JP3738561B2 - 自動車のサイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シートの側方にエアバッグを展開させるようにした自動車のサイドエアバッグ装置においては、折り畳まれたエアバッグを収納したエアバッグユニットを、シート側端部内に配設する場合がある。この場合、シートの表皮材に脆弱部を形成して、膨張されるエアバッグの展開圧力によって脆弱部が破断されるようにして、この脆弱部を通してエアバッグがシート外部へと展開されるようにしている。
【0003】
ところで、シートの表皮材は、乗員からの荷重を受けて容易に変形できるようにかなり大きく伸長可能な材質で形成されている。このため、展開されるエアバッグによって表皮材に形成された脆弱部を破断するとき、表皮材がかなり大きく伸び変形して、脆弱部が即座に破断されることを阻害する要因、つまりエアバッグのすみやかな展開を阻害する要因となる。
【0004】
エアバッグが展開されるときの表皮材の大きな伸び変形を防止するため、特開平9−39711号公報には、1対の表皮材の端部同士を縫い合わせて脆弱部を構成すると共に、この表皮材の端部同士の縫い合わせ部分に伸長しにくい補強バンドの一端部を共縫いし、補強バンドの他端部をシート内の補強部材に結合するものが提案されている。すなわち、脆弱部に対してエアバッグの展開圧力が作用したとき、補強バンドによって脆弱部を構成する一対の表皮材の端部が所定以上伸び変形しないように抑制するものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報記載のものでは、一対の表皮材の端部同士はエアバッグの展開圧力を受けて容易に破断され易いようにする、つまりその縫い目が容易に破断され易いようにすることが望まれる一方、この表皮材の各端部に共縫いされた補強バンドは当該表皮材の各端部に対して容易に結合解除されないようにすることが望まれ、この両方の要求を共に高い次元で満足させることがなかなか難しいものとなる。
【0006】
上述のような観点から、出願人は、表皮材とその裏面側に配設されたクッション部材との間において、表皮材に形成した脆弱部を境として伸長しにくい材質からなる一対の低伸長部材を配設して、低伸長部材の脆弱部側端部を表皮材に結合したものを開発した。つまり、表皮材のうち展開されるエアバッグによって大きく伸長されようとする部分のみを低伸長部材によって実質的に低伸長となるように構成したもので、脆弱部そのものの破断性は低伸長部材によって阻害されることがなく、また伸長しにくい低伸長部材によって表皮材の大きな伸び変形が防止されることになる。上述のように低伸長部材を用いた場合に、エアバッグのよりすみやかな展開確保のために、表皮材の大きな伸び変形をさらに効果的に防止することが望まれている。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、脆弱部が形成された表皮材の裏面側に伸長しにくい低伸長部材を配設した場合に、エアバッグが展開されるときの表皮材の伸び変形をより効果的に防止することのできるようにした自動車のサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
シートの側端部における表皮材に脆弱部が形成されていると共に、該脆弱部に対応して該側端部内にエアバッグユニットが配設され、該エアバッグユニットから展開されるエアバッグが前記脆弱部を破断してシート外部へと展開されるようにした自動車のサイドエアバッグ装置において、
前記表皮材とその裏面側に配設されたクッション部材との間において、該表皮材よりも低伸長とされた低伸長部材が配設され、
前記低伸長部材は、展開されるエアバッグによって前記表皮材が伸長される方向に沿って配設され、
前記クッション部材には、前記エアバッグユニットよりもシートの内側方寄りの位置において、その表面側と裏面側とを連通させるスリットが形成され、
前記クッション部材に、前記スリット内に臨むようにして、織り目構成用補強部材が設けられていると共に、該織り目構成用補強部材に前記表皮材が結合されて織り目線が形成され、
前記脆弱部よりもシートの内側方寄りに位置される前記低伸長部材が、前記織り目構成用補強材に対して離れた状態にしつつ前記スリットを通るように配設されて、その一端部が前記脆弱部付近において前記表皮材に結合されていると共に、その他端部が該スリットの裏面側に位置するシート補強部材に結合されている、ようにしてある。上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、低伸長の低伸長部材を利用して表皮材が大きく伸び変形するのを防止する場合、低伸長部材がシート内の補強部材と表皮材の脆弱部付近とを連結しているので、低伸長部材を利用した表皮材の伸び変形がより効果的に防止されて、エアバッグをよりすみやかに展開させる上で好ましいものとなる。また、シート裏面側にあるシート補強部材に対して、クッション部材に形成されたスリットを通して低伸長部材を配設するので、低伸長部材の配設を容易に行うことができる。さらに、低伸長部材がスリットを通っているので、エアバッグの展開に起因した低伸長部材を介してのクッション部材の変形作用が抑制されることにもなる。
