JP6286746B2 - エンジンのオイル供給構造 - Google Patents
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また、この場合、オイルジェット用オイル供給路(72)が、一方のケース半体(11R)の壁部に形成された直線状の連通孔(42)と、一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に形成された略円弧状の円弧溝(45)と、によって主に構成されるため、オイルジェット用オイル供給路(72)を比較的簡単な加工によって容易に形成することができる。
さらに、この場合、円弧溝(45)の溝深さの深い接続部(45a)と連通孔(42)が交差するように連通孔(42)を直線的に加工すれば良いため、オイルジェット用オイル供給路(72)を容易に形成することができる。また、円弧溝(45)の接続部(45a)の深さを緩やかに増大させるようにすれば、通路孔(42)から円弧溝(45)に向かうオイルの流れが円滑になり、オイルジェット用オイル供給路(72)における通路抵抗を低減することが可能になる。
図1,図2は、自動二輪車名等の車両に搭載されるパワーユニットPUの右側面と左側面である。また、図3は、パワーユニットPUにおける図1のIII−III断面に対応する断面図である。なお、図中の適所には、車両搭載状態におけるパワーユニットPUの向きを示すために、車両前方を指す矢印FR、車両上方を指す矢印UP、車両左側方を指す矢印LHを記している。
パワーユニットPUは、エンジンEの駆動回転を変速機Mによって変速し、その出力を、伝達機構を介して後輪Wrに伝達する。この実施形態においては、エンジンEと変速機Mが共通のクランクケース11内に収容されて、パワーユニットPUとして一体に形成されている。なお、以下のパワーユニットPUの説明における前後左右等の向きは、特別に断らない限り、パワーユニットPUを車両に搭載したときにおける向きと同一とする。
なお、この実施形態のエンジンEは空冷式の単気筒エンジンであり、シリンダブロック17には単一のシリンダボア17aが設けられている。
なお、図3中の符号28は、キック始動時にクランク軸10を回転させるためのキック軸である。
クランクケース11の底部のクランク軸10の下方位置には、右側のケース半体11Rと左側のケース半体11Lとに跨ってオイルパン60が形成されている。オイルパン60には、エンジンEを含むパワーユニットPU内の各部に供給するオイルが貯留される。右側のケース半体11Rのオイルパン60の下方位置には、オイルパン60とオイルポンプ50の吸入部50aを接続する吸入通路61が形成されている。吸入通路61の上流側には、オイルポンプ50に吸い入れるオイルを濾過するためのオイルストレーナ62が介装されている。
オイルポンプ50は、右側のケース半体11Rの軸方向外側の端面11Rbのうちの、クランク軸10の挿通部の下方に設けられたポンプ設置ベース63(図5参照)に取り付けられている。オイルポンプ50は、例えば、トロコイドポンプ等によって構成され、ポンプ設置ベース63に軸方向外側から取り付けられている。オイルポンプ50は、図8に示すように、クランク軸10から動力を受けて回転するポンプ本体部51がポンプハウジング52に収容されている。ポンプハウジング52には、右側のケース半体11Rの吸入通路61からポンプ本体部51にオイルを吸い入れる上記の吸入部50aと、吸い上げたオイルをポンプ本体部51から外部に吐出する吐出部50bと、が設けられている。
なお、連通孔42の上端部は、クランク軸10の前方側のクランク軸10の軸心とほぼ同高さ位置まで延び、連通孔42の接続孔44との接続位置から連通孔42の上端部にわたる領域は、右側のケース半体11Rの接合面41の前側領域よりも後方側に位置されている。
この実施形態に係るエンジンE(パワーユニットPU)では、オイルストレーナ62と、オイルポンプ50と、オイルジェット用オイル供給路72と、オイルジェット70とが、クランクケース11の軸方向視で、クランクベアリング33の後端を通る鉛直線Pよりも前方側に集約して配置されている。
また、図5に示すように、右側のケース半体11Rの前部側上縁部のシリンダ部12の軸心位置よりも若干後方側位置には、シリンダ部12のカム軸22回りにオイルを供給するシリンダ部側潤滑通路36の通路孔36aが開口している。さらに、右側のケース半体11Rの軸方向外側の端面11Rbのうちの前部側の上縁部には、一端がシリンダ部側潤滑通路36の通路孔36aに連通し、その一端から後方側に向かって延出する通路溝37が形成されている。通路溝37の他端部には、右側のケース半体11Rを内側の分割面11Raに向かって貫通する貫通孔38が連通している。貫通孔38は、右側のケース半体11Rと左側のケース半体11Lの分割面11Ra,11Laに跨って形成された接続路39(図4,図7,図8参照)を介して、左側のケース半体11L側のミッション側潤滑通路48に接続されている。ミッション側潤滑通路48は、メイン軸13回りやカウンタ軸14回りにオイルを供給する。
なお、誘導溝57は、エンジンE内の潤滑必要部位にオイルを供給するメイン通路71の一部を構成しているが、メイン通路71の一部である誘導溝57は、右側のケース半体11Rの円弧溝45とガスケット40を挟んで対向しているため、オイルジェット用オイル供給路72の一部と併設されている。
また、この実施形態の場合、円弧溝45の一端側の接続部45aの溝深さが緩やかに増大するように形成されているため、オイルジェット用オイル供給路72の通路抵抗を低減できるという利点がある。
また、上記のエンジンEを搭載する車両は、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)または四輪の車両であっても良い。
11…クランクケース
11L…ケース半体
11R…ケース半体(一方のケース半体)
12…シリンダ部
30…ケースカバー
33…クランクベアリング
40…ガスケット
42…連通孔
45…円弧溝
45a…接続部
50…オイルポンプ
50b…吐出部
62…オイルストレーナ
70…オイルジェット
71…メイン通路
72…オイルジェット用オイル供給路
P…鉛直線
Claims (7)
- クランク軸(10)を回転自在に支持し、前記クランク軸(10)と交差する分割面で分割された一対のケース半体(11R,11L)を相互に接合して成るクランクケース(11)と、
