JP3691038B2 - 釣糸補助ガイド装置 - Google Patents
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Description
「技術分野」
本発明は、釣竿に設ける釣糸補助ガイド装置に関する。
「背景技術」
従来より、サーフ又はルアー釣りに使用される釣竿では、先側に向かってだんだん内径が小さくなるリング状ガイド部材が複数設けられている。そして、釣竿の基側には、釣竿の長手方向を軸として回転するドラム上のスプールを備え、該スプールに釣糸を巻き付けるスピニングリール(以下、巻取りリールという)が取り外し可能に設けられている。さらに、近年では、スピニングリールから出た釣糸が釣竿の内部を挿通する中通し竿も用いられている。
巻取りリールのスプールの螺旋状に解かれた釣糸の進行方向は、スプールの軸心の向きと同じなので、仕掛けの投入時には、釣糸に捻れが生じる。スプールから解かれて捻れが生じた釣糸は、旋回し、波打ち又は振動しながら各リング状ガイド部材内を通過する。このとき、釣糸の波打ちによって釣糸とリング状ガイド部材との摺動抵抗が大きくなり、釣糸の先部に設けられた仕掛けの投擲距離が制約されていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で釣糸の波打ちを抑え、投擲距離を伸ばすことができる釣糸補助ガイド装置を提供することを目的とする。
「発明の開示」
前記目的に沿う第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、釣糸を案内する複数のリング状ガイド部材が設けられた釣竿の基側に取付けて、仕掛け投入時の前記釣糸の振動を抑えるのに使用する釣糸補助ガイド装置であって、距離を有して基側から順次対向配置された第1、第2のガイドリングと、前記第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、前記第1、第2のガイドリングを挿通する前記釣糸を、前記第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドと、前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する支持部材とを有する。
本発明において、釣糸を第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させるとは、並んで配置された第1、第2のガイドリングを挿通する釣糸を、前記中間ガイドによって第1、第2のガイドリングの一方側に実質的に当接又は近接させて挿通させることをいう。
なお、本発明に係る釣糸補助ガイド装置の釣竿への取付け位置は、釣竿の巻取りリールの取付け位置と、最基側のリング状ガイド部材との中間位置であるのが好ましい。
釣糸は巻取りリールから第1、第2のガイドリングを挿通して釣竿に予め設けられた複数のリング状ガイドを挿通し、また、釣糸の先端部には、錘や仕掛けが取付けられる。
第1、第2のガイドリングは、必ずしも円形リングである必要はなく、その材質としては、例えば、ステンレス、チタン等の耐食性及び耐摩耗性のある金属、耐摩耗性セラミックス(SiC、Al2O3、TiB2、WC、Si3N4、c−BN等)のセラミックス材料等を使用することができる。
支持部材は、例えば、ステンレス、チタン、チタン合金、耐食性を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属や硬質プラスチックからなる板状や棒状の部材を用いることができる。
本発明の釣糸補助ガイド装置においては、仕掛けや錘の投入時に、巻取りリールから解けた釣糸は、第1のガイドリングによって、旋回を抑えられ、さらに第2のガイドリング内を通過する。このとき、釣糸は、中間ガイドによって第1、第2のガイドリングの一内周面側に偏心挿通されるので、第1、第2のガイドリング及び中間ガイドの少なくとも1つに接触し、釣糸に僅少の摩擦力が加わる。釣糸は仕掛けや錘によって釣竿の先側に引っ張られるが、釣糸補助ガイド装置によって釣糸に小さいな引っ張り力が働くので、釣糸は、釣竿の中間部から先部に設けられているリング状ガイド部材内を接触を少なくした状態で直線的に移動する。また、巻取りリールから解けた釣糸に発生する捻れは、本発明の釣糸補助ガイド装置を使用しない場合には、釣糸の波打ちや振動となって表れ、波打った釣糸が釣竿の中間部及び先部に設けられたリング状ガイド部材に引っ掛かって仕掛け投擲時の大きな抵抗となるが、本発明の釣糸補助ガイド装置を使用すると、巻取りリールからでる釣糸が直線状に矯正されるので、釣竿の中間部及び先部に設けられたリング状ガイド部材に釣糸が引っ掛かるのが防止され、釣糸補助ガイド装置の抵抗に打ち勝って更に投擲距離の増大が図れると考えられる。
また、先部に仕掛けが設けられた釣糸が、第1、第2のガイドリング及び中間ガイドの少なくとも1つに常時接触しているので、釣糸を伝わる魚信が本発明の釣糸補助ガイド装置を介して釣竿に伝わり、手元に伝達することができる。また、魚信以外の海中の状態によって釣糸に発生する張力変化も、釣糸補助ガイド装置を介して釣竿の基側部分に伝達することができるので、仕掛け投入直後の海中の様子を手元が感じることができる。
また、第2の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドを、環状の第3のガイドリングにしている。かかる構成によって、釣糸を第3のガイドリング内に挿通して用いることができるので、使用中に外れることがなく、安定して使用することができる。
第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドに、中間部分が小径となった溝付きローラを使用している。溝付きローラは、例えば、硬質プラスチックの他、ステンレス、チタン、チタン合金、マグネシウム合金等の耐食性のある金属や前述した耐摩耗性セラミックス等の摺動性のよいセラミックス材料等を用いることができる。溝付きローラの溝の断面形状は、例えば、円弧状、U字状、V字状に形成することができる。投擲時の釣糸は、ローラの最小径の部分に嵌入して第1、第2のガイドリングの一方側にガイドされるので、前記第3のガイドリングと同様、釣糸の振動及び波打ちを抑えることができ、結果として仕掛けや錘の投擲距離を伸ばすことができる。
そして、第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドに、中間位置にU字溝を有する固定ガイドを使用している。これによって、中間ガイドの形状を簡単にして軽量化を図ることができる。
更に、第5の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する前記支持部材の長手方向両側(釣糸挿通方向に実質的に一致する)に、釣竿固定部をそれぞれ設けている。このように、釣竿固定部を2カ所に設けるので、支持部材を確実に固定して釣糸補助ガイド装置の変形や破損を防止することができる。
また、前記支持部材は板材を曲げて形成され、前記釣竿の基側に設けられた第1のガイドリングは、前記支持部材に形成された第1の貫通孔に取付けて固定するのが好ましい。前記第2のガイドリングは、前記支持部材に形成された第2の貫通孔に固定される場合(好ましくは、釣糸が釣竿の外側を通る外通し竿において適用)と、前記支持部材に一端が固定された連結部材に固定されている場合(好ましくは、釣糸が釣竿の内側を通る中通し竿に適用)がある。なお、第1、第2のガイドリングをそれぞれ第1、第2の貫通孔を介して前記支持部材に直接取付けた場合には、装置の構成が簡単となり、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、操作性をよくすることができる。
前記支持部材の主断面は、フラットアーチ状、山形、三角状、円弧状、楕円弧状に形成することができ、更に2以上の突出部分を有する波形に形成するのが好ましく、これによって、曲げ、強度を向上させることができる。
また、前記支持部材に取付けた第1、第2のガイドリングは軸心を合わせて平行に配置するのが好ましいが、支持部材の形状に応じて向かい合わせて傾斜配置してもよい。
また、前記支持部材の中間部に、プレス加工によって、補助支持板部材を支持部材の一部を前記第1、第2のガイドリング側に折り曲げ形成し、この補助支持板部に形成された第3の貫通孔に前記第3のガイドリングを固定することも可能である。これによって、一枚の板材からプレス加工して、第1〜第3のガイドリングを除く釣糸補助ガイド装置の本体を製造できる。
更に、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材の長手方向の一側のみに固定手段を設け、前記釣竿に予め取付けられている最基側のリング状ガイド部材に固定している。この支持部材は、前記したリング状ガイド部材に分離不可能に固着することができ、また、着脱可能に固定することも可能である。かかる構成によって、釣竿とは別体として販売された釣糸補助ガイド装置を釣竿へ固定することが容易となる。
ここで、第7の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、3以上の支持棒で構成する。このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置の重量を小さくして、釣竿に取付けて使用するときの操作性を良くすることができ、また、支持部材の内部の調整や洗浄を容易に行うことができる。
また、それぞれの前記固定手段に、最基側の前記リング状ガイド部材の周方向に所定間隔を有して外部から被さる掛止爪を設けることも可能である。かかる構成によって、リング状ガイド部材の着脱を容易に行うことができる。
また、前記固定手段に、前記掛止爪の一側、又は他側に形成され半径方向内側に窪んだ掛止溝をそれぞれ設け、それぞれの前記掛止溝に、固着リングを外嵌させることも可能である。
固着リングは、例えば、金属製、布製、可撓性のプラスチック材料からなり、環状に形成される他、多角形状に形成することもできる。また、紐状の部材を掛止爪に巻き付けたものも固着リングに含まれる。
このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置の着脱を簡単に行い、且つ確実に固定することができる。
また、第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、他方側が拡径した筒体にする。
かかる構成によって、装置の強度を増して、使用時の破損を防止することができる。
また、前記固定手段を、最基側の前記リング状ガイド部材の内側を挿通可能な雄ねじ部と、該雄ねじ部に螺合するナットによって構成することも可能である。雄ねじ部をリング状ガイド部材に挿通させた後、ナットを螺合させ、締結することによって、装置を着脱可能に取付けることができる。かかる構成によって、釣竿への装置の着脱を簡単且つ確実に行うことができる。
