比較した。図8に示す装置によって100枚の
転写紙を乾燥再生した場合、乾燥・仕上げ装置内で紙ジ
ャムは発生しなかった。これに対し、図3に示す装置に
よって100枚の転写紙を乾燥再生した場合、反転機構
部で転写紙の搬送がスムーズに行われず紙ジャムが数回
発生した。これにより、反転機構部として反転ローラと
該ローラに転写紙が沿うようガイド板とを用いることに
より、反転機構部での転写紙の搬送が良好に行えること
が確認された。
【0066】[実施例6]図6に示す水分調整装置を用
いて、実施例1と同様の評価を行った。この装置におい
ては、反転ローラはベルト支持ローラ62の1本と兼用
しており、反転機構部の追加部品としては、反転ガイド
部材68のみであり、装置の小型化が図られている。こ
の時のカール量は9mmであり、小型の装置でカール量
を少なくすることができた。
【0067】[実施例7]図5に示す水分調整装置を用
いて、実施例1と同様の評価により、反転ローラ温度を
制御しない場合、及び、該温度を100°C、120°
C、140°Cとなるように制御した場合の4水準につ
いて比較を行った。なお、この時の加熱ドラム温度は1
20°C一定である。その結果を図7に示す。図7よ
り、反転ローラ67の温度を制御することでカール量が
変化することが確認された。
【0068】[実施例8]市販の上質紙であるリコー
製、Type6200(商品名)にローラ塗布方式にて
界面活性剤水溶液を付与し、図6に示す水分調整装置を
用いて乾燥再生を行った。加熱ドラム温度を130°
C、反転ローラ温度を100°Cに設定したが、加熱ド
ラム61と反転ローラ67とが接しているために、加熱
ドラム61から反転ローラ67に熱伝達があり、反転ロ
ーラ温度は130°Cとなってしまった。これに対し、
実施例7では、反転ローラ67が加熱ドラム61と接し
ていないため、反転ローラ67を設定温度に制御するこ
とができた。
【0069】[実施例9]市販の上質紙であるリコー
製、Type6200(商品名)にリコー社製、FT6
500(商品名)を用いて複写を行った後、ローラ塗布
方式にて界面活性剤水溶液を1g/A4付与し、東レ社
製、酸化チタン分散ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを材質とする剥離部材と加熱圧接し、トナーを剥離部
材に転写除去した。トナー除去後の転写紙を図5に示す
水分調整装置を用いて乾燥再生を行った。なお、加熱ド
ラム温度120°C、反転ローラ温度135°Cと設定
した。乾燥・仕上げされた転写紙のカール量は4mmで
あり、この転写紙を用いて、リコー社製、FT6500
(商品名)を用いて複写を行ったところ、しわなく複写
を行うことができた。
【0070】
【発明の効果】請求項1或いは2の発明によれば、乾燥
装置において、液体が付与されたシート材を挟持搬送し
ながら乾燥するため、良好に水分調整できるとともに、
反転機構部において、通気性の無端ベルトから離れてい
る領域でシート材をデカールすることにより乾燥された
シート材への波打ちの発生原因となる水分戻りが低減さ
れるため、シート材に波打ちが発生することなく平坦に
仕上げることができるという優れた効果がある。
【0071】特に、請求項2の発明によれば、通気性の
無端ベルトを通過してきた蒸気を遮蔽することにより乾
燥されたシート材への波打ちの発生原因となる水分戻り
が低減されるため、シート材をより平坦に仕上げること
ができるという優れた効果がある。
【0072】また、請求項3の発明によれば、反転機構
部で蒸気が滞り結露することがないため、乾燥されたシ
ート材への波打ちの発生原因となる水分戻りが防止さ
れ、シート材をより平坦に仕上げることができるという
優れた効果がある。
【0073】また、請求項4の発明によれば、乾燥装置
において、液体が付与されたシート材を挟持搬送しなが
ら乾燥するため、良好に水分調整できるとともに、反転
機構部において、シート材を加熱してデカール能力を向
上させるため、装置の大型化の原因となる挟持部材を設
けてシート材を挟持搬送する必要がなく、反転機構部の
曲率に沿ってシート材を搬送する小型な装置でシート材
にカールが発生することなく平坦に仕上げることができ
る。また、シート材に付与された液体の量の差やシート
