JP4513641B2 - エンジンのオイルパン構造 - Google Patents

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本発明は、シリンダブロックの下面にボルト等の取付具を用いて取り付けられ、エンジンを循環するオイルを受けるためのオイルパンの構造に関する。
車両等のエンジンにはエンジン潤滑装置が設けられ、このエンジン潤滑装置によってエンジンオイルをエンジン内の各部に循環供給させることにより各部の摩耗や騒音の発生等を防止するものとなされている。このエンジンオイルは、ウェットサンプ式ではエンジンのシリンダブロック下面に取り付けられたオイルパンに貯留され、使用に伴い消費、劣化されることから一定期間経過後に交換されるのが通常である。
近年、この種のエンジンにおいては、ユーザにおける利便性を向上させるために、オイル交換のインターバルを延長することが望まれ、例えばエンジンオイルを増量することが行われている。
ここで、エンジンオイルを増量するために、単にオイルパンに充填させるオイル量を増量したり、オイルパンの底を下げることにより容量を増大させることも考えられるが、前者は、オイルの油面高さが高くなってクランクアームやカウンターウェートなどのクランク軸の構成部材がオイルと干渉してクランク軸の回転抵抗となることにより燃費が悪化し、また後者は、エンジンの最低地上高との関係上限界がある。
そこで、オイルパンを周方向に拡大させることによりオイル充填量を増大させることがある。例えば、特許文献1には、側壁に開口を設けたオイルパン本体と、この開口を閉塞する態様でオイルパン本体の側壁外面に側方突出状態に取り付けられた容器状蓋部材とを備えたオイルパンが提案されている。具体的には、この容器状蓋部材は、オイルパン本体側に開口する箱状に形成されるとともに、この開口縁部に外方に突出する蓋フランジ部を有し、このフランジ部がシール材を介してオイルパン本体の側壁に接合されることによりオイルパン本体に内部連通状態に取り付けられている。
このオイルパンによれば、容器状蓋部材によりオイルパンを周方向に拡大し、この結果、オイルパン本体と容器状蓋部材の内部にオイルを充填させることができることから、オイル充填量を増大させることができるという利点がある。しかも、オイルパンは、オイルパン本体に別個に形成された容器状蓋部材を取り付けるだけで形成することができるので、容易かつ低コストで製造することができる。
実開平4−76916号公報
ところが、オイルパン本体は、これをシリンダブロックの下面に接合させるために、上端開口縁部に外方に突出する本体接合フランジ部が設けられており、このため、容器状蓋部材の蓋フランジ部は、本体接合フランジ部と干渉しないように、この本体接合フランジ部から下方に離れたオイルパン本体の側壁に接合しなければならない。したがって、容器状蓋部材の天壁は、本体接合フランジ部の高さよりも低い位置に配置され、このため、オイルパンにおけるオイル充填量を十分に増大させることができないものであった。
また、上記特許文献1に記載のオイルパンでは、具体的な記載はないものの、上端開口縁部に外方に突出して設けられたフランジ部を、このフランジ部に設けられた取付孔にボルトを挿通させることにより、エンジン(詳しくはシリンダブロック)の下面に一体的に取り付けるものと考えられる。また、シール材を介してオイルパン本体と容器状蓋部材とを組み付けるように構成しているが、このような場合にはシール性を向上させるためにオイルパン本体の側壁に設けられた開口縁部に取付座を設けることもある。
このような場合に、容器状蓋部材による拡大容積を可及的に大きくとるために、オイルパン本体の本体フランジ部直下における側壁部分に取付座を設けようとすると、オイルパン本体をシリンダブロックに取り付ける際に、この取付座が邪魔になって作業効率が悪化し、場合によっては取付できないような事態にもなる。
