JPH1165381A - 被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置 - Google Patents

被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置

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JPH1165381A
JPH1165381A JP23657497A JP23657497A JPH1165381A JP H1165381 A JPH1165381 A JP H1165381A JP 23657497 A JP23657497 A JP 23657497A JP 23657497 A JP23657497 A JP 23657497A JP H1165381 A JPH1165381 A JP H1165381A
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Kiyoshi Tanigawa
清 谷川
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Yumi Ichikawa
由美 市川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被記録材に皮膜状画像を形成する画像形成物質
を被記録材から剥離部材に転写除去し、剥離部材に転写
した画像形成物質を効率的に除去して再生効率の良好な
被記録材の再生方法及び再生装置を提供する。 【解決手段】再生装置1は、画像形成物質106で画像
の形成された転写紙105を給紙ユニットU1から1枚
ずつ液付与ユニットU2に供給し、液付与ユニットU2
で画像除去促進液212を付与して転写紙105と画像
形成物質106との接着力を弱めた状態で、剥離・移動
ユニットU3の密着一体化した剥離ベルト305とシー
ルベルト306で転写紙105を挟持してジグザグ搬送
路を搬送して、剥離ベルト305に画像形成物質を転写
・除去する。画像形成物質106の転写された剥離ベル
ト305にクリーニング液付与ユニットU4でクリーニ
ング液419を付与し、クリーニングブレード501で
画像形成物質106を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録材の再生方
法及び被記録材の再生装置に関し、詳細には、被記録材
から画像形成物質を除去し、再利用可能な状態に被記録
材を再生する被記録材の再生方法及び被記録材の再生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のOA(Office Automation )化に
より、プリンターや複写機等により記録紙に情報が記録
されるようになり、オフィスでは、この情報の記録され
たプリンター用紙や複写用紙等の用紙が大量に発生する
が、その用紙の多くが無駄に捨てられているのが現状で
ある。
【0003】これらの情報の記録された用紙は、廃棄処
理を行うと、多大な費用がかかるとともに、廃棄処理に
よる地域環境の悪化、ひいては、紙を生産するための森
林伐採による地球規模での環境悪化につながる。
【0004】従来、この問題を解消して、紙のリサイク
ルを図るために、一度使用した用紙上のインキを取り除
き、浸して再びすくことにより、再生古紙として利用す
る処置を施していた。
【0005】この古紙を再生する処理では、大規模な古
紙再生施設が必要となる上、使用済みの古紙に対して、
分別、回収、輸送など再生古紙を得るまでにいくつもの
工程を踏まざるをえなかった。
【0006】そこで、近時、1度使用した用紙上の文字
画像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリ
ンティングに再利用することができる紙が開発されてい
る。例えば、特開平4−67043号公報には、シート
状支持体の表面、特に、片面のみに離型処理してなり、
かつ、該離型処理した支持体に印をつけ、普通紙と区別
したものが開示されている。
【0007】ところが、特開平4−67043号公報記
載の紙は、特殊紙であり、再使用に際して、プリンター
や複写機で再使用した際に、画像形成物質(例えば、ト
ナー等)の定着性が悪く、一般の複写用紙等として使用
するには、問題があった。
【0008】また、特開平1−101576号公報及び
特開平1−101577号公報には、画像形成物質(ト
ナー)で画像の形成された画像形成支持体を、画像形成
物質を溶解する有機溶媒中で超音波処理することによ
り、画像を除去する方法が開示されている。
【0009】ところが、特開平1−101576号公報
及び特開平1−101577号公報記載の画像を除去す
る方法にあっては、有機溶剤を使用するため、有機溶剤
による公害が発生するという新たな問題があるととも
に、有機溶剤の引火や毒性により、その取り扱いに注意
を必要とし、一般のオフィスや家庭で使用するには、や
はり問題があった。
【0010】さらに、特開平1−297294号公報に
は、画像形成支持体としてプラスチック、金属、液浸透
性の悪い紙あるいはセラミック等で形成されたものを使
用し、該支持体上に形成された画像を、熱溶融性の剥離
体を介在させて加熱して、画像を支持体から剥離するク
リーニング方法が開示されている。
【0011】ところが、特開平1−297294号公報
記載のクリーニング方法にあっては、表面に剥離処理を
施した特別な用紙を用いなければならず、利用上の便宜
性が悪いという問題があった。
【0012】そこで、本出願人は、先に、少なくとも画
像が形成される側の表面近傍に液体で膨潤する層を設け
た被記録材を用い、該画像を形成する皮膜状の画像形成
物質よりも該被記録材の膨潤層を大きく膨潤せしめる水
を含有した液体(画像除去促進液)を被記録材に付与す
る液付与手段と、液付与後に、該被記録材を剥離部材に
圧接もしくは加熱圧接して、該画像形成物質を被記録材
から剥離部材に転写剥離する剥離手段を有する画像形成
物質除去方法及び再生方法に関する被記録材の再生装置
を提案している(例えば、特開平7−13383号、特
開平8−211793号公報参照)。
【0013】また、本出願には、さらに、画像形成物質
の剥離時の水分蒸発を防ぐために、一対のベルトを複数
の加熱部材により蛇行形状に張架して複数の加熱吸着部
を連続配置した構成の被記録材の再生装置を提案してい
る(特開平8−44260号、特開平8−211794
号公報参照)。
【0014】この被記録材の再生装置により、被記録材
に対して、紙質を比較的損傷することなく画像形成物質
のみを除去し、被記録材を再び使用可能な状態に再生で
きることが確認されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記本
出願人が先に提案した被記録材の再生方法や被記録材の
再生装置においては、被記録材から剥離部材に画像形成
物質を剥離・転写して被記録材を再生しているため、剥
離部材を連続使用した場合にも、その剥離性能を維持す
るためには、被記録材から剥離部材に転写された画像形
成物質を剥離部材から除去してクリーニングする必要が
ある。
【0016】この剥離部材のクリーニング方法として
は、金属製のブラシローラを剥離部材に接触させて高速
回転させ、剥離部材に付着した画像形成物質を掻き落と
す方法や移動する剥離部材の表面にブレードを当接させ
て、ブレードにより剥離部材に付着した画像形成物質を
掻き落とす方法方法が考えられるが、これらの方法で
は、剥離部材を損傷したり、画像形成物質の除去性能が
不十分である。すなわち、ブラシローラを用いる方法で
は、画像形成物質を充分に除去するためには、金属製の
硬いブラシローラを剥離部材に圧接させて高速回転させ
る必要があり、剥離部材の表面をも削り取ることとな
り、剥離部材を損傷して、剥離部材の寿命が著しく短く
なるおそれがある。また、固定式のブレードを用いる方
法では、剥離部材の損傷を抑制することができるが、ブ
レードを剥離部材表面に当接させるだけでは、剥離部材
から画像形成物質を充分に除去することができず、被記
録材の再生性能が低下するおそれがある。
【0017】そこで、請求項1記載の発明は、画像形成
物質により固着画像の形成された被記録材に画像除去促
進液を付与して、被記録材と画像形成物質との接着力を
弱めた状態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシー
ル部材とで挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・
除去し、画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材
と画像形成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低
減剤を付与した後、剥離部材から画像形成物質を除去す
ることにより、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離
部材から剥がれやすい状態にして、除去し、剥離部材に
与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部
材から除去し、被記録材から剥離部材により画像形成物
質を効率的に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再
生方法を提供することを目的としている。
【0018】請求項2記載の発明は、画像形成物質によ
り固着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付
与して、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状
態で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材と
で挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、
画像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形
成物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付
与した後、剥離部材から画像形成物質を除去することに
より、剥離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から
剥がれやすい状態にして、剥離部材から画像形成物質を
除去し、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切に画
像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥離部
材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率の
良好な被記録材の再生装置を提供することを目的として
いる。
【0019】請求項3記載の発明は、画像形成物質の転
写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、画像形
成物質の粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減
剤を用いることにより、画像形成物質と剥離部材との接
着力をより一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑
制しつつ、より適切に画像形成物質を剥離部材から除去
し、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的
に剥離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び
被記録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0020】請求項4記載の発明は、画像形成物質の転
写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、10℃
から画像形成物質の軟化点の温度範囲において、液体で
ある材料あるいは当該材料を含有する水溶液を用いるこ
とにより、被記録材から画像形成物質を除去する過程で
剥離部材から有害な蒸気が発生するのを防止し、安全に
被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に剥
