JP2008025347A - ブローバイガス還元装置のオイル回収構造 - Google Patents

ブローバイガス還元装置のオイル回収構造 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルセパレータから回収されるオイル中の水分量の減少を図ることができるブローバイガス還元装置のオイル回収構造を提供する。
【解決手段】シリンダヘッドからシリンダブロック1に亘って、上端がカム室に下端がクランク室にそれぞれ開口するオイル戻し通路1bを形成する。このオイル戻し通路1b内に二重管構造で成る熱交換器10を収容する。熱交換器10のオイル回収外側通路に上記カム室から回収される潤滑用オイルを流し、熱交換器10のオイル回収内側通路にPCV装置のセパレータケース92から回収された分離オイルを流す。潤滑用オイルの熱を分離オイルに与えることで分離オイル中の水分が蒸発し、オイルパンに流れ込む水量を減少させることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)のブローバイガス中に含まれるオイルミスト(霧状となったエンジンオイル等)をオイルセパレータで分離し、このオイル分離後のブローバイガスをエンジンの吸気系へ送るブローバイガス還元装置(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)のオイル回収構造に係る。特に、本発明は、オイルセパレータにおいてブローバイガスから分離された後に回収されるオイル中の水分量を抑制するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジンには、シリンダとピストンとの隙間からクランクケース内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くためのPCV装置が備えられている。つまり、このPCV装置によって、一酸化炭素や炭化水素等を含むブローバイガスをエンジンの吸気系を経て燃焼室に送り込み、このブローバイガスの大気中への放出を防止している。
また、下記の特許文献1にも開示されているように、このPCV装置はオイルセパレータを備えている。このオイルセパレータによって、ブローバイガス中に含まれているオイルミストが分離され、このオイルがオイルパン等のオイル溜まり部へ送られる一方、オイルミストが分離除去された後のブローバイガスがエンジンの吸気系に還流されるようになっている。
尚、オイルセパレータの内部には、オイルミストを分離するためのオイル分離機構が収容されている。例えば、オイルセパレータ内部に複数のバッフルプレートが配置されてブローバイガス流路が迷路状に構成されたものや、パンチングプレート及びバッフルプレートが配置されたものが一般に知られており、オイルセパレータ内部をブローバイガスが流れていく間に所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉されるようになっている。
また、上記オイルセパレータの配置形態としては、特許文献2に開示されているようにエンジンのシリンダヘッドカバー(以下、単にヘッドカバーという)の内部に配置されるものや、特許文献3に開示されているようにヘッドカバーの外部(例えばV型エンジンにおける左右の各バンクの間)に配置されるものが知られている。
実公平6−45611号公報 実開昭61−39423号公報 特開2003−27955号公報
ところで、上記オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルはオイル回収管等のオイル回収経路を経てオイルパンに回収されることになるが、このオイル回収経路は、設置スペースの制約から、外気に晒される位置に配設される場合が多く、このオイル回収経路内部は比較的低い温度(例えば冬期であれば5℃程度)になっている。このため、オイルセパレータで分離されてオイルパンに向けて回収されるオイル中に多くの水分が含まれている場合、この水分は蒸発することなく、そのままオイルと共にオイルパンに回収されることになる。
このような状況が継続するとオイルパンに貯留されているオイル中の水分量が著しく増大してしまう可能性があり、この場合、クランクケース内のブローバイガス中の酸化窒素成分(NOx)と水分とが結合してスラッジが発生してしまう虞がある。そして、このスラッジが大量に発生した場合には、オイルの劣化に伴って潤滑性能が悪化したり、ブローバイガス回収経路等がスラッジによって閉塞されてブローバイガス回収動作が円滑に行えなくなるといった状況を招いてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルセパレータから回収されるオイル中の水分量の減少を図ることができるブローバイガス還元装置のオイル回収構造を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルを、内燃機関における潤滑用オイルを利用して加熱することでオイル中の水分量を減少できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータによってオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造を前提とする。このオイル回収構造に対し、上記オイルセパレータで分離されたオイルをオイル溜まり部側へ向けて送る分離オイル回収通路を、内燃機関本体に形成され且つこの内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路に隣接して配置させ、これにより、このオイル戻し通路内を流れるオイルの熱が上記分離オイル回収通路内を流れるオイルに与えられる構成としている。
