JP4682633B2 - オイルパン - Google Patents

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Description

本発明は、変速機およびエンジンの下部に設けられたオイルパンにつき、オイルパンに貯留したオイルの液面を水平に保持する技術に関するものである。
変速機およびエンジンのオイルパンとしては従来、例えば非特許文献1に記載のごときものが周知である。オイルパンは、歯車機構、クラッチ、軸受、ピストン等オイルによって潤滑される作動機構から落下するミッションオイルやエンジンオイルを受け止めて貯留するとともに、ストレーナの吸引口を介して貯留したオイルを上記作動機構へ供給し戻す役目を負う。
「NISSAN フルレンジ電子制御 オートマチック トランスミッション 5E−AT 整備要領書(RE5R01A型)」,日産自動車株式会社 1989年6月 p.A-2
しかし、上記従来のようなオイルパンにあっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり図15に示すように従来のオイルパン101は、変速機104の下部に取り付けられ、このオイルパン101の底面102の略高さ位置にストレーナ吸引口103を設けておき、オイルの液面の高さ位置が低い場合であっても高い場合であっても、常にオイルを吸引し得るようになす。
ところが、底面102の略高さ位置にストレーナ吸引口103を設けておけば、オイルの液面が水平であれば途切れることなくオイルを吸引することができるものの、例えば、車両の急制動時などには、車両前向きの慣性力がオイルに作用してオイルがオイルパン101前側へ片寄り、常態のオイルの液面が斜め105に変動する。この時、ストレーナ103が液面105上に出てしまい、オイルを吸引することができなくなる。この結果、変速機104の作動機構本体106の潤滑油膜が途切れるといった問題や、気泡がオイル配管上に取り込まれて、以降のオイルの供給を阻害するといった問題が生じる。
この問題を解決するために、ストレーナ吸引口のオイルパン底面における平面位置を変更することとすれば、今度は別な方向の慣性力がオイルに作用した場合に、オイルがオイルパンの別の側へ片寄るため、同じ問題が発生し、上記問題を根本的に解決することはできない。
あるいは、オイルパン底面の一部を周囲よりも下げてオイル溜を形成し、このオイル溜にストレーナを設けるということも考えられるが、オイル溜内のオイルは僅かであるため、ストレーナがオイルに浸かっている時間が短く、吸引し尽くした場合には、同じ問題が発生する。加えて、車両の最低地上高を確保することができず、オイルパンが路面上の突起物と衝突するという新たな問題も発生する。
あるいは、オイルをオイルパンに予め多量に蓄えておけば、ストレーナがオイルに常に浸かっているものの、今度は歯車機構等の回転要素がオイルを攪拌してしまい、回転抵抗が増大し、発熱や燃費悪化といった弊害が生じる。
加えて昨今、車両の動力性能が向上したことから、旋回走行中に、オイルをオイルパンの左側または右側に片寄せる車幅方向の慣性力が増大傾向、長時間持続傾向にある。また、急加速/急減速中に、オイルをオイルパン後側/前側に片寄せる車両前後方向の慣性力が増大傾向、長時間持続傾向にある。したがって、上記問題が顕在化しつつある。
本発明は、上述の実情に鑑み、車幅方向または車両前後方向の慣性力がオイルパンに貯まったオイルに作用しても、潤滑油膜の途切れや気泡の取り込みを効果的に防ぐことができるオイルパンを提案することを目的とする。
この目的のため本発明によるオイルパンは、請求項1に記載のごとく、
車両に取り付けられた作動機構本体の下部に配設され、オイルによって潤滑される該作動機構本体から落下するオイルを受け止めて貯留するオイルパンにおいて、
前記オイルパンの内部に設けられ、前記オイルパンに貯留する貯留オイルを吸引する吸引口を有するストレーナと、前記ストレーナが貫通する貫通孔を有する板状の部材で形成され、前記貯留オイルの液面上で浮遊して前記貯留オイルの液面を覆う板状体と、を備え、
前記ストレーナは、前記ストレーナの周りに全周にわたって設けられ、前記板状体の上方移動を規制するとともに前記規制中に前記貫通孔を閉塞する止め具を有する
ことを特徴としたものである。
