JP3739401B2 - 多環式ポリマーのブレンド物およびアロイ - Google Patents

多環式ポリマーのブレンド物およびアロイ Download PDF

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Description

発明の背景
ノルボルネン型のモノマーから誘導された付加重合体は、多くの物理的および機械的性質を示し、そのいくつかは非常に要望されているものであり、他のいくつかは要望が少ないか要望されないものである。例えば、ノルボルネンの付加ホモポリマー、例えばポリ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)は、光学透明性、低湿分吸収性および約380℃のガラス転移温度を有する極めて高い熱機械的抵抗性のような、いくつかの優れた特性を示す。他方、この同じホモポリマーは、多くの応用に要求されている改良された強靭性に対して大変脆いものである。ポリマーの性質を改良する良く知られた効果的方法は、保持している性質、例えば強靭性や熱分解温度を最大限に利用するため、他のポリマー(または複数のポリマー)とブレンドするかアロイとすることである。
ポリマーブレンド物は、2つもしくはそれ以上のポリマーの単なる混合物である。しかしながら、ポリマーブレンド物は、ポリマー種間の混合の自由エネルギーの値に基づいて非混和性かあるいは混和性のいずれかである。混合が負の自由エネルギーでは、熱力学は混和性ポリマーブレンド物に望ましく、典型的には一相系が得られる。混合が正の自由エネルギーでは、非混和性ポリマーブレンド体が得られ、典型的には多相系となる。ブレンド物のモルホロジーを変えるために、ブレンド物の界面の性質を変えなければならない。これを達成する1つの方法は、ブレンド物に相溶化剤を添加することである。ウトラッキ(L.A.Utracki;Polymer Alloys and Blends. Thermodynamics and Rheology. Hanser,Munich,1989,p.124)によれば、“相溶化のゴールは、所望のモルホロジーと性質を導く、安定でかつ再生しうる分散性を得ることである”。このことは、以下の方法で達成することができる。1)ポリマーブレンド物への線状、グラフトもしくはランダム共重合体の添加;2)共重合体、相互重合体(interacting polymers)または相互貫入網状体(interpenetrating networks)のいずれかをその場で生成されるためのブレンド物中での共反応(第2の重合性構成成分の存在下でポリマーの1つを合成することによって);または3)官能性基の導入によるホモポリマーの変性。多くの場合、これはポリマーアロイ、すなわち変性された界面またはモルホロジーを有する非混和性ポリマーが形成される。ポリマーアロイのモルホロジーは、選択された相溶化剤、添加された相溶化剤の量およびアロイの所望の性質に依存して、大変微細(サブミクロン)分散かもしくは相対的に大きい分散である。
非相溶性は、ノルボルネン型モノマーから誘導された炭化水素付加重合体(例えばポリノルボルネン)の場合には、特に、例外よりもむしろ規則である。ほとんどの例において、非相溶性ポリマーのブレンド物は、構成成分よりも良くない性質を有する大きいドメインを形成する。従って、相溶化剤の技術は、個々の欠陥を克服して構成成分の強度を最大限に利用するために通常採用される。種々の試みが、容易に加工できかつ改良された物理的性質を有するポリマー組成物を製造するために行われてきた。相溶化は、ポリマー間の特定の相互作用のためにある。この点において、共反応物質のグラフト化を促進するペンダント反応性基を有する官能性化ポリマーおよび改良された物質的性質を有するグラフト変性ポリマーおよびポリマーブレンド物を得るための他のポリマーの製造と使用が、方法の標的とされていた。代表的には、ポリマーを、官能性置換基を有するモノマーと共にモノマーを共重合することにより、官能性化することができる。しかしながら、ポリオレフィン特にポリノルボルネン型付加重合体は、モノマー中の極性基は触媒を汚染する傾向にあるから、共重合プロセスによって官能性化することは一般的に大変困難である。我々の知る限り、いろいろな他の非類似のポリマーと一緒に、ノルボルネン型モノマーから誘導された多環付加ポリマーのブレンド物およびアロイを作る試みはなされていない。
従って、ノルボルネン型モノマーの付加重合体と他のポリマー系とのブレンド物およびアロイを提供することは大変望ましいことである。
発明の要約
我々は、ノルボルネン型ポリマーを官能性化し、かくしてそのポリマーを相溶化し、それにより種々の他のポリマーとアロイ化することができ、優れたバランスの性質を有する新しいブレンド物、アロイおよびブロック共重合体を作り出すことが可能であることを見出した。
本発明の全体的な目的は、NB型モノマーから誘導された官能性化した多環付加重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、末端官能基を含有する多環付加重合体を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ペンダント官能基を含有する多環付加重合体を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ペンダントポリビニル性側鎖ブロックおよび無水マレイン酸グラフトを有する多環重合体の遊離ラジカルグラフト共重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、多環付加重合体および反応性と非反応性の弾性重合体のその場での重合ブレンド物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、塩素化された多環付加重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、多環付加重合体およびポリスチレンの混和しうるブレンド物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、所望の反応を達成するために、適合した官能性末端基および官能性ペンダント基を与えることができる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ペンダントポリノルボルネン型側鎖ブロックを有するオレフィン性A−Bブロック共重合体を製造することにある。
本発明のさらなる目的は、本発明の末端官能性多環付加重合体に、共反応性の単官能性および二官能性の重合体物質を反応させて、A−B及びA−B−Aブロック共重合体を製造することにある。
我々は、NB型モノマーから誘導された多環付加重合体を官能性化して、次のように利用できる新しい物質を作ることが可能となることを見出した。1)他の官能基含有ポリマーの製造のための中間体;2)ブロック共重合体の製造のためのセグメントポリマー;3)グラフト共重合体の製造のための基質ポリマー;4)その場でポリマーブレンド物の製造における構成成分としてのポリマー;5)混合しうるブレンド物におけるポリマー;6)ポリマーブレンド物のための相溶化剤、および7)熱硬化系。
これらおよび他の本発明の目的は、下記方法および官能性化PNB組成物によって達成される。明細書を通して使用されるとおり、“PNB”という用語は、下記構造IIで表されるポリマーを意味する。
詳細な説明
本発明の多環付加重合体は、下記構造を有する少なくとも一種のノルボルネン型(NB−型)モノマーから誘導される。
Figure 0003739401
ここで、R1からR4は独立して水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル;ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル;置換および分岐(C5〜C15)シクロアルケニル;(C6〜C24)アリール;(C7〜C15)アラルキル;線状および分岐状(C2〜C20)アルケニル;(C3〜C20)アルキニル;R1とR2もしくはR3とR4のいずれも一緒になって(C1〜C10)アルキリデン基を形成することができる。;R1およびR4はそれらが結合している2つの環炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和環状基あるいは6〜17炭素原子の全ての芳香族基を表すことができる。;そしてnは0、1、2、3または4である。明細書および請求の範囲において、構造IとIIおよび全ての構造においてnが0の場合、二環構造が存在し、置換基R1〜R4は二環リングにおいてそれぞれのリング炭素原子に結合していることが理解される。ヒドロカルビルの場合、置換基が炭素原子および水素原子のみからなることを意味する。代表的なヒドロカルビル置換基は、線状および分岐状(C1〜C10)アルキル、および、線状および分岐状(C2〜C15)アルケニルを含んでいる。
本発明の明細書を通して使用される“NB型モノマー”の用語は、ノルボルネンと同じように、その全ての高環状誘導体がモノマーとして上記構造に示した少なくとも1つのノルボルネン単位を含有している限り含まれることを意味する。
構造Iの代表的なモノマーは、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−ヘキセニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、テトラシクロドデカジエン、ジメチルテトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデニルテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン、シクロペンタジエン三量体(例えば、対称性および非対称性三量体)。
前記構造Iで説明したモノマーから誘導された多環ポリマー(NB−型ポリマーまたはPNBポリマー)は、下記構造で表される。
Figure 0003739401
ここで、R1〜R4およびnは前記定義であり、aはポリマー中に存在する繰り返し単位の数を表す。本発明は、一般的に構造IIで示される繰り返し単位を含むホモポリマーおよび共重合体を対象にする。本発明のNB−型モノマーから誘導される構造繰り返し単位は、ノルボルネン単位(例えば2,3−鎖)に存在する二重結合から誘導される結合を経由してポリマー骨格に挿入される。繰り返し単位は、単位間に全く中間結合することなく、直接1つの他の単位に結合する。ポリマー骨格は、オレフィン性不飽和結合を含まない。
本発明の最初の態様においては、官能性化PNBは、末端オレフィン性不飽和結合を有するPNBから製造することができる。末端オレフィン性とは、下記のとおり、PNBがα−オレフィン、イソブチレンまたはジイソブチレンで末端化されることを意味する。
Figure 0003739401
ここで、R5は水素、または線状もしくは分岐状(C1〜C10)アルキルである。代表的なR5置換基は、水素、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル,t−ブチル、およびペンチル基を含んでいる。不飽和結合を含有している末端オレフィン性不飽和結合および末端イソブチレンまたはジイソブチレンポリノルボルネン型ポリマーは、ここに引用して記載された1994年11月15日出願のU.S.S.N.08/829,863の特許出願番号(出願中)の触媒系の新規な鎖延長機構によって製造される。ビニル−末端化およびイソブチレン−末端化PNBのような末端不飽和化PNBは、そのポリマー鎖の端部に、特に官能性化PBNのホストを接近することにより導入される。これらのポリマー鎖末端官能性PNBは、炭素−炭素二重結合化学の分野の業界において知られた多くの理論的と同様に触媒的反応によって実施される。
末端のオレフィン性単位を有するPNBは、エポキシ、モノアルコール、ジオール、無水物、アルデヒド、カルボキシレート、ジカルボキシレート、アミド、ニトリル、アミンおよびスルホネート単位、これらに限定されないが、によって官能性化することができる。
末端PNB−エポキサイドは、下記のように、適当な溶媒中で、α−オレフィンもしくはイソブチレン末端化PNBおよびm−クロル−過安息香酸(MPBA)の反応によって製造することができる。
Figure 0003739401
また、末端PNBエポキサイドは、Ind.Eng.Chem.Res.1998,27,2196においてブラッドベリー(J.H.Bradbury)およびセネカ・ペレラ(M.C.Seneka Perera)によって掲載されたように、t−ブチルパーオキサイドまたは過酸化水素と酢酸との混合物のような他のハイドロパーオキサイドまたはハイドロパーオキサイド混合物との反応によって製造することができる。また、PNB−エポキサイドは、Aldrichimica Acta 1979,12,63においてシャープレス(K.B.Sharpless)およびフェルホーヘン(T.R.Verhoeven)によって詳しく述べられているように、良く知られた遷移金属触媒を使用して、触媒的エポキシ化を経由して製造することができる。
末端PNB−モノアルコールは、下記のとおり、適当な溶媒中、過酸化水素およびNaOHによってビニル末端化PNBを9−ボロビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)と反応させることにより製造することができる。
Figure 0003739401
末端無水物化−PNBは、イソブチレン末端化PNBおよびマレイン酸無水物の反応(エン反応)によって製造することができる。この反応は、理論的には下記のとおり表される。
Figure 0003739401
さらに、末端無水物化−PNBは、酸性または塩基性の条件下で反応させてジカルボキシレート官能性PNBを形成させることができる。
ジオール末端化PNBは、エポキシ末端化PNBとHClO4/H2O(過塩素酸)との反応により製造することができる。この反応式を下記に示す。
Figure 0003739401
アルデヒド末端化PNBは、下記に示すとおり、イソブチレン末端化PNBのハイドロホルミル化により製造することができる。
Figure 0003739401
さらに、アルデヒド末端単位は、触媒的に水素と反応させてアルコール末端化PNBを形成することができることが考えられる。この転換は、コールマン(J.P.Collman)、ヘジダス(L.S.Hegedus)、ノートン(J.R.Norton)およびフィンケ(R.G.Finke)による、Principles and Applications of Organotransition Metal Chemistry、University Science Books、Mill Valley CA,2nd ed.,1987,p.621およびパーシャル(G.W.Parshall)およびイテル(S.D.Ittel)による、Homogeneous Catalysis);John Wiley & Sons,2nd ed.,1992,p.106に記載されているように、オキソ法としてこの分野の業界に良く知られている。この転換は、典型的には、ホスフィン−変性ジコバルトオクタカルボキシルおよびホスフィン−変性ロジウム錯体のような適当なコバルトまたはロジウム触媒を使用することにより実施される。
さらに、末端オレフィン性不飽和化PNBの触媒的転換は、アザカルボニル化、ヒドロカルボキシル化およびヒドロシアノ化、これらに限定されないが、が考えられ、アミド−官能化、カルボキシレートまたはカルボン酸−官能化およびニトリル−官能化PNBがそれぞれ得られる。アザカルボニル化は、典型的には、タチチェンコ(I.Tkatchenko)による、Comp.Organomet.Chem.G.Wilkinson,F.G.A.Stone,E.W.Abel,eds.,Pergamon,1982,vol.8,p.172に掲載されているように、主にニッケルおよびコバルト触媒の存在下で、そしてアンモニア、脂肪族アミンまたは芳香族アミンの存在下で実施される。ヒドロカルボキシル化は、典型的には、パーシャル(G.W.Parshall)およびイテル(S.D.Ittel)によって、Homogeneous Catalysis);John Wiley & Sons,2nd ed.,1992,p.101に記載されているように、ジコバルトオクタカルボニルのようなコバルト触媒の存在下、CO加圧下、アルコール(カルボキシレート形成のため)または水(カルボン酸形成のため)のいずれかの共溶媒中で実施される。ヒドロシアノ化は、典型的には、パーシャル(G.W.Parshall)およびイテル(S.D.Ittel)によって、Homogeneous Catalysis);John Wiley & Sons,2nd ed.,1992,p.42に記載されているように、ニッケルテトラキス(ホスフィン)またはホスファイト錯体およびシアン化水素の存在下で実施される。さらにニトリル官能性基は、リチウムアルミニウムハイドライドのような理論的反応試剤またはRhH(PPri 33のような触媒とH2、あるいはアルコール中でラネーニッケルおよびソジウムボロハイドライドを使用して末端アミン官能性基へ水素化される。
