JPH09288440A - 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置

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Publication number
JPH09288440A
JPH09288440A JP15350396A JP15350396A JPH09288440A JP H09288440 A JPH09288440 A JP H09288440A JP 15350396 A JP15350396 A JP 15350396A JP 15350396 A JP15350396 A JP 15350396A JP H09288440 A JPH09288440 A JP H09288440A
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JP
Japan
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peeling
recording material
image forming
forming substance
sliding
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Pending
Application number
JP15350396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Masahiro Yanagisawa
匡浩 柳澤
Masatoshi Saito
正敏 斉藤
Shigeru Fujita
滋 藤田
Kakuji Murakami
格二 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は通常の紙に膜状に形成された画像を効
率的に剥離・除去して再生する小型で、消費電力の少な
い被記録材の再生装置を提供する。 【解決手段】再生装置1は、画像形成物質106により
画像の形成された転写紙105を、給紙ユニットU1か
ら1枚ずつ液付与ユニットU2に供給し、液付与ユニッ
トU2で画像除去促進液212を付与して、転写紙10
5と画像形成物質106との接着力を弱めた状態とし、
剥離・移動ユニットU3の密着一体化した剥離ベルト3
05a、305bで転写紙105を挟持して、ジグザグ
搬送路を搬送する。ジグザグ搬送路を搬送する間に、剥
離ベルト305a、305bと転写紙105との相対変
位を生じさせるとともに、ジグザグ搬送路に設けられた
摺動部材303a、303bにより、剥離ベルト305
a、305bと転写紙105との相対変位をさらに促進
させ、転写紙105から画像形成物質106を効率的に
剥離して剥離ベルト305a、305bに転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録材の再生方
法及び被記録材の再生装置に関し、詳細には、被記録材
から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録
材を再生する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のOA(Office Automation )化に
より、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録
されるようになり、オフィスでは、この情報の記録され
たプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生する
が、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状で
ある。
【0003】これらの情報の記録された用紙は、廃棄処
理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理に
よる地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森
林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】従来、この問題を解消して、紙のリサイク
ルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除
き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用す
る処置を施していた。
【0005】この古紙を再生する処理では、大規模な古
紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、
分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの
工程を踏まざるをえなかった。
【0006】そこで、近時、1度使用した用紙上の文字
画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリ
ンティングに再利用することができる紙が開発されてい
る。例えば、特開平4−67043号公報には、シート
状支持体の表面、特に、片面のみに離型処理してなり、
かつ、該離型処理した支持体に印をつけ、普通紙と区別
したものが開示されている。
【0007】また、特開平1−101576号公報及び
特開平1−101577号公報には、画像形成物質(ト
ナー)で画像の形成された画像形成支持体を、画像形成
物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することによ
り、画像を除去する方法が開示されている。
【0008】さらに、特開平1−297294号公報に
は、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透
性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使
用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離
体を介在させて加熱して、画像を支持体から剥離するク
リーニング方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報記載のものにあっては、適切な解決とはなっていな
かった。
【0010】すなわち、特開平4−67043号公報記
載の紙は、特殊紙であり、再使用に際して、プリンター
や複写機で再使用した際に、画像形成物質(例えば、ト
ナー等)の定着性が悪く、一般の複写用紙等として使用
するには、問題があった。
【0011】また、特開平1−101576号公報及び
特開平1−101577号公報記載の画像を除去する方
法にあっては、有機溶剤を使用するため、有機溶剤によ
る公害が発生するという新たな問題があるとともに、有
機溶剤の引火や毒性により、その取り扱いに注意を必要
とし、一般のオフィスや家庭で使用するには、やはり問
題があった。
【0012】さらに、特開平1−297294号公報記
載のクリーニング方法にあっては、表面に剥離処理を施
した特別な用紙を用いなければならず、利用上の便宜性
が悪いという問題があった。
【0013】そこで、請求項1記載の発明は、皮膜状の
画像形成物質により固着画像の形成された通常の複写用
紙やプリンティング用紙等の被記録材を、一対の剥離部
材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、所定の
移動領域を移動させる間に、被記録材と剥離部材とを相
対変位させるとともに、剥離部材あるいはシール部材と
摺接する摺動部材により、より効率的に被記録材と剥離
部材とを相対変位させて、被記録材から画像形成物質を
効率的に剥離し、剥離部材に効率的に転写・除去するこ
とのできる被記録材の再生方法を提供することを目的と
している。
【0014】請求項2記載の発明は、皮膜状の画像形成
物質により固着画像の形成された通常の複写用紙やプリ
ンティング用紙等の被記録材を、一対の剥離部材あるい
は剥離部材とシール部材とで挟持して、所定の移動領域
を移動させる間に、被記録材と剥離部材とを相対変位さ
せるとともに、剥離部材あるいはシール部材と摺接する
摺動部材により、より効率的に被記録材と剥離部材とを
相対変位させて、被記録材から画像形成物質を効率的に
剥離し、剥離部材に効率的に転写・除去することのでき
る小型で、消費電力に少ない被記録材の再生装置を提供
することを目的としている。
【0015】請求項3記載の発明は、一対の剥離部材あ
るいは剥離部材とシール部材を安定的に移動させつつ、
剥離部材と被記録材とを効率的に相対変位させて、画像
形成物質を被記録材からより一層効率的に剥離・除去す
ることのできる被記録材の再生装置を提供することを目
的としている。
【0016】請求項4記載の発明は、剥離部材間あるい
は剥離部材とシール部材とに密着一体的に挟持されてい
る被記録材が、無接触領域において、比較的自由に動い
て、摺動部材での被記録材と画像形成物質との剥離効率
をより一層向上させることのできる被記録材の再生装置
を提供することを目的としている。
【0017】請求項5記載の発明は、画像形成物質を軟
化させた状態で、被記録材を摺動部材に移動させて、被
記録材上の画像形成物質をより一層効率的に除去するこ
とのできる被記録材の再生装置を提供することを目的と
している。
【0018】請求項6記載の発明は、画像形成物質を剥
離部材に十分に接着させた状態で、摺動部材に移動し
て、画像形成物質をより一層効率的に剥離部材に転写す
ることのできる被記録材の再生装置を提供することを目
的としている。
【0019】請求項7記載の発明は、摺動部材と剥離部
材あるいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きくな
ることを防止して、被記録材上の画像形成物質を適切に
剥離・除去することのできるより一層小型で、消費電力
の少ない被記録材の再生装置を提供することを目的とし
ている。
【0020】請求項8記載の発明は、摺動部材と剥離部
材あるいはシール部材とを摩擦係数を0.4以下で摺接
させて、これらの間の摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止して、被記録材上の画像形成物質を効率的に剥
離・除去することのできるより一層小型で、消費電力の
少ない被記録材の再生装置を提供することを目的として
いる。
【0021】請求項9記載の発明は、剥離部材あるいは
シール部材が摺動部材の尖った角部により磨耗されて、
破断するのを防止し、剥離部材やシール部材を適切に移
動させて寿命の長い被記録材の再生装置を提供すること
を目的としている。
【0022】請求項10記載の発明は、摺動部材と剥離
部材あるいはシール部材との摺接面の長さを適切な長さ
にして、これらの間の摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止し、被記録材上の画像形成物質を適切に剥離・
除去することのできるより一層小型化で、消費電力の少
ない被記録材の再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0023】請求項11記載の発明は、摺接部材の形状
を剥離部材あるいはシール部材との摩擦力が必要以上に
大きくならない形状にして、被記録材上の画像形成物質
を適切に剥離・除去することのできるより一層小型で、
消費電力の少ない被記録材の再生装置を提供することを
目的としている。
【0024】請求項12記載の発明は、摺動部材を加熱
して、画像形成物質を軟化させることにより、画像形成
物質を容易に被記録材から剥離して、画像形成物質の被
記録材からの剥離性能をより一層向上させることのでき
る被記録材の再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0025】請求項13記載の発明は、摺動部材の剥離
部材あるいはシール部材の幅方向に所定形状の凹凸を形
成して、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との接
触面での圧力分布を不均一なものとして、画像形成物質
を被記録材からより一層効率的に剥離させることのでき
る被記録材の再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0026】請求項14記載の発明は、摺動部材を変位
させることにより、剥離部材と被記録材とのずれ、せん
断力及び圧力を変化させ、被記録材から画像形成物質を
より一層効率的に剥離・除去することのできる被記録材
の再生装置を提供することを目的としている。
【0027】請求項15記載の発明は、被記録材を挟ん
で移動する移動領域に、複数の摺動部材を設けることに
より、被記録材と剥離部材とのずれを確実に発生させ
て、より効率的に、かつ、確実に画像形成物質を被記録
材から剥離・除去することのできる被記録材の再生装置
を提供することを目的としている。
【0028】請求項16記載の発明は、複数設けられた
摺動部材の間に、画像形成物質を剥離部材に転写させる
剥離・移動手段を設けることにより、摺動部材により相
対変位された画像形成物質を適切に剥離部材に剥離・除
去して、より一層適切に画像形成物質を被記録材から剥
離・除去することのできる被記録材の再生装置を提供す
ることを目的としている。
【0029】請求項17記載の発明は、複数設けられた
摺動部材のうち、最も近接する摺動部材同士が、剥離部
材あるいはシール部材に異なる面から摺接させることに
より、被記録材と剥離部材とのずれ量を、より一層大き
くし、画像形成物質を被記録材からより一層効率的に剥
離させることのできる被記録材の再生装置を提供するこ
とを目的としている。
【0030】請求項18記載の発明は、通常の複写用紙
やプリンティング用紙等の被記録材の少なくとも固着画
像の形成される面に、水を含む所定の画像除去促進前処
理液を付与して、乾燥させた後、固着画像の形成された
被記録材から画像形成物質を剥離・除去することによ
り、画像除去促進前処理液により接着力の低下されてい
る画像形成物質を効率的に剥離して、剥離部材に効率的
に転写・除去することのできる被記録材の再生装置を提
供することを目的としている。
【0031】請求項19記載の発明は、通常の複写用紙
やプリンティング用紙等の被記録材に形成された固着画
像を画像除去促進液で被記録材と画像形成物質との接着
力を弱めた状態とすることにより、被記録材から画像形
成物質をより一層効率的に剥離して、剥離部材により一
層効率的に転写・除去することのできるより一層小型
で、消費電力のより一層少ない被記録材の再生装置を提
供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の被
記録材の再生方法は、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像
形成物質により皮膜状の固着画像の形成された被記録材
に、所定の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物
質に接触して前記画像形成物質を転写させる一対の所定
の剥離部材により、あるいは、前記画像形成物質側に位
置する前記剥離部材と所定のシール部材により、前記被
記録材を挟持して所定の移動領域を移動するとともに、
前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記移
動領域の少なくとも一ヶ所に所定形状の摺動部材が配設
され、当該摺動部材が、移動する前記剥離部材あるいは
前記シール部材と摺接することにより、前記被記録材と
前記剥離部材との相対位置を変位させ、前記被記録材か
ら前記画像形成物質をせん断して剥離させ、除去するこ
とにより、上記目的を達成している。
【0033】ここで、被記録材は、通常の複写用紙ある
いはプリンティング用紙が利用可能である。なお、被記
録材としては、上記のものに限るものではなく、例え
ば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層を設けた
画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙層でなく
てもよい。
【0034】また、本再生方法で除去可能な画像の形成
方法としては、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写
真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホッ
トメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセ
ット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法が挙げられ、
被記録材上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質か
らなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であれば、形
成された皮膜状画像を除去することができる。なお、皮
膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成してい
る必要はなく、単に画像形成物質が被記録材内部に浸透
していないことや、染料を含有する水性インクで印刷し
た場合のように、画像形成物質がほとんど分子レベルで
被記録材に吸着されている状態でないことを意味し、熱
可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質で形成されてい
るものをいう。
【0035】熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質と
しては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリル酸ア
ルキル、ポリメタクリル酸アルキル、スチレン−アクリ
ルニトリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)、不飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、シリコー
ン樹脂等の少なくとも1種を含有するものを用いること
ができる。
【0036】また、画像形成物質に含まれる色材として
は、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラック、キ
ナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベンチジン
イエロー等及び油溶性染料を用いることができる。
【0037】さらに、画像形成方法よっては、各種添加
剤が含有されており、例えば、電子写真方式において
は、荷電制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒク
ルとして各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエ
チン酸)誘導体が加えられているが、これらが含有され
ていてもよい。
【0038】画像形成物質は、被記録材からせん断され
るため、被記録材の表面層の一部が剥離部材とともに剥
離することなく、適切に画像形成物質を被記録材から剥
離させて、剥離部材に転写・除去することができる。
【0039】この剥離部材は、被記録材上の画像形成物
質と接着して被記録材から画像形成物質を剥離・転写す
るための部材であり、剥離部材を構成する材料として
は、画像形成物質とある程度以上の接着性及び加熱する
場合には耐熱性を有することが必要である。
【0040】剥離部材としては、例えば、イソプレンゴ
ム、ネオプレンゴム、クロオプレンゴム、シリコンゴ
ム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、天然の
ゴム、ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物など
のエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド
樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムア
ルデヒド樹脂等のアミノ樹脂、テンペンフェノール樹
脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂等のフェ
ノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、
ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリ
エチレンなどのビニル系共重合体、ポリブチルアクリレ
ート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂、ポリイミド、6、6−ナイロン、6−
ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエラレンナフタレート、芳
香族ポリエステル等のポリエステル、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリ
ル、アラミド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹
脂、ニッケル、鉄、アルミニウム等の金属及びその酸化
物、Ni銅、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−A
l合金、モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合
金等を用いることができる。
【0041】上述の有機高分子化合物は、単独で用いて
もよく、また、酸化チタン粒子、シリカ粒子、カーボン
粒子などの添料を含有させることもでき、例えば、セラ
ミックス材料等がある。
【0042】上記各材料は、単独でも使用が可能である
が、耐久性及び剥離特性等を向上させるために、積層し
たり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィスカ
ー、カーボン、シリカ、酸化チタン等の他の添加剤を加
えるなどにより複合して用いることもできる。
【0043】最適な剥離部材の材料は、剥離しようとす
る画像形成物質の種類、画像形成物質除去プロセス条件
等により選定されるべきであるが、剥離部材を繰り返し
使用することが再生コストを下げるなど種々の点で有利
であり、その場合には、比較的高い耐熱性や表面の安定
性が要求される。
【0044】画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥
離部材の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、
ポリエーテルニトリル、アラミド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ステンレスチール、ニッケル、アルマイ
トを挙げることができる。
【0045】また、剥離部材は、所定の移動領域を移動
するため、シート状に形成されていることが望ましい。
【0046】シール部材は、被記録材に画像が片面のみ
に形成されている場合や画像が両面に形成されている場
合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に、
用いられ、シール部材は、剥離部材と密着一体化して、
被記録材を挟持するためのものであり、画像形成物質を
転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以
外は、剥離部材と同様の特性を有していることが望まし
い。
【0047】摺動部材は、被記録材を挟持して移動する
一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材の一方側
の面に摺接して、剥離部材あるいはシール部材が摺動部
材の表面を摺動することにより、剥離部材と被記録材と
を相対変位させて、接着力を有する剥離部材に接着され
ている被記録材上の画像形成物質を被記録材からせん断
する。
【0048】すなわち、摺動部材は、移動する剥離部材
あるいはシール部材に摺接することにより、剥離部材あ
るいはシール部材と摺動部材との間に所定の摩擦を発生
させて、剥離部材あるいはシール部材の進行(移動)を
妨げるように作用し、該剥離部材あるいはシール部材と
これらと対をなす剥離部材あるいはシール部材との間
に、ずれを生じ易くする。このずれによって、剥離部材
間あるいは剥離部材とシール部材との間に挟持されて移
動している被記録材と、当該被記録材上の画像形成物質
と接着している剥離部材との間でせん断力が発生し、画
像形成物質が被記録材から剥離されるため、画像形成物
質が被記録材から効率的に除去される。
【0049】上記構成によれば、皮膜状の画像形成物質
により固着画像の形成された通常の複写用紙やプリンテ
ィング用紙等の被記録材を、一対の剥離部材あるいは剥
離部材とシール部材とで挟持して、所定の移動領域を移
動させる間に、被記録材と剥離部材とを相対変位させる
とともに、剥離部材あるいはシール部材と摺接する摺動
部材により、より効率的に被記録材と剥離部材とを相対
変位させて、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離
させるので、被記録材から画像形成物質をせん断して剥
離させることができ、被記録材から画像形成物質を効率
的に剥離して、剥離部材に転写することができる。その
結果、被記録材から画像形成物質を効率的に転写・除去
することができる。
【0050】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置
は、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質により皮
膜状の固着画像の形成された被記録材を、所定の接着力
を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記
画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材によ
り、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離
部材と所定のシール部材により、挟持して、所定の移動
領域を移動する剥離・移動手段と、前記移動領域に少な
くとも一ヶ所配設された所定形状の摺動部材が、前記被
記録材を挟持して移動する前記剥離部材あるいは前記シ
ール部材に摺接することにより、前記被記録材と前記剥
離部材との相対位置を変位させて、前記被記録材から前