また、第9の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6〜第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材の長手方向の他側に、前記第1、第2のガイドリングより大径の大径ガイドリングを設ける。かかる構成によって、リールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸が必要以上に波打つことを防止して、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第10の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドに溝付きローラを設け、前記支持部材を板材で構成し、前記支持部材の長手方向両側に、釣竿固定部をそれぞれ設け、前記第1、第2のガイドリングを、前記支持部材に形成された第1、第2の貫通孔に取付けて固定し、前記支持部材に、該支持部材の中間部の両側にそれぞれの基端を一体的に取付けて屈曲するローラ支持部を形成し、前記中間ガイドの溝付きローラを、前記ローラ支持部に回転自在に取付ける。かかる構成によって、支持部材を簡単に製造し、装置を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第2図は、同釣糸補助ガイド装置の平断面図である。
第3図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第4図は、本発明の第2の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第5図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第6図は、本発明の第3の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第7図は、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の取付け状態を示す斜視図である。
第8図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第9図は、同側断面図である。
第10図の(A)、(B)は、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の固定手段の変形例を示す側断面図である。
第11図は、本発明の第5の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第12図は、本発明の第6の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第13図は、本発明の第7の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
「発明を実施するための最良の形態」
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例について説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10は、複数のリング状ガイド部材11(図7参照)が設けられた釣竿12の基側に取付けて、仕掛け投入時の釣糸13の振動を抑えるのに使用する装置である。以下、詳しく説明する。
釣糸補助ガイド装置10は、距離を有して対向配置された第1、第2のガイドリング14、15と、第1、第2のガイドリング14、15の中間位置に設けられて、第1、第2のガイドリング14、15を挿通する釣糸13を、第1、第2のガイドリング14、15のそれぞれの取付けられる釣竿12側、即ち一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドの一例である第3のガイドリング16と、第1、第2のガイドリング14、15及び第3のガイドリング16を所定位置に固定する支持部材17とを有している。ここでは、第1のガイドリング14が釣竿12の基側に配置されている場合について説明する。
まず、支持部材17について説明する。
支持部材17は板材からなって、支持部材17の長手方向の基側及び先側には、釣竿12の長手方向にそれぞれ配置される釣竿固定部18、19がそれぞれ設けられている。
釣竿固定部18、19は、支持部材17の本体部より少し細く形成され、また、釣竿12の外周に合わせた曲面が形成されている。釣竿固定部18、19を少し細く形成することによって、曲面形状を釣竿12に合わせやすくなり、釣竿固定部18、19を釣竿12に確実に当接させ、強固に固定することができる。
釣竿固定部18、19は、釣竿12の外周に図示しない固定用糸で巻着、固定され、固定用糸は、樹脂によって環状にコーティングされて固着部22をそれぞれ形成している。
支持部材17の本体部は、釣竿12側に開口する溝形状に屈曲して基側から順に基側壁23、中間部20、先側壁24を形成している。基側壁23は、先側壁24より少し長く形成されている。また、基側壁23及び先側壁24には、第1、第2のガイドリング14、15が取付けられて固定される第1、第2の貫通孔25、26がそれぞれ形成されている。
中間部20には、両端を先側に向けたU字状の切れ目が形成され、切れ目の内側部分は、支持部材17の中間部20に基端を一体的に取付けて釣竿12側に屈曲する補助支持板部29を形成している。補助支持板部29には、第3のガイドリング16が取付けられて固定される第3の貫通孔27が形成されている。
また、中間部20の幅方向両側には、釣竿12側に向かって屈曲する折り曲げ補強部28がそれぞれ形成されている。中間部20には補助支持板部29を切り欠いて形成しているが、折り曲げ補強部28を設けることによって、中間部20の屈曲及び破損を防止し、第3のガイドリング16を確実に保持することができる。
かかる構成によって、支持部材17は、例えば、プレス加工によって簡単に製造することができる。
第1〜第3のガイドリング14〜16は、第1〜第3の貫通孔25〜27にそれぞれ取付けて固定される。第1〜第3のガイドリング14〜16は、例えば、圧入や装着によって固定することができ、また、外周を囲む図示しない第1〜第3の取付け用リングを介して固定することも可能である。
図3に示すように、釣糸補助ガイド装置10を、第1、第2のガイドリング14、15の中心を結ぶ直線に沿って基側から見たとき第1のガイドリング14の孔の上端と第3のガイドリング16の孔の下端との間の距離L1は、例えば、0.5mm〜3mmにしている。
また、第1〜第3のガイドリング14〜16の内径は、例えば、1〜4mmにしている。
また、第1、第3のガイドリング14、16間の距離は、例えば、10〜30mmにして、第2、第3のガイドリング15、16間の距離は、例えば、10〜20mmにしている。
第1〜第3のガイドリング14〜16の内径は、挿通される釣糸13の外径より十分に大きいが、第3のガイドリング16によって釣糸13は釣竿12側に偏心挿通されるので、釣糸13は、第1〜第3のガイドリング14〜16のうち少なくとも1カ所に接触する。
次に、釣糸補助ガイド装置10の使用手順について説明する。
まず、巻取りリールから引き出した釣糸13を、第1、第3、第2のガイドリング14、16、15の順に挿通し、さらに釣竿12の複数のリング状ガイド部材11に基側から順に挿通する。
次いで、釣糸13の先端部に仕掛け及び錘を取付けて投擲を行う。
仕掛け及び錘を投入すると、巻取りリールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸13は、第1のガイドリング14によって、旋回及び波打ちを規制されると共に、第1〜第3のガイドリング14〜16の内周面に当接して、一定の摩擦力を受けながら釣竿12の先側に移動する。
釣糸13は、錘による先側への引張力と、釣糸補助ガイド装置10による基側への摩擦力が働くので、釣竿12に複数設けられたリング状ガイド部材11内を通過するときには、直線状に移動する。
また、釣糸補助ガイド装置10の摩擦力は、第1〜第3のガイドリング14〜16の周方向へも働くため、巻取りリールから引き出された釣糸13に生じる捻れは、釣糸補助ガイド装置10の基側で大きくなる。
しかし、釣糸補助ガイド装置10の先側の釣糸13は、直線状に移動しており、周方向への回動抵抗が少なくなっているので、釣糸補助ガイド装置10の先側に送り出された釣糸13は、大きな捻れを迅速に矯正しながら先側へ移動することができる。
このように、釣糸13は、リング状ガイド部材11や釣竿12の外周に接触することが少なくなるので、仕掛け投入時の全体的な摺動抵抗を小さくして投擲距離を伸ばすことができる。また、釣糸13の捻れを迅速に矯正できるので、リング状ガイド部材11に絡みついて釣糸13が切断されることも少なくなる。
また、板材からなる支持部材17を溝形状に屈曲させて使用しているので、第1のガイドリング14の外周部全体を板状の基側壁23で支持することができ、釣糸13が基側壁23に絡みつくのを防止することができる。
次に、図4、図5を参照して、本発明の第2の実施例に係る釣糸補助ガイド装置30について説明する。
釣糸補助ガイド装置30は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の折り曲げ補強部28を省略し、第3のガイドリング16と補助支持板部29の代わりに、中間ガイドの一例であり中間部分が小径となった溝付きローラ31及びこれを支持するローラ支持部32を用いたものであり、他の部分及び部材は釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明は省略する。
ローラ支持部32は、支持部材34の中間部35の幅方向両側にそれぞれの基端を一体的に取付けて釣竿12側に屈曲して形成されている。両側のローラ支持部32は、実質的に平行に配置され、また、溝付きローラ31を軸方向両側から支持する回転保持用孔33がそれぞれ形成されている。溝付きローラ31は、軸方向断面が円弧状に形成された外周面を有し、固定軸35aを介してローラ支持部32に回転自在に取付けられている。さらに、ローラ支持部32の先部には、溝付きローラ31の軸方向の両端部の外周に被さる脱輪防止部32aが形成され、溝付きローラ31に当接する釣糸13が、溝付きローラ31の片側面とローラ支持部32との間に嵌入してしまうことを防止している。
図5に示すように、釣糸補助ガイド装置30を、第1、第2のガイドリング14、15の中心を結ぶ直線に沿って基側から見たとき第1のガイドリング14の孔の下端と溝付きローラ31の最小径部の下端との間の距離L2は、例えば、0.5mm〜3mmにしている。
かかる構成によって、支持部材34の製造を、例えばプレス加工によって簡単に製造することができる。
使用時には、第1、第2のガイドリング14、15に釣糸13を挿通するが、このとき、釣糸13は溝付きローラ31の外周の釣竿12側とは逆側を通過させる。
