JP2007231895A - ブローバイガス還元装置のオイル回収構造 - Google Patents

ブローバイガス還元装置のオイル回収構造 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルセパレータにおいて分離したオイルを効率良くオイル溜まり部側(オイルパン)へ送ることができる、所謂「オイル切り」の良好なブローバイガス還元装置を提供する。
【解決手段】ブローバイガスからオイルを分離するセパレータケースを備えたPCV装置に対し、オイルセパレータからオイルを排出するオイル排出ホース94の下流端をユニオンパイプ97を介してシリンダブロック1のオイル戻し通路1bに連通させる。ユニオンパイプ97の下流端開口97fがオイル戻し通路1b内におけるオイル層Oに臨むように、その下流端開口97fの開口面積を流路規制板97gによって規制する。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)のブローバイガス中に含まれるオイルミスト(霧状となったエンジンオイル等)をオイルセパレータで分離し、このオイル分離後のブローバイガスをエンジンの吸気系へ送るブローバイガス還元装置(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)のオイル回収構造に係る。特に、本発明は、オイルセパレータの性能を向上するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジンには、シリンダとピストンとの隙間からクランクケース内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くためのPCV装置が備えられている。つまり、このPCV装置によって、一酸化炭素や炭化水素等を含むブローバイガスをエンジンの吸気系を経て燃焼室に送り込み、このブローバイガスの大気中への放出を防止している。
また、下記の特許文献1にも開示されているように、このPCV装置はオイルセパレータを備えている。このオイルセパレータによって、ブローバイガス中に含まれているオイルミストが分離され、このオイルがオイルパン等のオイル溜まり部へ送られる一方、オイルミストが分離除去された後のブローバイガスがエンジンの吸気系に還流されるようになっている。
尚、オイルセパレータの内部には、オイルミストを分離するためのオイル分離機構が収容されている。例えば、オイルセパレータ内部に複数のバッフルプレートが配置されてブローバイガス流路が迷路状に構成されたものや、パンチングプレート及びバッフルプレートが配置されたものが一般に知られており、オイルセパレータ内部をブローバイガスが流れていく間に所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉されるようになっている。
また、上記オイルセパレータの配置形態として、ヘッドカバー内に配置スペースを確保できないものにあっては、下記の特許文献2や特許文献3に開示されているように、ヘッドカバーの外部にオイルセパレータを配置することも行われている。特に、これら特許文献には、V型エンジンにおける左右の各バンクの間にオイルセパレータを配置することによって省スペース化を図っている。
このようにヘッドカバーの外部にオイルセパレータを配置する構成にあっては、オイルセパレータ内部でブローバイガスから分離されたオイルをオイルパンに回収するためにオイル回収ホースが使用されている。具体的に、このオイル回収ホースは、一端がオイルセパレータのセパレータケースに接続され、このセパレータケース内で分離されたオイルが取り出せるようになっている。また、オイル回収ホースの他端はクランク室またはこのクランク室に連通する空間(シリンダブロックに形成されたオイル通路等)に開放されており、このオイル回収ホースによってセパレータケースから取り出されたオイルをオイルパンに向けて流下させるようになっている。
そして、オイル回収ホースの長さをできるだけ短くしてオイル回収経路の全長の短縮化によるオイル回収効率の向上を図るために、本発明の発明者は以下の構成について開発を進めている。つまり、従来より、シリンダヘッド及びシリンダブロックには、カム室内に供給されて動弁系を潤滑した後のオイル(潤滑油)をオイルパンに向けて流下回収するためのオイル戻し通路が形成されている。このオイル戻し通路は上記カム室とクランク室とを連通する通路である。そして、このオイル戻し通路を有効利用するべく、シリンダブロックの前面または背面からオイル戻し通路に繋がるオイル合流路を形成しておき、上記セパレータケースから延びるオイル回収ホースの下流端をこのオイル合流路に接続する構成としたものである。この構成により、セパレータケースで分離されたオイルはオイル回収ホースを流下し、オイル合流路を経てオイル戻し通路に流れ込むことになる。つまり、セパレータケースから排出されたオイルとカム室から流下するオイルとが、オイル戻し通路で合流した後、オイルパンに向けて流下回収されるものである。
特開平5−306612号公報 実公平8−5298号公報 特開2003−27955号公報
ところで、上記PCV装置にあっては、セパレータケースにおけるオイル分離効率を高く維持して、エンジン吸気系へのオイルミストの流れ込みを確実に防止することが要求されている。
しかしながら、セパレータケースの内部には、クランク室から回収したブローバイガスをエンジンの吸気系に戻すための吸入負圧が作用しており、このセパレータケースの内部空間はクランク室やカム室の内圧に比べて低圧になっている。このため、これらクランク室やカム室に繋がっている上記オイル戻し通路の内圧と比較してもセパレータケースの内部は低圧になっている。
