JP3666954B2 - 複写機及びその制御装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機及びその制御装置及びその方法に係り、特に、複数の複写用紙を取り扱い可能な複写機及びその制御装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の複写機は、複写の対象となる原稿サイズを検知する原稿サイズ検知手段を備え、これによって原稿載置台に載置された原稿サイズを検知し、その原稿サイズに基づいて複写動作を制御していた。そして、この原稿サイズ検知手段によって、原稿サイズを検知できない場合には、その原稿を扱い得る最大サイズの原稿であると看做して処理を行っていた。サイズの不明な原稿を、その実際のサイズよりも小さいものとして扱うと、複写した結果において画像の一部が欠損することになるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複写モードとして様々なモードが発案され、原稿サイズに関しても小さなサイズの原稿を使用するようになり、また、原稿サイズと設定された用紙サイズとを踏まえて複写の倍率などを計算し、画像を移動させるような複写モードなどになると、原稿サイズを正確に認識しなければ余白部分の多い画像が出力されたり、画像が欠けたりするという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、原稿の形状が検知できない場合においても、設定された複写に関する条件から原稿の形状を推定して適切な複写を実行可能な複写装置及びその制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る複写機は、複数の複写用紙を取り扱い可能な複写機であって、複写用紙を選択する用紙選択手段と、原稿を載置する載置台と、前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知手段と、原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されていて前記原稿サイズ検知手段が原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定手段と、推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の好適な実施の態様に拠れば、例えば、前記複写モードの1つとして、原稿画像を複数のブロックの画像に分割して各ブロックの画像を拡大して夫々1つの複写用紙に複写するモードを含む。
【0007】
また、例えば、前記原稿推定手段を使用するか否かを設定する設定手段と、前記原稿推定手段を使用しない設定がなされていて、前記原稿検知手段が原稿サイズを検知できない場合に警告を行う警告手段と、を更に有する。
【0008】
本発明に係る複写機の複写機の制御方法は、複数の複写用紙を取り扱い可能で、原稿を載置する載置台と、前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、を有する複写機の制御方法であって、複写用紙を選択する用紙選択工程と、前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知工程と、前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程で前記原稿サイズ使用モードが選択されていると判定され、前記原稿サイズ検知工程で原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定工程と、推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る複写機の複写機の制御装置は、複数の複写用紙を取り扱い可能で、原稿を載置する載置台と、前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、を有する複写機をメモリ媒体上のプログラムに基づいて制御する制御装置であって、前記メモリ媒体は、複写用紙を選択する用紙選択工程の手順コードと、前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知工程の手順コードと、前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されているか否かを判定する判定工程の手順コードと、前記判定工程で前記原稿サイズ使用モードが選択されていると判定され、前記原稿サイズ検知工程で原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定工程の手順コードと、推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成工程の手順コードと、を備えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態の一例を説明する。
【0016】
