JP4066677B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンは、その内部に多くの摺動部や回転部を有するため、潤滑装置を用いて各部に潤滑オイルを供給し、潤滑オイルの働きにより各部の摩擦抵抗を減らし、エンジンの機能を充分に発揮させるようになっている。
【0003】
4サイクルエンジンの潤滑装置の一般的な潤滑オイルの経路は、エンジンのクランクケース下部に一体または別体に設けられたオイルパンに貯留されている潤滑オイルをオイルポンプで吸い上げてエンジン内各潤滑部に圧送するようになっている。
【0004】
そして、エンジン内各潤滑部を潤滑した潤滑オイルは自然落下したり、オイル落とし通路等を経由したりしてオイルパンに戻されるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン停止後しばらく放置された後や、潤滑オイルの交換後、オイルポンプ内に溜まっていた潤滑オイルは重力によりオイルパンに流出して空気と置換されてしまう。その結果、上述した状態後にエンジンを再始動するとオイルポンプの出口より最も近い開放端までの通路抵抗によりオイルポンプはエアロック状態を発生し、エンジンがある回転数以上に達するまで潤滑オイルを汲み上げられなくなり、エンジン始動後の初期状態においてエンジン各部に潤滑オイルを供給できなくなる。
【0006】
そのために、例えば特開平10−196338号公報に示すように、オイルポンプから延びる潤滑油供給通路の比較的オイルポンプに近い箇所に潤滑油供給通路内を大気開口するオリフィス孔を設け、エンジン始動時にオイルポンプ内を含む潤滑油供給通路内の空気をこのオリフィス孔から排出するように構成したものがある。
【0007】
ところが、上述した公報記載の構造ではエンジンの回転数が上昇してオイルポンプから吐出される潤滑オイルの油圧および油温が上昇するとオリフィス孔から潤滑オイルが流出してオリフィス孔より下流の潤滑油供給通路内の油圧(油量)が低下するといった問題を生じる。そのために、オイルポンプの吐出能力を潤滑オイルの流出量が最も多いときに合わせて設定する必要があり、オイルポンプが必要以上に大型化したり、エンジン低回転時に必要以上の潤滑オイルが吐出されたりといった不具合がある。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、オイルポンプを必要以上に大型化することなくエアロック状態の発生を回避可能なエンジンの潤滑装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンの潤滑装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、オイルパン内の潤滑オイルをクランクシャフトによって駆動されるオイルポンプを用いて潤滑経路を介してエンジン各部に圧送すると共に、上記オイルポンプを上記エンジン停止時における上記潤滑オイルの油面より上方に配置したエンジンの潤滑装置において、上記オイルポンプの下流に接続される上記潤滑経路の一部を上記オイルポンプより上方に配置し、この潤滑経路の一部に上記エンジンの内部空間への開口を設けると共に、上記オイルポンプの吐出口の直下流と上記開口の直上流とを、上記潤滑経路より細い経路断面積を備えて上方に向かって延設される連絡通路で連通させたものである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記オイルポンプより上方に配置される上記エンジンの内部空間への開口を、ピストンの周囲を潤滑および冷却する潤滑オイルの噴射孔としたものである。
【0011】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記オイルポンプを構成するケーシングを、複数の部材を向かい合わせて形成し、上記連絡通路をこれらの部材の合わせ面に形成したものである。
【0012】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記連絡通路を略鉛直方向に直線状に形成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、この発明を適用した自動二輪車の一例を示す右側面図である。図1に示すように、この自動二輪車1は図示しないアンダーボーンタイプの車体フレームを有し、その前頭部に設けられた図示しないヘッドパイプに、ハンドルバー2やフロントフェンダ3と共に前輪4を支持するフロントフォーク5が左右に操舵自在に枢着される。
【0015】