このように、セパレータケースの内部圧力がオイル戻し通路の内部圧力よりも低い状況では、この圧力差が原因となって、オイル戻し通路内の空気がオイル回収ホースを経由してセパレータケース内に流れ込むといった気流が発生することになる。これにより、セパレータケース内部に備えられたオイル分離機構を通過せずに大量のオイルミストを含んだブローバイガスが吸気系に流入することになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セパレータケースにおいて分離したオイルを効率良くオイル溜まり部(オイルパン)に向けて送ることができる、所謂「オイル切り」の良好なブローバイガス還元装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、セパレータケースからオイルを排出するための流路が、シリンダブロック等のエンジン本体に形成されているオイル戻し通路におけるオイル層に臨むように、この流路の下流端開口の形状を設定している。
−解決手段−
具体的に、本発明は、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータのセパレータケース内を流れる間にオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造を前提とする。このオイル回収構造に対し、上記セパレータケース内で分離されたオイルをセパレータケースから取り出すオイル排出管の下流端を、内燃機関本体に形成され且つこの内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路に連通させる。これにより、上記セパレータケースから取り出されてオイル排出管を流下したオイルが、上記オイル戻し通路内を流下してきたオイルと合流してオイル溜まり部側へ送られる構成とする。そして、上記オイル排出管の下流端が、オイル戻し通路内に存在する空気層及びオイル層のうちのオイル層に開口するように、上記オイル戻し通路の内部空間の断面積に比べてこのオイル排出管の下流端の開口面積を小さく設定する。
より具体的には、オイル戻し通路が傾斜配置されているものに対し、オイル排出管の下流端の開口面積を、このオイル排出管の内部空間の断面積に比べて小さく設定し、且つこのオイル排出管の下流端をオイル戻し通路内に存在する空気層とオイル層との境界面に平行な方向からこのオイル戻し通路に連通させている。
以上の特定事項により、内燃機関本体の内部を潤滑したオイルは、この内燃機関本体に形成されたオイル戻し通路によってオイル溜まり部に向けて流下している。一方、オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルは、セパレータケースから取り出されてオイル排出管を流下した後、上記オイル戻し通路内のオイルと合流してオイル溜まり部側へ送られる。そして、この合流点において、オイル排出管の下流端はオイル戻し通路内に存在するオイル層(オイル戻し通路内には上層側の空気層と下層側のオイル層とが存在しているが、そのうちのオイル層)に開口している。上記セパレータケースの内部にはブローバイガスを内燃機関の吸気系に戻すための吸入負圧が作用しているため、特に内燃機関の高回転時にあってはセパレータケースの内部圧力はオイル戻し通路の内部圧力よりも低くなっているが、上述した如く、オイル排出管の下流端がオイル戻し通路内のオイル層に開口している。つまり、オイル排出管はオイル戻し通路内の空間(内部に存在する空気)には連通していない。このため、オイル戻し通路内の空気がオイル排出管を経由してセパレータケース内に流れ込むといった気流は生じない。従って、セパレータケースで分離したオイルを、オイル排出管を経てオイル戻し通路に容易に排出することが可能になり、オイルセパレータの「オイル切り」が良好になる。
上記の目的を達成するための他の解決手段としては以下のものが挙げられる。ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータのセパレータケース内を流れる間にオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造を前提とする。このオイル回収構造に対し、上記セパレータケースに、このセパレータケース内で分離されたオイルを取り出すためのオイル排出管を接続する一方、内燃機関本体に、この内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路及びこのオイル戻し通路と上記オイル排出管の下流端とを連通させる連通路を設ける。これにより、上記セパレータケースから取り出されてオイル排出管を流下し且つ上記連通路を経たオイルが、上記オイル戻し通路内を流下してきたオイルと合流してオイル溜まり部側へ送られる構成とする。そして、上記連通路におけるオイル戻し通路に対する開口部分が、このオイル戻し通路内に存在する空気層及びオイル層のうちのオイル層内に開口するように、上記オイル戻し通路の内部空間の断面積に比べてこの連通路の開口部分の開口面積を小さく設定する。
より具体的には、オイル戻し通路が傾斜配置されているものに対し、連通路におけるオイル戻し通路に対する開口部分の開口面積を、この連通路の内部空間の断面積に比べて小さく設定し、且つこの開口部分をオイル戻し通路内に存在する空気層とオイル層との境界面に平行な方向からこのオイル戻し通路に連通させている。
この特定事項によっても上述した解決手段の場合と同様に、オイル排出管がオイル戻し通路内の空間(内部に存在する空気)に連通しない状態が得られるため、オイル戻し通路内の空気がオイル排出管を経由してセパレータケース内に流れ込むといった気流は生じない。従って、セパレータケースで分離したオイルを、オイル排出管を経てオイル戻し通路に容易に排出することが可能になり、オイルセパレータの「オイル切り」が良好になる。