記画像形成物質をせん断して剥離させる剥離手段と、を
備え、前記剥離・移動手段により前記画像形成物質を前
記剥離部材に転写させて、前記剥離手段により剥離し、
除去することにより、上記目的を達成している。
【0051】上記構成によれば、皮膜状の画像形成物質
により固着画像の形成された通常の複写用紙やプリンテ
ィング用紙等の被記録材を、一対の剥離部材あるいは剥
離部材とシール部材とで挟持して、所定の移動領域を移
動させる間に、被記録材と剥離部材とを相対変位させる
とともに、剥離部材あるいはシール部材と摺接する摺動
部材により、より効率的に被記録材と剥離部材とを相対
変位させて、被記録材から画像形成物質をせん断して剥
離しているので、画像形成物質を被記録材から剥離部材
に効率的に転写・除去することができ、適切に画像形成
物質を被記録材から除去することのできる被記録材の再
生装置を小型で、かつ、消費電力の少ないものとするこ
とができる。
【0052】この場合、例えば、請求項3に記載するよ
うに、前記摺動部材は、0.1Kgf/cm2 以上であ
って5Kgf/cm2 以下の平均面圧で、前記剥離部材
あるいは前記シール部材と摺接するものであってもよ
い。
【0053】ここで、摺動部材と剥離部材あるいはシー
ル部材との摺接時の平均面圧を、0.1Kgf/cm2
以上5Kgf/cm2 以下としているのは、平均面圧
が、0.1Kgf/cm2 未満であると、摺動部と剥離
部材あるいはシール部材との摩擦がほとんど発生せず、
剥離部材間あるいは剥離部材とシール部材の相対変位を
十分発生させることができないからであり、また、平均
面圧が、5Kgf/cm2 よりも大きい場合には、一対
の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材を安定的に移
動させるのに、多大な駆動力を必要としたり、剥離部材
やシール部材に余分の負荷を与える結果となるからであ
る。
【0054】上記構成によれば、一対の剥離部材あるい
は剥離部材とシール部材を安定的に移動させつつ、剥離
部材と被記録材とを効率的に相対変位させることがで
き、画像形成物質を被記録材からより一層効率的に剥離
して、剥離部材に転写・除去することができる。
【0055】また、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記剥離・移動手段は、前記摺動部材との摺接位置
を含め、その前後の前記移動領域において、前記剥離部
材あるいは前記シール部材が、前記被記録材を挟持した
状態で、いかなる部材とも接触しない無接触領域を有し
ていてもよい。
【0056】上記構成によれば、剥離部材間あるいは剥
離部材とシール部材とに密着一体的に挟持されている被
記録材が、無接触領域において、比較的自由に動くこと
ができ、摺動部材での被記録材と画像形成物質との剥離
効率をより一層向上させることができる。
【0057】さらに、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記剥離・移動手段は、前記挟持された前記被記録
材を、少なくとも前記摺動部材に移動する直前に、所定
温度に加熱する加熱手段を、さらに備えていてもよい。
【0058】ここで、加熱温度は、除去対象の画像形成
物質の軟化温度以上であって、流出開始温度以下である
ことが望ましい。画像形成物質が軟化することにより、
被記録材から画像形成物質を剥離することが容易となる
とともに、画像形成物質が溶融・流出すると、被記録材
上の画像形成物質が被記録材内に浸透して、被記録材か
ら画像形成物質を剥離することが困難となるからであ
る。
【0059】加熱温度としては、具体的には、画像形成
物質の物性によるが、例えば、モノクロトナーの場合、
60℃〜140℃の範囲、好ましくは、80℃〜120
℃である。
【0060】上記構成によれば、画像形成物質を軟化さ
せた状態で、被記録材を摺動部材に移動させることがで
き、画像形成物質を容易に被記録材から剥離して、剥離
部材に転写させることができる。その結果、画像形成物
質の被記録材からの剥離性能をより一層向上させること
ができ、被記録材上の画像形成物質をより一層効率的に
除去することができる。
【0061】また、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記剥離・移動手段は、前記挟持された前記被記録
材を、少なくとも前記摺動部材に移動する直前に、少な
くとも該被記録材を挟持する前記剥離部材に所定の押圧
力で圧接させる圧接手段を、さらに備えていてもよい。
【0062】ここで、圧接手段の押圧力としては、画像
形成物質の物性により異なるが、例えば、モノクロトナ
ーの場合、1Kgf/cm2 以上20Kgf/cm2
下の範囲に設定されることが好ましい。
【0063】上記構成によれば、画像形成物質を剥離部
材に十分に接着させた状態で、摺動部材に移動すること
ができ、画像形成物質をより一層効率的に剥離部材に転
写することができる。その結果、画像形成物質の被記録
材からの剥離性能をより一層向上させることができ、被
記録材上の画像形成物質をより一層効率的に除去するこ
とができる。
【0064】さらに、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記剥離・移動手段は、前記摺動部材との摺接位置
において、前記剥離部材あるいは前記シール部材の移動
の障害となる他のいかなる部材も備えていないものであ
ってもよい。
【0065】ここで、摺動部材は、上述のように、被記
録材を挟持して移動する剥離部材あるいはシール部材に
摩擦力により相対変位を生じさせるが、摺動部材に接触
して摺動している剥離部材あるいはシール部材を摺動部
材と他の部材により挟み込むようにして圧力を加える
と、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との間の摩
擦力が必要以上に増大し、剥離部材やシール部材を移動
させるための駆動装置や剥離部材やシール部材への負荷
が大きくなる。
【0066】上記構成によれば、摺動部材と剥離部材あ
るいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、被記録材上の画像形成物質を
適切に剥離・除去することのできる被記録材の再生装置
をより一層小型化することができるとともに、消費電力
をより一層低減することができる。
【0067】また、例えば、請求項8に記載するよう
に、前記剥離手段は、前記摺動部材を、前記剥離部材あ
るいは前記シール部材に、0.4以下の摩擦係数で摺接
させるものであってもよい。
【0068】ここで、摺動部材が剥離部材あるいはシー
ル部材と0.4よりも大きい摩擦係数で摺接すると、摺
動部材と剥離部材あるいはシール部材との摩擦力が必要
以上に大きくなり、剥離部材やシール部材を移動させる
ための駆動装置や剥離部材やシール部材への負荷が大き
くなる。
【0069】摩擦係数を0.4以下に押さえるために
は、例えば、摺動部材の表面の部材を摩擦係数が0.4
以下の部材で形成することにより、対応することがで
き、例えば、ポリふっ化ビニリデン及びポリテトラフル
オロエチレンのようなフッ素樹脂等を用いることができ
るが、これらに限るものではない。
【0070】上記構成によれば、摺動部材と剥離部材あ
るいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、被記録材上の画像形成物質を
適切に剥離・除去することのできる被記録材の再生装置
をより一層小型化することができるとともに、消費電力
をより一層低減することができる。
【0071】さらに、例えば、請求項9に記載するよう
に、前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは前記シール
部材との摺接部分が、所定の滑らかな曲線状に形成され
ていてもよい。
【0072】ここで、摺動部材が、所定の滑らかな曲線
状に形成されているとは、所定の尖った角を有していな
いことをいう。
【0073】上記構成によれば、剥離部材あるいはシー
ル部材が摺動部材の尖った角部により磨耗されて、破断
するのを防止することができ、剥離部材やシール部材を
適切に移動させて、被記録材上の画像形成物質を剥離・
除去することのできる被記録材の再生装置の寿命を長く
することができる。
【0074】また、例えば、請求項10に記載するよう
に、前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは前記シール
部材との摺接部分が、前記剥離部材あるいは前記シール
部材の移動方向に対して、30mm以内の長さでのみ摺
接する形状に形成されていてもよい。
【0075】ここで、摺動部材と剥離部材あるいはシー
ル部材との摺接部分が剥離部材あるいはシール部材の移
動方向に対して、30mmを越えると、摺動部材と剥離
部材あるいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きく
なり、剥離部材やシール部材を移動させるための駆動装
置や剥離部材やシール部材への負荷が大きくなる。
【0076】上記構成によれば、摺動部材と剥離部材あ
るいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、被記録材上の画像形成物質を
適切に剥離・除去することのできる被記録材の再生装置
をより一層小型化することができるとともに、消費電力
をより一層低減することができる。
【0077】さらに、例えば、請求項11に記載するよ
うに、前記摺動部材は、少なくとも前記剥離部材あるい
は前記シール部材との摺接部分が、前記剥離部材あるい
は前記シール部材の移動方向に対して、半径が1mmか
ら10mmの円弧状あるいは長軸が1mmから10mm
の楕円弧状に形成されていてもよい。
【0078】ここで、円弧状の半径あるいは楕円弧状の
長軸を1mm〜10mmの範囲に設定しているのは、1
mm未満であると、摺動部材が尖った状態に近くなっ
て、剥離部材やシール部材への負荷が大きくなるからで
あり、10mm以上であると、摺動部材による画像形成
物質の除去特性の向上効果が弱くなるとともに、摺動部
材と剥離部材あるいはシール部材との接触面積が増大し
て、円滑な摺動が困難となるからである。
【0079】上記構成によれば、摺動部材と剥離部材あ
るいはシール部材との摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、被記録材上の画像形成物質を
適切に剥離・除去することのできる被記録材の再生装置
をより一層小型化することができるとともに、消費電力
をより一層低減することができる。
【0080】また、例えば、請求項12に記載するよう
に、前記剥離手段は、前記摺動部材を所定温度に加熱す
る加熱手段を、さらに備えていてもよい。
【0081】ここで、加熱手段による摺動部材の加熱温
度は、除去対象の画像形成物質の軟化温度以上であっ
て、流出開始温度以下であることが望ましい。加熱温度
としては、具体的には、画像形成物質の物性によるが、
例えば、モノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範
囲、好ましくは、80℃〜120℃である。
【0082】上記構成によれば、画像形成物質を軟化さ
せることにより、画像形成物質を容易に被記録材から剥
離して、剥離部材に転写させることができる。その結
果、画像形成物質の被記録材からの剥離性能をより一層
向上させることができ、被記録材上の画像形成物質をよ
り一層効率的に除去することができる。
【0083】さらに、例えば、請求項13に記載するよ
うに、前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは前記シー
ル部材の移動方向と直角方向の前記剥離部材あるいは前
記シール部材との摺接部分が、所定の凹凸形状に形成さ
れていてもよい。
【0084】ここで、凹凸形状は、角部を有していない
曲線状に形成されていることが好ましい。
【0085】上記構成によれば、剥離部材あるいはシー
ル部材の幅方向において、摺動部材と剥離部材あるいは
シール部材との接触面での圧力分布が均一ではなく、不
均一な圧力分布となるため、摺動部材と剥離部材あるい
はシール部材との摩擦力が減少し、摺動に対する負荷を
軽減させることができるとともに、剥離部材あるいはシ
ール部材の搬送方向と直角方向についても、剥離部材と
被記録材とのずれを誘起させることができ、画像形成物
質を被記録材からより一層効率的に剥離させることがで
きる。
【0086】また、例えば、請求項14に記載するよう
に、前記剥離手段は、前記摺動部材を、前記剥離部材あ
るいは前記シール部材に対して、所定方向に所定量変位
させる変位手段を、さらに備えていてもよい。
【0087】ここで、摺動部材を剥離部材あるいはシー
ル部材に対して、所定方向に変位させるとは、例えば、
摺動部材の剥離部材あるいはシール部材との摺接部を、
剥離部材あるいはシール部材の移動方向と直角の方向
(幅方向)に振動させたり、該移動方向に振り子運動の
ように振らせたり、あるいは、剥離部材あるいはシール
部材と垂直方向に振動させること等をいうが、これらに
限定されるものではない。
【0088】摺動部材の剥離部材あるいはシール部材と
の摺接部を、剥離部材あるいはシール部材の移動方向と
直角の方向に振動させると、被記録材と剥離部材との間
に該振動方向のずれを生じさせて、当該振動方向へのせ
ん断力を付与させることができる。また、摺動部材の剥
離部材あるいはシール部材との摺接部を、剥離部材ある
いはシール部材の移動方向に振り子運動のように振らせ
たり、あるいは、剥離部材あるいはシール部材と垂直方
向に振動させる場合は、被記録材及び剥離部材に作用す
るせん断力及び圧力を経時的に変化させることができ
る。
【0089】上記構成によれば、剥離部材と被記録材と
のずれ、せん断力及び圧力を変化させることができ、被
記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離・除去
することができる。その結果、全面一様に画像の形成さ
れた、いわゆるベタ画像の画像形成物質をも適切に除去
することができる。
【0090】さらに、例えば、請求項15に記載するよ
うに、前記剥離手段は、前記移動領域に複数の前記摺動
部材を備え、該複数の摺動部材が、それぞれ所定距離離
れた位置で、前記被記録材を挟持する前記剥離部材ある
いは前記シール部材と摺接するものであってもよい。
【0091】ここで、摺動部材は、画像形成物質を除去
させるためには、その数が多いほどよいが、剥離部材や
シール部材の移動を安定的に行うことのできる範囲であ
ることが必要である。
【0092】上記構成によれば、複数の摺動部材が剥離
部材あるいはシール部材に所定距離離れた位置で摺接さ
せるので、被記録材と剥離部材とのずれ量を、より一層
大きくすることができ、画像形成物質を被記録材からよ
り一層効率的に剥離させることができる。
【0093】また、例えば、請求項16に記載するよう
に、前記移動領域に備えられた複数の前記摺動部材の間
に、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写させる前記
剥離・移動手段が設けられていてもよい。
【0094】上記構成によれば、複数設けられた摺動部
材の間に、画像形成物質を剥離部材に転写させる剥離・
移動手段を設けているので、摺動部材により相対変位さ
れた画像形成物質を適切に剥離部材に転写・除去するこ
とができ、より一層適切に画像形成物質を被記録材から
剥離・除去することができる。
【0095】さらに、例えば、請求項17に記載するよ
うに、複数の前記摺動部材は、最も近接する前記摺動部
材同士で、前記被記録材を挟持する前記剥離部材あるい
は前記シール部材の異なる面に摺接する位置に配設され
ていてもよい。
【0096】上記構成によれば、複数設けられた摺動部
材のうち、最も近接する摺動部材同士が、剥離部材ある
いはシール部材に異なる面から摺接するので、被記録材
と剥離部材とのずれ量を、より一層大きくすることがで
き、画像形成物質を被記録材からより一層効率的に剥離
させることができる。特に、被記録材の両面に画像が形
成されている場合にも、被記録材の両面の画像形成物質
を同程度に効率的に除去することができ、両面記録され
た被記録材から画像形成物質を1回の再生処理で適切に
除去して、再生することができる。
【0097】また、例えば、請求項18に記載するよう
に、前記被記録材は、少なくとも、前記固着画像の形成
される画像形成面に、水を含む所定の画像除去促進前処
理液が付与され、乾燥された後、前記固着画像が形成さ
れていてもよい。
【0098】ここで、画像除去促進前処理液は、被記録
材への画像形成物質の接着力を低下させるためのもので
あり、少なくとも水分を含有している。画像除去促進液
としては、水に対する分散または溶解安定性の高い界面
活性剤を水に添加したものを用いることができる。
【0099】上記構成によれば、通常の複写用紙やプリ
ンティング用紙等の被記録材の少なくとも固着画像の形
成される面に、水を含む所定の画像除去促進前処理液を
付与して、乾燥させた後、固着画像の形成された被記録
材から画像形成物質を剥離・除去するので、被記録材に
形成された画像形成物質は、予め画像除去促進前処理液
により接着力が低下され、画像形成物質を被記録材から
より一層効率的に剥離することができ、剥離部材に効率
的に転写・除去することができる。その結果、被記録材
から画像形成物質を適切に除去することのできる被記録
材の再生装置を小型で、かつ、消費電力の少ないものと
することができる。
【0100】さらに、例えば、請求項19に記載するよ
うに、前記被記録材は、少なくとも前記画像形成物質に
より皮膜状の固着画像の形成される側の表面近傍に水を
含む画像除去促進液により膨潤する層を有し、前記被記
録材の再生装置は、前記被記録材の少なくとも画像形成
面に、前記画像除去促進液を付与する液付与手段を、さ
らに備え、前記液付与手段により前記被記録材の少なく
とも画像形成面に前記画像除去促進液を付与した後、前
記画像形成物質を剥離し、除去することにより、上記目
的を達成している。
【0101】ここで、被記録材は、少なくとも画像が形
成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により
膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然
高分子を主成分とする紙層を有しており、主に、通常の
複写用紙あるいはプリンティング用紙が利用可能であ
る。なお、被記録材としては、上記のものに限るもので
はなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の
紙層を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全て
が紙層でなくてもよい。すなわち、被記録材としては、
表面に特別な加工の施されていない一般的に使用されて
いる複写用紙やプリンティング用紙を利用することがで
きる。
【0102】画像除去促進液は、被記録材への画像形成
物質の接着力を低下させるためのものであり、水分を含
有している。画像除去促進液は、画像が形成されている
側の被記録材に付与され、被記録材は、画像除去促進液
が付与されると、膨潤する。すなわち、画像除去促進液
は、被記録材表面近傍を膨潤させて、画像形成物質と被
記録材との膨潤量の差により、両者の間にせん断力を発
生させて画像形成物質は被記録材との接着力が低下す
る。
【0103】画像除去促進液としては、水に対する分散
または溶解安定性の高い界面活性剤を水に添加したもの
を用いることができ、界面活性剤としては、陰イオン界
面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イ
オン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系
界面活性剤等を用いることができる。
【0104】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルスルホ琥珀酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ス
ルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシ
ルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル
硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸
塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルエ
ーテルリン酸塩、アルキルアリールリン酸塩等のリン酸
エステル塩を用いることができる。
【0105】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級ア
ンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いる
ことができる。
【0106】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0107】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の
酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル
系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族ア
ルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオ
キサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0108】シリコーン系界面活性剤としては、ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン等を用いることができ
る。
【0109】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロ
ロアルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアル
キル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレン
オキサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロ
アルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系等を用い
ることができる。
【0110】また、画像除去促進液には、画像形成物質
を可塑化する化合物(以下、可塑剤という。)を添加す
ることができ、この可塑剤を添加すると、当該可塑剤が
画像形成物質に作用して、被記録材の表面の傷みを低減
することができるとともに、画像形成物質を加熱加圧及
び加熱接触を利用して被記録材から剥離する場合には、
剥離時の設定温度を下げることができ、必要電力消費量
を低減させることができる。
【0111】画像除去促進液に添加する可塑剤として
は、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキ
シ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−
プトキシエタノール等のセロソルブ類及びフルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のカルビトール類、また、それらの誘導
体類として、2−メトキシエチルアセテート、2−エト
キシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等がある。さらに、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及び
ポリオキシエチレン−オキシプロピレン誘導体類、2−
ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、1、3−ジメチルイミダゾリジノン、モルホ
リン、γ−バレロラクトンを用いることができる。
【0112】また、既存の界面活性剤中にも可塑剤とし
て作用することができるものが存在する。
【0113】具体的には、脂肪族アルコールのエチレン
オキサイド添加物、ポリオキシエチレンアルキル−エー
テル系やポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアル
キルエーテル系、アルキルアミンオキサイド類等があ
る。
【0114】画像除去促進液には、界面活性剤ととも
に、水溶性高分子を添加することができ、この水溶性高
分子は、除去特性及び再生状態を向上させる。
【0115】画像除去促進液中に添加できる水溶性高分
子としては、天然系では、アラビアガム、トラガンガ
ム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、
アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプ
ン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒
天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガ
ム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デン
プン、カルボキシメチルデンフン(CMS)、ジアルデ
ヒドデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デン
プンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチ
ルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性
スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチ
レンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルアフタレンアクリル
樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級
アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側
鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合
物等がある。
【0116】これらの水溶性高分子の添加量は、画像除
去促進液を付与する方法や付与する画像除去促進液量に
より異なるが、0.1〜20重量%、好ましくは、0.
