JP3248308B2 - シート材からの像形成物質除去方法及びその装置 - Google Patents

シート材からの像形成物質除去方法及びその装置

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JP3248308B2
JP3248308B2 JP20117893A JP20117893A JP3248308B2 JP 3248308 B2 JP3248308 B2 JP 3248308B2 JP 20117893 A JP20117893 A JP 20117893A JP 20117893 A JP20117893 A JP 20117893A JP 3248308 B2 JP3248308 B2 JP 3248308B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって像形
成物質が安定に付着したシート材から像形成物質を取り
除くシート材からの像形成物質除去方法及びその装置に
係り、詳しくは、シート材を傷めることなく、シート材
表面上に固着している像形成物質を除去できるシート材
からの像形成物質除去方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、記録済みシート材としての用紙か
らトナーなどの像形成物質を除去する例えば像形成物質
除去方法及びその装置としては種々のものが知られてい
る。例えば溶剤を使用するものとして、特開平1−10
1576号公報には、トナーが付着された用紙をトナー
樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加し、
溶剤に溶解したトナーを紙面より遊離させる像形成物質
除去方法が開示されている。また、特開平4−3003
95号公報には、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧あ
るいは塗布等による方法で付着させてトナーを溶解し、
溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械
剥離あるいは静電気吸着等による方法で除去し、その後
乾燥・延伸などの紙の仕上げを行う像形成物質除去方法
が開示されている。
【0003】一方、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平2−255195号公報には、支持体上に離型
剤を塗布した印刷体に電子写真方式あるいは熱転写方式
で載せた熱溶融性インキあるいはトナーを、該印刷体に
インキ剥離体を重ね加熱ローラと圧力ローラの間を通
し、冷えてからインキ剥離体を剥がすことにより、該イ
ンキ剥離体の方に付着させて除去する像形成物質除去方
法が開示されている。また特開平4−64472号公報
には、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエンド
レスシートと、これを支えて回転させる熱ローラ及び冷
却ローラと、表面に離型処理をした紙(イレーザブルペ
ーパ)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂に押しつけ
る押圧ローラと、これらを連動して動かせる駆動部から
なるイレーザが開示されている。また特開平4−829
83号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に紙を
通過させる2本の並行に設けられたローラと、該2本の
ローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、該圧接
箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具と、
前記ローラに付着した像形成物質を前記ローラから除去
する剥離装置とを備えた像形成物質除去装置が開示され
ている。
【0004】ところで、上記溶剤を使用しない方法や装
置は、表面に紙繊維が露出している通常の紙に画像を記
録した記録済みシート材から像形成物質を除去するのに
使用すると、例えば電子写真方式の定着工程で熱溶融性
樹脂を主成分とする像形成物質をシート材に融着させる
などして、像形成物質がシート材表面の繊維に強固に固
着されているので、像形成物質除去の際に像形成物質と
共に表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷してしまう。
特に像形成物質の除去性を高めるために、上記インキ剥
離体、エンドレスシートあるいはローラさせた上に熱や
圧力を加える場合、種々の条件によっては、逆に像形成
物質とシート材との間の定着性を高めてしまって除去を
困難にすることもあった。
【0005】そこで、先に本出願人は、記録済みシート
材に、不安定化剤としての水、界面活性剤を含む水溶
液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水
溶性ポリマーとを含む水溶液よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させるととも
に、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加
熱接着もしくは加圧接着してシート材から剥離する像形
成物質除去方法を提案した(例えば、特願平4−255
916号参照)。これによれば、シート材の紙質を比較
的損傷することなく、像形成物質のみを除去することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
構成においては、像形成物質の軟化度合いによっては、
シート材の紙質を損傷し、像形成物質のみを良好に除去
することができない恐れがある。
【0007】また、本出願人は、未使用のシート材であ
って、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む
水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水
溶液を保持させた後、乾燥する処理を施したものを提案
した(例えば、特願平4−255915号参照)。この
処理を施したシート材は、通常の画像形成に用いられた
後、上記像形成物質除去方法で像形成物質が取り除かれ
て再利用されるが、この場合にも像形成物質の軟化度合
いによっては、シート材の紙質を損傷し、像形成物質の
みを良好に除去することができない恐れがある。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、シート材を傷めるこ
となく、シート材表面上に固着している像形成物質を良
好に除去できるシート材からの像形成物質除去方法及び
その装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、表面上に像形成物質が固着し
ているシート材に液を供給する工程と、シート材表面上
に固着している像形成物質に第1温度に加熱された転写
用部材を接触させ、かつ、該シート材の像形成物質固着
面と反対側の面に第1温度より高温の第2温度に加熱さ
れた加熱部材を接触させる工程と、該シート材を該転写
用部材から離間させる工程とを有することを特徴とする
ものである。請求項2の発明は、表面上に像形成物質が
固着しているシート材から該像形成物質を除去するシー
