JP7255959B2 - 自動車用内燃機関 - Google Patents

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本願発明は、自動車用内燃機関に関するものである。
内燃機関を自動車のエンジンルームに搭載するにおいて、例えば、ワンボックス車や軽トラックのようにエンジンルームが運転席の下方に入り込んでいるボンネットレスタイプの自動車では、シリンダボアを鉛直線よりも水平側に大きく傾けて配置することが行われている。すなわち、シリンダボアを水平側に大きくスラントさせて搭載することが行われている(例えば特許文献1)。
さて、動弁機構の潤滑を行ったオイルやVVTの駆動に使われたオイルはシリンダヘッドの内部に流下し、シリンダヘッド及びシリンダブロックに設けたオイル落とし穴を通ってオイルパンに戻されているが、シリンダボアを水平側に大きく傾けているスラント型内燃機関の場合、車体の旋回時(右旋回時)に、シリンダヘッドに溜まったオイルが慣性力によってタイミングチェーンの側に寄せられる現象が生じる。
従って、旋回時にオイルが移動してもオイルをオイルパンに戻す手段が必要である(そうでないと、オイルパンのオイル量が過剰に低下してオイルストレーナが空気を吸い込んでしまう。)。
この点については、オイル落とし穴を多数設けることが考えられるが、タイミングチェーンの側に寄せられたオイルを迅速に戻すためには、オイル落とし穴の大きさはかなり大きくせざるを得ず、すると、シリンダヘッド及びシリンダブロックの強度が低下するおそれがあり、また、シリンダヘッド及びシリンダブロックに、大径のオイル落とし穴を形成するスペースが存在しない場合も有り得る。
他方、例えばバスや乗用車用の低重心エンジンとして、シリンダボアを水平に寝かせた水平対向式のものが使用されており、このタイプの内燃機関でも旋回時のオイルの移動現象は発生している。そこで、タイミングチェーンを利用してオイルをオイルパンの側に掻き出すことが行われており、特許文献2には、クランク軸を挟んで両側に形成されたタイミングチェーン配置空間のうち、タイミングチェーンが下面に沿ってクランク軸に向かう部分のみをオイル通路とすることが開示されている。
特開平11-241651号公報 特開2001-115813号公報
タイミングチェーンはフロントカバーで覆われているが、スラント型内燃機関においても、旋回時にタイミングチェーンでオイルをオイルパンに向けて掻き出す構造を採用すると、シリンダブロックとフロントカバーとの間のタイミングチェーン配置空間(チェーン通路)をオイルの戻し通路として利用できるため、構造の複雑化や部材の強度低下を招来することなく、旋回時においてもオイルをオイルパンに戻すことができる。
この場合、オイルはタイミングチェーンによる掻き出し作用のみでなく重力によってもオイル槽に向かうが、タイミングチェーン配置空間もスラントしていて重力による送り効果は少ないため、タイミングチェーンによって付与された勢いを有効利用してオイル槽に送り込むことが有益である。
本願発明はこのような実情を背景に成されたものであり、シリンダボアを水平側に大きく寝かせた自動車用スラント型内燃機関において、オイル槽へのオイルの送り込みを抵抗なくスムースに行えるようにしようとするものである。
本願発明は、
「シリンダボア軸線を鉛直線よりも水平側に傾けると共にクランク軸を略水平姿勢で回転自在に保持したシリンダブロックと、前記シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記クランク軸のうち前記シリンダブロックから突出した前端部に固定されたスプロケット、前記スプロケットに噛合したタイミングチェーンを覆うフロントカバーとを備えていて、前記シリンダブロックとフロントカバーとの間にタイミングチェーン配置空間が形成されており、
車体の旋回時に、前記シリンダヘッドに溜まったオイルが前記タイミングチェーンの側に移動してタイミングチェーン配置空間に流下し、オイルが前記タイミングチェーンによって前記オイルパンに向けて送り出される」
という基本構成になっている。そして、上記基本構成に加えて、
前記オイルパンは、前記シリンダブロックに固定された上オイルパンと、前記上オイルパンの下面に固定されたオイル槽とを有して、