材の種類の違いに依らずカール量が小さくなるように反
転機構部の温度を制御できるため、シート材に付与され
た液体の量の差やシート材の種類の違いに依らずシート
材を平坦に仕上げることができるという優れた効果があ
る。
【0074】また、請求項5の発明によれば、反転機構
部において、乾燥されたシート材は反転機構部の曲率に
沿ってより強く癖付けされるとともに、加熱手段による
熱がシート材に伝達されやすくなるため、効率よくシー
ト材の平坦化をはかることができるという優れた効果が
ある。
【0075】また、請求項6の発明によれば、反転経路
の少なくとも一部に該シート材の厚みより広い間隔を持
って対向配置した対向部材という簡単な装置で、反転機
構部を構成できるという優れた効果がある。
【0076】また、請求項7の発明によれば、シート材
の搬送は上記反転ローラの回転により促進されるため、
シート材の搬送を良好に行うことができるという優れた
効果がある。
【0077】また、請求項8の発明によれば、シート材
の搬送は上記反転ローラの回転により促進されるため、
シート材の搬送を良好に行うことができるとともに、挟
持部材を支持する支持ローラの少なくとも1つが上記反
転ローラとして機能するため、反転機構部をより小型で
簡易な装置構成とすることができるという優れた効果が
ある。
【0078】また、請求項9の発明によれば、反転機構
部では、乾燥装置でシート材に生じたカールよりも強力
に逆向きにカールづけがなされるため、よりシート材を
平坦に仕上げることができるという優れた効果がある。
【0079】また、請求項10の発明によれば、反転機
構部と乾燥装置とを独立に温度制御できるため、よりシ
ート材を平坦に仕上げることができるという優れた効果
がある。
【0080】また、請求項11の発明によれば、乾燥装
置において、液体が付与されたシート材を挟持搬送しな
がら乾燥するため、良好に水分調整できるとともに、上
記反転機構部において、乾燥されたシート材へのしわの
発生原因となる水分戻りが防止され、乾燥装置でシート
材に生じたカールがデカールされるため、シート材に波
打ち乃至はカールが発生することなく平坦に仕上げるこ
とができるという優れた効果がある。また、このシート
材を再度画像形成に使用した際のしわの発生や装置内で
のジャム発生を防止できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能なトナー除去装置におけるト
ナー除去処理の工程の概略を示す説明図。
【図2】本発明が適用可能なトナー除去装置の1構成例
を示す概略構成図。
【図3】同装置における乾燥ユニットの概略構成図。
【図4】乾燥ユニットにおける反転機構部のガイド板の
斜視図。
【図5】同装置における乾燥ユニットの他の一例を示す
概略構成図。
【図6】同装置における乾燥ユニットの他の一例を示す
概略構成図。
【図7】反転ローラの温度とカール量との関係を示すグ
ラフ。
【図8】同装置における乾燥ユニットの他の一例を示す
概略構成図。
【図9】従来のトナー除去装置における乾燥ユニットの
一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 転写紙 20 給紙ユニット 30 液供給ユニット 40 トナー剥離ユニット 60 乾燥ユニット 61 加熱ドラム 62 支持ローラ 63 紙押圧用ベルト 64 ガイド板 65 排紙ローラ 66 分離爪 67 反転ローラ 68 反転ガイド部材 69 蒸発防止部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体が付与されたシート材を搬送方向に一
    定の長さに渡って厚み方向に挟持しながら搬送する搬送
    手段と、該搬送手段に挟持されているシート材に曲率を
    持たせて該シート材の凹面側から加熱する加熱手段とを
    有し、該搬送手段の一方が通気性の無端ベルトで構成さ
    れる乾燥装置を備えた水分調整装置において、 上記シート材が上記通気性の無端ベルトから離れている
    領域で、該シート材を上記曲率とは逆向きの曲率を持た
    せて反転させる反転機構部を設けたことを特徴とする水
    分調整装置。
  2. 【請求項2】液体が付与されたシート材を搬送方向に一