【0010】
請求項2によれば、脆弱部を境として低伸長部材を一対設けることにより、表皮材の脆弱部を境とする両側部分のそれぞれについて、大きな伸び変形を効果的に防止する上で好ましいものとなる。また、展開されるエアバッグによって押圧される脆弱部が、一対の低伸長部材によって開かれようとする力を受けて、脆弱部のすみやかな破断を得る上でより好ましいものとなる。
請求項3によれば、一対の低伸長部材の位置に応じて、シート内にある補強部材を適切かつ効果的に利用したものとすることができる。また、乗り降り等に起因して損傷を受けやすいシート外側端部が、低伸長部材によって補強されることにもなる。
【0011】
請求項4によれば、エアバッグの展開圧力によってクッション部材を所望位置から容易に破断して、エアバッグの展開をすみやかに行う上で好ましいものとなる。
【0012】
請求項5によれば、乗員のシートに対する着座、離座等に起因してシート表面が変形するときに、スリットが不用に開閉されてしまう事態を防止することができる。
また、エアバッグが展開されない通常時において、表皮材の裏面側に配設された低伸長部材が表皮材の変形を極力阻害しないようにする上で好ましいものとなる。
請求項6によれば、低伸長部材の幅を脆弱部の長さに応じて設定して、低伸長部材を必要最小限の大きさとする上で好ましいものとなる。また、低伸長部材を全体的にシート状としてあるので、表皮材に十分沿わせることができ、表皮材の感触を低伸長部材が阻害しないようにする上で好ましいものとなる。勿論、シート状であるため、表皮材とクッション材との間に容易に配設することができ、しかもシートの表面形状に悪影響を与えることもない。
【0013】
請求項7によれば、車体側壁に対する乗員の衝突を防止することができる。
【0014】
請求項8によれば、エアバッグユニットの具体的な配設位置が提供される。
【0015】
請求項9によれば、エアバッグユニットの具体的な配置位置が提供される。
【0016】
請求項10によれば、請求項6に対応した効果を得ることができる。
請求項11によれば、エアバッグの展開方向への表皮材の伸び抑制をより効果的に行う上で好ましいものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1、図2、図4を参照しつつ全体の概要を説明すると、1はシートクッション、2はシートバックである。シートバック2の左右側端部2L、2Rのうち、車体側壁に近い側の一方の側端部2L内には、エアバッグユニットUが配設されている。エアバッグユニットUは、既知のように、ケーシング11と、ケーシング11内に配設されたガス圧発生器としてのインフレータ12と、折り畳まれたエアバッグ13とを有し、折り畳まれたエアバッグ13は、インフレータ12の前方側つまりケーシング11の開口部11a側に位置されている。
【0018】
前記側端部2Lの前面には、上下方向に細長く伸びる脆弱部(弱化部)21が形成されている。前記エアバッグユニットUは、脆弱部21の形成位置に対応させて配設、つまりケーシング11の開口部11aが脆弱部21を指向する方向に配設されている。インフレータ12を起爆させることによって発生されたガス圧を受けて、折り畳まれたエアバッグ13が膨張つまり展開されて、その膨張圧つまり展開圧によって脆弱部21を破断してエアバッグ13がシート2外に展開される。
【0019】
展開状態にあるエアバッグ13が、図3に示されると共に、図1、図2一点鎖線で示される。シートバック2外に展開されたエアバッグ13は、シートに着座された乗員Fの胸部と頭部との各側方に位置される。つまり、乗員Fの胸部、頭部と、車体側壁との間にエアバッグ13が展開されて、車体側壁に対する胸部および頭部の衝突が防止される。このように、展開された1つのエアバッグ13は、ケーシング11から伸びる胸部保護部13aと、胸部保護部13aの上部に連通されてその上方に伸びる頭部保護部13bとを有する形状とされている。
【0020】
次に、図4、図5を参照しつつ、脆弱部21およびこれに関連した部分について説明する。まず、シートバック2は、既知のように、クッション部材31とその表面を被覆する表皮材32とを有し、上記側端部2L(2Rについても同じ)についてもクッション部材31と表皮材32とを有する。
【0021】
