JP2010159733A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイル還流通路へのブローバイガスの流入を防止することができるオイル循環装置を提供する。
【解決手段】 ブローバイガス通路(通路20、ブリーザチャンバ9)に介装されたオイルセパレータ(25)によって分離されたエンジンオイルをオイルパン3に還流させるオイル環流通路(第1〜第3オイル還流通路26,29,30、オイルドレンパイプ31)と、オイルポンプが設けられたオイル供給通路(オイルストレーナ41,オイル供給管44)とを備え、オイル供給通路の流入口43とオイル環流通路の流出口31aとは、常にオイルパン内のエンジンオイルに浸漬される部位に設けられ、オイル環流通路の流出口は、オイル還流通路の流出口に作用する吸気負圧が前記オイルポンプによる前記オイル供給通路への吸入圧より大きくなる位置に設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関の潤滑装置に係り、より詳細には、ブローバイガスから分離されたエンジンオイルをオイルパンに還流させる構造に関するものである。
自動車の内燃機関には、クランク室内のブローバイガスを吸気系に還流させるブローバイガス還流装置が一般に備えられている。ブローバイガスはエンジンオイルを含んでいるため、ブローバイガス還流装置にはオイルセパレータが備えられており、オイルセパレータによってオイルミストを取り除かれたブローバイガスが吸気系に流入するようになっている。そして、オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたエンジンオイルは、オイル還流通路を通ってオイルパンに還流される。
ブローバイガス還流装置には吸気系の吸入負圧が作用するため、オイルセパレータやオイル還流通路の圧力はクランク室に比べて低圧になっている。そのため、オイル還流通路の流出口(下流端)がオイルパン内に貯留されたエンジンオイルの液面より上方に位置する場合には、クランク室とブローバイガス還元装置とがオイル還流通路を介して連通され、クランク室内のブローバイガスは、オイルセパレータによりエンジンオイルを取り除かれることなく吸気系に流入する問題が発生する。
この問題を解決する方法として、オイルパン内にオイル溜まりを設け、オイル溜まりに保持されたエンジンオイル内にオイル還流通路の流出口を配置したものがある(例えば、特許文献1)。この構成では、オイル溜まり内に常に一定量のエンジンオイルが保持され、オイル還流通路の流出口は常にエンジンオイル内に浸漬されるため、クランク室内のブローバイガスが、オイル還流通路に流入することができなくなる。
特開2008−19743公報
しかしながら、オイルパン内にオイル溜まりを設けた場合には、オイルパンの構造が複雑になる他、オイル溜まりを形成するスペースをオイルパン内に確保するために、オイルパンが大型化するという問題がある。
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであって、オイル溜まりを別途設けることなく、かつ簡素な構造でありながら、オイル還流通路へのブローバイガスの流入を防止することができるオイル循環装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の発明は、オイルパン(3)に貯留されたエンジンオイルを内燃機関(エンジンE)の各部に供給するとともに、ブローバイガスから分離したエンジンオイルをオイルパンに還流させる内燃機関の潤滑装置において、クランク室(17)と吸気系とを連通させるブローバイガス通路(通路20、ブリーザチャンバ9)と、前記ブローバイガス通路に介装されたオイルセパレータ(25)と、前記ブローバイガス通路と前記オイルパンとを連通させ、前記オイルセパレータによって分離されたエンジンオイルを前記オイルパンに還流させるオイル環流通路(第1〜第3オイル還流通路26,29,30、オイルドレンパイプ31)と、オイルパンに貯留されたエンジンオイルを内燃機関の各部に供給するオイル供給通路(オイルストレーナ41,オイル供給管44)と、前記オイル供給通路に設けられたオイルポンプとを備え、前記オイル供給通路の流入口(43)と前記オイル環流通路の流出口(31a)とは、前記内燃機関が搭載される車両の急加速時、急減速時、左右旋回時においても前記オイルパン内のエンジンオイルに浸漬される部位に設けられ、前記オイル環流通路の流出口は、前記オイルポンプによる前記オイル供給通路への吸入圧が当該オイル還流通路の流出口に作用する吸気負圧以下となる位置に設けられたことを特徴とする。ここで、吸気負圧および吸入圧はともに負の値であり、吸気負圧が吸入圧より大きいとは絶対値が大きいことをいう。
