JP4626587B2 - 気液分離器 - Google Patents
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Description
上記特許文献1には、オイルの排油性を向上させるためにオイル保持タンク6を備え、このオイル保持タンク6のオイル排出口61に、エンジン稼動中にオイル排出口61を閉鎖すると共に、エンジン停止時にオイル排出口61を開放する逆止弁7を設けてなる気液分離器が開示されている。
上記特許文献2には、分離器本体の壁面にオイル排出孔46を形成してなる気液分離器が開示されている。
また、上記特許文献2では、オイル排出孔の孔径が大きい場合には、ブローバイガスの吸引時にオイル排出孔から分離したオイルが逆流することがあり、またオイル排出孔の孔径が小さな場合には排油性が低下してしまうといった問題がある。
1.筒状の分離器本体と、該分離器本体に設けられ且つ気液混合気を該分離器本体の内部に接線方向に導入する導入部と、該分離器本体に設けられ且つ分離した液体を排出する液体排出部と、該分離器本体に設けられ且つ分離した気体を排出する気体排出部と、を備える気液分離器において、
前記液体排出部から排出される液体を貯留する貯留部と、該貯留部に設けられ且つ貯留された液体を排出する貯留液体排出部と、該貯留部内に設けられ且つ該貯留部内に貯留された液体の前記液体排出部への逆流を抑制する邪魔部と、を備え、
前記邪魔部は、前記液体排出部の開口に対向する傘状の第1邪魔部と、該第1邪魔部の周囲に設けられ且つテーパ筒状の第2邪魔部と、を有することを特徴とする気液分離器。
2.前記第1邪魔部及び前記第2邪魔部によって、前記貯留部の内部空間が前記液体排出部側の空間(S1)と前記貯留液体排出部側の空間(S2)とに仕切られている上記1.記載の気液分離器。
3.前記第1邪魔部及び前記第2邪魔部のそれぞれは、水平面に対して傾斜するテーパ面を有している上記1.又は2.記載の気液分離器。
4.前記貯留部は、前記分離器本体の前記液体排出部が接続される貯留タンクである上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の気液分離器。
5.前記貯留部は、前記分離器本体を覆うハウジングである上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の気液分離器。
6.前記気液混合気はブローバイガスである上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の気液分離器。
このように、貯留部を備え、分離器本体で分離した液体を貯留しながら排出するようにしたので、貯留部の貯留液体排出部からの液体の排出性を向上させることができる。また、貯留部の貯留液体排出部に弁機構を設けていないので、貯留部の小型化及び構造の簡素化を実現できる。また、邪魔部を備えているので、分離器本体の液体排出部への貯留液体の逆流を抑制できると共に、分離器本体の液体排出部からの液体の排出性を向上させることができる。
また、前記邪魔部が、前記液体排出部の開口に対向する第1邪魔部を有しているので、第1邪魔部によって、液体排出部への貯留液体の逆流をより確実に抑制できると共に、分離器本体の液体排出部からの液体の排出性をより向上させることができる。
また、前記邪魔部が、第1邪魔部と、第2邪魔部と、を有しており、該第1邪魔部及び該第2邪魔部によって、前記貯留部の内部空間が前記液体排出部側の空間と前記貯留液体排出部側の空間とに仕切られている場合は、第1邪魔部及び第2邪魔部によって、液体排出部への貯留液体の逆流をより確実に抑制できると共に、分離器本体の液体排出部からの液体の排出性をより向上させることができる。
また、前記邪魔部が、水平面に対して傾斜するテーパ面を有している場合は、テーパ面によって、分離器本体の液体排出部から排出される液体が貯留部の底側に円滑に案内される。
また、前記邪魔部が、前記貯留部の内部空間を前記液体排出部側の空間と前記貯留液体排出部側の空間とに仕切る仕切り壁を有している場合は、仕切り壁によって、液体排出部への貯留液体の逆流をより確実に抑制できると共に、分離器本体の液体排出部からの液体の排出性をより向上させることができる。
また、前記貯留部が、前記分離器本体を覆うハウジングである場合は、ハウジングによって、分離した液体を貯留しながら排出できる。
また、前記貯留部が、前記分離器本体の前記液体排出部が接続される貯留タンクである場合は、貯留タンクによって、分離した液体を貯留しながら排出できる。
さらに、前記気液混合気がブローバイガスである場合は、ブローバイガスをガスとオイルとに遠心分離できる。
