JP2006131222A - 自動車の集約配線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の種々のアプリケーションを電源供給装置と統合した新しい集約配線装置で構成する。
【解決手段】エアコンコントロールユニット,パワートレインコントロールユニット,ランプコントロールユニット,ナビゲーションユニット,アンチブレーキング制御ユニット,窓開閉用モータ制御ユニット,インストルメントパネルの表示回路制御ユニット,リアディフォが制御用ユニット,ビーコンコントロールユニット等の各電気負荷の電力供給装置として通信線と同じ様に電源線でネットワークを形成し、制御信号線路と電力線路とを合せ持った集約配線システムとする。
【選択図】図2
【解決手段】エアコンコントロールユニット,パワートレインコントロールユニット,ランプコントロールユニット,ナビゲーションユニット,アンチブレーキング制御ユニット,窓開閉用モータ制御ユニット,インストルメントパネルの表示回路制御ユニット,リアディフォが制御用ユニット,ビーコンコントロールユニット等の各電気負荷の電力供給装置として通信線と同じ様に電源線でネットワークを形成し、制御信号線路と電力線路とを合せ持った集約配線システムとする。
【選択図】図2
Description
本発明は電源から遠くはなれた複数の電気負荷へ電力を供給するための、自動車の電力供給装置と統合できる集約配線装置に関する。
従来の乗物の電力供給装置は、乗物に搭載した電源といくつもの電気負荷の一つ一つとの間は溶断ヒューズを介して長い電源線で接続されている。電源線がショートした時はこのヒューズを溶断して、電源から電気負荷を切り離している。
従来の乗物の電気負荷の制御においては、各電気負荷の制御の為のコントローラを統合して、通信機能と演算機能を有する少ないコントローラで複数の電気負荷の制御信号を演算し、通信線で接続された端末装置に制御信号を送信し、端末装置に接続されたいくつかの電気負荷を制御するいわゆる集約配線システムが知られている。
しかし、電源線は、あいかわらず電源から各電気負荷乃至は電気負荷の駆動回路へ直線配線されており、電気負荷の数だけあるいはそれ以上の電源線が必要で、乗物の床や天上及びボディ内部は、電線で満たされていた。
本発明は、電力供給制御装置と統合できる新しい集約配線装置を提供することを目的としている。その目的は、以下に示されたあるいは特許請求の範囲に示された異なった解決手段により達成される。
上記目的は、エアコンコントロールユニット,パワートレインコントロールユニット,ランプコントロールユニット,ナビゲーションユニット,アンチブレーキング制御ユニット,窓開閉用モータ制御ユニット,インストルメントパネルの表示回路制御ユニット,リアディフォが制御用ユニット,ビーコンコントロールユニット等の各電気負荷の電力供給装置として通信線と同じ様に電源線でネットワークを形成し、制御信号線路と電力線路とを合せ持った集約配線システムとすることによって達成できる。
エアコンコントロールユニット,パワートレインコントロールユニット,ランプコントロールユニット,ナビゲーションユニット,アンチブレーキング制御ユニット,窓開閉用モータ制御ユニット,インストルメントパネルの表示回路制御ユニット,リアディフォが制御用ユニット,ビーコンコントロールユニット等の各電気負荷の電力供給装置を本発明の新しい電力供給制御装置と統合できる新しい集約配線装置で構成したので、自動車内のこれら電気負荷を、少ない配線で制御できる様になった。
以下図面を用いて本発明の一実施例を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した自動車のシステム全体図であり、図2はその機能ブロック図である。3はバッテリであり、ヒュージブルリンク4を介して車両全体に対して電源を供給する。10は、エンジンの燃料噴射量や点火時期の制御を行い、かつエンジントランスミッションの制御を行うパワートレインコントロールモジュール(PCM)であり、制御対象であるエンジン制御用のセンサやアクチュエータが数多く配置されたエンジンの近く
(例えば吸気管外壁やサージタンクの内部等)に搭載されている。PCM10には、エアフローメータや水温センサなどのいくつかのセンサや、インジェクタ9,エンジンクーリング用のファンモータ35など、電気負荷としてのアクチュエータ群が接続されている。11はアンチブレーキングシステム(ABS)コントロールモジュールであり、ABS用アクチュエータに隣接したエンジンルームの後方に装着されている。16はエアコンディショナーコントロールユニット(A/C)でありA/C用センサおよびアクチュエータに隣接した助手席側のダッシュボード近辺に配置される。25はエアバッグコントロールモジュール(SDM)であり、センターコンソール近辺に搭載されている。15はナビゲーションコントロールモジュール(ナビ)であり、インストルメントパネルの表示部の近くに搭載している。30はビーコンコントロールモジュール(ビーコン)であり、トランクルームに設置される。14はボディコントロールモジュール(BCM)であり、ステアリング近辺のデバイスやキースイッチが接続され、ダッシュボード近辺に設置される。各モジュールには少なくとも演算処理装置(CPU)および他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信手段(通信IC)を有している。各モジュールはそれぞれのモジュールに接続されるセンサや電気負荷等のデバイスの近くに設置しており、各モジュールと接続されるデバイス間のハーネス長は短くなるようにしている。FRONT INTEGRATED
MODULE(FIM) 5はヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bに隣接したエンジンルームの前方に配置されており、前記ヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bや近くに装着されているホーン8などを駆動するように接続されている。INSTRUMENT PANEL MODULE(IPM)17は、インストルメントパネルメータケース内に装着されているモジュールであり、インストルメントパネル内のランプ類やメータ類を駆動している。DRIVER DOOR MODUE(DDM)18,PASSENGER DOOR MODULE(PDM)
20,REAR RIGHT DOOR MODULE(RRDM)27,REAR LEFT DOOR MODULE(RLDM)22は、それぞれ運転席側,助手席側,後席右側,後席左側のドアに搭載されており、ドアロックモータ19,21、パワーウィンドゥ(19a,20a)モータ73,106やドアロック
SW74,105、パワーウィンドゥSW75,104、電動ミラー19b,20bモータ(図示せず)などが接続されている。DRIVER SEAT MODULE(DSM)26,PASSENGER SEAT MODULE(PSM) 24は、それぞれ運転席側,助手席側のシート下に装着され、電動シートモータ111〜113,123〜125やシートSW114,122などが接続されている。REAR INTEGRATED MODULE(RIM) 29は、テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34に隣接したトランクルームの前方に配置されており、前記テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34の他、トランクオープナ用モータ133,リアディフォが134などを駆動するように接続されている。前記FIM5,RIM29,
IPM17,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,DSM26,
PSM24にはそれぞれ他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信手段52,131,84,70,102,77,136,120,109およびセンサ,スイッチ類や外部電気負荷が接続されている入出力インターフェース51,132,85,71,103,78,137,121,110を有しているが、本実施例では演算処理装置
(CPU)は有していない。(もちろん、演算処理装置(CPU)を有していても良い。)各モジュール間でのデータの授受を行う多重通信線は、FIM5からBCM14間は線
12,BCM14からRIM29間は線36,RIM29からFIM5間は線39で接続しており、車両内にループ状に配線されている。それ以外のモジュールであるIPM17,DDM18,PDM20,RRDM28,RLDM22,DSM26,PSM24,
PCM10,ABS11,A/C16,ナビ15,SDM25は、前記ループ状に配置された通信線12,36,39の近いところから分岐して、接続される。このように、各モジュールは接続されるデバイスの近いところに配置され、かつ自分に接続されていないデバイスの入力データおよび出力データは多重通信線を介して送受信されるので、それぞれのモジュールに必要なデータを得るために、離れたところにあるデバイスとの間を線で接続する必要が無くなるため信号伝送の為の配線すなわちハーネスを削減できる。バッテリ3からの電源線はヒュージブルリンク4を介して電源線40でFIM5に接続し、FIM5からBCM10間は電源線13,BCM10からRIM29間は電源線37,RIM
29からFIM5間は電源線38で接続しており、多重通信線12,36,39と並行して車両内にループ状に配線されている。イグニッションキーSW67のON・OFF位置に関係なく動作する必要のあるモジュールであるIPM17,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,DSM26,PSM24は、前記ループ状に配置された電源線13,37,38の近いところから分岐して、接続され電源供給される。FIM5からはPCM10,ABS11のエンジンルームに実装されているモジュールおよびアクチュエータなどに電源線41を介して電源を供給している。BCM10からは車室内に実装されているA/C16,ナビ15,SDM25やアクチュエータやセンサに電源線42,43を介して電源を供給している。また、RIM29からはトランクルーム内に実装されているビーコン30やアクチュエータ・センサに電源線44を介して電源を供給している。このように電源線を車両内にループ状に配線し、そのループ状に配線された電源線から電源を入力し、その電源を各モジュールやアクチュエータ,センサなどに供給するようにしたモジュールをエンジンルーム,車室内,トランクルームにそれぞれ一つ配置するように構成している(本実施例では、それぞれFIM,BCM,RIMで構成している)ので、電源線が車両内を何重にもはい回ると言うことが無くなり車両内のワイヤーハーネスをさらに削減できる。
(例えば吸気管外壁やサージタンクの内部等)に搭載されている。PCM10には、エアフローメータや水温センサなどのいくつかのセンサや、インジェクタ9,エンジンクーリング用のファンモータ35など、電気負荷としてのアクチュエータ群が接続されている。11はアンチブレーキングシステム(ABS)コントロールモジュールであり、ABS用アクチュエータに隣接したエンジンルームの後方に装着されている。16はエアコンディショナーコントロールユニット(A/C)でありA/C用センサおよびアクチュエータに隣接した助手席側のダッシュボード近辺に配置される。25はエアバッグコントロールモジュール(SDM)であり、センターコンソール近辺に搭載されている。15はナビゲーションコントロールモジュール(ナビ)であり、インストルメントパネルの表示部の近くに搭載している。30はビーコンコントロールモジュール(ビーコン)であり、トランクルームに設置される。14はボディコントロールモジュール(BCM)であり、ステアリング近辺のデバイスやキースイッチが接続され、ダッシュボード近辺に設置される。各モジュールには少なくとも演算処理装置(CPU)および他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信手段(通信IC)を有している。各モジュールはそれぞれのモジュールに接続されるセンサや電気負荷等のデバイスの近くに設置しており、各モジュールと接続されるデバイス間のハーネス長は短くなるようにしている。FRONT INTEGRATED
MODULE(FIM) 5はヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bに隣接したエンジンルームの前方に配置されており、前記ヘッドランプ1,6やターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bや近くに装着されているホーン8などを駆動するように接続されている。INSTRUMENT PANEL MODULE(IPM)17は、インストルメントパネルメータケース内に装着されているモジュールであり、インストルメントパネル内のランプ類やメータ類を駆動している。DRIVER DOOR MODUE(DDM)18,PASSENGER DOOR MODULE(PDM)
20,REAR RIGHT DOOR MODULE(RRDM)27,REAR LEFT DOOR MODULE(RLDM)22は、それぞれ運転席側,助手席側,後席右側,後席左側のドアに搭載されており、ドアロックモータ19,21、パワーウィンドゥ(19a,20a)モータ73,106やドアロック
SW74,105、パワーウィンドゥSW75,104、電動ミラー19b,20bモータ(図示せず)などが接続されている。DRIVER SEAT MODULE(DSM)26,PASSENGER SEAT MODULE(PSM) 24は、それぞれ運転席側,助手席側のシート下に装着され、電動シートモータ111〜113,123〜125やシートSW114,122などが接続されている。REAR INTEGRATED MODULE(RIM) 29は、テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34に隣接したトランクルームの前方に配置されており、前記テールランプ32,33やターンシグナルランプ31,34の他、トランクオープナ用モータ133,リアディフォが134などを駆動するように接続されている。前記FIM5,RIM29,
IPM17,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,DSM26,
PSM24にはそれぞれ他のモジュールとの間でデータの授受を行うための通信手段52,131,84,70,102,77,136,120,109およびセンサ,スイッチ類や外部電気負荷が接続されている入出力インターフェース51,132,85,71,103,78,137,121,110を有しているが、本実施例では演算処理装置
(CPU)は有していない。(もちろん、演算処理装置(CPU)を有していても良い。)各モジュール間でのデータの授受を行う多重通信線は、FIM5からBCM14間は線
12,BCM14からRIM29間は線36,RIM29からFIM5間は線39で接続しており、車両内にループ状に配線されている。それ以外のモジュールであるIPM17,DDM18,PDM20,RRDM28,RLDM22,DSM26,PSM24,
PCM10,ABS11,A/C16,ナビ15,SDM25は、前記ループ状に配置された通信線12,36,39の近いところから分岐して、接続される。このように、各モジュールは接続されるデバイスの近いところに配置され、かつ自分に接続されていないデバイスの入力データおよび出力データは多重通信線を介して送受信されるので、それぞれのモジュールに必要なデータを得るために、離れたところにあるデバイスとの間を線で接続する必要が無くなるため信号伝送の為の配線すなわちハーネスを削減できる。バッテリ3からの電源線はヒュージブルリンク4を介して電源線40でFIM5に接続し、FIM5からBCM10間は電源線13,BCM10からRIM29間は電源線37,RIM
29からFIM5間は電源線38で接続しており、多重通信線12,36,39と並行して車両内にループ状に配線されている。イグニッションキーSW67のON・OFF位置に関係なく動作する必要のあるモジュールであるIPM17,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,DSM26,PSM24は、前記ループ状に配置された電源線13,37,38の近いところから分岐して、接続され電源供給される。FIM5からはPCM10,ABS11のエンジンルームに実装されているモジュールおよびアクチュエータなどに電源線41を介して電源を供給している。BCM10からは車室内に実装されているA/C16,ナビ15,SDM25やアクチュエータやセンサに電源線42,43を介して電源を供給している。また、RIM29からはトランクルーム内に実装されているビーコン30やアクチュエータ・センサに電源線44を介して電源を供給している。このように電源線を車両内にループ状に配線し、そのループ状に配線された電源線から電源を入力し、その電源を各モジュールやアクチュエータ,センサなどに供給するようにしたモジュールをエンジンルーム,車室内,トランクルームにそれぞれ一つ配置するように構成している(本実施例では、それぞれFIM,BCM,RIMで構成している)ので、電源線が車両内を何重にもはい回ると言うことが無くなり車両内のワイヤーハーネスをさらに削減できる。
図2はシステム機能ブロック図である。FIM5は、電源切換供給回路53,I/O通信IC52,I/O Interface51 で構成される。電源切換供給回路53には、ヒュージブルリンク4を経由してバッテリ3の正極からの電源線が接続されており、同時に電源線38を経由してRIM29に接続されている。またバッテリからの電源線は、電源切換供給回路53を介して電源線13によりBCM14に供給されており、かつ電源切換供給回路53からは電源線41を経由してエンジンルームに設置されているPCM10,ABS11のモジュールやインジェクタ9,ファンモータ35などのアクチュエータ,センサ類にも電源を供給している。I/O通信IC52は通信線12と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O通信IC52が受信したデータで前記電源線41に供給する電源のON/OFFは制御される。I/O Interface51 は、
FIM5の近くに装着されているヘッドランプ類1,2,6,7やホーン8などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC52からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつFIM5に入力される信号(図2では記載してない)をI/O通信IC52に伝達する。RIM29は、FIM5と同じ電源切換供給回路130,I/O通信IC131,I/O Interface132で構成される。電源切換供給回路130からは電源線44を経由してトランクルームに設置されているビーコン30のモジュールやアクチュエータ,センサ類(図2では記載していない)にも電源を供給している。I/O通信IC131は通信線36と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface132は、RIM29の近くに装着されているテールランプ類31,32,33,34やトランクオープナ用モータ133,リアデフォッガ134などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC131からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつRIM29に入力される信号(図2では記載してない)をI/O通信IC131に伝達する。BCM14は、電源切換供給回路66,通信IC65,CPU64,I/O
Interface63 で構成される。電源線はBCM14の電源切換供給回路66とFIM5と
RIM29の電源切換供給回路53,130とで接続されており、3つのモジュールを経由してループ状に接続されている。BCM14は、運転席ダッシュボード近辺に装着されており、イグニッションキー,スイッチ,ヘッドランプスイッチ,ターンシグナルスイッチ,ハザードランプスイッチなどの運転席回りのスイッチ類67,センサ,図示しないワイパーモータ,オートアンテナ用モータ等のアクチュエータがI/OInterface63 に接続されている。BCM14はFIM5,RIM29の電源切換供給回路53,130から供給する電源のON/OFFおよびFIM5,RIM29,DDM18,PDM20,
RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24の入出力をすべて集中的に管理して制御している。図6に示す様に電源切換供給回路66からは、イグニッションキースイッチの状態に応じて車室内のモジュール(本実施例ではナビ15,A/C
16,SDM25)やセンサ,ルームランプ68,ワイパーモータ,オートアンテナモータ等のアクチュエータに電源を供給している。通信IC65は通信線36と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。CPU64は自分に直接接続されている電気負荷に対する入力データおよび通信IC65で受信した他のモジュールからのデータを取り込み、そのデータを元にして演算処理を行い、その演算処理結果に応じて自分に直接接続されているアクチュエータの駆動信号を出力し、さらにその演算結果を他のモジュールに対して通信IC65を経由して送信している。DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22は、ドアに装着されたモジュールであり、電源回路69,
101,76,135とI/O通信IC70,102,77,136,I/O Interface71,103,78,137で構成されている。電源回路69,101,76,135はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源および各アクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC70,102,77,136は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface71 ,103,78,137は、それぞれのドア内に装着されているドアロックモータやパワーウィンドウ(以後P/Wと記す)モータなどのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC70,102,77,136からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつP/Wスイッチやドアロック関係のスイッチ類の入力信号をI/O通信IC70,102,77,136に伝達する。DSM26,PSM24は、それぞれ運転席,助手席のシート下に装着されたモジュールであり、電源回路119,108とI/O通信IC120,109,I/O Interface121,110で構成されている。電源回路119,108はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC120,109は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface121,110 は、それぞれの近くに装着されているシートモータなどのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC
120,109からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつシートスイッチ類の入力信号をI/O通信IC120,109に伝達する。IPM17は、インストルパネルメータ内に装着されたモジュールであり、電源回路83とI/O通信IC84,I/O Interface85 で構成されている。電源回路83はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC84は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/OInterface85 は、インスルメントパネルに装着されている表示ランプ類86,87,88などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC84からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつパネルに設けられたスイッチ類からの入力信号をI/O通信IC84に伝達している。PCM10,ABS11,ナビ15,A/C16,SDM25,ビーコン30は電源回路54,61,89,93,115,126,通信IC57,
60,91,95,117,128,CPU56,59,90,94,116,127,I/O Interface55 ,58,96,118,129または操作・表示部92で構成されている。これらのモジュールはCPUを有しており、それぞれの制御対象に関する演算処理および通信制御を行っている。電源回路54,61,89,93,115,126は
BCM14,RIM29,FIM5から供給された電源を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。通信IC57,60,91,95,117,128は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface55 ,58,96,118,129は、それぞれの近くに装着されているエンジンの燃料供給用インジェクタやABS用油圧バルブの駆動ソレノイド,ブロワモータなどのアクチュエータと接続されており、それぞれのCPUの演算結果によって駆動し、かつそれぞれの入力信号をCPU56,59,90,94,
116,127に伝達している。FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24に内蔵されているI/O通信ICは、それぞれ固有の物理アドレスを有しており、通信線に自分の物理アドレスと同じアドレス信号が発生したらそれに続く信号を取り込み、その信号をI/O Interface に出力し、さらにその後自分に接続されている電気負荷からの入力データを通信線に出力し、また、自分自身に接続されている電気負荷に変化が発生したら、『自分の電気負荷からの入力データを送信する』という内容を表す機能アドレスを冒頭に送信した後、自分の入力データを通信線に出力するように構成されている。このように、通信の機能を限定しているためCPUを必要としないモジュール構成とすることが出来る。このI/O通信ICを有しているモジュールを総称して以後LCU(Local Control Unit)と記す。BCM
14,PCM10,ABS11,ナビ15,A/C16,SDM25,ビーコン30に内蔵されている通信ICは、CPUによって送受信の制御が行われるように構成されている。すなわち送信を開始するタイミングも送信データもCPUからの信号で制御され、また自分固有の物理アドレスによる受信だけでなく機能アドレスに対してもその機能アドレスをCPUで判断し、その後のデータを取り込んだり無視したりすることが出来る。次に図3を用いて動作を説明する。一つの実施例として運転席のドアに装着された助手席側の
P/W上昇スイッチを押して、助手席のP/Wを上昇させる場合について説明する。運転席のドアに装着された助手席側のP/W上昇スイッチが押されると、DDM18に入力されている助手席P/W上昇SWの信号のレベルがハイからロウに変化する。この入力の変化がトリガとなって、DDM18のI/O通信IC70はI/O Interface71に接続されているすべての入力データの送信を開始し、通信線に信号を出力する。出力される信号には、DDM18の入力データの送信を表す情報と、実際の入力データを含んでいる。通信線に出力された情報は、すべてのモジュールに入力されるが、I/O通信ICは自分の物理アドレスではないのでその後のデータは無視する。通信ICを内蔵するモジュールは、それぞれその機能アドレスを判定してBCM14以外の通信ICはその後のデータを無視するようにCPUはプログラミングされている。BCM14はDDM18から出力されたDDMの入力データを取り込み、そのデータをもとに判断演算処理を行う。この判断演算処理は、データ受信直後に行っても良いが、本実施例では、定時間毎に実行されるようにしさせることになるので、BCM14は出力を変化させるべき助手席P/Wモータと接続されているPDM20の物理アドレスを通信線に出力した後、PDM20に接続されているすべてのアクチュエータに対する出力データを送信する。BCM14から出力された通信線の信号は、全モジュールに入力されるが、自分の物理アドレスと一致するPDM
20だけがデータを受信する。PDM20はその受信したデータをI/O Interface103に出力し、アクチュエータを駆動する。このとき、P/Wモータの信号がONされているので、P/Wモータが動作してP/Wを上昇させる。このような通信手順によれば、運転席のドアに装着された助手席側のP/W上昇スイッチを押して、助手席のP/Wを上昇させることができる。尚、図示していないが4ドア車の場合、P/W上昇スイッチはDDM18に4個,P/W下降スイッチも4個設けられている。このようにLCUの入力データはすべてBCM14に入力され、BCM14がそれらの入力データをもとにLCUに接続されているすべてのアクチュエータの駆動の制御データを演算し、LCUに対して通信によって送信している。このように、LCUの制御対象に対する演算処理をすべてBCM