上述した各解決手段に適用される内燃機関の形式及びオイル戻し通路の形状として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、内燃機関を、一対のバンクを有するV型内燃機関とし、セパレータケースを各バンクの間に配置する。一方、各バンクに、カム室内のオイルをオイル溜まり部に流下させるようにバンク傾斜角度に沿って傾斜するオイル戻し通路を形成する。そして、オイル排出管の下流端を一方のバンクのオイル戻し通路に対して連通させた構成としている。
本発明では、ブローバイガスからオイルを分離するためのオイルセパレータを備えたブローバイガス還元装置に対し、オイルセパレータのセパレータケースからオイルを排出するための流路が、シリンダブロック等の内燃機関本体に形成されているオイル戻し通路におけるオイル層に臨むようにしている。このため、オイル戻し通路内の空気がセパレータケースに向けて流れ込むといった状況を防止でき、ケース内部に備えられたオイル分離機構を通過せずに大量のオイルミストを含んだブローバイガスが吸気系に流入するといったことを防止可能なブローバイガス還元装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係るPCV装置(ブローバイガス還元装置)のオイル回収構造を自動車用V型エンジン(内燃機関)に適用した場合について説明する。
−エンジン全体構成の説明−
図1は、本実施形態に係るV型エンジンEをクランク軸Cの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。また、図2は、このエンジンE及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。
これら図に示すように、V型エンジンEは、シリンダブロック1の上部にV型に突出した一対のバンク2L,2Rを有している。各バンク2L,2Rは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3L,3Rと、その上端に取り付けられたヘッドカバー4L,4Rとをそれぞれ備えている。上記シリンダブロック1には複数のシリンダ5L,5R,…(例えば各バンク2L,2Rに3個ずつ)が所定の挟み角(例えば90°)をもって配設されており、これらシリンダ5L,5R,…の内部にピストン51L,51R,…が往復移動可能に収容されている。また、各ピストン51L,51R,…はコネクティングロッド52L,52R,…を介してクランク軸Cに動力伝達可能に連結されている。更に、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、上記シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6の更に下側にはオイル溜まり部となるオイルパン11が配設されている。
また、上記シリンダヘッド3L,3Rには吸気ポート31L,31Rを開閉するための吸気バルブ32L,32R及び排気ポート33L,33Rを開閉するための排気バルブ34L,34Rがそれぞれ組み付けられており、シリンダヘッド3L,3Rとヘッドカバー4L,4Rとの間に形成されているカム室41L,41Rに配置されたカムシャフト35L,35R,36L,36Rの回転によって各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作が行われるようになっている。
一方、上記各バンク2L,2Rの内側(バンク間側)の上部には各バンク2L,2Rに対応する吸気マニホールド7L,7Rが配設されており、各吸気マニホールド7L,7Rの下流端が各吸気ポート31L,31R,…に連通している。また、この吸気マニホールド7L,7Rは各バンク共通のサージタンク72(図2参照)及びスロットルバルブ73を備えた吸気管74に連通されており、吸気管74の上流側にはエアクリーナ75が設けられている。これにより、上記エアクリーナ75から吸気管74内に導入された空気は、サージタンク72を通じて吸気マニホールド7L,7Rに導入される。この吸気マニホールド7L,7Rにはインジェクタ(燃料噴射弁)76L,76Rがそれぞれ設けられており、吸気マニホールド7L,7R内に導入された空気は、このインジェクタ76L,76Rから噴射された燃料と混合されて混合気となり、吸気バルブ32L,32Rの開弁に伴って燃焼室77L,77Rへと導入されることになる。また、この燃焼室77L,77Rの頂部には点火プラグ78L,78Rが配設されている。
上記燃焼室77L,77Rにおいて、点火プラグ78L,78Rの点火に伴う混合気の燃焼により生じた燃焼ガスは、排気バルブ34L,34Rの開弁に伴い排気ガスとして排気マニホールド8L,8Rに排出される。排気マニホールド8L,8Rには排気管81L,81Rがそれぞれ接続され、更に、排気管81L,81Rは共通の集合排気管82に接続されている。この集合排気管82には三元触媒を内蔵した触媒コンバータ83が設けられている。上記排気マニホールド8L,8Rに排出された排気ガスは、排気管81L,81R及び集合排気管82を通過して外部に排出される。この際、触媒コンバータ83を排気ガスが通過することにより、同ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。
−PCV装置の説明−
次に、PCV装置9について説明する。このPCV装置9は、シリンダ5L,5Rの内面とピストン51L,51Rの外面との隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くためのものである。