さらに本発明の態様は、アセチルサルフェート(硫酸および無水酢酸の混合物)のようなスルホン化剤を使用して末端オレフィン性不飽和PNBをスルホン化することを含んでいる。これは、末端オレフィン性不飽和PNBを、水酸化チリウムまたは水酸化マグネシウムのような塩素を使用して中和されてもよい硫酸中で転換し、アイオノマー性の種(species)を形成する。
アクリレート末端化PNBは、下記反応式で示されるとおり、ヒドロキシ末端化PNBおよびアクリロイルクロライドの反応によって製造することができる。
Figure 0003739401
本発明の末端官能性PNBの製造において使用される末端オレフィン性、イソブチル、およびジイソブチルPNBポリマーは、適当な溶媒中で一種またはそれ以上のノルボルネン型モノマー、鎖延長剤(CTA)の存在下、[(クロチル)Ni(COD)][LPF6]触媒の全てよりなる反応混合物から製造することができる。CTAは、隣接する炭素原子間に末端オレフィン性二重結合を有する化合物から選択される。ここで隣接する炭素原子の少なくとも1つは、それらに結合した2つの水素原子を有している。CTAは下記式によって表される。
Figure 0003739401
ここで、R5は前記のとおり定義される。好ましいCTAは、エチレン、プロピレン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−デセンおよび1−ドデセンを含んでいる。
CTAは、それぞれのPNB鎖上に、末端基として専ら導入される。CTAは、PNB骨格中に共重合されない。その代表的構造を下記に示す。
Figure 0003739401
ここで、Qは上記に定義されたCTAから誘導される。
本発明の末端官能性PNBポリマーは、PNBポリマー上の末端官能基と反応性である官能基を含有する全ての共反応性単位(moiety)と反応することができる。その共反応性単位は、モノマー状、オリゴマー状またはポリマー状であることができ、また、その用語は、ここでは、共反応性の可塑剤、潤滑剤、衝撃改良剤、熱歪改良剤、加工助剤(aid)、相溶化剤および重合体を意味するものとして使用される。
本発明の末端官能性PNBは、そのPNB上の末端官能と反応性である官能基(好ましくは末端官能性)を有する共反応性ポリマー、オリゴマーまたはマクロモノマーと一緒に、PNBのA−BおよびA−B−Aブロック共重合体を製造するのに用いることができる。
本発明によって製造することができるブロック共重合体の例は、モノヒドロキシ末端化PNBと単官能性単位(例えば酸クロライド)との反応であり、下記のとおり、A−Bブロック共重合体が得られる。
Figure 0003739401
ここで、R6はポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリメチルメタアクリレート、ポリブチルアクリレートのようなポリアルキルアクリレート、または酸に対して官能性化されたアニオン的に重合したポリマーを表す。
二官能性酸クロライドを使用する場合、下記のとおり、A−B−Aブロック共重合体を得ることができる。
Figure 0003739401
ここで、R7はポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリブチルアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミド酸エステル、ポリエーテルを表す。
単官能性イソシアネートを使用した場合、下記のとおり、PNBはウレタン基で末端封鎖(capped)される。
Figure 0003739401
ここで、R8はヒドロカルビルおよび(トリアルコキシ)シリルイソシアネートのようなシリルである。ヒドロカルビルは、線状および分岐状(C1〜C15)アルキル、線状および分岐状(C1〜C2)アルケニル、(C6〜C20)アリールおよび(C6〜C15)アラルキルを意味する。
ジイソシアネートの場合、下記のA−B−Aブロック共重合体が形成される。
Figure 0003739401
ここで、R9はポリウレタン、ポリ尿素およびポリチオ尿素を表す。
ビニル末端化PNBは、スペイアー(J.L.Speier)のAdvances in Organometallic Chemistry1979,Vol.17,p.407に掲載されているように、白金触媒の存在下でヒドロシリル化反応に供することができ、下記のとおり、PNBがポリシロキサンブロックと共にAブロックであるA−B−Aブロック共重合体が得られる。
Figure 0003739401
ここで、R10は独立して(C1〜C15)アルキル、(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C24)アラルキルを表し、mは2〜10であり、aはシロキサン単位の繰り返し単位数を表す。
同じ方法で、エポキシ末端化PNBは、二官能酸末端化ポリブタジエン(HOOC−ポリブタジエン−COOH)または脂肪族二酸(HOOC−R−COOH)と反応させることができ、A−B−Aブロック共重合体製品を得ることができる。
その上、例えば、アリル末端化ポリイソブチレンのような末端オレフィン不飽和結合を有する重合体は、本発明の態様であるオレフィン末端化PNB出発原料の製造に使用される鎖延長機構により、PNBの末端部分に直接付加することができる。この方法では、種々のPNB A−Bブロック共重合体を合成することができる。ポリマー性鎖延長剤として機能する他のポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン/プロピレン(ジエン)ラバーのようなオレフィン性末端化ポリオレフィンである。
本発明の他の態様においては、官能性化PNBは、多環構造繰り返し単位からのペンダント(例えばペンダントオレフィン性PNB)であるオレフィン性不飽和結合を含有するPNB出発原料から製造することができる。ペンダントオレフィン性不飽和結合を有する基は、末端部分が、不飽和二重結合が置換(C5〜C8)シクロアルケニルおよび(C5〜C8)融合環シクロアルケニル構造である(C1〜C10)アルキリデン、(C2〜C10)アルケニルである。好ましい置換基は、エチリデン、ビニル、シクロヘキセニル、および多環繰り返し単位上に隣接する2つの炭素原子と一緒になったシクロペンテン環(例えばジシクロペンタジエン)である。ペンダント不飽和結合を有する代表的なPNBを下記に示す。
Figure 0003739401
ここで、aはポリマー中の繰り返し単位の数を表す。官能性化PNBは式Iに示す繰り返し単位を含むものと理解されるべきである。
前記のポリマーは、式Iから選択された1個またはそれ以上のモノマーから重合される。ホモポリマーおよび共重合体は、本発明の態様の範囲内に包含される。
ペンダント不飽和結合を有するPNBは、ニッケル−ベース触媒を使用して、それぞれの共モノマー構成成分の共重合により製造される。ニッケル−ベース触媒システムは、共重合モノマーのジクロルエタン溶液中へのニッケル−(II)エチルヘキサノエートの添加および所望により分子量制御のための適当な鎖延長剤(1−デセンのようなα−オレフィン)の添加、続いてトリアルキルアルミニウム(例えば、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウムなど)の添加、引き続いて塩素化活性化剤(例えば、ヘキサクロルアセトン、クロラニルなど)の添加を含んでいる。さらに、ニッケル−ベース触媒システムは、ニッケル−(II)エチルヘキサノエートにHSbF6のようなブレーンステッド酸の添加、続いてこの混合物の共モノマー(随時、鎖延長剤を含んでもよい)のジクロルエタン溶液への添加、引き続いてBF3・Et2Oおよびトリエチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウムの添加を含んでいる。
末端オレフィン性不飽和結合を含有するPNBと共に、ペンダント不飽和結合を含有するPNBは、官能化され、エポキシ、モノアルコール、ジオール、カルボキシレート、無水物、スルホネート、アミド、ニトリルおよびアミンを形成することができる。ペンダントオレフィン性基を含有するPNBは、末端オレフィン性基を含有するPNBのための前記したような同じ方法で製造することができる。下記の反応式は、エポキシ化によるペンダントオレフィン性PNBの官能性化を説明するものである。
Figure 0003739401
ペンダントエポキサイド官能性基は、末端官能性エポキサイドの態様において前述したようにジオールに転換することができる。末端官能性エポキシPNBの場合のように、ペンダントエポキサイド官能性基を有するPNBは、前記した酸および二酸クロライドと共反応させて、A−BおよびA−B−Aブロック共重合体を得ることができる。一般に、エポキサイドペンダント官能性基は、前記したモノエポキサイドが反応する全ての反応を行うことができる。
PNB/ENB、PNB/ビニルノルボルネン、PNB/シクロヘキシルノルボルネンおよびPNB/DCPDのようなポリノルボルネン共重合体、より好ましくは反応性不飽和基を含有するPNB/DCPD共重合体であって225〜15,000g/モルの分子量(Mn)の範囲の共重合体は、過酢酸、過安息香酸、m−クロル過安息香酸、最も好ましくはm−クロル過安息香酸のような過酸を使用してエポキシ化することができる。このようにしてエポキシ化されたPNB共重合体は、標準的エポキシ調製物における多官能性エポキシ物質として使用することができる。かくしてエポキシ化PNB共重合体は、Epon828、エポキシフェノールノボラック樹脂、エポキシクレゾールノボラック樹脂、3',4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカーボネート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、2−(3',4'−エポキシシクロヘキシル)−5,1'−スピロ−3',4'−エポキシシクロヘキサン−1,3−ジオキサン、最も好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシルオキシランのような芳香族および脂肪族の両方のジおよび多官能性エポキシ化合物に溶解し、そしてハードナーまたは硬化剤で処理することができる。これらの剤は、加工方法、硬化条件および所望する性質によって選択される。ハードナーは、現実には、触媒的または共反応的のいずれでもよい。触媒的硬化剤は、トリアルキルアミン、ボロントリフルオライドアミン錯体およびアリールジアゾニウム塩、ジアリールアイオドニウム塩およびVI族金属のオニウム塩のような光開始されたカチオン性硬化剤、特に正に電荷された硫黄化合物であることができる。最も好ましい触媒的ハードナーは、ボロントリフルオライドアミン錯体である。共反応性ハードナーは、メチレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアノジアミド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、好ましくはジアミノジフェニルスルホンのような第一級および第二級の脂肪族および芳香族アミン;脂肪族および芳香族メルカプタン;ジおよび多官能性イソシアネート;ジおよび多官能性ポリエステルおよびポリエーテル、カルボン酸および酸無水物から選択することができる。選択された酸無水物は、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナディックメチル酸無水物およびクロレンディック(chlorendic)酸無水物である。エポキシ化PNB共重合体を10〜50重量%、最も好ましくは5〜25重量%含有するエポキシ樹脂を、選択したハードナーおよび所望のネットワークの性質によって約80℃〜約200℃の温度でハードナーと処理することができる。最も好ましい温度は150℃である。物質を含有するこれらPNB共重合体は、使用するエポキシ化PNB共重合体の分子量および官能性基によって、現実にはPNB相のドメインサイズで分離した相である。本発明の多官能エポキシ物質は、高いガラス転移温度、低い吸湿性、良好な電気的性質、良好な汚染/溶媒抵抗性および低い硬化収縮性を有する架橋化物質を与える。
また、熱硬化性樹脂は、適当な溶媒中で、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシアセテートおよびα−クミルパーオキシネオデカノエートのようなフリーラジカル重合開始剤の存在下で、ペンダントビニル、エチリデンのようなアルキリデン、融合環シクロペネチル、シクロぺンテニルおよびシクロヘキセニルを含有するホモポリマーもしくは共重合体を加熱することにより、ペンダント不飽和結合を有するPNBから製造することができる。適当な溶媒は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素を含んでいる。パーオキサイド開始剤の量は、ポリマー当たり、約0.1〜5.8重量%の範囲である。
多環付加重合体の極めて高い温度特性のために、その重合体と、標的システムの熱歪特性を高くするため、それより低い高温特性(例えば熱歪)のポリマーシステムとをブレンドすることが有利である。しかしながら、効果的なブレンド体を製造するためには、ポリマー成分は少なくとも部分的に混和性であること、およびドメインサイズのある程度のコントロールが達成されることが必要である。例えば、高温度応用品、例えば高温度パイプなどにおける商業的応用性を拡げるために、CPVCの熱歪温度を改良することは大変望ましいことである。しかしながら、CPVCおよびポリノルボルネン(非−官能性化)は全く非混和性であり、得られたブレンド物は、性質上有利な改良を示さない。我々は、PNB(例えば、末端および/またはペンダント官能性)にエポキシ官能基を導入することによって、脱水素ハロゲン化に対してエポキシ単位の効果を安定するのに特に優れている、光学的に透明なCPVCとのブレンド物が得られることを見出した。
本発明のブレンド物に使用するのに適当なCPVC重合体は、すぐに商業的に入手可能である。その塩素含有量は、典型的には約61〜約72重量%、好ましくは約63〜約68%重量%の範囲である。CPVCの固有粘度は、約0.46〜約1.2、好ましくは約0.68〜約0.92の範囲である。固有粘度(I.V.)は、ポリマーの分子量の代表的な測定法であり、ASTM D−1243−66によって測られる。
本発明の他の態様においては、NB−型モノマーから誘導される多環ポリマーは、PNBの多環骨格へまたはそれからグラフト化された側鎖を形成しているフリーラジカル重合性モノマーをグラフト化することにより変性することができる。この態様においては、ビニル不飽和結合、例えばH2C=C<を含有するフリーラジカル的に重合しうるモノマーをPNBの存在下に重合することができる。PNBを、PNBおよびビニル−型のモノマーの通常の溶媒中に溶解する。フリーラジカル触媒開始剤を媒体に添加し、次いでその媒体を高い温度に加熱してグラフト化反応を行う。
適当な溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素が含まれる。好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼンおよびクロルベンゼンのような芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素である。ビニル型モノマーは、それがPNBを溶解することができる限り、溶媒としても機能することができる。例えばPNBは、スチレン中に可溶であることが観察される。この場合、追加的な溶媒は不必要である。
反応の温度範囲は、約80℃から、約150℃好ましくは約120℃である。
適当な触媒開始剤としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、5−ブチル−パーオキシネオデコネート、t−ブチルクミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびジ−sec−ブチル−パーオキシカーボネートのような有機パーオキサイドが含まれる。好ましいパーオキサイドは、ジ−t−ブチルパーオキサイドである。
ビニル型モノマーの例としては、スチレン、アクリレート、メタアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリルおよびビニルモノマーがある。
スチレンは下式の化合物から選ばれる。
Figure 0003739401
ここで、nは独立して0、1、2、3、4または5であり、R10は水素またはメチルであり、そしてR11は独立して水素、ハロゲン、線状および分岐状(C1〜C6)アルキル、(C6〜C12)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリーロキシ、−N(R12)2、−SO212およびトリフルオロメチルを表し、ここでR12は独立して水素、線状および分岐状(C1〜C10)アルキルおよび(C6〜C12)アリールを表す。前記式の好ましい化合物としては、スチレンおよびα−メチルスチレンが含まれる。
アクリレートおよびメタアクリレートは下記式の化合物から選ばれる。
Figure 0003739401
ここで、R12は水素、線状または分岐状(C1〜C5)アルキル、(C6〜C12)アリール、ニトリルおよびハロゲンであり、R13は水素、線状または分岐状(C1〜C20)アルキル、(C1〜C10)ヒドロキシ置換アルケニルである。
アクリルアミドとしては下記式の化合物から選ばれる。
Figure 0003739401
ここで、R15は水素、線状または分岐状(C1〜C5)アルキル、(C6〜C12)アリールおよびハロゲンであり、R16は独立して水素、線状または分岐状(C1〜C5)アルキルおよび(C6〜C12)アリールを表す。
アクリロニトリルとしては下記式の化合物から選ばれる。
Figure 0003739401
ここで、R17は水素、線状または分岐状(C1〜C5)アルキル、(C6〜C12)アリール、ハロゲンおよびニトリルである。
ビニルモノマーとしては下記式の化合物から選ばれる。
Figure 0003739401
ここで、R18は水素、Cl、BrおよびF、線状または分岐状(C1〜C5)アルキル、(C6〜C12)アリールであり、XはCl、Br、F、線状または分岐状(C1〜C5)アルキル、(C2〜C20)アルケニル、(C6〜C12)アリール、(C6〜C18)アリールエーテル、−OAc、アリールエーテル、トリ(C1〜C10)アルコキシシランおよびアリル(C1〜C10)トリアルコキシシランである。
好ましい態様においては、PNB骨格上にペンダント不飽和結合を含有するPNBは、PNB骨格上に対してフリーラジカル的に重合した側鎖のグラフト化が促進されることが見出された。アリル性の水素原子(橋頭堡水素を除く)は、フリーラジカル的に重合したビニル型モノマーのより効果的なグラフト化のアクティブサイトを有しているものと考えられる。
本発明の他の態様は、弾性体を適当な溶媒中でノルボルネン型モノマーと溶液ブレンドする方法およびポリマー組成物に関する(例えば、この溶媒はノルボルネン型モノマー、得られるノルボルネン型ポリマーおよびエラストマーを溶解するが、重合を阻害しないものである)。ノルボルネン型モノマーを、第VIII族遷移金属化合物を有機アルミニウム化合物と組み合わせ、また随時、ルイス酸、ブレーンステッド酸およびハロゲン化化合物から選ばれた第3の化合物よりなる多成分触媒系の添加によって重合する。この触媒は、引用例として記載されている1994年11月15日出願された特許出願中のU.S.S.N.08/829,863に記載されている。この一段プロセスでは、溶融ブレンドによって得られるものより、弾性体と得られるポリノルボルネンとのより緊密な混合物もしくはブレンド物が形成される。このプロセスは、ここでは、共役結合はその後に形成されたPNBと弾性体との間には起こらないので、その場でのブレンド化は非反応性であると記載されている。同じモルホロジーが、完全に重合されたPNBと、弾性体とブレンドし混合した溶液によって得られる。同様に、適当な可塑剤との未反応ブレンド物は、ブレンドでは低下したガラス転移を示すNB−型ポリマーと混和性であることが見出された。適当な可塑剤としては、水素化されたペンタジエンオリゴマー(Exxon Chemicalsにより商品名Escorez▲R▼にて販売されている)およびC14〜C34、最も好ましくはC24〜C30の範囲の線状および分岐状のアルカンが含まれる。
この場合、弾性体は、低いガラス転移温度(Tg)を有する全て重合体物質として定義される。低いガラス転移温度は、室温より低いTgとして定義される。弾性体の例としては、ブチルゴム、ポリイソブチレンおよびエチレン/プロピレン(ジエン)ゴムが含まれる。他の適当な弾性体としては、ポリシロキサン(例えばポリジメチルシロキサンなど)およびポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタアクリレートなど)が含まれる。
ノルボルネン型ポリマーとその場で非反応性のブレンド体を形成するのに適当な弾性体の性質を有する他のクラスの重合体としては、KRATON▲R▼の商標名で入手し得るスチレン−ブタジエン−スチレンの水素化A−B−Aブロック共重合体がある。これらの熱可塑性弾性体は、本発明のノルボルネン型ポリマーとブレンド物を形成し、透明であり、当然、大変小さい(例えば可視光の波長より小さい)粒子径モルホロジーであるので、特に優れている。
本発明のさらなる態様は、ペンダント不飽和結合もしくは末端基不飽和結合を含有する弾性体を、ノルボルネン型モノマーと適当な溶媒中で溶液ブレンドする方法および組成物である(例えば、この溶媒は、モノマーおよび弾性体を溶解し、次の重合を阻害しないものである)。ノルボルネン型モノマーを前記した触媒システムの添加により重合する。この方法においては、前記触媒は、A−Bくし型またはジブロック共重合体を形成する独特な鎖延長反応を進めるので、成長しているノルボルネンポリマーと弾性体との間で化学結合が形成される。このプロセスは、ここでは、その場での反応性ブレンド化と云うことにする。
適当な弾性体の例としては、ブタジエンおよびイソプレンゴム、アリル末端化ポリイソブチレンまたはエチレン/プロピレン(ジエン)ゴム、シロキサン、これらは全てペンダントまたは末端基に不飽和結合を含有している、を含んでいる。本発明のPNBとその場での反応性ブレンド物を形成するのに適当な弾性体の性質を有する他のクラスのポリマーは、KRATON▲R▼の商標名で入手し得るスチレン−ブタジエン−スチレンのA−B−Aブロック共重合体である。適当な不飽和結合は、前記触媒を使用して鎖延長反応を進める炭素−炭素二重結合と定義される。その二重結合は、ビニル基およびビニリデン基を含んでいる。
本発明のさらなる態様は、末端官能性PNBマクロモノマーを適当なチーグラーナッタ触媒システムを用いてオレフィンと共重合して、ペンダントノルボルネン側鎖ブロックとA−Bくし型ブロック共重合体を製造するプロセスである。適当な末端官能性PNBは、ビニル末端化PNBを含んでいる。この場合適当なオレフィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテンおよび長鎖のα−オレフィンおよびそれらの混合物を含んでいる。適当なチーグラーナッタ触媒システムとしては、TiCl3のようなチタンベース触媒とジエチルアルミニウムクロライドとの組み合わせ、MgCl2上のTiCl4のような支持されたチタン触媒とAlEt3との組み合わせ、VOCl3-x(OR)x(ここで、x=0〜3であり、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリール、アルケニルまたはアルアリールのようなヒドロカルビル置換基である)のようなバナジウム触媒とAlR3-xClx(ここで、x=0〜2であり、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリール、アルケニルまたはアルアリールのようなヒドロカルビル置換基である)との組み合わせ、または、メタロセン型触媒とメタアルミノキサンあるいはトリアルキルアルミニウムおよび活性化剤との組み合わせを含んでいる。適当なメタロセン触媒としては、非置換、置換、架橋または非架橋された1つもしくは2つのシクロペンタジエニル配位子を含有する第IV族金属(チタン、ジルコニウムおよびハフニウム)に基づいた触媒を含んでいる。代表例としては、これらに制限されないが、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレン架橋化ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル架橋化ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドおよびジメチルシリル架橋化ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドを含んでいる。適当な活性化剤としては、強い中性ルイス酸およびイオン性ブレンステッド酸を含んでいる。前者の活性化剤の例としては、制限されないが、トリス(パーフルオロフェニル)ボロンを含んでいる。後者の活性化剤の例としては、制限されないが,N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートおよびトリチルテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートなどを含んでいる。典型的な支持体は、シリカまたはアルミナを含んでいる。
さらに説明すると、イソブチレン−末端化官能性基含有ポリノルボルネンを適当なカチオン性開始剤の存在下でイソブチレンと反応させて、ポリノルボルネンペンダント側鎖ブロックとくし型A−Bブロック共重合を形成させることも本発明の範囲内である。適当なカチオン性開始剤としては、制限されないが、エチルアルミニウムジクロライド、アルミニウムトリクロライド、ボロントリクロライド、チタンテトラクロライドなどのようなルイス酸を含んでいる。
ポリマーを塩素化することは良く知られている。商業的な塩素化ポリマーの例としては、塩素化ポリエチレンおよび塩素化ポリビニルクロライドを含んでいる。典型的には、これらのポリマーは、溶液、サスペンジョンまたは固体状態で、UV光の存在下または加熱して、ポリマーに塩素を付加することにより塩素化される。ポリビニルクロライドの場合、塩素化は、商業的に重要な熱歪温度と同じ程度にポリマーのガラス転移温度を増大させる。これらの性質に加えて、ポリマーの塩素化は、他のポリマーとの溶解特性および相溶化性を変える。これまでPNBが塩素化できることは明らかでなかった。本発明において、我々は、本発明の多環付加重合体を塩素化することが可能であることを示した。このことは、本発明の他の態様と考えられるべきである。また、多環付加重合体のクロルスルホン化も、本発明中に含まれる。典型的には、これは、UV光の存在下もしくは加熱により、PNBポリマーに対して塩素と二酸化硫黄の付加またはスルフリルクロライドの付加によって行われる。
前記したように、2つのポリマーを相溶化する方法の1つは、ブレンドされるべき2つまたはそれ以上のポリマーと特定の相互作用(interaction)を形成することができる共モノマー構成成分を含有しているランダム共重合体を添加することである。このタイプの方策は、本発明のポリノルボルネンにも当てはまる。2つまたはそれ以上のポリマーと特定の相互作用する選ばれた共モノマーとノルボルネンとをランダム共重合して、2つまたはそれ以上のポリマー間のブレンド体および/またはアロイを形成させることは、本発明のさらに他の態様である。このタイプの方策の例としては、ノルボルネンと5−フェニルノルボルネンとを共重合して、ポリスチレンやポリα−メチルスチレンのような全てのアリール含有の(コ)ポリマーを混合することができるランダム共重合体を形成させる方法がある。この場合、ポリスチレンとノルボルネン/5−フェニルノルボルネン共重合体との特定相互作用は、アリール含有ポリマーのフェニル基とノルボルネン共重合体の5−フェニルノルボルネンのフェニル基とのπ−π相互作用によって特徴付けられる。他の例としては、制限されないが、ノルボルネンとアクリレート−官能性ノルボルネンとを共重合して、ポリビニルクロライドのような塩素化ポリマーとアクリレート−官能性ポリノルボルネンとの間の特定相互作用は、双極子−双極子(dipole−dipole)として特徴付けられる。さらに他の例としては、制限されないが、酸−官能性ノルボルネンとノルボルネンとを共重合し、リチウムやマグネシウムハイドロオキサイドのような塩基で中和することによって、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドのようなポリアルキレンオキサイドとのブレンド物を形成させることが含まれる。この場合、ポリアルキレンオキサイドと中和された酸−官能性ノルボルネン共重合体との間の特定相互作用は、イオン−双極子(ion−dipole)として特徴付けられる。
ポリエチレンおよびプロピレンのようなポリオレフィン上に無水マレイン酸をグラフト化することは、典型的な親水性ポリマーの物理的化学性質を改良して、接着性、染色性を促進し、また他の化学的性質の機能性化を付与することは度々行われており、このことは当業者に良く知られている[トリベルディーおよびクルバートソン(B.C.Triveldi and B.M.Culbertson)、Maleic Anhydride, Plenum Press,New York,1982参照]。グラフト化は、代表的には、機械化学(mechanochemical;射出のような)、フリーラジカル開始剤を用いる機械化学、フリーラジカル、イオン性および放射線−開始技術を用いて達成される。グラフト化されるポリマーの化学的性質によって、フリーラジカル“エン(ene;間接置換付加)”またはディールスアルダー反応方式が採用される。溶媒を用いてポリエチレンおよびポリプロピレンに無水マレイン酸をグラフト化するには、代表的には、遊離ラジカル法を、溶媒としてキシレンを、また開始剤としてベンゾイルパーオキサイド中で、90〜130℃の温度で実施するか、あるいは、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートもしくはジ−t−ブチルパーオキサイドを用いて、クロルベンゼン(またはジクロルベンゼン)中で還流する方法が使用される。また文献には、次のアミンとの反応は、潤滑剤のための洗浄添加剤を製造することが説明されている(Shell International、オランダ特許第2,969(1965))。グラフト化される無水マレイン酸の含有量は、典型的には0.1〜5重量%の間である。射出グラフト化は、ポリエチレンおよびポリプロピレン(T>200℃)では、代表的溶融射出温度で起こり、また、遊離ラジカル開始剤の存在下で起こる。無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレンは、そのポリプロピレン中の無水マレイン酸単位とナイロンのアミノ残基との反応によって、ナイロン6と増加した分散性化を示すことが観察された[井出および長谷川(F.Ide and A.Hasegawa、J.Appl.Polym.Sci.,18(4),963(1974))]。グラフト化は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリイソブチレン、ポリビニルアセタール、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリレート、他のポリ−α−オレフィンおよびフルフリル残基を含有するポリマーを包含する種々のポリマーに起こることが示された。
我々の知見では、以前には、ノルボルネン型付加重合体は合成されなかった。我々は、本発明のホモ−および共重合体PNBは無水マレイン酸と反応し(遊離ラジカル機構によって)、無水コハク酸のグラフト物を形成することを見出した。さらに、PNB/無水コハク酸グラフト共重合体は、無水コハク酸と共反応性の官能性基を含む種々の単位と反応することが可能である。
多環重合体は、不飽和カルボン酸またはその誘導体とグラフト化される。ここで使用される不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、クエン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナディック酸(エンドシスビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)を含む。前記した不飽和カルボン酸の誘導体は、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル化合物である。これら誘導体の具体例としては、マレイルクロライド、マレイミド、マレイン酸無水物、クエン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルおよびマレイン酸グリシジルが含まれる。