車体の中央下部にはエンジン6が搭載される。このエンジン6からはスイングアーム(図示せず)およびチェーンケース8が後方に向かって延設され、これらの後部に駆動輪である後輪9が軸支される。さらに、チェーンケース8の上方には運転シート10が設けられると共に、運転シート10の前下部にはエンジン6の上方および左右を覆うレッグシールド11が配置される。
【0016】
図2は、エンジン6のクランクケース12(後述)の右側面図であり、クラッチカバー13(後述)が取り外された状態を示す。また、図3は図2のIII−III線に沿う断面図を含むエンジン6の平断面図である。図1、図2および図3に示すように、エンジン6は、例えば前から順にシリンダヘッド14およびシリンダブロッ15から構成される一つのシリンダアッセンブリ16がエンジンケース17前部に略水平に、本実施形態においては水平よりやや上方に向かって傾斜した状態で載置された単気筒エンジンである。
【0017】
エンジンケース17は主に、車両の幅方向に二分割される左右のクランクケース12と、クランクケース12の右側面に配置されるクラッチカバー13と、クランクケース12の左側面に配置される発電機カバー18とから構成される。クラッチカバー13および発電機カバー18はそれぞれ車幅方向外側に向かって張出する。
【0018】
さらに、このエンジン6は、シリンダヘッド14内部に吸・排気バルブ(図示せず)開閉用のカム19を備えた一本のカムシャフト20を用いて各バルブを開閉するシングルオーバーヘッドカムシャフト(SOHC)型の動弁機構21を備えた4サイクルエンジンである。
【0019】
シリンダヘッド14の下部にはエンジン排気系を構成するエキゾーストパイプ22およびマフラ23が接続される。また、シリンダアッセンブリ16の上部には図示しないエンジン吸気系を構成するキャブレタが接続され、さらにこのキャブレタの上流側には図示しないエアクリーナが接続される。
【0020】
クランク室内にはクランクシャフト24が車両の幅方向、すなわち車両の進行方向に対して直角に配置される。さらに、シリンダブロッ15の内部にはピストン25を収容するシリンダボア26が形成されると共に、シリンダヘッド14にはこのシリンダボア26に整合する燃焼室27が形成され、この燃焼室27に向かって外方より点火プラグ28が挿着される。
【0021】
クランクシャフト24の略中央部に位置するクランクピン29にはコンロッド30の大端部30aが連結され、また、コンロッド30の小端部30bにはピストンピン31を介してピストン25が連結される。そして、このピストン25がシリンダボア26内をその軸方向に往復し、この往復ストロークがコンロッド30を介してクランクシャフト24に伝達され、クランクシャフト24を回転運動させる。そして、クランクシャフト24の一端、本実施形態においては右端、には例えば遠心式の自動クラッチ機構32が設けられる。
【0022】
一方、クランクケース12の左側面にはこのクランクケース12から隔離された発電機室33が形成される。また、クランクシャフト24の左端は発電機室33内に突出し、この突出端に発電機34が設けられる。そして、発電機室33は前記発電機カバー18によって覆われると共に、クランクシャフト24の発電機34内側にはカムドライブギヤ35が設けられる。
【0023】
また、シリンダヘッド14に配置されたカムシャフト20の一端にはカムスプロケット36が設けられ、このカムスプロケット36はカムチェーン37を介してカムドライブギヤ35に作動連結され、クランクシャフト24の回転がカムチェーン37を介してカムシャフト20に伝達されることにより動弁機構21が作動する。
【0024】
ところで、本発明に係るエンジン6はその内部の摺動部や回転部に潤滑オイル40を供給し、潤滑オイル40の働きにより各部の摩擦抵抗を減らし、エンジン6の機能を充分に発揮させるための潤滑装置38を備える。
【0025】
図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図である。また、図5は潤滑装置38の系統図である。なお、以下に述べる説明において各部材の位置関係はエンジン6を車両に搭載した状態での位置である。図2〜図5に示すように、エンジン6のクランクケース12下部には潤滑オイル40を貯留するオイルパン39がクランクケース12と一体または別体に設けられる。
【0026】
クランクケース12の例えば右側面にはオイルパン39内の潤滑オイル40を吸い上げてエンジン6内各潤滑部に圧送するオイルポンプ41が設けられる。このオイルポンプ41は例えば公知のトロコイドポンプであり、ケーシング42内に形成されたロータ室43内にインナーロータ44とアウターロータ45とを備える。また、ロータ室43の下端はエンジン6停止時におけるオイルパン39内の潤滑オイル40の油面46と同等または高い位置に配置される。