14が行っているので、LCUには演算処理を行うCPUを必要としない構成にすることが出来る。CPUを有しているモジュール間では、物理アドレスによる各モジュール間の送受信、機能アドレスによる複数モジュールへの同時送受信が行われる。一つの例として、車速データについて説明する。車速センサ1008AはPCM10に接続されており
(図62参照)、PCM10にて車速は検出されている。PCM10は、車速データを送信するという内容を表す機能アドレスを通信線に出力し、その後車速データを出力する。
FIM5の近くに装着されているヘッドランプ類1,2,6,7やホーン8などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC52からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつFIM5に入力される信号(図2では記載してない)をI/O通信IC52に伝達する。RIM29は、FIM5と同じ電源切換供給回路130,I/O通信IC131,I/O Interface132で構成される。電源切換供給回路130からは電源線44を経由してトランクルームに設置されているビーコン30のモジュールやアクチュエータ,センサ類(図2では記載していない)にも電源を供給している。I/O通信IC131は通信線36と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface132は、RIM29の近くに装着されているテールランプ類31,32,33,34やトランクオープナ用モータ133,リアデフォッガ134などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC131からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつRIM29に入力される信号(図2では記載してない)をI/O通信IC131に伝達する。BCM14は、電源切換供給回路66,通信IC65,CPU64,I/O
Interface63 で構成される。電源線はBCM14の電源切換供給回路66とFIM5と
RIM29の電源切換供給回路53,130とで接続されており、3つのモジュールを経由してループ状に接続されている。BCM14は、運転席ダッシュボード近辺に装着されており、イグニッションキー,スイッチ,ヘッドランプスイッチ,ターンシグナルスイッチ,ハザードランプスイッチなどの運転席回りのスイッチ類67,センサ,図示しないワイパーモータ,オートアンテナ用モータ等のアクチュエータがI/OInterface63 に接続されている。BCM14はFIM5,RIM29の電源切換供給回路53,130から供給する電源のON/OFFおよびFIM5,RIM29,DDM18,PDM20,
RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24の入出力をすべて集中的に管理して制御している。図6に示す様に電源切換供給回路66からは、イグニッションキースイッチの状態に応じて車室内のモジュール(本実施例ではナビ15,A/C
16,SDM25)やセンサ,ルームランプ68,ワイパーモータ,オートアンテナモータ等のアクチュエータに電源を供給している。通信IC65は通信線36と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。CPU64は自分に直接接続されている電気負荷に対する入力データおよび通信IC65で受信した他のモジュールからのデータを取り込み、そのデータを元にして演算処理を行い、その演算処理結果に応じて自分に直接接続されているアクチュエータの駆動信号を出力し、さらにその演算結果を他のモジュールに対して通信IC65を経由して送信している。DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22は、ドアに装着されたモジュールであり、電源回路69,
101,76,135とI/O通信IC70,102,77,136,I/O Interface71,103,78,137で構成されている。電源回路69,101,76,135はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源および各アクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC70,102,77,136は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface71 ,103,78,137は、それぞれのドア内に装着されているドアロックモータやパワーウィンドウ(以後P/Wと記す)モータなどのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC70,102,77,136からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつP/Wスイッチやドアロック関係のスイッチ類の入力信号をI/O通信IC70,102,77,136に伝達する。DSM26,PSM24は、それぞれ運転席,助手席のシート下に装着されたモジュールであり、電源回路119,108とI/O通信IC120,109,I/O Interface121,110で構成されている。電源回路119,108はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC120,109は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface121,110 は、それぞれの近くに装着されているシートモータなどのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC
120,109からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつシートスイッチ類の入力信号をI/O通信IC120,109に伝達する。IPM17は、インストルパネルメータ内に装着されたモジュールであり、電源回路83とI/O通信IC84,I/O Interface85 で構成されている。電源回路83はBCM14,RIM29,FIM5のモジュール間をループ状に接続されている電源線より電源の供給を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。I/O通信IC84は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/OInterface85 は、インスルメントパネルに装着されている表示ランプ類86,87,88などのアクチュエータと接続されており、I/O通信IC84からの信号でこれらのアクチュエータを駆動し、かつパネルに設けられたスイッチ類からの入力信号をI/O通信IC84に伝達している。PCM10,ABS11,ナビ15,A/C16,SDM25,ビーコン30は電源回路54,61,89,93,115,126,通信IC57,
60,91,95,117,128,CPU56,59,90,94,116,127,I/O Interface55 ,58,96,118,129または操作・表示部92で構成されている。これらのモジュールはCPUを有しており、それぞれの制御対象に関する演算処理および通信制御を行っている。電源回路54,61,89,93,115,126は
BCM14,RIM29,FIM5から供給された電源を受けてモジュールの電源およびアクチュエータ,センサに電源を供給するように構成されている。通信IC57,60,91,95,117,128は通信線と接続されており、他のモジュールとの間でデータの送受信をしている。I/O Interface55 ,58,96,118,129は、それぞれの近くに装着されているエンジンの燃料供給用インジェクタやABS用油圧バルブの駆動ソレノイド,ブロワモータなどのアクチュエータと接続されており、それぞれのCPUの演算結果によって駆動し、かつそれぞれの入力信号をCPU56,59,90,94,
116,127に伝達している。FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24に内蔵されているI/O通信ICは、それぞれ固有の物理アドレスを有しており、通信線に自分の物理アドレスと同じアドレス信号が発生したらそれに続く信号を取り込み、その信号をI/O Interface に出力し、さらにその後自分に接続されている電気負荷からの入力データを通信線に出力し、また、自分自身に接続されている電気負荷に変化が発生したら、『自分の電気負荷からの入力データを送信する』という内容を表す機能アドレスを冒頭に送信した後、自分の入力データを通信線に出力するように構成されている。このように、通信の機能を限定しているためCPUを必要としないモジュール構成とすることが出来る。このI/O通信ICを有しているモジュールを総称して以後LCU(Local Control Unit)と記す。BCM
14,PCM10,ABS11,ナビ15,A/C16,SDM25,ビーコン30に内蔵されている通信ICは、CPUによって送受信の制御が行われるように構成されている。すなわち送信を開始するタイミングも送信データもCPUからの信号で制御され、また自分固有の物理アドレスによる受信だけでなく機能アドレスに対してもその機能アドレスをCPUで判断し、その後のデータを取り込んだり無視したりすることが出来る。次に図3を用いて動作を説明する。一つの実施例として運転席のドアに装着された助手席側の
P/W上昇スイッチを押して、助手席のP/Wを上昇させる場合について説明する。運転席のドアに装着された助手席側のP/W上昇スイッチが押されると、DDM18に入力されている助手席P/W上昇SWの信号のレベルがハイからロウに変化する。この入力の変化がトリガとなって、DDM18のI/O通信IC70はI/O Interface71に接続されているすべての入力データの送信を開始し、通信線に信号を出力する。出力される信号には、DDM18の入力データの送信を表す情報と、実際の入力データを含んでいる。通信線に出力された情報は、すべてのモジュールに入力されるが、I/O通信ICは自分の物理アドレスではないのでその後のデータは無視する。通信ICを内蔵するモジュールは、それぞれその機能アドレスを判定してBCM14以外の通信ICはその後のデータを無視するようにCPUはプログラミングされている。BCM14はDDM18から出力されたDDMの入力データを取り込み、そのデータをもとに判断演算処理を行う。この判断演算処理は、データ受信直後に行っても良いが、本実施例では、定時間毎に実行されるようにしさせることになるので、BCM14は出力を変化させるべき助手席P/Wモータと接続されているPDM20の物理アドレスを通信線に出力した後、PDM20に接続されているすべてのアクチュエータに対する出力データを送信する。BCM14から出力された通信線の信号は、全モジュールに入力されるが、自分の物理アドレスと一致するPDM
20だけがデータを受信する。PDM20はその受信したデータをI/O Interface103に出力し、アクチュエータを駆動する。このとき、P/Wモータの信号がONされているので、P/Wモータが動作してP/Wを上昇させる。このような通信手順によれば、運転席のドアに装着された助手席側のP/W上昇スイッチを押して、助手席のP/Wを上昇させることができる。尚、図示していないが4ドア車の場合、P/W上昇スイッチはDDM18に4個,P/W下降スイッチも4個設けられている。このようにLCUの入力データはすべてBCM14に入力され、BCM14がそれらの入力データをもとにLCUに接続されているすべてのアクチュエータの駆動の制御データを演算し、LCUに対して通信によって送信している。このように、LCUの制御対象に対する演算処理をすべてBCM
14が行っているので、LCUには演算処理を行うCPUを必要としない構成にすることが出来る。CPUを有しているモジュール間では、物理アドレスによる各モジュール間の送受信、機能アドレスによる複数モジュールへの同時送受信が行われる。一つの例として、車速データについて説明する。車速センサ1008AはPCM10に接続されており
(図62参照)、PCM10にて車速は検出されている。PCM10は、車速データを送信するという内容を表す機能アドレスを通信線に出力し、その後車速データを出力する。
LCUは機能アドレスを受信することは出来ないので、車速データを取り込むことは出来ない。この車速データを必要とするモジュール(本実施例ではナビ15,ABS11,SDM25,ビーコン30,BCM14)は、機能アドレスを判断して、車速データが送信されていると判断すると、その後の車速データを受信して、それぞれの制御に反映させる。本実施例では、CPUを有するBCM14以外からのモジュールからはLCUの出力を直接制御することは出来ない。LCUを制御するのに必要な情報はすべてBCM14に入力され、BCM14を経由してLCUの出力は制御するようにしている。
図4は動作の状態遷移図である。状態Aはバッテリがはずれている状態であり全モジュールが電源OFFの状態である。状態Bはバッテリが接続されているときには常に電源が供給されているモジュール(本実施例ではBCM14,FIM5,RIM29,DDM
18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24)は動作しており、そのほかのモジュールには電源が供給されていない状態である。状態Cは、状態Bで電源が供給されているモジュールが、動作待機している、すなわちスリープしている状態である。状態Dは、イグニッションキースイッチがアクセサリ位置(以後
ACC)にあり、状態Bで電源が供給されているモジュールは動作中であり、ACCが
ONの時に電源が供給されるモジュール(ナビ15,A/C16や本実施例では記載してないがラジオなど)に電源が供給され動作している状態、状態Eは、イグニッションキースイッチがイグニッション位置(以後IGN)にあり、状態Bで電源が供給されているモジュールは動作中であり、IGNがONの時に電源が供給されるモジュール(本実施例ではPCM10,ABS11,SDM25,ビーコン30)に電源が供給され動作している状態である。状態Aの時、バッテリが接続されると、BCM14,FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,
PSM24は動作を始める。FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24のI/O Interface は全ポート初期状態であるハイインピーダンス状態となり、I/O通信ICは待機状態となる。BCM14は、CPU64,通信IC65,I/O Interface63 の初期化の後、全LCUのI/O Interface の入出力方向と初期出力データを通信線から各LCUに送信し、全LCUの初期化を行う。その後、全LCUの入力データを受信し、通常の制御に移行する。この状態の時、何らかの操作があるとそれに応じた制御(たとえばドアロック制御など)が行われる。この状態の時に、所定時間(本実施例では30秒)以上何の操作も行われず全出力がOFFの状態が継続すると、BCM14は、車は放置状態にあると判断し、状態Cのスリープ状態に移行する手順を実行する。まず、全LCUに対してスリープ状態に移行するように通信線にスリープコマンドを少なくとも1回出力する。スリープコマンドを受信したLCUは、I/O通信ICの発振回路を停止するなどしてスリープ状態に移行する。BCM14はその後自分自身をスリープ状態にする。これにより、状態Cとなる。状態Cのスリープ状態の時に、ウェイクアップ条件が成立するとシステムは、状態Bに移行し、動作を開始する。ウェイクアップの手順は、LCUの入力が変化すると、その通信ICは通信線の電位を変化させ、その通信線の変化をBCMの通信ICが検出すると、通信ICがCPUに対してウェイクアップ信号を発生し、CPUは動作を始め、通信ICを動作させ、その後通信ICから全LCUに対してウェイクアップするようにウェイクアップコマンドを送信して動作を開始する。全LCUはそのウェイクアップコマンドにより動作を開始する。一つの例としては、車両放置状態の時すなわち状態Cの時に、車両の運転者がドアのキーシリンダにキーを差してドアをアンロックするとDDM18に接続されているドアアンロック検出スイッチの入力が変化すると上記手順でウェイクアップし、状態Bとなり、通常の動作を開始する。また、別のウェイクアップ手順はBCMに直接接続された入力信号が変化すると、その信号によりCPUのウェイクアップ信号が発生し、CPUは動作を始め、通信ICを動作させ、その後通信ICから全LCUに対してウェイクアップするようにウプコマンドにより動作を開始する。このようにして状態Cから状態Bに移行する。状態Bの時、ACCがONになると状態Dに移行する。BCM14に接続されているACC SWがONになると、BCM14は、ナビ15,A/C16や図2には記載していないが、ラジオなどACCがONの時に電源供給されるモジュール,センサ,アクチュエータに対し電源切換供給回路66から電源の供給を開始する。また、通信線を介してRIM29の電源切換供給回路130から図2には記載していないがCDチェンジャーなどに電源を供給するように制御信号を送信する。その制御信号を受信したRIM
29は、電源切換供給回路130から電源の供給を開始する。状態Bおよび状態Dの時にIGNがONになると、BCM14は、SDM25のモジュールやセンサ,アクチュエータなどに対し電源切換供給回路66から電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではSDM25)は、それぞれ初期化を行った後通常の動作を開始する。また、BCM14は通信線を介してFIM5やRIM29の電源切換供給回路53,130からそれぞれ線41,線44に電源を供給するように制御信号を送信する。その制御信号を受信したFIM5は、電源切換供給回路53から線41に電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではPCM10,ABS11)は、それぞれ初期化を行った後通常の動作を開始する。同様にその制御信号を受信したRIM29は、電源切換供給回路130から線44に電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではビーコン30)は、初期化を行った後通常の動作を開始する。IGNがOFFになれば、状態EからBに遷移する。状態Dから状態Bに遷移する条件はACCがOFFになるときである。状態Aには、バッテリをはずせばどの状態からでも遷移する。このように、BCM14からの多重通信による制御信号で車両全体の電源供給を管理するようにし、かつ電源供給するモジュールは電源供給されるモジュールやセンサ,アクチュエータの近くに配置しているので、電源供給線の長さを短くできる。
18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24)は動作しており、そのほかのモジュールには電源が供給されていない状態である。状態Cは、状態Bで電源が供給されているモジュールが、動作待機している、すなわちスリープしている状態である。状態Dは、イグニッションキースイッチがアクセサリ位置(以後
ACC)にあり、状態Bで電源が供給されているモジュールは動作中であり、ACCが
ONの時に電源が供給されるモジュール(ナビ15,A/C16や本実施例では記載してないがラジオなど)に電源が供給され動作している状態、状態Eは、イグニッションキースイッチがイグニッション位置(以後IGN)にあり、状態Bで電源が供給されているモジュールは動作中であり、IGNがONの時に電源が供給されるモジュール(本実施例ではPCM10,ABS11,SDM25,ビーコン30)に電源が供給され動作している状態である。状態Aの時、バッテリが接続されると、BCM14,FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,
PSM24は動作を始める。FIM5,RIM29,DDM18,PDM20,RRDM27,RLDM22,IPM17,DSM26,PSM24のI/O Interface は全ポート初期状態であるハイインピーダンス状態となり、I/O通信ICは待機状態となる。BCM14は、CPU64,通信IC65,I/O Interface63 の初期化の後、全LCUのI/O Interface の入出力方向と初期出力データを通信線から各LCUに送信し、全LCUの初期化を行う。その後、全LCUの入力データを受信し、通常の制御に移行する。この状態の時、何らかの操作があるとそれに応じた制御(たとえばドアロック制御など)が行われる。この状態の時に、所定時間(本実施例では30秒)以上何の操作も行われず全出力がOFFの状態が継続すると、BCM14は、車は放置状態にあると判断し、状態Cのスリープ状態に移行する手順を実行する。まず、全LCUに対してスリープ状態に移行するように通信線にスリープコマンドを少なくとも1回出力する。スリープコマンドを受信したLCUは、I/O通信ICの発振回路を停止するなどしてスリープ状態に移行する。BCM14はその後自分自身をスリープ状態にする。これにより、状態Cとなる。状態Cのスリープ状態の時に、ウェイクアップ条件が成立するとシステムは、状態Bに移行し、動作を開始する。ウェイクアップの手順は、LCUの入力が変化すると、その通信ICは通信線の電位を変化させ、その通信線の変化をBCMの通信ICが検出すると、通信ICがCPUに対してウェイクアップ信号を発生し、CPUは動作を始め、通信ICを動作させ、その後通信ICから全LCUに対してウェイクアップするようにウェイクアップコマンドを送信して動作を開始する。全LCUはそのウェイクアップコマンドにより動作を開始する。一つの例としては、車両放置状態の時すなわち状態Cの時に、車両の運転者がドアのキーシリンダにキーを差してドアをアンロックするとDDM18に接続されているドアアンロック検出スイッチの入力が変化すると上記手順でウェイクアップし、状態Bとなり、通常の動作を開始する。また、別のウェイクアップ手順はBCMに直接接続された入力信号が変化すると、その信号によりCPUのウェイクアップ信号が発生し、CPUは動作を始め、通信ICを動作させ、その後通信ICから全LCUに対してウェイクアップするようにウプコマンドにより動作を開始する。このようにして状態Cから状態Bに移行する。状態Bの時、ACCがONになると状態Dに移行する。BCM14に接続されているACC SWがONになると、BCM14は、ナビ15,A/C16や図2には記載していないが、ラジオなどACCがONの時に電源供給されるモジュール,センサ,アクチュエータに対し電源切換供給回路66から電源の供給を開始する。また、通信線を介してRIM29の電源切換供給回路130から図2には記載していないがCDチェンジャーなどに電源を供給するように制御信号を送信する。その制御信号を受信したRIM
29は、電源切換供給回路130から電源の供給を開始する。状態Bおよび状態Dの時にIGNがONになると、BCM14は、SDM25のモジュールやセンサ,アクチュエータなどに対し電源切換供給回路66から電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではSDM25)は、それぞれ初期化を行った後通常の動作を開始する。また、BCM14は通信線を介してFIM5やRIM29の電源切換供給回路53,130からそれぞれ線41,線44に電源を供給するように制御信号を送信する。その制御信号を受信したFIM5は、電源切換供給回路53から線41に電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではPCM10,ABS11)は、それぞれ初期化を行った後通常の動作を開始する。同様にその制御信号を受信したRIM29は、電源切換供給回路130から線44に電源の供給を開始する。電源が供給されたモジュール(本実施例ではビーコン30)は、初期化を行った後通常の動作を開始する。IGNがOFFになれば、状態EからBに遷移する。状態Dから状態Bに遷移する条件はACCがOFFになるときである。状態Aには、バッテリをはずせばどの状態からでも遷移する。このように、BCM14からの多重通信による制御信号で車両全体の電源供給を管理するようにし、かつ電源供給するモジュールは電源供給されるモジュールやセンサ,アクチュエータの近くに配置しているので、電源供給線の長さを短くできる。
以下、本発明の一実施例の各要素を図面を用いて更に詳細に説明する。
<複合ケーブルの説明>
図5は、電源線と多重通信線の内部構成図である。本実施例では、電源供給用の電源線13(37,38)と多重通信線12(36,39)そしてショートセンサを構成するシールド層5Aから成る2芯シールド線の構造がとられている。以下複合多重通信線5Zと呼ぶ。通常のシールド線と違うのは、シールド層に電位を与えている所である。端子5Cを通して所定の電位を与える事により、複合多重通信線5Zが車体に擦れたり、挟まれたりして絶縁樹脂製保護被膜5Bが破れた場合、まずシールド層が車体に接触してその電位がグランド(車体アース)に落ちるので、この電位を監視する事により、電源線の短絡事故発生の前兆を知る事ができる。また、このシールド層をコンデンサを使用して、グランドに低インピーダンスに接続する事により、高周波の外来ノイズの侵入や高周波ノイズの放出防止にも効果がある。さらに、シールド層を金属にした場合、切断しにくい事から、電源線の短絡事故発生までの時間稼ぎにも効果がある。
図5は、電源線と多重通信線の内部構成図である。本実施例では、電源供給用の電源線13(37,38)と多重通信線12(36,39)そしてショートセンサを構成するシールド層5Aから成る2芯シールド線の構造がとられている。以下複合多重通信線5Zと呼ぶ。通常のシールド線と違うのは、シールド層に電位を与えている所である。端子5Cを通して所定の電位を与える事により、複合多重通信線5Zが車体に擦れたり、挟まれたりして絶縁樹脂製保護被膜5Bが破れた場合、まずシールド層が車体に接触してその電位がグランド(車体アース)に落ちるので、この電位を監視する事により、電源線の短絡事故発生の前兆を知る事ができる。また、このシールド層をコンデンサを使用して、グランドに低インピーダンスに接続する事により、高周波の外来ノイズの侵入や高周波ノイズの放出防止にも効果がある。さらに、シールド層を金属にした場合、切断しにくい事から、電源線の短絡事故発生までの時間稼ぎにも効果がある。
この複合ケーブルについては、日本国特許出願07/32647号に詳細に説明されている。
<BCMの説明>
図6は、BCM(ボディ・コントロール・モジュール)の詳細ブロック図である。このモジュールは、ダッシュパネルの近傍に配置され、主に運転者が操作するスイッチ類の取り込みや、ダッシュパネル近傍に設置された他のコントロールユニットへの電源供給と、後述する電源多重通信線を使用しての電源ネットワークの中枢としての制御を行うものである。
図6は、BCM(ボディ・コントロール・モジュール)の詳細ブロック図である。このモジュールは、ダッシュパネルの近傍に配置され、主に運転者が操作するスイッチ類の取り込みや、ダッシュパネル近傍に設置された他のコントロールユニットへの電源供給と、後述する電源多重通信線を使用しての電源ネットワークの中枢としての制御を行うものである。
実際の制御方法は、後でフローチャートを用いて説明する。
BCM14は複合多重通信線5Zを介して、それぞれ、車両前方の電源管理を行うFIM(フロント・インテグレーション・モジュール)5,運転席側のドア関係の電源管理を行うDDM(ドライバ・ドア・モジュール)8,助手席側のドア関係の電源管理を行うPDM(パッセンジャ・ドア・モジュール)、助手席側の後部ドア関係の電源管理を行うRLDM(リア・レフト・ドア・モジュール)、運転席側の後部ドア関係の電源管理を行うRRDM(リア・ライト・ドア・モジュール)、インストルメントパネルの運転席前方のメータパネル関係の電源管理を行うIPM(インストルメンタル・パネル・モジュール)、車両後部の電源管理を行うRIM(リア・インテグレーション・モジュール)、運転席側シートの電源管理を行うDSM(ドライバ・シート・モジュール)、そして助手席側シートの電源管理を行うPSD(パッセンジャ・シート・モジュール)の9つの電源管理を行う各モジュールに接続されており、これらを一括集中制御している中枢である。
したがって、これらの中では唯一、マイコンを内蔵している。なお、BCMにだけマイコンを内蔵したのは、コスト的に安価にシステムを構成できるからであり、すべてにマイコンを内蔵しても差し支えない。
BCM14は閉、ループを形成する複合多重通信線5Zに入力端子14Aで接続されている。この為BCM14は2系統の複合多重通信線5Zに接続されており、それぞれ、通信線12,36は、内部通信線601,602を介して論理和がとられ、通信IC65に入力されて多重通信が行われる。論理和をとっているのは、他方が断線や短絡しても、もう片方に影響を与えない為である。
シールド線5Cの電位信号は、内部信号線604,605を介して短絡検出回路606に入力された後、シールド線5Cの状態信号がマイコン64に入力され、複合多重通信線5Zの異常検出の手段に使用される。