ト材処理装置において、該表面上に像形成物質が固着し
ているシート材に液を供給する液供給手段と、シート材
表面上に固着している像形成物質に接触する第1温度に
加熱された転写用部材と、該転写用部材とともに該シー
ト材を挟むように、該シート材の像形成物質固着面と反
対側の面に接触する第1温度より高温の第2温度に加熱
された加熱部材と、該転写用部材と該シート材とを離間
させる手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明において表面上に像形成物質が固着して
おり、液が供給されたシート材は、シート材表面上に固
着している像形成物質に接触する第1温度に加熱された
転写用部材と、該シート材の像形成物質固着面と反対側
の面に接触する第1温度より高温の第2温度に加熱され
た加熱部材とにより挾まれる。ここで、転写用部材より
も加熱部材の方が加熱温度が高いので、シート材の温度
は像形成物質固着面側よりも像形成物質固着面と反対側
の面側の方が高くなる。その結果、シート材表面上に固
着している像形成物質においても、該像形成物質のシー
ト材との界面部分の方が、該像形成物質の表面部分、す
なわち転写用部材表面に接触している部分よりも温度が
高くなり、軟化度合いが大きくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明をシート材としての複写紙から
のトナー除去装置に適用した一実施例について説明す
る。
【0012】図1において、実施例に係る複写紙からの
トナー除去装置は、積載状態で収容しているトナー像が
形成された紙10を一枚づつ分離給送する給紙ユニット
20と、給紙ユニット20から送られてきた紙10に液
を供給する液供給ユニット30と、液が供給された紙1
0からトナーを除去するトナー除去ユニット40と、ト
ナーが除去された紙10を乾燥させる乾燥ユニット60
と、乾燥ユニット60から排出される紙10を受ける紙
受けユニット70とを備えている。
【0013】上記給紙ユニット20は、トナー像が形成
された面(以下、トナー像面という)を下に向けて給紙
台21上に積載された紙10を最下部のものから給紙ロ
ーラ22で給紙し、分離ローラ対23で重送紙を分離し
て一枚の紙10のみを給紙搬送ローラ対24で送り出す
ものである。その具体的な構成及び動作は電子写真複写
機における給紙機構と同様であるので、詳細な説明は省
略する。
【0014】上記液供給ユニット30は、水又は紙10
への浸透性を向上させるために界面活性剤を含んだ水溶
液などの液31を紙10に供給するものであり、液を収
容する液容器32と、この液容器32中の液中に部分的
に没するように設けられ回転によって液を汲み上げて紙
10のトナー像面に供給する塗布ローラ33と、紙搬送
経路を挟んでこの塗布ローラ33に対向するように設け
られた紙規制部材としての規制ローラ34とを備えてい
る。この塗布ローラ33としては、保液性を有する材
質、例えば、親水性多孔質材質、スポンジなどからなる
ローラや、ゴムなどの弾性体又は金属などの剛体からな
るローラなどを用いることができる。後者のローラを用
いる場合には軸線方向に伸びる複数の汲み上げ用の溝を
形成することが望ましい。そして、この塗布ローラ33
は、紙10との対向部で紙10に所望量の液、例えば紙
質量の35%以上、好ましくは40〜120%相当分の
液が紙10に持って行かれても該対向部での液切れが生
じないような回転速度で回転駆動されている。
【0015】また上記規制ローラ34は塗布ローラ33
との間で紙10を挾持して搬送できるように、塗布ロー
ラ33表面に押圧させるか又は水が供給されて増大した
状態の紙10の厚み(紙内部に浸透した液量によっては
厚みが50%程度増大する)よりも小さなギャップをお
いて塗布ローラ33に対向させて設け、時計回りに回転
するようにしても良いし、この増大した状態の紙10の
厚みよりも大きなギャップおいて塗布ローラ33に対向
させて設け、時計回りに回転させるようにしても良い。
【0016】なお、上記塗布ローラ33の回転方向は、
規制ローラ34と塗布ローラ33とで紙10を挾持搬送
する場合には、反時計方向に設定されるが、両ローラ3
3,34を上記増大した状態の紙10の厚みよりも大き
なギャップおいて対向させる場合には、基本的には時計
方向、反時計方向のいずれに設定しても良い。
【0017】但し、このように、両ローラ33,34を
上記増大した状態の紙10の厚みよりも大きなギャップ
おいて対向させる場合にも、紙搬送の安定性からする
と、少なくとも紙先端が後述するトナー除去ユニット4
0の中継搬送ローラ対53にくわえ込まれるまでは、塗
布ローラ33を図示のように反時計回りに回転させるこ
とが望ましい。また、この場合であって上記ギャップで
の液切れを防止するために、紙搬送速度よりも大きな線
速で表面が移動するように塗布ローラ33を回転させる
ときは、図2(a)に示すように液膜を介して紙10の
後端部を高速送りすることによって紙折れ(10a)が
生じ、ジャムなどの不具合が発生するのを防止するため
に、少なくとも紙後端が給紙搬送ローラ対24の挾持部
を通過した後は、図2(b)に示すように表面が紙搬送
方向と逆向きに移動するように塗布ローラ33を時計回
りに回転させることが望ましい。例えば、紙搬送速度よ
りも大きな線速で表面が移動するように塗布ローラ33
を回転させるときには、紙先端が中継搬送ローラ対53
にくわえ込まれるまでは、塗布ローラ33を図1に示す
ように反時計回りに回転させ、その後、紙後端が給紙搬
送ローラ対24の挾持部を通過するまでの間に、塗布ロ
ーラ33の回転方向を切り換えて時計回りに回転させ
る。
【0018】ここで、本発明者らの研究によれば、塗布
ローラ33上に液膜を形成して紙に液を供給する場合、
図3(a)に示すように、塗布ローラ33と規制ローラ
34とのギャップを、所望量の液体が供給されて厚みが
増大した状態の紙厚(t2)よりも大きく設定し
(G)、かつ、このギャップを完全に埋めるか又はほぼ
埋める程度の液を供給できるように塗布ローラ34の回
転させることが望ましいことが判明した。
【0019】すなわち、乾燥時の紙厚が90μm程度で
質量4gのA4判の紙に所望量である4g程度の液が供
給されると、紙厚は135μm程度になる。ここで、塗
布ローラ33と規制ローラ34とのギャップを変化させ
ながら、ギャップ通過後の液を含んだ紙の重さを測定し
たところ、ギャップが150μm以上でかつ300μm
未満の範囲で、所望量の液を供給することができた。こ
のとき塗布ローラ33の回転速度は、その周速が紙搬送
速度よりも高速であって、ギャップにおいて所望量の液
が紙側にもっていかれてもギャップ部での液切れによる
紙への供給量不足が生じない程度の速度に設定しておい
た。この好適なギャップ範囲のうち比較的小さめのギャ
ップでは、図3(a)中の右側の紙10がギャップに進
入する前の状態の説明図に示すように、塗布ローラ33
上の液膜31aが規制ローラ34にも接して規制ローラ
34上に比較的薄い液膜31bが形成されていた。また
この好適なギャップ範囲のうち大きめのギャップでは塗
布ローラ33上の液膜31aがほぼ規制ローラ34にほ
とんど接しているように見えた。一方、ギャップを図3
(b)に示すように、この場合の所望量の液が供給され
た状態の紙厚である130μmよりも狭いギャップ(G
´)にした場合には、紙への供給量が不足した。また、