この特定事項により、クランクケース内からオイルセパレータへ導入されたブローバイガスは、オイルミストが分離除去された後に内燃機関の吸気系へ送られる。また、ブローバイガスから分離されたオイルは分離オイル回収通路を経てオイル溜まり部側へ送られる。本解決手段では、この分離オイル回収通路が、内燃機関本体を経た潤滑用オイルが流れるオイル戻し通路に隣接して配置されており、このオイル戻し通路内を流れる潤滑用オイルの熱が分離オイル回収通路内を流れるオイルに与えられる。つまり、オイルセパレータから流出して分離オイル回収通路を流れるオイルが、オイル戻し通路内を流れる潤滑用オイルによって加熱される状況となる。このため、この熱によりオイルセパレータから流出したオイル中の水分が蒸発することになり、オイル溜まり部におけるオイル内の水分量(油中水分量)の増加を抑制できて、ブローバイガス中の酸化窒素成分(NOx)と水とが結合してスラッジが発生してしまうといった状況を抑制できる。このため、スラッジによるオイルの劣化を防止することができ、また、ブローバイガス回収経路等がスラッジによって閉塞されてブローバイガス回収動作が円滑に行えなくなるといった状況を招くこともなくなる。
上記オイル同士の間で熱交換を行うための構成として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、オイル戻し通路内を流れるオイルの熱を、分離オイル回収通路内を流れるオイルに与えるための熱交換部分を二重管構造とし、外側の流路及び内側の流路のうち一方がオイル戻し通路となり他方が分離オイル回収通路となる構成としている。
この場合、上記熱交換部分の外側の流路をオイル戻し通路としてシリンダヘッドの内部空間に連通させてこのシリンダヘッドからオイルを回収する構成とする一方、熱交換部分の内側の流路を分離オイル回収通路としてオイルセパレータの内部空間に連通させてこのオイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルを回収する構成とする。
これら特定事項によれば、オイル戻し通路と分離オイル回収通路とを互いに連通させることなしに高い熱交換効率で分離オイル回収通路内のオイルが加熱されることになる。上記オイルセパレータのケース内部にはブローバイガスを内燃機関の吸気系に戻すための吸入負圧が作用しており、特に内燃機関の高回転時にあってはケースの内部圧力はオイル戻し通路の内部圧力よりも低くなっているが、上述した如く、オイル戻し通路と分離オイル回収通路とを互いに連通させないことで、オイル戻し通路内の空気が分離オイル回収通路を経由してケース内に流れ込むといった気流は生じないことになる。従って、オイルセパレータのケース内で分離したオイルを、分離オイル回収通路を経て内燃機関のオイル溜まり部側へ容易に送り出すことが可能になり、オイルセパレータの「オイル切り」が良好になる。
分離オイル回収通路のより具体的な構成として、その下流端を、オイル溜まり部内に貯留されているオイル内に浸漬させている。例えば、分離オイル回収通路をオイル溜まり部に向けて延びる配管により構成し、この配管の下端をオイル溜まり部内のオイルに浸漬させる構成とする。これによれば、所謂サイフォン効果により分離オイル回収通路内でのブローバイガスの逆流を阻止することができ、これによってもオイルセパレータの「オイル切り」が良好に行えることになる。
内燃機関の具体構成及びそれに適したオイル戻し通路と分離オイル回収通路との配設状態として具体的には以下のものが挙げられる。内燃機関はV型多気筒エンジンで成り、一方のバンクのシリンダと他方のバンクのシリンダとが互いに気筒配列方向にずれて配設されていて、各バンクそれぞれにおける気筒配列方向の一方側には相手側バンクに対向するデッドスペースをそれぞれ有している。そして、オイル戻し通路及び分離オイル回収通路を、一方のバンクの上記デッドスペースに配設した構成としている。
これにより、上記デッドスペースを有効に利用し、エンジンの大型化を招くことのないオイル戻し通路及び分離オイル回収通路の配設状態を得ることができる。また、これら通路の内径の大形化を図ることも可能であり、オイル回収性能の向上を図ることもできる。
本発明では、オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルを内燃機関における潤滑用オイルを利用して加熱することでオイル中の水分量の減少を図っている。このため、ブローバイガス中の酸化窒素成分と水とが結合してスラッジが発生してしまうといった状況を抑制でき、スラッジによるオイルの劣化を防止することができ、また、ブローバイガス回収経路等がスラッジによって閉塞されてブローバイガス回収動作が円滑に行えなくなるといった状況を回避できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るオイル回収構造を自動車用V型8気筒エンジン(内燃機関)に適用した場合について説明する。
−エンジン全体構成の説明−