仕掛け及び錘の投擲によって釣糸13が引き出されるときには、釣糸13は溝付きローラ31の外周面に当接し、溝付きローラ31を回転させながら移動する。また、錘の重量により釣糸13に引張力が加わると、釣糸13は、直線状に伸びようとし、溝付きローラ31の外周上を最小径部に向かって、すなわち中央側に移動するので、釣糸13の移動時の軌道を安定させることができる。
また、溝付きローラ31が、釣糸13の移動に合わせて回転し、釣糸13との間に摺動抵抗が発生しないので、釣糸補助ガイド装置30が釣糸13に与える摩擦力を小さくすることができる。
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施例に係る釣糸補助ガイド装置36について説明する。
釣糸補助ガイド装置36は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の折り曲げ補強部28を省略し、第3のガイドリング16と補助支持板部29の代わりに、中間ガイドの一例であり中間部分にU字溝を有する固定ガイド37を用いたものであり、他の部分及び部材は釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明は省略する。
固定ガイド37は、支持部材38の中間部39の釣竿12側にその基部を固定した中間支持部材40と、中間支持部材40の先部に固定され、釣竿12側に開口したU字ガイド部41とを有している。U字ガイド部41は、断面円形で例えば、表面を平滑に仕上げた金属の丸棒からなっている。
U字ガイド部41の両端部は、釣竿12側に長く突出させることが好ましく、かかる構成によって、釣糸13がU字ガイド部41から外れることを防止できる。
固定ガイド37を用いることによって、釣糸13を第1、第2のガイドリング14、15に挿通させた後に、U字ガイド部41に掛止して使用できるので、釣糸補助ガイド装置36の操作を簡単に行うことができる。
次に、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42について説明する。
図7〜図9に示すように、釣糸補助ガイド装置42は、釣竿12に支持脚によって固着された最基側のリング状ガイド部材11の周方向に所定間隔を有して外側から被さる3つの掛止爪43を備えた固定手段43aを介してリング状ガイド部材11の基側から着脱可能に設けられている。以下、詳しく説明する。
各掛止爪43は、リング状ガイド部材11の厚みに合わせたU字状の溝をそれぞれ有し、リング状ガイド部材11の周方向に120度おきに、外側から被さって掛止され、各掛止爪43はリング状ガイド部材11の軸心に平行に設けられた支持部材の一例である3本の支持棒44にそれぞれ連結されている。即ち、掛止爪43は、支持棒44の長手方向の一側に設けられている。
それぞれの支持棒44の他側(釣竿12の基側)はリング状ガイド部11の軸心から離反する方向に斜めに屈曲し、その端部には、リング状ガイド部材11より内径が大きく形成され、リング状ガイド部材11に軸心を実質的に一致させて配置された大径ガイドリング45が各支持棒44の端部を連結するようにして設けられている。また、支持棒44の他側にある大径ガイドリング45と支持棒44の一側にある掛止爪43との間には、距離を有して対向配置された第1、第2のガイドリング46、47と、第1、第2のガイドリング46、47の中間位置に設けられて、第1、第2のガイドリング46、47を挿通する釣糸13を、第1、第2のガイドリング46、47のそれぞれの釣竿12側、即ち一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドの一例である第3のガイドリング48とを有している。
釣竿12の基側から順に配置された第1、第3、第2のガイドリング46、48、47は、それぞれ3mm〜10mmの間隔を有して配置され、各第1〜第3のガイドリング46〜48は、図示しない取付け用リングの内側にそれぞれ嵌入し、各取付け用リングの外周の3箇所に設けられた連結部材60〜63によって、支持棒44に固着されている。
大径ガイドリング45の材質は、第1〜第3のガイドリング46〜48と同じ材質にすることができる。
また、大径ガイドリング45の内径は、リング状ガイド部材11の内径の110%〜300%の大きさで、第1〜第3のガイドリング46〜48の内径は、5〜15mmに設定している。
両側に配置された第1、第2のガイドリング46、47は、内側を挿通する大径ガイドリング45の軸心より釣竿12の半径方向外側に偏心して配置されている。また、第3のガイドリング48は、大径ガイドリング45の軸心を中心にして、第1、第2のガイドリング46、47とは反対方向に偏心して配置されている。このとき、大径ガイドリング45の軸心から第1、第2のガイドリング46、47の内周面の上端と、大径ガイドリング45の軸心から第3のガイドリング48の内周面の下端との距離(すなわち、最小距離)は、それぞれ0.5mm以上3mm以下に設定している。
第1〜第3のガイドリング46〜48の内径は、大径ガイドリング45の軸心位置を通過する釣糸13の外径に対して十分大きいので、釣糸13に第1〜第3のガイドリング46〜48の内周面の一部を交互に当接させて案内するように構成できる。
大径ガイドリング45を設けているので、釣糸13の必要以上の波打ちを抑えて第1〜第3のガイドリング46〜48に案内でき、釣糸13が釣糸補助ガイド装置42に絡みつくことを防止できる。
次に、釣糸補助ガイド装置42の着脱及び使用方法について説明する。
釣糸補助ガイド装置42を取付けるときには、まず釣竿12の最基側のリング状ガイド部材11の外周に、釣竿12から離れた側から3つの掛止爪43のうち2つの掛止爪43のU字状の溝部を当接させる。そして、2つの掛止爪43の溝部をリング状ガイド部材11の外周に沿って釣竿12の軸心に向けて摺動移動させ、残りの1つの掛止爪43をリング状ガイド部材11の外周に掛合させる。このようにすることによって簡単に取付けることができる。
使用時には、図示しない巻取りリールから引き出した釣糸13を、大径ガイドリング45、第1、第3、第2のガイドリング46、48、47、リング状ガイド部材11の内側に順に通し、続いて釣竿12に予め設けられた他のリング状ガイドに挿通する。そして、釣糸13の先部に仕掛けと錘を取付けてから投擲する。
釣糸補助ガイド装置42を取外すときには、釣糸13を大径ガイドリング45及び第1〜第3のガイドリング46〜48から抜き、掛止爪43を釣竿12の軸心から離れた側に移動させることによってリング状ガイド部材11から簡単に取外すことができる。
以上のように簡単に着脱することができ、釣竿12の操作性を良くすることができる。
次に、図10を参照して、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42の固定手段43aの変形例に係る固定手段52、56について説明する。固定手段52、56は、各掛止爪53、57に隣接する掛止溝50、58及び固着リング51、59をそれぞれ設けたものである。
図10(A)に示すように、変形例に係る固定手段52の掛止爪53の他側(支持棒54側)には、半径方向内側に窪んだ掛止溝50が形成され、金属製の固着リング51は、釣竿12のリング状ガイド部材11に軸心を合わせ、各掛止溝50に内周の一部を当接させて外嵌している。固着リング51は、各掛止溝50の他方側に設けられた突起部55をそれぞれ乗り越えて、支持棒54上を釣竿12の長手方向に移動し、掛止爪53の固定及び固定解除を行うことができる。
掛止爪53の他方側に固着リング51を外嵌しているので、掛止爪53がリング状ガイド部材11の半径方向外側に広がって外れることを防止し、確実に固定することができる。
また、固着リング51を掛止溝50から取り外すときには、支持棒54側に移動できるので、固着リング51を釣糸補助ガイド装置本体から外さないで保持することができ、保管時に固着リング51を紛失することを防止できる。
図10(B)に示すように、変形例に係る固定手段56の掛止爪57の先部(一方側)には、半径方向内側に窪んだ掛止溝58がそれぞれ形成され、各掛止溝58には、ゴム製の固着リング59が外嵌している。固着リング59は、掛止溝58に嵌入していないときには環状で、使用時には、軸方向からみて三角形状になり、各掛止爪57をリング状ガイド部材11の軸心方向に付勢している。また、固着リング59は、掛止溝58の先側から嵌めることができるので、着脱を容易に行うことができる。
固着リング59は、固定手段52の固着リング51に替えて使用することができ、また、固着リング51を固定手段56の掛止溝58に取付けて使用することもできる。さらに、固着リング51、59の替わりに金属製や布製の紐を掛止溝50、58に巻き付けて固定し、これを固着リングとして使用することも可能である。
また、固着リングは、対となって互いに掛合する鉤状爪を、例えば棒状部材の両端部に形成しておき、これを掛合させることによってリング状に形成される構成にすることも可能である。このように構成することによって、着脱をより簡単に行い、固定を確実に行い使用時の脱落を防止することができる。
次に、図11を参照して、本発明の第5の実施例に係る釣糸補助ガイド装置64について説明する。釣糸補助ガイド装置64は、第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42の支持部材及び固定手段の構成を変更したもので、その他の部分については、同じ構成であるので、同一の部材には同一の番号を付して、説明を省略する。
釣糸補助ガイド装置64の支持部材65は、他方側が拡径した筒体66によって構成されている。筒体66の一方側には、固定手段67が設けられ、筒体66の他方側端には、大径ガイドリング45が一体的に設けられている。
固定手段67は、最基側のリング状ガイド部材11の内側を挿通可能な雄ねじ部68と、雄ねじ部68に螺合するナット69によって構成されている。
雄ねじ部68にナット69を螺合させ締結することによって、釣糸補助ガイド装置64をリング状ガイド部材11に簡単且つ確実に固定することができる。
筒体66の内側で、大径ガイドリング45と雄ねじ部68の間には、第1、第3、第2のガイドリング46、48、47が3〜10mmの間隔をあけて設けられている。
かかる構成によって、釣糸補助ガイド装置64の強度を増して破損を防止することができる。
次に、図12を参照して、本発明の第6の実施例に係る釣糸補助ガイド装置70について説明する。
釣糸補助ガイド装置70は、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の支持部材17の形状を変更した支持部材71を有し、第3のガイドリング16を固定する連結部材72を設けたもので、その他の部材は、釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
支持部材71は、釣竿12の軸方向に沿って両端部73a、74aを固定した円弧状の金属板により構成されている。支持部材71の両端部73a、74aは、釣竿12の外周に固定用糸で巻着、固定され、固定用糸は、樹脂によって環状にコーティングされて固着部75aを形成している。