ギャップを図3(c)に示すように、目視でも塗布ロー
ラ33上の液膜31aと規制ローラ34とが非接触であ
ると判る300μm程度以上のギャップ(G´´)にし
た場合にも、紙への供給量が不足した。これは、図3
(b)の場合は、ギャップが狭過ぎて液浸透による紙の
厚み増大が規制されることにより所望量の液が紙に浸透
できないためであると考えられる。また図3(c)の場
合は、ギャップが広過ぎて紙が液膜31a上にのったよ
うな状態になり、紙の上面側まで十分液が浸透しないた
めであると考えられる。
【0020】なお、この液供給ユニット30には、給紙
ユニット20から送られてくる紙10を塗布ローラ33
と規制ローラ34との対向部(以下、液供給部という)
に案内する第1紙ガイド機構35と、液供給部を通過し
た紙10をトナー除去ユニット40側に案内する第2紙
ガイド機構36とを備えている。これらのガイド機構3
5,36は、例えば図4に示すように、上端面で紙10
をガイドするように立てられた薄板ガイド35a,36
aを紙幅方向に複数配設して構成できる。更に紙ガイド
を確実にするために、紙搬送経路の上方にも、紙上面を
ガイドないしは規制する例えばワイヤーからなるガイド
機構を設けても良い。また、図4に示す例では、液が供
給され腰が弱くなった紙10を確実にトナー除去ユニッ
ト40側にガイドできるように、塗布ローラ33周面に
複数の環状溝33aを形成し、この環状溝33a内に第
2ガイド機構36の薄板ガイド36aの先端部を入り込
ませている。
【0021】上記トナー除去ユニット40は、複数の支
持ローラ41,42,43に掛け回されたトナーオフセ
ット用のベルト(以下、オフセットベルトという)44
と、オフセットベルト44を挟んで互いに圧接し合うよ
うに設けられた加熱ランプ45a,46a内蔵の上下加
熱ローラ45,46と、オフセットベルト44表面から
トナーを除去するベルトクリーニング装置47とを備え
ている。このオフセットベルト44の少なくとも表面
は、軟化したトナーにとって付着しやすい材質で形成さ
れている。例えばベルト自体がアルミ系、銅系、ニッケ
ル系など金属材料、又は酸化チタンを分散させたポリエ
チレンテレフタレート(PET)などの高分子系材料で
形成されている。表面材質として高分子系の材料を用い
る場合にはテンションや熱による伸び防止、耐久性など
の観点からベースと表層の少なくとも二層以上の多層構
造にすることが望ましい。
【0022】このオフセットベルト44を支持するロー
ラのうち、上下加熱ローラ45,46の加圧部を通過し
た後のベルト部分が巻き付く小径ローラ43の回りで、
ベルトの移動方向を急激に変化させて、オフセットベル
ト44からの紙10の曲率分離を行わせることができる
ように、この小径ローラ43とベルトクリーニングユニ
ットに対向する支持ローラ41との間のベルト部分を内
側に押し込む案内ローラ48が設けられている。また上
記加圧部に進入していくベルト部分が巻き付く支持ロー
ラ42はベルト寄り防止のためにクラウンローラになっ
ている。この支持ローラ42とベルトクリーニングユニ
ット対向の支持ローラ41との間のベルト部分を内側に
押し込むテンションローラ49も設けられている。
【0023】また上記上下加熱ローラ45,46は、紙
10のトナー像面をオフセットベルト44に密着させる
とともに紙10に固着しているトナーを加熱して軟化さ
せるものである。この加熱は上加熱ローラ45とオフセ
ットベルト44との圧接部で紙10上のトナーが溶融し
ない程度に行うことが望ましい。トナーが溶融してしま
うと紙10上のトナーを、紙側とオフセットベルト44
側とに分断することなく、オフセットベルト44側へ転
写させるのが、困難になるためである。このうち上加熱
ローラ45は、紙10を介してトナー像面のトナーを、
その軟化点近辺の温度まで加熱するが、加熱し過ぎると
上加熱ローラ45とオフセットベルト44との圧接部を
通過中に紙10が乾燥し過ぎて、この圧接部を通過し更
に上記小径ローラ43回りで曲率分離された紙先端部分
が自重などでオフセットベルト44表面に再接触した際
に、オフセットベルト44表面に一旦付着したトナーが
再度紙側に移ってしまう恐れがある。また、紙が乾燥し
過ぎてトナーの紙10に対する固着力が紙10が濡れて
いる場合に比して強まり、紙10がトナーを介して該ド
ラム81に貼り付いて上記分離爪85で分離できなくな
る恐れがある。従って、加熱部通過後の紙10に多少の
湿り気、例えば4gのA4判の紙で0.5〜2.5g程
度の液が含まれる程度の含液率(12〜63%)になる
湿り気が残って上記トナーの再付着を防止できる程度に
加熱することが望ましい。例えば上加熱ローラ45の表
面温度が80°C〜115°C程度の範囲内に入る設定
温度に維持されるように内蔵加熱ランプ45aが点灯制
御される。
【0024】また上記下加熱ローラ46は、上加熱ロー
ラ45とともに、紙10に固着しているトナーを軟化さ
せるためのものである。これにおいても紙10が乾燥し
過ぎないように加熱する。例えば、剥離ローラ表面が7
0°C〜115°C程度の範囲内に入る設定温度に維持
されるように内蔵加熱ランプ46aが点灯制御される。
【0025】ここで、本発明者らの研究によれば、紙1
0に付着しているトナーの、紙10との界面部分の軟化
度合いが、トナーの表面部分、すなわちオフセットベル
ト44表面に接触している部分のそれよりも大きい方
が、オフセットベルト44にトナーが転移し易く、紙1
0の繊維を傷めることも少ないことが判った。よって、
トナーと直接接触するオフセットベルト44の表面温度
が、紙10を介してトナーに熱を与える上加熱ローラの
表面温度よりも低くなるように両加熱ローラ45,46
の加熱ランプ45a,46aの制御温度を設定すること
が望ましい。なお、オフセットベルト44が金属で、か
つ厚みも例えば0.1mm程度と薄く、加圧部における温
度が下加熱ローラ46表面温度とほぼ等しいものとして
取り扱えるときには、下加熱ローラ46表面の温度を検
出し、これと所望のオフセットベルト44表面温度とを
比較して加熱ランプ46aを制御することができる。こ
のように取り扱えない場合にも、下加熱ローラ46表面
温度と加圧部におけるオフセットベルト44表面温度と
のずれ分を予め実験で求めておき、このずれ分を加味す
れば、下加熱ローラ46表面温度検出結果に基づく加熱
ランプ46a制御が可能である。 (以下、余白)
【0026】また、上記ベルトクリーニングユニット4
7は、オフセットベルト44周面に断続的な引っ掻き力
を及ぼして付着トナーを除去する回転ブラシローラ50
と、この回転ブラシローラ50よりもベルト移動方向下
流側で、ベルト周面に接触し摩擦力によるスクラブで付
着トナーを除去するパッド51とを備え、これらにより
ベルト周面から除去されたトナーをユニットケーシング
52内に収容するようになっている。この回転ブラシロ
ーラ50としては、黄銅ブラシを用いたものや砥粒入り
樹脂ブラシ(例えば砥粒入りナイロンブラシ)を用いた
ものなどが好適である。例えば線径0.15mmの黄銅繊
維からなるブラシを植設した直径55mmの回転ブラシロ
ーラ50を1000rpm以上の回転速度で回転駆動させ
たところ、十分なトナー除去効果が得られた。このよう
な弾性ブラシを用いた回転ブラシローラ50は、硬度が
金属などに比して小さい樹脂材料によって表面が構成さ
れているオフセットベルト44を利用する場合に特に好
適である。表面が金属などの硬度の高い材質からなるオ