かかる本発明の構成によれば、車両の急制動時または急加速時等に前後方向慣性力が発生したり、旋回走行中に車幅方向の慣性力が発生したりしても、板状体がオイルの液面を、常態の液面高さ位置に押さえているため、オイルがオイルパン前側または後側へ片寄ったり、あるいはオイルパンの左側または右側に片寄ったりすることを防止して、ストレーナ吸引口が常にオイルに浸かった状態を保持することができる。
したがって、潤滑油膜の途切れや、潤滑経路上への気泡の取り込みといった問題を解消して、歯車機構等の回転要素を常に円滑に作動させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例になるオイルパンを模式的に示す平面図であり、図2は同実施例のオイルパンの縦断面図である。
オイルパンの外殻であるオイルパンケース1は、エンジンや図15に示すような有段自動変速機104などの下部に取り付けられる。すなわち、ピストン可動部や回転伝動体や軸受等の潤滑を必要とする作動機構本体の下部に設けられて、作動機構本体から落下するエンジンオイルやミッションオイル等の潤滑油を下方で受け止めて貯留する役割を負う。
オイルパンケース1の中央部には、上下方向に延在するストレーナ3を配置する。オイルパンケース1の底面2に近接させてストレーナ3の吸引口3nを配置する。このように吸引口3nの高さ位置を低く配置することにより、オイルパンケース1内のオイル液面の高さ位置が高くても低くても、ストレーナ3はオイルパン内のオイルを吸引する。吸引されたオイルは、ストレーナ3を介して、オイルパンケース1上方にある作動機構本体(図示せず)へ供給される。
オイルパンケース1内に貯留するオイルの液面は、常態で、規定高さ範囲内に水平に位置する。このオイル液面には板状のバッフルプレート4を浮かべておき、オイル液面が上下に移動するとこのフロート型バッフルプレート4も合わせて上下に移動する。バッフルプレート4はオイルの比重よりも軽い素材で薄肉板状に形成される。バッフルプレート4の形状は、後述のようにオイルパンケース1の前側壁1Fと右側壁1Rと後側壁1Bと左側壁1Lとで包囲された矩形の内周形状よりもやや小さい。また、バッフルプレート4の中央部には、ストレーナ3が貫通するための貫通孔5を設ける。貫通孔5の内径はストレーナ3の外径よりも十分大きいものとする。これがため、バッフルプレート4は、オイルパンケース1の前記内周形状の中で些少ながら平面移動することができる。
この実施例では、バッフルプレート4の前後方向長を前側壁1Fおよび後側壁1B間の距離よりも短くしておき、図1に示すように、前側壁1Fとバッフルプレート4周縁との間で隙間6を、後側壁1Bとバッフルプレート4周縁との間で隙間7を生じ得るものとする。上方から落下するオイルは、図2に矢で示すように貫通孔5および隙間6,7を経てバッフルプレート4の下へ流れ込むことができる。また、バッフルプレート4の前後周縁に隙間6,7を設けたことでバッフルプレート4は隙間6,7分だけ前後に移動可能である。
また、バッフルプレート4の車幅方向長を右側壁1Rおよび左側壁1L間の距離よりも僅かに短くしておき、図1に示すように、右側壁1Rとバッフルプレート4周縁との間で殆ど隙間が生じないよう、かつ、左側壁1Lとバッフルプレート4周縁との間で殆ど隙間が生じないようにする。
これにより、バッフルプレート4の左右周縁を経てオイルが上下方向に移動することを防止しつつ、バッフルプレート4は左右側壁1L,1Rに挟持されることなく自由に前後移動が可能である。
バッフルプレート4の上方にあってストレーナ3の所定高さ位置には、バッフルプレート4が上方へ移動することを規制する円盤状の止め具8を水平に取り付ける。通常の状態では図1,2に示すように、オイル液面が水平、かつ止め具8よりも下であることから、バッフルプレート4が止め具8よりも下方でオイル液面に浮いている。
次にこの実施例のオイルパンの機能および作用について説明する。
オイルパンケース1内のオイル量が規定上限値に達すると図3の平面図および図4の縦断面図に示すように、バッフルプレート4が止め具8に当接する。したがって、オイルパンケース1内のオイル量が規定上限値を超えても、バッフルプレート4がさらに浮上して上方にある作動機構本体(図示せず)に接触することはない。
車両前向きの慣性力が作用すると、図5の平面図および図6の縦断面図に示すように、バッフルプレート4が前方に移動して、その周縁が前側壁1Fに当接する。同時に、オイルがオイルパンケース1内を前方に移動して後方には液面9が生じるとともに、バッフルプレート4を上方へ押し上げてバッフルプレート4が止め具8に当接する。