第3のガイドリング16、支持部材71の中央の釣竿12側に棒状の連結部材72を介して取付けられている。
円弧状に形成された支持部材71に外周部を固定して設けられた第1、第2のガイドリング14、15は、支持部材71の長手方向両側に配置されており、挿通される釣糸13の挿通方向に対して軸心が傾斜配置されている。
かかる構成によって、釣糸13に加える挿通時の抵抗を、第1、第2のガイドリング14、15の直径だけでなく、傾斜角度によっても調整することができる。
また、連結部材72を支持部材71とは別に製造することができるので、同一の支持部材71に長さの異なる連結部材を固定することによっても釣糸13に加える抵抗を調整することができる。
次に、図13を参照して、第7の実施例に係る釣糸補助ガイド装置73について説明する。
釣糸補助ガイド装置73は、中通し式の釣竿75に取付けて使用するもので、釣竿75の基側には、釣竿75の内部に釣糸13を挿通可能な開口部74が形成されている。
釣糸補助ガイド装置73の支持部材76は頂部83が中央より基側に形成された山形の金属製の板材からなって、支持部材76の頂部83よりさらに基側に設けられた第1のガイドリング77は、支持部材76に形成された第1の貫通孔80に取付けて固定されている。
支持部材76は、釣竿75の軸方向に沿って、開口部74をまたいでその両端部81、82を釣竿75に固定している。
なお、両端部81、82の固定方法は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の支持部材17と同じであるので、説明は省略する。
支持部材76の頂部83より先側には、棒状の連結部材85を介して中間ガイドの一例である第3のガイドリング79が設けられ、さらに第3のガイドリング79の先側には、連結部材84を介して第2のガイドリング78が設けられている。
隣り合う第1、第3、第2のガイドリング77、79、78は、内側に直線状に挿通される釣糸13の軸心を中心にして、交互に反対方向に偏心して配置されている。
ここで、第1〜第3のガイドリング77〜79の位置は、釣竿75の内部に形成された空洞部86を避けておくことが望ましい。釣竿75が複数の筒状部材によって伸縮自在に構成される場合に、釣竿75を収縮させる際には、1つの筒状部材の空洞部86には、その先側にある他の筒状部材が挿通されるからである。
また、釣竿75の第2のガイドリング78より先側位置(例えば、図13中のA部、又はB部)には、釣糸13の挿通位置を規制するリング状や溝状のガイド部材を設けて、釣糸13と釣竿75の内壁部との摺動を最小限に抑えることができる。
このように構成することによって、第1〜第3のガイドリング77〜79内を通過する釣糸13の捩れ及び/又は波打ちを抑制し、釣竿75の内部で発生する釣糸13の摺動による騒音や糸の摩耗を軽減することができる。
なお、第1、第2のガイドリング77、78は逆にして用いることも可能である。
以上、本発明に係る実施例について説明してきたが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば、支持部材の中央に配置された第3のガイドリングを、支持部材に締結手段を介して釣竿の半径方向に移動可能に固定することも可能である。
このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置を使用しながら微調整して、釣糸をより捻れが少なく抵抗が少ない位置に設定することができる。
また、第4の実施例においては、掛止爪及び支持棒の数がそれぞれ3の場合について説明したが、4以上にすることも当然可能である。
「産業上の利用可能性」
第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、釣糸を、第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドを有しているので、仕掛けや錘の投入時には釣糸に一定の摩擦力が働き、釣糸は、釣竿のリング状ガイド部材内を接触を少なくした状態で直線的に移動でき、釣糸の旋回及び波打ち(振動)を抑制すると共に捻れを矯正し、釣糸の投擲時の全体的な摺動抵抗を減らして投擲距離を伸ばすことができる。
ここで、第2の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドが第3のガイドリングからなるので、釣糸を第3のガイドリング内に挿通して用いることができ、使用中に外れることがなく、安定して使用することができる。
また、第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドを、中間部分が小径となった溝付きローラとした場合は、釣糸の摺動抵抗を減らして投擲距離を増すことができる。また、溝付きであるので、釣糸が溝付きローラから外れて切断することを防止できる。
また、第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、固定ガイドがU字溝を有しているので、構造を簡単にして軽量化を図ることができる。
また、第5の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、釣竿固定部を2カ所に設けるので、支持部材を確実に固定して釣糸補助ガイド装置の変形や破損を防止することができる。
また、支持部材を板材で構成するので、製造を簡単に行うことができる。また、第1のガイドリングを支持部材に直接取付けることができるので、部品数を減らして軽量化を図ると共に、装置の構成を簡単にできる。
また、板状の支持部材で第1のガイドリングの周囲を覆って支持するので、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、操作性をよくすることができる。
また、第1、第2のガイドリングを、支持部材に形成された第1、第2の貫通孔にそれぞれ取付けて固定するので、直接取付けて部品数を減らすことができ、また、板状の支持部材で第1、第2のガイドリングの周囲を覆って支持するので、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、装置の安定性を高めて操作性をよくすることができる。
また、支持部材の中間部に補助支持板部を形成し、第3のガイドリングを補助支持板部に固定するので、第1〜第3のガイドリングを直接補助支持板部に取付けることができ、装置の製造を簡単に行うことができる。
また、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材の長手方向の一側に、釣竿の最基側のリング状ガイド部材に取付けられる固定手段を設けるので、リング状ガイド部材の固定を容易に行うことができ、また、釣竿本体から距離を離して設けることができ、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第7の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材を、3以上の支持棒で構成するので、釣糸補助ガイド装置の重量を小さくして、釣竿に取付けて使用するときの操作性を良くすることができ、また、支持部材の内部の調整や洗浄を容易に行うことができる。
また、それぞれの固定手段に、掛止爪を設けるので、リング状ガイド部材の着脱を容易に行うことができる。
また、固定手段に設けられた掛止溝に固着リングを外嵌させるので、釣糸補助ガイド装置の着脱を簡単に行い、且つ確実に固定することができる。
また、第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、他方側が拡径した筒体にするので、装置の強度を増して、使用時の破損を防止することができる。
また、固定手段を、雄ねじ部と、ナットによって構成するので、釣竿への装置の着脱を簡単且つ確実に行うことができる。
また、第9の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6〜第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、大径ガイドリングを設けるので、リールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸が必要以上に波打つことを防止して、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第10の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1〜第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材を板材で構成し、支持部材にローラ支持部を形成し、溝付きローラを、ローラ支持部に回転自在に取付けるので、支持部材を簡単に製造し、装置を軽量化することができる。
本発明は、釣竿に設ける釣糸補助ガイド装置に関する。
「背景技術」
従来より、サーフ又はルアー釣りに使用される釣竿では、先側に向かってだんだん内径が小さくなるリング状ガイド部材が複数設けられている。そして、釣竿の基側には、釣竿の長手方向を軸として回転するドラム上のスプールを備え、該スプールに釣糸を巻き付けるスピニングリール(以下、巻取りリールという)が取り外し可能に設けられている。さらに、近年では、スピニングリールから出た釣糸が釣竿の内部を挿通する中通し竿も用いられている。
巻取りリールのスプールの螺旋状に解かれた釣糸の進行方向は、スプールの軸心の向きと同じなので、仕掛けの投入時には、釣糸に捻れが生じる。スプールから解かれて捻れが生じた釣糸は、旋回し、波打ち又は振動しながら各リング状ガイド部材内を通過する。このとき、釣糸の波打ちによって釣糸とリング状ガイド部材との摺動抵抗が大きくなり、釣糸の先部に設けられた仕掛けの投擲距離が制約されていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で釣糸の波打ちを抑え、投擲距離を伸ばすことができる釣糸補助ガイド装置を提供することを目的とする。
「発明の開示」
前記目的に沿う第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、釣糸を案内する複数のリング状ガイド部材が設けられた釣竿の基側に取付けて、仕掛け投入時の前記釣糸の振動を抑えるのに使用する釣糸補助ガイド装置であって、距離を有して基側から順次対向配置された第1、第2のガイドリングと、前記第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、前記第1、第2のガイドリングを挿通する前記釣糸を、前記第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドと、前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する支持部材とを有する。