本実施形態1.に係る気液分離器は、以下に述べる分離器本体、導入部、気体排出部、貯留部、貯留液体排出部及び邪魔部を備える。この気液分離器は、例えば、後述する連通部及び吸気部のうちの少なくとも一方を更に備えることができる。
上記気液分離器の用途等は特に問わないが、例えば、車両エンジンのブローバイガスをガスとオイルとに遠心分離するものとして好適に用いられる。
上記分離器本体によって、その内部に導入された気液混合気が旋回されて気体と液体とに遠心分離される。
上記分離器本体は、例えば、円筒部2aと、この円筒部の一端側に連なるテーパ筒部2bと、を有することができる(図1及び4等参照)。
上記導入部は、例えば、上記分離器本体の上部に設けられ且つ分離器本体の接線方向に延びる導入管3であることができる(図1及び4等参照)。
上記液体排出部は、例えば、上記分離器本体の下部に設けられた液体排出管4であることができる(図1及び4等参照)。
上記液体排出部は、例えば、後述の貯留部の中心側に開口するように配設されていることができる。これにより、例えば、車両が傾斜面を走行する際に、貯留部内に貯留された液体の液面が傾斜して、その液体が液体排出部に逆流してしまうことを抑制できる。
上記気体排出部は、例えば、上記分離器本体の内部で軸方向に延びる気体排出管5であることができる(図1及び4等参照)。
上記貯留部としては、例えば、(1)上記分離器本体を覆うハウジング7である形態(図1等参照)、(2)上記分離器本体の液体排出部が接続される貯留タンク7’である形態(図4等参照)等を挙げることができる。
上記(1)形態のハウジングは、例えば、車両エンジンを構成するヘッドカバーであることができる。
上記(2)形態の場合、上記液体排出部は、例えば、上記貯留部の壁面から該貯留部の少なくとも内方に延びる液体排出管であることができる。
上記貯留液体排出部は、例えば、上記貯留部の下部に設けられた貯留液体排出管9であることができる(図1及び4等参照)。
上記貯留液体排出部は、例えば、上記貯留部の底壁に設けられたテーパ部又は傾斜部の先端側に設けられていることができる。これにより、貯留液体の排出性を更に向上させ得る。
上記貯留液体排出部の開口面積aは、例えば、上記液体排出部の開口面積bより小さな値に設定されていることができる(図1及び4等参照)。
上記邪魔部は、例えば、上記貯留部の内壁に固定されていたり、上記分離器本体に固定されていたりすることができる。
上記邪魔部の形状としては、例えば、平板状、湾曲板状、塊状、異形状等を挙げることができる。
上記(1)形態において、上記第1邪魔部及び第2邪魔部のうちの少なくとも一方は、例えば、水平面に対して傾斜するテーパ面14を有することができる。このテーパ面によって、分離器本体の液体排出部から排出される液体が貯留部の底側に円滑に案内される。
上記貯留部が上記ハウジング7である場合、上記連通部は、例えば、分離器本体の気液分離領域の上流側及び/又は導入部に設けられ且つハウジングの内部に開口する連通管11,11’であることができる(図1及び3等参照)。この連通管11は、例えば、分離器本体の接線方向に延びて形成されていることができる。
上述の場合、ハウジング内に、例えば、ハウジング内を分離器本体の気液分離領域の上流側及び/又は前記導入部に向って流れる気液混合気に旋回力を与える螺旋板17を設けることができる(図3参照)。この螺旋板は、例えば、ハウジングの内壁に固定されていたり、分離器本体の外壁に固定されていたりすることができる。
上記吸気部は、例えば、上記貯留部の上部に設けられた吸気管10であることができる(図1及び4等参照)。この吸気管10は、例えば、上記貯留部の壁面から貯留部の少なくとも内方に延びて形成されていることができる。
上記吸気部は、例えば、貯留部の上壁に上下方向に開口して形成されていたり、貯留部の周壁に横方向に開口して形成されていたりできる。
上記吸気部は、例えば、貯留部の中心側に開口する上記液体排出部の近傍に配設されていることができる(図4参照)。これにより、例えば、車両が傾斜面を走行する際に、貯留部内に貯留された液体の液面が傾斜して、その液体が吸気部に逆流してしまうことを抑制できる。
上記吸気部の開口面積cは、例えば、上記導入部の開口面積dより小さな値に設定されていることができる(図1及び4等参照)。
尚、本実施例では、本発明に係る「気液分離器」として、車両エンジンのブローバイガスをガスとオイルとに遠心分離するものを例示する。
