JP3658503B2 - 乗物の電力供給装置及び集約配線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物に搭載された複数の電気負荷に乗物に搭載された電源から電力を供給するための乗物の電源供給装置に係り、特に自動車に好適な電力供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、各種の電気負荷としての電装品が装備されている。そして、例えば、自動車では、バッテリや発電機などの電源装置からいくつもの電気負荷に電力を供給するため、何本もの電源線ワイヤハーネスが用いられている。そして、実際の車両に電源線(ワイヤハーネス)を配線する場合は、配線作業性や故障時の修理作業を考慮して、エンジンルール,室内,トランクルーム,ドアなどの各エリア毎にワイヤハーネスを分割してコネクタで接続する方法が用いられている。従ってコネクタによって複数に区画されたこれらのワイヤハーネスは、バッテリなどの電源装置から未端の負荷に至るまでにいくつかのコネクタを通して電力が供給される。
【0003】
また、このような車両の電力供給系では、一般に片側アース給電方式、すなわち、電源からの給電路の一方として、車両の車体の一部を利用する給電方式が採用されており、このため、電源線が車体に触れただけてショート(短絡異常)になってしまう。そこで、従来の車両の電力供給装置では、車両の所定の場所にヒューズボックスを設け電源装置から所定の負荷系統毎に過電流保護用のヒューズ(可溶片)を設け、電源線がショートしたとき、このヒューズの溶断により電源から切り離して保護が得られるようにしている。
【0004】
そして、このヒューズは自動車のコンソールボックスの下や、トランクルームの中等に設けたヒューズボックスにまとめて収納されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って従来技術では、負荷によっては、非常に長いワイヤハーネスで電源と接続されている。また電源線が短絡故障した場合、ヒューズが溶断する前に電源線が発煙しないよう、電源線の定格電流をヒューズの溶断定格電流以上にしなければならず、結果として太い電線を電源線に使用している。また、ワイヤハーネス途中のコネクタの嵌合がゆるんで接触不良となったときも、負荷への電源供給が不安定になる。また、ワイヤハーネスはトリム(内装)の内側に隠されて配線されるため、電源線の短絡異常箇所の特定や、コネクタ嵌合不十分な場所の特定が難しいという問題もある。
【0006】
このような課題に対して、本願発明者等は先に国際公開番号WO96/26570 号で新しい電源供給システムを提案した。
【0007】
本発明の目的は、更に電源線の異常(例えばショート)に対して信頼性の高い電力供給装置を得るにある。
【0008】
また別の目的は比較的低い定格電流のワイヤハーネスで電力が供給できる電力供給装置を得るにある。また更に別の目的はワイヤハーネスの短絡異常発生時の異常箇所および/またはコネクタ嵌合不良箇所が特定できるようにした車両の電力供給装置を提供することにある。また、別の目的は、不必要な負荷電流を電源線に流さないようにして、消費電力の低減を計ることである。
【0009】
また別の目的は、ヒューズや、リレーを制御モジュールの近傍に配置して、電力配線を短くすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記一つの目的は、電源と電気負荷との間の電源線路にヒューズおよび/または電路遮断装置(例えばリレー,自己遮断スイッチ素子)を配置し、ショートに対して2重or3重の保護システムを設けたことによって達成される。
【0011】
また別の目的は、電源から制御ユニットを介して、電気負荷に給電するにあたり、車両の車体を導電路とする片側アース給電方式で行うようにし、各制御ユニット単位での電力線のインピーダンスが等価的に並列接続されるように負荷用の電源線に制御ユニットを接続することによって達成できる。
【0012】
また別の目的は、制御用の電源供給線を、負荷用の電源供給線と独立して配電し、不必要なときは負荷用の電源を遮断回路で遮断制御することにより達成できる。
【0013】
更にまた別の目的は、電源線の複数の区間に独立したショートセンサを設け、短絡異常および関連するコネクタの嵌合不良異常が発生したとき、どの区間で異常が検出されたかを判定することにより、達成される。
【0014】
また、本発明は、通信制御によって複数の制御ユニット間で制御信号を送受信できるようにしたシステムと組合せると好ましい。
【0015】
更に本発明では、制御モジュールは負荷用の電源線と電気負荷との間にリレーおよび/またはヒューズを有し、電気負荷を制御する制御モジュールの近傍にリレーおよび/またはヒューズが収納されている。好ましくは、制御モジュールに一体にリレーおよび/またはヒューズボックスが取付けられて制御ユニットが構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した自動車のシステム全体図であり、本発明を構成する部品の配置を示している。3はバッテリであり、バッテリの直近に配置されたヒュージブルリンク4を介して車両全体に対して電源を供給する。パワートレインコントロールモジュール(PCM)10は、エンジンの燃料噴射量や点火時期の制御やスロットルバルブ開度の制御及びエンジントランスミッションの制御を行う。エンジン制御用のセンサやアクチュエータが配置されたエンジンの近く(例えば吸気管外壁やサージタンクの外壁やエアクリーナ内部等)に取付けられている。PCM10には、エアフローメータや水温センサ,クランン角センサなどのいくつかのセンサや、インジェクタ9,点火装置,スロットルバルブを開閉するスロットルモータ35などの電気負荷としてのアクチュエータ群が接続されている。アンチロックブレーキシステム(ABS)用のコントロールモジュール11は、ABS用アクチュエータに隣接したエンジンルールの後方に装着されている。エアコンディショナーコントロールユニット(A/C)16は、A/C用温度センサおよびアクチュエータの設置場所に近い助手席側のダッシュボート近辺に配置される。エアバックコントロールモジュール(SDM)25は、センターコンソールボックス近辺に搭載されている。ボディコントロールモジュール(BCM)14は、ステアリング近辺の表示デバイスやイグニッションキースイッチ26,ハザードスイッチ27,ウィンカスイッチ,ワイパスイッチなどが接続され、ダッシュボード近辺に設置される。各モジュールには少なくとも演算処理装置(CPU)、および他のモジュールとの間でデータ通信を行うための通信回路(通信IC)を有している。各モジュールはそれぞれのモジュールに接続されるセンサや電気負荷等のデバイスの近くに設置されており、これにより各モジュールと接続されるデバイスとの間のハーネス長は短くなる。FRONT INTEGRATION MODULE(FIM)5はヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b(左)、7a,7b(右)に隣接したエンジンルールの前方に配置されており、前記ヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bや近くに装着されているホーン8などを駆動するように接続されている。DRIVER DOOR MODULE(DDM)18,PASSENGER DOOR MODULE(PDM)20は、それぞれ運転席側,助手席側のドアに搭載されており、ドアロックモータ19,21,パワーウィンドウモータ,ドアロックSW,パワーウィンドウSW,電動ミラーモータ(以上図示せず)などが接続されている。REAR INTEGRATION MODULE(RIM)29は、テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34に隣接したトランクルームの前方に配置されており、前記テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34の他、トランクオープナ用モータ,リアデフォッガや後席のドアロックモータ23,28,パワーウィンドウモータ,ドアロックSW,パワーウィンドウSWなどを駆動するように接続されている。前記FIM5,RIM29,DDM18,PDM20にはそれぞれ他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信回路を有する。また、センサ,スイッチ類や外部電気負荷等のデバイスが接続されている入出力インターフェースと、更に電気負荷への制御信号を演算する演算処理装置(CPU)を有している。
【0017】
各モジュール間でのデータの授受を行うため、多重通信線30が各モジュールの通信回路間を接続している。このように、各モジュールは接続されるデバイスの近いところに配置され、かつ自分に接続されていないデバイスの入力データおよび出力データは多重通信線を介して他のモジュールとの間で送受信するので、それぞれのモジュールに必要なデータを得ることができる。多重通信線30は、コネクタ35を介して診断装置13に接続することができ、診断装置13は診断に必要な情報を通信線を介して各モジュールから得ることができる。
【0018】
バッテリ3からの電源線はヒュージブルリンク4を介してFIM5に接続し、FIM5からBCM14間は電源線12A,コネクタ17A,電源線12Bを介して、BCM14からRIM29間は電源線12C,コネクタ17B,電源線12Dを介して、RIM29からBCM14間は電源線12E,コネクタ17C,電源線12Fを介して、BCM14からFIM5間は電源線12G,コネクタ17D,電源線12Hを介して接続しており、車両内にループ状に配線されている。このように電源線を車両内にループ状に配線し、そのループ状に配線された電源線に各モジュールを接続あるいは電源線を各モジュールに接続し、電源線から各モジュールを介して電気負荷としての各種アクチュエータに電力を供給する。各モジュールはエンジンルーム,車室内,トランクルームにそれぞれ一つ配置するように構成している(本実施例では、それぞれFIM,BCM,RIMで構成している)。実施例の構成によれば、各制御ユニット単位での電力線のインピーダンスが等価的に並列接続され、定格電流が小さい電源線を使用して電力系統を構成することができる。ドアに配置されたモジュールDDM18,PDM20には、BCM14から電源を供給する構成としている。
【0019】
ループ状に配線された電源線は、コネクタ17A,17B,17C,17Dで脱着できるようになっており、電源線12A,電源線12Hはエンジンルーム、電源線12B,電源線12C,電源線12F,電源線12Gは車室内、電源線12D,電源線12Eはトランクルームというように分離できるようになっている。
【0020】
従って、電源線は、ループ状のみならず制御モジュールをスター状にもツリー状にも接続結線できる。例えば、コネクタ17D,17Cで接続されている電源線12H,12F,12G,12Hをはずせば、ツリー結線となる。
【0021】