したがって、シール性を向上させつつ、オイルパン本体に対する容器状蓋部材の取付性を向上させるためには、オイルパン本体の側壁における蓋フランジ部から離れた位置に取付座を配置する必要があり、特にこのような場合にオイルパンにおけるオイル充填量を十分に増大させることができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、オイルパンを周方向に拡大させつつ、容易かつ低コストで製造することができるとともに、取付座の有無にかかわらずオイル充填量を十分に増大させることができるエンジンのオイルパン構造を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンのオイルパン構造は、エンジンのシリンダブロックの下面に取り付けられたオイルパン本体と、内部がこのオイルパン本体の内部と連通することによりオイルパン本体の容積を拡大する容積拡大カバーとを備え、上記オイルパン本体は、上方に開口してオイルを貯留する貯留部と、この貯留部の開口縁部から外方に突出してシリンダブロックに締結するための締結具を挿通する取付孔が設けられた本体フランジ部と、この本体フランジ部の先端縁から貯留部の側壁下部側にかけて内側に傾斜する傾斜壁が設けられるとともに貯留部の内部と連通するカバー取付部とを有し、このカバー取付部は、その傾斜壁の外面にカバーフランジ部を介して上記容積拡大カバーが取り付けられることにより容積拡大カバーの内部と連通するとともに、この容積拡大カバーに対する連通口は、この容積拡大カバーに覆われる傾斜壁の所定部分に、下方視において上記取付孔が視認可能な状態で設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、別部材からなる容積拡大カバーは、カバー取付部を介してオイルパン本体の側面側に取り付けられているので、オイルパン本体に容易かつ低コストで取り付けることができるとともに、オイルパンを周方向に拡大することができる。しかも、容積拡大カバーは、本体フランジ部の先端縁から貯留部の側壁下部側にかけて設けられた傾斜壁にカバーフランジ部を介して取り付けられるので、このカバーフランジ部が本体フランジ部に干渉することもなく、カバーフランジ部を可及的に高い位置でオイルパン本体の傾斜壁に取り付けることができ、これにより容積拡大カバーの天壁高さを高く設定することが可能となる。すなわち、この発明によれば、オイル充填量を可及的に増大することができる。
ここで、本体フランジ部の先端縁から貯留部の側壁下部側にかけて傾斜壁を設けることとすると、オイルパン本体の本体フランジ部をシリンダブロックに取り付ける際に、上記傾斜壁が邪魔になって取付作業性の悪化が懸念されるところである。しかしながら、この発明においては、この容積拡大カバーに対する連通口は、この容積拡大カバーに覆われる傾斜壁の所定部分に、下方視において上記取付孔が視認可能な状態で設けられているので、この連通口を通じて本体フランジ部の取付孔に締結具を挿通させることができ、オイルパン本体のシリンダブロックに対する作業性を良好なまま維持することができる。
傾斜壁部分におけるカバー取付部と容積拡大カバーとの接合部分には、カバーフランジ部が取り付けられる取付座がなくてもよいが、この取付座を設けることとすれば(請求項2)、オイルパン本体に対する容積拡大カバーのシール性を向上させることができる。この場合でも、傾斜壁に容積拡大カバーが取り付けられるので、オイルパン本体の取付にあたってこの取付座が邪魔になることもない。
上記貯留部は、その側壁に大きな連通開口、例えばカバー取付部の連通口と略同等の開口面積を有する連通開口を設けることにより、オイルパン本体の内部とカバー取付部の連通口とを連通させるものであってもよいが、その側壁に上記連通口の開口面積よりも小さい開口面積を有する連通小孔が設けられ、この連通小孔を通じてオイルパン本体の内部とカバー取付部の連通口を連通させることが好ましい(請求項3)。
すなわち、貯留部の側壁に比較的大きな連通開口を設けることとすれば、オイルパン本体、ひいてはオイルパンの剛性の低下が懸念されるが、上記のように構成すれば、オイルパン本体の剛性を高い状態で維持することができ、これによりオイルパンの強度を確保することができる。
この場合、上記連通小孔の具体的配置は特に限定されるものではないが、上記連通小孔は、上記側壁の少なくとも上下一箇所ずつ設けられているのが好ましい(請求項4)。
このように構成すれば、下側の連通小孔を通じてオイルパン本体と容積拡大カバーとの間でオイルの往来を実行させつつ、上側の連通小孔を通じて両部材間で空気の往来、すなわちこの上側の連通小孔が空気抜き孔として機能し、オイルパンの強度を確保しつつ、オイルパン本体と容積拡大カバーとの間でオイルを円滑に移動させることができる。