本実施例に係る気液分離器1は、図1及び2に示すように、略円筒状の分離器本体2を備えている。この分離器本体2は、円筒部2aと、この円筒部2aの下端側に連なるテーパ筒部2bとを有している。この円筒部2aの周壁には、分離器本体2の接線方向に延びる導入管3(本発明に係る「導入部」として例示する。)が設けられている。また、この円筒部2aの周壁には、導入管3と平行であり分離器本体2の接線方向に延びる連通管11(本発明に係る「連通部」として例示する。)が設けられている。この連通管11は、後述のハウジング内に開口している。また、テーパ筒部2bの下端側には、後述のハウジングの中心部に開口するオイル排出管4(本発明に係る「液体排出部」として例示する。)が設けられている。また、上記分離器本体2の上壁の中心部には、分離器本体2の内部で上下方向(旋回軸方向)に延びる気体排出管5(本発明に係る「気体排出部」として例示する。)が設けられている。
次に、上記気液分離器1の作用について説明する。
車両エンジンの燃焼室から漏洩するブローバイガスが導入管3から分離器本体2内に接線方向から導入される。すると、その導入されたブローバイガスが旋回流となってガスとオイル(オイルミスト)とに遠心分離される。その分離後のガスは気体排出管5から外部に排出される一方、その分離後のオイルは自重により分離器本体2の内周面側を下方に向って流れてオイル排出管4からハウジング7内の底部に一時的に貯留される。その後、アイドリング時等の際に、貯留オイル排出管9から逆流するブローバイガスの吸引力が貯留オイルの重量より小さくなると、貯留オイルは貯留オイル排出管9から外部に排出される。
なお、ブローバイガスの吸引時には、気体排出管5にかかる吸引力(負圧)Qは、導入管3の吸引力Q1、吸気管10の吸引力Q2、及び貯留オイル排出管9の吸引力Q3の総和となる。
本実施例の気液分離器1では、ハウジング7によって、分離器本体2で分離したオイルを貯留しながら排出するようにしたので、ハウジング7の貯留オイル排出管9からのオイルの排出性を向上させることができる。また、ハウジング7の貯留オイル排出管9に、従来のような運転中閉状態となる弁機構を設けていないので、運転中でもハウジング7内の貯留オイルを排出することができ、ハウジング7の小型化及び構造の簡素化を実現できる。
また、本実施例では、貯留オイル排出管9の開口面積aを、オイル排出管4の開口面積bより小さな値に設定したので、貯留オイル排出管9へのブローバイガスの逆流をより確実に抑制できると共に、オイル排出管4からのオイルの排出性をより向上させることができる。
また、前記第1及び第2邪魔部13a,13bに、水平面に対して傾斜するテーパ面14を設けたので、それらのテーパ面14によって、分離器本体2のオイル排出管4から排出されるオイルをハウジング7の底部に円滑に案内することができる。
また、上記実施例におけるハウジング7の内壁に、ハウジング7内を流れるブローバイガスに旋回力を与える螺旋板17を設けるようにしてもよい(図3参照)。これにより、螺旋板17でハウジング内でもブローバイガスを気液分離できる。
また、上記実施例では、貯留部の内部空間を上下2つの空間S1,S2に仕切る邪魔部13を設けるようにしたが、参考例として、例えば、図5に示すように、貯留部の内部空間を左右2つの空間S1,S2に仕切る仕切り壁20を設けるようにしてもよい。
Claims (6)
- 筒状の分離器本体と、該分離器本体に設けられ且つ気液混合気を該分離器本体の内部に接線方向に導入する導入部と、該分離器本体に設けられ且つ分離した液体を排出する液体排出部と、該分離器本体に設けられ且つ分離した気体を排出する気体排出部と、を備える気液分離器において、
前記液体排出部から排出される液体を貯留する貯留部と、該貯留部に設けられ且つ貯留された液体を排出する貯留液体排出部と、該貯留部内に設けられ且つ該貯留部内に貯留された液体の前記液体排出部への逆流を抑制する邪魔部と、を備え、
前記邪魔部は、前記液体排出部の開口に対向する傘状の第1邪魔部と、該第1邪魔部の周囲に設けられ且つテーパ筒状の第2邪魔部と、を有することを特徴とする気液分離器。 - 前記第1邪魔部及び前記第2邪魔部によって、前記貯留部の内部空間が前記液体排出部側の空間(S1)と前記貯留液体排出部側の空間(S2)とに仕切られている請求項1記載の気液分離器。
- 前記第1邪魔部及び前記第2邪魔部のそれぞれは、水平面に対して傾斜するテーパ面を有している請求項1又は2記載の気液分離器。
- 前記貯留部は、前記分離器本体の前記液体排出部が接続される貯留タンクである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気液分離器。
- 前記貯留部は、前記分離器本体を覆うハウジングである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気液分離器。
- 前記気液混合気はブローバイガスである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の気液分離器。
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