図1は、原稿サイズの検知機構の概念的な構成を示す図である。500は複写機の原稿台カバー、501は原稿、502は原稿載置台として機能する原稿台ガラスである。原稿台カバー500が、閉じられて所定の角度525に至ると、原稿台カバー500と原稿台ガラス502とがなす幅を検知する幅検知センサ520は、原稿台カバー500が閉じられたことを示す信号をCPU(後述の530に対応)に出力する。CPUは、この信号に基づいて反射型センサ510を制御し、そのLED512から原稿台ガラス502に向かって光を照射せしめる。反射型センサ510のトランジスタ511は、反射光より反射体(原稿502またはそれ以外)の濃度を検知する。そしてCPUは、検知した濃度から各反射型センサの上方に原稿が存在するか否かを判定し、原稿サイズを定型のサイズとして認識する。なお、LED512は、劣化を防止するために必要時のみ駆動することが好ましい。
【0017】
図2は、原稿台ガラスの上面から見た複写機の構成を示す図である。同図(a)は、AB系原稿(A4,A4R,B5,B5R,B4,A3)用の構成を示している。原稿台ガラス502の裏面には、反射型センサ510a〜510dが配されている。反射型センサ510a〜510d(以下、センサ0〜4ともいう)及び幅検知センサ520は、CPU530に接続されている。また、同図(b)は、インチ系原稿(LETTER,LEGAL,LETTER−R,11×17)の構成を示している。原稿台ガラスの裏面には、反射型センサ510a〜510cが配されている。反射型センサ510a〜510c(以下、センサ0〜3ともいう)及び幅検知センサ520は、CPU530に接続されている。
【0018】
図3は、反射型センサによる濃度検知と原稿サイズの対応を示す図である。同図(a)はAB系原稿の場合を、(b)はインチ系原稿の場合を夫々示している。また、図中の”0”は、センサ上に原稿が存在しないことを、”1”は、センサ上に原稿が存在することを示している。例えば、AB系原稿の場合において、センサ0〜4が、夫々原稿の存在を示しているときは、その原稿がA3サイズであることを意味する。図示の対応関係は、例えば、CPU530に接続されたメモリ手段等に記憶しておき、適宜CPU530がそれを参照することによって、原稿サイズを認識することができる。
【0019】
図4は、複写機の構成例を示す図である。同図において、100は複写装置本体、200は原稿の自動給送を行う循環式自動原稿送り装置(フィーダ)、250は仕分け装置(ソータ)である。フィーダ200及びソータ250は、本体100に対して自在に組合わせて使用可能に構成されている。
【0020】
101は原稿載置台としての原稿台ガラス(前記502に対応)である。102は画像読み取り手段として機能する光学系であり、原稿照明ランプ(露光ランプ)103、走査ミラー、レンズ143、モータ104等から構成されており、モータ104により走査しつつ露光ランプ103で原稿を照明し、原稿からの反射光を走査ミラーとレンズ143により感光体ドラム105に照射する。感光体ドラム105の周囲には、1次帯電器106、ブランク露光ユニット107、電位センサ108、現像器109、転写帯電器110、分離帯電器111、クリーニング装置112等が備えられ、これらにより画像記録手段が構成されている。
【0021】
感光体ドラム105は、メインモータ113により図示の矢印の方向に回転し、1次帯電器106によりコロナ帯電され、光学系102から原稿の反射光が照射されると、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器109により現像されてトナー像として可視化される。一方、上段カセット114あるいは下段カセット115からピックアップローラ116,117を介し、給紙ローラ118,119により本体100内に送られた複写用紙が、レジストローラ120によりトナー像の先端と複写用紙の先端とが一致するようにタイミングがとられた後、感光体ドラム105に給送され、転写帯電器110によりトナー像が転写される。そして、転写の後、複写用紙は分離帯電器111により感光体ドラム106から分離され、搬送ベルト121により定着器122に導かれて加圧、加熱により定着され、続いて排出ローラ123により本体100の外部に排出される。また、感光体ドラム105は、クリーニング装置112により、その表面が清掃される。
【0022】
本体100には、例えば4000枚の複写用紙を収納し得るデッキ124が装備されている。デッキ124のリフタ125は、給紙ローラ126に複写用紙が常に当接するように、複写用紙の量に応じて上昇する。
【0023】
排紙フラッパ127は、両面記録側若しくは多重記録側と、排出側(ソータ250)との経路を切り替える。排出ローラ123から送り出された複写用紙は、さらに、この排紙フラッパ127により両面記録側若しくは多重記録側に切り替えられる。
【0024】
両面記録と多重記録の経路を切り替える多重フラッパ131は、左方向に倒されることにより複写用紙を反転パス129または下搬送パス128に導く。下搬送パス128は、排出ローラ123から送り出された複写用紙を、直接、または反転パス129を介して複写用紙を裏返して再給紙トレイ130に搬送するパスである。
【0025】
