JP3552597B2 - 乗物の電力供給装置及び集約配線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物に搭載された複数の電気負荷に乗物に搭載された電源から電力を供給するための乗物の電源供給装置に係り、特に自動車に好適な電力供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、各種の電気負荷としての電装品が装備されている。そして、例えば、自動車では、バッテリや発電機などの電源装置からいくつもの電気負荷に電力を供給するため、何本もの電源線ワイヤハーネスが用いられている。そして、実際の車両に電源線(ワイヤハーネス)を配線する場合は、配線作業性や故障時の修理作業を考慮して、エンジンルーム,室内,トランクルーム,ドアなどの各エリア毎にワイヤハーネスを分割してコネクタで接続する方法が用いられている。従ってコネクタによって複数に区画されたこれらのワイヤハーネスは、バッテリなどの電源装置から未端の負荷に至るまでにいくつかのコネクタを通して電力が供給される。
【0003】
また、このような車両の電力供給系では、一般に片側アース給電方式、すなわち、電源からの給電路の一方として、車両の車体の一部を利用する給電方式が採用されており、このため、電源線が車体に触れただけでショート(短絡異常)になってしまう。そこで、従来の車両の電力供給装置では、車両の所定の場所にヒューズボックスを設け電源装置から所定の負荷系統毎に過電流保護用のヒューズ(可溶片)を設け、電源線がショートしたとき、このヒューズの溶断により電源から切り離して保護が得られるようにしている。
【0004】
そして、このヒューズは自動車のコンソールボックスの下や、トランクルームの中等に設けたヒューズボックスにまとめて収納されている。
【0005】
従って従来技術では、負荷によっては、非常に長いワイヤハーネスで電源と接続されている。また電源線が短絡故障した場合、ヒューズが溶断する前に電源線が発煙しないよう、電源線の定格電流をヒューズの溶断定格電流以上にしなければならず、結果として太い電線を電源線に使用している。また、ワイヤハーネス途中のコネクタの嵌合がゆるんで接触不良となったときも、負荷への電源供給が不安定になる。また、ワイヤハーネスはトリム(内装)の内側に隠されて配線されるため、電源線の短絡異常箇所の特定や、コネクタ嵌合不十分な場所の特定が難しいという問題もある。
【0006】
このような課題に対して、特開平9−37482号公報では、電力半導体素子に直列に電源保護素子を接続した電源供給システムを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来例では、負荷や電力半導体素子(スイッチング素子)の保護が十分ではない。なぜなら、電源保護素子としてヒューズが用いられており、溶断した場合取り換える必要があり、作業性が悪い。また、電源保護素子の動作(溶断)は、それ自体の固有値として与えられており、判断能力を持たないため、回路設計に自由度がない。
【0008】
本発明の目的は、更に負荷の異常(例えばショート)に対して能動的に保護動作し、信頼性の高い電力供給装置を得るにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、負荷若しくは電力半導体素子の異常検出手段を設け、負荷若しくは電力半導体素子の異常時に当該異常検出手段が出力する電気信号に基づいて電源と電気負荷との間の電源線路に配置した電路遮断装置(例えばリレー,自己遮断スイッチ素子)を遮断するか否かを判断することによって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した自動車のシステム全体図であり、本発明を構成する部品の配置を示している。3はバッテリであり、バッテリの直近に配置されたヒュージブルリンク4を介して車両全体に対して電源を供給する。パワートレインコントロールモジュール(PCM)10は、エンジンの燃料噴射量や点火時期の制御やスロットルバルブ開度の制御及びエンジントランスミッションの制御を行う。エンジン制御用のセンサやアクチュエータが配置されたエンジンの近く(例えば吸気管外壁やサージタンクの外壁やエアクリーナ内部等)に取付けられている。PCM10には、エアフローメータや水温センサ,クランン角センサなどのいくつかのセンサや、インジェクタ9,点火装置,スロットルバルブを開閉するスロットルモータ35などの電気負荷としてのアクチュエータ群が接続されている。アンチロックブレーキシステム(ABS)用のコントロールモジュール11は、ABS用アクチュエータに隣接したエンジンルームの後方に装着されている。エアコンディショナーコントロールユニット(A/C)16は、A/C用温度センサおよびアクチュエータの設置場所に近い助手席側のダッシュボート近辺に配置される。エアバックコントロールモジュール(SDM)25は、センターコンソールボックス近辺に搭載されている。ボディコントロールモジュール(BCM)14は、ステアリング近辺の表示デバイスやイグニッションキースイッチ26,ハザードスイッチ27,ウィンカスイッチ,ワイパスイッチなどが接続され、ダッシュボード近辺に設置される。各モジュールには少なくとも演算処理装置(CPU)、および他のモジュールとの間でデータ通信を行うための通信回路(通信IC)を有している。各モジュールはそれぞれのモジュールに接続されるセンサや電気負荷等のデバイスの近くに設置されており、これにより各モジュールと接続されるデバイスとの間のハーネス長は短くなる。FRONT INTEGRATION MODULE(FIM)5はヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b(左),7a,7b(右)に隣接したエンジンルームの前方に配置されており、前記ヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bや近くに装着されているホーン8などを駆動するように接続されている。DRIVER DOOR MODULE(DDM)18,PASSENGER DOOR MODULE(PDM)20は、それぞれ運転席側,助手席側のドアに搭載されており、ドアロックモータ19,21,パワーウィンドウモータ,ドアロックSW,パワーウィンドウSW,電動ミラーモータ(以上図示せず)などが接続されている。REAR INTEGRATION MODULE(RIM)29は、テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34に隣接したトランクルームの前方に配置されており、前記テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34の他、トランクオープナ用モータ,リアデフォッガや後席のドアロックモータ23,28,パワーウィンドウモータ,ドアロックSW,パワーウィンドウSWなどを駆動するように接続されている。前記FIM5,RIM29,DDM18,PDM20にはそれぞれ他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信回路を有する。また、センサ,スイッチ類や外部電気負荷等のデバイスが接続されている入出力インターフェースと、更に電気負荷への制御信号を演算する演算処理装置(CPU)を有している。
【0011】
各モジュール間でのデータの授受を行うため、多重通信線30が各モジュールの通信回路間を接続している。このように、各モジュールは接続されるデバイスの近いところに配置され、かつ自分に接続されていないデバイスの入力データおよび出力データは多重通信線を介して他のモジュールとの間で送受信するので、それぞれのモジュールに必要なデータを得ることができる。多重通信線30は、コネクタ35を介して診断装置13に接続することができ、診断装置13は診断に必要な情報を通信線を介して各モジュールから得ることができる。
【0012】
バッテリ3からの電源線はヒュージブルリンク4を介してFIM5に接続し、FIM5からBCM14間は電源線12A,コネクタ17A,電源線12Bを介して、BCM14からRIM29間は電源線12C,コネクタ17B,電源線12Dを介して、RIM29からBCM14間は電源線12E,コネクタ17C,電源線12Fを介して、BCM14からFIM5間は電源線12G,コネクタ17D,電源線12Hを介して接続しており、車両内にループ状に配線されている。このように電源線を車両内にループ状に配線し、そのループ状に配線された電源線に各モジュールを接続あるいは電源線を各モジュールに接続し、電源線から各モジュールを介して電気負荷としての各種アクチュエータに電力を供給する。各モジュールはエンジンルーム,車室内,トランクルームにそれぞれ1つ配置するように構成している(本実施例では、それぞれFIM,BCM,RIMで構成している)。実施例の構成によれば、各制御ユニット単位での電力線のインピーダンスが等価的に並列接続され、定格電流が小さい電源線を使用して電力系統を構成することができる。ドアに配置されたモジュールDDM18,PDM20には、BCM14から電源を供給する構成としている。
【0013】
ループ状に配線された電源線は、コネクタ17A,17B,17C,17Dで脱着できるようになっており、電源線12A,電源線12Hはエンジンルーム、電源線12B,電源線12C,電源線12F,電源線12Gは車室内、電源線12D,電源線12Eはトランクルームというように分離できるようになっている。
【0014】
従って、電源線は、ループ状のみならず制御モジュールをスター状にもツリー状にも接続結線できる。例えば、コネクタ17D,17Cで接続されている電源線12H,12F,12G,12Hをはずせば、ツリー結線となる。
【0015】
次に図1のループ式結線の電源供給系統を適用した実施例を図2にて説明する。まず図2の実施例についてその構成を説明する。図1で説明したループ状に配線された電源線は、バッテリ3からヒュージブルリンク4f,4eを介してFIM5の負荷電源遮断回路110に接続される。ヒュージブルリンク4fからの電源は負荷電源遮断回路110を経由して、電源線12Aに接続される。電源線12Aは、コネクタ17Aで電源線12Bの一端に接続され、他端はBCM14の負荷電源遮断回路210に後述のBCMのモジュール側コネクタに接続される。電源線12Bは負荷電源遮断回路210を経由して、後述のBCMのモジュール側コネクタに一端が接続された電源線12Cに電気的に接続され、電源線12Cの他端は、コネクタ17Bで電源線12Dの一端に接続され、RIM29の負荷電源遮断回路310に後述のRIMのモジュール側コネクタを介して接続される。電源線12Dの他端はRIM29の負荷電源遮断回路310を経由して、後述のRIMのモジュール側コネクタに一端が接続された電源線12Eに電気的に接続され、電源線12Eの他端は、コネクタ17Cで電源線12Fの一端に接続され、電源線12Fの他端はBCM14の負荷電源遮断回路210に接続される。電源線12Fの他端はBCM14の負荷電源遮断回路210を経由して、後述するBCMのモジュール側コネクタを介して電源線12Gの一端に電気的に接続され、電源線12Gの他端は、コネクタ17Dで電源線12Hの一端に接続され、他端はFIM5の負荷電源遮断回路110に後述するFIMのモジュール側コネクタを介して接続される。一方ヒュージブルリンク4eからの電源はモジュールFIM5の負荷電源遮断回路110を経由して、後述するモジュール側コネクタを介して電源線12Hの他端に電気的に接続されており、結果的に電源線12A〜12Hはヒューズ4e,4fを介して、ループ状に配線されている。このループ状に配線された電源線を総称して以後パワーバス12と称す。