次に図1のループ式結線の電源供給系統を適用した3つの実施例を図2,図3,図4にて説明する。まず図2の実施例についてその構成を説明する。図1で説明したループ状に配線された電源線は、バッテリ3からヒュージブルリンク4f,4eを介してFIM5の負荷電源遮断回路110に接続される。ヒュージブルリンク4fからの電源は負荷電源遮断回路110を経由して、電源線12Aに接続される。電源線12Aは、コネクタ17Aで電源線12Bの一端に接続され、他端はBCM14の負荷電源遮断回路210に後述のBCMのモジュール側コネクタに接続される。電源線12Bは負荷電源遮断回路210を経由して、後述のBCMのモジュール側コネクタに一端が接続された電源線12Cに電気的に接続され、電源線12Cの他端は、コネクタ17Bで電源線12Dの一端に接続され、RIM29の負荷電源遮断回路310に後述のRIMのモジュール側コネクタを介して接続される。電源線12Dの他端はRIM29の負荷電源遮断回路310を経由して、後述のRIMのモジュール側コネクタに一端が接続された電源線12Eに電気的に接続され、電源線12Eの他端は、コネクタ17Cで電源線12Fの一端に接続され、電源線12Fの他端はBCM14の負荷電源遮断回路210に接続される。電源線12Fの他端はBCM14の負荷電源遮断回路210を経由して、後述するBCMのモジュール側コネクタを介して電源線12Gの一端に電気的に接続され、電源線12Gの他端は、コネクタ17Dで電源線12Hの一端に接続され、他端はFIM5の負荷電源遮断回路110に後述するFIMのモジュール側コネクタを介して接続される。一方ヒュージブルリンク4eからの電源はモジュールFIM5の負荷電源遮断回路110を経由して、後述するモジュール側コネクタを介して電源線12Hの他端に電気的に接続されており、結果的に電源線12A〜12Hはヒューズ4e,4fを介して、ループ状に配線されている。このループ状に配線された電源線を総称して以後パワーバス12と称す。
【0022】
この電源線12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12Hの構造の一例は、図26に示すように、電源線3020を中心として、その周囲を覆う絶縁材3030と、この絶縁材3030の外周を覆う導電体3010、それにこの導電体3010の外周を覆う絶縁材3000とで構成されている。ここでまず電源線3020は、通常、銅の単線、又は撚り線で作られ、電力供給用の導電線となるものである。絶縁材3030は、ゴムやプラスチックなどの絶縁体で作られ、電源線3020を絶縁する働きをする。導電体3010は、細い銅線を編み合わせる(以下編組線)ことにより、絶縁材3030の外周に層状に形成したものである。絶縁材3000は、ゴムやプラスチックなどの絶縁体で作られ、ケーブルの保護層として機能する。前記導電体3010の機能は後で詳細に記すが、電源線12Aの導電体3010の一端はFIM5のショート検出回路230に接続され、もう一端はコネクタ17Aの直近で開放状態となっている。同様に電源線12Bの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Cの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Dの導電体3010の一端はRIM29のショート検出回路330に、電源線12Eの導電体3010の一端はRIM29のショート検出回路330に、電源線12Fの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Gの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Hの導電体3010の一端はFIM5のショート検出回路130に、それぞれ接続され、全ての電源線12B,12C,12D,12E,12F,12G,12Hの他端はそれぞれのコネクタの直近で開放状となっている。この導電体3010を以後ショートセンサと称す。一方電源線3020は、前述したようにFIM5から出発して、電源線12A,コネクタ17A,電源線12B,BCM14,電源線12C,コネクタ17B,電源線12D,RIM29,電源線12E,コネクタ17C,電源線12F,BCM14,電源線12G,コネクタ17D,電源線12Hを経由し、FIM5に戻るループ状に接続されている。
【0023】
このようにループ状に配線された電源線12A〜12HはFIM5,BCM14,RIM29の各負荷電源遮断回路110,210,310および、各モジュールFIM5,BCM14,RIM29の各負荷駆動回路(ドライバ回路)160,260,360を介して各モジュールに接続されたそれぞれの電気負荷190,290,390に電力を供給する。また他のモジュールDDM18,PDM20は、BCM14の負荷電源遮断回路210に接続される電源線のうち、電源に近い側の12B,12Gから電源供給回路200を介して、電力が供給される。A/C16,SDM25,ラジオ15は、電源線50fを介してBCM14の電源供給回路200からバックアップ電源が供給される。
【0024】
前述の負荷用の電源線とは別にバッテリ3からは制御系用の電源もFIM5,BCM14,RIM29に供給される。FIM5の制御系電源回路120にはヒューズ4bを経由して、BCM14の制御系電源回路220にはヒューズ4cを経由して、RIM29の制御系電源回路320にはヒューズ4dを経由してバッテリ3から電源が供給される。このように制御系への電源供給を別系統で行うことにより、どれか一つのモジュールが故障しても他のモジュールは動作することができる。
【0025】
前記パワーバス12は、ヘッドランプやストップランプ,ワーニングランプ類,パワーウィンドウ,ドアロックなどの制御、いわゆるボディ電装系、あるいは艤装系と呼ばれる電気負荷に電力を供給する。エンジンの燃料噴射量を制御するインジェクタや点火時期を制御する点火装置やスロットルバルブ開度を制御するモータ等の制御を行うエンジンコントロールモジュール(ECM),エンジントランスミッションの制御を行うオートトランスミッション(ATM),パワートレイン系のパワートレインコントロールモジュール(PCM)には、バッテリ3からヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ダッシュボード近辺に配置されたヒューズボックス36内のヒューズ36bおよび電源線50bを経由して、前述のボディ電装系の電源供給系とは別系統で電力が供給されている。ABSコントロールユニット11には、ヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズボックス36内のヒューズ36aおよび電源線50aを経由して電力が供給されている。エアバックコントロールユニットSDM25には、ヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズボックス36内のヒューズ36cおよび電源線50cを経由して電力が供給されている。ラジオ15には、ヒュージブルリンク4a,アクセサリスイッチ26b,ヒューズボックス36内のヒューズ36dおよび電源線50dを経由して電力が供給されている。A/Cユニット16には、ヒュージブルリンク4a,アクセサリスイッチ26b,ヒューズボックス36内のヒューズ36eを経由してバッテリ3から電力が供給されている。このように、それぞれの別機能を持った制御系毎に別系統の電源系としているので、どれか一つの電源系が故障しても他の電源系に影響を与えることがない。
【0026】
BCM14は電源供給回路200を有し、この電源供給回路200は電源線12Bと12Gに電源線210b,210gを介して接続されている。ラジオ15,SDM25,A/C16にはアクセサリスイッチ26bまたはイグニッションスイッチ26aを介して電力が供給されているので、アクセサリスイッチ26bまたはイグニッションスイッチ26aがオフになると電力は供給されなくなる。その時、動作していたときのデータをバックアップするためには、イグニッションスイッチ26a,アクセサリスイッチ26bがオフになっても電源を供給する必要がある。そこで、BCM14の電源供給回路200から電源50fを介してこれらのモジュールのデータをバックアップするための電源が供給されている。このデータバックアップ用の電源を、パワーバス12から得るようにしたのでデータバックアップ用の別の電源線およびヒューズを設ける必要がない。また、このパワーバス系統12A〜12Hが故障して、バックアップデータが消去されても、ラジオ15,SDM25,A/C16はアクセサリスイッチ26b,イグニッションスイッチ26aを介して電力が供給されると初期値で動作を始めるように構成しておけば、致命的な故障にはならない。
【0027】
ボディ電装系のモジュールFIM5,BCM14,RIM29,DDM18,PDM20をそれぞれ通信回路140,240,340,640,540を有しており、それぞれの通信回路間は、多重通信線30で接続されている。それぞれのモジュールは、例えばBCM14に入力されるイグニッションキースイッチの状態など車両全体に関連する入出力の情報を相互に送受信することにより、1つのモジュールで取込まれた入力信号によって別のモジュールに設けられた負荷を駆動制御できる。
【0028】
DDM18,PDM20にはBCM14の電源供給回路200を介して電力が供給される。このためDDM18の電源回路520,PDMの電源回路620はそれぞれ電源線23,24を介してBCM14の電力供給回路200に接続されている。
【0029】
BCM14に接続された負荷群290は出力回路(ドライバ回路)260を介して電力の供給を受ける。
【0030】
出力回路260は電源12cと12fに電源線210c,210fを介して接続されている。
【0031】
出力回路260は制御回路270の制御信号出力線群270bから制御信号を受けて負荷を駆動制御する。
【0032】
制御回路270は入力回路250及び通信回路240の入力インターフェースから入力される入力信号280,イグニッションスイッチ信号,アクセサリスイッチ信号及び受信信号に基づいて負荷制御信号を出力回路260に出力する。
【0033】
BCMモジュール14はショート検出回路230を有し、電源線12B,12C,12F,12Gのショート異常を監視している。ショート検出回路230によって例えば電源線12Fのショート異常が検出されるとその信号は制御回路270に入力され、出力信号線270aを介して負荷電源遮断回路210が駆動され、ショート異常の電源線区間12Fの一端が接離される。この時制御回路270は通信回路240を介して、他のモジュールにショート異常の電源線区間を特定する信号を送信する。これを受けた所定のモジュールRIM29は、自らの制御回路370を介してショート異常に関与する電源線12Eを切離すべく自らの負荷遮断回路310を制御する。これによってショート異常の区間12Fと、この12Fにコネクタ17Cを介して接続されている電源線12Eがループ状電源線路から切離され、その後は電源線12A,12B,12C,12Dによる幹線と、BCMモジュール14の電源供給回路200から配線される技線23,24,50fとからなるツリー結線によって、各負荷に電力が供給される。
【0034】
FIMモジュール5は、ショート検出回路130を有し、電源線12A,12Hのショート異常を監視している。ショート検出回路130によって例えば電源線12Aのショート異常が検出されるとその信号は制御回路170に入力され、出力信号線170aを介して負荷電源遮断回路110が駆動され、ショート異常の電源線区間12Aの一端が接離される。この時制御回路170は通信回路140を介して他のモジュールにショート異常の電源線区間を特定する信号を送信する。これを受けたBCMモジュール14の制御回路は出力信号線270aを介して負荷電源遮断回路210を駆動し、電源線12Aとコネクタ17Aを介して接続されている電源線12Bの他端を開放する。
【0035】
この状態では各モジュールは、バッテリ3,ヒューズ4e,FIMモジュール5の負荷電源遮断回路110,電源線12H,12G,BCMモジュール14の負荷遮断回路210,電源線12F,12E,RIMモジュール29の負荷遮断回路310からなる幹線と、BCMモジュール14の電源供給回路200から配線される技線23,24,50fとからなるツリー結線によって負荷に電力が供給される。
【0036】
