JP3741283B2 - 熱処理装置及びそれを用いた熱処理方法 - Google Patents

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本発明は、熱処理対象物である被処理物を圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の真空、又は予め圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の真空に到達した後に不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下において、短時間で1200℃〜2,300℃に加熱することができる熱処理装置及びそれを用いた熱処理方法に関するものである。
従来より、半導体製造工程において使用される熱処理装置には、被処理物の熱履歴を減らし、スリップの発生を防止するために、被処理物を高速で熱処理する熱処理装置や(例えば、特許文献1参照)、短時間で高真空とし、低温でエピタキシャル成長を行うことができる熱処理装置(例えば、特許文献2参照)等が報告されている。
これら、従来の半導体製造工程に使用されていた熱処理装置は、主にSiエピタキシャル成長に用いられていたものである。そのため、使用温度が、例えば、特許文献1に記載の熱処理装置は、高温部の温度が950℃であり、特許文献2に記載の熱処理装置においても、800〜900℃となっている。
ところが、近年になり、耐熱性及び機械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さらに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のSiC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で3.3eV)ために、シリコン(以下、Siという。)やガリウムヒ素(以下、GaAsという。)などの既存の半導体材料では実現することができない高温、高周波、耐電圧・耐環境性を実現することが可能である単結晶炭化ケイ素(以下、SiCという。)が、次世代のパワーデバイス、高周波デバイス用半導体材料として注目され、かつ期待されている。また、六方晶SiCは、窒化ガリウム(以下、GaNという。)と格子定数が近く、GaNの基板として期待されている。
この種の単結晶SiCは、例えば、特許文献3に記載されているように、ルツボ内の低温側に種結晶を固定配置し、高温側に原料となるSiを含む粉末を配置してルツボを不活性雰囲気中で1450〜2400℃の高温に加熱することによって、Siを含む粉末を昇華させて低温側の種結晶の表面上で再結晶させて単結晶の育成を行う昇華再結晶法(改良レーリー法)によって形成されているものがある。
また、例えば、特許文献4に記載されているように、SiC単結晶基板とSi原子及びC原子により構成された板材とを微小隙間を隔てて互いに平行に対峙させた状態で大気圧以下の不活性ガス雰囲気、且つ、SiC飽和蒸気雰囲気下でSiC単結晶基板側が板材よりも低温となるように温度傾斜を持たせて熱処理することにより、微小隙間内でSi原子及びC原子を昇華再結晶させてSiC単結晶基板上に単結晶を析出させるものもある。
また、例えば、特許文献5に記載されているように、液相エピタキシャル成長法によってSiC単結晶上に第1のエピタキシャル層を形成した後に、CVD法によって表面に第2のエピタキシャル層を形成して、マイクロパイプ欠陥を除去するものもある。
特開平8−70008号公報 特開平11−260738号公報 特開2001−158695号公報 特開平11−315000号公報 特表平10−509943号公報
しかしながら、これら単結晶SiCの形成は、特許文献3乃至5に記載されているように、1450〜2400℃という高温で熱処理する必要がある。このため、特許文献1又は特許文献2に記載されているような従来の熱処理装置では、単結晶SiCの形成が困難となっている。また、例えば、特許文献3に記載の昇華再結晶法の場合は、成長速度が数100μm/hrと非常に早い反面、昇華の際にSiC粉末がいったんSi、SiC2、Si2Cに分解されて気化し、さらにルツボの一部と反応する。このために、温度変化によって種結晶の表面に到達するガスの種類が異なり、これらの分圧を化学量論的に正確に制御することが技術的に非常に困難である。また、不純物も混入しやすく、その混入した不純物や熱に起因する歪みの影響で結晶欠陥やマイクロパイプ欠陥等を発生しやすく、また、多くの核生成に起因する結晶粒界の発生など、性能的、品質的に安定した単結晶SiCが得られないという問題がある。