【0016】
この電源線12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12Hの構造の一例は、図26に示すように、電源線3020を中心として、その周囲を覆う絶縁材3030と、この絶縁材3030の外周を覆う導電体3010、それにこの導電体3010の外周を覆う絶縁材3000とで構成されている。ここでまず電源線3020は、通常、銅の単線、又は撚り線で作られ、電力供給用の導電線となるものである。絶縁材3030は、ゴムやプラスチックなどの絶縁体で作られ、電源線3020を絶縁する働きをする。導電体3010は、細い銅線を編み合わせる(以下編組線)ことにより、絶縁材3030の外周に層状に形成したものである。絶縁材3000は、ゴムやプラスチックなどの絶縁体で作られ、ケーブルの保護層として機能する。前記導電体3010の機能は後で詳細に記すが、電源線12Aの導電体3010の一端はFIM5のショート検出回路230に接続され、もう一端はコネクタ17Aの直近で開放状態となっている。同様に電源線12Bの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Cの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Dの導電体3010の一端はRIM29のショート検出回路330に、電源線12Eの導電体3010の一端はRIM29のショート検出回路330に、電源線12Fの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Gの導電体3010の一端はBCM14のショート検出回路230に、電源線12Hの導電体3010の一端はFIM5のショート検出回路130に、それぞれ接続され、全ての電源線12B,12C,12D,12E,12F,12G,12Hの他端はそれぞれのコネクタの直近で開放状となっている。この導電体3010を以後ショートセンサと称す。一方電源線3020は、前述したようにFIM5から出発して、電源線12A,コネクタ17A,電源線12B,BCM14,電源線12C,コネクタ17B,電源線12D,RIM29,電源線12E,コネクタ17C,電源線12F,BCM14,電源線12G,コネクタ17D,電源線12Hを経由し、FIM5に戻るループ状に接続されている。
【0017】
このようにループ状に配線された電源線12A〜12HはFIM5,BCM14,RIM29の各負荷電源遮断回路110,210,310および、各モジュールFIM5,BCM14,RIM29の各負荷駆動回路(ドライバ回路)160,260,360を介して各モジュールに接続されたそれぞれの電気負荷190,290,390に電力を供給する。また他のモジュールDDM18,PDM20は、BCM14の負荷電源遮断回路210に接続される電源線のうち、電源に近い側の12B,12Gから電源供給回路200を介して、電力が供給される。A/C16,SDM25,ラジオ15は、電源線50fを介してBCM14の電源供給回路200からバックアップ電源が供給される。
【0018】
前述の負荷用の電源線とは別にバッテリ3からは制御系用の電源もFIM5,BCM14,RIM29に供給される。FIM5の制御系電源回路120にはヒューズ4bを経由して、BCM14の制御系電源回路220にはヒューズ4cを経由して、RIM29の制御系電源回路320にはヒューズ4dを経由してバッテリ3から電源が供給される。このように制御系への電源供給を別系統で行うことにより、どれか1つのモジュールが故障しても他のモジュールは動作することができる。
【0019】
前記パワーバス12は、ヘッドランプやストップランプ,ワーニングランプ類,パワーウィンドウ,ドアロックなどの制御、いわゆるボディ電装系、あるいは艤装系と呼ばれる電気負荷に電力を供給する。エンジンの燃料噴射量を制御するインジェクタや点火時期を制御する点火装置やスロットルバルブ開度を制御するモータ等の制御を行うエンジンコントロールモジュール(ECM),エンジントランスミッションの制御を行うオートトランスミッション(ATM),パワートレイン系のパワートレインコントロールモジュール(PCM)には、バッテリ3からヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ダッシュボード近辺に配置されたヒューズボックス36内のヒューズ36bおよび電源線50bを経由して、前述のボディ電装系の電源供給系とは別系統で電力が供給されている。ABSコントロールユニット11には、ヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズボックス36内のヒューズ36aおよび電源線50aを経由して電力が供給されている。エアバックコントロールユニットSDM25には、ヒュージブルリンク4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズボックス36内のヒューズ36cおよび電源線50cを経由して電力が供給されている。ラジオ15には、ヒュージブルリンク4a,アクセサリスイッチ26b,ヒューズボックス36内のヒューズ36dおよび電源線50dを経由して電力が供給されている。A/Cユニット16には、ヒュージブルリンク4a,アクセサリスイッチ26b,ヒューズボックス36内のヒューズ36eを経由してバッテリ3から電力が供給されている。このように、それぞれの別機能を持った制御系毎に別系統の電源系としているので、どれか1つの電源系が故障しても他の電源系に影響を与えることがない。
【0020】
BCM14は電源供給回路200を有し、この電源供給回路200は電源線12Bと12Gに電源線210b,210gを介して接続されている。ラジオ15,SDM25,A/C16にはアクセサリスイッチ26bまたはイグニッションスイッチ26aを介して電力が供給されているので、アクセサリスイッチ
26bまたはイグニッションスイッチ26aがオフになると電力は供給されなくなる。その時、動作していたときのデータをバックアップするためには、イグニッションスイッチ26a,アクセサリスイッチ26bがオフになっても電源を供給する必要がある。そこで、BCM14の電源供給回路200から電源50fを介してこれらのモジュールのデータをバックアップするための電源が供給されている。このデータバックアップ用の電源を、パワーバス12から得るようにしたのでデータバックアップ用の別の電源線およびヒューズを設ける必要がない。また、このパワーバス系統12A〜12Hが故障して、バックアップデータが消去されても、ラジオ15,SDM25,A/C16はアクセサリスイッチ26b,イグニッションスイッチ26aを介して電力が供給されると初期値で動作を始めるように構成しておけば、致命的な故障にはならない。
【0021】
ボディ電装系のモジュールFIM5,BCM14,RIM29,DDM18,PDM20をそれぞれ通信回路140,240,340,640,540を有しており、それぞれの通信回路間は、多重通信線30で接続されている。それぞれのモジュールは、例えばBCM14に入力されるイグニッションキースイッチの状態など車両全体に関連する入出力の情報を相互に送受信することにより、1つのモジュールで取込まれた入力信号によって別のモジュールに設けられた負荷を駆動制御できる。
【0022】
DDM18,PDM20にはBCM14の電源供給回路200を介して電力が供給される。このためDDM18の電源回路520,PDMの電源回路620はそれぞれ電源線23,24を介してBCM14の電力供給回路200に接続されている。
【0023】
BCM14に接続された負荷群290は出力回路(ドライバ回路)260を介して電力の供給を受ける。
【0024】
出力回路260は電源12cと12fに電源線210c,210fを介して接続されている。
【0025】
出力回路260は制御回路270の制御信号出力線群270bから制御信号を受けて負荷を駆動制御する。
【0026】
制御回路270は入力回路250及び通信回路240の入力インターフェースから入力される入力信号280,イグニッションスイッチ信号,アクセサリスイッチ信号及び受信信号に基づいて負荷制御信号を出力回路260に出力する。
【0027】
BCMモジュール14はショート検出回路230を有し、電源線12B,12C,12F,12Gのショート異常を監視している。ショート検出回路230によって例えば電源線12Fのショート異常が検出されるとその信号は制御回路270に入力され、出力信号線270aを介して負荷電源遮断回路210が駆動され、ショート異常の電源線区間12Fの一端が接離される。この時制御回路270は通信回路240を介して、他のモジュールにショート異常の電源線区間を特定する信号を送信する。これを受けた所定のモジュールRIM29は、自らの制御回路370を介してショート異常に関与する電源線12Eを切離すべく自らの負荷遮断回路310を制御する。これによってショート異常の区間12Fと、この12Fにコネクタ17Cを介して接続されている電源線12Eがループ状電源線路から切離され、その後は電源線12A,12B,12C,12Dによる幹線と、BCMモジュール14の電源供給回路200から配線される技線23,24,50fとからなるツリー結線によって、各負荷に電力が供給される。
【0028】
FIMモジュール5は、ショート検出回路130を有し、電源線12A,12Hのショート異常を監視している。ショート検出回路130によって例えば電源線12Aのショート異常が検出されるとその信号は制御回路170に入力され、出力信号線170aを介して負荷電源遮断回路110が駆動され、ショート異常の電源線区間12Aの一端が接離される。この時制御回路170は通信回路140を介して他のモジュールにショート異常の電源線区間を特定する信号を送信する。これを受けたBCMモジュール14の制御回路は出力信号線270aを介して負荷電源遮断回路210を駆動し、電源線12Aとコネクタ17Aを介して接続されている電源線12Bの他端を開放する。
【0029】