図3は、他の実施例の構成を示している。図2の構成と異なるところだけを説明する。図2ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系毎に別系統の電源系としているが、図3の実施例では、パワートレインコントロールモジュール (PCM)10およびABSコントロールユニット11への電源供給は、同じエンジンルームに配置されたFIM5の電源供給回路100から行われ、ラジオ15およびSDM25,A/Cユニット16には、同じ車室内に配置された BCM14の電源供給回路200から電源供給されるようになっている。このようにすると、それぞれの電源供給線と直列に接続された図2のヒューズ36a,36b,36c,36d,36eがなくなり、バッテリ3からそれぞれのモジュール間の電源線は、エンジンルームに配置されたバッテリ3から車室内に配置されたイグニッションキー,ヒューズボックスを経由していたが、すぐ近くのFIM5やBCM14から接続されるので、短くかつ本数も削減できる。
【0037】
図4は、もう一つの他の実施例の構成を示している。図2の構成と異なるところだけを説明する。図2では、パワーバス12に接続されたモジュールは、FIM5,BCM14,RIM29の3つだったが、図4ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系のモジュールであるパワートレインコントロールモジュール (PCM)10,ABSコントロールユニット11,A/Cユニット16もパワーバス12に接続されている。したがって、FIM5,電源線12A1,ABS11,電源線12A2,コネクタ17A,電源線12B,BCM14,電源線12C,コネクタ17B,電源線12D,RIM29,電源線12E,コネクタ17C,電源線12F,A/C16,電源線12G,コネクタ17D,電源線12H2,PCM10,電源線12H1,FIM5でパワーバス12を構成している。またパワートレインコントロールモジュール(PCM)10,ABSコントロールユニット11,A/Cユニット16には、それぞれヒューズ4g,ヒューズ4a,ヒューズ4hを経由して制御系用の電源も供給され、かつ多重通信線30も接続されている。DDMへの電源供給はBCM14からA/C16に変更されている。このようにすると、それぞれの電源供給線と直列に接続された図2のヒューズ36a,36b,36c,36d,36eがなくなり、バッテリ3からそれぞれのモジュール間の電源線は、エンジンルームに配置されたバッテリ3から車室内に配置されたイグニッションキー,ヒューズボックスを経由していたが、すぐ近くのFIM5やBCM14から接続されるので、短くかつ本数も削減できる。また図3に比較してFIM5,BCM14の電源供給回路が簡略化できる。
【0038】
図5,図6,図7,図8,図9は、図2の実施例のモジュールの構成図である。以降の本明細書の図面に書かれている半導体スイッチング素子の表記は、説明の便宜上、一般的にトランジスタを表すシンボルは、ショート保護機能を有しない半導体スイッチング素子を表しており、MOSFETを表すシンボルは、ショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を表している。FIM5の構成を図5で説明する。図2の負荷電源遮断回路110は、第1の負荷電源遮断回路110aと第2の負荷電源遮断回路110bで構成される。第1の負荷電源遮断回路110aは、リレー111とダイオード113,半導体スイッチング素子115で構成されている。第2の負荷電源遮断回路110bも第1の負荷電源遮断回路110aと同じであり、リレー112とダイオード114,半導体スイッチング素子116で構成されている。このリレー111,112はコイルに電流を流すと接点がオンになり、電流を遮断すると接点がオフするリレーを使っている。動作および詳細構成について第1,第2の負荷電源遮断回路110a,110bとも同じであるので、第1の負荷電源遮断回路110aで説明する。制御回路170からの制御信号で半導体スイッチング素子115をオン,オフすることによりリレー111のコイルに流れる電流を制御し、リレー111の接点をオン,オフしている。ダイオード113がないと、バッテリ3が逆接されたとき、リレー111のコイルに逆電流が流れリレー111の接点が制御信号に無関係にオンしてしまい、負荷に正常時と逆方向に電流が流れ誤動作するが、ダイオード113によりリレー111のコイルに逆電流が流れないようにして、リレー111の接点がオフするようにしている。このように、ダイオード113を有することにより、もしバッテリ3が逆接されても、リレーはオフするため、負荷の電流経路が遮断され、負荷が動作し続けるような誤動作を防止できる。リレー111のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー111の接点の一端は、バッテリ3とヒュージブルリンク4fを経由して接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Aに接続されていると同時に、負荷に電源供給するための出力回路160に接続されている。このように、リレー111のコイルへの電源供給は制御系電源から行い、またコイルの制御信号を出力する制御回路170への電源供給も制御系電源から行っているので、もしパワーバス12が故障して電源供給されなくても、リレー111の制御を行い、第1の負荷電源遮断回路110aの遮断,接続を行うことができる。また、負荷を動作する必要がなく、電流を低減したいときなどは、リレー111に流す電流を遮断して、負荷へ供給される電源を遮断できるため、消費電流を少なくできる。また、逆に制御系電源が故障すると、リレー111への電流は遮断されて負荷電源遮断回路110aが遮断され、負荷に電源が供給されないため、もし制御回路が誤動作しても、負荷はすべて停止状態となり誤動作することはなくなる。
【0039】
出力回路160は、過電流検出回路161,162と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子163〜168で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子163〜168には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然FIM5に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子163,164,165には、それぞれFIM5に接続された負荷190の車両の右側に配置されたウォッシャモータ191,ターンランプ右7a,ヘッドランプ右6が接続され、半導体スイッチング素子166,167,168には、それぞれFIM5に接続された負荷190の車両の左側に配置されたホーン8,ターンランプ左2a,ヘッドランプ左1が接続されている。また半導体スイッチング素子163,164,165の他端は、過電流検出回路161に接続され、過電流検出回路161の上流の他端には、第2の負荷電源遮断回路110bから電源が供給されている。半導体スイッチング素子166,167,168の他端は、過電流検出回路162に接続され、過電流検出回路162の上流の他端には、第1の負荷電源遮断回路110aから電源が供給されている。このように、車両の右側と左側で別系統としており、どちらかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。ここで、車両の右側と左側で別系統にする理由は、FIM5には、ヘッドランプやフォグランプ,クリアランスランプなど左右で一対になっている負荷が多く接続されているためである。例えば、ヘッドランプ左1とヘッドランプ右6を同じ電源系統で電源供給していると、その電源系の過電流検出回路が故障して電源が供給されなくなると、ヘッドランプは左右どちらも消えるため、夜間走行中などは非常に危険である。本実施例のように、車両の右側と左側で別系統にすれば、どちらかは点灯しているので最悪の事態は回避できる。
【0040】
制御系電源回路120は、ダイオード122,定電圧電源回路121,電源遮断回路123で構成される。バッテリ3からヒューズ4bを経由して供給される制御系電源は、ダイオード122を経由して定電圧電源回路121に供給される。定電圧電源回路121では、各種演算,制御処理を行う制御回路170などを動作させるための定電圧を発生する。この電圧は、ショート検出回路130の電圧印加駆動回路131や制御回路170,通信回路140,電源遮断回路123に供給される。電源遮断回路123では、制御回路170の制御信号によって、定電圧電源回路121から供給された定電圧電源を入力回路150に供給したり、遮断したりする。入力回路150は入力信号180の外気温センサ181やブレーキ液量センサ182などからの信号を制御回路170が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗151,152でプルアップしている。ところが、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、ブレーキ液量センサ182や外気温センサ181の情報により警報とかを出す必要もないにも関わらず、プルアップ抵抗151,152を経由してブレーキ液量センサ182や外気温センサ181に電流が流れると、バッテリ3が放電し、バッテリ3があがってしまうことになる。そこで、必要ないときにはプルアップ抵抗に供給される電源を電源遮断回路123で遮断するようにしている。
【0041】
ショート検出回路130は、電圧印加駆動回路131とプルアップ抵抗132,135とグランドへのプルダウン抵抗133,134で構成されている。電圧印加駆動回路131は制御回路170の制御信号によって、プルアップ抵抗132,135への電源供給のオン,オフを行っている。プルアップ抵抗132とプルダウン抵抗133の他端は、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続され、かつ電源線12Hのショートセンサと接続されている。またFIM5の内部では、制御回路170に入力されている。同様にプルアップ抵抗135とプルダウン抵抗134の他端は、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続され、かつ電源線12Aのショートセンサと接続されている。またFIM5の内部では、制御回路170に入力されている。このようにプルアップ抵抗135とプルダウン抵抗134の他端を、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続するようにしているのは次のような理由である。前述したようにショートセンサの他端は開放状態となっているため、通常ショートセンサに電流が流れていない。そうすると接続用コネクタにも電流が流れないため接触部が酸化して接触不良になる可能性がある。そこで本実施例のような構成にすると、コネクタにはプルアップ抵抗135,2つの接続コネクタ,プルダウン抵抗134の経路で電流が流れるので、酸化を防止することができる。動作については、後で詳細に説明する。
【0042】