離して、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び被記
録材の再生装置を提供することを目的としている。
【0021】請求項5記載の発明は、画像形成物質の転
写した剥離部材に付与する接着力低減剤として、非イオ
ン性界面活性剤を含有するものを用いることにより、画
像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画
像形成物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与
える損傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を
剥離部材から除去し、被記録材から剥離部材により画像
形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率の良好
な被記録材の再生方法及び被記録材の再生装置を提供す
ることを目的としている。
【0022】請求項6記載の発明は、接着力低減剤の付
与された剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱す
ることにより、画像形成物質と接着力低減剤との親和性
を向上させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下さ
せ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適切
に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から剥
離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離し
て、再生効率の良好な被記録材の再生方法及び被記録材
の再生装置を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の被
記録材の再生方法は、少なくとも表面に水で膨潤する膨
潤層を有する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるい
は熱溶融性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形
成された前記被記録材から前記画像形成物質を除去して
再生する被記録材の再生方法において、前記画像形成物
質により前記固着画像の形成された前記被記録材に、少
なくとも水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を
付与して、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力
を弱める液付与工程と、前記液付与工程で前記画像除去
促進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有
し前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像
形成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あ
るいは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と
所定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加
熱及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形
成物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離工程
と、前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前
記画像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定
の接着力低減剤を付与する接着力低減工程と、前記接着
力低減工程で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部
材から前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次
行うことにより、上記目的を達成している。
【0024】ここで、被記録材は、少なくとも画像が形
成される側の表面近傍に水を含む画像除去促進液により
膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等の多糖天然
高分子を主成分とする紙層を有しており、主に、通常の
複写用紙あるいはプリンティング用紙が利用可能であ
る。なお、被記録材としては、上記のものに限るもので
はなく、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の
紙層を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全て
が紙層でなくてもよい。すなわち、被記録材としては、
表面に特別な加工の施されていない一般的に使用されて
いる複写用紙やプリンティング用紙を利用することがで
きる。
【0025】また、本再生方法で除去可能な画像の形成
方法としては、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写
真法、熱溶融性インク・シートを用いた熱転写法、ホッ
トメルト・インクを用いるインクジェット法又はオフセ
ット版、凹版、凸版、孔版を用いる印刷法が挙げられ、
被記録材上に熱可塑性または熱溶融性の画像形成物質か
らなる皮膜状画像を形成する画像形成方法であれば、形
成された皮膜状画像を除去することができる。なお、皮
膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの膜を形成してい
る必要はなく、単に画像形成物質が被記録材内部に浸透
していないことや、染料を含有する水性インクで印刷し
た場合のように、画像形成物質がほとんど分子レベルで
被記録材に吸着されている状態でないことを意味し、熱
可塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質で形成されてい
るものをいう。
【0026】画像除去促進液は、被記録材への画像形成
物質の接着力を低下させるためのものであり、水分を含
有している。画像除去促進液は、画像の形成されている
側の被記録材に付与され、被記録材は、画像除去促進液
が付与されると、膨潤する。すなわち、画像除去促進液
は、被記録材表面近傍を膨潤させて、画像形成物質と被
記録材との膨潤量の差により、両者の間にせん断力を発
生させて、画像形成物質と被記録材との接着力を低下さ
せる。
【0027】画像除去促進液としては、水、界面活性剤
を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び界面活
性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等を用いることがで
き、また、後述するように、pH調整剤、重金属イオン
を封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防錆
剤及び漂白剤等の添加剤を添加することができる。
【0028】上記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界
面活性剤等を用いることができ、これら各界面活性剤
は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
【0029】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフ
ィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホ
ン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル
硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、ア
ルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキル
アリールリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることが
できる。
【0030】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級ア
ンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いる
ことができる。
【0031】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0032】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の
酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル
系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族ア
ルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオ
キサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0033】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のア
ニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノ
ニオン系及びカチオン系等を用いることができる。
【0034】また、画像除去促進液には、界面活性剤と
ともに、画像形成物質の除去能力の向上あるいは再生状
態を改良する目的で、水溶性ポリマーを添加してもよ
い。水溶性ポリマーは、0.1重量%〜20重量%の範
囲、好ましくは、0.1重量%〜10重量%の範囲の量
で添加する。
【0035】画像除去促進液中に添加できる水溶性ポリ
マーとしては、天然系では、アラビアガム、トラガンガ
ム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、
アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプ
ン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒
天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガ
ム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶性デン
プンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン
(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプングリコー
ル酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等
のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン
酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純
合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、
非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのア
ルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリ
ル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニ
ルアフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマ
レイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の
アルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチ
オン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラッ
ク等の天然高分子化合物等がある。
【0036】これらの水溶性ポリマーを、水と界面活性
剤を含む状態で被記録材に保持させると、画像形成物質
の剥離体を形成することができる。すなわち、水溶性ポ
リマーは、被記録材が圧接することのできないセルロー
ス繊維内部の皮膜状画像に対して、セルロース繊維/皮
膜状画像/水溶性ポリマー/剥離部材のように間接的に
接触することができ、その粘着力によって、皮膜状画像
を、紙質を傷めることなく、被記録材から剥離すること
ができる。
【0037】さらに、画像除去促進液には、界面活性剤
を水に可溶化させる助剤あるいは湿潤剤を含有させるこ
とも可能である。
【0038】湿潤剤としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等
の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳
酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メ
チル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素
環類がある。また、上記の多価アルコール類、多価アル
コールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールの
アリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸
類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0039】その他の画像除去促進液には、重金属イオ
ンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび剤、防
錆剤及びpH調整剤を添加することができる。
【0040】これらの添加剤のうち、重金属イオンの封
止剤で、剥離助剤として添加されるキレート試薬として
は、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニト
リロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナ
トリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0041】また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫
酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモ
ン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペ
ンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニ
トライト等がある。
【0042】さらに、防かび剤としては、デヒドロ酢酸
ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ
ール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用するこ
とができる。
【0043】上記画像除去促進液の付与により、被記録
材と画像形成物質との接着力の弱められた被記録材は、
一対の剥離部材、あるいは、剥離部材とシール部材によ
り一体密着した状態で挟持され、この状態で、加熱ある
いは/及び加圧されることにより、画像形成物質が剥離
部材に転写・除去される。
【0044】この剥離部材は、上述のように、被記録材
上の画像形成物質と接着して被記録材から画像形成物質
を剥離・転写するための部材であり、剥離部材を構成す
る材料としては、画像形成物質とある程度以上の接着
性、加熱や加圧等に対する耐久性及び画像除去促進液に
対する安定性に優れ、表面変質が少ないことが必要であ
る。
【0045】剥離部材としては、例えば、Ni銅、ステ
ンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、モネル、
インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属酸化物及
び各種ポリマー等を用いることができる。ポリマーとし
ては、具体的には、合成または天然のゴム、ジアリレー
ト樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレ
タン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイ
ト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性のある
合成樹脂が上げられる。また、これらのポリマーは、単
独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、耐久性の
向上及び剥離特性の向上のために、酸化チタン粒子、シ
リカ粒子及びカーボン粒子等を含有させることもでき、
例えば、セラミックス材料等がある。
【0046】シール部材は、被記録材に画像が片面のみ
に形成されている場合や画像が両面に形成されている場
合においても片面ずつ画像形成物質を除去する場合に、
用いられ、シール部材は、剥離部材と密着一体化して、
被記録材を挟持するためのものであり、画像形成物質を
転写させる必要がないため、接着性を必要としない点以
外は、剥離部材と同様の特性を有していることが望まし
い。
【0047】接着力低減剤としては、種々の有機溶剤を
挙げることができるが、有機溶剤には、加熱すると蒸発
するものが多く、画像形成物質を軟化する効率や人体等
への影響を考慮すると、有機溶剤としては、10℃から
画像形成物質の軟化点の温度範囲で、液体の状態を保つ
グリセリン、あるいは、エチレングリコールやプロピレ
ングリコール等のグリコール類等が好ましい。
【0048】上記構成によれば、画像形成物質により固
着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与し
て、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態
で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで
挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画
像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成
物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与
した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥
離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれや
すい状態にして除去することができ、剥離部材に与える
損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部材から
除去することができる。その結果、被記録材から剥離部
材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生効率を
向上させることができる。
【0049】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置
は、少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有する被記
録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融性の画像
形成物質により皮膜状の固着画像の形成された前記被記
録材から前記画像形成物質を除去して再生する被記録材
の再生装置において、前記画像形成物質により前記固着
が像の形成された前記被記録材に、少なくとも水と所定
の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与して、前記画
像形成物質と前記被記録材との接着力を弱める液付与手
段と、前記液付与手段により前記画像除去促進液の付与
された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記被記録
材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物質を転
写させる一対の所定の剥離部材により、あるいは、前記
画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定のシール
部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及び/ある
いは加圧して前記被記録材から前記画像形成物質を前記
剥離部材に転写させて除去する剥離手段と、前記画像形
成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像形成物質
と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着力低減剤
を付与する接着力低減手段と、前記接着力低減手段で前
記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から前記画像
形成物質を除去する除去手段と、を備えることにより、
上記目的を達成している。
【0050】上記構成によれば、画像形成物質により固
着画像の形成された被記録材に画像除去促進液を付与し
て、被記録材と画像形成物質との接着力を弱めた状態
で、一対の剥離部材あるいは剥離部材とシール部材とで
挟持して、剥離部材に画像形成物質を転写・除去し、画
像形成物質の転写された剥離部材に剥離部材と画像形成
物質との接着力を弱めさせる所定の接着力低減剤を付与
した後、剥離部材から画像形成物質を除去するので、剥
離部材に転写した画像形成物質を剥離部材から剥がれや
すい状態にして、剥離部材から画像形成物質を除去する
ことができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適切
に画像形成物質を剥離部材から除去することができる。
その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物質を
効率的に剥離して、再生効率を向上させることができ
る。
【0051】上記各場合において、例えば、請求項3に
記載するように、前記接着力低減剤は、前記画像形成物
質の粘弾性を低下させる材料を含有していてもよい。
【0052】上記構成によれば、画像形成物質の転写し
た剥離部材に付与する接着力低減剤として、画像形成物
質の粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減剤を
用いているので、画像形成物質と剥離部材との接着力を
より一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑制しつ
つ、より適切に画像形成物質を剥離部材から除去するこ
とができ、被記録材から剥離部材により画像形成物質を
効率的に剥離して、再生効率をさらに向上させることが
できる。
【0053】また、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記接着力低減剤は、10℃から前記画像形成物質
の軟化点の温度範囲において、液体である材料あるいは
当該材料を含有する水溶液であってもよい。
【0054】上記構成によれば、画像形成物質の転写し
た剥離部材に付与する接着力低減剤として、10℃から
画像形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である
材料あるいは当該材料を含有する水溶液を用いているの
で、被記録材から画像形成物質を除去する過程で剥離部
材から有害な蒸気が発生するのを防止することができ、
安全に被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率
的に剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0055】さらに、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記接着力低減剤は、非イオン性界面活性剤を含有
