JP3665122B2 - 内燃機関のオイルパン - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(エンジン)のシリンダーブロック底面に取り付ける上下二分割状のオイルパンにおいて、大容量にてダイカスト化を可能とする一方、剛性を向上させるための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関のシリンダーブロック底面にオイルパンを取り付ける構成は公知となっているが、この中で、オイルパンの大容量化のため、側面部を外側に膨出させた構造が、実公昭61−4676号公報に開示されている。また、上下二分割状とした構成が、実開昭58−152540号公報及び実開昭57−75144号公報にて開示されており、更に、実開昭58−152540号公報には、上下のオイルパンの内部間を連絡する連絡孔を有する間座を介設する構成も開示されている。
【0003】
また、従来、上下二分割状のオイルパンの中の下部オイルパンには、内部底面に垂直板状の補強リブを突設していた。また、オイルパンを取り付けた内燃機関全体を台床に防振支持する方法としては、オイルパン側面にボルト座を設け、該ボルト座に、防振ゴムを取り付けたブラケットを螺止するという方法を用いていた。更に、該オイルパンの底面より、負荷装置(例えばモーター)を吊設する場合があり、そのため、底面に螺子座を設けたものもあり、その場合、オイルパンの内側底面にて、螺子座の内側に形成されるボス部の周囲に、補強用のリブを、例えば放射状に突設する構造を取って、補強を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
コスト低減が叫ばれる今日、大型内燃機関に対応するための大容量のオイルパンを如何に低コストで、かつ、剛性を確保して構成するかが重要となっている。低コスト化の一環として、オイルパンを、大量生産可能なダイカスト製とすることが望ましく、従って、剛性を有し、大容量のダイカスト製オイルパンを構成することを目的としたい。しかるに、前記実公昭61−4676号公報開示の技術で大容量化を図るには、オイルパンが一体状で、上下とも被覆される状態で形状が複雑となり、鋳型が複雑化し、更には、様々な容量や、オイルパンの配設空間の様態に合わせて、その都度、鋳型を成形する必要があり、コストがかかる。また、剛性向上のため、オイルパンの中に、上下に油を流動可能に連絡孔を穿設した水平状の間座を介設することが望ましいが、この構造が取りにくく、そのため剛性不足で、内燃機関の振動が伝導しやすく、高騒音を招くものとなっていた。
【0005】
対して、前記の実開昭58−152540号公報や実開昭57−75144号公報のように、上部オイルパンと下部オイルパンの上下二分割状とすれば、それぞれの形状が単純化して、鋳型が簡素化し、コスト低下を実現でき、また、実開昭57−75144号公報にも示すように、上部オイルパンは一つの固定した形状で統一し、その下方に、対応する内燃機関の容量に応ずる下部オイルパンを取り付ける構成として、低コスト化を図ることもできる。このようなことから、上下二分割状のオイルパンを採用したい。
【0006】
その一方で、大容量化に対応するには、剛性の向上が必要である。水平方向の間座を取り付けるのは、オイルパンの側面部に、シリンダーブロックからの荷重に対する剛性を付与する上に、捩じり剛性も発生させるので、取り付けるのが望ましい。前記実開昭58−152540号公報では、上部オイルパンと下部オイルパンとの間に別体の間座を介設する構成が開示されているが、別部材の間座を介設する構成は複雑で、部品点数が多くなり、低コスト化を妨げる。実開昭57−75144号公報では、上部オイルパンの底面に下部オイルパンへの油の連絡孔を穿設した構成が開示されているが、この連絡孔を穿設する底面部分は、下部オイルパンを取り付けた状態におけるオイルパン全体を補強することを想定しては構成されていない。
【0007】