表皮材32に、前述の脆弱部21が形成されている。この脆弱部21は、表皮材32の前面に上下方向に細長く形成されたスリット21aを含み、表皮材32のうちスリット21aを境にして存在する左右一対の表皮材32の周縁部同士を互いに縫い合わせることにより、スリット21aは常時は閉じられている。つまり、エアバッグ13が展開されない通常時においては、乗員Fからの荷重がスリット21aに作用する程度の外力では、スリット21aが閉じられた状態を維持するようにされている。
【0022】
脆弱部21つまりスリット21aと、エアバッグユニットUとの間には、前述のクッション部材31が位置されている。クッション部材31のうち、エアバッグユニットUのケーシング11に対向する部分には、当該開口部11aから脆弱部21へ向う方向に伸びる切欠部31aが形成されている。これにより、展開されるエアバッグ13の展開圧を受けて、クッション部材31は、切欠部31aから容易に破断されて、エアバッグ31が脆弱部21へ容易につまりすみやかに到達できるようにされている。
【0023】
シートバック2は、既知のように、各種補強部材がその内部に配設されている。この各種補強部材のうち、もっとも強度的に優れた補強部材として、剛性に優れた太いパイプ材からなるパイプフレーム41を有する。このパイプフレーム41は、例えば1本のパイプ材を曲げ加工することにより、あるいは複数本のパイプ材を溶接接合する等により、全体として略4角形状となるように形成されて、シートバック2の外周縁部に沿うように大きな形状とされている。すなわち、パイプフレーム41は、上下方向に伸びる左右側部41a、41bと、左右側部41a、41bの上端部同士を連結する上連結部41cと、左右側部41a、41bの下端部同士を連結する下連結部41dとを有する。そして、パイプフレーム41の左側部41aに、ブラケット14を介してエアバッグユニットUのケーシング11が固定されている。
【0024】
また、補強部材として、シートバック2の側端部2Lと左右中央部分2Tとの間の境界線となる織り目線Lをしっかりと形成するための織り目構成用補強部材(第1補強部材)42を有する。この織り目構成用補強部材42は、側端部2Lと左右中央部分2Tとの境界部分において上下方向に細長く伸びるように配設されていて、表皮材32がこれに結合されて、上記織り目線Lがしっかりと確保される。なお、織り目構成用補強部材42は、例えばワイヤによって形成されており、その端部がパイプフレーム41に接合されている。なお、織り目線Lを明確に形成するため、補強部材41の直前方部分にはクッション部材31が存在しないようにされて、つまり織り目線Lに対応した位置におけるクッション部材31の前面に凹部31bが形成されて、この凹部31b内に補強部材42位置されると共に、表皮材32がクッション部材31を介することなく補強部材42に結合されている。
【0025】
補強部材として、前記織り目補強部材42よりも後方(裏面側)、より具体的にはクッション部材31よりも後方位置において、上下方向に細長く伸びる後方補強部材(第2補強部材)43aが配設されている。この後方補強部材43aもワイヤによって形成されているが、後方補強部材43aは実際には、図5に示すような形状とされた大きく広がるように配設された補強部材43の一部によって構成されている。そして、後方補強部材43aは、織り目構成用補強部材42よりも太くされている(強度的に優れたものとされている)。なお、パイプフレーム41には、図示は略すが、それぞれ上下方向に伸びる補強部材としての多数本のワイヤが左右方向に所定間隔毎に接合されると共に、それぞれ左右方向に伸びる補強部材としての多数本のワイヤが上下方向に所定間隔毎に接合されている。
【0026】
前記後方補強部材43aは、エアバッグユニットUの後方で、かつエアバッグ展開方向におけるエアバッグユニットUの延長軌跡内(展開方向とは反対側となる)に位置するように配置されている(後方延長軌跡付近に位置させることもできる)。つまり、エアバッグ展開方向に伸びる直線上に極力位置するようにされている。
【0027】
クッション部材31には、エアバッグユニットU付近で、かつエアバッグユニットUよりもシート内側方寄り(シート幅方向中央側寄り)において、その表面側と裏面側とを連通させるように、スリット31cが形成されている。
【0028】
シートバック2の側端部2Lにおけるクッション部材31と表皮材32との間には、脆弱部21を境として左右一対の低伸長部材51、52が配設されている。低伸長部材51、52は、例えば布材(不織布あるいは織布)により構成されて、その伸長程度が表皮材32よりも十分小さいものが用いられている。
【0029】
脆弱部21よりも内側方寄りに位置される、つまり脆弱部21から左右中央部分2T側へ位置する表皮材32に対して設けられた一方の低伸長部材51は、上記スリット31cを貫通して後方補強部材43aにまで伸びて、当該後方補強部材43aに結合されている。低伸長部材51の車幅方向外端部側つまり脆弱部21側端部が、当該脆弱部21付近の表皮材21に結合されている。低伸長部材51は、表皮材21に対しては、脆弱部21付近においてのみ結合されている。なお、スリット31cの幅(上下方向幅)は、低伸長部材51の幅とほぼ同じとされている。