していてもよい。
【0056】ここで、接着力低減剤としては、分子内に
ポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤
が特に好ましい。すなわち、これらの化合物は、画像形
成物質を軟化させる効率が高く、加熱による蒸気の発生
も少ないだけでなく、化合物の種類が多く、画像形成物
質のバインダー樹脂に応じて、適宜化合物を選択するこ
とができるからである。
【0057】分子内にポリオキシエチレン構造を有する
非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチ
レンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加
物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール
脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミンエチ
レンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加
物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付
加物等がある。
【0058】上記構成によれば、画像形成物質の転写し
た剥離部材に付与する接着力低減剤として、非イオン性
界面活性剤を含有するものを用いているので、画像形成
物質と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成
物質の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損
傷を抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部
材から除去することができ、被記録材から剥離部材によ
り画像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率
を向上させることができる。
【0059】また、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記接着力低減工程あるいは前記接着力低減手段
は、前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材上の前
記画像形成物質を所定温度に加熱する加熱工程あるいは
加熱手段を備えていてもよい。
【0060】上記構成によれば、接着力低減剤の付与さ
れた剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱してい
るので、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上
させて、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させるこ
とができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一
層適切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材
から剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥
離して、再生効率を向上させることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0062】図1は、本発明の被記録材の再生方法及び
被記録材の再生装置の一実施の形態を適用した再生装置
を示す図であり、本実施の形態は、電子写真方式の複写
機等で画像形成された被記録材である紙(転写紙)等か
ら画像形成物質を剥離・除去して、再生する再生装置に
適用したものである。
【0063】図1は、再生装置1の全体構成図であり、
再生装置1は、給紙ユニットU1、画像除去促進液付与
ユニットU2、剥離・移動ユニットU3、クリーニング
液付与ユニットU4、クリーニングユニットU5、乾燥
ユニットU6及び紙受けユニットU7等を備えている。
【0064】再生装置1は、給紙ユニットU1から再生
対象である被記録材としての転写紙を1枚ずつ画像除去
促進液付与ユニットU2に給紙して、画像除去促進液付
与ユニットU2で転写紙に画像除去促進液を付与した
後、剥離・移動ユニットU3で、転写紙上の画像形成物
質を剥離ベルトに転写して剥離・除去し、乾燥ユニット
U6で画像形成物質の剥離・除去された転写紙を乾燥さ
せて、紙受けユニットU7に載置させるとともに、クリ
ーニング液付与ユニットU4でクリーニング液を剥離ベ
ルトに付与し、加熱した後、クリーニングユニットU5
で、剥離ベルトに転写された画像形成物質を除去して、
剥離ベルトをクリーニングする。以下、各ユニットU1
〜U7について順次説明する。
【0065】給紙ユニットU1は、給紙ケース101、
給紙ローラ102、一対のレジストローラ103及びガ
イド板104等を備えており、給紙ケース101内に
は、再生対象である被記録材としての転写紙105が複
数枚収納される。
【0066】給紙ケース101内には、図示しないが、
転写紙105の載置される底板が設けられており、該底
板は、図示しないスプリング等により上方に付勢され
て、給紙ケース101内の転写紙105の給紙ローラ1
02側の端部を上方に持ち上げる。
【0067】給紙ローラ102は、図示しない駆動モー
タ等により所定タイミングで回転駆動され、給紙ケース
101内の転写紙105を、最上段の転写紙105から
順次送り出す。
【0068】給紙ローラ102により送り出された転写
紙105は、図示しない剥離機構で重送紙が分離され、
一枚の転写紙105のみが、タイミング調整及びスキュ
ー補正のためのレジストローラ対103で、ガイド板1
04を介して画像除去促進液付与ユニットU2に給紙さ
れる。
【0069】被記録材である転写紙105は、少なくと
も画像が形成される側の表面近傍に水を含む画像除去促
進液により膨潤する膨潤層、例えば、セルロース繊維等
の多糖天然高分子を主成分とする紙層を有しており、通
常の複写用紙あるいはプリンティング用紙である。な
お、被記録材としては、上記のものに限るものではな
く、例えば、シート状の部材にセルロース繊維等の紙層
を設けた画像形成が可能な被記録材であれば、全てが紙
層でなくてもよい。
【0070】また、転写紙105には、本実施の形態で
は、乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方式によ
り画像が形成されているが、画像形成方法としては、こ
れに限るものではなく、例えば、熱溶融性インク・シー
トを用いた熱転写法、ホットメルト・インクを用いるイ
ンクジェット法又はオフセット版、凹版、凸版、孔版を
用いる印刷法で形成されていてもよく、要は、被記録材
(転写紙105)上に熱可塑性または熱溶融性の画像形
成物質106からなる皮膜状画像を形成する画像形成方
法であればよい。
【0071】皮膜状とは、必ずしも、画像全体が一つの
膜を形成している必要はなく、単に画像形成物質106
が被記録材(転写紙105)内部に浸透していないこと
や、染料を含有する水性インクで印刷した場合のよう
に、画像形成物質106がほとんど分子レベルで転写紙
105に吸着されている状態でないことを意味し、熱可
塑性あるいは熱溶融性の画像形成物質106で形成され
ているものをいう。
【0072】画像除去促進液付与ユニット(液付与手
段)2は、補給液容器201、液自動補給機202、液
容器203、液汲み上げローラ204、液塗布ローラ2
05、押さえローラ206、搬送ベルト207、駆動ロ
ーラ208及びガイド板209等を備えており、補給液
容器201と液自動補給機202及び液自動補給機20
2と液容器203は、それぞれパイプ210、211に
より接続されている。
【0073】補給液容器201及び液容器203内に
は、画像除去促進液212が収納されており、液容器2
03には、図示しないが、液量センサーが設けられてい
る。
【0074】液自動補給機202は、液量センサーの検
出結果に基づいて動作して、補給液容器201内の画像
除去促進液212を汲み上げて、液容器203に画像除
去促進液212を補給する。
【0075】液汲み上げローラ204と液塗布ローラ2
05は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上
げローラ204は、回転駆動されることにより、液容器
203内の画像除去促進液212を汲み上げて、当接す
る液塗布ローラ205に絞られることにより、所定量の
画像除去促進液212を液塗布ローラ205に付着させ
る。液塗布ローラ205は、付着した所定量の画像除去
促進液212を、押さえローラ206との間に給紙ユニ
ットU1から給紙されてきた転写紙105の画像形成面
に、少量塗布し、画像除去促進液212の塗布された転
写紙105は、ガイド板209に案内されつつ、駆動ロ
ーラ208により駆動される搬送ベルト207により剥
離・移動ユニットU3に送り出される。
【0076】なお、図1では、転写紙105の下側が画
像形成面であり、この画像形成面に液塗布ローラ205
により画像除去促進液212が塗布されるように示され
ているが、転写紙105に画像除去促進液212を塗布
する構成は、これに限るものではなく、例えば、液塗布
ローラ205を2個設けて、転写紙105の両面に画像
除去促進液212を塗布するようにしてもよく、この場
合、両面に画像の形成された転写紙105の両面の画像
を一度に除去することができる。また、液塗布ローラ2
05を転写紙105に接触させて塗布する方法ではな
く、非接触で画像除去促進液212を付与したり、ある
いは液塗布ローラ205と非接触の塗布手段を組み合わ
せて、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0077】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間に、
画像除去促進液212により、画像形成物質106の接
着力を低下させるためのものであり、水分を含有してい
る。画像除去促進液212は、画像が形成されている側
の転写紙105に付与され、転写紙105は、画像除去
促進液212が付与されると、表面近傍が膨潤して、画
像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差によ
り、両者の間にせん断力が発生して画像形成物質106
と転写紙105との接着力が低下する。
【0078】画像除去促進液212としては、水、界面
活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液及び
界面活性剤と水溶性ポリマーを含む水溶液等を用いるこ
とができ、また、後述するように、pH調整剤、重金属
イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび
剤、防錆剤及び漂白剤等の添加剤を添加することができ
る。
【0079】上記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界
面活性剤等を用いることができ、これら各界面活性剤
は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
【0080】具体的には、陰イオン界面活性剤として
は、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢
酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフ
ィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホ
ン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル
硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、ア
ルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキル
アリールリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることが
できる。
【0081】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級ア
ンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等を用いる
ことができる。
【0082】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等を用いることができる。
【0083】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキル及びアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンスチロールエーテル、ポリオキシエチレンラノ
リン誘導体、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合物の
酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビト−ル脂肪酸エステル等のエーテルエステル
系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、しょ糖脂肪酸エステル等のエステル系、脂肪族ア
ルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオ
キサイド等の含窒素系等を用いることができる。
【0084】フッ素系界面活性剤としては、フロロアル
キルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩等のア
ニオン系、フロロアルキル導入ベタイン等の両性系、ノ
ニオン系及びカチオン系等を用いることができる。
【0085】また、画像除去促進液212には、界面活
性剤とともに、画像形成物質106の除去能力の向上あ
るいは再生状態を改良する目的で、水溶性ポリマーを添
加してもよい。水溶性ポリマーは、0.1重量%〜20
重量%の範囲、好ましくは、0.1重量%〜10重量%
の範囲の量で添加する。
【0086】画像除去促進液212中に添加できる水溶
性ポリマーとしては、天然系では、アラビアガム、トラ
ガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーン
ガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシード
デンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナ
ン、寒天、ふのり等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイ
ン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサン
テンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系
では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、可溶
性デンプンでは、メチルデンプン、カルボキシメチルデ
ンフン(CMS)、ジアルデヒドデンプン、デンプング
リコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリ
ウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分
子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高
分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及び
そのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等の
アクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶
性ビニルアフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタ
レンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等
のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、
セラック等の天然高分子化合物等がある。
【0087】これらの水溶性ポリマーを、水と界面活性
剤を含む状態で転写紙105に保持させると、画像形成
物質106の剥離体を形成することができる。すなわ
ち、水溶性ポリマーは、転写紙106が圧接することの
できないセルロース繊維内部の皮膜状画像に対して、セ
ルロース繊維/皮膜状画像/水溶性ポリマー/転写紙1
05のように間接的に接触することができ、その粘着力
によって、皮膜状画像を、紙質を傷めることなく、転写
紙105から剥離することができる。
【0088】さらに、画像除去促進液212には、界面
活性剤を水に可溶化させる助剤あるいは湿潤剤を含有さ
せることも可能である。
【0089】湿潤剤としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等
の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、乳
酸、リンゴ酸等の水酸基を有するカルボン酸類、N−メ
チル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の含窒素複素
環類がある。また、上記の多価アルコール類、多価アル
コールのアルキルエーテル誘導体類、多価アルコールの
アリールエーテル誘導体類、水酸基を有するカルボン酸
類、含窒素複素環類の混合物も使用できる。
【0090】その他の画像除去促進液212には、重金
属イオンを封止するためのキレート剤、防腐剤、防かび
剤、防錆剤及びpH調整剤を添加することができる。
【0091】これらの添加剤のうち、重金属イオンの封
止剤で、剥離助剤として添加されるキレート試薬として
は、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニト
リロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナ
トリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0092】また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫
酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモ
ン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペ
ンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニ
トライト等がある。
【0093】さらに、防かび剤としては、デヒドロ酢酸
ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ
ール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用するこ
とができる。
【0094】上記画像除去促進液212の付与された転
写紙105は、剥離・移動ユニットU3に搬送される間
に、上述のように、転写紙105の膨潤により転写紙1
05と画像形成物質106との接着力が弱められる。
【0095】剥離・移動ユニット(剥離手段)U3は、
複数の搬送ローラ301a〜301d、複数の搬送ロー
ラ302a〜302d、複数の加圧ローラ303a〜3
03e、複数の加圧ローラ304a〜304d、シート
状の剥離ベルト305、シート状のシールベルト306
及び一対の送り出しローラ307等を備えている。
【0096】複数の搬送ローラ301a〜301dに
は、剥離ベルト305が張り渡されており、複数の搬送
ローラ302a〜302dには、シールベルト306が
張り渡されている。
【0097】搬送ローラ301aと搬送ローラ302a
及び搬送ローラ301bと搬送ローラ302bは、相互
に当接する状態で配設されており、搬送ローラ301a
と搬送ローラ302a及び搬送ローラ301bと搬送ロ
ーラ302bの間に、加圧ローラ303a〜303eと
加圧ローラ304a〜304dが、相互に当接する状態
でジグザグ状に並んで配設されて、ジグザグ搬送路を形
成している。剥離ベルト305とシールベルト306
は、搬送ローラ301aと搬送ローラ302a部分で密
接され、ジグザグ状に配設された加圧ローラ303a〜
303eと加圧ローラ304a〜304dの間を密接さ
れた状態でジグザグ状に縫うようにはい回されて、搬送
ローラ301bと搬送ローラ302bで分離される。
【0098】上記搬送ローラ301a〜301d及び搬
送ローラ302a〜302dは、図外の駆動機構により
回転駆動されることにより、密着一体化した剥離ベルト
305とシールベルト306を、加圧ローラ303a〜
303e及び加圧ローラ304a〜304dの間をジグ
ザグ状に縫うように、図1中矢印で示すように、左から
右方向に搬送・移動させる。
【0099】加圧ローラ303a〜303e及び加圧ロ
ーラ304a〜304dは、図示しない加熱ヒーターを
内蔵しており、加熱ヒーターは、図示しない電源から通
電されるとともに、図示しない通電制御部により通電制
御されて、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ロー
ラ304a〜304dを所定の温度に加熱する。
【0100】この加熱ヒーターによる加圧ローラ303
a〜303e及び加圧ローラ304a〜304dの加熱
温度は、画像形成物質106の物性によるが、例えば、
モノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好ま
しくは、80℃〜120℃である。
【0101】すなわち、画像形成物質106が溶融して
しまうと、転写紙105上の画像形成物質106を、転
写紙105側と剥離ベルト305側とに分断することな
く、剥離ベルト305側へ転写させるのが困難になるた
めである。また、加熱しすぎると、ジグザグ搬送路を通
過中に転写紙105が乾燥しすぎて、転写紙105が画
像形成物質106を介して剥離ベルト305に貼り付い
てしまい、剥離できなくなるおそれがあるからである。
【0102】したがって、加熱部である加圧ローラ30
3a〜303eと加圧ローラ304a〜304dのジグ
ザグ搬送路通過後の転写紙105に多少の湿り気が残っ
ていて、画像形成物質106の再付着を防止できる程度
に加熱することが望ましく、具体的には、上記例の温度
が好適である。
【0103】剥離ベル(剥離部材)ト305は、所定の
幅、例えば、各種サイズの転写紙105を挟持して、転
写紙105上の画像形成物質106を剥離・転写させる
のに十分な幅を有したリング状に形成されており、上述
のように、搬送ローラ301a〜301dに案内され
て、加圧ローラ303a〜303eと加圧ローラ304
a〜304dからなるジグザグ搬送路を図1中左から右
に搬送される。
【0104】剥離ベルト305としては、例えば、Ni
銅、ステンレス鋼、Fe−Ni合金、Co−Al合金、
モネル、インコネル、ジュラルミン等の金属合金、金属
酸化物及び各種ポリマー等を用いることができる。ポリ
マーとしては、具体的には、合成または天然のゴム、ジ
アリレート樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹
脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリカー
ボネイト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等の耐熱性
のある合成樹脂が上げられる。また、これらのポリマー
は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよく、耐
久性の向上及び剥離特性の向上のために、酸化チタン粒
子、シリカ粒子及びカーボン粒子等を含有させることも
でき、例えば、セラミックス材料等がある。
【0105】シールベルト(シール部材)306は、被
記録材である転写紙105に画像が片面のみに形成され
ている場合や画像が両面に形成されている場合において
も片面ずつ画像形成物質を除去する場合に用いられ、シ
ールベルト306は、剥離ベルト305と密着一体化し
て、転写紙105を挟持するためのものであり、画像形
成物質106を転写させる必要がないため、接着性を必
