JP7296295B2 - 自動車用スラント型エンジン - Google Patents

自動車用スラント型エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP7296295B2
JP7296295B2 JP2019179857A JP2019179857A JP7296295B2 JP 7296295 B2 JP7296295 B2 JP 7296295B2 JP 2019179857 A JP2019179857 A JP 2019179857A JP 2019179857 A JP2019179857 A JP 2019179857A JP 7296295 B2 JP7296295 B2 JP 7296295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
cylinder block
oil pan
baffle plate
auxiliary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019179857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021055625A (ja
Inventor
潤巨 清家
亮太 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2019179857A priority Critical patent/JP7296295B2/ja
Publication of JP2021055625A publication Critical patent/JP2021055625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7296295B2 publication Critical patent/JP7296295B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本願発明は、シリンダボアを大きく寝かせた自動車用スラント型エンジンに関するものであり、シリンダブロックとオイルパンとに連結された補助クランクケースの構造に特徴を有している。
エンジンはオイルを溜めるオイルパンを備えており、オイルパンに溜まったオイルはストレーナで吸い上げられて各部位に送られる。ストレーナは様々な形態があるが、オイルパンの底面に向けて略下向きに延びる吸い口を備えていることが多い。
他方、自動車用エンジンでは、走行によってオイルパン内でオイルが大きく揺れ動くが、オイルが揺れ動いてもストレーナによる吸い込みを確実化する必要がある。そこで、オイルパンに、オイルの跳ね上がりや揺れを抑制するためのバッフルプレートを配置することが行われている。
その例として特許文献1には、オイルパンをアッパ部とロア部とに分離構成し、アッパ部の下端にバッフルプレートを一体に形成することが開示されている。特許文献1において、バッフルプレートは、クランク軸線方向から見て左右中間部が高くなるように湾曲しており、左右中間部にストレーナを配置して、左右両端部にオイル落とし穴を空けている。
特開2006-2710号公報
さて、自動車用のエンジンにおいて、車体への搭載態様は自動車の構造によって相違しており、セダンタイプでは乗員室の前方に配置されたエンジンルームに配置されており、フロントガラスとフロントグリルとが連続しているワンボックス車では、床下の空間にエンジンを配置している。
そして、ワンボックス車用エンジンのように、車体の床下空間に配置されるエンジンは、シリンダボアを水平に近い状態に大きく寝かせたスラント型になるため、シリンダブロックとオイルパンとを繋ぐ補助クランクケースが必要になり、補助クランクケースに特許文献1の場合と同様にバッフルプレートを設けると、補助クランクケースの剛性を向上できると共にオイルの揺れ動きを抑制できる利点がある。
しかし、スラント型のエンジンでは、オイルはオイルパンの長手両側縁のうち片方の部位に流下するため、特許文献1のようなバッフルプレートの構造では、オイルパンへのオイルの流入性が必ずしもよいとは解されない。
また、冷間時の暖機運転では、エンジンの各部位を巡って昇温したオイルをオイルポンプに戻すことによってオイルの早期昇温を図るのが得策であるが、特許文献1では、オイルパンに拡散したオイルがストレーナに吸い込まれるため、オイルを早期昇温させることができるとは言い難く、従って、暖機運転時間の短縮化も期待し難いと云える。
本願発明は、このような現状を契機に成されたものであり、スラント型エンジンに関し、暖機時間の短縮効果等に優れた構造を提供しようとするものである。
本願発明は、
「シリンダボアを鉛直線よりも水平側に傾斜させたシリンダブロックと、上面を水平状に形成したオイルパンと、前記シリンダブロックとオイルパンとに連結された補助クランクケースとを備えており、