負荷装置吊設用の螺子座をオイルパンの底面に設ける構造においては、従来の、螺子座の内側に形成されるボス部の周囲に、補強用リブを配設する構造だけでは、重量で、また、駆動時に衝撃的な荷重が加わる負荷装置を吊設するには螺子座部分の剛性が不足していた。
【0008】
更に、このような上下二分割状のオイルパンの中で、下部オイルパンにおいては、従来、次のような問題があった。まず、底面自体を、ドレン孔を穿設した側に下方傾斜させる構成はあったが、前記の如く内部底面に突設する補強リブは、該平面視において、該下部オイルパンの側面に対して垂直方向になっていた。下部オイルパンにおいては、配設スペース上、内部底面の直上方にて、側面にドレン孔を穿設する場合がある。補強リブ及び内部底面が前記の如き状態では、オイルパンを、正確に水平状に配設するか、またはドレン孔穿設面をやや下方に傾斜して配設する必要があり、少しでも違った方向に傾斜していると、ドレン孔の向きに油が流れにくく、ドレンに時間がかかる。また、ドレンした状態でも、該下部オイルパン内のドレン孔の穿設面と反対側や、或いは補強リブとオイルパンの側面との間に油が溜まってしまうという不具合が生じる。
【0009】
次に、オイルパンを取り付けた内燃機関全体の防振支持構造については、前記の従来構造では、オイルパンの外側に防振ゴムを取り付けたブラケットを配設するものであり、ブラケットのオイルパンに対する取付面は、該オイルパンの側面となる。このような側面取付型のブラケットの剛性を確保するためには、このオイルパン側面の取付面の面積も確保しなければならず、その配設分のスペースだけ、オイルパンを内側に寄せなければならないので、容量が少なくなり、大容量化の妨げとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関のオイルパンに関しての以上のような課題を解決するために次のような手段を用いる。
請求項1においては、内燃機関のシリンダーブロック底面に取り付けるオイルパンを、上部オイルパン1と下部オイルパン2との、上下二分割状のオイルパンとした構成において、該下部オイルパン2の底面に、垂直板状の補強リブR3・・・を設け、該下部オイルパン2の底面下方に負荷装置を支持するために、該下部オイルパン2の底面側に突設する螺子座の螺子ボス部2gを、該補強リブR3に連接して設けたものである。
【0011】
請求項2においては、請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該上部オイルパン1のシリンダーブロックへの取付座1aに、橋渡し状の連結壁1cを有する間座部1bを設けたものである。
【0012】
請求項3においては、請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該下部オイルパン2に、防振ゴムの取付孔2cを穿設するとともに、該取付孔2cの周囲に油溜部を設け、その上部オイルパン1に、該防振ゴム配設用の防振ゴム逃げ部1gを設けたものである。
【0013】
請求項4においては、請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該補強リブR3は、ドレン孔に向けて平面視傾斜する垂直板状として突設し、該下部オイルパン2の底面は、側面視にてドレン孔2eに向けて下方傾斜させたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面より説明する。図1は本発明に係る上下分割型オイルパンの組立斜視図、図2は上部オイルパン1の上面図、図3は同じく正面断面図、図4は同じく防振ゴム配設側面の側面図である。
【0015】
図5は同じくフライホイル取付側面の側面図、図6は同じく部分下面図、図7は下部オイルパン2の上面図、図8は同じく正面断面図、図9は同じく防振ゴム取付側面の側面図、図10はエンジンのシリンダーブロック3とフライホイルハウジング4の組立斜視図である。
【0016】