このとき、前側隙間6はバッフルプレート4の前方移動によって遮断される(隙間6はなくなる)とともに、貫通孔5は止め具8によって閉塞される。したがって、オイルパンケース1内のオイルが前方に移動しても、オイルが隙間6や貫通孔5から上方へ流出することを防止して、オイルは止め具8の高さ位置以下に保持される。この結果、ストレーナ吸引口3nは、オイルに浸かっており、ストレーナ3が気泡を吸い込むことを回避できる
この機能は、車両後ろ向きの慣性力が作用しても、同様に発揮される。したがって、車両の急減速や急加速中であっても、ストレーナ3は常にオイルを上方へ供給することができ、油膜の途切れや気泡の吸い込みといった従来からの問題を解消することができる。
なお止め具8は、この実施例に限られず、バッフルプレート4の上方移動を規制するものであればよい。
図7は本発明の第2実施例になるオイルパンを示す平面図であり、図8は同実施例の縦断面図である。上述した第1実施例と共通する部分については同一の符号を用いて説明を省略し、異なる部分については新たに符号を付して説明する。
この実施例の特徴は、上述した第1実施例に止め具13を新たに取り付け、バッフルプレート12を上述したバッフルプレート4よりもひと回り小さくしたことを特徴とする。
すなわち、バッフルプレート12の前後長は、オイルパンケース11の前側壁11Fと後側壁11Bとの距離よりも短く、バッフルプレート12の車幅長は、オイルパンケース11の左側壁11Lと右側壁11Rとの距離よりも短い。したがって常態では、前側壁11Fとバッフルプレート12周縁との間には隙間6が、後側壁11Bとバッフルプレート12周縁との間には隙間7が生じるほか、左側壁11Lとバッフルプレート12周縁との間には隙間14が、右側壁11Rとバッフルプレート12周縁との間には隙間15が生じる。
この点、前後のみに隙間6,7を有する第1実施例と比較して、前後左右に隙間6,7,14,15を有するこの実施例では、バッフルプレート12がより自由に前後左右に移動し得るようにしつつ、オイルが速やかにバッフルプレート12下方へ流下し得る。
図7に示すようにオイルパンケース11の内周には、全周(11F,11R,11B,11L)にわたり、バッフルプレート12の上方移動を規制する止め具13を取り付ける。図8に示すように止め具13の高さ位置は、止め具8の同じ高さ位置と同じであり、これら止め具8および13は同一の水平面上に位置する。
次にこの実施例のオイルパンの機能および作用について説明する。
オイルパン内のオイル量が規定範囲内にある通常の状態(常態)では、オイル液面が、止め具8,13の高さ位置よりも下方にあって、バッフルプレート12は止め具8,13から離間する。このため、作動機構本体(図示せず)から落下するオイルが、隙間6,7,14,15および貫通孔5を通過して速やかにバッフルプレート12の下へ流下することができる。したがって,隙間6,7および貫通孔5を有する第1実施例と比較して、多くの隙間を有するこの実施例は,落下してくるオイルを速やかにバッフルプレート12の下へ流下させることができる点で有利である。
車両前向きの慣性力が作用すると、図9の平面図および図10の縦断面図に示すように、バッフルプレート12が前方に移動して、その周縁が前側壁1Fに当接する。同時に、オイルがオイルパン内を前方に移動して後方には液面9が生じるとともに、バッフルプレート12を上方へ押し上げてバッフルプレート12が止め具8,13に当接する。
このとき、前側隙間6はバッフルプレート4の前方移動によって遮断される(隙間6はなくなる)とともに止め具13がより確実に隙間6を閉塞して、貫通孔5は止め具8によって閉塞される。したがって、オイルパン内のオイルが前方に移動しても、オイルが隙間6や貫通孔5から上方へ流出することを防止して、オイルは止め具8の高さ位置以下に保持される。この結果、ストレーナ吸引口3nは、オイルに浸かっており、ストレーナが気泡を吸い込むことを回避できる
この機能は、車両後ろ向きの慣性力が作用しても、あるいは、車幅方向の慣性力が作用しても、同様に発揮される。したがって、車両の急減速や急加速中、あるいは、旋回走行中であっても、ストレーナ3は常にオイルを上方へ供給することができ、油膜の途切れや気泡の吸い込みといった従来からの問題を解消することができる。
なお、上記第1,2実施例ではストレーナ3がバッフルプレート4を貫通するが、これら実施例に限られず、ストレーナ3がバッフルプレート4を迂回するようオイルパンを構成してもよい。
また、隙間6,7,12,13および貫通孔5を確実に封止するよう、止め具8,13表面またはバッフルプレート4表面を弾性素材で被覆してもよい。