この構成によれば、オイル還流通路の流出口は、内燃機関が搭載された車両の走行時においてもオイルパンに貯留されたエンジンオイルに浸漬され、オイルパン内のブローバイガスがオイル還流通路の流出口に流入することが防止される。オイルポンプによるオイル供給通路への吸入圧が、オイル還流通路の流出口に作用する吸気負圧以下となる位置に、オイル還流通路の流出口を配置したため、オイル還流通路の流出口に加わるオイル供給通路への吸入圧の影響はなく、オイル供給通路へのオイル還流通路内の空気の噛み込み(エアレーション)が防止される。また、付加的にオイル溜まりを設ける必要がないため、オイルパンの小型化および簡素化が図れる。
本発明の第2の発明は第1の発明において、前記オイルポンプは、前記内燃機関の回転速度に比例する回転速度をもって駆動され、前記オイル還流通路の流出口は、前記内燃機関の最高回転時における前記オイルポンプによる前記オイル供給通路への吸入圧と、当該オイル還流通路の流出口に作用する吸気系による吸入負圧とが概ね等しくなる位置に、前記オイル供給通路の流入口から離れて配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、オイル供給通路への吸入圧が最大となる状態を基準として、オイル還流通路の流出口の位置を設定するため、内燃機関の運転状態における全範囲において、オイル還流通路内の空気のオイル供給通路への噛み込みが防止される。
以上のように構成することによって、オイル還流通路の流出口はオイルパンに貯留されたエンジンオイル内に浸漬され、オイル還流通路へのブローバイガスの流入を防止することができる。また、オイル還流通路内の空気のオイル供給通路への噛み込みが防止される。
実施形態に係るV型エンジンを破断して示す斜視図である。 図1のII−II断面図である。 図1のIII−III断面図である。 オイルストレーナの流入口からの距離と、流入口への吸入圧との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を自動車のV型エンジンに適用した一実施形態について詳細に説明する。図1は、実施形態に係る内燃機関を破断して示す斜視図である。図1は、吸気配管、排気配管およびシリンダヘッド等を取り除いた状態を示している。本実施形態に係るエンジンEは、図1の紙面の左上側が車両の前方となるようにエンジンルームに横置きに配置されている。以下、車両の進行方向を前方、車幅方向を右方または左方、鉛直方向を上方または下方として説明する。
図1に示すように、エンジンEは、その下部にクランクケース2が一体に形成されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の下部に締結されたオイルパン3とを主要構成要素とする。シリンダブロック1は、クランクケース2の上部にそれぞれシリンダボア(図示しない)を有する前後シリンダバンク4を所定の角度間隔をもってV型に配置したものであり、シリンダバンク4の上部にはいずれも図示しないシリンダヘッドおよびヘッドカバーが取り付けられる。
シリンダブロック1の上部には、前シリンダバンク4と、後シリンダバンク(図示しない)と、左壁部5および右壁部6とによって囲まれた凹部7が形成されている。凹部7の上部には、蓋8がガスケットを介してボルトにより締結され、ブローバイガス通路の一部をなすブリーザチャンバ9が画成されている。
クランクケース2の上部には下方に向けて複数のクランクジャーナル壁11が突設されている。クランクジャーナル壁11の下部にはベアリングビーム12が締結されており、クランクジャーナル壁11とベアリングビーム12との間にベアリング13を介してクランクシャフト14が軸支されている。
オイルパン3は、アッパケース15とロアケース16とによって構成されている。アッパケース15は、下向きに開口した箱形状を呈し、その上部においてクランクケース2の下部にボルトで締結されている。ロアケース16は、上向きに開口した箱形状を呈し、その開口がアッパケース15の開口に一致するようにアッパケース15にボルトで固定されている。
クランクケース2の上部と、クランクジャーナル壁11と、ベアリングビーム12とアッパケース15とによってクランク室17が画成されている。アッパケース15の上部にはクランク室17とオイルパン3内部とを連通する貫通孔18が形成されている。クランク室17の下部に溜まったエンジンオイルは、貫通孔18を通過してオイルパン3内に還流される。また、クランク室17内のブローバイガスが、貫通孔18を通過してオイルパン3内に流入する。図中の白抜きの矢印はブローバイガスの流れを示す。
アッパケース15の上部には開口21が形成されている一方、シリンダブロック1には、一端が開口21に連続し、他端が凹部7の右壁部6に開口する通路20が形成されている。オイルパン3内のブローバイガスは、通路20を通過して、凹部7内(すなわち、ブリーザチャンバ9)に流入する。通路20およびブリーザチャンバ9は、ブローバイガス通路の一部をなす。