本発明において、釣糸を第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させるとは、並んで配置された第1、第2のガイドリングを挿通する釣糸を、前記中間ガイドによって第1、第2のガイドリングの一方側に実質的に当接又は近接させて挿通させることをいう。
なお、本発明に係る釣糸補助ガイド装置の釣竿への取付け位置は、釣竿の巻取りリールの取付け位置と、最基側のリング状ガイド部材との中間位置であるのが好ましい。
釣糸は巻取りリールから第1、第2のガイドリングを挿通して釣竿に予め設けられた複数のリング状ガイドを挿通し、また、釣糸の先端部には、錘や仕掛けが取付けられる。
第1、第2のガイドリングは、必ずしも円形リングである必要はなく、その材質としては、例えば、ステンレス、チタン等の耐食性及び耐摩耗性のある金属、耐摩耗性セラミックス(SiC、Al2O3、TiB2、WC、Si3N4、c−BN等)のセラミックス材料等を使用することができる。
支持部材は、例えば、ステンレス、チタン、チタン合金、耐食性を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属や硬質プラスチックからなる板状や棒状の部材を用いることができる。
本発明の釣糸補助ガイド装置においては、仕掛けや錘の投入時に、巻取りリールから解けた釣糸は、第1のガイドリングによって、旋回を抑えられ、さらに第2のガイドリング内を通過する。このとき、釣糸は、中間ガイドによって第1、第2のガイドリングの一内周面側に偏心挿通されるので、第1、第2のガイドリング及び中間ガイドの少なくとも1つに接触し、釣糸に僅少の摩擦力が加わる。釣糸は仕掛けや錘によって釣竿の先側に引っ張られるが、釣糸補助ガイド装置によって釣糸に小さいな引っ張り力が働くので、釣糸は、釣竿の中間部から先部に設けられているリング状ガイド部材内を接触を少なくした状態で直線的に移動する。また、巻取りリールから解けた釣糸に発生する捻れは、本発明の釣糸補助ガイド装置を使用しない場合には、釣糸の波打ちや振動となって表れ、波打った釣糸が釣竿の中間部及び先部に設けられたリング状ガイド部材に引っ掛かって仕掛け投擲時の大きな抵抗となるが、本発明の釣糸補助ガイド装置を使用すると、巻取りリールからでる釣糸が直線状に矯正されるので、釣竿の中間部及び先部に設けられたリング状ガイド部材に釣糸が引っ掛かるのが防止され、釣糸補助ガイド装置の抵抗に打ち勝って更に投擲距離の増大が図れると考えられる。
また、先部に仕掛けが設けられた釣糸が、第1、第2のガイドリング及び中間ガイドの少なくとも1つに常時接触しているので、釣糸を伝わる魚信が本発明の釣糸補助ガイド装置を介して釣竿に伝わり、手元に伝達することができる。また、魚信以外の海中の状態によって釣糸に発生する張力変化も、釣糸補助ガイド装置を介して釣竿の基側部分に伝達することができるので、仕掛け投入直後の海中の様子を手元が感じることができる。
また、第2の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドを、環状の第3のガイドリングにしている。かかる構成によって、釣糸を第3のガイドリング内に挿通して用いることができるので、使用中に外れることがなく、安定して使用することができる。
第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドに、中間部分が小径となった溝付きローラを使用している。溝付きローラは、例えば、硬質プラスチックの他、ステンレス、チタン、チタン合金、マグネシウム合金等の耐食性のある金属や前述した耐摩耗性セラミックス等の摺動性のよいセラミックス材料等を用いることができる。溝付きローラの溝の断面形状は、例えば、円弧状、U字状、V字状に形成することができる。投擲時の釣糸は、ローラの最小径の部分に嵌入して第1、第2のガイドリングの一方側にガイドされるので、前記第3のガイドリングと同様、釣糸の振動及び波打ちを抑えることができ、結果として仕掛けや錘の投擲距離を伸ばすことができる。
そして、第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記中間ガイドに、中間位置にU字溝を有する固定ガイドを使用している。これによって、中間ガイドの形状を簡単にして軽量化を図ることができる。
更に、第5の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する前記支持部材の長手方向両側(釣糸挿通方向に実質的に一致する)に、釣竿固定部をそれぞれ設けている。このように、釣竿固定部を2カ所に設けるので、支持部材を確実に固定して釣糸補助ガイド装置の変形や破損を防止することができる。
また、前記支持部材は板材を曲げて形成され、前記釣竿の基側に設けられた第1のガイドリングは、前記支持部材に形成された第1の貫通孔に取付けて固定するのが好ましい。前記第2のガイドリングは、前記支持部材に形成された第2の貫通孔に固定される場合(好ましくは、釣糸が釣竿の外側を通る外通し竿において適用)と、前記支持部材に一端が固定された連結部材に固定されている場合(好ましくは、釣糸が釣竿の内側を通る中通し竿に適用)がある。なお、第1、第2のガイドリングをそれぞれ第1、第2の貫通孔を介して前記支持部材に直接取付けた場合には、装置の構成が簡単となり、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、操作性をよくすることができる。
前記支持部材の主断面は、フラットアーチ状、山形、三角状、円弧状、楕円弧状に形成することができ、更に2以上の突出部分を有する波形に形成するのが好ましく、これによって、曲げ、強度を向上させることができる。
また、前記支持部材に取付けた第1、第2のガイドリングは軸心を合わせて平行に配置するのが好ましいが、支持部材の形状に応じて向かい合わせて傾斜配置してもよい。
また、前記支持部材の中間部に、プレス加工によって、補助支持板部材を支持部材の一部を前記第1、第2のガイドリング側に折り曲げ形成し、この補助支持板部に形成された第3の貫通孔に前記第3のガイドリングを固定することも可能である。これによって、一枚の板材からプレス加工して、第1〜第3のガイドリングを除く釣糸補助ガイド装置の本体を製造できる。
更に、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材の長手方向の一側のみに固定手段を設け、前記釣竿に予め取付けられている最基側のリング状ガイド部材に固定している。この支持部材は、前記したリング状ガイド部材に分離不可能に固着することができ、また、着脱可能に固定することも可能である。かかる構成によって、釣竿とは別体として販売された釣糸補助ガイド装置を釣竿へ固定することが容易となる。
ここで、第7の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、3以上の支持棒で構成する。このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置の重量を小さくして、釣竿に取付けて使用するときの操作性を良くすることができ、また、支持部材の内部の調整や洗浄を容易に行うことができる。
また、それぞれの前記固定手段に、最基側の前記リング状ガイド部材の周方向に所定間隔を有して外部から被さる掛止爪を設けることも可能である。かかる構成によって、リング状ガイド部材の着脱を容易に行うことができる。
また、前記固定手段に、前記掛止爪の一側、又は他側に形成され半径方向内側に窪んだ掛止溝をそれぞれ設け、それぞれの前記掛止溝に、固着リングを外嵌させることも可能である。
固着リングは、例えば、金属製、布製、可撓性のプラスチック材料からなり、環状に形成される他、多角形状に形成することもできる。また、紐状の部材を掛止爪に巻き付けたものも固着リングに含まれる。
このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置の着脱を簡単に行い、且つ確実に固定することができる。
また、第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、他方側が拡径した筒体にする。
かかる構成によって、装置の強度を増して、使用時の破損を防止することができる。
また、前記固定手段を、最基側の前記リング状ガイド部材の内側を挿通可能な雄ねじ部と、該雄ねじ部に螺合するナットによって構成することも可能である。雄ねじ部をリング状ガイド部材に挿通させた後、ナットを螺合させ、締結することによって、装置を着脱可能に取付けることができる。かかる構成によって、釣竿への装置の着脱を簡単且つ確実に行うことができる。
また、第9の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第6〜第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材の長手方向の他側に、前記第1、第2のガイドリングより大径の大径ガイドリングを設ける。かかる構成によって、リールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸が必要以上に波打つことを防止して、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第10の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドに溝付きローラを設け、前記支持部材を板材で構成し、前記支持部材の長手方向両側に、釣竿固定部をそれぞれ設け、前記第1、第2のガイドリングを、前記支持部材に形成された第1、第2の貫通孔に取付けて固定し、前記支持部材に、該支持部材の中間部の両側にそれぞれの基端を一体的に取付けて屈曲するローラ支持部を形成し、前記中間ガイドの溝付きローラを、前記ローラ支持部に回転自在に取付ける。かかる構成によって、支持部材を簡単に製造し、装置を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第2図は、同釣糸補助ガイド装置の平断面図である。
第3図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第4図は、本発明の第2の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第5図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第6図は、本発明の第3の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第7図は、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の取付け状態を示す斜視図である。
第8図は、同釣糸補助ガイド装置の正面図である。
第9図は、同側断面図である。
第10図の(A)、(B)は、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の固定手段の変形例を示す側断面図である。