この状態では各モジュールは、バッテリ3,ヒューズ4e,FIMモジュール5の負荷電源遮断回路110,電源線12H,12G,BCMモジュール14の負荷遮断回路210,電源線12F,12E,RIMモジュール29の負荷遮断回路310からなる幹線と、BCMモジュール14の電源供給回路200から配線される技線23,24,50fとからなるツリー結線によって負荷に電力が供給される。
【0030】
図3,図4,図5,図6,図7は、図2の実施例のモジュールの構成図である。以降の本明細書の図面に書かれている半導体スイッチング素子の表記は、説明の便宜上、一般的にトランジスタを表すシンボルは、ショート保護機能を有しない半導体スイッチング素子を表しており、MOSFETを表すシンボルは、ショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を表している。FIM5の構成を図3で説明する。図2の負荷電源遮断回路110は、第1の負荷電源遮断回路110aと第2の負荷電源遮断回路110bで構成される。第1の負荷電源遮断回路110aは、リレー111とダイオード113,半導体スイッチング素子115で構成されている。第2の負荷電源遮断回路110bも第1の負荷電源遮断回路110aと同じであり、リレー112とダイオード114,半導体スイッチング素子116で構成されている。このリレー111,112はコイルに電流を流すと接点がオンになり、電流を遮断すると接点がオフするリレーを使っている。動作および詳細構成について第1,第2の負荷電源遮断回路110a,110bとも同じであるので、第1の負荷電源遮断回路110aで説明する。制御回路170からの制御信号で半導体スイッチング素子115をオン,オフすることによりリレー111のコイルに流れる電流を制御し、リレー111の接点をオン,オフしている。ダイオード113がないと、バッテリ3が逆接されたとき、リレー111のコイルに逆電流が流れリレー111の接点が制御信号に無関係にオンしてしまい、負荷に正常時と逆方向に電流が流れ誤動作するが、ダイオード113によりリレー111のコイルに逆電流が流れないようにして、リレー111の接点がオフするようにしている。このように、ダイオード113を有することにより、もしバッテリ3が逆接されても、リレーはオフするため、負荷の電流経路が遮断され、負荷が動作し続けるような誤動作を防止できる。リレー111のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー111の接点の一端は、バッテリ3とヒュージブルリンク4fを経由して接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Aに接続されていると同時に、負荷に電源供給するための出力回路160に接続されている。このように、リレー111のコイルへの電源供給は制御系電源から行い、またコイルの制御信号を出力する制御回路170への電源供給も制御系電源から行っているので、もしパワーバス12が故障して電源供給されなくても、リレー111の制御を行い、第1の負荷電源遮断回路110aの遮断,接続を行うことができる。また、負荷を動作する必要がなく、電流を低減したいときなどは、リレー111に流す電流を遮断して、負荷へ供給される電源を遮断できるため、消費電流を少なくできる。また、逆に制御系電源が故障すると、リレー111への電流は遮断されて負荷電源遮断回路110aが遮断され、負荷に電源が供給されないため、もし制御回路が誤動作しても、負荷はすべて停止状態となり誤動作することはなくなる。
【0031】
出力回路160は、過電流検出回路161,162と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子163〜168で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子163〜168には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然FIM5に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子163,164,165には、それぞれFIM5に接続された負荷190の車両の右側に配置されたウォッシャモータ191,ターンランプ右7a,ヘッドランプ右6が接続され、半導体スイッチング素子166,167,168には、それぞれFIM5に接続された負荷190の車両の左側に配置されたホーン8,ターンランプ左2a,ヘッドランプ左1が接続されている。また半導体スイッチング素子163,164,165の他端は、過電流検出回路161に接続され、過電流検出回路161の上流の他端には、第2の負荷電源遮断回路110bから電源が供給されている。半導体スイッチング素子166,167,168の他端は、過電流検出回路162に接続され、過電流検出回路162の上流の他端には、第1の負荷電源遮断回路110aから電源が供給されている。このように、車両の右側と左側で別系統としており、どちらかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。ここで、車両の右側と左側で別系統にする理由は、FIM5には、ヘッドランプやフォグランプ,クリアランスランプなど左右で一対になっている負荷が多く接続されているためである。例えば、ヘッドランプ左1とヘッドランプ右6を同じ電源系統で電源供給していると、その電源系の過電流検出回路が故障して電源が供給されなくなると、ヘッドランプは左右どちらも消えるため、夜間走行中などは非常に危険である。本実施例のように、車両の右側と左側で別系統にすれば、どちらかは点灯しているので最悪の事態は回避できる。
【0032】
制御系電源回路120は、ダイオード122,定電圧電源回路121,電源遮断回路123で構成される。バッテリ3からヒューズ4bを経由して供給される制御系電源は、ダイオード122を経由して定電圧電源回路121に供給される。定電圧電源回路121では、各種演算,制御処理を行う制御回路170などを動作させるための定電圧を発生する。この電圧は、ショート検出回路130の電圧印加駆動回路131や制御回路170,通信回路140,電源遮断回路123に供給される。電源遮断回路123では、制御回路170の制御信号によって、定電圧電源回路121から供給された定電圧電源を入力回路150に供給したり、遮断したりする。入力回路150は入力信号180の外気温センサ181やブレーキ液量センサ182などからの信号を制御回路170が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗151,152でプルアップしている。ところが、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、ブレーキ液量センサ182や外気温センサ181の情報により警報とかを出す必要もないにも関わらず、プルアップ抵抗151,152を経由してブレーキ液量センサ182や外気温センサ181に電流が流れると、バッテリ3が放電し、バッテリ3があがってしまうことになる。そこで、必要ないときにはプルアップ抵抗に供給される電源を電源遮断回路123で遮断するようにしている。
【0033】
ショート検出回路130は、電圧印加駆動回路131とプルアップ抵抗132,135とグランドへのプルダウン抵抗133,134で構成されている。電圧印加駆動回路131は制御回路170の制御信号によって、プルアップ抵抗132,135への電源供給のオン,オフを行っている。プルアップ抵抗132とプルダウン抵抗133の他端は、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続され、かつ電源線12Hのショートセンサと接続されている。またFIM5の内部では、制御回路170に入力されている。同様にプルアップ抵抗135とプルダウン抵抗134の他端は、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続され、かつ電源線12Aのショートセンサと接続されている。またFIM5の内部では、制御回路170に入力されている。このようにプルアップ抵抗135とプルダウン抵抗134の他端を、FIM5の外部との接続用コネクタを介してFIM5外部で接続するようにしているのは次のような理由である。前述したようにショートセンサの他端は開放状態となっているため、通常ショートセンサに電流が流れていない。そうすると接続用コネクタにも電流が流れないため接触部が酸化して接触不良になる可能性がある。そこで本実施例のような構成にすると、コネクタにはプルアップ抵抗135,2つの接続コネクタ,プルダウン抵抗134の経路で電流が流れるので、酸化を防止することができる。
【0034】
図4はBCM14の構成図である。図2の第1の負荷電源遮断回路210a,第2の負荷電源遮断回路210bは、図3のFIM5の第1の負荷電源遮断回路110a,第2の負荷電源遮断回路110bの構成と同じであるが、リレー211のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー211の接点の一端は、ループ系電源供給系統の電源線12Bに接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Cに接続されていると同時に、両端とも負荷に電源供給するための電源供給回路200または出力回路260に接続されている。
出力回路260と電源供給回路200は、名称は違っているが機能,構成は同じであるので、同時に説明する。過電流検出回路261,262,201,202と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子263〜266,203,204で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子263〜266,203,204には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然BCM14に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子263,264には、それぞれBCM14に接続された負荷290のルームランプ類293,294などが接続され、半導体スイッチング素子265,266には、それぞれBCM14に接続された負荷290のインストルメントパネルに配置されたワーニングランプ類291,292などが接続され、半導体スイッチング素子203には、運転席ドアに配置されたDDM18が、半導体スイッチング素子204には、助手席ドアに配置されたPDM20が接続されている。また半導体スイッチング素子263,264の他端は、過電流検出回路261に接続され、過電流検出回路261の上流の他端には、電源線12Fからの第2の負荷電源遮断回路210bの電源が供給されている。半導体スイッチング素子265,266の他端は、過電流検出回路262に接続され、過電流検出回路262の上流の他端には、電源線12Cからの第1の負荷電源遮断回路210aの電源が供給されている。半導体スイッチング素子203の他端は、過電流検出回路201に接続され、過電流検出回路201の上流の他端には、電源線12Gからの第2の負荷電源遮断回路210bの電源が供給されている。半導体スイッチング素子204の他端は、過電流検出回路202に接続され、過電流検出回路202の上流の他端には、電源線12Bからの第1の負荷電源遮断回路210aの電源が供給されている。このように、車室内の前方右側と前方左側,後方右側,後方左側で別系統としており、どれかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。