フセットベルト44を利用する場合などは、回転ブラシ
ローラ50に代え、例えば剛性の高い刃物などで構成し
たクリーニングブレードを用いて、ベルト周面に付着し
たトナーを切削除去するようにしても良い。
【0027】ここで、オフセットベルト44周面からの
トナー除去は、加圧通過時に加熱されて軟化したトナー
がある程度冷えた後に行うことが望ましい。これは、上
記回転ブラシローラ50などによる機械的摺擦作用に伴
う発熱の影響も加わったりしてトナーが軟化し粘度が過
度に高まってしまうと、ブラシなどのクリーニング部材
にトナーがこびりつき、クリーニング性能が損なわれる
恐れがあるためである。よって、上記加圧部を通過した
ベルト部分が、クリーニング部に到達する時点で、その
温度が少なくともトナー軟化温度以下、例えば70°C
以下になっていることが望ましい。このために、本実施
例では、クリーニング部を加圧部から十分離れた箇所に
設定している。これに加え、必要に応じてクリーニング
部に到達するまでの間に、及び又は、クリーニング部に
到達した時点で、オフセットベルト44を冷却する空冷
や水冷の冷却手段を設けても良い。例えば、ファンを用
いてベルトクリーニングユニット47のケーシング52
内に、例えば回転ブラシローラ軸方向に流れる空気流を
形成すれば、該ケーシング52の開口を介してベルト4
4を冷却できるとともに回転ブラシを冷却してブラシに
一旦こびりついたトナーを固形化し、ベルト周面や図示
しないフリッカ部材と衝突させてブラシから落下させる
ことができる。
【0028】なお、このトナー除去ユニット40には、
液供給ユニット30側から送られてくる紙10を、加圧
部に進入させるための挾持搬送手段としての中継搬送ロ
ーラ対53が設けられている。この中継搬送ローラ対5
3で紙10に浸透又は付着している液を挾持力によって
一部絞り出すようにしても良い。また、加圧部を通過
し、かつ小径ローラ部でオフセットベルト44から曲率
分離された紙10を乾燥ユニット60側に案内するため
の上下ガイド部材54も設けられている。
【0029】ここで、本発明者らの研究によれば、給紙
搬送ローラ対24、トナー除去ユニット40の中継搬送
ローラ対53、上加熱ローラ45、オフセットベルト4
4などの紙搬送系の線速を互いに同一線速に設定する
と、図5(a)に示すようなほぼ幅方向のしわが発生す
ることが確認された。この原因について鋭意検討したと
ころ、図5(b)に示すように、トナー除去ユニット4
0の中継搬送ローラ対53に進入していく紙10に紙折
れ(10b)が生じ、これがそのまま中継搬送ローラ対
53の挾持部を通過するために、上記しわが生じている
ことが判った。更に、このような紙折れが生じるのは、
塗布ローラ33で液が供給されて紙の搬送方向の長さが
例えば3%程度伸びるためであることが判った。すなわ
ち、図5(b)に示すように、共に挾持搬送手段である
給紙搬送ローラ対24とトナー除去ユニット40の中継
搬送ローラ対53の両方に紙10が挾持されている状態
では、塗布ローラ33よりも下流側の紙10は、給紙搬
送ローラ対24による搬送速度に自らの液浸透による長
手方向の伸び分を加えた見掛け上の速度で移動する。こ
のために、トナー除去ユニット40の中継搬送ローラ対
53の搬送が追いつかずに、紙10の弛み分が生じ、こ
の弛み分が液浸透によって腰が弱くなっていることから
紙折れになっていた。
【0030】そこで、このような幅方向のしわの発生を
防止するためには、図6(a)に示すように、少なくと
も、給紙搬送ローラ対24で挾持搬送されている紙10
の先端がトナー除去ユニット40の中継搬送ローラ対5
3に加え込まれてから、図6(b)に示すように紙10
の後端が給紙搬送ローラ対24の挾持部を脱するまでの
間は、トナー除去ユニット40の中継搬送ローラ対53
の線速v2の方が、給紙搬送ローラ対24の線速V1より
も速くなるように設定する。具体的には少なくとも紙1
0の液浸透による伸び分(例えば上記3%)だけ速い線
速を設定する。望ましくは、トナー除去ユニット40の
中継搬送ローラ対53で多少ひっぱりながら搬送できる
ように、この伸び分よりも更に速い線速に設定する。但
し、あまり速過ぎると、紙10が破れてしまうので、紙
10のひっぱりによる伸びの限界を考慮して線速差を設
定する。例えば給紙搬送ローラ対24の線速が49.5
mm/秒である場合、トナー除去ユニット40の中継搬送
ローラ対53の線速をこれより1.5m/秒程度以上速
くなるように設定する。なお、上加熱ローラ45とオフ
セットベルト44との圧接部におけるこれらの線速v3
を、トナー除去ユニット40の中継搬送ローラ対53の
線速v2よりも多少速く設定して、該圧接部への紙10
の進入もひっぱられながらの進入にすることが幅方向の
しわ防止上、より望ましい。
【0031】上記乾燥ユニット60は、例えば紙10の
液保持量が紙重量の10%以下になるように紙10を乾
燥させるものであり、加熱ランプ61a内蔵の例えばア
ルミからなる加熱ドラム61と、複数の支持ローラ62
に掛け渡され、該加熱ドラム61の周面に一定角度巻き
ついた状態で無端移動する紙押圧用ベルト63とから構
成されている。図示の例では一つの支持ローラ62がテ
ンションローラを兼ねている。この加熱ドラム61は紙
10にカールが生じにくい程度の直径、例えば90mm程
度以上の直径のものを用いることが望ましい。
【0032】また上記紙押圧用ベルト63の材質として
は、耐熱性や通気性を備えた材質、例えばキャンバス
地、木綿地、テトロン地などの布を用いることができ
る。できるだけ伸びにくい材質を用いることが望まし
い。そして、加熱ドラム周面への巻き付き領域で乾燥が
進む間に紙10が全く自由な形で収縮してしわを生じな
いように、また、紙10のカールや波打ちを生じにくい
ように、加熱ドラム周面とベルト内面とである程度の力
で紙10を挾持できるようにする。例えば幅240mmの
ベルトで、ベルト張力を7kg重以上、好ましくは15kg
重以上に設定することが望ましい。また、上記液保持量
が10%以下なるように乾燥するため、加熱ドラム表面
が100°C以上の温度に維持されるよう内蔵加熱ラン
プ61aを点灯制御することが望ましい。
【0033】また図7(a)に示すように乾燥ユニット
60における紙搬送速度、具体的には乾燥ドラム61及
び紙押圧用ベルト63の線速v4は、乾燥ユニット60
よりも紙搬送方向上流側における紙挾持搬送手段として
上加熱ローラ45及びオフセットベルト44の線速V3
よりも低速に設定することが望ましい。これは、図7
(b)に示すようにほぼ搬送方向に伸びるしわが紙に発
生したり、ひっぱり強度の弱い紙が、図7(c)に示す
ように途中で破れて切れたりするのを防止するためであ
る。このようなしわや破れは、乾燥ドラム61と紙押圧
用ベルト63との圧接領域で紙が乾燥されて収縮するこ
とに起因する。すなわち、圧接領域で紙が乾燥されて収
縮する際に、比較的乾燥が進んでいる先端側を基準にし
て後端よりの紙部分が先端側に寄る。このため、見掛け
上乾燥ドラム61及び紙押圧用ベルト63の線速よりも
速い速度で紙後端側をひっぱることになる。よって仮に
両者の線速が同速に設定されていると、上加熱ローラ4
5とオフセットベルト44との圧接部に挾持されている
紙後端部との間に過剰な張力が働き、しわや破れが発生
するのである。上記のように両者の線速を設定すること
により、このような過剰な張力の発生を防止できる。
【0034】また、図7(a)中に符号Aで示す上記ト