前記クランクケース(11)に結合され、ピストン(16)を摺動自在に保持するシリンダ部(12)と、
前記一対のケース半体(11R,11L)のうちの一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に取り付けられるケースカバー(30)と、
貯留されたオイルを吐出するオイルポンプ(50)と、
前記一方のケース半体(11R)に取り付けられ、前記オイルポンプ(50)から吐出されたオイルを前記ピストン(16)に向けて噴射するオイルジェット(70)と、を備えたエンジンのオイル供給構造において、
前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)と前記オイルジェット(70)を連通するオイルジェット用オイル供給路(72)が設けられ、
前記オイルジェット用オイル供給路(72)は、前記一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に沿って前記クランク軸(10)の下方側から上方側の前記シリンダ部(12)の直下位置の近傍にわたって形成され、
前記オイルジェット用オイル供給路(72)は、
前記一方のケース半体(11R)の壁部のうちの前記クランク軸(10)の前方側にオフセットした位置に略上下方向に沿って直線状に形成され、前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)に接続される連通孔(42)と、
前記一方のケース半体(11R)の前記軸方向外側の端面(11Rb)のうちの前記クランク軸(10)の前方から上方に向かう領域に略円弧状に形成され、前記連通孔(42)と前記オイルジェット(70)とを接続する円弧溝(45)と、を備え、
前記円弧溝(45)の前記連通孔(42)との接続部(45a)は、溝深さが他の部位に比較して深く形成されていることを特徴とするエンジンのオイル供給構造。 - クランク軸(10)を回転自在に支持し、前記クランク軸(10)と交差する分割面で分割された一対のケース半体(11R,11L)を相互に接合して成るクランクケース(11)と、
前記クランクケース(11)に結合され、ピストン(16)を摺動自在に保持するシリンダ部(12)と、
前記一対のケース半体(11R,11L)のうちの一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に取り付けられるケースカバー(30)と、
貯留されたオイルを吐出するオイルポンプ(50)と、
前記一方のケース半体(11R)に取り付けられ、前記オイルポンプ(50)から吐出されたオイルを前記ピストン(16)に向けて噴射するオイルジェット(70)と、を備えたエンジンのオイル供給構造において、
前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)と前記オイルジェット(70)を連通するオイルジェット用オイル供給路(72)が設けられ、
前記オイルジェット用オイル供給路(72)は、前記一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に沿って前記クランク軸(10)の下方側から上方側の前記シリンダ部(12)の直下位置の近傍にわたって形成され、
前記オイルジェット用オイル供給路(72)は、
前記一方のケース半体(11R)の壁部のうちの前記クランク軸(10)の前方側にオフセットした位置に略上下方向に沿って直線状に形成され、前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)に接続される連通孔(42)と、
前記一方のケース半体(11R)の前記軸方向外側の端面(11Rb)のうちの前記クランク軸(10)の前方から上方に向かう領域に略円弧状に形成され、前記連通孔(42)と前記オイルジェット(70)とを接続する円弧溝(45)と、を備え、
前記円弧溝(42)は、前記一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面に配置されるガスケット(40)とともに前記オイルジェット用オイル供給路(72)の一部を形成することを特徴とするエンジンのオイル供給構造。 - 前記オイルポンプ(50)は、前記一方のケース半体(11R)の軸方向外側の端面(11Rb)に取り付けられ、
前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)は、前記クランクケース(11)の軸方向視で前記連通孔(42)とラップする位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンのオイル供給構造。 - 前記オイルポンプ(50)と、前記オイルポンプ(50)の上流側に配置されるオイルストレーナ(62)と、前記オイルジェット用オイル供給路(72)と、前記オイルジェット(70)とは、前記クランクケース(11)の軸方向視で、前記クランク軸(10)を支持するクランクベアリング(33)の後端を通る鉛直線(P)よりも前方側に集約して配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンのオイル供給構造。
- 前記オイルポンプ(50)の吐出部(50b)には、エンジンの他のオイル供給部にオイルを供給するメイン通路(71)と、前記オイルジェット用オイル供給路(72)が並列に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンのオイル供給構造。
- 前記メイン通路(71)は、前記ケースカバー(30)から前記一方のケース半体(11R)にかけて形成され、前記オイルジェット用オイル供給路(72)は、前記一方のケース半体(11R)に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエンジンのオイル供給構造。
- 前記メイン通路(71)の一部は、前記一方のケース半体(11R)と前記ケースカバー(30)の接合部に介装されるガスケット(40)によって前記オイルジェット用オイル供給路(72)と仕切られ、当該オイルジェット用オイル供給路(72)の一部と並設されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンのオイル供給構造。
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