【0035】
制御系電源回路220は、図3のFIM5の制御系電源回路120と構成,動作とも同じである。入力回路250は入力信号280の間欠ワイパボリューム282やワイパスイッチ283,ライトスイッチ281,イグニッションキースイッチ(図4には図示せず)などからの信号を制御回路270が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗251,252,253でプルアップしている。間欠ワイパボリューム282やワイパスイッチ283の入力信号によって制御する負荷は必ずイグニッションスイッチがオンになったときしか動作しないので、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗251,252に供給される電源を電源遮断回路123で遮断するようにしている。一方、ライトスイッチ281やイグニッションスイッチなどは、車両に人がいなくて、放置されている時に、突然オンされることもありそれによって、負荷を駆動しなければならないので、車両に人がいなくて、放置されている時にも常に入力状態を検出している必要がある。そのため、プルアップ抵抗253の電源供給は常に電源供給されている定電圧電源回路221の出力に接続されている。
【0036】
ショート検出回路230は、電源線12B,電源線12C,電源線12F,電源線12Gの4つのショートセンサと接続されている。
【0037】
図5はRIM29の構成図である。負荷電源遮断回路310は、図3のFIM5の第1の負荷電源遮断回路110aの構成と同じであるが、リレー311のコイルへの電源供給は、図2で説明した制御系の電源に接続され、リレー311の接点の一端は、ループ系電源供給系統の電源線12Dに接続され、他端はループ系電源供給系統の電源線12Eに接続されていると同時に、両端とも負荷に電源供給するための出力回路360に接続されている。
【0038】
出力回路360は、過電流検出回路361,362と負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子364〜368で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子364,365,367,368には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。半導体スイッチング素子は、図示では6個しか記してないが、当然RIM29に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子363,364,365には、それぞれRIM29に接続された負荷390の後席右側ドアのパワーウィンドウモータ391,トランクルーム右側に配置された燃料ポン392,ストップランプ右393などが接続され、半導体スイッチング素子366,367,368には、それぞれRIM29に接続された負荷390の後席左側ドアのパワーウィンドウモータ394,トランクルーム左側に配置されたトランクルームランプ395,ストップランプ左396などが接続されている。また半導体スイッチング素子363,364,365の他端は、過電流検出回路361に接続され、過電流検出回路361の上流の他端には、電源線12Eからの負荷電源遮断回路310の電源が供給されている。半導体スイッチング素子366,367,368の他端は、過電流検出回路362に接続され、過電流検出回路362の上流の他端には、電源線12Dからの負荷電源遮断回路310の電源が供給されている。このように、車両の右側と左側で別系統としており、どちらかの系が故障しても別の系は動作するようにしている。ここで、車両の右側と左側で別系統にする理由は、RIM29には、ストップランプやテールランプなど左右で一対になっている負荷が多く接続されているためである。例えば、ストップランプ左396とストップランプ右393を同じ電源系統で電源供給していると、その電源系の過電流検出回路が故障して電源が供給されなくなると、ストップランプは左右どちらも消えるため、ブレーキング時点灯せず非常に危険である。本実施例のように、車両の右側と左側で別系統にすれば、どちらかは点灯しているので最悪の事態は回避できる。半導体スイッチング素子363および366は、モータを正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路であり、その構成は後で説明する。
【0039】
制御系電源回路320は、図3のFIM5の制御系電源回路120と構成,動作とも同じである。入力回路350は入力信号380のドア開閉スイッチ382や後席のパワーウィンドウスイッチ383などからの信号を制御回路370が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗351,352でプルアップしている。これらのスイッチは、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗351,352に供給される電源を電源遮断回路323で遮断するようにしている。
【0040】
ショート検出回路330は、電源線12D,電源線12Eの2つのショートセンサと接続されている。
【0041】
図6は、ループ状電源供給系とは別系統で電源供給されるPCM10の構成である。図2の実施例のPCM10は、電源回路720,制御回路770,入力回路750,出力回路760で構成されている。電源回路720は、ダイオード722,定電圧電源回路721で構成される。バッテリ3からヒューズ4a,イグニッションスイッチ26a,ヒューズ36bを経由して供給される電源は、ダイオード722を経由して定電圧電源回路721に供給される一方、負荷駆動用の電源として出力回路760の半導体スイッチング素子761,765にも供給されている。定電圧電源回路721では、各種演算,制御処理を行う制御回路770などを動作させるための定電圧を発生する。入力回路750は入力信号780のクランク角センサ781とエアフローセンサ782,スロットルセンサ783などからの信号を制御回路770が取り込めるような電圧に変換している。
【0042】
出力回路760は、負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行う半導体スイッチング素子761と765、および負荷のオン,オフを行う半導体スイッチング素子762,763,765で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子765には過温度検出遮断機能を内蔵したパワーMOSFETを使用しており、過電流が流れ素子の温度が所定温度以上になるとオフするようになっている。そのため、負荷がショートしても電流が流れ続けることがなく、ハーネスが発煙したり、ヒューズが切れたり、バッテリが過放電するようなこともない。一方、半導体スイッチング素子762,763,765には保護機能がない単純な半導体スイッチング素子を使用している。なぜなら、もし負荷とかがショートして過電流が流れても、負荷の上流にあるヒューズが溶断するため、過電流が流れ続けることはないためである。本実施例では保護機能がない半導体スイッチング素子を使用したが、当然のごとく保護機能付の半導体スイッチング素子を使用してもなんら問題はない。半導体スイッチング素子は、図示では5個しか記してないが、当然PCM10に接続された負荷に応じて増減する。半導体スイッチング素子762,763,764には、それぞれPCM10に接続された負荷790のワーニングランプ792,インジェクタ793,EGRソレノイド794などが接続され、これらの負荷の上流にはヒューズ36f,36g,36hが接続されている。半導体スイッチング素子761には、PCM10に接続された負荷790のATソレノイド791などが接続されている。半導体スイッチング素子765は、スロットルモータ795を正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路であり、その構成は後で説明する。
【0043】
PCM10と同様にループ状電源供給系とは別系統で電源供給される図2のABS11,A/C16,SDM25,ラジオ15の構成も、図6のPCM10の構成とほぼ同じため説明は省略するが、当然、モジュールに接続されている入力信号,負荷は異なっている。
【0044】
図7は、BCM14の電源供給回路200から電源供給されるDDM18の構成である。DDM18は、電源回路620,制御回路670,入力回路650,出力回路660,通信回路640,入力信号680の一部,負荷690の一部で構成されている。電源回路620は、定電圧電源回路621と電源遮断回路623で構成される。BCM14の電源供給回路200から供給される電源は、定電圧電源回路721に供給される一方、負荷駆動用の電源として出力回路660のスイッチング素子663,664,665、および負荷691にも供給されている。定電圧電源回路621では、各種演算,制御処理を行う制御回路670などを動作させるための定電圧を発生する。入力回路650は入力信号680のモジュールに内蔵されたパワーウィンドウスイッチ681やドアロックスイッチ682などからの信号を制御回路370が取り込めるような電圧に変換している。そのために抵抗651,652でプルアップしている。これらのスイッチは、車両に人がいなくて、放置されているようなときには、入力情報を取り込む必要がないため、プルアップ抵抗651,652に供給される電源を電源遮断回路623で遮断するようにしている。
【0045】