1〜10重量%の範囲で添加される。
【0117】また、画像除去促進液は、湿潤剤を含有さ
せることも可能である。
【0118】湿潤剤としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等
の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳
酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メ
チル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素
環類がある。また、上記の多価アルコール類、多価アル
コールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールの
アリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸
類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0119】その他の画像除去促進液に添加されるもの
としては、pH調整剤がある。
【0120】pH調整剤は、画像除去促進液のpHを5
〜8に調整することにより、画像除去促進液の保存安定
性を向上させる目的で添加される。すなわち、pH5以
下では、接液性が悪く錆が発生し易く、pH8以上で
は、エステルが加水分解し、物性が変化する。
【0121】pH調整剤としては、画像除去促進液に悪
影響を及ぼさずに、pHを5〜8に調整できるものであ
れば、任意のpH調整物質を使用することができる。
【0122】具体的には、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸
化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化
物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等
を用いることができる。
【0123】さらに、画像除去促進液には、防腐防黴剤
を添加することができ、防腐防黴剤としては、デヒドロ
酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジン
チオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用する
ことができる。
【0124】また、画像除去促進液には、重金属イオン
の封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加され、キ
レート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレント
リアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム
等がある。
【0125】さらに、画像除去促進液には、防錆剤を添
加することができ、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫
酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモ
ン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペ
ンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニ
トライト等がある。
【0126】また、画像除去促進液には、再生後の被記
録材の白色度を向上させる目的で、漂白剤を添加するこ
とができる。酸化漂白剤としては、過酸化水素、過酸化
ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム
等がある。
【0127】さらに、画像除去促進液には、蛍光染料、
青み付け染料及び酵素等を添加することもできる。
【0128】上記画像除去促進液の付与により、被記録
材と画像形成物質との接着力の弱められた被記録材は、
一対の剥離部材、あるいは、剥離部材とシール部材によ
り一体密着した状態で挟持され、この状態で、所定の移
動領域を移動する間に、摺動部材により剥離部材と被記
録材とが相対変位させられて、被記録材から画像形成物
質がせん断されることにより、せん断された画像形成物
質が剥離部材に転写・除去される。
【0129】この画像除去促進液の付与による被記録材
と画像形成物質との接着力の低下は、上記のように、主
に、皮膜状の画像形成物質と被記録材との膨潤量の差に
より、両者の間にせん断力が発生することによるが、画
像形成物質と被記録材とのせん断力は、被記録材の画像
形成物質と接する界面に極力近い部分にまで画像除去促
進液が浸透することにより、特に大きくなると考えら
れ、画像除去促進液が被記録材と画像形成物質とが接触
する界面にまで浸透することにより、より一層良好な画
像形成物質の除去特性が得られる。また、被記録材と画
像形成物質とが接触する界面にまで画像除去促進液が浸
透することは、単に膨潤量の差によるせん断力を生じさ
せるだけでなく、画像除去促進液の成分、特に、水や界
面活性剤が、画像形成物質と被記録材との間に介在する
ことにより、画像形成物質と被記録材との間に働いてい
た接着力を弱める作用をもすると考えられる。
【0130】上記構成によれば、通常の複写用紙やプリ
ンティング用紙等の固着画像の形成された被記録材に画
像除去促進液を付与して、被記録材と画像形成物質との
接着力を弱めた状態にしているので、その後、一対の剥
離部材あるいは剥離部材とシール部材とで挟持して、所
定の移動領域を移動させる間に、被記録材と剥離部材と
を相対変位させるとともに、剥離部材あるいはシール部
材と摺接する摺動部材により、被記録材と剥離部材とを
相対変位させると、被記録材から画像形成物質をより一
層効率的に剥離することができ、画像形成物質を剥離部
材により一層効率的に転写・除去することのできる被記
録材の再生装置をより一層小型で、消費電力の少ないも
のとすることができる。
【0131】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0132】尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の
好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の
限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明に
おいて特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これ
らの態様に限られるものではない。
【0133】図1〜図7は、本発明の被記録材の再生装
置の第1の実施の形態を適用した再生装置を示す図であ
り、本実施の形態は、電子写真複写機等で画像形成され
た被記録材である紙(転写紙)等から画像形成物質を剥
離・除去して、再生する再生装置に適用したものであ
る。
【0134】図1は、再生装置1の全体構成図であり、
再生装置1は、給紙ユニットU1、液付与ユニットU
2、剥離・移動ユニットU3、乾燥ユニットU4及び紙
受けユニットU5等を備えている。
【0135】再生装置1は、給紙ユニットU1から再生
対象である転写紙105を1枚ずつ液付与ユニットU2
に給紙して、液付与ユニットU2で転写紙105に画像
除去促進液を付与した後、剥離・移動ユニットU3で、
転写紙105上の画像形成物質を剥離・除去し、乾燥ユ
ニットU4で画像形成物質の剥離・除去された転写紙1
05を乾燥させて、紙受けユニットU5に載置させる。
【0136】以下、各ユニットU1〜U5について順次
説明する。
【0137】給紙ユニットU1は、給紙ケース101、
給紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガ
イド板104等を備えており、給紙ケース101内に
は、再生対象である被記録材としての転写紙105が複
数枚収納される。
【0138】給紙ケース101内には、図示しないが、
転写紙105の載置される底板を備えており、該底板
は、図示しないスプリング等により上方に付勢されて、
給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ102
側の端部を上方に持ち上げる。
【0139】給紙ローラ102は、図示しない駆動モー
タ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース
101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から
順次送り出す。
【0140】給紙ローラ102により送り出された転写
紙105は、図示しない剥離機構で重送紙が分離され、
一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュ
ー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板1
04を介して液付与ユニットU2に給紙される。
【0141】被記録材である転写紙105は、少なくと
も画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促
進液により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等
の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、通
常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。な
お、被記録材としては、上記のものに限るものではな
く、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層
を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙
層でなくてもよい。
【0142】また、転写紙105には、本実施の形態で
は、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式によ
り画像が形成されているが、画像形成方法としては、こ
れに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シー
トを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるイ
ンクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を
用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、図2に示
すように、被記録材(転写紙105)上に熱可塑性また
は熱溶融性の画像形成物質106からなる皮膜状画像を
形成する画像形成方法であればよい。
【0143】皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの
膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質が被記
録材内部に浸透していないことや、染料を含有する水性
インクで印刷した場合のように、画像形成物質がほとん
ど分子レベルで被記録材に吸着されている状態でないこ
とを意味し、熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質
106で形成されているものをいう。
【0144】熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質1
06としては、具体的には、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸アルキル等上記列挙したものの少なくとも1種を含
有するものを用いることができる。
【0145】また、画像形成物質106に含まれる色材
としては、無機及び有機顔料、例えば、カーボンブラッ
ク、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ベン
チジンイエロー等及び油溶性染料を用いることができ
る。
【0146】さらに、画像形成方法よっては、各種添加
剤が含有され、例えば、電子写真方式においては、荷電
制御剤が含有され、熱転写インクでは、ビヒクルとして
各種ワックス及び粘着剤としてロジン(アビエチン酸)
誘導体が加えられる。
【0147】再び、図1において、液付与ユニット(液
付与手段)2は、補給液容器201、液自動補給機20
2、液容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ロ
ーラ205、押さえローラ206、搬送ベルト207、
駆動ローラ208及びガイド板209等を備えており、
補給液容器201と液自動補給機202及び液自動補給
機202と液容器203は、それぞれパイプ210、2
11により接続されている。
【0148】補給液容器201及び液容器203内に
は、画像除去促進液212が収納されており、液容器2
03には、図示しないが、液量センサーが設けられてい
る。
【0149】液自動補給機202は、液量センサーの検
出結果に基づいて動作して、補給液容器201内の画像
除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除
去促進液212を補給する。
【0150】液汲み上げローラ204と液塗布ローラ2
05は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上
げローラ204は、回転駆動されることにより、液容器
203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接す
る液塗布ローラ205に絞られることにより、所定量の
画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させ
る。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去
促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニ
ットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面
に、少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転
写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ロ
ーラ208により駆動される搬送ベルト207により剥
離・移動ユニットU3に送り出される。
【0151】なお、図1では、転写紙105の下側が画
像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205
により画像除去促進液212が塗布されるように示され
ているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布
する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布
ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像
除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場
合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像
を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ2
05を転写紙105に接触させて塗布する方法ではな
く、非接触で画像除去促進液212を付与したり、ある
いは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わ
せて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0152】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、
画像除去促進液212により、画像形成物質106の接
着力を低下させるためのものであり、水分を含有してい
る。画像除去促進液212は、画像が形成されている側
の転写紙105に付与され、転写紙105は、画像除去
促進液212が付与されると、表面近傍が膨潤して、画
像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差によ
り、両者の間にせん断力が発生して画像形成物質106
と転写紙105との接着力が低下する。
【0153】画像除去促進液212としては、水に対す
る分散または溶解安定性の高い界面活性剤を添加するこ
とができ、水に添加される界面活性剤としては、陰イオ
ン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、
非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ
素系界面活性剤等を用いることができる。
【0154】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩等上記列挙したものを
用いることができる。
【0155】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩等上記列挙したも
のを用いることができる。
【0156】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0157】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル等の上記列挙したものを用
いることができる。
【0158】シリコーン系界面活性剤としては、ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオ
キシアルキレン変性シロキサン等を用いることができ
る。
【0159】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等の上
記列挙したものを用いることができる。
【0160】また、画像除去促進液212には、画像形
成物質106を可塑化する化合物(以下、可塑剤とい
う。)を添加することができ、この可塑剤を添加する
と、当該可塑剤が画像形成物質212に作用して、転写
紙106の表面の傷みを低減することができるととも
に、画像形成物質106を加熱加圧及び加熱接触を利用
して、転写紙106から剥離する場合には、剥離時の設
定温度を下げることができ、必要電力消費量の低減する
ことができる。
【0161】画像除去促進液212に添加する可塑剤と
しては、安定性の高いものとして、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール等の上記列挙したものを
用いることができる。
【0162】また、既存の界面活性剤中にも可塑剤とし
て作用することができるものがあり、具体的には、脂肪
族アルコールのエチレンオキサイド添加物、ポリオキシ
エチレンアルキル−エーテル系やポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル系、アルキルアミ
ンオキサイド類等がある。
【0163】画像除去促進液212には、界面活性剤と
ともに、水溶性高分子を添加することができ、この水溶
性高分子は、除去特性及び再生状態を向上させる。
【0164】画像除去促進液212中に添加できる水溶
性高分子としては、天然系では、アラビアガム、トラガ
ンガム等の上記列挙した植物性高分子、アルギン酸、カ