要としない点以外は、剥離ベルト305と同様の特性を
有していることが望ましい。
【0106】上記画像除去促進液付与ユニットU2で画
像除去促進液212が付与され、画像形成物質106と
転写紙105との接着力の弱められた転写紙105は、
搬送ローラ301aと搬送ローラ302bの間から剥離
ベルト305とシールベルト306の間に挿入され、剥
離ベルト305とシールベルト306の間に挟持され
る。
【0107】画像形成物質106の形成された転写紙1
05は、剥離ベルト305とシールベルト306との間
に挟持された状態で、かつ、剥離ベルト305の接着力
により剥離ベルト305に所定の接着力で接着された状
態で、ジグザグ搬送路を移動領域として、図1中左から
右方向に搬送される。
【0108】このジグザグ搬送路が加圧ローラ303a
〜303eと加圧ローラ304a〜304dによりジグ
ザグ状に形成されているため、転写紙105は、剥離ベ
ルト305とシールベルト306に密着一体的に挟持さ
れた状態でジグザグ搬送路を搬送される間に、転写紙1
05と剥離ベルト305及びシールベルト306とが相
対変位し、転写紙105と剥離ベルト305との間にせ
ん断力が発生する。このせん断力により転写紙105か
ら画像形成物質106が剥離して、剥離ベルト305に
剥離・転写される。
【0109】また、剥離ベルト305とシールベルト3
06に挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路
を搬送されている間に、加圧ローラ303a〜303e
及び加圧ローラ304a〜304dに内蔵された加熱ヒ
ーターにより加熱され、転写紙105上に画像を形成し
ている画像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態
となり、効率的に剥離ベルト305に転写・除去され
る。
【0110】画像形成物質106の除去された転写紙1
05は、図示しない分離爪により剥離ベルト305及び
シールベルト306から分離され、搬送ローラ301b
と搬送ローラ302bの間から送り出しローラ307に
搬出される。
【0111】送り出しローラ307は、搬送ローラ30
1bと搬送ローラ302bの間から送り出された転写紙
105を乾燥ユニットU6に搬送する。
【0112】上記剥離・移動ユニットU3の下方には、
クリーニング液付与ユニットU4とクリーニングユニッ
トU5が配設されており、クリーニングユニットU4
は、クリーニング液付与部410と加熱ヒーター420
等を備えている。
【0113】クリーニング液付与部410は、補給液容
器411、液自動補給機412、液容器413、液汲み
上げローラ414、液塗布ローラ415及び押さえロー
ラ416等を備えており、補給液容器411と液自動補
給機412及び液自動補給機412と液容器413は、
それぞれパイプ417、418により接続されている。
【0114】補給液容器411及び液容器413内に
は、クリーニング液419が収納されており、液容器4
13には、図示しないが、液量センサーが設けられてい
る。
【0115】液自動補給機412は、液量センサーの検
出結果に基づいて動作して、補給液容器411内のクリ
ーニング液419を汲み上げて、液容器413にクリー
ニング液419を補給する。
【0116】液汲み上げローラ414と液塗布ローラ4
15は、所定圧力で当接しつつ回転駆動され、液汲み上
げローラ414は、回転駆動されることにより、液容器
413内のクリーニング液419を汲み上げて、当接す
る液塗布ローラ415に絞られることにより、所定量の
クリーニング液419を液塗布ローラ415に付着させ
る。液塗布ローラ415は、付着した所定量のクリーニ
ング液419を、押さえローラ416との間を搬送され
る剥離ベルト305の転写紙105を狭持する側の面に
塗布し、クリーニング液419の塗布された剥離ベルト
305は、加熱ヒーター420へと移動する。
【0117】クリーニング液419としては、種々の有
機溶剤を挙げることができるが、加熱すると蒸発するも
のが多く、画像形成物質106を軟化する効率や人体等
への影響を考慮すると、有機溶剤としては、10℃から
画像形成物質106の軟化点の温度範囲で、液体の状態
を保つグリセリン、あるいは、エチレングリコールやプ
ロピレングリコール等のグリコール類等が好ましい。
【0118】また、クリーニング液419としては、分
子内にポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面
活性剤が好ましい。すなわち、これらの化合物は、画像
形成物質106を軟化させる効率が高く、加熱による蒸
気の発生も少ないだけでなく、化合物の種類が多く、画
像形成物質106のバインダー樹脂に応じて、適宜化合
物を選択することができるからである。
【0119】分子内にポリオキシエチレン構造を有する
非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチ
レンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加
物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール
脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミンエチ
レンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加
物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付
加物等がある。
【0120】剥離ベルト305は、クリーニング液41
9が付与されることにより、転写紙105から剥離され
て剥離ベルト305に付着している画像形成物質106
が、剥離ベルト305から剥がれやすい状態となって、
加熱ヒーター420に移動する。
【0121】加熱ヒーター420は、クリーニング液付
与部410でクリーニング液419の付与された剥離ベ
ルト305を所定温度に加熱することにより、剥離ベル
ト305に付着している画像形成物質106を所定温度
に加熱して、軟化させる。この加熱温度は、画像形成物
質106の物性によるが、例えば、画像形成物質106
がモノクロトナーの場合、60℃〜140℃の範囲、好
ましくは、80℃〜120℃である。
【0122】クリーニング液付与ユニットU4は、画像
形成物質106の付着した剥離ベルト305に、そのク
リーニング液付与部410でクリーニング液419を付
与して、画像形成物質106を剥離ベルト305から剥
がれやすくした後、加熱ヒーター420で加熱して軟化
させて、クリーニングユニットU5に剥離ベルト305
を移動する。
【0123】なお、図1では、剥離・移動ユニットU3
が剥離ベルト305とシールベルト306を備えたもの
で、この剥離ベルト305にクリーニング液付与ユニッ
トU4によりクリーニング液419を付与して加熱して
いるが、剥離ベルト305にクリーニング液419を塗
布する構成及び加熱する構成は、これに限るものではな
く、例えば、剥離・移動ユニットU3が2本の剥離ベル
トを備えているときには、クリーニング液付与ユニット
U4をもう一つ設けて、剥離ベルト305ともう一方の
剥離ベルトにクリーニング液419を付与し、また、加
熱するようにしてもよい。また、液塗布ローラ415を
剥離ベルト305に接触させて塗布する方法ではなく、
非接触でクリーニング液419を付与したり、あるいは
液塗布ローラ415と非接触の塗布手段を組み合わせ
て、2段階の塗布を行うようにしてもよい。
【0124】クリーニングユニットU5は、クリーニン
グブレード501及び画像形成物質受け容器502等を
備えており、クリーニング液419の付与された剥離ベ
ルト305から画像形成物質109を除去して、剥離ベ
ルト305をクリーニングする。
【0125】クリーニングブレード501は、搬送ロー
ラ301d部分で剥離ベルト305の画像形成物質10
6の付着した面に当接しており、剥離ベルト305の表
面に付着した画像形成物質106を掻き落として、剥離
ベルト305をクリーニングする。このクリーニングブ
レード501の下方に画像形成物質受け容器502が配
設されており、剥離ベルト305から掻き落とされた画
像形成物質106は、画像形成物質受け容器502内に
収納される。
【0126】クリーニングブレード501は、剥離ベル
ト305との当接位置で、当該剥離ベルト305表面の
接線に対する剥離ベルト305の当接角度θが、0度〜
60度の範囲、望ましくは、0度〜30度程度の範囲内
の角度になるように取り付けられている。ここで、当接
角度θとは、クリーニングブレード501の剥離ベルト
305側の表面の当該剥離ベルト305への当接位置で
のクリーニングブレード501の接線と剥離ベルト30
5の接線とのなす角度をいう。
【0127】クリーニングブレード501の材料として
は、剥離ベルト305との密着度合いを良好なものとす
るために、ステンレス鋼、リン青銅等の厚さ0.05m
m〜0.5mm程度の弾性薄板等の弾性材料が好適であ
る。
【0128】画像形成物質106の付着した剥離ベルト
305は、クリーニング液付与ユニットU4でクリーニ
ング液419が付与されて、画像形成物質106が剥が
れやすくなり、加熱ヒーター420により加熱されて画
像形成物質106が軟化した状態で、クリーニングブレ
ード501に移動し、クリーニングブレード501によ
り掻き落とされる。
【0129】したがって、剥離ベルト305に与える損
傷を抑制しつつ、剥離ベルト305から画像形成物質1
06を効率的に、かつ、適切に掻き取ることができ、剥
離ベルト305の転写紙105からの画像形成物質10
6の剥離性能を適切に回復させることができる。
【0130】なお、クリーニングユニットU5では、ク
リーニングブレード501を使用して剥離ベルト305
から画像形成物質106を除去しているが、クリーニン
グブレード501に限るものではなく、適切に画像形成
物質106を剥離ベルト305から除去できるものであ
れば、どのようなものであってもよい。例えば、スパイ
ラルローラ等を用いてもよい。このスパイラルローラを
用いた場合、スパイラルローラを剥離ベルト305に強
く押圧する必要がなく、剥離ベルト305に与える損傷
を抑制することができる。
【0131】乾燥ユニットU6は、転写紙105を乾燥
させるものであり、加熱ランプ601を内蔵したアルミ
等で形成された乾燥ドラム602、通気性がよく表面平
滑性の高い仕上げベルト603及び回転ローラ604a
〜604d等を備えている。
【0132】仕上げベルト603は、乾燥ドラム602
及び回転ローラ604a〜604dの外周部に沿って図
1中時計方向に回転し、乾燥ドラム602と回転ローラ
604a〜604dとは、いずれかが図外の駆動モータ
等により回転駆動されて、他方が仕上げベルト603に
より吊れ回りする。なお、乾燥ドラム602と回転ロー
ラ604a〜604dの双方を駆動モータ等により回転
駆動するようにしてもよい。
【0133】剥離・移動ユニットU3から搬送されてき
た転写紙105は、乾燥ドラム602と回転ローラ60
4aと間から乾燥ドラム602と仕上げベルト603と
の間に導入され、加熱ランプ601により加熱された乾
燥ドラム602により余分な水分が乾燥されて、乾燥ド
ラム401と回転ローラ604dの間から紙受けユニッ
トU7に排出される。
【0134】このとき、仕上げベルト603が通気性が
良好で、かつ、その平面が平滑性の高い部材で形成され
ているため、転写紙105が適切に乾燥されるととも
に、転写紙105が仕上げベルト603に付着したり、
傷ついたりすることなく、適切に転写紙105を乾燥す
ることができる。
【0135】なお、乾燥ユニットU6は、上記構成のも
のに限るものではなく、例えば、上記構成のものに、代
わって、あるいは、上記構成のものに加えて、ローラ対
の部材を用いたり、熱風を用いたり、熱風ファンや赤外
線ランプなどを用いたりしてもよい。
【0136】紙受けユニットU7は、ガイド部材70
1、排紙トレー702及び排出ローラ703等を備えて
いる。
【0137】乾燥ユニットU6から排出された転写紙1
05は、ガイド部材701により排出ローラ703に案
内され、排出ローラ703は、転写紙105を排紙トレ
ー702上に排出・載置させる。
【0138】なお、再生装置1は、図示しないが、給紙
ユニットU1の給紙ケース101に転写紙105がある
か否かを検出する紙検出手段、給紙ユニットU1による
転写紙105の重送検出手段、転写紙105の再生装置