給紙ローラ132は、経路133を通して複写用紙を感光体ドラム105側に給紙する。排出ローラ134は、排紙フラッパ127の近傍に配置されており、排紙フラッパ127により排出側に切り替えられた複写用紙を本体100の外部に排出する。両面記録(両面複写)や多重記録(多重複写)の際には、排紙フラッパ127を上方に上げて、複写済みの複写用紙を搬送パス128,128(両面記録時)を介して裏返した状態で再給紙トレイ130に格納する。このとき、両面記録時には多重フラッパ131を右方向へ倒し、多重記録時には多重フラッパ131を左方向へ倒す。
【0026】
次いで実行される裏面記録時や多重記録時には、再給紙トレイ130に格納されている複写用紙が、下から1枚づつ給紙ローラ132により経路133を介してレジストローラ120に導かれる。
【0027】
本体100から複写用紙を反転して排出する時は、排紙フラッパ127を上方へ上げ、フラッパ131を右方向へ倒し、複写済みの複写用紙を搬送パス129側へ搬送し、その複写用紙の後端が送りローラ140を通過した後に、反転ローラ142によってその複写用紙を送りローラ側141へ搬送し、排出ローラ134によってその複写用紙を裏返して外部に排出する。
【0028】
図5は、複写機本体100に備えられた操作部600の構成例を示す図である。ユーザモードキー601は、複写機の仕様や標準モード等の設定の他、クリーニング等を行う際に使用される。カーソルキー627は、モード設定時において設定項目を選択する際に使用される。OKキー628は、モード設定時において設定内容を確定する際に使用される。
【0029】
オールリセットキー606は、設定を標準モードに戻す際に使用される。複写開始キー(コピースタートキー)605は、複写を開始する際に使用される。クリア/ストップキー604は、待機(スタンバイ)中はクリアキー、複写中はストップキーとしての機能を有する。クリアキーとして機能するときは、設定した複写枚数を解除することもできる。またストップキーとして機能するときは、連続複写を中断することができ、この場合キー入力した時点における複写処理が終了した後に複写処理が停止する。
【0030】
テンキー603は、複写枚数を設定する際に使用される他、モードを選択するための数値を設定する際にも使用される。メモリキー619は、オペレータが頻繁に使用するモードを登録しておくときに使用される。この例においては、M1〜M4の4通りのモードの登録が可能である。複写濃度キー611及び612は、複写濃度を手動で調節する際に使用される。AEキー513は、原稿の濃度に応じて複写濃度を自動的に調節するAE(自動濃度調節)モードと、濃度調節を手動で調整するマニュアルモードをを切り換える際に使用される。
【0031】
複写用紙選択キー607は、上段ペーパリフタ114、下段ペーパリフタ115、ペーパデッキ124、マルチ手差しユニット150を選択する際に使用される。フィーダ200に原稿が載置されているときは、複写用紙選択キー607によりAPS(自動紙カセット選択)機構を指定することできる。
【0032】
等倍キー610は、等倍(原寸)の複写を実行する際に使用される。オート変倍キー616は、指定した複写用紙のサイズに合わせて原稿の画像を自動的に縮小・拡大を指定する際に使用される。両面キー626は、片面原稿から両面複写、両面原稿から両面複写、両面原稿から片面複写を実行する際に使用される。綴じ代キー625は、複写用紙の左右上下側へ指定された長さの綴じ代を作成する際に使用される。写真キー624は、写真原稿を複写する際に使用される。多重キー623は、2つの原稿から複写用紙の同じ面に画像を作成(合成)する際に使用される。枠消しキー621は、原稿枠消し、シート枠消し、パンチ穴消し、ブック枠消しなどを設定する際に使用される。ズームプログラムキー621は、原稿上の長さ、複写用紙上の長さを入力し、その長さに対する倍率を計算し、その倍率で複写を行う際に使用される。
【0033】
拡大レイアウト設定キー629は、1枚の原稿に縮小された複数の原稿がレイアウトされている原稿を元の複数の原稿に戻すモードを指定するキーである。ページ連写キー630は、見開きの本等の左右ページを連続して複写する際に使用される。簡易縮小キー632は、原稿を僅かに縮小するモードを選択するキーである。
【0034】
ガイドキー633は、各種キーに対応する機能の説明を、メッセージディスプレイ701に表示する際に使用される。排紙方法選択キー614は、ステイプルソート、ソート、グループの排紙方法を選択するキーであり、ステイプルソータが接続されている場合に、記録後の複写用紙を排紙する方法として、ステイプルソートモード、ソートモード、グループモードの選択及びそれらのモードの解除を指示する際に使用される。予約キー631は、予約トレイ210に載置された予約原稿に対する複写モードの設定を開始するとき、及び予約設定を解除する際に使用される。
【0035】
メッセージディスプレイ701は、複写に関する情報(例えば、設定条件)を表示するLCD(液晶)タイプの表示器であり、タッチパネルとしても機能する。メッセージディスプレイ701は、例えば、テンキー603で設定した複写枚数、定型変倍キー608,609、等倍キー610、ズームキー617,618で設定した複写倍率、用紙選択キー507で選択した用紙サイズ、複写機本体100の状態を示すメッセージ、操作手順を示すガイドメッセージ、その他各種モードの設定内容を表示する。AE表示器704は、AEキー613によりAE(自動濃度調節)モードを選択したときに点灯する表示器である。余熱表示器709は、余熱状態の時に点灯する表示器である。