図7に短絡検出回路6の詳細を示す。本実施例では、モジュール間にあるショートセンサ用シールド線5Cが抵抗器R1とR2によりVcc(5V)の半分の電位である2.5V の電位に固定されている。また、R1は、ショートセンサが短絡した場合の電流制限も兼ねている。Sは比較器であり、抵抗器R3ないしR6でシュミット回路を構成している。このシュミット回路のしきい値は、2.5V よりも低い電圧に設定されており、ショートセンサの電位が、しきい値よりも低くなった場合、比較器Sが“H”を出力するようになっている。したがって、短絡検出回路6の出力信号が“H”の場合、ショートセンサの電位が低くなっている。つまり、ショートセンサが電位の低いものと接触している事を示しており、結局の所、複合多重通信線が損傷し、車体アースに接触している事になる。
電源線は、内部電源引き込み線608,609により、電源切替回路610に入力されるパスと、ダイオードによる論理和をとり、電源回路611に入力されるパス612に分配される。ダイオードを通過する方は、電源切替回路610内部のスイッチが完全にOFFとなっていても、マイコン607や通信IC65への電源供給が遮断されないようにする為に使用している。
電源切替回路610は、マイコン64により電源切替信号613で制御されており、内部電源引き込み線608,609のどちらの電源線を使用するかを切り替える回路である。この目的は、2系統の電源多重通信線を内、どちらか一方が損傷を受けて、電源を供給できない状態となっても、他方へ影響を与えない様にする為のものであり、こうする事により、万一、電源多重通信線が車体アースへ短絡する様な事があっても、電源切替回路間で損傷した部分を開放する事が出来る様になる。
電源切替の必要な状況と、切替スイッチの状態を図8と表1に示す。
また、実際の状態を図9を用いて説明する。理解が容易なように、図9では、電源切替回路に注目して拡大して示してある。図9は、FIMとBCM間の電源多重通信線が車体アースに短絡した場合の電源切替回路の状態を表しており、FIM側のスイッチBがOFF、BCM側のスイッチAがOFFとなって、車体アースに短絡した箇所の電源線の回路が遮断され、電流が流れなくなる。
電源回路411(611)には、前記した通り、2つの電源入力パスがあるが、その詳細を図10を用いて説明する。図10は、電源回路411(611)の内部ブロック図であり、入力として電源切替回路410(610)からの電源と、前記したパス412
(612)の2つがある。内部回路は、2つの独立した回路構成からなっており、共通した回路ブロックとして、バッテリの(+)端子,(−)端子を逆に取り付けても回路が破損しない様にする電源逆接保護回路,運転中にバッテリ端子が外れた場合等に発生する高電圧から保護するサージ保護回路、バッテリ電圧の急激な変化を抑制するローパスフィルタがある。電源切替回路410(610)からの、これらの回路を通過したバッテリ電源は、電源管理を行う各モジュールに接続される負荷を駆動する電圧源414(614)として使用される。
(612)の2つがある。内部回路は、2つの独立した回路構成からなっており、共通した回路ブロックとして、バッテリの(+)端子,(−)端子を逆に取り付けても回路が破損しない様にする電源逆接保護回路,運転中にバッテリ端子が外れた場合等に発生する高電圧から保護するサージ保護回路、バッテリ電圧の急激な変化を抑制するローパスフィルタがある。電源切替回路410(610)からの、これらの回路を通過したバッテリ電源は、電源管理を行う各モジュールに接続される負荷を駆動する電圧源414(614)として使用される。
パス412(612)からの電源は、この後、さらにコネクタや端子のチャタリングにより発生する、短時間の電源断絶が発生しても、制御回路への電源供給が途絶えない様にする電源瞬断補償回路と制御回路用の電源(本実施例の場合5V)を生成する定電圧電源回路である制御回路駆動電源生成回路を通過させ、マイコン64や通信IC65等の駆動電源として使用している。
電源回路611から出力された電源線614は、制御ユニット用供給電源スイッチング回路616と遮断回路617に入力される。制御ユニット用供給電源スイッチング回路
616は、BCMに接続される他のコントロールユニットへ電源供給を行うスイッチング回路で、マイコン64の制御信号線618によりON−OFFされる。ちなみに、現在の車両に使用されている各種コントロールユニット(たとえば、PCM,ABS等)は、その内部に、バッテリ電圧が異常電圧となってもコントロールユニットが故障しないように、電源保護回路が挿入されている。この回路は、前記した図10で説明した電源回路611のものと同様のものであるので、本発明の様に、電源供給モジュールを使用して各種コントロールユニットに電源供給を行う形態とし、電源供給側に、この電源保護回路を内蔵すれば、電力を供給する各種コントロールユニットから電源保護回路を削除する事が可能となる。つまり、電力を供給させる各種コントロールユニットが多ければ、電源の保護回路を削除できる分、コストダウンさせる事が出来る。
616は、BCMに接続される他のコントロールユニットへ電源供給を行うスイッチング回路で、マイコン64の制御信号線618によりON−OFFされる。ちなみに、現在の車両に使用されている各種コントロールユニット(たとえば、PCM,ABS等)は、その内部に、バッテリ電圧が異常電圧となってもコントロールユニットが故障しないように、電源保護回路が挿入されている。この回路は、前記した図10で説明した電源回路611のものと同様のものであるので、本発明の様に、電源供給モジュールを使用して各種コントロールユニットに電源供給を行う形態とし、電源供給側に、この電源保護回路を内蔵すれば、電力を供給する各種コントロールユニットから電源保護回路を削除する事が可能となる。つまり、電力を供給させる各種コントロールユニットが多ければ、電源の保護回路を削除できる分、コストダウンさせる事が出来る。
なお、本実施例では、キーSWのアクセサリACC接点629がONの場合、ナビユニット42への電源供給が行われ、さらに、キーSWのイグニッションON接点630が
ONになった場合、SDM25,エアコンユニット16への電源供給が開始される。STはキーSWのスタータ起動スイッチである。
ONになった場合、SDM25,エアコンユニット16への電源供給が開始される。STはキーSWのスタータ起動スイッチである。
遮断回路617は、以下に示す、2つの状況に対応するために設けてある。
まず1つ目は、使用していない時の出力インターフェース621に内蔵されるドライバ621Aの電流消費を削減する目的で使用される。本実施例で使用しているドライバは図12に示すようにIPD(インテリジェント・パワー・デバイス)と呼ばれるもので構成されている。このIPDはドライブする負荷の短絡,切断を診断回路621Cで診断し、その診断結果をマイクロコンピュータ64へ出力するとともに、この診断回路621Cには素子621Bに過電流が流れた時これを検知して自らを破壊する事の無い様駆動信号
622aを制御し、電流を制限する保護回路まで備えている。この為、素子621Bを作動させていない時の電流消費(暗電流)が通常の駆動素子よりも大きい。従って大量に使用すると、バッテリ上がりの危険がある。これを防止する為、ドライバ621Aを駆動する必要がないときはドライバ621Aにかかる電源をその上流で遮断し、電流を消費させなくする。
622aを制御し、電流を制限する保護回路まで備えている。この為、素子621Bを作動させていない時の電流消費(暗電流)が通常の駆動素子よりも大きい。従って大量に使用すると、バッテリ上がりの危険がある。これを防止する為、ドライバ621Aを駆動する必要がないときはドライバ621Aにかかる電源をその上流で遮断し、電流を消費させなくする。
2つ目は、ドライバ621A自体が故障した場合の保護の為である。即ちマイコン64が駆動信号を出力していないにも関わらず、負荷への電源供給をしている場合、従来はそれを止めるすべが無かったが、本実施例では遮断回路617をマイコン64からの遮断信号619aを遮断し、ドライバにかかる電源をその上流で遮断して、負荷への電源供給を停止させる。
遮断回路617の具体構成図を図11に示す。遮断回路617は、FETのような半導体を使用しスイッチング素子617Aとこのスイッチング素子617AのON−OFF状況をモニタする状態検出回路621Dで構成されており、通常はマイコン64からの駆動信号619aでONしている。状態検出手段621Dからのモニタ信号によってマイコン64が素子617Aの異常を検出した時にも駆動信号619aは消滅され、素子617Aは
OFFされている。素子617Aの動作を表2に示す。
OFFされている。素子617Aの動作を表2に示す。
通信IC65は、複合多重通信線に内蔵される多重通信線を使用して、他のモジュールとの間でデータ通信を行う専用のICであり、通信で得られた情報や、送信したいデータは、マイコン64と接続されているデータバス620により、やりとりが行われる。
出力インターフェース621は、モジュール14に接続される各種電気負荷装置を駆動する複数のドライバ621Aが内蔵されているもので、図12にそのドライバの一つを示す。この出力インターフェース621は、前記した診断回路621Cを有すIPDと、
IPDが正常に作動しているかどうかを確認する状態検出回路621Dで構成されている。
IPDが正常に作動しているかどうかを確認する状態検出回路621Dで構成されている。
マイコン64と接続されている信号線群622は、図12に示す様に、診断信号622b,駆動信号622a,素子診断信号622cの3つの信号で構成されている。
駆動信号622aは、IPDをONさせる信号で、これが“H”の時、電源線614aの電力が電気負荷であるルームランプ32に出力され、ランプが点灯する。
診断信号662bは、IPDの機能状態を表すもので、負荷が短絡状態にあるか開放
(断線)状態にあるかを知らせるための診断信号線である。
(断線)状態にあるかを知らせるための診断信号線である。
素子診断信号622cは、先ほど述べたIPD素子621A自体の故障を検出するための故障診断信号である。
BCMに接続されるルームランプ32が、短絡,解放している場合、また、IPD素子が故障している場合をいかにして検出するか、表3を用いて説明する。
先ほど述べた通り、IPDには素子自体に、接続される負荷の状態を判断できる機能があり、表3に示す様に、診断信号と、駆動信号の関係から「負荷解放」と「負荷短絡」を判断する事ができる。
一方、IPD素子自体が故障してしまった場合、診断信号も信用出来なくなる為、図
12に示す様に、IPDの出力信号を素子診断信号として監視する様にしている。インピーダンス変換器A,抵抗器Rは、IPDへの電気的な影響を防止する働きと、素子故障診断信号が解放された場合に信号レベルを安定させる働きがある。
12に示す様に、IPDの出力信号を素子診断信号として監視する様にしている。インピーダンス変換器A,抵抗器Rは、IPDへの電気的な影響を防止する働きと、素子故障診断信号が解放された場合に信号レベルを安定させる働きがある。
この回路は、結局の所、ルームランプ32(負荷)にかかる電圧を監視しており、駆動信号,診断信号,素子診断信号の3つを監視する事により、表3に示す、すべての状態を把握する事が可能となる。表3で、「−」(スラント)になっている部分は、“H”,
“L”のいずれでも良い事を示している。したがって、駆動信号が“H”、診断信号が
“H”であり、その時の故障診断信号が“L”である場合は、IPDの出力状態が正常という判断にも関わらず、出力が行われていない事を示しており、また、駆動信号が“L”であり、その時の故障診断信号が“H”である場合、IPDを駆動していないにも関わらず、IPDの出力状態が正常という判断にも関わらず、出力が行われていない事を示しており、また、駆動信号が“L”であり、その時の故障診断信号が“H”である場合、IPDを駆動していないにも関わらず、IPDの出力が行われている事を示している。
“L”のいずれでも良い事を示している。したがって、駆動信号が“H”、診断信号が
“H”であり、その時の故障診断信号が“L”である場合は、IPDの出力状態が正常という判断にも関わらず、出力が行われていない事を示しており、また、駆動信号が“L”であり、その時の故障診断信号が“H”である場合、IPDを駆動していないにも関わらず、IPDの出力状態が正常という判断にも関わらず、出力が行われていない事を示しており、また、駆動信号が“L”であり、その時の故障診断信号が“H”である場合、IPDを駆動していないにも関わらず、IPDの出力が行われている事を示している。
この場合、両者とも異常状態であるため、IPDが故障していると判断して差し支えない。そして、この様な事態となった場合、運転者等に異常発生している旨を音や警告ランプ等で知らせ、且つ遮断回路617のスイッチング素子617AをOFFにする事により、2次災害を未然に防止する事ができる。この様なドライバ621は、出力インターフェース621の中に少なくとも接続される電気負荷の数だけ設けられている。
入力インターフェース623は、BCMに接続されているスイッチ群25〜31の内、どのスイッチがONされているかを判断する為の波形整形回路の集合体である。内部回路を図13に示す。図13で、回路が1つしか記載されていないのは、すべて同一回路であるので省略している為であり、実際は、スイッチの数量分だけ同一回路が内蔵される。各スイッチは、抵抗器R10によりバッテリ電圧(電源線14)にプルアップされており、その後、抵抗器R11とコンデンサC10によって構成される低域通過フィルタを通りツェナーダイオードZ10により高電圧側がクランプされる。つまり、スイッチがOFFの時、“H”が出力され、ONの時“L”が出力される様になる。これらの信号は、入力信号線624によりマイコン64に入力される。
なお、BCMの入力インターフェース623に接続されるスイッチには、左右折の意志表示に使用するターンスイッチの左右信号発生用の2つのスイッチ、車幅灯と前照灯を点灯するための2つのライトスイッチ,キースイッチによって制御されるアクセサリ電源スイッチ629とイグニッション電源スイッチ630とエンジン始動モータをONするスイッチ631の3つのスイッチがある。実施例ではBCMの出力インターフェース621には更にオートアンテナ用モータ633,ワイパーモータ634が接続されている。
入力インターフェース623にはオートアンテナスイッチ635,ワイパースイッチ
636と速度切換用抵抗636a,サイドミラーコントロールスイッチ637が接続されている。
636と速度切換用抵抗636a,サイドミラーコントロールスイッチ637が接続されている。
以上の様に、車内にループ状に電源線を配線し、この電源線の途中あるいは電源線から分岐した電源線に電気負荷をコントロールする為のBCM,FIM等のコントロールユニットと接続し、末端の電気負荷へはこのコントロールユニットの電源線から電源を供給する様にしたのでコントロールユニットへの複数の電源線を長くはい回す必要が無くなり、電源ラインの省線化に効果がある。さらに集約配線システムと統合したので多数の操作スイッチの情報も一括して取り込むことができ、このスイッチ情報をデータ通信線に乗せることにより、各スイッチへのワイヤーハーネスも短いもので済むので、省線化につながる。尚、BCM14のコネクタ部14Aと出力インターフェース621及び出力端子14Bとの間に形成された電源切替供給回路66(破線部)は、電源中継回路と考えることができる。そして、BCM自体は電源中継端末の一つと考えることができる。
<FIMの説明>
図14は、車両の前方に配置され、車両前方の電源管理を行うFIMのブロック図である。基本的に、BCMとの相違は、マイコンが無い事と入力インターフェース回路が無い事であり、それに伴い、マイコンへ入出力していた信号が通信IC52へ入力されている事である。
図14は、車両の前方に配置され、車両前方の電源管理を行うFIMのブロック図である。基本的に、BCMとの相違は、マイコンが無い事と入力インターフェース回路が無い事であり、それに伴い、マイコンへ入出力していた信号が通信IC52へ入力されている事である。
本実施例では、FIMは、ABS制御ユニット11とABSソレノイド62の電源供給、PCM制御ユニット10とエンジン冷却用ラジエータのファンモータ35とエンジンへの燃料噴射インジェクタ9の電源供給を行うグループと、ホーン8,ヘッドランプ1,6,クリアランスランプ1a,6a,前方ターンシグナルランプ2a,2b,7a,7bの駆動を行うグループの2つを制御しており、入力信号の取り入れが無いため、BCMにあった入力インターフェースは削除してある。
BCMに使用されていた通信IC65とFIMに使用している通信IC52は、タイプの違うものを使用している。前者は、マイコンとセットで使用しなければデータ通信を行うことができないタイプであるが、後者のものは、マイコンが無くともデータ通信が可能なタイプを使用している。後者の通信IC52の詳細は、後で述べるが、この様にマイコンを使用せずにデータ通信が可能になると、通信対象のユニットに必ずしもマイコンを内蔵する必要が無くなるため、コストダウンにつながるメリットがある。
FIMの短落検出回路406,電源切替供給回路53を構成する切替回路410,電源回路411,遮断回路417,スイッチング回路416及び出力インターフェース421は、先に説明したBCMのものと同一構成であるので説明を割愛する。また、動作の詳細は、後述するフローチャートで説明する。
<DDMの説明>
図15は、運転席側ドアの内部に内蔵される電源供給モジュールDDM18の内部ブロック図である。ドアには可動するヒンジ部があり、また、ワイヤーハーネスを配線する空間の確保が厳しいため、本実施例では、複合多重通信線をループ状に配線する事を避け、図22に示すT型分岐コネクタ50Aによって分岐された1本の複合多重通信線5ZaにDDMを接続する構成をとっている。したがって、BCMやFIMに見られた電源切替回路410,610は、採用されていない。
図15は、運転席側ドアの内部に内蔵される電源供給モジュールDDM18の内部ブロック図である。ドアには可動するヒンジ部があり、また、ワイヤーハーネスを配線する空間の確保が厳しいため、本実施例では、複合多重通信線をループ状に配線する事を避け、図22に示すT型分岐コネクタ50Aによって分岐された1本の複合多重通信線5ZaにDDMを接続する構成をとっている。したがって、BCMやFIMに見られた電源切替回路410,610は、採用されていない。
基本的に、遮断回路517,出力インターフェース521,入力インターフェース523の構成は、BCMやFIMと同様であり、電源回路511が簡略化されているのが特徴である。
電源回路511の詳細を図16に示す。電源切替回路が採用されていない為、電源が完全に遮断されることが無いので、BCMでは独立していた2つの電源経路が、1つにまとめられており、ローパスフィルタと電源瞬断補償回路との間からドライバ駆動用電源が分岐している。電源回路の他の回路構成自体は、図10と同一なので説明は省略する。
DDM18は、主に、パワーウィンドP/Wを動作させるスイッチ75とモータ73,ドアロックを動作させるスイッチ74とモータ19、そしてドアがロック状態にあるかどうかを検出するスイッチ74Aで構成されている。またサイドミラー181を駆動するモータ181Aも出力インターフェース521に接続されている。サイドミラーモータ181Aのコントロールスイッチは、BCMの入力インターフェース624に接続されている。なお、ドアロックを動作させるスイッチ74は、運転席側のみ設定されているスイッチで、このスイッチを操作する事により、すべてのドアロックを一括動作させる事ができるようになっている。
全体的な動作は、後でフローチャートを用いて説明する。
<PDM,RRDM,RLDMの説明>
図17は、運転席ドア以外のドア内部に内蔵される電源供給モジュールの内部ブロック図である。この場合、助手席ドア内部に内蔵されるPDM、後席右側ドア内部に内蔵されるRRDM、後席左側ドア内部に内蔵されるRLDMを指している。
図17は、運転席ドア以外のドア内部に内蔵される電源供給モジュールの内部ブロック図である。この場合、助手席ドア内部に内蔵されるPDM、後席右側ドア内部に内蔵されるRRDM、後席左側ドア内部に内蔵されるRLDMを指している。
これらのモジュールは基本的にDDMと同一構成で、入力インターフェース723にはパワーウィンドのUP−DOWNスイッチ104(82,138)及びドアロックセンサ105(81,139)が接続されており、出力インターフェース721にはドアロックモータ21(28,23),P/Wモータ106(80,140)が接続されている点が異なる。
尚、PDMにだけ出力インターフェースにサイドミラーモータ181Bが接続されている。
<IPMの説明>
図18は、運転席メータパネル内部に設置されるIPMの内部ブロック図である。IPMは、BCMで入力出来なかった入力信号の取り込みと、メータパネル内に設置されている各種表示灯,警告灯を駆動するモジュールである。本実施例では入力インターフェース
823に、パーキングブレーキスイッチ930,フットブレーキスイッチ831,トランクオープンスイッチ832等が接続されており、出力インターフェース821に表示灯,警告灯としてヘッドランプやストップランプ等のランプ警告灯,SDM警告灯,ABS警告灯,複合多重通信線の異常警告灯、などが接続されている。
図18は、運転席メータパネル内部に設置されるIPMの内部ブロック図である。IPMは、BCMで入力出来なかった入力信号の取り込みと、メータパネル内に設置されている各種表示灯,警告灯を駆動するモジュールである。本実施例では入力インターフェース
823に、パーキングブレーキスイッチ930,フットブレーキスイッチ831,トランクオープンスイッチ832等が接続されており、出力インターフェース821に表示灯,警告灯としてヘッドランプやストップランプ等のランプ警告灯,SDM警告灯,ABS警告灯,複合多重通信線の異常警告灯、などが接続されている。
本モジュールも基本的にDDMと同一の回路構成で、入力インターフェースと出力インターフェースに接続される装置が異なるだけである。
<RIMの説明>
図19は、車両の後部に配置されるRIMの内部ブロック図である。RIMはFIMと同様な構成となっており車両の後部に集中している電気負荷を駆動する電源供給モジュールである。
図19は、車両の後部に配置されるRIMの内部ブロック図である。RIMはFIMと同様な構成となっており車両の後部に集中している電気負荷を駆動する電源供給モジュールである。
本実施例では、トランクオープン用モータ930,テールランプ931,ストップランプ932,ターンシグナルランプ933を駆動する。また電源回路911から、電源線
914a,スイッチング回路916を介してビーコンユニット30が接続されている。ビーコンユニットは図2に示す如く、I/Oインターフェース129にコントロールパネルとディスプレイ及び音声案内用スピーカーが接続されている。
914a,スイッチング回路916を介してビーコンユニット30が接続されている。ビーコンユニットは図2に示す如く、I/Oインターフェース129にコントロールパネルとディスプレイ及び音声案内用スピーカーが接続されている。
内部ブロックの構成は、入力インターフェースがない点が異なるだけで他の回路はFIMと同一であるので説明は省略する。
<DSM,PSMの説明>
図20は、運転席シート,助手席シート近傍に配置されるDSM,PSMの内部ブロック図である。DSM,PSMは、それぞれのシート位置(前後スライドと前後リクライニング及び高さ)を調整するのにモータを使用しており、調整するためのスイッチがシート部に付いている。そして、DSM,PSMの入力インターフェースには、それぞれのスイッチが出力インターフェースにはそれぞれのモータが接続されている。
図20は、運転席シート,助手席シート近傍に配置されるDSM,PSMの内部ブロック図である。DSM,PSMは、それぞれのシート位置(前後スライドと前後リクライニング及び高さ)を調整するのにモータを使用しており、調整するためのスイッチがシート部に付いている。そして、DSM,PSMの入力インターフェースには、それぞれのスイッチが出力インターフェースにはそれぞれのモータが接続されている。
以上の様に、電源供給路で接続された電源供給モジュールを、電源供給が必要なコントロールユニットと一緒に配置したり、駆動する電気負荷の集中する近傍に配置する事により、コントロールユニットへの複数の電源供給ラインや電気負荷への電源供給ラインを統合でき、またその長さを短かくできるので、電源ラインの省線化に効果がある。さらに集約配線システムと統合したので多数ある操作スイッチの情報も一括して取り込み、スイッチ情報をデータ通信線に乗せることにより、各スイッチへのワイヤーハーネスも短いもので済むので、省線化につながる。また、電気負荷への電力供給を制御するスイッチング素子を半導体を使用してインテリジェント化すると共に遮断回路を設けたので電気負荷の短絡時にもこの素子が破壊しない様に保護でき、その結果車両のヒューズボックスと個々の電気負荷の為の溶断ヒューズを廃止する事が可能となるメリットがある。
<コネクタの説明>
ところで、BCMやFIMにみられるような電源線と一体にした複合多重通信線が2系統入力されるモジュールには、図21に示すコネクタ5Wが使用される。図21で配線側コネクタ5Wにモジュールを接続するときは、ダミーコネクタ5Xをはずしかわりにモジュールのターミネータを差し込み接続する。図6と同じ符号は同じ部品を示す。DDMやPDMにみられるような複合多重通信線が1系統入力されるモジュールには、図22に示す分岐コネクタが使用されている。図22において、電源線からモジュール用の電源線を分岐する時は、電源線を分離してそれぞれの端部に配線コネクタを取り付け、これをT型分岐コネクタの2端子に差し込み他の一つの端子にモジュール側の配線コネクタを差し込み接続する。
ところで、BCMやFIMにみられるような電源線と一体にした複合多重通信線が2系統入力されるモジュールには、図21に示すコネクタ5Wが使用される。図21で配線側コネクタ5Wにモジュールを接続するときは、ダミーコネクタ5Xをはずしかわりにモジュールのターミネータを差し込み接続する。図6と同じ符号は同じ部品を示す。DDMやPDMにみられるような複合多重通信線が1系統入力されるモジュールには、図22に示す分岐コネクタが使用されている。図22において、電源線からモジュール用の電源線を分岐する時は、電源線を分離してそれぞれの端部に配線コネクタを取り付け、これをT型分岐コネクタの2端子に差し込み他の一つの端子にモジュール側の配線コネクタを差し込み接続する。
<拡張モジュールの説明>
一方、近年、車両を購入した消費者がカーオーディオやナビゲーション装置等を取り付ける事が多くなっており、この様なニーズに対応すべく、車両の助手席ダッシュパネル近傍やトランクルーム内に電源供給モジュールを追加できる拡張用の端子を設置しておくと、安全で簡単に電源供給を行う事が可能となる。
一方、近年、車両を購入した消費者がカーオーディオやナビゲーション装置等を取り付ける事が多くなっており、この様なニーズに対応すべく、車両の助手席ダッシュパネル近傍やトランクルーム内に電源供給モジュールを追加できる拡張用の端子を設置しておくと、安全で簡単に電源供給を行う事が可能となる。
電源多重通信線が2系統必要なところには、図21のタイプの拡張コネクタに、ターミネータを呼ばれるダミーのコネクタを接続してループを構成しておき、使用する時は、
BCMタイプの電源供給モジュールをターミネータをはずしてモジュールのコネクタを代わりに差し込む様にする。また、電源多重通信線が1系統で良いと思われる部分には、図22に示すT型の拡張分岐端子を挿入し、使用しない時はモジュール接続側端子にカバーを取り付けておく。
BCMタイプの電源供給モジュールをターミネータをはずしてモジュールのコネクタを代わりに差し込む様にする。また、電源多重通信線が1系統で良いと思われる部分には、図22に示すT型の拡張分岐端子を挿入し、使用しない時はモジュール接続側端子にカバーを取り付けておく。
拡張モジュールは、マイコンを内蔵している方が汎用性が高く、用途に合わせてバリーエーションを持たせる事ができる。たとえば、拡張モジュール自体に警告音や警告灯を持たせたもの、ノイズフィルタを強化したオーディオ向けのもの、盗難防止の機能を持たせたもの、エンジンスタータの機能を持たせたもの等が考えられる。
図23に複合多重通信線が1系統のものの内部ブロック図を示す。DDM等のものに比べ、大きく違っているのは、マイコンを内蔵している点である。マイコンを使用している事から入出力インターフェースからの信号や、短絡検出回路の信号,遮断回路の制御など、すべてマイコンが制御する様にプログラムされている。また、拡張モジュールとして専用にプログラムできる事から、よりきめ細かい制御が可能である。たとえば、エンジンスタータ用として拡張モジュールを供給した場合、ドアロックの状態,ギアポジションの状態,エンジンの始動状況などをBCMやPCMからデータ通信により入手する事ができ、エンジンスタータとしての機能が必要のないときの電源供給の遮断などが容易に達成できる。
<全体の動作の説明>
以下、フローチャート等を用いて、車両用としての電源ネットワークの動作について説明する。まず、始めに理解が容易になるよう、各電源モジュールが入出力情報として、どのようなものがあるか図24,図26のデータテーブルを用いて説明する。なお、入出力テーブルは各電源供給モジュール毎に4バイト(入力2バイト,出力2バイト)で構成されている。
