JP2009103082A - セパレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本セパレータ1は、セパレータ本体10に連なるオイル排出通路16のオイル排出口15aをオイル貯留部6a内に挿入してなるサイクロン式のセパレータであって、前記オイル排出通路には、前記オイル貯留部内のオイルの逆流を抑制する逆流抑制手段(バッフルプレート17)が設けられている。特に、前記逆流抑制手段は、前記オイル貯留部内のオイルの前記オイル排出通路内での逆流を邪魔して下方に案内する傾斜邪魔面17aを有することが好ましい。
【選択図】図2
Description
上記特許文献1には、セパレータ本体に連なるオイル排出通路のオイル排出口をオイルパンのオイル貯留部内に挿入して油没させてなるものが開示されている。このように、オイル排出口を油没させることにより、オイル排出口からのオイル未分離のブローバイガスの逆流の抑制を図っている。
なお、上述の問題は、ドライサンプ式エンジンのオイルタンクに設けられるセパレータについても同様に生じる。
1.セパレータ本体に連なるオイル排出通路のオイル排出口をオイル貯留部内に挿入してなるサイクロン式のセパレータにおいて、
前記オイル排出通路には、前記オイル貯留部内のオイルの逆流を抑制する逆流抑制手段が設けられていることを特徴とするセパレータ。
2.前記逆流抑制手段は、前記オイル貯留部内のオイルの前記オイル排出通路内での逆流を邪魔して下方に案内する傾斜邪魔面を有する上記1.記載のセパレータ。
3.前記逆流抑制手段は、前記セパレータ本体で分離されたオイルを下方に案内する傾斜案内面を有する上記1.又は2.に記載のセパレータ。
4.前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路を形成するオイル排出管の内壁から下方に傾斜して延びる複数の板状の逆流抑制部材を上下方向に並設してなる上記1.乃至3.のいずれか一項に記載のセパレータ。
5.前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路の中心側に設けられる傘状又は逆椀状の逆流抑制部材からなる上記1.乃至3.のいずれか一項に記載のセパレータ。
6.前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路の開口量を調整する調整弁からなり、該調整弁は、前記オイル貯留部内のオイルの前記オイル排出通路内での逆流により該オイル排出通路の開口量を小さく又は零にするように構成されている上記1.乃至3.のいずれか一項に記載のセパレータ。
7.前記調整弁は、前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されている上記6.記載のセパレータ。
また、前記逆流抑制手段が傾斜邪魔面を有する場合は、オイル排出通路内をオイルが逆流するときにその逆流オイルが傾斜邪魔面により邪魔され下方に案内されるため、オイル排出通路内のオイルの逆流をより確実に抑制できる。
また、前記逆流抑制手段が傾斜案内面を有する場合は、この傾斜案内面によりセパレータ本体で分離されたオイルが下方に案内されるため、分離後のオイルをより円滑に排出できる。
また、前記逆流抑制手段が、複数の板状の逆流抑制部材を上下方向に並設してなる場合は、比較的簡易な構造の逆流抑制手段によりオイル排出通路内のオイルの逆流をより確実に抑制できる。
また、前記逆流抑制手段が、傘状又は逆椀状の逆流抑制部材からなる場合は、比較的簡易な構造の逆流抑制手段によりオイル排出通路内のオイルの逆流をより確実に抑制できる。
また、前記逆流抑制手段が調整弁からなる場合は、オイル排出通路内をオイルが逆流するときに調整弁によりオイル排出通路の開口量が小さく又は零にされるため、オイル排出通路内のオイルの逆流をより確実に抑制できる。
また、前記調整弁が前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されている場合は、オイルの潤滑作用により調整弁の作動性能が長期にわたって良好に維持される。
上記セパレータの配設形態としては、例えば、ウェットサンプ式エンジンのヘッドカバーに装着される形態、ドライサンプ式エンジンのオイルタンクに装着される形態等を挙げることができる。