図6はBCM14の構成図である。図2の第1の負荷電源遮断回路210a,第2の負荷電源遮断回路210bは、図5のFIM5の第1の負荷電源遮断回路110a,第2の負荷電源遮断回路110bの構成と同じであるが、リレー211のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー211の接点の一端は、ループ系電源供給系統の電源線12Bに接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Cに接続されていると同時に、両端とも負荷に電源供給するための電源供給回路200または出力回路260に接続されている。出力回路260と電源供給回路200は、名称は違っているが機能,構成は同じであるので、同時に説明する。過電流検出回路261,262,201,202と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子263〜266,203,204で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子263〜266,203,204には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然BCM14に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子263,264には、それぞれBCM14に接続された負荷290のルームランプ類293,294などが接続され、半導体スイッチング素子265,266には、それぞれBCM14に接続された負荷290のインストルメントパネルに配置されたワーニングランプ類291,292などが接続され、半導体スイッチング素子203には、運転席ドアに配置されたDDM18が、半導体スイッチング素子204には、助手席ドアに配置されたPDM20が接続されている。また半導体スイッチング素子263,264の他端は、過電流検出回路261に接続され、過電流検出回路261の上流の他端には、電源線12Fからの第2の負荷電源遮断回路210bの電源が供給されている。半導体スイッチング素子265,266の他端は、過電流検出回路262に接続され、過電流検出回路262の上流の他端には、電源線12Cからの第1の負荷電源遮断回路210aの電源が供給されている。半導体スイッチング素子203の他端は、過電流検出回路201に接続され、過電流検出回路201の上流の他端には、電源線12Gからの第2の負荷電源遮断回路210bの電源が供給されている。半導体スイッチング素子204の他端は、過電流検出回路202に接続され、過電流検出回路202の上流の他端には、電源線12Bからの第1の負荷電源遮断回路210aの電源が供給されている。このように、車室内の前方右側と前方左側,後方右側,後方左側で別系統としており、どれかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。
【0043】
制御系電源回路220は、図5のFIM5の制御系電源回路120と構成,動作とも同じである。入力回路250は入力信号280の間欠ワイパボリューム282やワイパスイッチ283,ライトスイッチ281,イグニッションキースイッチ(図6には図示せず)などからの信号を制御回路270が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗251,252,253でプルアップしている。間欠ワイパボリューム282やワイパスイッチ283の入力信号によって制御する負荷は必ずイグニッションスイッチがオンになったときしか動作しないので、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗251,252に供給される電源を電源遮断回路123で遮断するようにしている。一方、ライトスイッチ281やイグニッションスイッチなどは、車両に人がいなくて、放置されている時に、突然オンされることもありそれによって、負荷を駆動しなければならないので、車両に人がいなくて、放置されている時にも常に入力状態を検出している必要がある。そのため、プルアップ抵抗253の電源供給は常に電源供給されている定電圧電源回路221の出力に接続されている。
【0044】
ショート検出回路230は、電源線12B,電源線12C,電源線12F,電源線12Gの4つのショートセンサと接続されている。
【0045】
図7はRIM29の構成図である。負荷電源遮断回路310は、図5のFIM5の第1の負荷電源遮断回路110aの構成と同じであるが、リレー311のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー311の接点の一端は、ループ系電源供給系統の電源線12Dに接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Eに接続されていると同時に、両端とも負荷に電源供給するための出力回路360に接続されている。
【0046】
出力回路360は、過電流検出回路361,362と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子364〜368で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子364,365,367,368には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然RIM29に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子363,364,365には、それぞれRIM29に接続された負荷390の後席右側ドアのパワーウィンドウモータ391,トランクルーム右側に配置された燃料ポン392,ストップランプ右393などが接続され、半導体スイッチング素子366,367,368には、それぞれRIM29に接続された負荷390の後席左側ドアのパワーウィンドウモータ394,トランクルーム左側に配置されたトランクルームランプ395,ストップランプ左396などが接続されている。また半導体スイッチング素子363,364,365の他端は、過電流検出回路361に接続され、過電流検出回路361の上流の他端には、電源線12Eからの負荷電源遮断回路310の電源が供給されている。半導体スイッチング素子366,367,368の他端は、過電流検出回路362に接続され、過電流検出回路362の上流の他端には、電源線12Dからの負荷電源遮断回路310の電源が供給されている。このように、車両の右側と左側で別系統としており、どちらかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。ここで、車両の右側と左側で別系統にする理由は、RIM29には、ストップランプやテールランプなど左右で一対になっている負荷が多く接続されているためである。例えば、ストップランプ左396とストップランプ右393を同じ電源系統で電源供給していると、その電源系の過電流検出回路が故障して電源が供給されなくなると、ストップランプは左右どちらも消えるため、ブレーキング時点灯せず非常に危険である。本実施例のように、車両の右側と左側で別系統にすれば、どちらかは点灯しているので最悪の事態は回避できる。半導体スイッチング素子363および366は、モータを正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路であり、その構成は後で説明する。
【0047】
制御系電源回路320は、図5のFIM5の制御系電源回路120と構成,動作とも同じである。入力回路350は入力信号380のドア開閉スイッチ382や後席のパワーウィンドウスイッチ383などからの信号を制御回路370が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗351,352でプルアップしている。これらのスイッチは、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗351,352に供給される電源を電源遮断回路323で遮断するようにしている。
【0048】
ショート検出回路330は、電源線12D,電源線12Eの2つのショートセンサと接続されている。
【0049】
図8は、ループ状電源供給系とは別系統で電源供給されるPCM10の構成である。図2の実施例のPCM10は、電源回路720,制御回路770,入力回路750,出力回路760で構成されている。電源回路720は、ダイオード722,定電圧電源回路721で構成される。バッテリ3からヒューズ4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズ36bを経由して供給される電源は、ダイオード722を経由して定電圧電源回路721に供給される一方、負荷駆動用の電源として出力回路760の半導体スイッチング素子761,765にも供給されている。定電圧電源回路721では、各種演算,制御処理を行う制御回路770などを動作させるための定電圧を発生する。入力回路750は入力信号780のクランク角センサ781とエアフローセンサ782,スロットルセンサ783などからの信号を制御回路770が取り込めるような電圧に変換している。
【0050】
出力回路760は、負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子761と765、および負荷のオン,オフを行う半導体スイッチング素子762,763,765で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子765には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。一方、半導体スイッチング素子762,763,765には保護機能がない単純な半導体スイッチング素子を使用している。なぜなら、もし負荷とかがショートして過電流が流れても、負荷の上流にあるヒューズが溶断するため、過電流が流れ続けることはないためである。本実施例では保護機能がない半導体スイッチング素子を使用したが、当然のごとく保護機能付の半導体スイッチング素子を使用してもなんら問題はない。半導体スイッチング素子は、図示では5個しか記してないが、当然PCM10に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子762,763,764には、それぞれPCM10に接続された負荷790のワーニングランプ792,インジェクタ793,EGRソレノイド794などが接続され、これらの負荷の上流にはヒューズ36f,36g,36hが接続されている。半導体スイッチング素子761には、PCM10に接続された負荷790のATソレノイド791などが接続されている。半導体スイッチング素子765は、スロットルモータ795を正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路であり、その構成は後で説明する。
【0051】
PCM10と同様にループ状電源供給系とは別系統で電源供給される図2のABS11,A/C16,SDM25,ラジオ15の構成も、図8のPCM10の構成とほぼ同じのため説明は省略するが、当然、モジュールに接続されている入力信号,負荷は異なっている。
【0052】
図9は、BCM14の電源供給回路200から電源供給されるDDM18の構成である。DDM18は、電源回路620,制御回路670,入力回路650,出力回路660,通信回路640,入力信号680の一部,負荷690の一部で構成されている。電源回路620は、定電圧電源回路621と電源遮断回路623で構成される。BCM14の電源供給回路200から供給される電源は、定電圧電源回路721に供給される一方、負荷駆動用の電源として出力回路660のスイッチング素子663,664,665、および負荷691にも供給されている。定電圧電源回路621では、各種演算,制御処理を行う制御回路670などを動作させるための定電圧を発生する。入力回路650は入力信号680のモジュールに内蔵されたパワーウィンドウスイッチ681やドアロックスイッチ682などからの信号を制御回路370が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗651,652でプルアップしている。これらのスイッチは、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗651,652に供給される電源を電源遮断回路623で遮断するようにしている。
【0053】