第11図は、本発明の第5の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第12図は、本発明の第6の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
第13図は、本発明の第7の実施例に係る釣糸補助ガイド装置の側断面図である。
「発明を実施するための最良の形態」
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例について説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10は、複数のリング状ガイド部材11(図7参照)が設けられた釣竿12の基側に取付けて、仕掛け投入時の釣糸13の振動を抑えるのに使用する装置である。以下、詳しく説明する。
釣糸補助ガイド装置10は、距離を有して対向配置された第1、第2のガイドリング14、15と、第1、第2のガイドリング14、15の中間位置に設けられて、第1、第2のガイドリング14、15を挿通する釣糸13を、第1、第2のガイドリング14、15のそれぞれの取付けられる釣竿12側、即ち一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドの一例である第3のガイドリング16と、第1、第2のガイドリング14、15及び第3のガイドリング16を所定位置に固定する支持部材17とを有している。ここでは、第1のガイドリング14が釣竿12の基側に配置されている場合について説明する。
まず、支持部材17について説明する。
支持部材17は板材からなって、支持部材17の長手方向の基側及び先側には、釣竿12の長手方向にそれぞれ配置される釣竿固定部18、19がそれぞれ設けられている。
釣竿固定部18、19は、支持部材17の本体部より少し細く形成され、また、釣竿12の外周に合わせた曲面が形成されている。釣竿固定部18、19を少し細く形成することによって、曲面形状を釣竿12に合わせやすくなり、釣竿固定部18、19を釣竿12に確実に当接させ、強固に固定することができる。
釣竿固定部18、19は、釣竿12の外周に図示しない固定用糸で巻着、固定され、固定用糸は、樹脂によって環状にコーティングされて固着部22をそれぞれ形成している。
支持部材17の本体部は、釣竿12側に開口する溝形状に屈曲して基側から順に基側壁23、中間部20、先側壁24を形成している。基側壁23は、先側壁24より少し長く形成されている。また、基側壁23及び先側壁24には、第1、第2のガイドリング14、15が取付けられて固定される第1、第2の貫通孔25、26がそれぞれ形成されている。
中間部20には、両端を先側に向けたU字状の切れ目が形成され、切れ目の内側部分は、支持部材17の中間部20に基端を一体的に取付けて釣竿12側に屈曲する補助支持板部29を形成している。補助支持板部29には、第3のガイドリング16が取付けられて固定される第3の貫通孔27が形成されている。
また、中間部20の幅方向両側には、釣竿12側に向かって屈曲する折り曲げ補強部28がそれぞれ形成されている。中間部20には補助支持板部29を切り欠いて形成しているが、折り曲げ補強部28を設けることによって、中間部20の屈曲及び破損を防止し、第3のガイドリング16を確実に保持することができる。
かかる構成によって、支持部材17は、例えば、プレス加工によって簡単に製造することができる。
第1〜第3のガイドリング14〜16は、第1〜第3の貫通孔25〜27にそれぞれ取付けて固定される。第1〜第3のガイドリング14〜16は、例えば、圧入や装着によって固定することができ、また、外周を囲む図示しない第1〜第3の取付け用リングを介して固定することも可能である。
図3に示すように、釣糸補助ガイド装置10を、第1、第2のガイドリング14、15の中心を結ぶ直線に沿って基側から見たとき第1のガイドリング14の孔の上端と第3のガイドリング16の孔の下端との間の距離L1は、例えば、0.5mm〜3mmにしている。
また、第1〜第3のガイドリング14〜16の内径は、例えば、1〜4mmにしている。
また、第1、第3のガイドリング14、16間の距離は、例えば、10〜30mmにして、第2、第3のガイドリング15、16間の距離は、例えば、10〜20mmにしている。
第1〜第3のガイドリング14〜16の内径は、挿通される釣糸13の外径より十分に大きいが、第3のガイドリング16によって釣糸13は釣竿12側に偏心挿通されるので、釣糸13は、第1〜第3のガイドリング14〜16のうち少なくとも1カ所に接触する。
次に、釣糸補助ガイド装置10の使用手順について説明する。
まず、巻取りリールから引き出した釣糸13を、第1、第3、第2のガイドリング14、16、15の順に挿通し、さらに釣竿12の複数のリング状ガイド部材11に基側から順に挿通する。
次いで、釣糸13の先端部に仕掛け及び錘を取付けて投擲を行う。
仕掛け及び錘を投入すると、巻取りリールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸13は、第1のガイドリング14によって、旋回及び波打ちを規制されると共に、第1〜第3のガイドリング14〜16の内周面に当接して、一定の摩擦力を受けながら釣竿12の先側に移動する。
釣糸13は、錘による先側への引張力と、釣糸補助ガイド装置10による基側への摩擦力が働くので、釣竿12に複数設けられたリング状ガイド部材11内を通過するときには、直線状に移動する。
また、釣糸補助ガイド装置10の摩擦力は、第1〜第3のガイドリング14〜16の周方向へも働くため、巻取りリールから引き出された釣糸13に生じる捻れは、釣糸補助ガイド装置10の基側で大きくなる。
しかし、釣糸補助ガイド装置10の先側の釣糸13は、直線状に移動しており、周方向への回動抵抗が少なくなっているので、釣糸補助ガイド装置10の先側に送り出された釣糸13は、大きな捻れを迅速に矯正しながら先側へ移動することができる。
このように、釣糸13は、リング状ガイド部材11や釣竿12の外周に接触することが少なくなるので、仕掛け投入時の全体的な摺動抵抗を小さくして投擲距離を伸ばすことができる。また、釣糸13の捻れを迅速に矯正できるので、リング状ガイド部材11に絡みついて釣糸13が切断されることも少なくなる。
また、板材からなる支持部材17を溝形状に屈曲させて使用しているので、第1のガイドリング14の外周部全体を板状の基側壁23で支持することができ、釣糸13が基側壁23に絡みつくのを防止することができる。
次に、図4、図5を参照して、本発明の第2の実施例に係る釣糸補助ガイド装置30について説明する。
釣糸補助ガイド装置30は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の折り曲げ補強部28を省略し、第3のガイドリング16と補助支持板部29の代わりに、中間ガイドの一例であり中間部分が小径となった溝付きローラ31及びこれを支持するローラ支持部32を用いたものであり、他の部分及び部材は釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明は省略する。
ローラ支持部32は、支持部材34の中間部35の幅方向両側にそれぞれの基端を一体的に取付けて釣竿12側に屈曲して形成されている。両側のローラ支持部32は、実質的に平行に配置され、また、溝付きローラ31を軸方向両側から支持する回転保持用孔33がそれぞれ形成されている。溝付きローラ31は、軸方向断面が円弧状に形成された外周面を有し、固定軸35aを介してローラ支持部32に回転自在に取付けられている。さらに、ローラ支持部32の先部には、溝付きローラ31の軸方向の両端部の外周に被さる脱輪防止部32aが形成され、溝付きローラ31に当接する釣糸13が、溝付きローラ31の片側面とローラ支持部32との間に嵌入してしまうことを防止している。
図5に示すように、釣糸補助ガイド装置30を、第1、第2のガイドリング14、15の中心を結ぶ直線に沿って基側から見たとき第1のガイドリング14の孔の下端と溝付きローラ31の最小径部の下端との間の距離L2は、例えば、0.5mm〜3mmにしている。
かかる構成によって、支持部材34の製造を、例えばプレス加工によって簡単に製造することができる。
使用時には、第1、第2のガイドリング14、15に釣糸13を挿通するが、このとき、釣糸13は溝付きローラ31の外周の釣竿12側とは逆側を通過させる。
仕掛け及び錘の投擲によって釣糸13が引き出されるときには、釣糸13は溝付きローラ31の外周面に当接し、溝付きローラ31を回転させながら移動する。また、錘の重量により釣糸13に引張力が加わると、釣糸13は、直線状に伸びようとし、溝付きローラ31の外周上を最小径部に向かって、すなわち中央側に移動するので、釣糸13の移動時の軌道を安定させることができる。
また、溝付きローラ31が、釣糸13の移動に合わせて回転し、釣糸13との間に摺動抵抗が発生しないので、釣糸補助ガイド装置30が釣糸13に与える摩擦力を小さくすることができる。
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施例に係る釣糸補助ガイド装置36について説明する。
釣糸補助ガイド装置36は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の折り曲げ補強部28を省略し、第3のガイドリング16と補助支持板部29の代わりに、中間ガイドの一例であり中間部分にU字溝を有する固定ガイド37を用いたものであり、他の部分及び部材は釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明は省略する。
固定ガイド37は、支持部材38の中間部39の釣竿12側にその基部を固定した中間支持部材40と、中間支持部材40の先部に固定され、釣竿12側に開口したU字ガイド部41とを有している。U字ガイド部41は、断面円形で例えば、表面を平滑に仕上げた金属の丸棒からなっている。
U字ガイド部41の両端部は、釣竿12側に長く突出させることが好ましく、かかる構成によって、釣糸13がU字ガイド部41から外れることを防止できる。
固定ガイド37を用いることによって、釣糸13を第1、第2のガイドリング14、15に挿通させた後に、U字ガイド部41に掛止して使用できるので、釣糸補助ガイド装置36の操作を簡単に行うことができる。
次に、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42について説明する。
図7〜図9に示すように、釣糸補助ガイド装置42は、釣竿12に支持脚によって固着された最基側のリング状ガイド部材11の周方向に所定間隔を有して外側から被さる3つの掛止爪43を備えた固定手段43aを介してリング状ガイド部材11の基側から着脱可能に設けられている。以下、詳しく説明する。
各掛止爪43は、リング状ガイド部材11の厚みに合わせたU字状の溝をそれぞれ有し、リング状ガイド部材11の周方向に120度おきに、外側から被さって掛止され、各掛止爪43はリング状ガイド部材11の軸心に平行に設けられた支持部材の一例である3本の支持棒44にそれぞれ連結されている。即ち、掛止爪43は、支持棒44の長手方向の一側に設けられている。