オイル回収構造を説明する前に本実施形態に係るエンジンの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るV型エンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。また、図2は、このエンジンE及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。
これら図に示すように、V型エンジンEは、シリンダブロック1の上部にV型に突出した一対のバンク2L,2Rを有している。各バンク2L,2Rは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3L,3Rと、その上端に取り付けられたヘッドカバー4L,4Rとをそれぞれ備えている。上記シリンダブロック1には複数のシリンダ5L,5R,…(例えば各バンク2L,2Rに4個ずつ)が所定の挟み角(例えば90°)をもって配設されており、これらシリンダ5L,5R,…の内部にピストン51L,51R,…が往復移動可能に収容されている。また、各ピストン51L,51R,…はコネクティングロッド52L,52R,…を介してクランクシャフトCに動力伝達可能に連結されている。更に、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、上記シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6の更に下側にはオイル溜まり部となるオイルパン62が配設されている。
また、上記シリンダヘッド3L,3Rには吸気ポート31L,31Rを開閉するための吸気バルブ32L,32R及び排気ポート33L,33Rを開閉するための排気バルブ34L,34Rがそれぞれ組み付けられており、シリンダヘッド3L,3Rとヘッドカバー4L,4Rとの間に形成されているカム室41L,41Rに配置されたカムシャフト35L,35R,36L,36Rの回転によって各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作が行われるようになっている。
また、本実施形態に係るエンジンEのシリンダヘッド3L,3Rは分割構造となっている。詳しくは、シリンダブロック1の上面に取り付けられるシリンダヘッド本体37L,37Rと、このシリンダヘッド本体37L,37Rの上側に組み付けられるカムシャフトハウジング38L,38Rとによりシリンダヘッド3L,3Rが構成されている。このような分割構造とした理由は、エンジン構成部品の組み付け作業性を良好にするためである。つまり、シリンダヘッド本体37L,37Rに上記吸気バルブ32L,32R、排気バルブ34L,34R、動弁機構の各種部品を組み付けておく一方、カムシャフトハウジング38L,38Rにカムシャフト35L,35R,36L,36Rを支持させておく。その後、シリンダヘッド本体37L,37Rの上側にカムシャフトハウジング38L,38Rをボルト止め等の手段によって一体的に組み付けることで動弁機構が組み付けられたシリンダヘッド3L,3Rが完成する。これにより、エンジン構成部品の組み付け作業性が良好になる。
一方、上記各バンク2L,2Rの内側(バンク間側)の上部には各バンク2L,2Rに対応する吸気マニホールド7L,7Rが配設されており、各吸気マニホールド7L,7Rの下流端が各吸気ポート31L,31R,…に連通している。また、この吸気マニホールド7L,7Rは、各バンク共通のサージタンク71(図2参照)及びスロットルバルブ72を備えた吸気管73に連通されており、この吸気管73の上流側にはエアクリーナ74が設けられている。これにより、上記エアクリーナ74から吸気管73内に導入された空気は、サージタンク71を通じて各吸気マニホールド7L,7Rに導入される。
上記シリンダヘッド3L,3Rの吸気ポート31L,31Rにはポート噴射インジェクタ(ポート噴射燃料噴射弁)75L,75Rがそれぞれ設けられており、このポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時にあっては、吸気マニホールド7L,7R内に導入された空気と、このポート噴射インジェクタ75L,75Rから噴射された燃料とが混合されて混合気となり、吸気バルブ32L,32Rの開弁に伴って燃焼室76L,76Rへ導入されることになる。
また、本実施形態に係るエンジンEは、筒内直噴インジェクタ(筒内直噴燃料噴射弁)78L,78Rも備えており、この筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射時にあっては、燃焼室76L,76Rへ燃料が直接噴射されるようになっている。
尚、上記ポート噴射インジェクタ75L,75R及び筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射形態の一例として、エンジンEの低中負荷時には、両インジェクタ75L,75R,78L,78Rからの燃料噴射を行って均質な混合気を生成し、燃費の改善及び低エミッション化を図るようにする。また、エンジンEの高負荷時には、筒内直噴インジェクタ78L,78Rのみからの燃料噴射を行って吸気冷却効果による充填効率の向上及びノッキングの抑制を図るようにしている。これらインジェクタ75L,75R,R78L,78Rの燃料噴射形態としてはこれに限るものではない。