前記オイル槽は、クランク軸線方向から見て、前記フロントカバーの下方に位置した部位と前記フロントカバーの外側にはみ出た部位とを有していると共に、クランク軸線と直交した水平方向から見て、前記タイミングチェーン配置空間を挟んで前記フロントカバーと反対側に入り込んでおり、このため、前記上オイルパンは、クランク軸線と直交した水平方向から見て、前記タイミングチェーン配置空間とオイル槽との間に位置して傾斜した部位を有し、前記傾斜した部位に、前記タイミングチェーン配置空間から流下したオイルが前記オイル槽に向かうことをスムース化する傾斜面が形成されている」
という構成が付加されている。
この場合、オイル通路がオイルパンとフロントカバーとの両方に跨がっている場合は、傾斜面はオイルパンとフロントカバーとの両方に形成したらよい。
本願発明では、シリンダブロックとフロントカバーとの間のタイミングチェーン配置空間を車体旋回時のオイル戻し通路として利用すると共に、タイミングチェーンをオイルの強制戻し手段として利用するものであるため、構造の複雑化やシリンダヘッド及びシリンダブロックの強度低下をもたらすことなく、車体旋回時にオイルをオイルパンに戻すことができる。
そして、タイミングチェーン配置空間とオイル槽との間のオイル通路には傾斜面が形成されているため、オイルの勢いが低下しても、流れ抵抗を著しく抑制した状態で、オイル槽に向けてスムースに流すことができる。特に、オイルの流れが方向変換する部位に傾斜面を形成しておくと、方向変換をスムース化できて特に有益である。
フロントカバーを省略した状態での内燃機関の上半部の正面図である。 フロントカバーを省略した状態での内燃機関の下半部の正面図である。 下オイルパンを省略した状態での底面図である。 上オイルパンの斜視図である。 上オイルパンの正面図である。 図5のVI-VI 視図である。 内燃機関を図5及び図6の VII-VII視方向から見た断面図である。 図7の部分拡大図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右・上下の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向であり、左右方向はクランク軸線方向と直交した水平方向であり、上下方向は鉛直方向である。前と後ろについては、内燃機関に使用されている一般的な呼び方に準じて、タイミングチェーンが配置されている側を前、ミッションが配置されている側を後ろとしている。念のため、各図に方向を明示している。
シリンダブロックのうち気筒軸線の方向の区別としては、圧縮行程のときにピストンが向いた方向に位置した面を頂面と呼び、膨張行程のときにピストンが向いた面を底面と称して、鉛直方向である上下方向と区別している。
(1).内燃機関の概要
本実施形態は、自動車用の4気筒内燃機関に適用している。内燃機関は、図1,2に示すように、シリンダブロック1とその頂面に固定されたシリンダヘッド2、及びシリンダヘッド2の頂面に固定されたヘッドカバー3を備えており、シリンダボア軸心を鉛直線よりも水平の側に大きく寝かせたスラント型内燃機関になっている。シリンダボア軸心は、鉛直線O1に対して、約60°強(水平面O2に対しては、30°弱)の角度で傾斜している。
このように、シリンダボア軸心を水平に近い姿勢に大きくスラントさせていることにより、オイルパンは、シリンダブロック1の底面に固定された上オイルパン4と、上オイルパン4の下面に固定された下オイルパン5とに分離しており、下オイルパン5が、請求項に記載したオイル槽になっている。上オイルパン4はアルミダイキャスト品であり、下オイルパン5は板金加工品である。
図1のとおり、シリンダヘッド2は、シリンダブロック1に固定された第1部分2aと、第1部分2aの頂面に固定された第2部分2bとの2層構造になっており、第2部分2bに、タイミングチェーン6が噛合する一対の従動スプロケット7が回転自在に保持されている。なお、従動スプロケット7は、実際にはVVT装置に取り付けられている。
図1,2では、シリンダブロック1、シリンダヘッド2、オイルパン4,5については、その輪郭を明確化するため、それらの前端面に平行斜線を付している。従って、平行斜線は断面の表示ではない。
図2に示すように、シリンダブロック1の底部には、クランクキャップ8を介してクランク軸9が回転自在に保持されている。クランク軸9はシリンダブロック1の手前に露出しており、露出部に、図3に示すように主動スプロケット10が固定されている。そして、主動スプロケット10と従動スプロケット7とにタイミングチェーン6が巻き掛けられている。