まず、オイルパンの構成を説明する前に、図10より、エンジン(内燃機関)のシリンダーブロック3とフライホイルハウジング4との組立構成について説明する。シリンダーブロック3の側面に、フライホイルハウジング4の側面を螺止する。該シリンダーブロック3の該フライホイルハウジング4への取付側面からは、図示されないエンジン出力軸が突設している。これをオイルシール6にてシールし、その周囲には、オイルシールケース5を外嵌する。図10中、P3は、ゴムや合成樹脂等よりなるパッキンである。
【0017】
図1の如く、本発明に係るオイルパンは、上部オイルパン1と下部オイルパン2とを上下に組み合わせて構成される。なお、図1中、P1・P2は、ゴムや合成樹脂等よりなるパッキンである。
【0018】
図1乃至図6にて上部オイルパン1について説明する。前記シリンダーブロック3の底面に対しては、パッキンP1を介して、閉曲線状のシリンダーブロック取付座1aを当接し、該シリンダーブロック取付座1aに穿設した各螺子孔に対し、図1図示の如く、短螺子7及び長螺子8にて螺止する。短螺子7は上部オイルパン1のみをシリンダーブロック3に螺止するが、長螺子8は、後記の下部オイルパン2と上部オイルパン1とを貫通させて螺止するものであって、即ち、下部オイルパン2を、上部オイルパン1とともにシリンダーブロック3に共締めすることとなる。オイルパン内においては、該長螺子8を内嵌する上部オイルパン1の螺子ボスと該下部オイルパン2の螺子ボスとは上下に連接する。該シリンダーブロック取付座1aにおける長螺子8の螺子孔は、図1の如く、該フライホイルハウジング4の取付側側端部の横一列及び後記オイルフィルター1hの奥部等の適宜箇所に穿設されているが、これらの部位は、シリンダーブロック取付座1aと、下部オイルパン2の螺子ボスとが上下に重合する箇所なので、このような共締め構造が可能となるのである。このようにして、長螺子8と、これを内嵌する上下部オイルパン1・2の螺子ボスにて、シリンダーブロック3からの垂直荷重を受けることができ、剛性を高めることができる。また、上下部オイルパン1・2同士の螺止とシリンダーブロック3への螺止とを同時にでき、螺子の本数を低減することもできる。
【0019】
また、図10の如く、シリンダーブロック3の側面に螺止したフライホイルハウジング4の側面には、螺止した該シリンダーブロック3よりも下方位置にて、横一列の螺子座4a・4a・・・が配設されており、これに対し、該上部オイルパン1の該フライホイルハウジング4への取付面には、横一列の螺子座1d・1d・・・が配設されており、対峙する螺子座4aと螺子座1dとを当接させて、螺子9にて螺止する。また、該フライホイルハウジング4内に内設する前記オイルシールケース5の下部にも、横一列の螺子座5a・5a・5aが配設されており、これに対しては、上部オイルパン1の側面に、該螺子座1d・1d・・・の直上方にて、横一列状の螺子座1e・1e・1eを配設して、各螺子座5a及び1e同士を合わせて、螺子10にて螺止する。従って、上部オイルパン1は、上面をシリンダーブロック3に、一側面をフライホイルハウジング4に螺止して、取付剛性を高めているものである。なお、該上部オイルパン1の上面にて、軸受用凹部1fを凹設しており、該オイルシールケース5に内嵌されるオイルシール6の下端部分を、図6の如く嵌入する逃げ部としている。
【0020】
上部オイルパン1の該シリンダーブロック取付座1aにて囲まれる部分には、該上部オイルパン1の下部に取り付ける下部オイルパン2に油を流通させるべく、開口部を設けているが、その開口部に橋渡し状の連結壁1c・1c・・・を設けており、これら開口部と連結壁1cとを有する該シリンダーブロック取付座1aに囲まれる部分を、オイルパン全体の補強用としての、水平面状の間座部1bとしている。
【0021】
該上部オイルパン1において、フライホイルハウジング4の取付面の反対側面には、平面視にて、内側に切り欠いて、防振ゴム逃げ部1gを形成している。防振ゴムの取付構成については、後の下部オイルパン2の説明の際に説明する。また、正面側の切欠部は、オイルフィルター逃げ部1hである。
【0022】