一方、特許文献4や特許文献5に記載の液相エピタキシャル成長法(以下、LPE法という。)の場合は、昇華再結晶法で見られるようなマイクロパイプ欠陥や結晶欠陥などの発生が少なく、昇華再結晶法で製造されるものに比べて品質的に優れた単結晶SiCが得られる。その反面、成長過程が、Si融液中へのCの溶解度によって律速されるために、成長速度が10μm/hr以下と非常に遅くて単結晶SiCの生産性が低く、製造装置内の液相を精密に温度制御しなくてはならない。また、工程が複雑となり、単結晶SiCの製造コストが非常に高価なものになる。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、次世代の単結晶SiCの形成に好適な、圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の真空、又は予め圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の高真空に到達した後に若干の不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下であっても短時間で1200℃〜2,300℃に加熱することができる熱処理装置及びそれを用いて熱処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明に係る熱処理装置は、被処理物を圧力10-2Pa以下の真空、好ましくは10-5Pa以下の真空、又は圧力10-2Pa以下の真空に到達した後に若干の不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下において1200℃〜2,300℃に加熱する加熱室と、前記加熱室に連結され、前記加熱室に被処理物を移動するための移動手段が設けられている前室と、前記前室に連結され、前記被処理物を10-2Pa以下、好ましくは10-5Pa以下の真空において予め800℃以上に加熱する予備加熱室と、を備えてなり、前記被処理物を収納した容器を覆うように、前記加熱室の内部に加熱ヒータが設けられており、その加熱ヒータの周囲に反射鏡が配置されており前記容器は上容器と下容器とを嵌合してなり、前記被処理物はこの容器に収納された状態で前記加熱ヒータにより加熱されるように構成されている。
このような構成によると、短時間で被処理物を1200℃〜2,300℃に加熱することが可能となる。また、被処理物を均等に加熱することが可能となり、また、加熱ヒータからの熱を反射鏡で反射して被処理物側に集中させることができる。
また、本発明に係る熱処理装置は、前記予備加熱室の加熱手段が、ランプ式加熱手段であるものである。
このような構成によると、予備加熱室においても短時間で800℃以上、好ましくは1000℃以上に加熱することが可能となり、また、被処理物を効率良く加熱することができる。
また、本発明に係る熱処理方法は、被処理物を1200℃〜2,300℃に加熱する加熱室と、前記加熱室に連結され、前記加熱室に被処理物を移動するための移動手段が設けられている前室と、前記前室に連結され、前記被処理物を予め所定の温度に加熱する予備加熱室と、を備えてなる熱処理装置による熱処理方法であって、前記被処理物を予め圧力10-2Pa以下の真空の予備加熱室で800℃以上に加熱した後、予め1200℃〜2,300℃に加熱された圧力10-2Pa以下、又は予め圧力10-2Pa以下の真空に到達した後に不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下の加熱室に移動することで、前記被処理物を1200℃〜2,300℃に加熱するものであり、前記被処理物を収納した容器を覆うように、前記加熱室の内部に加熱ヒータが設けられており、その加熱ヒータの周囲に反射鏡が配置されており、前記容器は上容器と下容器とを嵌合してなり、前記被処理物はこの容器に収納された状態で前記加熱ヒータによって加熱されるものである。
効果
本発明は以上のように構成されているので、上記の真空又は希薄ガス雰囲気下において短時間で1200℃〜2,300℃という高温に加熱できるため、従来の熱処理装置あるいは熱処理方法では得られなかった新規な材料を創作できる可能性がある。
発明の実施の形態
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る熱処理装置の一実施形態例を説明する。
図1は、本発明に係る熱処理装置の一例を示す断面概略図である。図1において、熱処理装置1は、加熱室2と、予備加熱室3と、予備加熱室3から加熱室2に続く前室4とで構成されている。そして、被処理物5が予備加熱室3から前室4、加熱室2へと順次移動することで、被処理物5を短時間で1200℃〜2,300℃に加熱することができる。
図1に示すように、熱処理装置1は、加熱室2、予備加熱室3、前室4が連通している。このため、各室を予め所定の圧力下に制御することが可能となる。これによって被処理物5の移動時においても、外気に触れることなく、所定圧力下の炉内を図示しない移動手段によって移動させることができるため、不純物の混入等を抑制することができる。
予備加熱室3は、ハロゲンランプ6が設けられ、急速に約800〜1000℃程度にまで加熱が可能なランプ式加熱炉になっている。また、予備加熱室3と前室4との接続部分には、ゲートバルブ7が設けらており、予備加熱室3及び前室4の圧力制御を容易なものとしている。被処理物5は、この予備加熱室3で、テーブル8に載置された状態で800℃以上に予め加熱された後、予備加熱室3と前室4との圧力調整が済み次第、前室4に設けられている昇降式のサセプタ9に設置するように移動させられる。