ここで、上記容積拡大カバーの底壁は、その具体的形状が特に限定されるものではないが、例えば上記容積拡大カバーの底壁は、停止しているエンジンの支持状態で、上記容積拡大カバー内部のオイルが上記オイルパン本体側に流れるように形成されているのが好ましい(請求項5)。なお、「上記容積拡大カバー内部のオイルが上記オイルパン本体側に流れるように形成されている」とは、車両が水平面に載置されている場合にオイルがオイルパン本体側に流れるように形成されていることを意味する。
すなわち、上記容積拡大カバー内部のオイルが上記オイルパン本体側に流れるように、例えば容積拡大カバーの底壁が車体に対して水平に形成されていたり、オイルパン側に向けて下さがりに傾斜状、或いは階段状に形成されていたりするものであってもよい。このように構成すれば、容積拡大カバーを設けても、オイルドレン時のオイル回収性を低下させることなく維持することができる。
上記エンジンの車体に対する搭載方向や、オイルパン本体に対する容積拡大カバーの取付位置などは特に限定されるものではないが、例えば、上記エンジンは、そのクランク軸方向を車幅方向と一致させた状態で車両に搭載され、上記容積拡大カバーは、前方に突出した状態で配置されるように構成してもよい(請求項6)。
このように構成すれば、容積拡大カバーがオイルパン本体から前方に突出した状態で配置され、これによりその内部に収納されたオイルを効率的に冷却することができる。
この発明に係るエンジンのオイルパン構造は、オイルパン本体に容易かつ低コストで取り付けることができるとともに、オイルパンを周方向に拡大することができ、しかも、容積拡大カバーの天壁高さを高く設定することが可能となるため、このオイルパンに充填されるオイルの量を可及的に増大することができるという利点がある。しかも、上記のように構成した場合であっても、カバー取付部の傾斜壁に形成された連通口を通じて本体フランジ部の取付口に締結具を容易に挿通させることができて、この締結具によって容易にフランジ本体をシリンダブロックに取り付けることができる。したがって、オイルパン本体のシリンダブロックに対する取り付け作業性を良好なまま維持することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るオイルパン構造が適用されたエンジンの概略を示す斜視図である。
このエンジン2は、直列4気筒エンジンであり、クランク軸(図示せず)の軸線Cの方向を車幅方向と一致させた状態で、かつ前傾姿勢(スラント姿勢)で車両のエンジンルームに搭載されている。このエンジン2は、図1に示すように、クランク軸方向Cに沿って4個の気筒が形成されたシリンダブロック3と、その上端部に取り付けられたシリンダヘッド4と、その上部を覆うように設置されたシリンダヘッドカバー(図示せず)と、シリンダブロック3の下面にその下端部を覆うように取り付けられたオイルパン5とを備え、シリンダブロック3の右側下方にエアコンコンプレッサ10が配設されるとともにシリンダブロック3の左方に変速機(図示せず)が配設されるように構成されている。なお、図1において11で示す部材は、エンジン2の正面カバーである。また、このエンジン2は、図示しないいわゆるウェットサンプ式のエンジン潤滑装置で、オイルパン5内に貯留されているエンジンオイルをエンジン2の各部に供給循環させるように構成されている。
図2は当実施形態に係るオイルパンを示す斜視図であり、図3は図2の分解斜視図であり、また図4は図2のIV−IV線断面斜視図である。なお、説明の便宜上、以下に示す前後左右の各方向は、車両の前後左右の各方向で示すものとする。
このオイルパン5は、エンジン2のシリンダブロック3の下面に取り付けられるオイルパン本体6と、このオイルパン本体6の前面側に配設された容積拡大カバー8とを備え、各々金型鋳造或いはプレス加工することにより形成されている。このオイルパン5は、上記のように、容積拡大カバー8がオイルパン本体6に取り付けられ、容積拡大カバー8の内部をオイルパン本体6の内部に連通させることにより、その容積が従来のオイルパンに比べて前方、すなわち周方向に拡大されている。