出力回路660は、負荷に対して電源を供給して駆動の制御を行うスイッチング素子663,664,665、および負荷のオン,オフを行う半導体スイッチング素子661,662で構成される。この実施例では、半導体スイッチング素子661,662には保護機能がない単純な半導体スイッチング素子を使用している。なぜなら、もし負荷とかがショートして過電流が流れても、負荷の上流にあるBCM14の電源供給回路200に保護機能が付いているため、過電流が流れ続けることはないためである。本実施例では保護機能がない半導体スイッチング素子を使用したが、当然のごとく保護機能付の半導体スイッチング素子を使用してもなんら問題はない。パワーウィンドウモータ693,ドアロックモータ694,ミラーモータ695を駆動するスイッチング素子663,664,665には、リレーを使用しているが半導体スイッチング素子でも良い。半導体スイッチング素子661には、DDM18に内蔵された負荷690のスイッチイルミランプ691が接続され、半導体スイッチング素子662には、ドアに設置されたステップランプ692が接続され、これらの負荷の上流にはBCM14の電源供給回路200が接続されている。
【0046】
PDM20の構成も、図7のDDM18の構成とほぼ同じため説明は省略する。
【0047】
このように、ドアに設置されたDDM18,PDM20および負荷の電源は、BCM14の保護機能を持った電源供給回路より供給しているため、電源供給線には同軸構造の線を使用する必要がなく、普通の電線を使用できる。したがって、電線の経が細くできる。また、出力回路に使用する半導体スイッチング素子には保護機能がないものでも良い。
【0048】
図8,図9,図10,図11にモータを正転,逆転の両方向に駆動するHブリッジ回路の構成を示す。まず、図8を説明する。論理回路1050は、制御回路からの2つの制御信号をもとに、ショート保護機能を有していない4つの半導体スイッチング素子1010,1020,1030,1040で構成されるHブリッジの制御信号に変換している。すなわち、正転の時は、半導体スイッチング素子1020と半導体スイッチング素子1030をオンさせモータ1060に電流を流し、逆転の時は、半導体スイッチング素子1010と半導体スイッチング素子1040をオンさせてモータに逆電流を流すような信号に変換する。図9は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の上流側2個をショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1010a,1020aにしたものであり、図10は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の下流側2個をショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1030a,1040aにしたものであり、図11は、Hブリッジを構成する半導体スイッチング素子の上流側,下流側4個すべてをショート保護機能を有する半導体スイッチング素子1010a,1020a,1030a,1040aにしたものである。図8はHブリッジを構成する半導体スイッチング素子にショート保護機能を有していないので、別の所でショート保護機能が必要となる。図9は上流にショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電源がグランドにショートしても保護される。しかし、負荷に接続された電源が電源側にショートすると下流側の半導体スイッチング素子が破壊する。図10は、下流にショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電線が電源側にショートしても保護される。しかし、負荷に接続された電線がグランドにショートすると下流側の半導体スイッチング素子が破壊する。それに対し、図11は上流,下流ともにショート保護機能を有している半導体スイッチング素子を使用しているため、負荷がショートしても保護され、かつ負荷に接続された電線がグランドにショートしても、電源側にショートしても保護される。
【0049】
この4つのHブリッジ回路の使い分けについて説明する。パワーバス12から電源の供給を受けるモジュール、具体的には、図2の実施例の中のFIM5,BCM14,RIM29の上流には、2個のヒュージブルリンク4e,4fだけしかなく、負荷がショート故障したときに出力回路にショート保護機能がないと、ループ式電源系統全体が動作不能になるため、FIM5(図3),BCM14(図4),RIM29(図5)内のモータ駆動Hブリッジ回路には、図9,図10,図11のどれかを使う必要がある。ところが、図2の実施例の中のPCM10 (図6)やABS11,A/C16などは、それぞれ機能毎かつ図6のPCM10の負荷のように負荷毎にヒューズを有しているため、ショート保護機能を有したHブリッジ回路でなくても、致命的な故障になることはないので、本実施例では、図8のショート保護機能を有しないHブリッジ回路を使用している。もちろん図9,図10,図11のHブリッジ回路を使用しても問題はない。同様にDDM18,PDM20の電源供給も、電源供給側であるBCM14の電源供給回路200にショート保護機能付の半導体スイッチング素子を使用しているため、図8のショート保護機能を有しないHブリッジ回路を使用している。
【0050】
次に図3,図4,図5,図6,図7のモジュールの出力回路内の過電流検出回路について説明する。図12は過電流検出回路の構成を示している。2020は、シャント抵抗であり、上流側の一端は電源線に接続され、下流側の一端は負荷を駆動する複数の半導体スイッチング素子に接続されており、接続された負荷に流れる電流全てがこのシャント抵抗2020を流れるように構成されている。このシャント抵抗2020の両端の電位差を増幅回路2010により増幅して、制御回路のA/D変換器2000でシャント抵抗に流れる電流、すなわち接続されている負荷に流れる電流の総和を検出するようにしている。本実施例では、この電流を検出することにより、負荷のデッドショート故障,負荷のリークショート故障,負荷デッドショート故障と出力回路の半導体スイッチング素子のデッドショート故障の複合故障などを検出し、フェールセーフ動作を行っている。
【0051】
図13,図14の処理フローチャートを用いて、図3,図4,図5,図6,図7のモジュールにおける前記故障検出の方法およびフェールセーフの方法について説明する。図13は、負荷のデッドショート故障の検出方法とフェールセーフ方法を示している。最初に、ステップ6000にて過電流検出回路に流れる電流ITを図12のA/D変換器2000で測定する。次にステップ6010測定した電流ITが、所定の許容値以上かどうかを判定する。この所定の許容値は、この値以上流れたら、モジュールのどこかが破壊するという値以下であり、モジュールに接続された負荷全てが動作しているときの電流値以上で設定した数値である。ステップ6010で、電流ITが許容値以下だと判定すると致命的なデッドショート故障はないと判断し、図14のステップ6200を実行する。ステップ6010で電流ITが許容値以上だと判定すると、いずれかの負荷がショートしていると見なして、ステップ6020以降を実行する。ステップ6020では、現在オンしている全ての負荷をオフするため、出力回路の半導体スイッチング素子を全てオフする。ステップ6030では、オンしていた負荷の数mを算出し、ステップ6040では、再度電流ITを測定する。ここで、半導体スイッチング素子をすべてオフしたので、半導体スイッチング素子が故障していない限りは、電流は流れなくなるはずである。それを判定するため、ステップ6050で再度測定した電流IT(半導体スイッチング素子をすべてオフしたときの電流)が前記許容値を超えているかどうかを比較している。ここでも、電流ITが許容値以上であれば、半導体スイッチング素子が故障しており、かつ負荷もデッドショート故障をしていることになる。なぜなら、負荷が正常なら半導体スイッチング素子が故障していても電流ITが許容値以上になることはないはずである。したがって、故障個所に電源供給されないようにループ式電源系統を遮断するために、まずステップ6150において、故障しているモジュールの負荷電源遮断回路をオフし、さらに故障した電源系に接続されているモジュールの負荷電源遮断回路をオフするために、ステップ6160において、故障情報を他のモジュールに多重通信により送信する。この情報を受信したモジュールは、その情報が自分の負荷電源遮断回路をオフするという情報であれば、すぐに負荷電源遮断回路をオフする。このようにすることにより、故障した電源系を遮断することができ、電流が流れ続けることを防止することができる。さらに、ステップ6170において、故障個所や故障の内容を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりする。この記憶された情報は、図1の診断装置13などで読み出すことができるようになっている。故障した電源系を遮断する方法をよりわかりやすく図2の実施例で説明する。一例として、図5のRIM29に接続されている燃料ポンプ392とそれを駆動する半導体スイッチング素子364のどちらもデッドショート故障したとする。その時、RIM29の過電流検出回路361に流れる電流により、故障を検出するとまず故障した電源系の負荷電源遮断回路310のリレーの接点をオフし、故障した電源系の電源線12Eと正常な電源系の電源線12Dを遮断する。さらに、故障した電源系の電源線12Eは電源線12Fと接続されているので、電源線12Fが接続されている図6のBCM14の第2の負荷電源遮断回路210bのリレーの接点をオフし、故障した電源系の電源線12Fと正常な電源系の電源線12Gを遮断する。このようにすると故障した電源系のみが遮断されるので、正常な電源系に接続された負荷は正常に動作する。
【0052】
前記ステップ6050で再度測定した電流ITが許容値以下であれば、半導体スイッチング素子は故障していないが、いずれかの負荷がデッドショートしていることになる。ステップ6060以降でいずれの負荷がショートしているかを判定している。ステップ6060では、以下の処理を何回繰り返すかの数値nを1に初期化する。ステップ6070で、ステップ6020でオフした負荷の1個だけをオンした後、ステップ6070で、その時の電流ITを測定し、ステップ6090でその電流ITが前記と同じ所定の許容値と比較する。この時電流ITが許容値以上であれば、ステップ6070でオンした負荷がデッドショートしているということで、ステップ6110において、以後復帰条件が成立しない限り、その負荷をオフする。またこの時も前述したのと同じように、ステップ6120にて故障情報を表示したり格納する。ステップ6090で電流値ITが許容値以下であれば、負荷はデッドショートしてないと判断し、ステップ6100にてその負荷を駆動する半導体スイッチング素子をオンし、正常時の動作とする。これで、1個の負荷の診断が終了するが、残りの負荷を診断するため、ステップ6130にて前記数値nを1だけ増加させ、ステップ6140にて全部終了したかどうかを比較し、終了してなければステップ6070以下の処理を繰り返し、終了すれば次の処理である図14のステップ6200を実行する。
【0053】