前記補助クランクケースに、前記オイルパンを上から覆うバッフルプレートを形成している一方、
クランク軸線方向を前後方向、平面視でクランク軸線と直交した方向を左右方向として、前記オイルパンを平面視で左右方向に二分する前後長手の線を前記オイルパンの中心線として、前記オイルパンのうち前記中心線よりも前記シリンダブロックに寄った部位に、オイルストレーナの吸い口を下方に開口するように配置している」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、
「前記補助クランクケースのバッフルプレートに、クランク軸線方向から見て上向きに膨れた上向き突部を、前記オイルパンにおける前記中心線よりも前記シリンダブロックに寄った部位に頂点が来るようにして形成しており、前記上向き突部のうち前記頂点よりもシリンダブロックに寄った部位に、前記シリンダブロックに形成されたオイル戻し通路から流下したオイルが流入するオイル落とし穴を設けている、

という構成が付加されている。
本願発明では、バッフルプレートの上向き突部は、その頂点(稜線)がオイルパンにおける前後長手の中心線よりもシリンダブロックに寄っていて、上向き突部のうち頂点よりもシリンダブロックに寄った部位にオイル落とし穴が空いているため、シリンダブロックのオイル落とし通路から流下したオイルを、拡散させることなくオイル落とし穴にダイレクトに流し込むことができる。従って、機関が高速回転してオイルが大量かつ高速で流れても、これをオイルパンに的確に戻して円滑な運転を実現できる。
そして、ストレーナの吸い口はオイルパンのうち前後長手の中心線よりもシリンダブロックに寄った部位に配置されているため、エンジンの各部位を巡って昇温したオイルを速やかにストレーナの近傍に戻して循環させることができる。このため、オイルを早期昇温させることができ、その結果、メカロスの低減などを通じて暖機運転時間を短縮化し、燃費の向上に貢献できる。
実施形態のエンジンを後方から見た背面図である。 図1のII-II 視底面図である。 補助クランクケースの斜視図である。 補助クランクケースを図1のIV-IV視方向から見た図である。 図1の V-V視方向から見た側断面図である。 補助クランクケースを上から見た斜視図である。 図7の VII-VII視断面ある。 図6のVIII-VIII視断面図である。 補助クランクケースの底面図である。 (A)は図9のX-X視断面図、(B)は作用を示す図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右・上下の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向であり、左右方向はクランク軸線方向と直交した水平方向であり、上下方向は鉛直方向である。前と後ろについては、エンジンに使用されている一般的な呼び方に準じて、タイミングチェーンや補機が配置されている側を前、ミッションが配置されている側を後ろとしている。念のため、図1~4,6に方向を明示している。
シリンダブロックのうち気筒軸線の方向の区別としては、圧縮行程のときにピストンが向いた方向に位置した面を頂面と呼び、膨張行程のときにピストンが向いた面を底面と称して、鉛直方向である上下方向と区別している。
(1).エンジンの概要
本実施形態は、4気筒エンジンに適用している。エンジンは、図1に示すように(図2も参照)、シリンダブロック1とその頂面に固定されたシリンダヘッド2、及びシリンダヘッド2の頂面に固定されたヘッドカバー3を備えており、気筒軸心O1を水平の側に大きく寝かせたスラント型エンジンになっている。気筒軸心O1は、鉛直線O2に対して、約60°強(水平面O3に対しては、30°弱)の角度で傾斜している。
このように、気筒軸心O1を水平に近い姿勢に大きくスラントさせていることにより、オイルパン4は、補助クランクケース5を介してシリンダブロック1の底面に取付けられている。すなわち、シリンダブロック1の底面に補助クランクケース5を固定して、補助クランクケース5の下面にオイルパン4を固定している。なお、補助クランクケース5は上部オイルパンと呼ぶことも可能である。
本実施形態では、シリンダブロック1、シリンダヘッド2、補助クランクケース5、オイルパン4は機関本体を構成している。補助クランクケース5はアルミダイキャスト品であり、オイルパン4は板金加工品である。
図7に示すように、クランク軸6のジャーナル部は、クランクキャップ7の群によってシリンダブロック1の底側開口部回転自在に保持されている。従って、図3に明示するように、補助クランクケース5の前後両壁部に、クランクキャップ7を逃がすための切り欠き部8が形成されている。
図1に平行斜線を付して示すように、シリンダブロック1及び補助クランクケース5の後面には、ミッションケースを固定するための受けリブ9が形成されている(従って、平行斜線は端面の表示ではない。図5を除いて他の図も同様である。)。