出力回路660は、負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行うスイッチング素子663,664,665、および負荷のオン,オフを行う半導体スイッチング素子661,662で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子661,662には保護機能がない単純な半導体スイッチング素子を使用している。なぜなら、もし負荷とかがショートして過電流が流れても、負荷の上流にあるBCM14の電源供給回路200に保護機能が付いているため、過電流が流れ続けることはないためである。本実施例では保護機能がない半導体スイッチング素子を使用したが、当然のごとく保護機能付の半導体スイッチング素子を使用してもなんら問題はない。パワーウィンドウモータ693,ドアロックモータ694,ミラーモータ695を駆動するスイッチング素子663,664,665には、リレーを使用しているが半導体スイッチング素子でも良い。半導体スイッチング素子661には、DDM18に内蔵された負荷690のスイッチイルミランプ691が接続され、半導体スイッチング素子662には、ドアに設置されたステップランプ692が接続され、これらの負荷の上流にはBCM14の電源供給回路200が接続されている。
【0054】
PDM20の構成も、図9のDDM18の構成とほぼ同じのため説明か省略する。
【0055】
このように、ドアに設置されたDDM18,PDM20および負荷の電源は、BCM14の保護機能を持った電源供給回路より供給しているため、電源供給線には図26のような同軸構造の線を使用する必要がなく、普通の電線を使用できる。したがって、電線の経が細くできる。また、出力回路に使用する半導体スイッチング素子には保護機能がないものでも良い。
【0056】
図10,図11,図12は、図3の実施例のモジュールFIM5,BCM14,PCM10の構成図であり、他のモジュールRIM29,DDM18,PDM20は図2の実施例に対して変更がない。図3の実施例のFIM5の構成を図10で説明する。図5のFIM5の構成図との相違点のみを説明する。図2ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系毎に別系統の電源系としているが、図3の実施例では、PCM10およびABS11への電源は、同じエンジンルームに配置されたFIM5から供給されるようにしている。そのため、電源供給回路100が図5のFIM5に対して追加されている。電源供給回路100の半導体スイッチング素子102は、過電流検出回路162を経由して電源の供給を受け、PCM10に対する電源の供給を制御し、半導体スイッチング素子101は、過電流検出回路161を経由して電源の供給を受け、ABS11に対する電源の供給を制御する。このようにすると、それぞれの電源供給線と直列に接続された図2のヒューズ36a,36bがなくなり、バッテリ3からそれぞれのモジュール間の電源線は、エンジンルームに配置されたバッテリ3から車室内に配置されたイグニッションキー,ヒューズボックスを経由していたが、すぐ近くのFIM5から接続されるので、短くかつ本数も削減できる。
【0057】
図3の実施例のBCM14の構成を図11で説明する。図6のBCM14の構成図との相違点のみを説明する。図2ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系毎に別系統の電源系としているが、図3の実施例では、ラジオ15,SDM25およびA/C16への電源は、同じ車室内に配置されたBCM14から供給されるようにしている。ラジオ15,SDM25およびA/C16には、電源供給回路200には図示していない半導体スイッチング素子により電源の供給を制御する。このようにすると、それぞれの電源供給線と直列に接続された図2のヒューズ36c,36d,36eがなくなり、バッテリ3からそれぞれのモジュール間の電源線は、エンジンルームに配置されたバッテリ3から車室内に配置されたイグニッションキー,ヒューズボックスを経由していたが、すぐ近くのBCM14から接続されるので、短くかつ本数も削減できる。
【0058】
図3の実施例のPCM10の構成を図12で説明する。PCM10の構成は図8と同じだが、PCM10および負荷の電源供給がFIM5から変更されているだけである。
【0059】
図13,図14は、図4の実施例のモジュールBCM14,PCM10の構成図であり、他のモジュールFIM5,RIM29,DDM18,PDM20は図2の実施例に対して変更がない。図4の実施例のBCM14の構成を図13で説明する。図6のBCM14の構成図との相違点のみを説明する。図2では、パワーバス12に接続されたモジュールは、FIM5,BCM14,RIM29の3つだったが、図4ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系のモジュールであるPCM10,ABS11,A/C16もパワーバス12に接続されている。そのため、BCM14に接続される電源線は、電源線12Bと電源線12Cの2つになり、図2の実施例で接続されていた電源線12F,電源線12GはA/C16に接続されている。この変更に伴い、ショートセンサの接続も4個から2個になり、出力回路260,電源供給回路200の構成,接続される負荷も若干変更されているが、基本的な構成,動作に変更はないので、説明は省略する。このようにすると、それぞれの電源供給線と直列に接続された図2のヒューズ36c,36d,36eがなくなり、バッテリ3からそれぞれのモジュール間の電源線は、エンジンルームに配置されたバッテリ3から車室内に配置されたイグニッションキー,ヒューズボックスを経由していたが、すぐ近くのBCM14から接続されるので、短くかつ本数も削減できる。また図3に比較してBCM14の電源供給回路が簡略化できる。
【0060】
図4の実施例のPCM10の構成を図14で説明する。図4ではボディ電装系以外の別機能を持った制御系のモジュールであるPCM10もパワーバス12に接続されている。図14のPCM10の構成は、図2でパワーバス12に接続されたRIM29の構成とは、接続される入力信号や負荷,電源線は異なるが、基本的には同じ構成となっている。したがって、詳細の構成,動作説明は省略する。
【0061】
図15,図16,図17は、図2の実施例におけるモジュールFIM5,BCM14,RIM29の図5,図6,図7の別の構成図である。図5,図6,図7ではモジュールに接続されたループ式電源系統の2つ以上の電源線から供給される電源は、それぞれ独立して負荷に供給されているが、図15,図16,図17では、ループ式電源系統の2つ以上の電源線から供給される電源を、モジュール内部でダイオード論理和して負荷に供給するようにしている。図15のFIM5では、電源線12Aと電源線12Hからの電源をダイオード117とダイオード118で理論和をして、出力回路に供給するようにしている。図16のBCM14では、電源線12Bと電源線12Cからの電源をダイオード217とダイオード218で論理和をし、電源線12Fと電源線12Gからの電源をダイオード219aとダイオード219bで論理和をして、出力回路に供給するようにしている。図17のRIM29では、電源線12Dと電源線12Eからの電源をダイオード317とダイオード318で論理和をして、出力回路に供給するようにしている。このようにすると電源供給系の数が減るため、その下流にある過電流検出回路の数も削減できる。
【0062】
図18,図19,図20,図21にモータを正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路の構成を示す。まず、図18を説明する。論理回路1050は、制御回路からの2つの制御信号をもとに、ショート保護機能を有していない4つの半導体スイッチング素子1010,1020,1030,1040で構成されるHブリッジの制御信号に変換している。すなわち、正転の時は、半導体スイッチング素子1020と半導体スイッチング素子1030をオンさせモータ1060に電流を流し、逆転の時は、半導体スイッチング素子1010と半導体スイッチング素子1040をオンさせてモータに逆電流を流すような信号に変換する。図19は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の上流側2個をショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1010a,1020aにしたものであり、図20は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の下流側2個をショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1030a,1040aにしたものであり、図21は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の上流側,下流側4個すべてをショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1010a,1020a,1030a,1040aにしたものである。図18はHブリッジを構成する半導体スイッチング素子にショート保護機能を有していないので、別の所でショート保護機能が必要となる。図19は上流にショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電源がグランドにショートしても保護される。しかし、負荷に接続された電源が電源側にショートすると下流側の半導体スイッチング素子が破壊する。図20は、下流にショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電線が電源側にショートしても保護される。しかし、負荷に接続された電線がグランドにショートすると下流側の半導体スイッチング素子が破壊する。それに対し、図21は上流,下流ともにショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電線がグランドにショートしても、電源側にショートしても保護される。
【0063】
この4つのHブリッジ回路の使い分けについて説明する。パワーバス12から電源の供給を受けるモジュール、具体的には、図2の実施例の中のFIM5,BCM14,RIM29の上流には、2個のヒュージブルリンク4e,4fだけしかなく、負荷がショート故障したときに出力回路にショート保護機能がないと、ループ式電源系統全体が動作不能になるため、FIM5(図5),BCM14(図6),RIM29(図7)内のモータ駆動Hブリッジ回路には、図19,図20,図21のどれかを使う必要がある。ところが、図2の実施例の中のPCM10 (図8)やABS11,A/C16などは、それぞれ機能毎かつ図8のPCM10の負荷のように負荷毎にヒューズを有しているため、ショート保護機能を有したHブリッジ回路でなくても、致命的な故障になることはないので、本実施例では、図18のショート保護機能を有しないHブリッジ回路を使用している。もちろん図19,図20,図21のHブリッジ回路を使用しても問題はない。同様にDDM18,PDM20の電源供給も、電源供給側であるBCM14の電源供給回路200にショート保護機能付の半導体スイッチング素子を使用しているため、図18のショート保護機能を有しないHブリッジ回路を使用している。
【0064】
図4の実施例では、PCM10,ABS11,A/C16もパワーバス12から電源の供給を受けるようになっているため、これらのモジュールで使用されるHブリッジ回路はショート保護機能を有した図19,図20,図21である必要がある。具体的には、スロットルモータを駆動する回路には、図20のHブリッジ回路を使用している。
【0065】