ブリーザチャンバ9には、蓋8の下面に固定されたオイルセパレータ25が設けられている。オイルセパレータ25は、箱形状の本体25aと、本体25aの側部に形成されたブローバイガス導入孔25bと、本体25aの上部に突設されたブローバイガス排出管25cと、本体25aの下部に突設されたオイル排出管25dと、本体25aの内部に設けられた複数のバッフルプレート25eとを備えている。
ブローバイガス導入孔25bを通過してオイルセパレータ25の内部に流入したブローバイガスは、ブローバイガス排出管25cに到達するまでにバッフルプレート25eに衝突し、ブローバイガス中に含まれるエンジンオイルがバッフルプレート25eに付着して、取り除かれる。バッフルプレート25eに付着したエンジンオイルはオイルセパレータ25の底部に捕集され、オイル排出管25dを通してオイルセパレータ25の外部に排出される。
ブローバイガス排出管25cは、蓋8に形成された貫通孔8aを通過してブリーザチャンバ9の外部に延びている。ブローバイガス排出管25cの先端には吸気系に連通するブリーザホース(図示しない)が連結されている。ブリーザホースはブローバイ通路の一部をなす。
凹部7の底部には、一端がシリンダブロック1の側部に開口する第1オイル還流通路26の他端が開口している。第1オイル還流通路26の凹部7側の開口部にはオイル排出管25dの先端部が嵌入している。第1オイル還流通路26のシリンダブロック1の側部における開口部は、シリンダブロック1の側部より突設されたリブ27によって囲まれている。リブ27の下部は、下方へと延びてシリンダブロック1の下端に到達している。リブ27は、アッパケース15の上部に当接する部分に壁部27aを備えている。壁部27aには貫通孔28が形成されている。リブ27の突出端にはクランク室17の左端を構成するクランクケースカバー(図示しない)がボルトにより締結され、リブ27と、シリンダブロック1と、クランクケースカバーとによって、第2オイル還流通路29が画成される。
アッパケース15の上部には、一端が貫通孔28に連通するとともに他端がオイルパン3の内部に開口する第3オイル還流通路30が形成されている。第3オイル還流通路30のオイルパン側の開口端には、管状のオイルドレンパイプ31の一端が嵌入している。オイルドレンパイプ31の他端は、ロアケース16の底部16aへと延びて流出口31aを形成している。
ブローバイガスより分離されたエンジンオイルは、図中の黒色矢印に示すように、オイルセパレータ25のオイル排出管25dから排出され、オイル還流通路を構成する第1オイル還流通路26、第2オイル還流通路29、第3オイル還流通路30、オイルドレンパイプ31を通過して、オイルパン3内に還流する。
オイルパン3の内部には、エンジンオイルが貯留されており、オイル供給通路の上流端を構成するオイルストレーナ41がエンジンオイルに浸漬された状態で配置されている。オイルストレーナ41は、下向きに開口する鍔付きの上カップ部材41aと、上向きに開口する鍔付きの下カップ部材41bとを外殻として備えている。上カップ部材41aと下カップ部材41bとは、網42(図2参照)を介装した状態で、鍔部同士が結合されている。下カップ部材41bの底部には、流入口43が形成されている(図2参照)。流入口43は、オイル供給通路の流入口となる。
上カップ部材41aには、図示しないオイルポンプに連続するオイル供給管44が連結されている。また、上カップ部材41aは、一端がアッパケース15の上部に連結されたブラケット45の他端に連結され、支持されている。これにより、オイルストレーナ41のオイルパン3内での位置決めがなされている。さらに、上カップ部材41aには、一端がオイルドレンパイプ31の流出口付近に連結されたブラケット46の他端が連結されている。これにより、オイルドレンパイプ31はオイルストレーナ41に支持され、オイルドレンパイプ31とオイルストレーナ41との相対位置が固定されている。各ブラケット45,46は、ビード加工によって、その剛性が高められている。
オイルポンプは、その駆動軸がクランクシャフト14と無端ベルトによって連結されており、クランクシャフト14の回転力を受けて駆動される。オイルポンプの駆動軸の回転速度は、クランクシャフト14の回転速度に比例して増加する。オイルポンプの駆動軸の回転数が増加するとオイルポンプの吸入圧力が増加する。
オイルポンプが駆動されると、オイルパン3に貯留されたエンジンオイルはオイルストレーナ41の流入口43よりオイルストレーナ41内に吸入される。このとき、オイル内のスラッジや不純物は網42に捕集される。オイルストレーナ41内に流入したエンジンオイルは、オイル供給管44を通過してオイルポンプに入り、オイルポンプからクランクシャフト14のベアリング13の他、図示しないカム軸の軸受や動弁機構の軸受等に圧送される。