上記逆流抑制部材の形状としては、例えば、板状、傘状、逆椀状、ブロック状、異形状等を挙げることができる。この板状としては、例えば、平板状、屈曲板状、湾曲板状、螺旋板状等を挙げることができる。
(1)セパレータの構成
本実施例1に係るセパレータ1は、図1に示すように、ウェットサンプ式のエンジン2に採用される。このエンジン2は、シリンダヘッド及びシリンダブロックを一体にして示すエンジン本体3を備えている。このエンジン本体3の上部には、セパレータ1が装着されるヘッドカバー5が組み付けられている。また、エンジン本体3の下部には、オイルパン6が組み付けられている。また、エンジン本体3には、クランク室7とヘッドカバー5の分離室5aとを連絡する連絡路8が形成されている。この連絡路8を介して、燃焼室から漏れるブローバイガスが分離室5aに送られるようになっている。
ここで、上記オイル排出管13、オイル戻し通路14及びオイル排出管15によって、上下方向に直線的に延びるオイル排出通路16が形成されている。
次に、上記セパレータ1の作用について説明する。
図1中に実線矢印で示すように、燃焼室から漏洩するブローバイガスが連絡路8を介して分離室5a内に送られる。その分離室5a内に送られたブローバイガスは、導入管11からセパレータ本体10内に接線方向から導入され旋回流となってガスとオイルとに遠心分離される。そして、その分離後のガスは排気管12から外部に排気される一方、その分離後のオイルはオイル排出通路16を通ってオイル貯留部6a内に貯留される。このとき、オイル排出管15の下部において、分離後のオイルは、図2中に実線矢印で示すように、各バッフルプレート17の傾斜案内面17bにより下方に案内されてオイル貯留部6a内に排出されることとなる。
本実施例1のセパレータ1によると、オイル排出管15のオイル排出口15aをオイル貯留部6a内に挿入して油没させているので、オイル排出口15aからオイル排出通路16内へのオイル未分離のブローバイガスの逆流を抑制できる。また、オイル排出通路16に複数のバッフルプレート17を上下に並設したので、エンジンの運転状態でセパレータ1のガス排出側からの負圧が大きい場合、また急激な負圧の変動時には、各バッフルプレート17によりオイル貯留部6a内のオイルのオイル排出通路16内への逆流(上昇)が抑制される。その結果、セパレータ本体10内へのブローバイガス及びオイルの逆流を防止できる。また、従来のように、単にオイル排出口を油没させているだけの技術に比べて、オイル排出通路16の高さ寸法を比較的小さな値に設定でき、セパレータ1ひいてはエンジン2の小型化を図ることができる。
次に、実施例2に係るセパレータ20について説明する。なお、本実施例2に係るセパレータ20において上記実施例1のセパレータ1と略同じ構成部分は同符号を付け詳説を省略する。
本実施例2に係るセパレータ20は、図4に示すように、上下方向に延びる円管状のオイル排出管21を備えている。このオイル排出管21内には、このオイル排出管21内を昇降可能な可動部材22(本発明に係る「逆流抑制手段」及び「逆流抑制部材」として例示する。)が挿入され、抜け止め用のストッパ23上に載置されている。この可動部材22は、図5に示すように、傘状部24と、この傘状部24の下部に連なりオイル排出管21の内壁に支持される十字状の支持部25からなっている。この傘状部24の下面は、オイル貯留部6a内のオイルがオイル排出通路16内を逆流するときにその逆流オイルを邪魔して下方に案内する傾斜邪魔面24aとなっている。また、傘状部24の上面は、セパレータ本体10で分離されたオイルを下方に案内する傾斜案内面24bとなっている。
次に、上記セパレータ20の作用・効果について説明する。
セパレータ本体10で分離されたオイルは、図4中に実線矢印で示すように、オイル排出管21の下部において、可動部材22の傘状部24の傾斜案内面24bにより下方に案内されてオイル貯留部6a内に排出される。一方、エンジン2の運転状態でセパレータ20のガス排出側からの負圧が大きい場合、また急激な負圧の変動時には、オイル貯留部6a内のオイルがオイル排出口21aからオイル排出管21内を逆流することとなるが、その逆流オイルの大部分は、図4中に破線矢印で示すように、可動部材22の傘状部24の傾斜邪魔面24aにより邪魔されて下方に案内され上昇が抑制される。その結果、セパレータ本体10内へのブローバイガス及びオイルの逆流を防止できる。なお、上記可動部材22は、図4中に仮想線で示すように、オイル排出管21の逆流オイルによりオイル排出管21内を上昇することもあるが、この場合であっても、その逆流オイルの大部分は、可動部材22の傾斜邪魔面24aにより邪魔されて下方に案内され上昇が抑制される。