上記燃焼室76L,76Rの頂部には点火プラグ77L,77Rが配設されている。上記燃焼室76L,76Rにおいて、点火プラグ77L,77Rの点火に伴う混合気の燃焼圧力はピストン51L,51Rに伝えられ、ピストン51L,51Rを往復運動させる。このピストン51L,51Rの往復運動はコネクティングロッド52L,52Rを介してクランクシャフトCに伝えられ、回転運動に変換されてエンジンEの出力として取り出されることになる。また、上記各カムシャフト35L,35R,36L,36Rは、クランクシャフトCから取り出される動力がタイミングチェーンによって伝達されて回転駆動され、この回転によって上記各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作を行わせる。
上記燃焼後の混合気は排気ガスとなり、排気バルブ34L,34Rの開弁に伴い排気マニホールド8L,8Rに排出される。排気マニホールド8L,8Rには排気管81L,81Rがそれぞれ接続され、更に、排気管81L,81Rには三元触媒等を内蔵した触媒コンバータ82L,82Rが取り付けられている。この触媒コンバータ82L,82Rを排気ガスが通過することにより、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。また、上記排気管81L,81Rの下流端側は合流されてマフラ83に接続されている。
−PCV装置の説明−
次に、PCV装置9について説明する。このPCV装置9は、シリンダ5L,5Rの内面とピストン51L,51Rの外面との隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くためのものである。
上記PCV装置9は、シリンダブロック1上の各バンク2L,2R間に配置されたオイルセパレータ91を備えている。また、このオイルセパレータ91は、セパレータケース92、このセパレータケース92にそれぞれ接続されるオイル排出配管93及びブローバイガス排出ホース94を備えている(図3〜図6を参照)。図3及び図4は、シリンダブロック1上にオイルセパレータ91が設置された状態を示す斜視図であって、図3はエンジン前側から見た図であり、図4はエンジン後側から見た図である。また、図5及び図6は、上記オイルセパレータ91が各バンク2L,2R間に設置された状態を示しており(エンジンEの外形及びクランク室61の形状を仮想線で示している)、図5はエンジンEを前側から見た図であり、図6はエンジンEを後側から見た図である。更に、図7はオイルセパレータ91の斜視図である。
以下、オイルセパレータ91を構成する各部材について説明する。
(セパレータケース92)
セパレータケース92は、クランク室61からブローバイガス回収経路Aを経て抜き出されたブローバイガスからオイルミストを分離するためのものであって、シリンダブロック1上の各バンク2L,2R間の上面にボルト止め等の手段によって取り付けられている。尚、上記ブローバイガス回収経路Aは、上記シリンダブロック1と、このシリンダブロック1の前面側に取り付けられたチェーンカバーとの間の空間(上記タイミングチェーンが配設される空間)を利用して形成されている。つまり、このブローバイガス回収経路Aは、その下端がクランク室61内に連通しており、クランク室61内に吹き抜けたブローバイガスが、クランク室61の内部圧力とセパレータケース92の内部圧力との差圧によりブローバイガス回収経路Aを上向きに流れるようになっている。
また、シリンダブロック1には、図5に示すように一端が上記ブローバイガス回収経路Aに、他端がバンク2L,2R間の上面に開口するブローバイガス通路1aが形成されており、後述するセパレータケース92のブローバイガス導入口92eが、このブローバイガス通路1aに連通されている。これにより、ブローバイガス回収経路A内のブローバイガスが、このブローバイガス通路1a及びブローバイガス導入口92eを経てセパレータケース92内に導入される構成となっている。
そして、図7に示すように、セパレータケース92は、樹脂製のロアケース92aとアッパケース92bとが振動溶着等の手段によって一体的に組み付けられて内部にブローバイガス流路が形成されている。詳しくは、図3及び図4に示すように、セパレータケース92は、クランクシャフトCの軸心に沿う方向を長手方向とする容器で成り、その内部には、パンチングプレートやバッフルプレート等で成るオイル分離機構が収容されている。
そして、このセパレータケース92の長手方向の一方側(エンジンEの前側)はブローバイガス導入部92c及びブローバイガス排出部92dに分岐されている。このブローバイガス導入部92cの底面には上記ブローバイガス導入口92eが形成されている一方、ブローバイガス排出部92dの上面にはブローバイガス排出口が形成されている。また、このセパレータケース92の長手方向の他方側(エンジンEの後側)の側面にはオイル排出口が形成されている。そして、上記ブローバイガス排出部92dのブローバイガス排出口には上記ブローバイガス排出ホース94が、オイル排出口には上記オイル排出配管93がそれぞれ接続されている。
つまり、このセパレータケース92の内部において上記オイル分離機構によりブローバイガスからオイルミストが分離され、その後、ブローバイガスは、ブローバイガス排出口からブローバイガス排出ホース94に流出されるようになっている。