【0027】
ケーシング42は例えば二枚の板状の構成部材、本実施形態においてはインナープレート47とアウタープレート48とをクランクシャフト24の軸方向に向かい合わせて形成され、例えばアウタープレート48のインナープレート47との合わせ面側内部にロータ室43を形成してインナーロータ44とアウターロータ45とを収納すると共に、ケーシング42は複数本の取付ボルト49a〜49cによってクランクケース12の右側面に固定される。
【0028】
ロータ室43内のインナーロータ44にはポンプシャフト50の一端が回転一体に連結される。ポンプシャフト50は前記クランクシャフト24と平行に配置され、そのクランクケース12側端部にはポンプドリブンギヤ51が設けられると共に、このポンプドリブンギヤ51はクランクシャフト24上に設けられたポンプドライブギヤ52に作動連結し、クランクシャフト24が回転することによりオイルポンプ41が駆動されるように構成される。
【0029】
ロータ室43の吸入口53からは、吸入通路54が例えば後下方に向かってアウタープレート48のインナープレート47との合わせ面側内部に形成される。また、ロータ室43の吐出口55からは、吐出通路56が例えば前下方に向かってアウタープレート48のインナープレート47との合わせ面側内部に形成される。
【0030】
一方、クランクケース12内にはオイルパン39から例えば一旦上方に向かって延び、その後クランクケース12の右側面に向かって延びる、潤滑経路であるオイル汲み上げ通路57,58が形成される。これらのオイル汲み上げ通路57,58の上流端にはストレーナ59が設けられて常時オイルパン39内の潤滑オイル40内に位置する。また、オイル汲み上げ通路57,58の下流端はクランクケース12の右側面に臨んで開口し、この開口部60に上記オイルポンプ41の吸入通路54が接続される。
【0031】
他方、クランクケース12内には他の潤滑経路であるメインギャラリ61が形成され、このメインギャラリ61から例えばクランクシャフト24やカムシャフト20の摺動面に向かって他の潤滑経路であるオイル供給路62,63が分岐して形成される。また、メインギャラリ61の上流端はクランクケース12の右側面に臨んで開口し、この開口部64に上記オイルポンプ41の吐出通路56が接続される。
【0032】
さらに、オイル供給路62,63に分岐される以前のメインギャラリ61には潤滑オイル40中の不純物等を濾過するオイルフィルタ65が設けられると共に、このオイルフィルタ65の上流側からはリリーフ通路66が分岐してオイルパン39に向かって延設され、このリリーフ通路66の途中にリリーフ弁67を設けることによりオイルフィルタ65より上流側のメインギャラリ61内の油圧制御を行う(図5参照)。なお、クランクシャフト24やカムシャフト20の摺動面を潤滑した潤滑オイル40はエンジン6の内部空間を自然落下したり、オイル落とし通路(図示せず)等を経由したりしてオイルパン39に戻されるように構成される。
【0033】
クランクケース12内にはピストン25の周囲に潤滑オイル40を供給するピストンジェット68,69が設けられる。本発明に適用したエンジン6は、例えば図2に示すように、上下方向に離間した二箇所のピストンジェット68,69をクランクシャフト24の上方に備える。ピストンジェット68,69は他の潤滑経路であるジェット通路70,71の下流端にシリンダボア26内に指向する、エンジン6の内部空間への開口である噴射孔72,73を設けたもので、ジェット通路70,71はメインギャラリ61から分岐した他の潤滑経路であるオイル供給路74,75に接続される。
【0034】
また、上下のジェット通路70,71はそれぞれオイルポンプ41より高い位置にクランクケース12の右側面からこの面に直交してクランクケース12内のシリンダボア26下端に向かって穿設され、上側のジェット通路70は例えばその開口部76がオイルポンプ41のケーシング42をクランクケース12に固定する取付ボルト49aによって塞がれる(取付ボルト49aが盲栓を兼ねる)。
【0035】
また、下側のジェット通路71はその開口部77がケーシング42、本実施形態おいてはインナープレート47の、クランクケース12側の面によって塞がれる。すなわち、オイルポンプ41のケーシング42はクランクシャフト24の下方から上方に向かって延設される。
【0036】