図3,6,7,8に示すように、タイミングチェーン6はフロントカバー11によって手前から覆われており、フロントカバー11を、シリンダヘッド2とシリンダブロック1と上オイルパン4の前端面に重ね固定することにより、フロントカバー11とシリンダブロック1及び上オイルパン4とで囲われた空間をタイミングチェーン配置空間12と成している。なお、図3,6では、フロントカバー11は模式的に表示している。
本実施形態の内燃機関は、排気側を下方に向けて吸気側を上に向けている。そして、図1,2に示すように、タイミングチェーン6は、吸気側ガイド(上ガイド)13と排気側ガイド(下ガイド)14とにより、間隔を狭めた姿勢に保持されている。なお、排気側ガイド14は固定式で、吸気側ガイド13は可動式になっている。
本実施形態の内燃機関は、クランク軸9を車体の前後方向に向けた縦置きでエンジンルームに搭載されている。また、フロントカバー11が車体の前方側に位置するようにして、エンジンルームに配置されている。
そして、車体が右旋回すると、遠心力(慣性力)によって、シリンダヘッド2に流下したオイルはタイミングチェーン6の側に移動する傾向を呈する一方、シリンダヘッド2及びシリンダブロック1のオイル落とし穴は前後中間部や後部に設けているため、車体の右旋回時に、オイルがオイル落とし穴に流れ込まずに、オイルパンの油量が大きく低下する現象が発生することがある。
そこで、本実施形態では、シリンダヘッド2の内部とタイミングチェーン配置空間12とを連通させることにより、右旋回時に、シリンダヘッド2の前部に溜まったオイルを、タイミングチェーン配置空間12からオイルパン4,5に戻しており、オイルは、図2や図7,8に矢印で示すように、タイミングチェーン6の掻き出し作用により、タイミングチェーン配置空間12の終端からオイルパン4,5に向けて飛散していく。
つまり、タイミングチェーン6は、吸気側においては主動スプロケット10から従動スプロケット7に向かって上がっていき、排気側では、従動スプロケット7から主動スプロケット10に向けて下っていくが、タイミングチェーン6の下り移動を利用して、オイルを下オイルパン5に向けて掻き出すのであり、オイルは、タイミングチェーン6により、下オイルパン5に向かって飛ばされる。
そして、右旋回時のオイルパン4,5へのオイルの戻しをスムースに行えるようにするなど、上オイルパン4に様々な工夫を施している。この点を、次に説明する。
(2).上オイルパンの基本構造
図5及び図6から理解できるように、上オイルパン4は、前後長手の上長手側壁16及び下長手側壁17と、これらの前端に一体に繋がった前壁18と、上下長手側壁16,17の後端に一対に繋がった後ろ壁19とを有している。
また、上オイルパン4の下部には、上下長手側壁16,17及び前後壁18,19に一体に繋がったバッフルプレート20が一体に形成されている。図3に平行斜線を付して明示するように、下オイルパン取り付け面21は、バッフルプレート20を囲んだ状態に形成されており、下オイルパン取り付け面21に、下オイルパン5の上端縁に形成したフランジ5a(例えば図2参照)が固定されている。上オイルパン4の上面は水平状になっているため、上長手側壁16の左右幅は大きくて、下長手側壁17の左右幅は小さくなっている。
図4,5に示すように、前壁18には、クランクキャップ8を逃がす前凹所22が形成されて、後ろ壁19には、軸受が嵌まる後ろ凹所23が形成されている。敢えて述べるまでもないが、ミッションケースは、シリンダブロック1の後面と上オイルパン4の後面とに跨がった状態で固定されている。
図6に示すように、上オイルパン4の上長手側壁16及び下長手側壁17の頂部には、シリンダブロック1に固定するための内向きのボス部24が、前後方向に断続して多数形成されている。また、図4,5に示すように、上オイルパン5の上長手側壁16には、下向きの段部25が前後方向(クランク軸線方向)に長い姿勢で形成されており、段部25の底端にバッフルプレート20が繋がっている。
図3,6に示すように、バッフルプレート20には、その前部に位置した左右長手の第1オイル落とし穴26と、円形で周囲の箇所に分散した複数個の第2オイル落とし穴27とが形成されている。