【0036】
図6は、複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。制御回路1004は、複写機全体を制御する回路であり、CPU1004a、ROM1004b、RAM1004c、フロッピーディスクドライブ(FDD)1004dを含む。ROM1004bは、CPU1004aに供給するプログラムコードを格納するメモリであり、当該プログラムには、複写機を統括的に制御する一般的なプログラムの他に後述する複写処理プログラム(図7参照)が含まれる。
【0037】
操作部600は、前述のように、各種コピーモード(例えば、片面、両面、多重モード、複写倍率、カセット選択等)の設定キー、複写枚数などを設定するテンキー、複写動作の開始を指示するスタートキー、複写動作の停止を指示するストップキー、動作モードを標準状態に復帰するリセットキー等のキー入力部、及び動作モードの設定状態等を表示するLEDや液晶等のメッセージディスプレイ等が配置されている。
【0038】
サーミスタ302は、定着ローラ144の表面温度を検出する。検出された表面温度のアナログ値は、A/D変換器301に供給され、ここでA/D変換されたデータが制御回路1004に入力される。制御回路1004は、サーミスタ302からA/D変換器を介して供給されるデータ(表面温度)に基づいて、定着ローラ144の表面温度が所定値になるように制御する。
【0039】
高圧制御部303は、1次帯電器106、転写帯電器110等の帯電系、及び現像器109等に所定の電位を印加する高圧ユニット304の制御を行う。モータ制御部305は、各種ステッピングモータやメイン駆動モータ等のモータ306の駆動を制御する。DC負荷制御部307は、ピックアップローラ116用等のソレノイド、レジストローラ120用等のクラッチ、及びファン等の駆動を制御する。センサー類308は、複写用紙の紙づまり等を検知し、それを制御回路1004に供給する。
【0040】
ACドライバー1000は、原稿照明ランプ103等のAC負荷309及び定着ヒータ311へのAC電源供給を制御する。また、ACドライバー1000は、原稿照明ランプ103、定着ヒータ311等の異常を検出し、シャットオフ機能付きのメインスイッチ(MSW)1001をオフ状態にする。さらに、ACドライバ1000は、制御回路1004の制御に基づいて、メインスイッチ1001の前後のAC入力が切り換えて電源1100に入力する。
【0041】
電源1100は、制御回路1004等にDC電源を供給する。電源1100には、ACドライバ1000からAC電源が供給されると共に入力電源プラグ311からメインスイッチ1001及びドアスイッチ1007を介してAC電源が供給される。
【0042】
ペーパデッキ124は、複写用紙の積載枚数を増やすための給紙装置、フィーダー200は、複数のための原稿を自動的にセットする自動原稿送り装置、ソータ250は、排出される複写用紙を仕分けする仕分け装置である。
【0043】
以下、上記複写機の動作を説明する。本実施の形態においては、原稿サイズが検知できない場合に、設定されている複写モードと用紙サイズとから原稿サイズを推定するものである。この場合の複写モードには、例えば、簡易縮小モードや拡大レイアウトモードがある。
【0044】
図8は、簡易縮小モードにおける原稿サイズ及びその向きの推定処理を概念的に示す図である。簡易縮小モードは、前述のように、原稿を僅かに縮小するモードであり、例えば、原稿を僅かに縮小し、原稿のサイズと同一の複写用紙に複写するものである。このとき、例えば、横置きの複写用紙が選択されている場合には、原稿も横置きであるものと推定する。反対に、縦置きの複写用紙が選択されている場合には、原稿も縦置きであるものと推定する。したがって、オペレータは、複写用紙のサイズを選択することによって、原稿サイズを複写機に認識させることができる。また、複写用紙の向きを選択することによって、原稿の向きを複写機に認識させることができる。換言すると、複写機は、原稿台ガラス500上に載置された原稿サイズ及びその向きを検知することができない場合においても、選択された複写用紙のサイズ及びその向きから原稿サイズ及びその向きを推定することができ、原稿サイズ等を検知できないことに起因する複写の誤りを低減し、複写処理を効率化することができる。なお、用紙サイズ及びその向きは通常一括して選択(例えば、A4はA4サイズ縦置き、A4RはA4サイズ横置き等)される。
【0045】
図9は、拡大レイアウトモードにおける原稿サイズ及びその向きの推定処理を概念的に示す図である。拡大レイアウトモードは、前述のように、1枚の原稿に、縮小された複数の原稿がレイアウトされた状態から元の複数の原稿に戻すモードである。
【0046】
同図の(a)は、2つの原稿910a及び910bが縮小されて1つの原稿910をなす状態から各原稿910a及び910bを拡大し、910a’及び910b’を得るモード(1to2モード)であって、縦置きの用紙が選択された場合を示している。逆説すると、1to2モード及びA5サイズ(縦)が選択されている場合、原稿910のサイズ及び向きを推定することができる。