オイルパン本体6は、上方に開口する容器状に形成された貯留部61と、この貯留部61の上端開口縁部に外方に突出する本体フランジ部62と、貯留部61の前面側に配設され容積拡大カバー8が取り付けられるカバー取付部63とを有し、当実施形態ではこれらの各部61〜63が金型鋳造により一体形成されている。また、このオイルパン本体6は、所定部分にビードやコラムが設けられ、これにより剛性を向上させるように構成されている。なお、このオイルパン本体6には、図示しないが、オイルの揺れを防止するため、オイルバッフルプレートが配設される。
貯留部61は、略矩形状の底壁部61aと、この底壁部61aの周縁から上方に立ち上がる前後左右側壁部61b〜61eとを備え、内部にオイル(エンジンオイル)が貯留されるように構成される。この貯留部61の底壁部61aは、図5では前下がりに傾斜して形成されている。これはエンジン2が車体に対してスラント搭載されるためであり、エンジン2が車体に搭載された状態では底壁部61aの上面が車体に対する水平線Sに略沿うように設計されている。
また、貯留部61の前側壁部61bは、図2および図3に示すように、その幅方向略中央部が後方に凹陥して前側凹陥部612が形成されている。この前側壁部61bにおける前側凹陥部612に対応する部分およびその周囲には、図6に示すように、小径の連通小孔611が複数個開口している。言い換えると、連通小孔611は、前側壁部61bにおけるカバー取付部63に対応する位置に設けられ、これにより貯留部61の内部とカバー取付部63の後述する内部空間63aとが連通されるように位置設定されている。
具体的には、連通小孔611は、図6に示すように、略円形に形成され、その開口面積がカバー取付部63の後述する連通口64aよりも小さく形成されている。当実施形態では、連通小孔611は、高さ方向の上下各部にそれぞれ左右2個ずつ配設されるとともに高さ方向中間部に左右一方側に偏位して1個配設されている。これらの連通小孔611のうち、図6において左側上部に配設された連通小孔611は前側凹陥部612内に開口し、その他の連通小孔611はカバー取付部63の後述する連通口64aに近接した位置に開口している。また、これらの連通小孔611のうち、前側壁部61bの下部に配設された連通小孔611は、専らオイルの往来用孔として機能し、一方、前側壁部61bの上部に配設された連通小孔611は、専らオイルの往来に伴う空気抜き孔として機能する。なお、前側壁部61bの中間部に配設された連通小孔611は、オイルの充填レベルに応じてオイル往来用、空気抜き用のいずれの孔としても機能する。
本体フランジ部62は、図5に明示するように、各側壁部61b〜61eの上端縁から水平外側に向かって延出することにより形成される。この本体フランジ部62の各所には、図2および図3に示すように、この本体フランジ部62を厚み方向に貫通するボルト取付孔621aを有するボルトボス部621(取付ボス部の一例に相当する)が設けられている。このボルトボス部621は、そのボルト取付孔621aに、オイルパン5をシリンダブロック3に取り付けるための締結具としてのボルト12(図5参照)が挿通されるものであり、略円筒状に形成されている。
このボルトボス部621の配置態様について具体的に説明する。ボルトボス部621は、図2および図3に示すように、オイルパン本体6の四隅部にそれぞれ配置されるとともに、オイルパン本体6の前側壁部61bおよび後側壁部61cの上端部に沿って適宜間隔置きに配置されている。特に、前側凹陥部612に対応するオイルパン本体6の前側壁部61bの上端部に、ボルトボス部621が3個配置されている。なお、ボルトボス部621の長さは、前側凹陥部612に配設されたボルトボス部621の長さがそれ以外の部分に配設されたボルトボス部621の長さよりも長くなるように形成されている。
また、この本体フランジ部62のうち、貯留部61の前側凹陥部612に対応して設けられた部分には、この本体フランジ部62の上面から若干下がった位置においてこの前側凹陥部612の凹陥量に応じて前方に延出する本体副フランジ部62bが設けられている。この本体副フランジ部62bの先端縁には、カバー取付部63の後述する傾斜壁部64が一体に形成されている。
そして、車体の幅方向について、この本体副フランジ部62bが設けられている部分、言い換えると前側凹陥部612を跨ぐようにカバー取付部63が配設されている。このカバー取付部63は、貯留部61の前側凹陥部612の前面、本体副フランジ部62bの下面とともに内部空間63aを形成するものであり、この内部空間63aを通じて容積拡大カバー8の内部と、貯留部61の内部とを連通させることにより、貯留部61と容積拡大カバー8との間でオイルを移動させるように構成されている。