次に参考例について説明する。この参考例では、バッフルプレートをフロート型とはせず、オイルパンケースに結合する。そして複数の孔を設ける。図11は本参考例のオイルパンを具えた変速機を示す縦断面図であり、図12は本参考例のオイルパンを拡大した縦断面図であって前向きの慣性力が作用する場合を示す。
エンジンおよび変速機が停止中には、オイルパン内のオイル液面は最も高く、図12に一点鎖線で示す高さ位置30となる。これに対し、エンジンおよび変速機が作動中には、多くのオイルが変速機22の上部を占める作動機構本体23の潤滑に使用されるため、オイルパン内のオイル液面は最も低く、常態で図12に実線で示す高さ位置31となる。
オイルパンケース20の上端には、常態のオイル液面31の全面を覆うように板状のバッフルプレート21を取り付けて固定する。オイルパンケース20の中央部には、ストレーナ34を上下方向に延在するよう配置する。このため、バッフルプレート21の中央部にはストレーナ34が貫通するための貫通孔35を設ける。貫通孔35の内径はストレーナ34の外径よりも大きいものとし、作動機構本体23から落下するオイルが貫通孔35とストレーナ34との隙間を経て、バッフルプレート21の下に流下し得て,オイルパン底面2に貯留する。貯留したオイルは、オイルパンケース20の底面近傍に配設したストレーナ3下端のストレーナ吸引口34nから吸引されて、作動機構本体23へ戻される。
貫通孔35の他、バッフルプレート21には、複数の孔24,24・・・を貫通させて設ける。そしてバッフルプレート21の前部、後部、右部および左部には、これら孔24,24・・・を夫々1つ以上配設することとする。このようにバッフルプレート21の全域にわたり配設することで、上方から落下するオイルは、これら孔24,24・・・を経てバッフルプレート21の下へ速やかに流れ込むことができる。
また、孔24,24を小径とすることで、孔24,24から上方へ逆流する貯留オイルの流量を低減する。
しかしながら、慣性力が長時間持続する場合には、孔24,24を小径としても、いずれは貯留オイルの大部がオイルパンから流出してしまい、吸引口34nが液面32よりも上に出てしまうという当初の問題が再度発生する。
このため、常に吸引口34nを貯留オイルに浸からせて気泡の混入を防止するという本発明の目的を、安定して実現するため、それぞれの孔24には、バッフルプレート21の上方から下方へのオイルの流下を許容し、下方から上方へのオイルの逆流を遮断する一方向弁25を取り付ける。一方向弁25は公知のボール弁などであってもよい。
図13に示すように本参考例では、孔24の下部に一方向弁25の弁体26を取り付ける。弁体26は破線で示すように孔24を閉塞することから、孔24よりも大きく、この弁体26の一端26aをバッフルプレート21の下部に枢支し、他端26bを上下方向揺動とする。なお、一方向弁25には、弁体26が大きく開かないようストッパ27を設けておく。これにより一方向弁25の弁開度Vは図13に示すように規制され、常態では、バッフルプレート21へ落下したオイルが弁開度Vの一方向弁25を流下する。図13に示すようにストッパ27は、バッフルプレート21の下部に取り付けられるものであっても、弁体26に取り付けられるものであっても、どちらでもよい。
この弁体26は硬い素材で形成され容易に変形しないが、これとは異なり、柔らかい弾性素材で弁体を形成してもよい。当該一方抗弁28の参考例を、図14に縦断面図で示すと、この一方向弁28の弁体29を、ラバーなどの弾性素材で形成する。弁体29一端29aをブラケット28bでバッフルプレート21の下部に結合して他端29bを破線で示すように孔24を隔てたバッフルプレート21の下部に接触するよう向かわせる。
但し、弁体29がオイルに浸かっていない状態では、図14に示すようにラバー製の弁体29が自重で弾性変形し下向きに撓む。この姿勢では、孔24が大きく開放されることはないため、上記ストッパ27を省略することができる。
なお、これら弁体26,29をオイルよりも比重の軽い素材で形成する。これにより弁体26,29がオイルに浸かった場合には、弁体26,29が自身の浮力で浮上することにより孔24を閉塞し、オイルが下方から上方へ逆流することを確実に防止する。また、落下したオイルが弁体26,29の上(バッフルプレート21上)に溜まった状態でオイル液面31が弁体26,29より下方に下がると、オイルの重量で弁体26,29が開放されて、オイルが一方向弁(孔24)を流下する。