以下、フローチャート等を用いて、車両用としての電源ネットワークの動作について説明する。まず、始めに理解が容易になるよう、各電源モジュールが入出力情報として、どのようなものがあるか図24,図26のデータテーブルを用いて説明する。なお、入出力テーブルは各電源供給モジュール毎に4バイト(入力2バイト,出力2バイト)で構成されている。
図24は、各電源供給モジュールが入力信号として取り込んでいるデータのテーブルである。このテーブルは、BCMのマイコンに内蔵される読み書き自由の記憶装置であるランダム・アクセス・メモリ(以下RAMと称す)に書き込まれているものである。たとえば、BCMの場合、キースイッチの位置,ライトスイッチの位置,ルームランプの診断情報の2種類であり、イグニッションキースイッチをACCの位置(アクセサリ用電源供給の位置)にセットすると、RAMテーブルのBCMのビット15がセット(“1”となる)され、ONの位置にセットするとBCMのビット14がセットされる。
FIMの場合は、BCMにあるライトスイッチ67がPOS627の位置(車幅灯点灯)で点灯するクリアランスランプ1a,6aの診断情報入力等がある。なお、診断1,診断2とあるのは、表3に示す、診断信号と素子診断信号の事であり、短絡検出(1),(2)とあるのは、2系統入力されている電源多重通信線のどちら側かを区別するためのものである。
以下、BCMからRIMまでの計10個の各モジュール分の入力情報が2バイトずつ確保されており、BCMに内蔵されるマイコンは、この入力情報を基に、どのスイッチが操作されているか確認し、対象となるモジュールの負荷の電源供給を制御する。また、診断信号により各モジュールの負荷状況の確認や複合多重通信線の短絡を確認し、警告や電源遮断の制御を行う。
図25は、各電源供給モジュールに接続されている電気負荷の動作や、電源切替回路の制御,遮断回路の制御,スイッチ切替回路の制御を行うための出力用データテーブルの一覧である。このテーブルにセットされた信号が多重通信により各電源供給モジュールに送信され動作を行うもので、図24の入力テーブルと同様に、BCMからRIMまでの計
10個の各モジュール分の出力情報が2バイトずつ確保されている。
10個の各モジュール分の出力情報が2バイトずつ確保されている。
図26は、電源供給モジュールと別に多重通信を行っている他のコントロールユニットのもので、ABS,SDM,エアコンユニット,PCM,ナビゲーションユニットの5つのユニットとBCM間でデータ通信を行っている。主に、BCMから各ユニットへ送信される情報としては、イグニッションキースイッチの情報,ライトスイッチの情報,ブレーキスイッチの情報がある。各ユニットからの情報は、「自らに供給されている電源を遮断せよ」という「電源遮断の許可信号」、電源供給開始後、作動する準備が完了した旨を示す「作動OK信号」、各ユニットが管轄するシステムに異常が発生した旨を運転者に知らせるための「異常発生信号」の他、各ユニット固有の情報がBCMに送信される。
このデータも前記した入出力テーブルと同様、BCMのマイコンに内蔵されるRAMに格納されており、本発明の電源ネットワークの制御の一部として使用される。
この様に、本実施例では、電源供給モジュールとBCM間、コントロールユニットと
BCM間において多重通信が行われており、それぞれ図24〜図26のデータテーブルに示す情報のやりとりを行っている。BCMが受信したデータがどこから来たものか、また、BCMが送信するデータはどこへ行くのかについての詳細は後述するが、各モジュール,ユニットには、固有の名前(アドレス)が付けられており、このアドレスにより対象モジュールやユニットを区別している。
BCM間において多重通信が行われており、それぞれ図24〜図26のデータテーブルに示す情報のやりとりを行っている。BCMが受信したデータがどこから来たものか、また、BCMが送信するデータはどこへ行くのかについての詳細は後述するが、各モジュール,ユニットには、固有の名前(アドレス)が付けられており、このアドレスにより対象モジュールやユニットを区別している。
次に、車両にバッテリが接続された場合、本発明の各機能がどの様に働くか、順を追って図27を用いて説明する。
図27は、バッテリが接続されてからの電源ネットワークの動きを示したフローチャートである。まず最初にステップ1でバッテリが接続されると、ステップ2に示すBCMや電源供給モジュール(以下、LCUと称す)の内部回路である通信ICやマイコンに電源が供給される。この電源は、電気負荷への電源供給を行うものとは別の電源で、BCMやLCUに常時供給されているもので、例えばBCMでは制御回路用電源614bである。
BCMのマイコンに電源が供給されると、ステップ3でマイコンの初期化処理が実行される。この処理は、マイコンを使用している製品であれば必ず必要な処理で、マイコンの入出力ポートを使用できる様に設定したり、RAMをクリアしたり、マイコンの機能を使用する準備をする処理である。続いて、ステップ4で、接続されている全LCUへ初期設定データを送信する準備を行う。ここで、各LCUの電源切替回路のスイッチ状況をすべてONにし、電気負荷や接続ユニットへの電源供給の準備をする。ステップ5では、接続されているLCUからのスイッチ入力状況や異常を取り込む。ステップ6でステップ4,ステップ5の処理が接続されている、すべてのLCUに対して、終了するまで繰り返される。ここまで終了すると、制御開始に必要な初期情報がすべてそろうので、ステップ7で処理実行開始完了がセットされる。以上が、バッテリが接続された場合、必ず実行される処理内容である。
ステップ7が実行された後、ステップ8の通常制御が行われる。この処理は、図28以降に示すフローチャートにて説明する。
続いて、電源ネットワークを使用していない場合の処理について説明する。本発明では、システムが機能する必要が無い場合、つまり、電源供給を行う必要が無い場合であるが、バッテリの放電を極力抑制する為、LCUの電気負荷駆動回路への電源供給の遮断と通信IC,BCMの通信IC65とマイコンを低消費電流モード(スリープモード)にしている。まず、ステップ9において作動中の電気負荷があるかどうか、図25の出力テーブルを基にチェックする。出力中のものがある場合、ステップ8に処理が戻り繰り返されるが、なにも出力中のものが無い場合、ステップ10で、これから作動する予定のものがあるかどうか、図24の入力テーブルを基にチェックする。どれかのスイッチがONとなっていたり、異常が発生していた場合、同様にステップ8に処理が戻されるが、これも無ければ、ステップ11にて、各LCUの電気負荷用の電源供給を遮断すべく、電源切替回路やスイッチ切替回路をOFFにする信号を出力テーブルにセットする。ステップ12で、セットしたデータが送信されるのを待ち、送信が完了した場合、ステップ13でマイコンをスリープモードにする。なお、この状態で、なんらかのスイッチ操作が行われると、マイコンがスリープモードから解除され、ステップ7から再度繰り返される。
<図28の説明>
以下、通常の制御内容について説明する。図28は、ステップ7の処理の一部であるバックグランド処理(BGJ)のルーチンである。この処理は、後に説明する処理が実行されていない時に実行される処理であり、主に、診断処理を実行している。ステップ14では、電源多重通信線の異常検出処理を、ステップ15では、出力インターフェースのスイッチング素子の異常検出処理を、ステップ16では、駆動負荷の異常検出処理を実施する。なお、詳細は、後述する。
以下、通常の制御内容について説明する。図28は、ステップ7の処理の一部であるバックグランド処理(BGJ)のルーチンである。この処理は、後に説明する処理が実行されていない時に実行される処理であり、主に、診断処理を実行している。ステップ14では、電源多重通信線の異常検出処理を、ステップ15では、出力インターフェースのスイッチング素子の異常検出処理を、ステップ16では、駆動負荷の異常検出処理を実施する。なお、詳細は、後述する。
<図29の説明>
図29は、通信IC65が受信したデータを取り込む、通信受信割り込みのフローチャートである。ここで、取り込んだデータは、図24,図26で説明した入力テーブルに格納される。
図29は、通信IC65が受信したデータを取り込む、通信受信割り込みのフローチャートである。ここで、取り込んだデータは、図24,図26で説明した入力テーブルに格納される。
まず、ステップ18で、マイコンがスリープモードにあったかどうかチェックされ、スリープモードにあった場合、システム全体が低消費電力モードになっている訳であるので、ステップ19で、スリープの解除処理が実行される。ここで、9個すべてのLCUの通信IC52,70,77,84,102,109,120,131,136にスリープ解除信号を送信し、システム全体を通常の状態に戻す処理が実行される。すでに、スリープ状態から解除されている場合は、そのままステップ20で、今現在受信した信号のアドレス情報から、どのLCUまたは、どのユニットからのデータであるか判断され、LCUからであれば、ステップ21で、図24の入力テーブルのデータ格納アドレスが計算される。ユニットからであれば、同様に図26に示すユニット毎のデータ格納アドレスが計算される。そして、ステップ23で、対象となるアドレスへ受信データを格納する。
この様に、受信したデータのアドレスを基に、どのモジュールやユニットからのデータかを判断し、対応するテーブルにデータを格納する処理が図29の処理であり、スリープモードの解除にも使用される。
<図30の説明>
図30は、一定時間毎に起動される定時間割り込み処理の処理ルーチンである。本実施例の場合、1ms毎に起動されており、電源ネットワークが行っている各電気負荷の動作や送信処理といった、各処理のほとんどが、ここで実行されている。
図30は、一定時間毎に起動される定時間割り込み処理の処理ルーチンである。本実施例の場合、1ms毎に起動されており、電源ネットワークが行っている各電気負荷の動作や送信処理といった、各処理のほとんどが、ここで実行されている。
ステップ25は、電源ネットワークとしてのすべての機能を中断させる為の処理で、主に、BCMの処理を他のユニット(例えば、エアコンユニット)にスイッチする為に使用する処理である。この処理は、通常時において使用される事は無いので、ステップ26が実行される。
ステップ26は、送信に先駆け、前回送信したデータ(つまり、今現在の図25の送信テーブルのデータ)を一時、RAMの他の部分に退避する処理である。この処理は、同一の送信データを何度も送信すると、無駄であり、また、多重通信線を占有して他の通信が出来なくなる不具合を解消するためのもので、必要がある相手先(LCU)のみに送信する為に使用される。
ステップ27は、電気負荷を動作させる処理を中断させる処理で、ステップ25と似ているが、こちらは、自己診断を行うのに使用される。
ステップ28は、数ある処理をどの様な優先順位で実行するかを振り分ける処理であり、本実施例では、5ms,10ms,50ms毎の3つの時間管理で処理を実行している。主に、スイッチを操作してからの応答時間が問われる様なものは、早い時間間隔で実行し、多少遅れても動作上問題無いものは、遅い時間間隔で実行している。
5ms毎に実行されるものとして、パワーウィンドウの制御(ステップ29)があり、10ms毎に実行されるものとして、ターンシグナル制御(ステップ30)、ヘッドライト点灯制御(ステップ31)、ブレーキランプ点灯制御(ステップ32)があり、50
ms毎のものとして、運転席,助手席パワーシートの制御(ステップ33)、ドアロックのロック,アンロック制御(ステップ34)がある。
ms毎のものとして、運転席,助手席パワーシートの制御(ステップ33)、ドアロックのロック,アンロック制御(ステップ34)がある。
ステップ35では、ステップ26で格納したデータと、ステップ29〜34でセットされた送信テーブルのデータが比較され、ステップ36で、同一データのあるLCUアドレスが排除される。相違するデータが含まれるLCUアドレスのみが抽出され、ステップ
37で出力データが送信され、対象負荷が動作する事になる。
37で出力データが送信され、対象負荷が動作する事になる。
<図31の説明>
図31は、図30のステップ37の処理の詳細である。ステップ39で、図30のステップ35で比較抽出された送信テーブルのアドレスから送信すべきデータが抽出される。続いて、ステップ40で、通信IC65に通信対象アドレスがセットされ、ステップ41で、送信データがセットされる。そして、ステップ42で、送信実行がセットされ、BCMから対象LCU宛にデータが送信される。
図31は、図30のステップ37の処理の詳細である。ステップ39で、図30のステップ35で比較抽出された送信テーブルのアドレスから送信すべきデータが抽出される。続いて、ステップ40で、通信IC65に通信対象アドレスがセットされ、ステップ41で、送信データがセットされる。そして、ステップ42で、送信実行がセットされ、BCMから対象LCU宛にデータが送信される。
送信されたデータにより、LCUの電気負荷が動作し、それに伴い、診断情報や、スイッチが変化すると、今度は、LCUからBCMへ入力データとして送信される。これらの繰り返しにより、相互通信が実現される。
以下、各処理内容の詳細を順番に説明する。
<図32の説明>
まず、図28のBGJ処理のステップ14である電源多重通信線の異常検出処理について説明する。図32は、その詳細フローチャートであるが、この処理は、電源多重通信線が2系統引き込まれているモジュールを対象としており、1系統のみの場合、単に警告するのみとなる。
まず、図28のBGJ処理のステップ14である電源多重通信線の異常検出処理について説明する。図32は、その詳細フローチャートであるが、この処理は、電源多重通信線が2系統引き込まれているモジュールを対象としており、1系統のみの場合、単に警告するのみとなる。
ステップ44で、図24の入力テーブルから電源多重通信線の短絡状況を読みとり、ステップ45で、異常があるかどうか判断する。異常があれば、ステップ46で、どのLCUとの間で発生しているのかを判断する。続いて、ステップ47で、表1に示す状態に電源切替回路を操作する信号を対象となるLCUに送信する準備をする。そして、ステップ
48で、異常が発生した旨を運転手に知らせるべく、IPMの「ハーネス異常」ランプである図25の送信テーブルのビット2をセットし、警告灯を点灯する準備を行う。
48で、異常が発生した旨を運転手に知らせるべく、IPMの「ハーネス異常」ランプである図25の送信テーブルのビット2をセットし、警告灯を点灯する準備を行う。
ステップ45で、何の異常も見つからなければ、ステップ49で、電源切替回路を通常状態へ戻すように図25の送信テーブルにデータをセットし、ステップ50で、IPMの「ハーネス異常」ランプである図25の送信テーブルのビット2をクリアし、警告灯を消灯する準備を行う。
<図33の説明>
図33は、図28のステップ15の詳細フローチャートである。この処理も、図24の入力テーブルから、電気負荷の「診断1」,「診断2」の情報を読み込み、ステップ53で、表3に示す状態と比較し、各LCU,ユニットの出力インターフェースの素子の異常が発生しているかどうかチェックする。素子に異常のあるLCV,ユニットがあれば、ステップ55で、該当するLCU例えばユニットの図25の送信テーブルの「遮断出力」をセットし、該当LCU,ユニットの遮断回路を閉鎖する準備をして、ステップ56で運転手に異常を知らせるべくIPMの「遮断出力」をセットして警告灯を点灯する準備を行う。ステップ54で、異常が無ければ、ステップ57で、図25の送信テーブルの「遮断出力」をクリアし、ステップ58で、IPMの警告灯を消灯する。
図33は、図28のステップ15の詳細フローチャートである。この処理も、図24の入力テーブルから、電気負荷の「診断1」,「診断2」の情報を読み込み、ステップ53で、表3に示す状態と比較し、各LCU,ユニットの出力インターフェースの素子の異常が発生しているかどうかチェックする。素子に異常のあるLCV,ユニットがあれば、ステップ55で、該当するLCU例えばユニットの図25の送信テーブルの「遮断出力」をセットし、該当LCU,ユニットの遮断回路を閉鎖する準備をして、ステップ56で運転手に異常を知らせるべくIPMの「遮断出力」をセットして警告灯を点灯する準備を行う。ステップ54で、異常が無ければ、ステップ57で、図25の送信テーブルの「遮断出力」をクリアし、ステップ58で、IPMの警告灯を消灯する。
<図34の説明>
図34は、図28のステップ16の詳細フローチャートである。ここでも、図24の入力テーブルから、電気負荷の「診断1」,「診断2」の情報を読み込み、ステップ61で、表3に示す状態と比較し、47駆動負荷の異常が発生しているかどうかチェックする。ステップで、異常があれば、ステップ63で、該当する制御処理に「出力中断」をセットし、負荷の駆動を中止させる。そして、ステップ64で、表3のどの状況に当てはまるかチェックし、運転手に異常を知らせるべくIPMの「断線発生」もしくは「短絡発生」をセットして警告灯を点灯する準備を行う。ステップ62で、異常が無ければ、ステップ
65で、該当する制御処理に「出力中断」をクリアして、ステップ66で、IPMの警告灯を消灯する。
図34は、図28のステップ16の詳細フローチャートである。ここでも、図24の入力テーブルから、電気負荷の「診断1」,「診断2」の情報を読み込み、ステップ61で、表3に示す状態と比較し、47駆動負荷の異常が発生しているかどうかチェックする。ステップで、異常があれば、ステップ63で、該当する制御処理に「出力中断」をセットし、負荷の駆動を中止させる。そして、ステップ64で、表3のどの状況に当てはまるかチェックし、運転手に異常を知らせるべくIPMの「断線発生」もしくは「短絡発生」をセットして警告灯を点灯する準備を行う。ステップ62で、異常が無ければ、ステップ
65で、該当する制御処理に「出力中断」をクリアして、ステップ66で、IPMの警告灯を消灯する。
<図35の説明>
図35は、図30のステップ29であるパワーウィンド(以下、P/Wと称す)制御の詳細フローチャートである。ステップ67で、出力中断要求があるかどうかチェックされるが、これは、前記した通り、図34のステップ63で「出力中断」がセットされた場合、ステップ77でP/Wの動作をすべて中止する為に使用するものである。したがって、通常時においては、セットされる事は無い。
図35は、図30のステップ29であるパワーウィンド(以下、P/Wと称す)制御の詳細フローチャートである。ステップ67で、出力中断要求があるかどうかチェックされるが、これは、前記した通り、図34のステップ63で「出力中断」がセットされた場合、ステップ77でP/Wの動作をすべて中止する為に使用するものである。したがって、通常時においては、セットされる事は無い。
まず、はじめに運転席P/Wの制御内容について説明する。ステップ68で、DDMの入力テーブルがチェックされ、ステップ69で、P/WのDOWNスイッチがONされているか確認される。ONになっていればステップ72で、DDMの送信テーブルのP/WDOWNをセットし、窓を下げる準備をする。ステップ69でOFFであれば、ステップ70で、今度はUPスイッチがONになっているか確認される。ONであれば同様に今度はUPをセットし、窓を上げる準備をする。ステップ70でもOFFであれば、スイッチが操作されていない事になるので、ステップ71で、DDMの送信テーブルのP/Wに関する部分をクリアする。
ステップ74,75,76は、それぞれ、助手席であるPDM、後席右側であるRRDM、後席左側であるRLDMの処理内容であるが、基本的にDDMと同一である。
<図36の説明>
図36は、図30のステップ30であるターンシグナル制御の詳細フローチャートで、この制御は、右左折の方向指示器を点灯させる処理である。
図36は、図30のステップ30であるターンシグナル制御の詳細フローチャートで、この制御は、右左折の方向指示器を点灯させる処理である。
ステップ78,ステップ86の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を割愛する。
まず、ステップ79で、BCMの入力テーブルが確認され、ステップ80で、右(RH)折用ターンスイッチがONされているかチェックされる。ONされていれば、ステップ
84で、FIM,RIMに接続されている右折指示用ランプ(TRN−R)を点滅する処理を実行する。ステップ80で、OFFであればステップ81で、左(LH)折用ターンスイッチがONされているかチェックされる。ONされていればステップ85で、FIM,RIMに接続されている左折指示用ランプ(TRN−L)を点滅する処理を実行する。ステップ81でもOFFであれば、スイッチが操作されていない事になるので、ステップ82,83で、FIM,RIMの送信テーブルのターンシグナルに関する部分をクリアする。
84で、FIM,RIMに接続されている右折指示用ランプ(TRN−R)を点滅する処理を実行する。ステップ80で、OFFであればステップ81で、左(LH)折用ターンスイッチがONされているかチェックされる。ONされていればステップ85で、FIM,RIMに接続されている左折指示用ランプ(TRN−L)を点滅する処理を実行する。ステップ81でもOFFであれば、スイッチが操作されていない事になるので、ステップ82,83で、FIM,RIMの送信テーブルのターンシグナルに関する部分をクリアする。
<図37の説明>
図37は、図30のステップ31であるヘッドランプ(前照灯、以下HLと略す)制御の詳細フローチャートで、この制御は、車速がある場合と無い場合で、明るさを変更するランプのPWM(パルス幅変調)制御も行っている。
図37は、図30のステップ31であるヘッドランプ(前照灯、以下HLと略す)制御の詳細フローチャートで、この制御は、車速がある場合と無い場合で、明るさを変更するランプのPWM(パルス幅変調)制御も行っている。
ステップ87,ステップ101の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を省略する。
この制御は、ライトスイッチをPOSの位置にした場合に、クリアランクランプ(車幅灯、以下、CLと略す)を点灯し、ONの位置にした場合に、HLを点灯する制御である。
まず、ステップ88で、BCMの入力テーブルがチェックされ、ステップ89で、ライトスイッチがPOS位置にあるかチェックされる。POS位置にあった場合、ステップ
90で、FIMの送信テーブルのCL出力をセットし、ステップ91で、RIMの送信テーブルのCL出力をセットして、車幅灯を点灯する準備をする。POS位置に無ければ、ステップ92で、FIMの送信テーブルのCL出力をクリアし、ステップ93で、RIMの送信テーブルのCL出力をクリアして、車幅灯を消灯する準備をする。
90で、FIMの送信テーブルのCL出力をセットし、ステップ91で、RIMの送信テーブルのCL出力をセットして、車幅灯を点灯する準備をする。POS位置に無ければ、ステップ92で、FIMの送信テーブルのCL出力をクリアし、ステップ93で、RIMの送信テーブルのCL出力をクリアして、車幅灯を消灯する準備をする。
続いて、ステップ94で、ライトスイッチがONの位置にあるかチェックされる。ONの位置にある場合、ステップ96で、FIMの送信テーブルのHL出力をセットし、同時に、通信IC52へのPWMのデューティ情報であるデータ20%をセットする。そして、ステップ96で、FIMの送信テーブルのCL出力をセットする。ステップ97では、車速があるか否かチェックされ、車速があれば、ステップ98で、通信IC52へのPWMのデューティ情報であるデータ100%をセットする。ステップ94で、OFFであれば、ステップ99でFIMの送信テーブルのHL出力をクリアし、ステップ100で、RIMの送信テーブルのCL出力をクリアして、前照灯と車幅灯を消灯する準備をする。
<図38の説明>
図38は、図30のステップ32であるストップランプを点灯するためのブレーキランプ制御の詳細フローチャートである。
図38は、図30のステップ32であるストップランプを点灯するためのブレーキランプ制御の詳細フローチャートである。
ステップ102,ステップ107の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を省略する。
ステップ103で、BCMの入力テーブルがチェックされ、ステップ104で、ブレーキスイッチがONとなっていれば、ステップ105で、RIMの送信テーブルのSTOP出力がセットされ、ブレーキランプを点灯する準備が完了する。ステップ104で、スイッチがOFFであれば、ステップ106で、RIMの送信テーブルのSTOP出力がクリアされ、ブレーキランプを消灯する準備が完了する。
<図39の説明>
図39は、図30のステップ34である車両のドアロックを開施錠する制御の詳細フローチャートである。
図39は、図30のステップ34である車両のドアロックを開施錠する制御の詳細フローチャートである。
ステップ108,ステップ120の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を省略する。
ステップ109で、DDMの入力テーブルをチェックし、まず、ステップ110で、ドアをロックするスイッチが操作されたかをチェックする。ロックするスイッチが操作されていれば、ステップ111で、DDMの送信テーブルの「ドアLK」をセットし、「ドアUL」をクリアして、ドアロック出力をセットする。続いて、ステップ112で、ドアロックが完了するまで、入力テーブルの「ドアロック検出」信号を確認しながら待たされる。ステップ110で、ロックするスイッチが操作されていなければ、ステップ113で、アンロックするスイッチが操作されているかチェックされる。ここで、操作されていれば、ステップ114で、DDMの送信テーブルの「ドアLK」をクリアし、「ドアUL」をセットして、ドアアンロック出力をセットする。そして、同様にステップ115で、ドアアンロックが完了するまで、入力テーブルの「ドアロック検出」信号を確認しながら待たされる。
どちらのスイッチの操作も無ければ、ステップ116で、DDMの送信テーブルの「ドアLK」と「ドアUL」をクリアして、ドア出力をクリアする。
以降、同様に、ステップ117の助手席のドアロック制御,ステップ118の後席右側のドアロック制御,ステップ119の後席左側のドアロック制御が実行される。なお、制御的に同一なので、説明を省略する。
<図40の説明>
図40は、図30のステップ33である運転席と助手席のシートのリクライニングとスライドを動かす制御の詳細フローチャートである。
図40は、図30のステップ33である運転席と助手席のシートのリクライニングとスライドを動かす制御の詳細フローチャートである。
ステップ121,ステップ134の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を省略する。
まず、ステップ122で、DSMの入力テーブルがチェックされ、ステップ123で、リクライニング(リクライド)を前方に動かすスイッチがONされているかどうかチェックされる。ONされていれば、ステップ124で、DSMの送信テーブルの「リクライド前」をセットし、「リクライド後」をクリアして、リクライニングを前側に倒す様にモータを動かす準備をする。ステップ123で、ONされていなければ、ステップ125で、リクライニングを後方に動かすスイッチがONされているかどうかチェックされる。ONされていれば、DSMの送信テーブルの「リクライド前」をクリアし、「リクライド後」をセットして、リクライニングを後側に倒す様にモータを動かす準備をする。両方共にスイッチの操作が無ければ、ステップ127で、リクライニングのモータを停止させる様に、DSMの送信テーブルの「リクライド前」と、「リクライド後」をクリアする。
続いて、シートのスライドを動かす方法について説明する。
まず、ステップ128で、スライドを前方に動かすスイッチがONされているかどうかチェックされる。ONされていれば、ステップ129で、DSMの送信テーブルの「スライド前」をセットし、「スライド後」をクリアして、スライドを前側に動かす様にモータを動かす準備をする。ステップ128で、ONされていなければ、ステップ130で、スライドを後方に動かすスイッチがONされているかどうかチェックされる。ONされていれば、DSMの送信テーブルの「スライド前」をクリアし、「スライド後」をセットして、スライドを後側に動かす様にモータを動かす準備をする。両方共にスイッチの操作が無ければ、ステップ132で、スライドのモータを停止させる様に、DSMの送信テーブルの「スライド前」と、「スライド後」をクリアする。
ステップ133は、助手席に対して、ステップ122〜ステップ132の処理を実行するもので、制御的に同一のものなので、説明を省略する。
<図41の説明>
図41は、図30のステップ34Aであるトランクを開錠する制御の詳細フローチャートである。
図41は、図30のステップ34Aであるトランクを開錠する制御の詳細フローチャートである。
ステップ135,ステップ140の処理は、前記したP/W制御と同一の目的に使用されるものなので説明を省略する。
まず、ステップ136で、IPMの入力テーブルがチェックされ、ステップ137で、「トランクオープン」信号がセットされている場合、ステップ138で、RIMの送信テーブルの「トランク出力」をセットし、トランクを開錠するモータへ電力を供給する準備をする。ステップ137で、セットされていなければ、ステップ139で、RIMの送信テーブルの「トランク出力」をクリアし、トランクを開錠するモータへ電力を停止する準備をして、処理を終了する。
以下本実施例に使用する通信制御システムについて図42〜図60及び表4〜表10を用いて詳述する。