第2オイル落とし穴27は、角形等の他の形態であってもよい。図から理解できるように、主動スプロケット10、前壁18よりも前側にずれている。従って、タイミングチェーン配置空間12を流れてきたオイルは、図6に矢印Xで示すように、タイミングチェーン6よりも下方の部位において、クランク軸線方向に向きを変えて、第1オイル落とし穴26に流れ込むことになる。
オイルポンプはフロントカバー11に配置されており、オイルポンプには、図7や図8に示すオイルストレーナ28からオイルが吸い上げられる。オイルストレーナ28は、左右長手の横向きパイプ28aと、その先端に接続された下向きパイプ28bとから成っており、下向きパイプ28bは、図3,6に明示するように、バッフルプレート20に設けたストレーナ穴29から下オイルパン5の内部に入り込んでいる。図7に示すように、下オイルパン5は手前側の部位が深くなっており、オイルストレーナ28の下向きパイプ28bは、深くなった部分に浸漬している。
特に図4,5,8に示すように、上オイルパン4の前部でかつ下部には、フロントカバー11と重なる支持リブ30を一体に形成しており、この支持リブ30に、オイルストレーナ28における横向きパイプ28aの基端部がしっかり嵌合する凹所31を形成している。横向きパイプ28aの基端部は、ビスによって支持リブ30に固定されている。
さて、図2,5はクランク軸線方向から見た図であり、これらの図で上オイルパン4の前壁18が表示されているが、フロントカバー11の端部は上オイルパン4の前壁18に重なるので、フロントカバー11の端部の外形も上オイルパン4の前壁16と同じ形状として現れる。そして、図2及び図5から、下部オイルパン(オイル槽)5が、クランク軸線方向視でフロントカバー11の下方に位置した部位と、フロントカバー11の外側にはみ出た部位とを有することを理解できる。
他方、図7,8はクランク軸線と直交した水平方向から見た図であるが、これらの図から、下オイルパン(オイル槽)5はフロントカバー11よりも後ろに入り込んでいて、その結果、上オイルパン5は、フロントカバー11と下オイルパン5とに繋がるための傾斜した部分を有することが理解できる。そして、支持リブ30は、上オイルパン4における前壁の傾斜した部分に形成されている。下オイルパン5がフロントカバー11より後ろに入り込んでいることは、図3からも理解できる。
オイルストレーナ28の横向きパイプ28aは前後方向に長いことから、支持リブ30は、クランク軸線と直交した左右方向に広がっている(フロントカバー11と平行な方向に広がっている。)。従って、支持リブ30の凹所31に横向きパイプ28aを無理なく嵌め込むことができて、オイルストレーナ28の取り付けを簡単に行える。
他方、図5に示すように、支持リブ30を設けた部分は、上オイルパン4の前部において最も低くなっている。従って、図8から理解できるように、支持リブ30は、タイミングチェーン配置空間12を流下してきたオイルの一部にとっては、その流れを塞き止める板の状態になっている。
そこで、支持リブ30に、オイルを下オイルパン5に向けて逃がすオイル通路32を形成している。また、オイル通路32は下オイルパン5及びバッフルプレート20よりも高い位置にあるため、オイルの流れを促進すべく、オイル通路32の上下面を、下に行くに従ってバッフルプレート20に近づく傾斜面32aに形成している。また、前壁18がフロントカバー11の下方で傾斜していることから、傾斜した部分の内面は傾斜面33になっている。
また、上オイルパン4の前壁18のうち、支持リブ30からバッフルプレート20に連なる部分の内面も、下オイルパン5及びバッフルプレート20に向けて下向きに傾斜した傾斜面33に形成している。本実施形態では、オイル通路32の下面の傾斜面32aとその下方の傾斜面33とが、請求項に記載した傾斜面になっている。支持リブ30が存在しない場合は、1種類の傾斜面33になる。なお、傾斜面33の中途部に凹所34が存在しているが、これは無くてもよい。
車体の右旋回時のオイルの流れについて纏めると、タイミングチェーン6の掻き出し作用によってタイミングチェーン配置空間12を勢い良く流れてきたオイルは、タイミングチェーン配置空間12から放出された後、その一部は支持リブ30を飛び越えてバッフルプレート20に向かって、バッフルプレート20の第1オイル落とし穴26から下オイルパン5の内部に入り込む。また、オイルの他の一部は、支持リブ30とフロントカバー11とで囲われた空間に飛散し、この空間からオイル通路32を通ってバッフルプレート20に向けて流下し、第1オイル落とし穴26から下オイルパン5の内部に流れ込む。