図14は、デッドショートではなく、負荷のリークなどにより正常値以上の電流が流れるのを検出して、負荷をオフする方法の処理を示している。ステップ6210では、電流値ITを測定する。ステップ6220では、電流ITを測定したとき動作しているすべての負荷の正常時の最大電流値ILmaxと最小ILminを検索し、かつ動作している負荷の数mを算出する。例えば、図15には動作開始してからのランプの正常時の電流の中心値の一例を示しており、図16には動作開始してからのモータの正常時の電流の中心値の一例を示している。このようなすべての負荷の正常時の電流データがあらかじめメモリに記憶されており、そのデータを検索し、その検索した中心値にばらつきデータを加味して、式1,式2にてすべての負荷の正常時の最大電流値ILmaxと最小ILminを算出する。
【0054】
ILmax=正常時の電流x(1+ばらつき) :式1
ILmin=正常時の電流x(1−ばらつき) :式2
ステップ6230では、現在オンしている負荷の正常時の電流値の最大,最小の総和ITmax,ITminを式3,式4にて算出する。
【0055】
ITmax=ΣILmax_n(n=1〜m) :式3
ITmin=ΣILmin_n(n=1〜m) :式4
例えば、図15と図16の2つの負荷が動作しているとすると、総和は、図17のような電流値となる。次にステップ6240において、異常判定最大電流値INGmax を式5で、異常判定最小電流値INGmin を式6で算出する。
【0056】
INGmax=ITmax+A :式5
INGmin=ITmin−A :式6
式5,式6のAは、0以上の所定一定値である。本実施例では異常判定電流値の計算は一定値を加算して求めたが、比率計算して求めても良い。ステップ6210で測定した電流値ITとステップ6240で算出した異常判定電流値をステップ6250で比較する。電流値ITが異常判定最小電流値INGmin より大きくて、異常判定最大電流値INGmax より小さければ、正常であるので処理を終了する。それ以外の時は、いずれかの負荷に異常があると判断し、異常な負荷を特定するために以下の処理を実行する。ステップ6260では、以下の処理を何回繰り返すかの数値nを1に初期化する。ステップ6270で現在オンしている負荷の1個だけをオフした1ms後、ステップ6270で、その時の電流ITnew を測定し、ステップ6290で、オフしたことによって変化した電流値(IT− ITnew )が、ステップ6220で検索してもとめたオフした負荷の最大電流値ILmax より小さく、最大電流値ILmin より大きければ、その負荷は正常であるので、ステップ6300にてその負荷を駆動する半導体スイッチング素子をオンし、正常時の動作とする。ステップ6290で負荷異常と判断したら、ステップ6310において、以後復帰条件が成立しない限り、その負荷をオフする。またステップ6320にて故障情報を表示したり格納する。残りの負荷を診断するため、ステップ6330にて前記数値nを1だけ増加させ、ステップ6340にて全部終了したかどうかを比較し、終了してなければステップ6270以下の処理を繰り返す。このように、負荷および半導体スイッチング素子の両方がショート故障したときには、その電源系統を遮断するため、ループ式電源系統に影響を与えることがない。また、負荷のショートおよびレアショートを検出すれば該当する半導体スイッチング素子のみを遮断することができるので、故障個所だけを分離でき他の負荷に影響を与えないようになる。また、本実施例では半導体スイッチング素子には過温度検出遮断機能を内蔵したものを使用しているが、このように各負荷の電流を検出できるため、半導体スイッチング素子の保護機能は、その半導体スイッチング素子が破壊しない目的の為だけの、ばらつきが大きくても良い過電流制限機能があれば、十分にショート保護を行うことができ、半導体スイッチング素子の構成が簡単にできる。
【0057】
図18,図19,図20は、図2の実施例の別のモジュールFIM5,BCM14,RIM29の構成図であり、他のモジュールPCM10,DDM18,PDM20は図6,図7の実施例に対して変更がない。図18はFIM5の構成図であり、図3のFIM5の構成図の相違点のみを説明する。図3では、過電流検出回路161,162を有していたが、図18のFIM5では、過電流検出回路を有しておらず、放熱板の温度を検出する温度検出回路169および周温を検出する温度センサ183を有している。同様に図19および図20のBCM14,RIM29も過電流検出回路を有さず、それぞれ放熱板の温度を検出する温度検出回路209および369と周温を検出する温度センサ284,383を有している。
【0058】
図21,図22,図23は温度検出回路の構成例である。図21は3020〜3050のダイオードと、ダイオードに流す電流を制限する抵抗3010および抵抗3010とダイオード3020間の電圧を入力しA/D変換するA/D変換器3000で構成している。A/D変換器3000は、FIM5,BCM14,RIM29のそれぞれのCPU170,270,370に内蔵されている。ダイオード3020〜3040の4個のダイオードは、図24のような特性を有している。ダイオードに順方向に電流が流れると順方向の電圧が発生し、その電圧は温度によってほぼ直線的に変化する特性を有している。温度が低い時は順方向電圧は高く、温度が高くなると順方向電圧は低くなっている。このような特性を持っているダイオードを直列に接続してその時の電圧を測定することにより温度を検出できる。図21の例ではダイオードを4個直列に接続しているが、これは常温である25℃近辺の時の電圧が、A/D基準電圧(5V)のほぼ半分になるようにするためである。このようにすれば、検出精度も向上し、検出範囲も広くなる。ただし、4個接続しなくても1個だけでも温度を検出できることは当然である。図24の特性図にも示しているようにダイオードの順方向電圧は、順方向電流によっても変化する。したがって、図21の構成の場合、温度によってダイオードの順方向電圧が変化するとダイオードに流れる順方向電流も変化するため、温度特性が直線的にならず精度が落ちることになる。図22は、精度が落ちないように、図21のダイオードに流す電流を制限する抵抗3010の代わりに、ダイオードに流す電流を一定に保つ定電流源3060を設けている。このようにすることにより、ダイオードに流れる電流が温度が変化しても変わらないため、より高精度で温度を検出できる。図23はもう1つの温度検出回路の構成例である。図23は図25のような特性有する温度検出用抵抗体3080と、温度検出用抵抗体3080と接続される抵抗3070および抵抗3070と温度検出用抵抗体3080間の電圧を入力しA/D変換するA/D変換器3000で構成している。温度検出用抵抗体3080の特性は、図25の(a)のように高温になるに従って抵抗値が低くなるものと、(b)のように高温になるに従って抵抗値が高くなるものが有るが、高温側で精度が必要な時は(b)の特性の温度検出用抵抗体を使用し、低温側で精度が必要な時は(a)の特性の温度検出用抵抗体を使用する。
【0059】
図26はモジュールの構造の代表例である。4010は外部との接続を行うコネクタと一体のプラスチックケース、そのプラスチックケース4010の底部はアルミ製のベース4080でふさがれており、その上には回路を形成する銅箔のパターンが貼られたアルミ製のプリント基板4070が搭載されている。そのアルミ製のプリント基板4070には、主に発熱の大きい半導体素子4130〜4320および温度検出素子4000が搭載されている。これら半導体素子4130〜4320は、図18のFIM5では出力回路160内の半導体素子163〜168であり、図19のBCM14では電源供給回路200,出力回路260内の半導体素子203〜204,263〜266であり、図20のRIM29では出力回路360内の半導体素子363〜368である。温度検出素子4000は、図21,図22のダイオード3020〜3050であり、図23の温度検出用抵抗体3080である。この温度検出素子はアルミ製のプリント基板4070のほぼ中央に搭載されている。プラスチックケース4010の天井部はプラスチック製のカバー4020でふさがれており、水が浸水しないようになっている。
【0060】
4030はアルミ製のプリント基板4070に搭載されてない図18,図19,図20の回路素子(例えばCPUなど)が搭載されたプリント基板であり、アルミ製のプリント基板4070との接続はフラットケーブル4060で接続されている。また、アルミ製のプリント基板4070と端子4050がワイヤボンディング線4040で接続することにより外部との接続を行っている。このように発熱体である半導体素子をアルミ製のプリント基板4070に搭載し、更に外気に温度を放熱するためのアルミ製のベース4080と接着されているので、放熱性が良く、素子の発熱が抑えられる。また、温度検出素子4000をアルミ製のプリント基板4070の中心に搭載しているので、アルミ製のプリント基板4070に搭載された半導体素子の発熱のほぼ平均を検出することが出来る。更に、発熱体をアルミ製のプリント基板4070に搭載し、その他の部品を別のプリント基板に搭載することにより、小型が可能になる。
【0061】
図27はモジュールの構造のもう1つ代表例である。図26との相違点は、温度検出素子をアルミ製のプリント基板4070の2個所に搭載したことである。こうすることにより、より正確に温度を検出することが出来る。
【0062】