I/O通信ICは、ディジタル入力信号を通信バスを介してCPUを備えた制御モジュールに送信を行う。また、制御モジュールから通信バスを介してディジタル機器のON・OFF制御を行う。ところで、通信バスには複数のI/O通信ICが接続されている。そのため、I/O通信ICと制御モジュール間で送受信されるデータが混信しないような以下に述べる機能を備えている。一つは、通信バス上に接続されている通信ICには重複しない固有の番号を備えていて、送信するデータに入出力データとともに送信した機器固有の番号も送信する。二つは、通信バス上で、複数の機器からのデータが衝突しないように通信バス監視機能を備えていて他の通信ICが通信バスを使用していないときに送信を行う。また、同時に複数のユニットが通信を開始した時に、データ内に含まれる優先順位データにより、優先順位の最も高いユニットが通信バスにデータを送信できるとする。
I/O通信ICが送信を行う時は以下に述べる二つの時である。一つは、接続されているディジタル入力信号が変化したとき。二つは制御モジュールから送信要求があったときである。
また、I/O通信ICを受信しそのデータを出力ポートにセットする時は、通信バス上にデータを解析し、そのデータが自分宛のデータのみである。
図42にI/O通信ICの回路構成を示す。I/O通信ICの機能は、送信,受信,送信受信のタイミング制御機能に分けられる。はじめにI/O通信ICが入力信号を送信する方法について述べる。
送信は、送信要求が生じると、通信バスが他のユニットに使用されていないのを確認して、定められたフォーマットに従いディジタルデータを通信バス上に送信する。データフォーマットは、ヘッダデータ,ディジタル入力データ,データチェックデータで構成される。送信要求があると、入力信号はディジタルI/OポートからI/Oレジスタにセットされる。通信バスが使用可能であるとヘッダレジスタ,受信アドレスレジスタ,送信アドレスレジスタ,I/Oレジスタ,CRCジェネレータの順でTxレジスタにデータがセットされる。Txレジスタにセットされたデータは、VPWジェネレータに入力され可変パルス幅変調(Variable Pulse Modulation) され通信バス上に送信される。VPW変調方式は、“1”,“0”のディジタルデータを2種類のパルス幅と2種類の電圧レベルにより送信する方式である。
この変調方式は、現在送信されているデータと次のビットが同一データであると電圧レベル及びパルス幅ともに変化させ、異なっているときは電圧レベルのみを変化させる。
ここで、ヘッダレジスタには、ユニットの優先順位データなど以下に続くデータの性質があらかじめセットされている。受信アドレスレジスタには送信したデータを受信すべくユニットのアドレスデータ(機器番号),送信アドレスレジスタには、送信機器番号すなわちそのユニットの機器番号がセットされている。CRCジェネレータは、ヘッダレジスタからI/OレジスタまでのCRC(Cycle Redundancyn Check)計算を行う回路である。ここでCRC計算は、巡回冗長検査とも呼ばれるデータ伝送で行われる誤り検出の一方法である。
次に、I/O通信ICが通信バスからデータを受信し、出力ポートにデータをセット方法について述べる。
通信バス上のデータはディジタルフィルタによりノイズ成分を除去されVPWデコーダに入力さる。
VPWデコーダはVPWジェネレータと逆にVPW変調された信号を“1”,“0”のディジタルに変換する。
変換されたディジタルデータはRxレジスタに入力され、ヘッダレジスタ,受信レジスタの内容を自己の機器番号等と比較して、通信バス上のデータが自分に送信されたものか判断する。
他のユニットに送信されデータと判断したときは以下の受信動作は行わない。自分に送信されたデータの時は、以下に続くRxレジスタをI/Oレジスタにセットする。そして、CRCチェック回路OK出力が真となったときにI/Oレジスタの内容を出力ポートにセットする。CRCチェック回路のOK出力が偽の時は受信エラーをして、受信エラーが起きたことを送信側に送り返す。
ここで、通信ICにおいて送信および受信のタイミング制御はスケジューラによって行われる。
スケジューラは、ステータスレジスタ,ステージカウンタ,バイトカウンタ等で構成される。ステータスレジスタは通信ICの状態(送信中,受信中,送受信エラー等)を表すレジスタである。ステージカウンタは送信または受信中で時系列状態を表すレジスタである。
ここで、通信バス上にデータ送信する時には、上記ヘッダデータからCRCデータまでのデータ他に、開始および終了を表すデータ信号(VPW信号)とは別に特別の信号が付加される。これ等の、開始信号をSOF(Start Of Frame),終了信号をEOD(End OfData)と呼ぶ。
ステージカウンタは、SOF,データ,EOD,データなしの内いずれかの状態を示すレジスタである。
バイトカウンタは、送信あるいは受信データ(ヘッダデータからCRCデータまで)がいずれのデータであるかを示すカウンタである。
このほかに、通信IC回路には信号を発生するクロックジェネレータがある。ここで、通信ICに接続される信号線には、通信バス線,ディジタル入出力信号線の他に、機器番号,優先順位信号,入力信号数(あるいは出力信号数)線が接続される。
以上簡単に通信ICの基本動作について述べた。通信ICにはこのほかに、通常の送受信を行う動作とは別に、クロックで動作する回路を停止させ、消費電力を半導体素子のリーク電流程度に抑さえるスリープ動作モードがある。このスリープモードへの移行は通信バスからの送信データによる、もしくはディジタル信号変化が一定時間以上ないとき等である。
スリープ状態から、通常動作モードへの移行は、通信バス上に通信データが送られた時、もしくは入力信号に変化を生じたときである。
次に、通信ICの詳細動作について述べる。
通信ICには、I/O通信ICとC/U(Control Unit)通信ICの2種類がある。I/O通信ICはディジタル入出力と通信バス間のインターフェースを行い、C/U通信
ICは通信バスとCPU間のインターフェースを行う。
ICは通信バスとCPU間のインターフェースを行う。
いずれの通信ICも、重複しない機器アドレス(機器番号)を備えて、データ通信を相互で行う。表1に通信バスに接続されている通信ICのアドレスの例を示す。ここでは、アドレスを1バイトで表し、上位4ビットが制御機能を区別するアドレス、下位4ビットは同一制御系内の通信ICを識別する番号とした例である。
ここで、下位4ビットの番号が0のものはC/U(Control Unit)通信ICを備えたものである。この番号が0のユニットは同一制御系のデータを加工できる機能を有している。他のユニットは、送信もしくは受信されたデータのビット構成とディジタル入出力ポートとは1対1に対応しており、編集加工機能はない。
表4に示すC/U通信ICのアドレスは1x:PCM(エンジン制御系),2x:ABS(ブレーキ制御系),3x:ナビ,4x:SDM,5x:A/C(エアコンディショナ),6x:BCM(ボディ制御系),7x:ビーコンである。また、BCM系のI/O通信ICのアドレスは30:BCM(Body ControlModule),31:SDM(Driver Seat
Module),32:DDM(Driver Door Module),33:RRDM(Rear Right Door
Module),34:IPM(InstrumentPanel Module),35:DSM(Driver Seat Module),36:RIM(Rear IntegratedModule),37:PDM(Passenger Door Module),38:RLDM(Rear Left Door Module),39:FIM(Front Integration Module)である。
Module),32:DDM(Driver Door Module),33:RRDM(Rear Right Door
Module),34:IPM(InstrumentPanel Module),35:DSM(Driver Seat Module),36:RIM(Rear IntegratedModule),37:PDM(Passenger Door Module),38:RLDM(Rear Left Door Module),39:FIM(Front Integration Module)である。
また、BCM(ボディ伝送系)のBCM,IPM,FIMに接続されている入力信号および出力デバイス信号の例を示す。
このようなアドレシングにより、アドレスからその機器の機能の概略を理解でき、機能の理解,エラーの解析などが容易に行える。
ここで、左折ターンシグナルをオンにしたときの動作の例を説明する。
アドレス30のBCMに接続されている09のターンSWLHがオン状態(左折ターンシグナルをオン)になると、BCMに組み込まれている09のターンSWLH処理プログラムが起動される。この処理プログラムは、アドレス34の出力番号11のTRN−Lランプが点灯するデータBCMからIPMに送信されると共に、アドレス39FIMの出力09も点灯するデータBCMからFIMに送信される。
すなわち、運転者が、ステアリング部のウィンカーノブを操作して左折ターンシグナルスイッチをオンにすると、車体前面のターンシグナルランプが点滅すると共に、インスツルパネルの左折ターンシグナルランプも点滅する。
次に、ABS,PCMの電源供給の動作について説明する。
FIMの通信IC出力00はスイッチ切替(2),出力01はスイッチ切替(1)に接続されている。
また、スイッチ切替(2)はABSの電源線,スイッチ切替(1)はPCMの電源線のON・OFF制御となっている。
すなわち、ABSおよびPCMへの電源供給はFIMの出力信号00、および01によって行われる。また、FIMの出力信号00,01のON・OFFはBCMによって行っている。
そこで、BCMのCPUは、系に接続されている機器状態を把握した、ABSおよび
PCMへの電源供給制御が可能である。
PCMへの電源供給制御が可能である。
次に、通信IC間で伝送されるデータフォーマットについて述べる。
図43に伝送されるデータフォーマットの種類を示す。
伝送データフォーマットには1.初期化,2.通常伝送,3.診断要求,4.診断応答,5.データ送信要求,6.スリープ開始の6種類がある。
ここで、各フォーマットで共通フォーマットは、SOF,受信アドレス,送信アドレス,フォーマットID,データ,CRCデータ,EODである。フォーマットの識別はデータIDによって行われる。
通信ICの入出力ポートの方向は任意に設定可能である。そこで、初期化フォーマットは、CPUからI/O通信ICに入出力ポートを各ポートに入力または出力で設定を行う。
なお、通信ICの電源オン時は各ポートは入力に設定される。設定データは、各ポートに1対1に対応したビットデータで“1”が出力,“0”が入力である。
通常伝送時のCPUからI/O通信ICへの伝送データは各ポートに1対1に対応したI/Oポートへの出力データである。
ここで、入力ポートへのデータは無視される。
また、I/O通信ICからCPUへの伝送データは、I/O通信ICの入力データであり、出力ポートのデータは現在出力されているデータである。
このことにより、出力データの確認が行える。
診断要求,診断応答はSAE1979 ダイアログメッセージフォーマットに準拠する。
データ送信要求は、CPUからI/O通信ICに対して伝送されるもので、データの部分は無い。
スリープ開始もCPUからI/O通信ICに対して伝送されるものである。このデータをI/O通信ICが受信するとI/O通信ICはクロック信号を停止させ、低消費電力モードに移行する。なお、CPU間のデータ伝送は、I/O通信ICとCPU間の伝送とは異なり、各ビットのデータ内容は各CPU間で独自に定める。
次に、通信ICの動作状態の変化について説明する。
図44に通信ICの状態遷移図を示す。
通信ICは次に挙げる9種類の状態がある。
その状態は、1.送受信データが無い,2.データ送信中,3.データ送信開始,4.再送待ち,5.送信データ発生,6.データ受信中,7.多局がデータ送信中,8.受信データ検索,9.スリープである。
1の状態は通信バス上に伝送データがなく、送信するデータのない変化待ちの状態である。
入力データの変化があると5の状態になり、送信準備を行い、3の状態すなわちデータ送信を開始する。
送信は、SOFヘッダデータを通信バス上へ送信する。
ここで、他の通信ICも同時に送信したとき、ヘッダデータ内の優先順位データが他通信ICより高いときは、送信を継続して2にデータ送信中に移行する。
低いときは、4の再送待ちとなる。再送待ちに移行したときは、他の通信ICが送信を終了するのを待ち、送信開始手順を繰り返す。
受信は、通信バス上にデータが発生したら、SOF,ヘッダデータ,受信アドレスデータまで受信し、受信アドレスデータが自分のアドレスデータと一致したら以後のデータも受信し、CRCチェックがOKであると、受信データを所定のポートにデータをセットする。受信アドレスデータが自分のアドレスと異なっていたら、以後データは無視して、受信動作を停止する。
ここで、受信データがスリープ開始データの時は、クロック信号の発生を停止させ、低消費電力モードになる。
スリープ状態から通常モード移行は、入力信号に変化を生じるか、通信バス上にデータが発生したときに行われる。
次にBCM,DDM,PDM間データ伝送を例を示す。
図45はそのタイムチャートである。
ここで、各ユニットのアドレスはBCMが30,SDMが31であり、DDMが32である。優先順位データはアドレスデータと同一であり、優先順位は番号の小さい順である。
また、図45に示す状態番号および、送信データ発生信号はDDMのものである。通信バス上のデータ1はDDMに送信要求が生じて、DDMからBCMにデータ送信したときである。データ2はBCMからPDMへデータを送信したものでDDMは受信しない。データ3はBCMからDDMへのデータ送信でDDMは受信する。
また、この受信中にDDM送信データが発生したとき、また、図中にはないがSDMにも送信要求が生じたときは、データ3の受信終了を待ってDDMは送信を開始するが、
SDMも同時に送信を開始する。
SDMも同時に送信を開始する。
送信開始後、ヘッダデータ送信中SDMの優先順位が高いことが判明すると、DDMは送信を停止し、再送待ちとなる。
ここで、データ4はSDMからBCMへの送信データである。
データ5は再送待ちのDDMからBCMへの送信データである。
以上が、通信ICによるデータの送受信の動作である。
図46にI/O通信ICのデータの送信に関する回路部分を示す。
図47はそのタイムチャートである。
I/O通信ICは通信可能なとき、送信開始信号が発生すると、定められたタイムシーケンスに従ってデータを通信バスに送信する。
送信可能な時はステータスレジスタの通信バスビジーフラグがオフ状態である。送信開始はステータスレジスタの送信要求フラグがオン状態に変化したときである。
送信開始信号が入力されるとスケジュールカウンタのステージカウンタ,バイトカウンタ,ビットカウンタが作動する。
ステージカウンタの出力はVPWジェネレータに入力されている。ステージカウンタはクロックφ2によりステージクロック(S・Clock),データクロック(Clock・Out) ,送信データ(Data・Out)を出力する。
VPWジェネレータは、SOF信号,データ,EOD信号の順で出力する。
バイトカウンタの計数値により、ヘッダレジスタ,受信アドレス,送信アドレスレジスタ,I/Oレジスタ,CRCジェネレータの順に選択され、そのデータが送信レジスタTxレジスタにセットされる。
TxレジスタにデータはVPWジェネレータのClock・Out信号により、VPWジェネレータに入力され、VPW変調され通信バスに伝送される。
ここで、I/Oレジスタのバイト数は4バイトの例である。
送信データのビットクロックはビットカウンタで制御する。ここで、ヘッダレジスタ,受信アドレス,送信アドレスレジスタの値は外部入力信号もしくは、他の通信ICから初期状態にセットする。
また、CRCジェネレータのデータはヘッダデータからI/Oデータまでの値で計算する。
CRCジェネレータの詳細な回路は図53に示す。
図48にスケジュールカウンタの回路構成を示す。この回路は、ビットカウンタ,バイトカウンタ,ステージカウンタで構成される。
ビットカウンタはVPWのデータクロックを8分周する回路である。
バイトカウンタはビットカウンタをクロックとするシフトレジスタでその出力は送信される順にレジスタのセレクト端子に接続する。
ステージレジスタはVPWジェネレータのステージクロック、もしくはCRC出力をクロック信号とするシフトレジスタで、その出力はVPWジェネレータに接続される。図
49に以上述べたスケジュールカウンタのタイムチャートを示す。
49に以上述べたスケジュールカウンタのタイムチャートを示す。
次に、VPWジェネレータについて述べる。
図50がVPWジェネレータの回路構成、図51がそのタイムチャートである。
VPWジェネレータは、通信IC間で使用される数種類のパルス幅の信号を発生する回路である。発生するパルス幅はSOF,データ,EOD等で異なる。
そのパルス信号は、スケジューラのステージカウンタ出力データに基づき、8ビットのプリセッタブルダウンカウンタ,適意の値をセットするこで発生する。
図52に発生ROMの1ビット分の回路構成図、表5にその各ビットの設定表を示す。
表5に示すように、本通信ICで使用される9種類にパルス信号がVPWジェネレータで出力できる。
次に、CRCジェネレータについて述べる。
本通信ICで使用されるCRCチェックコードは8ビットである。図53にその回路構成図、表6にそのタイムテーブルを示す。
CRCジェネレータ回路は8ビットのシフトレジスタ2,3,4ビットの入力端子に排他ORが設けられ、一方は前段出力、他方は、7ビット出力と入力データの排他ORの出力信号に接続された構成である。
以上の回路構成によりCRCチェックコードが生成できる。
表6は、入力データとクロック信号による各ビット状態変化の様子を表したものである。
最終データはI/Oデータの後に、Txレジスタに転送される。
次に、表7にスケジュールカウンタとともに、通信ICの管理を行うステータスレジスタのビット内容を示す。
バスビジーフラグは、通信バス上にデータがあるとき、オン状態になる。
受信要求フラグは、受信データの受信アドレスデータが自分のアドレスと一致したときオン状態になる。送信要求フラグは、入力データが変化するか、送信要求データが受信されたときオン状態になる。
受信ビジーフラグはデータを受信中のときオン状態になる。
送信ビジーフラグは送信中のときオン状態になる。
受信エラーフラグは受信したデータのCRCチェックがNGのときオン状態となる。
送信エラーフラグは送信を開始したが通信バス上に優先順位が高い他の通信ICが同時に通信を開始したときにオン状態となる。
スリープフラグは、スリープ開始データを受信したときにオン状態となり、クロックを停止する。
表8には図43に示す数種類の送受信されるデータフォーマットを区別するデータIDの例である。
以上が送信に関する回路の動作である。
次に、受信に関する回路について説明する。図54に受信に関する回路構成、図55にそのタイムチャートを示す。
受信も送信同様スケジュールカウンタにより管理される。
受信可能なとき(RXEがオン)のとき、受信開始信号が入力されるとスケジュールカウンタ,VPWデコーダがリセットされる。
通信バス上の信号がVPWデコーダによりSOF信号であると判定されると、ビットカウンタ,バイトカウンタが作動する。
VPWデコーダは、VPW変調されたデータ信号の“1”,“0”信号の判定が行う。
この判定によって得られたデータは、受信アドレスチェッカ,CRCチェッカおよび
Rxレジスタに入力される。
Rxレジスタに入力される。
受信データの受信アドレスデータが自分のデータであると、Rxレジスタに入力されたデータは1バイト単位でI/Oレジスタに転送される。
このときの、ビット判定はVPWデータによって行う。また、バイト判定はバイトカウンタによって行われる。
I/Oデータが終了するとCRCチェッカによりデータチェックが行われ、OKのときはI/Oレジスタの値はI/Oポートに転送される。
エラーが生じたときは、I/Oポートに転送されず、ステータスレジスタの受信エラーフラグをオンにする。
図55は以上の様子を表したタイムチャートである。
図56に、VPWデコーダの回路構成、図57にそのタイムチャートを示す。
受信データはDタイプのフリップフロップにクロックφ2を入力する。
排他ORにその入力と出力の入力して受信データの変化を捉え、ビットクロックとする。このビットクロックでリセットし、クロックφ2で計数するバイナリカウンタによりデータのパルス幅を計測する。
この計測したパルス幅とステージカウンタの信号により、SOF,データ,EOD,
IFSを判定する。
IFSを判定する。
データの“1”,“0”判定は、パルス幅の変化がないときは、前の“1”,“0”データを反転させ、変化があったときはデータの値を変更しない。
初期値は初期データの“1”,“0”レベルとする。
表9に電圧レベルとパルス幅を2値に分類したときの真理値表を示す。
図58にCRCチェッカの回路構成、表10にそのタイムテーブルを示す。
CRCチェッカの回路構成はCRCジェネレータにOK判定AND付加されている。
判定出力はCRCデータも含めた最終データが16進値でC4であるとOKである。
図59,図60に通信ICのクロック信号を発生するクロックジェネレータの回路構成とタイムチャートを示す。
2端子の振動子をインバータの入出力に接続して、発振させ波形整形を行った後に、位相の異なるクロック信号,φ1,φ2を出力する。
また、ステージレジスタのスリープフラグ出力で発振の停止,起動を行う。
前述した各電源供給モジュールの入出力制御の具体例を以下に更に詳しく従来技術と比較しながら説明する。
図61に、本発明の電源ネットワークを適用した車両におけるエンジン及び駆動系制御コントローラーPCM(基本的には前述したRCMと同一構成であるが、入力と出力が実例に従って具体的に記載されているので、新たな符号を付して説明する。)のシステム構成図を示す。コントロールモジュール1000は、エンジン及び駆動系(本例では自動変速機)の制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。エアフローセンサ1001は、エンジンの吸入空気流量を測定し、電気信号に変換して出力する。水温センサ1002はエンジン冷却水温を検出し、電気信号に変換して出力する。O2 センサ1003は、排気ガス内の酸素濃度を検出し、電気信号に変換して出力する。ノックセンサ1005は、エンジンのノッキング状態を検出し、電気信号に変換して出力する。排気温度センサ1006は、排気ガス浄化用触媒の温度を検出し、電気信号に変換して出力する。AT油温センサ1007は、AT
(Automatic Transmission;自動変速機)の制御油の温度を検出し、電気信号に変換して出力する。クランク角センサ1008は、クランク角を検出し、例えば1度毎のパルス信号を出力する。車速センサ1008Aは車輪の回転に対応したパルス信号を出力する。パワステスイッチ1009は、パワーステアリングが駆動された場合の油圧の上昇を検出する。本スイッチは、アイドリング時にパワーステアリングが使用された場合に、エンジンアイドル回転数を増加させるために設けられている。シフトインヒビタスイッチ1010は、ATのシフトコントロールレバーの位置に応じて設けられたスイッチであり、シフトポジションを検出する。点火装置1011は、エンジンの点火プラグおよび点火コイルからなり、PCM1000 の指令に基づいて点火プラグに点火する。インジェクタ1012は、
PCM1000 の指令に基づいて燃料を噴射する燃料噴射弁である。ATソレノイドバルブ1013は、PCM1000 の指令に基づいてATの作動油圧を制御し、変速制御を行う。クーリングファン1014は、ラジエターの冷却ファンであり、PCM1000 の指令に基づいて動作する。エアコンコンプレッサ1016は、エアコンの動作状態とエンジンの加速状態に応じて、PCM1000 の指令に基づいて動作が制御される。電源線1015は本発明の電源ネットワークの一部であり、FIM1420 からPCM自身の電源及び前述の負荷群1011から1014への電源を供給している。多重通信線1017は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
(Automatic Transmission;自動変速機)の制御油の温度を検出し、電気信号に変換して出力する。クランク角センサ1008は、クランク角を検出し、例えば1度毎のパルス信号を出力する。車速センサ1008Aは車輪の回転に対応したパルス信号を出力する。パワステスイッチ1009は、パワーステアリングが駆動された場合の油圧の上昇を検出する。本スイッチは、アイドリング時にパワーステアリングが使用された場合に、エンジンアイドル回転数を増加させるために設けられている。シフトインヒビタスイッチ1010は、ATのシフトコントロールレバーの位置に応じて設けられたスイッチであり、シフトポジションを検出する。点火装置1011は、エンジンの点火プラグおよび点火コイルからなり、PCM1000 の指令に基づいて点火プラグに点火する。インジェクタ1012は、
PCM1000 の指令に基づいて燃料を噴射する燃料噴射弁である。ATソレノイドバルブ1013は、PCM1000 の指令に基づいてATの作動油圧を制御し、変速制御を行う。クーリングファン1014は、ラジエターの冷却ファンであり、PCM1000 の指令に基づいて動作する。エアコンコンプレッサ1016は、エアコンの動作状態とエンジンの加速状態に応じて、PCM1000 の指令に基づいて動作が制御される。電源線1015は本発明の電源ネットワークの一部であり、FIM1420 からPCM自身の電源及び前述の負荷群1011から1014への電源を供給している。多重通信線1017は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
図62に、PCM1000 の内部構成の詳細説明図を示す。前述のセンサ群1001から1007はアナログ入力信号であり、これらはアナログ入力インターフェース1020に入力され、CPU (Central Processing Unit;中央制御処理装置)で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。前述のスイッチ1009,1010およびクランク角センサ1008の出力信号はディジタル信号群であり、これらはディジタル入力インターフェース1021でもってCPU1024 で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。CPU1024 では、前述のアナログ信号をA/D変換器でディジタル信号に変換し、CPU内部に取り込む。同様に、前述のディジタル信号群をディジタル入力インターフェースを介して、ディジタル入力ポートからCPU内部に取り込む。FIMから供給される電源は、各負荷の上流側に供給されるもの、PCM内の通信IC1025用の定電圧電源1026に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1028を介して定電圧電源1027,ディジタル入力インターフェース1021,出力インターフェース1022に供給されるものの3種類が存在する。定電圧電源1026は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、FIMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。本回路は三端子レギュレータ等で簡単に構成できる。定電圧電源1027は、CPU1024 およびアナログ入力インターフェース1020へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1028は通信ICによって直接制御されており、接地型負荷(本実施例ではエアコンコンプレッサ1016がこれに相当する)の異常時に電源を遮断するために設置される。その具体構成は図11で説明した通りである。通信IC1025は、通信ICインターフェース1023を介して多重通信線1017に接続されている。また、通信IC1025はCPU1024に接続され、多重通信線1017を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1025の機能及び通信ICインターフェース1023の詳細説明は前述の通りであり、ここでは省略する。CPU1024内にはROM(Read Only Memory)および
RAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはPCMの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
RAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはPCMの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
本実施例の場合、PCMの負荷としてインジェクタ1012(ソレノイド負荷),点火装置1011(コイル負荷),ATソレノイド1013(ソレノイド負荷),クーリングファンモータ1014(モータ負荷),エアコンコンプレッサクラッチ(ソレノイド負荷)を仮定しており、出力インターフェース1022とCPU1024 との間の信号は前述の各負荷の駆動信号と状態検出信号とがあるが、その詳細を次に説明する。