本実施形態では、吸気側面は上向きになって、排気側面は下向きになっている。このため、図1に示すように、シリンダヘッド2の下方に触媒ケース10が配置されて、シリンダブロック1等の上方に、サージタンク11を備えた吸気マニホールド12が配置されている。図2に示すように、本体の前面部には、クランク軸6で駆動されるタイミングチェーン13が配置されており、タイミングチェーン13はフロントカバー14で覆われている。
本実施形態のエンジンは、クランク軸6を車両の前後方向に向けた姿勢で車体に搭載されている。すなわち、実施形態のエンジンは縦置き式である。従って、エンジンの前後方向と車体の前後方向とは一致している。また、本実施形態のエンジンはワンボックス車用のものであり、乗員室の床下の下方空間に配置されている。
図2に示すように、シリンダブロック1には、動弁室に溜まったオイルをオイルパン4に戻すオイル戻し通路16が形成されているが、縦置き式エンジンでは、車体の旋回時にオイルが前側でかつタイミングチェーン13の張り側に寄る傾向があり、このため、オイルの戻しが不十分になることがある。
そこで、本実施形態では、シリンダブロック1とフロントカバー14とで構成されているタイミングチェーン配置空間をオイル戻しの補助通路に兼用しており、車体の旋回時に、タイミングチェーン13の周回を利用してオイルをオイルパン4に戻すようにしている。タイミングチェーン13の掻き出し作用によって補助通路を流れオイルは、図2に矢印15で示すように、補助クランクケース5の後部を介してオイルパン4に流下する。
(2).補助クランクケースの基本構造
図7に示すように、シリンダブロック1には、シリンダボア17が開口している。他方、例えば図3,4から容易に理解できるように、補助クランクケース5はシリンダブロック1と下方とに向けて開口しており、下面にオイルパン4が固定されている。
従って、例えば図8に示すように、補助クランクケース5は、クランク軸線方向に長く延びる上側長手側部(上面部)18及び下側長手側部19と、これらを繋ぐバッフルプレート(底板)20を有しており、これらの三者は、例えば図3に示す前後の壁部21,22によって一体に繋がっている。
例えば図2に示すように、バッフルプレート20には、複数のオイル落とし穴23(23a,23b,23c)が空いている。オイル落とし穴23は複数空いており、総称するときは符号23を付し、個別に名称を付けて示す必要がある場合は、a,b,cの添え字を付けて区別している。
補助クランクケース5の上側長手側部18及び下側長手側部19とには、図3に示すように、補助クランクケース5をシリンダブロック1に固定するための内向きのボス部24が、前後方向に断続的に並べて形成されている。オイルパン4の上面は水平状になっているため、上側長手側部18の左右幅は大きくて、下側長手側部19の左右幅は大きくなっている。
例えば図3,7,8に示すように、補助クランクケース5の上側長手側部18には、下向きの段部25が前後方向(クランク軸線方向)に長い姿勢で形成されており、段部25の底端にバッフルプレート20が繋がっている。
オイルポンプは、図2に表示したフロントカバー14に配置されており、オイルポンプには、例えば図8に示すストレーナ26からオイルが吸い上げられる。図8に示すように、ストレーナ26は、クランク軸線方向に長い横向きパイプ27(図4も参照)とその先端に接続された吸い口28とで構成されている。従って、略直角に屈曲した構造になっている。
図4に一点鎖線で示すように,ストレーナ26の横向きパイプ27は、補助クランクケース5の内部のうち下側長手側部19の前端部に沿った箇所に配置されており、補助クランクケース5の前壁部21と下側長手側部19とにボルトで固定されている。前壁部21に固定するボルトはクランク軸線方向に長い姿勢になっている一方、下側長手側部19に固定するボルトは、クランク軸線と直交した姿勢になっている。
図7に示すように、横向きパイプ27の先端部には、吸い口28と連通する穴29が空いている。また、図2,6,9,10に示すように、補助クランクケース5のバッフルプレート20には、吸い口28が通過する逃がし穴30が空いている。
オイルポンプで吸引されたオイルは、図3に示すオイルフィルタ31で濾過される。例えば図6に示すように、補助クランクケース5の前壁部21には、オイルフィルタ31を固定するための取り付け座32を前向きに突設している。なお、図3に符号33,34で示すのは、オイル通路を形成するボス部である。
また、図7に符号35で示すのは、シリンダブロック1に形成したPCV通路である。補助クランクケース5には、クランク軸6の回転によって発生してオイルミスト流がPCV通路35に向かうことを阻止するため、庇状のバッフルリブ36と、PCV通路35と対向したランド部37とを形成している。
(3).バッフルプレートの構造