具体的には、このカバー取付部63は、図5に示すように、この本体副フランジ部62bを含めた、前側に位置する本体フランジ部62の前端縁からオイルパン本体6の前側壁部61bの下端部側にかけて内側に傾斜する傾斜壁部64と、傾斜壁部64の幅方向両側に設けられた取付側壁部65とを有し、この傾斜壁部64および取付側壁部65の内面も内部空間63aの内面を構成している。なお、当実施形態では、このカバー取付部63の上部が、車両の前後方向について貯留部61の前側凹陥部612から突出した状態となっているので、この突出部分について上記取付側壁部65が配設されているが、前側凹陥部612内に収納される場合には、取付側壁部65を省略することができる。
この傾斜壁部64は、言い換えると、下方に下がるにつれ後方に傾斜するように設定されている。この傾斜壁部64は、その上端部が本体フランジ部62と一体に形成されるとともに、その下端部が貯留部61の前側壁部61bと一体に形成されている。また、この傾斜壁部64は、図5に示すように、本体副フランジ部62bに対応する部分においては、その上端部が上方に突出するように形成され、図6に示すように、その高さが貯留部61の高さと略同等に形成されている。さらに、この傾斜壁部64には、その中央部が大きく開口して、内部空間63aと容積拡大カバー8の内部とを連通させる連通口64aが設けられている。
この連通口64aは、当実施形態では異形矩形状に形成され、その大きさおよび形成位置が、図5に示すように、下方視においてボルトボス部621のボルト取付孔621aが視認可能な状態で、かつ、図6に示すように、側面視においてボルトボス部621の少なくとも下端部が視認可能な状態となるように設計されている。したがって、このボルト取付孔621aに取付用ボルト12を挿通させるときに、ボルトボス部621の下端部を視認しながら、連通口64aを通じて下方からボルトボス部621のボルト取付孔621aにボルト12を容易に差し込むことができ、その取付作業が容易になる。
さらに、この連通口64aの周りには、その全周に亘って、容積拡大カバー8の後述するカバーフランジ部81が当接接合される枠状の取付座641が設けられている。取付座641は、図5および図6に示すように、傾斜壁部64の法線方向に台状に膨出してその表面が平滑化されることにより構成されている。この取付座641には、図6に示すように、容積拡大カバー8のカバーフランジ部81を取り付けるためのボルトが螺着されるボルト孔641aが適宜間隔置きに設けられている。
容積拡大カバー8は、図2ないし図5に示すように、一方向、すなわちオイルパン本体6側に開口する容器状に形成され、より詳しくは車幅方向左側部分が右側部分に比べて浅く設計された容器状に形成されている。この容積拡大カバー8は、オイルパン本体6の前側、詳しくはカバー取付部63に、図示しないシール材を介してボルトにより取り付けられている。
すなわち、この容積拡大カバー8の開口縁部には外方に突出するとともに上記取付座641に重合されるカバーフランジ部81が設けられている。このカバーフランジ部81は、図3に示すように、取付座641のボルト孔641aに対応して当該ボルトが挿入されるボルト孔81aが設けられるとともに、図5に示すように、カバーフランジ部81の外周縁部が前方に折り起こされて縁リブ81bが形成され、これによりカバーフランジ部81の剛性を向上させるものとなされている。
このカバーフランジ部81をカバー取付部63の傾斜壁部64における取付座641に重ね合わせた状態においては、この容積拡大カバー8の開口部84がカバー取付部63の連通口64aに対向してこの容積拡大カバー8の内部空間8aがカバー取付部63の内部空間63aと連通するように構成されている。当実施形態では、エンジン2を車両に搭載した状態で、容積拡大カバー8の底壁82が水平線Sに対してオイルパン本体6側に向かって下がるように傾斜して形成されている。したがって、オイルパン本体6からオイルを排出する時には、この容積拡大カバー8の内部空間8a内のオイルは、この底壁82に沿ってまずカバー取付部63の内部空間63a内に流れ、その後、連通小孔611を通じてオイルパン本体6の内部空間6aに流れて排出されるようになっている。一方、容積拡大カバー8の天壁83は、図5に示すように基端部が本体副フランジ部62bと略同等の高さに設定されるとともに前下がりに傾斜して形成されている。