上記PCV装置9は、シリンダブロック1上の各バンク2L,2R間に配置されたオイルセパレータ91を備えている。また、このオイルセパレータ91は、セパレータケース92、このセパレータケース92にそれぞれ接続されるブローバイガス導入ホース93、オイル排出ホース94、ブローバイガス排出ホース95を備えている(図3参照)。以下、それぞれについて説明する。
(セパレータケース92)
セパレータケース92は、ブローバイガス導入ホース93によってクランク室61より抜き出されたブローバイガスからオイルミストを分離するためのものであって、シリンダブロック1上の各バンク2L,2R間に形成された水平部の上面にボルト止め等の手段によって取り付けられている。図3は、このセパレータケース92が各バンク2L,2R間に設置された状態を示しており(エンジンEの外形及びクランク室61の形状を仮想線で示している)、図3(a)はエンジンEを後方から見た図であり、図3(b)はエンジンEを前方から見た図である。また、図4はオイルセパレータ91の斜視図、図5はセパレータケース92の内部を示す斜視図、図6は図4におけるVI−VI線に沿った部分を断面としたセパレータケース92の一部を示す斜視図である。
これら図に示すように、セパレータケース92は、樹脂製のロアケース92aとアッパケース92bとが振動溶着等の手段によって一体的に組み付けられて内部にブローバイガス流路96を備えている。詳しくは、図5に示すように、セパレータケース92は、クランク軸Cの軸心に沿う方向を長手方向とする容器で成り、その内部に、その長手方向に延びる流路形成プレート96aが立設されている。これにより、セパレータケース92の内部は、流路形成プレート96aの一方側(図5における手前側)に形成された上流側流路96bと他方側(図5における奥側)に形成された下流側流路96cとが略U字形状の流路として連続するように形成され、これが上記ブローバイガス流路96として構成されている。
そして、このブローバイガス流路96の一端側(上流側流路96bの上流端側)におけるロアケース92aの側面にはブローバイガス導入口92f(図6参照)が形成されており、他端側(下流側流路96cの下流端側)におけるアッパケース92bの上面にはブローバイガス排出口が形成されている。また、このブローバイガス流路96の折返し部分、つまり、上流側流路96bと下流側流路96cとの境界部分におけるロアケース92aの側面にはオイル排出口が形成されている。そして、上記ブローバイガス導入口92fには上記ブローバイガス導入ホース93が、ブローバイガス排出口には上記ブローバイガス排出ホース95が、オイル排出口には上記オイル排出ホース94がそれぞれ接続されている。
また、上記ブローバイガス流路96のうち上記ブローバイガス導入口92fの直下流側にはパンチングプレート96d及びバッフルプレート96eが配置されている。パンチングプレート96dは、ブローバイガス導入口92fから流れ込むブローバイガスの流線に対して略直交方向に延びる板材であって複数箇所に開口が形成されている。これにより、ブローバイガス導入口92fから流れ込んだブローバイガスがパンチングプレート96dの開口を通過する際にその流速が上昇するようになっている。一方、バッフルプレート96eは、上記パンチングプレート96dの下流側に配置され且つこのパンチングプレート96dと同様にブローバイガスの流線に対して略直交方向に延びる板材で構成されている。また、このバッフルプレート96eは、その下端がロアケース92aの底面との間に僅かな隙間を有するように配置されている。これにより、パンチングプレート96dの開口を通過して流速が上昇したブローバイガスがこのバッフルプレート96eに衝突することにより、所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉されるようになっている。この捕捉されたオイルはバッフルプレート96eに沿って流下し、その下端とロアケース92aの底面との間の隙間から下流側に向かって流れるようになっている。
このようにしてブローバイガスからオイルミストが分離され、その後、ブローバイガスは、上流側流路96bから下流側流路96cを経てブローバイガス排出口からブローバイガス排出ホース95に流出されるようになっている。そして、このブローバイガス排出ホース95に流出されたブローバイガスは上記サージタンク72に導入されることになる。
一方、分離後のオイルはオイル排出口に達し、オイル排出ホース94によりオイルパン11に回収されることになる。このオイル回収のための構成については後述する。尚、下流側流路96cは、上流側流路96bとの境界部分よりも下流側の部分(ブローバイガス排出口に向かう部分)が下流側に向かって次第に上方に傾斜する傾斜面96fとして形成されており、これによってオイルが下流側流路96cを流れてブローバイガス排出口から流出されることを抑制している。
尚、上記セパレータケース92の容量、各開口の寸法は、エンジンEの排気量やブローバイガスの発生量等に適したブローバイガス回収能力が発揮できるように適宜設計されている。
(ブローバイガス導入ホース93)
ブローバイガス導入ホース93は、上述した如くクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスを抜き出して、このブローバイガスを上記セパレータケース92内に導入するためのものであって、図3(b)に示すように、上流端がシリンダブロック1のバンク間の上面に接続されている。具体的には、シリンダブロック1には、一端がクランク室61に、他端がバンク間の上面に開口するブローバイガス回収通路1aが形成されており、上記ブローバイガス導入ホース93の上流端は、このブローバイガス回収通路1aに連通している。このため、クランク室61のブローバイガスは、このブローバイガス回収通路1aからブローバイガス導入ホース93を経てセパレータケース92内に導入されることになる。