ラギーナン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチ
ン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分
子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分
子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロー
ス等の上記列挙した繊維素系高分子、可溶性デンプン等
の上記列挙したデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻
系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニ
ル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹
脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹
脂、水溶性ビニルアフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニ
ルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやア
ミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子
化合物、セラック等の天然高分子化合物等がある。
【0165】これらの水溶性高分子の添加量は、画像除
去促進液212を付与する方法や付与する画像除去促進
液212量により異なるが、0.1〜20重量%、好ま
しくは、0.1〜10重量%の範囲で添加される。
【0166】また、画像除去促進液212に湿潤剤を含
有させることも可能であり、湿潤剤としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテ
ル誘導体類、乳酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボ
ン酸類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
等の含窒素複素環類がある。また、上記の多価アルコー
ル類、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多
価アルコールのアリールエーテル誘導体類、水酸基を有
するカルボン酸類、含窒素複素環類の混合物も使用でき
る。
【0167】その他の画像除去促進液212に添加され
るものとしては、画像除去促進液212のpHを5〜8
に調整することにより、画像除去促進液212の保存安
定性を向上させる目的で添加されるpH調整剤がある。
すなわち、画像除去促進液212は、pH5以下では、
接液性が悪く錆が発生し易く、pH8以上では、エステ
ルが加水分解し、物性が変化する。
【0168】pH調整剤としては、画像除去促進液21
2に悪影響を及ぼさずに、pHを5〜8に調整できるも
のであれば、任意のpH調整物質を使用することがで
き、具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアミン、水酸化リチウム等の上記列挙したも
のを用いることができる。
【0169】さらに、画像除去促進液212には、防腐
防黴剤を添加することができ、防腐防黴剤としては、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸
ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使
用することができる。
【0170】また、画像除去促進液212には、重金属
イオンの封止剤で剥離助剤としてキレート試薬が添加さ
れ、キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン
四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチ
レントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナト
リウム等がある。
【0171】さらに、画像除去促進液212には、防錆
剤を添加することができ、防錆剤としては、例えば、酸
性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム等の上記列挙したもの
がある。
【0172】また、画像除去促進液212には、再生後
の転写紙105の白色度を向上させる目的で、漂白剤を
添加することができ、酸化漂白剤としては、過酸化水
素、過酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウム、次亜塩素酸
ナトリウム等がある。
【0173】さらに、画像除去促進液212には、蛍光
染料、青み付け染料及び酵素等を添加することもでき
る。
【0174】上記画像除去促進液212の付与された転
写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間
に、上述のように、転写紙105の膨潤により転写紙1
05と画像形成物質106との接着力の弱められる。
【0175】剥離・移動ユニット(剥離・移動手段)U
3は、複数の搬送ローラ301a〜301d、複数の従
動ローラ302a〜302c、複数の摺動部材303
a、303b、複数のガイドローラ304a〜304
h、2個の剥離ベルト(剥離部材)305a、305
b、2個のスパイラルローラ306a、306b、画像
形成物質受け器307、一対の送り出しローラ308、
搬送ベルト309及び搬送ローラ310等を備えてい
る。
【0176】複数の搬送ローラ301a〜301dと従
動ローラ302a〜302cは、それぞれ相互に当接す
るとともに、ジクザグ状に配設され、搬送ローラ301
a〜301dと従動ローラ302a〜302cの間をジ
グザグに縫うように、密着された2個の剥離ベルト30
5a、305bがはい回されている。搬送ローラ301
a〜301dが剥離ベルト305a、305bの下側に
配設され、従動ローラ302a〜302cが剥離ベルト
305a、305bの上側に配設されている。搬送ロー
ラ301a〜301dの上端と従動ローラ302a〜3
02cの下端がそれぞれ交差する状態で配設され、搬送
ローラ301a〜301dが図外の駆動機構により回転
駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト30
5a、305bをジグザグに、図1中左から右方向に搬
送・移動させる。なお、従動ローラ302a〜302c
が図外の駆動機構により回転駆動され、搬送ローラ30
1a〜301dが吊れ回りするようにしてもよいし、搬
送ローラ301a〜301dと従動ローラ302a〜3
02cの双方が図外の駆動機構により回転駆動されるよ
うにしてもよい。
【0177】図1中左から2番の搬送ローラ301bと
3番目の搬送ローラ301cとの間には、摺動部材30
3aが、摺動部材303aの上端部が従動ローラ302
bと従動ローラ302cの間で、これらの従動ローラ3
02bと従動ローラ302cの下端よりも所定量上方に
突出する状態で配設されており、従動ローラ302bを
通過した剥離ベルト305a、305bは、摺動部材3
03a及び従動ローラ302cへとジクザグ状に搬送さ
れる。
【0178】また、3番目の従動ローラ302cの右側
には、摺動部材303bが、搬送ローラ301cと搬送
ローラ301dの間で、これらの搬送ローラ301cと
搬送ローラ301dの上端よりも所定量下方に突出する
状態で配設されており、搬送ローラ301cを通過した
剥離ベルト305a、305bは、摺動部材303b及
び搬送ローラ301dへとジグザグ状に搬送される。
【0179】剥離ベルト305aは、所定の幅、例え
ば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転写紙10
5上の画像形成物質106を剥離・転写させるのに十分
な幅を有したリング状に形成されており、ガイドローラ
304a〜304dに案内されて、搬送ローラ301a
〜301dと従動ローラ302a〜302c及び摺動部
材303a、303bからなるジグザグ搬送路に供給さ
れる。
【0180】剥離ベルト305bは、剥離ベルト305
aと同様の幅を有したリング状に形成されており、ガイ
ドローラ304e〜304hに案内されて、ジグザグ搬
送路に供給される。
【0181】したがって、剥離ベルト305aと剥離ベ
ルト305bは、密着一体化して、ジグザグ搬送路を搬
送される。
【0182】上記各搬送ローラ301a〜301dに
は、加熱手段としての加熱ランプ311a〜311dが
内蔵されており、加熱ランプ311a〜311dは、図
示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電
制御部により通電制御されて、搬送ローラ301a〜3
01dを所定温度に加熱する。
【0183】また、各従動ローラ302a〜302cに
は、加熱手段としての加熱ランプ311e〜311gが
内蔵されており、加熱ランプ311e〜311gは、図
示しない電源から通電されるとともに、図示しない通電
制御部により通電制御されて、従動ローラ302a〜3
02cを所定温度に加熱する。
【0184】この加熱ランプ311a〜311dによる
搬送ローラ301a〜301dの加熱温度及び加熱ラン
プ311e〜311gによる従動ローラ302a〜30
2cの加熱温度は、画像形成物質106の物性による
が、例えば、モノクロトナーの場合、60℃〜140℃
の範囲、好ましくは、80℃〜120℃である。
【0185】また、摺動部材303a、303bには、
加熱手段としての加熱ランプ311h、311iが内蔵
されており、加熱ランプ311h、311iは、図示し
ない電源により通電制御されて、摺動部材303a、3
03bを所定温度に加熱する。
【0186】加熱ランプ311h、311iによる摺動
部材303a、303bの加熱温度は、画像形成物質1
06の物性によるが、例えば、モノクロトナーの場合、
60℃〜140℃の範囲、好ましくは、80℃〜120
℃である。
【0187】これら加熱ランプ311a〜311d、加
熱ランプ311e〜311g及び加熱ランプ311h、
311iによる搬送ローラ301a〜301d、従動ロ
ーラ302a〜302c及び摺動部材303a、303
bの加熱は、転写紙105上の画像形成物質106が溶
融しない程度に行う。
【0188】すなわち、画像形成物質106が溶融して
しまうと、転写紙105上の画像形成物質106を、転
写紙105側と剥離ベルト305a、305b側とに分
断することなく、剥離ベルト305a、305b側へ転
写させるのが困難になるためである。また、加熱しすぎ
ると、ジグザグ搬送路を通過中に転写紙105が乾燥し
すぎて、転写紙105が画像形成物質106を介して剥
離ベルト305a、305bに貼り付いてしまい、剥離
できなくなるおそれがあるからである。
【0189】したがって、加熱部通過後の転写紙105
に多少の湿り気が残っていて、画像形成物質106の再
付着を防止できる程度に加熱することが望ましく、具体
的には、上記例の温度が好適である。
【0190】スパイラルローラ306a、306bは、
各剥離ベルト305a、305bに当接して、回転する
ことにより、剥離ベルト305a、305bに転写され
た画像形成物質106を掻き落して、剥離ベルト305
a、305bをクリーニングする。
【0191】スパイラルローラ306a、306bの下
方には、画像形成物質受け器307が配設されており、
スパイラルローラ306a、306bにより掻き落とさ
れた画像形成物質106が画像形成物質受け器307内
に収納される。
【0192】上記液付与ユニットU2で画像除去促進液
212が付与され、画像形成物質106と転写紙105
との接着力の弱められた転写紙105は、ガイドローラ
304aとガイドローラ304dの間から剥離ベルト3
05aと剥離ベルト305bの間に挿入され、図3に示
すように、剥離ベルト305aと剥離ベルト305bの
間に挟持される。
【0193】画像形成物質106の形成された転写紙1
05は、図3に示すように、剥離ベルト305bと剥離
ベルト305bとの間に挟持された状態で、かつ、剥離
ベルト305a、305bの接着力により剥離ベルト3
05a、305bに所定の接着力で接着された状態で、
ジグザグ搬送路を移動領域として、図1中左から右方向
に搬送される。
【0194】このジグザグ搬送路が搬送ローラ301a
〜301dと従動ローラ302a〜302cによりジグ
ザグ状に形成されているため、転写紙105は、剥離ベ
ルト305a、305bに密着一体的に挟持された状態
でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥
離ベルト305a、305bとが相対変位し、転写紙1
05と剥離ベルト305a、305bとの間にせん断力
が発生する。このせん断力により転写紙105から画像
形成物質106が剥離して、剥離ベルト305a、30
5bに剥離・転写され、画像形成物質106の除去され
た転写紙105がガイドローラ304bとガイドローラ
304fの間から送り出しローラ308に搬出される。
【0195】剥離ベルト305a、305bに挟持され
た転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送されてい
る間に、搬送ローラ301a〜301d、従動ローラ3
02a〜302c及び摺動部材303a、303bに内
蔵された加熱ランプ311a〜311d、加熱ランプ3
11e〜311g及び加熱ランプ311h、311iに
より加熱され、転写紙105上に画像を形成している画
像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態となり、
効率的に剥離ベルト305a、305bに転写・除去さ
れる。
【0196】また、剥離ベルト305a、305bに挟
持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路に、摺動
部材303a、303bが配設されているため、摺動部
材303a、303bが摺接している側の剥離ベルト3
05a、305bの進行を阻止するように作用して、剥
離ベルト305a、305bと転写紙105との相対変
位をより一層促進させる。その結果、剥離ベルト305
a、305bに接着された画像形成物質106と転写紙
105との間に、より一層せん断力が発生して、画像形
成物質106を転写紙105からより一層効率的に剥離
し、画像形成物質106を転写紙105から剥離ベルト
305a、305bへ、より一層効率的に転写・除去す
ることができる。
【0197】そして、この摺動部材303a、303b
は、0.1Kgf/cm2 以上であって5Kgf/cm
2 以下の平均面圧で、剥離ベルト305a、305bに
摺接するように設定されている。したがって、剥離ベル
ト305a、305bを安定的に移動させつつ、剥離ベ
ルト305a、305bと転写紙105とを効率的に相
対変位させることができ、画像形成物質106を転写紙
105からより一層効率的に剥離して、剥離ベルト30
5a、305bに転写・除去することができる。
【0198】すなわち、摺動部材303a、303bと
剥離ベルト305a、305bとの平均面圧が、0.1
Kgf/cm2 未満であると、摺動部材303a、30
3bと剥離ベルト305a、305bとの摩擦がほとん
ど発生せず、剥離ベルト305a、305bと転写紙1
05との相対変位を十分発生させることができず、ま
た、平均面圧が、5Kgf/cm2 よりも大きい場合に
は、剥離ベルト305a、305bを安定的に移動させ
るのに、多大な駆動力を必要としたり、剥離ベルト30
5a、305bに余分の負荷を与える結果となる。
【0199】また、剥離ベルト305a、305bは、
摺動部材303a、303bとの摺接位置を含め、その
前後の移動領域において、剥離ベルト305a、305
bが、転写紙105を挟持した状態で、いかなる部材と
も接触しないため、すなわち、無接触領域を有している
ため、剥離ベルト305a、305bに密着一体的に挟
持されている転写紙105が、無接触領域において、比
較的自由に動くことができ、摺動部材303a、303
bでの転写紙105と画像形成物質106との剥離効率
をより一層向上させることができる。
【0200】さらに、ジグザグ搬送路は、搬送ローラ3
01a〜301dと従動ローラ302a〜302cがジ
グザグ状に配設されているとともに、転写紙105が摺
動部材303a、303bに搬送される前に、搬送ロー
ラ301a〜301dと従動ローラ302a〜302c
とが当接しているため、少なくとも転写紙105を挟持
する剥離ベルト305a、305bに所定の押圧力で圧
接させることができ、画像形成物質106を剥離ベルト
305a、305bに十分に接着させた状態で、摺動部
材303a、303bに移動することができる。
【0201】したがって、画像形成物質106をより一
層効率的に転写紙105から剥離して、剥離ベルト30
5a、305bに転写することができ、転写紙105上
の画像形成物質106をより一層効率的に除去すること
ができる。
【0202】その結果、搬送ローラ301a〜301d
と従動ローラ302a〜302cは、転写紙105と剥
離ベルト305a、305bを押圧する押圧手段として
機能し、このときの押圧力としては、画像形成物質10
6の物性により異なるが、例えば、モノクロトナーの場
合、1Kgf/cm2 以上20Kgf/cm2 以下の範
囲に設定されることが好ましい。
【0203】また、ジグザグ搬送路には、図1に示すよ
うに、摺動部材303a、303bとの摺接位置におい
て、剥離ベルト305a、305bの移動の障害となる
他のいかなる部材も備えていない。
【0204】したがって、摺動部材303a、303b
と剥離ベルト305a、305bとの摩擦力が必要以上
に大きくなることを防止することができ、転写紙105
上の画像形成物質106を適切に剥離・除去することの
できる再生装置1をより一層小型化することができると
ともに、消費電力をより一層低減することができる。
【0205】すなわち、摺動部材303a、303b
は、上述のように、転写紙105を挟持して移動する剥
離ベルト305a、305bに摩擦力により相対変位を
生じさせるが、摺動部材303a、303bに接触して
摺動している剥離ベルト305a、305bを摺動部材
303a、303bと他の部材により挟み込むようにし
て圧力を加えると、摺動部材303a、303bと剥離
ベルト305a、305bとの間の摩擦力が必要以上に
増大し、剥離ベルト305a、305bを移動させるた
めの駆動機構や剥離ベルト305a、305bへの負荷
が大きくなるからである。
【0206】さらに、摺動部材303a、303bは、
剥離ベルト305a、305bに、0.4以下の摩擦係
数で摺接していることが好ましい。
【0207】すなわち、摺動部材303a、303bが
剥離ベルト305a、305bと0.4よりも大きい摩
擦係数で摺接すると、摺動部材303a、303bと剥
離ベルト305a、305bとの摩擦力が必要以上に大
きくなり、剥離ベルト305a、305bを移動させる
ための駆動機構や剥離ベルト305a、305bへの負
荷が大きくなる。この摩擦係数を0.4以下に押さえる
ためには、例えば、摺動部材303a、303bの表面
の部材を摩擦係数が0.4以下の部材で形成することに
より、対応することができ、例えば、ポリふっ化ビニリ
デン及びポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹
脂等を用いることができるが、これらに限るものではな
い。
【0208】このように、摺動部材303a、303b
と剥離ベルト305bとの摩擦係数を0.4以下にする