次に図5,図6,図7,図10,図11,図13,図14,図15,図16,図17のモジュールの出力回路内の過電流検出回路について説明する。図22は過電流検出回路の構成を示している。2020は、シャント抵抗であり、上流側の一端は電源線に接続され、下流側の一端は負荷を駆動する複数の半導体スイッチング素子に接続されており、接続された負荷に流れる電流全てがこのシャント抵抗2020を流れるように構成されている。このシャント抵抗2020の両端の電位差を増幅回路2010により増幅して、制御回路のA/D変換器2000でシャント抵抗に流れる電流、すなわち接続されている負荷に流れる電流の総和を検出するようにしている。本実施例では、この電流を検出することにより、負荷のデッドショート故障,負荷のリークショート故障,負荷デッドショート故障と出力回路の半導体スイッチング素子のデッドショート故障の複合故障などを検出し、フェールセーフ動作を行っている。
【0066】
図37,図38の処理フローチャートを用いて、図5,図6,図7,図10,図11,図13,図14,図15,図16,図17のモジュールにおける前記故障検出の方法およびフェールセーフの方法について説明する。図37は、負荷のデッドショート故障の検出方法とフェールセーフ方法を示している。最初に、ステップ6000にて過電流検出回路に流れる電流ITを図22のA/D変換器2000で測定する。次にステップ6010測定した電流ITが、所定の許容値以上かどうかを判定する。この所定の許容値は、この値以上流れたら、モジュールのどこかが破壊するという値以下であり、モジュールに接続された負荷全てが動作しているときの電流値以上で設定した数値である。ステップ6010で、電流ITが許容値以下だと判定すると致命的なデッドショート故障はないと判断し、図38のステップ6200を実行する。ステップ6010で電流ITが許容値以上だと判定すると、いずれかの負荷がショートしていると見なして、ステップ6020以降を実行する。ステップ6020では、現在オンしている全ての負荷をオフするため、出力回路の半導体スイッチング素子を全てオフする。ステップ6030では、オンしていた負荷の数mを算出し、ステップ6040では、再度電流ITを測定する。ここで、半導体スイッチング素子をすべてオフしたので、半導体スイッチング素子が故障していない限りは、電流は流れなくなるはずである。それを判定するため、ステップ6050で再度測定した電流IT(半導体スイッチング素子をすべてオフしたときの電流)が前記許容値を超えているかどうかを比較している。ここでも、電流ITが許容値以上であれば、半導体スイッチング素子が故障しており、かつ負荷もデッドショート故障をしていることになる。なぜなら、負荷が正常なら半導体スイッチング素子が故障していても電流ITが許容値以上になることはないはずである。したがって、故障個所に電源供給されないようにループ式電源系統を遮断するために、まずステップ6150において、故障しているモジュールの負荷電源遮断回路をオフし、さらに故障した電源系に接続されているモジュールの負荷電源遮断回路をオフするために、ステップ6160において、故障情報を他のモジュールに多重通信により送信する。この情報を受信したモジュールは、その情報が自分の負荷電源遮断回路をオフするという情報であれば、すぐに負荷電源遮断回路をオフする。このようにすることにより、故障した電源系を遮断することができ、電流が流れ続けることを防止することができる。さらに、ステップ6170において、故障個所や故障の内容を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりする。この記憶された情報は、図1の診断装置13などで読み出すことができるようになっている。故障した電源系を遮断する方法をよりわかりやすく図2の実施例で説明する。一例として、図7のRIM29に接続されている燃料ポンプ392とそれを駆動する半導体スイッチング素子364のどちらもデッドショート故障したとする。その時、RIM29の過電流検出回路361に流れる電流により、故障を検出するとまず故障した電源系の負荷電源遮断回路310のリレーの接点をオフし、故障した電源系の電源線12Eと正常な電源系の電源線12Dを遮断する。さらに、故障した電源系の電源線12Eは電源線12Fと接続されているので、電源線12Fが接続されている図6のBCM14の第2の負荷電源遮断回路210bのリレーの接点をオフし、故障した電源系の電源線12Fと正常な電源系の電源線12Gを遮断する。このようにすると故障した電源系のみが遮断されるので、正常な電源系に接続された負荷は正常に動作する。
【0067】
前記ステップ6050で再度測定した電流ITが許容値以下であれば、半導体スイッチング素子は故障していないが、いずれかの負荷がデッドショートしていることになる。ステップ6060以降でいずれの負荷がショートしているかを判定している。ステップ6060では、以下の処理を何回繰り返すかの数値nを1に初期化する。ステップ6070で、ステップ6020でオフした負荷の1個だけをオンした後、ステップ6070で、その時の電流ITを測定し、ステップ6090でその電流ITが前記と同じ所定の許容値と比較する。この時電流ITが許容値以上であれば、ステップ6070でオンした負荷がデッドショートしているということで、ステップ6110において、以後復帰条件が成立しない限り、その負荷をオフする。またこの時も前述したのと同じように、ステップ6120にて故障情報を表示したり格納する。ステップ6090で電流値ITが許容値以下であれば、負荷はデッドショートしてないと判断し、ステップ6100にてその負荷を駆動する半導体スイッチング素子をオンし、正常時の動作とする。これで、1個の負荷の診断が終了するが、残りの負荷を診断するため、ステップ6130にて前記数値nを1だけ増加させ、ステップ6140にて全部終了したかどうかを比較し、終了してなければステップ6070以下の処理を繰り返し、終了すれば次の処理である図38のステップ6200を実行する。
【0068】
図38は、デッドショートではなく、負荷のリークなどにより正常値以上の電流が流れるのを検出して、負荷をオフする方法の処理を示している。ステップ6210では、電流値ITを測定する。ステップ6220では、電流ITを測定したとき動作しているすべての負荷の正常時の最大電流値ILmaxと最小ILminを検索し、かつ動作している負荷の数mを算出する。例えば、図39には動作開始してからのランプの正常時の電流の中心値の一例を示しており、図40には動作開始してからのモータの正常時の電流の中心値の一例を示している。このようなすべての負荷の正常時の電流データがあらかじめメモリに記憶されており、そのデータを検索し、その検索した中心値にばらつきデータを加味して、式1,式2にてすべての負荷の正常時の最大電流値ILmaxと最小ILminを算出する。
【0069】
ILmax=正常時の電流x(1+ばらつき) :式1
ILmin=正常時の電流x(1−ばらつき) :式2
ステップ6230では、現在オンしている負荷の正常時の電流値の最大,最小の総和ITmax,ITminを式3,式4にて算出する。
【0070】
ITmax=ΣILmax_n(n=1〜m) :式3
ITmin=ΣILmin_n(n=1〜m) :式4
例えば、図39と図40の2つの負荷が動作しているとすると、総和は、図
41のような電流値となる。次にステップ6240において、異常判定最大電流値INGmax を式5で、異常判定最小電流値INGmin を式6で算出する。
【0071】
INGmax=ITmax+A :式5
INGmin=ITmin−A :式6
式5,6のAは、0以上の所定一定値である。本実施例では異常判定電流値の計算は一定値を加算して求めたが、比率計算して求めても良い。ステップ6210で測定した電流値ITとステップ6240で算出した異常判定電流値をステップ6250で比較する。電流値ITが異常判定最小電流値INGmin より大きくて、異常判定最大電流値INGmax より小さければ、正常であるので処理を終了する。それ以外の時は、いずれかの負荷に異常があると判断し、異常な負荷を特定するために以下の処理を実行する。ステップ6260では、以下の処理を何回繰り返すかの数値nを1に初期化する。ステップ6270で現在オンしている負荷の1個だけをオフした1ms後、ステップ6270で、その時の電流ITnew を測定し、ステップ6290で、オフしたことによって変化した電流値(IT− ITnew )が、ステップ6220で検索してもとめたオフした負荷の最大電流値ILmax より小さく、最大電流値ILmin より大きければ、その負荷は正常であるので、ステップ6300にてその負荷を駆動する半導体スイッチング素子をオンし、正常時の動作とする。ステップ6290で負荷異常と判断したら、ステップ6310において、以後復帰条件が成立しない限り、その負荷をオフする。またステップ6320にて故障情報を表示したり格納する。残りの負荷を診断するため、ステップ6330にて前記数値nを1だけ増加させ、ステップ6340にて全部終了したかどうかを比較し、終了してなければステップ6270以下の処理を繰り返す。このように、負荷および半導体スイッチング素子の両方がショート故障したときには、その電源系統を遮断するため、ループ式電源系統に影響を与えることがない。また、負荷のショートおよびレアショートを検出すれば該当する半導体スイッチング素子のみを遮断することができるので、故障個所だけを分離でき他の負荷に影響を与えないようになる。また、本実施例では半導体スイッチング素子には過温度検出遮断機能を内蔵した物を使用しているが、このように各負荷の電流を検出できるため、半導体スイッチング素子の保護機能は、その半導体スイッチング素子が破壊しない目的の為だけの、ばらつきが大きくても良い過電流制限機能があれば、十分にショート保護を行うことができ、半導体スイッチング素子の構成が簡単にできる。
【0072】
図23は、過電流検出回路の他の実施例であるが、図22との相違点は、シャント抵抗2020と直列にヒューズ2030が接続されていることである。この回路の時にも、図37,図38の故障検出およびフェールセーフ処理を行うが、故障した電源系を遮断しようとしても遮断できない場合に、ヒューズ2030が溶断することにより、故障個所を遮断できるようにしている。
【0073】
図24は、過電流検出回路のもう1つ他の実施例であるが、図22との相違点は、シャント抵抗2010の代わりに、PTC特性(温度が上がると、抵抗が増大する特性)を持つ保護素子(以後PTC素子)2220を使用していることである。PTC素子は、図25(a)に示すような温度特性を持っており、ある温度(本実施例では約120℃)以上に素子の温度が上昇すると、急激に抵抗値が増大する。本実施例でのPTC素子は数十mΩの抵抗値が、数十kΩから数百kΩに抵抗値が増大する。また、温度が上昇する要因は、PTC素子に流れる電流であるが、その電流値と急激に抵抗値が増大するまでの時間(トリップ時間)に関係が図25(b)に示してある。2310,2320,2340はそれぞれ周囲温度が0℃,20℃,60℃の時の特性であるが、15A以上の電流の時は、一秒以下で抵抗値が増大する特性となっている。このPTC素子で電流検出すると、非常に大きな電流が流れると、PTC素子の抵抗値が増大するため、PTC素子間の電位差も増大するため、正常時と異常時で検出電圧に大きな差が現れる。よって、検出精度をラフにできる。また、この回路の時にも、図37,図38の故障検出およびフェールセーフ処理を行うが、故障した電源系を遮断しようとしても遮断できない場合に、PTC素子の抵抗値が増大するため、電流値が抑えられ、過電流が流れ続けることはなくなる。
【0074】
図2,図3,図4の実施例では車両内を一巡する形でパワーバス12が設置されているが、この電源線が車体に短絡したとすると、全てのモジュールに電源が供給されなくなり、自動車のほとんど全ての機能が停止してしまう。そこで、本実施形態例では、このような電源線での短絡の虞れが生じたときには、それを未然に検出し、必要な措置が施せるようにしてある。