図8に示すように(図10も参照)、補助クランクケース5のバッフルプレート20には、クランク軸線方向から見た正断面視において上向きに膨れた上向き突部(湾曲部)20aが形成されている。上向き突部20aは、全体として緩く湾曲しているが、最も高い頂点(稜線)が,オイルパン4を左右に二分する長手中心線O4(図6参照)よりも)シリンダブロック1に近い部位に位置するように、シリンダブロック1に寄せられている(オフセットされている。)。
なお、補助クランクケース5の下面とオイルパン4の上面とは重なっているので、オイルパン4長手中心線O4は、補助クランクケース5における下向き開口部の長手の長手中心線と一致している。
本実施形態では、バッフルプレート20は全体的に湾曲しており、ピーク(頂点40)がオイルパン4(及びバッフルプレート20)の長手中心線O4よりもシリンダブロック1に寄っているが、上向き突部20aをクランク軸6に近い部位のみに形成して、バッフルプレート20を、クランク軸線方向から見て上向き突部20aと平坦部とで構成することも可能である。
また、図6に示すように、バッフルプレート20のうちオイルフィルタ取り付け座32に近い前部は、上向き突部20aを備えていない平坦部20bになっている。従って、平坦部20bは上向き突部20aよりも低くなっている。そして、既述のとおり、車体の旋回時にタイミングチェーン13を利用してオイルがオイルパン4に向けて掻き出されるが、掻き出されたオイルは平坦部20bに向かう。そこで、平坦部20bに、その長手方向に長い(左右方向に長い)補助オイル落とし穴23を空けている。
また、バッフルプレート20には、シリンダブロック1に設けたオイル戻し通路16から流下したオイルがダイレクトに入り込むメインオイル落とし穴23bと、バッフルプレート20の上面を流れたオイルや、ピストン冷却用オイルジェットのオイルようにクランク室に飛散したオイルが入り込むサブオイル落とし穴23cとが形成されている。
クランク室に飛散したオイルはメインオイル落とし穴23bにも流入するので、厳密には、メインとサブとの区別はつけ難いが、大まかには、上向き突部20aの頂点40よりもシリンダブロック1に近い部位に形成されているものをメインオイル落とし穴23bと呼び、上向き突部20aの頂点40よりもクランク軸6から遠くに形成されているものをサブオイル落とし穴23cと呼ぶことができる。
さて、エンジンの暖機運転時間を短縮するためにはオイルの早期昇温が必要であり、そのためには、エンジンの各部を巡って昇温したオイルをオイルポンプに戻して循環させるのが有益である。しかし、シリンダブロック1から戻ったオイルがオイルパン4に広く拡散すると、エンジンを巡って昇温したオイルを有効利用できずに、オイルの早期昇温が損なわれてしまう。
これに対して、実施形態のように、バッフルプレート20に上向き突部20aを形成して、上向き突部20aの頂点40よりクランク軸6に近い部位にメインオイル落とし穴23bを形成すると、シリンダブロック1のオイル落とし通路16から流下したオイルはストレーナ26における吸い口28の近傍部に流下するため、昇温したオイルを再び吸い上げて循環させることができる。従って、オイルの早期昇温を実現して暖機時間の短縮化に貢献できる。
オイルをオイルパン4のうちクランク軸6に近い部位に戻す手段としては、バッフルプレート20に左右長手のリブを突設することも可能であるが、この場合は、補助クランクケース5をダイキャストで製造するに際して型抜きが困難になる。すなわち、補助クランクケース5は、図8の状態で上下に離反する上型と下型とをメイン型として、上型に設けたスライド型によって内面を形成することになるが、スライド型は図8に矢印41で示す方向にスライドするため、リブを突設することはできない。
これに対して実施形態のように上向き突部20aを形成すると、上向き突部20aは、スライド型の後退を許容した状態で形成できるため、製造上の問題を招来することなく、オイルをメインオイル落とし穴23bに集中的に戻して早期昇温を実現できる。この点、本実施形態の大きな利点の一つである。
また、バッフルプレート20は、その機能としてオイルの跳ね上がりを防止できるが、補助クランクケース5に一体に形成されているため、補助クランクケース5の剛性を向上できる。更に、バッフルプレート20が湾曲していると、車体が左右に揺れてオイルが揺れ動くにおいて、オイルの動きを滑らかにして吸い口28への流入性を向上できる利点がある。
更に、実施形態のようにバッフルプレート20の前部に段落ちした状態で平坦部20bを形成すると、バッフルプレート20は変形しにくい構造になるため、補助クランクケース5の剛性を更に向上できる。図6に一点鎖線で示すように、点線で示すオイル戻し通路16に加えて一点鎖線で示す他のオイル落とし通路16′を形成し、バッフルプレート20にも他のオイル落とし穴23b′を形成することは可能である。
(4).吸い口・ドレン穴