【0030】
他方の低伸長部材52は、その一端部が脆弱部21付近において表皮材32に結合され、その他端部が前記後方補強部材43aに結合されている。すなわち、低伸長部材52は、脆弱部21より、側端部2Lの車幅方向外端部(外側面)に沿ってシートバック2の後端部にまで達した後、車幅方向内方側へと曲げられて、後方補強部材52へ至るようにかなり長いものとされている。低伸長部材52も、表皮材21に対しては、脆弱部21付近においてのみ結合されている。
【0031】
上記各低伸長部材51、52の幅、つまり脆弱部21の長さ方向に沿う上下方向幅が、脆弱部21の長さとほぼ同じに設定されている。換言すれば、低伸長部材51、52は、表皮材32が脆弱部21部分でもって長く伸び変形するのを規制あるいは抑制さらには防止するために必要最小限の幅に設定されている。これにより、表皮材32に対する手触りの感触が、大きく損なわれないようにされる。
【0032】
脆弱部21付近における表皮材32と低伸長部材51、52との結合の詳細が、図6に示される。先ず、表皮材32は、脆弱部21つまりスリット21aを境にして形成されるその左右一対の周縁部をそれぞれ、裏面側に略180度織り返すことにより形成された一対の折り返し部32a、32bを有する。低伸長部材51は、当該低伸長部材51に近い側となる一方の折り返し部32aに対してのみ、例えば縫い合わせによって結合され、この結合部分が符号K1で示される。また、低伸長部材52は、当該低伸長部材52に近い側となる他方の折り返し部32bに対してのみ、例えば縫い合わせによって結合され、この結合部分が符号K2で示される。このように、低伸長部材51、52はいずれも、表皮材32のうち外部から目視可能な部分には結合されていないものとなっている。なお、スリット21aを境にして形成される表皮材32の一対の周縁部同士を結合する結合部(例えば縫い合わせ部)が、図6中符合K3で示される。
【0033】
図7は、低伸長部材51と補強部材43aとの結合例を示すものであるが、この結合例は、低伸長部材52と補強部材43aとの結合についても同様であり、また表皮材32と補強部材42との結合についても同様に行うことができる。この図7において、例えば合成樹脂により形成された取付具61が用いられる、この取付具61の一端部に形成された取付孔61aに対して、補強部材43aに嵌合された例えばOクリップ62を貫通させることにより、当該取付具61がOクリップ62を介して補強部材43aに連結される。取付具61の他端部は、ほぼ平坦な結合片部61bとされ、この結合片部61bに対して、例えば縫い合わせにより低伸長部材51が結合される。
【0034】
以上のような実施形態において、エアバッグ13が展開されるとき、展開されるエアバッグ13から大きな展開圧力が脆弱部21に作用して、脆弱部21周囲の表皮材32が大きく伸び変形されようとする。このとき、低伸長部材である低伸長部材51、52によって、表皮材32の大きな伸長が防止されることになる。とりわけ、低伸長部材51、52は、強度的に優れた補強部材43aに連結されているので、低伸長部材51、52がエアバッグ13の展開方向にほぼまっすぐな状態となった以上に大きく表皮材32が伸長されることが防止される。
【0035】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。シートクッション1に対して、脆弱部21、エアバッグユニットUを設けるようにしてもよい。この場合、脆弱部21は、シートクッション1の側端部上面において、前後方向に細長く形成するようにすればよい。また、脆弱部つまりエアバッグユニットが設けられるシートの側端部としては、車体側壁に遠い側の側端部とする、つまり左右方向に隣り合うシート側の側端部とすることもできる(左右のシートに着座されている乗員同士の衝突防止)。
【0036】
低伸長部材は、シート状として形成することなく、例えばひも状(ワイヤ状)として形成することもできる。また、低伸長部材は、脆弱部付近についてのみ当該脆弱部と同じ長さの幅を有するシート状として、このシート状部分から補強部材に至るまでの部分をひも状とすることができる。上記の例共に、ひも状の低伸長部材は、1本に限らず、例えば脆弱部の長さ方向に所定間隔毎に互いに並列に複数本でもって構成することもできる。
【0037】
低伸長部材51と52とは、互いに別のシート補強部材に結合するようにすることもできる。
【0038】
本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたシートの全体側面図。
【図2】図1に示すシートの前方斜視図。
【図3】図1に示すシートから展開されたエアバッグの展開形状を示す断面図。
【図4】図1のX4−X4線相当断面図。