(ブローバイガス排出ホース95)
ブローバイガス排出ホース95は、上記セパレータケース92においてオイルが分離除去された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管であって、下流端がサージタンク72に接続され、ブローバイガスを、サージタンク72を介してエンジンEの吸気系に戻すようにしている。
また、このブローバイガス排出ホース95の上流端部にはPCVバルブ98が設けられている。このPCVバルブ98が吸気負圧等によって開弁することによりセパレータケース92内のブローバイガスがブローバイガス排出ホース95に流出されてサージタンク72に導入されるようになっている。
(オイル排出ホース94)
オイル排出ホース94は、上述した如くセパレータケース92内で分離されたオイルをオイルパン11に戻すためのものであって、図3(a)及び図7に示すように(図7ではオイル排出ホース94を実線で示し、セパレータケース92及び左バンク2Lをそれぞれ仮想線で示している)、上流端が上記セパレータケース92の側面に形成された上記オイル排出口に接続されている一方、下流端がシリンダブロック1の片側のバンク(本実施形態では左バンク2L)の後方側の面21に接続されている。具体的には、シリンダブロック1の左バンク2Lの内部には、上端がカム室41Lに、下端がクランク室61にそれぞれ開口するオイル戻し通路1bがシリンダヘッド3Lからシリンダブロック1に亘って形成されており、シリンダブロック1の後方側の面21には、このオイル戻し通路1bに連通する接続開口1cが形成されている(図7におけるX−X線に沿った断面図である図10(a)参照)。そして、上記オイル排出ホース94の下流端は、後述するユニオンパイプ97を介してこの接続開口1cに接続され、これによって上記オイル戻し通路1bに連通している。このため、セパレータケース92内で分離されたオイルは、オイル排出ホース94からオイル戻し通路1bを経てオイルパン11に回収されることになる。このようにして、上記オイル排出ホース94及びユニオンパイプ97によって本発明でいうオイル排出管が構成されている。尚、オイル戻し通路1bには、カム室41L内に供給されて動弁系を潤滑した後のオイルがオイルパン11に向けて流下している。このため、セパレータケース92から排出されてオイル排出ホース94に流れ出たオイルは、カム室41Lからクランク室61に向けてオイル戻し通路1bを流下するオイルと合流した後、このオイル戻し通路1bによりオイルパン11に流下回収されるようになっている。
尚、オイル戻し通路1b内は、カム室41Lからのオイル回収量が多い場合にはオイルで満たされることになるが、通常は、オイル以外に空気も存在している。また、このオイル戻し通路1bは、バンク傾斜角に沿って傾斜した通路であるため、このオイル戻し通路1b内を流れるオイルは重力の影響によってこのオイル戻し通路1b内の一方に片寄って流れている。従って、このオイル戻し通路1b内には、その延長方向に直交する断面における上層部分の空気層Aと下層部分のオイル層Oとの2層が存在している(図10参照)。
−オイル排出ホース94の接続構造−
本実施形態の特徴は、上記オイル排出ホース94のシリンダブロック1に対する接続構造にある。このオイル排出ホース94の下流側端部(シリンダブロック1の後方側の面21に接続される側の端部)には、略L字形状の金属製のユニオンパイプ97が装着されている。図8は、このユニオンパイプ97を示しており、図8(a)が背面図、図8(b)が一部を破断した側面図、図8(c)が正面図である。このユニオンパイプ97は正面側から上記接続開口1cに差し込まれて接続される。また、図9は、オイル排出ホース94の下流側端部にユニオンパイプ97が装着された状態を示す断面図である(この図9ではユニオンパイプ97の背面側を示している)。
これら図に示すように、ユニオンパイプ97は、中空の略円筒形状の本体部97aと、この本体部97aの側面に接続され且つオイル排出ホース94の下流側端部内に挿入されるホース接続部97bと、上記本体部97aと同軸上に配設され且つこの本体部97aよりも小径とされて、シリンダブロック1に形成された上記接続開口1cに嵌め込まれるブロック接続部97cとを備えている。これにより、ホース接続部97bの軸線に対して本体部97a及びブロック接続部97cの軸線が直交するように略L字形状の配管部材としてユニオンパイプ97は構成されている。
また、ホース接続部97bには、上記オイル戻し通路1bからセパレータケース92に向かうオイルの逆流を阻止するための逆流防止用フランジ97dが設けられている。このフランジ97dは、上記ホース接続部97bの先端部に一体形成されており、その形状は、ホース接続部97bの内周側に向かって下流側(オイルの流下方向側)に傾斜する擂り鉢形状となっている。そして、このフランジ97dの中央部分にはオイルをオイル戻し通路1bに向けて流すための開口97eが形成されている。このように、逆流防止用のフランジ97dが擂り鉢形状に形成されていることにより、このフランジ97dの上部にオイルが滞留し難い構成としている。つまり、フランジ97dを擂り鉢形状に形成すれば、図9の如くホース接続部97bが傾斜する配置状態となった場合であっても、このフランジ97dの上部には殆どオイルOは滞留しないことになる(図9の仮想線Oを参照)。これにより、オイルOの長期滞留による劣化を回避できる。