ストレーナ26を構成する吸い口28は合成樹脂製であり、図10(A)に示すように(図8も参照)、全体として下方に向けて緩く窄まっていると共に、下に向けて前にずれるように傾斜している。
また、吸い口28の下部は、薄肉化された小径部28aになっている。従って、小径部28aは衝撃に対して弱い弱化部になっており、オイルパン4が路面の石などに当たって上向きに凹むと、小径部28aが破損したり変形したりする。従って、吸い口28が上端の付け根から折損するようなことはなくて、軽度の損傷のときにエンジンの運転を継続できる。
更に述べると、ストレーナ26の吸い口28はオイルパン4の最も深いに部位に配置されているため、オイルパン4は、走行時に吸い口28の近傍において路面に当たりやすいが、仮に、オイルパン4が路面に当たって凹み変形しても、吸い口28に対するダメージを下部に留めておくことにより、継続運転を可能にしている。
図10に示すように、オイルパン4には、オイル交換に際してオイルを抜き取るドレン穴42が空いており、ドレン穴42は、下方からねじ込んだドレンプラグ(ボルト)43で塞がれているが、本実施形態では、ドレン穴42は、オイルパン4のうち吸い口28の下端部の後ろに位置した後ろ壁部44の傾斜部に、吸い口28の小径部28aを人が視認できるようにドレン穴42を空けている。
従って、オイルパン4凹んで吸い口28の小径部28aが折損したり変形したりすると、オイルを抜いて内部を覗き見ることにより、ダメージがオイルの吸引を可能な状態か可能でない状態であるかを確認できる。その結果、サービス工場に走行できるかレッカー車を使用せざるを得ないかの判断を簡単に行える。
吸い口28を視認することは、ライトでオイルパン4の内部を覗き見ることによって行えるが、ライトが無かったり暗くて視認し難い場合は、指先を小径部に当てて、感触によってダメージの状態を把握できる。すなわち、指先が届いて折損状態や曲がり状態を判る場合は運転可能であり、吸い口28が根元から大きく曲がって指先が届かない場合は運転不能と判断できる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、上向き突部20aは湾曲した形状には限らず、断面く字形に屈曲した構造であってもよい。この場合、シリンダブロック1に向いた傾斜面の傾斜角度を、シリンダブロック1と反対側の傾斜面の傾斜角度よりも大きくすると、オイルの収束性に優れていて好適である。
本願発明は、自動車用スラント型内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
4 オイルパン
5 補助クランクケース
6 クランク軸
16 オイル戻し通路
18 補助クランクケースの上側長手側部
19 補助クランクケースの下側長手側部
20 補助クランクケースのバッフルプレート
20a 上向き突部
20b 平坦部
23a 補助オイル落とし穴
23b メインオイル落とし穴
23c サブオイル落とし穴
26 ストレーナ
28 ストレーナの吸い口
O4 オイルパンの中心線

Claims (1)

  1. シリンダボアを鉛直線よりも水平側に傾斜させたシリンダブロックと、上面を水平状に形成したオイルパンと、前記シリンダブロックとオイルパンとに連結された補助クランクケースとを備えており、
    前記補助クランクケースに、前記オイルパンを上から覆うバッフルプレートを形成している一方、
    クランク軸線方向を前後方向、平面視でクランク軸線と直交した方向を左右方向として、前記オイルパンを平面視で左右方向に二分する前後長手の線を前記オイルパンの中心線として、前記オイルパンのうち前記中心線よりも前記シリンダブロックに寄った部位に、オイルストレーナの吸い口を下方に開口するように配置している構成であって、
    前記補助クランクケースのバッフルプレートに、クランク軸線方向から見て上向きに膨れた上向き突部を、前記オイルパンにおける前記中心線よりも前記シリンダブロックに寄った部位に頂点が来るようにして形成しており、前記上向き突部のうち前記頂点よりもシリンダブロックに寄った部位に、前記シリンダブロックに形成されたオイル戻し通路から流下したオイルが流入するオイル落とし穴を設けている、
    自動車用スラント型エンジン。
JP2019179857A 2019-09-30 2019-09-30 自動車用スラント型エンジン Active JP7296295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019179857A JP7296295B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 自動車用スラント型エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019179857A JP7296295B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 自動車用スラント型エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021055625A JP2021055625A (ja) 2021-04-08