ナー除去ユニット40の上加熱ローラ45とオフセット
ベルト40との圧接部の直前や、図8(a)中に符号B
で示す乾燥ユニット60の乾燥ドラム61と紙押圧用ベ
ルト63との圧接部の直前の位置に、紙10を幅方向両
側に広げながら搬送する搬送手段を配置しても良い。こ
のような搬送手段は、例えば図8(b)に示すような、
それぞれ近い方の幅方向端部側に多少傾斜した複数の搬
送コロ53aによって構成できる。また転写型の電子写
真複写機などの定着装置において、転写紙を両側にひっ
ぱりながら加熱加圧を行う、特定形状の加熱加圧ローラ
対と同様の形状、例えばつつみ状のローラ対で構成する
こともできる。これによれば、液浸透による紙10の撓
みで上記図7(b)に示すような縦方向のしわが発生す
るのを防止できる。
【0035】ここで、乾燥ユニット60における乾燥の
高速化などを図るには、できるだけ薄い通気性のベルト
63を用いることが望ましい。例えば木綿布であれば厚
さ1mm以下、ポリエステルやテトロンなどの化学繊維の
布であれば0.5mm以下のものからなるベルトを用いる
ことが望ましい。ところが、このように薄いベルトは変
形しやすく、ゴム支持ローラ、クラウン支持ローラ、寄
り止めリング、支持ローラ肩越え状態の巻き掛けなどの
従来のベルト寄り防止策のみでは、ベルト寄りを完全に
防止するのが困難であることが判った。例えば図9
(a)に示すような寄り止めリング62bを設けても、
下側の寄り止めリングについて図9(b)に示すように
ベルトが変形しこのリング62bを乗り越えてしまう。
【0036】そこで、本発明者らは、変形し易いベルト
63の寄り防止策を鋭意研究したところ、図10(b)
に示すように、ベルト63内面における幅方向両端部
に、ある程度の強度をもった突条部63aを全周にわた
って環状に形成するとともに、支持ローラ62周面にこ
の環状突条部63aが入り込める溝62aを全周にわた
って環状に形成すれば、例えば図10(a)に示すよう
にベルト回動中にこの環状突条部63aが支持ローラ6
2の環状溝62aに入り込んで支持ローラ軸線方向で位
置規制され、ベルト63全体の寄りが良好に防止できる
ことが判った。この環状突条部63aは、図10
(b),(c)に示すように、ゴムやワイヤからなる芯
材63cをベルト材の両端部で巻き込み固定することで
形成しても良いし、図10(d)に示すように、このよ
うな芯材63cを用いずに単にベルト材の両端部を巻い
て一定の強度をもたせることにより形成しても良い。そ
の他、ある程度の強度を備えた線材を接着や縫合によっ
てベルト材の両端部に全周にわたって環状になるように
固定しても良い。更に、ベルト内面側に環状突条部63
aを形成するのに代え、又はこれに加え、ベルト外面側
に環状突条部を形成するとともに、ベルト外面に接触す
る案内ローラの周面にこの環状突条部が入り込める環状
溝を形成したり、図10(e)に示すように寄り防止用
のリング63dを設けたりして、このベルト外面側の環
状突条部63aと環状溝ないしはリング63dとの係合
によってベルト寄りを防止するようにしても良い。更
に、必要に応じてベルト幅方向両端部に加えこれ以外の
ベルト部分にも環状突条部63aを設けても良い。
【0037】なお、この乾燥ユニット60には、加熱ド
ラムと紙押圧用ベルトとの挾持領域を抜け出した紙10
をガイドする上下ガイド部材64と、これによりガイド
されてきた紙10を紙受けユニット70の紙受け面上に
排紙するための排紙ローラ対65が設けられている。
【0038】また、この複写紙からのトナー除去装置に
は、図示を省略したが、給紙台に紙10があるか否かを
検出する検出手段、給紙ユニット20による紙10の重
送検出手段、液容器32中の液残量検出手段、液容器3
2への液自動補給手段、紙10の装置内ジャム検出手
段、各加熱ランプの点灯制御手段と、ベルトクリーニン
グ装置のケーシング52内満杯手段、オフセットベルト
からの分離ミス検出手段などが設けられている。
【0039】以上の構成において、給紙ユニット20か
ら送られた紙10は、液供給ユニット30でそのトナー
像面に液が均一に供給され、トナー除去ユニット40に
送られる。このトナー除去ユニット40で、紙に固着し
ているトナーが加熱ローラ45,46からの加熱で軟化
し、オフセットベルト44表面に付着する。そして小径
ローラ43の回りで紙とオフセットベルト44から分離
する際に、オフセットベルト44表面に付着したトナー
が紙から剥離し、これにより、紙からトナーが除去され
る。トナーが除去された紙は乾燥ユニット61で乾燥さ
れ、紙受けユニット70に排出される。
【0040】以上、この複写紙からのトナー除去装置に
よれば、トナーが付着した紙に液を供給して紙のトナー
との界面部に液を浸透させた状態でトナーを剥離させる
ので、紙繊維を傷めることなく、トナーを除去できる。
また、紙表面が液で濡れた状態でオフセットベルト44
と接触させ、かつオフセットベルト44から分離する時
点でも紙が湿った状態を維持できる程度に加熱するの
で、オフセットベルト44表面をトナー接着性有する材
質で構成した場合にも、紙表面自体がオフセットベルト
44表面に接着して分離不良が生じるのを防止でき、ま
た分離した紙部分がオフセットベルト44と再接触する
ことによるトナーの再転移を防止できる。
【0041】また、上加熱ローラ45とオフセットベル
ト44との圧接部やその直前の中継搬送ローラ対53の
挾持部において、液が供給された紙を厚み方向に加圧す
るので、紙のトナーとの界面部に液を良好に浸透させる
ことがきる。これによれば、上記液として界面活性剤を
全く含まないか、又は微量しか含まない水を用いても、
紙繊維を傷めずに良好にトナーを除去することができ
る。また、紙10への液供給を片面側からのみ行うこと
で、紙10の液供給面側のみが膨張することによる紙1
0のカールを防止できる。特に、上述のようにこの中継
搬送ローラ対53を液絞り出しが可能な程度の挾持力を
発揮させる場合に、これらの効果を良好に発揮させるこ
とができる。
【0042】また、オフセット部材をベルト状にしてい
るので、加圧部とクリーニング部とを十分はなして設定
することで、クリーニング部に到達するまでの間にトナ
ーを十分冷やし、クリーニング部材への固着を防止する
ことができる。
【0043】なお、この複写紙からのトナー除去装置に
おいては、トナー像面側からのみ液を供給するようにし
ているが、紙10の反対面側から液を供給するようにし
たり、両側から供給するようにしても良い。更に紙10
の両面から液を供給するために、液を収容した容器内の
液中に加圧ローラ対を配置し、紙10をこの液中に進入
させ加圧ローラ対を通過させるようにしても良い。
【0044】また、上記加熱ドラムと紙押圧用ベルトと
を用いた乾燥ユニット60に代え、それぞれ加熱ランプ
を内蔵し圧接状態で回転駆動される加熱ローラ対を用い
ても良い。この場合、各ローラの加熱ランプは紙10の
カールを例えば3mm以下に抑えるため、それぞれのロー
ラ表面温度がほぼ同一の温度になるように点灯制御する
ことが望ましい。
【0045】また、黒べたのトナー像が形成された紙1
0は、トナー面からの液浸透がトナーによって妨げられ
るので、例えば紙10への液供給前に、トナーを少なく
とも部分的に削り落す手段を設けても良い。この削り落
し手段としては、上記トナー除去装置40におけるベル
トクリーニング装置47と同様の装置を用いることがで
きる。