図28は、温度検出素子が1個の時の故障検出およびフェールセーフの処理フローである。ステップ7010にて、最初は正常であるのでステップ7030を実行し、図26の温度検出素子4000の位置の温度Tfを、図21または図22または図23の温度検出回路で測定する。ステップ7040では測定した温度Tfが150℃かどうかを判定し、150℃以上であれば、ステップ7050にて現在オンしている全ての負荷をオフするため、出力回路の半導体スイッチング素子を全てオフする。更にステップ7060では、故障しているモジュールの負荷電源遮断回路をオフし、さらに故障した電源系に接続されているモジュールの負荷電源遮断回路をオフするために、ステップ7070において、故障情報を他のモジュールに多重通信により送信する。この情報を受信したモジュールは、その情報が自分の負荷電源遮断回路をオフするという情報であれば、すぐに負荷電源遮断回路をオフする。このようにすることにより、故障した電源系を遮断することができ、電流が流れ続けることを防止することができる。さらに、ステップ7080において、故障個所や故障の内容を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりする。この記憶された情報は、図1の診断装置13などで読み出すことができるようになっている。ステップ7040で温度Tfが150℃以下と判定されれば、通常制御を行う。異常と判定された後にこのルーチンが実行されると、ステップ7010にて異常処理中とみなし、ステップ7020にて異常処理の解除条件が成立していなければこの処理は終了し、解除条件が成立していれば、再度ステップ7030以降を実行するようになっている。本実施例での解除条件はイグニッションスイッチがオフになった時としているが、これは制御内容によって当然変わるものである。このようにすることにより、一度異常を検出すると解除条件が成立するまで、電流が遮断されるようになる。どのような時に異常が検出されるかを分かりやすく説明する。まず1つ目の場合は、負荷(例えば図18のFIM5のホーン8)がデッドショートするとホーン8を鳴らそうとして、半導体スイッチング素子166をオンすると非常に大きな電流が流れるため、半導体スイッチング素子は急激に発熱して高温になる。この熱が温度検出素子4000に伝わり、150℃を超える。この時、ホーンの半導体スイッチング素子のみオフすれば電流は流れなくなり、発熱はなくなるが、半導体スイッチング素子もショートしていると電流を遮断できない。したがって、モジュールの負荷電源遮断回路をもオフするようにしている。もう1つの場合は、モータがロックした場合である。説明では図18のFIM5のウォッシャモータがロックしたとして説明する。図35を用いて説明する。モータがロックしてない時は電流も少ないため、温度上昇も少なく半導体の保証温度を超えることはないが、モータがロックすると正常時の数倍の電流が流れ、温度上昇も大きくなる。このような時、半導体の保証温度を超えた時、半導体スイッチング素子そのものの保護機能が働くような素子を本実施例では前述したように使用しているが、この保護機能を働かせるための温度検出誤差が大きいため、あるものは保護機能が働き負荷はオフするが、別のものは保護機能が働かず負荷はオフせずに駆動されつづける。このように、温度検出誤差が大きいと働きが違ってしまうという問題が派生する。そこで本発明のように、半導体スイッチング素子の保護機能と別の温度検出素子で温度を検出し電流を遮断することにより、確実に電流を遮断できるように出来る。
【0063】
図29は、温度検出素子が2個の時の故障検出およびフェールセーフの処理フローである。ステップ7110にて、最初は正常であるのでステップ7130を実行し、図27の温度検出素子4000,4005の位置の温度Tf1,Tf2を、温度検出回路で測定する。ステップ7140では測定した温度Tf1またはTf2が150℃かどうかを判定し、どちらかが150℃以上であれば、ステップ7150にて現在オンしている全ての負荷をオフするため、出力回路の半導体スイッチング素子を全てオフする。更にステップ7160では、故障しているモジュールの負荷電源遮断回路をオフし、さらに故障した電源系に接続されているモジュールの負荷電源遮断回路をオフするために、ステップ7170において、故障情報を他のモジュールに多重通信により送信する。この情報を受信したモジュールは、その情報が自分の負荷電源遮断回路をオフするという情報であれば、すぐに負荷電源遮断回路をオフする。このようにすることにより、故障した電源系を遮断することができ、電流が流れ続けることを防止することができる。さらに、ステップ7180において、故障個所や故障の内容を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりする。この記憶された情報は、図1の診断装置13などで読み出すことができるようになっている。ステップ7140で温度Tf1,Tf2のどちらもが150℃以下と判定されれば、通常制御を行う。異常と判定された後にこのルーチンが実行されると、ステップ7110にて異常処理中とみなし、ステップ7120にて異常処理の解除条件が成立していなければこの処理は終了し、解除条件が成立していれば、再度ステップ7130以降を実行するようになっている。本実施例での解除条件はイグニッションスイッチがオフになった時としているが、これは制御内容によって当然変わるものである。
図28,図29による処理は、負荷や負荷駆動素子が故障した時、発火などしないようにするために必要な最低限の処理であるが、図18,図19,図20のモジュール構成で図26,図27のような構造にした時の、故障個所を特定する方法について、以下に説明する。
【0064】
図30は、過電流が流れている負荷を特定して、その負荷の駆動を停止し、故障個所を記憶,表示する処理を表している。ステップ8010にて周囲温度Taと図26の温度検出素子4000の位置の温度Tfを、図21または図22または図23の温度検出回路で測定する。ステップ8020では、周囲温度Taと温度検出素子4000の位置の温度Tfにより、温度検出素子4000の位置の温度上昇値Tfd=Tf−Taを算出する。次にステップ8030にて、温度検出素子4000の位置の正常時の温度上昇の予測値を算出する。正常であれば、負荷および負荷駆動素子に正常電流が流れ、その電流により負荷駆動素子である半導体スイッチング素子が発熱し、その発生した熱はアルミ基板およびアルミ製のベースによって放熱される。温度検出素子4000の位置の温度は、負荷駆動素子の発熱量、負荷駆動素子と温度検出素子4000の位置との間の熱抵抗によって決まってくる。また負荷駆動素子と温度検出素子4000の位置との間の熱抵抗は、負荷駆動素子と温度検出素子4000の位置との間の熱伝導率と距離によって決まってくる。その結果として、ランプの場合の時間経過に対する電流と温度上昇の関係は、図32のようになり、モータなどの負荷の場合の時間経過に対する電流と温度上昇の関係は、図33のようになる。また、図32と図33の負荷が図34のように同時に駆動されると、温度上昇値は個々の温度上昇値を加算した温度上昇値となる。したがって、図32,図33のような正常時の全負荷の温度上昇特性をメモリにテーブルデータとして記憶しておき、現在駆動している負荷の温度上昇値をテーブルデータより求め、それらを加算することにより、ステップ8030における温度検出素子4000の位置の正常時の温度上昇の予測値を算出することができる。また、正常時の全負荷の温度上昇特性をメモリにテーブルデータとして記憶しておかずに、駆動している負荷の正常時の電流と負荷駆動素子と温度検出素子4000の位置との距離と熱伝導率より計算で求めることもできる。計算で求めるようにすると、アルミ基板に搭載している負荷駆動素子の駆動する負荷の電流が変更されたり、負荷駆動素子の位置が変更されたりした時でも、テーブルデータを記憶させるためにデータを取得する必要がなくなり、変更が容易に行えるようになる。
【0065】
ステップ8040において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値を超えていれば、現在オンしているいずれかの負荷が異常で過電流が流れているか、負荷駆動素子をオンしていないにもかかわらず負荷駆動素子が異常で負荷に電流を流しているかである。そこでステップ8050以降の処理により異常個所を特定する。まずステップ8050にて現在オンしている負荷の数mと、異常の確率の高い順に整理し順位付けをする。本実施例では、異常検出する前の最後にオンした負荷を異常確率が高い順位n=1とし、最も早くオンした負荷を異常確率が低い順位n=mとしている。ステップ8060にて繰り返し回数nを1に初期化し、ステップ8070にてn番目の負荷をオンし、ステップ8080にて所定時間待った後に、周囲温度Taと図26の温度検出素子4000の位置の温度Tfを、図21または図22または図23の温度検出回路で測定する。ステップ8090では、周囲温度Taと温度検出素子4000の位置の温度Tfにより、温度検出素子4000の位置の温度上昇値Tfd=Tf−Taを算出する。次にステップ8100にて、温度検出素子4000の位置の温度上昇の予測値を算出する。ステップ8110において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値以下であれば、現在オフした負荷が異常であったということでステップ8160を実行し、その故障情報を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりして、故障個所を特定して処理を終了する。一方、ステップ8110において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値を超えていた場合は、現在オフした負荷は正常で、他の負荷が異常で過電流が流れているか、負荷駆動素子をオンしていないにもかかわらず負荷駆動素子が異常で負荷に電流を流しているかである。そこでステップ8120ではステップ8070でオフした負荷を再びオンさせ、ステップ8130にて次の負荷を診断するため、nを1増加させ、そのnが現在オンしている負荷すべてをチェックしたかどうかの判定をステップ8140にてn>mかどうかを判定する。ステップ8140ですべてのチェックが終了していないと判断されれば、ステップ8070以降を繰り返し、オンしている全負荷の診断を行う。オンしている全負荷の診断ですべての負荷が正常と判断されると、ステップ8120において、現在オフしている負荷駆動素子が故障して異常電流が流れていると判断し、その情報を表示したり、記憶して、この処理を終了する。この時、オフしている負荷を1個ずつオンしていって故障個所を特定することも可能だが、通常の制御ではオフとなっている負荷を運転者の意図に無関係にオンすると、運転者は違和感を感じるので本実施例ではこのような処理は行わず、異常表示を行うにとどめている。異常個所を特定するには、ディーラにて行う図36の処理を行うことにより特定できるようにしている。ステップ8040にて、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値以下であれば、過電流は流れていないと判断して、図31の処理を実行する。このようにすれば、過電流が流れている個所を特定でき、遮断することができるので、連続して過電流が流れ続けることがないようにできる。
【0066】