と、摺動部材303a、303bと剥離ベルト305
a、305bとの摩擦力が必要以上に大きくなることを
防止することができ、転写紙105上の画像形成物質1
06を適切に剥離・除去することのできる再生装置1を
より一層小型化することができるとともに、消費電力を
より一層低減することができる。
【0209】また、摺動部材303a、303bは、図
4あるいは図5に示すように、剥離ベルト305a、3
05bとの摺接部分が、所定の滑らかな曲線状に形成さ
れている。
【0210】したがって、剥離ベルト305a、305
bが摺動部材303a、303bの尖った角部により磨
耗されて、破断するのを防止することができ、剥離ベル
ト305a、305bを適切に移動させて、転写紙10
5上の画像形成物質106を剥離・除去することのでき
る再生装置1の寿命を長くすることができる。
【0211】さらに、摺動部材303a、303bは、
図4に示すように、剥離ベルト305a、305bとの
摺接部分が、剥離ベルト305a、305bの移動方向
(図4中矢印で表示する方向)に対して、30mm以内
の長さでのみ摺接する形状に形成されている。
【0212】すなわち、摺動部材303a、303bと
剥離ベルト305a、305bとの摺接部分が剥離ベル
ト305a、305bの移動方向に対して、30mmを
越えると、摺動部材303a、303bと剥離ベルト3
05a、305bとの摩擦力が必要以上に大きくなり、
剥離ベルト305a、305bを移動させるための駆動
機構や剥離ベルト305a、305bへの負荷が大きく
なる。
【0213】したがって、転写紙105や剥離ベルト3
05a、305bへの摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、転写紙105上の画像形成物
質106を適切に剥離・除去することのできる再生装置
1をより一層小型化することができるとともに、消費電
力をより一層低減することができる。
【0214】また、摺動部材303a、303bは、剥
離ベルト305a、305bとの摺接部分が、図4ある
いは図5に示すように、剥離ベルト305a、305b
の移動方向(図4及び図5に矢印で示す方向)に対し
て、その半径が1mm〜10mmの円弧状、あるいは、
その長軸が1mm〜10mmの楕円弧状に形成されてい
る。
【0215】すなわち、摺動部材303a、303bの
円弧状の半径あるいは楕円弧状の長軸が、1mm未満で
あると、摺動部材303a、303bが尖った状態に近
くなって、剥離ベルト305a、305bへの負荷が大
きくなり、また、10mm以上であると、摺動部材30
3a、303bによる画像形成物質106の除去特性の
向上効果が弱くなるとともに、摺動部材303a、30
3bと剥離ベルト305a、305bとの接触面積が増
大して、円滑な摺動が困難となる。
【0216】なお、図4は、摺動部材303a、303
bが円弧状に形成されている例を示し、図5は、摺動部
材303a、303bが楕円弧状に形成されている例を
示している。
【0217】したがって、転写紙105や剥離ベルト3
05a、305bへの摩擦力が必要以上に大きくなるこ
とを防止することができ、転写紙105上の画像形成物
質106を適切に剥離・除去することのできる再生装置
1をより一層小型化することができるとともに、消費電
力をより一層低減することができる。
【0218】さらに、摺動部材303a、303bは、
図6に示すように、剥離ベルト305a、305bの移
動方向と直角方向の剥離ベルト305a、305bとの
摺接部分(図6中、両矢印で示す部分)が、所定の凹凸
形状に形成されている。
【0219】この凹凸形状は、尖った角部を有していな
い滑らかな曲線状に形成されていることが好ましい。
【0220】したがって、剥離ベルト305a、305
bの幅方向において、摺動部材303a、303bと剥
離ベルト305a、305bとの接触面での圧力分布が
均一ではなく、不均一な圧力分布となるため、摺動部材
303a、303bと剥離ベルト305a、305bと
の摩擦力が減少し、摺動に対する負荷を軽減させること
ができるとともに、剥離ベルト305a、305bの搬
送方向と直角方向についても、剥離ベルト305a、3
05bと転写紙105とのずれを誘起させることがで
き、画像形成物質106を転写紙105からより一層効
率的に剥離させることができる。
【0221】また、摺動部材303a、303bは、図
示しない変位機構(変位手段)により、図7に両矢印で
示すように、剥離ベルト305a、305bに対して、
所定方向に所定量変位される。
【0222】すなわち、変位機構は、例えば、摺動部材
303a、303bの剥離ベルト305a、305bと
の摺接部を、剥離ベルト305a、305bの移動方向
(図7中矢印で示す方向)と直角の方向(剥離ベルト3
05a、305bの幅方向)に振動させたり、剥離ベル
ト305a、305bの移動方向に振り子運動のように
振らせたり、あるいは、剥離ベルト305a、305b
と垂直方向に振動させるが、変位動作は、これらに限定
されるものではない。
【0223】この場合、摺動部材303a、303bの
剥離ベルト305a、305bとの摺接部を、剥離ベル
ト305a、305bの移動方向と直角の方向に振動さ
せると、転写紙105と剥離ベルト305a、305b
との間に該振動方向のずれを生じさせて、当該振動方向
へのせん断力を付与することができる。また、摺動部材
303a、303bの先端部を、剥離ベルト305a、
305bの移動方向に振り子運動のように振らせたり、
あるいは、剥離ベルト305a、305bと垂直方向に
振動させると、転写紙105及び剥離ベルト305a、
305bに作用するせん断力及び圧力を経時的に変化さ
せることができる。
【0224】したがって、剥離ベルト305a、305
bと転写紙105とのずれやせん断力及び圧力を変化さ
せることができ、転写紙105から画像形成物質106
をより一層効率的に剥離・除去することができる。その
結果、転写紙105の全面に一様に画像の形成された、
いわゆるベタ画像の画像形成物質106をも適切に除去
することができる。
【0225】さらに、再生装置1では、図1に示すよう
に、移動領域であるジグザグ搬送路に2個の摺動部材3
03a、303bが設けられており、これらの摺動部材
303a、303bが、それぞれ所定距離離れた位置
で、剥離ベルト305a、305bの異なる面に摺接、
すなわち、摺動部材303aが剥離ベルト305bに摺
接し、摺動部材303bが剥離ベルト305aに摺接し
ている。
【0226】したがって、摺動部材303a、303b
が剥離ベルト305a、305bに異なる面から摺接し
ているため、転写紙105と剥離ベルト305a、30
5bとのずれ量を、より一層大きくすることができ、画
像形成物質106を転写紙105からより一層効率的に
剥離させることができる。特に、転写紙105の両面に
画像が形成されている場合にも、転写紙105の両面の
画像形成物質106を、それぞれ摺動部材303a、3
03bにより同程度に効率的に除去することができ、両
面記録された転写紙105から画像形成物質106を、
一度の再生処理で適切に除去して、再生することができ
る。
【0227】なお、再生装置1では、摺動部材303
a、303bを2個設けているが、摺動部材303a、
303bは、画像形成物質106を除去させるために
は、その数が多いほどよいが、剥離ベルト305a、3
05bの移動を安定的に行うことのできる範囲であるこ
とが必要である。
【0228】上述のようにして、画像形成物質106の
転写・除去された転写紙105は、ガイドローラ304
bとガイドローラ304fの間から送り出しローラ30
8に搬出され、送り出しローラ308により搬送ベルト
309に送り出される。
【0229】搬送ベルト309は、回転駆動される搬送
ローラ310により駆動されて、転写紙105を乾燥ユ
ニットU4に搬送する。
【0230】また、剥離ベルト305a、305bに転
写された画像形成物質106は、スパイラルローラ30
6a、306bにより掻き落とされ、画像形成物質受け
器307内に収納される。
【0231】乾燥ユニットU4は、転写紙105を乾燥
させるものであり、加熱ランプ401を内臓したアルミ
等で形成された乾燥ドラム402、通気性がよく表面平
滑性の高い仕上げベルト403及び回転ローラ404a
〜404d等を備えている。
【0232】仕上げベルト403は、乾燥ドラム402
及び回転ローラ404a〜404dの外周部に沿って図
1中時計方向に回転し、乾燥ドラム402と回転ローラ
404a〜404dとは、いずれかが図外の駆動モータ
等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト403に
より吊れ回りする。なお、乾燥ドラム402と回転ロー
ラ404a〜404dの双方を駆動モータ等により回転
駆動するようにしてもよい。
【0233】剥離・移動ユニットU3から搬送されてき
た転写紙105は、乾燥ドラム402と回転ローラ40
4aと間から乾燥ドラム402と仕上げベルト403と
の間に導入され、加熱ランプ401により加熱された乾
燥ドラム402により余分な水分が乾燥されて、乾燥ド
ラム401と回転ローラ404dの間から紙受けユニッ
トU5に排出される。
【0234】このとき、仕上げベルト403が通気性が
良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成され
ているため、転写紙105が適切に乾燥されるととも
に、転写紙105が仕上げベルト403に付着したり、
傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥す
ることができる。
【0235】なお、乾燥ユニットU3は、上記構成のも
のに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代
わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対
の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外
線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0236】紙受けユニットU5は、ガイド部材50
1、排紙トレー502及び排出ローラ503等を備えて
いる。
【0237】乾燥ユニットU4から排出された転写紙1
05は、ガイド部材501により排出ローラ503に案
内され、排出ローラ503は、転写紙105を排紙トレ
ー502上に排出・載置させる。
【0238】なお、再生装置1は、図示しないが、給紙
ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105がある
か否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による
転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置
1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加
熱ランプ311a〜311i、加熱ランプ311e〜3
11g、加熱ランプ311h、311i及び加熱ランプ
401の点灯制御手段及び画像形成物質受け容器307
内の画像形成物質106が満杯になったかどうかを検出
する満杯検知手段等が設けられている。
【0239】次に、再生装置1の動作について、以下、
説明する。
【0240】再生装置1は、転写紙105に画像除去促
進液212を付与して、転写紙105上の画像形成物質
106と転写紙105との接着力を弱めた状態で、一体
密着化された剥離ベルト305a、305bに転写紙1
05を挟持させて、ジグザグ搬送路を所定量ジグザグ搬
送するとともに、摺動部材303a、303bにより剥
離ベルト305a、305bと転写紙105の相対変位
を促進させることにより、小型で、かつ、効率的に転写
紙105上の画像形成物質106を剥離・除去するとこ
ろにその特徴がある。
【0241】以下、この剥離・除去作用を中心に、再生
装置1の動作を説明する。
【0242】再生装置1は、電源が投入され、給紙ケー
ス101に画像形成物質106により画像の形成された
転写紙105が複数枚載置された後、所定のウォーミン
グアップが完了すると、給紙ローラ102により給紙ケ
ース101内の転写紙105を、最上段の転写紙105
から、順次液付与ユニットU2に送り出す。このとき、
レジストローラ対103によりタイミング調整を行う。
【0243】この転写紙105は、通常の通常の複写用
紙あるいはプリンティング用紙であり、転写紙105に
は、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方
式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質1
06により皮膜状の画像が形成されている。
【0244】液付与ユニットU2は、液自動補給機20
2により補給液容器201から汲み上げられた液容器2
03内の画像除去促進液212を、液汲み上げローラ2
04により液塗布ローラ205に付着して、液塗布ロー
ラ205により、押さえローラ206との間に給紙され
てきた転写紙105の画像形成面に、少量塗布する。
【0245】液付与ユニットU2は、画像除去促進液2
12の塗布した転写紙105を、搬送ベルト207によ
り剥離・移動ユニットU3に送り出す。
【0246】転写紙105は、画像除去促進液212が
付与されると、転写紙105の表面近傍が膨潤して、画
像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差によ
り、両者の間にせん断力が発生し、画像形成物質106
と転写紙105との接着力が低下する。また、画像形成
物質106と転写紙105とのせん断力は、転写紙10
5の画像形成物質106と接する界面に極力近い部分に
まで画像除去促進液212が浸透することにより、特に
大きくなると考えられ、画像除去促進液212が転写紙
105と画像形成物質106とが接触する界面にまで浸
透することにより、より一層良好な画像形成物質106
の除去特性が得られる。さらに、転写紙105と画像形
成物質106とが接触する界面にまで画像除去促進液2
12が浸透することは、単に膨潤量の差によるせん断力
を生じさせるだけでなく、画像除去促進液212の成
分、特に、水や界面活性剤が、画像形成物質106と転
写紙105との間に介在することにより、画像形成物質
106と転写紙105との間に働いていた接着力を弱め
る作用をもすると考えられる。
【0247】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、上記膨潤作用により、剥離・移動ユニットU
3に搬送される間に、画像形成物質106と転写紙10
5との接着力が低下した状態で、剥離・移動ユニットU
3に搬送される。
【0248】剥離・移動ユニットU3は、複数の搬送ロ
ーラ301a〜301dと従動ローラ302a〜302
cにより、密着一体化した剥離ベルト305a、305
bをジグザグ状に搬送・移動させ、このジグザグ搬送路
の途中に、剥離ベルト305a、305bに異なる面か
ら摺接する2個の摺動部材303a、303bが、配設
されている。そして、各搬送ローラ301a〜301
d、従動ローラ302a〜302c及び摺動部材303
a、303bには、これらを所定温度に加熱する加熱ラ
ンプ311a〜311d、加熱ランプ311e〜311
g及び加熱ランプ311h、311iが設けられてお
り、剥離ベルト305a、305b及び剥離ベルト30
5a、305bに挟持されてジグザグ搬送路を搬送され
る転写紙105を加熱する。
【0249】画像除去促進液212が付与されて画像形
成物質106との接着力の弱められた状態の転写紙10
5は、剥離ベルト305bと剥離ベルト305bとの間
に挟持され、かつ、剥離ベルト305a、305bの接
着力により剥離ベルト305a、305bに所定の接着
力で接着された状態で、ジグザグ搬送路を図1中左から
右方向に搬送される。
【0250】転写紙105は、剥離ベルト305a、3
05bに密着一体的に挟持された状態でジグザグ搬送路
を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト305
a、305bとが相対変位し、転写紙105と剥離ベル
ト305a、305bとの間にせん断力が発生する。こ
のせん断力により転写紙105から画像形成物質106
が剥離して、剥離ベルト305a、305bに剥離・転
写される。
【0251】また、剥離ベルト305a、305bに挟
持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路を搬送さ
れている間に、搬送ローラ301a〜301d、従動ロ
ーラ302a〜302c及び摺動部材303a、303
bに内蔵された加熱ランプ311a〜311d、加熱ラ
ンプ311e〜311g及び加熱ランプ311h、31
1iにより加熱され、転写紙105上に画像を形成して
いる画像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態と
なり、効率的に剥離ベルト305a、305bに転写・
除去される。
【0252】さらに、剥離ベルト305a、305bに
挟持された転写紙105は、ジグザグ搬送路の途中に、
摺動部材303a、303bが配設されているため、摺
動部材303a、303bが摺接している側の剥離ベル
ト305a、305bの進行を阻止するように作用し
て、剥離ベルト305a、305bと転写紙105との
相対変位をより一層促進させる。
【0253】その結果、剥離ベルト305a、305b
に接着された画像形成物質106と転写紙105との間
により一層せん断力が発生して、画像形成物質106を
転写紙105からより一層効率的に剥離し、剥離ベルト
305a、305bにより一層効率的に転写・除去する
ことができる。
【0254】また、剥離ベルト305a、305bは、
摺動部材303a、303bとの摺接位置を含め、その
前後の移動領域において、剥離ベルト305a、305
bが、転写紙105を挟持した状態で、いかなる部材と
も接触しない無接触領域を有しているため、剥離ベルト
305a、305bに密着一体的に挟持されている転写
紙105が、無接触領域において、比較的自由に動くこ
とができ、摺動部材303a、303bでの転写紙10
5と画像形成物質106との剥離効率をより一層向上さ
せることができる。
【0255】さらに、ジグザグ搬送路は、搬送ローラ3
01a〜301dと従動ローラ302a〜302cがジ
グザグ状に配設されているとともに、転写紙105が摺
動部材303a、303bに搬送される前に、搬送ロー
ラ301a〜301dと従動ローラ302a〜302c
とが当接しているため、少なくとも転写紙105を挟持
する剥離ベルト305a、305bに所定の押圧力で圧
接させることができ、画像形成物質106を剥離ベルト
305a、305bに十分に接着させた状態で、摺動部
材303a、303bに移動することができる。
【0256】したがって、画像形成物質106をより一
層効率的に剥離ベルト305a、305bに転写するこ
とができ、転写紙105上の画像形成物質106をより
一層効率的に除去することができる。
【0257】また、ジグザグ搬送路には、摺動部材30
3a、303bとの摺接位置において、剥離ベルト30
5a、305bの移動の障害となる他のいかなる部材を
備えていないため、転写紙105や剥離ベルト305
a、305bへの摩擦力が必要以上に大きくなることを
防止することができ、転写紙105上の画像形成物質1
06を適切に剥離・除去することのできる再生装置1を
より一層小型化することができるとともに、消費電力を
より一層低減することができる。
【0258】さらに、摺動部材303a、303bは、
上述のように、剥離ベルト305a、305bに、0.