そして、このユニオンパイプ97の特徴は、上記ブロック接続部97cの開口部分の構成にある。図8(b)及び(c)に示すように、ブロック接続部97cには、上記セパレータケース92から排出され、オイル排出ホース94を経てユニオンパイプ97に流れ込んだオイルをオイル戻し通路1bに流すための開口97fが形成されている。上記ブロック接続部97cの内部の断面形状は略円形であるが、このブロック接続部97cの開口部分にあっては、略半円形状の流路規制板97gが接着または一体形成されている。このため、ブロック接続部97cの開口97fは半円形状となり(図8(c)参照)、ブロック接続部97cの内部空間(略円柱形状の空間)の断面積に対して約半分の開口面積に規制されている。この流路規制板97gの取り付け位置は、ブロック接続部97cの開口のうちのホース接続部97bの配設側(図8(c)における右側半分)となっている。
このようにしてブロック接続部97cの開口97fの開口面積が流路規制板97gによって規制された状態でユニオンパイプ97がシリンダブロック1の接続開口1cに接続された場合、図10(図10(a)は図7におけるX−X線に沿った断面図、図10(b)は図10(a)におけるB−B線に対応した位置における断面図)に示すように、開口97fの開放部分はオイル戻し通路1b内に存在するオイル層Oに対向することになる。つまり、この開口97fの開放部分はオイル戻し通路1b内の空気層Aには臨まない状態となる。また、このブロック接続部97cがシリンダブロック1の接続開口1cに接続された状態でのユニオンパイプ97の姿勢としては、図10(b)に示すように、オイル戻し通路1b内のオイル層Oの油面と流路規制板97gの一辺L(ブロック接続部97cの開口97fの面積を規制している直線形状の一辺)とが略平行となるようにしておくことが好ましい。そのためには、オイル戻し通路1bの延長方向(左バンク2Lの傾斜方向)に対してユニオンパイプ97のホース接続部97bの延長方向が略直交するようにユニオンパイプ97の姿勢を設定しておく。
−PCV装置9の動作説明−
次に、上述の如く構成されたPCV装置9の動作について説明する。エンジンEの圧縮行程や膨張行程においてシリンダ5L,5Rとピストン51L,51Rとの隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスは、上記ブローバイガス回収通路1a及びブローバイガス導入ホース93を経てセパレータケース92内に導入される。このセパレータケース92内のブローバイガス流路96に流れ込んだブローバイガスは、パンチングプレート96dの開口を通過して流速が上昇し、バッフルプレート96eに衝突することにより、所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉される。これにより、ブローバイガスとオイルミストとが分離される。
そして、オイルミストが分離除去されたブローバイガスは、セパレータケース92内の上流側流路96bから下流側流路96cを経てブローバイガス排出口に達し、PCVバルブ98の開放動作に伴ってブローバイガス排出ホース95に流出されてサージタンク72より吸気系に導入される。
一方、分離後のオイルは、バッフルプレート96eの下端とロアケース92aの底面との間の隙間から下流側に向かって流れ、オイル排出口に達して、オイル排出ホース94に排出される。
このオイル排出ホース94の下流端に備えられているユニオンパイプ97におけるブロック接続部97cの開口97fは、上述した如く流路規制板97gによって開口面積が規制されており、この開口位置は、図10に示すようにオイル戻し通路1b内に存在するオイル層Oに対向している。つまり、この開口97fはオイル戻し通路1b内の空気層Aには臨んでいない。上記セパレータケース92の内部にはブローバイガスをエンジンEの吸気系に戻すための吸入負圧が作用しているため、特にエンジンEの高回転時にあってはセパレータケース92の内部圧力はオイル戻し通路1bの内部圧力よりも低い状況であるが、上述した如く、ユニオンパイプ97の開口97fはオイル戻し通路1b内のオイル層Oに開口しているため、オイル戻し通路1b内の空気がオイル排出ホース94を経由してセパレータケース92内に流れ込むといった状況は生じない。このため、セパレータケース92で分離したオイルはオイル排出ホース94を経てオイル戻し通路1bに容易に排出されることになる。このようにしてオイル排出ホース94からオイル戻し通路1bに排出されたオイルは、カム室41Lからクランク室61に向けてオイル戻し通路1bを流下するオイルと合流した後、このオイル戻し通路1bによりオイルパン11に流下回収されることになる。
尚、エンジンEには、クランク室61内に新気を導入するための新気導入路が形成されており、上述したブローバイガス還元動作に伴って、この新気導入路からクランク室61内に新気が導入されてクランク室61の換気が行われている。
以上のように本実施形態では、セパレータケース92からオイルを排出するオイル排出ホース94の下流端がオイル戻し通路1bにおけるオイル層Oに臨むようにしたことで、オイル戻し通路1b内の空気がセパレータケース92に向けて流れ込むといった状況を防止している。このため、セパレータケース92内部に備えられたオイル分離機構を通過せずに大量のオイルミストを含んだブローバイガスが吸気系に流入するといったことを防止できて、エンジン出力の低下やオイル消費量の増大を回避することができる。
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。本変形例は、オイル排出ホース94の下流端の開口面積を小さくする(ユニオンパイプ97の開口面積を規制する)流路規制板97gの形状が上記実施形態のものと異なっており、その他の構成及び動作は上記実施形態と同様である。従って、ここでは、流路規制板97gの形状についてのみ説明する。
図11は、本変形例におけるユニオンパイプ97を示す上記図8に相当する図であり、図11(a)が背面図、図11(b)が一部を破断した側面図、図11(c)が正面図である。また、図12は図10に相当する図である。