以上の構成のオイルパン本体6をシリンダブロック3に取り付けるには、図5に示すように、本体取付用のボルト12を本体フランジ部62に形成されたボルトボス部621のボルト取付孔621aに挿通させてシリンダブロック3の下面に穿設されたボルト孔に螺合することにより行う。特に、前側凹陥部612に対応するボルトボス部621は、カバー取付部63の傾斜壁部64の内側に配設されているため、その取付作業性が問題となる。しかしながら、当実施形態のボルトボス部621は、側面視においてボス部621の下端部を視認しながら連通口64aを通じて下方からボルト12を容易に挿入させることができ、これによりオイルパン本体6をシリンダブロック3に対して容易に取り付けることができる。
そして、シリンダブロック3に取り付けられたオイルパン本体6に対して容積拡大カバー8を次のようにして取り付ける。すなわち、まず、図3に示すように、容積拡大カバー8の開口部84を連通口64aに対向配置し、そして図示しないカバー取付用ボルトをボルト孔81a,641aに挿通させることによりカバーフランジ部81および取付座641をシール材を介してとも締めし、これにより容積拡大カバー8をオイルパン本体6に対して容易に取り付けることができる。
このように、オイルパン5は、その容積を拡大するために、従来のオイルパンに対して周方向に拡大されたオイルパンを一体形成するのではなく、別部材からなる容積拡大カバー8をオイルパン本体6に取り付けることにより構成されているので、容易かつ低コストで製造することができる。しかも、オイルパン5は、容積拡大カバー8により前方に膨出する態様で、その容積を拡大させているので、オイル量を単に増やす場合やオイルパンの底を下げるような場合に比べて不都合が少ない。
また、容積拡大カバー8は、本体フランジ部62の先端縁(外周縁)からオイルパン本体6の側壁部61bの下部側にかけて設けられた傾斜壁部64にカバーフランジ部81を介して取り付けられるので、このカバーフランジ部81が本体フランジ部62に干渉することもなく、カバーフランジ部81の天壁83を可及的に高い位置でオイルパン本体6の傾斜壁部64に取り付けることができ、容積拡大カバー8によって可及的に容積を拡大することができる。
つまり、当実施形態のオイルパン構造によれば、オイルパン5に充填させるオイル充填量を可及的に増大させることができ、これによりユーザにおけるオイル交換のインターバルを効果的に延長させることができる。しかも、容積拡大カバー8はオイルパン本体6の前側に配設されているので、内部のオイルを効率的に冷却することができる。
なお、以上に説明したエンジンのオイルパン構造は、本発明に係る構造の一実施形態であり、その具体的構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
(1)上記実施形態では、カバー取付部63の周囲に取付座641が設けられているが、この取付座641は適宜省略することができる。この場合には、Oリングなどのシール材によって容積拡大カバー8とオイルパン本体6との間がシールされる。ただし、上記実施形態のように、取付座641を設けることにより、容積拡大カバー8のオイルパン本体6に対する容積拡大カバー8のシール性を向上させることができる点で有利である。
(2)上記実施形態では、オイルパン本体6に設けられる連通小孔611はその開口面積が小さく形成されているが、この開口面積は特に限定されるものではなく、例えば傾斜壁部64に設けられた連通口64aと略同等の大きさに設定するものであってもよい。ただし、上記実施形態のように比較的小さい開口面積の連通小孔611を設けることにより、前側壁部61bによる剛性を維持することができ、オイルパン5の全体の剛性を良好なまま維持することができる点で有利である。
(3)上記実施形態では、オイルパン5のオイルを排出する時に、容積拡大カバー8内に収納されているオイルがオイルパン本体6側に流れるように、容積拡大カバー8の底壁82がオイルパン本体6側に向かって下がるように傾斜状態に形成されているが、この容積拡大カバー8の底壁82は、その内部のオイルがオイルパン本体6側に移動し得るものであれば、その具体的形状が特に限定されるものではない。例えば、容積拡大カバー8の底壁82がオイルパン本体6側に向かって段階的に下がるように形成されたもの(階段形式)や、水平線Sに略水平に形成されるものであってもよい。