前記したこれらグラフトモノマーの例示は、単独でもあるいは組み合わせでも使用することができる。前記したグラフトモノマーの例示中、好ましいのは不飽和ジカルボン酸またはその誘導体であり、特に好ましいのはマレイン酸およびナディック酸またはそれらの酸無水物である。
本発明のPNB/コハク酸無水物グラフト共重合体は、適当な溶媒中にPNBおよびマレイン酸無水物を溶解することによって製造することができる。適当な溶媒は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素であり、好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロルベンゼンおよびo−ジクロルベンゼンである。そして反応溶液は、充分な量の適当なパーオキサイド開始剤を含んでいる。適当な開始剤としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、5−ブチル−パーオキシネオデコネート、t−ブチルクミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピル−パーオキシジカーボネートおよびジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートを含んでいる。無水マレイン酸は、PNBポリマー当たり、高々約10重量%の量で使用される。好ましくは、無水マレイン酸は、PNBポリマー当たり、約0.1〜5重量%の範囲で使用される。グラフト化反応は、約120℃〜220℃、好ましくは140℃〜200℃、最も好ましくは160℃〜180℃の温度で実施される。
さらに、PNB/コハク酸無水物グラフト共重合体は、例えばナイロン66、ナイロン12およびナイロン6のようなポリアミド、特にアミン末端化ポリアミドと反応することができる。PNB/MA−ポリアミドグラフト共重合体は、溶液もしくは反応性射出(reactive extrusion)によって形成させることができる。
その溶液法においては、PNB/MAグラフト共重合体とポリアミド(ナイロン)を適当な溶媒または混合溶媒に溶解する。その反応媒体を約20℃〜約200℃、好ましくは約130℃の温度範囲に加熱する。
溶融法においては、無水マレイン酸、PNBポリマーおよびポリアミドの成分を、射出成形機(extruder)、ミルまたはプラスチックコンパウンド業界において一般的に使用される公知の熱機械的混合機で反応加工される。成分は溶融して反応し、PNB/コハク酸無水物/ポリアミドグラフト共重合体となる。採用される温度は、PNBのTgよりも高いが、PNBの分解温度よりも低くあるべきである。PNBの異なったホモ−および共重合体は、異なったTgおよび分解温度を有していることを理解すべきである。典型的には、採用される温度範囲は、約150℃〜約350℃である。
アミン末端化シリコン、アミン末端化ポリプロピレンオキサイドおよびアミン末端化ポリブタジエンのような他のポリマー樹脂は、前記した方法と同様に、本発明のPNB/コハク酸無水物グラフト共重合体と共反応することができる。
前記したように、PNB/コハク酸無水物官能性基と反応性である官能性基は全て共反応させることができ、新しいPNBグラフト共重合体を製造することができる。PNB骨格と反応することができる共反応性の官能基の例は、下記のとおりである。
Figure 0003739401
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以下の実施例は、本発明の範囲の操作方法を当業者に示すものであり、その範囲に制限するものとして提供するものではない。
実施例1
ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体のビニル−末端化PNB共重合体の合成
ノルボルネン(82.5g)および5−デシルノルボルネン(27.5g)を乾燥ジクロルエタン1.17l中に溶解した。この混合物を脱気し、2lのステンレス鋼製反応器に加えた。この混合物を10℃に冷却し、125psigでエチレンで飽和した。[(クロチル)Ni(COD)][PF6](0.091g)のジクロルエタン溶液をこの混合物に添加した。反応を1.25時間継続して行った。この反応は、エチレンの圧力を減じ、反応器中にエタノールを注入することにより終結させた。ポリマーは、反応混合物をエタノール中に注ぎ、濾過し、乾燥することにより分離された(収量38.5g)。分離されたポリマーの分子量はGPCにより決定された。Mw=4750であり、Mn=3000であった。その物質のNMR分析は、約5.7(1H)および4.7ppm(2H)にレゾナンスを有するビニル末端基を含有していることを示していた。
実施例2
ビニル−末端化PNBホモポリマーの合成
ノルボルネン(150g)を乾燥ジクロルエタン150ml中に溶解した。この混合物を脱気し、2lのステンレス鋼製反応器に加えた。この混合物を10℃に冷却し、250psigでエチレンで飽和した。[(クロチル)Ni(COD)][PF6](0.146g)のジクロルエタン溶液をこの混合物に添加した。10〜15分の間に反応は少なくとも80℃発熱して起こった。反応終了後、多量のポリマーが沈殿し、それを濾過により単離して乾燥した(収量55.4g、フラクション−1)。濾液をMeOHに加えて、さらに沈殿を形成させた(収量38.3g、フラクション−2)。次いで、この濾液をさらにMeOHに加えて、もっと沈殿を形成させた(収量11.2g、フラクション−3)。それぞれのフラクションは、プロトン型NMRにより、ビニル末端基を含有していることが決定された。また、それぞれの分子量をGPCにより決定した。フラクション−1:Mw=3800およびMn=1800;フラクション−2:Mw=1660およびMn=1250;フラクション−3:Mw=970およびMn=820。
実施例3
イソブチレン−末端化PNBの合成
イソブチレン−末端化ポリノルボルネンを次の方法で合成した。ノルボルネン(5g)を撹拌棒を装着した100mlガラスビンに加え、クリンプを隔膜でキャップした。これに乾燥ジクロルエタン50mlを加えた。溶液を脱気し、−30℃に冷却し、イソブチレン(5.0g)を添加した。この溶液に、ニッケル(II)エチルヘキサノエート(8%Ni)を添加し、続いてジクロルエタンのN,N−ジメチルアニリニウムテトラパーフルオルフェニルボレートの0.125M溶液1mlおよびトルエンのトリエチルアルミニウムの1.7M溶液0.38mlを添加した。この混合物を−30℃で1時間撹拌した。得られたスラリーをMeOHへ注ぎ、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。収量4.6g。GPC:Mw=9800、Mn=4200。
実施例4
ノルボルネン/デシルノルボルネンのアルコール−末端化PNB共重合体の形成
丸底フラスコ中に、ビニル−末端化ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体(実施例1より)の1.0gを加えた。これを乾燥、脱気したTHF50ml中に溶解した。この混合物に、9−ボロビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)の0.5M THF溶液6.7mlを添加した。この溶液を、Ar雰囲気下1.5時間還流し、次いで一夜冷却した。水(5ml)を注意深くフラスコ中に添加した。別途、NaOH(水中3M)の5mlを添加し、続いて過酸化水素(30%)20mlを添加した。この溶液を分離漏斗に移し、K2CO3の飽和水溶液(10ml)で洗浄した。THF相を水相から分離し、ポリマーをMeOH中に沈殿することにより、THF相から単離した。ポリマーを真空下80℃で乾燥した。アルコール−末端化ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体の形成は、1H NMRスペクトロスコピーにより確認した。末端ヒドロキシル官能基に隣接したメチレンレゾナンスが3.7ppmに共鳴した。これらのレゾナンスの帰属は、4.2ppmへ上域シフトを与えるCl3CNCOとの反応によって確認された。
実施例5
アルコール末端化−ノルボルネンホモポリマーの形成
丸底フラスコ中に、ビニル−末端化ノルボルネンホモポリマー(実施例2より)10gを加えた。これを乾燥、脱気したTHF150mlに溶解した。この混合物中に、9−ボロビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)の0.5M THF溶液61.2mlを添加した。この溶液を、アルゴン雰囲気下1.5時間還流し、一夜冷却した。水(25ml)をフラスコ中に注意深く添加した。別途、NaOH(水中3M)25mlを添加し、続いて過酸化水素(30%)60mlを添加した。多量のTHFを2相が形成されるまで添加した。溶液を分離漏斗に移し、K2CO3の飽和水溶液(150ml)で洗浄した。混合物を分離するため数時間以上放置した。THF相を水相から分離し、ポリマーをMeOH(1000ml)に沈殿させることによって単離した。ポリマーを濾過し、真空下80℃で乾燥した。アルコール−末端化ノルボルネンホモポリマーの形成は、1H NMRスペクトロスコピーにより確認された。末端ヒドロキシル基に隣接するメチレンプロトンは、3.7ppmに共鳴した。
実施例6
この実施例は、マレイン酸無水物をイソブチレン−末端化PNBの末端に導入することができ、アリルコハク酸無水物末端官能基を与えることを示す。
イソブチレン−末端化PNBとマレイン酸無水物との反応によってアリルコハク酸無水物−末端化PNBの形成:イソブチレン−末端化ポリノルボルネン(0.050g)およびマレイン酸無水物(0.0012g)を重水素化オルソ−ジクロルベンゼンに溶解し、NMRチューブに入れて、200℃にて一夜加熱した。イソブチレン−末端化ポリノルボルネンのビニリデンプロトンレゾナンスが、アリルコハク酸無水物基のプロトンに置換された(5.30および5.15ppm)。
実施例7
イソブチレン−末端化PNBのヒドロホルミル化からのアルデヒド−末端化PNBの形成
イソブチレン−末端化ポリノルボルネン(実施例3より)(1.0g)をトルエン20ml中に溶解し、そしてアルゴンで脱気した。イルガフォス(Irgafos)、P(O(2,5−t−Bu)C63)3(0.06g)および[Rh(1,5−COD)(アセテート)]2(0.0023g)をそれぞれ10mlの乾燥、脱気トルエン中に溶解した。次いで、三つの溶液をステンレス鋼製反応器に移した。反応器を300psigの合成ガス(等モルのCOおよびH2)で加圧し、80℃に加熱した。反応器を排気し、まず3〜4時間再加圧した。反応を48時間継続した。冷却後、得られた金褐色溶液の5mlの分液をアセトン中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。白色の粉末を濾過し、乾燥させた。ポリマーのIR分析は、COストレッチ(stretch)が約1660cm-1に観察されたことにより、アルデヒド末端基の形成を示していた。
実施例8
エポキシ−末端化PNBの合成
ビニル−末端化PNB(前記実施例2よりのフラクション1)(20g)をトルエン(100ml)に溶解した。この混合物に、3−クロルパーオキシ安息香酸(11.4g)を添加した。この混合物を撹拌して後、ポリマーをMeOH中にて沈殿させた。得られたポリマーのプロトンNMR分析は、ビニルのレゾナンスが存在しないことを示していた。新しいレゾナンスが2.8〜3.0ppmに認められ、それはエポキシ官能基に隣接したプロトンであることを示した。
実施例9
この実施例は、ポリウレタン形成にアルコール−末端化PNBの導入の反応として、イソシアネートMDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)とアルコール−末端化PNBとの反応を説明する。
アルコール−末端化PNBとMDIとの反応
アルコール−末端化ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体(実施例2より)の2当量を、MDI(0.02g、MW=250)と、重水素化テトラクロルエタン中、NMRチューブ中で80℃で1時間反応させた。ウレタン結合の形成が、1H NMRスペクトロスコピーにより確認された。ヒドロキシ末端基に隣接したメチレンプロトンが、3.7ppmから4.2ppmへシフトしていた。
実施例10
エポキシ−末端化PNBと二官能性酸−末端化ポリブタジエン(A−B−Aブロック共重合体)の反応
エポキシ−末端化PNB(0.03g、実施例7より)およびカルボン酸−末端化ポリブタジエン(HYCAR▲R▼CTB 2000X 162、0.052g、Mw=2375)をトルエン30ml中に溶解した。その溶液をアルゴンで脱気した。この溶液中に、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンの8.5マイクロリットルを添加した。この混合物を24時間80℃に加熱した。製品の1H NMR分析により、エポキシ官能基が反応したことが明らかとなった。2.85ppmのエポキシのプロトンの強度が著しく減少し、3.40ppmに新しいシグナルが置換していた。これらのシグナルは、ヒドロキシおよびエステル官能基に近接するメチレンプロトンを示している。
実施例10A
エポキシ−末端化PNBと二官能性酸−末端化ポリブタジエン(ABAブロック共重合体)の反応
エポキシ−末端化PNB(0.2g、実施例8より)およびカルボン酸−末端化ポリブタジエン(HYCAR▲R▼CTB 2000X 162、0.20g、Mw=2375)をトルエン30ml中に溶解した。この溶液をアルゴンで脱気した。この溶液中に、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンの1.7マイクロリットルを添加した。混合物を80℃にて一夜加熱した。製品の1H NMR分析から、エポキシ官能基が反応したことが明らかとなった。2.85ppmにエポキシのプロトンの強度が著しく減少し、3.4〜3.5ppmに新しいシグナルが置換していた。これらのシグナルは、ヒドロキシおよびエステル官能基に近接するメチレンプロトンを示している。
実施例11
実施例13のための対照実験
鎖延長剤の不存在下でのノルボルネンの重合
ノルボルネン(2.0g)をジクロルエタン30ml中に溶解した。その溶液をアルゴンで脱気した。この溶液中に、[(クロチル)Ni(COD)]PF6(0.0039g)を添加した。重合を1時間行って、次いで、MeOHの添加により終了させた。反応混合物を過剰のMeOH中に注ぐことによりポリマーを単離した。得られた固体を濾過し、乾燥した。収量1.62g。製品のGPC分析は、Mw=1、270,000、Mn=558,000を示していた。
実施例12〜13
これらの実施例は、アリル−末端化巨大分子(つまりポリイソブチレン)のA−Bブロック共重合体を製造するための鎖延長剤としておよび共反応剤としての利用を示すものである。
実施例12
アリル−末端化ポリイソブチレン(PIB)の合成
ヘキサン(70g)およびメチルクロライド(70g)を反応容器に移し、ドライアイス/イソプロパノール浴中で冷却した。2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(0.5ml)、2,4,4−トリメチル−2−クロルペンタン(0.23g)および四塩化チタン(3.29g)を反応フラスコに添加した。イソブチレン(16g)を反応容器に移した。予備冷却したアリルトリメチルシラン(3.5g)を添加して後、混合物を30分間撹拌し、そして追加的に30分間撹拌した。次いで、容器の内容物を重炭酸ソーダの飽和水溶液中に注ぎ、揮発物を蒸発させた。有機相を分離して、水で3回洗浄した。ポリマーをアセトン中で沈殿させた。アセトンを静かに除き、残留物をヘキサンに溶解した。ヘキサンを真空で除き、固体を得た。収量15.2g。GPCにより、Mw=16,000およびMn=14,500と決定した。
実施例13
PNB−PIBブロック共重合体の合成
アリル−末端化ポリイソブチレン(2.6g、前記合成より)およびノルボルネン(2g)をジクロルエタン30ml中に溶解した。この溶液をアルゴンで脱気した。この溶液に、[(クロチル)Ni(COD)]PF6(0.0039g)を添加した。重合を1時間行い、MeOHの添加により終了させた。反応混合物を過剰のMeOH中に注ぎ、ポリマーを単離した。得られた固体を濾過し、乾燥した。収量2.87g。GPCトレースは2頂(bimodal)であった。Mw=17,300、Mn=15,900およびMw=300,000、Mn=169,000。低分子量の値に基づいて、この物質は、未反応アリル−末端化PIBである。