次に、実施例3に係るセパレータ30について説明する。なお、本実施例3に係るセパレータ30において上記実施例1のセパレータ1と略同じ構成部分は同符号を付け詳説を省略する。
本実施例3に係るセパレータ30は、図6に示すように、上下方向に延びる円管状のオイル排出管31を備えている。このオイル排出管31内のオイル排出口31aの近傍には、オイル排出通路16の開口量を調整する調整弁33(本発明に係る「逆流抑制手段」として例示する。)が設けられている。この調整弁33は、オイル貯留部6a内のオイルに浸漬されている。また、この調整弁33は、オイル排出管31の内壁に揺動自在に支持される平板状の弁体34を有している。この弁体34は、オイル排出管31の内壁に設けられた上下のストッパ35a,35bにより所定の揺動角範囲で揺動するようになっている。また、この弁体34は、バネ36により下方に付勢されている。さらに、この弁体34の下面は、オイル貯留部6a内のオイルがオイル排出通路16内を逆流するときにその逆流オイルを邪魔して下方に案内する傾斜邪魔面34aとなっている。
次に、上記セパレータ30の作用・効果について説明する。
セパレータ本体10で分離されたオイルは、図6中に実線矢印で示すように、オイル排出管31の下部においてオイル貯留部6a内に排出される。一方、エンジン2の運転状態でセパレータ30のガス排出側からの負圧が大きい場合、また急激な負圧の変動時には、オイル貯留部6a内のオイルがオイル排出口31aからオイル排出管31内を逆流することとなり、その逆流オイルにより弁体34がバネ36の付勢力に抗して上方に揺動されオイル排出通路16の開口量が小さくされる(図6中に仮想線で示す。)。このとき、その逆流オイルの大部分は、図6中に破線矢印で示すように、弁体34の傾斜邪魔面34aにより邪魔されて下方に案内されてその上昇が抑制される。その結果、セパレータ本体10内へのブローバイガス及びオイルの逆流を防止できる。
Claims (7)
- セパレータ本体に連なるオイル排出通路のオイル排出口をオイル貯留部内に挿入してなるサイクロン式のセパレータにおいて、
前記オイル排出通路には、前記オイル貯留部内のオイルの逆流を抑制する逆流抑制手段が設けられていることを特徴とするセパレータ。 - 前記逆流抑制手段は、前記オイル貯留部内のオイルの前記オイル排出通路内での逆流を邪魔して下方に案内する傾斜邪魔面を有する請求項1記載のセパレータ。
- 前記逆流抑制手段は、前記セパレータ本体で分離されたオイルを下方に案内する傾斜案内面を有する請求項1又は2に記載のセパレータ。
- 前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路を形成するオイル排出管の内壁から下方に傾斜して延びる複数の板状の逆流抑制部材を上下方向に並設してなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセパレータ。
- 前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路の中心側に設けられる傘状又は逆椀状の逆流抑制部材からなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセパレータ。
- 前記逆流抑制手段は、前記オイル排出通路の開口量を調整する調整弁からなり、該調整弁は、前記オイル貯留部内のオイルの前記オイル排出通路内での逆流により該オイル排出通路の開口量を小さく又は零にするように構成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセパレータ。
- 前記調整弁は、前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されている請求項6記載のセパレータ。
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