JP3597984B2 - スラント型内燃機関におけるオイルパンの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に、シリンダの軸線をクランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜して成るスラント型内燃機関を搭載する場合において、この内燃機関におけるシリンダブロックの下部に取付けられるオイルパンの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャブオーバー型の自動車には、シリンダの軸線をクランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜して成るスラント型内燃機関を搭載することは良く知られている。
そして、従来、このようなスラント型内燃機関におけるオイルパンは、実開平5−50012号公報等に記載されているように、内燃機関におけるシリンダブロック下部のクランクケースの下面に、前記クランクケース内への開口部と下面への開口部とを有するように囲枠型に形成した第1オイルパンを取付け、この第1オイルパンの下面に、その下面への開口部を塞ぐ第2オイルパンを取付けると言う構成にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成した場合、前記第1オイルパンにおける天井板は、広表面積になって、その剛性が低いから、この天井板における膜振動が大きくなり、騒音が増大すると言う問題があった。
また、前記した従来の構造では、第1オイルパン及び第2オイルパンの内部に、仕切り板を、クランク軸と直角方向に延びるように設けることによって、第2オイルパン内における潤滑油のクランク軸方向の動揺を抑制するように構成しているが、第2オイルパン内における潤滑油のクランク軸と直角方向に動揺を抑制することができないから、第2オイルパン内における潤滑油が、シリンダ内に向かって吹き上がる現象が多発すると言う問題もあった。
【0004】
本発明は、これらの問題を一挙に解消できるようにしたオイルパンの構造を提供することを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明は、
「シリンダブロックにおけるシリンダの軸線をクランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜する一方、前記シリンダブロック下部のクランクケースの下面に、前記クランクケース内への開口部と下面への開口部とを有するように囲枠型に形成した第1オイルパンを取付け、この第1オイルパンの下面に、その下面への開口部を塞ぐ第2オイルパンを取付けて成るスラント型内燃機関において、
前記第1オイルパンの内部に、当該内部を前記クランクケース内への開口部と前記第2オイルパン内への開口部とに区画するバッフルプレートを、第1オイルパンの天井板と下面側部材とを互いに連結するように一体的に設け、前記第1オイルパンの天井板の上面に、オイルフィルタの取付け座部を設ける一方、前記第1オイルパンの内部に、前記バッフルプレートに沿って延びて前記取付け座部と前記下面側部材とを連結するボス部材を、前記バッフルプレートに一体的にして設けて、このボス部材内に、前記オイルフィルタに対するオイル通路を、当該ボス部材の長手方向に延びるように設けて、このオイル通路を、前記下面側部材において前記第1オイルパンのシリンダブロックに対する取付けにより、前記シリンダブロック側のオイル通路に連通するように構成した。」
ことを特徴としている。
【0006】
【発明の作用・効果】
このように、第1オイルパンの内部に、当該内部を前記クランクケース内への開口部と前記第2オイルパン内への開口部とに区画するバッフルプレートを、第1オイルパンの天井板と下面側部材とを互いに連結するように一体的に設けることにより、前記バッフルプレートによって、広い面積の天井板を補強できて、この天井板における膜振動を確実に低減できると共に、第2オイルパン内における潤滑油がシリンダブロックにおけるクランクケース内に向かう方向に動揺することを確実に抑制できるのである。
【0007】
従って、本発明によると、オイルパンから発生する騒音の低減と、オイルパンからシリンダへの潤滑油の吹き上がりの低減とを確実に達成できる効果を有する。
しかも、第1オイルパンの天井板の上面における空間を、オイルフィルタを設けることに有効に利用できる一方、このオイルフィルタに対する取付け座部と下面側部材とを互いに連結するボス部材によっても、前記天井板を更に補強することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図4の図面について説明する。
この図において符号1は、シリンダの軸線2をクランク軸3の方向から見て水平面4に対して斜め上向きに適宜角度θに傾斜したスラント型内燃機関を示す。
このスラント型内燃機関1におけるシリンダブロック5の下部のクランクケース5aの下面には、上面に当該クランクケース5a内への開口部6eと下面への開口部6aとを有するようにアルミ合金の鋳造又はダイキャストにて囲枠型に形成した第1オイルパン6が、その周囲に一体的に設けたフランジ部6bを前記シリンダブロック5のクランクケース5aにおける取付けフランジ部5a′に対して複数本のボルト7にて締結することによって取付けられている。
【0009】
また、この第1オイルパン6の下面には、その開口部6aを塞ぐように金属板にて上面開放の箱型に形成した第2オイルパン8が、その周囲に一体的に設けたフランジ部8aを前記第1オイルパン6に対して複数本のボルト9にて締結することによって取付けられている。
更にまた、前記第2オイルパン8の内部に、当該第2オイルパン8内の潤滑油を潤滑油ポンプ(図示せず)に導くためのオイルストレーナ24付きオイル吸い込みパイプ25が挿入されている。
【0010】
そして、前記鋳造又はダイキャスト製の第1オイルパン6における天井板6cの上面には、支持ブラケット10を、上向きに突出するように一体的に設けて、この支持ブラケット10の先端部を、車両における車体フレーム(図示せず)側のマウント部材11に対して、防振ゴム12を介して弾性的に支持する。