【0047】
同図の(b)は、4つの原稿920a〜920dが縮小されて1つの原稿920をなす状態から各原稿920a〜920dを拡大し、920a’〜920d’を得るモード(1to4モード)であって、縦置きの用紙が選択された場合を示している。逆接すると、1to4モード及びA5サイズ(縦)が選択されている場合、原稿920のサイズ及び向きを推定することができる。
【0048】
同図の(c)は、2つの原稿930a及び930bが縮小されて1つの原稿930をなす状態から各原稿930a及び930bを拡大し、930a’及び930b’を得るモード(1to2モード)であって、横置きの用紙が選択された場合を示している。逆接すると、1to2モード及びA5サイズ(横;A5R)が選択されている場合、原稿930のサイズ及び向きを推定することができる。
【0049】
以上のように、例えば、1to2、1to4等の拡大レイアウトモードが選択され、用紙のサイズ(例えば、A5)及びその向き(縦または横)が選択されると、その設定条件から原稿サイズ(例えば、A5)及びその向きを推定することができる。
【0050】
図7は、複写機の制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、複写処理に関する各種モード及び用紙サイズを設定された後に、複写の開始を指示する複写開始キー605が押下されることによって実行される。また、このフローチャートに係る複写処理プログラムは、前述の如く、ROM1004bに格納されている。しかしながら、この複写処理プログラムは、例えば、フロッピーディスクに格納してフロッピーディスクドライブ(FDD)1004dから供給することもできる。この場合、既存の複写機に本実施の形態に係る原稿推定処理の機能を追加することも容易である。
【0051】
先ず、ステップS701では、原稿サイズに関するモードが圧板モードであるか、DHモードであるかを判定する。ここで、圧板モードとは、原稿を原稿台ガラス502上に載置して、原稿台カバー500を閉じて複写するモード、すなわち、前述のように、原稿サイズをセンサ510を用いて検知し、それに基づいて複写処理を行うモードである。一方、DHモードとは、原稿を原稿台ガラス502上に載置して原稿台カバー500を開いたまま複写するモードである。判定の結果、圧板モードである場合には、ステップS702に進み、DHモードである場合にはステップS707に進み、設定されたモードでそのまま複写を実行する。
【0052】
ステップS702では、複写のモードが原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モード(例えば、簡易縮小モード、拡大レイアウトモード等)であるか否かを判定する。その結果、原稿サイズ使用モードである場合には、ステップS703に進み、原稿サイズ使用モードでない場合にはステップS707に進む。
【0053】
ステップS703では、原稿サイズ等を反射型センサー510によって検知することができるか否かを判定する。そして、原稿サイズ等を検知できる場合には、ステップS707に進む。この場合、以下の原稿推定処理(ステップS704〜S706)を実行するまでもなく、原稿サイズ及びその向きを認識することができるからである。一方、原稿サイズ等を検知できない場合には、ステップS704に進み、原稿サイズ及びその向きを推定する原稿推定処理(ステップS704〜S706)を実行する。
【0054】
ステップS704では、設定されている用紙サイズ及びその向きを確認する。本実施の形態においては、縦方向の用紙として、例えば、A4,B5,A5を選択可能であり、横方向の用紙として、例えば、A5R,A4R,B5R,B4,A3を選択することができる。
【0055】
ステップS705では、設定されているモードを確認する。本実施の形態においては、例えば、簡易縮小モード、拡大縮小モード等を選択することができる。
【0056】
ステップS706では、ステップS704で確認した用紙のサイズ及びその向きと、ステップS705で確認したモードとに基づいて、原稿サイズ及びその向きを推定する。例えば、図8に示すように、用紙の設定がA5R(A5サイズ、横置き)であり、簡易縮小モードが設定されている場合は、原稿はA5サイズ横置きであると判断する。また、用紙の設定がA5(A5サイズ、縦置き)であり、簡易縮小モードが設定されている場合は、原稿はA5サイズ縦置きであると推定する。また、例えば、図9(a)に示すように、用紙の設定がA5(A5サイズ、縦置き)であり、拡大レイアウトモード(1to2)が設定されている場合は、原稿は、A5サイズ横置きと推定する。また、例えば、図9(b)に示すように、用紙の設定がA5(A5サイズ、縦置き)であり、拡大レイアウトモード(1to4)が設定されている場合は、原稿は、A5サイズ縦置きと推定する。また、例えば、図9(C)に示すように、用紙の設定がA5R(A5サイズ、横置き)であり、拡大レイアウトモード(1to2)が設定されている場合は、原稿は、A5サイズ横置きと推定する。
【0057】