前室4に移動させられた被処理物5は、一部図示している昇降式の移動手段10によって前室4から加熱室2に移動させられる。このとき、加熱室2内は、図示しない真空ポンプで予め所定の圧力である10-1Pa以下、好ましくは圧力10-2Pa以下更に好ましくは10-5Pa以下の真空、又は予め圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の高真空に到達した後に若干の不活性ガスを導入し、10-1Pa以下、好ましくは10-2Pa以下の希薄ガス雰囲気下とし、加熱ヒータ11によって1200℃〜2,300℃に設定されていることが好ましい。加熱室2内の状態をこのように設定しておくことで、被処理物5を前室4から加熱室2内に移動することによって、被処理物5を1200℃〜2,300℃に急速に短時間で加熱することができる。また、加熱室2には、加熱ヒータ11の周囲に反射鏡12が配置されており、加熱ヒータ11の熱を反射して加熱ヒータ11の内部に位置する被処理物5側に集中するようにしている。この反射鏡12は、図1に示すような筐体状のものであっても、例えば、図5に示すようなドーム状の反射鏡12とすることもできる。このように、反射鏡12をドーム状とすることで、加熱ヒータ11に平板状のヒータを使用することも可能となり、平板状の加熱ヒータ11を使用した場合であっても、加熱ヒータ11からの熱を効率良く被処理物5に集中させることができる。
移動手段10と加熱室2との嵌合部25は、移動手段10に設けられている凸状の段付き部21と、加熱室2に形成されている凹状の段付き部22とで構成されている。そして、移動手段10の段付き部21の各段部に設けられている図示しないOリング等のシール部材によって、加熱室2は密閉された状態となる。
また、加熱室2内の加熱ヒータ11の内側には、被処理物5から熱処理中に排出される不純物を、加熱ヒータ11と接触しないように除去する汚染物除去機構20が設けられている。これによって、加熱ヒータ11が被処理物5から排出される不純物と反応し劣化することを抑制できる。なお、この汚染物除去機構20は、被処理物5から排出する不純物を吸着するものであれば、特に限定されるものではない。
加熱ヒータ11は、黒鉛製の抵抗加熱ヒータであり、サセプタ9に設置されているベースヒータ11aと、側部及び上部が一体に筒状に形成された上部ヒータ11bとで構成されている。このように、被処理物5を覆うように加熱ヒータ11が配置されているため、被処理物5を均等に加熱することが可能となる。なお、加熱室2の加熱方式は、本実施形態例に示す抵抗加熱ヒータに限定されるものではなく、例えば、高周波誘導加熱式であっても構わない。
被処理物5として、単結晶SiCを処理する場合は、例えば、図2に示すような上容器5aと、下容器5bとで構成される密閉容器5’を用いることが好ましい。この密閉容器5’内に、後述するように、単結晶SiC基板16と多結晶SiC基板を積層、収納して熱処理を行う(図3参照)。
この密閉容器5’は、上容器5aと下容器5bとの嵌め合わせ時の嵌合部の遊びが2mm以下であることが好ましい。これによって、密閉容器5’内への不純物の混入を抑制することができる。また、遊びを2mm以下とすることによって、熱処理時に密閉容器5’内のSi分圧を10Pa以下とならないように制御することもできる。このため、密閉容器5’内のSiC分圧及びSi分圧を高め、単結晶SiC基板16及び多結晶SiC基板14,15、極薄金属Si融液17の昇華の防止に寄与するようになる。なお、この上容器5aと下容器5bとの嵌め合い時の嵌合部の遊びが2mmよりも大きい場合は、密閉容器5’内のSi分圧を所定圧に制御することが困難になるばかりでなく、不純物がこの嵌合部を介して密閉容器5’内に侵入することもあるため、好ましくない。この密閉容器5’は、図2に示すように、形状が四角のものに限らず、円形のものであっても良い。
また、下容器5bには、図3及び図4に示すように、3本の支持部13が設けられている。この支持部13によって、後述する種結晶となる多結晶SiC基板14を支持している。なお、支持部13は、本実施形態例に示すようなピン状のものである必要はなく、例えば、SiCあるいは黒鉛等で形成されているリング状のものであってもよい。
図3は上容器5aと下容器5bとが嵌合した状態の密閉容器5’内に設置されている種結晶となる6H型の単結晶SiC基板16と、この単結晶SiC基板16を挟み込む多結晶SiC基板15と、これらの間に形成される極薄金属Si融液17の状態を示している。なお、極薄金属Si融液17は熱処理時に形成されるものであり、この極薄金属Si融液17のSi源となるのは、種結晶となる単結晶SiC基板16の表面に予め金属SiをCVD等によって10μmから50μmとなるよう膜を形成するか、Si粉末を置く等その方法は特に限定されない。