次にこの参考例のオイルパンの機能および作用について説明する。
車両前向きの慣性力が作用すると、図12の縦断面図に示すように、オイルがオイルパンケース20内を前方に移動して後方には液面32が生じ、慣性力の作用によりバッフルプレート21下方に貯留するオイルが前方の貫通孔24を経由してバッフルプレート21の上方へ逆流しようとする。しかし、貫通孔24に設けた一方向弁25(28)が、オイルの逆流を防止して、オイルはバッフルプレート21の高さ位置以下に保持される。したがって,ストレーナ3の吸引口3nをオイルに浸からせておくことが可能になり、ストレーナ3が気泡を吸い込むことを回避できる。
この機能は、車両後ろ向きの慣性力が作用しても、あるいは、車幅方向の慣性力が作用しても、同様に発揮される。したがって、車両の急減速や急加速中、あるいは、旋回走行中であっても、ストレーナ3は常にオイルを上方へ供給することができ、油膜の途切れや気泡の吸い込みといった従来からの問題を解消することができる。
なお、貫通孔24に一方向弁25,28を設けない場合、オイルは貫通孔24を上下いずれの方向へも自由に通過可能である。すなわち、作動機構本体23から落下するオイルは、常態では孔24を下向きに通過してオイルパンに流入し、慣性力が作用する走行状態では孔24を上向きに逆流する。
しかし、慣性力が作用する走行状態は一過的なものであり、慣性力の持続時間は常態よりも当然短いことから、孔24の内径を小さくする等、オイルの粘性に応じて孔24の内径を適切に選定することによって、常態ではオイルが孔24を小流量で流下することを許容する一方、慣性力が作用する走行状態では、オイルが孔24を大流量で逆流することを防止し得る。
したがって、車両の用途によっては、一方向弁25,28を省略しても、上記逆流するオイル流量を抑制して、吸引口34nを常にオイルに浸からせておくことが可能である。
この参考例の効果を明らかにするため、図12中、バッフルプレート21を設けない従来の参考例におけるオイル液面33を比較して示すと、慣性力の作用を受けてオイルパンケース20内のオイルには液面33が生じ、吸引口3nがオイル液面33上に位置することとなって、ストレーナ3が気泡を吸い込み、作動機構本体23の油膜が途切れる。
ところで、上記した第1,2実施例によれば、変速機の下部に設けられたオイルパンの底面2の略高さ位置に、オイルを吸引する吸引口3nを設け、貯留オイルの略液面高さ位置に、上方から落下するオイルが該オイルパンへ流入することを許容するとともに該貯留オイルが上方へ流出することを防止する板状のバッフルプレート4(12)を、該貯留オイルの液面を覆うよう配置したことから、
バッフルプレート4(12)が貯留オイルの液面を、常態の液面高さ位置に押さえて、ストレーナ吸引口3nがオイルに浸かった状態を保持することができる。
具体的には第1実施例によれば、慣性力が作用しておらず、規定量のオイルがオイルパンに貯留した常態におけるオイル液面の略全面を覆うフロート型バッフルプレート4を浮かべ(図2)、バッフルプレート4の周縁とオイルパンケース1の側壁面1F,1B等との間には隙間6,7等を設け、バッフルプレート4の上方移動を規制する止め具8を具えたことから、
水平方向(車両前方向)の慣性力がオイルに作用しても(図6)、慣性力作用方向側にある隙間6は、バッフルプレート4の水平方向移動によって閉塞され、オイルをオイルパンケース1の底面2に保持することが可能になる。したがって、ストレーナ吸引口3nを常にオイルに浸からせておくことが可能となり、油膜の途切れや気泡の吸い込みといった従来からの問題を解消することができる。
なお、貫通孔5は必須の構成ではないが、第1、2実施例のように隙間6,7等とともに設けられることによって、上方から落下するオイルをオイルパン底面2へ速やかに流入させることができる。
そして第2実施例では、貫通孔5および隙間6,7等を閉塞する止め具8,13を具えたことから、オイルを確実にオイルパンケース1の底面2に保持することができる。
また、上記した参考例において、常態のオイル液面31の全面を覆うよう板状体のバッフルプレート21を取り付け、このバッフルプレート21に複数の孔24,24・・・を設けることで、孔24を上向きに逆流するオイル流量を抑制して、吸引口34nを常にオイルに浸からせておくことが可能である。
図11に示すように参考例においては、オイルパンケース20の平面における中央部に吸引口34nを配置し、バッフルプレート21の前端側、後端側、左端側、右端側に、孔24を複数設けたことから、