図2は図1のII−II断面図であって、オイルストレーナ41の流入口43およびオイルドレンパイプ31の流出口31aの位置を示す。オイルストレーナ41の流入口43およびオイルドレンパイプ31の流出口31aは、いずれもロアケース16の底部16aに相対した状態で、かつロアケース16の底部16aに近接して配置されている。このように配置することによって、流入口43および流出口31aは、エンジンオイルに深く浸漬された状態となる。例えば、エンジンEが運転され、オイルポンプが駆動されると、オイルパン内のエンジンオイルはオイルポンプにより吸入されて、エンジンオイルの液面レベルが低下するが、このような場合にも流入口43および流出口31aは、エンジンオイルの液面下に安定的に維持されるようになる。
また、流入口43および流出口31aは、ロアケース16の前後方向における中央付近に配置されている。流入口43および流出口31aの位置は、エンジンEが搭載される自動車の急加速時(急発進時)および急減速時(急制動時)においても、流入口43および流出口31aがエンジンオイルの液面下に維持されるように設定されている。図2中の二点鎖線Aは自動車が1.0G(9.8m/s2)の加速度で急加速(急発進)した場合、二点鎖線Bは自動車が1.0Gの加速度で急減速(急制動)した場合のエンジンオイルの液面を示している。自動車が急加速した場合には、エンジンオイルには慣性力が加わり、エンジンオイルはオイルパン3内で後方に移動する。流入口43および流出口31aは、このときのエンジンオイルの液面(二点鎖線A)よりも下方に位置するように(すなわち、エンジンオイル中に常に浸漬されるように)配置されている。同様に、自動車が急減速した場合には、エンジンオイルはオイルパン内を前方に移動し、エンジンオイルの液面(二点鎖線B)のようになるが、流入口43および流出口31aはこのときのエンジンオイルの液面(二点鎖線B)よりも下方に位置するように配置されている。
図3は図1のIII−III断面図であって、オイルストレーナ41の流入口43およびオイルドレンパイプ31の流出口31aの位置を示す。流入口43および流出口31aは、ロアケース16の車幅方向における中央付近に配置されている。流入口43および流出口31aの位置は、エンジンEが搭載される自動車の右旋回時および左旋回時においても、流入口43および流出口31aがエンジンオイルに常に浸漬されるように設定されている。図3中の二点鎖線Cは自動車が右旋回して0.8Gの加速度が加わった場合、二点鎖線Dは自動車が左旋回して0.8Gの加速度が加わった場合のエンジンオイルの液面を示している。自動車が右旋回した場合には、エンジンオイルは慣性力によってオイルパン内を左方に移動し、左旋回した場合には、エンジンオイルはオイルパン内を右方に移動する。流入口43および流出口31aは、右旋回時のエンジンオイルの液面(二点鎖線C)および左旋回時のエンジンオイルの液面(二点鎖線D)のいずれよりも下方に位置するように配置されている。
以上のように、急加速時(1.0G)、急減速時(1.0G)、左右旋回時(0.8G)を含む自動車の走行時や停止時のいずれにおいても、流出口31aはエンジンオイルに常に浸漬されているため、ブローバイガスが流出口31aよりオイルドレンパイプ31内に流入することが防止される。オイルドレンパイプ31は、第1〜第3オイル還流通路26,29,30およびオイルセパレータ25を介して吸気系と連通しているため、オイルドレンパイプ31内の圧力は吸気系の吸気負圧を受けて、クランク室17およびオイルパン3内の圧力よりも低圧となっている。そのため、流出口31aがエンジンオイルの液面よりも上方に位置する場合には、ブローバイガスがオイルドレンパイプ31に流入し、オイルセパレータ25のバッフルプレート25e付近を通過することなく、エンジンオイルを含んだ状態で吸気系に流れる現象が発生する。本実施形態では、流出口31aは常にエンジンオイルに浸漬された状態となるため、オイルパン3内のブローバイガスがオイルドレンパイプ31内に流入することはない。
図4は、オイルストレーナ41の流入口43からの距離と、流入口43への吸入圧との関係を示す図である。図中の実線101は、オイルポンプによるオイルストレーナ41の流入口43への吸入圧を示しており、圧力が負の値に大きいほど吸入圧が大きいことを表している。実線101は、エンジンEの最高回転時、すなわちオイルポンプの吸入力が最大のときの吸入圧力を示している。流入口43への吸入圧は、流入口43付近が最も大きく、流入口43から離れるにつれて減少し(圧力が増加し)、流入口43から所定の距離d1で0となる。
図4中の1点鎖線102は、オイルドレンパイプ31の流出口31aに作用する吸気系の吸気負圧を示す。吸気負圧は、オイルストレーナ41の流入口43からの距離にかかわらず一定である。