図63に出力インターフェース1022の詳細構成を示す。本図は電源接続型負荷用駆動回路であり、本実施例ではインジェクタ1012,点火装置1011,ATソレノイド1013,クーリングファンモータ1014にこの駆動回路が適用される。負荷1033はNチャネル型FET(ローサイドドライバ)1032のドレインに接続される。CPU1024 によって制御される駆動信号1030はFET1032 のゲートに接続され、駆動信号のON・OFFに応じて負荷の制御を行う。状態検出信号1031は、負荷1033が接続されているドレインの電圧をモニタしている。負荷駆動信号状態に応じた状態検出信号は、下表のようになる(表中、VBはバッテリ電圧、VDSはFETのドレイン−ソース間電圧、RLは負荷の直流抵抗(r≫RLとする)を示す)。
本表から、負荷駆動状態に応じた状態検出信号の組み合わせにより、故障状態が検出できる。
図64は、同様に出力インターフェース1022の詳細構成を示している。本図は接地型負荷用駆動回路であり、本実施例ではエアコンコンプレッサクラッチ1016がこれに相当する。負荷1035は、Pチャネル型FET(ハイサイドドライバ)1034のソースに接続される。CPU1024 によって制御される駆動信号1030はFET1034 のゲートに接続され、駆動信号のON・OFFに応じて負荷の制御を行う。状態検出信号1031は、負荷1033が接続されているソースの電圧をモニタしている。負荷駆動信号状態に応じた状態検出信号は、下表のようになる(表中、VBはバッテリ電圧、VDSはFETのドレイン−ソース間電圧を示す)。
同様に、本表から負荷駆動状態に応じた状態検出信号の組み合わせにより、故障状態が検出できる。
図65にディジタル入力インターフェースの一例を示す。スイッチ1036がオフの場合、ツェナーダイオード1037で電圧がクリップされ、入力信号1038はハイになる。スイッチ1036がオンの場合、入力信号1038はローとなる。本図中のコンデンサCは、ノイズ除去用に設けられているものである。これらの入力信号がCPU1024 に取り込まれる。
図66に、前述のIPM1060 におけるPCM関連の負荷の配備状況を示す。IPMはインストルメントパネル関連の制御用であるため、運転者周辺のスイッチ類や警告灯類が配備されている。デフォッガスイッチ1043,OD(Over Drive)スイッチ1044がPCM関連の入力信号となる。リアデフォッガが投入されたときにエンジンアイドル回転数を増加させるため、IPMからBCM経由でPCMにデフォッガスイッチの状態が転送される。ODスイッチ1044は自動変速機のオーバードライブの投入,解除に用いられるため、同様にPCMにその状態が転送される。排気温度警告灯1049,エンジン警告灯1050,ODオフランプ1051はメーターパネル内に組み込まれており、各々PCMからBCMを介してIPMに駆動データが転送される。
図67に、前述のRIM1070 におけるPCM関連の負荷の配備状況を示す。本実施例では、通常燃料タンクに内蔵されておりPCMから最も遠い場所に位置するフュエルポンプ
1048がRIM1070 によって制御される。フュエルポンプ1048の制御信号は、PCMからBCMを介してRIMに送られる。
1048がRIM1070 によって制御される。フュエルポンプ1048の制御信号は、PCMからBCMを介してRIMに送られる。
図68にPCMシステム構成の従来例を示し、本発明による配線削減効果を示す。イグニッションスイッチ信号はBCMで取り込まれて多重通信で送信されるため、スタータスイッチ1041およびイグニッションスイッチ1047関連の配線が削減できる。PCMはFIMから電源を供給されており、FIMでPCMの過電流状態を監視しているため、上流のヒューズ1045及び1046が削減できる。同時に、バッテリから車室内のヒューズボックスを経由してPCMに電源線を配線する必要がなくなり、その分の配線が削減できる。バッテリバックアップ用の電源線は、後述するようにPCMの電源遮断時にバックアップに必要なデータを多重通信によってBCMへ転送することにより、不要となる。排気温度警告灯1049,エンジン警告灯1050,ODオフランプ1051,デフォッガスイッチ1043,ODスイッチ1044は、前述のようにIPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要がなくなり配線が削減できる。エアコンスイッチ1042の信号は、後述するエアコンコントロールユニットからPCMへ多重通信で転送されるので、同様に配線が削減できる。エンジン回転パルス信号1052は
PCMで作成されて多重通信によって他のコントロールユニットに送信される。車速パルス信号は後述するABSコントロールユニットで作成されて多重通信によって他のコントロールユニットに送信される。自己診断1053も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
PCMで作成されて多重通信によって他のコントロールユニットに送信される。車速パルス信号は後述するABSコントロールユニットで作成されて多重通信によって他のコントロールユニットに送信される。自己診断1053も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
図69に本発明のPCMの基本制御フローを示す。FIMによる電源投入後、リセット状態1090から処理が開始する。リセット後は、初期化処理1091に進み、システム全体の初期化を行う。次にエンジン制御処理1092へ進み、各種センサの入力情報を元に燃料噴射,点火などのエンジン制御を行う。次にAT制御処理1093へ進み、同様に各種センサの入力信号を元に変速制御を行う。次に自己診断処理1094へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理1095へ進み、PCMから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。判断処理1096では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理1097へ進み、キーオン状態ならばエンジン制御処理1092へ進む。終了処理1097では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態1098へ進み、FIMによる電源遮断に備える。
図70に、アナログ信号入力処理フローを示す。本処理は、タイマ割り込みによって起動し、順にエアフローセンサ出力値読込処理1101,水温センサ出力値読込処理1102,O2 センサ出力値読込処理1103,スロットルセンサ出力値読込処理1104,ノックセンサ出力値読込処理1105,排気温度センサ出力値読込処理1106,AT油温センサ出力値読込処理1107を行い、割り込み処理から復帰する。
図71にエンジン回転数計測処理フローを示す。本処理もタイマ割り込みによって起動する。クランク角センサパルス数計測処理1111では、前回の割り込み処理から今回の割り込み処理までのクランク角センサパルス数を計測する。エンジン回転数計算処理では、タイマ割り込み周期と前述のパルス数からエンジンの回転数を計算し、処理1113で割り込みから復帰する。
図72に、前述の基本制御フロー中の初期化処理1091の詳細を示す。プロセッサ初期化処理1121では、CPUの初期化処理を行う。バックアップデータ送信要求処理
1122では、BCMでバックアップしているバックアップデータの転送要求を送信する。これは、前述のようにPCM送信データの動作OKビットをセットして送信することにより行われる。判断処理1123では、転送された初期値データの内容を判断する。BCM自身がバックアップに失敗して保存データが破壊してしまった場合や、BCM動作不良によるバックアップデータ転送不能など、バックアップデータが正常でない場合は処理1125へ進み、PCM内のROMデータを初期値として採用する。転送データが正常な場合は、処理1124でバックアップデータを読込む。データ設定終了後は終了状態1126へ進み、初期化が終了する。
1122では、BCMでバックアップしているバックアップデータの転送要求を送信する。これは、前述のようにPCM送信データの動作OKビットをセットして送信することにより行われる。判断処理1123では、転送された初期値データの内容を判断する。BCM自身がバックアップに失敗して保存データが破壊してしまった場合や、BCM動作不良によるバックアップデータ転送不能など、バックアップデータが正常でない場合は処理1125へ進み、PCM内のROMデータを初期値として採用する。転送データが正常な場合は、処理1124でバックアップデータを読込む。データ設定終了後は終了状態1126へ進み、初期化が終了する。
図73に、前述の基本制御フロー中のエンジン制御処理1092の詳細を示す。処理
1131では、エアフローセンサで計測したデータを基に吸入空気量を計算する。処理
1133では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数と吸入空気量とを用いて、燃料噴射量を算出し、インジェクタの噴射パルス幅を計算する。処理1134では、計算されたパルス幅に基づいてインジェクタを駆動する。処理1135では、インジェクタの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1136では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合インジェクタを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理1137では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数やノックセンサ信号などのデータを用いて、点火時期を計算する。処理1138では、計算された点火時期に基づいて点火コイルに通電(駆動)する。処理1139では、点火コイルの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理
(L)11310では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合点火コイルを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理
11311では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数や水温センサ信号などのデータを用いて、クーリングファンモータ駆動モードを計算する。処理11312では、計算された駆動モードに基づいてモータを駆動する。処理11313では、クーリングファンモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)11314では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合クーリングファンモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理11315 では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数などのデータを用いて、フュエルポンプ駆動モードを計算する。処理11316では、計算された駆動モードに基づいてポンプ(モータ)を駆動する。処理11317では、フュエルポンプモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)11318では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合フュエルポンプモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理11319では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数や水温センサ信号,エアコンコントロールユニットから転送されたエアコンスイッチの状態などのデータを用いて、エアコンコンプレッサクラッチ駆動モードを計算する。処理11320では、計算された駆動モードに基づいてコンプレッサクラッチを駆動する。処理11321では、コンプレッサクラッチの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表12に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(H)11322では、前述の監視結果に基づき、ハイサイド駆動素子によるローサイド負荷(この場合コンプレッサクラッチを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。判断処理11323では、エンジンの異常状態を検出し、異常と判断された場合、フェールセーフ処理11324へ進み、正常な場合は排気温度異常判定処理11326へ進む。フェールセーフ処理11324では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、エンジン警告灯点灯指令処理11325へ進む。エンジン警告灯点灯指令処理11325では、PCMからBCMへの転送データのうちの異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。排気温度異常判定処理11326では、排気温度センサ信号に基づいて排気温度が過度に上昇しているかどうかを判断する。排気温度が設定値よりも上昇している場合は排気温度異常と判断され、フェールセーフ処理11327へ進み、正常な場合は、エンジン制御処理を終了するため終了状態11329へ進む。フェールセーフ処理11327では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、排気温度警告灯点灯指令処理11328へ進む。排気温度警告灯点灯指令処理11328では、PCMからBCMへの転送データのうちの排気温度異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。
1131では、エアフローセンサで計測したデータを基に吸入空気量を計算する。処理
1133では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数と吸入空気量とを用いて、燃料噴射量を算出し、インジェクタの噴射パルス幅を計算する。処理1134では、計算されたパルス幅に基づいてインジェクタを駆動する。処理1135では、インジェクタの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1136では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合インジェクタを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理1137では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数やノックセンサ信号などのデータを用いて、点火時期を計算する。処理1138では、計算された点火時期に基づいて点火コイルに通電(駆動)する。処理1139では、点火コイルの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理
(L)11310では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合点火コイルを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理
11311では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数や水温センサ信号などのデータを用いて、クーリングファンモータ駆動モードを計算する。処理11312では、計算された駆動モードに基づいてモータを駆動する。処理11313では、クーリングファンモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)11314では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合クーリングファンモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理11315 では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数などのデータを用いて、フュエルポンプ駆動モードを計算する。処理11316では、計算された駆動モードに基づいてポンプ(モータ)を駆動する。処理11317では、フュエルポンプモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表11に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)11318では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合フュエルポンプモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理11319では、前述のエンジン回転数計算処理で計算された回転数や水温センサ信号,エアコンコントロールユニットから転送されたエアコンスイッチの状態などのデータを用いて、エアコンコンプレッサクラッチ駆動モードを計算する。処理11320では、計算された駆動モードに基づいてコンプレッサクラッチを駆動する。処理11321では、コンプレッサクラッチの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表12に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(H)11322では、前述の監視結果に基づき、ハイサイド駆動素子によるローサイド負荷(この場合コンプレッサクラッチを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。判断処理11323では、エンジンの異常状態を検出し、異常と判断された場合、フェールセーフ処理11324へ進み、正常な場合は排気温度異常判定処理11326へ進む。フェールセーフ処理11324では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、エンジン警告灯点灯指令処理11325へ進む。エンジン警告灯点灯指令処理11325では、PCMからBCMへの転送データのうちの異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。排気温度異常判定処理11326では、排気温度センサ信号に基づいて排気温度が過度に上昇しているかどうかを判断する。排気温度が設定値よりも上昇している場合は排気温度異常と判断され、フェールセーフ処理11327へ進み、正常な場合は、エンジン制御処理を終了するため終了状態11329へ進む。フェールセーフ処理11327では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、排気温度警告灯点灯指令処理11328へ進む。排気温度警告灯点灯指令処理11328では、PCMからBCMへの転送データのうちの排気温度異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。
図74に、前述の基本制御フロー中のAT制御処理1093の詳細を示す。処理1140では、スロットルセンサ信号からアクセル開度を読み込む。処理1142では、シフトインヒビタスイッチ信号から変速機のギア位置を読み込む。処理1143では、ABSコントロールユニットから転送された車速信号を読み込む。判断処理1144では、オーバードライブスイッチが解除されているかどうかを判断する。解除されている場合は処理1145へ進み、ODが設定されている場合は処理1146へ進む。OD解除ランプ点灯指令処理
1145では、PCMからBCMへの転送データのうちのOD解除ビットを立てて解除ランプ点灯指令を行う。処理1146では、エンジン回転数,スロットル開度などからATのギア位置を設定し、対応したソレノイドの駆動モードを計算する。処理1147では、計算された駆動モードに基づいてATソレノイドを駆動する。処理1148では、ATソレノイドの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1149では、前述の監視結果に基づき、ハイサイド駆動素子によるローサイド負荷(この場合ATソレノイドを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行い、終了状態11410へ進む。
1145では、PCMからBCMへの転送データのうちのOD解除ビットを立てて解除ランプ点灯指令を行う。処理1146では、エンジン回転数,スロットル開度などからATのギア位置を設定し、対応したソレノイドの駆動モードを計算する。処理1147では、計算された駆動モードに基づいてATソレノイドを駆動する。処理1148では、ATソレノイドの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1149では、前述の監視結果に基づき、ハイサイド駆動素子によるローサイド負荷(この場合ATソレノイドを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行い、終了状態11410へ進む。
図75に、前述の電源遮断処理(L)1136の詳細を示す。負荷天絡(バッテリショート)判断処理1151または負荷短絡判断処理で負荷状態が天絡または短絡と判断された場合、出力段駆動素子に常時電圧がかかり続ける状態のため、処理1157において負荷の常時遮断(オフ)を選択する。負荷開放判断処理1153または駆動素子オープン故障(常時負荷遮断状態と同じ)判断処理1154において負荷開放または駆動素子オープン状態と判断された場合、負荷駆動不能状態のため処理1158において警報を発生させる。負荷地絡(グランドショート)判断処理1155または駆動素子ショート故障判断処理1156において負荷地絡または駆動素子ショート故障と判断された場合、負荷が常時通電状態となりPCM側での負荷制御が不能となるため、処理1159において遮断指令を発生させ、PCM上流のFIMにおけるPCM電源遮断を要請する。
図76に、前述の電源遮断処理(H)11322の詳細を示す。負荷地絡判断処理1161または負荷短絡判断処理で負荷状態が天絡または短絡と判断された場合、出力段駆動素子に常時電圧がかかり続ける状態のため、処理1167において負荷の常時遮断(オフ)を選択する。負荷開放判断処理1163または駆動素子オープン故障(常時負荷遮断状態と同じ)判断処理1164において負荷開放または駆動素子オープン状態と判断された場合、負荷駆動不能状態のため処理1168において警報を発生させる。負荷天絡判断処理
1165または駆動素子ショート故障判断処理1166において負荷天絡または駆動素子ショート故障と判断された場合、負荷が常時通電状態となりPCM側での負荷制御が不能となるため、処理1169において遮断指令を発生させ、PCM上流のFIMにおける
PCM電源遮断を要請する。
1165または駆動素子ショート故障判断処理1166において負荷天絡または駆動素子ショート故障と判断された場合、負荷が常時通電状態となりPCM側での負荷制御が不能となるため、処理1169において遮断指令を発生させ、PCM上流のFIMにおける
PCM電源遮断を要請する。
図77に、前述の基本制御フロー中の送信データ書込処理1095の詳細を示す。処理1171では、各コントロールユニットに個別にデータを送信するため、通信ICの送信モードを物理アドレスに指定する。送信先の判断は判断処理1172,11710,
11714で行われる。送信先がBCMの場合、処理1173へ進む。送信先がエアコンコントロールユニットの場合、処理11711へ進む。送信先がABSコントロールユニットの場合、処理11715へ進む。処理1173では、送信先アドレスをBCMに設定する。処理1174ではOD解除灯信号を、処理1175ではエンジン警告灯を、処理
1176では排気温度警告灯を、処理1177ではメーターパネル内のシフトポジションランプを、処理1178ではフュエルポンプを、処理1179ではPCM自身の電源遮断指令のデータまたはビットをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。処理11711では、送信先アドレスをエアコンに設定する。処理11712ではエアコンカット信号を、処理11713では水温データをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。処理11715では、送信先アドレスをABSに設定する。処理11716ではエンジン回転数データを設定し、通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
11714で行われる。送信先がBCMの場合、処理1173へ進む。送信先がエアコンコントロールユニットの場合、処理11711へ進む。送信先がABSコントロールユニットの場合、処理11715へ進む。処理1173では、送信先アドレスをBCMに設定する。処理1174ではOD解除灯信号を、処理1175ではエンジン警告灯を、処理
1176では排気温度警告灯を、処理1177ではメーターパネル内のシフトポジションランプを、処理1178ではフュエルポンプを、処理1179ではPCM自身の電源遮断指令のデータまたはビットをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。処理11711では、送信先アドレスをエアコンに設定する。処理11712ではエアコンカット信号を、処理11713では水温データをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。処理11715では、送信先アドレスをABSに設定する。処理11716ではエンジン回転数データを設定し、通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
図78に、前述の基本制御フロー中の終了処理1097の詳細を示す。処理1181では、送信モードを物理アドレス送信モードに設定する。処理1182では、送信先アドレスをBCMに設定する。処理1184でバックアップデータが全て送信完了と判断されるまで処理1183でバックアップ用データをBCMへ送信する。全バックアップデータの送信完了後、処理1185へ進みPCM自身の電源遮断許可信号ビットを立てて送信し、終了処理を終了する。
図79に、多重通信データ受信処理フローを示す。通信ICのデータ受信時にCPUに外部割り込みが発生する構成となっているため、状態1190で外部割り込みにより本処理が起動される。判断処理1191では、受信データが同報通信かまたは個別通信かを判断する。同報通信の場合、判断処理1192,11910,11912において送信先がBCMか、ABSか、またはSDMかを判断する。送信先がBCMの場合、処理1193でイグニッションキースイッチ位置情報を、処理1194でライトスイッチ位置情報を、処理1195でブレーキランプスイッチ情報を、処理1196でパーキングブレーキスイッチ情報を、処理1197でODスイッチ情報を、処理1198でリアデフォッガスイッチ情報を通信ICからそれぞれ読み込む。送信先がABSの場合、処理11911で車速を読み込む。送信先がSDMの場合、処理11931で衝突検出信号を読み込む。個別通信の場合、判断処理1199および11915において送信先がエアコンか自己診断装置かを判断する。送信先がエアコンの場合、処理11914でコンプレッサオフ信号を読み込む。送信先が自己診断装置の場合、処理11916で診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
図80に、本発明の電源ネットワークを適用した車両におけるエアバッグモジュール
(以下SDM)のシステム構成図を示す。コントロールモジュール1200は、衝突時のエアバッグ制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。セーフィングセンサ1201はエアバッグ作動時の二重系センサである。Gセンサ1202は衝突のGを検出し、電気信号に変換して出力する。コネクタロック検出センサ1203は、コネクタの結合状態を検出する。運転席インフレータ1204,助手席インフレータ1205は、CPUが衝突を検出して、内部で爆発を起こさせて膨張するバッグである。電源線1207は本発明の電源ネットワークの一部であり、BCM1221 からSDM自身の電源及び前述の負荷群1204,1205への電源を供給している。多重通信線1206は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
(以下SDM)のシステム構成図を示す。コントロールモジュール1200は、衝突時のエアバッグ制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。セーフィングセンサ1201はエアバッグ作動時の二重系センサである。Gセンサ1202は衝突のGを検出し、電気信号に変換して出力する。コネクタロック検出センサ1203は、コネクタの結合状態を検出する。運転席インフレータ1204,助手席インフレータ1205は、CPUが衝突を検出して、内部で爆発を起こさせて膨張するバッグである。電源線1207は本発明の電源ネットワークの一部であり、BCM1221 からSDM自身の電源及び前述の負荷群1204,1205への電源を供給している。多重通信線1206は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