該シリンダーブロック取付座1aを含む該上部オイルパン1上面の裏面(下面)においては、垂直板状の補強リブを配設している。まず、該上部オイルパン1下端の、下部オイルパン2への接合面となる合わせ面1iより該シリンダーブロック取付座1aにかけては、図2の如く、補強リブR1・R1・・・を配設している。この部分は、シリンダーブロック3に取り付けた場合に該シリンダーブロック3よりも外側に膨出する箇所で、搭載するエンジン全体の荷重が下向きにかかるので、この荷重に対する剛性の確保のため、該補強リブR1を配設して、該合わせ面1iにかかる荷重を、該シリンダーブロック取付座1aに分散させているのである。特に、防振ゴム逃げ部1hの配設側は、フライホイルハウジング4の取付側面のように水平方向の剛性がないため、網目状に補強リブR1aを配設し、シリンダーブロック取付座1aの裏面にも、二重の補強リブR1bを設けて該補強リブR1aに連接させて、剛性を強くしている。
【0023】
また、該間座部1bの裏面においては、エンジンからの荷重はかからないが、橋渡し状の連結壁1c部分に、捩じり応力がかかり易いため、図6の如く、各連結壁1cの両側端部に沿って、リブR2・R2等を配設する等して、間座部1bの補強を図っている。
【0024】
次に、下部オイルパン2について、図1、図7乃至図9より説明する。最初に上部オイルパン1に対する取付構造について説明すると、上部オイルパン1下端の縁部に形成した合わせ面1iを、該下部オイルパン2上端縁部の合わせ面2aに、パッキンP2を介して接合し、短螺子11や前記長螺子8にて螺止するものである。
【0025】
上部オイルパン1の底面に係合できるように、該合わせ面2aの形状さえ一定であれば、例えば下部オイルパン2の高さを変更して、上下部オイルパン1・2を合わせたオイルパン全体の容量を調整することもできるし、また、配設スペースの様態に合うよう、下部オイルパン2を適当な形状に変更して、複雑な配設箇所にも最大限の容量を確保できるようにオイルパンを配設することができる。これが、上下一体型のオイルパンでは、容量変更や、形状の変更の度に、全体の鋳型を変更し、その鋳型の一つずつが、上下被覆状で加工が容易でなく、コスト高を招く元であったが、このような上下二分割型では、上部オイルパン1は共通の形状のものを大量に製作しておき、下部オイルパン2の高さや形状のみ変更すればよいのであって、下部オイルパン2自体も、上部開放状なので、鋳型を加工し易く、コスト低下に貢献するのである。
【0026】
下部オイルパン2の構成について説明する。側面部において、前記の上部オイルパン1に形成した防振ゴム逃げ部1gとオイルフィルター逃げ部1hにそれぞれ連通する如く、平面視で内側に切り欠いた防振ゴム取付部2b及びオイルフィルター逃げ部2dを形成している。該防振ゴム取付部2bの平面視U型の側壁部は、図8のように褶曲形状、即ち、空間2b’を形成することにより、ダイカスト成形して、上面に、上部オイルパン1の防振ゴム逃げ部1hの下端部への取付面である螺子座を形成している。また、該防振ゴム取付部2bは、底面を残して側面のみを内側に凹設した構成となっており、その底面部に防振ゴム取付孔2cを穿設して、防振ゴムを、この防振ゴム取付孔2cに内嵌係合することで、従来のようにブラケットを介さず、直接的に下部オイルパン2に取り付けることができる。また、ブラケットを介しての従来の防振ゴムの取付方法では、該ブラケットの配設スペース分だけ、オイルパンの水平方向の容量が制限されるが、この構造の場合には、該防振ゴム取付部2bの周囲は、下部オイルパン2bの側面を膨出させて、両側に油溜部を確保して、容量の縮小を極力抑えているのである。
【0027】
上下部オイルパン1・2を係合させた状態では、該上部オイルパン1の防振ゴム逃げ部1gが、該下部オイルパン2における防振ゴム取付部1bに連接することとなるが、これにより、防振ゴムが、上下部オイルパン1・2を通じて、上下に貫通可能となり、従って、上下部オイルパン1・2を係合させたまま、上方から、該防振ゴム逃げ部1g及び該防振ゴム取付部1bを貫通するように、該防振ゴム取付孔1cに防振ゴムを取り付ける作業が可能となり、組み付け工程を容易化するのである。
【0028】