図4より、流出口31aを流入口43の付近に配置した場合には、流出口31aに作用する吸気負圧より流入口43への吸入圧の方が大きいため、オイルドレンパイプ31内のエンジンオイルは流入口43に吸入される。このとき、オイルドレンパイプ31内にはエンジンオイルに加えて空気が存在するため、エンジンオイルに伴って空気も流入口43に吸入されることになる。すなわち、流入口43への空気の噛み込みが発生する。空気の噛み込みが発生すると、噛み込まれた空気はオイルポンプ内に滞留し、オイルポンプの性能の低下を引き起こす。
一方、流入口43からの距離が、距離d2以上となる位置に流出口31aを配置した場合には、流出口31aに作用する吸気負圧が、流入口43への吸入圧よりも大きくなる。そのため、オイルドレンパイプ31内のエンジンオイルがオイルポンプの吸入圧により流入口43に吸入されることはなく、空気の噛み込みも防止される。本実施形態では、流出口31aと流入口43との距離は、距離d2以上に設定されている。
以上のように構成することによって、オイルドレンパイプ31の流出口31aは、急加速時、急減速時、左右旋回時を含む自動車の走行時や停止時において、常にオイルパン3内のエンジンオイルに浸漬された状態となるため、オイルパン3内のブローバイガスが直接にオイルドレンパイプ31に流入することが防止される。また、オイルドレンパイプ31の流出口31aは、流出口31aに作用する吸気負圧が、流入口43への吸入圧よりも大きくなる位置に配置されているため、オイルドレンパイプ31内の空気のオイルストレーナ41への噛み込みを防止することができる。また、流出口31aの流入口43に対する位置は、オイルドレンパイプ31とオイルストレーナ41とを連結するブラケット46によって固定されているため、自動車の急加速等やエンジンオイルの移動が発生する場合にも両者の位置関係は安定して維持される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、オイル供給通路の上流端にストレーナ41を設けなくてもよい。この場合はオイル供給通路の上流端に形成される流入口が上記の流入口43と同様の要件を満たすように配置することに留意する。その他装置の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
3:オイルパン、9:ブリーザチャンバ(ブローバイガス通路)、15:アッパケース、16:ロアケース、17:クランク室、20:通路(ブローバイガス通路)、25:オイルセパレータ、26:第1オイル還流通路(オイル還流通路)、29:第2オイル還流通路(オイル還流通路)、30:第3オイル還流通路(オイル還流通路)、31:オイルドレンパイプ(オイル還流通路)、31a:流出口、41:オイルストレーナ(オイル供給通路)、43:流入口、44:オイル供給管(オイル供給通路)、E:エンジン(内燃機関)

Claims (2)

  1. オイルパンに貯留されたエンジンオイルを内燃機関の各部に供給するとともに、ブローバイガスから分離したエンジンオイルをオイルパンに還流させる内燃機関の潤滑装置において、
    クランク室と吸気系とを連通させるブローバイガス通路と、
    前記ブローバイガス通路に介装されたオイルセパレータと、
    前記ブローバイガス通路と前記オイルパンとを連通させ、前記オイルセパレータによって分離されたエンジンオイルを前記オイルパンに還流させるオイル環流通路と、
    オイルパンに貯留されたエンジンオイルを内燃機関の各部に供給するオイル供給通路と、
    前記オイル供給通路に設けられたオイルポンプと
    を備え、
    前記オイル供給通路の流入口と前記オイル環流通路の流出口とは、前記内燃機関が搭載される車両の急加速時、急減速時、左右旋回時においても前記オイルパン内のエンジンオイルに浸漬される部位に設けられ、
    前記オイル環流通路の流出口は、前記オイルポンプによる前記オイル供給通路への吸入圧が当該オイル還流通路の流出口に作用する吸気負圧以下となる位置に設けられたことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  2. 前記オイルポンプは、前記内燃機関の回転速度に比例する回転速度をもって駆動され、
    前記オイル還流通路の流出口は、前記内燃機関の最高回転時における前記オイルポンプによる前記オイル供給通路への吸入圧と、当該オイル還流通路の流出口に作用する吸気系による吸入負圧とが概ね等しくなる位置に、前記オイル供給通路の流入口から離れて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のオイル循環装置。
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