【0046】次に本発明の他の実施例に係る複写紙から
のトナー除去装置について説明する。図1の実施例にお
いては、液供給ユニット30の塗布ローラ33によって
液が供給され腰が弱くなった紙10を、第2ガイド機構
36や中継搬送ローラ対53によって、トナー除去ユニ
ット40の上加熱ローラ45とオフセットベルト44と
の圧接部まで搬送するので、この間の搬送中に、しわ、
紙折れ、ジャムなどが発生するのを防止するための工夫
を要した。特に、紙10の片面のみからの液供給の場
合、紙10の表裏で含液量のバランスが崩れカールなど
が生じて、紙折れなどが発生する恐れが高い。そこで、
本実施例の複写紙からのトナー除去装置では、液供給ユ
ニットとトナー除去ユニットとを一体化して、紙10を
少なくとも液供給部から加熱部まで単一の表面移動部材
上に担持して搬送するようにしたものである。
【0047】図11において、本実施例に係る複写紙か
らのトナー除去装置は、積層状態で収容しているトナー
像が形成された紙10を一枚づつ分離給送する給紙ユニ
ット20と、給紙ユニット20から送られてきた紙に液
を供給するとともに、液が供給された紙からトナーを除
去する液供給兼トナー除去ユニット80と、トナーが除
去された紙を乾燥させる乾燥ユニット60と、乾燥ユニ
ット60から排出される紙を受ける紙受けユニット70
とを備えている。
【0048】上記給紙ユニット20は、トナー像面を下
に向けて給紙台21上に積載された紙10を、最上部の
ものから自動給紙ローラ22により一枚づつ給紙し、給
紙搬送ローラ対24で送りだすものである。図示の例で
は、自動給紙ローラ22の下方に位置する紙ガイド面に
固着された図示しない摩擦部材を用いた摩擦分離で、紙
10の重送を防止しているが、上記図1の装置のように
分離ローラ対23を用いてもよい。
【0049】上記液供給兼トナー除去ユニット80は、
図中反時計回りに回転駆動される液供給兼用のオフセッ
トドラム81と、このオフセットドラム81に液体を供
給する液供給装置82と、液が供給されたオフセットド
ラム81の周面に上記給紙ユニット20から送られてき
た紙10を巻き付ける巻き込みローラ83と、巻き込み
ローラ83によって巻き付けられたオフセットドラム8
1上の紙10を加熱する加熱ローラ84、加熱ローラ8
4との対向部を通過した紙10をオフセットドラム81
から分離する分離爪85と、紙10が分離された後のオ
フセットドラム81上の付着トナーを除去するドラムク
リーニング装置86と、オフセットドラム81上から分
離された紙10を乾燥ユニット60側に搬送する分離後
搬送ローラ対87とを備えている。
【0050】上記オフセットドラム81は、図1の装置
におけるオフセットベルト44と同様に、表面がトナー
の付着しやすい材質からなる。すなわち、例えばアルミ
系、銅系、ニッケル系などの金属からなるローラを用い
ることができる。また酸化チタンを分散させたポリエチ
レンテレフタレート(PET)などの高分子系材料で表
面が構成されたローラを用いることもできる。表面を高
分子系の材料で構成する場合には強度の点からドラムベ
ースと表層の少なくとも二層以上の多層構造にすること
が望ましい。
【0051】上記液供給装置82は、水又は紙10への
浸透性を向上させるために界面活性剤を含んだ水溶液な
どの液31をオフセットドラム81に供給するものであ
り、図1の装置における液供給ユニット30と同様に、
液を収容する液容器82aと、この液容器82a中の液
中に部分的に没するように設けられ回転によって液を汲
み上げてオフセットドラム81表面に供給する塗布ロー
ラ82bとを備えている。そして、図示の例では上記液
容器82aに液31を補充するための補充液タンク82
cも設けられている。この塗布ローラ82bとしては、
図1の装置における塗布ローラ33と同様に、保液性を
有する材質、例えば、親水性多孔質材質、スポンジなど
からなるローラや、ゴムなどの弾性体又は金属などの剛
体からなるローラなどを用いることができる。また後者
のローラを用いる場合には軸線方向に伸びる複数の汲み
上げ用の溝を形成することが望ましい。そして、この塗
布ローラ82aも、オフセットドラム81に巻き付けら
れる紙10に所望量の液、例えば紙質量の35%以上、
好ましくは40〜120%相当分の液が紙10に浸透又
は付着させれるように、オフセットドラム81に接触従
動又は非接触所定回転駆動によって、回転するようにな
っいる。
【0052】上記巻き込みローラ83は、給紙ユニット
20からの紙10をオフセットドラム81周面に密着さ
せて巻き付けるべく、図示しない付勢手段により該ドラ
ム81表面に押圧された状態で配置しても良いし、該ド
ラム81表面に対して紙巻き付きのガイド機能を発揮で
きる範囲の所定のギャップ、好ましくは液が供給されて
厚みが増大した状態の紙の厚みよりも小さなギャップ、
をおいて対向配置しても良い。前者の配置の場合、該ド
ラム81上で液が供給された紙10を厚み方向に圧縮す
ることによって、紙10のトナーとの界面部への液浸透
を促進させることができる。そして、いずれの配置の場
合にも、該ドラム81に対して直接又は紙10を介して
連れ回り可能なように回動自在にしても良いし、少なく
とも紙10の先端部の該ドラム81上への巻き付きが安
定するまでの期間、好ましくは、少なくとも該ドラム8
1上の紙10先端が加熱ローラ84の該ドラム81に対
する圧接部に加え込まれるまでの期間は、該ドラム81
と同じ向きに例えば該ドラム81の線速とほほ同じ線速
で表面が移動するように回転駆動しても良い。
【0053】なお、ここで、該ドラム81上で濡れた紙
10が長手方向に伸びて撓み、これがそのまま加熱ロー
ラ84の圧接部を通過するとしわになってしまう。この
しわは、図1の装置において、挾持搬送手段としての上
加熱ローラ45とオフセットベルト44との圧接部にお
ける該ローラ45などの線速を、同じく挾持搬送手段と
しての給紙搬送ローラ対24の線速よりも、少なくとも
所定期間高速にして、両挾持搬送手段の線速差で上記伸
び分を吸収するか又は濡れた紙10を積極的にひっぱっ
て、撓みを防止したのと同様にして、防止することがで
きる。すなわち、本実施例装置においても、挾持搬送手
段としての加熱ローラ84とオフセットドラム81との
圧接部における該ローラ84などの線速を、挾持搬送手
段としての給紙搬送ローラ対24の線速よりも、少なく
とも所定期間高速にして、該ドラム81上での濡れた紙
10の撓みを防止できる。但し、本実施例装置の場合、
濡れて該ドラム81上に付着している紙10の一部が該
ドラム81から浮き上がった形の撓みを防止する必要が
あるので、加熱ローラ84の圧接部進入直前から巻き込
みローラ83の対向部にかけて該ドラム81に付着して
いる紙部分を、少なくとも濡れによる自然な伸びに相当
する分だけ該ドラム81周面ですべらせながら伸ばす必
要がある。このために、両挾持搬送手段の線速差を用い
て撓みを防止する場合には、該線速差によるテンション
が上記紙部分にも及ぶように、巻き込みローラ83と該
ドラム81との間で紙10がずれ可能なように、巻き込
みローラ83を配置しておく。すなわち、巻き込みロー
ラ83を、少なくとも乾燥時の紙10の厚みよりも大き
なギャップをおいて該ドラムに対向させるか又は比較的
弱い押圧力で該ドラムに押圧するように設ける。そし
て、この巻き込みローラ83を回転駆動する場合には、
第2搬送ローラ対24と同じ線速になるように駆動する
ことが望ましい。 (以下、余白)