これら図に示すように、本例におけるユニオンパイプ97のブロック接続部97cの端部に接着または一体形成されている流路規制板97gはブロック接続部97cの外径寸法に略一致する外径を有する円板形状であり、その一部に小径の開口97hが形成されている。この開口97hの形成位置は、流路規制板97gの中心に対して偏心した位置であって、上記ホース接続部97bの配設側とは反対側(図11(c)における左側位置)となっている。このため、このユニオンパイプ97のブロック接続部97cをシリンダブロック1の接続開口1cに接続した状態では、図12に示すように、この開口97hがオイル戻し通路1b内に存在するオイル層Oに対向することになる。つまり、オイル排出ホース94の下流端がオイル戻し通路1b内の空気層Aには臨まないものとなっている。
このような構成によっても上述した実施形態の場合と同様に、オイル戻し通路1b内の空気がオイル排出ホース94を経由してセパレータケース92内に流れ込むといった状況は生じず、オイルセパレータ91で分離したオイルをオイル戻し通路1bに容易に排出することが可能になる。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。上記実施形態及び変形例1では、オイル排出ホース94の下流端の開口面積を小さくする(ユニオンパイプ97の開口97fの面積を規制する)ことによって、オイル戻し通路1b内の空気がセパレータケース92に向けて流れ込むことを防止していた。本変形例はそれに代えて、シリンダブロック1の構成を改良することにより、オイル戻し通路1b内の空気がセパレータケース92に向けて流れ込むことを防止している。
図13(a)は、シリンダブロック1において、上記ユニオンパイプ97が接続される接続開口部分及びその周辺(上記シリンダブロック1の後方側の面21)を示す図である。また、図13(b)は図13(a)におけるB−B線に沿った断面図であって、ユニオンパイプ97を仮想線で示している。
これら図に示すように、シリンダブロック1には、一端が上記オイル戻し通路1bに開口し他端が接続開口1cとなるパイプ形状の接続管12が突設されており、この接続管12の外周囲にユニオンパイプ97のブロック接続部97cが外嵌状態で接続されている。
そして、この接続管12の内周面の形状としては、下流端部分であるオイル戻し通路1bとの接続部分の断面が半円形状となっている。つまり、上述した実施形態の場合と同様に、オイル排出ホース94からオイル戻し通路1bに亘る通路の一部(オイル戻し通路1bに臨む通路開口部)が半円形状とされて開口面積が規制されている。これにより、この接続管12の下流端の開口12aが、オイル戻し通路1b内に存在するオイル層Oに対向する構成となっている。
このような構成によっても上述した実施形態及び変形例1の場合と同様に、オイル戻し通路1b内の空気がオイル排出ホース94を経由してセパレータケース92内に流れ込むといった状況は生じず、オイルセパレータ91で分離したオイルをオイル戻し通路1bに容易に排出することが可能になる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態及び変形例では、本発明に係るPCV装置9を自動車用V型エンジンEに適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用直列型エンジン、自動車用水平対向型エンジン等に対しても適用可能である。本発明はオイル戻し通路1b内において空気層Aとオイル層Oとの2層が存在している必要があるので、これらエンジンの場合、オイル戻し通路1bが傾斜しているものが対象となる。また、自動車用に限らず、その他のエンジンにも本発明は適用可能である。また、気筒数、V型エンジンEにおけるVバンクの挟み角、その他エンジンEの仕様は特に限定されるものではない。
また、上述した実施形態及び変形例では、各バンク2L,2R間に形成された水平部の上面にセパレータケース92を設置したPCV装置9に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ヘッドカバー4L,4R内部にセパレータケースを設置し、そのセパレータケースから配管によってオイルを取り出すようにしたPCV装置に対しても適用可能である。
また、本発明は、オイル排出ホース94の下流端開口(ユニオンパイプ97の開口97f)の全体が常にオイル戻し通路1b内のオイル層Oに臨んでいるものには限定されない。例えばエンジンEの低回転時等のように、セパレータケース92内とオイル戻し通路1b内との圧力差が比較的小さい場合にはオイル排出ホース94内でのセパレータケース92に向かう空気の流れは生じ難いため、このような状況では、オイル排出ホース94の下流端開口の一部がオイル戻し通路1b内の空気層Aに臨む構成となっていてもよい。
更には、セパレータケース92内に配置されるオイル捕捉手段としては、セパレータケース92内に複数のバッフルプレートを配置してブローバイガス流路を迷路状に構成したものを適用してもよい。また、上記パンチングプレート96dに代えてメッシュ状のプレートを採用してもよい。