【0075】
その1つの構成要素が前述したショートセンサを有した電源線である。電源線の実施例として、図26,図27,図28の3種類の構造を示す。図26においてはモジュールと接続するために、コネクタ3050を用いている。3080はゴム栓であり、防水の役割がある。電源線3020は、端子3060とカシメで接続し、モジュールのコネクタと勘合することにより接続している。同様に、編組線で作られたショートセンサ3010も端子3070とカシメて接続し、モジュールのコネクタと勘合することにより接続している。
【0076】
図27は、図26では編組線で構成していたショートセンサをアルミ箔3010aとアルミ箔の内側に接触するようにしたドレインワイヤ3010bにて構成するようにしている。このようにすると、端子3070にカシメをするとき、編組線をほぐす必要がないため、加工がやりやすくなる。また、編組線に比べて、全面に導体を形成できるため、針のような物との接触でもショートを検出でき、ショートセンサとしての検出性能が向上する。
【0077】
図28は、図27のドレインワイヤ3010bを削除した構造としている。この時には、ショートセンサ3010aをモジュールと接続するためコネクタ 3050aに工夫が必要である。電源線は図26,図27と同じように端子3060とカシメるが、ショートセンサをモジュールと接続する端子3070aは図示するようにコネクタと一体となっている。端子3070aはコネクタ3050aのハーネス側の内周に円筒状に埋め込まれ、モジュールとの接続する部分と一体でできており、同電位となっている。一方電源線のショートセンサ3010は別の中継端子3080とカシメて接続している。中継端子3080はショートセンサとのカシメ部と端子3070aと接触により接続させるバネ力を持った部分とその2つを接続する部分が一体でできている。加工の手順は、まず、端子3060と電源線3020をカシメ,ショートセンサ3010aと中継端子3080をカシメ、そのものをコネクタ3050aに挿入する。ショートセンサは中継コネクタ3080、端子3070a間は接触により接続される。このようにすると、電源線の構造が簡単になり、かつショートセンサの端末処理が簡単になる。
【0078】
次にこのショートセンサを使ってショートを検出する方法について説明する。各モジュール内に設けてあるショート検出回路について、図5のFIM5のショート検出回路130の1回路分を代表例として、図5により説明する。構成については、前述しているので省略する。電圧印加駆動回路131の制御信号を図29の駆動信号のようにパルス状の波形で制御すると、正常なときには駆動信号と同じ波形が制御回路170に入力されるが、グランドにショート(以後地絡)すると、本来ハイ電位であるべき波形がロー電位となる。また、電源線にショート(以後天絡)すると、本来ロー電位であるべき波形がハイ電位となる。この論理を検出することによりショートセンサが地絡したか天絡したかを検出できる。また、図2で説明したようにショートセンサはコネクタ17A,17B,17C,17Dの所で開放状態となっているため、FIM5では、電源線12A,12Hの地絡,天絡を、BCM14では、電源線12B,12C,12F,12Gの地絡,天絡を、RIM29では、電源線12D,12Eの地絡,天絡を検出でき、故障個所の特定ができるようになっている。さらにコネクタにより、電源線12A,電源線12Hはエンジンルーム、電源線12B,電源線12C,電源線12F,電源線12Gは車室内、電源線12D,電源線12Eはトランクルームというように分離できるようになっているため、故障個所を修理するとき1つのハーネスのみを修理すれば良いように構成されている。
【0079】
前述したように本実施例では、電源線での短絡の虞れが生じたときには、それを未然に検出し、必要な措置が施せるようにしてあるが、その機能の重要な構成要素である負荷電源遮断回路の機能,動作について説明する。負荷電源遮断回路の機能は、前述の図37でも説明したように、負荷のデッドショートや出力回路のデッドショート時にその故障個所をパワーバス12から切り離すという機能と、これから説明する電源線の天絡または地絡を事前検出しその故障個所をパワーバス12から切り離すフェールセーフ機能と車両に人がいなくて、放置されているようなときには、負荷への電源供給を遮断して消費電流を低減するスリープ機能を有している。まず図36でシステム全体で、前記フェールセーフ機能とスリープ機能がどのようにして実施されているかを説明する。ステップ5000で、車両に人がいなくて、放置されているスリープ状態か,通常の動作状態かを、入出力信号の各種条件により判定し、例えば、イグニッションスイッチがオフかつアクセサリスイッチがオフでドアが全て閉状態で動作している負荷がないというときには、スリープ状態と判定する。スリープ状態と判定すると、ステップ5060で負荷電源遮断回路を遮断して、負荷への電源供給を遮断する。負荷電源遮断回路の遮断するデバイスには、リレーを使用しており、コイルに電流を流している時に接続するようなリレーである。スリープ時にもリレーのコイルに電流を流しているとバッテリが放電してしまう。このように、スリープ時に負荷電源遮断回路を遮断すると、リレーのコイルにも電流が流れないし、出力回路に使っている半導体スイッチング素子の漏れ電流も流れなくなり、電流の消費を抑えることができる。また、リレーのコイルの電源および制御系の電源は、パワーバス12と別系統の電源としているため、負荷電源遮断回路を遮断しても、制御回路は動作可能とすることができている。通常の動作状態の時には、ステップ5010において、パワーバス12に接続された全てのモジュールでパワーバスの診断を行う。診断の方法は、前述したショートセンサによるショート検出方法で行っている。パワーバスの診断には、電流検出方式を使っても目的は達成することはできる。診断した結果、ステップ5020で故障と判定されると、ステップ5030にて、故障個所,故障内容などの故障情報を表示し、メモリに記憶し、ステップ5040にて故障個所に応じで図31の論理値表のように各モジュールの負荷電源遮断回路の接続,遮断を行う。正常の場合は、図31の論理値表の正常時の論理に従って、負荷電源遮断回路の接続,遮断を行う。
【0080】
故障個所と遮断する負荷電源遮断回路の論理を示す図31を代表例として、電源線12がショートした場合で説明する。システムの実施例は図2、モジュールの実施例は、図5のFIM5,図6のBCM14,図7のRIM29で説明する。図2の電源線12AのショートをFIM5が事前に検出したら、FIM5の第1の負荷電源遮断回路110aのリレーの接点とBCM14の第1の負荷電源遮断回路210aのリレーの接点を遮断し、正常時には遮断されていたRIM29の負荷電源遮断回路310のリレーは接続する。故障した箇所電源線12Aとそれにコネクタ17Aで直接接続されている電源線12Bは、パワーバス12より、完全に遮断される。BCM14の第1の負荷電源遮断回路210aのリレーの接点を遮断すると電源線12Cもパワーバス12より遮断されるが、正常時には遮断されていたRIM29の負荷電源遮断回路310のリレーを接続しているため、電源は、正常時と逆方向から供給されるようになる。したがって、故障した電源線の部分だけが遮断され、その電源線から電源の供給を受けている負荷(図示した本実施例では、ヘッドランプ左1,ターンランプ左,ホーン8,PDM20)だけが動作しなくなる。
【0081】
システムの実施例は図2、モジュールの実施例は、図15のFIM5,図16のBCM14,図17のRIM29の場合について説明する。図2の電源線12AのショートをFIM5が事前に検出したら、FIM5の第1の負荷電源遮断回路110aのリレーの接点とBCM14の第1の負荷電源遮断回路210aのリレーの接点を遮断し、正常時には遮断されていたRIM29の負荷電源遮断回路310のリレーは接続する。故障した箇所電源線12Aとそれにコネクタ17Aで直接接続されている電源線12Bは、パワーバス12より、完全に遮断される。BCM14の第1の負荷電源遮断回路210aのリレーの接点を遮断すると電源線12Cもパワーバス12より遮断されるが、正常時には遮断されていたRIM29の負荷電源遮断回路310のリレーを接続しているため、電源は、正常時と逆方向から供給されるようになる。したがって、故障した電源線の部分だけが遮断されるが、負荷への電源供給は逆方向から供給されるようになるので動作しなくなることはない。
【0082】
図32は、フェールセーフ時の負荷電源遮断回路の別の方法であるが、図31では正常時には、RIM29の負荷電源遮断回路310をオフしているが、正常時には全ての負荷電源遮断回路はオンするようにしていることが異なる。RIM29の負荷電源遮断回路310を正常時にオフしていると、電流検出によるショート検出方式の時、電流の方向が固定されているため、検出が簡単になる。また、RIM29の負荷電源遮断回路310を正常時にオンしていると、故障発生時にRIM29の負荷電源遮断回路310を正常時にオンにする時間が短縮できる。
図33,図34,図35は、それぞれ図31の論理を制御するときのBCM14,FIM5,RIM29の処理フローチャートである。また、図36は図32の論理を制御するときのRIM29の処理フローチャートである。構成はほとんど同じであるので、図33のBCMの処理フローチャートを代表例として説明する。ステップ5100でスリープ状態と判断すると、ステップ5200にて、第1の負荷電源遮断回路210aと第2の負荷電源遮断回路210bを遮断して処理を終了する。通常動作状態の時はステップ5110にてパワーバスの診断をショート検出回路230により行い、その結果、ステップ5120にて故障と判定すると、ステップ5130で他のモジュールに故障個所がどこかの診断情報を多重通信により送信し、ステップ5160以降を実行する。一方、正常の場合でも他のモジュールで診断している電源線に故障がないかどうかを判断するため、ステップ5140にて他のモジュールからの診断情報を受信する。その診断情報により、ステップ5150にて故障ありと判断すると、ステップ5160にて、故障個所がどこかを判断し、故障個所が12A,12B,12C,12Dのいずれかであれば、ステップ5170にて第1の負荷電源遮断回路210aを遮断する。故障個所が12E,12F,12G,12Hのいずれかであれば、ステップ5180にて第2の負荷電源遮断回路210bを遮断し、ステップ5210にて故障個所を表示し、メモリに格納する。ステップ5150で、故障個所がないと判断すると、ステップ5190にて第1の負荷電源遮断回路210aと第2の負荷電源遮断回路210bを接続して、処理を終了する。
【0083】
他のモジュールの処理フローチャートも基本的な処理の流れは同じなので省略する。このように処理することにより図30のシステム動作を行うことができる。
【0084】
図42,図43はモジュールとパワーバス12との接続方法を示す構造図である。図42の7000はモジュールであり、7020,7030,7040,7050はパワーバスであり、7020aは電源線、7020bはショートセンサである。パワーバスだけがコネクタ7010によりモジュール7000と接続されており、他の電線7060は別のコネクタ7080でモジュール7000と接続されている。図43ではパワーバス7020,7030,7040,7050と他の電線7060は同じコネクタ7110でモジュール7100と接続されている。図42のように、パワーバスだけのコネクタでモジュールと接続すると、他の電線の数によってコネクタを変更する必要がないため、コネクタの標準化ができる。また、図43のように一体コネクタにすると、コネクタの占有面積が削減でき、モジュールを小さくできる。
【0085】