【0054】上記加熱ローラ84は、加熱ランプ84a
を内蔵し、望ましくはオフセットドラム81に所定圧力
で当接するように配置されている。この加熱ランプ84
aは、紙10に固着しているトナー像を構成するトナー
樹脂の軟化点近辺の温度まで加熱できるように点灯制御
される。但し、図1の装置と同様に、加熱し過ぎると加
圧部通過中に紙が乾燥し過ぎて、トナーの紙10に対す
る固着力が紙10が濡れている場合に比して強まり、紙
10がトナーを介して該ドラム81に貼り付いて上記分
離爪85で分離できなくなる恐れがある。従って、加熱
部通過後の紙に多少の湿り気があって上記トナーの再付
着を防止できる程度の液が残存する程度に加熱すること
が望ましい。例えば表面温度が80°C〜115°C程
度の範囲内に入る設定温度に維持されるように点灯制御
される。
【0055】上記分離爪85は、爪先端がオフセットド
ラム81周面に近接し、かつ上面部が搬送ローラ対への
紙ガイド機能を発揮し得る位置と、この位置から退避し
た位置との間で移動させる図示しない爪移動機構が付設
されている。そして、該爪移動機構によって、爪先端部
にトナーが付着する可能性を少なくするために、紙先端
が上記分離後搬送ローラ対87に挾持された時点で退避
位置に移動されるようになっている。
【0056】上記ドラムクリーニング装置86は、図示
のように例えば剛性の高い刃物からなるクリーニングブ
レード86aと、これによりオフセットドラム81から
除去したトナーを収容するトナー収容器86bとから構
成できる。このクリーニングブレード86aのような切
削除去機構に代え、又は該機構に加え、図1の装置にお
けるベルトクリーニング装置47と同様に、回転ブラシ
ローラなどの断続的な引っ掻き力で付着トナーを除去す
る機構、パッドなどの摺擦機構などを設けても良い。
【0057】そして、本実施例のオフセットドラム81
には、上記加熱ローラ84側からの熱とともに、紙に固
着しているトナーを軟化させるために、加熱ローラ84
対向部の裏側に加熱ランプ81a及び反射板81bが内
蔵されている。この加熱ランプ81aも紙が乾燥し過ぎ
ない程度、例えば、オフセットドラム81表面が70°
C〜115°C程度の範囲内に入る設定温度に維持され
るように点灯制御される。また、図1の装置と同様に、
紙10に付着しているトナーの紙との界面部分の方がト
ナーの表面部分、すなわち該ドラム81表面に接触して
いる部分よりも軟化度合いが大きいことが、紙からオフ
セットドラム81側にトナーが転移し易い。よって、ト
ナーと直接接触するオフセットドラム81の表面温度
が、紙を介してトナーに熱を与える加熱ローラ84の表
面温度よりも低くなるように温度制御することが望まし
い。
【0058】なお、加熱ローラ84やオフセットドラム
81内の加熱ランプ81aのみでは、トナーや紙10の
加熱が不十分になるような場合には、少なくともドラム
クリーニング部を通過したオフセットドラム部分、好ま
しく液供給部を通過したオフセットドラム部分、更に好
ましくは紙巻き付き部を通過したドラム部分に対向して
予備加熱手段を設けても良い。また液容器82a内の液
を加熱しておいて、この液31によってオフセットドラ
ム81や紙10の予備加熱を行っても良い。この場合、
液31の温度も室温より高いので、オフセットドラム8
1による紙10からのトナー除去時に紙繊維を傷めない
ようにする効果も高めることができる。この点上記図1
の装置においても同様に液供給ユニット32の液31を
加熱することが望ましい。
【0059】また上記オフセットドラム81内の反射板
81bは、上記加熱ランプ81aからの熱を加熱ローラ
対向部に集中させて、該対向部における加熱の効率を向
上させる狙いの他に、上記ドラムクリーニング装置86
が対向するクリーニング部に到達するまでの間にオフセ
ットドラム81上のトナーをある程度冷やしてクリーニ
ングし易い状態にする狙いもある。クリーニング部での
オフセットドラム81表面温度が少なくともトナー軟化
温度以下、例えば70°C以下になるようにすることが
望ましい。上記クリーニングブレードや回転クリーニン
グブラシなどによる機械的摺擦作用に伴う発熱でトナー
が軟化して粘度が高まってしまうと、クリーニング部材
にこびりつき易くなるので、必要に応じて空冷や水冷の
冷却手段をクリーニング装置86内又は加熱ローラ84
通過後であってクリーニング部に到達するまでの間の該
ドラム81部分を冷却できる箇所に設けても良い。
【0060】上記乾燥ユニット60は、それぞれ加熱ラ
ンプ66aを内蔵し圧接状態で回転駆動される仕上げロ
ーラ対66と、該仕上げローラ対66を通過した紙10
を紙受けユニット70に排紙するための排紙ローラ対6
5とを備えている。上記加熱ランプ66aはいずれも、
紙のカールを例えば3mm以下に抑えるため、互いのロー
ラ表面温度がほぼ同一の温度になるように点灯制御され
る。また仕上げ後の紙の液保持量が紙重量の10%以下
になるように温度設定されている。
【0061】なお、この乾燥ユニット60においても、
図1の装置における乾燥ユニット61と同様に、仕上げ
ローラ対66の圧接部通過時の乾燥による紙10収縮で
縦方向のしわが発生する場合には、直前の挾持搬送手段
としての分離後搬送ローラ対87の線速よりも仕上げロ
ーラ対66の線速の方を遅く設定することが望ましい。
逆に仕上げローラ対66の圧接部に進入してくる液を含
んだ紙10の腰の弱さによって、多少ひっぱった状態で
仕上げローラ対66にくわえ込んでいった方が、しわな
どを防止できる場合には、仕上げローラ対66の線速を
分離後搬送ローラ対87の線速よりも多少速くなるよう
に設定することが望ましい。
【0062】また、上述の例えば図8(b)に示すよう
な紙10を幅方向両側に広げながら搬送する搬送手段
を、上記分離後搬送ローラ対87に代え、又は該分離後
搬送ローラ対87と仕上げローラ対66との間に追加し
て、設けても良い。
【0063】以上の構成において、給紙ユニット20か
ら送られた紙10は、その先端部がオフセットドラム8
1の周面に当接した後に該周面の移動に伴って巻き込み
ローラ83と該ドラム81との対向部を通過して該ドラ
ム周面に順次巻き付けられていく。この間、液供給装置
82で該ドラム81上に供給されている液31が紙10
に浸透していく。そして、液を含んだ紙10が該ドラム
81の回転によって加熱ローラ84との対向部に至り、
ここで、加熱ローラ80及び該ドラム81内の加熱ラン
プ81aからの熱で、紙に固着しているトナーが軟化さ
れ、該ドラム81表面に付着する。そして分離爪85に
よって紙10が該ドラム81から分離される際に該ドラ
ム表面に付着したトナーが紙10から剥離し、これによ
り、紙10からトナーが除去される。トナーが除去され
た紙は乾燥ユニット61で乾燥され、紙受けユニット7
0に排出される。
【0064】なお、図12は図11の装置における全体
制御の一例を示すフローチャートである。この例では、
装置電源が投入されると、給紙搬送ローラ対24、オフ
セットドラム81、分離後搬送ローラ対87、仕上げロ
ーラ対66、及び排紙ローラ対65の回転駆動を開始
し、これらの全てが、それぞれ所定の回転速度まで立ち
上がったら、各ランプ84a,81a,66aの点灯を
開始し、各ランプでの加熱対象物の全てが所定の設定温
度に達した時点で、自動的に給紙ユニット20による給
紙を開始させる。そして紙10の先端が給紙搬送ローラ
対24を通過したしたのを図示しないセンサで検出した