ポリマー製品を、メチレンクロライド溶媒を使用するソックスレー抽出にかけた。可溶部分は、NMRによって、未反応アリル−末端化ポリイソブチレンであることが判った。未溶解部分は、NMRによって、ポリイソブチレンおよびポリノルボルネンレゾナンスを含有していることが判ったが、ブロック共重合体が形成していることを示すアリル末端基は存在しなかった。メチレンクロライド可溶部分のGPCによる分子量は、Mw=345,000およびMn=164,000であった。対照PNB(実施例11)に関連して、この物質の低分子量は、巨大分子鎖延長剤であるアリル−末端化PIBと一致していた。
実施例14
以下の実施例は、ペンダント不飽和体を含有するPNB共重合体を説明するものである。
全ての反応は、ガラスフラスコ中、乾燥し脱気したジクロルエタンを使用して、不活性雰囲気下で実施した。ジクロルエタンを反応容器に入れ、続いて、下記表に示したモノマーを添加した。反応混合物を窒素にて脱気した。ニッケル(II)エチルヘキサノエート触媒をジクロルエタン溶液として添加した。次いで、トリアルキルアルミニウム共触媒(トリエチル−またはトリイソブチル−アルミニウムのいずれか)をトルエン溶液として添加した。ヘキサクロルアセトンをそのまま混合物に添加した。反応を約1時間実施した。MeOH(代表的には5ml)を添加して反応を終了させた。次いで、反応混合物に過剰のMeOH(代表的には3:1の割合)を加えて、ポリマーを単離した。ポリマーを濾過し、MeOHで洗浄し、乾燥した。各々の重合の詳細は、以下の表を参照。
Figure 0003739401
実施例15
以下の実施例は、ペンダント不飽和基を含有するPNB共重合体の合成を説明するものである。
ニッケル触媒の調製
乾燥容器中で、HSbF60.2mlを乾燥したテフロン(Teflon▲R▼)ビンに入れた。このビンを冷却した。等モル量のニッケル(II)エチルヘキサノエート(3.15ml、8重量%Ni)をビンに入れ、室温に暖め、2時間撹拌した。混合物を、使用する前に−20℃に貯蔵した。
重合方法
全ての反応は、ガラスフラスコ中で、乾燥し脱気したジクロルエタンを使用して、不活性雰囲気下で実施した。ジクロルエタンを反応容器に入れ、続いて、下記表に示したモノマーを入れた。反応混合物を窒素で脱気した。ニッケル触媒(前記とおり調製)を混合物に添加した。そして、BF3・Et2O、続いて、トルエン溶液としてトリエチルアルミニウムを添加した。反応を約1時間実施した。MeOH(代表的には5ml)を加えて、反応を終了させた。混合物に過剰のMeOH(代表的には3:1の割合)を添加し、ポリマーを単離した。次いで、ポリマーを濾過し、MeOH洗浄して、乾燥した。
Figure 0003739401
実施例16
この実施例は、PNBポリマーの末端およびペンダント不飽和基のエポキシ化を示すものである。
エポキシ化方法
下記表に示したポリマーをトルエン(代表的には10重量%)中に溶解した。(必要ならば、同量のクロロホルムを溶解の目的で混合物に加えた)。代表的には、ポリマー中の二重結合の数に対して1.1モル倍の3−クロルパーオキシ安息香酸(50%)を、トルエン溶液に添加した。反応を一夜、撹拌を継続しながら実施した。反応混合物に過剰のMeOHを注いでポリマーを単離し、濾過して、追加的MeOHで洗浄し、乾燥した。NMR分析により不完全なエポキシ化が起こったことが示された場合には、前記したようにエポキシ化をもう一度行った。充分なエポキシ化の決定は、導入したジエンモノマー(ENB:4.8〜5.5ppm;VNB:4.8〜6.0ppm;DCPD:5.5〜6.0ppm;CyNB:5.4〜5.7ppm)またはビニル−末端化ポリマー(約5.5〜6.0および4.8〜5.0ppm)に相応した二重結合レゾナンスの消失によって確かめられる。もし、m−クロル安息香酸不純物がポリマー中に存在した場合(NMRによって決定される)、残存m−クロル安息香酸がNMRで検出できなくなるまで、ポリマーをトルエン溶液からMeOHで再沈殿する。
Figure 0003739401
実施例17
これらの実施例は、前記実施例12で製造されたポリマーが、CPVCとのブレンドで利用性が見出されたことを示す。
CPVCおよびエポキシ化PNB共重合体(末端およびペンダントエポキシ含有)の溶液ブレンドを、1,2−ジクロルエタン/THF(2:1 v/v)の混合溶媒系中で調製した。ブレンド組成物の2.0重量%の溶液を調製し、完全に溶解し成分を混合するために、一夜50℃に暖めた。CPVCおよびエポキシ化ビニル−末端化ノルボルネン重合体の溶液ブレンドを、THF/シクロヘキサン(1:1 v/v)の混合溶媒系中で調製した。ブレンド組成物の2.0重量%の溶液を調製し、完全に溶解し成分を混合するために、一夜50℃に暖めた。
きれいな顕微鏡ガラススライド上に溶液を点眼器で3回コートして、評価用の溶媒−キャストフィルムを調製した。次いで、フィルムを、空気オーブン中60℃にて2時間乾燥した。さらに乾燥し、残存溶媒を除くために、真空オーブン中に80℃にて一夜、そのスライドを置いた。
ブレンドモルホロジーを、光学および走査型電子顕微鏡技術を用いて決定した。光学マイクログラフを700×倍で得、また、2,500×と10,000×倍でSEMを得た。
CPVC(I.V.=0.68)と、実施例16、実験No.2の共重合体(50/50)で得られたエポキシ化NB/ENBとのブレンド。
結果を下記表に示す。
Figure 0003739401
実施例18
実施例16、実験No.10で得られたエポキシ化ビニル−末端化ポリノルボルネンとCPVC(I.V.=0.68)とのブレンド。CPVCおよびエポキシ化PNB共重合体の溶液ブレンドを、実施例17と同様にして調製しテストした。その結果を以下の表に示す。
Figure 0003739401
実施例19
実施例16、実験No.12で得られたエポキシ化NB/DCPD共重合体(50/50)とCPVC(I.V.=0.68)とのブレンド。CPVCおよびエポキシ化PNB共重合体の溶液ブレンドを、実施例17と同様にして調製しテストした。その結果を下記表に示す。
Figure 0003739401
実施例16、実験No.11で得られたエポキシ化NB/VNB共重合体(50/50)とCPVC(I.V.=0.68)とのブレンド。CPVCおよびエポキシ化PNB共重合体の溶液ブレンドを、実施例17と同様にして調製しテストした。その結果を下記表に示す。
Figure 0003739401
実施例21
この実施例は、無官能PNBにビニル−型ポリマーを遊離ラジカルグラフト化することを示す。
上部に機械撹拌機およびアルゴン送入口を備えた2つのネック付100mlの丸底フラスコ中に、ポリノルボルネン
Figure 0003739401
1g(5×10-6モル)をアルゴン雰囲気下に加えた。この中に、新しく蒸留したスチレン9.0g(0.086モル)およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.05gを添加した。その溶液をクロルベンゼン10ml中で希釈し、PNBの全量が溶解するまで撹拌し、ゆっくり約120℃に加熱した。反応を、溶液粘度がかなり増加することが観察される間の約5時間、撹拌下に行った。5時間後、ポリマー溶液を冷却し、トルエンで希釈して、メタノール中で沈殿して、白色ポリマーを得た。これを真空オーブン中で100℃にて乾燥した。グラフト効果の情報を得るために、純粋グラフト共重合体を単離しなければならなかった。これらサンプルの一部を溶解して、サンプルを遠心分離して、PNBグラフト共重合体をポリスチレンホモポリマーと分離できる。PNBグラフト共重合体は、テトラヒドロフランには溶けないが、ポリスチレンは溶解した。グラフト化サンプルのこのような抽出を全てのサンプルについて3回行った。テトラヒドロフラン不溶性ポリマーの1H NMR分析は、ポリスチレンに対応する芳香族プロトンの存在を6.4ppmおよび7.2ppmに、ノルボルネンポリマーに対応する広い脂肪族プロトンの存在が1〜2.5ppmの周囲に示された。また、テトラヒドロフラン不溶性物質のフィルムは、シクロヘキサンからキャストされ、明るく透明であることが観察された。テトラヒドロフラン不溶性物質から得られた明るいフィルムは、プロトン型NMRからスチレンプロトンの存在が観察され、ポリノルボルネンにスチレンがグラフトしていることが明らかに立証された。
実施例22
この実施例は、ペンダント不飽和体を有するPNBに、ビニル−型ポリマーを遊離ラジカルグラフト化することを示す。
磁気撹拌機およびアルゴン送入口を備えた2つのネック付100ml丸底フラスコ中に、エチリデンポリノルボルネンを50モル%含有するポリノルボルネン/エチリデンノルボルネン(PNB/ENB)共重合体4.55g(0.189ミリモル)をアルゴン雰囲気下で加えた。これに、新しく蒸留したスチレン13.6g(0.131モル)およびドデカンチオール5.9mg(0.029ミリモル)を添加した。この溶液をさらにクロルベンゼン5mlで希釈し、全量のPNB/ENB共重合体が溶解するまで撹拌した。溶液をゆっくり約120℃に加熱し、その時点でジクミルパーオキサイド0.018g(0.066ミリモル)を添加した。パーオキサイドの添加の後、溶液の粘度の増加が観察され、約3時間の後、溶液の粘度は、撹拌が困難であることが観察されるほど高くなった。反応を停止し、トルエンで希釈し、メタノール中で沈殿化して、白色ポリマーを得た。これを真空オーブン中で60℃にて乾燥した。ポリマーの1H NMR分析は、ポリスチレンに対応する芳香族プロトンの存在が6.4ppmおよび7.2ppmに、ノルボルネンポリマーに対応する広いプロトンの存在が1〜2.5ppmの周囲に示された。ポリマーの少量のサンプルをクロルベンゼンに溶解し、その溶液からキャストしたフィルムは明るいことが観察された。高分子量ポリスチレンとポリノルボルネンのポリマーのクロルベンゼンからフィルムキャストは、相が分離したモルホロジーを示す不透明(opaque)であることが観察された。PNB/ENB共重合体の存在においてスチレンの重合の場合に明るいフィルムの外観は、スチレンがPNB/ENB共重合体にグラフト化していることを示している。
実施例23
この実施例は、PNBおよび重合性衝撃変性剤の存在下におけるビニル−型モノマーのフリーラジカル重合を説明する。
上部に機械撹拌機およびアルゴン送入口を備えた2つのネック付100ml丸底フラスコ中に、ポリノルボルネン
Figure 0003739401
1g(5×10-6モル)をアルゴン雰囲気下に加えた。この中に、新しく蒸留したスチレン4.5g(0.043モル)およびスチレンブタジエンスチレン共重合体(Cariflex▲R▼TR1102)0.3gを添加した。この溶液をクロルベンゼン10mlで希釈し、PNBの全量が溶解するまで撹拌し、約90℃にゆっくり加熱した。溶液粘度がかなり増加することが観察される間の約12時間、反応を撹拌下に行った。12時間後、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.05gを添加し、引き続いて、反応フラスコにスチレンモノマー4.5gを添加した。さらにフラスコを3時間150℃に加熱し、冷却して、さらにトルエンで希釈し、メタノール中で沈殿させて、白色ポリマーを得た。これを真空オーブン中100℃で乾燥した。ゴム変性物質からフィルムキャストすると、相分離モルホロジーを示す半透明が観察された。
これらの実施例は、その場(in situ)での、PNBポリマーと反応性および非反応性エラストマーとのブレンド化を説明する。
実施例24
KRATON▲R▼G1652とその場でブレンド物を生成するためのノルボルネンおよび5−デシルノルボルネンの共重合
磁気撹拌棒およびノルボルネンと5−デシルノルボルネン(75/25 モル/モル、全ノルボルネン53ミリモル)を含む50mlのガラスビン中に、種々の水準でゴムを溶解したシクロヘキサン(KRATON▲R▼G1652、モレキュラーシーブ上で乾燥し窒素でパージした溶液)を添加し、次いで、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)およびエチルアンモニウムジクロライド(0.065ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液中に注入して反応を停止させた。次いで、ポリマーブレンド体を過剰のエタノールで沈殿化し、過剰のアセトンで洗浄して、濾過し、一夜、真空下80℃で乾燥した。得られたポリマーを下記に表に示す。
Figure 0003739401
実施例25
KRATON▲R▼G1652とその場でブレンド物を生成するためのノルボルネンのホモポリマー化
磁気撹拌棒およびノルボルネン(5g、53.1ミリモル)を含む50mlガラスビン中に、種々の水準でゴムを溶解したシクロヘキサン(KRATON▲R▼G1652、モレキュラーシーブ上で乾燥し窒素でパージした溶液)を添加し、次いで、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)およびエチルアンモニウムジクロライド(0.065ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液中に注入し、反応を停止させた。ポリマーブレンド体を過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄して、濾過し、真空下80℃で一夜乾燥した。得られたポリマーを下記に表に示した。
Figure 0003739401
実施例26
この実施例は、炭化水素重合媒体中にポリマーを溶解して、溶液および/または懸濁重合を行って、グラフト共重合体を得るための、鎖延長剤としてペンダントビニル基を有するポリマーの使用を示すものである。
その場でグラフトを生成させ、同様に分子量を制御するためのポリブタジエンの存在下におけるノルボルネンの重合化
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む50mlガラスビン中に、ジクロルエタン20mlおよび5000のMnおよび20%のビニル含有量を有するポリブタジエンのジクロルエタンの9.1重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)11gを添加し、引き続いて、触媒成分“A”(実施例35参照)(0.013ミリモル)、BF3・エーテレート(0.117ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(0.130ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入して反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。ポリマーを85%の収率(5.1g)で分離した。GPC法により、グラフト共重合体は、32,000のMnおよび59,000のMwを有することが明らかとなった。
比較実験
この比較実験は、実験がポリブタジエンの非存在下であることを除き、前記実施例と同じ条件下で行われた。その結果、鎖延長やグラフト化は起こらず、極めて高い分子量となった。
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む100mlガラスビン中に、ジクロルエタン80mlを加え、引き続いて、触媒成分“A”(実施例35参照)(0.026ミリモル)、BF3・エーテレート(0.234ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(0.260ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入して反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄して、濾過し、真空下80℃にて一夜乾燥した。ポリマーを定量的収率で分離した。GPC法により、ホモポリマーは、340,000のMnおよび1,650,000のMwを有することが明らかとなった。
実施例27
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む50mlガラスビン中に、ジクロルエタン35mlおよび5,000のMnと20%のビニル含有量を有するポリブタジエンのジクロルエタンの9.1重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)1.55gを添加し、引き続いて、触媒成分“A”(実施例35参照)(0.013ミリモル)、BF3・エーテレート(0.117ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(0.130ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入し、反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄して、濾過し、真空下80℃にて一夜乾燥した。グラフト共重合体を95%の収率で分離した。GPC法により、グラフト共重合体は、71,000のMnおよび183,000のMwを有することが明らかとなった。