4以下の摩擦係数で摺接しているため、転写紙105上
の画像形成物質106を適切に剥離・除去することので
きる再生装置1をより一層小型化することができるとと
もに、消費電力をより一層低減することができる。
【0259】また、摺動部材303a、303bは、そ
の剥離ベルト305bとの摺接面が、所定の滑らかな曲
線状、例えば、その半径が1mm〜10mmの円弧状、
あるいは、その長軸が1mm〜10mmの楕円弧状に形
成されているため、剥離ベルト305a、305bが摺
動部材303a、303bの尖った角部により磨耗され
て、破断するのを防止することができるとともに、剥離
ベルト305a、305bにかかる負荷を低減しつつ、
剥離ベルト305a、305bと転写紙105とに適切
な相対変位を付与することができ、転写紙105上の画
像形成物質106を剥離・除去することのできる再生装
置1の寿命を長くすることができる。
【0260】さらに、摺動部材303a、303bは、
剥離ベルト305a、305bとの摺接部分が、剥離ベ
ルト305a、305bの移動方向に対して、30mm
以内の長さでのみ摺接する形状に形成されているため、
転写紙105や剥離ベルト305a、305bへの摩擦
力が必要以上に大きくなることを防止することができ、
転写紙105上の画像形成物質106を適切に剥離・除
去することのできる再生装置1をより一層小型化するこ
とができるとともに、消費電力をより一層低減すること
ができる。
【0261】また、摺動部材303a、303bは、図
6に示したように、剥離ベルト305a、305bの移
動方向と直角方向の剥離ベルト305a、305bとの
摺接部分が、所定の凹凸形状に形成されているため、剥
離ベルト305a、305bの幅方向において、摺動部
材303a、303bと剥離ベルト305a、305b
との接触面で不均一な圧力分布となり、摺動部材303
a、303bと剥離ベルト305a、305bとの摩擦
力が減少し、摺動に対する負荷を軽減させることができ
るとともに、剥離ベルト305a、305bの搬送方向
と直角方向についても、剥離ベルト305a、305b
と転写紙105とのずれを誘起させることができ、画像
形成物質106を転写紙105からより一層効率的に剥
離させることができる。
【0262】さらに、摺動部材303a、303bは、
剥離ベルト305a、305bに対して、所定方向に所
定量変位されるため、剥離ベルト305a、305bと
転写紙105とのずれやせん断力及び圧力を変化させる
ことができ、転写紙105から画像形成物質106をよ
り一層効率的に剥離・除去することができる。その結
果、転写紙105の全面に一様に画像の形成された、い
わゆるベタ画像の画像形成物質106を適切に除去する
ことができる。
【0263】また、ジグザグ搬送路に2個の摺動部材3
03a、303bが設けられており、これらの摺動部材
303a、303bが、それぞれ所定距離離れた位置
で、剥離ベルト305a、305bの異なる面に摺接し
ているため、転写紙105と剥離ベルト305a、30
5bとのずれ量を、より一層大きくすることができ、画
像形成物質106を転写紙105からより一層効率的に
剥離させることができ、転写紙105の両面に画像が形
成されている場合にも、転写紙105の両面の画像形成
物質106を、それぞれ摺動部材303a、303bに
より同程度に効率的に除去して、両面記録された転写紙
105から画像形成物質106を適切に除去・再生する
ことができる。
【0264】上述のようにして、画像形成物質106の
転写・除去された転写紙105は、送り出しローラ30
8及び搬送ベルト309により、乾燥ユニットU4に送
り出されるとともに、剥離ベルト305a、305bに
転写された画像形成物質106は、スパイラルローラ3
06a、306bにより掻き落とされ、画像形成物質受
け器307内に収納される。
【0265】乾燥ユニットU4は、剥離・移動ユニット
U3から搬送されてきた転写紙105を、加熱ランプ4
01により加熱された乾燥ドラム402と仕上げベルト
403との間に挟んで搬送する間に、転写紙105の余
分な水分を乾燥させて、紙受けユニットU5に排出す
る。
【0266】紙受けユニットU5は、乾燥ユニットU4
から排出された転写紙105を、排出ローラ503によ
り、排紙トレー502上に排出・載置させる。
【0267】このように、再生装置1は、画像形成物質
106により画像の形成された転写紙105を、液付与
ユニットU2で、画像除去促進液212を付与して、転
写紙105と画像形成物質106との接着力を弱めた状
態で、剥離・移動ユニットU3の密着一体化した剥離ベ
ルト305a、305bで挟持して、ジグザグ搬送路を
搬送して、剥離ベルト305a、305bと転写紙10
5との相対変位を生じさせることができるとともに、ジ
グザグ搬送路に摺動部材303a、303bを設けて、
当該摺動部材303a、303bにより、剥離ベルト3
05a、305bと転写紙105との相対変位をさらに
促進させることができる。したがって、転写紙105か
ら画像形成物質106を効率的に剥離して、剥離ベルト
305a、305bに転写することができ、画像形成物
質106の剥離・除去性能の良好な再生装置1を小型
で、かつ、消費電力の小さいものとすることができる。
【0268】図8は、本発明の被記録材の再生装置の第
2の実施の形態を適用した再生装置を示す図である。
【0269】本実施の形態は、上記第1の実施の形態の
剥離・移動ユニットU3を変更したものであり、本実施
の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様
の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略
する。
【0270】図8において、剥離・移動ユニットU13
は、上記第1の実施の形態の剥離・移動ユニットU3の
摺動部材303aを取り除いて、搬送ローラ321を配
設したものであり、搬送ローラ321は、他の搬送ロー
ラ301a〜301dと同様に、従動ローラ302a〜
302cとジグザグに配設されている。
【0271】搬送ローラ321は、加熱ランプ321a
を内蔵しており、加熱ランプ321aは、図示しない電
源から通電されるとともに、その通電が図示しない制御
回路により通電制御されている。
【0272】したがって、剥離・移動ユニットU13
は、剥離ベルト305a側にのみ摺動部材303bが設
けられた状態となっており、剥離ベルト305a側の方
が、剥離ベルト305b側よりも、画像形成物質106
の剥離効果が高いものとなっている。
【0273】そこで、剥離・移動ユニットU13には、
図8に示すように、転写紙105は、転写紙105の画
像形成面、すなわち、画像形成物質106の付着してい
る面を剥離ベルト305a側、すなわち、図8中上向け
にして、供給される。そのため、図示しないが、液付与
ユニットU2は、転写紙105の上面側に画像除去促進
液212を付与する構成となっている。
【0274】本実施の形態によれば、液付与ユニットU
2で画像除去促進液212が付与されて転写紙105と
画像形成物質106の接着力の弱められた状態で、画像
形成物質106を剥離ベルト305a側に向けた状態で
転写紙105が、剥離・移動ユニットU13の剥離ベル
ト305a、305b間に搬送され、剥離・移動ユニッ
トU13は、搬送されてきた転写紙105を剥離ベルト
305a、305bで挟持して、ジグザグ搬送路を右方
向に搬送する。
【0275】転写紙105は、ジグザグ搬送路を搬送さ
れる間に、上記実施の形態と同様に、加熱ランプ311
a〜311d、321a、加熱ランプ311e〜311
g及び加熱ランプ311iにより加熱されて、転写紙1
05上の画像形成物質106が軟化し、画像形成物質1
06が転写紙105から剥離し易い状態となる。
【0276】この状態で、転写紙105がジグザグ搬送
路を搬送されると、剥離ベルト305a、305b、特
に、剥離ベルト305aと転写紙105との相対変位が
発生して、転写紙105と画像形成物質106との間に
せん断力が発生し、転写紙105から画像形成物質10
6を剥離・除去することができる。
【0277】特に、剥離ベルト305a側には、摺動部
材303bが設けられており、摺動部材303b上を剥
離ベルト305a、305bが通過する際に、摺動部材
303bが剥離ベルト305aの進行を阻止するように
作用して、剥離部材303bと転写紙105との相対変
位を促進し、転写紙105から画像形成物質106をよ
り一層効率的に剥離・除去することができる。
【0278】剥離・移動ユニットU13で画像形成物質
106の剥離・除去された転写紙105は、上記実施の
形態と同様に、乾燥ユニットU4で乾燥された後、紙受
けユニットU5に排出・載置される。
【0279】なお、本実施の形態においては、転写紙1
05の上側、すなわち、剥離ベルト305a側の画像形
成物質106のみを除去する場合には、下側の剥離ベル
ト305bを剥離ベルト305bと同形状のシール部材
で構成してもよい。この場合、シール部材は、剥離ベル
ト305a、305bと同様の素材で形成することがで
きるが、剥離ベルト305a、305bのような接着力
を必要としない。
【0280】また、本実施の形態においては、剥離ベル
ト305a、305bの下側の摺動部材303bを取り
除いて、搬送ローラ321を設けているが、逆に、剥離
ベルト305a、305bの下側にのみ摺動部材を設け
てもよい。例えば、摺動部材303bを取り除いて、摺
動部材303aのみを配設してもよい。
【0281】図9は、本発明の被記録材の再生装置の第
3の実施の形態を適用した再生装置を示す図であり、本
実施の形態は、摺動部材を搬送ローラの表面部分に設け
たものである。
【0282】本実施の形態は、上記第1の実施の形態の
剥離・移動ユニットU3を変更したものであり、本実施
の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様
の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略
する。
【0283】図9において、剥離・移動ユニットU23
は、3個の搬送ローラ331a〜331cと2個の従動
ローラ332a、332bがジグザグ状に配設され、シ
ール部材333が、これらの搬送ローラ331a〜33
1c、従動ローラ332a、332b及びガイドローラ
334a〜334eに張り渡されている。また、剥離ベ
ルト335が、搬送ローラ331a〜331c、従動ロ
ーラ332a、332b及びガイドローラ334f〜3
34jに張り渡されている。
【0284】剥離ベルト335は、上記第1の実施の形
態の剥離ベルト305a、305bと同様のものであ
り、シール部材333は、シール部材は、剥離ベルト3
05a、305bと同様の素材で形成することができる
が、剥離ベルト305a、305bのような接着力を必
要としない。
【0285】搬送ローラ331a〜331c及び従動ロ
ーラ332a、332bには、加熱ランプ336a〜3
36eを内蔵しており、加熱ランプ336a〜336e
には、図示しない電源から通電されるとともに、図示し
ない通電制御部により通電制御され、搬送ローラ331
a〜331c及び従動ローラ332a、332bを所定
温度に加熱する。
【0286】搬送ローラ331bの外周部には、該外周
部に近接して、摺動部材337が配設されており、摺動
部材337は、山型に形成されて、その裾野部分が搬送
ローラ331bの外周部に近接するとともに、その頂上
付近が滑らかな曲線に形成されている。摺動部材337
は、図示しない支持部材により搬送ローラ331bの外
周部に近接して支持・配設されており、摺動部材337
は、上記摺動部材303a、303bと同様の素材によ
り形成されている。
【0287】したがって、剥離・移動ユニット23は、
ガイドローラ334aとガイドローラ334f部分で剥
離ベルト335とシール部材333が密着一体化され、
搬送ローラ331a〜331cと従動ローラ332a、
332bで構成されるジグザグ搬送路を、液付与ユニッ
トU2で画像除去促進液212の付与された転写紙10
5が剥離ベルト335とシール部材333に挟持された
状態で搬送される。
【0288】そして、剥離ベルト335及びシール部材
333は、密着一体化した状態で、搬送ローラ331b
の外周部を移動する際に、摺動部材337の山型の外面
に摺接した状態で、移動し、剥離ベルト335とシール
部材333に挟持された転写紙105と剥離ベルト33
5との相対変位を促進させる。
【0289】本実施の形態によれば、液付与ユニットU
2で画像除去促進液212が付与されて転写紙105と
画像形成物質106の接着力の弱められた状態で、画像
形成物質106を剥離ベルト335側に向けた状態で転
写紙105が、剥離・移動ユニットU23の剥離ベルト
335とシール部材333の間に搬送され、剥離・移動
ユニットU23は、搬送されてきた転写紙105を剥離
ベルト335とシール部材333で挟持して、ジグザグ
搬送路を右方向に搬送する。
【0290】転写紙105は、ジグザグ搬送路を搬送さ
れる間に、上記実施の形態と同様に、加熱ランプ336
a〜336eにより加熱されて、転写紙105上の画像
形成物質106が軟化し、画像形成物質106が転写紙
105から剥離し易い状態となる。
【0291】この状態で、転写紙105がジグザグ搬送
路を搬送されると、剥離ベルト335と転写紙105と
の相対変位が発生して、転写紙105と画像形成物質1
06との間にせん断力が発生し、転写紙105から画像
形成物質106を剥離・除去することができる。
【0292】特に、搬送ローラ331bの外周近くに摺
動部材337が設けられており、摺動部材337上を剥
離ベルト335とシール部材333が通過する際に、摺
動部材337がシール部材333の進行を阻止するよう
に作用して、剥離ベルト335と転写紙105との相対
変位を促進し、転写紙105から画像形成物質106を
より一層効率的に剥離・除去して、剥離ベルト335に
転写することができる。
【0293】剥離・移動ユニットU23で画像形成物質
106の剥離・除去された転写紙105は、上記実施の
形態と同様に、乾燥ユニット4で乾燥された後、紙受け
ユニットU5に排出・載置される。
【0294】図10及び図11は、本発明の被記録材の
再生装置の第4の実施の形態を適用した再生装置を示す
図であり、本実施の形態は、剥離・移動ユニットをドラ
ムとローラにより剥離ベルトとシール部材を搬送するも
のである。
【0295】本実施の形態は、上記第1の実施の形態の
剥離・移動ユニットU3を変更したものであり、本実施
の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様
の構成部分には、同一の符号を付して、その説明を省略
する。
【0296】図10において、剥離・移動ユニットU3
3は、ドラム341、ドラム341の表面に巻回された
シール部材342、剥離ベルト343、2個のガイドロ
ーラ344a、344b、複数(図10では、4個)の
加圧ローラ345a〜345d等を備えており、剥離ベ
ルト343は、図示しない他のガイドローラを介してガ
イドされた部分を含めてリング状に形成されている。
【0297】ドラム341は、加熱ランプ346を内蔵
しており、加熱ランプ346は、図外の電源から通電さ
れるとともに、図示しない通電制御部により通電制御さ
れて、ドラム341を所定の温度に加熱する。
【0298】シール部材342は、ドラム341の表面
に巻回されており、第1の実施の形態の剥離ベルト30
5a、305bと同様のものを用いることができるが、
画像形成物質106を接着する接着力を必要としない。
また、シール部材342は、後述するように、ドラム3
41の表面部分に摺動部材347(図11参照)が配設
されるため、所定の弾力を有していることが望ましく、
ドラム341とともに回転する。
【0299】ガイドローラ344a、344bは、ドラ
ム1の略直径方向で相対向する位置に配設されており、
剥離ベルト343は、このガイドローラ344a、34
4b部分で、ドラム341に巻回されているシール部材
342に密着一体化して、ドラム341の表面を移動す
る。すなわち、ドラム1は、図外のモータ等により図1
0中矢印で示す方向に回転駆動され、シール部材34
2、剥離ベルト343、ガイドローラ344a、344
b及び複数の加圧ローラ345a〜345dがドラム1
の回転により吊れ回りする。剥離ベルト343は、ガイ
ドローラ344a部分で、シール部材342と密着一体
化して、ドラム341上を移動し、ガイドローラ344
b部分でシール部材342から離れて、図示しない他の
ガイドローラを介して、再度、ガイドローラ344aに
搬送されてくる。
【0300】加圧ローラ345a〜345dは、それぞ
れ加圧スプリング348a〜348dにより所定圧力で
ドラム341の中心方向に付勢されており、加圧ローラ
345は、剥離ベルト343のドラム341表面での移
動を阻止する方向に作用して、剥離ベルト343と転写
紙105との間に相対変位を生じさせることにより、転
写紙105と画像形成物質106との間にせん断力を発
生させる。したがって、加圧ローラ345a〜345d
及び加圧スプリング348a〜348dは、加圧手段と
して機能する。
【0301】ドラム341の表面近傍であって、加圧ロ
ーラ345cと加圧ローラ345dとの間には、図11
に示すように、摺動部材347が配設されており、摺動
部材347は、図示しない支持部材によりドラム341
の表面と接触しない程度の微小の間隔を開けて、ドラム
341の表面に近接して配設されている。
【0302】摺動部材347は、略山型に形成されてお
り、その裾野部分がドラム341の外周部に近接すると
ともに、その頂上付近が滑らかな曲線に形成されてい
る。
【0303】摺動部材347は、上記摺動部材303
a、303bと同様の素材により形成されている。
【0304】そして、シール部材342及び剥離ベルト
343は、摺動部材347部分において、摺動部材34
7の外側、すなわち、山型の外面に摺接した状態で、移
動する。
【0305】したがって、剥離・移動ユニットU33
は、ガイドローラ344a部分で剥離ベルト343とシ
ール部材342が密着一体化され、ドラム341の回転
により加圧ローラ345a〜345dに加圧されつつ、
ドラム341表面上を移動し、ガイドローラ344a部
分に、液付与ユニットU2で画像除去促進液212の付
与された転写紙105が剥離ベルト343とシール部材
342の間に挿入されて、剥離ベルト343とシール部
材342に挟持された状態で搬送される。
【0306】そして、剥離ベルト343及びシール部材
342は、密着一体化した状態で、途中に摺動部材34
7の配設されたドラム341の表面上を移動領域として
移動する際に、剥離ベルト343とシール部材342に
挟持された転写紙105と剥離ベルト335との相対変
位を発生させる。
【0307】本実施の形態によれば、液付与ユニットU
2で画像除去促進液212が付与されて転写紙105と
画像形成物質106の接着力の弱められた状態で、画像
形成物質106を剥離ベルト343側に向けた状態で、
転写紙105が、剥離・移動ユニットU33の剥離ベル
ト343とシール部材342の間に搬送され、剥離・移
動ユニットU33は、搬送されてきた転写紙105を剥
離ベルト343とシール部材342で挟持して、ドラム
341表面の搬送路を搬送する。
【0308】転写紙105は、ドラム341表面を搬送
される間に、ドラム341に内蔵されている加熱ランプ
336a〜336eにより加熱されて、転写紙105上
の画像形成物質106が軟化し、画像形成物質106が
転写紙105から剥離し易い状態となる。
【0309】この状態で、転写紙105がドラム341
上をシール部材342と剥離ベルト343に挟持された
状態で搬送されると、加圧ローラ345a〜345dの
加圧力により剥離ベルト343と転写紙105との相対
変位が発生して、転写紙105と画像形成物質106と
の間にせん断力を発生させ、転写紙105から画像形成
物質106を剥離・除去することができる。
【0310】特に、ドラム341の表面近くに摺動部材
347が設けられており、摺動部材347上を剥離ベル
ト343とシール部材342が通過する際に、摺動部材
347がシール部材342の進行を阻止するように作用
して、剥離ベルト343と転写紙105との相対変位を
促進し、転写紙105から画像形成物質106をより一
層効率的に剥離・除去して、剥離ベルト343に転写す
ることができる。
【0311】剥離・移動ユニットU33で画像形成物質
106の剥離・除去された転写紙105は、上記実施の
形態と同様に、乾燥ユニット4で乾燥された後、紙受け
ユニットU5に排出・載置される。
【0312】したがって、本実施の形態においても、適
切に、かつ、効率的に、転写紙105上の画像形成物質
106を剥離・除去することができ、再生装置を小型化
することができるとともに、消費電力を削減することが
できる。
【0313】なお、本実施の形態においては、ドラム3
41を図外のモータにより回転駆動するようにしている
が、これに限るものではなく、例えば、ドラム341を
回転駆動させずに、ガイドローラ344a、344bと
加圧ローラ345a〜345dの少なくとも一方を回転
駆動することにより、ドラム341を吊れ回りさせるよ
うにしてもよいし、また、ドラム341、ガイドローラ
344a、344b及び加圧ローラ345a〜345d
を回転駆動するようにしてもよい。
【0314】また、本実施の形態においては、シール部
材342をドラム341に巻回しているが、これに限る
ものではなく、例えば、他のガイドローラ等によりシー
ル部材をガイドローラ344aに案内し、ガイドローラ
344b部分で剥離ベルト343と剥離させて、再度、
ガイドローラ344aに供給するようにしてもよい。
【0315】
【実施例】上記実施の形態の再生装置1を基本として、
摺動部材303a、303bを取り付けていない場合、
各種摺動部材303a、303bを取り付けた場合等に
おいて、実験を行った。
【0316】以下、各実験結果を実施例として、順次説
明する。
【0317】なお、以下の実験において使用した画像形
成物質106としては、以下の処方で作製したトナーA
及びトナーBを用いた。
【0318】〈トナーAの処方〉 ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量% スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量% 含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量% カルナウバワックス (離型剤) 4重量% カーボンブラック (着色剤) 7重量% 以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜
140℃に熱した2本ロールによって、溶融混練し、混