ら、塗布ローラ82bの回転を開始して、オフセットド
ラム81に液を供給し始め、分離後搬送ローラ対87及
び排紙ローラ対65を紙が通過したか否かを図示しない
センサで検出しながら、排紙が完了するまでこれらのロ
ーラ対を駆動し続ける。排紙が完了したら、給紙ユニッ
ト20の給紙台21に紙10が残っているか図示しない
センサで検出し、残っていなければ、動作を停止し、逆
に残っていれば、再度給紙ユニット20による給紙に戻
り、所定の動作を繰り返す。そして、このような動作中
に上記各紙検出用のセンサでジャムを検出した場合、ラ
ンプによる加熱でオーバーヒートが生じた場合、補充液
タンク82cが空になって、塗布ローラ82bによって
十分な量の液を汲み上げられない程度まで液容器82a
内の液面が低下した場合には、装置動作を停止し、必要
に応じて、これらの状況を表示する。
【0065】以上、この複写紙からのトナー除去装置に
よれば、オフセットドラム81上に紙10を担持した状
態で、紙10への液供給及びトナー除去を行うので、こ
の間、液で濡れて腰が弱くなった状態の紙10を安定に
搬送できる。
【0066】なお、上記トナー除去装置においては、予
め液供給装置82で液が予め供給されたオフセットドラ
ム81上に紙10を巻き付けるようにしたが、これに代
え、又はこれに加え、該ドラム81上に巻き付いた紙1
0にトナー像面とは反対側から液を供給するようにして
も良い。具体的には、例えば巻き込みローラ83を通過
した該ドラム表面上方に、液滴下手段やシリンジポンプ
などを用いた液吹き付け手段などを配設して、紙10の
上面から液を供給する。これらに加えて、紙先端部が該
ドラム81に巻き付いた後のタイミングで、該先端部よ
りも後端側のいまだ該ドラム81に巻き付いていない紙
部分に対して、例えば紙10の上方から液を供給する手
段を設けても良い。
【0067】また、上記各実施例に係る複写紙からのト
ナー除去装置では、トナー像を構成するトナーをほとん
ど全て除去して白紙の紙として再生するようにしたが、
メモ用紙として使用できる程度にトナーを除去できれば
足りるトナー除去装置、多少紙繊維が傷んでも構わない
トナー除去装置、液として紙からトナーを離れやすくす
る作用が強力な液を用いトナー除去に当たってのトナー
軟化が不要なトナー除去装置、所定の処理剤を用いてト
ナーを軟化できる場合などは、トナー除去にあたってト
ナーを軟化させるための加熱を要しない。
【0068】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、表面上に像形
成物質が固着しており、液が供給されたシート材を、そ
れぞれ所定の温度に加熱された転写用部材と加熱部材と
により挾んで加熱することにより、シート材表面上に固
着している像形成物質のシート材との界面部分の方が、
該像形成物質の表面部分、すなわち転写用部材表面に接
触している部分よりも温度が高く、軟化度合いが大きく
なるので、転写用部材に像形成物質が転移し易くなる。
よって、シート材を傷めることなく、シート材表面上に
固着している像形成物質を良好に除去できるシート材か
らの像形成物質除去方法を提供できるという効果があ
る。請求項2の発明によれば、表面上に像形成物質が固
着しており、液が供給されたシート材を、それぞれ所定
の温度に加熱された転写用部材と加熱部材とにより挾ん
で加熱することにより、シート材表面上に固着している
像形成物質のシート材との界面部分の方が、該像形成物
質の表面部分、すなわち転写用部材表面に接触している
部分よりも温度が高く、軟化度合いが大きくなるので、
転写用部材に像形成物質が転移し易くなる。よって、シ
ート材を傷めることなく、シート材表面上に固着してい
る像形成物質を良好に除去できるシート材からの像形成
物質除去装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図2】紙の搬送状態の説明図。
【図3】塗布ローラ上の液膜の厚さについての説明図。
【図4】紙ガイド機構の概略構成図。
【図5】搬送中の紙に発生するしわについての説明図。
【図6】搬送ローラ対の紙搬送速度についての説明図。
【図7】乾燥ユニットの紙搬送速度についての説明図。
【図8】しわ防止用搬送手段の概略構成図。
【図9】従来の寄り止めリングの概略構成図。
【図10】本実施例における寄り止め機構の概略構成
図。
【図11】他の実施例に係るトナー除去装置の概略構成
図。
【図12】同トナー除去装置における全体制御の一例を
示すフローチャート。
【符号の説明】
10 紙 33 塗布ローラ 44 オフセットベルト 45 上加熱ローラ 45a 加熱ランプ 46 下加熱ローラ 46a 加熱ランプ 53 中継搬送ローラ対 54 上下ガイド部材
フロントページの続き (72)発明者 藤田 滋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 渡部 寿夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 照 太郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 菅原 智明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 真貝 勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 川西 敏之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 五十嵐 正人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平4−82983(JP,A) 特開 平4−300395(JP,A) 特開 平1−297294(JP,A) 特開 平5−173454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 570 - 578

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面上に像形成物質が固着しているシート
    材に液を供給する工程と、 シート材表面上に固着している像形成物質に第1温度に
    加熱された転写用部材を接触させ、かつ、該シート材の
    像形成物質固着面と反対側の面に第1温度より高温の第
    2温度に加熱された加熱部材を接触させる工程と、 該シート材を該転写用部材から離間させる工程とを有す
    ることを特徴とするシート材からの像形成物質除去方
    法。
  2. 【請求項2】表面上に像形成物質が固着しているシート
    材から該像形成物質を除去するシート材処理装置におい
    て、 該表面上に像形成物質が固着しているシート材に液を供
    給する液供給手段と、シート材表面上に固着している像
    形成物質に接触する第1温度に加熱された転写用部材
    と、 該転写用部材とともに該シート材を挟むように、該シー
    ト材の像形成物質固着面と反対側の面に接触する第1温
    度より高温の第2温度に加熱された加熱部材と、 該転写用部材と該シート材とを離間させる手段とを設け
    たことを特徴とするシート材からの像形成物質除去装
    置。
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