また、該防振ゴム取付部2bの配設側面と、該オイルフィルター2dの配設側面とにおいて、底面の直上方にて水平方向に、ドレン孔2e・2fを穿設しており、図1の如く、該ドレン孔2e・2fにドレンプラグ12・12を内嵌する。
【0029】
次に、下部オイルパン2の補強構造について説明する。該下部オイルパン2底面の下面(外部底面)には、図7の如く、碁盤目状の補強リブR4・R4・・・を突設しており、特に応力の集中する防振ゴム取付部2bにおいて、空間2b’の形成部分の剛性を確保すべく、該空間2b’内にて、該防振ゴム取付部2bを形成する側面の裏面に、図7のように補強リブR5を突設している。同じく底面の上面(内部底面)には、側面視三角形状で、垂直板状の補強リブR3・R3・・・を、フライホイルハウジング取付面及び防振ゴム取付面から中心向きに突設している。なお、図7の如く、下部オイルパン2の中心部付近には、サクションフィルターSFが配設され、この部分には補強リブR3を配設せず、また、各補強リブR3の側面視形状を、内側端を鋭角とする三角形にしたのは、該サクションフィルターSFに干渉しないためである。
【0030】
ドレンの効率化構造に関して説明する。該補強リブR3・R3・・・が、その内側端を、平面視において図8の如く、ドレン孔2eに向けて傾斜させている。更に、底面は、図9の如く、ドレン孔2eの穿設側に下方傾斜させている(傾斜角θ)。これは、該補強リブR3・R3の内側端の傾斜向きと同じである。従って、油が、補強リブR3と下部オイルパン2の側面との間に溜まってしまわず、該補強リブR3を伝い、ドレン孔2e穿設側に流れることとなる。このような構造において、底面に溜まる油は、ドレン孔2eの穿設側に流動する傾向となる。つまり、正確な水平方向にエンジン及びオイルパンを配設しても、あるいは、多少、反ドレン孔2e配設側に下方傾斜した(傾斜角度<θ)としても、オイルパン底面に溜まる油は、ドレン孔2e穿設側に流れるので、ドレン孔2eよりドレンプラグ12を抜いた時に、速やかに油をドレンできるのである。
【0031】
最後に、該下部オイルパン2の底面(外部底面)には、下向きに、負荷装置(例えばモーター)を吊設するためのブラケットを螺止する吊設用螺子座2g’・2g’・・・が設けられているが、重量の負荷装置を支持するのに対応して剛性を確保するため、図1及び図7の如く、各吊設用螺子座2g’の内側にて、内部底面より突設する螺子ボス2g・2g・・・を、各補強リブR3・R3・・・に連接しているのである。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、内燃機関のシリンダーブロック底面に取り付けるオイルパンにおいて、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。まず、請求項1乃至請求項4の如く、上下二分割状とすることで、上部オイルパン及び下部オイルパンの各々の鋳型を用意に構成することができ、ダイカスト成形して、大量生産することが可能となって、コスト低減化に貢献する。
【0033】
請求項1の如く、下部オイルパンの底面に、垂直板状の補強リブを設け、底面下方に負荷装置を支持するための取付座を、該補強リブに連接して該底面に設けたので、該取付座部分に別個に補強リブを取り付けずに、既存の補強リブを利用して、該取付座部分の剛性を向上することができ、また、従来の、取付座部分のみ限定的に突設していた補強リブに対して、該下部オイルパンの底面自体を補強する補強リブなので、剛性が高く、低コストで、負荷装置の吊設に対するオイルパンの剛性を向上させることができる。
【0034】
そして、請求項2の如く、上部オイルパンのシリンダーブロックへの取付座に間座部を設けたので、上下合わせた状態のオイルパン全体の剛性を向上させることができ、また、該間座部が橋渡し状の連結壁を有することで、間座部に充分な剛性を持たせることができて、捩じり剛性を有する構造にでき、開口部を有するので、上下オイルパン間の油の流動も確保できるのである。このように、オイルパンの剛性を向上させることができれば、シリンダーブロックからの振動伝達も低減され、低騒音化にも貢献する。また、オイルパンの大容量化を可能とし、大型内燃機関に対応するオイルパンを提供できて、内燃機関そのものの耐久性も向上できる。そして、このような間座部が上部オイルパンに形成されているので、別個に間座を用意して介設する必要がなく、コスト低減を可能とする。