練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕して、ジェッ
ト気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体
積平均粒径10μmのトナーAを作製した。
【0319】〈トナーBの処方〉 ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 70重量% スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 16重量% サリチル酸誘導体亜鉛塩(荷電制御剤) 3重量% カルナウバワックス (離型剤) 4重量% カーボンブラック (着色剤) 7重量% 以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜
140℃に熱した2本ロールによって、溶融混練し、混
練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕して、ジェッ
ト気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体
積平均粒径8μmのトナーBを作製した。
【0320】また、画像除去促進液212は、以下の処
方により調整した。
【0321】 〈画像除去促進液の処方〉 ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 1重量% N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量% 安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量% 純水 残量 以上の物質を、撹拌・溶解して、画像除去促進液212
を調整した。
【0322】〈実施例1〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーA
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成
した。
【0323】再生装置は、図1の再生装置1に、図9に
示した剥離・移動ユニットU23を適用したものを用
い、剥離ベルト335として、ポリエチレンテレフタレ
ートのベルトを用いた。
【0324】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度20mm/sec、加熱温度
110℃にて再生処理を行った。
【0325】実験の結果、再生された用紙には、実使用
上問題となるような量のトナーは残っておらず、前記P
PC複写機にて、再利用したところ、未使用の紙と同等
の複写画像を得ることができた。
【0326】なお、この場合、比較実験するために、剥
離・移動ユニットU23の摺動部材337を取り除いた
状態で上記同様の再生処理を行ったところ、再生処理後
に得られた紙には、わずかにトナー画像の残像がみられ
た。
【0327】そして、この紙を実使用上問題なく再生す
るためには、摺動部材337を取り除いた剥離・移動ユ
ニットU23に搬送ローラと従動ローラを合わせて4本
増やす必要があった。
【0328】すなわち、摺動部材337を設けることに
より、搬送ローラと従動ローラ合わせて4本分を削除す
ることができ、その分、再生装置1を小型化することが
できるとともに、消費電力を削減することができること
が実証された。
【0329】〈実施例2〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーB
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成
した。
【0330】再生装置は、上記実施例1と同様の再生装
置を用いて再生処理を行った。
【0331】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題になるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて、再利用したところ、未使用の紙と同等の
複写画像を得ることができた。
【0332】なお、この場合、比較実験するために、剥
離・移動ユニットU23の摺動部材337の位置を、真
ん中の搬送ローラ331bから、一番先頭の搬送ローラ
331aに変更し、その他は同様にして再生処理を行っ
たところ、再生処理後に得られた紙には、わずかにトナ
ー画像の残像が認められた。
【0333】そして、この紙を実使用上問題なく再生す
るためには、剥離・移動ユニットU23の搬送ローラと
摺動ローラを合わせて4本増やす必要があった。
【0334】すなわち、摺動部材337を設けることに
より、搬送ローラと従動ローラ合わせて4本分を削除す
ることができ、その分、再生装置1を小型化することが
できるとともに、消費電力を削減することができること
が実証された。
【0335】さらに、比較実験するために、剥離・移動
ユニットU23の搬送ローラ331a〜331cと従動
ローラ332a、332b相互間の加圧を解除し、その
他は同様にして再生処理を行ったところ、再生処理後に
得られた紙は、剥離ベルト335に接着したままとな
り、シワや破れなどを生じた。
【0336】すなわち、搬送ローラ331a〜331c
と従動ローラ332a、332b相互を当接させて、相
互間に加圧を行うことにより、剥離ベルト335と転写
紙105との間に相対変位が発生して、転写紙105上
の画像形成物質106を剥離させていることが判明し
た。
【0337】〈実施例3〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーA
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成
した。
【0338】再生装置は、図1の再生装置1に、図8に
示した剥離・移動ユニットU13を適用したものに、剥
離ベルト305a、305bとして、ポリエチレンテレ
フタレートのベルトを、摺動部材として、図4に示した
摺動部材303bにテフロンコーティングしたものを用
い、摺動部材303bと剥離ベルト305a、305b
の平均面圧を2Kgf/cm2 に設定した。
【0339】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度25mm/sec、加熱温度
115℃にて再生処理を行った。
【0340】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題となるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて再利用したところ、未使用の紙と同等の複
写画像を得ることができた。
【0341】なお、この場合、比較実験するために、上
記摺動部材303bと剥離ベルト305a、305bと
の平均面圧を、0.0Kgf/cm2 に設定して、同様
の再生処理を行ったところ、再生装置へ通紙後、紙の一
部は、剥離ベルト305a、305bに接着したままと
なり、シワや破れなどを生じた。
【0342】したがって、摺動部材303bにより、剥
離ベルト305a、305bと転写紙105との相対変
位が促進されて、転写紙105上の画像形成物質106
を効率的に剥離させていることが判明した。
【0343】また、比較実験するために、上記摺動部材
303bと剥離ベルト305a、305bとの平均面圧
を、20Kgf/cm2 に設定して、同様の再生処理を
行ったところ、うまく摺動しないために、剥離ベルト3
05a、305bが駆動しなかった。この場合、駆動モ
ータのトルクを上げて、再度再生処理を試みたところ、
始めの数十枚程度は、問題ないレベルまで画像が除去さ
れたが、百枚足らずで、剥離ベルト305a、305b
のベルトが破断してしまった。
【0344】したがって、摺動部材303bと剥離ベル
ト305a、305bとの平均面圧が、20Kgf/c
2 を越えると、剥離ベルト305a、305bにかか
る負荷が大きくなりすぎて、かえって、消費電力が増加
したり、剥離ベルト305a、305bの寿命が短くな
ることが判明した。
【0345】さらに、比較実験を行うために、摺動部材
303bを隣接する搬送ローラ(搬送ローラ311cあ
るいは搬送ローラ331d)に押し当てるように設置
し、その他は同様にして再生処理を行ったところ、うま
く摺動しないため、剥離ベルト305a、305bが駆
動しなかった。この場合、駆動モータのトルクを上げ
て、再度、再生処理を試みたところ、始めの数十枚程度
は、問題ないレベルまで画像が除去されたが、百枚足ら
ずで剥離ベルト305a、305bが破断してしまっ
た。
【0346】したがって、剥離ベルト305a、305
bを摺動部材303bと他の部材で挟むようにして圧力
をかけると、摺動部材303bと剥離ベルト305a、
305bとの間の摩擦力が著しく増大して、剥離ベルト
305a、305bを移動させるための駆動機構や剥離
ベルト305a、305bへの負荷が大きくなりすぎ、
かえって、消費電力が増加したり、剥離ベルト305
a、305bの寿命が短くなることが判明した。その結
果、摺動部材の周囲に剥離ベルトを摺動部材と他の部材
で挟んで加圧するような部材がないことが、適切な剥離
・除去効果を発揮する再生装置を小型で、消費電力を小
さくする上で、重要であることが判明した。
【0347】また、比較実験を行うため、摺動部材30
3bの表面をシリコンゴムで被覆し、その他は同様にし
て再生処理を行ったところ、うまく摺動しないために、
剥離ベルト305a、305bが駆動しなかった。この
場合、駆動モータのトルクを上げて、再度、再生処理試
みたところ、摺動部材303bの表面のシリコンゴムが
破壊され、やはり駆動できなかった。
【0348】したがって、剥離ベルト305a、305
bと摺動部材303bとの摩擦が大きすぎると、剥離ベ
ルト305a、305bを移動させるための駆動機構や
剥離ベルト305a、305bへの負荷が大きくなりす
ぎ、かえって、消費電力が増加したり、剥離ベルト30
5a、305bの寿命が短くなることが判明した。
【0349】〈実施例4〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーB
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成
した。
【0350】再生装置は、上記実施例3と同様の再生装
置を用いて再生処理を行った。
【0351】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題になるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて、再利用したところ、未使用の紙と同等の
複写画像を得ることができた。
【0352】なお、この場合、比較実験を行うために、
上記剥離・移動ユニットU13の摺動部材303bを、
鋭く尖った部材にし、その他は、同様にして再生処理を
行ったところ、始めの数十枚は、問題ないレベルまで画
像が除去されたが、百枚足らずで、剥離ベルト305
a、305bが破断してしまった。
【0353】したがって、摺動部材303bには、尖っ
た部分を有さない滑らかな曲線状に形成されていること
が、好適であることが判明した。
【0354】また、比較実験を行うために、剥離ベルト
305a、305bに接触する摺動部材303bの長さ
を一ヶ所につき50mmに設定し、その他は、同様にし
て再生処理を行ったところ、うまく摺動しないために、
剥離ベルト305a、305bが駆動しなかった。この
場合、駆動モータのトルクを上げて、再度再生処理を試
みたところ、始めの数十枚程度は、問題ないレベルまで
画像が除去されたが、剥離ベルト305a、305bの
磨耗が激しく、数百枚で破断に至った。
【0355】したがって、剥離ベルト305a、305
bと接触する摺動部材303bの長さは、1ヶ所につき
50mmでは長すぎ、摺動部材303bが剥離ベルト3
05a、305bに作用する負荷が大きくなりすぎるこ
とが判明した。
【0356】〈実施例5〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーA
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、画像を形成
した。
【0357】再生装置は、図1の再生装置1に、図8に
示した剥離・移動ユニットU13を適用したものに、剥
離ベルト305a、305bとして、ポリエチレンテレ
フタレートの剥離ベルトを、摺動部材として、図5に示
した摺動部材303b(r=5mm)にテフロンコーテ
ィングしたものを用い、摺動部材303bと剥離ベルト
305a、305bの平均面圧を1.5Kgf/cm2
に設定した。
【0358】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度20mm/sec、加熱温度
110℃にて再生処理を行った。
【0359】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題となるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて再利用したところ、未使用の紙と同等の複
写画像を得ることができた。
【0360】なお、この場合、比較実験するために、上
記摺動部材303bを隣接する搬送ローラ(搬送ローラ
301c、あるいは、搬送ローラ301d)に精度よく
接する位置に設置し、その他は、上記同様にして再生処
理を行ったところ、剥離ベルト305a、305bは駆
動したが、再生処理後に得られた紙には、わずかにトナ
ー画像の残像が認められた。
【0361】したがって、摺動部材303bの前後に
は、他の部材と接触しない無接触領域を設けることが、
転写紙105の画像形成物質106を効率的に剥離・転
写する上で、好適であることが判明した。
【0362】また、比較実験を行うために、摺動部材3
03bを半径30mmの円弧状のものとし、その他は、
上記同様にして再生処理を行ったところ、うまく摺動し
ないために、剥離ベルト305a、305bが駆動しな
かった。この場合、駆動モータのトルクを上げて、再度
再生処理を試みたところ、得られた再生紙の表面には、
わずかにトナー画像の残像がみられた。また、再生処理
を数百枚行ったところで剥離ベルト305a、305b
が破断した。
【0363】したがって、摺動部材303bの半径が3
0mmを越えると、摺動部材303bが剥離ベルト30
5a、305bに作用する負荷が大きくなりすぎ、摺動
部材303bの半径は、30mm以内であることが好適
であることが判明した。
【0364】さらに、比較実験を行うため、摺動部材3
03bに加熱手段(加熱ランプ)を設けず、あるいは、
加熱ランプへの通電を停止したものとし、その他は、上
記同様にして再生処理を行ったところ、始めの数十枚は
実使用上問題のないレベルまでトナーが除去されたもの
の、連続再生処理を続けるうちに、徐々にトナーの残像
が多くなり、再利用不可能なレベルまでトナーが残るよ
うになった。このとき、摺動部材303bの温度を測定
したところ、約70℃まで低下していた。
【0365】したがって、摺動部材303bを加熱手段
により適宜加熱して、画像形成物質106を軟化させた
状態とすることが、画像形成物質106を転写紙105
から効率的に剥離して、剥離ベルト305a、305b
に転写させるのに好適であることが判明した。
【0366】〈実施例6〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーB
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、A4版上質
紙の半分以上に黒ベタの画像を形成した。
【0367】再生装置は、図1の再生装置1に、図8に
示した剥離・移動ユニットU13を適用したものに、剥
離ベルト305a、305bとして、ポリエチレンテレ
フタレートの剥離ベルトを、摺動部材として、図5に示
した摺動部材303bにテフロンコーティングしたもの
を用い、さらに、図6に示した剥離ベルト305a、3
05bの移動方向と直角方向に滑らかな凹凸の形成され
た摺動部材303b(実験では、凹凸が深さ5mmで形
成された摺動部材)を用いた。
【0368】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度25mm/sec、加熱温度
115℃にて再生処理を行った。
【0369】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題となるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて再利用したところ、未使用の紙と同等の複
写画像を得ることができた。
【0370】なお、この場合、比較実験するために、上
記摺動部材303bを剥離ベルト305a、305bの
移動方向と直角方向に直線状に形成された摺動部材30
3b(すなわち、凹凸の形成されていない摺動部材)を
用い、その他は、上記と同様にして再生処理を行ったと
ころ、実施例6で得られた再生紙と比較して、わずかに
トナー残像が多く、かつ、紙に元の画像の縁に沿ってシ
ワが入っていた。
【0371】したがって、摺動部材303bに剥離ベル
ト305a、305bの移動方向と直角方向が直線状で
はなく、滑らかな凹凸が形成されていることが、画像形
成物質106の剥離効果を向上させる上で、また、転写
紙105をスムーズに搬送させる上で効果のあることが
判明した。
【0372】〈実施例7〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーA
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、A4版上質
紙の半分以上に黒ベタの画像を形成した。
【0373】再生装置は、図1の再生装置1に、図8に
示した剥離・移動ユニットU13を適用したものに、剥
離ベルト305a、305bとして、ポリエチレンテレ
フタレートの剥離ベルトを、摺動部材として、図4に示
した摺動部材303bにテフロンコーティングしたもの
を用い、さらに、図7に示したように、摺動部材が振動
するようにセットした。
【0374】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度25mm/sec、加熱温度
115℃にて再生処理を行った。
【0375】実験の結果、再生された紙には、実使用上
問題となるような量のトナーは残っておらず、前記PP
C複写機にて再利用したところ、未使用の紙と同等の複
写画像を得ることができた。
【0376】なお、この場合、比較実験するために、摺
動部材303bを固定配置にし、その他は、同様にして
再生処理を行ったところ、得られた再生紙には、わずか
にトナーが残っていた。
【0377】したがって、画像形成物質106を効率的
に剥離・転写させるのに、摺動部材303bを振動させ
ることが好適であることが判明した。
【0378】〈実施例8〉転写紙105として、市販の
A4版上質紙を使用し、上記処方にて作製したトナーB
を用い、電子写真方式のPPC複写機にて、A4版上質
紙の両面に画像を形成した。
【0379】再生装置は、図1の再生装置1の剥離・移
動ユニットU3に、剥離ベルト305a、305bとし
て、ポリエチレンテレフタレートの剥離ベルトを、摺動
部材303a、303bとして、図5に示した摺動部材
303b(r=8mm)にテフロンコーティングしたも
のを用いた。
【0380】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12をセットし、処理速度25mm/sec、加熱温度
115℃にて再生処理を行った。
【0381】実験の結果、再生された紙には、その両面
において、実使用上問題となるような量のトナーは残っ
ておらず、前記PPC複写機にて再利用したところ、未
使用の紙と同等の複写画像を得ることができた。
【0382】なお、この場合、比較実験するために、摺
動部材303bを片側のみに接するような構成にし、そ
の他は上記同様にして、両面に画像を有する紙の再生処
理を行ったところ、摺動部材303bのある側は問題な
いレベルまでトナーが除去されたものの、摺動部材30
3bのない側は、トナーの小さな塊が残った。
【0383】したがって、摺動部材303bが画像形成
物質106を剥離・転写させる上で、効率的に作用して
いることが判明した。
【0384】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0385】例えば、上記各実施の形態においては、被
記録材である転写紙105は、前もって何等処理されて
いないものを用いているが、これに限るものではなく、
例えば、転写紙105に画像を記録する前に、所定の画
像除去促進前処理液を付与し、この画像除去促進前処理
液を付与した転写紙105を乾燥させた後、記録したも
のを上記再生装置1により再生処理してもよい。
【0386】この画像除去促進前処理液は、画像除去促
進前処理液は、被記録材への画像形成物質の接着力を低
下させるためのものであり、少なくとも水分を含有して
いる。画像除去促進液としては、水に対する分散または
溶解安定性の高い界面活性剤を水に添加したものを用い
ることができる。
【0387】このようにすると、転写紙105等の被記
録材に形成された画像形成物質は、予め画像除去促進前
処理液により接着力が低下され、画像形成物質を被記録
材からより一層効率的に剥離することができ、剥離部材
に効率的に転写・除去することができる。その結果、被
記録材から画像形成物質を適切に除去することのできる
被記録材の再生装置をより一層小型で、かつ、消費電力
の少ないものとすることができる。
【0388】なお、この場合、画像形成前の処理が必要
であるが、繰り返して何度も再生する場合に、一度だけ
前処理として、画像除去促進前処理液を付与すればよ
く、被記録材の再生装置を簡素な構成とすることができ
る。
【0389】
【発明の効果】請求項1記載の発明の被記録材の再生方
法によれば、皮膜状の画像形成物質により固着画像の形
成された通常の複写用紙やプリンティング用紙等の被記
録材を、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材
とで挟持して、所定の移動領域を移動させる間に、被記
録材と剥離部材とを相対変位させるとともに、剥離部材
あるいはシール部材と摺接する摺動部材により、より効
率的に被記録材と剥離部材とを相対変位させて、被記録
材から画像形成物質を効率的に剥離させるので、被記録
材から画像形成物質をせん断して剥離させることがで
き、被記録材から画像形成物質を効率的に剥離して、剥
離部材に転写することができる。その結果、被記録材か
ら画像形成物質を効率的に転写・除去することができ
る。