JP7296295B2 true JP7296295B2 (ja) 2023-06-22

Family

ID=75272404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019179857A Active JP7296295B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 自動車用スラント型エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7296295B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098917A (ja) 1999-09-29 2001-04-10 Daihatsu Motor Co Ltd スラント型内燃機関におけるオイルパンの構造
JP2006002710A (ja) 2004-06-18 2006-01-05 Aichi Mach Ind Co Ltd 内燃機関用オイルパン

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2517942Y2 (ja) * 1989-08-24 1996-11-20 マツダ株式会社 エンジンの補強構造
JPH0526021A (ja) * 1991-07-17 1993-02-02 Mazda Motor Corp エンジンのブロツク構造
JP3597984B2 (ja) * 1998-02-26 2004-12-08 ダイハツ工業株式会社 スラント型内燃機関におけるオイルパンの構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098917A (ja) 1999-09-29 2001-04-10 Daihatsu Motor Co Ltd スラント型内燃機関におけるオイルパンの構造
JP2006002710A (ja) 2004-06-18 2006-01-05 Aichi Mach Ind Co Ltd 内燃機関用オイルパン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021055625A (ja) 2021-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5103782A (en) Oil pan for internal combustion engine
US10329975B2 (en) Oil separation device for internal combustion engine
US5038890A (en) Oil pan structure for internal combustion engine
JP4075714B2 (ja) 内燃機関のブリーザ室構造
US10570790B2 (en) Breather device of internal combustion engine
JP5778009B2 (ja) 内燃機関のヘッドカバー構造
JP7296295B2 (ja) 自動車用スラント型エンジン
JP7120735B2 (ja) 自動車用エンジン
WO2007132847A1 (ja) 内燃機関
JP6136557B2 (ja) 内燃機関のシリンダヘッドカバー
EP3757381A1 (en) Straddled vehicle
JP7244191B2 (ja) 内燃機関
JP7255957B2 (ja) 自動車用内燃機関
JP7016631B2 (ja) 内燃機関
JP7189718B2 (ja) スラント型内燃機関
JP7255959B2 (ja) 自動車用内燃機関
JP6867840B2 (ja) 自動車用内燃機関
JP2000282838A (ja) エンジンのブリーザ構造
JP4085910B2 (ja) エンジンの動力伝達機構カバー部材
JP2020153260A (ja) 自動車用内燃機関のオイルパン
JP6812860B2 (ja) エンジンのブリーザ装置
JP2020056332A (ja) 内燃機関におけるヘッドカバーのオイル流下制御構造
JP4123470B2 (ja) 自動車用エンジンの冷却水エア抜き装置
JP7392500B2 (ja) エンジン
CN113494384B (zh) 水套

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7296295

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150