【0035】
次に、請求項3の如く、下部オイルパンに、防振ゴムの取付孔を穿設することで、防振ゴムを該取付孔に取り付けるだけで、内燃機関全体の台床への防振支持ができ、取付工程が容易化する。また、ブラケットを側面部に取り付ける構成ではないので、剛性も向上することができる。そして、該取付孔の周囲には油溜部を確保しているので、該取付孔による容量の低減化を極力抑えることができ、大容量化にも対処できる。更に、上部オイルパンにおける防振ゴム配設用の切欠部を形成しているので、上方から、該切欠部を貫通するようにして、防振ゴムを該下部オイルパンの取付孔に取り付けることができ、防振ゴムの取付工程が更に容易化する。
【0036】
また、請求項4の如く、下部オイルパンの内部底面に、ドレン孔に向けて平面視傾斜する垂直板状の補強リブを突設し、該底面は、側面視にてドレン孔に向けて下方傾斜させることで、下部オイルパンの底面上に溜まる油は、ドレン孔の配設側に流動し、ドレンの際に速やかにドレンを行うことができる。また、油が、補強リブと側面との間や、反ドレン孔側面に溜まることもなく、新たに補填した油に古い油が混ざって、内燃機関の能力低下を招くという事態も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る上下分割型オイルパンの組立斜視図である。
【図2】 上部オイルパン1の上面図である。
【図3】 同じく正面断面図である。
【図4】 同じく防振ゴム配設側面の側面図である。
【図5】 同じくフライホイル取付側面の側面図である。
【図6】 同じく部分下面図である。
【図7】 下部オイルパン2の上面図である。
【図8】 同じく正面断面図である。
【図9】 同じく防振ゴム取付側面の側面図である。
【図10】 エンジンのシリンダーブロック3とフライホイルハウジング4の組立斜視図である。
【符号の説明】
1 上部オイルパン
1a シリンダーブロック取付座
1b 間座部
1c 連結壁
1g 防振ゴム逃げ部
1i 合わせ面
2 下部オイルパン
2a 合わせ面
2b 防振ゴム取付部
2c 防振ゴム取付孔
2e ドレン孔
2f ドレン孔
2g 螺子ボス部
3 シリンダーブロック
4 フライホイルハウジング
Claims (4)
- 内燃機関のシリンダーブロック底面に取り付けるオイルパンを、上部オイルパン1と下部オイルパン2との、上下二分割状のオイルパンとした構成において、該下部オイルパン2の底面に、垂直板状の補強リブR3・・・を設け、該下部オイルパン2の底面下方に負荷装置を支持するために、該下部オイルパン2の底面側に突設する螺子座の螺子ボス部2gを、該補強リブR3に連接して設けたことを特徴とする内燃機関のオイルパン。
- 請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該上部オイルパン1のシリンダーブロックへの取付座1aに、橋渡し状の連結壁1cを有する間座部1bを設けたことを特徴とする内燃機関のオイルパン。
- 請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該下部オイルパン2に、防振ゴムの取付孔2cを穿設するとともに、該取付孔2cの周囲に油溜部を設け、その上部オイルパン1に、該防振ゴム配設用の防振ゴム逃げ部1gを設けたことを特徴とする内燃機関のオイルパン。
- 請求項1記載の内燃機関のオイルパンにおいて、該補強リブR3は、ドレン孔に向けて平面視傾斜する垂直板状として突設し、該下部オイルパン2の底面は、側面視にてドレン孔2eに向けて下方傾斜させたことを特徴とする内燃機関のオイルパン。
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