実施例28
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む50mlのガラスビン中に、Diene55▲R▼のシクロヘキサンの3.0重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)7.5gを添加し、引き続いて、ニッケルエチルヘキサノエート(0.026ミリモル)およびエチルアンモニウムジクロライド(0.27ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入し、反応を停止させた。次いで、グラフト共重合体を過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄して、濾過し、真空下80℃にて一夜乾燥した。ポリマーを84%の収率(4.2g)で分離した。GPC法により、グラフト共重合体は、121,000のMnおよび529,000のMwを有することが明らかとなった。
実施例29
磁気撹拌棒およびノルボルネン2.5g(26.5ミリモル)を含む50mlのガラスビン中に、シクロヘキサン20mlおよび5,000のMnと20%のビニル含量を有するポリブタジエンのシクロヘキサンの10.0重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)10.0gを添加し、引き続いて、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)およびメチルアルミノキサン(163ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入し、反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。GPC法により、グラフト共重合体は、13,400のMnおよび24,700のMwを有していることが明らかとなった。
実施例30
磁気撹拌棒およびノルボルネン2.5g(26.5ミリモル)を含む50mlのガラスビン中に、ジクロルエタン20mlおよび5,000のMnと20%のビニル含量を有するポリブタジエンのジクロルエタンの9.1重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)11.0gを添加し、引き続いて、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロフェニル)ボレート(0.013ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(650ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入し、反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥して、製品(2.6g)を得た。GPC法により、グラフト共重合体は、27,000のMnおよび44,000のMwを有していることが明らかとなった。
実施例31
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む50mlガラスビン中に、ジクロルエタン20mlおよび5,000のMnと20%のビニル含量を有するポリブタジエンのジクロルエタンの9.1重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)11.0gを添加し、引き続いて、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロフェニル)ボレート(0.013ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(650ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入して、反応を停止させた。ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥して、グラフト共重合体(4.1g)を得た。この共重合体は、GPC法により、39,000のMnおよび65,000のMwを有することが明らかとなった。
実施例32
磁気撹拌棒およびノルボルネン5.0g(53.1ミリモル)を含む50mlガラスビン中に、シクロヘキサン20mlおよび5,000のMnと20%のビニル含量を有するポリブタジエンのシクロヘキサンの10重量%溶液(モレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素でパージした)10.0gを添加し、引き続いて、ニッケルエチルヘキサノエート(0.013ミリモル)、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロフェニル)ボレート(0.013ミリモル)およびトリエチルアルミニウム(650ミリモル)を添加した。1時間後、エタノールを溶液に注入して、反応を停止させた。次いで、ポリマーを過剰のエタノールで沈殿させ、過剰のアセトンで洗浄して、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。ポリマーを32%の収率で分離し、ポリマーは、GPC法により、38,000のMnおよび77,000のMwを有していることが明らかとなった。
これからの実施例は、ハイドロシリル化反応において、各々のノルボルネンの末端に存在するビニル基とα,ω−ジハイドライド末端化ポリジメチルシロキサンを使用することによって、ポリノルボルネンAブロックとポリジメチルシロキサンBブロックよりなるABAブロック共重合体の合成を示すものである。
実施例33
ビニル−末端化ポリ(ノルボルネン)の調製
高真空下70℃で18時間加熱し次いで冷却した500mlステンレス鋼製反応器中に、ジクロルエタン(400ml)とノルボルネン100g(1.06モル)を加えた。反応器にエチレンを圧入して150psigの圧力とした。その後、ジクロルエタン2ml中触媒成分“A”(実施例35参照)(0.435g、0.266ミリモル)を注入し、次いで、BF3・エーテレート0.31ml(2.39ミリモル)および1.7Mトリエチルアルミニウム1.59ml(2.66ミリモル)を注入した。60分後、エタノール10mlを注入して、反応を停止させ、得られたポリマーを過剰のエタノールで洗浄し、濾過して、真空下80℃で一夜乾燥した。得られたポリマーは、GPC法により、2,350のMnおよび5,050のMwを有し、また、プロトンおよび13C NMRスペクトラにより、ビニル基により末端化されていることが確かめられた。
ポリノルボルネン−ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリノルボルネンブロック共重合体の調製
撹拌棒、コンデンサーおよびガス送入アダプターを備えた100mlの三ツ口丸底フラスコ中に、Mn2,350のビニル末端化ポリノルボルネン5.0gを(ドライボックスで)加えた。
30mlのガラスビン中に、分子量(Mn)400のジハイドライド末端化ポリジメチルシロキサン1.69gを加えた。この容器をN2パージし、トルエンで満たしてポリマーを溶解して、次いで、ポリノルボルネンを含む丸底フラスコ中に添加した。混合物を40℃に加熱して、完全に溶解させた。この溶液中に触媒成分“B”(実施例35参照)0.01mlを添加し、フラスコを60℃にて19時間加熱した。ポリマーを沈殿させ、過剰のメタノールで洗浄して、濾過し、真空下80℃にて一夜乾燥した。ブロック共重合体を定量的収率で分離し、GPC法により、5,400のMnおよび7,700のMwを有していることが明らかとなった。
実施例34
ポリノルボルネン−ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ノルボルネン)ブロック共重合体の調製
撹拌棒、コンデンサーおよびガス送入アダプターを備えた100mlの三ツ口丸底フラスコ中に、Mn2,350のビニル末端化ポリノルボルネン2.5gおよびトルエン25mlを(不活性ガス充填ドライボックスで)加えた。
50mlガラスビン中に、分子量(Mn)17,500のα,ω−ジハイドライド末端化ポリ(ジメチルシロキサン)15.0gを加えた。ボトルをN2パージして、50mlのトルエンで満たし、ポリマーを溶解し、次いで、ポリノルボルネン/トルエン溶液を含む丸底フラスコに添加した。混合物を50℃に加熱し、完全に溶解させた。この溶液中にプラチナジビニル錯体(キシレン中0.1ml、United Chemical Technologiesより購入)を添加し、フラスコを90℃にて72時間加熱した。ポリマーを沈殿させ、過剰のメタノールで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。ブロック共重合体が定量的収率で得られた。プロトンNMR法により、ハイドライド末端化ポリ(ジメチルシロキサン)が完全に反応してビニル末端化ポリ(ノルボルネン)が実質的に完全に転化していることが明白となった。
実施例35
ビニル−末端化ポリ(ノルボルネン)の調製
高真空下70℃で18時間加熱し次いで冷却した500mlステンレス鋼製反応器中に、ジクロルエタン(400ml)とノルボルネン100g(1.06モル)を加えた。反応器にエチレンを圧入した(6psig)。その後、ジクロルエタン2ml中触媒成分“A”(0.435g、0.266ミリモル)を注入し、引き続いて、BF3・エーテレート(0.31ml、2.39ミリモル)および1.7Mトリエチルアルミニウム(1.59ml、2.66ミリモル)を注入した。60分後、エタノール10mlを注入して、反応を停止させて、得られたポリマーを過剰のエタノールで洗浄し、濾過して、真空下80℃で一夜乾燥した。ポリマーを94%の収率で分離し、ポリマーは、GPC法により、17,700のMnおよび68,600のMwを有し、プロトンおよび13C NMRスペクトラにより、ビニル基で末端化されていることが明らかとなった。
ポリノルボルネン−ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ノルボルネン)ブロック共重合体の調製
撹拌棒、コンデンサーおよびガス送入アダプターを備えた100ml三ツ口丸底フラスコ中に、300mlのp−キシレンに溶解した前記Mn17,700のビニル末端化ポリノルボルネン5.0gを(ドライボックスで)加えた。
100mlのガラスビン中に、Mn62,000のα,ω−ジハイドライド末端化ポリ(ジメチルシロキサン)17.1gを加えた。ボトルをN2でパージし、100mlp−キシレンで満たしてポリマーを溶解し、次いで、ポリノルボルネン溶液を含有する丸底フラスコに添加した。混合物を60℃に加熱した。この溶液にプラチナジビニル錯体(キシレン中0.1ml、United Chemical Technologiesから購入)を添加して、フラスコを60℃にて19時間加熱した。ポリマーを沈殿させ、過剰のメタノールで洗浄し、濾過して、真空下80℃にて一夜乾燥した。ブロック共重合体が定量的収率で分離された。
触媒成分“A”
磁気撹拌棒を含み、テフロン(Teflon▲R▼)のキャップ/バルブを備えた、乾燥、窒素充填したテフロン(Teflon▲R▼)容器中に、ヘキサフルオロアンチモン酸(HSbF6、0.45g、1.90ミリモル)を入れ、内容物を−27℃に冷却した。その後、ニッケルエチルヘキサノエート(無機分8%、1.90ミリモル)を添加し、得られた混合物を室温に暖め、次いで室温にて2時間撹拌した。
触媒成分“B”
磁気撹拌棒を備えた、清潔な、乾燥した100mlの二口フラスコ中に、H2PtCl6・6H2O(1.0g、2.45ミリモル)、エタノール(6.4ml、108ミリモル)、1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン(2.4ml、10.73ミリモル)および重炭酸ソーダ(2.0g、23.8ミリモル)を加えた。混合物を45分間還流して、その後、加熱をやめ、褐色の混合物を16時間室温にて放置した。次いで、混合物を窒素中濾過して、エタノールを真空下で除去して、褐色のオイルを得た。このオイルをトルエンに再溶解し、再び濾過し、真空下トルエンを除去して、褐色のオイルとして触媒を得た。
実施例36
この実施例は、ポリエチレン骨格に結合したPNBのくし状ブロック共重合体を得るための、エチレンおよびビニル末端化PNBの共重合を説明する。
くし状ブロック共重合体の形成
分子量(Mn)が1250のビニル末端化ポリノルボルネン2.0gを、乾燥し脱気したトルエン300ml中に溶解した。この混合物を0.5リットルの反応器に加え、撹拌下80℃に加熱した。(ジメチルシリル)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド5.0mgのトルエン溶液をこの混合物に添加し、引き続いて、10%メチルアルミノキサン5.5gのトルエン溶液を添加した。この反応を60psigで連続的にエチレンを供給しながら0.5時間継続した。反応を、エチレンの圧力を解放し、メタノール10mlを注入することにより停止させた。ポリマーをブフナー漏斗を通して濾過することにより分離した。この物質を10%酸性メタノールと撹拌し、次いで再濾過して、メタノールで洗浄し、水で洗浄した。ポリマーを80℃一夜真空乾燥した(収量18.93g)。このくし状ブロック共重合体の形成は、この製品を加熱クロロホルムで洗浄して全ての未反応ビニル末端化ポリノルボルネンを除去した後、1H NMRスペクトロスコピーにより確認された。くし状共重合体は、レゾナンスが1.4ppmに(ポリエチレンの存在を示す)および0.8〜2.5ppmに(ノルボルネンマクロモノマーの導入を示す)に現れたが、レゾナンスが5.0および5.8ppmに(未反応ビニル末端化ポリノルボルネンの不存在を示す)なかった。
実施例37
この実施例は、PMMAおよびPNBホモポリマー間の相溶化剤としてのPMMA/PNBグラフト共重合体の使用を説明する。
中分子量のPMMAおよび高分子量のPNBホモポリマーのブレンド物に対して相の相溶化剤として作用する適性をPMMA−PNBグラフト共重合体と評価するため、光学顕微鏡を使用したポリマー溶液を室温にてクロルベンゼン中で調製した。次いで、ポリマーフィルムをガラス顕微鏡スライド上に溶液キャストした。試料を真空オーブン中120℃12時間加熱してクロルベンゼンを除去し、さらに160℃2時間加熱した。試料を分析のため顕微鏡台上に置いた。顕微鏡の拡大を100倍とした。2つのブレンド試料を用意した。試料1は、溶液でフレンドされたポリノルボルネンおよびPMMAホモポリマーの90/10重量%混合物である。薄黒いポリノルボルネンマトリックス中に分散した、丸い白色のPMMA相の2つの区別された相がはっきりと観察された。白色のPMMA相は、試料全体に平均4.9μmのサイズおよび4.1μmの標準偏差で広く分布して存在していることが観察された。試料2は、試料1のブレンド物にPNB−g−PMMAの10重量%を溶液に添加したものである。そのグラフト共重合体は、PNBおよびPMMAとの間の界面相互作用を増加する重合体エマルジョンとしての機能を示し、ドメインサイズを減少する。顕微鏡における最も顕著な変化は、PMMAドメインの均質化である。PMMA相のサイズ分布は、平均3.7μmで標準偏差1.6μmであり、幾らか狭くなることが観察された。
実施例38
ノルボルネンホモポリマーを、窒素雰囲気下、クロルベンゼンまたはo−ジクロルベンゼン中で、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドを用いて、マレイン酸無水物(MA)と反応させて、コハク酸無水物の種々のパーセント(0.3〜4.2%)のグラフト体を形成させた。代表的な反応では、窒素中200mlジクロルベンゼン中で、PNBホモポリマー16.8g、マレイン酸無水物12.5g、1.6%のベンゾイルパーオキサイド(0.2g)を使用した。ポリノルボルネンのグラフト化条件は、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて140℃で行われ、その結果を下記表に示した。ジ−t−ブチルパーオキサイドの系においては(実験No.4)、室温で反応中ゲルが生成した。この結果は、160℃反応中で二量化が起こったことを示した。二量化反応を避けるために、反応温度を140℃に下げて反応時間を24時間に延長して、反応系中の遊離ラジカル濃度を低下させた。このポリマーは、4.2%(重量)グラフト化され、淡い黄色であった。グラフト化の割合は、文献記載方法(J.Polym.Polym.Lett.Ed.21,1993)の変更により測定された。