(4)上記実施形態では、傾斜壁部64に設けられた連通口64aは、容積拡大カバー8によって被覆される領域に対応して大きく形成されているが、この連通口64aの開口位置や開口面積も特に限定されるものではない。要は、この連通口64aを通じてボルトボス部621のボルト取付孔621aがボルトの取付方向に露出、すなわちボルト取付孔621aが下面視において視認可能であればよい。このようにすれば、上記したように、傾斜壁部64を有するにも拘わらず、オイルパン本体6のシリンダブロック3の取付作業性を良好なまま維持することができる。
(5)上記実施形態では、カバー取付部63がオイルパン本体6の前側壁部61bによって形成された前側凹陥部612に形成されているが、例えばこの前側凹陥部612が省略された場合にも適用可能であることは言うまでもない。この場合には、カバー取付部63は、オイルパン本体6の前側壁部61bから前方に突出した状態で配設されることになる。
本発明に係るオイルパン構造が適用されたエンジンの概略を示す斜視図である。 当実施形態に係るオイルパンを示す斜視図である。 図2の分解斜視図である。 図2のIV-IV線断面斜視図である。 図2のIV-IV線断面図である。 当実施形態に係るオイルパン本体の正面図である。
符号の説明
S 水平線
2 エンジン
3 シリンダブロック
5 オイルパン
6 オイルパン本体
8 容積拡大カバー
12 取付用ボルト(締結具)
61 貯留部
62 本体フランジ部
63 カバー取付部
63a 内部空間
64 傾斜壁部
64a 連通口
81 カバーフランジ部
82 底壁
611 連通小孔
612 前側凹陥部
621 ボルトボス部
621a ボルト取付孔
641 取付座

Claims (6)

  1. エンジンのシリンダブロックの下面に取り付けられたオイルパン本体と、内部がこのオイルパン本体の内部と連通することによりオイルパン本体の容積を拡大する容積拡大カバーとを備え、
    上記オイルパン本体は、上方に開口してオイルを貯留する貯留部と、この貯留部の開口縁部から外方に突出してシリンダブロックに締結するための締結具を挿通する取付孔が設けられた本体フランジ部と、この本体フランジ部の先端縁から貯留部の側壁下部側にかけて内側に傾斜する傾斜壁が設けられるとともに上記貯留部の内部と連通するカバー取付部とを有し、このカバー取付部は、その傾斜壁の外面にカバーフランジ部を介して上記容積拡大カバーが取り付けられることにより容積拡大カバーの内部と連通するとともに、この容積拡大カバーに対する連通口は、この容積拡大カバーに覆われる傾斜壁の所定部分に、下方視において上記取付孔が視認可能な状態で設けられていることを特徴とするエンジンのオイルパン構造。
  2. 上記傾斜壁は、その外面であってカバーフランジ部が取り付けられる部分に取付座が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエンジンのオイルパン構造。
  3. 上記貯留部は、その側壁に上記連通口の開口面積よりも小さい開口面積を有し、その内部と連通口とを連通させる連通小孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のエンジンのオイルパン構造。
  4. 上記連通小孔は、上記側壁の少なくとも上下一箇所ずつ設けられていることを特徴とする請求項3記載のエンジンのオイルパン構造。
  5. 上記容積拡大カバーの底壁は、停止しているエンジンの支持状態で、上記容積拡大カバー内部のオイルが上記オイルパン本体側に流れるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエンジンのオイルパン構造。
  6. 上記エンジンは、そのクランク軸方向を車幅方向と一致させた状態で車両に搭載され、上記容積拡大カバーは、前方に突出した状態で配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のエンジンのオイルパン構造。
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