【0390】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、皮膜状の画像形成物質により固着画像の形成
された通常の複写用紙やプリンティング用紙等の被記録
材を、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材と
で挟持して、所定の移動領域を移動させる間に、被記録
材と剥離部材とを相対変位させるとともに、剥離部材あ
るいはシール部材と摺接する摺動部材により、より効率
的に被記録材と剥離部材とを相対変位させて、被記録材
から画像形成物質をせん断して剥離しているので、画像
形成物質を被記録材から剥離部材に効率的に転写・除去
することができ、適切に画像形成物質を被記録材から除
去することのできる被記録材の再生装置を小型で、か
つ、消費電力の少ないものとすることができる。
【0391】請求項3記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部
材を安定的に移動させつつ、剥離部材と被記録材とを効
率的に相対変位させることができ、画像形成物質を被記
録材からより一層効率的に剥離して、剥離部材に転写・
除去することができる。
【0392】請求項4記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、剥離部材間あるいは剥離部材とシール部材と
に密着一体的に挟持されている被記録材が、無接触領域
において、比較的自由に動くことができ、摺動部材での
被記録材と画像形成物質との剥離効率をより一層向上さ
せることができる。
【0393】請求項5記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、画像形成物質を軟化させた状態で、被記録材
を摺動部材に移動させることができ、画像形成物質を容
易に被記録材から剥離して、剥離部材に転写させること
ができる。その結果、画像形成物質の被記録材からの剥
離性能をより一層向上させることができ、被記録材上の
画像形成物質をより一層効率的に除去することができ
る。
【0394】請求項6記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、画像形成物質を剥離部材に十分に接着させた
状態で、摺動部材に移動することができ、画像形成物質
をより一層効率的に剥離部材に転写することができる。
その結果、画像形成物質の被記録材からの剥離性能をよ
り一層向上させることができ、被記録材上の画像形成物
質をより一層効率的に除去することができる。
【0395】請求項7記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との
摩擦力が必要以上に大きくなることを防止することがで
き、被記録材上の画像形成物質を適切に剥離・除去する
ことのできる被記録材の再生装置をより一層小型化する
ことができるとともに、消費電力をより一層低減するこ
とができる。
【0396】請求項8記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との
摩擦力が必要以上に大きくなることを防止することがで
き、被記録材上の画像形成物質を適切に剥離・除去する
ことのできる被記録材の再生装置をより一層小型化する
ことができるとともに、消費電力をより一層低減するこ
とができる。
【0397】請求項9記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、剥離部材あるいはシール部材が摺動部材の尖
った角部により磨耗されて、破断するのを防止すること
ができ、剥離部材やシール部材を適切に移動させて、被
記録材上の画像形成物質を剥離・除去することのできる
被記録材の再生装置の寿命を長くすることができる。
【0398】請求項10記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材と
の摩擦力が必要以上に大きくなることを防止することが
でき、被記録材上の画像形成物質を適切に剥離・除去す
ることのできる被記録材の再生装置をより一層小型化す
ることができるとともに、消費電力をより一層低減する
ことができる。
【0399】請求項11記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材と
の摩擦力が必要以上に大きくなることを防止することが
でき、被記録材上の画像形成物質を適切に剥離・除去す
ることのできる被記録材の再生装置をより一層小型化す
ることができるとともに、消費電力をより一層低減する
ことができる。
【0400】請求項12記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、画像形成物質を軟化させることにより、画
像形成物質を容易に被記録材から剥離して、剥離部材に
転写させることができる。その結果、画像形成物質の被
記録材からの剥離性能をより一層向上させることがで
き、被記録材上の画像形成物質をより一層効率的に除去
することができる。
【0401】請求項13記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、剥離部材あるいはシール部材の幅方向にお
いて、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との接触
面での圧力分布が均一ではなく、不均一な圧力分布とな
るため、摺動部材と剥離部材あるいはシール部材との摩
擦力が減少し、摺動に対する負荷を軽減させることがで
きるとともに、剥離部材あるいはシール部材の搬送方向
と直角方向についても、剥離部材と被記録材とのずれを
誘起させることができ、画像形成物質を被記録材からよ
り一層効率的に剥離させることができる。
【0402】請求項14記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、剥離部材と被記録材とのずれ、せん断力及
び圧力を変化させることができ、被記録材から画像形成
物質をより一層効率的に剥離・除去することができる。
その結果、全面一様に画像の形成された、いわゆるベタ
画像の画像形成物質をも適切に除去することができる。
【0403】請求項15記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、複数の摺動部材が剥離部材あるいはシール
部材に所定距離離れた位置で摺接させるので、被記録材
と剥離部材とのずれ量を、より一層大きくすることがで
き、画像形成物質を被記録材からより一層効率的に剥離
させることができる。
【0404】請求項16記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、複数設けられた摺動部材の間に、画像形成
物質を剥離部材に転写させる剥離・移動手段を設けてい
るので、摺動部材により相対変位された画像形成物質を
適切に剥離部材に転写・除去することができ、より一層
適切に画像形成物質を被記録材から剥離・除去すること
ができる。
【0405】請求項17記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、複数設けられた摺動部材のうち、最も近接
する摺動部材同士が、剥離部材あるいはシール部材に異
なる面から摺接するので、被記録材と剥離部材とのずれ
量を、より一層大きくすることができ、画像形成物質を
被記録材からより一層効率的に剥離させることができ
る。特に、被記録材の両面に画像が形成されている場合
にも、被記録材の両面の画像形成物質を同程度に効率的
に除去することができ、両面記録された被記録材から画
像形成物質を1回の再生処理で適切に除去して、再生す
ることができる。
【0406】請求項18記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、通常の複写用紙やプリンティング用紙等の
被記録材の少なくとも固着画像の形成される面に、水を
含む所定の画像除去促進前処理液を付与して、乾燥させ
た後、固着画像の形成された被記録材から画像形成物質
を剥離・除去するので、被記録材に形成された画像形成
物質は、予め画像除去促進前処理液により接着力が低下
され、画像形成物質を被記録材からより一層効率的に剥
離することができ、剥離部材に効率的に転写・除去する
ことができる。その結果、被記録材から画像形成物質を
適切に除去することのできる被記録材の再生装置を小型
で、かつ、消費電力の少ないものとすることができる。
【0407】請求項19記載の発明の被記録材の再生装
置によれば、通常の複写用紙やプリンティング用紙等の
固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与
して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態
にしているので、その後、一対の剥離部材あるいは剥離
部材とシール部材とで挟持して、所定の移動領域を移動
させる間に、被記録材と剥離部材とを相対変位させると
ともに、剥離部材あるいはシール部材と摺接する摺動部
材により、被記録材と剥離部材とを相対変位させると、
被記録材から画像形成物質をより一層効率的に剥離する
ことができ、画像形成物質を剥離部材により一層効率的
に転写・除去することのできる被記録材の再生装置をよ
り一層小型で、消費電力の少ないものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再
生装置の第1の実施の形態を適用した再生装置の概略構
成図。
【図2】転写紙上に皮膜状の画像形成物質が形成されて
いる状態を示す側面断面図。
【図3】画像形成物質の形成された転写紙が剥離ベルト
に挟持されている状態を示す側面断面図。
【図4】図1の摺動部材の一例の拡大側面図。
【図5】図1の摺動部材の他の例の拡大側面図。
【図6】図1の摺動部材の拡大斜視図。
【図7】図1の摺動部材の振動動作の説明図。
【図8】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再
生装置の第2の実施の形態を適用した再生装置の剥離・
移動ユニットの概略構成図。
【図9】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再
生装置の第3の実施の形態を適用した再生装置の剥離・
移動ユニットの概略構成図。
【図10】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の
再生装置の第4の実施の形態を適用した再生装置の剥離
・移動ユニットの概略構成図。
【図11】図10の摺動部材部分の拡大側面断面図。
【符号の説明】
1 再生装置 U1 給紙ユニット U2 液付与ユニット U3、U13、U23、U33 剥離・移動ユニット U4 乾燥ユニット U5 紙受けユニット 101 給紙ケース 102 給紙ローラ 103 レジストローラ 104 ガイド板 105 転写紙 106 画像形成物質 201 補給液容器 202 液自動補給機 203 液容器 204 液汲み上げローラ 205 液塗布ローラ 206 押さえローラ 207 搬送ベルト 208 駆動ローラ 209 ガイド板 210、211 パイプ 212 画像除去促進液 301a〜301d 搬送ローラ 302a〜302c 従動ローラ 303a、303b 摺動部材 304a〜304h ガイドローラ 305a、305b 剥離ベルト 306a、306b スパイラルローラ 307 画像形成物質受け器 308 送り出しローラ 309 搬送ベルト 310 搬送ローラ 311a〜311i 加熱ランプ 401 加熱ランプ 402 乾燥ドラム 403 仕上げベルト 404a〜404d 回転ローラ 501 ガイド部材 502 排紙トレー 503 排出ローラ 321 搬送ローラ 331a〜331c 搬送ローラ 332a、332b 従動ローラ 333 シール部材 334a〜334j ガイドローラ 335 剥離ベルト 336a〜336e 加熱ランプ 337 摺動部材 341 ドラム 342 シール部材 343 剥離ベルト 345a〜345d 加圧ローラ 346 加熱ランプ 347 剥離ベルト 348a〜348d 加圧スプリング
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 正敏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 藤田 滋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村上 格二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質
    により皮膜状の固着画像の形成された被記録材に、所定
    の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触
    して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部
    材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前
    記剥離部材と所定のシール部材により、前記被記録材を
    挟持して所定の移動領域を移動するとともに、前記画像
    形成物質を前記剥離部材に転写させて、前記移動領域の
    少なくとも一ヶ所に所定形状の摺動部材が配設され、当
    該摺動部材が、移動する前記剥離部材あるいは前記シー
    ル部材と摺接することにより、前記被記録材と前記剥離
    部材との相対位置を変位させ、前記被記録材から前記画
    像形成物質をせん断して剥離させ、除去することを特徴
    とする被記録材の再生方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質
    により皮膜状の固着画像の形成された被記録材を、所定
    の接着力を有し前記被記録材の前記画像形成物質に接触
    して前記画像形成物質を転写させる一対の所定の剥離部
    材により、あるいは、前記画像形成物質側に位置する前
    記剥離部材と所定のシール部材により、挟持して、所定
    の移動領域を移動する剥離・移動手段と、前記移動領域
    に少なくとも一ヶ所配設された所定形状の摺動部材が、
    前記被記録材を挟持して移動する前記剥離部材あるいは
    前記シール部材に摺接することにより、前記被記録材と
    前記剥離部材との相対位置を変位させて、前記被記録材
    から前記画像形成物質をせん断して剥離させる剥離手段
    と、を備え、前記剥離・移動手段により前記画像形成物
    質を前記剥離部材に転写させて、前記剥離手段により剥
    離し、除去することを特徴とする被記録材の再生装置。
  3. 【請求項3】前記摺動部材は、0.1Kgf/cm2
    上であって5Kgf/cm2 以下の平均面圧で、前記剥
    離部材あるいは前記シール部材と摺接することを特徴と
    する請求項2記載の被記録材の再生装置。
  4. 【請求項4】前記剥離・移動手段は、前記摺動部材との
    摺接位置を含め、その前後の前記移動領域において、前
    記剥離部材あるいは前記シール部材が、前記被記録材を
    挟持した状態で、いかなる部材とも接触しない無接触領
    域を有することを特徴とする請求項2または請求項3に
    記載の被記録材の再生装置。
  5. 【請求項5】前記剥離・移動手段は、前記挟持された前
    記被記録材を、少なくとも前記摺動部材に移動する直前
    に、所定温度に加熱する加熱手段を、さらに備えたこと
    を特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の
    被記録材の再生装置。
  6. 【請求項6】前記剥離・移動手段は、前記挟持された前
    記被記録材を、少なくとも前記摺動部材に移動する直前
    に、少なくとも該被記録材を挟持する前記剥離部材に所
    定の押圧力で圧接させる圧接手段を、さらに備えたこと
    を特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の
    被記録材の再生装置。
  7. 【請求項7】前記剥離・移動手段は、前記摺動部材との
    摺接位置において、前記剥離部材あるいは前記シール部
    材の移動の障害となる他のいかなる部材も備えていない
    ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記
    載の被記録材の再生装置。
  8. 【請求項8】前記剥離手段は、前記摺動部材を、前記剥
    離部材あるいは前記シール部材に、0.4以下の摩擦係
    数で摺接させることを特徴とする請求項2から請求項7
    のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  9. 【請求項9】前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは前
    記シール部材との摺接部分が、所定の滑らかな曲線状に
    形成されていることを特徴とする請求項2から請求項8
    のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  10. 【請求項10】前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは
    前記シール部材との摺接部分が、前記剥離部材あるいは
    前記シール部材の移動方向に対して、30mm以内の長
    さでのみ摺接する形状に形成されていることを特徴とす
    る請求項請求項2から請求項9のいずれかに記載の被記
    録材の再生装置。
  11. 【請求項11】前記摺動部材は、少なくとも前記剥離部
    材あるいは前記シール部材との摺接部分が、前記剥離部
    材あるいは前記シール部材の移動方向に対して、半径が
    1mmから10mmの円弧状あるいは長軸が1mmから
    10mmの楕円弧状に形成されていることを特徴とする
    請求項2から請求項10の被記録材の再生装置。
  12. 【請求項12】前記剥離手段は、前記摺動部材を所定温
    度に加熱する加熱手段を、さらに備えたことを特徴とす
    る請求項2から請求項11のいずれかに記載の被記録材
    の再生装置。
  13. 【請求項13】前記摺動部材は、前記剥離部材あるいは
    前記シール部材の移動方向と直角方向の前記剥離部材あ
    るいは前記シール部材との摺接部分が、所定の凹凸形状
    に形成されていることを特徴とする請求項2から請求項
    12のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  14. 【請求項14】前記剥離手段は、前記摺動部材を、前記
    剥離部材あるいは前記シール部材に対して、所定方向に
    所定量変位させる変位手段を、さらに備えたことを特徴
    とする請求項2から請求項13のいずれかに記載の被記
    録材の再生装置。
  15. 【請求項15】前記剥離手段は、前記移動領域に複数の
    前記摺動部材を備え、該複数の摺動部材が、それぞれ所
    定距離離れた位置で、前記被記録材を挟持する前記剥離
    部材あるいは前記シール部材と摺接することを特徴とす
    る請求項2から請求項14のいずれかに記載の被記録材
    の再生装置。
  16. 【請求項16】前記移動領域に備えられた複数の前記摺
    動部材の間に、前記画像形成物質を前記剥離部材に転写
    させる前記剥離・移動手段が設けられていることを特徴
    とする請求項15記載の被記録材の再生装置。
  17. 【請求項17】複数の前記摺動部材は、最も近接する前
    記摺動部材同士で、前記被記録材を挟持する前記剥離部
    材あるいは前記シール部材の異なる面に摺接する位置に
    配設されていることを特徴とする請求項15あるいは請
    求項16に記載の被記録材の再生装置。
  18. 【請求項18】前記被記録材は、少なくとも、前記固着
    画像の形成される画像形成面に、水を含む所定の画像除
    去促進前処理液が付与され、乾燥された後、前記固着画
    像が形成されていることを特徴とする請求項2から請求
    項17のいずれかに記載の被記録材の再生装置。
  19. 【請求項19】前記被記録材は、少なくとも前記画像形
    成物質により皮膜状の固着画像の形成される側の表面近
    傍に水を含む画像除去促進液により膨潤する層を有し、
    前記被記録材の再生装置は、前記被記録材の少なくとも
    画像形成面に、前記画像除去促進液を付与する液付与手
    段を、さらに備え、前記液付与手段により前記被記録材
    の少なくとも画像形成面に前記画像除去促進液を付与し
    た後、前記画像形成物質を剥離し、除去することを特徴
    とする請求項2から請求項17のいずれかに記載の被記
    録材の再生装置。
JP15350396A 1996-02-20 1996-05-24 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 Pending JPH09288440A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006251726A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Ricoh Co Ltd 被記録材の画像形成物質除去方法、画像形成物質除去装置および被記録材から画像形成物質を除去するための剥離部材

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US7923065B2 (en) 2005-03-14 2011-04-12 Ricoh Company Limited Method and apparatus for removing image from recording material, and image peeling member for peeling image from recording material
US8343621B2 (en) 2005-03-14 2013-01-01 Ricoh Company, Limited Method and apparatus for removing image from recording material, and image peeling member for peeling image from recording material

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