図81に、SDMモジュール1200の内部構成の詳細説明図を示す。Gセンサ群1202はアナログ入力信号であり、アナログ入力インターフェース1210に入力され、CPU(Central Processing Unit;中央制御処理装置)で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。CPU1214 では、前述のアナログ信号をA/D変換器でディジタル信号に変換し、CPU内部に取り込む。BCMから供給される電源は、SDM内の通信IC1216用の定電圧電源1215に供給されるもの、および電源遮断スイッチ」1218を介して定電圧電源1215,出力インターフェース1213に供給されるものが存在する。定電圧電源1217は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、BCMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。本回路は三端子レギュレータ等で簡単に構成できる。定電圧電源1215は、CPU1214 およびアナログ入力インターフェース1210へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1218は通信ICによって直接制御されており、接地型負荷の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1216は、通信ICインターフェース1212を介して多重通信線1206に接続されている。また、通信IC1216はCPU1214 に接続され、多重通信線1206を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1216の機能及び通信ICインターフェース1212の詳細説明はここでは省略する。CPU1214 内にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはSDMの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。出力インターフェース1213のうちのエアバッグ駆動回路は、エアコンコントロールユニットにおけるドアモータ駆動回路と基本的に同一のため、詳細説明は省略する。
図82に、前述のBCM1221およびIPM1060におけるSDM関連の負荷の配備状況を示す。本実施例では、BCMはSDMへの電源供給を行っている。イグニッションスイッチ1047
がSDM関連の入力信号となる。エアバッグ警告灯1220はメーターパネル内に組み込まれており、各々SDMからBCMを介してIPMに駆動データが転送される。
がSDM関連の入力信号となる。エアバッグ警告灯1220はメーターパネル内に組み込まれており、各々SDMからBCMを介してIPMに駆動データが転送される。
図83にSDMシステム構成の従来例を示し、本発明による配線削減効果を示す。イグニッションスイッチ信号はBCMで取り込まれて多重通信で送信されるため、イグニッションスイッチ1047関連の配線が削減できる。SDMはBCMから電源を供給されており、BCMでSDMの過電流状態を監視しているため、上流のヒューズ1221,1222が削減できる。同時に、バッテリから車室内のヒューズボックスを経由してSDMに電源線を配線する必要がなくなり、その分の配線が削減できる。バッテリバックアップ用の電源線は、後述するようにSDMの電源遮断時にバックアップに必要なデータを多重通信によってBCMへ転送することにより、不要となる。エアバッグ警告灯1220は、前述のようにIPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要がなくなり配線が削減できる。自己診断1230も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
図84に本発明のSDMの基本制御フローを示す。BCMによる電源投入後、リセット状態1240から処理が開始する。リセット後は、初期化処理1241に進み、システム全体の初期化を行う。次にエアバッグ制御処理1242へ進み、各種センサの入力情報を元にインフレータ制御を行う。次に自己診断処理1243へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理1244へ進み、SDMから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。判断処理1255では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理1256へ進み、キーオン状態ならばブレーキ制御処理1252へ進む。終了処理1256では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態1257へ進み、BCMによる電源遮断に備える。前述の基本制御フロー中の初期化処理1251及び終了処理1256は前述のPCM制御におけるそれらと同一のため、詳細説明は省略する。
図85に、前述の基本制御フロー中のエアバッグ制御処理1242の詳細を示す。判断処理1251では、SDMに異常箇所があるか否かを判断する。異常箇所がある場合は処理1257へ進みフェールセーフ処理を行う。フェールセーフ処理1257では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、エアバッグ警告灯点灯指令処理1258へ進む。エアバッグ警告灯点灯指令処理1258では、SDMからBCMへの転送データのうちの異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。異常箇所がない場合には処理1252へ進む。処理1252では、Gセンサ出力から車両の衝突状態を計算する。判断処理1253では、車両が衝突したか否かを判断する。衝突と判断された場合、処理1254へ進みスクイブを起動してバッグを膨張させる。処理1255では、駆動信号と出力状態信号をモニタし、後述(エアコンコントロールユニットの項)の表3に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理1256では、前述の監視結果に基づき、負荷の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。
図86に、前述の基本制御フロー中の送信データ書込処理1244の詳細を示す。判断処理1261では、送信データモードを選択する。同報通信の場合は、処理1265へ進み送信データに機能アドレスを設定する。個別通信の場合は、処理1262へ進み物理アドレスを設定する。処理1265では、各コントロールユニットに同時に衝突検出データを送信するため、通信ICの送信モードを機能アドレスに指定する。処理1266では、衝突情報を通信ICに設定する。処理1263では送信先アドレスをBCMに設定する。処理1264では、エアバッグ警告灯の設定を通信ICに書き込む。処理1267では
SDM自身の電源遮断指令ビットを設定し通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
SDM自身の電源遮断指令ビットを設定し通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
図87に、多重通信データ受信処理フローを示す。通信ICのデータ受信時にCPUに外部割り込みが発生し、その割り込みにより本処理が起動される。判断処理1181では、受信データが同報通信データか否かを判断する。同報通信の場合は、処理1183へ進み、イグニッションキースイッチ位置情報を読み込み、処理1184では、ストップランプスイッチ状態を読み込む。同報通信でない場合は、判断処理1182へ進む。送信先が自己診断装置の場合、処理1185で診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
図88に、本発明の電源ネットワークを適用した車両におけるエアコンコントロールユニットのシステム構成図を示す。コントロールユニット1300は、エアコンの制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。外気温センサ1301は、車室外の温度を測定し、電気信号に変換して出力する。内気温センサ1302は車室内温度を測定し、電気信号に変換して出力する。日射センサ1303は、日射量を測定し、電気信号に変換して出力する。エアミックスドア開度センサ1304は、温風と冷風をミックスするエアミックスドア開度をアナログ値で検出して出力する。設定温度入力13011は、希望設定室温をアナログ値で出力する。モードドア位置スイッチ1305は、吹き出し口のモード設定を行うドアの位置を検出する。インテークドア位置スイッチ1306は、吹き出し空気の取り入れ口選択ドアの位置を検出する。オートスイッチ1307は、エアコンの動作モードをオートまたはマニュアルに設定するスイッチである。エアコンスイッチ1308は、コンプレッサの動作ON・OFFを選択するスイッチである。モードスイッチ1309は、吹き出し口を選択するスイッチである。ファンスイッチ13010は、マニュアル操作時のファン風量を選択するスイッチである。インテークドアアクチュエータ13012は、空気取り入れ口選択フラップを駆動するモータであり、正逆両方向に回転する。エアミックスドアアクチュエータ13013は、エアミックスドアを駆動するモータであり、正逆両方向に回転する。モードドアアクチュエータ13014は、モードドアを駆動するモータであり、正逆両方向に回転する。ブロアファンモータ13015は、吹き出し風量を制御するモータである。電源線13016は本発明の電源ネットワークの一部であり、FIM1420 からエアコンコントロールユニット自身の電源及び前述の負荷群13012から13015への電源を供給している。多重通信線13017は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
図89に、エアコンコントロールユニット1300の内部構成の詳細説明図を示す。前述のセンサ群1301,1302,1303,1304,13011はアナログ入力信号であり、これらはアナログ入力インターフェース1310に入力され、CPU(Central
Processing Unit;中央制御処理装置)1314で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。前述のスイッチ1305から13010の出力信号はディジタル信号群であり、これらはディジタル入力インターフェース1311でもってCPU1314で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。CPU1314 では、前述のアナログ信号をA/D変換器でディジタル信号に変換し、CPU内部に取り込む。同様に、前述のディジタル信号群をディジタル入力インターフェースを介して、ディジタル入力ポートからCPU内部に取り込む。FIMから供給される電源は、各負荷の上流側に供給されるもの、エアコンコントロールユニット内の通信IC1315用の定電圧電源1317に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1318を介して定電圧電源1316,ディジタル入力インターフェース1311,出力インターフェース1313に供給されるものの三種類が存在する。定電圧電源1317は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、FIMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。本回路は三端子レギュレータ等で簡単に構成できる。定電圧電源1316は、CPU1314 およびアナログ入力インターフェース1310へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1318は通信ICによって直接制御されており、モータ負荷(インテークドアアクチュエータ13012,エアミックスドアアクチュエータ13013,モードドアアクチュエータ13014)の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1315は、通信ICインターフェース1312を介して多重通信線13017に接続されている。また、通信IC1315はCPU1314 に接続され、多重通信線13017を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1315の機能及び通信ICインターフェース1312の構成は前述と同様故詳細説明はここでは省略する。CPU1314 内にはROM (Read Only Memory) および
RAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはエアコンコントロールユニットの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
Processing Unit;中央制御処理装置)1314で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。前述のスイッチ1305から13010の出力信号はディジタル信号群であり、これらはディジタル入力インターフェース1311でもってCPU1314で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。CPU1314 では、前述のアナログ信号をA/D変換器でディジタル信号に変換し、CPU内部に取り込む。同様に、前述のディジタル信号群をディジタル入力インターフェースを介して、ディジタル入力ポートからCPU内部に取り込む。FIMから供給される電源は、各負荷の上流側に供給されるもの、エアコンコントロールユニット内の通信IC1315用の定電圧電源1317に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1318を介して定電圧電源1316,ディジタル入力インターフェース1311,出力インターフェース1313に供給されるものの三種類が存在する。定電圧電源1317は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、FIMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。本回路は三端子レギュレータ等で簡単に構成できる。定電圧電源1316は、CPU1314 およびアナログ入力インターフェース1310へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1318は通信ICによって直接制御されており、モータ負荷(インテークドアアクチュエータ13012,エアミックスドアアクチュエータ13013,モードドアアクチュエータ13014)の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1315は、通信ICインターフェース1312を介して多重通信線13017に接続されている。また、通信IC1315はCPU1314 に接続され、多重通信線13017を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1315の機能及び通信ICインターフェース1312の構成は前述と同様故詳細説明はここでは省略する。CPU1314 内にはROM (Read Only Memory) および
RAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはエアコンコントロールユニットの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
図90に出力インターフェース1313の詳細構成を示す。負荷13012は、二組のNチャネル型FET(ローサイドドライバ)1322,1323とPチャネル型FET
(ハイサイドドライバ)1320,1321で構成されるHブリッジに接続される。
CPU1314 によって制御される駆動信号1324,1325および1326は、抵抗R,rおよびトランジスタ13210,13211,13212,13213,13214,
13215によりレベル変換され、それぞれのFETのゲートを駆動する。状態検出信号1328,1329は、負荷13012の両端の電圧をモニタしている。負荷駆動信号状態に応じた状態検出信号は、下表のようになる(表中、VBはバッテリ電圧、VDSHはPチャンネルFETのドレイン−ソース間電圧,VDSLはNチャンネルFETのドレイン−ソース間電圧、RLは負荷の直流抵抗、Zは状態検出信号のレベル固定用抵抗値を示す)。
(ハイサイドドライバ)1320,1321で構成されるHブリッジに接続される。
CPU1314 によって制御される駆動信号1324,1325および1326は、抵抗R,rおよびトランジスタ13210,13211,13212,13213,13214,
13215によりレベル変換され、それぞれのFETのゲートを駆動する。状態検出信号1328,1329は、負荷13012の両端の電圧をモニタしている。負荷駆動信号状態に応じた状態検出信号は、下表のようになる(表中、VBはバッテリ電圧、VDSHはPチャンネルFETのドレイン−ソース間電圧,VDSLはNチャンネルFETのドレイン−ソース間電圧、RLは負荷の直流抵抗、Zは状態検出信号のレベル固定用抵抗値を示す)。
本表から、負荷駆動状態に応じた状態検出信号の組み合わせにより、故障状態が検出できる。
ディジタル入力インターフェースは図65で説明したものと同一であるので図65を用いて説明する。スイッチ1336がオフの場合、ツェナーダイオード1337で電圧がクリップされ、入力信号1338はハイになる。スイッチ1336がオンの場合、入力信号1338はローとなる。本図中のコンデンサCは、ノイズ除去用に設けられているものである。これらの入力信号がCPU1314 に取り込まれる。
図91に、前述のIPM1330 におけるエアコンコントロールユニット関連の負荷の配備状況を示す。IPMはインストルメントパネル関連の制御用であるため、運転者周辺のスイッチ類や警告灯類が配備されている。ヘッドライトスイッチ1331,イグニッションスイッチ1333がエアコンコントロールユニット関連の入力信号となる。ヘッドライトが投入されたときにエアコンパネルの照明を点灯させるため、IPMからBCM経由でエアコンコントロールユニットにヘッドライトスイッチの状態が転送される。
図92にエアコンコントロールユニットシステム構成の従来例を示し、本発明による配線削減効果を示す。イグニッションスイッチ信号はBCMで取り込まれて多重通信で送信されるため、イグニッションスイッチ1333関連の配線が削減できる。エアコンコントロールユニットはBCMから電源を供給されており、BCMでエアコンコントロールユニットの過電流状態を監視しているため、上流のヒューズ1340から1342が削減できる。同時に、バッテリから車室内のヒューズボックスを経由してエアコンコントロールユニットに電源線を配線する必要が無くなり、その分の配線が削減できる。バッテリバックアップ用の電源線1343は、後述するようにエアコンコントロールユニットの電源遮断時にバックアップに必要なデータを多重通信によってBCMへ転送することにより、不要となる。水温センサ1002およびコンプレッサクラッチ1344はPCMの入出力機器となっているため、多重通信によりPCMを介してエアコンコントロールユニットが制御可能となり、配線削減が可能となる。ヘッドライトスイッチ1331は、前述のように
IPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要が無くなり配線が削減できる。自己診断1353も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
IPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要が無くなり配線が削減できる。自己診断1353も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
図93に本発明のエアコンコントロールユニットの基本制御フローを示す。BCMによる電源投入後、リセット状態1350から処理が開始する。リセット後は、初期化処理
1351に進み、システム全体の初期化を行う。次にエアコン制御処理1352へ進み、各種センサの入力情報を元にドア,モータの制御を行う。次に自己診断処理1353へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理
1354へ進み、エアコンコントロールユニットから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。本実施例では、エアコンコントロールユニットがBCM故障時のバックアップ用コントロールユニットとして動作するため、判断処理1355でBCMのACK(アクノリッジ信号)が帰ってきたかどうかを判断する。BCMのACK信号が帰ってこない場合はBCM故障と判断されるため、処理1356へ進み、BCMバックアップ処理を行う。処理1356のBCMバックアップ処理では、BCMに接続されている入力機器の状態は予め定められた値に固定するとともに、BCMがコントロールしているFIM,RIMなどのコントロールユニットの制御を代行する。尚、本実施例ではBCM故障時の代行処理をエアコンコントロールユニットのみが行っているが、これに限らずCPUを有する他のコントロールユニットが代行処理を専任もしくは分担して行うことももちろん可能である。判断処理1357では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理1358へ進み、キーオン状態ならばエアコン制御処理1352へ進む。終了処理1358では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態1359へ進み、BCMによる電源遮断に備える。
1351に進み、システム全体の初期化を行う。次にエアコン制御処理1352へ進み、各種センサの入力情報を元にドア,モータの制御を行う。次に自己診断処理1353へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理
1354へ進み、エアコンコントロールユニットから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。本実施例では、エアコンコントロールユニットがBCM故障時のバックアップ用コントロールユニットとして動作するため、判断処理1355でBCMのACK(アクノリッジ信号)が帰ってきたかどうかを判断する。BCMのACK信号が帰ってこない場合はBCM故障と判断されるため、処理1356へ進み、BCMバックアップ処理を行う。処理1356のBCMバックアップ処理では、BCMに接続されている入力機器の状態は予め定められた値に固定するとともに、BCMがコントロールしているFIM,RIMなどのコントロールユニットの制御を代行する。尚、本実施例ではBCM故障時の代行処理をエアコンコントロールユニットのみが行っているが、これに限らずCPUを有する他のコントロールユニットが代行処理を専任もしくは分担して行うことももちろん可能である。判断処理1357では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理1358へ進み、キーオン状態ならばエアコン制御処理1352へ進む。終了処理1358では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態1359へ進み、BCMによる電源遮断に備える。
図94に、アナログ信号入力処理フローを示す。本処理は、タイマ割り込みによって起動し、順に日射センサ出力値読込処理1161,内気温センサ出力値読込処理1162,外気温センサ出力値読込処理1163,エアミックスドア開度センサ出力値読込処理1164,割り込み処理から復帰する。
図95に、前述の基本制御フロー中のエアコン制御処理1352の詳細を示す。判断処理1370では、エアコンがオートモードか否かを判断する。オートモードの場合は、処理1379へ進み、マニュアルモードの場合は処理1371へ進む。処理1379では、希望設定温度を読み込む。処理13710では、現在の内気温を読み込む。判断処理
13711では、設定温度と現在の内気温との温度差があるか否かを判断する。温度差がある場合は、処理1371へ進み温度調節を行う。温度差がない場合は、処理1375へ進む。処理1371では、予め定められたロジックに基づいてエアミックスドアの開度を設定する。同様に、処理1372ではインテークドアの位置を、処理1373ではモードドアの位置を、処理1374ではブロアモータの風量をそれぞれ設定する。判断処理1375では、エアコンスイッチがオフ状態か否かを判断し、オフ状態の場合は処理1376へ進みコンプレッサオフ信号を設定する。判断処理1377では、エアコンシステムの異常を判断し、異常がある場合には処理1378においてフェールセーフ処理を行う。
13711では、設定温度と現在の内気温との温度差があるか否かを判断する。温度差がある場合は、処理1371へ進み温度調節を行う。温度差がない場合は、処理1375へ進む。処理1371では、予め定められたロジックに基づいてエアミックスドアの開度を設定する。同様に、処理1372ではインテークドアの位置を、処理1373ではモードドアの位置を、処理1374ではブロアモータの風量をそれぞれ設定する。判断処理1375では、エアコンスイッチがオフ状態か否かを判断し、オフ状態の場合は処理1376へ進みコンプレッサオフ信号を設定する。判断処理1377では、エアコンシステムの異常を判断し、異常がある場合には処理1378においてフェールセーフ処理を行う。
図96に前述の各ドア開度設定処理の詳細を示す。処理1381では、予め定められたロジックに基づきドア開度を計算する。処理1382では計算された開度に基づいてドアモータを駆動する。処理1383では、ドアモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表3に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理1384では、前述の監視結果に基づき、素子の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。
図97に前述のブロアファン風量設定処理の詳細を示す。処理1391では、予め定められたロジックに基づきブロア風量を計算する。処理1392では計算された風量に基づいてブロアモータを駆動する。処理1393では、ブロアモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1(PCM制御と同一)に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理1394では、前述の監視結果に基づき、素子の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。本処理は、基本的にPCMでの負荷駆動処理と同一である。
図98に、前述の電源遮断処理1384の詳細を示す。
負荷開放判断処理13102または1個の駆動素子オープン故障(常時負荷遮断状態と同じ)判断処理13103において負荷開放または1個の駆動素子オープン状態と判断された場合、負荷駆動不能状態のため処理131011において警報を発生させる。判断処理13104で負荷状態が天絡と判断された場合、判断処理13105で負荷状態が地絡と判断された場合、判断処理13106で負荷状態が短絡と判断された場合、判断処理
13107で2個以上の駆動素子がオープン故障と判断された場合、判断処理13108で1個の駆動素子がショート故障と判断された場合、出力段駆動素子に常時電圧がかかり続ける状態のため、処理131012において負荷の常時遮断(オフ)を選択する。2個以上の駆動素子ショート故障判断処理13109において2個以上の駆動素子ショート故障と判断された場合、負荷が常時通電状態となりエアコンコントロールユニット側での負荷制御が不能となるため、処理131010において遮断指令を発生させ、エアコンコントロールユニット上流のBCMにおけるエアコンコントロールユニット電源遮断を要請する。
13107で2個以上の駆動素子がオープン故障と判断された場合、判断処理13108で1個の駆動素子がショート故障と判断された場合、出力段駆動素子に常時電圧がかかり続ける状態のため、処理131012において負荷の常時遮断(オフ)を選択する。2個以上の駆動素子ショート故障判断処理13109において2個以上の駆動素子ショート故障と判断された場合、負荷が常時通電状態となりエアコンコントロールユニット側での負荷制御が不能となるため、処理131010において遮断指令を発生させ、エアコンコントロールユニット上流のBCMにおけるエアコンコントロールユニット電源遮断を要請する。