【図5】図1に示されるシートバックを前方から見たときの図。
【図6】脆弱部付近における表皮材と低伸長部材とを示す断面図。
【図7】低伸長部材と補強部材との結合例を示す図。
【符号の説明】
1:シートクッション
2:シートバック
2L、2R:側端部
2T:左右中央部分
13:エアバッグ
21:脆弱部
21a:スリット(脆弱部用)
31:クッション部材
31c:スリット(低伸長部材通過用)
32:表皮材
43:後方補強部材(第2補強部材)
51:低伸長部材
52:低伸長部材
U:エアバッグユニット
F:乗員
K1、K2、K3:結合部分
Claims (11)
- シートの側端部における表皮材に脆弱部が形成されていると共に、該脆弱部に対応して該側端部内にエアバッグユニットが配設され、該エアバッグユニットから展開されるエアバッグが前記脆弱部を破断してシート外部へと展開されるようにした自動車のサイドエアバッグ装置において、
前記表皮材とその裏面側に配設されたクッション部材との間において、該表皮材よりも低伸長とされた低伸長部材が配設され、
前記低伸長部材は、展開されるエアバッグによって前記表皮材が伸長される方向に沿って配設され、
前記クッション部材には、前記エアバッグユニットよりもシートの内側方寄りの位置において、その表面側と裏面側とを連通させるスリットが形成され、
前記クッション部材に、前記スリット内に臨むようにして、織り目構成用補強部材が設けられていると共に、該織り目構成用補強部材に前記表皮材が結合されて織り目線が形成され、
前記脆弱部よりもシートの内側方寄りに位置される前記低伸長部材が、前記織り目構成用補強材に対して離れた状態にしつつ前記スリットを通るように配設されて、その一端部が前記脆弱部付近において前記表皮材に結合されていると共に、その他端部が該スリットの裏面側に位置するシート補強部材に結合されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1において、
前記低伸長部材は、前記脆弱部を境として左右一対設けられている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項2において、
前記左右一対の低伸長部材のうち前記脆弱部よりもシートの外側方寄りに位置される外側低伸長部材が、シートの側端部外面に沿うように配設されて、その一端部が該脆弱部付近において前記表皮材に結合されると共に、その他端部が前記補強部材に結合されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記表皮材とエアバッグユニットとの間に、前記クッション部材が位置され、前記クッション部材のうち展開されるエアバッグに対向する部分に、展開されるエアバッグによって該クッション部材が破断され易いようにするための切り込み部が形成されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記脆弱部が、前記表皮材に形成されたスリット部分を縫い合わせることにより形成され、
前記低伸長部材は、前記表皮材に対して、前記スリット部分の縫い目付近においてのみ結合されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記低伸長部材が全体的にシート状として形成され、
前記低伸長部材の幅が、前記脆弱部の長さとほぼ同じ大きさとされている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記脆弱部およびエアバッグユニットが、シートの左右側端部のうち車体側壁に近い側の側端部に位置されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項7において、
前記脆弱部およびエアバッグユニットが、シートバックに設けられている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項7において、
前記脆弱部およびエアバッグユニットが、シートクッションに設けられている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項5、請求項7ないし請求項9のいずれか1項において、
前記低伸長部材が、シート状として形成されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、
前記低伸長部材が結合される前記補強部材が、前記エアバッグユニットよりもシート裏面側で、かつ該エアバッグ展開方向の延長軌跡内または該延長軌跡付近に位置されている、
ことを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。
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