一方、分離後のオイルはオイル排出口に達し、オイル排出配管93によりオイルパン62に向けて流下されることになる。このオイル回収のための構成については後述する。
尚、上記セパレータケース92の容量、各開口の寸法は、エンジンEの排気量やブローバイガスの発生量等に適したブローバイガス回収能力が発揮できるように適宜設計されている。
(ブローバイガス排出ホース94)
ブローバイガス排出ホース94は、上記セパレータケース92においてオイルが分離除去された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管であって、上述した如く上流端が上記ブローバイガス排出部92dのブローバイガス排出口に接続され、下流端がサージタンク71に接続されている。これにより、ブローバイガスを、サージタンク71を介してエンジンEの吸気系に戻すようにしている。
また、このブローバイガス排出ホース94の上流端部にはPCVバルブ95が設けられている。このPCVバルブ95が吸気負圧等によって開弁することによりセパレータケース92内のブローバイガスがブローバイガス排出ホース94に流出されてサージタンク71に導入されるようになっている。
(オイル排出配管93)
オイル排出配管93は、上述した如くセパレータケース92内で分離されたオイルをオイルパン62に戻すためのものであって、図4、図6及び図8(この図8ではオイル排出配管93及び後述する熱交換器10を実線とし、セパレータケース92及び左バンク2Lを仮想線としている)に示すように、上流端が上記セパレータケース92の側面に形成された上記オイル排出口に接続されている一方、下流端がシリンダブロック1の片側のバンク(本実施形態では左バンク2L)の後方側の面21に接続されている。
図9はこのオイル排出配管93を示しており、図9(a)はオイル排出配管93の平面図、図9(b)はオイル排出配管93の正面図である。このように、このオイル排出配管93は、セパレータケース92のオイル排出口に接続される上流側コネクタ93a及びシリンダブロック1の後方側の面21に接続される下流側コネクタ93bを備えていると共に、複数のブラケット93c,93c,…によってシリンダブロック1の後方側の面21に支持されている。
上記シリンダブロック1の左バンク2Lの内部には、上端がカム室41Lに、下端がクランク室61にそれぞれ開口するオイル戻し通路1bがシリンダヘッド3Lからシリンダブロック1に亘って形成されており、シリンダブロック1の後方側の面21には、このオイル戻し通路1bに対向する位置に接続開口1cが形成されている(図6参照)。このオイル戻し通路1bには、カム室41L内に供給されて動弁系を潤滑した後のオイルがオイルパン62に向けて流れ込んでいる。そして、上記オイル排出配管93の下流端は、上記下流側コネクタ93bを介して上記接続開口1cに接続されている。
上記オイル戻し通路1bの形成位置について説明する。上述した如く本実施形態に係るエンジンEはV型である。この種のエンジンでは、各バンク2L,2Rのコネクティングロッド52L,52R同士の干渉を避けるために、各バンク2L,2Rのシリンダ5L,5Rの位置は、互いに気筒配列方向にずれて配設されている。このため、各バンク2L,2Rそれぞれにおける気筒配列方向の一方側には相手側バンクに対向するデッドスペースをそれぞれ有している。具体的には図3及び図4に示すように、本実施形態におけるエンジンEでは、左側バンク2Lが右側バンク2Rに対して気筒配列方向の前側に僅かにずれた位置に配設されている。このため、上記デッドスペースは、左側バンク2Lの気筒配列方向の後側及び右側バンク2Rの気筒配列方向の前側にそれぞれ存在している。図4における範囲Dは、この左側バンク2Lの気筒配列方向後側のデッドスペースを示している。
本実施形態では、左側バンク2Lの気筒配列方向後側のデッドスペースDに上記オイル戻し通路1bを形成している。これにより、上記デッドスペースDを有効に利用し、エンジンEの大型化を招くことなしに比較的大径のオイル戻し通路1bを配設できるようになっている。このように大径のオイル戻し通路1bを配設することにより、高いオイル回収性能を得ることができる。
本実施形態の特徴の一つとして、上記シリンダブロック1の内部に形成されている上記オイル戻し通路1bには、熱交換器10が収容されている。この熱交換器10は、上記カム室41Lからオイル戻し通路1bに流れ込んでくるオイルと、上記セパレータケース92においてブローバイガスから分離されてオイル排出配管93を流れてきたオイルとを合流させることなく熱交換を行わせるものである。以下の説明では、この両オイルを識別するために、カム室41Lからオイル戻し通路1bに流れ込んでくるオイルを「潤滑用オイル」と呼び、オイルセパレータ91によりブローバイガスから分離されてオイル排出配管93を流れてくるオイルを「分離オイル」と呼ぶこととする。以下、熱交換器10について説明する。
図10は熱交換器10の正面図である。また、図11(a)は図10におけるXI−XI線に沿った断面図であり、図11(b)は図11(a)におけるB−B線に対応した位置における熱交換器10の断面図である。