実施形態に係るV型エンジンをクランク軸の軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。 エンジン及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。 セパレータケースの設置状態を示しており、図3(a)はエンジンを後方から見た図であり、図3(b)はエンジンを前方から見た図である。 オイルセパレータの斜視図である。 セパレータケースの内部を示す斜視図である。 図4におけるVI−VI線に沿った部分を断面としたセパレータケースの一部を示す斜視図である。 オイル排出ホースを実線で示し、セパレータケース及び左バンクを仮想線で示す斜視図である。 ユニオンパイプを示しており、図8(a)は背面図、図8(b)は一部を破断した側面図、図8(c)は正面図である。 オイル排出ホースの下流側端部にユニオンパイプが装着された状態を示す断面図である。 オイル排出ホースのシリンダブロックに対する接続部分を示しており、図10(a)は図7におけるX−X線に対応した位置における断面図であり、図10(b)は図10(a)におけるB−B線に対応した位置における断面図である。 変形例1における図8相当図である。 変形例1における図10相当図である。 変形例2においてシリンダブロックの接続開口部及びその周辺を示しており、図13(a)は外観図であり、図13(b)は図13(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
符号の説明
1b オイル戻し通路
11 オイルパン(オイル溜まり部)
2L,2R バンク
41L カム室
9 PCV装置(ブローバイガス還元装置)
91 オイルセパレータ
92 セパレータケース
94 オイル排出ホース
97 ユニオンパイプ
E V型エンジン(内燃機関)
O オイル層
A 空気層

Claims (5)

  1. ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータのセパレータケース内を流れる間にオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造であって、
    上記セパレータケース内で分離されたオイルをセパレータケースから取り出すオイル排出管の下流端が、内燃機関本体に形成され且つこの内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路に連通されていることにより、上記セパレータケースから取り出されてオイル排出管を流下したオイルが、上記オイル戻し通路内を流下してきたオイルと合流してオイル溜まり部側へ送られる構成となっている一方、
    上記オイル排出管の下流端は、オイル戻し通路内に存在する空気層及びオイル層のうちのオイル層に開口するように、上記オイル戻し通路の内部空間の断面積に比べて開口面積が小さく設定されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  2. 請求項1記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    オイル戻し通路は傾斜配置されている一方、
    オイル排出管の下流端は、このオイル排出管の内部空間の断面積に比べて開口面積が小さく設定され、且つオイル戻し通路内に存在する空気層とオイル層との境界面に平行な方向からこのオイル戻し通路に連通されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  3. ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するオイルセパレータを備え、このオイルセパレータのセパレータケース内を流れる間にオイルミストが分離除去されたブローバイガスを内燃機関の吸気系へ送ると共に、分離したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るブローバイガス還元装置のオイル回収構造であって、
    上記セパレータケースには、このセパレータケース内で分離されたオイルを取り出すためのオイル排出管が接続されている一方、内燃機関本体には、この内燃機関本体の内部を潤滑したオイルが流下するオイル戻し通路及びこのオイル戻し通路と上記オイル排出管の下流端とを連通させる連通路が設けられていて、上記セパレータケースから取り出されてオイル排出管を流下し且つ上記連通路を経たオイルが、上記オイル戻し通路内を流下してきたオイルと合流してオイル溜まり部側へ送られる構成となっている一方、
    上記連通路は、オイル戻し通路に対する開口部分が、このオイル戻し通路内に存在する空気層及びオイル層のうちのオイル層内に開口するように、上記オイル戻し通路の内部空間の断面積に比べて開口面積が小さく設定されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  4. 請求項3記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    オイル戻し通路は傾斜配置されている一方、
    連通路におけるオイル戻し通路に対する開口部分は、この連通路の内部空間の断面積に比べて開口面積が小さく設定され、且つオイル戻し通路内に存在する空気層とオイル層との境界面に平行な方向からこのオイル戻し通路に連通されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
  5. 上記請求項1〜4のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置のオイル回収構造において、
    内燃機関は一対のバンクを有するV型内燃機関であって、セパレータケースは各バンクの間に配置されている一方、
    各バンクには、カム室内のオイルをオイル溜まり部に流下させるようにバンク傾斜角度に沿って傾斜するオイル戻し通路が形成されていて、
    オイル排出管の下流端は一方のバンクのオイル戻し通路に対して連通されていることを特徴とするブローバイガス還元装置のオイル回収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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