それぞれの支持棒44の他側(釣竿12の基側)はリング状ガイド部11の軸心から離反する方向に斜めに屈曲し、その端部には、リング状ガイド部材11より内径が大きく形成され、リング状ガイド部材11に軸心を実質的に一致させて配置された大径ガイドリング45が各支持棒44の端部を連結するようにして設けられている。また、支持棒44の他側にある大径ガイドリング45と支持棒44の一側にある掛止爪43との間には、距離を有して対向配置された第1、第2のガイドリング46、47と、第1、第2のガイドリング46、47の中間位置に設けられて、第1、第2のガイドリング46、47を挿通する釣糸13を、第1、第2のガイドリング46、47のそれぞれの釣竿12側、即ち一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドの一例である第3のガイドリング48とを有している。
釣竿12の基側から順に配置された第1、第3、第2のガイドリング46、48、47は、それぞれ3mm〜10mmの間隔を有して配置され、各第1〜第3のガイドリング46〜48は、図示しない取付け用リングの内側にそれぞれ嵌入し、各取付け用リングの外周の3箇所に設けられた連結部材60〜63によって、支持棒44に固着されている。
大径ガイドリング45の材質は、第1〜第3のガイドリング46〜48と同じ材質にすることができる。
また、大径ガイドリング45の内径は、リング状ガイド部材11の内径の110%〜300%の大きさで、第1〜第3のガイドリング46〜48の内径は、5〜15mmに設定している。
両側に配置された第1、第2のガイドリング46、47は、内側を挿通する大径ガイドリング45の軸心より釣竿12の半径方向外側に偏心して配置されている。また、第3のガイドリング48は、大径ガイドリング45の軸心を中心にして、第1、第2のガイドリング46、47とは反対方向に偏心して配置されている。このとき、大径ガイドリング45の軸心から第1、第2のガイドリング46、47の内周面の上端と、大径ガイドリング45の軸心から第3のガイドリング48の内周面の下端との距離(すなわち、最小距離)は、それぞれ0.5mm以上3mm以下に設定している。
第1〜第3のガイドリング46〜48の内径は、大径ガイドリング45の軸心位置を通過する釣糸13の外径に対して十分大きいので、釣糸13に第1〜第3のガイドリング46〜48の内周面の一部を交互に当接させて案内するように構成できる。
大径ガイドリング45を設けているので、釣糸13の必要以上の波打ちを抑えて第1〜第3のガイドリング46〜48に案内でき、釣糸13が釣糸補助ガイド装置42に絡みつくことを防止できる。
次に、釣糸補助ガイド装置42の着脱及び使用方法について説明する。
釣糸補助ガイド装置42を取付けるときには、まず釣竿12の最基側のリング状ガイド部材11の外周に、釣竿12から離れた側から3つの掛止爪43のうち2つの掛止爪43のU字状の溝部を当接させる。そして、2つの掛止爪43の溝部をリング状ガイド部材11の外周に沿って釣竿12の軸心に向けて摺動移動させ、残りの1つの掛止爪43をリング状ガイド部材11の外周に掛合させる。このようにすることによって簡単に取付けることができる。
使用時には、図示しない巻取りリールから引き出した釣糸13を、大径ガイドリング45、第1、第3、第2のガイドリング46、48、47、リング状ガイド部材11の内側に順に通し、続いて釣竿12に予め設けられた他のリング状ガイドに挿通する。そして、釣糸13の先部に仕掛けと錘を取付けてから投擲する。
釣糸補助ガイド装置42を取外すときには、釣糸13を大径ガイドリング45及び第1〜第3のガイドリング46〜48から抜き、掛止爪43を釣竿12の軸心から離れた側に移動させることによってリング状ガイド部材11から簡単に取外すことができる。
以上のように簡単に着脱することができ、釣竿12の操作性を良くすることができる。
次に、図10を参照して、本発明の第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42の固定手段43aの変形例に係る固定手段52、56について説明する。固定手段52、56は、各掛止爪53、57に隣接する掛止溝50、58及び固着リング51、59をそれぞれ設けたものである。
図10(A)に示すように、変形例に係る固定手段52の掛止爪53の他側(支持棒54側)には、半径方向内側に窪んだ掛止溝50が形成され、金属製の固着リング51は、釣竿12のリング状ガイド部材11に軸心を合わせ、各掛止溝50に内周の一部を当接させて外嵌している。固着リング51は、各掛止溝50の他方側に設けられた突起部55をそれぞれ乗り越えて、支持棒54上を釣竿12の長手方向に移動し、掛止爪53の固定及び固定解除を行うことができる。
掛止爪53の他方側に固着リング51を外嵌しているので、掛止爪53がリング状ガイド部材11の半径方向外側に広がって外れることを防止し、確実に固定することができる。
また、固着リング51を掛止溝50から取り外すときには、支持棒54側に移動できるので、固着リング51を釣糸補助ガイド装置本体から外さないで保持することができ、保管時に固着リング51を紛失することを防止できる。
図10(B)に示すように、変形例に係る固定手段56の掛止爪57の先部(一方側)には、半径方向内側に窪んだ掛止溝58がそれぞれ形成され、各掛止溝58には、ゴム製の固着リング59が外嵌している。固着リング59は、掛止溝58に嵌入していないときには環状で、使用時には、軸方向からみて三角形状になり、各掛止爪57をリング状ガイド部材11の軸心方向に付勢している。また、固着リング59は、掛止溝58の先側から嵌めることができるので、着脱を容易に行うことができる。
固着リング59は、固定手段52の固着リング51に替えて使用することができ、また、固着リング51を固定手段56の掛止溝58に取付けて使用することもできる。さらに、固着リング51、59の替わりに金属製や布製の紐を掛止溝50、58に巻き付けて固定し、これを固着リングとして使用することも可能である。
また、固着リングは、対となって互いに掛合する鉤状爪を、例えば棒状部材の両端部に形成しておき、これを掛合させることによってリング状に形成される構成にすることも可能である。このように構成することによって、着脱をより簡単に行い、固定を確実に行い使用時の脱落を防止することができる。
次に、図11を参照して、本発明の第5の実施例に係る釣糸補助ガイド装置64について説明する。釣糸補助ガイド装置64は、第4の実施例に係る釣糸補助ガイド装置42の支持部材及び固定手段の構成を変更したもので、その他の部分については、同じ構成であるので、同一の部材には同一の番号を付して、説明を省略する。
釣糸補助ガイド装置64の支持部材65は、他方側が拡径した筒体66によって構成されている。筒体66の一方側には、固定手段67が設けられ、筒体66の他方側端には、大径ガイドリング45が一体的に設けられている。
固定手段67は、最基側のリング状ガイド部材11の内側を挿通可能な雄ねじ部68と、雄ねじ部68に螺合するナット69によって構成されている。
雄ねじ部68にナット69を螺合させ締結することによって、釣糸補助ガイド装置64をリング状ガイド部材11に簡単且つ確実に固定することができる。
筒体66の内側で、大径ガイドリング45と雄ねじ部68の間には、第1、第3、第2のガイドリング46、48、47が3〜10mmの間隔をあけて設けられている。
かかる構成によって、釣糸補助ガイド装置64の強度を増して破損を防止することができる。
次に、図12を参照して、本発明の第6の実施例に係る釣糸補助ガイド装置70について説明する。
釣糸補助ガイド装置70は、本発明の第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の支持部材17の形状を変更した支持部材71を有し、第3のガイドリング16を固定する連結部材72を設けたもので、その他の部材は、釣糸補助ガイド装置10と同じなので、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
支持部材71は、釣竿12の軸方向に沿って両端部73a、74aを固定した円弧状の金属板により構成されている。支持部材71の両端部73a、74aは、釣竿12の外周に固定用糸で巻着、固定され、固定用糸は、樹脂によって環状にコーティングされて固着部75aを形成している。
第3のガイドリング16、支持部材71の中央の釣竿12側に棒状の連結部材72を介して取付けられている。
円弧状に形成された支持部材71に外周部を固定して設けられた第1、第2のガイドリング14、15は、支持部材71の長手方向両側に配置されており、挿通される釣糸13の挿通方向に対して軸心が傾斜配置されている。
かかる構成によって、釣糸13に加える挿通時の抵抗を、第1、第2のガイドリング14、15の直径だけでなく、傾斜角度によっても調整することができる。
また、連結部材72を支持部材71とは別に製造することができるので、同一の支持部材71に長さの異なる連結部材を固定することによっても釣糸13に加える抵抗を調整することができる。
次に、図13を参照して、第7の実施例に係る釣糸補助ガイド装置73について説明する。
釣糸補助ガイド装置73は、中通し式の釣竿75に取付けて使用するもので、釣竿75の基側には、釣竿75の内部に釣糸13を挿通可能な開口部74が形成されている。
釣糸補助ガイド装置73の支持部材76は頂部83が中央より基側に形成された山形の金属製の板材からなって、支持部材76の頂部83よりさらに基側に設けられた第1のガイドリング77は、支持部材76に形成された第1の貫通孔80に取付けて固定されている。
支持部材76は、釣竿75の軸方向に沿って、開口部74をまたいでその両端部81、82を釣竿75に固定している。
なお、両端部81、82の固定方法は、第1の実施例に係る釣糸補助ガイド装置10の支持部材17と同じであるので、説明は省略する。
支持部材76の頂部83より先側には、棒状の連結部材85を介して中間ガイドの一例である第3のガイドリング79が設けられ、さらに第3のガイドリング79の先側には、連結部材84を介して第2のガイドリング78が設けられている。
隣り合う第1、第3、第2のガイドリング77、79、78は、内側に直線状に挿通される釣糸13の軸心を中心にして、交互に反対方向に偏心して配置されている。
ここで、第1〜第3のガイドリング77〜79の位置は、釣竿75の内部に形成された空洞部86を避けておくことが望ましい。釣竿75が複数の筒状部材によって伸縮自在に構成される場合に、釣竿75を収縮させる際には、1つの筒状部材の空洞部86には、その先側にある他の筒状部材が挿通されるからである。
また、釣竿75の第2のガイドリング78より先側位置(例えば、図13中のA部、又はB部)には、釣糸13の挿通位置を規制するリング状や溝状のガイド部材を設けて、釣糸13と釣竿75の内壁部との摺動を最小限に抑えることができる。