これら図に示すように、熱交換器10は、アウタパイプ11とインナパイプ12とが一体的に接合された構成となっている。アウタパイプ11は、上記オイル戻し通路1bの内径寸法よりも僅かに小さい外径寸法を有する金属製の筒体で成り、その上端部及び下端部にはそれぞれゴムパッキン11a,11bが装着されている。これらゴムパッキン11a,11bの外径寸法は、上記オイル戻し通路1bの内径寸法に等しいか、またはオイル戻し通路1bの内径寸法よりも僅かに大きく設定されている。これにより、熱交換器10がオイル戻し通路1bに収容された状態では、各ゴムパッキン11a,11bがオイル戻し通路1bの内面に密着して、オイル戻し通路1b内における熱交換器10の収容状態が保持されると共に、熱交換器10の外周部分のシール性が確保される。
一方、インナパイプ12は、上記アウタパイプ11の外径寸法の約半分の外径寸法を有する金属製の筒体で成り、アウタパイプ11の内周面に溶接等の手段によって一体的に接合されている。これらアウタパイプ11及びインナパイプ12の接合面同士は平坦面で形成されている。インナパイプ12の上端部は扁平形状に押し潰されて閉塞されている。このため、インナパイプ12は下方に開放する筒体として形成されている。
そして、上記アウタパイプ11とインナパイプ12との接合面における上下2箇所には、アウタパイプ11の外側空間とインナパイプ12の内側空間とを連通する連通孔13,14が形成されている。上側の連通孔13は、上記オイル排出配管93を流れてきた分離オイルをインナパイプ12の内側空間(分離オイル回収通路)S2に導入するための孔であり、下側の連通孔14は、上記アウタパイプ11とオイル戻し通路1bの内面との間の空間に流れ込んだ分離オイルをインナパイプ12の内側空間S2に導入するための孔である。
このように、熱交換器10は二重管構造で構成されており、この二重管構造の外側の空間(アウタパイプ11の内面とインナパイプ12の外面との間の空間)S1(以下、オイル回収外側通路と呼ぶ)に、上記カム室41Lから流下する潤滑用オイルが流れる。一方、二重管構造の内側の空間(インナパイプ12の内側空間)S2(以下、オイル回収内側通路と呼ぶ)に上記オイル排出配管93を流れてきた分離オイル(オイルセパレータ91によって分離されたオイル)が流れるようになっている。
図12は、上記オイル戻し通路1bの延長方向に沿ってシリンダブロック1を切断した図であって、オイル戻し通路1bの内部に熱交換器10が収容されており、シリンダブロック1の後方側の面21に形成されている接続開口1cにオイル排出配管93の下流端である下流側コネクタ93bが接続された状態における熱交換器10と下流側コネクタ93bとの位置関係を示す図である。
この図に示すように、下流側コネクタ93bは熱交換器10の上側の連通孔13に対向しており、この下流側コネクタ93bから流出した分離オイルの大部分は上側の連通孔13からインナパイプ12の内側空間S2に導入される(図12における矢印O1参照)一方、一部の分離オイルは上記アウタパイプ11とオイル戻し通路1bの内面との間に流れ込んでその空間S3に溜まり、その量が一定量を超えると、下側の連通孔14よりインナパイプ12の内側空間S2に導入されるようになっている(図12における矢印O2参照)。
上記アウタパイプ11の下端は上記オイル戻し通路1bの内部で開放されている。このため、上記オイル回収外側通路S1を流れた潤滑用オイルは、熱交換器10からオイル戻し通路1bに流れ出て(図12における矢印O3参照)、クランク室61の内壁面に沿いオイルパン62に向けて流下することになる。
一方、インナパイプ12の下端にはオイル回収パイプ15が接続されている。図13はこのオイル回収パイプ15を示しており、図13(a)はオイル回収パイプ15の正面図、図13(b)はオイル回収パイプ15の側面図である。このように、このオイル回収パイプ15は、上端部にコネクタ15aが設けられており、このコネクタ15aが上記熱交換器10のインナパイプ12の下端に挿入されて接続されている。一方、このオイル回収パイプ15の下端は、オイルパン62の底部近傍まで延び、このオイルパン62内のオイルに浸漬されている(図1及び図6参照)。尚、このオイル回収パイプ15は取付ブラケット15bによってクランク室61の内面に支持されている。
図14は、オイルパン62の平面図である。この図に示すように、オイルパン62の隅角部(図中左下の隅角部)にはオイルパン62の底部から上方に立ち上がる隔壁62aが設けられており、この隔壁62aとオイルパン62の外周壁62bとによって、オイルパン62の中央部のオイル貯留空間αから隔離され且つ所定量以上のオイルを常時貯留しておくためのオイル保持空間βが形成されている。そして、上記オイル回収パイプ15の下端は、このオイル保持空間βに貯留されているオイルに浸漬されている。図14の仮想線が、オイル保持空間βに対するオイル回収パイプ15の挿入位置を示している。
以上の如く、熱交換器10に流入した各オイル(潤滑用オイル及び分離オイル)は、それぞれ異なる空間S1,S2を流れ、個別にオイルパン62に回収されるようになっている。
−PCV装置9の動作説明−
次に、上述の如く構成されたPCV装置9の動作及び上記熱交換器10による作用について説明する。エンジンEの圧縮行程や膨張行程においてシリンダ5L,5Rとピストン51L,51Rとの隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスは、上記シリンダブロック1とチェーンカバーユニットとの間の空間であるブローバイガス回収経路Aを経た後、ブローバイガス通路1a及びブローバイガス導入口92eよりセパレータケース92内に導入される。このセパレータケース92内に流れ込んだブローバイガスは、オイル分離機構によりオイルミストが分離される。