図3に示すように、これら単結晶SiC基板16、多結晶SiC基板14,15及び極薄金属Si融液17は、密閉容器5’を構成する下容器5bに設けられている支持部13に載置されて、密閉容器5’内に収納されている。ここで、単結晶SiC基板16は、昇華法で作製された単結晶6H−SiCのウェハーより所望の大きさ(10×10〜20×20mm)に切り出されたものである。また、多結晶SiC基板14,15は、CVD法で作製されたSi半導体製造工程でダミーウェハーとして使用されるSiCから所望の大きさに切り出されたものを使用することができる。これら各基板16,14,15は表面が鏡面に研磨加工され、表面に付着した油類、酸化膜、金属等が洗浄等によって除去されている。ここで、下部側に位置する多結晶SiC基板14は単結晶SiC基板16の密閉容器5’からの侵食を防止するもので、単結晶SiC基板16上に液相エピタキシャル成長する単結晶SiCの品質向上に寄与するものである。
また、密閉容器5’は、等方性黒鉛で形成されていることが好ましい。そうすると、Si蒸気に晒される内表面が均等にSiC化するようになり、処理時にSiC化に伴う割れ等を抑制することができる。また、この内表面のSiC化を予防するために、予め、密閉容器5’の内表面にSiC又は熱分解炭素あるいは炭化タンタルを被覆しておくこともできる。
また、この密閉容器5’内には、熱処理時におけるSiCの昇華、Siの蒸発を制御するためのSi片と共に設置することもできる。Si片を同時に設置することによって、熱処理時に昇華して密閉容器5’内のSiC分圧及びSi分圧を高め、単結晶SiC基板16及び多結晶SiC基板14,15、極薄金属Si融液17の昇華の防止に寄与するようになる。また、密閉容器5’内の圧力を加熱室2内の圧力よりも高くなるように調整でき、これによって、上容器5aと下容器5bとの嵌合部から常にSi蒸気を放出でき、不純物の密閉容器5’内への侵入を防止できる。
このように構成された密閉容器5’は、予備加熱室3内に設置された後、10-5Pa以下に設定され、予備加熱室3に設けられているランプ6によって800℃以上、好ましくは1000℃以上に加熱される。この際、加熱室2内も同様に、10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の真空に設定された後、1200℃〜2,300℃となるように加熱しておくことが好ましい。
そして、前述したように、予備加熱室3内で予備加熱された密閉容器5’は、ゲートバルブ7を開き、前室4のサセプタ9に移動して、昇降手段10によって、1200℃〜2,300℃に加熱されている加熱室2内に移動される。これによって、密閉容器5’は、30分以内の短時間で急速に1200℃〜2,300℃に加熱される。加熱室2での熱処理温度は、密閉容器5’内に同時に設置している金属Si片が溶融する温度であれば良いが、1200℃〜2,300℃とする。処理温度を高温で行うほど、溶融SiとSiCとの濡れ性が上昇し、溶融Siが毛細管現象によって、単結晶SiC基板16と多結晶SiC基板14,15との間に浸透しやすくなる。これによって、単結晶SiC基板16と多結晶SiC基板14,15との間に厚み50μm以下の極薄金属Si融液17を介在させることができる。
また、本発明に係る熱処理装置によると、短時間で1200℃〜2,300℃とすることが可能であるため、結晶成長を短時間で終了することができ結晶成長の効率化が可能となる。
ところで、単結晶SiCの成長メカニズムについて簡単に説明すると、熱処理に伴い単結晶SiC基板16と上部の多結晶SiC基板15との間に溶融したSiが侵入して、両基板16,15の界面に厚さ約30μm〜50μmの金属Si融液層17を形成する。この金属Si融液層17は、熱処理温度が高温になるにしたがって、薄くなり、30μm程度となる。そして、多結晶SiC基板2から流れ出したC原子はSi融液層を通して単結晶SiC基板16に供給され、この単結晶SiC基板1上に6H−SiC単結晶として液相エピタキシャル成長(LPE)する。このように、種結晶となる単結晶SiC基板16と多結晶SiC基板14との間が小さいため、熱処理時に熱対流が生成しない。このため、形成される単結晶SiCと、種結晶となる単結晶SiC基板16と界面が非常に滑らかとなり、この界面に歪み等が形成されない。したがって、非常に平滑な単結晶SiCが形成される。また、熱処理時にSiCの核生成が抑制されるため、形成される単結晶SiCの微小結晶粒界の生成を抑制することができる。本実施形態に係る単結晶SiCの育成方法においては、溶融したSiが単結晶SiC基板16と多結晶SiC基板15との間にのみ侵入することから、他の不純物が成長する単結晶SiC中に侵入することがないため、バッググランド5×1015/cm3以下の高純度の単結晶SiCを生成することが可能となる。