図10は、用紙サイズ及びその向きとモードの設定から推定される原稿サイズ及びその向きの一例を示す図である。原稿推定テーブルは、例えば、ROM1004bに格納されている。なお、この原稿推定テーブル800は、本実施の形態を説明するための一例に過ぎず、用紙サイズ等は他のサイズであっても良いし、インチ系の用紙であっても良い。また、モードに関しても、例えば、拡大倍率(例えば、2倍、4倍等)や拡大方法等を指定するモードであっても良い。
【0058】
ステップS707では、検知した原稿サイズ及びその向き、若しくは原稿推定処理において推定された原稿サイズ及びその向きを踏まえ、設定されたモードに対応する複写用画像データを生成する。そして、ステップS708では、生成した画像データに基づいて画像を形成し、複写を完了する。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態に拠れば、原稿サイズ等を検知できないことに起因する複写の誤りを低減し、複写処理を効率化することができる。
【0060】
また、原稿サイズ等を推定する制御プログラムを追加することにより、原稿サイズ等を推定する機能を実現することができるため、既存の複写機を該制御プログラムによって容易に改良することができる。
<実施の形態の応用例>
上記の実施の形態は、設定された用紙サイズ等とモードとから原稿サイズ等を推定し、推定した原稿サイズ等を踏まえて複写処理を実行する例であるが、このような機能の使用を望まない場合も当然に考えられる。例えば、原稿がA5サイズであるが、それをA4サイズの原稿として扱って簡易縮小モードを用いてA5サイズに複写したい場合などである。この場合、上記の実施の形態に拠れば、設定された用紙サイズから原稿サイズをA5サイズと推定することになり、所望の複写を実行することができない。
【0061】
本応用例は、上記の問題点を解決するため、上記の原稿の推定機能を使用するか否かを選択する機能を備えたものである。図11は、本応用例に係る複写機の操作部600の構成例を示す図である。また、図12は、本応用例に係る複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、上記の実施の形態と同様の部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
原稿推定キー901は、原稿サイズ及びその向きを推定するか否かを切り替えるキーである。なお、この原稿の推定機能のオンオフ(有効/無効)状態は、例えば、メッセージディスプレイ701に表示することが好ましい。
【0063】
ブザー902は、原稿を推定する機能がオフの状態で、原稿サイズを検知できない場合に所定のタイミングで警告を発するために使用される。このような警告の手段は、ブザー902に限定されるものではなく、例えば、メッセージディスプレイ701等に警告を表示しても良い。
【0064】
上記の警告を出力するタイミングは、例えば、図7に示すフローチャートのステップS703において、原稿サイズを検知できないと判断したときでも良いし、ステップS702において、原稿サイズ使用モードであると判断したときでも良いし、ステップS701において、圧板モードであると判断したときでも良い。
【0065】
以上のように、原稿を推定する機能をオンオフ切り換えする機能を備えることにより、かかる機能が不要な場合において意図しない原稿推定処理に伴う複写の誤りを防止することができる。また、原稿を推定した方が良い可能性がある場合(例えば、原稿サイズを検知できない場合)には、原稿の推定機能がオフ状態であることを警告する手段を備えることにより、原稿の推定機能がオフ状態であることに起因する複写の失敗を抑制することができる。
【0066】
さらに、ブザー902等の警告の手段は、例えば、原稿の推定機能がオンの状態においても利用することができる。例えば、原稿の推定機能がオン状態であるときに、ステップS703で原稿サイズを検知可能であると判断した場合、上記の説明においては、ステップS707に直接進み、複写を行う。しかし、この場合においても、原稿推定処理(ステップS704〜S706)を実行し、その推定に係る原稿サイズ及びその向きと、センサによって検知した原稿サイズ及びその向きとを比較し、それが一致する場合には、ステップS707に進み、一致しない場合にはブザー902等の警告の手段を用いて警告を出力するように制御しても良い。これによりオペレータに対して注意を喚起することができる。
【0067】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、単体の機器からなる装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって実施される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明に係るプログラムを格納した記憶媒体が本発明を構成することになる。そして、該記憶媒体からそのプログラムをシステム或は装置に読み出すことによって、そのシステム或は装置が、予め定められた仕方で動作する。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に拠れば、設定された複写用紙の種類や複写モードから原稿の形状を推定することにより、複写の誤りを低減し、複写処理を効率化することができるという効果がある。