そして、オイルミストが分離除去されたブローバイガスは、セパレータケース92におけるブローバイガス排出部92dのブローバイガス排出口に達し、PCVバルブ95の開放動作に伴ってブローバイガス排出ホース94に流出されてサージタンク71より吸気系に導入される。
一方、分離後の分離オイルは、セパレータケース92のオイル排出口に達して、オイル排出配管93に排出され、このオイル排出配管93及び上記二重管構造で構成されている熱交換器10におけるインナパイプ12の内側空間(オイル回収内側通路)S2に導入される。この内側空間S2を流れる際、分離オイルは、アウタパイプ11の内面とインナパイプ12の外面との間の空間であるオイル回収外側通路S1を流れている潤滑用オイルとの間で熱交換が行われる。
この潤滑用オイルは、上記カムシャフト35L,36L等を潤滑してカム室41Lからオイル回収外側通路S1に流れ込んでいるため、シリンダヘッド3Lやシリンダブロック1から熱を受けて比較的高温度(例えば80℃)になっており、オイルセパレータ91からオイル排出配管93を経てオイル回収内側通路S2を流れる分離オイルよりも温度が高くなっている。このため、熱交換器10においては、オイル回収外側通路S1を流れる潤滑用オイル(図12における矢印O3参照)の熱がオイル回収内側通路S2を流れる分離オイル(図12における矢印O1,O2参照)に与えられ、この分離オイルが温度上昇することになる。
このようにして分離オイルが温度上昇することで、この分離オイル中に含まれている水分が蒸発することになり、オイルパン62に流れ込む水量が減少する。その結果、オイルパン62に貯留されているオイル内の水分量(油中水分量)の増加を抑制できて、ブローバイガス中の酸化窒素成分(NOx)と水とが結合してスラッジが発生してしまうといった状況を抑制できる。このため、スラッジによるオイルの劣化を防止することができ、また、ブローバイガス回収経路等がスラッジによって閉塞されてブローバイガス回収動作が円滑に行えなくなるといった状況を招くことがなくなり、良好なオイル分離回収機能を発揮させることができる。
熱交換器10を経た分離オイルは、オイル回収パイプ15によりオイルパン62のオイル保持空間βに流下して回収される。
尚、エンジンEには、クランク室61内に新気を導入するための新気導入路が形成されており、上述したブローバイガス還元動作に伴って、この新気導入路からクランク室61内に新気が導入されてクランク室61の換気が行われている。この新気導入路として具体的には、例えば上記吸気管73内を流れている空気の一部をクランク室61に導入する構成が挙げられる。
また、上述した如く、熱交換器10のインナパイプ12の下端部に接続されているオイル回収パイプ15の下端はオイルパン62内のオイルに浸漬されている。このため、オイル回収パイプ15の内部空間及び熱交換器10のオイル回収内側通路S2内でのブローバイガスの逆流を阻止することができ、オイルセパレータ91の「オイル切り」が良好に行えることになる。
更に、熱交換器10を二重管構造としたことで、オイル排出配管93がオイル回収外側通路S1内の空気層に臨むことがなくなる。上記セパレータケース92の内部にはブローバイガスをエンジンEの吸気系に戻すための吸入負圧が作用しているため、特にエンジンEの高回転時にあってはセパレータケース92の内部圧力はオイル回収外側通路S1の内部圧力よりも低い状況であるが、上述した如く、このオイル回収外側通路S1とセパレータケース92とを連通させないことにより、オイル回収外側通路S1内の空気がオイル排出配管93を経由してセパレータケース92内に流れ込むといった状況が生じないようになっている。このため、セパレータケース92で分離されたオイルはオイル排出配管93及びオイル回収内側通路S2を経てオイルパン62に容易に排出されることになる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態では、本発明に係るオイル回収構造を自動車用V型8気筒エンジンに適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用直列型エンジン、自動車用水平対向型エンジン等に対しても適用可能である。また、自動車用に限らず、その他のエンジンにも本発明は適用可能である。また、気筒数、V型エンジンEにおけるVバンクの挟み角、その他エンジンEの仕様は特に限定されるものではない。
また、上述した実施形態では、各バンク2L,2R間の上面にセパレータケース92を設置したPCV装置9に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ヘッドカバー4L,4R内部にセパレータケースを設置したPCV装置に対しても適用可能である。
また、上記実施形態では、熱交換器10を二重管構造とし、オイル回収外側通路S1に潤滑用オイルを、オイル回収内側通路S2に分離オイルをそれぞれ流すようにしていた。本発明はこれに限らず、オイル回収外側通路S1に分離オイルを、オイル回収内側通路S2に潤滑用オイルをそれぞれ流すようにしてもよい。また、潤滑用オイルと分離オイルとの間で熱交換を行わせるための構成としては二重管構造に限らず、各オイルの流路を互いに隣接させるようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、左側バンク2Lの気筒配列方向の後側のデッドスペースに上記オイル戻し通路1bを形成し、また熱交換器10を配設していた。本発明はこれに限らず、右側バンク2Rの気筒配列方向の前側のデッドスペースにオイル戻し通路1bを形成し、また熱交換器10を配設するようにしてもよい。