Figure 0003739401
実施例39
デシルノルボルネンとノルボルネンの共重合体を、窒素雰囲気下、クロルベンゼンまたはo−ジクロルベンゼン中で、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドを用いて、マレイン酸無水物(MA)と反応させて、コハク酸無水物のグラフト体を形成させた。ジ−t−ブチルパーオキサイドを種々の温度で(下記表中、実験No.4および5)、開始剤として使用した場合、ポリマー溶液の粘度は反応中低くなり、沈殿後、ポリマーの粒子径は小さく濾過困難であった。これらの結果は、ポリマーの幾らかの分解が反応中に起こっていることを示している。従って、ジ−t−ブチルパーオキサイドは、デシルノルボルネン共重合体のグラフト化には開始剤として望ましくない。開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて得られた結果(実験No.1、2、3、6および7)は、白色ポリマーを得ることができ、もし起こったとしても僅かな分解であることを示している。ポリノルボルネンは、マレイン酸無水物の種々の量でグラフト化することができる。ホモ−ポリノルボルネン系と違って、デシルノルボルネンを含む共重合体においては、開始剤としてベンゾイルパーオキサイドは、ジ−t−ブチルパーオキサイドよりも一層好ましいようである。
Figure 0003739401
実施例40
PNBホモ−と共重合体およびナイロンは、異なる溶解度パラメーターを有している。グラフト化PNBとナイロンとのブレンド体の反応性溶液を可能とするため、一組の溶媒を、両方のポリマーを溶解するために使用した。グラフト化ポリノルボルネンとナイロンとの反応性ブレンド体は、130℃でフェノール/o−ジクロルベンゼン溶液(30/130、w/w)を使用して達成された。また、フェノールは求核性であるから、まずナイロンを反応混合物に溶解させ、続いてグラフト化ポリノルボルネンの添加によってエステル化を回避する。
Figure 0003739401
実験No.5、6は、IRにより、フタルアミド構造(ジカルボキシイミド)が、アミン末端化ナイロンの反応の証拠として、1710cm-1のピークから明らかとなった。
実験No.5は、好結果のポリマーアロイを示す、構成成分の中間の機械的かつ熱的性質を示す。非反応性のブレンド体は、構成成分より低い機械的性質を示した。例えば、破断変形(strain to break)は、NB−型ポリマーでは0.7%、ナイロン6,6では7.7%であり、アロイでは1.7%であった。
実験No.6は、個々の構成成分よりも優れた相乗的なアロイを示す機械的かつ熱的性質を有する新しい特性を示す。例えば、破断変形は、NBポリマーでは0.7%、ナイロン2では3.6%であり、アロイでは6.1%であることが観察された。
実施例41
この実施例は、本発明のPNB/コハク酸無水物グラフト共重合体に対して一組の商業的に入手しうる強靭化剤を説明する。アミン末端化ポリプロピレンオキサイド(Jeffamine▲R▼)およびアミン末端化ポリブタジエン(Hycar▲R▼ATBN)を、PNB/コハク酸無水物共重合体にグラフト化した。
Figure 0003739401
工程中でATBNの熱酸化を避けるため、これらの実験では2つのタイプのポリノルボルネン(Tg:232℃および150℃)を選択した。高いマレイン酸無水物含量のポリノルボルネンを使用した場合、2分間反応後、ATBNの付加によりゲルが形成した。この結果は、架橋化が反応中に起こり、Hycar▲R▼のアミノ基の反応性は120℃で高いことを示していた。続いて、低いグラフト化含量および低い反応温度を用いて実験した。室温およびマレイン酸無水物の低いグラフト化量を用いた反応製品は良好であるのに対して、製品は、フィルムの加圧に必要な305℃では不安定であった(色の変化および低い透明性のフィルム)。これらの結果は、不純物(アルキルアミン)およびATBNの不飽和度は、フィルムの着色強度および透明性に影響を与えることが明らかとなった。従って、高純度ATBN Hycar▲R▼(ATBN1300X45)および低いガラス転移温度のポリノルボルネン(Tg=150℃)がHycar▲R▼強靭化の評価のために使用される。最良の外観を有する試料(実験No.4)は、優れた透明性、低い着色強度および大変良い強靭性を有するフィルムを与える。
Figure 0003739401
ホモ−ポリノルボルネン系においては、製品を分離するのは大変困難であり、評価は行わなかった。アミン末端化ポリプロピレンオキサイド(ATPO)(実験No.7)を、室温で側鎖可塑化ポリノルボルネン(ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体)と反応させた。反応混合物から無着色で高い透明性のフィルムをキャストした。フィルムは、大変良好な強靭性を有していた。しかし、305℃でフィルムを加圧した後変色した。より優れた高温特性を得るため、高度にアミノ化されたATPOを使用した(実験No.8)。製品は、真空下150℃にて4時間乾燥後、無色であった。赤外線分析の結果、フタルイミド構造が認められたが、フタルイミド構造の特徴である1735cm-1のバンドに対する1710cm-1の通常の割合が変わり、1735cm-1に寄与している他の基が認められた。
実施例42
Figure 0003739401
アミン末端化シリコーンを、マレイン酸無水物グラフト化ポリノルボルネンと一緒に反応させた。この評価において、ポリノルボルネンの強靭化のため、アミン末端化シリコーンの種々の分子量のものを選択した。10%アミン末端化シリコーンに一定化した組成で、シリコーンとグラフト化ポリノルボルネンを室温で反応させた結果を上記に示した。この反応は一夜進められた。その反応溶液からキャストされたフィルムは、脆かったが高い透明性であった。しかし、フィルムは、130℃で真空オーブン中で加熱後、強靭性が増していた。真空オーブン中同様に乾燥させた製品は、おそらく高温での反応は架橋化を引き起こしているために、フィルムに圧延することはできなかった。別の方法(実験No.4)を、真空下室温にて試料を乾燥させることにより実施し、未硬化試料を305℃で圧延することにより、透明で無色のフィルムおよびDMA棒を得た。
緊張下、薄いフィルムについて機械試験を行った。シリコーンフィルムの破断変形は3.3%であり、ベース共重合体の0.6%よりもさらに良くなっていた。3.1%の破断変形を有する屈曲モジュラスは、177,000psiであり、ベース共重合体の181,000psiよりも大きく低下していない。赤外分析により、フタルイミド構造が認められた。
実施例43
この実施例は、Tg(380℃)多環付加重合体(ポリノルボルネン、Mw=200,000)を、炭化水素可塑剤により可塑化することができることを示す。
水素化シクロペンタジエン(CPD)オリゴマー(Tg85℃、Mw480、Exxon Chemicalsより商標名“Escorez”で入手可)を、ポリノルボルネンホモポリマーとブレンドした。PNB/CPDの混合物1gをクロルベンゼン25ml中に溶解し、冷たいメタノール1000ml中に沈殿させた。ブレンド化した試料は、透明フィルムを与えた。そのフィルムのTgおよび透明性の変化は、これら物質が混和しやすいことを示唆している。その結果を下記に示す。
Figure 0003739401
沈殿化したEscorezのTgは、約93℃である。試料は、透明なフィルムを与える。Tgおよび透明性の変化は、これら物質は混和しやすいことを示している。
PNB(ノルボルネン/デシルノルボルネン共重合体、10モル%デシルノルボルネン、Mw200,000)の線状アルカンによる可塑化は、そのアルカンの分子量に依存し、そしてベース共重合体中のデシルノルボルネンを必要としている。アルカンの20容量%で、下記結果が観察された。
Figure 0003739401
ホモ−ポリノルボルネンの限られた可塑化によると、前記方法により、C30+αオレフィンでTgを380℃から230℃に下げ、パラフィンで260℃に下げた。
KRATON▲R▼G/PNBブレンド物:ポリノルボルネンホモポリマー(Mn209,000)とKRATON▲R▼G(1652)、KRATON▲R▼G50%およびPNBとデシルノルボルネン共重合体50%の溶液ブレンド物の詳細な研究によれば、光学顕微鏡で検出限界以下の1μmより小さいドメインサイズを有する透明フィルムという、通常でない結果が得られた。RuO4を用いてTEMで凍結ミクロトーム化した試料を詳細に調べると、約15nmの微細構造を有していた。引っ張り特性は、2GPaの引っ張りモジュラスおよびホモポリノルボルネンブレンド物の破断変形7%を有し、非連続ネットワークを示していた。このことは、KRATON▲R▼Gが、分散相であるPNBと連続相であることを明確に示し、顕微鏡によって支持されている1μmのオーダーでドメインサイズを与えている分子量2,000,000のPNBの70MPaの引っ張りモジュラスおよび80%の破断変形と比較される。小さなドメインサイズを発現している同じ組成(50重量%のPNBホモポリマー/50重量%のKRATON▲R▼G)が有する、この高い引っ張りモジュラスと低い破断変形は、両方の構成成分が機械的性質に寄与していることを示唆し、新規で共連続モルホロジーを示唆している。
実施例44
磁気撹拌機を有する100mlの一口丸底フラスコ中に、分子量(Mn)2200g/モルのエポキシ末端化ポリノルボルネン5.0g(2.08ミリモル)を加えた。これにテトラヒドロフラン(THF)175mlを添加し、ポリマーを溶解させて後、水中60重量%の過塩素酸2ml(6.25ミリモル)を添加し、引き続いて、脱イオン水1mlを添加した。溶液を室温で12時間撹拌して後、水中に反応溶液をゆっくり加えて、ポリマーを分離した。沈殿化したポリマーを濾過し、THFに溶解して、再沈殿させ、痕跡量の全ての酸を除去した。ポリマーを濾過し、クロロホルム中に溶解して、無水硫酸マグネシウム上で撹拌して、痕跡量の水を除去して、セライト上で濾過し、回転蒸発器(rotovap)を用いて溶液を除き、白色固体を得た。さらに、その固体を真空オーブン中50℃で乾燥した。収量4.45g。その反応は、1H NMRを使用して確認された。2.7および2.9ppmにレゾナンスの消失、およびヒドロキシル基に結合したメチレンおよびメチンプロトンに対応する約3.3および3.5ppmの新しいレゾナンスの発現が、ジオールの形成を確認した。
実施例45
この実施例は、末端エステル官能基を得るためのモノアルコールと酸クロライドの反応を説明する。
コンデンサーおよび磁気撹拌機を備えた50ml二口丸底フラスコ中に、分子量4000(Mn)g/モルのモノヒドロキシル末端化ポリノルボルネン3.0g(0.75ミリモル)を加えた。これに、テトラヒドロフラン100mlおよびピリジン0.6ml(7.5ミリモル)を添加した。ポリマーを溶解させて後、アクリロイルクロライド0.34g(3.75ミリモル)を反応フラスコ中に添加した。溶液を室温で10時間撹拌して後、水中に反応溶液をゆっくり加えて、ポリマーを分離した。沈殿化したポリマーを除去し、分離漏斗に移した。溶液を水で数回洗浄して、重炭酸ソーダ水溶液で数回洗浄した。クロロホルム相を水相から分離し、無水硫酸マグネシウムおよびカーボンブラック上で撹拌して、セライト上で濾過し、溶媒を回転蒸発器(rotovap)を使用して、淡い黄褐色の固体を得た。この固体をさらに真空オーブン中で乾燥した。収量1.85g。その反応は、1H NMRを用いて確認した。3.7ppmのレゾナンスの消失、およびエステル基に結合したメチレン基に対応する約4.2ppmのレゾナンスの新しい発現と末端アルケンプロトンの5.8、6.1および6.3ppmの発現により、ヒドロキシル基のアクリル酸エステル官能基への転換が確認された。
実施例46
この実施例は、PNB上へのアクリレート型モノマーのグラフト化を示す。
上部に機械撹拌機およびアルゴン送入口を備えた二口100ml丸底フラスコ中に、アルゴン雰囲気下、ポリノルボルネン
Figure 0003739401
の1.0g(5×10-6モル)を加えた。この中に、ジクロルベンゼン10mlを注入して90℃に加熱した。この中に、新しく蒸留したメチルメタアクリレート5.5g(0.055モル)、およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.05gを添加した。反応は90℃で溶液粘度の増加が観察される時間の2時間、撹拌下に行われた。2時間後、フラスコをさらに150℃に加熱して、そのまま3時間保持した。溶液を冷却して、クロロホルムで希釈してメタノール中に沈殿させ、白色ポリマーを得た。ポリマーを真空オーブン中100℃で乾燥した。ポリ(メチルメタアクリレート)ホモポリマーからのポリノルボルネン/ポリ(メチルメタアクリレート)グラフト共重合体のために、試料の一部をアセトンで抽出し、遠心分離して、アセトン可溶性フラクションとアセトン不溶性フラクションを得た。アセトン不溶性フラクションの1H NMRは、純粋なポリ(メチルメタアクリレート)の存在を示し、、一方、アセトン不溶性ポリマーの1H NMR分析は、ポリ(メチルメタアクリレート)に対応する3.6ppmに脂肪族エステルプロトンの存在およびノルボルネンポリマーの脂肪族プロトンに対応する約1〜2.5ppmに広いピークの存在を示した。また、アセトン不溶性物質のフィルムは、シクロヘキサンからキャストされ、無色透明であることが観察された。アセトン不溶性物質から得られた無色のフィルムは、NMRからメチルエステルプロトンの存在が観察され、ポリノルボルネンポリマー上にポリ(メチルメタアクリレート)グラフト化が明らかに立証された。そのポリマー上に対して行ったGPCは、485,000の重合平均分子量および4.8の多分散性を有するシャープなシングルピークを示した。
実施例47
ウレタン/PNBグラフト共重合体の合成の例
コンデンサーおよび磁気撹拌機を備えた100mlの二口丸底フラスコ中に、アルゴン雰囲気下、分子量2400(Mn)g/モルのジヒドロキシ末端化ポリノルボルネン0.45g(0.187ミリモル)を加えた。この中に、クロルベンゼン10mlおよびジブチル錫ジラウレート0.01mlを添加した。ポリマーを溶解させて後、反応フラスコ中にフェニルイソシアネート0.05g(0.42ミルモル)を注入した。溶液を125℃で5時間撹拌し、反応溶液をメタノール中にゆっくり加えて、ポリマーを分離した。沈殿したポリマーを濾過して、メタノールで洗浄して、真空オーブン中75℃で乾燥した。収量0.39g。ウレタン結合の形成の反応は、1H NMRを使用して確認した。酸素に結合したメチレンおよびメチンプロトンに対応する3.7ppmレゾナンスの消失とエステルに結合したメチレン基に対応する約4.2ppmの新しいレゾナンス、アミドプロトンに対する6.4、7.1と7.4ppmに現れる芳香族プロトンの発現によって、ヒドロキシル基のウレタン官能基への転換が確認された。
実施例48
この実施例は、アミン−官能性分子(例えば、アゾ染料)とマレイン酸無水物−グラフト化PNBとの反応の能力を説明する。
マレイン酸無水物−グラフト化PNB上へのアニリンのグラフト化
3口250ml丸底フラスコ中で、1.1%マレイン酸無水物−グラフト化ポリノルボルネン(5.0g)を、100mlのトルエンに100℃に加熱して溶解した。この溶液に、アニリン48マイクロリットルを添加した。この溶液を、さらに45分間100℃にて反応させた。次いで、溶媒の約50mlを単蒸留により除去した。その溶液を一夜、室温に冷却した。混合物をMeOH(500ml)中に注いでポリマーを沈殿させた。得られた物質の赤外分析では、アニリンがポリノルボルネン上のマレイン酸無水物グラフト体と反応したことを示す、アミック酸(amic acid)および充分にイミド化された構造の両方が存在することが明らかとなった。
実施例49
この実施例は、PNB中に適当な共モノマーを導入することが、選択されたポリマー、この場合ポリスチレンとPNBとの混和性をどのように変えることができるかを示すものである。
a)5−フェニルノルボルネンの合成
ジシクロペンタジエン(180g)、スチレン(140g)、トルエン(36g)およびN,N−ジエチルヒドロキシルアミン(0.35g)(重合禁止剤として添加)を、ステンレス鋼製反応器に加えた。混合物を150℃にて6時間加熱した。回転蒸留器(rotovap)にて得られた混合物から低沸点分画物を除去した。残留高沸点分画物を分別蒸留した。4mmHgで130℃の蒸留分画物をGCにより分析し、95%の5−フェニルノルボルネンであることが判った。
b)ノルボルネンと5−フェニルノルボルネンの共重合