以上のように、本発明に係る熱処理装置によると、圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の真空、又は予め圧力10-2Pa以下好ましくは10-5Pa以下の高真空に到達した後に若干の不活性ガスを導入し、10-1Pa以下、好ましくは10-2Pa以下の希薄ガス雰囲気下において、短時間で1200℃〜2,300℃に加熱することができるため、被処理物として単結晶SiCを形成する場合、従来の単結晶SiCの液相成長法(LPE法)では、困難であった表面に10μm以上の幅広のテラスを有した単結晶SiCを形成することが可能となる。
なお、本発明に係る熱処理装置は、上述の実施形態例に限定されるものでなく、上述の単結晶SiCの液相成長法以外にも使用することが可能であり、短時間で1200℃〜2,300℃に加熱する特徴を利用して、例えば、半導体基板表面にイオンを注入した後、本装置によって短時間で、高温に加熱することで、イオンを注入した部分を確実に且つ効率良く結晶化等することが可能となる。なお、本発明に係る熱処理装置は、小型で、構造が比較的簡易であるため、イオン注入装置等他の装置との連結を容易に行うことができる。
また、従来、高速加熱を行う場合は、レーザやプラズマ等の特殊な方法が用いられていた。ところが、本発明に係る熱処理装置は、構造が簡易であると共に、他の装置、例えば、電子顕微鏡やイオン注入装置等と連結することが可能である。このため、従来の方法では、得られなかった新規な材料を創作できる可能性がある。
本発明に係る熱処理装置の一実施形態例の概略断面図である。 本発明に係る熱処理装置を用いた一実施形態例である単結晶SiCの形成に用いる密閉容器の一実施形態例の概略図である。 図2に示す密閉容器内に設置されている種結晶となる6H型の単結晶SiC基板と、この単結晶SiC基板を挟み込む多結晶SiC基板と、これらの間に形成される極薄金属Si融液の状態を示す図である。 図2に示す密閉容器の下容器にSiC基板を設置した状態を示す図である。 本発明に係る熱処理装置の他の実施形態例の一部拡大概略図である。
符号の説明
1 熱処理炉
2 加熱室
3 予備加熱室
4 前室
5 被処理物
5’ 密閉容器
5a 上容器
5b 下容器
6 ランプ
7 ゲートバルブ
8 テーブル
9 サセプタ
10 移動手段
11 加熱ヒータ
12 反射鏡
25 嵌合部

Claims (6)

  1. 被処理物を圧力10-2Pa以下の真空において1200℃〜2,300℃に加熱する加熱室と、
    前記加熱室に連結され、前記加熱室に被処理物を移動するための移動手段が設けられている前室と、
    前記前室に連結され、前記被処理物を10-2Pa以下の真空において予め800℃以上に加熱する予備加熱室と、を備えてなり、
    記被処理物を収納した容器を覆うように、前記加熱室の内部に加熱ヒータが設けられており、その加熱ヒータの周囲に反射鏡が配置されており、
    前記容器は上容器と下容器とを嵌合してなり、前記被処理物はこの容器に収納された状態で前記加熱ヒータにより加熱されることを特徴とする、熱処理装置。
  2. 前記加熱室は、圧力10-5Pa以下の真空で前記被処理物を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記加熱室は、前記圧力10-2Pa以下の真空とすることに代えて、圧力10-2Pa以下の真空に到達した後に不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下において前記被処理物を加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
  4. 前記予備加熱室は、前記被処理物を圧力10-5Pa以下の真空において予め800℃以上に加熱するように構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項までの何れか一項に記載の熱処理装置。
  5. 前記予備加熱室の加熱手段が、ランプ式加熱手段である請求項1から請求項までの何れか一項に記載の熱処理装置。
  6. 被処理物を1200℃〜2,300℃に加熱する加熱室と、前記加熱室に連結され、前記加熱室に被処理物を移動するための移動手段が設けられている前室と、前記前室に連結され、前記被処理物を予め所定の温度に加熱する予備加熱室と、を備えてなる熱処理装置による熱処理方法であって、
    前記被処理物を予め圧力10-2Pa以下の真空の予備加熱室で800℃以上に加熱した後、予め1200℃〜2,300℃に加熱された圧力10-2Pa以下、又は予め圧力10-2Pa以下の真空に到達した後に不活性ガスを導入した希薄ガス雰囲気下の加熱室に移動することで、前記被処理物を1200℃〜2,300℃に加熱するものであり、
    前記被処理物を収納した容器を覆うように、前記加熱室の内部に加熱ヒータが設けられており、その加熱ヒータの周囲に反射鏡が配置されており、
    前記容器は上容器と下容器とを嵌合してなり、前記被処理物はこの容器に収納された状態で前記加熱ヒータにより加熱されることを特徴とする、熱処理方法。
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