慣性力の作用方向が、車両前後方向または車幅方向いずれであっても、例えは図12に示すように吸引口34nを常にオイルに浸からせておくことが可能である。
また孔24には、オイルの下向きの流れを許容してオイルの上向きの流れを遮断する一方向弁25,28を設けたことから、慣性力が作用する場合には貯留オイルが孔24を上向きに逆流することを防止して(図12)、吸引口34nを確実にオイルに浸からせておくことができ、本参考例の効果であるところの、作動機構本体23における潤滑性能の信頼性が向上する。
ここで一方向弁25、28を、図13,14に示すように孔24よりも大きな弁体26,29が下方から孔24を閉塞する構成とし、弁体26,29をオイルより比重の軽い素材で形成することで、慣性力が作用する場合には孔24を上向きに逆流するオイル流量を確実に防止することができる。
また一方向弁25は、弁体26が孔24から離間することを規制するストッパ27を具えたことから、オイルが孔24を上向きに流れようとしたときには、弁体26が迅速に孔24を閉塞することが可能となり、慣性力が作用する場合には孔24を上向きに逆流するオイル流量を確実に防止することができる。
ストッパ27を具えない一方向弁28においても、弾性素材からなる弁体29と、弁体29の基端29aをバッフルプレート21と平行に向かわせるブラケット28bとから構成される機構が、一方向弁25と同じように、弁体29が孔24から離間することを規制する。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨に逸脱しない範囲において種々変更が加えられうるものである。例えば上記各実施例ではストレーナがバッフルプレートを貫通する配置構成であるが、この貫通孔は必須の構成ではなく、バッフルプレートを迂回してストレーナを配置してもよい。
本発明の第1実施例になるオイルパンを模式的に示す平面図である。 図1中のオイルパンの縦断面図である。 同実施例のオイルパン内においてオイル量が規定上限値に達した状態を示す平面図である。 図3中のオイルパンの縦断面図である。 同実施例のオイルパンに前向きの慣性力が作用する状態を示す平面図である。 図5中のオイルパンの縦断面図である。 本発明の第2実施例になるオイルパンを模式的に示す平面図である。 図7中のオイルパンの縦断面図である。 同実施例のオイルパンに前向きの慣性力が作用する状態を示す平面図である。 図9中のオイルパンの縦断面図である。 本発明の参考例になるオイルパンを模式的に示す縦断面図である。 参考例のオイルパンに前向きの慣性力が作用する状態を示す縦断面図である。 参考例のバッフルプレート貫通孔に取り付けた一方向弁を示す縦断面図である。 参考例のバッフルプレート貫通孔に取り付けた一方向弁を示す縦断面図である。 従来のオイルパンを模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1 オイルパンケース
3, 34 ストレーナ
3n ストレーナ吸引口
4 バッフルプレート
5 貫通孔
6, 7 隙間
8 止め具
11 オイルパンケース
12 バッフルプレート
13 止め具
14, 15 隙間
20 オイルパンケース
21 バッフルプレート
22 自動変速機
23 作動機構本体
24 貫通孔
25, 28 一方向弁
26, 29 弁体

Claims (2)

  1. 車両に取り付けられた作動機構本体の下部に配設され、オイルによって潤滑される該作動機構本体から落下するオイルを受け止めて貯留するオイルパンにおいて、
    前記オイルパンの内部に設けられ、前記オイルパンに貯留する貯留オイルを吸引する吸引口を有するストレーナと、
    前記ストレーナが貫通する貫通孔を有する板状の部材で形成され、前記貯留オイルの液面上で浮遊して前記貯留オイルの液面を覆う板状体と、
    を備え、
    前記ストレーナは、前記ストレーナの周りに全周にわたって設けられ、前記板状体の上方移動を規制するとともに前記規制中に前記貫通孔を閉塞する止め具を有する
    ことを特徴とするオイルパン。
  2. 請求項1に記載のオイルパンにおいて、
    前記オイルパンは、側壁内側の全周にわたって設けられ、前記板状体の上方移動を規制するとともに前記規制中に前記板状体と前記オイルパンとの間の隙間を閉塞する止め具を有する
    ことを特徴とするオイルパン。
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