ノルボルネン(4.50g)および5−フェニルノルボルネン(0.90g)をジクロルエタン(60ml)中に溶解した。この脱気した溶液に、[(クロチル)Ni(1,5−シクロオクタジエン)]PF6(0.0095g)を添加した。数分後、溶液からポリマーが沈殿し始めた。1時間後、混合物をMeOH中に加えて、残存ポリマーを沈殿させた。濾過して固体を乾燥し、粉末1.92gを分離した。NMR分析により、フェニルノルボルネンの導入が35モルあることが決定した。GPCの結果、Mw=333,000であり、Mn=161,000であった。
c)ノルボルネンと5−フェニルノルボルネンの共重合
この方法は、モノマーが下記量であることを除き、上記例と同じである。
5−フェニルノルボルネン5.0gおよびノルボルネン2.45g、[(クロチル)Ni(1,5−シクロオクタジエン)]PF60.0095gを初めに添加して後、ポリマーは沈殿しなかった。従って、[(クロチル)Ni(1,5−シクロオクタジエン)]PF60.095gを追加した。一夜撹拌後、混合物をMeOH500ml中に注いで、ポリマーを沈殿させた。濾過して乾燥後、ポリマー4.17gを分離した。NMR分析により、フェニルノルボルネンの導入が4モル%であることが決定した。GPCにより、Mwは37,800と決定され、またMnは17,100であると決定された。
d)スチレン中でのノルボルネン/フェニルノルボルネン共重合体の混和性
4%および35%のフェニルノルボルネンを含有するノルボルネン/フェニルノルボルネン共重合体。この物質とポリスチレンのブレンド物をクロロホルム中で適当なノルボルネン/フェニルノルボルネンとポリスチレンを溶解し、2つのポリマーの溶液をメタノール中で沈殿させることによって調製した。沈殿したポリマーを濾過し、真空オーブン中120℃にて2時間乾燥した。前記方法を使用して、フェニルノルボルネン/ノルボルネン共重合体を2つの異なる分子量のポリスチレン(5000g/モルおよび95,000g/モル)と75/25重量比でブレンドした。2つのポリマーの混和性を示差走査熱量分析(DSC)により分析した。全てのDSC分析は、20℃/分の加熱速度で、窒素雰囲気下で実施された。ノルボルネン/フェニルノルボルネン共重合体のDSC分析は、4%フェニルノルボルネン含有物質では391℃に、また35%のフェニルノルボルネン含有物質では299℃に、シングルTgを示した。分子量5000g/モルおよび95,000g/モルのポリスチレンのガラス転移温度は、それぞれ96℃および103℃であることが観察された。4%のフェニルノルボルネン含有ノルボルネン/フェニルノルボルネン共重合体と分子量5000g/モルのポリスチレンのブレンド物のDSC分析は、95℃および382℃に2つのガラス転移点を示し、混和しない系であることを示した。しかし、35%のフェニルノルボルネン含有ノルボルネン/フェニルノルボルネン共重合体と分子量5000g/モルのポリスチレンのブレンド物のDSC分析は、2つのホモポリマーのガラス転移温度の中間的な約220℃に唯一のガラス転移点を示し、混和しうる系であることを示した。ポリスチレンの分子量を5000g/モルから95,000g/モルへ変えると、ホモポリマーのガラス転移温度に対応する4%および35%のポリ(ノルボルネン/フェニルノルボルネン)/ポリスチレンブレンド試料の両方の2つのガラス転移温度が現れた。このことは、35%のフェニルノルボルネン共重合体を含有するポリ(ノルボルネン/フェニルノルボルネン)共重合体に対応する第2のガラス転移温度が高重合度ポリスチレンと多分部分的に混和性であることを示していることを指摘できる。
実施例50
この実施例は、PNBを光分解(ポリマーが飽和している場合)もしくは光分解せずに(ポリマーが不飽和である場合)、いずれでも塩素化することができることを示す。
装置
塩素化を、撹拌機、デワール(Dewar)コンデンサー、温度計付側面、真空口およびガス送入管を備えたジャケット付シリンダー型のマルチポートヘッド付きのACE−ガラス反応フラスコ中で行った。紫外線による開始を、反応器を囲ったブラックライト蛍光サークラインランプを用いて行った。塩素供給システムは、ガス送入管を連結した連続計量塩素lecture容器により構成されている。塩素の流れは、調節弁で手動により制御される。また、高純度窒素供給口をガス送入管に連結した。反応温度をハーク(Haake)循環水浴を用いて制御した。
実験方法
代表的溶液塩素化においては、反応器に樹脂および1,1,2,2−テトラクロルエタンを入れ、次いで、50〜60℃にて撹拌し、溶解させた。溶解して後、反応系を真空排気し、窒素で2回パージした。次いで反応系を真空排気して、ドライアイスを充填したデワールコンデンサー中で、塩素の凝縮を示すように溶液が飽和するまで塩素を導入した。全ての反応は、ほぼ大気圧で行った。紫外光を飽和が達成されてから照射した(ビニル末端化および5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の塩素化は、アルミニウムホイルで遮断した反応器中で紫外光を用いずに実施した)。塩素を、所望の結合塩素に達するに要する量が到達するまで、連続的に加えた。反応時間は1時間足らずであった。反応中に形成したガス状の塩酸は、デワールコンデンサーを通過して、未凝縮でカセイアルカリ・スクラッバーに流した。反応終了後、反応器の内容物に窒素をパージして、カセイアルカリスクラッバーにて過剰の塩素を除去した。塩素化ポリマーを、撹拌下メタノール中にゆっくり加えて、溶液から回収した。沈殿したポリマーを濾過し、メタノールで洗浄して濾過し、50〜60℃、24〜48時間、真空下で乾燥した。実験の詳細並びに分析結果を下記表に示す。
ノルボルネンホモ−および共重合体の塩素化
Figure 0003739401

Claims (12)

  1. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、nは0〜4であり、R1〜R3は、独立に、水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C10)シクロアルケニル、(C6〜C24)アリール、(C7〜C15)アラルキル、(C2〜C20)アルケニルおよび(C3〜C20)アルキニルを示し、そして、R1およびR2は、一緒に(C1〜C10)アルキリデンを表すことができ、R1およびR3は、それらが結合する2つの環の炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和の環状基または6〜17の炭素原子の芳香族環を示し、そしてZは、エポキシド、アルデヒド、無水物、スルホネート、カルボキシレート、アミド、ニトリル、およびアミンからなる群から選択される単位を示し、または置換基R3およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒にオキシラン環を形成することができ、またR1およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に環構造:
    Figure 0003739401
    を形成することができる]
    で表される繰り返し単位を含む多環付加重合体。
  2. Zがエポキシドである請求項1に記載の重合体。
  3. エポキシドが基:
    Figure 0003739401
    により表されるエポキシド置換基から選択される、請求項2に記載の重合体。
  4. エポキシドが基:
    Figure 0003739401
    により表される置換基から選択され、R5は水素、線状および分岐状(C1〜C10)アルキルから選択される、請求項2に記載の重合体。
  5. 3およびZが、それらが結合する環の炭素原子と一緒に、構造:
    Figure 0003739401
    により表される繰り返し単位を形成する繰り返し単位を含む、請求項1に記載の重合体。
  6. 1およびZが、それらが結合する環の炭素原子と一緒に、構造:
    Figure 0003739401
    により表される繰り返し単位を形成する繰り返し単位を含む、請求項1に記載の重合体。
  7. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、nは0〜4であり、R1〜R3は、独立に、水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C10)シクロアルケニル、(C6〜C24)アリール、(C7〜C15)アラルキル、(C2〜C20)アルケニルおよび(C3〜C20)アルキニルを示し、そして、R1およびR2は、一緒に(C1〜C10)アルキリデンを表すことができ、R1およびR3は、それらが結合する2つの環の炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和の環状基または6〜17の炭素原子の芳香族環を示し、そしてZは、エポキシド、アルコール、ジオール、アルデヒド、無水物、スルホネート、カルボキシレート、アミド、ニトリル、およびアミンからなる群から選ばれる単位を示し、または置換基R3およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒にオキシラン環を形成することができ、またR1およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に環構造:
    Figure 0003739401
    を形成することができる]
    で表される繰り返し単位を含み、その骨格がペンダントポリビニル型側鎖ブロックを含有する付加グラフト共重合体であって、グラフト化において使用されるビニル型モノマーが
    (a)下式で表されるスチレン:
    Figure 0003739401
    [式中、nは独立して0、1、2、3、4または5であり、R 10 は水素またはメチルであり、そしてR 11 は独立して水素、ハロゲン、線状および分岐状(C 1 〜C 6 )アルキル、(C 6 〜C 12 )アルコキシ、(C 6 〜C 20 )アリール、(C 6 〜C 20 )アリーロキシ、−N(R 12 2 、−SO 2 12 およびトリフルオロメチルを表し、ここでR 12 は独立して水素、線状および分岐状(C 1 〜C 10 )アルキルおよび(C 6 〜C 12 )アリールを表す];
    (b)下式で表されるアクリルアミド:
    Figure 0003739401
    [式中、R 15 は水素、線状または分岐状(C 1 〜C 5 )アルキル、(C 6 〜C 12 )アリールおよびハロゲンであり、R 16 は独立して水素、線状または分岐状(C 1 〜C 5 )アルキルおよび(C 6 〜C 12 )アリールを表す];
    (c)下式で表されるアクリロニトリル:
    Figure 0003739401
    [式中、R 17 は水素、線状または分岐状(C 1 〜C 5 )アルキル、(C 6 〜C 12 )アリール、ハロゲンおよびニトリルである];および
    (d)下式で表されるビニルモノマー:
    Figure 0003739401
    [式中、R 12 は水素、Cl、BrおよびF、線状または分岐状(C 1 〜C 5 )アルキル、(C 6 〜C 12 )アリールであり、XはCl、Br、F、線状または分岐状(C 1 〜C 5 )アルキル、(C 2 〜C 20 )アルケニル、(C 6 〜C 12 )アリール、(C 6 〜C 18 )アリールエーテル、−OAc、アリールエーテル、トリ(C 1 〜C 10 )アルコキシシランおよびアリル(C 1 〜C 10 )トリアルコキシシランである]
    から選択される前記共重合体
  8. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、nは0〜4であり、R1〜R3は、独立に、水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C10)シクロアルケニル、(C6〜C24)アリール、(C7〜C15)アラルキル、(C2〜C20)アルケニルおよび(C3〜C20)アルキニルを示し、そして、R1およびR2は、一緒に(C1〜C10)アルキリデンを表すことができ、R1およびR3は、それらが結合する2つの環の炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和の環状基または6〜17の炭素原子の芳香族環を示し、そしてZは、エポキシド、アルコール、ジオール、アルデヒド、無水物、スルホネート、カルボキシレート、アミド、ニトリル、およびアミンからなる群から選ばれる単位を示し、または置換基R3およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒にオキシラン環を形成することができ、またR1およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に環構造:
    Figure 0003739401
    を形成することができる]
    で表される繰り返し単位を含み、その多環骨格がペンダントコハク酸無水物官能基を含有する、付加グラフト共重合体。
  9. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、nは0〜4であり、R1〜R3は、独立に、水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C10)シクロアルケニル、(C6〜C24)アリール、(C7〜C15)アラルキル、(C2〜C20)アルケニルおよび(C3〜C20)アルキニルを示し、そして、R1およびR2は、一緒に(C1〜C10)アルキリデンを表すことができ、R1およびR3は、それらが結合する2つの環の炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和の環状基または6〜17の炭素原子の芳香族環を示し、そしてZは、エポキシド、アルコール、ジオール、アルデヒド、無水物、スルホネート、カルボキシレート、アミド、ニトリル、およびアミンからなる群から選ばれる単位を示し、または置換基R3およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒にオキシラン環を形成することができ、またR1およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に環構造:
    Figure 0003739401
    を形成することができる]
    で表される繰り返し単位を含有するペンダント多環サイドブロックを有するポリブタジエン骨格を含む、ポリブタジエン−多環グラフト共重合体。
  10. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、nは0〜4であり、R1〜R3は、独立に、水素、線状および分岐状(C1〜C20)アルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C12)シクロアルキル、ヒドロカルビル置換および非置換(C5〜C10)シクロアルケニル、(C6〜C24)アリール、(C7〜C15)アラルキル、(C2〜C20)アルケニルおよび(C3〜C20)アルキニルを示し、そして、R1およびR2は、一緒に(C1〜C10)アルキリデンを表すことができ、R1およびR3は、それらが結合する2つの環の炭素原子と一緒になった場合、4〜12の炭素原子の飽和および不飽和の環状基または6〜17の炭素原子の芳香族環を示し、そしてZは、エポキシド、アルコール、ジオール、アルデヒド、無水物、スルホネート、カルボキシレート、アミド、ニトリル、およびアミンからなる群から選ばれる単位を示し、または置換基R3およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒にオキシラン環を形成することができ、またR1およびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に環構造:
    Figure 0003739401
    を形成することができる]
    で表される繰り返し単位より形成される多環AブロックおよびポリシロキサンBブロックを含む、多環−ポリシロキサンA−B−Aブロック共重合体。
  11. 前記ポリシロキサンBブロックが式:
    Figure 0003739401
    [式中、aは繰り返し単位の数を表し、R10は、独立に、(C1〜C15)アルキルまたは(C6〜C24)アラルキルを表す]
    で表される、請求項10に記載のA−B−Aブロック共重合体。
  12. 式:
    Figure 0003739401
    [式中、PNBは多環Aブロックを表す]
    で表される、請求項10に記載の多環−ポリシロキサンA−B−Aブロック共重合体。
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