一方、前記第1オイルパン6の内部に、前記クランクケース5a内への開口部6eと、第2オイルパン8内への開口部6aとを区画するバッフルプレート13を、第1オイルパン6の天井板6cと下面側部材6dとを互いに連結するように一体的に設けて、このバッフルプレート13に、前記クランクケース5a内の潤滑油を第2オイルパン8内に導入するための複数個のオイル落とし孔14を穿設する。
【0011】
このように、第1オイルパン6の内部に、前記クランクケース5a内への開口部6eと、第2オイルパン8内への開口部6aとを区画するバッフルプレート13を、第1オイルパン6の天井板6cと下面側部材6dとを互いに連結するように一体的に設けることにより、前記バッフルプレート13によって、広い面積の天井板6cを補強できて、この天井板6cにおける膜振動を確実に低減できると共に、第2オイルパン8内における潤滑油がシリンダブロック5におけるクランクケース5a内に向かう方向に動揺することを確実に抑制できるのである。
【0012】
なお、前記第1オイルパン6内におけるバッフルプレート13は、第1オイルパン6をアルミ合金の鋳造又はダイキャストにて製作するとき同時に形成される。
すなわち、図5に示すように、第1オイルパン6を、外型Aと二つの中子型B,Cとを用いて鋳造又はダイキャストするとき、前記二つの中子型B,Cの突き合わせ部分に、前記バッフルプレート13を形成するように構成することにより、前記両中子型B,Cの突き合わせ部分にばりを発生することなく、第1オイルパン6を、その内部にバッフルプレート13を一体的に設けた形態にして製造することができると共に、前記バッフルプレート13におけるオイル落とし孔14を、鋳抜きによって形成することができる。
【0013】
また、前記第1オイルパン6における天井板6cの上面に、オイルフィルタ15の取付け座部16を一体的に設けて、この取付け座部16に、前記オイルフィルタ15を、当該オイルフィルタ15を取付け座部16に螺着したパイプ17に螺合することによって着脱自在に装着する一方、前記第1オイルパン6の内部に、前記バッフルプレート13に沿って延びて前記取付け座部16と下面側部材6dとを互いに連結するボス部材18を、前記バッフルプレート13と一体的にして設け、このボス部材18の内部に、前記オイルフィルタ15へのオイル入口通路19と、前記オイルフィルタ15からのオイル出口通路20とを、ボス部材18の長手方向に延びるように穿設し、このオイル入口通路19及びオイル出口通路20が前記下面側部材6dのシリンダブロック5に対する接合面に開口することにより、この第1オイルパン6のシリンダブロック5に対する取付けと同時に、前記オイル入口通路19及びオイル出口通路20が、前記シリンダブロック5側におけるオイル入口通路21及びオイル出口通路22の各々に連通するように構成する。
【0014】
この構成により、第1オイルパン6の天井板6cの上面における空間を、オイルフィルタ15を設けることに有効に利用できる一方、このオイルフィルタ15に対する取付け座部16と下面側部材6dとを互いに連結するボス部材18によっても、内燃機関1の下部をマウントするための支持ブラケット10が一体的に設けられている天井板6cを更に補強することができる。
【0015】
更にまた、前記第1オイルパン6における天井板6cの上面には、その上部に配設したオルタネータ又はコンプレッサー等のエンジン補機23を取付けるためのボス部24′が一体的に設けられている。つまり、前記第1オイルパン6における天井板6cの上面側は、内燃機関1のマウント用の支持ブラケット10を設けること、及び、オイルフィルタ15を設けること、並びに、エンジン補機23を設けることに利用するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断正面図で図2のI−I視断面図である。
【図2】図1のII−II視底面図である。
【図3】図2のIII −III 視断面図である。
【図4】図1のIV−IV視断面図である。
【図5】第1オイルパンを鋳造している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 シリンダの軸線
3 クランク軸
4 水平面
5 シリンダブロック
5a クランクケース
6 第1オイルパン
6e クランクケース内の開口部
6a 下面への開口部
6b フランジ部
6c 天井板
6d 下面側部材
8 第2オイルパン
10 支持ブラケット
11 マウント部材
13 バッフルプレート
14 オイル落とし孔
Claims (1)
- シリンダブロックにおけるシリンダの軸線をクランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜する一方、前記シリンダブロック下部のクランクケースの下面に、前記クランクケース内への開口部と下面への開口部とを有するように囲枠型に形成した第1オイルパンを取付け、この第1オイルパンの下面に、その下面への開口部を塞ぐ第2オイルパンを取付けて成るスラント型内燃機関において、
前記第1オイルパンの内部に、当該内部を前記クランクケース内への開口部と前記第2オイルパン内への開口部とに区画するバッフルプレートを、第1オイルパンの天井板と下面側部材とを互いに連結するように一体的に設け、前記第1オイルパンの天井板の上面に、オイルフィルタの取付け座部を設ける一方、前記第1オイルパンの内部に、前記バッフルプレートに沿って延びて前記取付け座部と前記下面側部材とを連結するボス部材を、前記バッフルプレートに一体的にして設けて、このボス部材内に、前記オイルフィルタに対するオイル通路を、当該ボス部材の長手方向に延びるように設けて、このオイル通路を、前記下面側部材において前記第1オイルパンのシリンダブロックに対する取付けにより、前記シリンダブロック側のオイル通路に連通するように構成したことを特徴とするスラント型内燃機関におけるオイルパンの構造。
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