このように構成することによって、第1〜第3のガイドリング77〜79内を通過する釣糸13の捩れ及び/又は波打ちを抑制し、釣竿75の内部で発生する釣糸13の摺動による騒音や糸の摩耗を軽減することができる。
なお、第1、第2のガイドリング77、78は逆にして用いることも可能である。
以上、本発明に係る実施例について説明してきたが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば、支持部材の中央に配置された第3のガイドリングを、支持部材に締結手段を介して釣竿の半径方向に移動可能に固定することも可能である。
このように構成することによって、釣糸補助ガイド装置を使用しながら微調整して、釣糸をより捻れが少なく抵抗が少ない位置に設定することができる。
また、第4の実施例においては、掛止爪及び支持棒の数がそれぞれ3の場合について説明したが、4以上にすることも当然可能である。
「産業上の利用可能性」
第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、釣糸を、第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドを有しているので、仕掛けや錘の投入時には釣糸に一定の摩擦力が働き、釣糸は、釣竿のリング状ガイド部材内を接触を少なくした状態で直線的に移動でき、釣糸の旋回及び波打ち(振動)を抑制すると共に捻れを矯正し、釣糸の投擲時の全体的な摺動抵抗を減らして投擲距離を伸ばすことができる。
ここで、第2の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドが第3のガイドリングからなるので、釣糸を第3のガイドリング内に挿通して用いることができ、使用中に外れることがなく、安定して使用することができる。
また、第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、中間ガイドを、中間部分が小径となった溝付きローラとした場合は、釣糸の摺動抵抗を減らして投擲距離を増すことができる。また、溝付きであるので、釣糸が溝付きローラから外れて切断することを防止できる。
また、第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、固定ガイドがU字溝を有しているので、構造を簡単にして軽量化を図ることができる。
また、第5の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、前記第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、釣竿固定部を2カ所に設けるので、支持部材を確実に固定して釣糸補助ガイド装置の変形や破損を防止することができる。
また、支持部材を板材で構成するので、製造を簡単に行うことができる。また、第1のガイドリングを支持部材に直接取付けることができるので、部品数を減らして軽量化を図ると共に、装置の構成を簡単にできる。
また、板状の支持部材で第1のガイドリングの周囲を覆って支持するので、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、操作性をよくすることができる。
また、第1、第2のガイドリングを、支持部材に形成された第1、第2の貫通孔にそれぞれ取付けて固定するので、直接取付けて部品数を減らすことができ、また、板状の支持部材で第1、第2のガイドリングの周囲を覆って支持するので、釣糸が釣糸補助ガイド装置に絡みにくくなり、装置の安定性を高めて操作性をよくすることができる。
また、支持部材の中間部に補助支持板部を形成し、第3のガイドリングを補助支持板部に固定するので、第1〜第3のガイドリングを直接補助支持板部に取付けることができ、装置の製造を簡単に行うことができる。
また、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1〜第4の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材の長手方向の一側に、釣竿の最基側のリング状ガイド部材に取付けられる固定手段を設けるので、リング状ガイド部材の固定を容易に行うことができ、また、釣竿本体から距離を離して設けることができ、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第7の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材を、3以上の支持棒で構成するので、釣糸補助ガイド装置の重量を小さくして、釣竿に取付けて使用するときの操作性を良くすることができ、また、支持部材の内部の調整や洗浄を容易に行うことができる。
また、それぞれの固定手段に、掛止爪を設けるので、リング状ガイド部材の着脱を容易に行うことができる。
また、固定手段に設けられた掛止溝に固着リングを外嵌させるので、釣糸補助ガイド装置の着脱を簡単に行い、且つ確実に固定することができる。
また、第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材を、他方側が拡径した筒体にするので、装置の強度を増して、使用時の破損を防止することができる。
また、固定手段を、雄ねじ部と、ナットによって構成するので、釣竿への装置の着脱を簡単且つ確実に行うことができる。
また、第9の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第6〜第8の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、大径ガイドリングを設けるので、リールから螺旋状に旋回しながら引き出される釣糸が必要以上に波打つことを防止して、釣糸を絡みにくくすることができる。
また、第10の発明に係る釣糸補助ガイド装置は、第1〜第3の発明に係る釣糸補助ガイド装置において、支持部材を板材で構成し、支持部材にローラ支持部を形成し、溝付きローラを、ローラ支持部に回転自在に取付けるので、支持部材を簡単に製造し、装置を軽量化することができる。
Claims (9)
- 複数のリング状ガイド部材が設けられた釣竿の基側に取付けて、仕掛け投入時の釣糸の振動を抑えるのに使用する釣糸補助ガイド装置であって、
距離を有して基側から順次対向配置された第1、第2のガイドリングと、
前記第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、前記第1、第2のガイドリングを挿通する前記釣糸を、前記第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドと、
前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する支持部材とを有し、
前記中間ガイドは環状の第3のガイドリングからなっており、
前記支持部材の長手方向両側には、釣竿固定部がそれぞれ設けられ、
前記支持部材は板材からなって、前記第1、第2のガイドリングは、前記支持部材に形成された第1、第2の貫通孔にそれぞれ取付けて固定され、
しかも、前記支持部材の中間部には、該支持部材に基端を一体的に取付けて屈曲する補助支持板部が形成され、前記第3のガイドリングは、前記補助支持板部に形成された第3の貫通孔に取付けて固定されていることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。 - 複数のリング状ガイド部材が設けられた釣竿の基側に取付けて、仕掛け投入時の釣糸の振動を抑えるのに使用する釣糸補助ガイド装置であって、
距離を有して基側から順次対向配置された第1、第2のガイドリングと、
前記第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、前記第1、第2のガイドリングを挿通する前記釣糸を、前記第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドと、
前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する支持部材とを有し、
しかも、前記中間ガイドは、中間位置にU字溝を有する固定ガイドからなることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。 - 複数のリング状ガイド部材が設けられた釣竿の基側に取付けて、仕掛け投入時の釣糸の振動を抑えるのに使用する釣糸補助ガイド装置であって、
距離を有して基側から順次対向配置された第1、第2のガイドリングと、
前記第1、第2のガイドリングの中間位置に設けられて、前記第1、第2のガイドリングを挿通する前記釣糸を、前記第1、第2のガイドリングのそれぞれの一内周面側に偏心挿通させる中間ガイドと、
前記第1、第2のガイドリング及び前記中間ガイドを所定位置に固定する支持部材とを有し、
前記中間ガイドは環状の第3のガイドリングからなっており、
前記支持部材の長手方向の一側には、前記釣竿の最基側のリング状ガイド部材に取付けられる固定手段が設けられていることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。 - 請求項3記載の釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材は、3以上の支持棒からなることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
- 請求項4記載の釣糸補助ガイド装置において、それぞれの前記固定手段は、最基側の前記リング状ガイド部材の周方向に所定間隔を有して外側から被さる掛止爪を有することを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
- 請求項5記載の釣糸補助ガイド装置において、前記固定手段は、前記掛止爪の一側、又は他側に形成され半径方向内側に窪んだ掛止溝をそれぞれ備え、それぞれの前記掛止溝には、固着リングが外嵌することを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
- 請求項3記載の釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材は、他方側が拡径した筒体であることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
- 請求項7記載の釣糸補助ガイド装置において、前記固定手段は、最基側の前記リング状ガイド部材の内側を挿通可能な雄ねじ部と、該雄ねじ部に螺合するナットによって構成されることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
- 請求項3記載の釣糸補助ガイド装置において、前記支持部材の長手方向の他側には、前記第1、第2のガイドリングより大径の大径ガイドリングが設けられていることを特徴とする釣糸補助ガイド装置。
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