オイルポンプ41のケーシング42に形成される吐出通路56の、最もロータ室43に近い地点、すなわち吐出口55の直下流からは、その上方に位置する下側のジェット通路71の直上流である開口部77側方に向かって連絡通路78が形成される。この連絡通路78は例えばアウタープレート48のインナープレート47との合わせ面側内部に略鉛直方向に直線状に延びる溝状に形成されると共に、連絡通路78の下流端とジェット通路71の開口部77との間に位置するインナープレート47には両者77,78を連通する連通孔79が穿設される。そして、連絡通路78は潤滑経路を構成するメインギャラリ61やオイル供給路62,63,74,75、ジェット通路70,71より細い経路断面積に設定される。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0038】
エンジン6が始動してクランクシャフト24が回転すると、このクランクシャフト24によってオイルポンプ41が駆動される。オイルポンプ41が作動するとオイルパン39内の潤滑オイル40が潤滑経路を経てエンジン6内各部に圧送される。
【0039】
具体的には、オイルパン39内の潤滑オイル40がオイル汲み上げ通路57,58からケーシング42内の吸入通路54を経て吸入口53からロータ室43に導かれ、インナーロータ44によって加圧されて吐出口55から吐出通路56に吐出される。吐出通路56に吐出された潤滑オイル40はメインギャラリ61から途中オイルフィルタ65によって濾過され、一部はオイル供給路62,63を経てクランクシャフト24やカムシャフト20の摺動面に向かって圧送され、これらの摺動面を潤滑した後、例えばエンジン6の内部空間を自然落下してオイルパン39に戻される。
【0040】
また、オイルフィルタ65によって濾過された残りの潤滑オイル40はオイル供給路74,75からジェット通路70,71を経て、噴射孔72,73からピストン25の周囲に潤滑オイル40を噴射する。噴射された潤滑オイル40はピストン25とシリンダボア26との摺動面や、コンロッド30の小端部30bとピストンピン31との摺動面を潤滑すると共にピストン25の周辺を冷却し、例えばエンジン6の内部空間を自然落下してオイルパン39に戻される。
【0041】
ところで、エンジン6停止後しばらく放置された後や、潤滑オイル40の交換後、オイルポンプ41内に溜まっていた潤滑オイル40は重力によりオイルパン39に流出して空気と置換されてしまい、このような状態でエンジン6を再始動すると従来はオイルポンプ41の吐出口55より最も近い開放端までの通路抵抗によりオイルポンプ41はエアロック状態を発生し、エンジン6がある回転数以上に達するまで潤滑オイル40を汲み上げられなくなり、エンジン6始動後の初期状態においてエンジン6各部に潤滑オイル40を供給できなくなる。
【0042】
本願発明においては、吐出口55の直下流から潤滑オイル40の噴射孔73を有するジェット通路71に向かって連絡通路78が形成されているので、エンジン6を再始動するとオイルポンプ41内の空気は速やかに排出されてエアロック状態を回避する。ジェット通路71は本来潤滑経路の一部を構成しているため、空気の排出後はジェット通路71と連絡通路78とが閉回路となる。その結果、エンジン6始動後にエンジン6の回転数が上昇してオイルポンプ41から吐出される潤滑オイル40の油圧および油温が上昇しても潤滑オイル40が外部に流出することがなく、潤滑経路の油圧の低下を防止する。
【0043】
また、潤滑経路の油圧の低下を防止することができるのでオイルポンプ41の吐出能力を不必要に大きくする必要がなく、オイルポンプ41が必要以上に大型化したり、エンジン6低回転時に必要以上の潤滑オイル40が吐出されたりといった不具合が生じない。
【0044】
さらに、オイルポンプ41内の空気の排出をオイルポンプ41より上方に配置された潤滑オイル40の噴射孔73から行うので、空気が抜け易くなると共に、エンジン6始動後に噴射孔73から噴射される潤滑オイル40に多少の空気が混入してもピストン25周辺の冷却効率を低下させることはない。
【0045】
さらにまた、オイルポンプ41を構成するケーシング42を、複数の構成部材47,48を向かい合わせて形成し、連絡通路78をこれらの構成部材47,48の合わせ面に形成したことにより、連絡通路78の剛性を確保できると共に、部品点数を増加させることなく連絡通路78を確保でき、重量や占有空間の増加を抑制できる。
【0046】
そして、連絡通路78を略鉛直方向に直線状に形成したことにより、空気の排出が滞りなく行えると共に、連絡通路78の形状が簡素化され、形成が容易になる。なお、上述した実施形態においては連絡通路78を潤滑経路より細い経路断面積に設定した例を示したが、必ずしも連絡通路78の全長に亘って細くする必要はない。