    定の長さに渡って厚み方向に挟持しながら搬送する搬送
    手段と、該搬送手段に挟持されているシート材に曲率を
    持たせて該シート材の凹面側から加熱する加熱手段とを
    有し、該搬送手段の一方が通気性の無端ベルトで構成さ
    れる乾燥装置を備えた水分調整装置において、 上記シート材が上記通気性の無端ベルトから離れている
    領域で、該シート材を上記曲率とは逆向きの曲率を持た
    せて反転させる反転機構部を設け、該反転機構部と上記
    無端ベルトとの間に、該無端ベルトからシート材への蒸
    気を遮蔽する蒸気遮蔽部材を配設したことを特徴とする
    水分調整装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の水分調整装置において、 上記反転機構部で、シート材から発生する蒸気が通過可
    能であることを特徴とする水分調整装置。
  4. 【請求項4】液体が付与されたシート材を搬送方向に一
    定の長さに渡って厚み方向に挟持しながら搬送する搬送
    手段と、該搬送手段に挟持されているシート材に曲率を
    持たせて該シート材の凹面側から加熱する加熱手段とを
    有する乾燥装置を備えた水分調整装置において、 上記シート材を上記曲率とは逆向きの曲率を持たせて反
    転させる反転機構部を設け、該反転機構部が加熱手段を
    有することを特徴とする水分調整装置。
  5. 【請求項5】請求項4の水分調整装置において、 上記反転機構部よりも上記シート材の搬送方向下流側
    に、該シート材への引っ張り力を作用させる機構を設け
    たことを特徴とする水分調整装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5の水分調整装
    置において、 上記反転機構部を、上記シート材の反転経路の少なくと
    も一部に、該シート材の厚みより広い間隔を持って対向
    配置された対向部材により構成したことを特徴とする水
    分調整装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4又は5の水分調整装
    置において、 上記反転機構部を、反転ローラと該反転ローラによるシ
    ート材の搬送をガイドするガイド部材とにより構成した
    ことを特徴とする水分調整装置。
  8. 【請求項8】請求項4又は5の水分調整装置において、 上記反転機構部を、反転ローラと該反転ローラによるシ
    ート材の搬送をガイドするガイド部材とにより構成し、
    該反転ローラが挟持部材を支持する支持ローラの少なく
    とも1つを兼ねることを特徴とする水分調整装置。
  9. 【請求項9】請求項4又は5の水分調整装置において、 上記反転機構部の加熱手段を、上記乾燥装置の加熱手段
    による上記シート材の加熱方向と逆方向から該シート材
    を加熱するように構成し、該反転機構部の加熱手段によ
    るシート材の加熱温度を、該乾燥装置の加熱手段による
    上記シート材の加熱温度よりも高温に設定したことを特
    徴とする水分調整装置。
  10. 【請求項10】請求項9の水分調整装置において、 上記反転機構部と上記乾燥手段とを非接触に配設したこ
    とを特徴とする水分調整装置。
  11. 【請求項11】像形成物質が付着している像保持体に少
    なくとも液体を付与して像保持体から像形成物質を除去
    する像形成物質除去手段と、該像形成物質除去手段で像
    形成物質を除去した像保持体の水分調整を行う水分調整
    手段とを備えた像形成物質除去装置において、 上記水分調整手段として、請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9又は10の水分調整装置を用いたことを
    特徴とする像形成物質除去装置。
JP8275613A 1996-09-25 1996-09-25 水分調整装置及び該装置を用いた像形成物質除去装置 Withdrawn JPH10105028A (ja)

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