図44は過電流検出回路で使用しているシャント抵抗をモジュールのコネクタに内蔵した構造を示している。8040はモジュールのコネクタハウジング、8000,8010は接続端子、8030aはシャント抵抗であり、8000,8010は接続端子とは溶接またははんだ付けにて接続されている。7020aはパワーバスの電源線、7020bはショートセンサであり、それぞれ端子8070,8080を介して、モジュール側の端子8010,8050を接続されている。図45は図44に対し、シャント抵抗8030aと接続端子8000を一体にして8030bとしている。このようにシャント抵抗を内蔵することにより、大電流が流れる距離を短くでき、かつモジュールの大きさを小さくできる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒューズの数が少なく、また電源供給のためのワイヤハーネスを短く、あるいは少なくできる効果がある。別の発明では、電源線の短絡異常の発生を未然に防止できるだけでなく短絡異常発生時の異常箇所が特定できる。更にその短絡区間を分離することができる。また別の発明では過電流検出回路を設けたので故障している負荷があればそれを切り離すことができる。また更に別の発明では車両の不作動時の電力供給装置の消費電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動車のシステム配置図。
【図2】本発明を適用した自動車のシステム全体図の一実施例。
【図3】本発明を適用した自動車のシステム全体図の二番目の実施例。
【図4】本発明を適用した自動車のシステム全体図の三番目の実施例。
【図5】図2のシステムのFIMモジュール構成図。
【図6】図2のシステムのBCMモジュール構成図。
【図7】図2,図3,図4のシステムのRIMモジュール構成図。
【図8】図2のシステムのPCMモジュール構成図。
【図9】図2,図3,図4のシステムのDDMモジュール構成図。
【図10】図3,図4のシステムのFIMモジュール構成図。
【図11】図3のシステムのBCMモジュール構成図。
【図12】図3のシステムのPCMモジュール構成図。
【図13】図4のシステムのBCMモジュール構成図。
【図14】図4のシステムのPCMモジュール構成図。
【図15】図2のシステムのFIMモジュール構成図の他の実施例。
【図16】図2のシステムのBCMモジュール構成図の他の実施例。
【図17】図2のシステムのRIMモジュール構成図の他の実施例。
【図18】モータ駆動Hブリッジ回路構成1。
【図19】モータ駆動Hブリッジ回路構成2。
【図20】モータ駆動Hブリッジ回路構成3。
【図21】モータ駆動Hブリッジ回路構成4。
【図22】シャント抵抗による過電流検出回路構成。
【図23】シャント抵抗とヒューズによる過電流検出回路構成。
【図24】PTC素子による過電流検出回路構成。
【図25】PTC素子の特性。
【図26】ショートセンサ構造1。
【図27】ショートセンサ構造2。
【図28】ショートセンサ構造3。
【図29】ショートセンサ検出回路の動作波形。
【図30】パワーバス過電流検出および保護動作のアルゴリズム。
【図31】パワーバス故障時の負荷電源遮断回路の論理値表1。
【図32】パワーバス故障時の負荷電源遮断回路の論理値表2。
【図33】パワーバス故障時のBCM処理フロー。
【図34】パワーバス故障時のFIM処理フロー。
【図35】図32の論理値表を実現するパワーバス故障時のRIM処理フロー。
【図36】図33の論理値表を実現するパワーバス故障時のRIM処理フロー。
【図37】負荷と出力回路のショート検出および保護動作のアルゴリズム。
【図38】負荷過電流検出および保護動作のアルゴリズム。
【図39】ランプ電流特性。
【図40】モータ電流特性。
【図41】複数駆動時の電流特性。
【図42】モジュールの構造図1。
【図43】モジュールの構造図2。
【図44】シャント抵抗内蔵のコネクタ構造1。
【図45】シャント抵抗内蔵のコネクタ構造2。
【符号の説明】
3…バッテリ、5…FIM、10…PCM、11…ABS、12A〜12H…電源線、13…診断機、14…BCM、14…ラジオ、16…A/C、17A〜17D…コネクタ、18…DDM、20…PDM、25…SDM、29…RIM、30…多重通信線、100…FIMの電源供給回路、110…FIMの負荷電源遮断回路、120…FIMの制御系電源回路、130…FIMのショート検出回路、140…FIMの通信回路、150…FIMの入力回路、160…FIMの出力回路、170…FIMの制御回路、180…FIMの入力信号、190…FIMの負荷。
Claims (15)
- バッテリから複数の負荷に電力を供給する複数の電源線と、
前記複数の電源線の電源線間のショートを検出するショートセンサと、
前記ショートセンサへパルス状の駆動信号を印加する電圧印加駆動回路と、
前記ショートセンサからの検出信号と前記駆動信号との論理からショートの生じている電源線及びショートが地絡か天絡かを特定する制御回路とを有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項1において、前記ショートセンサとは別の他のショートセンサとの間に複数の電源線を電気的に接続するコネクタを有することを特徴とする乗物の電力供給装置。
- 請求項1又は2のいずれか1項において、
前記バッテリと前記負荷との間で前記電源線に接続されるヒューズと、前記負荷はアクチュエータと前記アクチュエータを制御する制御回路とを含み、
前記電源線は前記アクチュエータを駆動する電力を供給する負荷駆動用電源線と前記負荷用電源線とは異なる前記ヒューズを介して接続される前記制御回路を駆動する電力を供給する制御回路駆動用電源線とを含み、
前記負荷駆動用電源線と前記負荷との間に設けられ、前記制御回路によって特定された前記ショートが検出された電源線の情報に基づいて前記負荷への電力の供給を制御する負荷駆動回路とを有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項3において、
前記負荷駆動回路と前記ヒューズとの間に設けられ、前記負荷駆動回路の過電流状態を検知して前記制御回路に伝える過電流検知回路と、
前記制御回路からの信号に応じて前記ヒューズと前記駆動回路との間の電路を遮断する遮断回路を有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項3において、前記ショートセンサは、前記負荷駆動用電源線に接続され、
前記ショートセンサからの信号に応じて前記制御回路によって、前記ヒューズと前記駆動回路との間の電路を遮断する遮断回路とを更に有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項3において、前記制御装置は通信制御回路を含み、一つの制御装置と他の制御装置とは、通信線によって互いに接続されており、一つの制御装置に入力されるスイッチの状態に応じて別の制御装置の負荷に対する電力の供給停止を制御することを特徴とする乗物の電力供給装置。
- バッテリからヒューズを介して車内に引き回され、車両の種々の負荷に電力を供給する第1の電源系、
バッテリから別のヒューズを介して車内に引き回され、前記負荷を制御する制御装置の制御回路に電力を供給する第2の電源系、
前記第1の電源系のショート異常を検出するショートセンサと、前記ショートセンサへパルス状の駆動信号を印加する電圧印加駆動回路と、前記ショートセンサからの検出信号と前記駆動信号との論理からショートの生じている電源線及びショートが地絡か天絡かを特定した情報に基づいて、前記制御回路を介して前記第1の電源系の保護制御を実行する保護回路とを有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項7において、前記第1の電源系は、車両の走行制御負荷に電力を供給する電源系であり、
前記第2の電源系は、車両の艤装系負荷に電力を供給する電源系であり、
前記バッテリから更に前記第1及び第2の電源系とは異なる別のヒューズを介して車内に引き回され、前記艤装系の負荷を制御する制御回路へ電力を供給する第3の電源系とを有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 車載電源と、
前記車載電源よりドライバ回路を介して電力の供給を受ける車載負荷と、
前記車載電源と前記ドライバ回路との間を接続する電源線と、前記車載電源と前記ドライバ回路との間のショートを検出するショートセンサと、前記ショートセンサへパルス状の駆動信号を印加する電圧印加駆動回路と、前記ショートセンサからの検出信号と前記駆動信号との論理からショートの生じている電源線及びショートが地絡か天絡かを特定するショートの情報を検出するショート検出回路と、前記ドライバ回路と前記ヒューズとの間に設けた遮断回路と、
前記ショートセンサが接続され、前記ショート検出回路による前記ショートの情報に基づいて前記遮断回路に回路遮断信号を与える制御回路とを備えたことを特徴とする乗物の電力供給制御装置。 - 請求項8において、更に、前記バッテリから別のヒューズを介して接続されたイグニッションスイッチおよび/またはアクセサリスイッチ、
前記イグニッションスイッチおよび/またはアクセサリスイッチから更に別のヒューズを介した電力を供給する第4の電源系を有することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - ヒューズを介して車載電源から電力が分配される制御装置と、
前記ヒューズと前記制御装置との間に設けられるショートセンサと、
前記ショートセンサへパルス状の駆動信号を印加する電圧印加駆動回路と、
前記ショートセンサからの検出信号と前記駆動信号との論理からショートの生じている電源線及びショートが地絡か天絡かを特定するショートの情報を検出するショート検出回路と、
前記制御装置の電力取込み部の電路に設けた遮断器と、
前記遮断器を介して負荷に電力を供給するドライバ回路と、
前記遮断器を迂回して別の負荷に電力を供給する別のドライバ回路とを有し、
前記制御装置は、前記ショートの情報に応じて前記遮断器を制御し、前記遮断された負荷を示す情報を前記別のドライバを介して別の負荷に供給することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項11において、
特定の制御状態において前記負荷と前記電源との間の電路を開放する前記ヒューズおよび/または前記遮断器は車載の特定位置に配置された複数の制御装置の近傍に分散配置されていることを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項11において、特定の負荷に対し、前記車載電源から、前記ヒューズ,前記遮断器を介して電力を供給するものであって、前記ヒューズは溶断ヒューズであり、前記遮断器は、リレー又は自己遮断形半導体スイッチング素子であることを特徴とする乗物の電力供給装置。
- 通信線で接続された複数の負荷制御モジュールと、
前記負荷制御モジュールの一つにヒューズを介して電力を供給する電線路と、
前記別の負荷制御モジュールに別のヒューズを介して電力を供給する別の電線路と、
前記電線路又は前記別の電線路のいずれか1つにはショートを検出するショートセンサと、
前記ショートセンサへパルス状の駆動信号を印加する電圧印加駆動回路と、
前記ショートセンサからの検出信号と前記駆動信号との論理からショートの生じている電源線及びショートが地絡か天絡かを特定するショートの情報を検出するショート検出回路とを有し、
前記ショートの情報に基づいて前記1つの負荷制御モジュールは前記別の負荷制御モジュールへ前記ショートの情報を伝達することを特徴とする乗物の電力供給装置。 - 請求項1乃至14のいずれか1項において、
前記ショートセンサの一端は、少なくとも前記電圧印加駆動回路に接続され、他端は、開放状態であることを特徴とする乗り物の電力供給装置。
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