実施形態に係るV型エンジンをクランクシャフトの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。 エンジン及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。 シリンダブロック上にオイルセパレータが設置された状態をエンジン前側から見た斜視図である。 シリンダブロック上にオイルセパレータが設置された状態をエンジン後側から見た斜視図である。 オイルセパレータの設置状態をエンジン前側から見た図である。 オイルセパレータの設置状態をエンジン後側から見た図である。 オイルセパレータの斜視図である。 オイル排出配管及び熱交換器を実線で示し、セパレータケース及び左バンクを仮想線で示す斜視図である。 図9(a)はオイル排出配管の平面図、図9(b)はオイル排出配管の正面図である。 熱交換器の正面図である。 図11(a)は図10におけるXI−XI線に沿った断面図であり、図11(b)は図11(a)におけるB−B線に対応した位置における熱交換器の断面図である。 オイル戻し通路の延長方向に沿ってシリンダブロックを切断した図であって、熱交換器と下流側コネクタとの位置関係を示す図である。 図13(a)はオイル回収パイプの正面図、図13(b)はオイル回収パイプの側面図である。 オイルパンの平面図である。
符号の説明
2L,2R バンク
62 オイルパン(オイル溜まり部)
9 PCV装置(ブローバイガス還元装置)
91 オイルセパレータ
10 熱交換器
E エンジン(内燃機関)
D デッドスペース
S1 オイル回収外側通路(オイル戻し通路)
S2 オイル回収内側通路(分離オイル回収通路)

Claims (5)

  1. ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータによってオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造であって、
    上記オイルセパレータで分離されたオイルをオイル溜まり部側へ向けて送る分離オイル回収通路が、内燃機関本体に形成され且つこの内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路に隣接して配置されており、このオイル戻し通路内を流れるオイルの熱が上記分離オイル回収通路内を流れるオイルに与えられる構成となっていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  2. 上記請求項1記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    オイル戻し通路内を流れるオイルの熱を、分離オイル回収通路内を流れるオイルに与えるための熱交換部分は、二重管構造となっており、外側の流路及び内側の流路のうち一方がオイル戻し通路となり他方が分離オイル回収通路となるよう構成されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  3. 上記請求項2記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    熱交換部分の外側の流路はオイル戻し通路であってシリンダヘッドの内部空間に連通してこのシリンダヘッドからオイルを回収するようになっている一方、熱交換部分の内側の流路は分離オイル回収通路であってオイルセパレータの内部空間に連通してこのオイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルを回収するようになっていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  4. 上記請求項1、2または3記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    分離オイル回収通路の下流端は、オイル溜まり部内に貯留されているオイル内に浸漬されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  5. 上記請求項1〜4のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    内燃機関はV型多気筒エンジンで成り、一方のバンクのシリンダと他方のバンクのシリンダとが互いに気筒配列方向にずれて配設されていて、各バンクそれぞれにおける気筒配列方向の一方側には相手側バンクに対向するデッドスペースをそれぞれ有しており、オイル戻し通路及び分離オイル回収通路は、一方のバンクの上記デッドスペースに配設されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
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