そして、オイル通路32の下面は傾斜面32aになっていると共に、前壁18の内面も下向きの傾斜面33になっているため、流れ抵抗が著しく低減されて、オイルが下オイルパン5に向けて方向変換することがスムースになる。その結果、オイルを下オイルパン5に速やかに戻すことができる。従って、オイルの戻し効果を確実化して、オイルストレーナ28による空気の吸い込み現象を防止できる。
例えば図3,5に示すように、上オイルパン4の前部でかつ下部には、オイルフィルター35が取り付く受け座36を前向きに突設している。そして、図4に示すように、上オイルパン4の前壁18のうち上部の頂面に、受け座36に向けてオイルを流すオイル送りポート37と、浄化されたオイルが排出されるオイル戻りポート38とが開口している。
オイルポンプで圧送されたオイルは、フロントカバー11に形成されたオイル通路からシリンダブロック1に形成されたオイル通路に流れ、次いで、シリンダブロック1に形成されたオイル通路から、上オイルパン4のオイル送りポート37に流入する。また、オイル戻りポート38から排出されたオイルは、シリンダブロック1に形成されたメインギャラリに送られる。従って、上オイルパン4のオイル送りポート37とオイル戻りポート38とは、シリンダブロック1の底面に形成されたオイル通路及びメインギャラリに連通している。
なお、図2に点線の矢印で示すように、タイミングチェーン6で掻き出されたオイルの一部は上向きに飛散するが、上向きに飛散したオイルは、前壁18における前凹所22の上面22aに当たって落下する。従って、タイミングチェーン6がオイルで過剰に濡れることを防止できる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、オイルパンは、上下に分離させずに全体を一体構造品にすることができる。傾斜面は湾曲していてもよい。
本願発明は、自動車用スラント型内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
O1 鉛直線
O2 水平面
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
4 上オイルパン
5 下オイルパン(オイル槽)
6 タイミングチェーン
7,10 スプロケット
9 クランク軸
11 フロントカバー
12 タイミングチェーン配置空間(チェーン通路)
18 前壁
20 バッフルプレート
26,27 オイル落とし穴
28 オイルストレーナ
30 支持リブ
32 オイル通路
32a オイル通路の傾斜面
33 傾斜面

Claims (1)

  1. シリンダボア軸線を鉛直線よりも水平側に傾けると共にクランク軸を略水平姿勢で回転自在に保持したシリンダブロックと、前記シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、前記クランク軸のうち前記シリンダブロックから突出した前端部に固定されたスプロケット、前記スプロケットに噛合したタイミングチェーンを覆うフロントカバーとを備えていて、前記シリンダブロックとフロントカバーとの間にタイミングチェーン配置空間が形成されており、
    車体の旋回時に、前記シリンダヘッドに溜まったオイルが前記タイミングチェーンの側に移動して前記タイミングチェーン配置空間に流下し、オイルが前記タイミングチェーンによってオイルパンに向けて送り出される構成の自動車用内燃機関であって、
    前記オイルパンは、前記シリンダブロックに固定された上オイルパンと、前記上オイルパンの下面に固定されたオイル槽とを有して、
    前記オイル槽は、クランク軸線方向から見て、前記フロントカバーの下方に位置した部位と前記フロントカバーの外側にはみ出た部位とを有していると共に、クランク軸線と直交した水平方向から見て、前記タイミングチェーン配置空間を挟んで前記フロントカバーと反対側に入り込んでおり、このため、前記上オイルパンは、クランク軸線と直交した水平方向から見て、前記タイミングチェーン配置空間とオイル槽との間に位置して傾斜した部位を有し、前記傾斜した部位に、前記タイミングチェーン配置空間から流下したオイルが前記オイル槽に向かうことをスムース化する傾斜面が形成されている、
    自動車用内燃機関。
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