【0047】
ところで、従来のクランクケースにおいてはクランクシャフトの下部でオイルポンプの慣性力や重量を受けていたので、必然的にクランクケースの肉厚が厚くなって重量増を招いていたが、オイルポンプ41のケーシング42をクランクシャフト24上方のジェット通路70,71まで延設したことにより、クランクケース12の肉厚を薄くしてもその剛性が低下しない。
【0048】
なお、上述した実施形態においては上側のジェット通路70の開口部76を、オイルポンプ41のケーシング42をクランクケース12に固定する取付ボルト49aで塞ぎ、下側のジェット通路71の開口部77をケーシング42で塞いでこの部位に連絡通路78の下流端とジェット通路71の開口部77とを連通する連通孔79を穿設した例を示したが、詳細には図示しないが連絡通路の下流端を上側のジェット通路の開口部側方まで延設し、オイルポンプのケーシングをクランクケースに固定する取付ボルトを、その内部に連通路が形成されたユニオンボルトとしてもよい。
【0049】
さらに、オイルポンプ41のケーシング42は予めインナープレート47とアウタープレート48とを互いに固定した後にクランクケース12に取り付けてもよく、また、インナープレート47とアウタープレート48とをクランクケース12に取り付ける際に共締めにしてもよい。
【0050】
そして、上述した構成のケーシング42は従来機種のエンジンにも容易に後付けして同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンの潤滑装置によれば、オイルポンプの大型化を招くことなく潤滑経路の油圧の低下を防止しながらもエンジンを再始動後のエアロック状態の回避が行える。
【0052】
また、オイルポンプ内の空気が抜け易くなると共に、ピストン周辺の冷却効率を低下させることもない。さらに、部品点数を増加させることなく空気抜き用の連絡通路を確保できる。さらにまた、空気の排出が滞りなく行えると共に、連絡通路の形状が簡素化され、形成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの潤滑装置の一実施形態を示す自動二輪車の右側面図。
【図2】クランクケースの右側面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図(エンジンの平断面図)。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】潤滑装置の系統図。
【符号の説明】
6 エンジン
12 クランクケース
24 クランクシャフト
38 潤滑装置
39 オイルパン
40 潤滑オイル
41 オイルポンプ
42 ケーシング
46 潤滑オイルの油面
47 インナープレート(ケーシングの構成部材)
48 アウタープレート(ケーシングの構成部材)
49a〜49c 取付ボルト
53 吸入口
55 吐出口
57,58 オイル汲み上げ通路(潤滑経路)
61 メインギャラリ(潤滑経路)
62,63,74,75 オイル供給路(潤滑経路)
68,69 ピストンジェット
70,71 ジェット通路(潤滑経路)
72,73 噴射孔(エンジンの内部空間への開口)
78 連絡通路
79 連通孔

Claims (4)

  1. オイルパン内の潤滑オイルをクランクシャフトによって駆動されるオイルポンプを用いて潤滑経路を介してエンジン各部に圧送すると共に、上記オイルポンプを上記エンジン停止時における上記潤滑オイルの油面より上方に配置したエンジンの潤滑装置において、上記オイルポンプの下流に接続される上記潤滑経路の一部を上記オイルポンプより上方に配置し、この潤滑経路の一部に上記エンジンの内部空間への開口を設けると共に、上記オイルポンプの吐出口の直下流と上記開口の直上流とを、上記潤滑経路より細い経路断面積を備えて上方に向かって延設される連絡通路で連通させたことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 上記オイルポンプより上方に配置される上記エンジンの内部空間への開口を、ピストンの周囲を潤滑および冷却する潤滑オイルの噴射孔とした請求項1記載のエンジンの潤滑装置。
  3. 上記オイルポンプを構成するケーシングを、複数の部材を向かい合わせて形成し、上記連絡通路をこれらの部材の合わせ面に形成した請求項1または2記載のエンジンの潤滑装置。
  4. 上記連絡通路を略鉛直方向に直線状に形成した請求項3記載のエンジンの潤滑装置。
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