【0069】
また、原稿の形状を推定する制御プログラムを追加することにより、その機能を実現することができるため、既存の複写機を該制御プログラムによって容易に改良することができるという効果がある。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】原稿サイズの検知機構の概念的な構成を示す図である。
【図2】原稿台ガラスの上面から見た複写機の構成を示す図である。
【図3】反射型センサによる濃度検知と原稿サイズの対応を示す図である。
【図4】複写機の構成例を示す図である。
【図5】複写機本体に備えられた操作部の構成例を示す図である。
【図6】複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図7】複写機の制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】簡易縮小モードにおける原稿サイズ及びその向きの推定処理を概念的に示す図である。
【図9】拡大レイアウトモードにおける原稿サイズ及びその向きの推定処理を概念的に示す図である。
【図10】用紙サイズ及びその向きとモードの設定から推定される原稿サイズ及びその向きの一例を示す図である。
【図11】応用例に係る複写機の操作部の構成例を示す図である。
【図12】応用例に係る複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。
Claims (5)
- 複数の複写用紙を取り扱い可能な複写機であって、
複写用紙を選択する用紙選択手段と、
原稿を載置する載置台と、
前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、
前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知手段と、
原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されていて前記原稿サイズ検知手段が原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定手段と、
推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする複写機。 - 前記複写モードの1つとして、原稿画像を複数のブロックの画像に分割して各ブロックの画像を拡大して夫々1つの複写用紙に複写するモードを含むことを特徴とする請求項1に記載の複写機。
- 更に、前記原稿推定手段を使用するか否かを設定する設定手段と、前記原稿推定手段を使用しない設定がなされていて、前記原稿検知手段が原稿サイズを検知できない場合に警告を行う警告手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複写機。
- 複数の複写用紙を取り扱い可能で、原稿を載置する載置台と、
前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、を有する複写機の制御方法であって、
複写用紙を選択する用紙選択工程と、
前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知工程と、
前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記原稿サイズ使用モードが選択されていると判定され、前記原稿サイズ検知工程で原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定工程と、
推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成工程と、
を備えることを特徴とする複写機の制御方法。 - 複数の複写用紙を取り扱い可能で、原稿を載置する載置台と、
前記載置台の複数の位置で原稿の有無を検知する複数の原稿検知センサと、原稿サイズ及び向きに関する情報を必要とする原稿サイズ使用モードを含む所望の複写モードを選択するモード選択手段と、を有する複写機をメモリ媒体上のプログラムに基づいて制御する制御装置であって、前記メモリ媒体は、
複写用紙を選択する用紙選択工程の手順コードと、
前記複数の原稿検知センサの各々の検知結果に基づいて原稿のサイズ及び向きを検知す る原稿サイズ検知工程の手順コードと、
前記モード選択手段により前記原稿サイズ使用モードが選択されているか否かを判定する判定工程の手順コードと、
前記判定工程で前記原稿サイズ使用モードが選択されていると判定され、前記原稿サイズ検知工程で原稿サイズを検知できない場合に、前記用紙選択手段により選択された複写用紙のサイズ及び向きと前記モード選択手段により選択された複写モードに基づいて原稿のサイズ及び向きを推定する原稿推定工程の手順コードと、
推定した前記原稿のサイズ及び向きを踏まえて前記選択された複写モードに従って画像を形成する画像形成工程の手順コードと、
を備えることを特徴とする複写機の制御装置。
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