図99に、前述の基本制御フロー中の送信データ書込処理1354の詳細を示す。処理13111では、各コントロールユニットに個別にデータを送信するため、通信ICの送信モードを物理アドレスに指定する。判断処理13112で送信先がPCMと判断された場合、処理13113へ進む。処理13113では、送信先アドレスをPCMに設定し、コンプレッサオフ信号を設定し、通信ICに書き込む。判断処理13114で送信先が
BCMと判断された場合、処理13115へ進む。処理13115では、前述のBCMバックアップ確認用にBCMへ動作確認信号を送信する。処理13116では、終了時の電源遮断のため、BCMへ電源遮断信号を送信する。
BCMと判断された場合、処理13115へ進む。処理13115では、前述のBCMバックアップ確認用にBCMへ動作確認信号を送信する。処理13116では、終了時の電源遮断のため、BCMへ電源遮断信号を送信する。
図100に、多重通信データ受信処理フローを示す。通信ICのデータ受信時にCPUに外部割り込みが発生する構成となっているため、状態1190で外部割り込みにより本処理が起動される。判断処理13121では、送信先がBCMか否かを判断する。送信先がBCMの場合、処理13122でイグニッションキースイッチ位置情報を、処理13123でヘッドライトスイッチ位置情報を通信ICからそれぞれ読み込む。判断処理13124では、送信先がPCMか否かを判断する。送信先がPCMの場合、処理13125でエアコンカット信号を、処理13126で水温データ信号をそれぞれ読み込む。判断処理
13127では、送信先がPCMか否かを判断する。送信先が自己診断装置の場合、処理13128で診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
13127では、送信先がPCMか否かを判断する。送信先が自己診断装置の場合、処理13128で診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
図101に、本発明の電源ネットワークを適用した車両におけるAntilock Brake
System(以下ABS)のシステム構成図を示す。コントロールモジュール1400は、制動時のブレーキロック制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。右前車輪速センサ1401,左前車輪速センサ1402,右後車輪速センサ1403,左後車輪速センサ1404は、各車輪の回転速度を検出し、パルス信号にてコントロールモジュール1400へ出力する。ABSモータ1405は、ABS制御時に蓄圧したブレーキ液の増圧を行う。ABSソレノイド
1406,1407,1408は、それぞれ右前輪,左前輪及び後輪のブレーキ液圧制御バルブのコントロールを行う。電源線1409は本発明の電源ネットワークの一部であり、FIM1420 からABS自身の電源及び前述の負荷群1405から1408への電源を供給している。多重通信線1410は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
System(以下ABS)のシステム構成図を示す。コントロールモジュール1400は、制動時のブレーキロック制御に必要な各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則り各種アクチュエータの駆動信号を出力する。右前車輪速センサ1401,左前車輪速センサ1402,右後車輪速センサ1403,左後車輪速センサ1404は、各車輪の回転速度を検出し、パルス信号にてコントロールモジュール1400へ出力する。ABSモータ1405は、ABS制御時に蓄圧したブレーキ液の増圧を行う。ABSソレノイド
1406,1407,1408は、それぞれ右前輪,左前輪及び後輪のブレーキ液圧制御バルブのコントロールを行う。電源線1409は本発明の電源ネットワークの一部であり、FIM1420 からABS自身の電源及び前述の負荷群1405から1408への電源を供給している。多重通信線1410は同じく電源ネットワークの一部であり、BCM1221 などの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
図102に、ABSモジュール1400の内部構成の詳細説明図を示す。前述のセンサ群1401から1404はアナログ入力信号であり、これらはアナログ入力インターフェース1410に入力され、CPU(Central Processing Unit;中央制御処理装置)で処理しやすい信号レベル(例えばフルスケール5V)に変換される。CPU1413 では、前述のアナログ信号をA/D変換器でディジタル信号に変換し、CPU内部に取り込む。FIMから供給される電源は、各負荷の上流側に供給されるもの、ABS内の通信IC1414用の定電圧電源1416に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1417を介して定電圧電源1415,出力インターフェース1411に供給されるものの三種類が存在する。定電圧電源1416は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、FIMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。本回路は三端子レギュレータ等で簡単に構成できる。定電圧電源1415は、CPU1413 およびアナログ入力インターフェース1410へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1417は通信ICによって直接制御されており、接地型負荷の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1414は、通信ICインターフェース1412を介して多重通信線14010に接続されている。また、通信IC1414はCPU1413 に接続され、多重通信線14010を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1414の機能及び通信ICインターフェース1412の詳細説明はここでは割愛する。CPU1413内にはROM(Read Only Memory) およびRAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはABSの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
本実施例の場合、ABSの負荷としてABSソレノイド1406,1407,1408(ソレノイド負荷),ABSモータ1014(モータ負荷)を仮定しており、出力インターフェース1411とCPU1413 との間の信号は前述の各負荷の駆動信号と状態検出信号とがあるが、その詳細はPCMにおいて説明してあるので、ここでは省略する。
図103に、前述のFIM1420 におけるABS関連の負荷の配備状況を示す。本実施例では、FIMはABSへの電源供給を行っている。
図104に、前述のIPM1430 におけるABS関連の負荷の配備状況を示す。イグニッションスイッチ1431,ストップランプスイッチ1432がABS関連の入力信号となる。ABS警告灯1433はメーターパネル内に組み込まれており、各々ABSからBCMを介してIPMに駆動データが転送される。
図105にABSシステム構成の従来例を示し、本発明による配線削減効果を示す。イグニッションスイッチ信号はBCMで取り込まれて多重通信で送信されるため、イグニッションスイッチ1431関連の配線が削減できる。ABSはFIMから電源を供給されており、FIMでABSの過電流状態を監視しているため、上流のヒューズ1442,1443,1444および1446が削減できる。同時に、バッテリから車室内のヒューズボックスを経由してABSに電源線を配線する必要が無くなり、その分の配線が削減できる。バッテリバックアップ用の電源線は、後述するようにABSの電源遮断時にバックアップに必要なデータを多重通信によってBCMへ転送することにより、不要となる。出力インターフェースの駆動素子でABSモータリレー1445,ABSアクチュエータリレー1447の代替を行うため、それらが廃止できる。ABS警告灯1433,ストップランプスイッチ1432は、前述のようにIPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要が無くなり配線が削減できる。車速パルス信号1440は通常はトランスミッションに取り付けられた車速センサにより出力されるが、本発明ではABSコントロールモジュールで作成されて多重通信によって他のコントロールユニットに送信されるため、関連の配線,センサが不要となる。自己診断1441も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
図106に本発明のABSの基本制御フローを示す。FIMによる電源投入後、リセット状態1450から処理が開始する。リセット後は、初期化処理1451に進み、システム全体の初期化を行う。次にブレーキ制御処理1452へ進み、各種センサの入力情報を元にブレーキ液圧制御を行う。次に自己診断処理1453へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理1454へ進み、ABSから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。判断処理1455では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理1456へ進み、キーオン状態ならばブレーキ制御処理1452へ進む。終了処理1456では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態1457へ進み、FIMによる電源遮断に備える。前述の基本制御フロー中の初期化処理1451及び終了処理1456は前述のPCM制御におけるそれらと同一のため、詳細説明は割愛する。
図107に、車輪回転速度計算処理フローを示す。本処理はタイマ割り込みによって起動する。車輪速センサパルス数計測処理1461では、前回の割り込み処理から今回の割り込み処理までの車輪速センサパルス数を計測する。車輪回転速度計算処理では、タイマ割り込み周期と前述のパルス数から車輪回転数を計算し、回転速度を計算する。処理1463では、得られた4輪分の車輪速度から疑似車体速度を計算し、これを車速とする。処理
1464で割り込みから復帰する。
1464で割り込みから復帰する。
図108に、前述の基本制御フロー中のブレーキ制御処理1452の詳細を示す。判断処理1471では、ABSに異常箇所があるか否かを判断する。異常箇所がある場合は処理14711へ進みフェールセーフ処理を行う。フェールセーフ処理14711では、故障モードに応じて予め定められたフェールセーフ処理を実行し、ABS警告灯点灯指令処理14712へ進む。ABS警告灯点灯指令処理14712では、ABSからBCMへの転送データのうちの異常発生ビットを立てて警告灯点灯指令を行う。異常箇所がない場合には処理1472へ進む。処理1472では、4輪車輪速と車体速度から各輪のスリップ率を計算する。
処理1473では、前述の計算スリップ率を一定に制御するため、ABSソレノイド駆動モードを計算する。処理1474では、計算されたソレノイド駆動モードに基づいて
ABSソレノイドを駆動する。処理1475では、ソレノイド駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1476では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合ABSソレノイドを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理1477では、前述の車輪速度などのデータを用いて、ABSモータ駆動モードを計算する。処理1478では、計算されたモータ駆動モードに基づいてモータに通電(駆動)する。処理1479では、ABSモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)14710では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合ABSモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。
ABSソレノイドを駆動する。処理1475では、ソレノイド駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)1476では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合ABSソレノイドを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。処理1477では、前述の車輪速度などのデータを用いて、ABSモータ駆動モードを計算する。処理1478では、計算されたモータ駆動モードに基づいてモータに通電(駆動)する。処理1479では、ABSモータの駆動信号と出力状態信号をモニタし、前掲の表1に基づいて負荷及び出力インターフェース中の駆動素子の状態を監視する。電源遮断処理(L)14710では、前述の監視結果に基づき、ローサイド駆動素子によるハイサイド負荷(この場合ABSモータを示す)の故障診断とそれに付随する遮断処理を行う。
図109に、前述の基本制御フロー中の送信データ書込処理1408の詳細を示す。処理1481では、各コントロールユニットに同時に車速データを送信するため、通信ICの送信モードを機能アドレスに指定する。処理1482では、送信用車速データを通信
ICに設定する。処理1483ではABS警告灯の設定を通信ICに書き込む。処理1484ではABS自身の電源遮断指令ビットをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
ICに設定する。処理1483ではABS警告灯の設定を通信ICに書き込む。処理1484ではABS自身の電源遮断指令ビットをそれぞれ設定し、通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
図110に、多重通信データ受信処理フローを示す。通信ICのデータ受信時にCPUに外部割り込みが発生する構成となっているため、状態1490で外部割り込みにより本処理が起動される。判断処理1491では、受信データが同報通信データか否かを判断する。同報通信の場合は、処理1493へ進み、イグニッションキースイッチ位置情報を読み込み、処理1494では、ストップランプスイッチ状態を読み込む。同報通信でない場合は、判断処理1492へ進む。送信先が自己診断装置の場合、処理1496で診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
図111に、本発明の電源ネットワークを適用した車両におけるナビゲーションシステム(以下ナビ)のシステム構成図を示す。ナビユニット1500は、各種センサ信号を入力し、予め定められた制御方式に則りTV画像もしくは自己位置をディスプレーに表示する。TVチューナ1502は、TVアンテナ1501で受信した電波を再生してナビユニット1500に出力する。GPS受信機1504は、GPSアンテナ1503で受信した電波を復調して自己位置を計算し、結果をナビユニット1500に出力する。ジャイロセンサ1505は、車体の回転角速度を検出してナビユニット1500に出力する。CD−ROMユニット1506は、ナビユニットからの指令に基づいてCD−ROMに格納された地図データを出力する。ディスプレー1508は、前述のTV画像またはナビゲーション時の地図を表示する。操作スイッチ1507は、ナビシステムの動作モードなどを選択する。電源線1509は本発明の電源ネットワークの一部であり、BCMからナビ自身の電源及び前述の負荷1508への電源を供給している。多重通信線15010は同じく電源ネットワークの一部であり、BCMなどの制御ユニット群間の通信を行うためにある。
図112に、ナビモジュール1500の内部構成の詳細説明図を示す。TVチューナからの信号はチューナインターフェース1510を通して出力インターフェース1512へ送られる。操作スイッチ1507からの入力信号は、ディジタル入力インターフェース
1511によってCPUで処理しやすいレベルに変換されてCPU1へ取り込まれる。
CPU21514では、GPS受信機1504とジャイロセンサ1505のデータから現在位置を計算し、CPU1へ転送する。CPU11513では、CPU2からの自己位置データをもとに、CD−ROM1506 内に格納されている地図データを検索して、対応する地図情報を出力インターフェース1512へ出力する。出力インターフェース1512では、CPU2の制御信号に基づいてTVチューナ画像または地図画像をディスプレーに出力する。BCMから供給される電源は、ナビ内の通信IC1516用の定電圧電源1518に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1519を介して定電圧電源1517,入力インターフェース1511,出力インターフェース1512に供給されるものが存在する。定電圧電源1518は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、BCMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。定電圧電源1517は、CPU1およびCPU2へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1519は通信ICによって直接制御されており、接地型負荷の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1516は、通信ICインターフェース1515を介して多重通信線15010に接続されている。また、通信IC1516はCPU11513に接続され、多重通信線15010を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1516の機能及び通信ICインターフェース1515の詳細説明はここでは省略する。
CPU11513内にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはナビの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
1511によってCPUで処理しやすいレベルに変換されてCPU1へ取り込まれる。
CPU21514では、GPS受信機1504とジャイロセンサ1505のデータから現在位置を計算し、CPU1へ転送する。CPU11513では、CPU2からの自己位置データをもとに、CD−ROM1506 内に格納されている地図データを検索して、対応する地図情報を出力インターフェース1512へ出力する。出力インターフェース1512では、CPU2の制御信号に基づいてTVチューナ画像または地図画像をディスプレーに出力する。BCMから供給される電源は、ナビ内の通信IC1516用の定電圧電源1518に供給されるもの、および電源遮断スイッチ1519を介して定電圧電源1517,入力インターフェース1511,出力インターフェース1512に供給されるものが存在する。定電圧電源1518は、通信IC専用の定電圧電源発生回路であり、BCMからの電源供給が遮断されない限り常時通電されている。定電圧電源1517は、CPU1およびCPU2へ電源を供給する。電源遮断スイッチ1519は通信ICによって直接制御されており、接地型負荷の異常時に電源を遮断するために設置される。通信IC1516は、通信ICインターフェース1515を介して多重通信線15010に接続されている。また、通信IC1516はCPU11513に接続され、多重通信線15010を介して電源ネットワークに必要なデータの送受信を行う。通信IC1516の機能及び通信ICインターフェース1515の詳細説明はここでは省略する。
CPU11513内にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が備わっており、ROMにはナビの制御ソフトウエアおよび初期定数が格納されている。
図113(A)に、前述のIPM1520 におけるナビ関連の負荷の配備状況を示す。イグニッションスイッチ1521,パーキングブレーキスイッチ1522がナビ関連の入力信号となる。各々ナビからBCMを介してIPMに駆動データが転送される。
図113(B)に、前述のBCM1530 におけるナビ関連の負荷の配備状況を示す。本実施例では、BCMはナビへの電源供給を行っている。
図114にナビシステム構成の従来例を示し、本発明による配線削減効果を示す。イグニッションスイッチ信号はBCMで取り込まれて多重通信で送信されるため、イグニッションスイッチ1522関連の配線が削減できる。ナビはBCMから電源を供給されており、BCMでナビの過電流状態を監視しているため、上流のヒューズ1542,1543が削減できる。同時に、バッテリから車室内のヒューズボックスを経由してナビに電源線を配線する必要が無くなり、その分の配線が削減できる。バッテリバックアップ用の電源線は、後述するようにナビの電源遮断時にバックアップに必要なデータを多重通信によってBCMへ転送することにより、不要となる。パーキングブレーキスイッチ1522は、前述のようにIPMを通じて多重通信によって信号が転送されるため、個別に配線する必要が無くなり配線が削減できる。車速パルス信号1540は、ABSによって作成されて多重通信で送信され、自己診断1530も多重通信によって実行されるため、同様にこれらの配線が削減できる。
図115にCPU1における本発明のナビの基本制御フローを示す。BCMによる電源投入後、リセット状態1550から処理が開始する。リセット後は、初期化処理1551に進み、システム全体の初期化を行う。次に処理1552へ進みGPS信号とジャイロ信号によって計算された現在位置を処理しやすいデータに変換する。処理1553では、現在位置に対応した地図データをCD−ROMから読み込む。判断処理1554では、操作スイッチで表示がTVかナビかを選択する。TVの場合、処理1555へ進みTV画像を表示する。ナビの場合、処理1556へ進み地図を表示する。次に自己診断処理1557へ進み、システム内のセンサ,アクチュエータの自己診断を行う。次に送信データ書込処理1558へ進み、ナビから他のコントロールユニットへ送信するデータを通信ICに書き込む。判断処理1559では、イグニッションキーオフ状態かどうかを判断し、キーオフ状態ならば終了処理15510へ進み、キーオン状態ならば処理1552へ進む。終了処理15510では、バックアップデータの転送処理を行う。データ転送が終了すると終了状態15511へ進み、BCMによる電源遮断に備える。前述の基本制御フロー中の初期化処理1551及び終了処理15510は前述のPCM制御におけるそれらと同一のため、詳細説明は割愛する。
図116に、前述の基本制御フロー中の送信データ書込処理1558の詳細を示す。
処理1561では、物理アドレスを設定し、処理1562では送信先アドレスをBCMに設定する。処理1563ではナビ自身の電源遮断指令ビットを設定し通信ICに書き込む。データを書き込んだ後は、通信ICが指定された送信先へデータ送信処理を行う。
図117に、多重通信データ受信処理フローを示す。通信ICのデータ受信時にCPUに外部割り込みが発生し、その割り込みにより本処理が起動される。判断処理1571,1574および1576では、受信データの送信元を判断する。送信元がBCMの場合、処理1572へ進む。送信元がABSの場合、処理1574へ進む。送信元が自己診断装置の場合、処理1577へ進む。
処理1572では、イグニッションキースイッチ位置情報を読み込み、処理1573ではパーキングブレーキスイッチ状態を読み込む。また、処理1575では、車速信号データを読み込む。処理1577では診断処理コマンドを読み込み、メインルーチン内の自己診断処理において対応した自己診断処理を行う。
以上のように、本発明にかかる電力供給装置及びその方法、それに用いる半導体回路装置あるいは集約配線装置は、特に自動車用の実施例を説明したが、基本的な技術は自動車に限らず、電源から遠くはなれた多数の電気負荷を有する例えば電車,飛行機,船舶等他の乗物にも広く適用できる。
本発明は特に自動車の特定の負荷の制御に用いる電力供給制御システムと統合できる新しい集約配線装置として好適である。
3…バッテリ、4…ヒュージブルリンク、10…パワートレインコントロールモジュール(PCM)、11…アンチブレーキングシステム(ABS)コントロールモジュール、12,36…通信線、13,38,41,44…電源線、14…ボディコントロールモジュール、15…ナビゲーションコントロールモジュール、16…エアコンディショナーコントロールユニット(A/C)、25…エアバックコントロールモジュール(SDM)、30…ビーコンコントロールモジュール、53,66,130…電源切換供給回路、69,76,101,108,119,135…電源回路。
Claims (6)
- A.衝突センサの出力に応じてエアバック用インフレータを駆動するエアバックコントローラ、
B.エアバックシステムの作業状態をインストルメントパネルに表示する表示コントローラ、
C.エアバックコントローラと表示コントローラを接続する通信線、
D.上記通信線を介して前記エアバックコントローラからエアバック作動信号を前記表示コントローラへ送信する通信制御装置、
とを有する自動車の集約配線装置。 - A.衝突センサの出力に応じてエアバック用インフレータを駆動するエアバックコントローラ、
B.エアバックシステムの作動状態をインストルメントパネルに表示する表示コントローラ、
C.エアバックコントローラと表示コントローラを接続する通信線、
D.上記通信線を介して前記エアバックコントローラからエアバック作動信号と前記表示コントローラへ送信する通信制御装置、
とを有し、且つ、
E.上記エアバックコントローラは前記通信制御装置から電力の供給を受ける様に構成されている
ことを特徴とする自動車の集約配線装置。 - A.イグニッションスイッチの作動を検知して、通信線を介して他の制御ユニットへ送信する通信制御装置、
B.衝突センサの出力に応じてエアバック用インフレータを駆動するものであって、前記通信制御装置からのイグニッションスイッチ作動信号を受けてエアバックを作動可能にスタンバイするエアバックコントローラ、
C.前記エアバックコントローラの電源遮断時にバックアップに必要なデータを、前記通信制御装置に転送するデータ保護装置、
とから成る自動車の集約配線装置。 - A.ヘッドライトの点灯を検出してエアコンコントロールユニットの表示パネルに点灯するものであって、
B.ヘッドライトの点灯を検出するヘッドライト点灯検出ユニットと、
C.エアコンの表示パネルを制御するパネルコントロールユニットと、
D.前記ヘッドライト点灯検出ユニットとパネルコントロールユニットとの間を通信線で接続し、該通信線を介して前記ヘッドライト点灯情報を前記表示パネルコントロールユニットに送信する通信制御装置と、
から成る自動車の集約配線装置。 - A.エアコンスイッチのON・OFFに応じて冷凍サイクルのコンプレッサを駆動したり停止したりするものにおいて、
B.前記エアコンスイッチのON・OFF状態を検出するエアコンコントロールユニットと、
C.前記コンプレッサを駆動・停止するコンプレッサ制御ユニットと、
D.前記エアコンコントロールユニットと前記コンプレッサ制御ユニットとの間を通信可能に接続する通信線と、
E.この通信線を介して前記エアコンコントロールユニットから前記コンプレッサ制御ユニットにエアコンスイッチの制御情報を送信する通信制御装置と、
を有する自動車の集約配線装置。 - A.バッテリに接続された第1の電源供給装置と、
B.この第1の電源供給装置に直列に接続された第2の電源供給装置と、
C.エアコンスイッチのON・OFFを検出して表示パネルに表示するエアコン表示パネルコントロールユニットと、
D.エアコンスイッチのON・OFF情報を受信してエアコン用コンプレッサの駆動・停止を制御するコンプレッサ制御ユニットと、
E.前記エアコン表示パネルコントロールユニットとコンプレッサ制御ユニットとを通信線で接続してエアコンスイッチ情報を送信する通信制御装置と、
を有し、且つ、
F.前記エアコン表示パネルコントロールユニットは前記第1の電源供給装置から電力の供給を受ける様に構成され、
G.前記コンプレッサ制御ユニットは前記第2の電源供給装置から電力の供給を受ける様構成された、
ことを特徴とする自動車の集約配線装置。
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JP2011020523A (ja) * | 2009-07-14 | 2011-02-03 | Autonetworks Technologies Ltd | 車両の電源供給方法及び車両用電源機器 |
JP2013220764A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用電子制御装置 |
CN107264448A (zh) * | 2017-06-12 | 2017-10-20 | 大陆汽车车身电子系统(芜湖)有限公司 | 与应用系统联动的仪表以及联动的仪表与应用系统 |
-
2005
- 2005-12-05 JP JP2005351219A patent/JP2006131222A/ja active Pending
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