1内でのジャムの発生を検出するジャム検出手段、各加
圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜
304dの内蔵の加熱ヒーターの温度制御手段、加熱ヒ
ーター420の温度制御手段及び画像形成物質受け容器
502内の画像形成物質106が満杯になったかどうか
を検出する満杯検知手段等が設けられている。
【0139】次に、本実施の形態の作用を説明する。再
生装置1は、転写紙105に画像除去促進液212を付
与して、転写紙105上の画像形成物質106と転写紙
105との接着力を弱めた状態で、一体密着化された剥
離ベルト305とシールベルト306に転写紙105を
挟持させて、ジグザグ搬送路を所定量ジグザグ搬送して
転写紙105上の画像形成物質105を剥離ベルト30
5に転写・除去するとともに、剥離ベルト305にクリ
ーニング液419を付与して加熱した後、剥離ベルト3
05から剥離ベルト305に転写した画像形成物質10
6を除去して、剥離ベルト305の剥離性能を向上させ
ることにより、効果的に転写紙105上の画像形成物質
106を剥離・除去するところにその特徴がある。
【0140】すなわち、再生装置1は、電源が投入さ
れ、給紙ケース101に画像形成物質106により画像
の形成された転写紙105が複数枚載置された後、所定
のウォーミングアップが完了すると、給紙ローラ102
により給紙ケース101内の転写紙105を、最上段の
転写紙105から、順次画像除去促進液付与ユニットU
2に送り出す。このとき、レジストローラ対103によ
りタイミング調整を行う。
【0141】この転写紙105は、通常の通常の複写用
紙あるいはプリンティング用紙であり、転写紙105に
は、通常の乾式トナーや湿式トナーを用いた電子写真方
式の複写機やプリンティング装置等で、画像形成物質1
06により皮膜状の固着画像が形成されている。
【0142】画像除去促進液付与ユニットU2は、液自
動補給機202により補給液容器201から汲み上げら
れた液容器203内の画像除去促進液212を、液汲み
上げローラ204により液塗布ローラ205に付着し
て、液塗布ローラ205により、押さえローラ206と
の間に給紙されてきた転写紙105の画像形成面に、少
量塗布する。
【0143】画像除去促進液付与ユニットU2は、画像
除去促進液212の塗布した転写紙105を、搬送ベル
ト207により剥離・移動ユニットU3に送り出す。
【0144】転写紙105は、画像除去促進液212が
付与されると、転写紙105の表面近傍が膨潤して、画
像形成物質106と転写紙105との膨潤量の差によ
り、両者の間にせん断力が発生し、画像形成物質106
と転写紙105との接着力が低下する。
【0145】画像除去促進液212の付与された転写紙
105は、上記膨潤作用により、剥離・移動ユニットU
3に搬送される間に、画像形成物質106と転写紙10
5との接着力が低下した状態で、剥離・移動ユニットU
3に搬送される。
【0146】剥離・移動ユニットU3は、複数の搬送ロ
ーラ301a〜301dと搬送ローラ302a〜302
dにより支持されつつ、密着一体化した剥離ベルト30
5とシールベルト306を、加圧ローラ303a〜30
3eと加圧ローラ304a〜304dによりジグザグ状
に形成されたジグザグ搬送路を搬送・移動させ、このジ
グザグ搬送路を形成する加圧ローラ303a〜303e
と加圧ローラ304a〜304dを、内蔵する加熱ヒー
ターにより所定温度に加熱して、剥離ベルト305とシ
ールベルト306に挟持されてジグザグ搬送路を搬送さ
れる転写紙105を加熱する。
【0147】画像除去促進液212が付与されて画像形
成物質106との接着力の弱められた状態の転写紙10
5は、搬送ローラ305とシールベルト306との間に
挟持され、かつ、剥離ベルト305の接着力により剥離
ベルト305に所定の接着力で接着された状態で、ジグ
ザグ搬送路を図1中左から右方向に搬送される。
【0148】転写紙105は、剥離ベルト305とシー
ルベルト306に密着一体的に挟持された状態でジグザ
グ搬送路を搬送される間に、転写紙105と剥離ベルト
305とが相対変位し、転写紙105と剥離ベルト30
5との間にせん断力が発生する。このせん断力により転
写紙105から画像形成物質106が剥離して、剥離ベ
ルト305に剥離・転写される。
【0149】また、剥離ベルト305とシールベルト3
06に挟持された転写紙105は、上記ジグザグ搬送路
を搬送されている間に、加圧ローラ303a〜303e
及び加圧ローラ304a〜304dに内蔵された加熱ヒ
ーターにより加熱され、転写紙105上に画像を形成し
ている画像形成物質106が軟化して、剥離し易い状態
となり、効率的に剥離ベルト305に転写・除去され
る。
【0150】上述のようにして、画像形成物質106が
剥離ベルト305に転写・除去された転写紙105は、
送り出しローラ307により、乾燥ユニットU6に送り
出される。
【0151】そして、転写紙105から画像形成物質1
06を剥離・除去した剥離ベルト305は、クリーニン
グ液付与ユニットU4に搬送され、クリーニング液付与
ユニットU4は、液塗布ローラ415と押さえローラ4
16により剥離ベルト305を挟んで、液汲み上げロー
ラ414が汲み上げた液容器413内のクリーニング液
419を液塗布ローラ415により剥離ベルト305の
転写紙105を狭持する面に塗布する。
【0152】クリーニング液419が塗布されて、画像
形成物質106が剥がれやすくなった剥離ベルト305
は、加熱ヒーター420に移動して、加熱ヒーター42
0により剥離ベルト305上の画像形成物質106が所
定温度に加熱されて、軟化する。この画像形成物質10
6の軟化した剥離ベルト305は、さらに、クリーニン
グユニットU5のクリーニングブレード501に移動
し、クリーニングブレード501により画像形成物質1
06が掻き落とされる。掻き落とされた画像形成物質1
06は、クリーニングブレード501の下方に配設され
た画像形成物質受け容器502内に収納される。
【0153】このようにして、再生装置1は、クリーニ
ング液付与ユニットU4のクリーニング液付与部410
で剥離ベルト305にクリーニング液419を付与して
画像形成物質106を剥がれやすくし、さらに加熱ヒー
ター420により画像形成物質106を加熱して軟化さ
せた後、クリーニングユニットU5のクリーニングブレ
ード501で画像形成物質106を掻き落としているた
め、剥離ベルト305に与える損傷を抑制しつつ、効果
的に、かつ、確実に画像形成物質106を剥離ベルト3
05から除去することができ、この画像形成物質106
を除去した剥離ベルト305により、転写紙105から
画像形成物質106を適切に剥離・除去することができ
る。したがって、剥離・移動ユニットU3の剥離ベルト
305の画像形成物質106の剥離性能を向上させるこ
とができ、再生装置1の転写紙105の再生能力を向上
させることができる。
【0154】上記剥離・除去ユニットU3で、画像形成
物質105の除去された転写紙105は、送り出しロー
ラ307により、乾燥ユニットU6に送り出され、乾燥
ユニットU6は、剥離・移動ユニットU3から搬送され
てきた転写紙105を、加熱ランプ601により加熱さ
れた乾燥ドラム602と仕上げベルト603との間に挟
んで搬送する間に、転写紙105の余分な水分を乾燥さ
せて、紙受けユニットU7に排出する。
【0155】紙受けユニットU7は、乾燥ユニットU6
から排出された転写紙105を、排出ローラ703によ
り、排紙トレー702上に排出・載置させる。
【0156】このように、再生装置1は、画像形成物質
106により画像の形成された転写紙105を、画像除
去促進液付与ユニットU2で、画像除去促進液212を
付与して、転写紙105と画像形成物質106との接着
力を弱めた状態で、剥離・移動ユニットU3の密着一体
化した剥離ベルト305とシールベルト306で挟持し
て、ジグザグ搬送路を加熱しつつ搬送して、剥離ベルト
305と転写紙105との相対変位を生じさせることが
でき、転写紙105から画像形成物質106を効率的に
剥離して、剥離ベルト305に転写することができる。
【0157】そして、転写紙105から画像形成物質1
06を剥離して、画像形成物質106の転写された剥離
ベルト305に、クリーニング液付与ユニットU4でク
リーニング液419を付与して剥離ベルト305から画
像形成物質106が剥がれやすい状態にして、加熱ヒー
ター420により、クリーニング液付与ユニットU4で
クリーニング液419が付与されて剥がれやすくなった
状態の剥離ベルト305の画像形成物質106を加熱し
て軟化した後、クリーニングユニットU5のクリーニン
グブレード501で掻き落として、剥離ベルト305を
クリーニングする。したがって、剥離ベルト305に与
える損傷を抑制しつつ、効果的に、かつ、確実に画像形
成物質106を剥離ベルト305から除去することがで
き、剥離・移動ユニットU3での剥離ベルト305によ
る画像形成物質106の剥離性能を向上させることがで
きる。その結果、再生装置1の転写紙105の再生能力
を向上させることができる。
【0158】
【実施例】上記実施の形態の再生装置1を基本として、
実験を行った。
【0159】以下、実験結果を実施例として、説明す
る。
【0160】なお、以下の実験において使用した画像形
成物質106としては、以下の処方で作製したトナーを
用いた。
【0161】〈トナーの処方〉 ポリエステル樹脂 (結着樹脂) 43重量% スチレンアクリル樹脂 (結着樹脂) 43重量% 含Crモノアゾ染料 (荷電制御剤) 3重量% カルナウバワックス (離型剤) 4重量% カーボンブラック (着色剤) 7重量% 以上の物質をブレンダーで10分混合した後、120〜
140℃に熱した2本ロールによって、溶融混練し、混
練物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕して、ジェッ
ト気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級を用いて体
積平均粒径10μmのトナーを作製した。
【0162】また、画像除去促進液212は、以下の処
方により調整した。
【0163】 〈画像除去促進液の処方〉 ジヘキシルスルホ琥珀酸塩 (界面活性剤) 10重量% プロピレングリコール (可溶化剤) 10重量% N−メチル−2−ピロリドン (湿潤剤) 0.2重量% 安息香酸ナトリウム (防腐防黴剤) 0.1重量% 純水 残量 以上の物質を、撹拌・溶解して、画像除去促進液212
を調整した。
【0164】さらに、クリーニング液419は、以下の
処方により調整した。
【0165】 〈クリーニング液の処方〉 ポリオキシエチレン(7)2級アルキルエーテル 50重量% 純水 残量 〈実施例1〉転写紙105として、市販のA4版上質紙
を使用し、上記処方にて作製したトナーを用い、電子写
真方式のPPC複写機にて、画像を形成した。
【0166】再生装置は、図1の再生装置1において、
剥離・移動ユニットU3の加圧ローラ303a〜303
eと加圧ローラ304a〜304dを総計13本にし、
下側の加圧ローラ303a〜303eを45mm、上側
の加圧ローラ304a〜304dを25mmのものを使
用し、加圧ローラ303a〜303e及び加圧ローラ3
04a〜304dの加熱ヒーターによる加熱温度を11
0℃にした。また、と剥離ベルト305として、ポリエ
チレンテレフタレートのベルトを用いた。
【0167】再生装置1に上記処方の画像除去促進液2
12を画像除去促進液付与ユニットU2にセットし、上
記処方のクリーニング液419をクリーニング液付与ユ
ニットU4にセットして、処理速度25mm/secで
再生処理を行った。
【0168】実験の結果、再生された用紙には、実使用
上問題となるような量のトナーは残っておらず、前記P
PC複写機にて、再利用したところ、未使用の紙と同等
の複写画像を得ることができた。
【0169】また、剥離ベルト305をクリーニングユ
ニットU5で、良好に画像形成物質106を除去するこ
とができた。
【0170】〈比較例〉比較実験するために、上記実施
例の再生装置1のクリーニング液付与ユニットU4を取
り除いた状態で、上記電子写真方式のPPC複写機に
て、画像の形成された上質紙を上記同様の再生処理した
ところ、剥離ベルト305のクリーニングが不十分であ
り、連続再生処理を行うことができなかった。
【0171】したがって、クリーニング液付与ユニット
U4が剥離ベルト305から画像形成物質106を除去
する上で、効果的に作用することが実証された。