図31の処理では、負荷または負荷駆動素子のオープン故障を検出する処理である。ステップ8240において、図30のステップ8020で求めた温度上昇値Tfdがステップ8030で求めた温度上昇予測値から所定値βを減算した値を超えていれば、実際の温度上昇値は予想値の許容範囲内であるので異常はないと判断し、処理を終了する。ステップ8240において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値から所定値βを減算した値以下であれば、ステップ8250以下の故障負荷を特定するための処理を実行する。ステップ8250にて現在オンしている負荷の数mと、異常の確率の高い順に整理し順位付けをする。本実施例では、異常検出する前の最後にオンした負荷を異常確率が高い順位n=1とし、最も早くオンした負荷を異常確率が低い順位n=mとしている。ステップ8260にて繰り返し回数nを1に初期化し、ステップ8270にてn番目の負荷をオンし、ステップ8280にて所定時間待った後に、周囲温度Taと図26の温度検出素子4000の位置の温度Tfを、図21または図22または図23の温度検出回路で測定する。ステップ8290では、周囲温度Taと温度検出素子4000の位置の温度Tfにより、温度検出素子4000の位置の温度上昇値Tfd=Tf−Taを算出する。次にステップ8300にて、温度検出素子4000の位置の温度上昇の予測値を算出する。ステップ8310において、温度上昇値Tfdと温度上昇予測値の差の絶対値が所定の値γ未満であれば、現在オフした負荷が異常であったということでステップ8350を実行し、その故障情報を表示したり、ディーラーでのサービス情報として記憶したりして、故障個所を特定して処理を終了する。一方、ステップ8310において、温温度上昇値Tfdと温度上昇予測値の差の絶対値が所定の値γ以上であれば、現在オフした負荷は正常で、他の負荷が異常で電流が流れていないか、負荷駆動素子をオンしているにもかかわらず負荷駆動素子から負荷に電流を流していないかである。そこでステップ8320ではステップ8270でオフした負荷を再びオンさせ、ステップ8330にて次の負荷を診断するため、nを1増加させ、そのnが現在オンしている負荷すべてをチェックしたかどうかの判定をステップ8340にてn>mかどうかを判定する。ステップ8340ですべてのチェックが終了していないと判断されれば、ステップ8270以降を繰り返し、オンしている全負荷の診断を行う。オンしている全負荷の診断ですべての負荷が正常と判断されると、この処理を終了する。このようにすれば、オープン状態で故障した負荷を特定できる。
【0067】
図36では、ディラーでの診断で故障個所を特定する処理フローを表している。まずステップ9010にてすべての負荷をオフする。次にステップ9020で診断する負荷の順番nを1に初期化してステップ9030以降を実行する。ステップ9030ではn番目の負荷に電流を供給するため、対応する負荷駆動素子をオンにする。そうすると駆動される負荷によって、図32や図33のように電流が流れ、発熱する。そこでステップ9040にて温度上昇で異常を検出できる所定時間待って、周囲温度Taと図26の温度検出素子4000の位置の温度Tfを、図21または図22または図23の温度検出回路で測定する。ステップ9050では、周囲温度Taと温度検出素子4000の位置の温度Tfにより、温度検出素子4000の位置の温度上昇値Tfd=Tf−Taを算出する。次にステップ9060にて、温度検出素子4000の位置の温度上昇の予測値を算出する。ステップ9070において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値を超えていれば、現在オンした負荷が短絡状態またはレアショート状態の異常であるということでステップ9080を実行し、その故障情報を表示する。一方、ステップ9070において、温度上昇値Tfdが温度上昇予測値に所定値αを加算した値以下の場合は、ステップ9100にて温度上昇値Tfdが温度上昇予測値から所定値βを減算した値以下であれば、現在オンした負荷が開放状態の異常であるということでステップ9090を実行し、その故障情報を表示する。ステップ9070において温度上昇値Tfdが温度上昇予測値から所定値βを減算した値を超えていれば、その負荷は正常と見なされるのでステップ9110にて正常を表示する。ステップ9080,ステップ9090での故障表示、ステップ9110での正常表示の後には、次の負荷の診断を行うために、ステップ9120ではステップ9030でオフした負荷を再びオンさせ、ステップ9120にて次の負荷を診断するため、nを1増加させ、そのnが全負荷すべてをチェックしたかどうかの判定をステップ9130にてn>mかどうかを判定する。ステップ9130ですべてのチェックが終了していないと判断されれば、ステップ9030以降を繰り返し、全負荷の診断を行う。このようにすると全負荷の短絡または開放状態の異常を検出できる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒューズの数が少なく、また電源供給のためのワイヤハーネスを短く、細く、あるいは本数を少なくできる効果がある。別の発明では、電源線の短絡異常の発生を未然に防止できるだけでなく短絡異常発生時の異常箇所が特定できる。更にその短絡区間を分離することができる。また別の発明では過電流検出回路を設けたので故障している負荷があればそれを切り離すことができる。また更に別の発明では車両の不作動時の電力供給装置の消費電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動車のシステム配置図。
【図2】本発明を適用した自動車のシステム全体図の一実施例。
【図3】図2のシステムのFIMモジュール構成図。
【図4】図2のシステムのBCMモジュール構成図。
【図5】図2のシステムのRIMモジュール構成図。
【図6】図2のシステムのPCMモジュール構成図。
【図7】図2のシステムのDDMモジュール構成図。
【図8】モータ駆動Hブリッジ回路構成1。
【図9】モータ駆動Hブリッジ回路構成2。
【図10】モータ駆動Hブリッジ回路構成3。
【図11】モータ駆動Hブリッジ回路構成4。
【図12】シャント抵抗による過電流検出回路構成。
【図13】負荷と出力回路のショート検出および保護動作のアルゴリズム。
【図14】負荷過電流検出および保護動作のアルゴリズム。
【図15】ランプ電流特性。
【図16】モータ電流特性。
【図17】複数駆動時の電流特性。
【図18】図2のシステムの別のFIMモジュール構成図。
【図19】図2のシステムの別のBCMモジュール構成図。
【図20】図2のシステムの別のRIMモジュール構成図。
【図21】温度検出回路構成1。
【図22】温度検出回路構成2。
【図23】温度検出回路構成3。
【図24】図21,図22の温度検出回路のダイオードの特性。
【図25】図23の温度検出回路の温度検出素子の特性。
【図26】モジュールの構造図1。
【図27】モジュールの構造図2。
【図28】図26のモジュール構造における温度による負荷と出力回路のショート検出および保護動作のアルゴリズム。
【図29】図27のモジュール構造における温度による負荷と出力回路のショート検出および保護動作のアルゴリズム。
【図30】温度による負荷過電流検出および保護動作のアルゴリズム1。
【図31】温度による負荷過電流検出および保護動作のアルゴリズム2。
【図32】ランプ電流による温度上昇特性。
【図33】モータ電流による温度上昇特性。
【図34】複数駆動時の電流による温度上昇特性。
【図35】モータロック電流による温度上昇特性とシャットダウン温度の関係。
【図36】診断モード時の温度による負荷の異常検出のアルゴリズム。
【符号の説明】
3…バッテリ、5…FIM、10…PCM、11…ABS、12A〜12H…電源線、13…診断機、14…BCM、14…ラジオ、16…A/C、17A〜17D…コネクタ、18…DDM、20…PDM、25…SDM、29…RIM、30…多重通信線、100…FIMの電源供給回路、110…FIMの負荷電源遮断回路、120…FIMの制御系電源回路、130…FIMのショート検出回路、140…FIMの通信回路、150…FIMの入力回路、160…FIMの出力回路、169…FIMの温度検出回路、170…FIMの制御回路、180…FIMの入力信号、183…FIMの温度センサ、190…FIMの負荷、
4000…温度検出素子。
Claims (8)
- 他の車両用負荷制御装置の電力供給線とループ接続を構成して電力が供給される車両用負荷制御装置であって、
車両に搭載された複数の負荷への電力の供給状態を制御する複数の電力半導体素子と、
この電力半導体素子に供給する電源を遮断する負荷電源遮断回路と、
前記電力半導体素子の発熱を放熱する熱伝導体と、
前記熱伝導体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出された温度に関連して前記電力半導体素子及び前記負荷電源遮断回路の動作状態を制御する制御手段を備え、
前記複数の電力半導体素子は、第1の電力供給線に接続された第1の電力半導体素子群と、第2の電力供給線に接続された第2の電力半導体素子群に分かれており、
前記負荷電源遮断回路は、前記第1の電力供給線と前記第2の電力供給線の電気的接続を遮断する構成であり、
前記温度検出手段で検出された温度が所定の温度を超えた場合に、前記複数の電力半導体素子及び前記負荷電源遮断回路を遮断し、
前記第1または第2の電源線を介して直接接続された他の負荷制御装置に対して、当該電源線との電気的接続の遮断を要求する故障情報を送信することを特徴とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記電力半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断する温度は、前記電力半導体素子の保証温度とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断する温度は、前記電力半導体素子に流れる電流によって決定する車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記電力半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断する温度は、前記電力半導体素子に流れる電流と当該電力半導体素子と温度検出手段との設置距離によって決定することを特徴とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記電力半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断する温度は、前記電力半導体素子に流れる電流と前記電力半導体素子と温度検出手段との設置距離と周囲温度によって決定することを特徴とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記電力半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断した時には、異常状態を表示することを特徴とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記電力半導体素子若しくは前記負荷電源遮断回路を遮断する温度は、
あらかじめ記憶された負荷ごとのテーブルデータの総和で求めることを特徴とする車両用負荷制御装置。 - 請求項1において、
前記故障情報の通信は、多重通信方式で行われることを特徴とする車両用負荷制御装置。
Priority Applications (2)
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