【0172】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0173】例えば、上記実施の形態においては、加圧
ローラ303a〜303e及び加圧ローラ304a〜3
04dに加熱ヒーターを内蔵して、剥離ベルト305に
付着している画像形成物質106を加熱して、画像形成
物質106を軟化させているが、加圧ローラ303a〜
303e及び加圧ローラ304a〜304dは、加熱ヒ
ーターを内蔵したものに限るものではなく、適切な加圧
を加えることのみであってもよく、また、加圧を加えず
に、加熱だけ行うようにしてもよい。
【0174】
【発明の効果】請求項1記載の発明の被記録材の再生方
法によれば、画像形成物質により固着画像の形成された
被記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像
形成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材あ
るいは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に
画像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写され
た剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱め
させる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から
画像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像
形成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして除去す
ることができ、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、適
切に画像形成物質を剥離部材から除去することができ
る。その結果、被記録材から剥離部材により画像形成物
質を効率的に剥離して、再生効率を向上させることがで
きる。
【0175】請求項2記載の発明の被記録材の再生装置
によれば、画像形成物質により固着画像の形成された被
記録材に画像除去促進液を付与して、被記録材と画像形
成物質との接着力を弱めた状態で、一対の剥離部材ある
いは剥離部材とシール部材とで挟持して、剥離部材に画
像形成物質を転写・除去し、画像形成物質の転写された
剥離部材に剥離部材と画像形成物質との接着力を弱めさ
せる所定の接着力低減剤を付与した後、剥離部材から画
像形成物質を除去するので、剥離部材に転写した画像形
成物質を剥離部材から剥がれやすい状態にして、剥離部
材から画像形成物質を除去することができ、剥離部材に
与える損傷を抑制しつつ、適切に画像形成物質を剥離部
材から除去することができる。その結果、被記録材から
剥離部材により画像形成物質を効率的に剥離して、再生
効率を向上させることができる。
【0176】請求項3記載の被記録材の再生方法及び被
記録材の再生装置によれば、画像形成物質の転写した剥
離部材に付与する接着力低減剤として、画像形成物質の
粘弾性を低下させる材料を含有する接着力低減剤を用い
ているので、画像形成物質と剥離部材との接着力をより
一層低減させて、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、
より適切に画像形成物質を剥離部材から除去することが
でき、被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率
的に剥離して、再生効率をさらに向上させることができ
る。
【0177】請求項4記載の被記録材の再生方法及び被
記録材の再生装置によれば、画像形成物質の転写した剥
離部材に付与する接着力低減剤として、10℃から画像
形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である材料
あるいは当該材料を含有する水溶液を用いているので、
被記録材から画像形成物質を除去する過程で剥離部材か
ら有害な蒸気が発生するのを防止することができ、安全
に被記録材から剥離部材により画像形成物質を効率的に
剥離して、再生効率を向上させることができる。
【0178】請求項5記載の被記録材の再生方法及び被
記録材の再生装置によれば、画像形成物質の転写した剥
離部材に付与する接着力低減剤として、非イオン性界面
活性剤を含有するものを用いているので、画像形成物質
と接着力低減剤との親和性を向上させて、画像形成物質
の粘弾性をより一層低下させ、剥離部材に与える損傷を
抑制しつつ、より一層適切に画像形成物質を剥離部材か
ら除去することができ、被記録材から剥離部材により画
像形成物質をより一層効率的に剥離して、再生効率を向
上させることができる。
【0179】請求項6記載の被記録材の再生方法及び被
記録材の再生装置によれば、接着力低減剤の付与された
剥離部材上の画像形成物質を所定温度に加熱しているの
で、画像形成物質と接着力低減剤との親和性を向上させ
て、画像形成物質の粘弾性をより一層低下させることが
でき、剥離部材に与える損傷を抑制しつつ、より一層適
切に画像形成物質を剥離部材から除去し、被記録材から
剥離部材により画像形成物質をより一層効率的に剥離し
て、再生効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録材の再生方法及び被記録材の再
生装置の一実施の形態を適用した再生装置の概略構成
図。
【符号の説明】
1 再生装置 U1 給紙ユニット U2 画像除去促進液付与ユニット U3 剥離・移動ユニット U4 クリーニング液付与ユニット U5 クリーニングユニット U6 乾燥ユニット U7 紙受けユニット 101 給紙ケース 102 給紙ローラ 103 レジストローラ 104 ガイド板 105 転写紙 106 画像形成物質 201 補給液容器 202 液自動補給機 203 液容器 204 液汲み上げローラ 205 液塗布ローラ 206 押さえローラ 207 搬送ベルト 208 駆動ローラ 209 ガイド板 210、211 パイプ 212 画像除去促進液 301a〜301d 搬送ローラ 302a〜302d 搬送ローラ 303a〜303e、304a〜304d 加圧ローラ 305 剥離ベルト 306 シールベルト 307 送り出しローラ 410 クリーニング液付与部 411 補給液容器 412 液自動補給機 413 液容器 414 液汲み上げローラ 415 液塗布ローラ 416 押さえローラ 417、418 パイプ 419 クリーニング液 420 加熱ヒーター 501 クリーニングブレード 502 画像形成物質受け容器 601 加熱ランプ 602 乾燥ドラム 603 仕上げベルト 604a〜604d 回転ローラ 701 ガイド部材 702 排紙トレー 703 排出ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 由美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有
    する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融
    性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された
    前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する
    被記録材の再生方法において、前記画像形成物質により
    前記固着画像の形成された前記被記録材に、少なくとも
    水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与し
    て、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱め
    る液付与工程と、前記液付与工程で前記画像除去促進液
    の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し前記
    被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形成物
    質を転写させる一対の所定の剥離部材により、あるい
    は、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所定
    のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱及
    び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成物
    質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離工程と、前
    記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画像
    形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接着
    力低減剤を付与する接着力低減工程と、前記接着力低減
    工程で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材から
    前記画像形成物質を除去する除去工程と、を順次行うこ
    とを特徴とする被記録材の再生方法。
  2. 【請求項2】少なくとも表面に水で膨潤する膨潤層を有
    する被記録材の前記膨潤層上に熱可塑性あるいは熱溶融
    性の画像形成物質により皮膜状の固着画像の形成された
    前記被記録材から前記画像形成物質を除去して再生する
    被記録材の再生装置において、前記画像形成物質により
    前記固着が像の形成された前記被記録材に、少なくとも
    水と所定の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与し
    て、前記画像形成物質と前記被記録材との接着力を弱め
    る液付与手段と、前記液付与手段により前記画像除去促
    進液の付与された前記被記録材を、所定の接着力を有し
    前記被記録材の前記画像形成物質に接触して前記画像形
    成物質を転写させる一対の所定の剥離部材により、ある
    いは、前記画像形成物質側に位置する前記剥離部材と所
    定のシール部材により、前記被記録材を挟持して、加熱
    及び/あるいは加圧して前記被記録材から前記画像形成
    物質を前記剥離部材に転写させて除去する剥離手段と、
    前記画像形成物質の転写された前記剥離部材に、前記画
    像形成物質と前記剥離部材との接着力を弱める所定の接
    着力低減剤を付与する接着力低減手段と、前記接着力低
    減手段で前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材か
    ら前記画像形成物質を除去する除去手段と、を備えたこ
    とを特徴とする被記録材の再生装置。
  3. 【請求項3】前記接着力低減剤は、前記画像形成物質の
    粘弾性を低下させる材料を含有することを特徴とする請
    求項1記載の被記録材材の再生方法または請求項2記載
    の再生装置。
  4. 【請求項4】前記接着力低減剤は、10℃から前記画像
    形成物質の軟化点の温度範囲において、液体である材料
    あるいは当該材料を含有する水溶液であることを特徴と
    する請求項1から請求項3のいずれかに記載の被記録材
    の再生方法または被記録材の再生装置。
  5. 【請求項5】前記接着力低減剤は、非イオン性界面活性
    剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれかに記載の被記録材の再生方法または被記録材の
    再生装置。
  6. 【請求項6】前記接着力低減工程あるいは前記接着力低
    減手段は、前記接着力低減剤の付与された前記剥離部材
    上の前記画像形成物質を所定温度に加熱する加熱工程あ
    るいは加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1から
    請求項5のいずれかに記載の被記録材の再生方法または
    被記録材の再生装置。
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